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特許7564558賃貸ロッカーを利用した商品受渡システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】賃貸ロッカーを利用した商品受渡システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241002BHJP
   G06Q 30/0645 20230101ALI20241002BHJP
【FI】
G06Q30/0601
G06Q30/0645
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022140430
(22)【出願日】2022-09-05
(65)【公開番号】P2023050118
(43)【公開日】2023-04-10
【審査請求日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】P 2021158804
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】397011111
【氏名又は名称】株式会社マースウインテック
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】井出 平三郎
(72)【発明者】
【氏名】本山 直樹
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-058790(JP,A)
【文献】特開2001-266019(JP,A)
【文献】特開2003-044755(JP,A)
【文献】特開2003-146439(JP,A)
【文献】特開2002-024709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のボックススペースを有するロッカー装置と、
前記ロッカー装置と通信回線を通じてデータ通信可能に設けられた管理サーバと、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を販売する販売者が所持する販売者端末装置と、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を購入する購入者が所持する購入者端末装置と、を具備し、
前記管理サーバは、
販売者が販売したい商品及びその価格を、アクセスしてきた端末装置に表示可能とし、購入者が購入者端末装置からアクセスした際には、購入者は購入したい商品を選択してクレジットカードを含む電子決済により決済して購入可能な商品売買機能と、
販売者の販売者端末装置及び購入者の購入者端末装置に、販売者が商品を置くために借り受けて賃貸対象となったボックススペースの開錠キーを送信する機能と、を有し、
前記ロッカー装置は、
前記販売者端末装置又は前記購入者端末装置に送信された開錠キーを読み取る読取機能と、
前記読取機能が開錠キーを読み取った場合に、該当するボックススペースを開錠する開錠機能と、
ボックススペース内の商品の有無を検知する庫内検知センサと、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられている通信装置を備え
前記管理サーバ又は前記ロッカー装置は、
販売者が商品を置いておくためのボックススペースを選択して借り受ける申し出を受け付け、借り受けるボックススペースの賃料を、クレジットカードを含む電子決済により決済するボックススペースの賃貸契約機能を有することを特徴とする賃貸ロッカーを利用した商品受渡システム。
【請求項2】
複数のボックススペースを有するロッカー装置と、
前記ロッカー装置と通信回線を通じてデータ通信可能に設けられた管理サーバと、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を販売する販売者が所持する販売者端末装置と、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を購入する購入者が所持する購入者端末装置と、を具備し、
前記管理サーバは、
販売者が販売したい商品及びその価格を、アクセスしてきた端末装置に表示可能とし、購入者が購入者端末装置からアクセスした際には、購入者は購入したい商品を選択してクレジットカードを含む電子決済により決済して購入可能な商品売買機能と、
販売者の販売者端末装置及び購入者の購入者端末装置に、販売者が商品を置くために借り受けて賃貸対象となったボックススペースの開錠キーを送信する機能と、を有し、
前記ロッカー装置は、
前記販売者端末装置又は前記購入者端末装置に送信された開錠キーを読み取る読取機能と、
前記読取機能が開錠キーを読み取った場合に、該当するボックススペースを開錠する開錠機能と、
ボックススペース内の商品の有無を検知する庫内検知センサと、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられている通信装置を備え
前記ロッカー装置には、借り受けた販売者に対して配達される郵便物又は宅配物の受けスペースが設けられており、
前記受けスペースには、受けスペースを借り受けた販売者に対して前記管理サーバから送信された受けスペース用開錠キーによって開錠する受けスペース用開錠機能が設けられ、
前記受けスペースには、受けスペース内の郵便物又は宅配物の有無を検知する受けスペース内検知センサが設けられていることを特徴とする賃貸ロッカーを利用した商品受渡システム。
【請求項3】
複数のボックススペースを有するロッカー装置と、
前記ロッカー装置と通信回線を通じてデータ通信可能に設けられた管理サーバと、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を販売する販売者が所持する販売者端末装置と、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を購入する購入者が所持する購入者端末装置と、を具備し、
前記管理サーバは、
販売者が販売したい商品及びその価格を、アクセスしてきた端末装置に表示可能とし、購入者が購入者端末装置からアクセスした際には、購入者は購入したい商品を選択してクレジットカードを含む電子決済により決済して購入可能な商品売買機能と、
販売者の販売者端末装置及び購入者の購入者端末装置に、販売者が商品を置くために借り受けて賃貸対象となったボックススペースの開錠キーを送信する機能と、を有し、
前記ロッカー装置は、
前記販売者端末装置又は前記購入者端末装置に送信された開錠キーを読み取る読取機能と、
前記読取機能が開錠キーを読み取った場合に、該当するボックススペースを開錠する開錠機能と、
ボックススペース内の商品の有無を検知する庫内検知センサと、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられている通信装置を備え
前記ボックススペース内には、後扉によって奥行き方向に仕切られた前房と後房とが設けられ、
前記前房の前面側には、ボックススペースを借り受けた販売者に対して前記管理サーバから送信された前房用開錠キーによって開錠する前房用開錠機能を有する前扉が設けられ、
前記後扉は、ボックススペースを借り受けた販売者に対して前記管理サーバから送信された後房用開錠キーによって開錠する後房用開錠機能を有し、
前記前房には、前房内の商品の有無を検知する前房内検知センサが設けられ、
前記後房には、後房内の商品の有無を検知する後房内検知センサが設けられていることを特徴とする賃貸ロッカーを利用した商品受渡システム。
【請求項4】
複数のボックススペースを有するロッカー装置と、
前記ロッカー装置と通信回線を通じてデータ通信可能に設けられた管理サーバと、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を販売する販売者が所持する販売者端末装置と、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を購入する購入者が所持する購入者端末装置と、を具備し、
前記管理サーバは、
販売者が販売したい商品及びその価格を、アクセスしてきた端末装置に表示可能とし、購入者が購入者端末装置からアクセスした際には、購入者は購入したい商品を選択してクレジットカードを含む電子決済により決済して購入可能な商品売買機能と、
販売者の販売者端末装置及び購入者の購入者端末装置に、販売者が商品を置くために借り受けて賃貸対象となったボックススペースの開錠キーを送信する機能と、を有し、
前記ロッカー装置は、
前記販売者端末装置又は前記購入者端末装置に送信された開錠キーを読み取る読取機能と、
前記読取機能が開錠キーを読み取った場合に、該当するボックススペースを開錠する開錠機能と、
ボックススペース内の商品の有無を検知する庫内検知センサと、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられている通信装置を備え
前記ボックススペース内には、取り外し可能な中板によって上下方向に仕切られた上房と下房とが設けられ、
前記上房の前面側には、受けスペースを借り受けた販売者に対して前記管理サーバから送信された上房用開錠キーによって開錠する上房用開錠機能を有する上扉が設けられ、
前記下房の前面側には、受けスペースを借り受けた販売者に対して前記管理サーバから送信された下房用開錠キーによって開錠する下房用開錠機能を有する下扉が設けられ、
前記上房には、上房内の商品の有無を検知する上房内検知センサが設けられ、
前記下房には、下房内の商品の有無を検知する下房内検知センサが設けられていることを特徴とする賃貸ロッカーを利用した商品受渡システム。
【請求項5】
複数のボックススペースを有するロッカー装置と、
前記ロッカー装置と通信回線を通じてデータ通信可能に設けられた管理サーバと、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を販売する販売者が所持する販売者端末装置と、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を購入する購入者が所持する購入者端末装置と、を具備し、
前記管理サーバは、
販売者が販売したい商品及びその価格を、アクセスしてきた端末装置に表示可能とし、購入者が購入者端末装置からアクセスした際には、購入者は購入したい商品を選択してクレジットカードを含む電子決済により決済して購入可能な商品売買機能と、
販売者の販売者端末装置及び購入者の購入者端末装置に、販売者が商品を置くために借り受けて賃貸対象となったボックススペースの開錠キーを送信する機能と、を有し、
前記ロッカー装置は、
前記販売者端末装置又は前記購入者端末装置に送信された開錠キーを読み取る読取機能と、
前記読取機能が開錠キーを読み取った場合に、該当するボックススペースを開錠する開錠機能と、
ボックススペース内の商品の有無を検知する庫内検知センサと、
前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられている通信装置を備え
前記ボックススペース内には、
複数の商品をストック可能であって、且つストックされた商品を1つずつ送り出し出来るストックスペースと、
前記ストックスペースから送り出された商品が配置される配置スペースと、が設けられていることを特徴とする賃貸ロッカーを利用した商品受渡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賃貸ロッカーを利用して商品の受け渡しを行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、商品の売買において、販売者から購入者に直接商品を手渡すことが一般的であった。
しかし、インターネットで商品を購入する場合や、インターネット上のオークションサイト、フリーマーケットアプリ等が発展してきており、販売者から購入者へ直接商品を手渡す機会は少なくなっている。
さらに、感染症の蔓延による外出制限などの影響や購入者の都合から、商品を自宅に配達して欲しいという要望も高まっている。
【0003】
なお、自宅への商品配達手段としては、宅配便を利用することが一般的である。宅配便は、販売者側では梱包作業や宛先の記入作業が必要であり、購入者側では指定時刻には自宅にいなければならない、というようにそれぞれ不便な点もある。
【0004】
そこで特許文献1に開示されているように、インターネット上で購入した商品や、デパート等の商店で購入した商品を、購入者が指定する最寄りの駅やコンビニエンスストア、郵便局等の公共施設に設置されている宅配ロッカーに配送するようにしたロッカーシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3560327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたロッカーシステムは、以下の動作を実行する。
商品を購入する購入者が予め空きロッカーを予約し、管理センターから受付を完了するとその旨を購入者に送信するとともに該当するロッカーを施錠する。
そして、管理センターは、販売者に対して商品の発送を行うように指定するとともに、ロッカーが設置されている駅名とロッカー番号を通知する。宅配業者は、指定されたロッカーに行き、予め管理センターから貸与されているカードをカードリーダーに挿してロッカー番号を入力することでロッカーの施錠を解除する。
宅配業者が指定されたロッカーに商品を入庫すると、ロッカーのセンサは商品が入庫したことを検出して管理センターに送信し、管理センターは購入者に商品が入庫されたことを通知する。
【0007】
このように従来のロッカーシステムでは、購入者が利用したいロッカーを指定して、そこに販売者(または宅配業者)が商品を入庫するシステムになっている。
つまり、従来のロッカーシステムの販売者は、購入者の都合の良い場所のロッカーに商品を入庫せざるを得ないため、販売者にとっては商品の入庫に手間や時間がかかってしまうことがありうる。特に、販売者が一般の個人の場合には、購入者の都合に合わせて指定されたロッカーに商品を入庫することは極めて困難であり、個人の販売者が手軽に利用できる商品の受渡システムが求められている。
【0008】
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、一般個人の販売者であっても手軽に利用できる賃貸ロッカーを利用した商品受渡システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明にかかる賃貸ロッカーを利用した商品受渡システムによれば、複数のボックススペースを有するロッカー装置と、前記ロッカー装置と通信回線を通じてデータ通信可能に設けられた管理サーバと、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を販売する販売者が所持する販売者端末装置と、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を購入する購入者が所持する購入者端末装置と、を具備し、前記管理サーバは、販売者が販売したい商品及びその価格を、アクセスしてきた端末装置に表示可能とし、購入者が購入者端末装置からアクセスした際には、購入者は購入したい商品を選択してクレジットカードを含む電子決済により決済して購入可能な商品売買機能と、販売者の販売者端末装置及び購入者の購入者端末装置に、販売者が商品を置くために借り受けて賃貸対象となったボックススペースの開錠キーを送信する機能と、を有し、前記ロッカー装置は、前記販売者端末装置又は前記購入者端末装置に送信された開錠キーを読み取る読取機能と、前記読取機能が開錠キーを読み取った場合に、該当するボックススペースを開錠する開錠機能と、ボックススペース内の商品の有無を検知する庫内検知センサと、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられている通信装置を備え、前記管理サーバ又は前記ロッカー装置は、販売者が商品を置いておくためのボックススペースを選択して借り受ける申し出を受け付け、借り受けるボックススペースの賃料を、クレジットカードを含む電子決済により決済するボックススペースの賃貸契約機能を有することを特徴としている。
この構成によれば、ボックススペースを借り受けたい販売者は管理サーバまたはロッカー装置において容易に賃貸契約を行うことができる。
【0015】
本発明にかかる賃貸ロッカーを利用した商品受渡システムによれば、複数のボックススペースを有するロッカー装置と、前記ロッカー装置と通信回線を通じてデータ通信可能に設けられた管理サーバと、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を販売する販売者が所持する販売者端末装置と、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を購入する購入者が所持する購入者端末装置と、を具備し、前記管理サーバは、販売者が販売したい商品及びその価格を、アクセスしてきた端末装置に表示可能とし、購入者が購入者端末装置からアクセスした際には、購入者は購入したい商品を選択してクレジットカードを含む電子決済により決済して購入可能な商品売買機能と、販売者の販売者端末装置及び購入者の購入者端末装置に、販売者が商品を置くために借り受けて賃貸対象となったボックススペースの開錠キーを送信する機能と、を有し、前記ロッカー装置は、前記販売者端末装置又は前記購入者端末装置に送信された開錠キーを読み取る読取機能と、前記読取機能が開錠キーを読み取った場合に、該当するボックススペースを開錠する開錠機能と、ボックススペース内の商品の有無を検知する庫内検知センサと、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられている通信装置を備え、前記ロッカー装置には、借り受けた販売者に対して配達される郵便物又は宅配物の受けスペースが設けられており、前記受けスペースには、受けスペースを借り受けた販売者に対して前記管理サーバから送信された受けスペース用開錠キーによって開錠する受けスペース用開錠機能が設けられ、前記受けスペースには、受けスペース内の郵便物又は宅配物の有無を検知する受けスペース内検知センサが設けられていることを特徴としている。
この構成によれば、販売者が商品販売用のスペース以外に、自分が受け取る郵便物や宅配物の受取を行うことができる。
【0016】
本発明にかかる賃貸ロッカーを利用した商品受渡システムによれば、複数のボックススペースを有するロッカー装置と、前記ロッカー装置と通信回線を通じてデータ通信可能に設けられた管理サーバと、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を販売する販売者が所持する販売者端末装置と、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を購入する購入者が所持する購入者端末装置と、を具備し、前記管理サーバは、販売者が販売したい商品及びその価格を、アクセスしてきた端末装置に表示可能とし、購入者が購入者端末装置からアクセスした際には、購入者は購入したい商品を選択してクレジットカードを含む電子決済により決済して購入可能な商品売買機能と、販売者の販売者端末装置及び購入者の購入者端末装置に、販売者が商品を置くために借り受けて賃貸対象となったボックススペースの開錠キーを送信する機能と、を有し、前記ロッカー装置は、前記販売者端末装置又は前記購入者端末装置に送信された開錠キーを読み取る読取機能と、前記読取機能が開錠キーを読み取った場合に、該当するボックススペースを開錠する開錠機能と、ボックススペース内の商品の有無を検知する庫内検知センサと、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられている通信装置を備え、前記ボックススペース内には、後扉によって奥行き方向に仕切られた前房と後房とが設けられ、前記前房の前面側には、ボックススペースを借り受けた販売者に対して前記管理サーバから送信された前房用開錠キーによって開錠する前房用開錠機能を有する前扉が設けられ、前記後扉は、ボックススペースを借り受けた販売者に対して前記管理サーバから送信された後房用開錠キーによって開錠する後房用開錠機能を有し、前記前房には、前房内の商品の有無を検知する前房内検知センサが設けられ、前記後房には、後房内の商品の有無を検知する後房内検知センサが設けられていることを特徴としている。
この構成によれば、1つのボックススペースに前房と後房の2つのスペースができるため、前房を商品の配置用、後房を在庫配置用として使用することができる。また、2つの商品を前房と後房の双方に配置して、先に前房の商品を販売し、次に後房の商品を販売することができる。さらに、販売者が2つの商品を仕入れ、仕入れた2つの商品のうち自身の購入分を後房に収納し、前房に収納した商品を販売用とすることができる。
また、後扉を開いたままにしておくことで、サイズが大きい商品に対しては1つのボックススペースとして使用できる。
【0017】
本発明にかかる賃貸ロッカーを利用した商品受渡システムによれば、複数のボックススペースを有するロッカー装置と、前記ロッカー装置と通信回線を通じてデータ通信可能に設けられた管理サーバと、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を販売する販売者が所持する販売者端末装置と、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を購入する購入者が所持する購入者端末装置と、を具備し、前記管理サーバは、販売者が販売したい商品及びその価格を、アクセスしてきた端末装置に表示可能とし、購入者が購入者端末装置からアクセスした際には、購入者は購入したい商品を選択してクレジットカードを含む電子決済により決済して購入可能な商品売買機能と、販売者の販売者端末装置及び購入者の購入者端末装置に、販売者が商品を置くために借り受けて賃貸対象となったボックススペースの開錠キーを送信する機能と、を有し、前記ロッカー装置は、前記販売者端末装置又は前記購入者端末装置に送信された開錠キーを読み取る読取機能と、前記読取機能が開錠キーを読み取った場合に、該当するボックススペースを開錠する開錠機能と、ボックススペース内の商品の有無を検知する庫内検知センサと、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられている通信装置を備え、前記ボックススペース内には、取り外し可能な中板によって上下方向に仕切られた上房と下房とが設けられ、前記上房の前面側には、受けスペースを借り受けた販売者に対して前記管理サーバから送信された上房用開錠キーによって開錠する上房用開錠機能を有する上扉が設けられ、前記下房の前面側には、受けスペースを借り受けた販売者に対して前記管理サーバから送信された下房用開錠キーによって開錠する下房用開錠機能を有する下扉が設けられ、前記上房には、上房内の商品の有無を検知する上房内検知センサが設けられ、前記下房には、下房内の商品の有無を検知する下房内検知センサが設けられていることを特徴としている。
この構成によれば、1つのボックススペースに上房と下房の2つのスペースができるため、上房を商品の配置用、下房を在庫配置用(あるいは、その逆でもよい)として使用することができる。また、2つの商品を上房と下房の双方に配置して、双方で販売することができる。さらに、販売者が2つの商品を仕入れ、仕入れた2つの商品のうち自身の購入分を上房(又は下房)に収納し、下房(又は上房)に収納した商品を販売用とすることができる。
また、中板を取り外すことで、サイズが大きい商品に対しては1つのボックススペースとして使用できる。
【0018】
本発明にかかる賃貸ロッカーを利用した商品受渡システムによれば、複数のボックススペースを有するロッカー装置と、前記ロッカー装置と通信回線を通じてデータ通信可能に設けられた管理サーバと、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を販売する販売者が所持する販売者端末装置と、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられ、商品を購入する購入者が所持する購入者端末装置と、を具備し、前記管理サーバは、販売者が販売したい商品及びその価格を、アクセスしてきた端末装置に表示可能とし、購入者が購入者端末装置からアクセスした際には、購入者は購入したい商品を選択してクレジットカードを含む電子決済により決済して購入可能な商品売買機能と、販売者の販売者端末装置及び購入者の購入者端末装置に、販売者が商品を置くために借り受けて賃貸対象となったボックススペースの開錠キーを送信する機能と、を有し、前記ロッカー装置は、前記販売者端末装置又は前記購入者端末装置に送信された開錠キーを読み取る読取機能と、前記読取機能が開錠キーを読み取った場合に、該当するボックススペースを開錠する開錠機能と、ボックススペース内の商品の有無を検知する庫内検知センサと、前記管理サーバと通信回線を通じてデータ通信可能に設けられている通信装置を備え、前記ボックススペース内には、複数の商品をストック可能であって、且つストックされた商品を1つずつ送り出し出来るストックスペースと、前記ストックスペースから送り出された商品が配置される配置スペースと、が設けられていることを特徴としている。
この構成によれば、1つのボックススペース内で多くの在庫を持つことができ、販売数を上げることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、賃貸ロッカーを利用して販売者が容易に利用できる商品の受渡システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】賃貸ロッカーを利用した商品受渡システムの全体構成を示す説明図である。
図2】管理サーバの構成を示すブロック図である。
図3】商品販売用WEBサイトの一例を示す説明図である。
図4】ロッカー賃貸用WEBサイトの一例を示す説明図である。
図5】ロッカー契約WEBサイトの一例を示す説明図である。
図6】購入手続きWEBサイトの一例を示す説明図である。
図7】ロッカー装置のブロック図である。
図8】受けスペースと、前房と後房とに仕切られたボックススペースの実施形態を示す説明図である。
図9図8に示したボックススペースの概略平面図である。
図10図9に示したボックススペースの前房と後房を繋げて1つのスペースにしたところを示す概略平面図である。
図11】受けスペースと、上房と下房とに仕切られたボックススペースの実施形態を示す説明図である。
図12図11に示したボックススペースの概略正面図である。
図13】商品のストックスペースを設けたボックススペースの実施形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に本実施形態の賃貸ロッカーを利用した商品受渡システムの全体構成について示す。
本実施形態の賃貸ロッカーを利用した商品受渡システム(以下、単に受渡システムと称する場合がある。)10は、管理サーバ12と、複数のボックススペース21を有するロッカー装置20と、販売者が所有する販売者端末装置30と、購入者が所有する購入者端末装置40とを含む。
管理サーバ12と、ロッカー装置20と、販売者が所有する販売者端末装置30と、購入者が所有する購入者端末装置40とは、互いにインターネット等の通信回線11を通じてデータ通信可能に接続される。
【0022】
なお、本実施形態では、ロッカー装置20を所有管理する管理会社が、管理サーバ12を運営して商品の売買を行うWEBサイトを運営するとともに、所有するロッカー装置20のボックススペース21を、商品を販売する販売者に貸し出す事業を行っている場合について説明する。管理会社は複数のロッカー装置20を管理し、各ロッカー装置20には大きさが異なる複数のボックススペース21が設けられているものとする。
【0023】
販売者端末装置30と、購入者端末装置40は、それぞれ例えばスマートフォンなどの端末装置を採用することができるが、スマートフォンに限定するものではなく、タブレットやノートPCを採用してもよい。
【0024】
図2に管理サーバのブロック図を示す。
管理サーバ12は、WEBサーバとして機能するコンピュータを採用することができ、CPU及びメモリ等を含む制御部14と、所定のデータやプログラムを記憶するハードディスク等を含む記憶装置15と、管理会社の担当者が操作可能であるキーボードやマウス等の入力装置16と、モニタ17と、インターネット等の通信回線11に接続する通信装置18とを含む。なお、記憶装置15としてはクラウドストレージも含まれる。
【0025】
記憶装置15には、管理会社が管理しているロッカー装置20の情報が記憶されている。
ロッカー装置20の情報としては、ロッカー装置20の設置場所、各ロッカー装置20におけるボックススペース21の大きさ毎の数、ボックススペース21毎の整理番号、大きさが異なるボックススペース21の賃貸料金を含む。
また、記憶装置15では、各ロッカー装置20におけるボックススペース21毎に、賃貸中か、空いているかの情報の他、ロック機構62の施錠・開錠状態、扉の開閉状態、監視カメラ60の作動状態も記憶される。
【0026】
管理サーバ12の制御部14は、WEBサイト上で販売者が販売したい商品及びその価格を表示し、購入したい購入者が購入する場合に電子決済して商品の売買を可能とする商品販売用WEBサイトを構築する商品売買機能22を備えている。
商品売買機能22は、予め商品を販売したい販売者の住所、氏名、メールアドレス等の個人特定情報と、販売者のクレジットカード番号等の決済可能な決済用の情報を予め登録しておく。登録された販売者の個人特定情報及び決済用の情報は、管理サーバ12の記憶装置15に記憶される。商品売買機能22は、登録した販売者に対して販売者固有のID及びパスワードを付与する。
登録した販売者は、販売したい商品の写真データと、商品の説明(商品の内容の説明、大きさ、重量、色等)データと、商品の価格を管理サーバ12にアップロードすることで、商品の写真と、商品の説明と、商品の価格等の展示を商品販売用WEBサイト上で行うことができる。
【0027】
図3に、商品売買機能による商品販売用WEBサイトの概略説明図を示す。
商品販売用WEBサイトは誰でも閲覧できるように構成されており、商品名、商品の写真、価格、販売者名、販売場所(ロッカー装置20の場所)、商品が置かれるボックススペースの整理番号が表示される。
何らかの商品を購入したいと欲する者(購入者)が商品販売用WEBサイトで商品を購入しようとする場合、購入者は購入したい商品の個数を選択するとともに商品販売用WEBサイト上の買い物かごに入れるボタン31をクリックする。
購入者が購入手続きボタン32をクリックすることで、商品売買機能22が構築する購入手続きサイトに移行する。
【0028】
また、管理サーバ12の制御部14は、販売者が借り受けたいロッカー装置20のボックススペース21の情報を表示し、販売者とボックススペース21の賃貸契約を締結できるロッカー賃貸用WEBサイトを構築する賃貸契約機能24を備えている。
賃貸契約機能24は、販売者に対してロッカー装置20の場所、各ボックススペース21の大きさ、賃貸期間、賃料等の各ボックススペースに関する賃貸情報をロッカー賃貸用WEBサイト上で表示する。
【0029】
図4に、賃貸契約機能によるロッカー賃貸用WEBサイトの概略説明図を示す。
ロッカー賃貸用WEBサイトは、販売者として登録した販売者のみが閲覧できるように構築されている。すなわち、予め販売者として登録してあった場合には、販売者は付与されたID及びパスワードを入力することで、ロッカー賃貸用WEBサイトに移行できる。
【0030】
ロッカー賃貸用WEBサイトには、ロッカー装置20の設置場所、ロッカー装置20を構成する各ボックススペース21の大きさ、賃貸希望期間、賃貸料金が表示される。
これらロッカー装置20に関する情報は、管理サーバ12を管理運営している管理会社が所有しているものであるため、管理会社が予め入力して管理サーバ12の記憶装置15に記憶させて登録しておく。
なお、ロッカー賃貸用WEBサイトで表示されるボックススペースの情報は、現在空いているボックススペース21に関するものである。管理サーバ12の制御部14は、現在賃貸中のボックススペース21は表示しないように制御する。
【0031】
ロッカー賃貸用WEBサイトでは、1つのロッカー装置20に1種類の大きさのボックススペースしかない場合には、1種類しかないボックススペース21の大きさを記載するが、1つのロッカー装置20において複数の大きさのボックススペース21が設けられている場合には、販売者がボックススペース21の大きさを選択できるように、選択ボタン35を設けることもできる。
【0032】
また、ロッカー装置20の各ボックススペース21の賃貸希望期間は、販売者が選択できるように、ロッカー賃貸用WEBサイトでは選択ボタン34を設けておく。本実施形態では、賃貸料金を1週間単位で設定しているため、選択ボタン34は1週間単位で選択できるようにしておくとよい。
ただし、賃貸希望期間は、選択ボタン34で販売者が選択するのではなく、販売者が希望する週又は日数を記入するようにしてもよい。
【0033】
また、本実施形態では、賃貸料金を週単位で料金設定した例を示しているが、日単位又は月単位で料金設定をしてもよい。
さらに、同じロッカー装置20に大きさの異なるボックススペース21が存在する場合、ボックススペース21の大きさによって賃貸料金を異ならせることが好ましい。例えば、ボックススペース21の大きさが大きい方を賃貸料金が高くなるように設定する。
同じロッカー装置20に大きさの異なるボックススペース21が存在し、大きさによって賃貸料金を異ならせる場合には、選択ボタン35によって選択されたボックススペース21の賃貸料金を表示するように制御する。
【0034】
販売者は、気に入ったボックススペース21があれば、そのボックススペース21を所定期間、所定金額で借り受けることができる。販売者が、ロッカー賃貸用WEBサイト上から気に入ったボックススペース21の契約ボタン33をクリックすることにより、ロッカー契約WEBサイトに移行する。
【0035】
図5に、賃貸契約機能によるロッカー契約WEBサイトの概略説明図を示す。
ロッカー契約WEBサイトでは、管理サーバ12の制御部14が、図4のロッカー賃貸用WEBサイトへのアクセス時に販売者が入力した販売者のID及びパスワードから個人特定情報及びクレジットカード番号等の決済情報を記憶装置15から抽出してWEB上に表示する。
また、管理サーバ12の制御部14は、図4のロッカー賃貸用WEBサイトにおいて契約したボックススペースの場所、大きさ、賃貸期間、賃貸料金をWEB上に表示する。
【0036】
さらに、ロッカー契約WEBサイトでは、賃貸契約したボックススペース21を、販売者の商品のうちどの商品を入庫するのに使用するのかを入力するための入力欄36が設けられている。例えば商品ごとに番号が付されていれば、その番号を入力するようにしてもよいし、商品名を入力してもよい。
管理サーバ12の制御部14は、入力欄36に入力された番号又は商品名に基づき、図3に示した商品販売用WEBサイトの該当する商品における販売場所の欄に、賃貸契約したボックススペース21におけるロッカー装置20の場所を表示するように制御する。
このように、販売者が借り受けたボックススペース21に関する情報(ロッカー装置20の場所)を、販売者が販売しようとする商品とを関連付けして、商品販売用WEBサイトにおいて表示させることにより、購入者は、商品販売用WEBサイトを閲覧し、購入したい商品の内容を検討するとともに、商品の入庫先であるロッカー装置20の場所(図3では、販売場所として図示している。購入者から見ると商品の入手場所)がどこであるかも検討し、購入者が取りに行くことができる場所であるかどうかも含めて商品の購入を検討することができる。
【0037】
また、対応させる商品の入力欄36に何も入力せず、商品の入庫用に使用しないこともできる。入力欄36に何も入力しない場合には、管理サーバ12の制御部14は、商品販売用WEBサイトの該当する商品における販売場所の欄に、賃貸契約したボックススペース21におけるロッカー装置の場所を表示しない代わりに、宅配業者の名称を表示する。
商品の入庫用に使用しない場合、ボックススペース21を賃貸契約した販売者は、個人的に物を保管するなどしてボックススペース21を使用することができる。
【0038】
ロッカー契約WEBサイトにおいて、販売者は表示されている個人特定情報、契約したボックススペースの情報、クレジットカード等の決済用情報を確認して問題なければ、決済ボタン37をクリックする。
管理サーバ12の制御部14は、決済ボタン37のクリックに基づき、クレジットカード番号等に基づいて電子決済を行う。
【0039】
そして、管理サーバ12の制御部14は、賃貸契約が完了したボックススペース21のロッカー装置20に対して、賃貸対象のボックススペース21の個別番号、賃貸期間等の情報を送信する。
【0040】
なお、管理サーバ12に賃貸契約機能を設けずに、ロッカー装置20に賃貸契約機能を設けてもよい。
ロッカー装置20に賃貸契約機能を設けた場合の説明は後述する。
【0041】
さらに、管理サーバ12の制御部14は、電子決済が完了したボックススペース21の賃貸人である販売者に対して、開錠キーを送信する開錠キー送信機能26を備えている。開錠キーの送信先は、販売者の個人特定情報として登録された販売者が所持する販売者端末装置30のメールアドレス宛である。
開錠キーは、例えばQRコード(登録商標)などを採用することが好ましい。開錠キーをQRコード(登録商標)にすることによって、開錠キーを受け取った販売者端末装置30は対象となったボックススペース21を容易に開錠することができる。
【0042】
図6に、商品売買機能による購入手続きWEBサイトの概略説明図を示す。
購入手続きWEBサイトは、図3の商品販売用WEBサイトにおいて購入者が購入手続きボタン32をクリックした場合に表示される。
購入手続きWEBサイトでは、購入者が、氏名、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス等の個人特定情報を入力する。
【0043】
購入手続きWEBサイトでは、WEBサイト上で商品購入決済をするか、又は商品入庫場所であるロッカー装置で決済するかを選択可能に設けている。
ロッカー装置20で決済する場合には、ロッカー装置20にクレジットカード読み取り装置などの決済用端末48を設ける必要がある。
【0044】
また、購入者がWEBサイト上でクレジットカードでの支払いを選択した場合には、クレジットカード決済用WEBサイト(図示せず)に移行し、購入者はクレジットカード番号等の決済用の情報を入力する。
【0045】
購入手続きWEBサイトにおいて、購入者が決済ボタン38をクリックすることによって、管理サーバ12の制御部14は、クレジットカード番号等に基づいて電子決済を行うか、又はロッカー装置20で決済することを購入者が選択した場合には、管理サーバ12の制御部14は、購入者の個人特定情報と、購入した商品の金額を、該当するロッカー装置20へ送信する。
【0046】
入力された購入者の個人特定情報と決済可能な情報は管理サーバ12の記憶装置15に記憶される。
【0047】
購入手続きWEBサイトでの決済が完了すると、管理サーバ12の制御部14は、開錠キーを送信する開錠キー送信機能26によって電子決済が完了した購入者に対して開錠キーを送信する。
開錠キーの送信先は、購入者の個人特定情報として登録された購入者が所持する購入者端末装置40のメールアドレス宛である。
開錠キーは、例えばQRコード(登録商標)などを採用することが好ましい。開錠キーをQRコード(登録商標)にすることによって、開錠キーを受け取った購入者端末装置40は対象となったボックススペース21を容易に開錠することができる。
【0048】
なお、開錠キー送信機能26は、ロッカー装置20で決済することを選択した購入者に対しては開錠キーを送信しない。
この場合、ロッカー装置20の決済用端末48において決済が完了したときに、ロッカー装置20の制御部50が、該当するボックススペース21を開錠するように制御するか、または決済用端末48で決済が完了したことを受信した時点で、開錠キー送信機能26が開錠キーを購入者に対して送信してもよい。
【0049】
図7に、ロッカー装置のブロック図を示す。
ロッカー装置20は、複数のボックススペース21を備えている。複数のボックススペース21は、全て同じ大きさでもよいが、異なる大きさのボックススペース21が複数種類設けられていると、販売者は商品の大きさに応じてボックススペース21を選択できる。
【0050】
また、ロッカー装置20は、管理装置44を備えており、管理装置44が販売者端末装置30及び購入者端末装置40との間における開錠や決済などの制御動作を実行する。
管理装置44は、インターネット等の通信回線11に接続する通信装置46と、各ボックススペース21の施錠・開錠及びロッカー装置全体の動作を制御する制御部50と、監視カメラ60と、液晶モニタ等の表示部52と、テンキー又はタッチパネル方式の入力部54と、開錠キーを読み取る読取装置56と、購入者がロッカー装置20にて商品の決済を行う場合の決済用端末48と、スピーカ58とを有している。
【0051】
表示部52は、販売者及び購入者向けのボックススペース21の状況を知らせ、又は販売者及び購入者に対して操作説明を表示させる。
入力部54は、タッチパネル方式の液晶モニタの場合には、表示部52と入力部54が兼用される。
【0052】
開錠キーを読み取る読取装置56は、開錠キーをQRコード(登録商標)とした場合、QRコードリーダ(登録商標)を採用することができる。例えば、開錠キーがQRコード(登録商標)以外のバーコードの場合においては、読取装置56としてはバーコードリーダを採用することができる。
読取装置56が開錠キーを読み取った場合には、制御部50は、開錠キーから読み取ったボックススペース21のロック機構62(後述する)を開錠するように制御する。
【0053】
スピーカ58は、販売者及び購入者向けのボックススペース21の状況(開錠キーを読み取ったときには該当する整理番号のボックススペースを開錠したこと、ボックススペース21の扉が閉じられた際には該当する整理番号のボックススペースを施錠したこと等)を知らせ、又は販売者及び購入者に対して操作説明を音声にてガイドすることができる。
また、スピーカ58は、後述する扉開センサ64によってボックススペース21の扉がこじ開けられたことを検出した場合において、警報を発する警報装置の役割も有する。スピーカ58から出力する音声データ及び警報音は、予め制御部50等に記憶させておく。
【0054】
また、各ボックススペース21には、施錠・開錠を行うロック機構62と、ロック機構62が施錠されているときに無理やりこじ開けようとして扉を開けたことを検出するための扉開センサ64と、各ボックススペース21の庫内の商品の有無を検知する庫内検知センサ49とが設けられている。
【0055】
ロック機構62は、上述したように販売者又は購入者が開錠キーを読取装置56に読み取らせた場合に、制御部50によって開錠するように制御される。
ロック機構62は、扉が閉じた際には自動的に施錠する。したがって施錠された後に再度扉を開けたい場合には、再度開錠キーを読取装置56に読み取らせる必要がある。
【0056】
扉開センサ64は、扉が開いたことを検出すると制御部50に扉が開いた旨の信号を送信する。制御部50は、扉が開いた旨の信号を受信すると、開錠キーによって開錠されている場合には正常に扉が開けられたと判断し、開錠キーによって開錠されていない場合には扉がこじ開けられたと判断する。
制御部50は、扉がこじ開けられたと判断した場合には、スピーカ58から警告音を出力するように制御する。また、制御部50は、扉がこじ開けられたことを管理サーバ12へ送信する。管理サーバ12では、扉がこじ開けられたことを受信すると、管理サーバ12のモニタ17等に扉がこじ開けられたことを表示し、管理会社の担当者が警察に連絡するなどの対応をする。
【0057】
なお、監視カメラ60は所定のフレームレートでロッカー装置20の近傍を撮影する。撮影された画像データは、リアルタイムで管理サーバ12に送信してもよいし、監視カメラ60が備える記憶装置に記憶させてもよい。監視カメラ60が撮影した画像データによって、ロッカー装置20の不審人物や、扉がこじ開けられた場合においてこじ開けた人物の特定に寄与することができる。
【0058】
決済用端末48は、購入者がロッカー装置20にて購入代金の支払いを行う場合に使用するために設けられている。
決済用端末48としては、例えば、クレジットカードの読み取り装置、QRコード(登録商標)決済を含む電子マネーの読み取り装置、自動釣銭機能付きの自動精算機などを採用することができる。
決済用端末48は、購入者の支払いが完了すると、ロッカー装置20の制御部50に支払いが完了したことを通知する。ロッカー装置20の制御部50は、支払いが完了した通知を受けた場合には、該当するボックススペース21のロック機構62を開錠するように制御する。
なお、決済用端末48による支払いが完了した場合であっても、ロッカー装置20の制御部50が該当するボックススペース21のロック機構62を開錠する制御を行わず、ロッカー装置20の制御部50が管理サーバ12の制御部14に支払いが完了した旨を通知し、管理サーバ12の開錠キー送信機能26が購入者端末装置40に開錠キーを送信してもよい。
【0059】
庫内検知センサ49は、各ボックススペース21内の商品の有無を検出可能である。
ロッカー装置20の制御部50は、購入者が開錠キーによって該当するボックススペース21を開けたことを検出し、且つ庫内検知センサ49がボックススペース21内の商品が無くなったことを検出した場合には、管理サーバ12の制御部14にその旨を通知する。
管理サーバ12の制御部14は、購入者が該当するボックススペース21を開け、且つ商品が無いということは商品が購入者の手元に渡ったと判断し、販売者端末装置30に商品が購入者の手元に渡った旨を通知する。
【0060】
なお、商品が購入者の手元に渡った後、まだボックススペース21の賃貸期間が残っている場合には、販売者は同一のボックススペース21を使用してさらに別の商品を販売することもできる。
【0061】
ロッカー装置20の制御部50は、購入者が開錠キーによって該当するボックススペース21を開けたことを検出し、且つ庫内検知センサ49がボックススペース21内の商品がまだ存在することを検出した場合には、管理サーバ12の制御部14にその旨を通知する。
管理サーバ12の制御部14は、購入者が該当するボックススペース21を開け、且つ商品がまだ存在するということは、購入者が商品を取り出さなかったと判断し、その旨を販売者端末装置30に通知する。また、管理サーバ12の制御部14は、購入者端末装置40に対して商品を取り出さなかった理由を質問する通知を送信してもよい。
【0062】
ロッカー装置20は、例えば駅構内など、公共の場所であって且つ屋根のある場所に設置することが好ましい。
ロッカー装置20の電源としてはAC100Vの商用電源等を用いることができ、ロッカー装置20内には、各構成を動作させるため商用電源を直流電源に変換する電源装置(図示せず)を設ける。
また、停電時でも動作できるように無停電電源装置やバッテリーを設けてもよい。
【0063】
以下に、ロッカー装置20に賃貸契約機能を設けた場合について説明する。
ロッカー装置20の制御部50は、表示部52に販売者がボックススペース21の賃貸契約を行うための画面を表示させる。
ロッカー装置20の表示部52に表示される画面としては、図4図5に示した内容に準じており、少なくとも賃貸希望期間、賃貸料金が表示され、賃貸希望期間は、1週間単位又は日単位で、販売者が選択可能か又は入力可能に設けられている。
また、このロッカー装置20において複数の大きさのボックススペース21が設けられている場合には、販売者がボックススペース21の大きさを選択できるように、選択ボタンを設けることもできる。
【0064】
販売者は、気に入ったボックススペース21があれば、そのボックススペース21を所定期間、所定金額で借り受けることができる。販売者が、表示部52において気に入ったボックススペース21に対して入力部54から契約ボタンを押下することにより、ロッカー契約画面に移行する。
【0065】
ロッカー契約画面において、販売者は入力部54から管理サーバ12に登録した販売者のID及びパスワードを入力するか、又は住所氏名等の個人特定情報を入力する。ID及びパスワードが入力された場合、ロッカー装置20の制御部50は、入力されたID及びパスワードを管理サーバ12に送信し、管理サーバ12はロッカー装置20から送信されてきたID及びパスワードに基づいて販売者の個人特定情報を記憶装置15から抽出してロッカー装置20へ送信する。
このとき、管理サーバ12は、既に販売者のクレジットカード番号等の決済情報も記憶装置15に記憶されていれば、決済情報を記憶装置15から抽出してロッカー装置20に送信する。
【0066】
ロッカー装置20の制御部50は、表示部52に販売者が選択したボックススペースの大きさ、賃貸期間、賃貸料金等を表示させ、さらに管理サーバ12に記憶されていた販売者の決済情報を表示する。管理サーバ12に販売者の決済情報が記憶されていなかった場合には、販売者は入力部54からクレジットカード番号等の決済情報を入力する。
【0067】
販売者は、表示部52に表示されている個人特定情報、契約したボックススペースの情報、クレジットカード等の決済情報を確認して問題なければ、表示部52に表示されている決済ボタンをクリックする。
ロッカー装置20の制御部50は、決済ボタン37のクリックに基づき、クレジットカード番号等に基づいて電子決済を行う。
【0068】
なお、ロッカー装置20に設けた決済用端末48によって、販売者のボックススペース21の賃貸契約の決済を行ってもよい。上述したように、決済用端末48としては、クレジットカードの読み取り装置、QRコード(登録商標)決済を含む電子マネーの読み取り装置、自動釣銭機能付きの自動精算機などを採用することができ、販売者はクレジットカード、電子マネー、又は現金による支払いによって決済を行うことができる。
【0069】
ロッカー装置20の制御部50は、販売者のボックススペースの賃貸契約の決済が完了すると、決済が完了したことを管理サーバ12に通知する。
【0070】
さらに、ロッカー装置20の表示部52には、賃貸契約したボックススペース21を、販売者の商品のうちどの商品を入庫するのに使用するのかを入力するための入力欄が表示される。例えば商品ごとに番号が付されていれば、その番号を入力するようにしてもよいし、商品名を入力してもよい。
ロッカー装置20の制御部50は、賃貸契約したボックススペース21に入庫する商品番号又は商品名に関する情報を管理サーバ12に通知する。管理サーバ12の制御部14は、ロッカー装置20から通知された番号又は商品名に基づき、図3に示した商品販売用WEBサイトの該当する商品における販売場所の欄に、賃貸契約したボックススペース21におけるロッカー装置の場所を表示するように制御する。
【0071】
また、ロッカー装置20の表示部52の商品の入力欄に何も入力せず、商品の入庫用に使用しないこともできる。入力欄36に何も入力しない場合には、ボックススペース21を賃貸契約した販売者は、個人的に物を保管するなどしてボックススペース21を使用することができる。
ロッカー装置20の表示部52の商品の入力欄に何も入力されなかった場合、ロッカー装置20の制御部50は、商品番号又は商品名に関する情報が何も入力されなかったことを管理サーバ12に通知する。
この場合、管理サーバ12の制御部14は、商品販売用WEBサイトの該当する商品における販売場所の欄に、賃貸契約したボックススペース21におけるロッカー装置の場所を表示しない代わりに、宅配業者の名称を表示する。
【0072】
次に、図8にロッカー装置20に受けスペース68を設けた実施形態を示す。
受けスペース68とは、ボックススペース21を賃貸契約した販売者に対して配達される郵便物又は宅配物を、販売者が受け取ることができるスペースである。したがって、受けスペース68には住所を付与することができる。
受けスペース68の賃貸契約は、ボックススペース21の賃貸契約とは別途契約可能としてもよいし、ボックススペース21を賃貸契約することで自動的に附属するようにしてもよい。
【0073】
図8では、販売者が賃貸契約したボックススペース21の上部を受けスペース68として構成しているが、受けスペース68を設ける場所については、販売者が賃貸契約したボックススペース21の上部に限定するものではない。
【0074】
受けスペース68の正面には、前面扉71が形成されている。前面扉71は、左右上下のいずれかにヒンジを設け、片開き、上開き、下開き等の開き方を採用することができる。また、受けスペース68をトレイ状とし、前面扉71を前方に引っ張ってトレイを引き出せるような構造であってもよい。
【0075】
また、前面扉71には、郵便物や宅配物を差し入れる挿入口70と、施錠・開錠を行うロック機構74が設けられている。
ロック機構74は、上述したように販売者が開錠キーを読取装置56に読み取らせた場合に、制御部50によって開錠するように制御される。受けスペース68は、販売者のみが開錠できるようにするため、受けスペース68の開錠キーは、ボックススペース21の開錠キーとは別のものであり、管理サーバ12の制御部14から販売者端末装置30に送信される。
【0076】
受けスペース68の内部には、受けスペース内の郵便物や宅配物を検出する受けスペース内検知センサ72が設けられている。受けスペース内検知センサ72は、受けスペース68内に郵便物又は宅配物が配達されたことを検出した場合には、管理サーバ12の制御部14にその旨を通知する。管理サーバ12の制御部14は、受けスペース68内に郵便物又は宅配物が配達されたことを販売者端末装置30に通知する。
【0077】
また、図8のボックススペース21は、奥行き方向(前後方向)に前房76、後房78の2つのスペースとして仕切られている実施形態を示している。
ボックススペース21内の所定位置には、後房78を開閉し、前房76と後房78とを仕切る後扉80が設けられている。後扉80には、ボックススペース21を借り受けた販売者及び/又は購入者に対して管理サーバ12の制御部14から送信された開錠キーによって開錠するロック機構82が設けられている。
【0078】
前房76の前面には、前扉84が設けられている。前扉84には、ボックススペース21を借り受けた販売者及び/又は購入者に対して管理サーバ12の制御部14から送信された開錠キーによって開錠するロック機構86が設けられている。
【0079】
なお、後扉80を開ける際には、前扉84も開ける必要があるため、後扉80を開錠する開錠キーは、前扉84も開錠できる。すなわち、後房78を利用する購入者に対しては、管理サーバ12の制御部14によって前扉84と後扉80の双方を開錠可能な開錠キーが購入者端末装置40に送信される。
一方、前房76のみを利用する購入者に対しては、管理サーバ12の制御部14によって前扉84のみを開錠する開錠キーが購入者端末装置40に送信される。
【0080】
前房76の内部には、前房76内の商品の有無を検出可能な前房内検知センサ88が設けられており、後房78の内部には、後房78内の商品の有無を検出可能な後房内検知センサ89が設けられている。
ロッカー装置20の制御部50は、購入者が開錠キーによって前扉84を開けたことを検出し、且つ前房76内の商品が無くなったことを検出した場合には、管理サーバ12の制御部14にその旨を通知する。管理サーバ12の制御部14は、購入者が前房76内の商品が購入者の手元に渡ったと判断し、販売者端末装置30に前房76内の商品が購入者の手元に渡った旨を通知する。
また、ロッカー装置20の制御部50は、購入者が開錠キーによって前扉84及び後扉80を開けたことを検出し、且つ後房78内の商品が無くなったことを検出した場合には、管理サーバ12の制御部14にその旨を通知する。管理サーバ12の制御部14は、購入者が後房78内の商品が購入者の手元に渡ったと判断し、販売者端末装置30に後房78内の商品が購入者の手元に渡った旨を通知する。
【0081】
図9に奥行き方向(前後方向)に前房76、後房78の2つのスペースとして仕切られているボックススペース21の概略平面図を示す。
ボックススペース21の左右の両内壁面にはヒンジ90a、90bが取り付けられている。ボックススペース21の平面視左側の内壁面にヒンジ90aの一方の羽根91aが固定され、他方の羽根91bがボックススペース21の内側に突出して後扉80のストッパーとして機能している。
【0082】
ボックススペース21の平面視右側の内壁面にヒンジ90bの一方の羽根92aが固定され、他方の羽根92bがボックススペース21の内側に突出している。他方の羽根92bには、後扉80を開閉動作させるヒンジ93が取り付けられている。
【0083】
なお、前房76と後房78に分かれたボックススペース21において、大きい商品を収納する場合について、図10に基づいて説明する。
後扉80を開いたうえで、ヒンジ90aの他方の羽根91bを内壁面に平行となるように開き、ヒンジ90bの他方の羽根92bを内壁面に平行となるように開き、後扉80のヒンジ93も内壁面に平行となるように開く。
このように各ヒンジを内壁面に平行となるように開くことにより、ボックススペース21を1つのスペースとして利用でき、且つ邪魔な突出部分がなくなり、広いスペースを提供できる。
【0084】
なお、図8図9に示したボックススペース21の使用例としては、図10のようにサイズが大きい商品に対して1つのボックススペースとして使用するほかに以下のような使用例が挙げられる。
前房76を商品の配置用、後房78を在庫配置用として使用することができる。
また、2つの商品を前房76と後房78の双方に配置して、先に前房76の商品を販売し、次に後房78の商品を販売することができる。さらに、販売者が2つの商品を仕入れ、仕入れた2つの商品のうち自身の購入分を後房78に収納し、前房76に収納した商品を販売用とすることができる。
【0085】
次に、図11図12に、上下方向に上房94、下房96の2つのスペースとして仕切られているボックススペース21の実施形態を示す。なお、図11には図8で示した受けスペース68が最上段に設けられている構成を示しているが、受けスペース68が無い構成であってもよい。受けスペース68の構成は上述した構成と同様であるため同じ符号を付し、説明を省略する。
【0086】
ボックススペース21は、上下方向に上房94、下房96が設けられており、上房94と下房96との間は、取り外し可能な中板98によって仕切られている。
中板98は、ボックススペース21の左右両内壁面に取り付けられたL字アングル99a、99bの上に載置されており、取り外しができる。中板98を取り外した場合には、上房94と下房96を1つのスペースとして使用できる。取り外した中板98は、下房96の底面に載置しておくことができる。
【0087】
上房94の前面には上扉100が設けられている。上扉100には、ボックススペース21を借り受けた販売者及び購入者に対して管理サーバ12の制御部14から送信された開錠キーによって開錠するロック機構102が設けられている。
【0088】
下房96の前面には下扉104が設けられている。下扉104には、ボックススペース21を借り受けた販売者及び購入者に対して管理サーバ12の制御部14から送信された開錠キーによって開錠するロック機構109が設けられている。
【0089】
なお、上扉100を開錠する開錠キーは、上扉100のみ開錠できるように管理サーバ12の制御部14で設定され、下扉104を開錠する開錠キーは、下扉104のみ開錠できるように管理サーバ12の制御部14で設定される。
【0090】
上房94の内部には、上房94内の商品の有無を検出可能な上房内検知センサ106が設けられており、下房96の内部には、下房96内の商品の有無を検出可能な下房内検知センサ108が設けられている。
ロッカー装置20の制御部50は、購入者が開錠キーによって上扉100を開けたことを検出し、且つ上房94内の商品が無くなったことを検出した場合には、管理サーバ12の制御部14にその旨を通知する。管理サーバ12の制御部14は、購入者が上房94内の商品が購入者の手元に渡ったと判断し、販売者端末装置30に上房94内の商品が購入者の手元に渡った旨を通知する。
また、ロッカー装置20の制御部50は、購入者が開錠キーによって下扉104を開けたことを検出し、且つ下房96内の商品が無くなったことを検出した場合には、管理サーバ12の制御部14にその旨を通知する。管理サーバ12の制御部14は、購入者が下房96内の商品が購入者の手元に渡ったと判断し、販売者端末装置30に下房96内の商品が購入者の手元に渡った旨を通知する。
【0091】
なお、図11図12に示したボックススペース21の使用例としては、サイズが大きい商品に対して1つのボックススペースとして使用するほかに、上房94又は下房96のいずれか一方を商品の受渡用に使用し、他方を在庫管理用に使用することができる。
上房94及び下房96の双方を商品の受渡用に使用することもできる。
また、上房94又は下房96のいずれか一方を、ボックススペース21を借り受けた販売者自身が購入した商品等による宅配物の受取場所として使用してもよい。
【0092】
次に、ボックススペース21に複数の商品をストック可能であって、ストックされた商品を1つずつ送り出し出来るストックスペースを設けた実施形態を図13に基づいて説明する。
本実施形態では、ボックススペース21内部が前後方向で仕切壁110によって仕切られており、仕切壁110の後方側がストックスペース112として構成されている。
【0093】
ストックスペース112内には、ストックした商品120を1つずつ送り出すことができる送り出し装置116が設けられている。本実施形態での送り出し装置116としては、上下方向に沿って設けられたスパイラルラックを採用している。
スパイラルラックは、上部にモータ121を備えており、モータ121の回転によってスパイラルラックが回転し、スパイラルラックに挟み込まれている商品120が下降するように構成されている。
【0094】
仕切壁110の前方には、ストックスペース112から送り出された商品を配置する配置スペース114が設けられている。
仕切壁110の下端部には、ストックスペース112から商品120を搬送するため、商品120に押されて配置スペース114側へ一方方向にのみ開く、押し開き可能な扉122が設けられている。
また、ストックスペース112と配置スペース114の下端部をまたがって商品搬送用のコンベア124が設けられている。
ボックススペース21の前面には扉128が設けられており、扉128にはロック機構130が設けられている。
【0095】
また、配置スペース114内には、配置スペース内検知センサ126が設けられている。ストックスペース112内には、ストックされている商品120が無くなったかどうかを検出するストックスペース内検知センサ132が設けられている。
【0096】
ロッカー装置20の制御部50は、購入者が開錠キーによって扉128を開けたことを検出し、且つ配置スペース114内の商品が無くなったことを検出し、且つストックスペース112内に商品120がまだ存在していることが検出された場合には、モータ121を駆動して、スパイラルラックから商品120を1個コンベア124上に落下させる。
続いてロッカー装置20の制御部50は、コンベア124を駆動させてコンベア124上の商品120を配置スペース114に移動させる。
【0097】
なお、ロッカー装置20の制御部50は、購入者が開錠キーによって扉128を開けたことを検出し、且つ配置スペース114内の商品が無くなったことを検出し、且つストックスペース112内に商品120が存在しておらず、品切れ状態となったことが検出された場合には、管理サーバ12の制御部14にその旨を通知する。管理サーバ12の制御部14は、販売者端末装置30にストックスペース112内の商品120が品切れになったことを通知する。
【0098】
なお、本実施形態において、ストックした商品120を1つずつ送り出すことができる送り出し装置116としてはスパイラルラックに限定するものではなく、他の構成を採用してもよい。
また、配置スペース114に商品120を送り出す装置もコンベア124に限定することはなく、プッシャー等の装置を採用してもよい。
【0099】
また、以上に説明した賃貸ロッカーを利用した商品受渡システムは、上記の実施形態に限定されるものではなく、例えばロッカー装置を、要冷蔵や要冷凍など各商品に適した温度状態又は湿度状態に設定可能な冷蔵機能や冷凍機能を備えていてもよく、発明の精神を逸脱しない範囲内での他の構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0100】
10 賃貸ロッカーを利用した商品受渡システム
11 通信回線
12 管理サーバ
14 制御部
15 記憶装置
16 入力装置
17 モニタ
18 通信装置
20 ロッカー装置
21 ボックススペース
22 商品売買機能
24 賃貸契約機能
26 開錠キー送信機能
30 販売者端末装置
31 買い物かごに入れるボタン
32 購入手続きボタン
33 契約ボタン
34 選択ボタン
35 選択ボタン
36 入力欄
37 決済ボタン
38 決済ボタン
40 購入者端末装置
44 管理装置
46 通信装置
48 決済用端末
49 庫内検知センサ
50 制御部
52 表示部
54 入力部
56 読取装置
58 スピーカ
60 監視カメラ
62 ロック機構
64 扉開センサ
68 受けスペース
70 挿入口
71 前面扉
72 受けスペース内検知センサ
74 ロック機構
76 前房
78 後房
80 後扉
82 ロック機構
84 前扉
86 ロック機構
88 前房内検知センサ
89 後房内検知センサ
90a、90b ヒンジ
91a、91b 羽根
92a、92b 羽根
93 ヒンジ
94 上房
96 下房
98 中板
99a、99b L字アングル
100 上扉
102 ロック機構
104 下扉
106 上房内検知センサ
108 下房内検知センサ
109 ロック機構
110 仕切壁
112 ストックスペース
114 配置スペース
116 送り出し装置
120 商品
121 モータ
122 扉
124 コンベア
126 配置スペース内検知センサ
128 扉
130 ロック機構
132 ストックスペース内検知センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13