(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】グリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行システム及び変換発行方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241002BHJP
G06Q 20/06 20120101ALI20241002BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q20/06
(21)【出願番号】P 2022142888
(22)【出願日】2022-09-08
【審査請求日】2022-09-08
(32)【優先日】2021-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】596009559
【氏名又は名称】姚 立和
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】姚 立和
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-015468(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0076198(US,A1)
【文献】特開2020-064490(JP,A)
【文献】特開2018-136965(JP,A)
【文献】インフラファンド・不動産テック・海外投資 不動産期待市場 VIEWPOINT 不動産期待市場2017|不動産テック 市場成長の担い手 ビットプロパティー ブロックチェーン技術、仮想通貨を活用 新たな不動産取引のスタイルを提供,月刊プロパティマネジメント,綜合ユニコム,2017年04月01日,第18巻 第4号,P.32-33
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリーンエネルギー銀行と、少なくとも1つの個人ユーザーがもつ端末ユニット(50)と、に応用されるグリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行システムであって、
前記グリーンエネルギー銀行は、
各種グリーンエネルギーおよび/またはカーボンクレジットの移行を管理する複数のエネルギー蓄積ユニット(30)と、
蓄積ベース管理ユニット(10)と、
複数のデジタル資産の流通及び両替を管理する発行管理ユニット(20)と、
取引ユニット(40)と、を備え、
前記複数のエネルギー蓄積ユニット(30)は、前記蓄積ベース管理ユニット(10)に選択的に接続されることができるとともに、前記複数のエネルギー蓄積ユニット(30)は、各種グリーンエネルギーおよび/またはカーボンクレジットの移行
を保存し、
前記蓄積ベース管理ユニット(10)は、前記複数のエネルギー蓄積ユニット(30)によっ
て保存された各種グリーンエネルギーおよび/またはカーボンクレジットについて、価値の異なる各種グリーンエネルギーおよび/またはカーボンクレジットを同一の価値計算単位であるグリーンエネルギー蓄積ベースに変換し、
前記発行管理ユニット(20)は、前記蓄積ベース管理ユニット(10)に接続され、前記発行管理ユニット(20)は、前記グリーンエネルギー蓄積ベースの総価値に基づいてデジタル資産を発行
し、
前記取引ユニット(40)は、前記発行管理ユニット(20)に接続され、前記取引ユニット(40)は、前記発行管理ユニット(20)と前記端末ユニット(50)との間におけるデジタル資産の取引及び変換を実行し、
前記端末ユニット(50)は、個人ユーザーに使用されるとともに、前記端末ユニット(50)は、前記取引ユニット(40)および前記エネルギー蓄積ユニット(30)の少なくとも1つに接続され、また、前記端末ユニット(50)は、前記グリーンエネルギーおよびデジタル資産の少なくとも1つの携帯、保存、計算及び取引に使用され、
個人ユーザーは、前記端末ユニット(50)を使用して前記グリーンエネルギー銀行の取引ユニット(40)とデジタル資産の取引を実行したり、または、前記端末ユニット(50)を通して前記グリーンエネルギー銀行のエネルギー蓄積ユニット(30)とグリーンエネルギーおよび/またはカーボンクレジットの変換を行なう
ことを特徴とするグリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行システム。
【請求項2】
請求項1に記載のグリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行システムにおいて、
前記グリーンエネルギーは、太陽エネルギー、風力エネルギー、地熱エネルギー、または、潮汐エネルギーによる発電で得られる電力である
ことを特徴とするグリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行システム。
【請求項3】
請求項1に記載のグリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行システムにおいて、
前記デジタル資産の通貨価値は、流通通貨の価値と同等であるか、または、固定レートである
ことを特徴とするグリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の前記グリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行システムを用いたグリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行方法であって、
前記グリーンエネルギー銀行がグリーンエネルギーおよび/またはカーボンクレジットを購入して、前記
複数のエネルギー蓄積ユニット(30)に前記購入したグリーンエネルギーおよび/またはカーボンクレジットの移行を
保存するプロセスaと、
前記グリーンエネルギー銀行の前記蓄積ベース管理ユニット(10)が、前記購入したグリーンエネルギーおよび/またはカーボンクレジットを同一の価値計算単位であるグリーンエネルギー蓄積ベースに変換するプロセスbと、
前記発行管理ユニット(20)が、前記グリーンエネルギー蓄積ベースの総価値に基づいてデジタル資産を発行するプロセスcと、
前記端末ユニット(50)が、前記取引ユニット(40)および前記エネルギー蓄積ユニット(30)の少なくとも1つに接続し、前記端末ユニット(50)と前記グリーンエネルギー銀行の取引ユニット(40)との間でデジタル資産の取引を実行したり、または、前記端末ユニット(50)を通して前記グリーンエネルギー銀行のエネルギー蓄積ユニット(30)とグリーンエネルギーおよび/またはカーボンクレジットの変換を行なうプロセスdと、を備える
ことを特徴とするグリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル資産の変換及び応用の技術分野に関し、特に、グリーンエネルギーからデジタル資産を発行することで、個人ユーザーとの取引を可能にするグリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行システム及び変換発行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエネルギーの蓄積量が枯渇していることによるエネルギー不足、さらに、それによる深刻な環境汚染により、人々はますますグリーンエネルギーに依存するようになっている。近年、上述のグリーンエネルギー取得效率及び安定性は、いずれも大幅に向上しており、高コスト及び不安定さといった従来の欠点が改善されているため、一般家庭及び産業への応用意欲が高まっている。
【0003】
しかしながら、従来のグリーンエネルギーの発電設備にかかる投資コストは非常に高いとともに安全性の点で考慮しなければいけない点も非常に多い。さらに、損失やメンテナンスの面でも考慮しなければならない点は多いと共に、リスクも高い。従って、現在グリーンエネルギー産業は大部分が大規模なフランチャイズ事業者によって取り仕切られており、グリーンエネルギー産業は大企業に独占されている。そのため、一般家庭または小企業(以下、個人ユーザー)は、グリーンエネルギー産業に投資することができない。従って、個人ユーザーがグリーンエネルギー発電設備を設置しても取引できないため、個人ユーザーのグリーンエネルギー発電設備設置への意欲はそがれてしまっている。
【0004】
さらに、地球温暖化によって人間の経済生活は深刻な影響を受けており、温室効果ガスの排出量を削減するため、炭素取引によって炭素排出権(または、カーボンクレジット)の売買が行なわれており、市場メカニズムの機能によって、炭素総排出量が効果的に規制されている。しかしながら、実際の運用上では、カーボンクレジットの取引は、先進国の大手取引業者によって独占されており、それによって生み出される経済効果は、炭素排出量の大部分を占める個人ユーザーが共有することができないため、人々のグリーンエネルギー使用への意欲が低減し、それにより、省エネ及び二酸化炭素削減の目標を達成することができていない。
【0005】
言い換えると、従来のグリーンエネルギーの取引制度の問題がグリーンエネルギー産業の普及や個人ユーザーへの流通を難しくしており、それにより、省エネ及び二酸化炭素削減問題を根本的に解決することができないため、グリーンエネルギー産業を効果的に創出且つ発展させることもできていない。従って、本発明は上述の問題をいかに解決するかを探究する。
【0006】
上記の問題を考慮して、本発明者は、従来における個人ユーザーによって生成されたグリーンエネルギー及び削減された炭素排出権を容易に取引することができないという流通面での問題について掘り下げて研究し、従来における個人ユーザーによるグリーンエネルギー及びカーボンクレジット等のグリーンエネルギーの取引が容易ではないことによって生じる欠点と不便さを解決する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、主に、蓄積したグリーンエネルギーをデジタル資産に変換して発行し、さらに、前記デジタル資産によって個人ユーザーがグリーンエネルギーを取引できるようにすることで、グリーンエネルギー産業を活性化させ、誰もがグリーンエネルギーを使用できるようにするグリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行システム及び変換発行方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、さらに、個人ユーザーが前記発行されたデジタル資産によって各種取引を実行できることで、グリーンエネルギーのシェアリングエコノミーを創出することのできるグリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行システム及び変換発行方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のグリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行システム及び変換発行方法は、グリーンエネルギー銀行と、少なくとも1つの個人ユーザーに応用される。前記システムは、蓄積ベース管理ユニットと、発行管理ユニットと、少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニットと、少なくとも1つの取引ユニットと、少なくとも1つの端末ユニットとからなる。前記蓄積ベース管理ユニットは、前記エネルギー蓄積ユニットによってグリーンエネルギーを保存し、前記蓄積ベース管理ユニットによって前記グリーンエネルギーが管理され、また、前記蓄積ベース管理ユニットによって、価値の異なるグリーンエネルギー全体が同一の価値計算単位であるグリーンエネルギー蓄積ベースに変換される。前記発行管理ユニットは、前記蓄積ベース管理ユニットに接続され、前記発行管理ユニットは、前記グリーンエネルギー蓄積ベースの総価値に基づいてデジタル資産を発行するとともに、前記発行管理ユニットによって前記複数のデジタル資産の流通及び両替が管理される。前記少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニットは、前記蓄積ベース管理ユニットに接続され、前記複数のエネルギー蓄積ユニットによってグリーンエネルギーの移行が保存及び管理される。前記少なくとも1つの取引ユニットは、前記発行管理ユニットに接続され、前記複数の取引ユニットによって、前記発行管理ユニットと前記端末ユニット間におけるデジタル資産の取引及び変換が実行される。前記少なくとも1つの端末ユニットは、個人ユーザーに使用されるとともに、前記複数の端末ユニットは、前記複数の取引ユニットまたは/及び前記複数のエネルギー蓄積ユニットに選択的に接続され、また、前記複数の端末ユニットは、各前記グリーンエネルギーまたは/及びデジタル資産の携帯、保存、計算及び取引に使用される。それにより、個人ユーザーは、前記複数の端末ユニットによって前記グリーンエネルギー銀行の取引ユニットとデジタル資産の取引を実行する、または、前記複数の端末ユニットによって前記グリーンエネルギー銀行のエネルギー蓄積ユニットとグリーンエネルギーの変換を行うことができる。これにより、グリーンエネルギー銀行によって発行されたデジタル資産が個人ユーザーによって取引される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明におけるシステムの構成を示した図である。
【
図2】本発明における取引方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明におけるシステムの詳細な構造は
図1、
図2に示す通りである。前記システムは、グリーンエネルギー銀行及び少なくとも1つの個人ユーザーが使用することができる。前記システムは、蓄積ベース管理ユニット10と、発行管理ユニット20と、少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニット30と、少なくとも1つの取引ユニット40と、少なくとも1つの端末ユニット50とからなる。
【0012】
前記蓄積ベース管理ユニット10は前記複数のエネルギー蓄積ユニット30に接続されることで、各種グリーンエネルギーの購入、契約、または貯蔵が可能になる。前記複数のグリーンエネルギーには、太陽エネルギー、風力エネルギー、地熱エネルギー、潮汐エネルギーによるグリーンエネルギーまたはカーボンクレジット等が含まれるがこれらに限定されない。さらに、前記蓄積ベース管理ユニット10によって上述のグリーンエネルギーの購入コストと価値を管理することができ、また、前記蓄積ベース管理ユニット10は、価値の異なるグリーンエネルギー全てを同一の価値計算単位であるグリーンエネルギー蓄積ベースに変換することができる。
【0013】
前記発行管理ユニット20は、前記蓄積ベース管理ユニット10に接続されるとともに、前記発行管理ユニット20は、前記グリーンエネルギー蓄積ベースの総価値に基づいてデジタル資産を発行し、前記デジタル資産の貨幣価値は、流通通貨の価値と同等にすることができ、前記発行管理ユニット20は、前記複数のデジタル資産の流通及び両替を管理することができる。
【0014】
前記複数のエネルギー蓄積ユニット30は、前記蓄積ベース管理ユニット10に選択的に接続されることができるとともに、前記複数のエネルギー蓄積ユニット30は、取引後の各種グリーンエネルギーの移行を保存及び管理することができ、前記複数のエネルギー蓄積ユニット30は、エネルギー蓄積電池、電力契約、またはカーボンクレジット契約の交換であることができるが、これらに限定されない。
【0015】
前記複数の取引ユニット40は、前記発行管理ユニット20に選択的に接続されるとともに、前記複数の取引ユニット40は、前記発行管理ユニット20と前記複数の端末ユニット50との間におけるデジタル資産の取引及び変換を実行することができる。また、前記複数の取引ユニット40と前記複数の端末ユニット50におけるデジタル資産の取引は、前記エネルギー蓄積ユニット30と連係してグリーンエネルギーの変換を実行する。
【0016】
前記複数の端末ユニット50は、個人ユーザーが使用することができるとともに、前記複数の端末ユニット50は、前記複数の取引ユニット40または/及び前記複数のエネルギー蓄積ユニット30と選択的に接続することができる。また、前記複数の端末ユニット50は、各前記グリーンエネルギーまたは/及びデジタル資産の携帯、保存、計算、及び、取引に使用することができ、それにより、個人ユーザーは、前記複数の端末ユニット50によって前記複数の取引ユニット40とデジタル資産の取引を実行することができる、または、前記複数の端末ユニット50によって前記複数のエネルギー蓄積ユニット30とグリーンエネルギーの変換を行うことができる。
【0017】
これにより、個人ユーザーはデジタル資産によってグリーンエネルギーの取引を行うことができ、グリーンエネルギーに基づくデジタル資産の変換発行システムを構成することができる。
【0018】
本発明を実際に使用する場合、
図1、
図2に示す通り、前記グリーンエネルギー銀行の蓄積ベース管理ユニット10によって価値の異なるグリーンエネルギー全体を同一の価値計算単位であるグリーンエネルギー蓄積ベースに変換するとともに、前記発行管理ユニット20によって、グリーンエネルギー蓄積ベースの総価値に基づきデジタル資産を発行することで、前記複数の個人ユーザーがグリーンエネルギーの取引を実行できるようにする。本発明の変換発行方法のプロセスは以下の通りである。
【0019】
a、グリーンエネルギー銀行は少なくとも1つのグリーンエネルギーを購入する。グリーンエネルギー銀行は、少なくとも1つのグリーンエネルギー発電事業者(個人ユーザー、グリーンエネルギー発電所、電気自動車工場を含むが、これらに限定されない)から少なくとも1つのグリーンエネルギー(太陽エネルギー、風力エネルギー、地熱エネルギー、または、潮汐エネルギーによるグリーンエネルギーまたはカーボンクレジットを含むが、これらに限定されない)を購入する。その取引通貨価値は、従来の流通通貨または後述するデジタル資産に限定されない。
【0020】
b、前記購入したグリーンエネルギー全体をグリーンエネルギー蓄積ベースに設定する。前記グリーンエネルギー銀行は、前記購入したグリーンエネルギー全体を、一定額のグリーンエネルギーに設定し、グリーンエネルギー蓄積ベースに変換する。
【0021】
c、前記グリーンエネルギー蓄積ベースによりデジタル資産を発行する。前記グリーンエネルギー銀行は、前記グリーンエネルギー蓄積ベースの価値に基づいてデジタル資産を発行するとともに、前記複数のデジタル資産の貨幣価値は、現在の流通通貨の価値と同等にすることができる。
【0022】
d、前記デジタル資産を使用して少なくとも1つの個人ユーザーと取引する。前記グリーンエネルギー銀行によって発行された前記デジタル資産は、前記グリーンエネルギー銀行と前記複数の個人ユーザー、または、前記複数の個人ユーザー間で取引することができる。その取引項目は前記グリーンエネルギー(グリーンエネルギーまたはカーボンクレジットを含むが、これらに限定されない)の売買または一般商品の売買であることができる。
【0023】
本発明を実際に使用した場合の実施例を以下に挙げる。これにより、さらに理解を深めることができる。
【0024】
(実施例1)
グリーンエネルギー蓄積ベースを生成するとともにデジタル資産を発行する。
【0025】
いずれかのグリーンエネルギー銀行は、そのエネルギー蓄積ユニット30によってグリーンエネルギー産生ユニット(例えば、太陽エネルギー、風力エネルギーの発電所、電気自動車工場、または、個人ユーザー)からグリーンエネルギー(グリーンエネルギーやカーボンクレジットを含むが、これらに限定されない)を購入するとともに、その蓄積ベース管理ユニット10によって購入したグリーンエネルギーを、一定額の価値があるグリーンエネルギー蓄積ベースに変換する。(例えば、その価値が50億以上に相当するグリーンエネルギーを購入し、そのうち50億をグリーンエネルギー蓄積ベースに指定する。)その後、前記発行管理ユニット20によってグリーンエネルギー蓄積ベース全体からデジタル資産(例えば、前記50億のグリーンエネルギー蓄積ベースを50億単位のデジタル資産に変換して発行する。)を発行する。さらに、前記複数のデジタル資産は、現在の流通通貨と同等の価値であるか、または固定レートである。
【0026】
(実施例2)電力の売買に応用する。
【0027】
グリーンエネルギー銀行でデジタル資産の発行が完了すると、個人ユーザーは、エネルギー蓄積機能を備える端末ユニット50によって前記グリーンエネルギー銀行のプラットフォームにおける取引ユニット40から電力を購入したり販売したりすることができる。前記端末ユニット50は、前記グリーンエネルギー銀行のエネルギー蓄積ユニット30に接続され、個人ユーザーが電力の販売を選択すると、前記端末ユニット50内の特定の電力容量が前記エネルギー蓄積ユニット30に出力されるとともに、前記グリーンエネルギー銀行によって取引ユニット40から前記端末ユニット50に電力容量に相当するデジタル資産が支払われる。反対に、個人ユーザーが電力の購入を選択すると、前記端末ユニット50によって、前記グリーンエネルギー銀行の取引ユニット40に電力容量に相当するデジタル資産が支払われ、さらに、前記エネルギー蓄積ユニット30によって、支払ったデジタル資産に対応する電力容量が前記端末ユニット50内に出力される。
【0028】
(実施例3)カーボンクレジットの取引に応用する。
【0029】
グリーンエネルギー銀行がデジタル資産の発行を完了すると、個人ユーザーは、電気自動車または電気設備を端末ユニット50と相互に接続させることができる。操作上、前記電気自動車または電気設備が作動後に、走行距離、積載量、または、消費電力量等を含むがこれらに限定されないエネルギー消費のデータを検出すると、前記端末ユニット50は、前記のエネルギー消費のデータを受信するとともに、削減された炭素排出量を計算する。前記端末ユニット50と取引ユニット40及びエネルギー蓄積ユニット30は相互に接続できることで、前記個人ユーザーは、前記カーボンクレジットをグリーンエネルギー銀行に販売することができるとともに、前記グリーンエネルギー銀行から取引ユニット40によって前記端末ユニット50にカーボンクレジットに相当するデジタル資産が支払われる。
【0030】
(実施例4)デジタル資産によって取引を実行する。
【0031】
グリーンエネルギー銀行がデジタル資産の発行を完了すると、いずれかの個人ユーザーは、自分が所有する端末ユニット50を利用して販売商品を備えるいずれかの個人ユーザーの端末ユニット50またはグリーンエネルギー銀行の取引ユニット40に接続することで、自分が所有するデジタル資産によって各種商品の取引を相互に直接実行することができる。
【0032】
上述から分かる通り、本発明は、グリーンエネルギー(グリーンエネルギーやカーボンクレジットを含むが、これらに限定されない)をデジタル資産に変換して発行することで、個人ユーザーがデジタル資産を使用してグリーンエネルギーの取引を実行できるようにする。これにより、グリーンエネルギー産業が活性化され、グリーンエネルギーを流通させて誰もがグリーンエネルギーを使用できるようにするとともに、グリーンエネルギー市場のシェアリングエコノミーを創出することで、一般家庭または小型企業の個人ユーザーもグリーンエネルギー産業に投資できるようになることで、エネルギー不足の問題を解決できるとともに経済をより活性化させることができる。
【符号の説明】
【0033】
10 蓄積ベース管理ユニット
20 発行管理ユニット
30 エネルギー蓄積ユニット
40 取引ユニット
50 端末ユニット
a グリーンエネルギー銀行が少なくとも1つのグリーンエネルギーを購入する
b 前記購入したグリーンエネルギー全体をグリーンエネルギー蓄積ベースに設定する
c 前記グリーンエネルギー蓄積ベースによりデジタル資産を発行する
d 前記デジタル資産を使用して少なくとも1つの個人ユーザーと取引する