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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】マットレス用シーツ
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/02 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
A47G9/02 Q
A47G9/02 N
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023182896
(22)【出願日】2023-10-25
【審査請求日】2024-05-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523024428
【氏名又は名称】株式会社マーメイド
(74)【代理人】
【識別番号】100209129
【弁理士】
【氏名又は名称】山城 正機
(72)【発明者】
【氏名】花城 忠雄
(72)【発明者】
【氏名】花城 康太
【審査官】葛谷 光平
(56)【参考文献】
【文献】特許第7246809(JP,B1)
【文献】特許第2922464(JP,B2)
【文献】特開2001-292882(JP,A)
【文献】実開昭51-33913(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二組の対向する辺を有する略矩形状に形成されたシーツ本体と、前記シーツ本体の各辺を当該辺に略直交する方向に引っ張るための複数の引っ掛け部を備えたマットレス用シーツであって、
前記複数の引っ掛け部は、前記各辺の辺縁に沿って配置した所定幅を有する紐状部材に対して、前記辺縁に直交する方向に縫着した縫着部を当該辺縁に沿った所定間隔で生成することで形成されるとともに、
前記紐状部材は、前記各辺の延設方向端部から前記辺縁に沿った方向に所定間隔あけて配置される、
マットレス用シーツ。
【請求項2】
前記紐状部材は前記シーツ本体を形成する材料と同じ材料によって形成される、
請求項1に記載のマットレス用シーツ。
【請求項3】
前記紐状部材の厚みが1.5mm以下である、
請求項1に記載のマットレス用シーツ。
【請求項4】
前記各辺に略直交する方向に移動する掛脱部材を用いて張設され、前記掛脱部材が、平面視略矩形状のプレート部と、前記プレート部の長辺に所定の間隔で設けられた、前記引っ掛け部に掛脱可能な複数の掛脱部によって構成され、
前記縫着部が形成される間隔が前記掛脱部が設けられる間隔よりも狭く設定される、
請求項1~のいずれかに記載のマットレス用シーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレス用シーツに関し、特に、ベッドメイキングの際のシーツ交換を容易に行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばホテルや介護施設などにおいては、使用者が就寝するためのベッドが多数設置されており、ベッドにはベッドに設置されたマットレスを覆うように敷布(シーツ)が設置される。ベッドが使用されるたびにシーツは取り外され、新しく清潔なシーツが設置される。
【0003】
一般的なシーツはマットレスよりも大きな一枚の略矩形状の布材からなる。略直方体形状のマットレスをくるむようにシーツを張設するためには、まず、シーツを広げた状態で、シーツの中心部とマットレスの中心部を合わせるようにしてシーツをマットレス上に載置し、その後、マットレスを部分的に持ち上げ、持ち上げたマットレスの裏面側にシーツの端部を折り込む。シーツの端部をマットレスの裏面側に折り込む動作は、マットレスの下方に手を入れてマットレスの中心部に向けて手を伸ばしシーツの端部を引っ張る必要がある。そして、折り込んだシーツをマットレスの下方において中心部に向けて万遍なく引っ張って皺が生じないよう張設する。一枚のシーツを設置するためには、このような動作をマットレスの四辺全てにおいて行う必要があり、シーツをきれいに皺なく設置するのには、かなりの労力が必要である。しかも、ホテルや介護施設に設置されるベッドの数は膨大であり、限られた人手で全てのベッドのシーツ交換を行うのは負担が大きい。
【0004】
そこで、シーツ交換にかかる労力を軽減するための技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された技術は、シーツの縁部に沿って複数設けられた輪にシーツ引張用フックを引っ掛けた状態で、シーツ引張用フックを駆動するためのハンドルを回すことで輪に引っかけたシーツ引張用フックを下方に移動させてシーツを設置する張設装置に関するものである(特許文献1)。
【0005】
また、特許文献2に記載された技術は、シーツの対向する辺の縁部に複数設けたシーツ側留め具に、長さ調節機能を持つベルトの両端部に設けられたベルト側留め具を引っ掛け、ベルトをマットレスの下方に回した状態で、ベルトの長さを短くすることで対向するシーツ側留め具を互いに引っ張り、シーツを皺なく貼るものである(特許文献2)。
【0006】
特許文献1及び特許文献2に開示された技術によると、比較的労力をかけずにシーツを設置することができる一方で、フックなどを引っ掛けるための引っ掛け部をシーツ自体に設ける必要があり、必要な引っ掛け部の数や設置する位置ないし間隔などは、シーツを張設するための装置によって様々である。
【0007】
すなわち、異なる装置を用いてシーツを見栄え良く張設するためには、その装置に応じた引っ掛け部を備えるシーツが必要となり、それぞれの装置に応じてシーツの改良が必要となるため、汎用性に欠ける。
【0008】
また、引っ掛け部が多数備えられたシーツの場合、いずれの引っ掛け部にフックや留め具を引っ掛けるべきか判断が難しく、また結局のところ、シーツの中心部とマットレスの中心部を合わせてシーツをセットする必要があり、この中心位置合わせに時間を要するため、人員の練度の差によってシーツ交換にかかる時間や仕上がりの美しさが異なることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許第2922464号公報
【文献】特開2001-292882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、人員に練度の差があったとしても、マットレス裏面側にシーツを折り込んで張設する際にかかる時間や仕上がりの美しさの差を低減することが可能なマットレス用シーツを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の発明者らは、マットレス用シーツの裏面における四辺の端部近傍に辺縁に沿って、所定幅を有する紐状部材を所定間隔で均等に縫着することで、練度の差に依らず引っ掛け部材を均等にシーツに引っ掛けることが可能となることを見出し、本発明に至った。
【0012】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0013】
第1の特徴に係るマットレス用シーツは、二組の対向する辺を有する略矩形状に形成されたシーツ本体と、シーツ本体の各辺を当該辺に略直交する方向に引っ張るための複数の引っ掛け部を備えたマットレス用シーツである。複数の引っ掛け部は、各辺の辺縁に沿って配置した所定幅を有する紐状部材に対して、辺縁に直交する方向に縫着した縫着部を当該辺縁に沿った所定間隔で生成することで形成する。
【0014】
第1の特徴に係る発明によれば、各辺の縁に沿って配置した所定幅を有する紐状部材に対して、辺縁に直交する方向に縫着した縫着部を辺縁に沿った所定間隔で生成することで、複数の引っ掛け部を辺縁に沿って等間隔に並設することができる。そのため、等間隔で並設された引っ掛け部のどの位置にフック等の引っ掛け部材を引っ掛けるかさえ覚えておけば、シーツの中心を合わせる必要もなく、練度が低い人員であっても時間をかけることなく綺麗にシーツを張設することができる。
【0015】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、紐状部材は、各辺の延設方向端部から辺縁に沿った方向に所定間隔あけて配置される。
【0016】
第2の特徴に係る発明によれば、紐状部材が各辺の延設方向端部から辺縁に沿った方向に所定間隔あけて配置されるため、各紐状部材を縫着するに際し、シーツ短辺に沿って配置する紐状部材とシーツ長辺に沿って配置する紐状部材の干渉を防止することができる。このことにより、シーツの厚みが過剰に大きくなることを防止することができる。また、一般に、シーツの大きさはマットレスの大きさよりも十分に余裕を持った大きさに形成されているため辺縁の全てに引っ掛け部を形成する必要は無く、端部から所定の間隔をあけて紐状部材を配置することで、引っ掛け部を形成するための費用と労力を削減することが可能となる。
【0017】
第3の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、紐状部材はシーツ本体を形成する材料と同じ材料によって形成される。
【0018】
第3の特徴に係る発明によれば、紐状部材がシーツ本体を形成する材料と同じ材料によって形成されるため、洗濯や乾燥、アイロンプレスなどを繰り返した場合でも、シーツ本体の伸縮度合いと紐状部材の伸縮度合いを合わせることができるため、長期間にわたって継続的に使用することができる。
【0019】
第4の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、紐状部材の厚みが1.5mm以下である。
【0020】
第4の特徴に係る発明によれば、紐状部材の厚みを1.5mm以下としたため、紐状部材をシーツ本体に縫い付けたとしても全体の厚みが過剰に大きくなることを抑制することができ、ドラムでのプレスの際にドラムにかかる負荷を低減することができる。
【0021】
第5の特徴に係る発明は、第1から第4のいずれかの特徴に係る発明であって、各辺に略直交する方向に移動する掛脱部材を用いて張設され、掛脱部材が、平面視略矩形状のプレート部と、プレート部の長辺に所定の間隔で設けられた、引っ掛け部に掛脱可能な複数の掛脱部によって構成され、縫着部が形成される間隔が掛脱部が設けられる間隔よりも狭く設定される。
【0022】
第5の特徴に係る発明によれば、掛脱部材において掛脱部が設けられる間隔よりも狭い間隔で略均等に縫着部が形成されるため、例えば最も端の掛脱部を端から何番目の引っ掛け部に引っ掛けるかさえ間違わなければ、あとは各掛脱部材を各辺縁に直交する方向に引っ張るだけで、シーツの中心を合わせる必要もなく、時間をかけずに綺麗にシーツを張設することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、人員に練度の差があったとしても、マットレス裏面側にシーツを折り込んで張設する際にかかる時間や仕上がりの美しさの差を低減することが可能なマットレス用シーツを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本実施形態に係るマットレス用シーツ20の全体構成を示す模式図である。図1(a)はマットレス用シーツ20全体の平面図であり、図1(b)は部分拡大図である。
図2図2は、張設ユニット1を構成する掛脱部材10の詳細を示す模式図であり、図2(a)は斜視図を、図2(b)は平面図を示す。
図3図3は、掛脱部材10を本実施形態に係るマットレス用シーツ20に引っ掛けた状態を示す模式図である。
図4図4は、本実施形態に係るシーツ張設装置1の全体構成を簡略的に示す模式図であり、図4(a)は斜視図を、図4(b)は平面図を示す。
図5図5は、本実施形態に係るシーツ張設装置1の分解斜視図である。
図6図6は、ベッドフレーム30の辺に直交する方向に往復動可能な張設ユニット100について説明する模式図であり、図6(a)は斜視図を、図6(b)は平面図を示す。
図7図7は、本実施形態に係る張設ユニット100のうち、往復動しない固定構造の張設ユニット100を示す模式図である。
図8図8は、本実施形態に係るシーツ張設装置1の張設対象であるマットレス用シーツ20をマットレス40上に広げる手順を示す模式図である。
図9図9は、マットレス用シーツ20に掛脱部材10を掛止する手順を示す模式図である。
図10図10は、シーツ張設装置1を用いてマットレス用シーツ20を張設した状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0026】
[マットレス用シーツ20の全体構成]
図1を用いて、本実施形態に係るマットレス用シーツ20の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係るマットレス用シーツ20の構成を示す平面図である。図1(a)はマットレス用シーツ20全体の平面図であり、図1(b)は部分拡大図である。
【0027】
図1(a)に示すように、本実施形態に係るマットレス用シーツ20は、対向する短辺21a及び長辺21bを有する略矩形状に形成されたシーツ本体21を備えており、シーツ本体21の各辺21a、21bを当該辺21a、21bに略直交する方向に引っ張るための複数の引っ掛け部22が形成される。図1(b)に示すように、シーツ本体21の短辺21aにおける引っ掛け部22は、短辺21aの辺縁に沿って配置した所定幅を有する紐状部材23に対して、辺縁に直交する方向に縫着した縫着部23tを第一の所定間隔T1で均等に形成して複数の輪状部を生成することで形成される。同様に、長辺21bの辺縁に沿って配置した所定幅を有する紐状部材23に対して、辺縁に直交する方向に縫着した縫着部23tを第二の所定間隔T2で均等に形成して複数の輪状部を生成することで、長辺21bにおける引っ掛け部22が形成される。
【0028】
つまり、本実施形態に係るマットレス用シーツ20を構成する紐状部材23は、所定幅と所定の厚み、及び、所定の長さを有する平面視略矩形状の綿製の部材であり、そのままではシーツ本体21に接続されるものではない。本実施形態においては、図1(b)に示すように、紐状部材23をシーツ本体21上に配置し、紐状部材23が延伸する方向に直交する向きの縫着部23tを、紐状部材23の延伸方向に沿って所定間隔で均等に形成することで、二か所の縫着部23t、23tの間において、紐状部材23の延伸方向に直交する向きにのみ連通可能な輪状部が形成される。二か所の縫着部23t、23t間に形成された輪状部がフック等の掛脱部を引っ掛けることが可能な引っ掛け部22として機能する。なお、本実施形態において、縫着部23tを形成する間隔T1、T2は、ともに70mmとしているが、これに限ったものではない。
【0029】
また、各紐状部材23は、各辺21a、21bの延設方向端部から辺縁に沿った方向に所定間隔あけて配置される。つまり、図1(b)に示すように、短辺21aの辺縁に沿って配置される紐状部材23の両端部は、短辺21aの延設方向端部つまり長辺21bから短辺21aの辺縁に沿った方向に所定間隔T3だけ間隔をあけて配置される。同様に、長辺21bの辺縁に沿って配置される紐状部材23の両端部は、長辺21bの延設方向端部つまり短辺21aから長辺21bの辺縁に沿った方向に所定間隔T4だけ間隔をあけて配置される。なお、本実施形態において、所定間隔T3、T4は、ともに、150mmとしているが、これに限ったものではない。T3とT4が同じ距離であってもよいし、異なる距離であってもよい。
【0030】
また、本実施形態において、紐状部材23はシーツ本体21を形成する材料と同じ材料によって形成される。本実施形態においては、シーツ本体21及び紐状部材23は綿によって形成されるが、これに限ったものでなく、綿に麻や絹が混合されたものや、ポリエステルなどの化学繊維が混合されたものでも良い。
【0031】
また、本実施形態においては、紐状部材23の厚みは1.5mm以下、好ましくは1.0mm以下である。なお、紐状部材23として、厚み1.5mm以下の綿製の綾テープを使用してもよい。
【0032】
[掛脱部材10の全体構成]
次に、図2及び図3を用いて、本実施形態に係るマットレス用シーツ20の各辺を、当該辺に略直交する方向に引っ張るための掛脱部材10の全体構成について説明する。図2は、掛脱部材10の全体構成を示す模式図である。図2(a)が斜視図であり、図2(b)が平面図である。図3は、本実施形態に係るマットレス用シーツ20の短辺21aの一つに掛脱部材10を引っ掛けた状態を示す模式図である。
【0033】
図2に示すように、掛脱部材10は、一方向に長い平面視略矩形状のプレート部11と、プレート部11の長辺に形成された、本実施形態に係るマットレス用シーツ20の引っ掛け部22に掛脱可能な複数の掛脱部12によって構成される。すなわち、略矩形状に形成されたプレート部11の長辺にはフック状部材からなる掛脱部12が複数形成される。
【0034】
なお、本実施形態においては、複数の掛脱部12は所定の間隔T5をあけて均等にプレート部11に設けられるが、掛脱部12を設けられる間隔T5は、マットレス用シーツ20の引っ掛け部22が設けられる間隔T1、T2よりも広く設定されている。言い換えれば、マットレス用シーツ20の引っ掛け部22が設けられる間隔T1、T2は、掛脱部材10の掛脱部12が設けられる間隔T5よりも狭くなるよう設定されている。
【0035】
このように形成された掛脱部材10は、例えば、後述するシーツ張設装置に用いることで、本実施形態に係るマットレス用シーツ20の各辺を各辺に直交する方向に張設することができる。
【0036】
掛脱部材10を用いて本実施形態に係るマットレス用シーツ20の各辺を各辺に直交する方向に張設するには、図3に示すように、複数設けられた引っ掛け部22に掛脱部12を引っ掛ける。
【0037】
その際、各辺21a、21bの縁に沿って配置した所定幅を有する紐状部材23に対して、辺縁に直交する方向に縫着した縫着部23tを辺縁に沿った所定間隔T1、T2で生成することで、複数の引っ掛け部22、22、・・・を辺縁に沿って等間隔に生成することができる。そのため、等間隔で生成された引っ掛け部22、22、・・・のどの位置にフック等の掛脱部12を引っ掛けるかさえ覚えておけば、つまり、端から何番目の引っ掛け部22に掛脱部12を引っ掛けるかを予め決めておけば、シーツの中心を合わせる必要もなく、練度が低い人員であっても時間をかけることなく綺麗にマットレス用シーツ20を張設することができる。また、紐状部材23が所定幅を有する平面視略矩形状に形成されているとともに、紐状部材23の長手方向に直交する方向に縫着部23tが形成されるため、掛脱部材10で紐状部材23の長手方向に直交する方向に張設する際に、引っ張る向きにずれが生じにくく、引っ張りに対する強度も高いため、耐久性の高いマットレス用シーツ20を提供することができる。
【0038】
また、各紐状部材23が各辺21a、21bの延設方向端部から辺縁に沿った方向に所定間隔T3、T4あけて配置されるため、各紐状部材23を縫着するに際し、短辺21aに沿って配置する紐状部材23と長辺21bに沿って配置する紐状部材23の干渉を防止することができる。また、一般に、シーツの大きさはマットレスの大きさよりも十分に余裕を持った大きさに形成されているため辺縁の全てに引っ掛け部22を形成する必要は無く、端部から所定の間隔をあけて紐状部材23を配置することで、引っ掛け部22を形成するための費用と労力を削減することが可能となる。
【0039】
また、紐状部材23がシーツ本体21を形成する材料と同じ材料で形成されているため、洗濯や乾燥、アイロンプレスなどを繰り返した場合でも、シーツ本体の伸縮度合いと紐状部材の伸縮度合いを合わせることができるため、長期間にわたって継続的に使用することができる。
【0040】
また、紐状部材23の厚みを1.5mm以下、好ましくは1.0mm以下としたため、ドラムでのプレスの際にドラムにかかる負荷を低減することができる。
【0041】
さらに、掛脱部材10において掛脱部12が設けられる所定の間隔T5よりも狭い間隔T3、T4で略均等に縫着部23tが形成されるため、例えば最も端の掛脱部12を端から何番目の引っ掛け部22に引っ掛けるかさえ間違わなければ、あとは各掛脱部材10を各辺縁に直交する方向に引っ張るだけで、シーツの中心を合わせる必要もなく、時間をかけずに綺麗にマットレス用シーツ20を張設することが可能となる。
【0042】
[シーツ張設装置1の全体構成]
図4図5を用いて、掛脱部材10を備えたシーツ張設装置1の全体構成を説明する。図4は、シーツ張設装置1の全体構成を簡略的に示す模式図である。図4(a)は斜視図を、図4(b)は平面図を示す。図5は、シーツ張設装置1の分解斜視図である。なお、本実施形態において、上方とは重力方向上方を指し、下方とは重力方向下方を指す。また、後述するマットレス40の表面とは、就寝のためなどで使用される際に使用者が乗る側の面を指し、マットレス40の裏面とは、ベッドフレーム30側の面を指す。
【0043】
シーツ張設装置1は、図1に示す二組の対向する辺21a、21bを有する略矩形状に形成され当該対向する二組の辺21a、21bの辺縁に沿って複数の引っ掛け部22が並設された本実施形態に係るマットレス用シーツ20を、ベッドフレーム30の上方に載置される略直方体形状に形成されたマットレス40の周囲に皺なく張設するものである。なお、図4に示す状態は、マットレス40をシーツ張設装置1の支持部材200上に載置する前の状態である。
【0044】
図4及び図5を用いて、シーツ張設装置1の全体構成について説明する。シーツ張設装置1は、図4に示すように、ベッドフレーム30における二組の向かい合う辺縁部において、互いに対向するよう配設される複数の張設ユニット100と、ベッドフレーム30上において複数の張設ユニット100の間に配設され所定の高さでマットレス40を支持する支持部材200によって構成される。
【0045】
張設ユニット100は、ベッドフレーム30における二組の向かい合う辺縁部において、互いに対向するよう配設されており、対向するよう配設された一対の張設ユニット100のうち少なくとも一方の張設ユニット100は、ベッドフレーム30の辺に直交する方向に往復動可能な構成となっており、マットレス用シーツ20の端縁をベッドフレーム30の中心側に向けて引っ張ることが可能である。例えば、図4に示す例においては、ベッドフレーム30の長辺近傍に配設される向かい合う一組の張設ユニット100のうち、一方がマットレス用シーツ20の端縁を引っ張ることができるが、他方はマットレス用シーツ20の端縁を保持するのみである。また、ベッドフレーム30の短辺近傍に配設される向かい合う一組の張設ユニット100のうち、足側の張設ユニット100はマットレス用シーツ20の端縁を引っ張ることができるが、頭側の張設ユニット100はマットレス用シーツ20の端縁を保持するのみである。このように、図4に示す例では、対向するよう配設された一対の張設ユニット100のうち一方の張設ユニット100が往復動可能な構造であり他方の張設ユニット100が固定の構造であるが、対向するよう配設された一対の張設ユニット100の両方が往復動可能な構造を有していてもよい。
【0046】
支持部材200は、ベッドフレーム30とマットレス40の間においてベッドフレーム30の天面に設置され、適宜の平面形状に加工されて形成される。支持部材200はマットレス40を支持する部材であり、後述する張設ユニット100におけるスライドユニット120が往復動可能なように、スライドユニット120が往復動する位置よりも高い所定の高さを有する。例えば本実施形態においては、支持部材200の高さは45mmであり、張設ユニット100の高さは40mmである。また、図5に示すように、支持部材200は発泡スチロールやハニカムなどマットレス40を支持可能なクッション性を備える材料によって形成される支持体210と、支持体210の表面を覆うカバー体220により構成され、支持体210には、後述する張設ユニット100のレール部112に対応する溝が形成される。
【0047】
[張設ユニット100の構成]
次に、図2図6図7を用いて、マットレス用シーツ20の端縁を引っ張ることが可能な構造の張設ユニット100について説明する。
【0048】
図6は、ベッドフレーム30の辺に直交する方向に往復動可能な張設ユニット100について説明する模式図である。図6(a)は斜視図を、図6(b)は平面図を示す。図2は、張設ユニット100を構成する掛脱部材10の詳細を示す模式図である。図2(a)は斜視図を、図2(b)は平面図を示す。
【0049】
それぞれの張設ユニット100は、平面視略矩形状の枠状体によって形成されスライドユニット120を往復動可能に支持するベースユニット110、ベッドフレーム30の対向する辺に直交する方向に往復動可能となるようベースユニット110に接続されたスライドユニット120、及び、マットレス用シーツ20の引っ掛け部22に掛脱可能な掛脱部12を備えた掛脱部材10を有する。
【0050】
ベースユニット110は、設置する辺縁に平行な方向に長い平面視略矩形状に形成されベッドフレーム30上に載置される枠状の土台部111、後述するスライドユニット120が往復動するためのレール部112、及び、スライドユニット120の動きを規制するロック機構113を備える。
【0051】
土台部111は、ベッドフレーム30の天面に載置される部材であり、平面視略矩形状の枠状部材によって形成される。土台部111にはスライドユニット120を往復動可能に支持するレール部112が固定される。
【0052】
レール部112は、土台部111に固定される棒状の部材であり、張設ユニット100がベッドフレーム30の辺縁に配置されたときにベッドフレーム30の辺に対して直交する方向を向くよう延設される。
【0053】
ロック機構113は、適度な位置に移動させたスライドユニット120が不意に動いてしまわないよう位置決めするものであり、スライドユニット120が往復動する方向に直交する方向に往復動可能な押圧部材によって構成される。押圧部材には後述する係合部124に形成された凹凸部に係合可能な凹凸部が形成されており、ロック機構113の凹凸部と係合部124の凹凸部が係合した状態で押圧部材によって押圧することで、スライドユニット120の動きを規制する。なお、ロック機構113は、スライドユニット120の不意な動きを妨げることができるものであればよく、例えば挟持によるものや、押圧するものなど、凹凸部以外の手段も取り得るものである。
【0054】
次に、スライドユニット120について説明する。スライドユニット120は、掛脱部材10を収容するトレイ121、トレイ121から掛脱部材10が脱落するのを防止する抜け止め部122、ベースユニット110のレール部112と摺動可能に接続されるガイド部123、ベースユニット110のロック機構113と協働してスライドユニット120の動きを規制する係合部124を備える。
【0055】
トレイ121は、支持部材200がマットレス40を支持する位置よりも下方において、ベッドフレーム30の辺に直交する方向に往復動可能となる、設置する辺縁に平行な方向に長い平面視略矩形状に形成される枠状部材である。本実施形態に係るトレイ121は、枠状に形成される部材の内側に掛脱部材10を収容可能な収容部121aを有する。
【0056】
抜け止め部122は、収容部121aに収容された掛脱部材10の抜け止めを行う部材であり、トレイ121に蝶番122aによって回動可能に接続された板状部材によって形成される。つまり、抜け止め部122は、トレイ121に対して回動可能とする蝶番122aを備えるため、板状体が略水平な状態となる抜け止め状態と、板状体が略鉛直方向を向く開放状態とを切り替え可能に構成される。このような構成により抜け止め部122は、収容部121aに収容された掛脱部材10を上方から部分的に覆う抜け止め状態と覆わない開放状態とを切り替え可能に構成される。そして、掛脱部材10を収容部121aに収容したうえで抜け止め状態とすることで、掛脱部材10がトレイ121に従動する。なお、抜け止め部122の構成はこれに限定されるものではなく、掛脱部材10の抜け止めが可能な構成であれば、孔部やスリットなどであってもよい。
【0057】
ガイド部123は、ベースユニット110に設けられるレール部112を挿通可能な挿通孔を有する棒状部材であり、トレイ121の裏面側に固定される。スライドユニット120のガイド部123の挿通孔内をベースユニット110のレール部112が往復動することにより、ベースユニット110に対しスライドユニット120がスライド可能となる。なお、ガイド部123はレール部112に対して往復動可能な構成であればよく、挿通孔を備えた棒状部材以外のものでもよい。
【0058】
係合部124は、トレイ121及び/又はガイド部123に固定された棒状部材であり、往復動方向に沿って複数の凹凸部が刻設される。係合部124の往復動方向に沿って形成された凹凸部は、上述したロック機構113の凹凸部と協働してスライドユニット120の動きを規制する機能を奏する。
【0059】
なお、図6においては、ベッドフレーム30の辺に直交する方向に往復動可能な張設ユニット100について示しているが、往復動しない固定構造の張設ユニット100については、図7に示すように、往復動可能な張設ユニット100のトレイ121と抜け止め部122のみの構成であるため、説明は省略する。なお、図7に示すように、往復動しない固定構造の張設ユニット100における土台部110は、トレイ121の下方に位置する平面視略矩形状の枠状部材によって構成される。
【0060】
本実施形態に係る掛脱部材10は、図2図6及び図7に示すように、トレイ121の収容部121aに収容可能な形状を呈する、張設ユニット100を設置する辺縁に平行な方向に長い平面視略矩形状のプレート部11と、プレート部11の長手方向の一辺に形成された、マットレス用シーツ20端縁の引っ掛け部22に掛脱可能な複数の掛脱部12によって構成される。すなわち、略矩形状に形成されたプレート部11の長辺にはフック状部材からなる掛脱部12が複数形成される。掛脱部12は、トレイ120がベッドフレーム30の中心部側に移動された際に、掛脱部12に係止されるマットレス用シーツ20の引っ掛け部22を同一方向に引っ張るように設定される。
【0061】
[シーツ張設装置1によるシーツ張設手順]
次に、図8図10を用いて、シーツ張設装置1を用いて本実施形態に係るマットレス用シーツ20を張設する手順について説明する。図8は、シーツ張設装置1の張設対象である本実施形態に係るマットレス用シーツ20をマットレス40上に広げる手順を示す模式図であり、図9は、マットレス用シーツ20に掛脱部材10を掛止する手順を示す模式図であり、図10は、シーツ張設装置1を用いてマットレス用シーツ20を張設した状態を示す模式図である。なお、図8及び図10において、シーツ張設装置1はマットレス40とベッドフレーム30に挟まれて位置しているためほとんど図示されない。このとき、マットレス40は支持部材200上に載置されており、スライドユニット120はその動きを制限されることなく、それぞれ往復動可能な状態にある。
【0062】
まず、図8(a)~(c)に示すように、シーツ張設装置1の支持部材200上に載置されたマットレス40の上に、マットレス用シーツ20を広げる(ステップS100)。
【0063】
このとき、マットレス用シーツ20のそれぞれの辺はマットレス40の辺よりも大きいため、図8(c)に示すように、長辺21bの端部を折り畳み、長辺21bに設けられた引っ掛け部22がマットレス40上に載置される状態としてもよい。
【0064】
なお、本実施形態においては、図8(a)に示すように、マットレス用シーツ20は長辺21bの端部を折り畳んだ状態で巻き取り棒50に巻回されており、マットレス用シーツ20が巻回された巻き取り棒50をマットレス40上で転がすことで(図8(b))、マットレス用シーツ20をマットレス40上に広げる。このようにすることで、巻き取り棒50をマットレス40上で転がすだけで、図8(c)に示すように、長辺21bの引っ掛け部22がマットレス40上に表出された状態でマットレス用シーツ20を広げることができる。
【0065】
なお、図8(a)に示すような巻き取り棒50は必須ではなく、本実施形態に係るマットレス用シーツ20をマットレス40上に広げることができれば、巻き取り棒50は使用せず、例えば矩形状に折り畳まれた状態から広げるようにしてもよい。
【0066】
次に、図9に示すように、マットレス用シーツ20の長辺21bに設けられた引っ掛け部22に掛脱部材10の掛脱部12を係止し、短辺21aに設けられた引っ掛け部22に掛脱部材10の掛脱部12を係止する(ステップS110)。このとき、図9(a)及び図9(b)に示すように、掛脱部12がマットレス40の外側に位置するように引っ掛け部22に掛脱部12を係止する。そして、掛脱部12を引っ掛け部22に係止してから、マットレス40上において掛脱部材10を何度か反転させて、掛脱部材10の周囲にマットレス用シーツ20を巻き込むようにしてもよい。この動作をすることで、掛脱部材10を収容部121aに収容して張設する際に、確実にマットレス用シーツ20を引っ張ることができるようになる。上記のような係止して反転させるという動作を、長辺21b及び短辺21aに係止する掛脱部材10全てについて行う。なお、本実施形態においては、図9(b)に示すように、一つの長辺21bの引っ掛け部22に一つの掛脱部材10が取り付けられ、一つの短辺21aの引っ掛け部22に一つの掛脱部材10が取り付けられ、二組の短辺21a及び長辺21bに合計四つの掛脱部材10が取り付けられる。
【0067】
そして、図示は省略するが、短辺21aの引っ掛け部22及び長辺21bの引っ掛け部22に取り付けた掛脱部材10を、対応する辺縁に配置した張設ユニット100におけるトレイ121の収容部121aに収容する(ステップS120)。このとき、スライドユニット120が備えるトレイ121をマットレス40の下方からスライドして引き出しておき、掛脱部材10を収容部121aに収容する。この掛脱部材10をトレイ121の収容部121aに収容するという動作を、四つ全ての掛脱部材10について行う。
【0068】
そして、トレイ121に蝶番122aを用いて回動可能に接続されている抜け止め部122を水平になるよう倒すことで、掛脱部材10が収容部121aから抜け出ることを防止する抜け止め状態とする(ステップS130)。
【0069】
さらに、スライドユニット120を備える張設ユニット100において、トレイ121を手で押し込みマットレス40の中心部側に移動させる(ステップS140)。この動作により、マットレス40の裏面側において、掛脱部12がマットレス用シーツ20の引っ掛け部22をマットレス40の中心部側に引っ張ることができ、少なくとも、掛脱部材12が設置されている領域においては、マットレス用シーツ20に皺を付けることなくマットレス40の裏面側に折り込むことができる。
【0070】
このとき、シーツ張設装置1においては、図4に示すように、スライドユニット120を備える張設ユニット100と対向する側には、スライドユニット120を有しない固定構造の張設ユニット100が配置されているため、固定構造の張設ユニット100を起点としてスライドユニット120によってマットレス用シーツ20の一辺の端部を引っ張ることができ、対向する一組の辺において皺を形成することなくマットレス用シーツ20の端部をマットレス40の裏面側に折り込むことができる。
【0071】
このような動作を、対向するもう一組の辺においても行うことにより、対向する長辺と短辺において、固定構造の張設ユニット100を起点としてマットレス用シーツ20の端部を引っ張ることができ、図9に示すように、皺を形成することなくマットレス用シーツ20の端部をマットレス40の裏面側に折り込むことができる。
【0072】
なお、対向する一組の辺に配置された張設ユニット100の両方がスライドユニット120を備えるものである場合には、片方ずつ順次、スライドユニット120によってマットレス用シーツ20の端部を引っ張るようにすれば良い。
【0073】
このように構成されたシーツ張設装置1によれば、互いに対向するよう配設される複数の張設ユニット100と、複数の張設ユニット100の間に配設され所定の高さでマットレス40を支持する支持部材200によってシーツ張設装置1が構成されるため、複数の張設ユニット100をベッドフレーム30上に適切に配置することで、ベッドのサイズに関わらず、長辺及び短辺それぞれに直交する方向にマットレス用シーツ20を張設することが可能なシーツ張設装置1を提供できる。
【0074】
また、それぞれの張設ユニット100がベースユニット110とトレイ121と掛脱部材10を備えるユニットにより形成されるため、張設ユニット100を複数準備することで、多様なサイズのベッドに適用可能なシーツ張設装置1を提供できる。
【0075】
しかも、張設ユニット100を支える役割を果たすベースユニット110が、マットレス40を支持する支持部材200とは別体に形成されているため、ベッドフレーム30やマットレス40のちょっとした大きさの違いに対応するには支持部材200の形状や大きさを変更すればよく、ベースユニット110を含む張設ユニット100の大きさを変更することなく、サイズの異なるベッドフレーム30に対応できる。言い換えると、張設ユニット100はマットレス40の支持には関与しないため、ベッドフレーム30やマットレス40の大きさに違いがあったとしても、張設ユニット100自体の大きさを変える必要が無く、所定の大きさの張設ユニット100で多様な大きさのベッドに対応できるため、量産化が容易となりコスト削減につながる。
【0076】
さらに、対向する張設ユニット100のうちの少なくとも一方は、支持部材200がマットレス40を支持する位置よりも下方において、トレイ121がベッドフレーム30の対向する辺に直交する方向に往復動可能となるようベースユニット110に設置されており、掛脱部材10はトレイ121に従動するため、掛脱部12をマットレス用シーツ20の引っ掛け部22に掛止した状態でトレイ121をマットレス40の中央部側に押し込むだけで、簡単にマットレス用シーツ20の端部をマットレス40の裏面側に折り込むことができ、労力をかけずにしかも皺なくマットレス用シーツ20をマットレス40に張設することができる。
【0077】
また、トレイ121が、掛脱部材10を収容する略枡状の収容部121aを備えるとともに、収容部121aの端部に、収容された掛脱部材10の抜けを防止する抜け止め部122を備え、掛脱部材10が、引っ掛け部22に掛脱可能な掛脱部12を備えたプレート部11によって構成されるため、掛脱部材10を必要に応じてトレイ121から取り外すことができる。そのため、トレイ121から取り外した掛脱部材10の掛脱部12をマットレス用シーツ20の端部に設けた引っ掛け部22に掛止する動作を楽に行うことができ、張設作業をより容易に行うことができる。また、掛脱部12を引っ掛け部22に掛けた状態で、抜け止め部122の下方に掛脱部材10を位置させることにより、掛脱部材10がトレイ121から抜けることを防止しつつ、張設可能となる。
【0078】
また、トレイ121をベースユニット110に設けられたレール部112を用いて、対向する一対の辺に直交する方向に往復動可能とするため、複雑な機構を用いることなく往復動可能な機構を構成することができる。
【0079】
また、トレイ121の動きを規制するロック機構113をさらに設けたため、所望の位置までトレイ121を移動させて張力をかけたのち、当該所望の位置を保持することができる
【0080】
また、掛脱部12が複数のフック状部材によって構成されているため、一つのトレイ121を移動させるだけで、所定範囲のシーツ20の端部を引っ張ることができ、マットレス用シーツ20を張設するための労力を節約することができる。
【0081】
なお、シーツ張設装置1として、支持部材200がマットレス40を支持する位置よりも下方において、ベッドフレーム30の対向する辺に直交する方向に往復動するスライドユニット120を用いることでマットレス用シーツ20を張設するものを例示したが、これに限ったものではなく、マットレス40の下方において上下方向に往復動するスライドユニットを用いて張設するものでもよい。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0083】
また、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0084】
この発明のマットレス用シーツは、ホテルや介護施設のベッドなど、ベッドメイキングに多大な労力を必要とする施設に設置されるマットレスに適用することができる。また、本発明の技術は、ベッドのシーツのみならず、例えば、ソファを覆うカバー、鉄道の座席など、種々の布を張る必要がある設備に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 シーツ張設装置
100 張設ユニット
110 ベースユニット
111 土台部
112 レール部
113 ロック機構
120 スライドユニット
121 トレイ
121a 収容部
122 抜け止め部
122a 蝶番
123 ガイド部
124 係合部
200 支持部材
210 収容部
220 カバー体
10 掛脱部材
11 プレート部
12 掛脱部
20 マットレス用シーツ
21 シーツ本体
21a 短辺
21b 長辺
22 引っ掛け部
23 紐状部材
23t 縫着部
30 ベッドフレーム
40 マットレス
50 巻き取り棒

【要約】
【課題】人員に練度の差があったとしても、マットレス裏面側にシーツを折り込んで張設する際にかかる時間や仕上がりの美しさの差を低減することが可能なマットレス用シーツを提供する。
【解決手段】本発明のマットレス用シーツ20は、二組の対向する辺を有する略矩形状に形成されたシーツ本体21と、シーツ本体21の各辺21a、21bを当該辺に略直交する方向に引っ張るための複数の引っ掛け部22、22、・・・を備えたマットレス用シーツ20である。複数の引っ掛け部22、22、・・・は、前記各辺21a、21bの辺縁に沿って配置した所定幅を有する紐状部材23に対して、前記辺縁に直交する方向に縫着した縫着部23tを当該辺縁に沿った所定間隔T1、T2で生成することで形成する。
【選択図】図1
図1
図2
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図10