(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】電子機器、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241002BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02J7/00 302A
H02J7/10 L
(21)【出願番号】P 2020093675
(22)【出願日】2020-05-28
【審査請求日】2023-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 祥
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-124782(JP,A)
【文献】特開2003-009403(JP,A)
【文献】特開2016-168634(JP,A)
【文献】特開2014-082135(JP,A)
【文献】特開2007-282471(JP,A)
【文献】特開2013-059196(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0172770(US,A1)
【文献】特開2005-341775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池と通信する通信手段と、
前記電池の識別情報を記憶する記憶手段と、
前記通信手段により前記電池から受信した前記電池の識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致する場合に、第1の制御を行う制御手段と、
前記第1の制御を開始した後に、前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができるか否かを判定する判定手段とを有
し、
前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができないと判定された場合、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を削除し、また、前記第1の制御を、前記第1の制御とは異なる第2の制御に変更することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができると判定された場合、前記制御手段は、前記第1の制御を継続することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第2の制御は、前記第1の制御よりも制限の多い制御であることを特徴とする請求項
1または
2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第2の制御は、前記電子機器の動作を禁止する動作禁止電圧の設定値を上げる、前記電子機器の動作電流値を下げる、前記電子機器の動作制限を行う温度設定値を変更する、前記電子機器の動作制限に使用する温度検出部を変更する、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項
3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第2の制御に変更する場合、前記制御手段は、前記電子機器の動作を停止させず、表示手段の表示を更新してユーザに通知することを特徴とする請求項
1から
4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができないと判定された場合、前記制御手段は、
前記電子機器を使用するか否かをユーザに確認するための表示を表示手段に出力する、警告音を鳴らす、
前記電子機器の動作を制限する、のうちの少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項
1から
4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
電池と通信する通信手段と、
前記電池の識別情報を記憶する記憶手段と、
前記通信手段により前記電池から受信した前記電池の識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致する場合に、第1の制御を行う制御手段と、
前記第1の制御を開始した後に、前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができるか否かを判定する判定手段とを有し、
前記電池から受信した識別情報が前記記憶手段に記憶されている識別情報と一致しない場合、前記判定手段は、前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができるか否かを判定し、当該判定により正しい通信を行うことができると判定された場合、前記制御手段は、前記電池から受信した識別情報を、前記記憶手段に記憶させることを特徴とす
る電子機器。
【請求項8】
前記電池から受信した識別情報が前記記憶手段に記憶されている識別情報と一致しない場合に行われる前記判定手段の前記判定により、前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができると判定された場合、前記制御手段は、前記第1の制御を行い、
前記電池から受信した識別情報が前記記憶手段に記憶されている識別情報と一致しない場合に行われる前記判定手段の前記判定により、前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができないと判定された場合、前記制御手段は、ユーザに対し前記電池を使用するか否かの問い合わせを行い、前記問い合わせに対して前記電池の使用が希望された場合、前記第1の制御よりも制限の多い制御である第2の制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記第1の制御を開始した後に行われる前記判定手段の前記判定により前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができないと判定された場合、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を削除し、また、前記第1の制御を、前記第1の制御よりも制限の多い制御である第2の制御に変更することを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項10】
前記判定手段は、電池認証処理を行うことにより、前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができるか否かを判定することを特徴とする請求項1から
9のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記判定手段は、所定の暗号コードを前記通信手段を介して前記電池に送信し、前記電池からの応答信号が正しい内容か否かを判定することを特徴とする請求項
10に記載の電子機器。
【請求項12】
正極端子と、
負極端子と、
通信端子とを有し、
前記電池からの電力が前記正極端子と前記負極端子とを介して受け取られ、
前記電子機器は前記電池から受けた電力により動作し、
前記通信手段は前記通信端子を介して前記電池と通信することを特徴とする請求項1から
11のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項13】
前記電子機器は、撮像装置に装着可能なストロボであることを特徴とする請求項1から
12のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項14】
電池と通信する通信手段と、前記電池の識別情報を記憶する記憶手段とを有する電子機器の制御方法であって、
前記通信手段により前記電池から受信した前記電池の識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致する場合に、第1の制御を行う
制御ステップと、
前記第1の制御を開始した後に、前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができるか否かを判定する
判定ステップとを有
し、
前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができないと判定された場合、前記制御ステップでは、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を削除し、また、前記第1の制御を、前記第1の制御とは異なる第2の制御に変更することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
電池と通信する通信手段と、前記電池の識別情報を記憶する記憶手段とを有する電子機器のコンピュータに、
前記通信手段により前記電池から受信した前記電池の識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致する場合に、第1の制御を行う
制御ステップと、
前記第1の制御を開始した後に、前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができるか否かを判定する
判定ステップとを実行させ
、
前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができないと判定された場合、前記制御ステップにおいて、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を削除し、また、前記第1の制御を、前記第1の制御とは異なる第2の制御に変更させるためのプログラム。
【請求項16】
電池と通信する通信手段と、前記電池の識別情報を記憶する記憶手段とを有する電子機器の制御方法であって、
前記通信手段により前記電池から受信した前記電池の識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致する場合に、第1の制御を行う制御ステップと、
前記第1の制御を開始した後に、前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができるか否かを判定する判定ステップとを有し、
前記電池から受信した識別情報が前記記憶手段に記憶されている識別情報と一致しない場合、前記判定ステップでは、前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができるか否かを判定し、当該判定により正しい通信を行うことができると判定された場合、前記制御ステップでは、前記電池から受信した識別情報を、前記記憶手段に記憶させることを特徴とする制御方法。
【請求項17】
電池と通信する通信手段と、前記電池の識別情報を記憶する記憶手段とを有する電子機器のコンピュータに、
前記通信手段により前記電池から受信した前記電池の識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致する場合に、第1の制御を行う制御ステップと、
前記第1の制御を開始した後に、前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができるか否かを判定する判定ステップとを実行させ、
前記電池から受信した識別情報が前記記憶手段に記憶されている識別情報と一致しない場合、前記判定ステップにおいて、前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができるか否かを判定させ、当該判定により正しい通信を行うことができると判定された場合、前記制御ステップにおいて、前記電池から受信した識別情報を、前記記憶手段に記憶させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池と通信可能な電子機器およびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電池と通信可能であり、電池の種別に応じた制御を行う電子機器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、電池を使い続けたのち、何らかの不具合で電池と所定の通信ができなくなってしまうことが考えられる。そのような場合、電子機器の制御に必要な電池の情報を取得することができなくなり、電子機器または電池を適切に制御できなくなる可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、電池の識別情報に基づいて動作を開始する電子機器であっても、電池から必要な情報を取得できたか否かに応じた制御を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、電池と通信する通信手段と、前記電池の識別情報を記憶する記憶手段と、前記通信手段により前記電池から受信した前記電池の識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致する場合に、第1の制御を行う制御手段と、前記第1の制御を開始した後に、前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができるか否かを判定する判定手段とを有し、前記通信手段が前記電池と正しい通信を行うことができないと判定された場合、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を削除し、また、前記第1の制御を、前記第1の制御とは異なる第2の制御に変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電池の識別情報に基づいて動作を開始する電子機器であっても、電池から必要な情報を取得できたか否かに応じた制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態1におけるストロボ300の構成要素を説明するための側断面図である。
【
図2】実施形態1におけるストロボ300の構成要素を説明するためのブロック図である。
【
図3】実施形態1における電池301の構成要素を説明するためのブロック図である。
【
図4】電池301の識別情報の記憶動作を説明するためのフローチャートである。
【
図5】電池301の状態表示の例を説明するための図である。
【
図6】通信不能電池などの表示の例を説明するための図である。
【
図7】実施形態1におけるストロボ300の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図8】実施形態2におけるストロボ300の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図9】実施形態3におけるストロボ300の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明の実施形態は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
[実施形態1]
図1は、実施形態1における電子機器の一例であるストロボ300の構成要素を説明するための側断面図であり、
図2は、ストロボ300の構成要素を説明するための図である。ストロボ300は、撮像装置に着脱可能である。なお、
図1、
図2において同一機能部分には、同じ符号を付している。
【0011】
まず、ストロボ300の構成要素について説明する。ストロボ300は、撮像装置に着脱可能に接続される本体部300aと、本体部300aに対して上下方向および左右方向に回動可能に保持される可動部300bとを有する。
【0012】
制御プロセッサ310は、ストロボ300の構成要素を制御する。制御プロセッサ310は、例えばCPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマー回路、EEPROM、A/Dコンバータ、D/Aコンバータなどを含むワンチップICを有する。制御プロセッサ310内のEEPROMには、後述する電池301の電池ID(電池301の識別情報に相当する)を記憶しておく。記憶動作の手順については、
図4を参照して後述する。
【0013】
インターフェース回路3000は、撮像装置の制御プロセッサと端子130を介して通信を行う。ストロボ300の外部に接続される電池301は、ストロボ300の電源(VBAT)として機能する。
【0014】
図3は、電池301の構成要素を説明するための図である。
図3を参照し、電池301の構成要素を説明する。
【0015】
電池301は、通信機能を有する電池であり、電池セル301aと、過放電などの監視を行なう保護回路と、制御プロセッサ301bとを有する。
【0016】
制御プロセッサ301bは、ワンチップマイクロコンピュータを有し、制御プロセッサ301bの中には通信機能部と、電池301の電池残量を監視する残量検出部とが存在する。制御プロセッサ301bは、各種の電池情報を取得して記録し、それを通信データ化してストロボ300の制御プロセッサ310へ送信する。さらに、制御プロセッサ301bは、認証IC301cと連携し、制御プロセッサ310に電池認証用の暗号化情報を送信する。制御プロセッサ310は、この暗号化情報を用いて電池認証処理を行う。温度検出部301dは、電池301の温度を検出し、検出された温度を示す温度情報を制御プロセッサ301bに通知する。
【0017】
電池301の外装には、電池セル301aの正極に接続される端子301f、電池セル301aの負極に接続される端子301hを有するコネクタ301eが配置されている。コネクタ301eは、さらに制御プロセッサ301bの通信ポートと接続される通信端子301gを有する。これらの端子に対応するストロボ300側のコネクタの各端子は、ストロボ300の制御プロセッサ310に接続され、各端子を介して電池301からの電力供給と通信とが行われる。
【0018】
端子温度検出部399は、電池301の近傍に配置されたコネクタ301eの温度を検出し、検出された温度を制御プロセッサ310に通知する。
【0019】
図2、
図3に示される蓄電部302は、昇圧部302a、電圧検出に用いる抵抗302b,302c、メインコンデンサ302dを有する。蓄電部302は、電池301の電圧を昇圧部302aで数百Vに昇圧してメインコンデンサ302dを充電し、発光のための電気エネルギーとして蓄える。昇圧部302aは、制御プロセッサ310からの制御信号(FETのON時間を指示する信号)により電池301からの電流を変更することが可能である。メインコンデンサ302dの充電電圧は、抵抗302b,302cにより分圧され、分圧された電圧は制御プロセッサ310のA/D変換端子に入力される。
【0020】
トリガー回路303は、放電管305を励起させるためのパルス電圧を放電管305に印加する。発光制御回路304は、放電管305の発光の開始および停止を制御する。放電管305は、トリガー回路303から印加される数KVのパルス電圧を受け、励起されてメインコンデンサ302dに充電された電気エネルギーを放出し、発光する。
【0021】
積分回路309は、フォトダイオード314の受光電流を積分し、その出力がコンパレータ315の反転入力端子と制御プロセッサ310のA/Dコンバータ端子に入力される。コンパレータ315の非反転入力端子は、制御プロセッサ310内のD/Aコンバータ端子に接続され、コンパレータ315の出力端子はANDゲート311の入力端子に接続される。ANDゲート311のもう一方の入力端子には、制御プロセッサ310の発光制御端子(FL_START)が接続され、ANDゲート311の出力は発光制御回路304に入力される。なお、フォトダイオード314は、放電管305から発せられる光を受光するセンサーであり、直接またはグラスファイバーなどを介して放電管305から発せられる光を受光する。
【0022】
反射傘306は、放電管305から発せられる光を反射させて所定の方向へ導く。光学パネルなどを含むズーム光学系307は、放電管305との相対位置を変更可能に保持されており、放電管305とズーム光学系307との相対位置を変更することにより、ストロボ300のガイドナンバーおよび照射範囲を変化させることができる。
【0023】
ストロボ300の発光部は、放電管305、反射傘306、ズーム光学系307を有する。ストロボ300の発光部の照射範囲はズーム光学系307の移動により変化し、ストロボ300の発光部の照射方向は可動部300bの回動により変化する。
【0024】
入力部312は、電源スイッチ、ストロボ300の動作モードを設定するモード設定スイッチ、各種パラメータを設定する設定ボタンなどの操作部を含んでおり、制御プロセッサ310は、入力部312への入力に応じて各種処理を実行する。ストロボ300の調光補正の設定を変更するための操作部も入力部312に含まれる。表示部313は、ストロボ300の各状態を表示する。調光範囲の下限を下回った場合の警告表示を行うためのLEDもこの表示部313に含まれる。
【0025】
ズーム駆動回路330は、放電管305とズーム光学系307の相対位置に関する情報をエンコーダなどにより検出するズーム検出部330aと、ズーム光学系307を移動させるためのモーターを含むズーム駆動部330bとを有する。ズーム光学系307の駆動量は、レンズユニットの制御プロセッサから出力される焦点距離情報を撮像装置の制御プロセッサを介して制御プロセッサ310が取得し、その焦点距離情報に基づいて制御プロセッサ310が計算することにより決定される。または、入力部312によりユーザから指定された位置となるように、制御プロセッサ310がズーム光学系307を駆動する。
【0026】
無線ユニット370は、ワイヤレス通信によりストロボ300を制御する。ワイドパネル380は、発光部の照射方向前方に配置され、発光部の照射範囲を拡大させる光学部材である。ワイドパネル380は、発光部300bから手動で引き出して使用される。バウンスアダプタ390は、発光部の照射方向前方の位置にかぶせられ、発光部の照射範囲を拡大させる光学部材である。なお、ワイドパネル380は正面の発光を拡散させるが、バウンスアダプタ390は上下左右に拡散させ、正面に強い光が照射されない。
【0027】
通信ラインSCは、ストロボ300と撮像装置とを接続する通信ラインである。例えば、撮像装置とストロボ300は、データの交換、コマンドの送信などを通信ラインSCを介して相互に行う。
【0028】
通信ラインSCの一例として、
図2の端子130に3端子式のシリアル通信の例を示す。端子130は、インターフェース回路1001を介して撮像装置の制御プロセッサに接続される。端子130は、撮像装置とストロボ300の通信の同期をとるためのSCLK_S端子、撮像装置からストロボ300にデータを送信するMOSI_S端子、ストロボ300から撮像装置にデータを送信するMISO_S端子を含む。端子130は、アクセサリシューなどのような、ストロボ300などのアクセサリを撮像装置に接続するための端子である。端子130は、撮像装置とストロボ300とをつなぐGND端子も含む。
【0029】
撮像装置の制御プロセッサから制御プロセッサ310にデータを送信する場合は、SCLK_S端子の8ビットのクロックに同期してMOSI_S端子に入力する各ビットを0,1とすることでデータをシリアルで送信する。また、制御プロセッサ310から撮像装置の制御プロセッサにデータを送信する場合は、SCLK_S端子の8ビットのクロックに同期してMISO_S端子から出力する各ビットを0,1とすることでデータをシリアルで送信する。8ビット(1バイト)通信で、SCLK_S信号の立ち上がりのタイミングで信号の読み書きを行っている。そして、この8ビット通信を、コマンド、コマンドデータ、データと繰り返して行う。
【0030】
図4は、電池301の電池ID(電池301の識別情報に相当する)をストロボ300に記憶させる動作を説明するためのフローチャートである。本フローチャートの動作は、電池301がストロボ300に接続されて、制御プロセッサ310が起動されると開始される。ステップS401には後述する
図7のフローチャートのステップS111から移行してくるのであるが、ここでは電池301の識別情報をストロボ300に記憶させる動作の説明を行うことを目的とするため、ステップS401を開始点とする。
【0031】
ステップS401では、制御プロセッサ310は、制御プロセッサ301bとの通信を試みる。このとき、制御プロセッサ310は、制御プロセッサ301bに対し、電池301の型名、識別情報などを送信する要求を送信する。
【0032】
ステップS402では、制御プロセッサ310は、電池301が通信可能な電池か否かを判定する。例えば、制御プロセッサ310が制御プロセッサ301bにステップS101で要求した情報に対し、制御プロセッサ301bから応答信号が返信されるか否かと適正な返信データが送られてきたか否かとに基づいて判定する。適正な返信データが送られてきた場合は、ステップS403に移行し、応答信号がなかった場合または返信データが適正でない場合は、ステップS411に移行する。
【0033】
ステップS403、ステップS404では、制御プロセッサ310は、電池認証処理を行い、電池301が正しい通信を行うことができる電池であるか否かを判定する。所定の暗号コードを制御プロセッサ310から送信し、制御プロセッサ301bからの応答信号が正しい内容であるか否かを判定する。正しい内容であった場合、ステップS405に移行する。正しい内容でなかった場合はステップS411に移行する。
【0034】
ステップS405では、制御プロセッサ310は、電池情報表示、制御のために必要な情報である電池301の電池残量、劣化度、温度などの情報を制御プロセッサ301bに送信するよう要求する。制御プロセッサ301bは、制御プロセッサ310に要求された情報を返信する。なお、ステップS405では、情報の通信のみを行い、実際の表示はステップS408で行う。
【0035】
ステップS406では、制御プロセッサ310は、ステップS405で取得した電池301の温度情報に基づいて、制御に使用する温度検出部とストロボ300の動作条件を設定する。ここでは、制限の少ない第1の制御条件に設定する。
【0036】
ここで、ストロボ300の動作条件について簡単に説明しておく。電池301が通信可能であって正しい通信を行うことができる電池である場合の制御条件を制限の少ない第1の制御条件とし、電池301が通信不能な電池または正しい通信ができない電池である場合の制御条件を制限の多い第2の制御条件とする。ここで、第2の制御条件は、例えば、第1の制御条件に対して、電子機器の動作を禁止する動作禁止電圧の設定値を上げる、電子機器の動作電流値を下げる、電子機器の動作制限を行う温度設定値を変更する、電子機器の動作制限に使用する温度検出部を変更する、のうちの少なくとも1つを行った制御条件である。
【0037】
ステップS407では、制御プロセッサ310は、ステップS401で取得した電池301の識別情報を、制御プロセッサ310内のEEPROMに記憶する。
【0038】
ステップS408では、制御プロセッサ310は、ステップS406で決定した第1の制御条件によりストロボ300の制御を開始する。また、ここでは、制御プロセッサ310は、ステップS405において受信した電池情報に基づいて、電池301の電池残量を表示部313に表示させる。また、ストロボ300の表示部313が詳細な電池情報を表示することが可能な場合は、電池情報表示画面において電池301の電池残量の他、劣化度などの電池情報を表示部313に表示させる。
【0039】
図5は、電池情報の表示例を説明するための図である。
図5(a)は、電池301が通信が可能であって正しい通信が行える電池であると判定された場合における、表示画面の例を示している。電池301との通信により得られた電池残量情報に基づいて、制御プロセッサ310は画面右上に電池アイコン801を表示する。
図5(b)は、ストロボ300が詳細な電池情報を表示することが可能な場合の表示画面の例を示している。電池301の電池残量の%での表示802の他、劣化度803などを表示している。
【0040】
一方、ステップS402で電池301が通信可能ではない電池であると判定された場合、または、ステップS404で電池301からの応答が正しい内容でなかった場合、ステップS411において、制御プロセッサ310は、
図6に示すような画面を表示する。すなわち、「バッテリーと通信できません」とユーザに告知表示を行なうとともに、「このバッテリーを使用しますか?」とユーザに問いかけ、ユーザから、「YES」または「NO」の入力をさせるようにする(ユーザに確認する)。
【0041】
ステップS412では、制御プロセッサ310は、ユーザの入力結果が使用希望であるか、使用希望でないかを判定する。使用希望であった場合はステップS413に移行し(ステップS412でYES)、使用希望でない場合はステップS414に移行する(ステップS412でNO)。
【0042】
ステップS413では、制御プロセッサ310は、端子温度検出部399の出力に基づいて、ストロボ300の制御を行う。ここでは、制限の多い第2の制御条件で制御を行う。ステップS413で制御条件を設定した後は、ステップS408に移行し、制御プロセッサ310は、設定した制御条件によりストロボ300の制御を開始する。
【0043】
ステップS413を経由してステップS408に移行した場合の電池情報の表示例を
図5(c)に示す。電池301が通信可能な電池ではない、または、電池301が正しい通信ができない電池であると判定されたため、制御プロセッサ310は電池301の電池残量を表示することができず、電池アイコンは「空」の表示804となる。
図5(d)はステップS413を経由してステップS408に移行した場合の電池情報表示画面の例を示している。電池情報を取得することができない、または、通信が正しくないため、「バッテリーと通信できません」と表示させることによりその旨をユーザに知らせる。
【0044】
ステップS412で制御プロセッサ310がユーザの入力結果を判定した結果、ユーザが使用を希望しなかった(ステップS412でNOを選択)場合は、ステップS414に移行し制御プロセッサ310はシャットダウン処理を行う。
【0045】
以上、制御プロセッサ310が電池301の識別情報を記憶する動作について説明した。
【0046】
次に、
図7は、実施形態1におけるストロボ300の動作を説明するためのフローチャートである。
図7を参照して、ストロボ300の動作について説明する。本フローチャートの動作は、電池301がストロボ300に接続されて、制御プロセッサ310が起動されると開始される。
【0047】
ステップS101では、制御プロセッサ310は、制御プロセッサ301bとの通信を試みる。このとき、制御プロセッサ310は、制御プロセッサ301bに対し、電池301の型名、識別情報などを送信する要求を送信する。
【0048】
ステップS102では、制御プロセッサ310は、電池301が通信可能な電池か否かを判定する。例えば、制御プロセッサ310が制御プロセッサ301bにステップS101で要求した情報に対し、制御プロセッサ301bから応答信号が送信されるか否か、または適正な返信データが送信されるか否かにより判定する。適正な返信データが送信された場合は、ステップS103に移行し、適正な返信データが送信されなかった場合は、ステップS111に移行する。ステップS111に移行した後は、前述の
図4のステップS401に移行する。ステップS401以降の動作については前述のとおりである。ステップS103、ステップS104の分岐でもステップS111に移行することがあるが、ステップS102の場合と同様であるため、移行後の説明は省略する。
【0049】
ステップS103では、制御プロセッサ310は、制御プロセッサ310内のEEPROMに電池301の識別情報を1つ以上記憶しているか否かを判定する。記憶している場合は、ステップS104に移行し、記憶していない場合はステップS111に移行する。
【0050】
ステップS104では、制御プロセッサ310は、ステップS101で受信した電池301の電池IDとEEPROM内に記憶している電池301の電池IDとを比較する。記憶している電池301の識別情報の中にステップS101で受信した電池301の識別情報と一致するものがあった場合、ステップS105に移行する。なかった場合はステップS111に移行する。
【0051】
ステップS105では、制御プロセッサ310は、電池情報表示、制御のために必要な情報である電池301の電池残量、劣化度、温度などの情報を制御プロセッサ301bに送信するよう要求する。制御プロセッサ301bは、制御プロセッサ310に要求された情報を返信する。なお、ステップS105では、情報の通信のみを行い、実際の表示はステップS107で行う。また、ここで制御プロセッサ310は、端子温度検出部399の出力も併せて取得する。
【0052】
ステップS106では、制御プロセッサ310はストロボ300の制御条件を制限の少ない第1の制御条件とし、ステップS105で取得した電池温度情報に基づいて、制御に使用する動作条件を設定する。
【0053】
ステップS107では、制御プロセッサ310は、ステップS106で決定した第1の制御条件によりストロボ300の制御を開始する。また、ここでは、制御プロセッサ310は、ステップS105において受信した電池情報に基づいて、電池301の電池残量を表示部313に表示させる。また、ストロボ300の表示部313が詳細な電池情報を表示することが可能な場合は、電池情報表示画面において電池301の電池残量の他、劣化度などの電池情報を表示部313に表示させる。
【0054】
図5は、電池情報の表示例を説明するための図である。
図5(a)は、電池301が通信可能な電池であって正しい通信が行える電池であると判定された場合における、表示画面の例を示している。電池301との通信により得られた電池残量情報に基づいて、制御プロセッサ310は画面右上に電池アイコン801を表示する。
図5(b)は、ストロボ300が詳細な電池情報を表示することが可能な場合の表示画面の例を示している。電池301の電池残量の%での表示802の他、劣化度803などを表示している。
【0055】
ステップS108、ステップS109では、制御プロセッサ310は、電池認証処理を行い、電池301が正しい通信を行うことができる電池であるか否かを判定する。所定の暗号コードを制御プロセッサ310から送信し、制御プロセッサ301bからの応答信号が正しい内容であるか否かを判定する。正しい内容であった場合、ステップS110に移行する。正しい内容でなかった場合はステップS121に移行する。
【0056】
ステップS110では、制御プロセッサ310は、ステップS106で決定しステップS107で開始した第1の動作条件での制御を継続すると決定し、このフローを終了する。
【0057】
ステップS121では、制御プロセッサ310は、制御プロセッサ310のEEPROMに記憶している電池301の識別情報の中から、ステップS101で取得した現在接続している電池301の識別情報を削除する。
【0058】
ステップS122では、制御プロセッサ310は、ストロボ300の制御条件を制限の多い第2の制御条件とし、ステップS105で取得した端子温度検出部399の出力に基づいてストロボ300の制御を行う。
【0059】
ステップS123では、制御プロセッサ310は、表示部313に表示している電池301の電池残量の表示を、電池301が通信可能な電池でない、または、電池301が正しい通信ができない電池であることを示す表示に更新する。
【0060】
この場合の電池情報の表示例を
図5(c)に示す。電池301が通信可能な電池でない、または、電池301が正しい通信ができない電池であると判定されたため、制御プロセッサ310は、電池301の電池残量を表示することができず、電池アイコンは「空」の表示804となる。
図5(d)は、この場合の電池情報表示画面の例を示している。電池情報を取得することができない、または、通信が正しくないため「バッテリーと通信できません」と表示させることによりその旨をユーザに知らせる。その後、このフローを終了する。
【0061】
以上説明したように、実施形態1では、接続している電池301の識別情報を制御プロセッサ310に記憶している電池301の識別情報と比較した結果、一致した場合にストロボ300を動作させる。そして、その後においても、電池301が正しい通信を行うことができるか否かを判定する。こうすることにより、電池301の識別情報により動作を開始する電子機器で、通信に何らかの障害が生じた場合であっても、電池301の通信機能の有無の判定結果と、通信機能が正常であるか否かの判定結果とに応じた制御を行うことが可能となる。
【0062】
また、電池301の通信機能が正常であるか否かを判定し、判定結果がNGであった場合には、ストロボ300の動作を停止して警告表示を出すことはせず、制御条件をより制限の多い条件(第2の制御条件)に変更する。そのため、ユーザは、連続してストロボ300を使用することが可能となる。
【0063】
[実施形態2]
実施形態1では、接続している電池301の電池IDがストロボ300に記憶されていた場合、ストロボ300の動作を開始させる。その後、通信機能が正常であるか否かを判定し、判定結果がNGであった場合に、識別情報を削除する例について説明した。
【0064】
これに対し、実施形態2では、電池301の識別情報を削除するタイミングを実施形態1とは異ならせている。例えば、ストロボ300の動作を開始した直後に電池301の識別情報を削除し、その後、電池301の通信機能が正常であるか否かを判定する。電池301の通信機能が正常であると判定された場合は、再度電池301の識別情報を記憶する。実施形態1では、電池301の識別情報でストロボ300の動作を開始した後に、通信機能が正常であるか否かの判定が終了する前に電池301を抜かれることが繰り返されると、通信機能が正常であるか否かの判定結果がNGになった後もストロボ300の制御条件を更新できないという問題が起こる。これに対し、実施形態2では、このような問題を防止することができる。
【0065】
図8は、実施形態2におけるストロボ300の動作を説明するためのフローチャートである。
図8のステップS200の動作は、
図7のステップS101からステップS106までの動作と同じであるため、その説明を省略する。
【0066】
ステップS201では、
図7のステップS107と同様に、制御プロセッサ310は、ステップS106で決定した第1の制御条件により、ストロボ300の制御を開始する。
【0067】
ステップS202では、制御プロセッサ310は、制御プロセッサ310内のEEPROMに記憶している電池301の識別情報の中から、ステップS101で取得した現在接続している電池301の識別情報を削除する。
【0068】
ステップS203、ステップS204では、制御プロセッサ310は、通信可能な電池301が正しい通信を行うことができるか否かを判定する。所定の暗号コードを制御プロセッサ310から送信し、制御プロセッサ301bからの応答信号が正しい内容であるか否かを判定する。正しい内容であった場合、ステップS205に移行する。正しい内容でなかった場合はステップS211に移行する。
【0069】
ステップS205では、制御プロセッサ310は、ステップS201で開始した第1の制御条件での制御を継続すると決定し、ステップS206に移行する。
【0070】
ステップS206では、制御プロセッサ310は、ステップS101で取得した電池301の識別情報を、制御プロセッサ310内のEEPROMに記憶し、このフローを終了する。
【0071】
ステップS204からステップS211に移行した場合、ステップS211では、制御プロセッサ310は、ストロボ300の制御条件を第2の制御条件とし、ステップS105で取得した端子温度検出部399の出力に基づいてストロボ300の制御を行う。
【0072】
ステップS212では、制御プロセッサ310は、表示部313に表示している電池301の電池残量の表示を、電池301が通信可能でない電池であること、または、電池301が正しい通信ができない電池であることを示す表示(
図5(c))に更新する。その後、このフローを終了する。
【0073】
以上説明したように、実施形態2では、電池301の識別情報に基づいてストロボ300の動作を開始した直後に、電池301の識別情報を削除し、その後に通信機能が正常であるか否かを判定する。これにより、通信機能が正常であるか否かの判定結果がNGになった後もストロボ300の制御条件を更新できない、といった問題を防止することができる。
【0074】
[実施形態3]
実施形態3では、電池301の識別情報に基づいてストロボ300の動作を開始した後、通信機能が正常であるか否かの判定を開始する。そして、その判定が終了する前に所定の動作が行われた場合に、電池301の識別情報を削除する。
【0075】
図9は、実施形態3におけるストロボ300の動作を説明するためのフローチャートである。
図9のステップS300の動作は、
図7のステップS101からステップS106までの動作と同じであるため、その説明を省略する。
【0076】
ステップS301では、
図7のステップS107と同様に、制御プロセッサ310は、ステップS106で決定した第1の制御条件により、ストロボ300の制御を開始する。
【0077】
ステップS302では、制御プロセッサ310は、通信可能な電池301が正しい通信を行うことができるか否かの判定を開始する。所定の暗号コードを制御プロセッサ310から送信し、制御プロセッサ301bからの応答信号が正しい内容であるか否かを判定する。
【0078】
ステップS303では、制御プロセッサ310は、ステップS302で開始した判定が完了したか否かを判定する。完了している場合はステップS304に移行し、完了していない場合はステップS311に移行する。
【0079】
ステップS311では、制御プロセッサ310は、所定の条件が満足されたか否かを判定する。ここで、所定の条件の例は、例えば、以下のような条件のいずれかである。
(1)ストロボ300に接続された電池301が接続されている場所の蓋を開ける、あるいは蓋のロックを外す。
(2)第1の制御条件でのメインコンデンサ302dのフル充電相当動作の累計回数が所定回数を超える。
(3)第1の制御条件での最大電流を流す動作条件の累計時間が所定時間を超える。
所定の条件が満足されていた場合は、ステップS312に移行し、満足されていない場合はステップS303に戻る。
【0080】
ステップS304に移行した後の動作は
図7のステップS109、S110の動作と同じであり、ステップS312に移行した後の動作は、
図7のステップS121~S123の動作と同じであるため、それらの説明を省略する。
【0081】
以上説明したように、実施形態3では、正しい通信が行えているか否かの判定が終了する前に所定の条件が満足された場合に、電池301の識別情報を削除する。これにより、通信機能が正常であるか否かの判定結果がNGになった後もストロボ300の制御条件を更新できない、といった問題を防止することができる。さらに、必要な場合にのみEEPROMの削除、記憶を実施するため、EEPROMの削除、記憶の回数を抑制することができる。
【0082】
所定の条件としては、電池301が抜かれるなど通信機能を停止させる動作に関わる条件、または、大電流でのストロボ300の使用などの第1の制御条件の継続動作に関わる条件が望ましいが、上記に挙げた例に限定されるものではない。
【0083】
[実施形態4]
実施形態1から実施形態3では、電池301の識別情報に基づいてストロボ300の動作を開始させた後に、通信機能が正常であるか否かの判定結果がNGであった場合、電池301に関する表示などによりストロボ300の動作を妨げることなくユーザに知らせる場合について説明した。
【0084】
実施形態4では、ストロボ300の動作を開始させた後に、通信機能が正常であるか否かの判定結果がNGとなった場合、積極的にユーザに知らせる例について説明する。ストロボ300の動作のフローチャートは実施形態1の
図7とほぼ同じであるため、
図7を用いて説明する。
【0085】
ステップS109では、制御プロセッサ310は、通信可能な電池301が正しい通信を行うことができるか否かの判定を開始し、制御プロセッサ301bからの応答信号が正しい内容でなかった場合、ステップS121に移行する。
【0086】
ステップS121に移行して、制御プロセッサ310が電池301の識別情報をEEPROMから削除した後、ステップS122に移行する前に次の(1)~(4)のうちの少なくとも1つを実施することにより、電池301が正しい通信を行うことができないことを、積極的にユーザに知らせる。
(1)警告表示を出す。
(2)ブザー(警告音)を鳴らす。
(3)ストロボ300のメインコンデンサ302dの充電動作を禁止する。
(4)ストロボ300の発光を禁止する。
【0087】
警告表示(通知)については、
図4のステップS411の場合と同様の表示を行い、ストロボ300の動作は停止する。上記の(1)~(4)の少なくとも1つを実施することにより、ユーザがすぐに電池301の通信機能の不具合に気づくことができる。
【0088】
[実施形態5]
上述の実施形態では、上述の実施形態における電子機器としてストロボ300を例に挙げて説明したが、上述の実施形態における電子機器はストロボ300に限定されるものではなく、電池301と通信を行うストロボ300以外の電子機器にも広く適用可能である。
【0089】
[実施形態6]
実施形態1~5で説明した様々な機能、処理または方法は、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサなどがプログラムを用いて実現することもできる。以下、実施形態6では、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサなどを「コンピュータX」と呼ぶ。また、実施形態6では、コンピュータXを制御するためのプログラムであって、実施形態1~5で説明した様々な機能、処理または方法を実現するためのプログラムを「プログラムY」と呼ぶ。
【0090】
実施形態1~5で説明した様々な機能、処理または方法は、コンピュータXがプログラムYを実行することによって実現される。この場合において、プログラムYは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介してコンピュータXに供給される。実施形態6におけるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、ハードディスク装置、磁気記憶装置、光記憶装置、光磁気記憶装置、メモリカード、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどの少なくとも一つを含む。実施形態6におけるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、non-transitoryな記憶媒体である。
【符号の説明】
【0091】
300:ストロボ、301:電池、301d:電池温度検出部、302:蓄電部、310:制御プロセッサ、399:端子温度検出部