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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】接続切替機及び接続切替方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/26 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
G06F1/26 303
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024079887
(22)【出願日】2024-05-16
【審査請求日】2024-05-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524185869
【氏名又は名称】株式会社ショージ・ケー
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 昇治
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-086166(JP,A)
【文献】特開2009-212889(JP,A)
【文献】特開2015-177444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26- 1/3296
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号ピンを有する主コネクタと、
信号ピンを有する副コネクタと、
信号ピンを有する通信コネクタと、
外部の電源から電力の供給を受ける受電コネクタと、
前記受電コネクタと、前記通信コネクタの信号ピンとに接続されており、前記通信コネクタの信号ピンに対して、前記主コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを切り替えて接続する切替部と、
を備え、
前記切替部は、
前記受電コネクタを介して前記電源から供給された電力で動作し、
前記受電コネクタを介して前記電源から電力の供給を受けている場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記主コネクタの信号ピンとを接続し、
前記受電コネクタを介して前記電源から電力の供給を受けていない場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを接続する接続切替機であり、
前記切替部は、前記受電コネクタを介して前記電源から供給された電力のみで動作し、
前記接続切替機は、前記受電コネクタを介して前記電源から供給された電力のみで動作し、
前記接続切替機は、前記切替部以外に、電力で動作する電子部品を有していない接続切替機。
【請求項2】
信号ピンを有する主コネクタと、
信号ピンを有する副コネクタと、
信号ピンを有する通信コネクタと、
外部の電源から電力の供給を受ける受電コネクタと、
前記受電コネクタと、前記通信コネクタの信号ピンとに接続されており、前記通信コネクタの信号ピンに対して、前記主コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを切り替えて接続する切替部と、
を備え、
前記切替部は、
前記受電コネクタを介して前記電源から供給された電力で動作し、
前記受電コネクタを介して前記電源から電力の供給を受けている場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記主コネクタの信号ピンとを接続し、
前記受電コネクタを介して前記電源から電力の供給を受けていない場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを接続し、
前記主コネクタは、前記電源を有する電子機器を接続し、
前記受電コネクタは、前記電子機器の前記電源から電力の供給を受け、
前記切替部は、
前記電子機器の前記電源から電力の供給を受けている場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記主コネクタの信号ピンとを接続し、
前記電子機器の前記電源から電力の供給を受けていない場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを接続する接続切替機。
【請求項3】
信号ピンを有する主コネクタと、
信号ピンを有する副コネクタと、
信号ピンを有する通信コネクタと、
外部の電源から電力の供給を受ける受電コネクタと、
前記受電コネクタと、前記通信コネクタの信号ピンとに接続されており、前記通信コネクタの信号ピンに対して、前記主コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを切り替えて接続する切替部と、
を備え、
前記切替部は、
前記受電コネクタを介して前記電源から供給された電力で動作し、
前記受電コネクタを介して前記電源から電力の供給を受けている場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記主コネクタの信号ピンとを接続し、
前記受電コネクタを介して前記電源から電力の供給を受けていない場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを接続し、
前記主コネクタは、前記受電コネクタを兼ねおり、
前記主コネクタの信号ピンから電力を選択して、前記切替部に給電する直流受電部を有する接続切替機。
【請求項4】
信号ピンを有する主コネクタと、
信号ピンを有する副コネクタと、
信号ピンを有する通信コネクタと、
外部の電源から電力の供給を受ける受電コネクタと、
前記受電コネクタと、前記通信コネクタの信号ピンとに接続されており、前記通信コネクタの信号ピンに対して、前記主コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを切り替えて接続する切替部と、
を備え、
前記切替部は、
前記受電コネクタを介して前記電源から供給された電力で動作し、
前記受電コネクタを介して前記電源から電力の供給を受けている場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記主コネクタの信号ピンとを接続し、
前記受電コネクタを介して前記電源から電力の供給を受けていない場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを接続し、
前記受電コネクタは、商用電源から電力の供給を受け、
前記切替部は、
前記商用電源から電力の供給を受けている場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記主コネクタの信号ピンとを接続し、
前記商用電源から電力の供給を受けていない場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを接続する接続切替機。
【請求項5】
前記切替部は、リレーを有し、
前記リレーは、
前記受電コネクタを介して前記電源から電力の供給を受ける電源端子と、通信コネクタの信号ピンと接続された通信端子と、主コネクタの信号ピンと接続された主端子と、副コネクタの信号ピンと接続された副端子とを有し、
前記電源端子が電力の供給を受けている場合に、前記通信端子と前記主端子とを接続し、
前記電源端子が電力の供給を受けていない場合に、前記通信端子と前記副端子とを接続する請求項1から4のいずれか1項に記載の接続切替機。
【請求項6】
受電コネクタと通信コネクタと主コネクタと副コネクタと切替部を備えた接続切替機の接続切替方法であって、
前記受電コネクタを介して電力の供給を受けている場合に、前記切替部が前記通信コネクタの信号ピンと、前記主コネクタの信号ピンとを接続し、
前記受電コネクタを介して電力の供給を受けていない場合に、前記切替部が前記通信コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを接続し、
前記切替部は、前記受電コネクタを介して供給された電力のみで動作し、
前記接続切替機が、前記受電コネクタを介して供給された電力のみを使用して接続の切り替えをし、
前記接続切替機が、前記切替部以外に、電力で動作する電子部品を有していない接続切替方法。
【請求項7】
受電コネクタと通信コネクタと主コネクタと副コネクタを備えた接続切替機の接続切替方法であって、
前記受電コネクタは、電子機器の電源と商用電源とのいずれかの外部電源から電力の供給を受け、
前記受電コネクタを介して前記外部電源から電力の供給を受けている場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記主コネクタの信号ピンとを接続し、
前記受電コネクタを介して前記外部電源から電力の供給を受けていない場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを接続し、
前記接続切替機が、前記受電コネクタを介して供給された電力のみを使用して接続の切り替えをする接続切替方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信回線の接続切替機及び接続切替方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
停電検出部により電力供給が停止したことを検出した場合に、切替部が予備電源の電力を利用して、インターネットを利用する通信から公衆網を利用する通信に切り替える通信装置が存在する(特許文献1の段落0042-0045、図6図13)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-024820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の通信装置は、電池やコンデンサなどの予備電源から電力の供給を受けなければ切り替え動作をすることができない。
本開示は、電力の供給がなくても回線の切り替えができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の接続切替機は、
信号ピンを有する主コネクタと、
信号ピンを有する副コネクタと、
信号ピンを有する通信コネクタと、
外部の電源から電力の供給を受ける受電コネクタと、
前記受電コネクタと、前記通信コネクタの信号ピンとに接続されており、前記通信コネクタの信号ピンに対して、前記主コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを切り替えて接続する切替部と、
を備え、
前記切替部は、
前記受電コネクタを介して前記電源から電力の供給を受けている場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記主コネクタの信号ピンとを接続し、
前記受電コネクタを介して前記電源から電力の供給を受けていない場合に、前記通信コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを接続する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、前記切替部が電力の供給を受けていない場合でも、前記通信コネクタの信号ピンと、前記副コネクタの信号ピンとを接続するので、電力の供給がなくても回線の切り替えができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1に係る接続切替機100を示す概略図である。
図2】実施の形態1に係る接続切替機100の接続切替方法を示す動作遷移図である。
図3】実施の形態1に係る給電がない状態の接続切替機100を示す回路図である。
図4】実施の形態1に係る給電がある状態の接続切替機100を示す回路図である。
図5】実施の形態2に係る給電がある状態の接続切替機100を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、この実施の形態によりこの開示が限定されるものではない。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、実施の形態が複数ある場合には、各実施の形態を組み合わせることも可能である。
【0009】
実施の形態1.
●接続切替機100の概略構成
図1は、実施の形態1に係る接続切替機100を示す概略図である。
接続切替機100は、箱型の筐体90と、筐体90に収納された基板80を有する。
【0010】
接続切替機100は、主コネクタ10と、副コネクタ20と、通信コネクタ30と、受電コネクタ40とを有する。
主コネクタ10と、副コネクタ20と、通信コネクタ30と、受電コネクタ40とは、基板80に固定されている。
主コネクタ10と、副コネクタ20と、通信コネクタ30と、受電コネクタ40とは、筐体90の開口から露出している。
【0011】
接続切替機100は、切替部60を有する。
切替部60は、基板80に実装されている。
切替部60は、主コネクタ10と副コネクタ20と、通信コネクタ30とに接続されている。
切替部60は、受電コネクタ40に接続されている。
切替部60は、通信コネクタ30に対して、主コネクタ10又は副コネクタ20を接続する。
切替部60は、コイル71とスイッチ72とを有する。
スイッチ72は、1個の極と2箇所の接点を有する単極双投スイッチである。
スイッチ72は、必ず、主コネクタ10と副コネクタ20との2個の経路のいずれか一方に接続されものである。
スイッチ72には、主コネクタ10と副コネクタ20との2個の経路のいずれにも接続されない状態は存在しない。
【0012】
スイッチ72の実線は、スイッチ72のNORMAL状態を示している。
NORMAL状態とは、受電コネクタ40からの給電がなく、コイル71の非通電時の状態をいう。
NORMAL状態において、スイッチ72は、通信コネクタ30と副コネクタ20とを接続する(NORMAL CLOSE)。
NORMAL状態において、スイッチ72は、通信コネクタ30と主コネクタ10とを接続しない(NORMAL OPEN)。
【0013】
スイッチ72の破線は、スイッチ72の非NORMAL状態を示している。
非NORMAL状態とは、受電コネクタ40からの給電があり、コイル71の通電時の状態をいう。
非NORMAL状態において、スイッチ72は、通信コネクタ30と主コネクタ10とを接続する。
非NORMAL状態において、スイッチ72は、通信コネクタ30と副コネクタ20とを接続しない。
【0014】
●接続切替機100の概略動作
図2は、実施の形態1に係る接続切替機100の接続切替方法を示す動作遷移図である。
切替部60には、受電あり状態と受電なし状態(NORMAL状態)との2つの状態がある。
【0015】
受電あり状態(非NORMAL状態)とは、切替部60が受電コネクタ40から電力の供給を受けている状態をいう。
受電なし状態(NORMAL状態)とは、切替部60が受電コネクタ40から電力の供給を受けていない状態をいう。
【0016】
切替部60は、受電コネクタ40から電力の供給を受けている受電あり状態(非NORMAL状態)において、通信コネクタ30と主コネクタ10との接続を維持する。
接続切替機100は、受電あり状態(非NORMAL状態)において、通信システム(COM)と第1のローカルエリアネットワーク(LAN1)を接続する。
【0017】
切替部60は、受電コネクタ40から電力の供給を受けていない受電なし状態(NORMAL状態)において、通信コネクタ30と副コネクタ20の接続を維持する。
接続切替機100は、受電なし状態(NORMAL状態)において、通信システム(COM)と第2のローカルエリアネットワーク(LAN2)を接続する。
【0018】
切替部60は、受電コネクタ40の受電がONからOFFになると、受電あり状態から受電なし状態へ遷移する。
切替部60は、受電コネクタ40の受電がOFFからONになると、受電なし状態から受電あり状態へ遷移する。
【0019】
●接続切替機100の受電なし状態(NORMAL状態)の回路構成
図3は、受電なし状態(NORMAL状態)の接続切替機100を示す回路図である。
【0020】
主コネクタ10は、複数の信号ピンを有する。
副コネクタ20は、複数の信号ピンを有する。
通信コネクタ30は、複数の信号ピンを有する。
主コネクタ10と、副コネクタ20と、通信コネクタ30とは、それぞれ10個の信号ピンを有している。図3では、10個の信号ピンを1から10の数字で示している。
主コネクタ10と、副コネクタ20と、通信コネクタ30との10個の信号ピンは、それぞれ対応している。
【0021】
切替部60は、通信コネクタ30の信号ピンに対して、主コネクタ10の対応する信号ピンと副コネクタ20の対応する信号ピンとを切り替えて接続する。
切替部60は、通信コネクタ30の複数の信号ピンに常時接続されている。
切替部60は、受電コネクタ40の電源線42に常時接続されている。
図3では、切替部60は、通信コネクタ30の複数の信号ピンに対して、副コネクタ20の複数の信号ピンを接続している。
図3では、切替部60は、通信コネクタ30の複数の信号ピンに対して、主コネクタ10の複数の信号ピンを接続していない。
【0022】
切替部60は、複数のリレー62,64,66,68を有する。
リレー62,64,66,68の具体例は、KEMET Electronics Corporation製のUD2シリーズ又はUC2シリーズである、特に、UD2-5NUが好適である。
【0023】
複数のリレーの各リレー62,64,66,68は、以下の8個の端子を有する。
共通の1本の電源線42から電力の供給を受ける電源端子1,8、
通信コネクタ30の信号ピンと接続された通信端子3,6、
主コネクタ10の信号ピンと接続された主端子4,5、
副コネクタ20の信号ピンと接続された副端子2,7。
【0024】
各リレー62,64,66,68は、1個のコイル71と2個のスイッチを有する。
1個のコイル71で同時に2個のスイッチが切り替わる。
1個のコイル71は、電源端子1と電源端子8の間に配置されている。
2個のスイッチ72は、それぞれ、通信端子3,6を極とし、主端子4,5と副端子2,7とを接点として配置されている。
【0025】
リレー62は、8個の端子は以下のように接続されている。
電源端子1:電源線42、
電源端子8:接地、
通信端子3:通信コネクタ30の信号ピン1、
通信端子6:通信コネクタ30の信号ピン2、
主端子4:主コネクタ10の信号ピン1、
主端子5:主コネクタ10の信号ピン2、
副端子2:副コネクタ20の信号ピン1
副端子7:副コネクタ20の信号ピン2。
【0026】
リレー62は、コイル71が通電されていないNORMAL状態において、通信コネクタ30の信号ピン1,2と副コネクタ20の信号ピン1,2とを接続する。
リレー62は、コイル71が通電されていないNORMAL状態において、通信コネクタ30の信号ピン1,2と主コネクタ10の信号ピン1,2とを接続しない。
リレー62は、コイル71が通電されている非NORMAL状態において、通信コネクタ30の信号ピン1,2と主コネクタ10の信号ピン1,2とを接続する。
リレー62は、コイル71が通電されている非NORMAL状態において、通信コネクタ30の信号ピン1,2と副コネクタ20の信号ピン1,2とを接続しない。
【0027】
リレー64,66,68の通信端子と主端子と副端子と接続は、それぞれ、リレー62の信号ピン1,2とを、信号ピン3,4と、信号ピン5,6と、信号ピン7,8とに替えたものである。
リレー64,66,68の動作は、リレー62の動作と同じである。
【0028】
図3のリレー62,64,66,68は、電源端子1,8が電力の供給を受けていないので、通信端子3と副端子2とを接続し、通信端子6と副端子7とを接続している。
リレー62,64,66,68は、受電コネクタ40の受電がOFFからONになると、同時に、通信端子3と副端子2との接続を遮断し、通信端子3と主端子4とを接続する。さらに、同時に、通信端子6と副端子7との接続を遮断し、通信端子6と主端子5を接続する。
【0029】
切替部60は、受電コネクタ40から供給された電力のみで動作する。
受電コネクタ40から供給された電力は、切替部60のみを動作させる。
受電コネクタ40から供給された電力は、切替部60以外によって消費されない。
【0030】
接続切替機100は、受電コネクタ40から供給された電力のみで動作する。
接続切替機100は、受電コネクタ40から供給された電力以外に電力発生源を有していない。
接続切替機100において、切替部60のみが電力で動作する。
接続切替機100には、切替部60以外に、電力で動作する電子部品がない。
【0031】
接続切替機100は、給電コネクタ50を有していてもよい。
給電コネクタ50は、電源線42に接続されている。
給電コネクタ50は、受電コネクタ40を介して電源210から供給された電力を接続切替機100の外部に供給する。
【0032】
●接続切替機100の受電あり状態の回路構成
図4は、受電あり状態(非NORMAL状態)の接続切替機100を示す回路図である。
図4は、接続切替機100に接続される電子機器200、300、400及びLEDも示している。
【0033】
電子機器200は、LAN1を構成する機器である。
電子機器200の具体例は、ルータである。
電子機器300は、LAN2を構成する機器である。
電子機器300の具体例は、ルータである。
電子機器400は、COMを構成する機器である。
電子機器300の具体例は、通信機器又はコンピュータである。
【0034】
主コネクタ10は、電子機器200をネットワークケーブル500で接続する。
副コネクタ20は、電子機器300をネットワークケーブル500で接続する。
通信コネクタ30は、電子機器400をネットワークケーブル500で接続する。
【0035】
主コネクタ10、副コネクタ20、及び、通信コネクタ30は、同じ形状のコネクタである。
主コネクタ10、副コネクタ20、及び、通信コネクタ30は、それぞれ、ネットワークケーブル500を接続するモジュラー式コネクタである。
主コネクタ10、副コネクタ20、及び、通信コネクタ30は、それぞれ、RJ45(Registered Jack 45)の凹型のモジュラージャックが好適である。
ネットワークケーブル500の端子は、RJ45に適合する凸型の8極8芯のモジュラープラグが好適である。
【0036】
電子機器200、300、400は、それぞれ、電源210、310、410を有する。
電源210、310、410は、それぞれ、電力の供給する給電部220、320、420を有する。
電源210、310、410は、それぞれ、商用電源から交流100Vの電力を受電する受電部230、330、430を有する。
【0037】
受電コネクタ40は、外部の電源から電力の供給を受ける。
受電コネクタ40は、電子機器200の電源210から電力の供給を受ける。
電源コード600は、電子機器200の電源210の給電部220と受電コネクタ40を接続する。
電子機器200の電源210の給電部220は、電圧5Vの直流の電力を接続切替機100に供給する。
受電コネクタ40と給電部220のコネクタは、USB(Universal Serial Bus)コネクタが好適であり、電源コード600は、USBケーブルが好適である。
【0038】
切替部60は、電子機器400の電源210から電力の供給を受けている場合に、通信コネクタ30の複数の信号ピンと、主コネクタ10の複数の信号ピンとをそれぞれ接続する。
電子機器400の電源210から電力の供給を受けていない場合に、通信コネクタ30の複数の信号ピンと、副コネクタ20の複数の信号ピンとをそれぞれ接続する。
【0039】
図4のリレー62,64,66,68は、電源端子1,8が電力の供給を受けているので、通信端子3と主端子4とを接続し、通信端子6と主端子5とを接続している。
リレー62,64,66,68は、受電コネクタ40の受電がONからOFFになると、同時に、通信端子3と主端子4との接続を遮断し、通信端子3と副端子2とを接続する。さらに、同時に、通信端子6と主端子5との接続を遮断し、通信端子6と副端子7を接続する。
【0040】
図4では、給電コネクタ50に、LEDを接続している。
LEDは、電子機器400の電源210から電力の供給を受けている場合に、点灯し続ける。
LEDは、電子機器400の電源210から電力の供給を受けていない場合に、消灯し続ける。
LEDの点灯により、受電コネクタ40の受電を視認することができる。
【0041】
以上のように、接続切替機100の接続切替方法は、受電コネクタ40を介して電力の供給を受けている場合に、通信コネクタ30の信号ピンと、主コネクタ10の信号ピンとを接続する。
また、受電コネクタ40を介して電力の供給を受けていない場合に、通信コネクタ30の信号ピンと、副コネクタ20の信号ピンとを接続する。
また、接続切替機100は、受電コネクタ40を介して供給された電力のみを使用して接続の切り替えをする。
【0042】
●実施の形態1の効果
接続切替機100は、電力の供給があり続ける状態で、主コネクタ10と通信コネクタ30との接続を維持することができる。
接続切替機100は、電力の供給がある状態から電力の供給がない状態になると、自動で、主コネクタ10と通信コネクタ30との接続から副コネクタ20と通信コネクタ30との接続に切り替えることができる。
接続切替機100は、電力の供給が全くない状態で、副コネクタ20と通信コネクタ30との接続を維持することができる。
接続切替機100は、電力の供給がない状態から電力の供給がある状態になると、自動で、副コネクタ20と通信コネクタ30との接続から主コネクタ10と通信コネクタ30との接続に切り替えることができる。
【0043】
切替部60を電子機器200の電源210から受電するように構成したので、電子機器200に異常が発生した場合、主コネクタ10に接続された電子機器200から副コネクタ20に接続された電子機器300に切り替えることができる。
【0044】
接続切替機100は、接続切替機100への受電のオン又はオフで、通信ルートを切り替えることができる。
接続切替機100は、電力の供給がなくなると、LAN1からLAN2にルートを切り替え、電力が供給されると、LAN2からLAN1にルートを切り替えるので、COMはルートの切り替えに関係なく、通信を継続することができる。
【0045】
接続切替機100は、電子機器200からのPing応答を検出しなくても、通信ルートを切り替えることができる。
接続切替機100は、電子機器200との通信信号が切れたことを検出しなくても、通信ルートを切り替えることができる。
【0046】
接続切替機100には、中央処理装置、記憶装置、及び、ソフトウエアがいらないので、簡素な構成の接続切替機100を提供することができる。
【0047】
●実施の形態1の他の構成例
1個のリレーで2個の信号ピンを切り替えるリレーを4個用いたが、1個の信号ピンを切り替える8個のリレー、4個の信号ピンを切り替える2個のリレー、又は、8個の信号ピンを切り替える1個のリレーを用いてもよい。
【0048】
接続切替機100が、RJ45のコネクタではなく、RJ11又はその他のコネクタを使用する場合でもよい。
コネクタの信号ピンの本数は、8本でなくてもよく、1本以上であればよい。
切替部60が切り替える信号ピンの数は、8本でなくてもよく、1本以上であればよい。
【0049】
接続切替機100に、給電コネクタ50は、なくてもよい。
接続切替機100から、給電コネクタ50をなくし、LEDを基板80に常設してもよい。
【0050】
接続切替機100が、筐体90を有していなくてもよい。
基板80が、電子機器400の筐体(図示せず)の内部にあってもよい。あるいは、基板80が、電子機器400の基板(図示せず)の一部であってもよい。
【0051】
電子機器200の給電部220が直流を給電する代わりに、電子機器200の受電部230が交流100Vの電力を電源コード600に給電してもよい。
電子機器200の給電部220が直流を給電する代わりに、商用電源から交流100Vの電力を電源コード600に給電してもよい。
電源コード600に交流100Vの電力を給電する場合は、電源コード600にACアダプタと呼ばれる交流直流変換器(AD変換器)を接続して直流を生成して受電コネクタ40に供給する。
あるいは、受電コネクタ40と電源線42の間に交流直流変換器(AD変換器)を配置して、直流を生成して電源線42に供給する。
【0052】
●実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1と異なる点について説明する。
図5は、実施の形態2に係る給電がある状態の接続切替機100を示す回路図である。
図5が、図4と異なる点は、電子機器200からネットワークケーブル500により接続切替機100に電力を供給する給電方法を採用している点である。
電子機器200は、ネットワークケーブル500に信号線に、通信信号と直流の電力を供給する。
電子機器200は、通信信号がなくても、ネットワークケーブル500に信号線に直流の電力を常に供給する。
給電部220は、予め定められた仕様に基づいて、通信信号と直流の電力とを供給する。
ネットワークケーブル500の通信信号は交流であり、電力は直流であることから、ネットワークケーブル500の信号線に通信信号と電力とが共存することが可能である。
【0053】
図5では、ネットワークケーブル500から受電するため主コネクタ10が受電コネクタ40を兼ねている。
また、主コネクタ10の信号ピンから電力を選択して、切替部60に給電する直流受電部46が追加されている。
【0054】
直流受電部46は、主コネクタ10を介してネットワークケーブル500の信号線から受電し、切替部60を動作させる電力を電源線42に給電する。
直流受電部46は、主コネクタ10の複数の信号ピンと接続されている。
直流受電部46は、複数の信号ピンの通信信号を切替部60に通過させる。
直流受電部46は、複数の信号ピンから直流の電力のみを選択して電源線42に給電する。
直流受電部46は、予め定められた仕様に基づいて、複数の信号ピンの通信信号と電力とを分離する。
【0055】
直流受電部46は、ネットワークケーブル500の信号線から電力の供給が途絶えると電源線42に給電できなくなる。
直流受電部46は、ネットワークケーブル500の信号線から電力の供給が開始すると電源線42に給電する。
【0056】
実施の形態2の給電方法の具体例は、PoE給電である。PoEは、「Power over Ethernet」(Ethernetは登録商標)の略であり、Ethernet(Ethernetは登録商標)で利用されるツイストペアケーブルを通じてデータと電力を同時に供給する技術である。
【0057】
●実施の形態2の効果
本実施の形態によれば、電源コード600と受電コネクタ40が不要になる。
本実施の形態によれば、接続切替機100と電子機器200とをネットワークケーブル500のみで接続すればよい
【符号の説明】
【0058】
1 電源端子、2 副端子、3 通信端子、4 主端子、5 主端子、6 通信端子、7 副端子、8 電源端子、10 主コネクタ、20 副コネクタ、30 通信コネクタ、40 受電コネクタ、42 電源線、46 直流受電部、50 給電コネクタ、60 切替部、62 リレー、64 リレー、66 リレー、68 リレー、71 コイル、72 スイッチ、80 基板、90 筐体、100 接続切替機、200 電子機器、210 電源、220 給電部、230 受電部、300 電子機器、400 電子機器、500 ネットワークケーブル、600 電源コード。
【要約】
【課題】電力の供給がなくても回線の切り替えができる接続切替機を提供する。
【解決手段】接続切替機100は、主コネクタ10と、副コネクタ20と、通信コネクタ30と、電源210から電力の供給を受ける受電コネクタ40と、通信コネクタ30に主コネクタ10と副コネクタ20とを切り替えて接続する切替部60とを備える。前記切替部60は、前記受電コネクタ40を介して電源210から電力の供給を受けている場合に、前記通信コネクタ30の信号ピンと、前記主コネクタ10の信号ピンとを接続し、前記受電コネクタ40を介して電源210から電力の供給を受けていない場合に、前記通信コネクタ30の信号ピンと、前記副コネクタ20の信号ピンとを接続する。接続切替機100は、前記受電コネクタ40を介して供給された電力のみを使用して接続の切り替えをする。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5