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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】容器供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/08 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
B65G1/08 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021113844
(22)【出願日】2021-07-08
(65)【公開番号】P2023010048
(43)【公開日】2023-01-20
【審査請求日】2023-11-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519020616
【氏名又は名称】TechMagic株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207066
【弁理士】
【氏名又は名称】米山 毅
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高田 俊之
(72)【発明者】
【氏名】稲井 俊介
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-034813(JP,A)
【文献】国際公開第2020/166463(WO,A1)
【文献】特開平04-049494(JP,A)
【文献】特開平06-298351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/08
B65G 47/88
B67D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器が保管される容器保管庫から供給位置に前記容器を供給する容器供給装置であって、
前記容器保管庫の前記容器の送出口に対向する送出位置に前記容器を移送する移送機構と、該移送機構によって前記送出位置に移送された前記容器を前記送出口を通して前記供給位置に向けて順次送り出す送出機構とを備え、
前記移送機構が、
前記容器が列方向に移動自在に配置されると共に、前記列方向に交差する行方向に並べて配置された1個以上の容器載置レーン部と、
前記容器載置レーン部を前記行方向に移動して前記容器載置レーン部に載置された前記送出口側の前記容器を前記送出位置に移送させるレーン移送部と、
を有し、
前記容器載置レーン部に、前記容器が列方向に移動自在に一列に並べて配置されることを特徴とする容器供給装置。
【請求項2】
前記移送機構が、前記レーン移送部によって前記行方向に移動されるレーン載置トレー部を有し、
前記レーン載置トレー部には、前記容器載置レーン部が前記送出口側を下り傾斜させて載置されることを特徴とする請求項1に記載の容器供給装置。
【請求項3】
前記送出機構が、上面視にて前記行方向に突出されたストッパー部を有し、
前記ストッパー部が、前記レーン移送部による前記容器載置レーン部の前記行方向への移動によって、前記送出口側の容器と該容器の後方に隣り合う容器との間に分け入れ自在に設けられることを特徴とする請求項2に記載の容器供給装置。
【請求項4】
前記ストッパー部が、上面視にて先端部が前記行方向に対して前記送出口側に向かう湾曲状をなしていることを特徴とする請求項3に記載の容器供給装置。
【請求項5】
前記送出機構が、前記ストッパー部の前記行方向先端位置より後方位置に、前記列方向に移動自在な当接部材を有し、
前記当接部材が前記容器に当接して前記送出口に押し出すことを特徴とする請求項3又は4に記載の容器供給装置。
【請求項6】
前記容器載置レーン部に配置された前記容器を検出する容器検出部と、
前記容器検出部の検出信号に応じて前記レーン移送部の移送アクチュエータを制御するコントローラと、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の容器供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を供給する容器供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店における従業員不足等の背景から、飲食店ではサービスの工程を自動化したいという要請がある。このような要請に応じて、飲食店で料理や飲料の提供を自動化するシステムが提案されてきている。
【0003】
例えば、特許文献1には、顧客の注文を受け付ける手段と飲料を調製して容器に注ぐ手段と容器に注がれた飲料を顧客に提供する手段とを備える飲料自動提供システムが記載されている。
【0004】
上述した飲料自動提供システムは、飲料用の容器を所定の温度となるように貯蔵する容器貯蔵器を備え、顧客からの注文に応じてこの容器貯蔵器から取り出された容器に飲料を注いで提供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-117314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の飲料自動提供システムでは、容器貯蔵器が螺旋状の容器搬送経路に沿って容器を保管する構造となっており、容器搬送経路の最下部に設けられた容器取出口から器が順次取り出されるものである。しかしながら、容器貯蔵器が螺旋状の構造であるため、収容効率が低く、しかも、容器を容器貯蔵器に収容するためには容器搬送経路の最上部に設けられた容器投入口から容器を一つずつ投入しなければならないため、容器を補充する際の作業効率が低いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、容器の収容効率を高めると共に、容器を収容する作業効率を向上し、かつ、容器を簡単に順次取り出すことができる容器供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成できる。すなわち、本発明の第1の態様の容器供給装置は、容器が保管される容器保管庫から供給位置に前記容器を供給する容器供給装置であって、前記容器保管庫の前記容器の送出口に対向する送出位置に前記容器を移送する移送機構と、該移送機構によって前記送出位置に移送された前記容器を前記送出口を通して前記供給位置に向けて順次送り出す送出機構とを備え、前記移送機構が、前記容器が列方向に移動自在に配置されると共に、前記列方向に交差する行方向に並べて配置された1個以上の容器載置レーン部と、前記容器載置レーン部を前記行方向に移動して前記容器載置レーン部に載置された前記送出口側の前記容器を前記送出位置に移送させるレーン移送部と、を有し、前記容器載置レーン部に、前記容器が列方向に移動自在に一列に並べて配置されることを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の態様の容器供給装置は、第1の態様の容器供給装置において、前記移送機構が、前記レーン移送部によって前記行方向に移動されるレーン載置トレー部を有し、前記レーン載置トレー部には、前記容器載置レーン部が前記送出口側を下り傾斜させて載置されることを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の態様の容器供給装置は、第2の態様の容器供給装置において、前記送出機構が、上面視にて前記行方向に突出されたストッパー部を有し、前記ストッパー部が、前記レーン移送部による前記容器載置レーン部の前記行方向への移動によって、前記送出口側の容器と該容器の後方に隣り合う容器との間に分け入れ自在に設けられることを特徴とする。
【0011】
本発明の第4の態様の容器供給装置は、第3の態様の容器供給装置において、前記ストッパー部が、上面視にて先端部が前記行方向に対して前記送出口側に向かう湾曲状をなしていることを特徴とする。
【0012】
本発明の第5の態様の容器供給装置は、第3又は4の態様の容器供給装置において、前記送出機構が、前記ストッパー部の前記行方向先端位置より後方位置に、前記列方向に移動自在な当接部材を有し、前記当接部材が前記容器に当接して前記送出口に押し出すことを特徴とする。
【0013】
本発明の第の態様の容器供給装置は、第1乃至のいずれかの態様の容器供給装置において、前記容器載置レーン部に配置された前記容器を検出する容器検出部と、前記容器検出部の検出信号に応じて前記レーン移送部の移送アクチュエータを制御するコントローラと、をさらに備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の態様によれば、容器が保管される容器保管庫から供給位置に前記容器を供給する容器供給装置であって、この容器保管庫の容器の送出口に対向する送出位置に容器を移送する移送機構と、この移送機構によって送出位置に移送された容器を送出口を通して供給位置に向けて順次送り出す送出機構とを備え、移送機構が、容器が列方向に移動自在に一列に並べて配置されると共に、列方向に交差する行方向に並べて配置された複数の容器載置レーン部と、複数の容器載置レーン部を行方向に移動して容器載置レーン部に載置された送出口側の容器を送出位置に移送させるレーン移送部とを有していることにより、容器が複数の容器載置レーン部に並び配置されることによって行列状に配置され、この行列状に配置された容器が、移送機構および送出機構によって容器保管庫から供給位置に向けて順次送り出されるため、複数の容器が行列状に収容効率良く収容可能になると共に、複数の容器載置レーン部を容器保管庫から外部に引き出せば、容器を収容する作業効率を向上することができ、容器の収容効率を高めると共に、容器を収容する作業効率を向上し、結果として、容器を簡単に順次取り出すことができる。
【0015】
本発明の第2の態様の容器供給装置によれば、第1の態様の容器供給装置が奏する効果に加えて、移送機構が、レーン移送部によって行方向に移動されるレーン載置トレー部を有し、レーン載置トレー部には、容器載置レーン部が送出口側を下り傾斜させて載置されることにより、容器が送出口側方向に自重を利用して移動されると共に、複数の容器載置レーン部がレーン載置トレー部の行方向への移動によりまとめて行方向に移動されるため、移送機構の駆動機構を省略することができる。
【0016】
本発明の第3の態様の容器供給装置によれば、第2の態様の容器供給装置が奏する効果に加えて、送出機構が、上面視にて行方向に突出されたストッパー部を有し、ストッパー部が、レーン移送部による容器載置レーン部の行方向への移動によって、送出口側となる列先頭の容器とこの列先頭の容器の後方に隣り合う容器との間に分け入れ自在に設けられることよって、レーン載置トレー部が行方向へ移動されると、固定されたストッパー部が送出口側となる列の先頭位置の容器とこの先頭位置の容器の後方に隣り合う容器との間に差し入れられ、後方の容器の傾斜方向への移動が阻止されるため、容器を列方向に密に配置した場合であっても、送出口側となる列先頭の容器を後方の容器と分けて順次送り出すことができ、しかも、ストッパー部を固定式とすることができ、ストッパー用の駆動機構を必要としない。
【0017】
本発明の第4の態様の容器供給装置によれば、第3の態様の容器供給装置が奏する効果に加えて、ストッパー部が、上面視にて先端部が行方向に対して送出口側に向かう湾曲状をなしていることにより、レーン載置トレー部の行方向への移動によって、ストッパー部の先端に当接された後方に隣り合う容器が、列の先頭位置の容器との間隔を拡げるようにストッパー部の形状に沿って滑らかに移動されるため、容器を列方向に密に配置した場合であっても、容器を送出口側に送り出し易くすることができる。
【0018】
本発明の第5の態様の容器供給装置によれば、第3又は第4の態様の容器供給装置が奏する効果に加えて、送出機構が、ストッパー部の行方向先端位置より後方位置に、列方向に移動自在な当接部材を有し、当接部材が容器に当接して送出口に押し出すことにより、先の送出し対象となる列の先頭位置の容器とその後方の容器とがストッパー部によって仕切られた状態で、容器が当接部材に当接されて送出口に押し出されるため、ストッパー部によって間隔をあけた先頭の容器とその後方の容器との間に当接部材が差し入れられ、当接部材によって容器を安定して送出口に押し出すことができる。
【0019】
本発明の第の態様の容器供給装置によれば、第1乃至第のいずれかの態様の容器供給装置が奏する効果に加えて、容器載置レーン部に配置された容器を検出する容器検出部と、容器検出部の検出信号に応じてレーン移送部の移送アクチュエータを制御するコントローラと、をさらに備えていることにより、容器検出部によって容器が検出された容器載置レーン部から容器が送出口に順次送り出されるため、どの容器載置レーン部に容器が載置されているかを把握し、容器が載置された容器載置レーン部から確実に容器を送出口に送り出すことがき、結果的に、容器の収容作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態である容器供給装置が組み込まれた飲料自動提供システムを示す斜視図。
図2】容器供給装置の引出し部が引き出された状態を示す斜視図。
図3】複数の容器載置レーン部の容器が空になった状態の容器供給装置を示す斜視図。
図4図3に示した容器供給装置の正面図。
図5図3に示した容器供給装置の側面図。
図6】容器供給装置の各種寸法関係を説明するための図。
図7】容器供給装置の制御構成を示すブロック図。
図8】容器供給装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の容器供給装置は、容器が保管される容器保管庫から供給位置に容器を供給し、容器保管庫の容器の送出口に対向する送出位置に前記容器を移送する移送機構と、この移送機構によって送出位置に移送された容器を送出口を通して前記供給位置に向けて順次送り出す送出機構とを備え、移送機構が、容器が列方向に移動自在に一列に並べて配置されると共に、列方向に交差する行方向に並べて配置された複数の容器載置レーン部と、複数の容器載置レーン部を行方向に移動して容器載置レーン部に載置された送出口側の容器を送出位置に移送させるレーン移送部とを有しているものであれば、その具体的な実施形態は、如何なるものであっても良い。
【0022】
そして、本発明の容器供給装置は、装置単体として用いられる以外、顧客の注文に応じた飲料を自動で提供する飲料自動提供システム等の各種のシステムに組み込まれるものであっても良いし、顧客の注文に応じた料理を自動で提供するシステムに組み込まれ、料理が盛り付けられる容器を供給するものであっても良い。
このため、本発明の容器供給装置が供給する容器としては、飲料容器、例えば、中空断熱構造でステンレス製のタンブラー、ガラス製のグラスやジョッキであってもよいし、飲料以外の食品、例えば、各種料理や、スープ、パフェ、アイス等の容器であってもよいし、あるいは、食品以外を収容する容器であってもよい。また、その材質についても、ガラス、陶磁器、金属等、各種の材質を適用してもよい。
【実施形態】
【0023】
以下、図1乃至図7に基づいて、本発明の容器供給装置に係る実施形態について説明する。
ここで、図1は、本発明の一実施形態である容器供給装置100が組み込まれた飲料自動提供システム500の概要を示す斜視図である。図2は、容器供給装置100の引出し部112が引き出された状態の概要を示す斜視図である。図3は、容器供給装置100の稼働状態の概要を示す斜視図である。図4は、図3に示した容器供給装置100の正面図である。図5は、図3に示した容器供給装置100の側面図である。図6は、容器供給装置100の各種寸法関係を説明するための図である。図7は、容器供給装置100の制御構成を示すブロック図である。
なお、図2図5では、容器保管庫110の図中正面側および上面の壁を透明化して内部が視えるようにしている。
また、図2では、レーン載置トレー部122のレーン載置用底壁122aを示すため、6つの容器載置レーン部121の一つを省略して示している。
【0024】
<容器供給装置100が組み込まれる飲料自動提供システム500の概要>
まず、容器供給装置100が組み込まれる飲料自動提供システム500の概要について説明する。
飲料自動提供システム500は、図1に示すように、飲料の注文を受け付ける注文入力装置510と、飲料を供給するビールサーバ、炭酸水サーバ、氷ディスペンサ、ワンショットメジャー、及びウォーターサーバ等の飲料供給装置520と、飲料の容器Cを飲料供給装置520による飲料の供給位置P2に移動する容器搬送装置530とが設けられ、注文入力装置510により受け付けられた注文に応じた飲料を自動で提供する。
容器搬送装置530は、ロボットアーム540と、容器供給装置100とによって構成される。
【0025】
容器供給装置100は、飲料自動提供システム500の下部に組み込まれており、複数の容器Cが収容された引出し部112が外に引き出し自在に容器Cが収容されると共に、内部に収容された容器Cをロボットアーム540のハンド部が容器Cを把持するための上方の供給位置P2に順次送り出すものである。容器供給装置100は、飲料自動提供システム500の下部に組み込まれているため、容器Cの保管スペースをロボットアーム540の下方に確保することが可能であるので、容器Cの保管スペースを十分に確保することができる。また、温度調整機構150により容器保管庫110の内部を冷却する場合には、容器Cを所望の温度に冷却した状態で保管しておくことができると共に、容器保管庫110がロボットアームの下方に位置しているため、冷気は下方に留まる性質を利用して、冷却効率を高めることが可能である。
この容器供給装置100によって供給位置P2に供給された容器Cをロボットアーム540のハンド部が把持する。容器Cは、ロボットアーム540のハンド部により飲料供給装置520に移動され、容器C内に注文に応じた飲料が供給された後、顧客への提供位置P3に飲料が注入された容器Cが提供される。
【0026】
<容器供給装置100の具体的構成について>
図2図5を用いて容器供給装置100の具体的構成について説明する。
容器供給装置100は、容器Cが保管される容器保管庫110と、容器保管庫110の容器Cの送出口111fに対向する送出位置P1に容器Cを移送する移送機構120と、この移送機構120によって送出位置P1に移送された容器Cを送出口111fを通して供給位置P2に向けて順次送り出す送出機構130と、容器保管庫110の扉112aをロックする扉ロック機構140と、容器保管庫110内の温度を所望の温度に調整する温度調整機構150と、容器供給装置100の各部の駆動を制御する容器供給コントローラ160と、を備えている。
<容器保管庫110について>
【0027】
容器保管庫110は、保管庫本体部111と、保管庫本体部111に対して引出し自在に設けられた引出し部112と、を有している。
【0028】
容器保管庫110の保管庫本体部111は、図2及び図3に示すように、レーン載置トレー部122を間にして対向配置されると共に行方向に延びる一対の側壁111aと、底壁111bと、背面壁111cと、天壁111dと有し、背面壁111cに対向する面が開口部分になっている。
なお、本実施形態では図2及び図3中に示したX軸方向を「行方向」、Y軸方向を「列方向」、Z方向を「高さ方向」と呼ぶ。
【0029】
一対の側壁111aには、引出し部112の引出し方向への移動をガイドするスライドガイド111eが設けられている。
また、一対の側壁111aのうち、Y軸プラス方向側の側壁111aの昇降部133に対応する位置には送出口111fが設けられている。
この送出口111fは、保管庫本体部111に引出し部112が収容された状態で引出し部112のY軸プラス方向側の側板112bのX軸プラス方向側の端部のX軸プラス方向側の位置に設けられている。
【0030】
容器保管庫110の引出し部112には、保管庫本体部111の開口部分を閉じる扉112aと、一対の側板112bと、底板112cと、一対の被スライドガイド112dと、レーン載置トレー部122の行方向への移動をガイドするガイドレール112eと、レーン載置トレー部122の行方向への移動範囲両端位置を規制するストッパー112fと、移送機構120の移送アクチュエータ123aが載置される駆動部載置台112gと、が設けられている。
【0031】
一対の被スライドガイド112dは、保管庫本体部111の一対の側壁111aに設けられた一対のスライドガイド111eに対してスライド自在に係合されている。
引出し部112は、一対の被スライドガイド112dを介して保管庫本体部111に対して滑らかに引き出すことができるようになっている。
【0032】
ガイドレール112eは、レーン載置トレー部122に設けられたガイドローラ122dをガイドするレールであり、レーン載置トレー部122の行方向における移動範囲に対応して底板112c上に行方向に沿って設けられている。
【0033】
駆動部載置台112gは、ガイドレール112eの終端に連接されている。このため、移送アクチュエータ123aがガイドレール112eの終端側に配置されることによって、ガイドレール112eの終端周辺の駆動ローラ123bから従動ローラ123cに駆動ベルト123dを架け渡すことができるようになっている。
これによって、レーン載置トレー部122は、駆動ベルト123dによってガイドレール112eに沿ってX方向に駆動される。
【0034】
<容器供給装置100の移送機構120について>
移送機構120は、6つの容器載置レーン部121と、レーン載置トレー部122と、レーン移送部123と、レーン容器検出部124(図2参照)と、を有している。
【0035】
移送機構120の容器載置レーン部121が、容器Cが列方向に移動自在に一列に並べて配置されると共に、列方向に直交する行方向に並べて配置されている。
なお、本実施形態では、6つの容器載置レーン部121が、行方向に並べて配置されるものを例示したが、容器載置レーン部121の数は、6つに限らず、複数であればよい。
【0036】
以下、6つの容器載置レーン部121を区別して説明する場合、容器保管庫110内奥側から順に、「1列目の容器載置レーン部121」、「2列目の容器載置レーン部121」、・・・、「6列目の容器載置レーン部121」という。
【0037】
容器載置レーン部121の容器Cの載置面には、複数の搬送ローラ121aが設けられ、容器Cが搬送ローラ121a上を滑らかに移動できるようになっている。
また、容器載置レーン部121には、容器載置レーン部121上に載置された容器CをX方向両側から支える一対のガイド壁121bが設けられている。この一対のガイド壁121bは、容器Cを容器載置レーン部121の幅方向に位置決めする機能をなしている。
なお、一対のガイド壁121bが、対向間隔を調整自在に設けられることによって、容器載置レーン部121をサイズの異なる容器Cに対応させることができる。
【0038】
また、容器Cとしては特に限定されるものではないが本実施形態では、容器Cは、いわゆるタンブラーと称されるものを用いている。この容器Cは、ステンレス製の中空断熱構造をなし、上部に対して下部を滑らかに細らせた外形形状をなしている。
このような容器Cが互いに近接して並び配置されると、外径が大きい上部で互いに接触し、細らせた下部の間に隙間が生じる。後述のストッパー部131は、この容器Cの形状に沿うように設計されており、先端が細らせた下部の間に隙間に位置するように設けられている。また、当接部材132aは2つの隣接した容器Cの細らせた下部の形状に適合するような略三角形状とされている。
【0039】
そして、移送機構120のレーン載置トレー部122には、図3に示すように、6つの容器載置レーン部121が載置されるレーン載置用底壁122aと、レーン載置用底壁122aの一端部に起立された起立壁122bと、後述のレーン移送部123の駆動ベルト123dに連結されるベルト連結具122cと、レーン載置トレー部122の行方向への移動をガイドするガイドローラ122dが設けられている。
【0040】
レーン載置用底壁122aは、図4及び図5に示すように、各容器載置レーン部121が載置される台座122eが設けられ、容器載置レーン部121の送出口111f側の端部と逆側の端部を支持するそれぞれの台座122eの高さを異ならせることによって、容器載置レーン部121が傾斜して載置されるようになっている。
【0041】
起立壁122bは、レーン載置用底壁122aの送出口111f側とは反対側の一端部に起立された壁であり、容器載置レーン部121に載置された容器Cがこの一端部から脱落しないように容器Cの移動を規制するものである。
なお、レーン載置用底壁122aの送出口111f側には壁が設けられず、引出し部112の側板112bによって容器載置レーン部121に載置された容器CのY軸プラス方向への移動が規制されている。
【0042】
また、レーン載置トレー部122の起立壁122bと各容器載置レーン部121の一対のガイド壁121bとは、連結バネ125(図3及び図4参照)によって連結されている。
レーン載置トレー部122上に僅かな遊びをもって保持された容器載置レーン部121が、連結バネ125の弾性を利用してレーン載置トレー部122上で揺動自在になっている。
【0043】
移送機構120のレーン移送部123は、例えば、駆動モータによって実現される移送アクチュエータ123aと、駆動モータによって駆動される駆動ローラ123bと、従動ローラ123cと、駆動ローラ123bおよび従動ローラ123cに架け渡された無端状の駆動ベルト123dとからなる。
この移送アクチュエータ123aは、ケーブルキャリア123e内に通した電力線、制御線等を介して容器供給コントローラ160に接続されている。
【0044】
レーン載置トレー部122は、ベルト連結具122cを介してレーン移送部123の駆動ベルト123dに連結されることによって、駆動ベルト123dの回転に連動して行方向に移動されるようになっている。
なお、移送機構120のレーン移送部123は、ベルト駆動に限らず、電動シリンダ―等、その他のアクチュエータを用いてもよい。
【0045】
そして、移送機構120のレーン容器検出部124は、例えば、光電センサ等によって実現される。
レーン容器検出部124は、保管庫本体部111の側壁111aに設けられ、容器載置レーン部121の列方向に沿って容器載置レーン部121上に容器Cがあるか否かを検出すると共に、検出した信号を容器供給コントローラ160に出力する。
【0046】
このレーン容器検出部124は、ストッパー部131に干渉しない容器載置レーン部121上の容器Cを検出することができる位置に設けられている。
より具体的には、ストッパー部131の固定端から先端に向けて、固定端位置の容器載置レーン部121を1列目とした場合の3列目の容器載置レーン部121の容器Cに対向する位置に設けられている。
【0047】
<容器供給装置100の送出機構130について>
送出機構130は、容器載置レーン部121上の容器Cの移動をガイドすると共に移動を規制するストッパー部131と、容器載置レーン部121上の容器Cを送出口111fに押し出す押出し部132と、押出し部132によって送出位置P1に押し出された容器Cを上方の供給位置P2に向けて上昇移動させる昇降部133と、押出容器検出部134と、を有している。
【0048】
ストッパー部131は、例えば、金属製で屈曲形状の細長板状の部材であり、上面視にて行方向に突出され、送出口111f側(Y軸プラス方向)の列先頭の容器Cとこの列先頭の容器Cの後方に隣り合う容器Cとの間に分け入れ自在に設けられている。
本実施形態では、ストッパー部131は、1列分の容器載置レーン部121に加えて隣の列の容器載置レーン部121の一部にまで先端部がおよぶ程度行方向に突出されている。
【0049】
このストッパー部131は、少なくとも上面視にて先端部を行方向に対して送出口111f側に反った湾曲状をなしている。
また、ストッパー部131は、図4に示すように、当接部材132aとの干渉を避けるため、鉛直方向において、当接部材132aとの間隔を隔てた上方の位置に一端部が固定され、先端部を斜め下方に向けて配置されている。
【0050】
さらに、ストッパー部131は、先端を斜め下方に向けて設けられているため、レーン移送部123によって、容器Cがストッパー部131の先端から固定端に向けてストッパー部131に沿って移動される際、容器Cがストッパー部131との接触位置を下方から上方に変化させる。
さらに、ストッパー部131には、容器Cに対向する面が容器Cの曲面に対応するように捻れを設けてもよい。
また、容器Cがタンブラーである場合、下方の径が細い部分から、上方の径が太い部分へ滑らかに形状が変化しているので、ストッパー部131もこのタンブラーの曲面に沿って捻れのある形状に設計されるようにしてもよい。
【0051】
そして、押出し部132は、当接部材132aと、当接部材132aを移動させる押出アクチュエータ132bとを設けられ、当接部材132aを容器Cに当接して送出口111fに押し出すものである。
【0052】
当接部材132aは、ストッパー部131の行方向先端位置より後方位置に設けられ、例えば、電動シリンダによって実現される押出アクチュエータ132bによって容器Cの受け入れ位置と送出口111fへの押出位置との間でスライド移動される。
この当接部材132aは、断面略三角形状をなし、頂点部分132aaが行方向に向けられ、頂点部分132aaに繋がる2つの当接面132abが略円弧状に形成されている。
【0053】
そして、昇降部133は、図5に示すように、容器Cが載置される昇降テーブル133aと、昇降テーブル133aを昇降移動させる例えば、駆動モータによって実現される昇降アクチュエータ133bと、駆動モータによって駆動される駆動ローラ133cと、従動ローラ133dと、駆動ローラ133cおよび従動ローラ133dに架け渡された無端状の駆動ベルト133eと、昇降テーブル133aの昇降移動を支持ガイドするガイド支柱133fと、昇降テーブル133aに載置された状態で上昇移動される容器Cが昇降テーブル133aから脱落することを阻止するように昇降テーブル133aの側方領域を囲うガイド壁部133gと、を設けられている。
【0054】
昇降テーブル133aは、駆動ベルト133eに連結されると共に、ガイド支柱133fに沿ってスライド自在に組付けられている。
【0055】
ガイド壁部133gは、容器Cと昇降アクチュエータ133bとの間を隔てる壁としても機能し、容器Cが湿った状態、濡れた状態又は凍結した状態であっても昇降アクチュエータ133bへの水の侵入を防止している。
【0056】
昇降部133は、昇降テーブル133a及びガイド壁部133gを各種仕様の容器Cに対応できる寸法に調整しておくことによって、各種仕様の容器Cの移送を可能とする。
より具体的には、昇降テーブル133aを交換したり、昇降テーブル133aの外径を調整したり、ガイド壁部133gの配置を調整して容器昇降空間の上面視での広さを調整したりする。
【0057】
押出容器検出部134は、例えば、光電センサ等によって実現され、容器Cが押出し部132による押し出し完了位置となる昇降テーブル133a上に押し出されたことを検出し、検出信号を容器供給コントローラ160に出力する。
この押出容器検出部134は、昇降部133の昇降テーブル133aの移動方向下端位置周辺に設けられ、送出機構130によって容器Cが昇降テーブル133aに移送されたことを検出する。
【0058】
また、昇降部133には、押出容器検出部135をさらに設けるようにしてもよい。
押出容器検出部135は、押出容器検出部134と同様に、例えば、光電センサ等によって実現される。
この押出容器検出部135は、後述するように、容器保管庫110を2段設けた場合、容器Cが、上段の容器保管庫110に対応して設けられた押出し部132によって押し出し完了位置となる昇降テーブル133a上に押し出されたことを検出し、検出信号を容器供給コントローラ160に出力する。
そして、昇降テーブル133aは、1段目の容器保管庫110に対応した下方の押し出し完了位置と、2段目の容器保管庫110に対応した上方の押し出し完了位置との間を容器Cの押し出しのタイミングに合わせて昇降移動される。
【0059】
なお、移送機構120の容器載置レーン部121と昇降部133の昇降テーブル133aの間には、渡り搬送ローラ136が設けられ、この渡り搬送ローラ136によって容器載置レーン部121の搬送ローラ121aから昇降テーブル133aへの容器Cの移動が滑らかに行われるようになっている。
【0060】
<扉ロック機構140について>
容器保管庫110の引出し部112の扉112aを施錠するものであり、例えば、電磁ロックによって実現される。
この扉ロック機構140は、保管庫本体部111の開口部分周辺に設けられ、装置の稼働に対応して、動作モードの時は扉112aを施錠し、メンテナンスモードの時には扉112aを解錠するようになっている。
【0061】
<温度調整機構150について>
温度調整機構150は、容器保管庫110内の温度を調整するものであり、本実施形態では、容器保管庫110の内部を冷蔵ないし冷凍温度帯に保持する。
なお、温度調整機構150は、冷蔵ないし冷凍温度帯に温度調整するものだけでなく、温かい飲料を提供する場合には容器Cを加熱するようにしても良い。
また、本実施形態の容器供給装置100は、温度調整機構150を備えるものを例示したが、温度調整機構150を備えないものであっても構わない。
【0062】
<ストッパー部131の寸法設定について>
ここで、図6を用いて容器供給装置100の各種寸法の設定について説明する。
ストッパー部131が容器Cに当接する前において、ストッパー部131の先端の高さにおいて、Y軸プラス方向先頭(1番目)位置の容器CのY軸マイナス方向端位置のy座標を「y1」とし、ストッパー部131の先端のy座標を「s1」とし、Y軸プラス方向2番目の容器Cのストッパー部131の先端の高さにおける、Y軸プラス方向端のy座標を「y2」とする場合、ストッパー部131の先端のy座標をs1が、
y1>s1>y2 (1)
を満たすように設定する。このような寸法関係に設定することによって、ストッパー部131の先端が1番目と2番目の容器Cの間の隙間に、容器Cにストッパー部の先端が衝突することなく、差し込まれる。
【0063】
また、当接部材132aの頂点部分132aaのy座標を「a1」とし、当接部材132aの頂点部分132aaと同一X座標であり、ストッパー部131が2番目の容器Cと当接している時の頂点部分132aaと同一高さにおける、2番目の容器Cのy軸プラス方向端のy座標を「t2」とする。上記y1に対応する容器Cの頂点部分132aaと同一高さにおけるY軸マイナス方向端のy座標を「t1」とする場合、頂点部分132aaのy座標tが、
t1>a1>t2 (2)
を満たすように設定する。このような寸法関係に設定することによって、Y軸プラス方向2番目の容器Cがストッパー部131に沿って移動される際、行方向で当接部材132aの頂点部分132aaの位置に移動された容器Cがストッパー部131によって頂点部分132aaと距離を隔てた位置に配置される。このため、Y軸プラス方向2番目の容器Cを当接部材132aの頂点部分132aaの衝突を防止しつつ移動終点位置まで移動させることができる。また、1番目の容器Cが頂点部分132aaに衝突することもない。
【0064】
すなわち、容器Cの各種形状に対応して、ストッパー部131の形状を式(1)及び式(2)の寸法関係が成り立つように、傾斜させ、捻じり、あるいは、湾曲することで、容器搭載レーン部121の移動に応じて、ストッパー部131の先端が1番目と2番目の容器Cの隙間に衝突することなく差し込まれ、また、ストッパー部131の曲面に沿って2番目の容器CがY軸マイナス方向へ滑らかに押し進められることにより、Y軸プラス方向2番目の容器Cが当接部材132aの頂点部分132aaと衝突することを防止しつつ、1番目の容器Cを移動終点位置まで移動させることができる。
【0065】
<容器供給コントローラ160について>
容器供給コントローラ160は、例えば、容器保管庫110の外部に据え付けられる。
この容器供給コントローラ160は、図7に示すように、移送機構120のレーン移送部123、送出機構130の押出し部132および昇降部133の各アクチュエータ132b、133b、各種容器検出部124、134、135等を含む容器供給装置100の動作に関係する各部に接続されている。
また、容器供給コントローラ160は、飲料自動提供システム500全体を統括的に制御するシステムコントローラ550に接続されている。
このシステムコントローラ550は、上述した注文入力装置510およびロボットアーム540を制御するロボットコントローラ560に接続されている。
本実施形態では、各アクチュエータ123a、132、133bには不図示のドライバが設けられ、容器供給コントローラ160が制御線を介して各ドライバに接続されている。
【0066】
上述した飲料自動提供システム500の注文入力装置510によって注文情報が入力されると、システムコントローラ550から容器供給コントローラ160へ容器Cの供給指令が送られる。そして、容器供給コントローラ160によって、容器供給装置100の各部の駆動が制御されて容器Cが容器保管庫110からロボットアーム540への供給位置P2に供給される。
【0067】
容器供給コントローラ160は、レーン容器検出部124によって1列目から順に容器Cが検出された容器載置レーン部121を送出口111fの対向する送出位置P1に移送するようにレーン移送部123の移送アクチュエータ123aを制御する。
また、容器供給コントローラ160は、容器載置レーン部121を送出口111fの対向する送出位置P1に移送した後、当接部材132aを容器Cに当接して送出口111fに押し出すように押出し部132の押出アクチュエータ132bを制御する。
また、容器供給コントローラ160は、押出容器検出部134によって容器Cが検出されると、昇降テーブル133aを上昇するように昇降アクチュエータ133bを制御する。
【0068】
<容器供給装置100の容器供給動作について>
次に、図8を用いて容器保管庫110から供給位置P2に容器Cを供給する容器供給装置100の動作について説明する。
容器供給装置100を作動開始するための前準備として、容器保管庫110内に容器Cを収容する。
容器保管庫110内に容器Cを収容する場合、引出し部112を保管庫本体部111から引き出し、6つの容器載置レーン部121の上面側が外部に露出された状態で各容器載置レーン部121に容器Cを載置する。
引出し部112を保管庫本体部111から引き出す際、引出し部112が被スライドガイド112dを介して滑らかに引き出される。
このため、引出し部112によって6つまとめて外部に引き出された容器載置レーン部121に対して容器Cを配置することによって、複数の容器Cが行列状に配置される。この時、容器Cを容器載置レーン部121に補充する作業は、外部に引き出された容器載置レーン部121に対して上方から行うことができ、十分な作業空間を確保した上で、収納作業を行い易い。
その後、容器Cが収容された引出し部112が保管庫本体部111内に押し込まれることによって、行列状に配置された複数の容器Cが容器保管庫110内の所定の押し込み完了位置に配置される。
【0069】
引出し部112の押し込み完了状態では、例えば、図8(A)に示すように、1列目の容器載置レーン部121が、レーン容器検出部124による容器Cの検出位置となるように配置される。
なお、引出し部112の押し込み完了状態としては、1列目の容器載置レーン部121が、レーン容器検出部124による容器Cの検出位置に配置される状態だけでなく、保管庫本体部111が行方向(X方向)にスペースがある場合には、行方向(X方向)において、レーン容器検出部124による容器Cの検出位置よりもXマイナス方向にずれた位置に配置されていても構わない。
換言すれば、引出し部112の押し込み完了状態で、行方向(X方向)において、レーン容器検出部124が、1列目の容器載置レーン部121と送出口111fとの間に配置されていても構わない。
【0070】
引出し部112を押し込み完了状態にして、装置が作動開始されると、レーン容器検出部124によって1列目の容器載置レーン部121上の容器Cの有無が検出され、容器Cが検出された場合、容器載置レーン部121が移送機構120によって容器Cの送出位置P1に対応した行方向位置に移動配置される(図8(B)参照)。
このとき、6つの容器載置レーン部121が、レーン載置トレー部122の行方向への移動によってまとめて行方向に移動される。
容器載置レーン部121が送出口111f側に下り傾斜されているので、容器Cは送出口111fに向けて自重を利用して移動される。
また、このとき容器載置レーン部121が行方向に移動されることによって、斜め下方に向けられたストッパー部131の先端部分が先頭の容器Cとこれに隣り合う容器Cとの間で、容器Cの径が小さい部分において隙間に入り込み、ストッパー部131の先端に当接された後方に隣り合う容器Cが列の先頭位置の容器Cと離間されるようにストッパー部131に沿って移動される。
【0071】
このとき、装置の稼働による振動がレーン載置トレー部122の起立壁122bと各容器載置レーン部121の一対のガイド壁121bとを連結する連結バネ125に伝わり、容器載置レーン部121がレーン載置トレー部122に対して相対的に揺れ動くことにより、自重を利用した送出口111f側方向への容器Cの移動が促進される。
【0072】
この状態において、飲料自動提供システム500の注文入力装置510に注文情報が入力されると、システムコントローラ550から容器供給コントローラ160へ容器Cの供給指令が送られる。容器供給コントローラ160がこの容器Cの供給指令を受け取ると、容器供給装置100による容器Cを供給位置P2取り出す動作が開始される。
【0073】
容器載置レーン部121の列の先頭位置の容器Cは、容器載置レーン部121の傾斜による自重を利用した移動によって引出し部112の側板112bに突き当てられた状態から、送出口111fに向かい合う位置に移動され、自重を利用して送出口111fに向けて移送される。このとき、この列の先頭位置の容器Cは、自重によって渡り搬送ローラ136上に一部を載せた位置に移動される。
【0074】
また、レーン載置トレー部122の行方向への移動によって駆動機構を用いずにストッパー部131が送出口111f側となる列の先頭位置の容器Cと該先頭位置の容器Cの後方に隣り合う容器Cとの間に配置され、後方の容器Cの傾斜方向への移動が阻止される。
こうして送出口111f側2番目の容器Cが当接部材132aの頂点部分132aaに衝突することなく先頭の容器Cと間隔を空けた位置に移動される。
【0075】
その後、送出機構130の押出し部132によって、列先頭の容器Cが送出口111fに押し出される(図8(C)参照)。
ここで、送出口111fに押し出された容器Cは、押出容器検出部134によって送出口111fに押し出されたことが検出されと、昇降アクチュエータ133bにより昇降テーブル133aが上昇移動されることによって、供給位置P2に移動される。
押出容器検出部134によって送出口111fに容器Cが押し出されたことが検出されない場合には、移送機構120又は送出機構130に異常が発生したものと判断し、例えば注文入力装置510のタッチパネル等に表示することにより、あるいは、音声などにより異常が報知される。
もしくは、容器Cが検出された容器載置レーン部121からの送出口111fへの容器Cの押し出し動作を再度実行させる。
【0076】
その後、送出口111fへ押し出された容器Cが昇降部133によって供給位置P2に上昇移動される。
すると、昇降テーブル133aが上昇移動完了されたことを示す駆動信号に基づいて、上述の飲料自動提供システム500を統括的に制御するシステムコントローラ550が供給位置P2に供給された容器Cをロボットアーム540によって移動開始する信号をロボットコントローラ560に送信する。こうしてロボットアーム540によって飲料を提供するまでのその後の動作が行われる。
【0077】
その後、容器Cの送出位置P1に対応した位置にある容器載置レーン部121がレーン容器検出部124による容器Cの検出位置に戻され、レーン容器検出部124によって、1列目の容器載置レーン部121における容器Cの有無が検出される(図8(D)参照)。
容器載置レーン部121がレーン容器検出部124による容器Cの検出位置に戻される際、レーン容器検出部124上の容器Cがストッパー部131による規制位置から外れる。すると、ストッパー部131によって傾斜方向への移動が阻止されていた列後方の容器Cが傾斜方向に移動され、引出し部112の側板112bに突き当たって停止される。
このようにして容器Cが引出し部112の側板112bに突き当たって停止される際、容器Cが引出し部112の側板112Bとの距離を漸次縮めるようにストッパー部131の曲面に沿って移動される。
【0078】
その後、レーン容器検出部124によって1列目の容器載置レーン部121に容器Cが有ることが検出された場合、容器載置レーン部121が移送機構120によって容器Cの送出位置P1に対応した位置に移動配置され、上述した容器の送出口111fへの送出動作が繰り返される(図8(E)参照)。
一方、レーン容器検出部124によって1列目の容器載置レーン部121の容器Cが検出されなかった場合、2列目以降6列目までの容器載置レーン部121がレーン容器検出部124による容器Cの検出位置に順次移動されて上述した動作が行われる(図8(F)参照)。
レーン容器検出部124による各容器載置レーン部121の容器Cの検出は、容器Cを取り出すために容器載置レーン部121を容器Cの送出位置P1に移動する前に、毎回行われる。レーン容器検出部124は、検出位置にある容器載置レーン部121に容器Cが有るか無いかを判別できるだけでよいので、簡易な光センサにより実現することができる。
【0079】
<容器供給装置100が奏する効果>
以上説明した本発明の実施形態である容器供給装置100によれば、容器保管庫110の容器Cの送出口111fに対向する送出位置P1に容器Cを移送する移送機構120と、この移送機構120によって送出位置P1に移送された容器Cを送出口111fを通して供給位置P2に向けて順次送り出す送出機構130とを備え、移送機構120が、送出機構130よる送出口111fへの容器Cの送り出し方向を列方向として、この列方向に移動自在に一列に並べて配置されると共に、列方向に直交する行方向に並べて配置された6つの容器載置レーン部121と、6つの容器載置レーン部121を行方向に移動して容器載置レーン部121の送出口111f側となる列先頭の容器Cを送出位置P1に移送するレーン移送部123とを有していることにより、容器Cが6つの容器載置レーン部121に並び配置されることによって行列状に配置され、この行列状に配置された容器Cが、移送機構120および送出機構130によって容器保管庫110から供給位置P2に向けて順次送り出されるため、6つの容器Cが行列状に収容効率良く収容可能になると共に、6つの容器載置レーン部12を容器保管庫110から外部に引き出せば、容器Cを収容する作業効率を向上することができ、容器Cの収容効率を高めると共に、容器Cを収容する作業効率を向上し、結果として、容器Cを簡単に順次取り出すことができる。
【0080】
また、移送機構120が、6つの容器載置レーン部121が送出口111f側を下り傾斜させて載置されると共に、レーン移送部123によって行方向に移動されるレーン載置トレー部122を有していることにより、容器Cが送出口111f側方向に自重を利用して移動されると共に、6つの容器載置レーン部121がレーン載置トレー部122の行方向への移動によりまとめて行方向に移動されるため、容器保管庫110から供給位置P2への容器Cの移送の一部を駆動機構によらずに行うことができると共に、レーン載置トレー部122によって複数の容器載置レーン部121をまとめて行方向に移動することができ、しかも、容器Cを自重により容器載置レーン部121上で移動させることができるため、駆動機構を削減することができる。
【0081】
また、送出機構130が、上面視にて行方向に突出され、レーン移送部123による6つの容器載置レーン部121の行方向への移動によって送出口111f側となる列先頭の容器Cとその後方に隣り合う容器Cとの間に分け入れ自在に設けられたストッパー部131を有していることにより、レーン載置トレー部122の行方向への移動によって駆動機構を用いずにストッパー部131が送出口111f側となる列の先頭位置の容器Cとその後方に隣り合う容器Cとの間に配置され、後方の容器Cの傾斜方向への移動が阻止されるため、容器Cを列方向に密に配置した場合であっても、送出口111f側となる列先頭の容器Cをその後方の容器Cと分けて順次送り出すことができ、しかも、ストッパー部131が固定式とすることができるため、ストッパー部131を駆動するための機構を必要としない。
【0082】
また、ストッパー部131が、少なくとも上面視にて先端部を行方向に対して送出口111f側に反った湾曲状をなしていることにより、レーン載置トレー部122の行方向への移動によって、ストッパー部131の先端に当接された後方に隣り合う容器Cが列の先頭位置の容器Cとの間隔を拡げるようにストッパー部131の形状に沿って移動されるため、容器Cを列方向に密に配置した場合であっても、容器Cを送出口111f側に送り出し易くすることができる。さらに、容器Cの各種形状に対応して、ストッパー部131の形状を式(1)及び式(2)の寸法関係が成り立つように、傾斜させ、捻じり、あるいは、湾曲することで、容器搭載レーン部121の移動に応じて、ストッパー部131の先端が1番目と2番目の容器Cの隙間に衝突することなく差し込まれ、また、ストッパー部131の曲面に沿って2番目の容器CがY軸マイナス方向へ滑らかに押し進められることにより、Y軸プラス方向2番目の容器Cが当接部材132aの頂点部分132aaと衝突することを防止しつつ、1番目の容器Cを移動終点位置まで移動させることができる。また、ストッパー部131を容器Cの曲面に沿って捻れのある形状に設計しておくことで、ストッパー部131を容器Cにより滑らかに当接させることができる。
【0083】
また、送出機構130が、ストッパー部131の行方向先端位置より後方位置に設けられた当接部材132aを容器Cに当接して送出口111fに押し出す押出し部132を有していることにより、先の送出し対象となる列の先頭位置の容器Cとその後方の容器Cとがストッパー部131によって仕切られた状態で、容器Cが当接部材132aに当接されて送出口111fに押し出されるため、ストッパー部131によって間隔をあけた先頭の容器Cとその後方の容器Cとの間に当接部材が差し入れられるため、当接部材132aによって容器Cを安定して送出口111fに押し出すことができる。
【0084】
また、移送機構120が、容器載置レーン部121に配置された容器Cを検出するレーン容器検出部124を有し、容器供給装置100が、レーン容器検出部124によって容器Cが検出された容器載置レーン部121を送出位置P1に対応した行方向位置に配置するようにレーン移送部123の移送アクチュエータ123aを制御する容器供給コントローラ160をさらに備えていることにより、レーン容器検出部124によって容器Cが検出された容器載置レーン部121から容器Cが送出口111fに順次送り出されるため、どの容器載置レーン部121に容器Cが載置されているかを把握し、容器Cが載置された容器載置レーン部121から確実に容器Cを送出口111fに送り出すことがき、6つの容器載置レーン部121に不規則に容器Cを収容した場合であっても、容器Cを送出口111fに送り出すことができ、結果的に、容器Cの収容作業を容易にすることができる。
【0085】
また、レーン載置トレー部122が、容器保管庫110に対して行方向端部側から引出し自在に設けられていることにより、複数の容器Cを容器保管庫110に収容する際、レーン載置トレー部122が外部に取り出され、レーン載置トレー部122の上方から複数の容器Cを収容することができるため、容器Cの収容作業を容易にすることができる。
【0086】
また、容器保管庫110内の温度を調整する温度調整機構150をさらに備えていることにより、温度調整機構150によって所望の温度に調整された容器保管庫110内に容器Cが保管されるため、提供される容器Cに収容される収容物に適した温度になるように容器Cの温度を管理することができる。
【0087】
例えば、上述した実施形態において、複数の容器載置レーン部121がレーン載置トレー部122に載置され、レーン載置トレー部122が行方向に移動されることによって、複数の容器載置レーン部121がまとめて行方向に移動されるものを例示したが、レーン載置トレー部122を用いることなく、各容器載置レーン部121がレーン移送部123によって独立して行方向に移動される構成としてもよい。
【0088】
上述した実施形態において、引出し部112が1段であるもの、すなわち1段の容器保管庫110が備えられたものを例示したが、例えば図1に示すように容器保管庫110を2段等、複数段設けるようにしてもよい。容器保管庫110を複数段設ける場合、各容器保管庫110に種類の異なる容器Cを収容し、注文に応じた種類の容器Cを供給するようにしてもよい。
このように各容器保管庫110から種類の異なる容器Cを供給する場合、容器載置レーン部121上に載置された容器Cを両側から支える一対のガイド壁121bの対向間隔が容器Cのサイズに応じて自動で調整される構成としてもよい。
【0089】
以上の実施形態は本発明の技術思想を具体化するための容器供給装置を例示するものであって、本発明をこれらに特定するものではなく、実施形態に変更を加えたものや実施形態の各要素を組み合わせたもの等、その他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【符号の説明】
【0090】
100 ・・・容器供給装置
110 ・・・容器保管庫
111 ・・・保管庫本体部
111a ・・・側壁
111b ・・・底壁
111c ・・・背面壁
111d ・・・天壁
111e ・・・スライドガイド
111f ・・・送出口
112 ・・・引出し部
112a ・・・扉
112b ・・・側板
112c ・・・底板
112d ・・・被スライドガイド
112e ・・・ガイドレール
112f ・・・ストッパー
112g ・・・駆動部載置台
120 ・・・移送機構
121 ・・・容器載置レーン部
121a ・・・搬送ローラ
121b ・・・ガイド壁
122 ・・・レーン載置トレー部
122a ・・・レーン載置用底壁
122b ・・・起立壁
122c ・・・ベルト連結具
122d ・・・ガイドローラ
122e ・・・台座
123 ・・・レーン移送部
123a ・・・移送アクチュエータ
123b ・・・駆動ローラ
123c ・・・従動ローラ
123d ・・・駆動ベルト
123e ・・・ケーブルキャリア
124 ・・・レーン容器検出部
125 ・・・連結バネ
130 ・・・送出機構
131 ・・・ストッパー部
132 ・・・押出し部
132a ・・・当接部材
132aa ・・・頂点部分
132ab ・・・当接面
132b ・・・押出アクチュエータ
133 ・・・昇降部
133a ・・・昇降テーブル
133b ・・・昇降アクチュエータ
133c ・・・駆動ローラ
133d ・・・従動ローラ
133e ・・・駆動ベルト
133f ・・・ガイド支柱
133g ・・・ガイド壁部
134 ・・・押出容器検出部
135 ・・・押出容器検出部
136 ・・・渡り搬送ローラ
140 ・・・扉ロック機構
150 ・・・温度調節機構
160 ・・・容器供給コントローラ
500 ・・・飲料自動提供システム
510 ・・・注文入力装置
520 ・・・飲料供給装置
530 ・・・容器搬送装置
540 ・・・ロボットアーム
550 ・・・システムコントローラ
560 ・・・ロボットコントローラ
C ・・・容器
P1 ・・・送出位置
P2 ・・・供給位置
P3 ・・・提供位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8