(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】船舶清掃装置用磁石トラックシュー
(51)【国際特許分類】
B63B 59/10 20060101AFI20241002BHJP
B62D 55/265 20060101ALI20241002BHJP
B62D 57/024 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
B63B59/10 Z
B62D55/265
B62D57/024 L
(21)【出願番号】P 2023552990
(86)(22)【出願日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 KR2021016584
(87)【国際公開番号】W WO2022103214
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0151752
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0154549
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517161566
【氏名又は名称】タスグローバル カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、ドン ウク
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第1789062(CN,A)
【文献】特開平11-255159(JP,A)
【文献】実開平06-069088(JP,U)
【文献】特開平11-286284(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0144715(US,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0444824(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 59/10
B62D 55/00 - 57/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体の表面に付着する無限軌道のトラックシュー本体、
前記トラックシュー本体に設けられて前記トラックシュー本体を前記船体の表面に付着させる磁石部材、および
前記トラックシュー本体に設けられて前記トラックシュー本体が前記船体の表面を損傷させることを防止する摩擦部を含み、
前記トラックシュー本体にはボディ傾斜部が設けられ、前記摩擦部にも前記ボディ傾斜部と対応するように摩擦傾斜部が設けられ、前記船体の表面に設けられた突出物による前記摩擦部の損傷を防止
し、
前記摩擦部は、
上面部が前記トラックシュー本体の底部と接触する摩擦ボディ、および、
前記摩擦ボディの端部に設けられる前記摩擦傾斜部を含み、
前記摩擦部は、
前記摩擦ボディの底面部に設けられる水抜き溝をさらに含む
ことを特徴とする磁石トラックシュー。
【請求項2】
船体の表面に付着する無限軌道のトラックシュー本体、
前記トラックシュー本体に設けられて前記トラックシュー本体を前記船体の表面に付着させる磁石部材、および
前記トラックシュー本体に設けられて前記トラックシュー本体が前記船体の表面を損傷させることを防止する摩擦部を含み、
前記トラックシュー本体にはボディ傾斜部が設けられ、前記摩擦部にも前記ボディ傾斜部と対応するように摩擦傾斜部が設けられ、前記船体の表面に設けられた突出物による前記摩擦部の損傷を防止
し、
前記トラックシュー本体に結合されて前記トラックシュー本体をベルトに結合させる固定ブロックをさらに含み、
前記固定ブロックは一対に設けられて前記ベルトに対向されるように結合され、
前記固定ブロックは、
前記トラックシュー本体と向き合う方向で前記ベルトを加圧するブロックボディ、
前記ブロックボディに設けられて前記ベルトの側面部を支持する第1段差部、および、
前記第1段差部に延設されて前記トラックシュー本体の側面部を支持する第2段差部を含む
ことを特徴とする磁石トラックシュー。
【請求項3】
前記ボディ傾斜部は、前記無限軌道の進行方向を基準として前記トラックシュー本体の左側底面部および右側底面部のうちの少なくとも1つに設けられ、
前記摩擦傾斜部は、前記無限軌道の進行方向を基準として前記摩擦部の左側底面部および右側底面部のうちの少なくとも1つに設けられる
請求項1または2に記載の磁石トラックシュー。
【請求項4】
前記トラックシュー本体は、
前記無限軌道の移動方向と一致する方向に設けられる前方壁、
前記前方壁と向き合う位置に設けられ、前記前方壁と離隔配置される後方壁、
前記前方壁と前記後方壁を連結する一対の側壁、および
前記前方壁、前記後方壁および前記一対の側壁によって設けられた収容部の底を塞ぐ底部が備えられたベースボディを含み、
前記ボディ傾斜部は、前記一対の側壁のうちの少なくとも1つの側壁に設けられる
請求項1または2に記載の磁石トラックシュー。
【請求項5】
前記トラックシュー本体は、
前記収容部を覆うように前記ベースボディに結合される蓋部をさらに含む
請求項4に記載の磁石トラックシュー。
【請求項6】
前記トラックシュー本体は、
前記底部の底面に設けられる複数の溝部をさらに含み、
前記摩擦部は、前記底部と前記ボディ傾斜部に滑り止め剤をコーティングするか、滑り止めテープを付着して設けられる
請求項5に記載の磁石トラックシュー。
【請求項7】
前記磁石部材は、腐食を防止するためにモールディング、コーティングまたはメッキ処理される
請求項1または2に記載の磁石トラックシュー。
【請求項8】
前記ベルトには複数の凹凸部材が設けられ、
前記ブロックボディには前記凹凸部材が挿入される凹凸溝が設けられる
請求項2に記載の磁石トラックシュー。
【請求項9】
前記トラックシュー本体のベースボディと蓋部との間に設けられ、前記磁石部材の上部が収容される磁石ガイドをさらに含む
請求項1または2に記載の磁石トラックシュー。
【請求項10】
前記ベースボディと前記摩擦部は前記磁石ガイドに着脱結合される
請求項9に記載の磁石トラックシュー。
【請求項11】
前記磁石部材は複数設けられ、
互いに近接して配置される前記磁石部材の極性方向は異なるように配置される
請求項1または2に記載の磁石トラックシュー。
【請求項12】
無限軌道に結合され、中央部分が凹状に設けられたトラックガイドをさらに含む
請求項1または2に記載の磁石トラックシュー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁石トラックシューに関する。より詳細には、船舶清掃装置が船舶の表面で移動できるようにする船舶清掃装置用磁石トラックシューに関する。
【背景技術】
【0002】
水中で船舶の清掃作業を行うロボットは、中性または陽性浮力を持つ。
【0003】
ロボットを船舶の表面に付着するために、水中推進機と磁石方式を大部分使用する。
【0004】
水中推進機方式は、水をロボットの下から上方向に押し出すときに発生する反作用で船舶の表面に付着する。磁石方式は、磁石をロボットの胴体下部に設置し、強磁性体である船舶の表面に磁力で付着する。
【0005】
ロボットは水中で船舶の表面に付着しても推進力または牽引力がないため移動することができない。
【0006】
船舶の表面に付着したロボットが移動するために水中推進機と磁石方式を大部分使用する。水中推進機方式は、水をロボットの前方から後方に、または後方から前方に押し出すときに発生する反作用で移動する。
【0007】
磁石方式は、ロボットの車輪または無限軌道に磁石を内蔵し、強磁性体である船舶の表面に磁力で付着して摩擦力を発生させ、車輪または無限軌道を回転させて発生した牽引力によって移動する。
無限軌道(Continuous tracks)は、トラックシュー(Track shoe)が連続的に連結される形態である。
【0008】
トラックシューに磁石が内蔵され、磁石の特性上、強磁性体から離れるほど磁力が弱くなるため摩擦力が減少する。
【0009】
トラックシューには船舶の表面に傷をつけず、摩擦力を高めるために摩擦材が付着される。
【0010】
トラックシューの中央には磁石が位置し、トラックシューのトラックシュー本体1000の底面には摩擦材2000が付着されるため、磁石と船舶の表面との間には間隙が発生する。この間隙によって、磁力が弱くなり摩擦力が減少することになる。摩擦力の増加のためには、摩擦材の厚さを減少しなければならない。よって、摩擦材の寿命を延ばすためには、厚さを厚くしなければならないため摩擦力が減少する。摩擦力と寿命のために適切な厚さにしなければならず、大部分数mmに過ぎない。
【0011】
戦車やブルドーザーのような陸上車両に使用された無限軌道と比較すると、大きさと重量に比べて摩擦力が非常に高く、摩擦材の厚さが数mmであるため、陸上車両で容易に発生しない以下の問題が頻繁に発生する。
【0012】
船舶の表面には、
図1に示すように、高さ5mm以下の突出物である溶接ビード3000がある。無限軌道は前進および後進時には問題ではないが、その場で回転するときに、トラックシューと船舶の表面が滑りながら、トラックシューの側面部分が突出物と衝突し、摩擦材2000は破れや剥がれなどの損傷が発生する。
【0013】
摩擦材2000に損傷が発生すると、トラックシューのトラックシュー本体1000が船舶の表面に直接当たるようになり、船舶の表面に損傷が発生するため、これに対する解決策が要求される。
【0014】
前述の技術構成は、本発明の理解を助けるための背景技術であって、本発明の属する技術分野で広く知られた従来技術を意味するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明がなそうとする技術的課題は、トラックシューが横に滑りながら溶接ビードを含む突出物とトラックシューの側面が衝突時に発生する力をトラックシュー側面部の傾斜面によって摩擦材に広く伝達されるようにして力が一箇所に集中して発生する摩擦材の破れや剥がれなどの損傷を防止できる船舶清掃装置用磁石トラックシューを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一側面によれば、船舶の表面に付着する無限軌道のトラックシュー本体、前記トラックシュー本体に設けられて前記トラックシュー本体を前記船体の表面に付着させる磁石部材、および前記トラックシュー本体に設けられて前記トラックシュー本体が前記船体の表面を損傷させることを防止する摩擦部を含み、前記トラックシュー本体にはボディ傾斜部が設けられ、前記摩擦部にも前記ボディ傾斜部と対応するように摩擦傾斜部が設けられ、前記船体の表面に設けられた突出物による前記摩擦部の損傷を防止する磁石トラックシューが提供されることができる。
【0018】
前記ボディ傾斜部は、前記無限軌道の進行方向を基準として前記トラックシュー本体の左側底面部および右側底面部のうちの少なくとも1つに設けられ、前記摩擦傾斜部は、前記無限軌道の進行方向を基準として前記摩擦部の左側底面部および右側底面部のうちの少なくとも1つに設けられることができる。
【0019】
前記トラックシュー本体は、前記無限軌道の移動方向と一致する方向に設けられる前方壁、前記前方壁と向き合う位置に設けられ、前記前方壁と離隔配置される後方壁、前記前方壁と後方壁を連結する一対の側壁、および前記前方壁、前記後方壁および前記一対の側壁によって設けられた収容部の底を塞ぐ底部が備えられたベースボディを含み、前記ボディ傾斜部は、前記一対の側壁のうちの少なくとも1つの側壁に設けられることができる。
【0020】
前記摩擦部は、上面部が前記トラックシュー本体の底部と接触する摩擦ボディ、および前記摩擦ボディの端部に設けられる前記摩擦傾斜部を含むことができる。
【0021】
前記摩擦部は、前記摩擦ボディの底面部に設けられる水抜き溝をさらに含むことができる。
【0022】
前記トラックシュー本体は、前記収容部を覆うように前記ベースボディに結合される蓋部をさらに含むことができる。
【0023】
前記トラックシュー本体は、前記底部の底面に設けられる複数の溝部をさらに含み、前記摩擦部は、前記底部と前記ボディ傾斜部に滑り止め剤をコーティングするか、滑り止めテープを付着して設けられることができる。
【0024】
前記磁石部材は、腐食を防止するためにモールディング、コーティングまたはメッキ処理されることができる。
【0025】
前記トラックシュー本体に結合されて前記トラックシュー本体をベルトに結合させる固定ブロックをさらに含むことができる。
【0026】
前記固定ブロックは一対に設けられて前記ベルトに対向されるように結合され、前記固定ブロックは前記トラックシュー本体と向き合う方向で前記ベルトを加圧するブロックボディ、前記ブロックボディに設けられて前記ベルトの側面部を支持する第1段差部、および前記第1段差部に延設されて前記トラックシュー本体の側面部を支持する第2段差部を含むことができる。
【0027】
前記ベルトには複数の凹凸部材が設けられ、前記ブロックボディには前記凹凸部材が挿入される凹凸溝が設けられることができる。
【0028】
前記トラックシュー本体のベースボディと蓋部との間に設けられ、前記磁石部材の上部が収容される磁石ガイドをさらに含むことができる。
【0029】
前記ベースボディと前記摩擦部は前記磁石ガイドに着脱結合されることができる。
【0030】
前記磁石部材は複数設けられ、互いに近接して配置される前記磁石部材の極性方向は異なるように配置されることができる。
【0031】
無限軌道に結合され、中央部分が凹状に設けられたトラックガイドをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の実施例は、トラックシュー本体に設けられたボディ傾斜部と摩擦部に設けられた摩擦傾斜部によって船舶清掃装置の旋回およびその場で回転するときに摩擦部の角の損傷や剥がれなどを防止することができる。
【0033】
また、摩擦部に設けられた水抜き溝によって、水中で船舶の表面と摩擦部が当たる部分の液体を容易に排出することができる。
【0034】
さらに、摩擦部をトラックシュー本体の底部とボディ傾斜部に滑り止め剤をコーティングするか、滑り止めテープを付着して設けることによって、摩擦部を選択的に設けることができるため、作業効率を向上させることができる。
【0035】
そして、固定ブロックによって、本実施例をベルトに容易に結合することができるため、結合安定性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】無限軌道を使用する装置がその場で回転するとき、トラックシューが無限軌道の進行方向の側面に滑りながら船舶の表面にある溶接ビードに摩擦材の側面が衝突することを概略的に示す図である。
【
図2】本発明の第1実施例に係る船舶清掃装置用磁石トラックシューを概略的に示す図である。
【
図6】本実施例でベルトの一部分に結合されたことを示す図である。
【
図7】本実施例に適用される磁石部材が複数設けられ、それぞれの磁石部材の極性方向が異なるように配置されたことを概略的に示す図である。
【
図8】本発明の第2実施例に係る船舶清掃装置用磁石トラックシューを概略的に示す図である。
【
図9】本発明の第3実施例に係る船舶清掃装置用磁石トラックシューを概略的に示す図である。
【
図10】本実施例が適用された無限軌道を概略的に示す図である。
【
図11】
図10に示すベルトに本実施例が結合されたことを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明および本発明の動作上の利点および本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには、本発明の好ましい実施例を例示する添付図面および添付図面に記載された内容を参照しなければならない。
【0038】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明することによって、本発明を詳細に説明する。各図に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0039】
図1は、無限軌道を使用する装置がその場で回転するとき、トラックシューが無限軌道の進行方向の側面に滑りながら船舶の表面にある溶接ビードに摩擦材の側面が衝突することを概略的に示す図であり、
図2は、本発明の第1実施例に係る船舶清掃装置用磁石トラックシューを概略的に示す図であり、
図3は、
図2の分解斜視図であり、
図4は、
図2の正面図であり、
図5は、
図2の断面図であり、
図6は、本実施例でベルトの一部分に結合されたことを示す図であり、
図7は、本実施例に適用される磁石部材が複数設けられ、それぞれの磁石部材の極性方向が異なるように配置されたことを概略的に示す図である。
【0040】
これらの図に示すように、本実施例に係る船舶清掃装置用磁石トラックシュー1は、船体の表面に配置されるトラックシュー本体100と、トラックシュー本体100に設けられてトラックシュー本体100を船体の表面に付着させる磁石部材200と、トラックシュー本体100に設けられてトラックシュー本体100が船体の表面を損傷させることを防止するとともに、摩擦力を高める摩擦部300と、トラックシュー本体100に結合されてトラックシュー本体100をベルト20に結合させる固定ブロック400を備える。
【0041】
トラックシュー本体100は船体の表面に近接配置され、磁石部材200と摩擦部300との結合場所に提供されることができる。
【0042】
本実施例でトラックシュー本体100は、
図2に示すように、ベースボディ110と、ベースボディ110に設けられるボディ傾斜部120と、ベースボディ110の上部に結合される蓋部130を含む。
【0043】
トラックシュー本体100のベースボディ110は、
図3に示すように、前方壁111と、前方壁111と向き合う位置に設けられ、前方壁111と離隔配置される後方壁112と、前方壁111と後方壁112を連結する一対の側壁113と、前方壁111と後方壁112と一対の側壁113によって設けられた収容部114の底を塞ぐ底部115を含む。
【0044】
本実施例で前方壁111は、トラックシュー本体100の移動方向と一致する方向に設けられることができる。
【0045】
また、本実施例でそれぞれの側壁113には、
図3に示すように、一対のボディ結合ホール113aが離隔して設けられることができる。本実施例で一対のボディ結合ホール113aには、一対の締結部材10の下端部が例えばねじ結合されることができる。本実施例で一対のボディ結合ホール113aは溝で設けられることもできる。
【0046】
さらに、本実施例は、
図3に示すように、前方壁111と後方壁112と一対の側壁113によって収容部114が設けられることができる。本実施例では、収容部114の上部は開放され、下部は底部115によって塞がれることができる。
【0047】
そして、本実施例では、ベースボディ110は公知の非磁性体材質で設けられることができる。
【0048】
トラックシュー本体100のボディ傾斜部120は、
図3に示すように、側壁113の底面部に設けられることができる。
【0049】
本実施例は、ボディ傾斜部120と対応するように摩擦部300の摩擦傾斜部320も傾斜して設けられ、船舶清掃装置の旋回またはその場で回転するときに摩擦部300の角の損傷や剥がれを防止することができる。
【0050】
また、本実施例でボディ傾斜部120は、一対の側壁113の底面部にそれぞれ設けられることができる。
【0051】
さらに、本実施例で摩擦傾斜部320は一定角度、例えばボディ傾斜部120の角度αと同一に設けられることができる。
【0052】
トラックシュー本体100の蓋部130は、
図5に示すように、締結部材10によりベースボディ110の側壁113に結合され、
図6に示すように、上面部がベルト20の底面部に密着することができる。すなわち、蓋部130に設けられた複数の第1ホール131を締結部材10の下部が貫通した後、締結部材10が側壁113に設けられたボディ結合溝に結合される方式で、蓋部130は一対の側壁113に着脱結合されることができる。
【0053】
本実施例で蓋部130の上面部は、
図5に示すように、固定ブロック400の第1段差部420の底面部によって加圧されることができる。
【0054】
また、本実施例で蓋部130は、磁石部材200の磁場が船舶の表面ではない方向に散るのを塞ぐために強磁性体で設けられることができる。
【0055】
さらに、本実施例で蓋部130は、四角板状を有することができ、腐食防止のためにモールディング、コーティングまたはメッキ処理することができる。
【0056】
磁石部材200は、
図5に示すように、ベースボディ110の内部に設けられて船舶の表面と摩擦部300との間の摩擦力を発生させる磁力を担当する。本実施例で磁石部材200は、ベースボディ110に設けられた収容部114に収容されることができる。
【0057】
本実施例で磁石部材200は、永久磁石または電磁石を含む。
【0058】
また、本実施例で磁石部材200は複数設けられることができる。本実施例は、
図7に示すように、磁石部材200を複数設け、磁石部材200に対応するように収容部114も複数設けることができる。本実施例で磁石部材200の極方向は矢印で示し、矢印の端はN極またはS極であり得る。
【0059】
磁石部材200が1つの場合、磁場が周囲に広がる量が多くなるため効率が低いことがある。本実施例のように、磁石部材200を2つ以上で組み合わせて磁石極を反対に配置すると、磁場が周囲に広がるのを防ぐことができるため、磁石部材200が鉄板に付着する力に対する効率が高くなる。図には示されていないが、複数の磁石部材200をHALBACH ARRAY方式で組み立てて磁場を一方向に集中させる方法を適用することもできる。
【0060】
さらに、本実施例は、磁石部材200の腐食を防止するために磁石部材200をモールディング、コーティングまたはメッキすることができる。
【0061】
摩擦部300は、
図2および
図4に示すように、ベースボディ110の底面部に結合され、船舶の表面がベースボディ110から損傷するのを防止するとともに、摩擦力を高める役割をする。
【0062】
本実施例で摩擦部300は、
図4に示すように、上面部がベースボディ110の底面部に密着する摩擦ボディ310と、摩擦ボディ310の端部に設けられる摩擦傾斜部320を含む。
【0063】
本実施例で摩擦ボディ310の底面部には、
図4に示すように、水抜き溝311が設けられることができる。本実施例で水抜き溝311は、複数設けられることができ、一定間隔例えば等間隔で設けられることができる。
【0064】
本実施例で摩擦ボディ310と摩擦傾斜部320は、一体に設けられることができ、船舶の表面に傷をつけない材質で耐久性が高い材質、例えばゴムやウレタンを含む材質で設けられることができる。
【0065】
摩擦部300の摩擦傾斜部320は、
図4に示すように、摩擦ボディ310に設けられ、溶接ビードを含む突出物との衝突による力が摩擦部300に広く伝達されるようにすることによって、摩擦部300の破れや剥がれなどの損傷を防止することができる。
【0066】
本実施例で摩擦傾斜部320は、摩擦ボディ310の両端部に上部方向に一定角度α例えば3度~60度に傾斜して設けられることができる。
【0067】
そして、本実施例で摩擦部300は、接着剤や公知の付着手段を用いてベースボディ110に結合されることができる。
【0068】
固定ブロック400は、
図5に示すように、締結部材10によってトラックシュー本体100に結合され、
図6に示すように、トラックシュー本体100をベルト20に結合させる役割をする。
【0069】
本実施例で固定ブロック400は、
図6に示すように、トラックシュー本体100の蓋部130と向き合う方向でベルト20を加圧するブロックボディ410と、ブロックボディ410に設けられてベルト20の側面部を支持する第1段差部420と、第1段差部420に延設されてトラックシュー本体100の側面部を支持する第2段差部430を含む。
【0070】
固定ブロック400のブロックボディ410には、
図3に示すように、一対の第2ホール411が離隔して設けられ、一対の第2ホール411には一対の締結部材10の下部が貫通することができる。
【0071】
本実施例でブロックボディ410の底面部には、
図3および
図6に示すように、凹凸溝412が設けられ、凹凸溝412にはベルト20に設けられた凹凸部材21が挿入されて固定ブロック400の結合安定性をさらに高めることができる。
【0072】
本実施例で凹凸溝412は、ブロックボディ410の底面部に一対が離隔して設けられることができる。
【0073】
固定ブロック400の第1段差部420は、
図6に示すように、ブロックボディ410の底面部から下部方向に延設されて、ベルト20の側面部を支持することができる。また、第1段差部420の底面部は、
図6に示すように、蓋部130の上面部を加圧することができる。
【0074】
固定ブロック400の第2段差部420は、
図6に示すように、第1段差部420の端部から下部方向に延設されて、側壁113と蓋部130との側面部を支持することができる。
【0075】
図8は、本発明の第2実施例に係る船舶清掃装置用磁石トラックシューを概略的に示す図である。
【0076】
本実施例に係る船舶清掃装置用磁石トラックシュー1aは、
図8に示すように、トラックシュー本体100aのベースボディ110の底面部である底部115に複数の溝部116を設けた点で前述した第1実施例と差異点がある。
【0077】
また、本実施例は前述した第1実施例の摩擦部300を使用せず、トラックシュー本体100の底部115とボディ傾斜部120に滑り止め剤をコーティングするか滑り止めテープを付着して設けることによって、摩擦部300を選択的に設けることができるため、作業効率を向上させることができる。
【0078】
図9は、本発明の第3実施例に係る船舶清掃装置用磁石トラックシューを概略的に示す図である。
【0079】
本実施例に係る船舶清掃装置用磁石トラックリンク1bは、
図9に示すように、ベースボディ110と蓋部130との間に磁石ガイド600がさらに設けられ、磁石ガイド600による締結構造が前述した実施例と差異点がある。
【0080】
磁石ガイド600の中央部には、磁石部材200の上部が挿入されるガイドホール610が設けられることができる。
【0081】
本実施例でガイドホール610の両側には第1結合ホール620が設けられることができ、一対の第1結合ホール620は、第2締結部材50の端部がねじ結合または嵌合結合されることができる。
【0082】
また、本実施例で磁石ガイド600の縁には、一対の第2結合ホール630がそれぞれ設けられることができる。本実施例で一対の第2結合ホール630には第1締結部材10が着脱可能に結合されることができる。本実施例で第1締結部材10は第2結合ホール630にねじまたは嵌合結合されることができる。
【0083】
さらに、本実施例で摩擦部300とベースボディ110は複数の第2締結部材50によって磁石ガイド600に着脱結合されることができる。このため、摩擦部300には、図に示すように、一対の締結ホール310aが離隔して設けられ、ベースボディ110には一対の締結ホール310aと対応する位置に一対の第1ボディ結合ホール113aが設けられることができる。
【0084】
そして、本実施例で第1締結部材10は、磁石ガイド600に設けられた第2結合ホール630に下端部が結合される点で前述した実施例と差異点がある。その結果、本実施例はベルト20に蓋部130と磁石ガイド600が結合された状態で第2締結部材50をはずしてベースボディ110と磁石部材200と摩擦部300を分離することができる。
【0085】
図10は、本実施例が適用された無限軌道を概略的に示す図であり、
図11は、
図10に示すベルト20に本実施例が結合されたことを概略的に示す図である。
【0086】
本実施例は、
図10に示すように、一対のプーリ30とトラックガイド40を有する無限軌道に適用されることができる。
【0087】
一対のプーリ30は、ベルト20を駆動させてプーリ30とベルト20が当たるプーリ30の領域には凹凸が設けられる。
【0088】
トラックガイド40は、固定ブロック400の側面と当接し、本実施例が外れないように防ぐ役割をすることができる。
【0089】
本実施例でトラックガイド40は、無限軌道が凸面を超えられるように中央部分を凹状に設けることができる。
【0090】
また、本実施例でトラックガイド40は、トラックシューとの摩擦による摩耗を減らすために、潤滑性に優れた材質や表面コーティングが適用されることができる。
【0091】
図10には示されていないが、無限軌道にはベルト20の張力を調節するテンショナーまたはその役割を行う構造が設けられることができる。
【0092】
このように、本発明は記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲から逸脱することなく様々に修正および変形することができることは、当技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかである。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の特許請求の範囲に属するというべきである。
【符号の説明】
【0093】
1、1a、1b:船舶清掃装置用磁石トラックシュー
100、100a:トラックシュー本体
110:ベースボディ
111:前方壁
112:後方壁
113:側壁
113a:第1ボディ結合ホール
113b:第2ボディ結合ホール
114:収容部
115:底部
116:溝部
120:ボディ傾斜部
130:蓋部
131:第1ホール
200:磁石部材
300:摩擦部
310:摩擦ボディ
310a:締結ホール
311:水抜き溝
320:摩擦傾斜部
400:固定ブロック
410:ブロックボディ
411:第2ホール
412:凹凸溝
420:第1段差部
430:第2段差部
600:磁石ガイド
610:ガイドホール
620:第1結合ホール
630:第2結合ホール
10:第1締結部材
20:ベルト
21:凹凸部材
30:プーリ
40:トラックガイド
50:第2締結部材