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特許7564628無線通信システムにおける端末及び基地局
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】無線通信システムにおける端末及び基地局
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0456 20170101AFI20241002BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20241002BHJP
   H04W 72/21 20230101ALI20241002BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20241002BHJP
   H04B 7/0417 20170101ALI20241002BHJP
【FI】
H04B7/0456 300
H04W24/10
H04W72/21
H04B7/06 956
H04B7/06 100
H04B7/0417
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020033284
(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2020191622
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】201910417984.6
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ワン シン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ホウ シャオリン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ラン
(72)【発明者】
【氏名】リー アンシン
(72)【発明者】
【氏名】浅井 孝浩
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-526463(JP,A)
【文献】特表2018-506206(JP,A)
【文献】特表2018-518730(JP,A)
【文献】特表2018-503999(JP,A)
【文献】Youngrok Jang et al.,Deep Autoencoder Based CSI Feedback With Feedback Errors and Feedback Delay in FDD Massive MIMO Systems,IEEE Wireless Communications Letters,2019年01月24日,Vol. 8, No. 3,pp. 833-836
【文献】井口 賀敬ほか,DS/CDMAシステムにおけるアナログ制御型送信電力制御方式に関する検討,電子情報通信学会2001年総合大会講演論文集 通信1,2001年,p.452
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/02-7/12
H04L 1/02-1/06
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局からニューラルネットワークに基づくコードブックを利用するかどうかを指示するための指示情報を受信するように構成される受信部と、
下りチャネルを端末のニューラルネットワークに入力するように構成され、前記端末のニューラルネットワークが入力を処理し、フィードバック情報を出力するように制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記指示情報に基づいて、ニューラルネットワークに基づくコードブックを利用して前記フィードバック情報を量子化すると決定し、量子化されたフィードバック情報を基地局に送信する
端末。
【請求項2】
端末のニューラルネットワークの特性に関する情報を基地局に送信するように構成される送信部をさらに備える
請求項に記載の端末。
【請求項3】
前記端末のニューラルネットワークの特性に関する情報は、前記端末のニューラルネットワークのネットワーク種別、ネットワークサイズのうちの少なくとも1つの情報を含む
請求項に記載の端末。
【請求項4】
前記ニューラルネットワークに基づくコードブックは、ニューラルネットワークの特性に関連する
請求項から請求項のいずれか1項に記載の端末。
【請求項5】
前記ニューラルネットワークに基づくコードブックは、ニューラルネットワークの出力特性に基づいて決定される
請求項から請求項のいずれか1項に記載の端末。
【請求項6】
ニューラルネットワークに基づくコードブックを利用するかどうかを端末に指示するための指示情報を決定するように構成される制御部と、
端末に前記指示情報を送信するように構成される送信部と、を備える基地局であって、
前記基地局は、端末からフィードバック情報を受信し、
前記フィードバック情報は、端末が、ニューラルネットワークに基づくコードブックを利用して量子化したものである
基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信分野に関し、具体的には、無線通信システムにおける端末及び基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、人工知能(Artificial Intelligence(AI))技術は、画像処理分野、意味認識分野、医療分野等の様々な分野で適用されている。将来、AI技術は、無線通信の分野にも適用されて、よりインテリジェントに無線通信サービスをユーザに提供することが予想される。
【0003】
AI技術が無線通信分野に適用される場合、無線通信システムにおける基地局又は端末は、AI機能(例えば、人工ニューラルネットワークがレイアウトされている)をサポートする可能性がある。この場合、AI機能により基地局と端末との間の情報インタラクションのフローが変化する可能性がある。例えば、AI機能により、端末から基地局へのフィードバックフローが変化する可能性がある。また、AI機能により、基地局と端末が通信する際に用いるコードブックも変化する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
上記に鑑み、本開示は、端末により実行される方法及びそれに対応する端末、及び基地局により実行される方法及びそれに対応する基地局を提供する。
【0005】
本開示の1つの態様は、端末を提供する。当該端末は、下りチャネルを端末のニューラルネットワークに入力するように構成される制御部を備え、前記制御部は、前記端末のニューラルネットワークが入力を処理し、フィードバック情報を出力するように制御する。
【0006】
本開示の一例によれば、当該端末は、基地局にフィードバック情報を送信するように構成される送信部をさらに備える。
【0007】
本開示の一例によれば、前記送信部は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを利用してフィードバック情報を量子化し、量子化されたフィードバック情報を基地局に送信する。
【0008】
本開示の一例によれば、前記送信部は、フィードバック情報を符号化及び変調し、符号化及び変調されたフィードバック情報を基地局に送信する。
【0009】
本開示の一例によれば、前記送信部は、フィードバック情報をアナログ変調し、アナログ変調されたフィードバック情報を基地局に送信する。
【0010】
本開示の他の態様は、基地局を提供する。当該基地局は、端末からフィードバック情報を受信するように構成される受信部と、前記フィードバック情報に基づいて、基地局のニューラルネットワークにおける特定層の入力を決定するように構成される制御部と、を備える。
【0011】
本開示の一例によれば、前記制御部は、基地局のニューラルネットワークにおける特定層が前記フィードバック情報を処理し、前記端末のための送信設定情報を出力するように制御する。
【0012】
本開示の他の態様は、端末を提供する。当該端末は、基地局からコードブックに関する指示情報を受信するように構成される受信部と、前記指示情報に基づいて、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを決定するように構成される制御部と、を備え、前記指示情報は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを端末に指示する。
【0013】
本開示の一例によれば、当該端末は、端末のニューラルネットワークの特性に関する情報を基地局に送信するように構成される送信部をさらに含む。
【0014】
本開示の一例によれば、前記端末のニューラルネットワークの特性に関する情報は、前記端末のニューラルネットワークのネットワーク種別、ネットワークサイズのうちの少なくとも1つの情報を含む。
【0015】
本開示の一例によれば、前記ニューラルネットワークに基づくコードブックは、ニューラルネットワークの特性に関連する。
【0016】
本開示の例によれば、前記ニューラルネットワークに基づくコードブックは、ニューラルネットワークの出力特性に基づいて決定される。
【0017】
本開示の他の態様は、基地局を提供する。当該基地局は、コードブックに関する指示情報を決定するように構成される制御部と、端末に前記指示情報を送信するように構成される送信部と、を備え、前記指示情報は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを端末に指示する。
【0018】
本開示の1つの態様は、端末により実行される方法を提供する。当該方法は、下りチャネルを端末のニューラルネットワークに入力することと、前記端末のニューラルネットワークが入力を処理し、フィードバック情報を出力することとを含む。
【0019】
本開示の一例によれば、当該方法は、基地局にフィードバック情報を送信することをさらに含む。
【0020】
本開示の一例によれば、前記基地局にフィードバック情報を送信することは、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用してフィードバック情報を量子化し、量子化されたフィードバック情報を基地局に送信することを含む。
【0021】
本開示の一例によれば、前記基地局にフィードバック情報を送信することは、フィードバック情報を符号化及び変調し、符号化及び変調されたフィードバック情報を基地局に送信することを含む。
【0022】
本開示の一例によれば、前記基地局にフィードバック情報を送信することは、フィードバック情報をアナログ変調し、アナログ変調されたフィードバック情報を基地局に送信することを含む。
【0023】
本開示の1つの態様は、基地局により実行される方法を提供する。当該方法は、端末からフィードバック情報を受信することと、前記フィードバック情報に基づいて基地局のニューラルネットワークにおける特定層の入力を決定することとを含む。
【0024】
本開示の一例によれば、当該方法は、基地局のニューラルネットワークにおける特定層が前記フィードバック情報を処理し、前記端末のための送信設定情報を出力することをさらに含む。
【0025】
本開示の他の態様は、端末により実行される方法を提供する。当該方法は、基地局からコードブックに関する指示情報を受信することと、前記指示情報に基づいて、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを決定することとを含み、前記指示情報は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを端末に指示する。
【0026】
本開示の一例によれば、当該方法は、端末のニューラルネットワークの特性に関する情報を基地局に送信することをさらに含む。
【0027】
本開示の一例によれば、前記端末のニューラルネットワークの特性に関する情報は、前記端末のニューラルネットワークのネットワーク種別、ネットワークサイズのうちの少なくとも1つの情報を含む。
【0028】
本開示の一例によれば、前記ニューラルネットワークに基づくコードブックは、ニューラルネットワークの特性に関する。
【0029】
本開示の一例によれば、前記ニューラルネットワークに基づくコードブックは、ニューラルネットワークの出力特性に基づいて決定される。
【0030】
本開示の他の態様は、基地局により実行される方法を提供する。当該方法は、コードブックに関する指示情報を決定することと、前記指示情報を端末に送信することと、を含み、前記指示情報は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを端末に指示する。
【発明の効果】
【0031】
本開示の端末により実行される方法及びそれに対応する端末、及び基地局により実行される方法及びそれに対応する基地局によれば、基地局は、端末からその自分のニューラルネットワークを用いて下りチャネルをチャネル推定してフィードバック情報を取得することで、フィードバック情報を基地局のニューラルネットワークの特定層の入力として、端末のための送信設定情報を決定することができる。また、本開示の端末により実行される方法及びそれに対応する端末、及び基地局により実行される方法及びそれに対応する基地局によれば、端末は、基地局の指示によって、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを決定することができ、それにより、基地局と端末との間の通信をよりインテリジェントで効率的にする。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図面を参照しながら本開示の実施例をより詳しく説明することで、本開示の上記及び他の目的、特徴や利点がより明瞭になる。図面は、本開示の実施形態のさらなる理解を提供するために使用され、明細書の一部を構成し、本開示の実施形態と共に本開示を説明するために使用され、本開示を限定するものではない。なお、各図において、同一の符号は同一の構成要素又はステップを示す。
図1A】本開示の実施例が適用される無線通信システムの模式図である。
図1B】本開示の実施例が適用される無線通信システムの他の模式図である。
図2】本開示の実施例における端末により実行される方法のフローチャートである。
図3】本開示の実施例における基地局により実行される方法のフローチャートである。
図4】本開示の実施例における端末の構成模式図である。
図5】本開示の実施例における基地局の構成模式図である。
図6】本開示の他の実施例における端末により実行される方法のフローチャートである。
図7】本開示の他の実施例における基地局により実行される方法のフローチャートである。
図8】本開示の他の実施例における端末の構成模式図である。
図9】本開示の他の実施例における基地局の構成模式図である。
図10】本開示の実施例に係るデバイスのハードウェア構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示の目的、技術案や利点をより明確にするため、以下図面を参照しながら本開示の例示的な実施例を詳しく説明する。図面において、同一の参照符号は、同一の要素を表す。ここで記載された実施例は例示的なものに過ぎず、本開示の範囲を制限するものではないと考えられるべきである。また、ここで記載された端末は、例えば、ユーザ端末(User Equipment(UE))、移動端末(又は移動局と呼ぶ)、又は固定端末などの多様な端末を含んでもよいが、便宜上、以下には端末とUEとが互いに交換可能に使用される場合がある。
【0034】
まず、図1A-1Bを参照して、本開示の実施例が適用される無線通信システムについて説明する。当該無線通信システムは、5Gシステムであってもよいし、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution(LTE))システム又はLTE-A(advanced)システム等の任意の他のタイプの無線通信システムであってもよい。以下では、5Gシステムを例に本開示の実施例を説明するが、以下の説明は、他のタイプの無線通信システムにも適用可能であることを理解されたい。
【0035】
図1Aは本開示の実施例が適用される無線通信システムの模式図である。図1Aに示されるように、無線通信システム100は、基地局110と、端末120とを含むことができ、基地局110は、端末120のサービング基地局である。基地局110は、端末120に信号を送信することができ、これに対応し、端末120は、基地局110から信号を受信することができる。なお、端末120は、基地局110に信号を送信(例えば、フィードバック)することができ、これに対応し、基地局110は、端末120から信号を受信することができる。端末120には、人工知能をサポートする信号プロセッサ120-1(例えば、信号エンコーダ)を設けて、基地局110に送信する信号を人工知能によって処理を行うことができる。これに対応し、基地局110には、端末120に対応する人工知能をサポートする信号プロセッサ110-1(例えば、信号デコーダ)を設けて、端末120から受信された信号を人工知能によって処理を行うことができる。
【0036】
上記人工知能は、任意の方式で実現される人工知能であってもよく、例えば、人工ニューラルネットワーク(以下、単に「ニューラルネットワーク」という)によって実現される人工知能であってもよい。本開示では、ニューラルネットワークによる人工知能の実現を例に本開示を説明する。ニューラルネットワークによって人工知能を実現する例では、無線通信システム100は、1つのニューラルネットワーク130をレイアウトすることができる。端末120側での人工知能をサポートする信号プロセッサ120-1は、ニューラルネットワーク130の一部であり、かつ、基地局110側での人工知能をサポートする信号プロセッサ110-1は、ニューラルネットワーク130の残りの部分であってもよい。例えば、ニューラルネットワーク130が1つの入力層、複数の中間層(「隠れ層」と呼ばれてもよい)、及び1つの出力層を含み得る場合、ニューラルネットワーク130のいくつかの層が端末120に配置され、ニューラルネットワーク130の残りの層が基地局110に配置されてもよい。例えば、ニューラルネットワーク130の入力層及び一部の中間層が端末120に配置され、ニューラルネットワーク130の残りの中間層及び出力層が基地局110に配置されてもよい。なお、端末120内に配置されたニューラルネットワークは、端末120のニューラルネットワーク120-1と呼ばれ、基地局110内に配置されたニューラルネットワークは、基地局110のニューラルネットワーク110-1と呼ばれてもよい。したがって、ニューラルネットワーク130の入力層は、ニューラルネットワーク120-1の入力層であり、ニューラルネットワーク130の一部の中間層のうちの最後の中間層は、ニューラルネットワーク120-1の出力層である。さらに、ニューラルネットワーク130の残りの中間層のうちの1番目の中間層は、ニューラルネットワーク110-1の入力層であり、ニューラルネットワーク130の出力層は、ニューラルネットワーク110-1の出力層である。
【0037】
さらに、端末120のニューラルネットワーク120-1の出力は、基地局110にフィードバックされて、基地局110のニューラルネットワーク110-1における特定層の入力として使用されてもよく、これによって、基地局110が端末120のための送信設定情報(例えば、端末120に使用される送信ビーム、端末120に使用される送信ストリーム数、端末120に使用されるリソース、端末120に使用される符号化及び変調方式、端末120に使用される送信アンテナ、端末120に使用される送信ポート、または、端末120に使用される送信モードなどのうちの1つ又は複数)を決定する。
【0038】
上記図1Aは、無線通信システムにおいて、端末がそのニューラルネットワークの出力を基地局にフィードバックする模式図を示す。また、無線通信システムにおいて、基地局は、そのニューラルネットワークの出力を端末にフィードバックしてもよい。次に、図1Bを参照して、無線通信システムにおいて、基地局がそのニューラルネットワークの出力を端末にフィードバックする模式図を説明する。図1Bは本開示の実施例が適用される無線通信システムの他の模式図である。
【0039】
図1Bに示されるように、基地局110は、人工知能をサポートする信号プロセッサ110-2(例えば、信号エンコーダ)を設けて、端末120に送信する信号を人工知能によって処理を行うことができる。これに対応し、端末120は、基地局110に対応する人工知能をサポートする信号プロセッサ120-2(例えば、信号デコーダ)を設けて、基地局110から受信された信号を人工知能によって処理を行うことができる。
【0040】
ニューラルネットワークを通じて人工知能を実現する例では、無線通信システム100は、1つのニューラルネットワーク130’をレイアウトすることができる。基地局110側での人工知能をサポートする信号プロセッサ110-2は、ニューラルネットワーク130’の一部であり、端末120側での人工知能をサポートする信号プロセッサ120-2は、ニューラルネットワーク130’の残りの部分であってもよい。例えば、ニューラルネットワーク130’が1つの入力層、複数の中間層(「隠れ層」と呼ばれてもよい)、及び1つの出力層を含み得る場合、ニューラルネットワーク130’のいくつかの層が基地局110に配置され、ニューラルネットワーク130’の残りの層が端末120に配置されてもよい。例えば、ニューラルネットワーク130’の入力層及び一部の中間層が基地局110に配置され、ニューラルネットワーク130’の残りの中間層及び出力層が端末120に配置されてもよい。また、基地局110内に配置されたニューラルネットワークは、基地局110のニューラルネットワーク110-2と呼ばれ、端末120内に配置されたニューラルネットワークは、端末120のニューラルネットワーク120-2と呼ばれてもよい。したがって、ニューラルネットワーク130’の入力層は、ニューラルネットワーク110-2の入力層であり、ニューラルネットワーク130’の一部の中間層のうちの最後の中間層は、ニューラルネットワーク110-2の出力層である。さらに、ニューラルネットワーク130’の残りの中間層のうちの1番目の中間層は、ニューラルネットワーク120-2の入力層であり、ニューラルネットワーク130’の出力層は、ニューラルネットワーク120-2の出力層である。
【0041】
また、基地局110のニューラルネットワーク110-2の出力は、端末120にフィードバックされて、端末120のニューラルネットワーク110-2における特定層の入力として使用されてもよく、これによって、端末120が基地局110に送信するためのフィードバック情報を決定する。
【0042】
上述したニューラルネットワーク130及びニューラルネットワーク130’により、無線通信システム100において1サイクルのニューラルネットワーク(又は再帰的ニューラルネットワークともいう)を構成することができる。また、基地局110内のニューラルネットワーク110-1及び110-2について、ニューラルネットワーク110-1内の特定層の出力がニューラルネットワーク110-2の入力としてもよく、及び/又はニューラルネットワーク110-2内の特定層の出力がニューラルネットワーク110-1の入力としてもよい。同様に、端末120内のニューラルネットワーク120-1、120-2について、ニューラルネットワーク120-1内の特定層の出力がニューラルネットワーク120-2の入力としてもよく、及び/又はニューラルネットワーク120-2内の特定層の出力がニューラルネットワーク120-1の入力としてもよい。
【0043】
また、図1A及び1Bにはそれぞれ1つの基地局、1つの端末及び1つのニューラルネットワークが示されているが、これは例示的なものであり、当該無線通信システムは複数の基地局、及び/又は複数の端末、及び/又は複数のニューラルネットワークを含んでもよく、それに応じて、当該無線通信システムは複数のセルを含んでもよい。なお、以下では、セルと基地局は交換可能に使用されることがある。以下、図2を参照して、本開示の実施例による端末がそのニューラルネットワークの出力を基地局にフィードバックするフローを説明する。図2は、本開示の実施例による端末により実行される方法200のフローチャートである。図2に示されるように、ステップS201において、端末は、下りチャネルを端末のニューラルネットワークに入力する。例えば、端末は、下りチャネルに対応する時間周波数リソース(例えば、リソースブロック)を、例えば、入力層、中間層などの端末のニューラルネットワークの特定層に入力することで、下りチャネル上の信号を端末のニューラルネットワークの特定層に入力することができる。ここでの「下りチャネル上の信号」は、下りチャネルを推定するための任意の受信信号、例えば、以下の下り制御チャネル上の参照信号(Reference Signal(RS))、下りデータチャネル上のサービスデータ及び/又は復調参照信号(Demodulation Reference Signal(DMRS))であってもよい。なお、ステップS201における端末のニューラルネットワークは、過去の下りチャネルに従って訓練されたニューラルネットワークである。
【0044】
本開示の一例によれば、端末は、下り制御チャネルを端末のニューラルネットワークに入力することができる。例えば、基地局がRSを設定し、RS設定が利用可能である場合、基地局は、下り制御チャネル上でRSを送信することができる。これに対応し、端末は、下り制御チャネルを端末のニューラルネットワークに入力することができ、それにより、端末は、後続のステップS202において下り制御チャネルに対してチャネル推定を行う。ここでの下り制御チャネルは、例えば、物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control CHannel(PDCCH))、物理ブロードキャストチャネル(Physical Broadcast CHannel(PBCH))、または、物理制御フォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator CHannel(PCFICH))等であってもよい。ここでの参照信号は、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal(CSI-RS))、プライマリ同期信号(Primary Synchronization Signal(PSS))/セカンダリ同期信号(Secondary Synchronization Signal(SSS))、DMRS、同期信号ブロック(Synchronized Signal Block(SSB))などのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0045】
本開示の他の例によれば、端末は、下りデータチャネルを端末のニューラルネットワークの入力層に入力することができる。例えば、基地局がRSを設定し、かつRS設定の利用が不可能である場合、または、基地局がRSを設定しなかった場合、基地局は下り参照信号を送信しないが、下りデータチャネルでサービスデータを送信する。これに対応し、端末は、下りデータチャネルを端末のニューラルネットワークの入力層に入力することができ、それにより、端末は、後続のステップS202で下りデータチャネルに対してチャネル推定を行う。ここでの下りデータチャネルは、例えば、物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel(PDSCH))であってもよい。
【0046】
次に、ステップS202において、端末のニューラルネットワークは入力を処理し、フィードバック情報を出力する。例えば、端末のニューラルネットワークは、チャネル情報を取得するために、下りチャネルに対してチャネル推定を実行し、チャネル情報を端末から基地局へのフィードバック情報として出力してもよい。また、ここでの「フィードバック情報」は、ニューラルネットワークに基づくフィードバック情報、ニューラルネットワークによって符号化されたチャネル情報、または、ニューラルネットワークによって符号化されたフィードバック情報とも呼ばれ得る。また、端末のニューラルネットワークの入力は、ステップS201における下りチャネルに限定されず、ニューラルネットワークの履歴フィードバック情報などの他の情報も含んでもよい。
【0047】
本開示の一例によれば、ステップS201で端末が端末のニューラルネットワークに下り制御チャネルを入力する時に、ステップS202で、端末は下り制御チャネルに対してチャネル推定を行ってもよい。例えば、端末は、下り制御チャネル内のRSを測定してチャネル推定を実行することで、フィードバック情報を取得してもよい。
【0048】
本開示の他の例によれば、ステップS201で端末が端末のニューラルネットワークに下りデータチャネルを入力する時に、ステップS202で、端末は下りデータチャネルに対してチャネル推定を行ってもよい。例えば、端末は、下りデータチャネル内のサービスデータをデコードしてチャネル推定を実行することで、フィードバック情報を取得してもよい。また、例えば、端末は、下りデータチャネル内のDMRSを測定してチャネル推定を行うことで、フィードバック情報を取得してもよい。
【0049】
上記のフィードバック情報は、例えば、チャネル状態情報(Channel State Information(CSI))、参照信号受信電力(Reference Signal Receiving Power(RSRP))、参照信号受信品質(Reference Signal Receiving Quality(RSRQ))、信号対干渉とノイズの比(Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR))、同期信号ブロックインデックス(SSB-index)等のうちの少なくとも1つであってもよい。また、CSIは、チャネル品質インジケータ(Channel Quality Indicator(CQI))、プリコーディングマトリックスインジケータ(Precoding Matrix Indicator(PMI))、ランク表示(Rank Indication(RI))、または、CSI-RSインジケータ(CSI-RS Indicator(CRI))等のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0050】
ステップS202の後、方法200は、ステップS203をさらに含むことができ、ステップS203において、端末は、フィードバック情報を基地局に送信する。端末は、フィードバック情報を処理してから(例えば、量子化、符号化又は変調などのうちの1つ又は複数)、処理後のフィードバック情報を基地局に送信してもよい。
【0051】
本開示の一例によれば、ステップS203において、端末は、フィードバック情報を量子化してから、量子化されたフィードバック情報を基地局に送信することができる。例えば、端末はニューラルネットワークに基づくコードブックを使用してフィードバック情報を量子化し、量子化されたフィードバック情報を基地局に送信することができる。具体的には、フィードバック情報がバイナリデータである場合、端末は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用して、フィードバック情報を当該コードブック内の1つのコードワードとして量子化し、当該コードワードを基地局に送信することができる。また、フィードバック情報がベクトル又は行列の場合、端末は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用してフィードバック情報をそれに最も近いコードワードとして量子化し、当該コードワードを基地局に送信することができる。
【0052】
上記のニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークに基づくコードブックであってもよい。例えば、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークの出力特性に基づいて決定されてもよい。具体的には、活性化関数が端末のニューラルネットワークの出力層で使用される場合、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークの出力層の活性化関数に基づいて決定されてもよい。例えば、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワーク出力層の活性化関数出力の値の範囲と値の確率密度関数に基づいて決定されてもよいし、出力値の範囲と活性化関数の勾配に基づいて決定してもよい。例えば、活性化関数出力の確率が大きい領域では、多くのコードワードを設定できる(すなわち、多くの量子化区間)。一方、活性化関数出力の確率が低い領域では、少ないコードワードを設定できる(すなわち、少ない量子化区間)。活性化関数がSigmoid関数である例では、Sigmoid関数の勾配が大きい領域には多くのコードワードを設定でき、Sigmoid関数の勾配が小さい領域には1つのコードワードのみ設定できる。活性化関数がReLU関数である例では、ReLU関数の出力が負ではない領域にコードワードを設定し、ReLU関数の出力が負である領域にコードワードを設定しなくてもよい。すなわち、活性化関数がReLU関数である例では、ニューラルネットワークに基づくコードブックは非負データに対する量子化器であってもよい。また、活性化関数が端末のニューラルネットワークの出力層で使用されない場合、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークの特性に基づいて決定されてもよい。ここでの端末のニューラルネットワークの特性は、端末のニューラルネットワークのネットワーク種別、ネットワークサイズなどのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0053】
なお、端末のニューラルネットワークの活性化関数の出力がデジタル出力(例えば、バイナリ出力)である場合、本開示の一例によれば、ステップS203で、端末は、フィードバック情報をデジタル符号化及び変調してから、デジタル符号化及び変調されたフィードバック情報を基地局に送信してもよい。例えば、端末はフィードバック情報を符号化及び変調し、符号化及び変調されたフィードバック情報を基地局に送信してもよい。
【0054】
ここで使用される符号化及び変調方式は、端末から基地局へのフィードバックに使用されるリソースブロック(例えば、基地局から端末に指定されたリソースブロック、フィードバックリソースブロックと呼ばれてもよい)のサイズと、端末のニューラルネットワークの中間出力層のノード数に基づいて決定されてもよい。例えば、端末から基地局へのフィードバックに使用されるリソースブロックのサイズ、端末のニューラルネットワークの中間出力層のノード数、および、符号化と変調方式の間には、対応関係がある。端末は、端末から基地局へのフィードバックに使用されるリソースブロックのサイズ、端末のニューラルネットワークの中間出力層のノード数、および、上記対応関係に基づいて、符号化及び変調方式を決定できる。上記対応関係は、テーブルの形式であってもよく、端末に予めに格納されていてもよい。
【0055】
また、ここで使用される符号化及び変調方式は、例えば、直交位相シフトキーイング(Quadrature Phase Shift Keying(QPSK))、バイナリ位相シフトキーイング(Binary Phase Shift Keying(BPSK))、 16直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation(QAM))又は64QAMなどの変調方式、および、Turbo、低密度パリティチェック(Low-Density Parity-Check(LDPC))、極化(Polar)等の符号化方式のような従来の符号化及び変調の方式であってもよい。
【0056】
また、端末のニューラルネットワークの活性化関数の出力がアナログ出力(例えば、アナログ信号)である場合、本開示の一例によれば、ステップS203で、端末はフィードバック情報に対してアナログ変調を実行してから、アナログ変調されたフィードバック情報を基地局に送信することができる。ここで使用されるアナログ変調方式は、例えば、振幅変調(Amplitude Modulation(AM))、周波数変調(Frequency Modulation(FM))、または、位相変調(Phase Modulation(PM))などの従来のアナログ変調方式であってもよい。
【0057】
この例では、端末は、アナログ変調されたフィードバック情報に対してフィルタリング及び他の変換を行ってから、フィルタリングされたフィードバック情報を基地局に送信することもできる。例えば、端末は、アナログフィルターを使用して、アナログ変調されたフィードバック情報に対して畳み込み及び/又は分散などの演算を行ってから、演算されたフィードバック情報を基地局に送信することができる。このようにして、端末から基地局にフィードバックされる情報をフィードバックリソースブロックのサイズに適合させることができ、通信の信号対雑音比を向上させることができる。
【0058】
端末によるフィードバック情報の処理は、上記の量子化、符号化、変調などに限定されず、上記の量子化、符号化、変調などを複数組み合わせたものであってもよいことを認識されたい。例えば、端末は、フィードバック情報を量子化してから、量子化されたフィードバック情報を符号化及び変調し、符号化及び変調されたフィードバック情報を基地局に送信することができる。
【0059】
なお、端末によるフィードバック情報の処理は、端末のニューラルネットワークを介して実行されなくてもよいと理解されたい。この場合、端末は従来の処理メカニズムに従ってフィードバック情報を処理してもよい。あるいは、端末によるフィードバック情報の処理は、端末のニューラルネットワークを介して実行されてもよい。この場合、端末のニューラルネットワークから出力されるフィードバック情報は、処理後のフィードバック情報であってもよい。
【0060】
なお、ステップS203において、端末は、フィードバックリソースブロックを使用してフィードバック情報を送信することができる。例えば、端末は、フィードバック情報をフィードバックリソースブロックにマッピングしてから、当該フィードバックリソースブロックでフィードバック情報を送信することができる。
【0061】
なお、ステップS203の前に、方法200は、ステップS204をさらに含むことができ、ステップS204において、端末は、フィードバック情報を基地局に送信するかどうかを決定する。端末は、フィードバック情報を基地局に送信しないと決定した場合、上記のステップS203を実行しなくてもよい。端末は、基地局にフィードバック情報を送信すると決定した場合、上記のステップS203を実行してもよい。
【0062】
本開示の一例によれば、端末は、基地局を利用することなく、フィードバック情報を基地局に送信するかどうかを決定してもよい。例えば、端末は、自身のニューラルネットワーク内の特定層の出力に応じて、フィードバック情報を基地局に送信するかどうかを決定できる。例えば、端末は、端末のニューラルネットワークのある層の出力が第1の値である場合、フィードバック情報を基地局に送信しないと決定してもよい。端末は、端末のニューラルネットワークのある層の出力が第2の値である場合、フィードバック情報を基地局に送信すると決定してもよい。ここで、第1の値及び第2の値の値は自然数であってもよく、例えば、第1の値は0であり、第2の値は1であってもよい。
【0063】
本開示の他の例によれば、端末は、基地局を利用して、フィードバック情報を基地局に送信するかどうかを決定してもよい。例えば、端末は、基地局の指示情報に従ってフィードバック情報を基地局に送信するかどうかを決定してもよい。例えば、端末は、基地局からフィードバック情報をフィードバックするための指示情報を受信してもよい。当該指示情報がフィードバック情報を基地局にフィードバックすることを端末に指示しない場合、端末はフィードバック情報を基地局に送信しないと決定してもよい。当該指示情報がフィードバック情報を基地局にフィードバックすることを端末に指示する場合、端末はフィードバック情報を基地局に送信すると決定してもよい。
【0064】
この例では、基地局は、例えば、物理レイヤシグナリング、下りリンク制御情報(Downlink Control Information(DCI))、または、メディアアクセス制御(Media Access Control(MAC))制御要素(Control Element(CE))などの下位レイヤシグナリングを介して上記指示情報を送信することができる。これに対応し、端末は、下位レイヤシグナリングを介して上記指示情報を受信することができる。また、基地局は、例えば、無線リソース制御(Radio Resource Control(RRC))シグナリングのような上位レイヤシグナリングを介して、上記指示情報を送信することができる。これに対応し、端末は、上位レイヤシグナリングを介して上記指示情報を受信することができる。また、基地局は、システム情報(System Information(SI)等により、上記指示情報を送信することもできる。これに対応し、端末は、システム情報を介して上記指示情報を受信することができる。
【0065】
また、端末は、上記のフィードバック情報に加えて、他の情報を基地局にフィードバックするか否かを決定してもよい。同様に、端末は、基地局を利用することなく、他の情報を基地局に送信するかどうかを決定してもよい。例えば、端末は、自身のニューラルネットワーク内の特定層の出力に基づいて他の情報を基地局に送信するか否かを決定することができる。あるいは、端末は、基地局を利用して、基地局に他の情報を送信するか否かを決定してもよい。例えば、端末は、基地局の指示情報に基づいて、他の情報を基地局に送信するか否かを決定することができる。
【0066】
ここで、「他の情報」は、従来のフィードバック情報であってもよい。当該従来のフィードバック情報は、既存のフィードバック情報のフィードバックメカニズムによって生成された情報、例えば、既存のCSIフィードバックメカニズムによって生成されたCSIであってもよい。これにより、基地局が、従来のフィードバック情報を用いて、自身のニューラルネットワークを最適化するように、または、自身のニューラルネットワークと端末のニューラルネットワークとを連携して最適化するように、端末が従来のフィードバック情報を基地局にフィードバックすることをトリガできる。
【0067】
また、本開示の一例によれば、端末は、基地局のフィードバック指示を受信していない場合、端末のニューラルネットワークを用いて基地局にフィードバックする情報を決定することができる。例えば、端末は、端末のニューラルネットワークを使用して、上記で説明した「フィードバック情報」及び「他の情報」(例えば、従来のフィードバック情報)のうちの少なくとも1つを基地局にフィードバックすることを決定してもよい。
【0068】
本開示の実施例による端末により実行される方法によって、端末は、自身のニューラルネットワークを利用して入力を処理してフィードバック情報を取得することで、フィードバック情報を基地局のニューラルネットワーク内の特定層の入力として基地局にフィードバックし、これにより、基地局が端末のための送信設定情報を決定することができる。
【0069】
次に、図3を参照して、本開示の実施例による基地局が端末から端末のニューラルネットワークの出力を受信するフローについて説明する。図3は、本開示の実施例による、基地局により実行される方法300のフローチャートである。方法300は、図2を参照して上述した方法200と同じ詳細であるため、同じ内容に関する詳細な説明はここでは簡潔にするために省略する。図3に示すように、ステップS301において、基地局は、端末からフィードバック情報を受信する。
【0070】
本開示の一例によれば、ステップS301におけるフィードバック情報は、端末のニューラルネットワークが入力を処理して出力する情報であってもよい。例えば、ステップS301におけるフィードバック情報は、端末のニューラルネットワークによって下り制御チャネルをチャネル推定して出力する情報であってもよい。また、例えば、ステップS301におけるフィードバック情報は、端末のニューラルネットワークによって下りデータチャネルをチャネル推定して出力する情報であってもよい。
【0071】
また、ステップS301におけるフィードバック情報は、端末で処理されたフィードバック情報であってもよい。ステップS301におけるフィードバック情報は、例えば、端末で符号化、変調又は量子化等が行われたフィードバック情報であってもよい。
【0072】
そして、ステップS302において、基地局は前記フィードバック情報に基づいて基地局のニューラルネットワーク内の特定層の入力を決定して、次のステップS303において、当該特定層によりフィードバック情報を処理することで端末のための送信設定情報を出力する。例えば、基地局は、基地局のニューラルネットワークの入力層又は中間層などの基地局のニューラルネットワークの特定層にフィードバック情報を入力することができる。
【0073】
次に、ステップS302の後に、方法300はステップS303を含むことができ、ステップS303において、基地局のニューラルネットワーク内の特定層が前記フィードバック情報を処理し、端末のための送信設定情報を出力する。例えば、基地局のニューラルネットワークの特定層がフィードバック情報を畳み込み演算し、演算結果を端末のための送信設定情報として出力することができる。
【0074】
上記の端末のための送信設定情報は、端末に使用される送信ビーム、端末に使用される送信リソース、端末に使用される送信ストリーム数、端末に使用される符号化及び変調方式、端末に使用される送信アンテナ、端末に使用される送信ポート、端末に使用される送信モード等のうちの1つ以上であってもよい。
【0075】
本開示の実施例に係る基地局により実行される方法によって、基地局は、端末から、その自身のニューラルネットワークを用いて下りチャネルに対してチャネル推定して得られたフィードバック情報を受信することで、フィードバック情報を基地局のニューラルネットワーク内の特定層の入力として、基地局が端末のための送信設定情報を決定することができる。
【0076】
以下、図4を参照して、本開示の実施例に係る端末について説明する。図4は、本開示の実施例に係る端末400の構成模式図である。端末400の機能は、図2を参照して上述した方法の詳細と同様であるため、ここでは簡単にするため、同一の内容に関する詳しい説明を省略する。図4に示すように、端末400は、端末のニューラルネットワークに下りチャネルを入力するように構成される制御部410を含み、前記制御部410は、端末のニューラルネットワークを制御して入力を処理し、フィードバック情報を出力するように構成される。端末400は、この部に加えて、他の構成要素を含んでもよいが、これらの構成要素は本開示の実施例の内容と関係がないため、ここでの図示及び説明は省略する。
【0077】
本開示において、端末のニューラルネットワークは入力を処理し、フィードバック情報を出力する。例えば、端末のニューラルネットワークは、チャネル情報を取得するために、下りチャネルに対してチャネル推定を実行し、チャネル情報を端末から基地局へのフィードバック情報として出力してもよい。また、ここでの「フィードバック情報」は、ニューラルネットワークに基づくフィードバック情報、ニューラルネットワークによって符号化されたチャネル情報、ニューラルネットワークによって符号化されたフィードバック情報とも呼ばれ得る。また、端末のニューラルネットワークの入力は、下りチャネルに限定されず、例えば、ニューラルネットワークの履歴フィードバック情報などの他の情報も含んでもよい。
【0078】
本開示の一例によれば、制御部410は、端末のニューラルネットワークに下り制御チャネルを入力することができる。例えば、基地局により参照信号(Reference Signal(RS))を設定し、かつRS設定が利用可能である場合、基地局は、下り制御チャネル上でRSを送信することができる。これに対応し、制御部410は、下り制御チャネルを端末のニューラルネットワークに入力することができ、それにより、制御部410は、下り制御チャネルに対してチャネル推定を行う。ここでの下り制御チャネルは、例えば、物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control CHannel(PDCCH))、物理ブロードキャストチャネル(Physical Broadcast CHannel(PBCH))、または、物理制御フォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator CHannel(PCFICH))等であってもよい。ここでの参照信号は、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal(CSI-RS))、プライマリ同期信号(Primary Synchronization Signal(PSS))/セカンダリ同期信号(Secondary Synchronization Signal(SSS))、DMRS、同期信号ブロック(Synchronized Signal Block(SSB))などのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0079】
本開示の他の例によれば、制御部410は、端末のニューラルネットワークの入力層に下りデータチャネルを入力することができる。例えば、基地局によりRSを設定し、かつRS設定が利用不可能である場合、または、基地局によりRSが設定されていない場合、基地局は下り参照信号を送信しないが、下りデータチャネルでサービスデータを送信する。これに対応し、制御部410は、下りデータチャネルを端末のニューラルネットワークの入力層に入力することができ、それにより、制御部410は、下りデータチャネルに対してチャネル推定を行う。ここでの下りデータチャネルは、例えば、物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel(PDSCH))であってもよい。
【0080】
本開示の一例によれば、制御部410が下り制御チャネルを端末のニューラルネットワークに入力する場合、制御部410は、下り制御チャネルに対してチャネル推定を実行することができる。例えば、制御部410は、下り制御チャネル内のRSを測定してチャネル推定を実行し、フィードバック情報を取得することができる。
【0081】
本開示の他の例によれば、制御部410が端末のニューラルネットワークに下りデータチャネルを入力する場合、制御部410は下りデータチャネルに対してチャネル推定を実行することができる。例えば、制御部410は、下りデータチャネルにおけるサービスデータをデコードしてチャネル推定を実行し、フィードバック情報を取得してもよい。また、例えば、制御部410は、下りデータチャネルにおける復調参照信号(Demodulation Reference Signal(DMRS))を測定してチャネル推定を実行し、フィードバック情報を取得してもよい。
【0082】
上記フィードバック情報は、例えば、チャネル状態情報(Channel State Information Reference Signal(CSI))、参照信号受信電力(Reference Signal Receiving Power(RSRP))、参照信号受信品質(Reference Signal Receiving Quality(RSRQ))、信号対干渉とノイズの比(Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR))、同期信号ブロックインデックス(SSB-index)等のうちの少なくとも1つであってもよい。また、CSIは、チャネル品質インジケータ(Channel Quality Indicator(CQI))、プリコーディングマトリックスインジケータ(Precoding Matrix Indicator(PMI))、ランク表示(Rank Indication(RI))、または、CSI-RSインジケータ(CSI-RS Indicator(CRI))等のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0083】
端末400は送信部420をさらに含むことができ、送信部420は、フィードバック情報を基地局に送信するように構成される。送信部420は、フィードバック情報を処理(例えば、量子化、符号化又は変調のうちの1つ又は複数)してから、処理されたフィードバック情報を基地局に送信してもよい。
【0084】
本開示の一例によれば、送信部420は、フィードバック情報を量子化してから、量子化されたフィードバック情報を基地局に送信することができる。例えば、送信部420はニューラルネットワークに基づくコードブックを使用してフィードバック情報を量子化し、量子化されたフィードバック情報を基地局に送信することができる。具体的には、フィードバック情報がバイナリデータである場合、送信部420はニューラルネットワークに基づくコードブックを使用して、フィードバック情報を当該コードブック内の1つのコードワードとして量子化し、当該コードワードを基地局に送信することができる。また、フィードバック情報がベクトル又は行列の場合、送信部420はニューラルネットワークに基づくコードブックを使用してフィードバック情報をそれに最も近いコードワードとして量子化し、当該コードワードを基地局に送信することができる。
【0085】
上記のニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークに基づくコードブックであってもよい。例えば、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークの出力特性に基づいて決定されてもよい。具体的には、活性化関数が端末のニューラルネットワークの出力層で使用される場合、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークの出力層の活性化関数に基づいて決定されてもよい。例えば、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワーク出力層の活性化関数出力の値の範囲と値の確率密度関数に基づいて決定されてもよいし、出力値の範囲と活性化関数の勾配に基づいて決定されてもよい。例えば、活性化関数出力の確率が大きい領域では、多くのコードワードを設定できる(すなわち、多くの量子化区間)。一方で、活性化関数出力の確率が小さい領域では、少ないコードワードを設定できる(すなわち、少ない量子化区間)。活性化関数がSigmoid関数である例では、Sigmoid関数の勾配が大きい領域には多くのコードワードを設定でき、Sigmoid関数の勾配が小さい領域には1つのコードワードのみ設定できる。活性化関数がReLU関数である例では、ReLU関数の出力が負ではない領域にコードワードが設定され、ReLU関数の出力が負である領域にコードワードが設定されなくてもよい。つまり、活性化関数がReLU関数である例では、ニューラルネットワークに基づくコードブックは非負データに対する量子化器であってもよい。また、活性化関数が端末のニューラルネットワークの出力層で使用されていない場合、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークの特性に基づいて決定されてもよい。ここでの端末のニューラルネットワークの特性は、端末のニューラルネットワークのネットワーク種別、ネットワークサイズなどのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0086】
また、端末のニューラルネットワークの活性化関数の出力がデジタル出力(例えば、バイナリ出力)である場合、本開示の一例によれば、送信部420は、フィードバック情報をデジタル符号化及び変調してから、デジタル符号化及び変調されたフィードバック情報を基地局に送信してもよい。例えば、送信部420はフィードバック情報を符号化及び変調し、符号化及び変調されたフィードバック情報を基地局に送信してもよい。
【0087】
ここで使用される符号化及び変調方式は、端末から基地局へのフィードバックに使用されるリソースブロック(例えば、基地局から端末に指定されたリソースブロック、フィードバックリソースブロックと呼ばれてもよい)のサイズと、端末のニューラルネットワークの中間出力層のノード数に基づいて決定されてもよい。例えば、端末から基地局へのフィードバックに使用されるリソースブロックのサイズ、端末のニューラルネットワークの中間出力層のノード数、および、符号化と変調方式の間には、対応関係がある。端末は、端末から基地局へのフィードバックに使用されるリソースブロックのサイズ、端末のニューラルネットワークの中間出力層のノード数、および、上記対応関係に基づいて、符号化及び変調方式を決定できる。上記対応関係は、テーブルの形式であってもよく、端末に予めに格納されていてもよい。
【0088】
また、ここで使用される符号化及び変調方式は、例えば、直交位相シフトキーイング(Quadrature Phase Shift Keying(QPSK))、バイナリ位相シフトキーイング(Binary Phase Shift Keying(BPSK))、16直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation(QAM))又は64QAMなどの変調方式、並びにTurbo、低密度パリティチェック(Low-Density Parity-Check(LDPC))、極化(Polar)等の符号化方式のような従来の符号化及び変調の方式であってもよい。
【0089】
また、端末のニューラルネットワークの活性化関数の出力がアナログ出力(例えば、アナログ信号)である場合、本開示の一例によれば、送信部420はフィードバック情報に対してアナログ変調を実行してから、アナログ変調されたフィードバック情報を基地局に送信することができる。ここで使用されるアナログ変調方式は、例えば、振幅変調(Amplitude Modulation(AM))、周波数変調(Frequency Modulation(FM))、または、位相変調(Phase Modulation(PM))などの従来のアナログ変調方式であってもよい。
【0090】
この例では、送信部420は、アナログ変調されたフィードバック情報に対してフィルタリングを行ってから、フィルタリングされたフィードバック情報を基地局に送信することもできる。例えば、送信部420は、アナログフィルターを使用して、アナログ変調されたフィードバック情報に対して畳み込み及び/又は分散などの演算を行ってから、演算されたフィードバック情報を基地局に送信することができる。このようにして、端末から基地局にフィードバックされる情報をフィードバックリソースブロックのサイズに適合させることができ、通信の信号対雑音比を向上させることができる。
【0091】
送信部420によるフィードバック情報の処理は、上記の量子化、符号化、変調などに限定されず、上記の量子化、符号化、変調などを複数組み合わせたものであってもよいことを認識されたい。例えば、送信部420は、フィードバック情報を量子化してから、量子化されたフィードバック情報を符号化及び変調し、符号化及び変調されたフィードバック情報を基地局に送信することができる。
【0092】
また、送信部420によるフィードバック情報の処理は、端末のニューラルネットワークを介して実行されなくてもよいと理解されたい。この場合、送信部420は従来の処理メカニズムに従ってフィードバック情報を処理できる。あるいは、送信部420によるフィードバック情報の処理は、端末のニューラルネットワークを介して実行されてもよい。この場合、端末のニューラルネットワークから出力されるフィードバック情報は、処理後のフィードバック情報であってもよい。
【0093】
また、送信部420は、フィードバックリソースブロックを使用してフィードバック情報を送信することができる。例えば、送信部420は、フィードバック情報をフィードバックリソースブロックにマッピングしてから、当該フィードバックリソースブロックでフィードバック情報を送信することができる。
【0094】
また、制御部410は、フィードバック情報を基地局に送信するかどうかを決定することができる。制御部410がフィードバック情報を基地局に送信しないと決定した場合、送信部420は上記の操作を実行しなくてもよい。制御部410が基地局にフィードバック情報を送信すると決定した場合、送信部420は上記の操作を実行してもよい。
【0095】
本開示の一例によれば、制御部410は、基地局を利用することなく、フィードバック情報を基地局に送信するかどうかを決定してもよい。例えば、制御部410は、自身のニューラルネットワーク内の特定層の出力に応じて、フィードバック情報を基地局に送信するかどうかを決定できる。例えば、端末のニューラルネットワークのある層の出力が第1の値である場合、制御部410はフィードバック情報を基地局に送信しないと決定してもよい。端末のニューラルネットワークのある層の出力が第2の値である場合、制御部410はフィードバック情報を基地局に送信すると決定してもよい。ここで、第1の値及び第2の値の値は自然数であってもよく、例えば、第1の値は0であり、第2の値は1であってもよい。
【0096】
本開示の他の例によれば、制御部410は、基地局を利用して、フィードバック情報を基地局に送信するかどうかを決定してもよい。例えば、制御部410は、基地局の指示情報に従ってフィードバック情報を基地局に送信するかどうかを決定してもよい。例えば、端末は、受信部(不図示)をさらに備えてもよく、前記受信部は、基地局からフィードバック情報をフィードバックするための指示情報を受信するように構成される。当該指示情報がフィードバック情報を基地局にフィードバックすることを端末に指示しない場合、制御部410は、フィードバック情報を基地局に送信しないと決定してもよい。当該指示情報がフィードバック情報を基地局にフィードバックすることを端末に指示する場合、制御部410はフィードバック情報を基地局に送信すると決定してもよい。
【0097】
この例では、基地局は、例えば、物理レイヤシグナリング、下りリンク制御情報(Downlink Control Information(DCI))、または、メディアアクセス制御(Media Access Control(MAC))制御要素(Control Element(CE))などの下位レイヤシグナリングを介して上記指示情報を送信することができる。これに対応し、端末の受信部は、下位レイヤシグナリングを介して上記指示情報を受信することができる。また、基地局は、例えば、無線リソース制御(Radio Resource Control(RRC))シグナリングのような上位レイヤシグナリングを介して、上記指示情報を送信することができる。これに対応し、端末の受信部は、上位レイヤシグナリングを介して上記指示情報を受信することができる。また、基地局は、システム情報(System Information(SI))等により、上記指示情報を送信することもできる。これに対応し、端末の受信部は、システム情報を介して上記指示情報を受信することができる。
【0098】
また、制御部410は、上記フィードバック情報に加えて、他の情報を基地局にフィードバックするか否かを決定することができる。同様に、制御部410は、基地局を利用することなく、他の情報を基地局に送信するかどうかを決定してもよい。例えば、制御部410は、自身のニューラルネットワークにおける特定層の出力に基づいて他の情報を基地局に送信するか否かを決定することができる。あるいは、制御部410は、基地局を利用して、基地局に他の情報を送信するか否かを決定してもよい。例えば、制御部410は、基地局の指示情報に基づいて、他の情報を基地局に送信するか否かを決定することができる。
【0099】
ここで、「他の情報」は、従来のフィードバック情報であってもよい。当該従来のフィードバック情報は、既存のフィードバック情報のフィードバックメカニズムによって生成された情報、例えば、既存のCSIフィードバックメカニズムによって生成されたCSIであってもよい。これにより、基地局が、従来のフィードバック情報を用いて、自身のニューラルネットワークを最適化するように、または、自身のニューラルネットワークと端末のニューラルネットワークとを連携して最適化するように、端末が従来のフィードバック情報を基地局にフィードバックすることをトリガできる。
【0100】
本開示の実施例に係る端末によれば、端末は、自身のニューラルネットワークを利用して入力を処理してフィードバック情報を取得することで、フィードバック情報を基地局のニューラルネットワークの特定層の入力として基地局にフィードバックし、これにより、100が端末のための送信設定情報を決定することができる。
【0101】
以下、図5を参照して、本開示の実施例に係る基地局について説明する。図5は、本開示の実施例による基地局500の構成模式図である。基地局500の機能は、図3を参照して上述した方法の詳細と同じであるため、ここでは簡単にするために同じ内容の詳細な説明は省略する。図5に示すように、基地局500は、端末からフィードバック情報を受信するように構成される受信部510と、前記フィードバック情報に基づいて基地局のニューラルネットワークの特定層の入力を決定するように構成される制御部520とを備える。基地局500は、これら2つの部に加えて、他の構成要素を含んでもよいが、これらの構成要素は本開示の実施例の内容に関係しないため、ここでは図示及び説明を省略する。
【0102】
本願の一例によれば、フィードバック情報は、端末のニューラルネットワークによって入力を処理して出力する情報であってもよい。例えば、フィードバック情報は、端末のニューラルネットワークによって下り制御チャネルをチャネル推定して出力する情報であってもよい。また、例えば、フィードバック情報は、端末のニューラルネットワークによって下りデータチャネルをチャネル推定して出力する情報であってもよい。
【0103】
また、フィードバック情報は、端末で処理されたフィードバック情報であってもよい。フィードバック情報は、例えば、端末で符号化、変調又は量子化等が行われたフィードバック情報であってもよい。
【0104】
また、制御部520は前記フィードバック情報に基づいて基地局のニューラルネットワークの特定層の入力を決定して、当該特定層がフィードバック情報を処理することで端末のための送信設定情報を出力する。例えば、制御部520は、基地局のニューラルネットワークの入力層又は中間層などの基地局のニューラルネットワークの特定層にフィードバック情報を入力することができる。
【0105】
また、制御部520は、基地局のニューラルネットワークの特定層を制御して前記フィードバック情報を処理し、端末のための送信設定情報を出力することができる。例えば、基地局のニューラルネットワークの特定層がフィードバック情報を畳み込み演算し、演算結果を端末のための送信設定情報として出力することができる。
【0106】
上記端末のための送信設定情報は、端末に使用される送信ビーム、端末に使用される送信リソース、端末に使用される送信ストリーム数、端末に使用される符号化及び変調方式、端末に使用される送信アンテナ、端末に使用される送信ポート、端末に使用される送信モード等のうちの1つ以上であってもよい。
【0107】
本開示の実施例に係る基地局によれば、基地局は、端末から、その自身のニューラルネットワークを用いて下りチャネルをチャネル推定して得られたフィードバック情報を受信して、フィードバック情報を基地局のニューラルネットワークの特定層の入力とすることで、基地局が端末のための送信設定情報を決定することができる。
【0108】
図1に戻ると、図1に示す無線通信システムでは、基地局110と端末120が通信するとき、従来のコードブック(例えば、NRコードブック)を使用してもよく、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用してもよい。基地局と端末が通信するときにニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを決定する実施例を、図6-9を参照して以下に説明する。図6は、本開示の他の実施例による端末により実行される方法600のフローチャートである。図6に示すように、ステップS601において、端末は基地局からコードブックに関する指示情報を受信し、前記指示情報は端末がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを示す。次に、ステップS602において、端末は、指示情報に基づいて、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを決定する。
【0109】
本開示の一例によれば、ステップS601におけるコードブックに関する指示情報は、基地局がニューラルネットワークに対する自身のサポート能力及び端末のニューラルネットワークに対するサポート能力に従って生成されてもよい。例えば、ニューラルネットワークが基地局に設定されるともに、ニューラルネットワークが端末に設定された場合、基地局は、コードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するように端末に指示する。これに対応し、ステップS602において、端末は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用すると決定してもよい。または、例えば、ニューラルネットワークが基地局又は端末に設定されていない場合、基地局はコードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報はニューラルネットワークに基づくコードブックを使用しないように端末に指示する。これに対応し、ステップS602において、端末は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用しないと決定してもよい。
【0110】
また、本開示の一例によれば、ステップS601におけるコードブックに関する指示情報は、端末が従来のコードブックを使用するかどうかを指示してもよい。例えば、ニューラルネットワークが基地局に設定されるとともに、ニューラルネットワークが端末に設定された場合、基地局は、コードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報は従来のコードブックを使用しないように端末に指示する。これに対応し、ステップS602において、端末は、従来のコードブックを使用しないと決定する。また、例えば、ニューラルネットワークが基地局又は端末に設定されていない場合、基地局は、コードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報は従来のコードブックを使用するように端末に指示する。これに対応し、ステップS602において、端末は従来のコードブックを使用すると決定する。
【0111】
また、本開示の一例によれば、ステップS601におけるコードブックに関する指示情報は、端末がニューラルネットワークに基づくコードブック及び従来のコードブックを使用するかどうかを指示してもよい。例えば、ニューラルネットワークが基地局に設定されるとともに、ニューラルネットワークが端末に設定された場合、基地局は、コードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報はニューラルネットワークに基づくコードブック及び従来のコードブックの一方又は両方を使用するように端末に指示する。これに対応し、ステップS602において、端末は、ニューラルネットワークベースのコードブック及び従来のコードブックの一方又は両方を使用すると決定する。
【0112】
また、上記の例では、端末がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうか、および、端末が従来のコードブックを使用するかどうかについて、1つの指示情報(すなわち、コードブックに関する指示情報)使用を利用して指示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、2つの指示情報を使用して、端末がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうか、および、端末が従来のコードブックを使用するかどうかをそれぞれ指示することができる。例えば、第1の指示情報は、端末がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを指示するために使用でき、第2の指示情報は、端末が従来のコードブックを使用するかどうかを指示するために使用できる。
【0113】
また、本開示の一例によれば、基地局は、例えば、物理レイヤシグナリング、DCI又はMAC CEなどの下位レイヤシグナリングを介してコードブックに関する指示情報を送信することができる。これに対応し、ステップS601で、端末は、下位レイヤシグナリングを介してコードブックに関する指示情報を受信することができる。また、基地局は、例えばRRCシグナリングのような上位レイヤシグナリングを介してコードブックに関する指示情報を送信することもできる。これに対応し、ステップS601で、端末は、上位レイヤシグナリングを介してコードブックに関する指示情報を受信することができる。また、基地局は、SIなどを介してコードブックに関する指示情報を送信することもできる。これに対応し、ステップS601で、端末は、システム情報を通じてコードブックに関する指示情報を受信することができる。
【0114】
また、本開示の一例によれば、上記のニューラルネットワークに基づくコードブックは、ニューラルネットワークの特性に関連してもよい。例えば、上記のニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークの特性に関する情報であってもよく、例えば、端末のニューラルネットワークの特性に関する1セットのパラメータであっても良い。ここでの端末のニューラルネットワークの特性に関する情報は、端末のニューラルネットワークに関するネットワーク種別、ネットワークサイズの少なくとも1つの情報を含むことができる。
【0115】
また、本開示の一例によれば、上記のニューラルネットワークに基づくコードブックは、通信規格(例えば、3GPP規格)によって定義されてもよい。この場合、端末は当該ニューラルネットワークに基づくコードブックを予めに記憶してもよい。あるいは、上記のニューラルネットワークに基づくコードブックは、基地局が端末のために設定してもよい。例えば、上記のニューラルネットワークに基づくコードブックは、基地局が複数のニューラルネットワークに基づくコードブックから選択されたものであってもよい。この場合、端末は、基地局からニューラルネットワークに基づくコードブックの設定情報を受信することで、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックを取得することができる。
【0116】
また、本開示の一例によれば、上記のニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークの出力特性に基づいて決定されてもよい。具体的には、活性化関数が端末のニューラルネットワークの出力層で使用される場合、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークの出力層の活性化関数に基づいて決定されてもよい。例えば、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワーク出力層の活性化関数出力の値の範囲と値の確率密度関数に基づいて決定されてもよいし、出力値の範囲と活性化関数の勾配に基づいて決定されてもよい。例えば、活性化関数出力の確率が大きい領域では、多くのコードワードを設定できる(すなわち、多くの量子化区間)。一方で、活性化関数出力の確率が小さい領域では、少ないコードワードを設定できる(すなわち、少ない量子化区間)。活性化関数がSigmoid関数である例では、Sigmoid関数の勾配が大きい領域には多くのコードワードを設定でき、Sigmoid関数の勾配が小さい領域には1つのコードワードのみ設定できる。活性化関数がReLU関数である例では、ReLU関数の出力が負ではない領域にコードワードが設定され、ReLU関数の出力が負である領域にコードワードが設定されなくてもよい。すなわち、活性化関数がReLU関数である例では、ニューラルネットワークに基づくコードブックは非負データに対する量子化器であってもよい。また、活性化関数が端末のニューラルネットワークの出力層で使用されていない場合、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークの特性に基づいて決定されてもよい。ここでの端末のニューラルネットワークの特性は、端末のニューラルネットワークのネットワーク種別、ネットワークサイズなどのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0117】
また、ステップS601の前又は後に、方法600は、ステップS603をさらに含むことができ、ステップS603において、端末は、端末のニューラルネットワーク特性に関する情報を基地局に送信する。例えば、ステップS601の前に、端末は、端末のニューラルネットワーク特性に関する情報を基地局に送信することができ、これにより、基地局は、端末のニューラルネットワーク特性に従って複数のニューラルネットワークに基づくコードブックから端末のためのコードブックを選択する。また、例えば、ステップS601の後、端末がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用すると決定した場合、端末は、基地局が端末のためのコードブックを更新するように、端末のニューラルネットワークの特性に関する情報を基地局に送信することができる。
【0118】
また、端末がステップS602でニューラルネットワークに基づくコードブックを使用すると決定した場合、方法600はさらに、端末がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用してフィードバック情報を量子化し、量子化されたフィードバック情報を基地局に送信することを含んでもよい。例えば、フィードバック情報がバイナリデータである場合、端末はニューラルネットワークに基づくコードブックを使用して、フィードバック情報を当該コードブック内の1つのコードワードとして量子化し、そのコードワードを基地局に送信できる。また、フィードバック情報がベクトル又は行列の場合、端末はニューラルネットワークに基づくコードブックを使用してフィードバック情報をそれに最も近い1つのコードワードとして量子化し、そのコードワードを基地局に送信できる。
【0119】
また、ステップS602で端末がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用すると決定した場合、方法600は、端末が端末のニューラルネットワークに関する更新情報を基地局から受信することをさらに含むことができ、ここで、前記更新情報は、基地局がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用して初期更新情報を量子化することで得られた情報である。例えば、基地局は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用して、初期更新情報を量子化し、量子化された更新情報を取得し、量子化された更新情報を端末に送信することができる。これに対応し、端末は、端末のニューラルネットワークを更新するために、基地局から量子化された更新情報を受信する。
【0120】
また、ステップS602で端末がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用すると決定した場合、方法600は、端末が基地局からコードブックに関する更新情報を受信することをさらに含むことができる。例えば、無線通信システムにおける端末の数が増加する場合、端末間の干渉が強くなるため、基地局と特定の端末間のチャネル品質が変化してしまう。この場合、当該特定の端末に基地局によって設定されたコードブックは現在のチャネル品質に適用できなくなる可能性があるため、基地局はコードブックを更新することを端末に通知することができる。例えば、基地局は、コードブックに関する更新情報を生成し、これに対応し、端末は、端末のコードブックを更新するために、基地局からコードブックに関する更新情報を受信することができる。
【0121】
この例では、上記の更新情報は、従来のコードブックとニューラルネットワークに基づくのコードブックの間で切り替えるように端末に指示することができる。例えば、上記の更新情報は、従来のコードブックからニューラルネットワークに基づくコードブックに切り替えるように端末に指示してもよい。また、例えば、上記の更新情報は、ニューラルネットワークに基づくコードブックから従来のコードブックに切り替えるように端末に指示してもよい。
【0122】
また、この例では、上記の更新情報は、複数の従来のコードブックの間で切り替えるように端末に指示することができる。例えば、上記の更新情報は、ある従来のコードブックから他の従来のコードブックに切り替えるように端末に指示してもよい。あるいは、上記の更新情報は、複数のニューラルネットワークに基づくコードブックの間で切り替えるように端末に指示することもできる。例えば、上記の更新情報は、あるニューラルネットワークに基づくコードブックから他のニューラルネットワークに基づくコードブックに切り替えるように端末に指示してもよい。
【0123】
本開示の実施例に係る端末により実行される方法によれば、端末は、基地局の指示を通じてニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを決定することができ、それにより、基地局と端末との間の通信をよりインテリジェントかつ効率的にすることができる。
【0124】
以下、図7を参照して、本開示の他の実施例に係る基地局により実行される方法のフローチャートを説明する。図7は、本開示の実施例に係る基地局により実行される方法700のフローチャートである。方法700は、図6を参照して上述した方法600と同じ詳細を有するため、同じ内容の詳細な説明はここでは簡単にするために省略する。図7に示すように、ステップS701において、基地局は、コードブックに関する指示情報を決定し、ここで、前記指示情報は、端末がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを指示する。
【0125】
本開示の一例によれば、基地局は、自身がニューラルネットワークに対するサポート能力及び端末のニューラルネットワークに対するサポート能力に従って、コードブックに関する指示情報を決定することができる。例えば、ニューラルネットワークが基地局に設定されるとともに、ニューラルネットワークが端末に設定された場合、基地局はコードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するように端末に指示する。また、例えば、ニューラルネットワークが基地局又は端末に設定されていない場合、基地局はコードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用しないよう端末に指示する。
【0126】
なお、本開示の一例によれば、ステップS701におけるコードブックに関する指示情報は、端末が従来のコードブックを使用するかどうかを指示することもできる。例えば、ニューラルネットワークが基地局に設定されるとともに、ニューラルネットワークが端末に設定された場合、基地局はコードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報は、端末が従来のコードブックを使用しないように端末に指示する。また、例えば、ニューラルネットワークが基地局又は端末に設定されていない場合、基地局はコードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報は、従来のコードブックを使用するように端末に指示する。
【0127】
次に、ステップS702において、基地局は前記指示情報を端末に送信する。本開示の一例によれば、基地局は、例えば、物理レイヤシグナリング、DCI又はMAC CEなどの下位レイヤシグナリングを介してコードブックに関する指示情報を送信することができる。また、基地局は、例えば、RRCシグナリングなどの上位レイヤのシグナリングを介してコードブックに関する指示情報を送信することもできる。また、基地局は、SIなどを介してコードブックに関する指示情報を送信することもできる。
【0128】
本開示の実施例に係る基地局により実行される方法によれば、基地局がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかの指示を端末に送信することで、端末が基地局の指示を通じてニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを決定できるため、基地局と端末との間の通信をよりインテリジェントかつ効率的にすることができる。
【0129】
以下、図8を参照して本開示の他の実施例による端末について説明する。図8は、本開示の他の実施例による端末800の構成模式図である。端末800の機能は、図6を参照して上述した方法の詳細と同じであるため、簡単にするために、同じ内容の詳細な説明はここでは省略する。図8に示すように、端末800は、基地局からコードブックに関する指示情報を受信するように構成される受信部810と、前記指示情報に基づいて、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを決定するように構成される制御部820とを備え、ここで、前記指示情報は、端末がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを指示する。これら2つの部に加えて、端末800は他の構成要素を含むことができるが、これらの構成要素は本開示の実施例の内容に関係しないため、それらの図示及び説明はここでは省略する。
【0130】
本開示の一例によれば、コードブックに関する指示情報は、基地局がニューラルネットワークに対する自身のサポート能力及び端末のニューラルネットワークに対するサポート能力に従って生成されてもよい。例えば、ニューラルネットワークが基地局に設定されるとともに、ニューラルネットワークが端末に設定された場合、基地局はコードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するように端末に指示する。これに対応し、制御部820は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用すると決定してもよい。また、例えば、ニューラルネットワークが基地局又は端末に設定されていない場合、基地局はコードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報はニューラルネットワークに基づくコードブックを使用しないように端末に指示する。これに対応し、制御部820は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用しないことを決定してもよい。
【0131】
また、本開示の一例によれば、コードブックに関する指示情報は、端末が従来のコードブックを使用するかどうかを指示してもよい。例えば、ニューラルネットワークが基地局に設定されるとともに、ニューラルネットワークが端末に設定された場合、基地局はコードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報は従来のコードブックを使用しないように端末に指示する。これに対応し、制御部820は、従来のコードブックを使用しないと決定する。また、例えば、ニューラルネットワークが基地局又は端末に設定されていない場合、基地局はコードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報は、従来のコードブックを使用するように端末に指示する。これに対応し、制御部820は従来のコードブックを使用すると決定する。
【0132】
また、本開示の一例によれば、基地局は、例えば、物理レイヤシグナリング、DCI又はMAC CEなどの下位レイヤシグナリングを介してコードブックに関する指示情報を送信することができる。これに対応し、受信部810は、下位レイヤシグナリングを介してコードブックに関する指示情報を受信することができる。また、基地局は、例えばRRCシグナリングのような上位レイヤシグナリングを介してコードブックに関する指示情報を送信することもできる。これに対応し、受信部810は、上位レイヤシグナリングを介してコードブックに関する指示情報を受信することができる。また、基地局は、SIなどを介してコードブックに関する指示情報を送信することもできる。これに対応し、受信部810は、システム情報を通じてコードブックに関する指示情報を受信することができる。
【0133】
また、本開示の一例によれば、上記のニューラルネットワークに基づくコードブックは、ニューラルネットワークの特性に関連してもよい。例えば、上記のニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークの特性に関する情報であってもよく、例えば、端末のニューラルネットワークの特性に関する1セットのパラメータであっても良い。ここでの端末のニューラルネットワークの特性に関する情報は、端末のニューラルネットワークに関するネットワーク種別、ネットワークサイズの少なくとも1つの情報を含むことができる。
【0134】
また、本開示の一例によれば、上記のニューラルネットワークに基づくコードブックは、通信規格(例えば、3GPP規格)によって定義されてもよい。この場合、端末は当該ニューラルネットワークに基づくコードブックを予めに記憶してもよい。あるいは、上記のニューラルネットワークに基づくコードブックは、基地局が端末のために設定されてもよい。例えば、上記のニューラルネットワークに基づくコードブックは、基地局が複数のニューラルネットワークに基づくコードブックから選択されたものであってもよい。この場合、端末は、基地局からニューラルネットワークに基づくコードブックの設定情報を受信することで、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックを取得することができる。
【0135】
また、本開示の一例によれば、当該のニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークの出力特性に基づいて決定されてもよい。具体的には、活性化関数が端末のニューラルネットワークの出力層で使用される場合、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークの出力層の活性化関数に基づいて決定されてもよい。例えば、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワーク出力層の活性化関数出力の値の範囲と値の確率密度関数に基づいて決定されてもよいし、出力値の範囲と活性化関数の勾配に基づいて決定されてもよい。例えば、活性化関数出力の確率が大きい領域では、多くのコードワードを設定できる(すなわち、多くの量子化区間)。一方で、活性化関数出力の確率が小さい領域では、少ないコードワードを設定できる(すなわち、少ない量子化区間)。活性化関数がSigmoid関数である例では、Sigmoid関数の勾配が大きい領域には多くのコードワードを設定でき、Sigmoid関数の勾配が小さい領域には1つのコードワードのみ設定できる。活性化関数がReLU関数である例では、ReLU関数の出力が負ではない領域にコードワードが設定され、ReLU関数の出力が負である領域にコードワードが設定されなくてもよい。つまり、活性化関数がReLU関数である例では、ニューラルネットワークに基づくコードブックは非負データに対する量子化器であってもよい。また、活性化関数が端末のニューラルネットワークの出力層で使用されていない場合、当該ニューラルネットワークに基づくコードブックは、端末のニューラルネットワークの特性に基づいて決定されてもよい。ここでの端末のニューラルネットワークの特性は、端末のニューラルネットワークのネットワーク種別、ネットワークサイズなどのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0136】
また、端末800は、端末のニューラルネットワークの特性に関する情報を基地局に送信するように構成される送信部(不図示)をさらに含むことができる。例えば、端末の送信部は、端末のニューラルネットワーク特性に関する情報を基地局に送信することができ、これにより、基地局は、端末のニューラルネットワーク特性に従って、複数のニューラルネットワークに基づくコードブックから端末のためのコードブックを選択する。また、例えば、端末がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用すると決定した場合、端末の送信部は、基地局が端末のためのコードブックを更新するように、端末のニューラルネットワークの特性に関する情報を基地局に送信することができる。
【0137】
また、制御部820は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用すると決定した場合、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用してフィードバック情報を量子化し、量子化されたフィードバック情報を基地局に送信することができる。例えば、フィードバック情報がバイナリデータである場合、制御部820はニューラルネットワークに基づくコードブックを使用して、フィードバック情報を当該コードブック内の1つのコードワードとして量子化し、そのコードワードを基地局に送信することができる。また、フィードバック情報がベクトル又は行列の場合、制御部820はニューラルネットワークに基づくコードブックを使用してフィードバック情報をそれに最も近い1つのコードワードとして量子化し、そのコードワードを基地局に送信することができる。
【0138】
また、制御部820がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用すると決定した場合、受信部810は、端末のニューラルネットワークに関する更新情報を基地局から受信することができ、ここで、前記更新情報は、基地局がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用して初期更新情報を量子化して得られた情報である。例えば、基地局は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用して初期更新情報を量子化することで、量子化された更新情報を取得し、量子化された更新情報を端末に送信することができる。これに対応し、端末は、端末のニューラルネットワークを更新するために、基地局から量子化された更新情報を受信する。
【0139】
また、制御部820がニューラルネットワークに基づくコードブックを使用すると決定した場合、受信部810は基地局からコードブックに関する更新情報を受信することができる。例えば、無線通信システムにおける端末の数が増加する場合、端末間の干渉が強くなるため、基地局と特定の端末間のチャネル品質が変化してしまう。この場合、基地局が当該特定の端末用に設定されたコードブックは現在のチャネル品質に適用できなくなる可能性があるため、基地局はコードブックを更新することを端末に通知することができる。例えば、基地局は、コードブックに関する更新情報を生成でき、これに対応し、端末は、端末のためのコードブックを更新するように、基地局からコードブックに関する更新情報を受信することができる。
【0140】
この例では、上記の更新情報は、従来のコードブックとニューラルネットワークに基づくコードブックの間で切り替えるように端末に指示することができる。例えば、上記の更新情報は、従来のコードブックからニューラルネットワークに基づくコードブックに切り替えるように端末に指示してもよい。また、例えば、上記の更新情報は、ニューラルネットワークに基づくコードブックから従来のコードブックに切り替えるように端末に指示してもよい。
【0141】
また、この例では、上記の更新情報は、複数の従来のコードブックの間で切り替えるように端末に指示することができる。例えば、上記の更新情報は、ある従来のコードブックから他の従来のコードブックに切り替えるように端末に指示してもよい。あるいは、上記の更新情報は、複数のニューラルネットワークに基づくコードブックの間で切り替えるように端末に指示することもできる。例えば、上記の更新情報は、あるニューラルネットワークに基づくコードブックから他のニューラルネットワークに基づくコードブックに切り替えるように端末に指示してもよい。
【0142】
本開示の実施例に係る端末によれば、端末は、基地局からの指示を通じてニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを決定することができ、それにより、基地局と端末との間の通信をよりインテリジェントかつ効率的にすることができる。
【0143】
以下、図9を参照して本開示の他の実施例に係る基地局について説明する。図9は、本開示の他の実施例に係る基地局900の構成模式図である。基地局900の機能は、図7を参照して上述した方法の詳細と同じであるため、簡単にするために、同じ内容の詳細な説明はここでは省略する。図9に示すように、基地局900は、コードブックに関する指示情報を決定するように構成される制御部910と、前記指示情報を端末に送信するように構成される送信部920とを備え、ここで、前記指示情報は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを端末に指示する。これら2つの部に加えて、基地局900は他の構成要素を含んでもよいが、これらの構成要素は本開示の実施例の内容に関連しないため、それらの図示及び説明は省略する。
【0144】
本開示の一例によれば、制御部910は、自身がニューラルネットワークに対するサポート能力及び端末のニューラルネットワークに対するサポート能力に従って、コードブックに関する指示情報を決定することができる。例えば、ニューラルネットワークが基地局に設定されるとともに、ニューラルネットワークが端末に設定された場合、制御部910はコードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するように端末に指示する。また、例えば、ニューラルネットワークが基地局又は端末に設定されていない場合、制御部910はコードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用しないように端末に指示する。
【0145】
また、本開示の一例によれば、コードブックに関する指示情報は、従来のコードブックを使用するかどうかを端末に指示することができる。例えば、ニューラルネットワークが基地局に設定されるとともに、ニューラルネットワークが端末に設定された場合、制御部910はコードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報は、従来のコードブックを使用しないように端末に指示する。また、例えば、ニューラルネットワークが基地局又は端末に設定されていない場合、制御部910はコードブックに関する指示情報を生成でき、当該指示情報は、従来のコードブックを使用するように端末に指示する。
【0146】
また、本開示の一例によれば、送信部920は、例えば、物理レイヤシグナリング、DCI又はMAC CEなどの下位レイヤシグナリングを介してコードブックに関する指示情報を送信することができる。また、送信部920は、例えば、RRCシグナリングなどの上位レイヤのシグナリングを介してコードブックに関する指示情報を送信することもできる。なお、送信部920は、SIなどを介してコードブックに関する指示情報を送信することもできる。
【0147】
本開示の実施例に係る基地局よれば、基地局は、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかの指示を端末に送信することができ、これにより、端末は、基地局からの指示に基づいて、ニューラルネットワークに基づくコードブックを使用するかどうかを決定できるため、基地局と端末との間の通信をよりインテリジェントかつ効率的にすることができる。
【0148】
<ハードウェア構成>
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0149】
例えば、本開示の一実施例におけるデバイス(例えば、第1の通信デバイス、第2の通信デバイス又は移動ユーザ端末など)は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図10は、本開示の実施例に係るデバイス(基地局又はユーザ端末)のハードウェア構成の模式図である。上述のデバイス1000(基地局又はユーザ端末)は、物理的には、プロセッサ1010、メモリ1020、ストレージ1030、通信装置1040、入力装置1050、出力装置1060、バス1070などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0150】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。ユーザ端末及び基地局のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0151】
例えば、プロセッサ1010は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサで実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に又はその他の手法を用いて、1以上のプロセッサで実行されてもよい。なお、プロセッサ1010は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0152】
デバイス1000における各機能は、例えば、プロセッサ1010、メモリ1020などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1010が演算を行い、通信装置1040を介する通信を制御したり、メモリ1020及びストレージ1030におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御したりすることによって実現される。
【0153】
プロセッサ1010は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1010は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(Central Processing Unit(CPU))によって構成されてもよい。例えば、上述の制御部などは、プロセッサ1010によって実現されてもよい。
【0154】
また、プロセッサ1010は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1030及び/又は通信装置1040からメモリ1020に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、メモリ1020に格納され、プロセッサ1010において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0155】
メモリ1020は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1020は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1020は、本開示の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0156】
ストレージ1030は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1030は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0157】
通信装置1040は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1040は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex(FDD))及び/又は時分割複信(Time Division Duplex(TDD))を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送信部、受信部などは、通信装置1040によって実現されてもよい。
【0158】
入力装置1050は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1060は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置1050及び出力装置1060は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0159】
また、プロセッサ1010、メモリ1020などの各装置は、情報を通信するためのバス1070によって接続される。バス1070は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0160】
また、基地局及びユーザ端末は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアを用いて各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1010は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0161】
(変形例)
なお、本明細書において説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier(CC))は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
【0162】
また、本明細書において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本明細書で明示的に開示したものと異なってもよい。
【0163】
本明細書においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。例えば、様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるため、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0164】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0165】
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0166】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0167】
情報の通知は、本明細書において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下りリンク制御情報(Downlink Control Information(DCI))、上りリンク制御情報(Uplink Control Information(UCI)))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(Master Information Block(MIB))、システム情報ブロック(System Information Block(SIB))など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0168】
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))を用いて通知されてもよい。
【0169】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0170】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0171】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0172】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line(DSL))など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0173】
本明細書において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0174】
本明細書では、「基地局(Base Station(BS))」、「無線基地局」、「eNB」、「gNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」及び「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0175】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head(RRH))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0176】
本明細書では、「移動局(Mobile Station(MS))」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment(UE))」及び「端末」という用語は、互換的に使用され得る。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0177】
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(Device-to-Device(D2D))の通信に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述基地局が有する機能をユーザ端末が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
【0178】
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末が有する機能を第1の通信デバイス又は第2の通信デバイスが有する機能としてもよい。
【0179】
本明細書において、基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)から成るネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0180】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0181】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile Communication system)、5G(5th generation mobile Communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0182】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0183】
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0184】
本明細書で使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0185】
本明細書で使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、あるいは、これらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」と読み替えられてもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び/又は光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0186】
本明細書又は特許請求の範囲で「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0187】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本明細書中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、特許請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10