(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】壁構造及び壁構造の施工方法
(51)【国際特許分類】
E04F 13/08 20060101AFI20241002BHJP
E04F 13/30 20060101ALI20241002BHJP
E04F 13/12 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
E04F13/08 101F
E04F13/30
E04F13/08 101L
E04F13/12 F
(21)【出願番号】P 2020090345
(22)【出願日】2020-05-25
【審査請求日】2023-03-06
(31)【優先権主張番号】P 2019101573
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391034488
【氏名又は名称】イビケン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】倉井 直樹
(72)【発明者】
【氏名】濱野 強
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-064088(JP,A)
【文献】実開平03-084346(JP,U)
【文献】特開2004-162349(JP,A)
【文献】特開2011-226215(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0094431(US,A1)
【文献】特開平04-034169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/08
E04F 13/30
E04F 13/12
E04F 19/08
E04B 2/74
E04B 1/76
F16L 59/08
B32B 7/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁にパネルを設置するために前記壁に固定される支持体を備え、
前記支持体は、垂直方向に延びる縦フレームと、前記壁に対して前記縦フレームを締結する締結機構と、床に対して前記縦フレームを突っ張らせる突っ張り機構と、
前記縦フレームとして、互いに水平方向に並設される第一縦フレーム及び第二縦フレームと、を備え、
前記締結機構は、水平方向に延びて前記第一縦フレーム及び前記第二縦フレームに接続される横フレームと、前記横フレームを前記壁に締結する締結用ネジと、を有する、
壁構造。
【請求項2】
前記壁には、ネジ穴が形成されており、
前記締結機構は、前記ネジ穴に対して前記縦フレームを締結する、
請求項1に記載の壁構造。
【請求項3】
前記縦フレームは、前記パネルを掛止するための切欠きを有する、
請求項1又は2に記載の壁構造。
【請求項4】
前記横フレームは、水平方向に延びて前記締結用ネジが挿入される水平長穴を有する、
請求項
1~3の何れか一項に記載の壁構造。
【請求項5】
前記締結機構は、前記第一縦フレーム及び前記第二縦フレームと前記横フレームと締結する接続用ネジを更に備え、
前記縦フレーム及び前記横フレームの何れか一方は、前記接続用ネジがねじ込まれる接続用ネジ穴を有し、
前記縦フレーム及び前記横フレームの何れか他方は、垂直方向に延びて前記接続用ネジが挿入される垂直長穴を有する、
請求項
1~4の何れか一項に記載の壁構造。
【請求項6】
前記横フレームの下方において、水平方向に延びるように配設されて前記第一縦フレーム及び前記第二縦フレームに接続される中段横フレームを更に備える、
請求項
1~5の何れか一項に記載の壁構造。
【請求項7】
前記中段横フレームは、前記パネルを掛止するための切欠きを有する、
請求項
6に記載の壁構造。
【請求項8】
前記支持体に設置されるパネルを更に備え、
前記パネルは、前記支持体側の面から突出して前記支持体に掛止される掛止部を有する、
請求項1~
7の何れか一項に記載の壁構造。
【請求項9】
前記パネルは、前記掛止部よりも下方において前記支持体側の面から突出した突起部を有し、
前記支持体は、前記掛止部が垂直方向に掛止される被掛止部と、前記掛止部が前記被掛止部に掛止された際に前記突起部が挿入される挿入孔と、を有する、
請求項
8に記載の壁構造。
【請求項10】
前記掛止部は、前記支持体側の面から突出して垂直方向において前記支持体に掛止される第一掛止部と、前記第一掛止部から下方に延びて前記パネルの反対側から前記支持体に掛止される第二掛止部と、を有し、
前記第二掛止部の垂直方向の長さは、前記挿入孔における前記突起部の上側の垂直方向の隙間の長さよりも長い、
請求項
9に記載の壁構造。
【請求項11】
前記掛止部は、前記支持体側の面から突出して垂直方向において前記支持体に掛止される第一掛止部と、前記第一掛止部から下方に延びて前記パネルの反対側から前記支持体に掛止される第二掛止部と、を有し、
前記第一掛止部から前記突起部までの垂直方向の長さから前記被掛止部から前記挿入孔までの垂直方向の長さを引いた長さを上側隙間長さとした場合、前記第二掛止部の垂直方向の長さは、上側隙間長さよりも長い、
請求項
9に記載の壁構造。
【請求項12】
前記縦フレームは、強磁性体を含む、
請求項1~
11の何れか一項に記載の壁構造。
【請求項13】
パネルと、
前記パネルと前記支持体とを吸着するマグネットと、を更に備える、
請求項
12に記載の壁構造。
【請求項14】
締結用ネジにより水平方向に延びる横フレームを壁に締結し、
垂直方向に延びる
第一縦フレーム及び第二縦フレームが床に対して突っ張
るように前記横フレームに接続して、前記横フレーム及び前記締結用ネジを介して前記第一縦フレーム及び前記第二縦フレームを間接的に壁に締結する、
壁構造の施工方法。
【請求項15】
前記壁に形成されたネジ穴に対して
前記横フレームを締結する、
請求項
14に記載の壁構造の施工方法。
【請求項16】
マグネットの磁力により、パネルを
前記第一縦フレーム及び前記第二縦フレームに吸着させる、
請求項14又は15に記載の壁構造の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁にパネルを設置するための壁構造及び壁構造の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、既設の壁にパネルを後施工する技術として、例えば、特許文献1に記載された間仕切り壁がある。特許文献1に記載された間仕切り壁は、複数本の縦枠と、隣接する2本の縦枠に掛け渡される複数の横枠と、縦枠と横枠とで形成される設置枠に設置される壁パネルとを備える。そして、複数本の縦枠を天井と床との間に突っ張らせて固定させ、縦枠又は横枠と壁パネルとをマグネットの磁力により連結する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、天井は強度が低いため強い力で押すと破損するおそれがある。このため、特許文献1に記載された技術のように縦枠を天井と床との間に突っ張らせると、天井が破損するという問題がある。
【0005】
ところで、近年の集合住宅等では、フック等のネジによって壁に穴が開けられるのを抑制するために、壁の上部に、ネジ穴を有するアンカが予め埋められていることがある。このような壁では、アンカのネジ穴を利用してパネルを壁に締結することができる。しかしながら、このアンカは、壁の上部に一列に並設されるものであるため、水平方向には複数設けられているものの、垂直方向には一つしか設けられていない。このため、このような壁にパネルを設置することができたとしても、パネルの安定性が十分ではないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、天井を破損させることなく壁にパネルを安定的に設置することができる壁構造及び壁構造の施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る壁構造は、壁にパネルを設置するために壁に固定される支持体を備え、支持体は、垂直方向に延びる縦フレームと、壁に対して縦フレームを締結する締結機構と、床に対して縦フレームを突っ張らせる突っ張り機構と、を備える。
【0008】
この壁構造では、締結機構が壁に対して縦フレームを締結し、突っ張り機構が床に対して縦フレームを突っ張らせることで、縦フレームを天井に当接させなくても、縦フレームを壁に安定して設置することができる。このため、壁に設置された縦フレームにパネルを取り付けることで、天井を破損させることなく、壁にパネルを安定して設置することができる。例えば、壁にネジ穴が形成されている場合は、このネジ穴を利用して縦フレームを壁に対して締結することができる。なお、壁に対して縦フレームを締結するとは、壁に直接的に縦フレームを締結する場合だけでなく、壁に他部材を介して間接的に縦フレームを締結する場合も含む意味である。同様に、床に対して縦フレームを突っ張らせるとは、床に直接的に縦フレームを突っ張らせる場合だけでなく、床に他部材を介して間接的に縦フレームを突っ張らせる場合も含む意味である。
【0009】
上記の壁構造において、壁には、ネジ穴が形成されており、締結機構は、ネジ穴に対して縦フレームを締結してもよい。この壁構造では、壁に形成されたネジ穴に対して縦フレームを締結するため、壁を破損させることなく、壁にパネルを安定して設置することができる。
【0010】
上記の壁構造において、縦フレームは、パネルを掛止するための切欠きを有してもよい。この壁構造では、縦フレームにパネルを掛止するための切欠きが形成されているため、当該切欠きにパネルを掛止することで、容易にパネルを設置することができる。
【0011】
上記の壁構造において、壁構造は、縦フレームとして、互いに水平方向に並設される第一縦フレーム及び第二縦フレームを備え、締結機構は、水平方向に延びて第一縦フレーム及び第二縦フレームに接続される横フレームと、横フレームを壁に締結する締結用ネジと、を有してもよい。この壁構造では、第一縦フレーム及び第二縦フレームは、横フレームに接続され、横フレームは、締結用ネジにより壁に締結されるため、第一縦フレーム及び第二縦フレームは、横フレーム及び締結用ネジを介して壁に締結される。そして、第一縦フレーム及び第二縦フレームが互いに水平方向に並設されるため、第一縦フレーム及び第二縦フレームにパネルを取り付けた際に、パネルの安定性を向上することができる。
【0012】
上記の壁構造において、横フレームは、水平方向に延びて締結用ネジが挿入される水平長穴を有してもよい。この壁構造では、横フレームが、水平方向に延びて締結用ネジが挿入される水平長穴を有するため、締結用ネジを壁にねじ込む際に、壁に対する横フレームの位置を水平方向に調整することができる。このため、例えば、壁にネジ穴が形成されている場合に、ネジ穴の水平方向の位置精度が悪くても、壁に対して第一縦フレーム及び第二縦フレームを締結することができる。
【0013】
上記の壁構造において、締結機構は、第一縦フレーム及び第二縦フレームと横フレームと締結する接続用ネジを更に備え、縦フレーム及び横フレームの何れか一方は、接続用ネジがねじ込まれる接続用ネジ穴を有し、縦フレーム及び横フレームの何れか他方は、垂直方向に延びて接続用ネジが挿入される垂直長穴を有してもよい。この壁構造では、縦フレーム及び横フレームの何れか一方が、接続用ネジがねじ込まれる接続用ネジ穴を有し、縦フレーム及び横フレームの何れか他方が、垂直方向に延びて接続用ネジが挿入される垂直長穴を有するため、接続用ネジを接続用ネジ穴にねじ込む際に、横フレームに対する第一縦フレーム及び第二縦フレームの位置を垂直方向に調整することができる。このため、例えば、横フレームを壁に締結した後、接続用ネジに対する垂直長穴の締結位置を調整することで、第一縦フレーム及び第二縦フレームを床に対して突っ張らせることができる。また、例えば、壁にネジ穴が形成されている場合に、ネジ穴の垂直方向の位置精度が悪くても、壁に対して第一縦フレーム及び第二縦フレームを締結することができる。
【0014】
上記の壁構造において、横フレームの下方において、水平方向に延びるように配設されて第一縦フレーム及び第二縦フレームに接続される中段横フレームを更に備えてもよい。この壁構造では、横フレームの下方において、水平方向に延びるように配設された中段横フレームが第一縦フレーム及び第二縦フレームに接続されるため、支持体を枠状に構成することができる。これにより、支持体の剛性を高めて、第一縦フレームと第二縦フレームとの位置関係がずれるのを抑制することができる。
【0015】
上記の壁構造において、中段横フレームは、パネルを掛止するための切欠きを有してもよい。この壁構造では、中段横フレームにパネルを掛止するための切欠きが形成されているため、当該切欠きにパネルを掛止することで、容易にパネルを設置することができる。
【0016】
上記の壁構造において、支持体に設置されるパネルを更に備え、パネルは、支持体側の面から突出して支持体に掛止される掛止部を有してもよい。この壁構造では、パネルの掛止部を支持体に掛止することで、容易にパネルを設置することができる。
【0017】
上記の壁構造において、パネルは、掛止部よりも下方において支持体側の面から突出した突起部を有し、支持体は、掛止部が垂直方向に掛止される被掛止部と、掛止部が被掛止部に掛止された際に突起部が挿入される挿入孔と、を有してもよい。この壁構造では、パネルの掛止部を支持体の被掛止部に掛止することで、パネルを支持体に設置することができる。ここで、作業者がぶつかる等してパネルに上向きの力が作用すると、パネルが跳ね上がって、被掛止部から掛止部が外れる可能性がある。しかしながら、パネルの突起部が支持体の挿入孔に挿入されるため、作業者がぶつかる等してパネルに上向きの力が作用しても、パネルの上方への移動が規制される。これにより、パネルの跳ね上がりが抑制されるため、被掛止部から掛止部が外れるのを抑制することができる。
【0018】
上記の壁構造において、掛止部は、支持体側の面から突出して垂直方向において支持体に掛止される第一掛止部と、第一掛止部から下方に延びてパネルの反対側から支持体に掛止される第二掛止部と、を有し、第二掛止部の垂直方向の長さは、挿入孔における突起部の上側の垂直方向の隙間の長さよりも長くてもよい。この壁構造では、パネルの掛止部を支持体の被掛止部に掛止すると、第一掛止部が被掛止部に載置されて、第二掛止部がパネルの反対側から支持体に掛止される。そして、第二掛止部の垂直方向の長さが、挿入孔における突起部の上側の垂直方向の隙間の長さよりも長いため、作業者がぶつかる等してパネルに上向きの力が作用しても、被掛止部から掛止部が外れるのを抑制することができる。
【0019】
上記の壁構造において、掛止部は、支持体側の面から突出して垂直方向において支持体に掛止される第一掛止部と、第一掛止部から下方に延びてパネルの反対側から支持体に掛止される第二掛止部と、を有し、第一掛止部から突起部までの垂直方向の長さから被掛止部から挿入孔までの垂直方向の長さを引いた長さを上側隙間長さとした場合、第二掛止部の垂直方向の長さは、上側隙間長さよりも長くてもよい。この壁構造では、パネルの掛止部を支持体の被掛止部に掛止すると、第一掛止部が被掛止部に載置されて、第二掛止部がパネルの反対側から支持体に掛止される。そして、パネルが上側隙間長さしか上方に移動できないのに対し、第二掛止部の垂直方向の長さが上側隙間長さよりも長いため、作業者がぶつかる等してパネルに上向きの力が作用しても、被掛止部から掛止部が外れるのを抑制することができる。
【0020】
上記の壁構造において、縦フレームは、強磁性体を含んでもよい。この壁構造では、縦フレームが強磁性体を含むため、例えば、マグネットによりパネルを縦フレームに吸着させることができる。
【0021】
上記の壁構造において、パネルと、パネルと支持体とを吸着するマグネットと、を更に備えてもよい。この壁構造では、パネルがマグネットの磁力により支持体に吸着されるため、縦フレームに対するパネルの着脱を容易に行うことができる。
【0022】
本発明に係る壁構造の施工方法は、壁に対して垂直方向に延びる縦フレームを締結し、床に対して縦フレームを突っ張らせる。
【0023】
この壁構造の施工方法では、壁に対して垂直方向に延びる縦フレームを固定し、床に対して縦フレームを突っ張らせることで、縦フレームを天井に当接させなくても、縦フレームを壁に安定して設置することができる。このため、壁に設置された縦フレームにパネルを取り付けることで、天井を破損させることなく、壁にパネルを安定して設置することができる。
【0024】
上記の壁構造の施工方法において、壁に形成されたネジ穴に対して縦フレームを締結してもよい。この壁構造の施工方法では、壁に形成されたネジ穴に対して縦フレームを締結するため、壁を破損させることなく、壁にパネルを安定して設置することができる。
【0025】
上記の壁構造の施工方法において、縦フレームとして、第一縦フレーム及び第二縦フレームを互いに水平方向に並設し、水平方向に延びる横フレームを第一縦フレーム及び第二縦フレームに接続するとともに、締結用ネジにより横フレームを壁に締結してもよい。この壁構造の施工方法では、水平方向に延びる横フレームを第一縦フレーム及び第二縦フレームに接続するとともに、締結用ネジにより横フレームを壁に締結することで、第一縦フレーム及び第二縦フレームは、横フレーム及び締結用ネジを介して壁に締結される。そして、第一縦フレーム及び第二縦フレームが互いに水平方向に並設されるため、第一縦フレーム及び第二縦フレームにパネルを取り付けた際に、パネルの安定性を更に向上することができる。
【0026】
上記の壁構造の施工方法において、マグネットの磁力により、パネルを縦フレームに吸着させてもよい。この壁構造の施工方法では、マグネットの磁力によりパネルを縦フレームに吸着させるため、縦フレームに対するパネルの着脱を容易行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、天井を破損させることなく壁にパネルを安定的に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1(a)は、ネジ穴が形成された壁を示す正面図であり、
図1(b)は、
図1(a)に示すIb-Ib線における断面図である。
【
図2】第一実施形態に係る壁構造の支持体を壁に設置した状態を示す正面図である。
【
図3】第一実施形態に係る壁構造のパネルセットを壁に設置した状態を示す正面図である。
【
図4】
図2に示すIV-IV線における断面図である。
【
図6】
図6(a)は、第一縦フレームを示す斜視図であり、
図6(b)は、第二縦フレームを示す斜視図である。
【
図7】
図7(a)は、第一縦フレームを示す分解斜視図であり、
図7(b)は、第二縦フレームを示す分解斜視図である。
【
図8】
図8(a)は、上段横フレームを示す斜視図であり、
図8(b)は、上段横フレームを示す正面図であり、
図8(c)は、上段横フレームを示す平面図である。
【
図9】
図9(a)は、中段横フレームを示す斜視図であり、
図9(b)は、中段横フレームを示す正面図であり、
図9(c)は、中段横フレームを示す平面図である。
【
図10】
図10(a)は、下段横フレームを示す斜視図であり、
図10(b)は、下段横フレームを示す正面図であり、
図10(c)は、下段横フレームを示す平面図である。
【
図11】
図11(a)は、上段パネルを示す裏面図であり、
図11(b)は、中段パネルを示す裏面図であり、
図11(c)は、下段パネルを示す裏面図である。
【
図12】
図12(a)は、
図11(a)に示すXIIa-XIIa線における断面図であり、
図12(b)は、
図11(b)に示すXIIb-XIIb線における断面図であり、
図12(c)は、
図11(c)に示すXIIc-XIIc線における断面図である。
【
図13】上段横フレームを設置している状態を示す斜視図である。
【
図14】第一縦フレーム及び第二縦フレームを設置している状態を示す斜視図である。
【
図15】中段横フレーム及び下段横フレームを設置している状態を示す斜視図である。
【
図16】中段横フレーム及び下段横フレームを設置した状態を示す斜視図である。
【
図17】支持体の各フレームにマグネットを取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図18】パネルセットを設置している状態を示す斜視図である。
【
図19】パネルセットを設置した状態を示す斜視図である。
【
図20】壁に棚等を磁力で吸着させている状態を示す斜視図である。
【
図21】
図21(a)は、マグネット吸着棚をパネルに吸着させた状態を示す斜視図であり、
図21(b)は、マグネット吸着棚をパネルに吸着させた状態を示す断面図である。
【
図22】
図22(a)は、分割体をパネルに吸着させた状態を示す斜視図であり、
図22(b)は、分割体をパネルに吸着させた状態を示す断面図である。
【
図23】
図23(a)は、分割体をパネルに吸着させた状態を示す斜視図であり、
図23(b)は、分割体をパネルに吸着させた状態を示す断面図である。
【
図24】第二実施形態に係る壁構造の支持体を壁に設置した状態を示す正面図である。
【
図25】第二実施形態に係る壁構造の支持体を壁に設置した状態を示す斜視図である。
【
図26】
図26(a)は、中段パネル及び下段パネルを示す裏面図であり、
図26(b)は、
図26(a)に示すXXXVIb-XXXVIb線における断面図である。
【
図27】第三実施形態に係る壁構造の支持体を壁に設置した状態を示す正面図である。
【
図28】
図28(a)は、中段パネル及び下段パネルを示す裏面図であり、
図28(b)は、
図28(a)に示すXXVIIIb-XXVIIIb線における断面図である。
【
図29】第四実施形態に係る壁構造の支持体を壁に設置した状態を示す正面図である。
【
図30】
図30(a)は、上段パネルを示す裏面図であり、
図30(b)は、
図30(a)に示すXXXb-XXXb線における断面図である。
【
図31】
図31(a)は、中段パネル及び下段パネルを示す裏面図であり、
図31(b)は、
図31(a)に示すXXXIb-XXXIb線における断面図である。
【
図32】変形例に係る壁構造の一部を示す断面図である。
【
図33】変形例に係る壁構造の支持体を壁に設置した状態を示す斜視図である。
【
図34】変形例に係る壁構造の支持体を壁に設置した状態を示す斜視図である。
【
図35】変形例に係る壁構造の支持体を壁に設置した状態を示す斜視図である。
【
図36】
図36(a)は、変形例に係るパネルを示す平面図であり、
図36(b)は、
図36(a)に示すパネルの裏面図である。
【
図37】第五実施形態に係る壁構造の支持体を壁に設置した状態を示す正面図である。
【
図38】
図38(a)は、上段パネルを示す裏面図であり、
図38(b)は、
図38(a)に示すXXXVIIIb-XXXVIIIb線における断面図である。
【
図39】
図39(a)は、中段パネル及び下段パネルを示す裏面図であり、
図39(b)は、
図39(a)に示すXXXIXb-XXXIXb線における断面図である。
【
図40】上段パネルの掛止部及び突起部と支持体との関係を説明するための図である。
【
図41】中段パネル及び下段パネルの掛止部及び突起部と支持体との関係の例を説明するための図である。
【
図42】上段パネルの掛止部及び突起部と支持体との関係の例を説明するための図である。
【
図43】中段パネル及び下段パネルの掛止部及び突起部と支持体との関係の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、実施形態の壁構造及び壁構造の施工方法について詳細に説明する。なお、全図中、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0030】
[第一実施形態]
図1~
図3に示すように、本実施形態に係る壁構造は、既設の壁1にパネル5が設置された壁構造、又は既設の壁1にパネル5を設置するための壁構造である。なお、以下の説明において、上下の方向は、壁構造における上下の方向をいう。壁1は、床2から垂直に立ち上がっており、壁1の下端部には、巾木3が取り付けられている。
【0031】
本実施形態に係る壁構造は、壁1と、支持体4と、複数のパネル5からなるパネルセット6と、を備える。但し、壁構造は、複数のパネル5からなるパネルセット6の代わりに、一枚のパネル5を備えるものとしてもよい。壁1は、床2から垂直に立ち上がる建物の壁である。壁1の下端部には、床2から垂直に立ち上がる巾木3が取り付けられている。
【0032】
図1(a)に示すように、壁1には、複数のネジ穴7が形成されている。本実施形態では、複数のネジ穴7は、壁1の上部の所定高さ位置において、等間隔で水平方向に一列に配置されている。つまり、水平方向においては、壁1に複数のネジ穴7が形成されているが、垂直方向においては、壁1に一つのネジ穴7のみが形成されている。但し、垂直方向に複数のネジ穴7が形成されていてもよい。なお、垂直方向は、上下方向、鉛直方向等ともいう。
【0033】
図1(b)に示すように、各ネジ穴7は、例えば、壁1に埋め込まれたアンカ8により形成される。アンカ8は、壁1の施工時に壁1に埋め込まれる埋め込みアンカであり、内周面にネジ穴9が形成されている。アンカ8は、例えば、スタッド(不図示)に結合された状態で壁1に埋め込まれている。
【0034】
図2及び
図3に示すように、支持体4は、壁1に取り付けられるとともに、パネルセット6が取り付けられる部材である。支持体4は、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12と、上段横フレーム13と、中段横フレーム14及び中段横フレーム15と、下段横フレーム16と、を備える。
【0035】
第一縦フレーム11、第二縦フレーム12、上段横フレーム13、中段横フレーム14、中段横フレーム15、及び下段横フレーム16のそれぞれは、磁力により吸着することが可能な素材を含んでいる。つまり、これらのフレームのそれぞれは、全部が、磁力により吸引される強磁性体により構成されていてもよく、一部が、このような強磁性体により構成されていてもよい。また、これらのフレームのそれぞれは、全部が、マグネットにより構成されていてもよく、一部が、マグネットにより構成されていてもよい。なお、一部がマグネットにより構成された形態としては、フレーム自体の一部がマグネットにより構成された形態や、マグネット以外の部材で構成されたフレームのパネル吸着面にマグネットが設けられた形態であってもよい。フレームのパネル吸着面とは、パネル5が設置される(吸着される)面である。また、フレームのパネル吸着面側の全面にマグネットが設けられていてもよく、パネル吸着面側の一部にマグネットが設けられていてもよい。
【0036】
第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12は、支持体4の支柱となる部材である。第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12のそれぞれは、直線状に形成されて、垂直方向に延びている。第一縦フレーム11と第二縦フレーム12とは、互いに水平方向に並設されている。第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12のそれぞれの水平断面は、コ字状(C字状)に形成されている(
図4参照)。水平断面は、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12の延在方向である垂直方向と直交する水平方向の断面である。
【0037】
図6及び
図7に示すように、第一縦フレーム11の下端部には、壁1に設置された巾木3に対応する切欠き11aが形成されている。第一縦フレーム11の下端には、床2に対して安定的に接地するために大面積化された接地部11bが形成されている。また、第二縦フレーム12の下端部には、壁1に設置された巾木3に対応する切欠き12aが形成されている。第二縦フレーム12の下端には、床2に対して安定的に接地するために大面積化された接地部12bが形成されている。接地部11bの下部及び接地部12bの下部のそれぞれには、床2に対する摩擦抵抗を大きくして設置安定性を向上させるための弾性ポリウレタン等の樹脂弾性体や、床面保護のためのフェルト材等の保護材を設けてもよい。
【0038】
第一縦フレーム11の第二縦フレーム12側の側壁には、垂直長穴11fと、ネジ穴11gと、ネジ穴11hと、ネジ穴11iと、が形成されている。ネジ穴11gは、垂直長穴11fの下方に位置し、ネジ穴11hは、ネジ穴11gの下方に位置し、ネジ穴11iは、ネジ穴11hの下方に位置する。また、第二縦フレーム12の第一縦フレーム11側の側壁には、垂直長穴12fと、ネジ穴12gと、ネジ穴12hと、ネジ穴12iと、が形成されている。ネジ穴12gは、垂直長穴12fの下方に位置し、ネジ穴12hは、ネジ穴12gの下方に位置し、ネジ穴12iは、ネジ穴12hの下方に位置する。
【0039】
図2及び
図4~
図7に示すように、垂直長穴11f及び垂直長穴12fは、上段横フレーム13を第一縦フレーム11又は第二縦フレーム12に接続する接続用ネジ18が挿入される、垂直方向に長い長穴である。ネジ穴11g及びネジ穴12gは、中段横フレーム14を第一縦フレーム11又は第二縦フレーム12に接続する接続用ネジ19aがねじ込まれるネジ穴である。ネジ穴11h及びネジ穴12hは、中段横フレーム15を第一縦フレーム11又は第二縦フレーム12に接続する接続用ネジ19bがねじ込まれるネジ穴である。ネジ穴11i及びネジ穴12iは、下段横フレーム16を第一縦フレーム11又は第二縦フレーム12に接続する接続用ネジ19cがねじ込まれるネジ穴である。
【0040】
第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12のそれぞれは、搬送容易性の観点から、複数の分割体を連結することにより構成されている。第一縦フレーム11は、直線状に延びる第一縦フレーム分割体11c及び第一縦フレーム分割体11dと、第一縦フレーム分割体11cと第一縦フレーム分割体11dとを連結するネジ等の締結部材11eと、を備える。そして、締結部材11eにより第一縦フレーム分割体11cと第一縦フレーム分割体11dとを連結することにより、第一縦フレーム11が構成される。また、第二縦フレーム12は、直線状に延びる第二縦フレーム分割体12c及び第二縦フレーム分割体12dと、第二縦フレーム分割体12cと第二縦フレーム分割体12dとを連結するネジ等の締結部材12eと、を備える。そして、締結部材12eにより第二縦フレーム分割体12cと第二縦フレーム分割体12dとを連結することにより、第二縦フレーム12が構成される。
【0041】
上段横フレーム13、中段横フレーム14、中段横フレーム15、及び下段横フレーム16のそれぞれは、水平方向に延びて第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に接続される部材である。つまり、上段横フレーム13、中段横フレーム14、中段横フレーム15、及び下段横フレーム16のそれぞれは、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に架け渡されるように接続される。中段横フレーム14は、上段横フレーム13の下方に配置され、中段横フレーム15は、中段横フレーム14の下方に配置され、下段横フレーム16は、中段横フレーム15の下方に配置される。
【0042】
図2及び
図8に示すように、上段横フレーム13は、第一接続部13aと、第二接続部13bと、第一締結部13cと、第二締結部13dと、中間部13eと、を備える。
【0043】
第一接続部13aは、上段横フレーム13の一方側の端部に位置して、第一縦フレーム11に接続される部位である。第一接続部13aの水平断面は、第一縦フレーム11に対応したコ字状(C字状)に形成されている(
図4参照)。そして、第一縦フレーム11に対して上下方向に摺動可能となるように、第一接続部13aが第一縦フレーム11に嵌め込まれている。
【0044】
第二接続部13bは、上段横フレーム13の第一接続部13aとは反対側の端部に位置して、第二縦フレーム12に接続される部位である。第二接続部13bの水平断面は、第二縦フレーム12に対応したコ字状(C字状)に形成されている。そして、第二縦フレーム12に対して上下方向に摺動可能となるように、第二接続部13bが第二縦フレーム12に嵌め込まれている。
【0045】
第一接続部13aの第二接続部13b側の側壁と、第二接続部13bの第一接続部13a側の側壁と、のそれぞれには、上段横フレーム13を第一縦フレーム11又は第二縦フレーム12に接続する接続用ネジ18がねじ込まれる接続用ネジ穴13hが形成されている。
【0046】
第一締結部13cは、壁1に当接されるとともに壁1に締結される部位である。第一締結部13cは、第一接続部13aの第二接続部13b側に接続されている。第一締結部13cには、上段横フレーム13を壁1に締結する締結用ネジ17(
図2及び
図4参照)が挿入される水平長穴13fが形成されている。水平長穴13fは、水平方向に長い長穴である。締結用ネジ17は、水平長穴13fに挿入された状態で壁1に形成されたネジ穴7にねじ込まれることで、上段横フレーム13を壁1に締結する。
【0047】
第二締結部13dは、壁1に当接されるとともに壁1に締結される部位である。第二締結部13dは、第二接続部13bの第一接続部13a側に接続されている。第二締結部13dには、上段横フレーム13を壁1に締結する締結用ネジ17(
図2参照)が挿入される水平長穴13gが形成されている。水平長穴13gは、水平方向に長い長穴である。締結用ネジ17は、水平長穴13gに挿入された状態で壁1に形成されたネジ穴7にねじ込まれることで、上段横フレーム13を壁1に締結する。
【0048】
中間部13eは、第一締結部13cと第二締結部13dとを接続する部位である。中間部13eは、上段横フレーム13の剛性を高めるために第一締結部13c及び第二締結部13dに対して屈曲されている。このため、中間部13eは、壁1から離間している。
【0049】
ここで、上段横フレーム13は、締結用ネジ17により壁1に締結されるとともに、接続用ネジ18により第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に接続される。つまり、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12は、上段横フレーム13、締結用ネジ17、及び接続用ネジ18を介して間接的に壁1に締結される。このため、上段横フレーム13、締結用ネジ17、及び接続用ネジ18は、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を間接的に壁1に締結する締結機構を構成する。
【0050】
また、上段横フレーム13を第一縦フレーム11又は第二縦フレーム12に接続する際、接続用ネジ18は、第一縦フレーム11の垂直長穴11f及び第二縦フレーム12の垂直長穴12fに挿入される。垂直長穴11f及び垂直長穴12fは、垂直方向に長い長穴であるため、接続用ネジ18に対する垂直長穴11f及び垂直長穴12fの締結位置を垂直方向に変えることができる。これにより、上段横フレーム13を壁1に締結した後、接続用ネジ18に対する垂直長穴11f及び垂直長穴12fの締結位置を調整することで、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を床2に対して突っ張らせることができる。このため、上段横フレーム13、締結用ネジ17、接続用ネジ18、垂直長穴11f、及び垂直長穴12fは、床2に対して第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を突っ張らせる突っ張り機構を構成する。
【0051】
また、水平長穴13f及び水平長穴13gは、水平方向に長い長穴であるため、締結用ネジ17に対する水平長穴13f及び水平長穴13gの位置を変えることができる。これにより、上段横フレーム13の締結位置を水平方向に調整することができる。
【0052】
図2及び
図9に示すように、中段横フレーム14は、第一接続部14aと、第二接続部14bと、第一当接部14cと、第二当接部14dと、中間部14eと、を備える。
【0053】
第一接続部14aは、中段横フレーム14の一方側の端部に位置して、第一縦フレーム11に接続される部位である。第一接続部14aは、第一縦フレーム11の第二縦フレーム12側の側壁と平行な平板状に形成されている。第二接続部14bは、中段横フレーム14の第一接続部14aとは反対側の端部に位置して、第二縦フレーム12に接続される部位である。第二接続部14bは、第二縦フレーム12の第一縦フレーム11側の側壁と平行な平板状に形成されている。第一接続部14a及び第二接続部14bのそれぞれには、中段横フレーム14を第一縦フレーム11又は第二縦フレーム12に接続する接続用ネジ19aが挿入される貫通穴14fが形成されている。
【0054】
第一当接部14cは、第一接続部14aの第二接続部14b側に接続されて、壁1に当接される部位である。第二当接部14dは、第二接続部14bの第一接続部14a側に接続されて、壁1に当接される部位である。なお、第一当接部14c及び第二当接部14dには、上段横フレーム13の水平長穴13f及び水平長穴13gに対応する穴が形成されていない。
【0055】
中間部14eは、第一当接部14cと第二当接部14dとを接続する部位である。中間部14eは、中段横フレーム14の剛性を高めるために第一当接部14c及び第二当接部14dに対して屈曲されている。このため、中間部14eは、壁1から離間している。中間部14eには、水平方向に延びるスリット14gが形成されている。スリット14gは、パネル5を掛止するために中間部14eに形成された切欠きである。スリット14gは、中間部14eを水平方向に横切っている。つまり、スリット14gは、中間部14eの第一当接部14c側の先端から中間部14eの第二当接部14d側の先端まで延びている。但し、スリット14gは、中間部14eを水平方向に横切っておらず、中間部14eの一部にのみ形成されていてもよい。
【0056】
中段横フレーム15は、中段横フレーム14と同一構成である。つまり、中段横フレーム15は、第一接続部14aに対応する第一接続部15aと、第二接続部14bに対応する第二接続部15bと、第一当接部14cに対応する第一当接部15cと、第二当接部14dに対応する第二当接部15dと、中間部14eに対応する中間部15eと、を備える。第一接続部15a及び第二接続部15bのそれぞれには、貫通穴14fに対応する貫通穴15fが形成されている。中間部15eには、スリット14gに対応するスリット15gが形成されている。なお、貫通穴15fには、中段横フレーム15を第一縦フレーム11又は第二縦フレーム12に接続する接続用ネジ19bが挿入される。
【0057】
図2及び
図10に示すように、下段横フレーム16は、中段横フレーム14と基本的に同一構成であり、中段横フレーム14のスリット14gが形成されていない点のみ、中段横フレーム14と相違する。つまり、下段横フレーム16は、第一接続部14aに対応する第一接続部16aと、第二接続部14bに対応する第二接続部16bと、第一当接部14cに対応する第一当接部16cと、第二当接部14dに対応する第二当接部16dと、中間部14eに対応する中間部16eと、を備える。第一接続部16a及び第二接続部16bのそれぞれには、貫通穴14fに対応する貫通穴16fが形成されている。なお、貫通穴16fには、下段横フレーム16を第一縦フレーム11又は第二縦フレーム12に接続する接続用ネジ19cが挿入される。また、中間部16eには、中段横フレーム14のスリット14gに対応する切欠きが形成されていない。
【0058】
上述したようにパネルセット6は、複数のパネル5からなるが、本実施形態では、上段パネル51、中段パネル52、及び下段パネル53からなるものとして説明する。上段パネル51は、パネルセット6における最も上方に配置されるパネルであり、中段パネル52は、上段パネル51の下方に配置されるパネルであり、下段パネル53は、中段パネル52の下方であってパネルセット6における最も下方に配置されるパネルである。
【0059】
図3、
図11(a)、及び
図12(a)に示すように、上段パネル51は、パネル本体51aと、掛止部51bと、を備える。
【0060】
パネル本体51aは、支持体4に取り付けられる部材である。パネル本体51aは、支持体4に取り付けられることで、例えば、部屋等の空間の内装の一部となる。
【0061】
パネル本体51aは、磁力により吸着することが可能な素材を含んでいる。つまり、パネル本体51aの全部が、強磁性体により構成されていてもよく、パネル本体51aの一部が、強磁性体により構成されていてもよい。また、パネル本体51aの全部が、マグネットにより構成されていてもよく、パネル本体51aの一部が、マグネットにより構成されていてもよい。
【0062】
パネル本体51aは、薄い矩形板状に形成されている。パネル本体51aは、例えば、矩形板の四方が折り曲げられてなる一対の箱状部材を、表面51c側が裏面51d側に覆われるように互いに嵌め合わせ、その内部にウレタンフォーム等のコア材を充填することにより製造することができる。これにより、パネル本体51aの表面51c側のエッジを丸くすることができるとともに、パネル本体51aの軽量化を図ることができる。この場合、例えば、一対の箱状部材が強磁性体により構成されていれば、パネル本体51aを磁力により吸着するものとすることができる。なお、パネル本体51aの表裏面のうち、表面51cは、パネル本体51aの壁1とは反対側に向けられる面であり、裏面51dは、パネル本体51aの壁1側に向けられる面(支持体4側の面)である。
【0063】
掛止部51bは、上段パネル51を上段横フレーム13に掛止するための部材である。掛止部51bは、パネル本体51aの裏面51dの上部中央に固定されており、裏面51dからフック状(鍵状)に延びている。このため、掛止部51bを上方から上段横フレーム13に引っ掛けることで、上段パネル51を上段横フレーム13の中間部13eに掛止することが可能となっている。掛止部51bは、一つのみであってもよく、複数であってもよい。
【0064】
図3、
図11(b)、及び
図12(b)に示すように、中段パネル52は、基本的に上段パネル51と同様であり、掛止部51bの代わりに掛止部52bを備える点のみ上段パネル51と相違する。つまり、中段パネル52は、パネル本体51aに対応するパネル本体52aと、掛止部52bと、を備える。なお、パネル本体52aの表裏面のうち、表面52cは、パネル本体52aの壁1とは反対側に向けられる面であり、裏面52dは、パネル本体52aの壁1側に向けられる面(支持体4側の面)である。
【0065】
掛止部52bは、中段パネル52を中段横フレーム14に掛止するための部材である。掛止部52bは、パネル本体52aの裏面52dの上部中央に固定されており、裏面52dから水平方向に平板状(直線状)に延びている。掛止部52bの厚さは、スリット14gの幅よりも薄くなっている。このため、掛止部52bをスリット14gに挿入することで、中段パネル52を中段横フレーム14の中間部14eに掛止することが可能となっている。掛止部52bは、一つのみであってもよく、複数であってもよい。
【0066】
図3、
図11(c)、及び
図12(c)に示すように、下段パネル53は、中段パネル52と同一構成である。つまり、下段パネル53は、パネル本体52aに対応するパネル本体53aと、掛止部52bに対応する掛止部53bと、を備える。なお、パネル本体53aの表裏面のうち、表面53cは、パネル本体53aの壁1とは反対側に向けられる面であり、裏面53dは、パネル本体53aの壁1側に向けられる面(支持体4側の面)である。掛止部53bは、下段パネル53を中段横フレーム15に掛止するための部材であり、中段横フレーム15のスリット15gに挿入することにより、下段パネル53を中段横フレーム15の中間部15eに掛止することが可能となっている。
【0067】
このように構成される壁構造では、上段横フレーム13が、締結用ネジ17により壁1に締結され、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12が、接続用ネジ18により上段横フレーム13に接続され、中段横フレーム14、中段横フレーム15、及び下段横フレーム16が第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に接続されて、支持体4が構成されている。このため、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12は、上段横フレーム13、締結用ネジ17、及び接続用ネジ18を介して間接的に壁1に締結されている。そして、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12が床2に対して突っ張るように、接続用ネジ18に対する垂直長穴11f及び垂直長穴12fの締結位置が調整されている。
【0068】
また、上段パネル51、中段パネル52、及び下段パネル53が、マグネット21(
図18参照)により支持体4に取り付けられている。上段パネル51は、上段横フレーム13に対する掛止部51bの引っ掛けと、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4に取り付けられている。中段パネル52は、スリット14gに対する掛止部52bの挿入と、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4に取り付けられている。下段パネル53は、スリット15gに対する掛止部53bの挿入と、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4に取り付けられている。
【0069】
マグネット21は、マグネットシート等の磁力により吸着するものである。マグネット21は、マグネット21の磁力吸着によってのみ、上段パネル51、中段パネル52、及び下段パネル53と支持体4とに取り付けられていてもよく、マグネット21の磁力吸着と接着等の他の手段とによって、上段パネル51、中段パネル52、及び下段パネル53と支持体4とに取り付けられていてもよい。後者の場合、例えば、マグネット21は、上段パネル51、中段パネル52、及び下段パネル53に接着されていてもよく、支持体4に接着されていてもよい。なお、マグネット21は、支持体4を構成する全てのフレームに取り付けられていることが好ましいが、上段パネル51、中段パネル52、及び下段パネル53を支持体4に取り付けることができれば、支持体4を構成する一部のフレームにのみ取り付けられていてもよい。
【0070】
次に、本実施形態に係る壁構造の施工方法について説明する。
【0071】
まず、
図13に示すように、壁1に上段横フレーム13を締結する。壁1に対する上段横フレーム13の締結では、締結用ネジ17を水平長穴13f及び水平長穴13gから壁1に形成されたネジ穴7にねじ込む。このとき、締結用ネジ17に対する水平長穴13f及び水平長穴13gの締結位置を調整することで、壁1に形成されたネジ穴7の水平方向の位置ズレを許容することができる。
【0072】
次に、
図14に示すように、上段横フレーム13に第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を接続する。上段横フレーム13に対する第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12の接続では、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を第一接続部13a及び第二接続部13bに被せて、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に第一接続部13a及び第二接続部13bを嵌め込む。そして、接続用ネジ18を第一縦フレーム11の垂直長穴11f及び第二縦フレーム12の垂直長穴12fから第一接続部13a及び第二接続部13bの接続用ネジ穴13hにねじ込む。これにより、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12は、上段横フレーム13、締結用ネジ17、及び接続用ネジ18を介して間接的に壁1に締結される。
【0073】
このとき、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12が床2に対して突っ張るように、接続用ネジ18に対する垂直長穴11f及び垂直長穴12fの締結位置を調整する。これにより、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12が床2に対して突っ張った状態となる。
【0074】
次に、
図15及び
図16に示すように、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に中段横フレーム14、中段横フレーム15、及び下段横フレーム16を接続する。第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に対する中段横フレーム14の接続では、接続用ネジ19aを第一接続部14a及び第二接続部14bの貫通穴14fから第一縦フレーム11のネジ穴11g及び第二縦フレーム12のネジ穴12gにねじ込む。第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に対する中段横フレーム15の接続では、接続用ネジ19bを第一接続部15a及び第二接続部15bの貫通穴15fから第一縦フレーム11のネジ穴11h及び第二縦フレーム12のネジ穴12hにねじ込む。第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に対する下段横フレーム16の接続では、接続用ネジ19cを第一接続部16a及び第二接続部16bの貫通穴16fから第一縦フレーム11のネジ穴11i及び第二縦フレーム12のネジ穴12iにねじ込む。これにより、支持体4が枠構造となるため、支持体4の剛性が高められる。
【0075】
次に、
図17に示すように、第一縦フレーム11、第二縦フレーム12、上段横フレーム13、中段横フレーム14、中段横フレーム15、及び下段横フレーム16のそれぞれに、マグネット21を取り付ける。マグネット21は、マグネットシート等の磁力により吸着するものである。第一縦フレーム11、第二縦フレーム12、上段横フレーム13、中段横フレーム14、中段横フレーム15、及び下段横フレーム16のそれぞれに対するマグネット21の取り付けは、例えば、マグネット21の磁力吸着により行ってもよく、接着により行ってもよい。このとき、中段横フレーム14及び中段横フレーム15に対しては、スリット14g及びスリット15gが隠れないように、マグネット21を取り付ける。これにより、支持体4の施工が完了する。
【0076】
なお、マグネット21は、予め第一縦フレーム11、第二縦フレーム12、上段横フレーム13、中段横フレーム14、中段横フレーム15、及び下段横フレーム16のそれぞれに取り付けられていてもよい。
【0077】
次に、
図18及び
図19に示すように、上段パネル51、中段パネル52、及び下段パネル53を支持体4に取り付ける。支持体4に対する上段パネル51の取り付けでは、上段パネル51の掛止部51bを上段横フレーム13に引っ掛けるとともに、上段パネル51のパネル本体51aを支持体4に取り付けられたマグネット21に吸着させる。支持体4に対する中段パネル52の取り付けでは、中段パネル52の掛止部52bを中段横フレーム14のスリット14gに挿入するとともに、中段パネル52のパネル本体52aを支持体4に取り付けられたマグネット21に吸着させる。支持体4に対する下段パネル53の取り付けでは、下段パネル53の掛止部53bを中段横フレーム15のスリット15gに挿入するとともに、下段パネル53のパネル本体53aを支持体4に取り付けられたマグネット21に吸着させる。これにより、壁1に上段パネル51、中段パネル52、及び下段パネル53からなるパネルセット6が取り付けられた状態となる。
【0078】
ここで、上段パネル51、中段パネル52、及び下段パネル53は、磁力により吸着することが可能な素材を含んでいる。このため、
図20に示すように、パネルセット6には、磁力により吸着する棚、飾り物、額等の様々な物を取り付けることができる。例えば、パネルセット6には、
図21に示すようなマグネット吸着棚30を吸着させることができる。
【0079】
図21に示すマグネット吸着棚30は、背板31と、背板31に対して枠状に立ち上がる側板32と、背板31に接合されたマグネット33と、を有する箱体である。マグネット吸着棚30は、複数の分割体34,35,36,37に分割されている。分割体34,35,36,37のそれぞれは、少なくとも、背板31の一部と、側板32の一部と、マグネット33の一部と、を備えている。
図22に示すように、分割体34及び分割体37は、背板31の一部と、二辺の側板32の一部と、マグネット33の一部と、を備えている。
図23に示すように、分割体35及び分割体36は、背板31の一部と、一辺の側板32の一部と、マグネット33の一部と、を備えている。このようなマグネット吸着棚30では、分割体34,35,36,37のそれぞれを、パネルセット6上で自由に配置することができるため、分割体34,35,36,37を箱体に組み合わされた棚として利用することもでき、分割体34,35,36,37のそれぞれを棚として利用することもできる。
【0080】
このように、本実施形態では、締結機構として機能する上段横フレーム13、締結用ネジ17、及び接続用ネジ18が、壁1に対して第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を締結し、突っ張り機構として機能する上段横フレーム13、締結用ネジ17、接続用ネジ18、垂直長穴11f、及び垂直長穴12fが、床2に対して第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を突っ張らせる。これにより、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を天井に当接させなくても、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を壁1に安定して設置することができる。このため、壁1に設置された第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12にパネル5を取り付けることで、天井を破損させることなく、壁1にパネル5を安定して設置することができる。
【0081】
また、壁1に形成されたネジ穴7に対して第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を締結するため、壁1を破損させることなく、壁1にパネル5を安定して設置することができる。しかも、壁1に形成されたネジ穴7が垂直方向に一つしかなくても、壁1にパネル5を安定して設置することができる。
【0082】
また、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12は、上段横フレーム13、締結用ネジ17、及び接続用ネジ18を介して壁1に締結されて、互いに水平方向に並設される。このため、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12にパネル5を取り付けた際に、パネル5の安定性を向上することができる。
【0083】
また、上段横フレーム13が、水平方向に延びて締結用ネジ17が挿入される水平長穴13f及び水平長穴13gを有するため、締結用ネジ17を壁1にねじ込む際に、壁1に対する上段横フレーム13の位置を水平方向に調整することができる。このため、例えば、壁1に形成されたネジ穴7の水平方向の位置精度が悪くても、壁1に対して第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を締結することができる。
【0084】
また、上段横フレーム13が、接続用ネジ18がねじ込まれる接続用ネジ穴13hを有し、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12が、垂直方向に延びて接続用ネジ18が挿入される垂直長穴11f及び垂直長穴12fを有するため、接続用ネジ18を接続用ネジ穴13hにねじ込む際に、上段横フレーム13に対する第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12の位置を垂直方向に調整することができる。このため、上段横フレーム13を壁1に締結した後、接続用ネジ18に対する垂直長穴11f及び垂直長穴12fの締結位置を調整することで、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を床2に対して突っ張らせることができる。また、壁1に形成されたネジ穴7の垂直方向の位置精度が悪くても、壁1に対して第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を締結することができる。
【0085】
また、上段横フレーム13の下方において、水平方向に延びるように配設された中段横フレーム14及び中段横フレーム15が第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に接続されるため、支持体4を枠状に構成することができる。これにより、支持体4の剛性を高めて、第一縦フレーム11と第二縦フレーム12との位置関係がずれるのを抑制することができる。
【0086】
また、中段横フレーム14及び中段横フレーム15にパネル5を掛止するためのスリット14g及びスリット15gが形成されているため、当該スリット14g及びスリット15gにパネル5を掛止することで、容易にパネル5を設置することができる。
【0087】
また、支持体4を構成する各フレームが強磁性体を含むため、マグネット21によりパネル5を支持体4の各フレームに吸着させることができるとともに、支持体4の各フレームに対するパネル5の着脱を容易に行うことができる。
【0088】
また、パネル5の掛止部51b、掛止部52b、及び掛止部53bを支持体4の上段横フレーム13、中段横フレーム14、及び中段横フレーム15に掛止することで、容易にパネル5を設置することができる。
【0089】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であり、第一縦フレーム及び第二縦フレームにスリットが形成されている点、中段横フレームを備えない点、及び中段パネル及び下段パネルの掛止部が異なる点のみ第一実施形態と相違する。このため、以下では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。
【0090】
図24及び
図25に示すように、第二実施形態に係る壁構造の支持体4Aは、第一縦フレーム11a及び第二縦フレーム12aと、上段横フレーム13と、下段横フレーム16と、を備える。なお、支持体4Aは、第一実施形態の中段横フレーム14及び中段横フレーム15に対応する部材を備えない。
【0091】
第一縦フレーム11a及び第二縦フレーム12aは、基本的に第一実施形態の第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12と同じであるが、第一実施形態において中段横フレーム14が接続される位置に、スリット11j及びスリット12jが形成されており、第一実施形態において中段横フレーム15が接続される位置に、スリット11k及びスリット12kが形成されている。
【0092】
スリット11j及びスリット11kは、パネル5を掛止するために第一縦フレーム11aに形成された切欠きである。スリット11j及びスリット11kは、第一縦フレーム11aを水平方向に横切っている。但し、スリット11j及びスリット11kは、第一縦フレーム11aを水平方向に横切っておらず、第一縦フレーム11aの一部にのみ形成されていてもよい。
【0093】
スリット12j及びスリット12kは、パネル5を掛止するために第二縦フレーム12aに形成された切欠きである。スリット12j及びスリット12kは、第二縦フレーム12aを水平方向に横切っている。但し、スリット12j及びスリット12kは、第二縦フレーム12aを水平方向に横切っておらず、第二縦フレーム12aの一部にのみ形成されていてもよい。
【0094】
第二実施形態に係る壁構造のパネルセットは、上段パネル51(
図11(a)及び
図12(a)参照)、中段パネル52A、及び下段パネル53Aからなる。
【0095】
図26に示すように、中段パネル52Aは、基本的に第一実施形態の中段パネル52と同様であり、一対の掛止部52bがパネル本体52aの裏面52dの上部両端部に固定されている点のみ、第一実施形態の中段パネル52と相違する。一対の掛止部52bは、中段パネル52Aを第一縦フレーム11a及び第二縦フレーム12aに掛止するための部材であり、第一縦フレーム11aのスリット11j及び第二縦フレーム12aのスリット12jに対応する位置に固定されている。
【0096】
また、下段パネル53Aは、基本的に第一実施形態の下段パネル53と同様であり、一対の掛止部53bがパネル本体53aの裏面53dの上部両端部に固定されている点のみ、第一実施形態の下段パネル53と相違する。一対の掛止部53bは、下段パネル53Aを第一縦フレーム11a及び第二縦フレーム12aに掛止するための部材であり、第一縦フレーム11aのスリット11k及び第二縦フレーム12aのスリット12kに対応する位置に固定されている。
【0097】
このように構成される壁構造では、上段横フレーム13が、締結用ネジ17により壁1に締結され、第一縦フレーム11a及び第二縦フレーム12aが、接続用ネジ18により上段横フレーム13に接続され、下段横フレーム16が第一縦フレーム11a及び第二縦フレーム12aに接続されて、支持体4Aが構成されている。このため、第一縦フレーム11a及び第二縦フレーム12aは、上段横フレーム13、締結用ネジ17、及び接続用ネジ18を介して間接的に壁1に締結されている。そして、第一縦フレーム11a及び第二縦フレーム12aが床2に対して突っ張るように、接続用ネジ18に対する垂直長穴11f及び垂直長穴12fの締結位置が調整されている。
【0098】
また、上段パネル51、中段パネル52A、及び下段パネル53Aが、マグネット21(
図18参照)により支持体4Aに取り付けられている。上段パネル51は、上段横フレーム13に対する掛止部51bの引っ掛けと、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4に取り付けられている。中段パネル52Aは、スリット11j及びスリット12jに対する一対の掛止部52bの挿入と、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4Aに取り付けられている。下段パネル53Aは、スリット11k及びスリット12kに対する一対の掛止部53bの挿入と、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4Aに取り付けられている。
【0099】
このように構成される壁構造を施工する際は、まず、第一実施形態と同様に、壁1に上段横フレーム13を締結し、上段横フレーム13に第一縦フレーム11a及び第二縦フレーム12aを接続し、第一縦フレーム11a及び第二縦フレーム12aに下段横フレーム16を接続する。そして、第一縦フレーム11a、第二縦フレーム12a、上段横フレーム13、及び下段横フレーム16のそれぞれに、マグネット21を取り付ける。これにより、支持体4Aの施工が完了する。
【0100】
次に、第一実施形態と同様に、上段パネル51、中段パネル52A、及び下段パネル53Aを支持体4Aに取り付ける。支持体4Aに対する中段パネル52Aの取り付けでは、中段パネル52Aの一対の掛止部52bを第一縦フレーム11aのスリット11j及び第二縦フレーム12aのスリット12jに挿入するとともに、中段パネル52Aを支持体4Aに取り付けられたマグネット21に吸着させる。支持体4Aに対する下段パネル53Aの取り付けでは、下段パネル53Aの一対の掛止部53bを第一縦フレーム11aのスリット11k及び第二縦フレーム12aのスリット12kに挿入するとともに、下段パネル53Aを支持体4Aに取り付けられたマグネット21に吸着させる。これにより、壁1に上段パネル51、中段パネル52A、及び下段パネル53Aからなるパネルセットが取り付けられた状態となる。
【0101】
このように、本実施形態では、第一縦フレーム11a及び第二縦フレーム12aに、中段パネル52Aを掛止するためのスリット11j及びスリット12jと、下段パネル53Aを掛止するためのスリット11k及びスリット12kとが形成されているため、当該スリットに中段パネル52A及び下段パネル53Aを掛止することで、容易に中段パネル52A及び下段パネル53Aを設置することができる。
【0102】
なお、本実施形態において、上段パネル51の一対の掛止部51bが中段パネル52Aや下段パネル53Aと同様にパネル本体51aの裏面51dの上部両端部に固定されているものとし、第一縦フレーム11a及び第二縦フレーム12aの上部に開口部を形成し、上段パネル51の一対の掛止部51bを第一縦フレーム11a及び第二縦フレーム12aの上部の開口部に引っ掛ける形態としてもよい。
【0103】
[第三実施形態]
次に、第三実施形態について説明する。第三実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であり、中段横フレームにスリットが形成されていない点、及び中段パネル及び下段パネルの掛止部が異なる点のみ第一実施形態と相違する。このため、以下では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。
【0104】
図27に示すように、第三実施形態に係る壁構造の支持体4Bは、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12と、上段横フレーム13と、中段横フレーム14Bと、中段横フレーム15Bと、下段横フレーム16と、を備える。
【0105】
中段横フレーム14B及び中段横フレーム15Bは、第一実施形態のスリット14g及び15gに対応する切欠きが形成されていない点を除き、第一実施形態の中段横フレーム14及び中段横フレーム15と同じである。
【0106】
第三実施形態に係る壁構造のパネルセットは、上段パネル51(
図11(a)及び
図12(a)参照)、中段パネル52B、及び下段パネル53Bからなる。
【0107】
図28に示すように、中段パネル52Bは、基本的に第一実施形態の中段パネル52と同様であり、掛止部52bの代わりに掛止部52eを備える点のみ、第一実施形態の中段パネル52と相違する。掛止部52eは、中段パネル52Bを中段横フレーム14Bに掛止するための部材である。掛止部52eは、上段パネル51の掛止部51bと同一構成である。そして、掛止部52eは、パネル本体52aの裏面52dの上部中央に固定されて、中段横フレーム14Bの中間部14eに掛止される。
【0108】
また、下段パネル53Bは、基本的に第一実施形態の下段パネル53と同様であり、掛止部53bの代わりに掛止部53eを備える点のみ、第一実施形態の下段パネル53と相違する。掛止部53eは、下段パネル53Bを中段横フレーム15Bに掛止するための部材である。掛止部53eは、上段パネル51の掛止部51bと同一構成である。そして、掛止部53eは、パネル本体53aの裏面53dの上部中央に固定されて、中段横フレーム15Bの中間部15eに掛止される。
【0109】
このように構成される壁構造では、上段横フレーム13が、締結用ネジ17により壁1に締結され、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12が、接続用ネジ18により上段横フレーム13に接続され、中段横フレーム14B、中段横フレーム15B、及び下段横フレーム16が第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に接続されて、支持体4Bが構成されている。このため、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12は、上段横フレーム13、締結用ネジ17、及び接続用ネジ18を介して間接的に壁1に締結されている。そして、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12が床2に対して突っ張るように、接続用ネジ18に対する垂直長穴11f及び垂直長穴12fの締結位置が調整されている。
【0110】
また、上段パネル51、中段パネル52B、及び下段パネル53Bが、マグネット21(
図18参照)により支持体4Bに取り付けられている。上段パネル51は、上段横フレーム13に対する掛止部51bの引っ掛けと、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4Bに取り付けられている。中段パネル52Bは、中段横フレーム14Bに対する掛止部52eの引っ掛けと、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4Bに取り付けられている。下段パネル53Bは、中段横フレーム15Bに対する掛止部53eの引っ掛けと、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4Bに取り付けられている。
【0111】
このように構成される壁構造を施工する際は、まず、第一実施形態と同様に、壁1に上段横フレーム13を締結し、上段横フレーム13に第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を接続し、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に中段横フレーム14B、中段横フレーム15B、及び下段横フレーム16を接続する。そして、第一縦フレーム11、第二縦フレーム12、上段横フレーム13、中段横フレーム14B、中段横フレーム15B、及び下段横フレーム16のそれぞれに、マグネット21を取り付ける。これにより、支持体4Bの施工が完了する。
【0112】
次に、第一実施形態と同様に、上段パネル51、中段パネル52B、及び下段パネル53Bを支持体4Bに取り付ける。支持体4Bに対する中段パネル52Bの取り付けでは、中段パネル52Bの掛止部52eを中段横フレーム14Bの中間部14eに引っ掛けるとともに、中段パネル52Bを支持体4Bに取り付けられたマグネット21に吸着させる。また、支持体4Bに対する下段パネル53Bの取り付けでは、下段パネル53Bの掛止部53eを中段横フレーム15Bの中間部15eに引っ掛けるとともに、下段パネル53Bを支持体4Bに取り付けられたマグネット21に吸着させる。これにより、壁1に上段パネル51、中段パネル52B、及び下段パネル53Bからなるパネルセットが取り付けられた状態となる。
【0113】
[第四実施形態]
次に、第四実施形態について説明する。第四実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であり、中段横フレームにスリットが形成されていない点、及び上段パネルの掛止部が異なる点のみ第一実施形態と相違する。このため、以下では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。
【0114】
図29に示すように、第四実施形態に係る壁構造の支持体4Cは、第三実施形態の支持体4B(
図27参照)と同一構成である。つまり、支持体4Cは、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12と、上段横フレーム13と、第三実施形態の中段横フレーム14Bと同一構成の中段横フレーム14Cと、第三実施形態の中段横フレーム15Bと同一構成の中段横フレーム15Cと、下段横フレーム16と、を備える。
【0115】
第四実施形態に係る壁構造のパネルセットは、上段パネル51C、中段パネル52C、及び下段パネル53Cからなる。
【0116】
図30に示すように、上段パネル51Cは、基本的に第一実施形態の上段パネル51と同様であり、掛止部51bの代わりに一対の掛止部51fがパネル本体51aの裏面51dの上部両端部に固定されている点のみ、第一実施形態の上段パネル51と相違する。一対の掛止部51fは、上段パネル51Cを第一縦フレーム11の上端11m及び第二縦フレーム12の上端12mに掛止するための部材である。一対の掛止部51fは、第一縦フレーム11a及び第二縦フレーム12aに対応する位置に固定されており、裏面51dからフック状(鍵状)に延びている。このため、一対の掛止部51fを上方から第一縦フレーム11の上端11m及び第二縦フレーム12の上端12mに引っ掛けることで、上段パネル51Cを第一縦フレーム11の上端11m及び第二縦フレーム12の上端12mに掛止することが可能となっている。
【0117】
図31に示すように、中段パネル52Cは、基本的に第一実施形態の中段パネル52と同様であり、掛止部52bの代わりに掛止部52fを備える点のみ、第一実施形態の中段パネル52と相違する。掛止部52fは、中段パネル52Cを中段横フレーム14Cに掛止するための部材である。掛止部52fは、パネル本体52aの裏面52dの上部中央に固定されており、裏面52dからフック状(鍵状)に延びている。このため、掛止部52fを上方から中段横フレーム14Cの中間部14eに引っ掛けることで、中段パネル52Cを中段横フレーム14Cの中間部14eに掛止することが可能となっている。掛止部52fは、一つのみであってもよく、複数であってもよい。
【0118】
また、下段パネル53Cは、基本的に第一実施形態の下段パネル53と同様であり、掛止部53bの代わりに掛止部53fを備える点のみ、第一実施形態の下段パネル53と相違する。掛止部53fは、下段パネル53Cを中段横フレーム15Cに掛止するための部材である。掛止部53fは、パネル本体53aの裏面53dの上部中央に固定されており、裏面53dからフック状(鍵状)に延びている。このため、掛止部53fを上方から中段横フレーム15Cの中間部15eに引っ掛けることで、下段パネル53Cを中段横フレーム15Cの中間部15eに掛止することが可能となっている。掛止部53fは、一つのみであってもよく、複数であってもよい。
【0119】
このように構成される壁構造では、上段横フレーム13が、締結用ネジ17により壁1に締結され、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12が、接続用ネジ18により上段横フレーム13に接続され、中段横フレーム14C、中段横フレーム15C、及び下段横フレーム16が第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に接続されて、支持体4Cが構成されている。このため、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12は、上段横フレーム13、締結用ネジ17、及び接続用ネジ18を介して間接的に壁1に締結されている。そして、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12が床2に対して突っ張るように、接続用ネジ18に対する垂直長穴11f及び垂直長穴12fの締結位置が調整されている。
【0120】
また、上段パネル51C、中段パネル52C、及び下段パネル53Cが、マグネット21(
図18参照)により支持体4Cに取り付けられている。上段パネル51Cは、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に対する一対の掛止部51fの引っ掛けと、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4Cに取り付けられている。中段パネル52Cは、中段横フレーム14Cに対する掛止部52fの引っ掛けと、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4Cに取り付けられている。下段パネル53Cは、中段横フレーム15Cに対する掛止部53fの引っ掛けと、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4Cに取り付けられている。
【0121】
このように構成される壁構造を施工する際は、まず、第一実施形態と同様に、壁1に上段横フレーム13を締結し、上段横フレーム13に第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12を接続し、第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12に中段横フレーム14C、中段横フレーム15C、及び下段横フレーム16を接続する。そして、第一縦フレーム11、第二縦フレーム12、上段横フレーム13、中段横フレーム14C、中段横フレーム15C、及び下段横フレーム16のそれぞれに、マグネット21を取り付ける。これにより、支持体4Cの施工が完了する。
【0122】
次に、第一実施形態と同様に、上段パネル51C、中段パネル52C、及び下段パネル53Cを支持体4Cに取り付ける。支持体4Cに対する上段パネル51Cの取り付けでは、上段パネル51Cの一対の掛止部51fを第一縦フレーム11の上端11m及び第二縦フレーム12の上端12mに引っ掛けるとともに、上段パネル51Cを支持体4Cに取り付けられたマグネット21に吸着させる。支持体4Cに対する中段パネル52Cの取り付けでは、中段パネル52Cの掛止部52fを中段横フレーム14Cの中間部14eに引っ掛けるとともに、中段パネル52Cを支持体4Cに取り付けられたマグネット21に吸着させる。また、支持体4Cに対する下段パネル53Cの取り付けでは、下段パネル53Cの掛止部53fを中段横フレーム15Cの中間部15eに引っ掛けるとともに、下段パネル53Cを支持体4Cに取り付けられたマグネット21に吸着させる。これにより、壁1に上段パネル51C、中段パネル52C、及び下段パネル53Cからなるパネルセットが取り付けられた状態となる。
【0123】
[第五実施形態]
次に、第五実施形態について説明する。第五実施形態は、基本的に第四実施形態と同様であり、パネルに突起部が形成されている点、及び支持部に挿入孔が形成されている点のみ第四実施形態と相違する。このため、以下では、第四実施形態と相違する事項のみを説明し、第四実施形態と同様の事項の説明を省略する。
【0124】
図37に示すように、第五実施形態に係る壁構造の支持体4Hは、第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hと、上段横フレーム13と、中段横フレーム14Cと、中段横フレーム15Cと、下段横フレーム16と、を備える。また、第五実施形態に係る壁構造のパネルセットは、上段パネル51H、中段パネル52H、及び下段パネル53Hからなる。
【0125】
図38に示すように、上段パネル51Hは、基本的に第四実施形態の上段パネル51Cと同様であり、一対の突起部51hがパネル本体51aの裏面51dに固定されている点のみ、第四実施形態の上段パネル51Cと相違する。一対の突起部51hは、一対の掛止部51fよりも下方において、裏面51dから突出している。より具体的には、一対の突起部51hは、一対の掛止部51fよりも下方の、第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hに対応する位置に固定されており、裏面51dから水平方向に棒状に延びている。なお、一対の掛止部51fよりも下方の「下方」とは、垂直方向における下方であり、必ずしも水平方向において同じ位置である必要はない。一対の掛止部51fは、第四実施形態と同一であるが、裏面51Dから突出して垂直方向において支持体4Hに掛止される第一掛止部51f1と、第一掛止部51f1から下方に延びて上段パネル51Hの反対側から支持体4Hに掛止される第二掛止部51f2と、を有する。第一掛止部51f1は、裏面51Dから水平方向に延びて、第二掛止部51f2が第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hの上段パネル51Hとは反対側に配置される長さに形成されている。
【0126】
図39に示すように、中段パネル52Hは、基本的に第四実施形態の中段パネル52Cと同様であり、一対の突起部52hがパネル本体51aの裏面51dに固定されている点のみ、第四実施形態の中段パネル52Cと相違する。一対の突起部52hは、掛止部52fよりも下方において、裏面51dから突出している。より具体的には、一対の突起部52hは、掛止部52fよりも下方の、第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hに対応する位置に固定されており、裏面51dから水平方向に棒状に延びている。なお、掛止部52fよりも下方の「下方」とは、垂直方向における下方であり、必ずしも水平方向において同じ位置である必要はない。一対の掛止部52fは、第四実施形態と同一であるが、裏面51Dから突出して垂直方向において支持体4Hに掛止される第一掛止部52f1と、第一掛止部52f1から下方に延びて中段パネル52Hの反対側から支持体4Hに掛止される第二掛止部52f2と、を有する。第一掛止部52f1は、裏面51Dから水平方向に延びて、第二掛止部52f2が第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hの中段パネル52Hとは反対側に配置される長さに形成されている。
【0127】
また、下段パネル53Hは、基本的に第四実施形態の下段パネル53Cと同様であり、一対の突起部53hがパネル本体51aの裏面51dに固定されている点のみ、第四実施形態の下段パネル53Cと相違する。一対の突起部53hは、掛止部53fよりも下方において、裏面51dから突出している。より具体的には、一対の突起部53hは、掛止部53fよりも下方の、第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hに対応する位置に固定されており、裏面51dから水平方向に棒状に延びている。なお、掛止部53fよりも下方の「下方」とは、垂直方向における下方であり、必ずしも水平方向において同じ位置である必要はない。一対の掛止部53fは、第四実施形態と同一であるが、裏面51Dから突出して垂直方向において支持体4Hに掛止される第一掛止部53f1と、第一掛止部53f1から下方に延びて下段パネル53Hの反対側から支持体4Hに掛止される第二掛止部53f2と、を有する。第一掛止部53f1は、裏面51Dから水平方向に延びて、第二掛止部53f2が第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hの下段パネル53Hとは反対側に配置される長さに形成されている。
【0128】
図37に示すように、第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hは、基本的に第四実施形態の第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12と同様であるが、挿入孔が形成されている点のみ、第四実施形態の第一縦フレーム11及び第二縦フレーム12と相違する。第一縦フレーム11Hの上端11m及び第二縦フレーム12Hの上端12mは、上段パネル51Hの一対の掛止部51fが垂直方向に掛止される被掛止部となり、中段横フレーム14Cの中間部14eの上端14hは、中段パネル52Hの掛止部52fが垂直方向に掛止される被掛止部となり、中段横フレーム15Hの中間部15eの上端15hは、下段パネル53Hの掛止部53fが垂直方向に掛止される被掛止部となる。以下の説明では、上段パネル51Hの一対の掛止部51f、中段パネル52Hの掛止部52f、及び下段パネル53Hの掛止部53fを、単に「掛止部」ともいい、第一縦フレーム11Hの上端11m及び第二縦フレーム12Hの上端12m、中段横フレーム14Cの中間部14eの上端14h、及び中段横フレーム15Hの中間部15eの上端15hを、単に「被掛止部」ともいう。
【0129】
第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hには、上段パネル51Hの一対の突起部51hがそれぞれ挿入される挿入孔11r及び挿入孔12rと、中段パネル52Hの一対の突起部52hがそれぞれ挿入される挿入孔11s及び挿入孔12sと、下段パネル53Hの一対の突起部53hがそれぞれ挿入される挿入孔11t及び挿入孔12tと、が形成されている。挿入孔11r及び挿入孔12rは、上段パネル51Hの一対の第一掛止部51f1が第一縦フレーム11Hの上端11m及び第二縦フレーム12Hの上端12mに掛止された際に、上段パネル51Hの一対の突起部51hに対応する位置に形成されている。挿入孔11s及び挿入孔12sは、中段パネル52Hの第一掛止部52f1が中段横フレーム14Cの中間部14eの上端14hに掛止された際に、中段パネル52Hの一対の突起部52hに対応する位置に形成されている。挿入孔11t及び挿入孔12tは、下段パネル53Hの第一掛止部53f1が中段横フレーム15Hの中間部15eの上端15hに掛止された際に、下段パネル53Hの一対の突起部53hに対応する位置に形成されている。なお、挿入孔11r、挿入孔12r、挿入孔11s、挿入孔12s、挿入孔11t、及び挿入孔12tの形状は、特に限定されるものではなく、例えば、四角形、円形等とすることができる。
図37では、これらの挿入孔は、一例として、下辺が水平となる矩形(正方形)であるものとして示している。
【0130】
図40に示すように、第二掛止部51f2の垂直方向の長さは、挿入孔11r及び挿入孔12rにおける、突起部51hの上側の垂直方向の隙間の長さよりも長いことが好ましい。詳しく説明すると、第二掛止部51f2の垂直方向の長さを掛止部長さA1とし、第一縦フレーム11Hの上端11m及び第二縦フレーム12Hの上端12mから突起部51hまでの垂直方向の長さを長さC1とし、第一縦フレーム11Hの上端11m及び第二縦フレーム12Hの上端12mから挿入孔11r及び挿入孔12rまでの垂直方向の長さを長さD1とし、長さC1から長さD1を引いた長さを上側隙間長さB1とする。この場合、掛止部長さA1は、上側隙間長さB1より長いことが好ましい。
【0131】
図41に示すように、第二掛止部52f2の垂直方向の長さは、挿入孔11s及び挿入孔12sにおける、突起部52hの上側の垂直方向の隙間の長さよりも長いことが好ましい。詳しく説明すると、第二掛止部52f2の垂直方向の長さを掛止部長さA2とし、中段横フレーム14Cの中間部14eの上端14hから突起部52hまでの垂直方向の長さを長さC2とし、中段横フレーム14Cの中間部14eの上端14hから挿入孔11s及び挿入孔12sまでの垂直方向の長さを長さD2とし、長さC2から長さD2を引いた長さを上側隙間長さB2とする。この場合、掛止部長さA2は、上側隙間長さB2より長いことが好ましい。
【0132】
また、第二掛止部53f2の垂直方向の長さは、挿入孔11t及び挿入孔12tにおける、突起部53hの上側の垂直方向の隙間の長さよりも長いことが好ましい。詳しく説明すると、第二掛止部53f2の垂直方向の長さを掛止部長さA3とし、中段横フレーム15Cの中間部15eの上端15hから突起部53hまでの垂直方向の長さをC3とし、中段横フレーム15Cの中間部15eの上端15hから挿入孔11t及び挿入孔12tまでの垂直方向の長さをD3とし、長さC3から長さD3を引いた長さを上側隙間長さB3とする。この場合、掛止部長さA3は、上側隙間長さB3より長いことが好ましい。
【0133】
このように構成される壁構造では、上段横フレーム13が、締結用ネジ17により壁1に締結され、第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hが、接続用ネジ18により上段横フレーム13に接続され、中段横フレーム14C、中段横フレーム15C、及び下段横フレーム16が第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hに接続されて、支持体4Hが構成されている。このため、第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hは、上段横フレーム13、締結用ネジ17、及び接続用ネジ18を介して間接的に壁1に締結されている。そして、第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hが床2に対して突っ張るように、接続用ネジ18に対する垂直長穴11f及び垂直長穴12fの締結位置が調整されている。
【0134】
また、上段パネル51H、中段パネル52H、及び下段パネル53Hが、マグネット21(
図18参照)により支持体4Hに取り付けられている。上段パネル51Hは、第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hに対する一対の掛止部51fの引っ掛けと、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4Hに取り付けられている。中段パネル52Hは、中段横フレーム14Cに対する掛止部52fの引っ掛けと、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4Hに取り付けられている。下段パネル53Hは、中段横フレーム15Cに対する掛止部53fの引っ掛けと、マグネット21の磁力吸着とにより、支持体4Hに取り付けられている。
【0135】
このように構成される壁構造を施工する際は、まず、第一実施形態と同様に、壁1に上段横フレーム13を締結し、上段横フレーム13に第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hを接続し、第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hに中段横フレーム14C、中段横フレーム15C、及び下段横フレーム16を接続する。そして、第一縦フレーム11H、第二縦フレーム12H、上段横フレーム13、中段横フレーム14C、中段横フレーム15C、及び下段横フレーム16のそれぞれに、マグネット21を取り付ける。これにより、支持体4Hの施工が完了する。
【0136】
次に、第一実施形態と同様に、上段パネル51H、中段パネル52H、及び下段パネル53Hを支持体4Hに取り付ける。支持体4Hに対する上段パネル51Hの取り付けでは、上段パネル51Hの一対の掛止部51fを第一縦フレーム11Hの上端11m及び第二縦フレーム12Hの上端12mに引っ掛けて、上段パネル51Hの一対の突起部51hを第一縦フレーム11Hの挿入孔11r及び第二縦フレーム12Hの挿入孔12rに挿入する。そして、上段パネル51Cを支持体4Cに取り付けられたマグネット21に吸着させる。支持体4Hに対する中段パネル52Hの取り付けでは、中段パネル52Hの掛止部52fを中段横フレーム14Cの中間部14eに引っ掛けて、中段パネル52Hの一対の突起部52hを第一縦フレーム11Hの挿入孔11s及び第二縦フレーム12Hの挿入孔12sに挿入する。そして、中段パネル52Hを支持体4Hに取り付けられたマグネット21に吸着させる。支持体4Hに対する下段パネル53Hの取り付けでは、下段パネル53Hの掛止部53fを中段横フレーム15Cの中間部15eに引っ掛けて、下段パネル53Hの一対の突起部53hを第一縦フレーム11Hの挿入孔11t及び第二縦フレーム12Hの挿入孔12tに挿入する。そして、下段パネル53Hを支持体4Hに取り付けられたマグネット21に吸着させる。これにより、壁1に上段パネル51H、中段パネル52H、及び下段パネル53Hからなるパネルセットが取り付けられた状態となる。
【0137】
なお、上段パネル51H、中段パネル52H、及び下段パネル53Hは、支持体4Hに掛止されていなくても、マグネット21の磁力によって支持体4Hに吸着された状態となる可能性がある。そこで、マグネット21は、上段パネル51Hの一対の突起部51hが、挿入孔11r及び挿入孔12rに挿入されずに、第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hの表面に当接されている場合に、マグネット21の磁力によって上段パネル51Hが支持体4Hに吸着されない程度の磁力を有していてもよい。また、マグネット21は、中段パネル52Hの一対の突起部52hが、挿入孔11s及び挿入孔12sに挿入されずに、第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hの表面に当接されている場合に、マグネット21の磁力によって中段パネル52Hが支持体4Hに吸着されない程度の磁力を有していてもよい。また、マグネット21は、下段パネル53Hの一対の突起部53hが、挿入孔11t及び挿入孔12tに挿入されずに、第一縦フレーム11H及び第二縦フレーム12Hの表面に当接されている場合に、マグネット21の磁力によって下段パネル53Hが支持体4Hに吸着されない程度の磁力を有していてもよい。
【0138】
このように、本実施形態では、上段パネル51Hの一対の掛止部51f、中段パネル52Hの掛止部52f、及び下段パネル53Hの掛止部53fを、第一縦フレーム11Hの上端11m及び第二縦フレーム12Hの上端12m、中段横フレーム14Cの中間部14eの上端14h、及び中段横フレーム15Hの中間部15eの上端15hに掛止することで、上段パネル51H、中段パネル52H、及び下段パネル53Hを支持体4Hに設置することができる。
【0139】
ここで、作業者がぶつかる等して上段パネル51Hに上向きの力が作用すると、上段パネル51Hが跳ね上がって、掛止部である上段パネル51Hの一対の掛止部51fが、被掛止部である第一縦フレーム11Hの上端11m及び第二縦フレーム12Hの上端12mから外れる可能性がある。しかしながら、上段パネル51Hの一対の突起部51hが、支持体4Hの挿入孔11r及び挿入孔12rに挿入されるため、作業者がぶつかる等して上段パネル51Hに上向きの力が作用しても、上段パネル51Hの上方への移動が規制される。これにより、上段パネル51Hの跳ね上がりが抑制されるため、被掛止部である第一縦フレーム11Hの上端11m及び第二縦フレーム12Hの上端12mから、掛止部である上段パネル51Hの一対の掛止部51fが外れるのを抑制することができる。これは、中段パネル52H及び下段パネル53Hでも同様である。
【0140】
また、上段パネル51Hの一対の掛止部51fを第一縦フレーム11Hの上端11m及び第二縦フレーム12Hの上端12mに掛止すると、第一掛止部51f1が第一縦フレーム11Hの上端11m及び第二縦フレーム12Hの上端12mに載置されて、第二掛止部51f22が上段パネル51Hの反対側から支持体4Hに掛止される。そして、
図42に示すように、第二掛止部51f2の垂直方向の長さが、挿入孔11r及び挿入孔12rにおける一対の突起部51hの上側の垂直方向の隙間の長さよりも長いため、作業者がぶつかる等して上段パネル51Hに上向きの力が作用しても、第一縦フレーム11Hの上端11m及び第二縦フレーム12Hの上端12mから一対の掛止部51fが外れるのを抑制することができる。つまり、上段パネル51Hが上側隙間長さB1しか上方に移動できないのに対し、掛止部長さA1が上側隙間長さB1よりも長いため、作業者がぶつかる等して上段パネル51Hに上向きの力が作用しても、第一縦フレーム11Hの上端11m及び第二縦フレーム12Hの上端12mから上段パネル51Hの一対の掛止部51fが外れるのを抑制することができる。これは、
図43に示すように、中段パネル52H及び下段パネル53Hでも同様である。
【0141】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0142】
例えば、上記実施形態では、第一縦フレーム及び第二縦フレームのそれぞれの水平断面は、コ字状に形成されるものとして説明したが、例えば、
図32に示す壁構造の支持体4Dのように、第一縦フレーム11D及び第二縦フレームに凹部を形成し、この凹部から壁1に向かって接続用ネジ18をねじ込むようにしてもよい。これにより、第一縦フレーム11D及び第二縦フレームから接続用ネジ18が突出するのを抑制しつつ、接続用ネジ18の締結作業性を向上することができる。
【0143】
また、上記実施形態では、第一縦フレーム及び第二縦フレームは、上段横フレームを介して間接的に壁に締結されるものとして説明したが、例えば、
図33に示す壁構造の支持体4Eのように、第一縦フレーム11E及び第二縦フレーム12Eが、締結用ネジ17により直接的に壁1に締結されるものとしてもよい。この場合、第一縦フレーム11E及び第二縦フレーム12Eの上部に、締結用ネジ17が挿入される、垂直方向に長い垂直長穴を形成する。これにより、第一縦フレーム11E及び第二縦フレーム12Eを壁1に締結することができるとともに、第一縦フレーム11E及び第二縦フレーム12Eを床2に対して突っ張らせることができる。また、上段横フレーム13の代わりに、下段横フレーム16と同形状の上段横フレーム13Eを用いてもよい。
【0144】
また、上記実施形態では、第一縦フレーム及び第二縦フレームに垂直長穴を形成することで、第一縦フレーム及び第二縦フレームを床に対して突っ張らせるものとして説明したが、例えば、
図34に示す壁構造の支持体4Fのように、第一縦フレーム11F及び第二縦フレーム12Fの下端に伸縮可能な支持脚11n及び支持脚12nを取り付けてもよい。この場合、第一縦フレーム11F及び第二縦フレーム12Fを上段横フレーム13に接続した後、支持脚11n及び支持脚12nを伸張させることにより、第一縦フレーム11F及び第二縦フレーム12Fを床2に対して突っ張らせることができる。また、上段横フレーム13の代わりに、下段横フレーム16と同形状の上段横フレーム13Fを用いてもよい。
【0145】
また、上記実施形態では、第一縦フレーム及び第二縦フレームの下端部に、巾木3に対応する切欠きが形成されているものとして説明したが、
図34に示すように巾木が無い場合や、第一縦フレーム及び第二縦フレームの設置に巾木が問題とならない場合は、このような切欠きを形成しなくてもよい。
【0146】
また、上記実施形態では、第一縦フレーム及び第二縦フレームは、床に直接突っ張るものとして説明したが、巾木等の他部材を介して床に間接的に突っ張るものとしてもよい。
【0147】
また、上記実施形態では、縦フレームとして、第一縦フレーム及び第二縦フレームを用いるものとして説明したが、例えば、
図35に示す壁構造の支持体4Gのように、1本の縦フレーム11Gのみで構成されていてもよい。
図35に示す支持体4Gでは、縦フレーム11Gの上部に、締結用ネジ17が挿入される、垂直方向に長い垂直長穴11pが形成されている。このため、垂直長穴11pから締結用ネジ17を壁1にねじ込むことで、縦フレーム11Gを壁1に締結することができ、垂直長穴11pに対する締結用ネジ17の締結位置を調整することで、縦フレーム11Gを床2に対して突っ張らせることができる。縦フレーム11Gに対するパネル5の取り付けは、例えば、磁力吸着や接着等により行うことができる。
【0148】
また、上記実施形態では、支持体に複数のパネルが取り付けられるものとして説明したが、例えば、支持体に1枚のパネルのみが取り付けられるものとしてもよい。
【0149】
また、上記実施形態では、フレームの全部又は一部が磁力により吸着される強磁性体又はマグネットにより構成されていてもよいものとして説明したが、縦フレームのみ又は縦フレームの一部のみがマグネットにより構成されている形態としてもよい。これにより、低コストでパネルを安定に固定でき、また、パネルの固定位置を調整しやすくなる。
【0150】
また、上記実施形態では、横フレーム及び縦フレームは、パネルを掛止するための切欠きとして、平板状の掛止部が挿入されるスリットを有するものとして説明したが、スリットの代わりに、フック状の掛止部が挿入される大きな開口を有するものとしてもよい。
【0151】
また、上記実施形態では、上段横フレームにスリット等の切欠きが形成されていないものとして説明したが、上段横フレームに、中段横フレームに形成されたスリット等の切欠きが形成されていてもよい。これにより、パネルを上段横フレームにも掛止することができる。
【0152】
また、上記実施形態では、横フレームに接続用ネジ穴が形成され、縦フレームに垂直長穴が形成されるものとして説明したが、縦フレームに接続用ネジ穴が形成され、横フレームに垂直長穴が形成されるものとしてもよい。
【0153】
また、上記実施形態では、複数のネジ穴7は、壁1の上部の所定高さ位置において、等間隔で水平方向に一列に配置されているものとして説明したが、複数のネジ穴7は、等間隔でなくてもよく、また、等間隔以外の一定の規則性又は周期性を持って配置されていてもよい。
【0154】
また、上記実施形態では、壁に形成されたネジ穴に締結用ネジをねじ込むことにより、縦フレームを壁に締結するものとして説明したが、壁にネジ穴が形成されていない場合や、締結したい位置にネジ穴が形成されていない場合は、壁自体に締結用ネジをねじ込むことにより縦フレームを壁に締結してもよい。
【0155】
また、上記実施形態では、パネルのパネル本体は、全面が覆われた箱状に形成されているものとして説明したが、例えば、
図36に示すパネル5Aのように、裏面5d側が開放された形状のものであってもよい。
図36に示すパネル5Aは、パネル本体5aと、パネル本体5aの裏面5dに固定されてパネル5Aを支持体に掛止するための掛止部5bと、を備えている。そして、パネル本体5aは、1枚の鋼板の両端部を表面5c側から裏面5d側に折り込むことにより、裏面5d側及び上下面側が開放された形状に形成されている。なお、パネル本体5aは、1枚の鋼板の四方を表面5c側から裏面5d側に折り込むことにより、裏面5d側のみが開放された形状に形成されていてもよい。
【0156】
また、上記実施形態では、マグネットの吸着によっても支持体にパネルを取り付けるものとして説明したが、マグネットを備えずに(マグネットの吸着によらずに)、支持体にパネルを取り付けるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0157】
1…壁、2…床、3…巾木、4,4A,4B,4C,4D,4E,4F,4G,4H…支持体、5,5A…パネル、5a…パネル本体、5b…掛止部、5c…表面、5d…裏面、6…パネルセット、7…ネジ穴、8…アンカ、9…ネジ穴、11,11a,11D,11E,11F…第一縦フレーム(縦フレーム)、11G…縦フレーム、11a…切欠き、11b…接地部、11c,11d…第一縦フレーム分割体、11e…締結部材、11f…垂直長穴(突っ張り機構)、11g,11h,11i…ネジ穴、11j,11k…スリット(切欠き)、11m…上端(被掛止部)、11n…支持脚、11r,11s,11t…挿入孔、12,12a,12E,12F…第二縦フレーム(縦フレーム)、12a…切欠き、12b…接地部、12c,12d…第二縦フレーム分割体、12e…締結部材、12f…垂直長穴(突っ張り機構)、12g,12h,12i…ネジ穴、12j,12k…スリット(切欠き)、12m…上端(被掛止部)、12n…支持脚、12r,12s,12t…挿入孔、13,13E,13F…上段横フレーム(締結機構、突っ張り機構、横フレーム)、13a…第一接続部、13b…第二接続部、13c…第一締結部、13d…第二締結部、13e…中間部、13f,13g…水平長穴、13h…接続用ネジ穴、14,14B,14C…中段横フレーム、14a…第一接続部、14b…第二接続部、14c…第一当接部、14d…第二当接部、14e…中間部、14f…貫通穴、14g…スリット(切欠き)、14h…上端(被掛止部)、15,15B,15C…中段横フレーム、15a…第一接続部、15b…第二接続部、15c…第一当接部、15d…第二当接部、15e…中間部、15f…貫通穴、15g…スリット(切欠き)、15h…上端(被掛止部)、16…下段横フレーム、16a…第一接続部、16b…第二接続部、16c…第一当接部、16d…第二当接部、16e…中間部、16f…貫通穴、17…締結用ネジ(締結機構、突っ張り機構)、18…接続用ネジ(締結機構、突っ張り機構)、19a,19b、19c…接続用ネジ、21…マグネット、30…マグネット吸着棚、31…背板、32…側板、33…マグネット、34,35,36,37…分割体、51,51C,51H…上段パネル(パネル)、51a…パネル本体、51b…掛止部、51c…表面、51d…裏面、51f…掛止部、51f1…第一掛止部、51f2…第二掛止部、51h…突起部、52,52A,52B,52C,52H…中段パネル(パネル)、52a…パネル本体、52b…掛止部、52c…表面、52d…裏面、52e…掛止部、52f…掛止部、52f1…第一掛止部、52f2…第二掛止部、52h…突起部、53,53A,53B,53C,53H…下段パネル(パネル)、53a…パネル本体、53b…掛止部、53c…表面、53d…裏面、53e…掛止部、53f…掛止部、53f1…第一掛止部、53f2…第二掛止部、53h…突起部。