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特許7564617副業サービスシステム、選択方法および選択プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】副業サービスシステム、選択方法および選択プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20241002BHJP
【FI】
G06Q10/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019222976
(22)【出願日】2019-12-10
(65)【公開番号】P2021092953
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-08-03
【審判番号】
【審判請求日】2024-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】500346936
【氏名又は名称】パーソルキャリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】塚元 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】桑原 悠
(72)【発明者】
【氏名】川里 怜
(72)【発明者】
【氏名】吉田 新吾
(72)【発明者】
【氏名】山下 塁
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】田中 寛人
【審判官】梶尾 誠哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-121046(JP,A)
【文献】特開2003-296526(JP,A)
【文献】特開2019-67386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
従業員が本業を行う第1企業の第1サーバと、前記従業員が前記第1企業で行う本業とは別に副業を行う第2企業の第2サーバと、前記第1サーバと前記第2サーバとは異なる管理サーバを有する副業サービスシステムであって、
前記管理サーバは、
前記第1サーバから受信した、従業員による本業の第1スケジュールおよび従業員の第1スキルを含む複数の第1情報それぞれを、従業員を識別する識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、
前記第2サーバから受信した副業の第2スケジュールおよび副業に要する第2スキルを含む第2情報と、前記記憶部に記憶された複数の第1情報とのうち、前記第1スキルと前記第2スキルとが一致し、前記第1スケジュールから本業の労働時間を除いた空き時間に前記第2スケジュールの副業の労働時間が収まり、前記第1スケジュールを基に特定した本業の労働時間と前記第2スケジュールを基に特定した副業の労働時間とを合計した合計労働時間が所定の労働時間未満となる第1情報の識別情報を選択する選択部と
ブロックチェーンを用いて、前記記憶部の情報が改竄されているか否かを検知する検知部とを有し、
前記検知部は、前記ブロックチェーンを用いて、前記記憶部に記憶された従業員の口座情報、副業の依頼情報、および前記口座情報の閲覧を許容する対象を定義する情報を用いて算出されるダイジェストと、前記記憶部の情報が参照された場合に前記口座情報、前記副業の依頼情報、および前記口座情報の閲覧を許容する対象を定義する情報を用いて算出されるハッシュ値とが一致しない場合に、前記記憶部の情報の改竄を検知する
ことを特徴とする副業サービスシステム。
【請求項2】
前記選択部は、前記記憶部に記憶された複数の第1情報のうち、前記第1スケジュールに基づく第1労働時間と、前記第2スケジュールに基づく第2労働時間とを合計した合計労働時間が、所定の労働時間未満となる第1情報から、前記第2情報の条件を満たす第1情報の識別情報を選択することを特徴とする請求項1に記載の副業サービスシステム。
【請求項3】
前記第1情報は、従業員の属するグループを識別するグループ識別情報を更に含み、前記グループ識別情報を第1グループから第2グループに更新する旨の更新情報を前記第2サーバから受信した場合、前記グループ識別情報を、前記第1グループから前記第2グループに更新する更新部を更に有し、
前記選択部は、前記記憶部に記憶された複数の第1情報のうち、前記グループ識別情報が前記第2グループとなる第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記第2情報の条件を満たす第1情報の識別情報を選択することを特徴とする請求項1または2に記載の副業サービスシステム。
【請求項4】
前記第1情報に含まれる情報のうち、前記第1サーバに公開する情報と、前記第2サーバに公開する情報とを制限する制限部を更に有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の副業サービスシステム。
【請求項5】
前記選択部に選択された識別情報によって識別される従業員の端末装置に、前記第2情報を通知する通知部を更に有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の副業サービスシステム。
【請求項6】
前記第2サーバから、前記第2情報の登録要求を受け付けた場合、前記端末装置の従業員の識別情報に対応する第1情報に、前記第2スケジュールに基づく第2労働時間を登録する登録部を更に有することを特徴とする請求項5に記載の副業サービスシステム。
【請求項7】
前記通知部は、前記第1情報に含まれる第1労働時間と前記第2労働時間とを合計した合計労働時間の情報を前記第1サーバに通知し、前記第1情報に含まれる前記第2労働時間の情報を、前記第2サーバに通知する処理を更に実行することを特徴とする請求項6に記載の副業サービスシステム。
【請求項8】
前記登録部は、前記端末装置から、前記第1企業または前記第2企業の評価情報を受け付けた場合、前記端末装置の従業員の識別情報に対応する第1情報に、前記評価情報を登録する処理を更に実行することを特徴とする請求項6に記載の副業サービスシステム。
【請求項9】
コンピュータは、従業員が本業を行う第1企業の第1サーバから受信した、従業員による本業の第1スケジュールおよび従業員の第1スキルを含む複数の第1情報それぞれを、従業員を識別する識別情報と対応付けて記憶する記憶装置を有し、
前記第1企業で行う本業とは別に、従業員が副業を行う第2企業の第2サーバから、副業の第2スケジュールおよび副業に要する第2スキルを含む第2情報を受信し、
前記第2情報と、前記記憶装置に記憶された複数の第1情報とのうち、前記第1スキルと前記第2スキルとが一致し、前記第1スケジュールから本業の労働時間を除いた空き時間に前記第2スケジュールの副業の労働時間が収まり、前記第1スケジュールを基に特定した本業の労働時間と前記第2スケジュールを基に特定した副業の労働時間とを合計した合計労働時間が所定の労働時間未満となる第1情報の識別情報を選択し、
ブロックチェーンを用いて、前記記憶装置の情報が改竄されているか否かを検知し、
前記ブロックチェーンを用いて、前記記憶装置に記憶された従業員の口座情報、副業の依頼情報、および前記口座情報の閲覧を許容する対象を定義する情報を用いて算出されるダイジェストと、前記記憶装置の情報が参照された場合に前記口座情報、前記副業の依頼情報、および前記口座情報の閲覧を許容する対象を定義する情報を用いて算出されるハッシュ値とが一致しない場合に、前記記憶装置の情報の改竄を検知する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする選択方法。
【請求項10】
従業員が本業を行う第1企業の第1サーバから受信した、従業員による本業の第1スケジュールおよび従業員の第1スキルを含む複数の第1情報それぞれを、従業員を識別する識別情報と対応付けて記憶する記憶装置を有するコンピュータに、
前記第1企業で行う本業とは別に、従業員が副業を行う第2企業の第2サーバから、副業の第2スケジュールおよび副業に要する第2スキルを含む第2情報を受信し、
前記第2情報と、前記記憶装置に記憶された複数の第1情報とのうち、前記第1スキルと前記第2スキルとが一致し、前記第1スケジュールから本業の労働時間を除いた空き時間に前記第2スケジュールの副業の労働時間が収まり、前記第1スケジュールを基に特定した本業の労働時間と前記第2スケジュールを基に特定した副業の労働時間とを合計した合計労働時間が所定の労働時間未満となる第1情報の識別情報を選択し、
ブロックチェーンを用いて、前記記憶装置の情報が改竄されているか否かを検知し、
前記ブロックチェーンを用いて、前記記憶装置に記憶された従業員の口座情報、副業の依頼情報、および前記口座情報の閲覧を許容する対象を定義する情報を用いて算出されるダイジェストと、前記記憶装置の情報が参照された場合に前記口座情報、前記副業の依頼情報、および前記口座情報の閲覧を許容する対象を定義する情報を用いて算出されるハッシュ値とが一致しない場合に、前記記憶装置の情報の改竄を検知する
処理を実行させることを特徴とする選択プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、副業サービスシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
企業に属するワーカーは、本業に加えて、他の企業で副業を行うことが認められており、ワーカーに副業を紹介するための副業サービスが普及している。
【0003】
たとえば、従来の副業サービスでは、副業を募集する受入企業が、副業の内容をカタログ等に掲載し、ワーカーは、かかるカタログを参照する。ワーカーは、希望する副業を見つけると、該当する副業の受入企業に対して、自身の個人情報を送付する。受入企業では、各ワーカーから送付される個人情報をそれぞれ参照して、ワーカーのスキルを検討し、副業に適したスキルを有するワーカーを採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-240567号公報
【文献】特開2006-163514号公報
【文献】特開2019-121046号公報
【文献】特開2003-058627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の副業サービスでは、確度の高い情報を用いて、副業に適正なワーカーをマッチングすることができないという問題がある。
【0006】
1つの側面では、本発明は、企業から受け付けた情報を用いることで、確度の高い情報によって、副業に適正なワーカーをマッチングすることができる副業サービスシステム、選択方法および選択プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の案では、副業サービスシステムは、第1企業の従業員が第1企業で行う本業とは別に、第2企業で行う副業の情報を管理する管理サーバと、第1企業の第1サーバと、第2企業の第2サーバとを有する。管理サーバは、記憶部と、選択部とを有する。記憶部は、第1サーバから受信した、従業員による本業の第1スケジュールおよび従業員の第1スキルを含む複数の第1情報それぞれを、従業員を識別する識別情報と対応付けて記憶する。選択部は、第2サーバから受信した副業の第2スケジュールおよび副業に要する第2スキルを含む第2情報と、記憶部に記憶された複数の第1情報とに基づいて、第2情報の条件を満たす第1情報の識別情報を選択する。
【発明の効果】
【0008】
企業から受け付けた情報を用いることで、確度の高い情報によって、副業に適正なワーカーをマッチングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、副業を申請する手続を説明するための図である。
図2図2は、本実施例に係る副業サービスシステムを説明するための図である。
図3図3は、口座情報の一例を説明するための図である。
図4図4は、マッチング処理を説明するための図(1)である。
図5図5は、マッチング処理を説明するための図(2)である。
図6図6は、マッチング処理を説明するための図(3)である。
図7図7は、管理サーバが実行するデータ管理の一例を示す図(1)である。
図8図8は、管理サーバが実行するデータ管理の一例を示す図(2)である。
図9図9は、管理サーバが実行する開示コントロールの一例を示す図である。
図10図10は、本実施例に係る管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
図11図11は、口座テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図12図12は、口座情報のデータ構造の一例を示す図である。
図13図13は、依頼情報のデータ構造の一例を示す図である。
図14図14は、開示コントロールテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図15図15は、開示コントロール情報のデータ構造の一例を示す図である。
図16図16は、本実施例に係る端末装置の構成を示す機能ブロック図である。
図17図17は、表示制御部が生成する画面情報の一例を示す図である。
図18図18は、本実施例に係る管理サーバの処理手順を示すフローチャートである。
図19図19は、管理サーバと同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する副業サービスシステム、選択方法および選択プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例
【0011】
本実施例の説明を行う前に、本実施例で用いるワーカー、送出企業、受入企業について説明する。「ワーカー」は、企業に雇われた従業員を示す。ワーカーを雇用する企業を「送出企業」と表記する。ワーカーは、送出企業で、本業の労働を行う。ワーカーに副業を依頼して、一時的にワーカーを受け入れる企業を「受入企業」と表記する。ワーカーは、受入企業で、副業の労働を行う。
【0012】
続いて、ワーカーが副業を申請する場合の手続の一例について説明する。図1は、副業を申請する手続を説明するための図である。図1に示すように、(1)~(6)の各手続が、ワーカー、送出企業、受入企業の間で行われる。
【0013】
(1)ワーカーAは、受入企業を紹介するカタログ1を参照して、気に入った受入企業を探す。(2)ワーカーAは、送出企業の副業を申請する部門、たとえば人事に、受入企業の副業を申請する。(3)送出企業の人事は、副業の申請を行ったワーカーAを、受入企業の予備軍に入れる。原則、副業を希望するワーカーは、無制限に、予備軍に入れられる。図1に示す例では、受入企業の予備軍には、ワーカーA,B,C,D,Eが含まれる。
【0014】
(4)受入企業は、予備軍に含まれるワーカーA~Eに対して、相談を行う。また、受入企業は、予備軍のワーカーA~Eに対して各種の作業を行わせ、評価を行う。(5)受入企業は、予備軍に含まれるワーカーのうち、評価が一定以上となり、かつ、面接に合格したワーカーを、副業を依頼する副属に配属させる。図1に示す例では、ワーカーA,B,Dが、副属に配属されている。
【0015】
(6)副属のワーカーA,B,Dと、受入企業(本属)のワーカーF,Gは、プロジェクト内容を共有する。また、受入企業は、ワーカーA,B,Dの情報を管理する管理サーバ(図示略)を利用して、副属のワーカーA,B,Dに対して、作業依頼を行う。
【0016】
続いて、本実施例に係る副業サービスシステムの一例について説明する。図2は、本実施例に係る副業サービスシステムを説明するための図である。図2に示すように、この副業サービスシステムは、端末装置20と、送出企業サーバ30と、受入企業サーバ40a,40bと、管理サーバ100とを有する。端末装置20と、送出企業サーバ30と、受入企業サーバ40a,40bと、管理サーバ100とは、ネットワーク10を介して相互に接続される。
【0017】
端末装置20は、副属のワーカーが操作する端末装置であり、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、ノートPC等に対応する。端末装置20は、無線通信によって、ネットワーク10に接続し、送出企業サーバ30、受入企業サーバ40a,40bと、管理サーバ100との間でデータ通信を実行する。なお、端末装置20は、ネットワーク10に有線で接続して、データ通信を実行してもよい。
【0018】
送出企業サーバ30は、送出企業が利用するサーバである。送出企業サーバ30は、ワーカーの口座情報を、管理サーバ100に登録する。送出企業サーバ30が、管理サーバ100に登録するワーカーの口座情報に関する説明は、後述する。
【0019】
受入企業サーバ40a,40bは、受入企業が、副属のワーカーに作業依頼を行う場合に利用するサーバである。図2に示す例では、受入企業サーバ40a,40bを示すが、その他に、受入企業サーバがあってもよい。以下の説明では、受入企業サーバ40a,40bを特に区別しない場合、受入企業サーバ40と表記する。
【0020】
管理サーバ100は、各ワーカーの口座情報を記憶し、各ワーカーの口座情報を用いて、マッチング処理、データ管理、開示コントロールを実行する装置である。図3は、口座情報の一例を説明するための図である。図3に示す口座情報を、ワーカーAの口座情報とする。口座情報には、スケジュール、労働時間、報酬、評価、スキル、経歴、戸籍等の情報が含まれる。口座情報には、ワーカーAの個人情報に関する他の情報が更に含まれていてもよい。
【0021】
スケジュールは、ワーカーAのスケジュールの情報である。ワーカーAのスケジュールには、(S1)本業のスケジュール、(S2)副業のスケジュールが含まれる。(S1)本業のスケジュールは、送出企業サーバ30から通知され、登録される。(S2)副業のスケジュールは、ワーカーAが、副業の依頼を受託した場合、受入企業サーバ40から通知され、登録される。
【0022】
労働時間は、ワーカーAに関する(A1)本業の労働時間と、(A2)副業の労働時間とが含まれる。(A1)本業の労働時間は、送出企業サーバ30から通知され、登録される。(A2)副業の労働時間は、ワーカーAが、副業の依頼を受託した場合、受入企業サーバ40から通知され、登録される。
【0023】
報酬は、(B1)本業の報酬と、(B2)副業の報酬とが含まれる。(B1)本業の報酬は、送出企業サーバ30から通知され、登録される。(B2)副業の報酬は、ワーカーAが、副業の依頼を受託した場合、受入企業サーバ40から通知され、登録される。
【0024】
評価は、(C1)本業の評価と、(C2)副業の評価とが含まれる。(C1)本業の評価は、送出企業がワーカーAに対して行う評価であり、送出企業サーバ30から通知される。(C2)副業の評価は、受入企業がワーカーAに対して行う評価であり、受入企業サーバ40から通知される。また、評価は、(C3)受入企業の評価が含まれていてもよい。(C3)受入企業の評価は、ワーカーAが受入企業に対して行う評価であり、端末装置20から通知される。
【0025】
スキルは、ワーカーAが有するスキルを示す。たとえば、スキルには、Web制作、Webデザイン、システム開発、システム運用、デザイン制作、ライティング、ネーミング等が含まれる。経歴は、ワーカーAの経歴を示す。戸籍は、ワーカーの本人確認ができる情報を示す。たとえば、戸籍には、住所、氏名、生年月日や学歴等が含まれてよい。たとえば、スキル、経歴、戸籍に関する情報は、送出企業サーバ30または第三者機関によって承認された後に、口座情報に登録されるものとする。本実施例では、送出企業の担当者が、スキル、経歴、戸籍の承認手続を行い、送出企業サーバ30を操作して、ワーカーAの口座情報に、スキル、経歴、戸籍の情報を登録する。他のワーカーの口座情報についても同様である。
【0026】
管理サーバ100が実行するマッチング処理の一例について説明する。図4図5図6は、マッチング処理を説明するための図である。まず、図4について説明する。送出企業サーバ30は、各ワーカーの口座情報を管理サーバ100に登録する。口座情報は「第1情報」に対応する。
【0027】
一方、受入企業サーバ40は、副業の依頼情報を、管理サーバ100に送信する。依頼情報には、副業のスケジュールと、副業に要するスキルの情報が含まれる。依頼情報は「第2情報」に対応する。
【0028】
管理サーバ100は、複数の口座情報と、依頼情報とをそれぞれ比較し、依頼情報の条件を満たす口座情報を選択する。図4に示す例では、管理サーバ100は、ワーカーAの口座情報を、依頼情報の条件を満たす口座情報として選択する。管理サーバ100は、ワーカーAの端末装置20に、依頼情報を通知する。
【0029】
ワーカーAは、端末装置20を操作して、依頼情報の内容を確認し、副業を行う場合には、承諾する旨を、受入企業サーバ40に通知する。受入企業サーバ40は、端末装置20から、依頼情報に対応する承諾を受け付けた場合には、ワーカーAの口座情報に、副業のスケジュール、副業に要する労働時間、副業の報酬等を登録する。
【0030】
図5の説明に移行する。図5では、マッチング処理を具体的に説明する。依頼情報には、副業の時間(副業のスケジュール)「9月6日 13:00~18:00」と、副業に要するスキル「Web制作」が含まれているものとする。ここでは、ワーカーAの口座情報と、ワーカーBの口座情報とを用いて説明する。
【0031】
ワーカーAの口座情報のスケジュール(9月6日)では、ワーカーAの本業の時間が「9:00~12:00」であり、空き時間が「12:00~18:00」である。また、ワーカーAのスキルを「Web制作」とする。
【0032】
ワーカーBの口座情報のスケジュール(9月6日)では、ワーカーBの本業の時間が「9:00~17:00」であり、空き時間が「17:00~21:00」である。また、ワーカーBのスキルを「Web制作」とする。
【0033】
管理サーバ100は、ワーカーAの口座情報と、依頼情報とを比較すると、依頼情報のスキルと、ワーカーAの口座情報のスキルとが一致する。また、ワーカーAの空き時間に、副業の時間が収まる。このため、管理サーバ100は、ワーカーAの口座情報を選択候補とする。
【0034】
一方、管理サーバ100は、ワーカーBの口座情報と、依頼情報とを比較すると、依頼情報のスキルと、ワーカーAの口座情報のスキルとが一致する。しかし、ワーカーBの空き時間に、副業の時間が収まらない。このため、管理サーバ100は、ワーカーBの口座情報を選択候補から除外する。
【0035】
管理サーバ100は、図5で説明した処理を行うことで、選択候補を特定した後に、図6で説明する処理を実行する。図6について説明する。管理サーバ100は、ワーカーAの本業のスケジュールを基にして、一週間の本業の労働時間(以下、第1労働時間)を特定する。管理サーバ100は、副業のスケジュールを基にして、一週間の副業の労働時間(以下、第2労働時間)を特定する。管理サーバ100は、第1労働時間と、第2労働時間との合計労働時間が、一週間の合計労働時間の上限未満となる場合、ワーカーAの口座情報を選択する。
【0036】
一方、管理サーバ100は、第1労働時間と、第2労働時間との合計労働時間が、一週間の合計労働時間の上限以上となる場合、ワーカーAの口座情報を選択しない。
【0037】
図6で説明した例では、便宜上、第1労働時間、第2労働時間、合計労働時間を、一週間の単位で説明したが、これに限定されるものでは無く、一日単位、月単位または年単位であってもよい。
【0038】
図4図6で説明したように、管理サーバ100によれば、送出企業サーバ30によって登録される確度の高いワーカーの口座情報を用いて、副業に適正なワーカーをマッチングすることが可能となる。たとえば、ワーカーのスキルと副業に要するスキルとが一致し、ワーカーの空き時間に副業の時間が収まり、ワーカーの合計労働時間が上限以上とならないという条件を満たす、ワーカー(ワーカーの口座情報)を選択できる。
【0039】
続いて、管理サーバ100が実行するデータ管理の一例について説明する。図7および図8は、管理サーバが実行するデータ管理の一例を示す図である。まず、図7について説明する。前提として、ワーカーAは、受入企業サーバ40aの依頼情報を受諾し、ワーカーBは、受入企業サーバ40bの依頼情報を受託したものとする。
【0040】
受入企業サーバ40aは、ワーカーAの副業の労働時間Xaを、管理サーバ100が保持するワーカーAの口座情報に登録する。受入企業サーバ40bは、ワーカーBの副業の労働時間Xbを、管理サーバ100が保持するワーカーBの口座情報に登録する。
【0041】
送出企業サーバ30は、ワーカーAの口座情報に登録されたワーカーAの副業の労働時間Xaを入手する。送出企業サーバ30は、ワーカーAの本業の労働時間Yaと、ワーカーAの副業の労働時間Xaとを合計した合計労働時間Zaを算出する。これによって、送出企業の担当者は、ワーカーAについて、本業と副業との合計労働時間Zaを把握することができる。
【0042】
送出企業サーバ30は、ワーカーBの口座情報に登録されたワーカーBの副業の労働時間Xbを入手する。送出企業サーバ30は、ワーカーBの本業の労働時間Ybと、ワーカーBの副業の労働時間Xbとを合計した合計労働時間Zbを算出する。これによって、送出企業の担当者は、ワーカーBについて、本業と副業との合計労働時間Zbを把握することができる。
【0043】
図8について説明する。管理サーバ100は、ワーカーの口座情報の内容を公開する場合に、端末装置20、送出企業サーバ30、受入企業サーバ40に応じて、公開内容を制限する処理を行う。ここでは、ワーカーAの口座情報を用いて説明を行う。
【0044】
口座情報の「スケジュール」について説明する。管理サーバ100は、端末装置20に対して、(S1)本業のスケジュールと、(S2)副業のスケジュールとを通知する。これによって、ワーカーAは、本業および副業のスケジュールを確認することができる。管理サーバ100は、送出企業サーバ30に対して、(S1)本業のスケジュールのみを通知する。
【0045】
口座情報の「労働時間」について説明する。管理サーバ100は、端末装置20に対して、(A1)本業の労働時間と、(A2)副業の労働時間とを通知する。これによって、ワーカーAは、自身が働き過ぎか否かを確認することができる。管理サーバ100は、送出企業サーバ30に対して、(A1)本業の労働時間と、(A2)副業の労働時間とを通知する。これによって、送出企業の担当者は、ワーカーAの労働時間が上限に達しているか否かを確認することができる。
【0046】
図8では説明を省略するが、送出企業が公認する受入企業が存在する場合、管理サーバ100は、公認の受入企業の受入企業サーバ40に、(A1)本業の労働時間と、(A2)副業の労働時間とを通知してもよい。
【0047】
口座情報の「報酬」について説明する。管理サーバ100は、端末装置20に対して、(B1)本業の報酬と、(B2)副業の報酬とを通知する。これによって、ワーカーAは、納税の範囲を把握することができる。管理サーバ100は、送出企業サーバ30に対して、(B1)本業の報酬を通知する。これによって、送出企業の担当者は、ワーカーAの社会保険の算定基準を把握することができる。
【0048】
口座情報の「評価」について説明する。管理サーバ100は、送出企業サーバ30に対して、(C1)本業の評価と、(C2)副業の評価とを通知する。これによって、送出企業の担当者は、ワーカーAのコンピテンシー(高い業績、成果につながる行動特定等)を把握することができる。
【0049】
図8では説明を省略するが、管理サーバ100は、(C2)副業の評価を、受入企業サーバ40に通知してもよい。
【0050】
口座情報の「スキル」、「経歴」、「戸籍」について説明する。ワーカーAは、端末装置20を操作して、「スキル」、「経歴」、「戸籍」の開示コントロールを行う。開示コントロールはそれぞれの情報に応じて設定されてもよい。管理サーバ100は、端末装置20からの開示コントロールに応じて、スキル、経歴、戸籍に関する情報を、送出企業サーバ30、受入企業サーバ40に開示する。
【0051】
続いて、管理サーバ100が実行する開示コントロールの一例について説明する。図9は、管理サーバが実行する開示コントロールの一例を示す図である。図9に示す例では、ワーカーAの口座情報に含まれる「評価」に対して、開示コントロールを行う場合について説明する。
【0052】
管理サーバ100は、ワーカーAの端末装置20からの開示コントロールに応じて、(C3)受入企業の評価の情報を公開する。図9に示す例では、管理サーバ100は、ワーカーBの端末装置および送出企業サーバ30に対して、(C3)受入企業の評価の情報を公開する。一方、管理サーバ100は、ワーカーCの端末装置および受入企業サーバ40に対して、(C3)受入企業の評価の情報を非公開とする。口座情報に含まれる各種の情報のうち、いずれの情報を、どの端末装置、サーバに公開するかは、ワーカーAが端末装置20を操作することで、設定可能である。また、(C2)副業の評価は、受入企業サーバ40が開示コントロールを行うようにしてもよい。
【0053】
次に、図2に示した管理サーバ100の構成の一例について説明する。図10は、本実施例に係る管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。図10に示すように、この管理サーバ100は、通信部110と、入力部120と、表示部130と、記憶部140と、制御部150とを有する。
【0054】
通信部110は、ネットワーク10を介して、端末装置20と、送出企業サーバ30と、受入企業サーバ40とデータ通信を実行する処理部である。通信部110は、通信装置に対応する。後述する制御部150は、通信部110を介して、端末装置20、送出企業サーバ30、受入企業サーバ40との間でデータをやり取りする。なお、通信部110は、所定のセキュリティ機能を有し、IDやパスワード等を用いて認証処理を実行した後に、端末装置20と、送出企業サーバ30と、受入企業サーバ40とデータ通信を開始するものとする。
【0055】
入力部120は、管理サーバ100に対して各種の情報を入力するための入力装置である。入力部120は、キーボードやマウス、タッチパネル等に対応する。
【0056】
表示部130は、制御部150から出力される情報を表示する表示装置である。表示部130は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、タッチパネル等に対応する。
【0057】
記憶部140は、口座テーブル141と、依頼情報142と、開示コントロールテーブル143とを有する。記憶部140は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子や、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置に対応する。
【0058】
口座テーブル141は、各ワーカーの口座情報を保持するテーブルである。図11は、口座テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図11に示すように、この口座テーブル141は、ワーカー識別情報と、口座情報とを対応付ける。ワーカー識別情報は、ワーカーを一意に識別する情報である。口座情報は、図3等で説明したワーカーの口座情報である。
【0059】
図12は、口座情報のデータ構造の一例を示す図である。図12では、一つのワーカー識別情報に対応する口座情報50を示す。たとえば、口座情報50には、送出企業および受入企業に関する情報を含むテーブル51、スキル情報52、経歴情報53、戸籍情報54、所属情報55を含む。
【0060】
テーブル51は、企業識別情報と、スケジュールと、労働時間と、報酬と、評価とを対応付ける。企業識別情報は、送出企業、受入企業を一意に識別する情報である。スケジュールは、該当する企業におけるワーカーのスケジュールの情報である。労働時間は、所定期間の該当する企業のおけるワーカーの労働時間の情報である。報酬は、該当する企業からワーカーが得られる報酬である。評価は、送出企業、受入企業それぞれがワーカーに対して行う評価の情報である。また、図示しないが、テーブル51は、ワーカーが、該当する企業に対して行う評価の情報を含んでよい。
【0061】
スキル情報52は、ワーカーが有するスキルの情報である。たとえば、ワーカーが有するスキルには、Web制作、Webデザイン、システム開発、システム運用、デザイン制作、ライティング、ネーミング等が含まれる。なお、ワーカーが有するスキルは、他の資格情報であってもよい。
【0062】
経歴情報53は、ワーカーの経歴に関する情報である。戸籍情報54は、ワーカーの戸籍に関する情報である。所属情報55は、ワーカーが、予備軍に属するか、副属に属するかを識別する情報である。予備軍および副属に関する説明は、図1で行った説明と同様である。所属情報55は、「グループ識別情報」の一例である。予備軍は、「第1グループ」の一例である。副属は、「第2グループ」の一例である。
【0063】
依頼情報142は、副業に要するスケジュールおよび副業に要するスキルの情報を含む。図13は、依頼情報のデータ構造の一例を示す図である。図13に示すように、依頼情報142には、イベント名、スケジュール、報酬、開催場所、企業識別情報、問い合わせ先、必要スキルが含まれる。
【0064】
イベント名は、イベント(副業)の名称である。スケジュールは副業のスケジュールである。報酬は、副業で得られる報酬である。開催場所は、副業が行われる場所の情報である。企業識別情報は、受入企業を一意に識別する情報である。問い合わせ先は、副業に関する問い合わせ先である。問い合わせ先には、電話番号や担当者名、メールアドレス等が含まれる。
【0065】
開示コントロールテーブル143は、ワーカー毎の開示コントロール情報を保持するテーブルである。図14は、開示コントロールテーブルのデータ構造の一例を示す図である。図14に示すように、この開示コントロールテーブル143は、ワーカー識別情報と、開示コントロール情報とを対応付ける。ワーカー識別情報は、ワーカーを一意に識別する情報である。開示コントロール情報は、口座情報に含まれる各項目について、閲覧を許容する対象を定義する情報である。
【0066】
図15は、開示コントロール情報のデータ構造の一例を示す図である。図15では、一つのワーカー識別情報に対応する開示コントロール情報を示す。図15に示すように、開示コントロール情報は、項目と、公開対象とを対応付ける。項目は、該当するワーカー識別情報の口座情報の該当情報を示す。たとえば、図15の項目「送出企業におけるワーカーのスケジュール」は、図12で説明したテーブル51の企業識別情報「C101」およびスケジュールによって特定される情報に対応する。他の項目もそれぞれ、口座情報の該当情報に対応付けられる。公開対象は、項目に対応する情報を公開することを許容する、ワーカー識別情報、企業識別情報を示すものである。
【0067】
たとえば、項目「送出企業におけるワーカーのスケジュール」に対する公開対象は「U101(ワーカーA)、C101(送出企業)」となる。
【0068】
図10の説明に戻る。制御部150は、登録部151、更新部152、選択部153、通知部154、制限部155、検知部156を有する。制御部150は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって実現できる。また、制御部150は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによっても実現できる。
【0069】
登録部151は、記憶部140に各種の情報を登録する処理部である。登録部151は、送出企業サーバ30からワーカー識別情報が付与された口座情報を受信した場合、ワーカー識別情報と、口座情報とを対応付けて、口座テーブル141に登録する。
【0070】
登録部151は、受入企業サーバ40から依頼情報142を受信した場合、依頼情報142を、記憶部140に登録する。
【0071】
ここで、図4で説明したように、ワーカーが依頼情報の内容を確認し、承諾する旨を、受入企業サーバ40に通知すると、受入企業サーバ40は、口座情報に対する登録要求を管理サーバ100に送信する。登録要求には、登録対象となる口座情報のワーカー識別情報、副業のスケジュール、副業に要する労働時間、副業の報酬等が含まれる。
【0072】
登録部151は、受入企業サーバ40から登録要求を取得すると、登録要求に含まれるワーカー識別情報と、口座テーブル141とを比較して、登録要求に含まれるワーカー識別情報に対応する口座情報を特定する。登録部151は、特定した口座情報に、副業のスケジュール、副業に要する労働時間、副業の報酬等を登録する。
【0073】
また、登録部151は、送出企業サーバ30および受入企業サーバ40から評価情報を受け付ける。評価情報には、ワーカー識別情報と、ワーカーに対して評価を行った企業の企業識別情報と、評価内容が含まれる。登録部151は、評価情報に含まれるワーカー識別情報と、口座テーブル141とを比較して、評価情報に含まれるワーカー識別情報に対応する口座情報を特定する。登録部151は、特定した口座情報のテーブル51と企業識別情報とに対応する評価のエリアに、評価内容を登録する。なお、登録部151は、端末装置20から評価情報を受け付けてもよい。この場合の評価情報には、ワーカー識別情報と、評価対象の企業識別情報と、評価内容が含まれ、企業サーバからの評価情報を受け付ける場合と同様にして、評価内容を登録することができる。
【0074】
更新部152は、受入企業サーバ40から所属情報の更新要求に応じて、口座テーブル141の口座情報に含まれる所属情報を更新する処理部である。以下の説明では、所属情報の更新要求を「所属更新要求」と表記する。所属更新要求には、更新対象となるワーカー識別情報と、更新後の所属とが含まれる。
【0075】
更新部152は、所属更新要求のワーカー識別情報と、口座テーブル141の各ワーカー識別情報とを比較し、更新対象の口座情報を特定する。更新部152は、特定した口座情報の、所属情報を、所属更新要求に含まれる更新後の所属に設定する。ワーカーの所属が、予備軍から副属に変更になる場合には、所属更新要求によって、ワーカーの所属情報が、副属に更新される。
【0076】
選択部153は、依頼情報142と、口座テーブル141の各口座情報とを比較して、依頼情報142の条件を満たす口座情報のワーカー識別情報を選択する処理部である。たとえば、選択部153は、第1絞込処理、第2絞込処理、選択処理を実行する。
【0077】
選択部153が実行する「第1絞込処理」について説明する。選択部153は、口座テーブル141に格納された各口座情報のスキル情報および所属情報を走査する。ここでは、口座情報のスキル情報に含まれる各スキルを、第1スキルと表記し、依頼情報142に含まれるスキル(副業に要するスキル)を第2スキルと表記する。選択部153は、第1スキルと第2スキルとが一致し、かつ、所属情報が「副属」に設定された口座情報を、第1絞込口座情報として選択する。
【0078】
選択部153が実行する「第2絞込処理」について説明する。選択部153は、第1絞込口座情報のスケジュールを参照し、空き時間を特定する。ここでは、本業のスケジュールのみが登録されている場合について説明する。選択部153は、依頼情報のスケジュールに設定された日付において、ワーカーの本業の時間を除いた空き時間を特定する。
【0079】
図5を用いて説明すると、選択部153は、ワーカーAの口座情報のスケジュールを参照し、本業の時間を除いた空き時間(12:00~18:00)を特定する。選択部153は、ワーカーBの口座情報のスケジュールを参照し、本業の時間を除いた空き時間(17:00~21:00)を特定する。
【0080】
選択部153は、上記の処理を実行することで、各第1絞込口座情報について、空き時間をそれぞれ特定する。選択部153は、各第1絞込口座情報の空き時間と、依頼情報142に含まれる副業の時間(スケジュール)とを比較し、副業の時間が収まる空き時間を有する第1絞込情報を、第2絞込口座情報として選択する。
【0081】
上記の処理では一例として、第1絞込口座情報に本業のスケジュールのみが登録されている場合について説明したが、他の副業のスケジュールが既に登録されていてもよい。この場合、選択部153は、第1絞込口座情報のスケジュールを参照し、ワーカーの本業の時間および他の副業の時間を除いた空き時間を特定し、副業の時間が収まる空き時間である場合に、かかる第1絞込口座情報を、第2絞込口座情報として選択する。
【0082】
選択部153が実行する「選択処理」について説明する。選択部153は、第2絞込口座情報のスケジュールを参照し、所定期間における本業の時間を合計した第1労働時間を算出する。また、選択部153は、依頼情報142に含まれる副業の時間を合計した第2労働時間を算出する。選択部153は、第1労働時間と、第2労働時間とを加算した合計労働時間が、合計労働時間の上限未満となる第2絞込口座情報を選択する。
【0083】
上記の選択処理によって選択した第2絞込口座情報を「選択口座情報」と表記する。選択部153は、選択口座情報に対応するワーカー識別情報を、通知部154に出力する。
【0084】
通知部154は、選択口座情報に対応するワーカー識別情報を取得し、取得したワーカー識別情報に対応する端末装置に、依頼情報142を通知する処理部である。たとえば、口座情報には、ワーカーの連絡先として、メールアドレス等が登録されており、通知部154は、かかるメールアドレスを用いて、端末装置に依頼情報142を通知する。
【0085】
通知部154は、定期的に、各ワーカー識別情報の口座情報に登録された労働時間の情報を、送出企業サーバ30に通知する。ワーカーが副業を行う場合には、口座情報に登録された労働時間には、本業の労働時間と、副業の労働時間が含まれる。
【0086】
通知部154は、口座テーブル141の口座情報のスケジュールが更新された場合には、更新されたスケジュールの情報を、該当する端末装置に送信する。たとえば、ワーカーAのワーカー識別情報「U101」の口座情報のスケジュールが更新された場合には、ワーカーAの端末装置20に、更新されたスケジュールの情報を通知する。通知部154が、端末装置に通知するスケジュールの情報は、後述するスケジュール情報24aに対応する。
【0087】
制限部155は、開示コントロールテーブル143を基にして、口座テーブル141に登録された各口座情報の公開範囲を制限する処理部である。以下において、制限部155は、送出企業サーバ30から口座情報の公開要求を受け付けた場合、受入企業サーバ40aから口座情報の公開要求を受け付けた場合、端末装置20から口座情報の公開要求を受け付けた場合について説明する。
【0088】
まず、制限部155が、送出企業サーバ30から口座情報の公開要求を受け付けた場合について説明する。この公開要求には、ワーカー識別情報と、送出企業サーバ30の企業識別情報(C101)とが含まれているものとする。
【0089】
制限部155は、公開要求のワーカー識別情報と、開示コントロールテーブル143とを比較して、公開要求のワーカー識別情報に対応する開示コントロール情報を特定する。制限部155は、特定した開示コントロール情報と、公開要求の企業識別情報(C101)とを比較して、公開する口座情報の項目を特定する。
【0090】
たとえば、開示コントロール情報を、図15に示すものとする。この場合、制限部155は、口座情報のうち、「送出企業におけるワーカーのスケジュール」、「送出企業、受入企業CA,CBにおける労働時間」、「送出企業における報酬」、「送出企業、受入企業CA,CBにおけるワーカーの評価」を公開する。なお、受入企業CAを、受入企業サーバ40aの受入企業とする。受入企業CBを、受入企業サーバ40bの受入企業とする。
【0091】
続いて、制限部155が、受入企業サーバ40aから口座情報の公開要求を受け付けた場合について説明する。この公開要求には、ワーカー識別情報と、受入企業サーバ40aの企業識別情報(C102)とが含まれているものとする。
【0092】
制限部155は、公開要求のワーカー識別情報と、開示コントロールテーブル143とを比較して、公開要求のワーカー識別情報に対応する開示コントロール情報を特定する。制限部155は、特定した開示コントロール情報と、公開要求の企業識別情報(C102)とを比較して、公開する口座情報の項目を特定する。
【0093】
たとえば、開示コントロール情報を、図15に示すものとする。この場合、制限部155は、口座情報のうち、「受入企業CAにおけるワーカーのスケジュール」、「受入企業CAにおける報酬」を公開する。
【0094】
続いて、制限部155が、端末装置20から口座情報の公開要求を受け付けた場合について説明する。各ワーカー識別情報を区別するために、第1ワーカー識別情報と、第2ワーカー識別情報とを用いる。第1ワーカー識別情報は、公開要求の対象となる口座情報に対応付けられたワーカー識別情報である。第2ワーカー識別情報は、端末装置20を操作するワーカーの識別情報である。ワーカーが、自身の口座情報の公開を要求する場合、第1ワーカー識別情報と、第2ワーカー識別情報とは同一のワーカー識別情報となる。
【0095】
端末装置20から送信される公開要求には、第1ワーカー識別情報(U101)と、第2ワーカー識別情報(U101)とが含まれているものとする。
【0096】
制限部155は、第1ワーカー識別情報と、開示コントロールテーブル143とを比較して、第1ワーカー識別情報に対応する開示コントロール情報を特定する。制限部155は、特定した開示コントロール情報と、第2ワーカー識別情報(U101)とを比較して、公開する口座情報の項目を特定する。
【0097】
たとえば、開示コントロール情報を、図15に示すものとする。この場合、制限部155は、全ての項目に対して、第2ワーカー識別情報が含まれているため、口座情報の全ての項目について、情報を公開する。
【0098】
検知部156は、ブロックチェーンの技術を用いて、記憶部140に記憶された口座テーブル141、依頼情報142、開示コントロールテーブル143の情報が改竄されているか否かを検知する処理部である。以下の説明では、記憶部140に記憶された口座テーブル141、依頼情報142、開示コントロールテーブル143の情報を単に、記憶部140の情報と表記する。
【0099】
たとえば、検知部156は、記憶部140の情報のダイジェストを定期的に算出しておく。検知部156は、記憶部140の情報が参照された場合、記憶部140の情報のハッシュ値を算出し、算出したハッシュ値が、予め算出しておいたダイジェストと一致しない場合に、記憶部140の情報の改竄を検知する。本実施例では説明を省略するが、記憶部140と同一の情報を複数の管理サーバで同期させてもよい。
【0100】
次に、図2に示した端末装置20の構成の一例について説明する。図16は、本実施例に係る端末装置の構成を示す機能ブロック図である。図16に示すように、この端末装置20は、通信部21と、入力部22と、表示部23と、記憶部24と、制御部25とを有する。本実施例では一例として、端末装置20を保有するワーカーを、ワーカーAとして説明を行う。
【0101】
通信部21は、無線通信等によって、ネットワーク10に接続し、送出企業サーバ30、受入企業サーバ40、管理サーバ100とデータ通信を実行する処理部である。通信部21は、通信装置に対応する。後述する制御部25は、通信部21を介して、送出企業サーバ30、受入企業サーバ40、管理サーバ100との間でデータをやり取りする。
【0102】
入力部22は、端末装置20に対して各種の情報を入力するための入力装置である。入力部22は、入力ボタンやタッチパネル等に対応する。
【0103】
表示部23は、制御部25から出力される情報を表示する表示装置である。表示部23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネル等に対応する。
【0104】
記憶部24は、スケジュール情報24a、依頼情報142を有する。記憶部24は、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子などの記憶装置に対応する。
【0105】
スケジュール情報24aは、管理サーバ100で管理されるワーカーAの口座情報のスケジュールの情報に対応する。たとえば、スケジュール情報24aには、本業のスケジュールが含まれる。また、ワーカーAが副業を承諾した場合には、スケジュール情報24aには、本業のスケジュールに加えて、副業のスケジュールが含まれる。
【0106】
依頼情報142は、副業のスケジュールと、副業に要するスキルの情報が含まれる。依頼情報142のデータ構造は、図13で説明したものに対応する。依頼情報142の条件を満たす口座情報として、ワーカーAの口座情報が選択された場合、依頼情報142が、管理サーバ100から端末装置20に通知される。
【0107】
制御部25は、受信部25aと、表示制御部25bと、送信部25cとを有する。制御部25は、CPUやMPUなどによって実現できる。また、制御部25は、ASICやFPGAなどのハードワイヤードロジックによっても実現できる。
【0108】
受信部25aは、管理サーバ100等から各種の情報を受信する処理部である。受信部25aは、管理サーバ100から依頼情報142を受信した場合、受信した依頼情報142を、記憶部24に登録する。
【0109】
受信部25aは、管理サーバ100からスケジュール情報24aを受信した場合、受信したスケジュール情報24aを、記憶部24に登録する。受信部25aは、既にスケジュール情報24aが登録されている場合には、記憶部24のスケジュール情報24aを、新たに受信したスケジュール情報24aによって更新する。
【0110】
表示制御部25bは、スケジュールの表示要求を受け付けた場合、スケジュール情報24aを基にして画面情報を生成し、生成した画面情報を、表示部23に表示させる処理部である。たとえば、ワーカーAは、入力部22を操作して、スケジュールの表示要求を行うものとする。
【0111】
また、表示制御部25bは、記憶部24に依頼情報142が登録されている場合には、依頼情報142に含まれる副業のスケジュールを、画面情報に合わせて表示させる。表示制御部25bは、入力部22を操作するワーカーAによって、かかる副業のスケジュールが選択された場合には、依頼情報142に基づく画面情報を生成し、表示部23に表示させる。
【0112】
図17は、表示制御部が生成する画面情報の一例を示す図である。表示制御部25bは、スケジュールの表示要求を受け付けた場合、画面情報26を表示させる。画面情報26には、本業のスケジュールが表示されている。また、画面情報26には、依頼情報142に対応する副業のスケジュールを示す領域26aが含まれているものとする。
【0113】
ワーカーAが、入力部22を操作して、領域26aを選択すると、表示制御部25bは、画面情報27を生成して、表示部23に表示させる。画面情報27には、依頼情報142の内容が含まれている。ワーカーAは、係る依頼情報142の内容を確認し、副業を受ける場合には、承諾ボタン27aを押下する。表示制御部25bは、承諾ボタン27aの押下を受け付けた場合には、依頼情報142を登録した受入企業サーバ40に依頼情報142の副業を承諾する旨の情報を送信する。
【0114】
送信部25cは、各種の情報を、管理サーバ100に送信する処理部である。たとえば、ワーカーAが、入力部22を操作して、評価情報を入力した場合には、評価情報を、管理サーバ100に送信する。
【0115】
次に、本実施例に係る管理サーバ100の処理手順の一例について説明する。図18は、本実施例に係る管理サーバの処理手順を示すフローチャートである。図18に示すように、管理サーバ100の登録部151は、送出企業サーバ30から各ワーカーの口座情報を受信し、口座テーブル141に登録する(ステップS101)。
【0116】
登録部151は、受入企業サーバ40から、依頼情報142を受信し、記憶部140に登録する(ステップS102)。管理サーバ100の選択部153は、依頼情報142と、口座テーブルの各口座情報とを比較して、依頼情報142の条件を満たす、口座情報を選択する(ステップS103)。
【0117】
管理サーバ100の通知部154は、選択した口座情報に対応する端末装置に依頼情報142を通知する(ステップS104)。登録部151は、受入企業サーバ40から、登録要求を受信したか否かを判定する(ステップS105)。
【0118】
登録部151は、登録要求を受信した場合には(ステップS106,Yes)、口座情報に副業のスケジュール、副業の労働時間、報酬を登録する(ステップS107)。一方、管理サーバ100は、登録要求を受信しない場合には(ステップS106,No)、処理を終了する。
【0119】
次に、本実施例に係る管理サーバ100の効果について説明する。管理サーバ100は、送出企業サーバ30から受信した各ワーカーの口座情報を、記憶部140の口座テーブル141に登録する。管理サーバ100は、受入企業サーバ40から受信する依頼情報142と各口座情報とを比較して、依頼情報142の条件を満たす口座情報のワーカー識別情報を選択する。これによって、管理サーバ100は、送出企業サーバ30から送信される確度の高い口座情報を用いて、副業に適正なワーカーをマッチングすることが可能となる。
【0120】
管理サーバ100は、本業のスケジュールから本業の時間を除いた空き時間が、副業の時間に収まる口座情報を選択する。これによって、空き時間内で終了するワーカーの口座情報を選択することができる。
【0121】
管理サーバ100は、本業のスケジュールに基づく第1労働時間と、副業のスケジュールに基づく第2労働時間とを合計した合計労働時間が、労働時間の上限未満となる口座情報を選択する。これによって、副業を依頼するワーカーの合計労働時間が、労働時間の上限以上となることを抑止することができる。
【0122】
管理サーバ100は、受入企業サーバ40から受信する所属情報の変更要求に応じて、口座情報の所属情報を「予備軍」から「副属」に変更する。これによって、受入企業が副属として採用したワーカーに対して、副業を依頼することができる。
【0123】
管理サーバ100は、開示コントロール情報を用いて、口座情報の各項目について、公開範囲を制限する。これによって、送出企業サーバ30、受入企業サーバ40、他のワーカーの端末装置について、それぞれ異なる口座情報の項目を公開することができる。
【0124】
管理サーバ100は、依頼情報142の条件を満たす口座情報のワーカー識別情報を選択し、ワーカー識別情報に対応する端末装置に、依頼情報を通知する。これによって、依頼情報の条件を満たすワーカーのみに副業の内容を通知することができる。
【0125】
管理サーバ100は、受入企業サーバ40から登録要求を取得すると、登録要求の対象となる口座情報に、副業の情報を登録する。これによって、ワーカーの口座情報に、本業の情報に加えて、副業の情報を登録することができる。
【0126】
管理サーバ100は、口座情報に含まれる本業の労働時間と、副業の労働時間とを通知する。これによって、送出企業の担当者は、ワーカーの労働時間が上限に達しているか否かを確認することができる。
【0127】
管理サーバ100は、ブロックチェーンを用いて、記憶部140の情報が改竄されているか否かを検知する。これによって、記憶部140の情報が改竄されることを抑止することができる。
【0128】
管理サーバ100は、端末装置から送出企業または受入企業の評価情報を受け付けた場合に、ワーカーの口座情報に評価情報を登録する。これによって、公開範囲を制限した上で、他のワーカーや各企業に評価情報を公開することができる。
【0129】
次に、上記実施例に示した管理サーバ100と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例について説明する。図19は、管理サーバと同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0130】
図19に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置202と、ディスプレイ203とを有する。また、コンピュータ200は、端末装置20、送出企業サーバ30、受入企業サーバ40とデータ通信を実行する通信装置204と、各種の装置と接続するインタフェース装置205とを有する。コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM206と、ハードディスク装置207とを有する。そして、各装置201~207は、バス208に接続される。
【0131】
ハードディスク装置207は、登録プログラム207a、更新プログラム207b、選択プログラム207c、通知プログラム207d、制限プログラム207e、検知プログラム207fを有する。CPU201は、登録プログラム207a、更新プログラム207b、選択プログラム207c、通知プログラム207d、制限プログラム207e、検知プログラム207fを読み出してRAM206に展開する。
【0132】
登録プログラム207aは、登録プロセス206aとして機能する。更新プログラム207bは、更新プロセス206bとして機能する。選択プログラム207cは、選択プロセス206cとして機能する。通知プログラム207dは、通知プロセス206dとして機能する。制限プログラム207eは、制限プロセス206eとして機能する。検知プログラム207fは、検知プロセス206fとして機能する。
【0133】
登録プロセス206aの処理は、登録部151の処理に対応する。更新プロセス206bの処理は、更新部152の処理に対応する。選択プロセスの処理は、選択部153の処理に対応する。通知プロセス206aの処理は、通知部154の処理に対応する。制限プロセス206eの処理は、制限部155の処理に対応する。検知プロセス206fの処理は、検知部156の処理に対応する。
【0134】
なお、各プログラム207a~207fについては、必ずしも最初からハードディスク装置207に記憶させておかなくてもよい。例えば、コンピュータ200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ200が各プログラム207a~207eを読み出して実行するようにしてもよい。
【0135】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0136】
(付記1)第1企業の従業員が前記第1企業で行う本業とは別に、第2企業で行う副業の情報を管理する管理サーバと、前記第1企業の第1サーバと、前記第2企業の第2サーバとを有する副業サービスシステムであって、
前記管理サーバは、
前記第1サーバから受信した、従業員による本業の第1スケジュールおよび従業員の第1スキルを含む複数の第1情報それぞれを、従業員を識別する識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、
前記第2サーバから受信した副業の第2スケジュールおよび副業に要する第2スキルを含む第2情報と、前記記憶部に記憶された複数の第1情報とに基づいて、前記第2情報の条件を満たす第1情報の識別情報を選択する選択部と
を有することを特徴とする副業サービスシステム。
【0137】
(付記2)前記選択部は、前記第1スケジュールから本業の時間を除いた空き時間が、前記第2スケジュールの副業の時間に収まる第1情報の識別情報を選択することを特徴とする付記1に記載の副業サービスシステム。
【0138】
(付記3)前記選択部は、前記記憶部に記憶された複数の第1情報のうち、前記第1スケジュールに基づく第1労働時間と、前記第2スケジュールに基づく第2労働時間とを合計した合計労働時間が、所定の労働時間未満となる第1情報から、前記第2情報の条件を満たす第1情報の識別情報を選択することを特徴とする付記1または2に記載の副業サービスシステム。
【0139】
(付記4)前記第1情報は、従業員の属するグループを識別するグループ識別情報を更に含み、前記グループ識別情報を第1グループから第2グループに更新する旨の更新情報を前記第2サーバから受信した場合、前記グループ識別情報を、前記第1グループから前記第2グループに更新する更新部を更に有し、
前記選択部は、前記記憶部に記憶された複数の第1情報のうち、前記グループ識別情報が前記第2グループとなる第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記第2情報の条件を満たす第1情報の識別情報を選択することを特徴とする付記1、2または3に記載の副業サービスシステム。
【0140】
(付記5)前記第1情報に含まれる情報のうち、前記第1サーバに公開する情報と、前記第2サーバに公開する情報とを制限する制限部を更に有することを特徴とする付記1~4のいずれか一つに記載の副業サービスシステム。
【0141】
(付記6)前記選択部に選択された識別情報によって識別される従業員の端末装置に、前記第2情報を通知する通知部を更に有することを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載の副業サービスシステム。
【0142】
(付記7)前記第2サーバから、前記第2情報の登録要求を受け付けた場合、前記端末装置の従業員の識別情報に対応する第1情報に、前記第2スケジュールに基づく第2労働時間を登録する登録部を更に有することを特徴とする付記6に記載の副業サービスシステム。
【0143】
(付記8)前記通知部は、前記第1情報に含まれる第1労働時間と前記第2労働時間とを合計した合計労働時間の情報を前記第1サーバに通知し、前記第1情報に含まれる前記第2労働時間の情報を、前記第2サーバに通知する処理を更に実行することを特徴とする付記7に記載の副業サービスシステム。
【0144】
(付記9)ブロックチェーンを用いて、前記記憶部の情報が改竄されているか否かを検知する検知部を更に有することを特徴とする付記1~8のいずれか一つに記載の副業サービスシステム。
【0145】
(付記10)前記登録部は、前記端末装置から、前記第1企業または前記第2企業の評価情報を受け付けた場合、前記端末装置の従業員の識別情報に対応する第1情報に、前記評価情報を登録する処理を更に実行することを特徴とする付記7に記載の副業サービスシステム。
【0146】
(付記11)コンピュータは、従業員が本業を行う第1企業の第1サーバから受信した、従業員による本業の第1スケジュールおよび従業員の第1スキルを含む複数の第1情報それぞれを、従業員を識別する識別情報と対応付けて記憶する記憶装置を有し、
前記第1企業で行う本業とは別に、従業員が副業を行う第2企業の第2サーバから、副業の第2スケジュールおよび副業に要する第2スキルを含む第2情報を受信し、
前記第2情報と、前記記憶装置に記憶された複数の第1情報とに基づいて、前記第2情報の条件を満たす第1情報の識別情報を選択する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする選択方法。
【0147】
(付記12)前記選択する処理は、前記第1スケジュールから本業の時間を除いた空き時間が、前記第2スケジュールの副業の時間に収まる第1情報の識別情報を選択することを特徴とする付記11に記載の選択方法。
【0148】
(付記13)前記選択する処理は、前記記憶部に記憶された複数の第1情報のうち、前記第1スケジュールに基づく第1労働時間と、前記第2スケジュールに基づく第2労働時間とを合計した合計労働時間が、所定の労働時間未満となる第1情報から、前記第2情報の条件を満たす第1情報の識別情報を選択することを特徴とする付記11または12に記載の選択方法。
【0149】
(付記14)前記第1情報は、従業員の属するグループを識別するグループ識別情報を更に含み、前記グループ識別情報を第1グループから第2グループに更新する旨の更新情報を前記第2サーバから受信した場合、前記グループ識別情報を、前記第1グループから前記第2グループに更新する処理を更に実行し、
前記選択する処理は、前記記憶部に記憶された複数の第1情報のうち、前記グループ識別情報が前記第2グループとなる第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記第2情報の条件を満たす第1情報の識別情報を選択することを特徴とする付記11、12または13に記載の選択方法。
【0150】
(付記15)前記第1情報に含まれる情報のうち、前記第1サーバに公開する情報と、前記第2サーバに公開する情報とを制限する処理を更に実行することを特徴とする付記11~14のいずれか一つに記載の選択方法。
【0151】
(付記16)前記選択する処理によって選択された識別情報によって識別される従業員の端末装置に、前記第2情報を通知する処理を更に実行することを特徴とする付記11~15のいずれか一つに記載の選択方法。
【0152】
(付記17)前記第2サーバから、前記第2情報の登録要求を受け付けた場合、前記端末装置の従業員の識別情報に対応する第1情報に、前記第2スケジュールに基づく第2労働時間を登録する処理を更に実行することを特徴とする付記16に記載の選択方法。
【0153】
(付記18)前記第1情報に含まれる第1労働時間と前記第2労働時間とを合計した合計労働時間の情報を前記第1サーバに通知し、前記第1情報に含まれる前記第2労働時間の情報を、前記第2サーバに通知する処理を更に実行することを特徴とする付記17に記載の選択方法。
【0154】
(付記19)ブロックチェーンを用いて、前記記憶装置の情報が改竄されているか否かを検知する処理を更に実行することを特徴とする付記11~18のいずれか一つに記載の選択方法。
【0155】
(付記20)前記端末装置から、前記第1企業または前記第2企業の評価情報を受け付けた場合、前記端末装置の従業員の識別情報に対応する第1情報に、前記評価情報を登録する処理を更に実行することを特徴とする付記17に記載の選択方法。
【0156】
(付記21)従業員が本業を行う第1企業の第1サーバから受信した、従業員による本業の第1スケジュールおよび従業員の第1スキルを含む複数の第1情報それぞれを、従業員を識別する識別情報と対応付けて記憶する記憶装置を有するコンピュータに、
前記第1企業で行う本業とは別に、従業員が副業を行う第2企業の第2サーバから、副業の第2スケジュールおよび副業に要する第2スキルを含む第2情報を受信し、
前記第2情報と、前記記憶装置に記憶された複数の第1情報とをそれぞれ比較し、前記第2情報の条件を満たす第1情報の識別情報を選択する
処理を実行させることを特徴とする選択プログラム。
【0157】
(付記22)前記選択する処理は、前記第1スケジュールから本業の時間を除いた空き時間が、前記第2スケジュールの副業の時間に収まる第1情報の識別情報を選択することを特徴とする付記21に記載の選択プログラム。
【0158】
(付記23)前記選択する処理は、前記記憶部に記憶された複数の第1情報のうち、前記第1スケジュールに基づく第1労働時間と、前記第2スケジュールに基づく第2労働時間とを合計した合計労働時間が、所定の労働時間未満となる第1情報から、前記第2情報の条件を満たす第1情報の識別情報を選択することを特徴とする付記21または22に記載の選択プログラム。
【0159】
(付記24)前記第1情報は、従業員の属するグループを識別するグループ識別情報を更に含み、前記グループ識別情報を第1グループから第2グループに更新する旨の更新情報を前記第2サーバから受信した場合、前記グループ識別情報を、前記第1グループから前記第2グループに更新する処理を更に実行し、
前記選択する処理は、前記記憶部に記憶された複数の第1情報のうち、前記グループ識別情報が前記第2グループとなる第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記第2情報の条件を満たす第1情報の識別情報を選択することを特徴とする付記21、22または23に記載の選択プログラム。
【0160】
(付記25)前記第1情報に含まれる情報のうち、前記第1サーバに公開する情報と、前記第2サーバに公開する情報とを制限する処理を更に実行することを特徴とする付記21~24のいずれか一つに記載の選択プログラム。
【0161】
(付記26)前記選択する処理によって選択された識別情報によって識別される従業員の端末装置に、前記第2情報を通知する処理を更に実行することを特徴とする付記21~25のいずれか一つに記載の選択プログラム。
【0162】
(付記27)前記第2サーバから、前記第2情報の登録要求を受け付けた場合、前記端末装置の従業員の識別情報に対応する第1情報に、前記第2スケジュールに基づく第2労働時間を登録する処理を更に実行することを特徴とする付記26に記載の選択プログラム。
【0163】
(付記28)前記第1情報に含まれる第1労働時間と前記第2労働時間とを合計した合計労働時間の情報を前記第1サーバに通知し、前記第1情報に含まれる前記第2労働時間の情報を、前記第2サーバに通知する処理を更に実行することを特徴とする付記27に記載の選択プログラム。
【0164】
(付記29)ブロックチェーンを用いて、前記記憶装置の情報が改竄されているか否かを検知する処理を更に実行することを特徴とする付記21~28のいずれか一つに記載の選択プログラム。
【0165】
(付記30)前記端末装置から、前記第1企業または前記第2企業の評価情報を受け付けた場合、前記端末装置の従業員の識別情報に対応する第1情報に、前記評価情報を登録する処理を更に実行することを特徴とする付記27に記載の選択プログラム。
【符号の説明】
【0166】
10 ネットワーク
20 端末装置
21,110 通信部
22,120 入力部
23,130 表示部
24,140 記憶部
24a スケジュール情報
25,150 制御部
25a 受信部
25b 表示制御部
25c 送信部
30 送出企業サーバ
40a,40b 受入企業サーバ
100 管理サーバ
141 口座テーブル
142 依頼情報
151 登録部
152 更新部
153 選択部
154 通知部
155 制限部
156 検知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19