(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20241002BHJP
【FI】
G06Q40/12
(21)【出願番号】P 2020126339
(22)【出願日】2020-07-27
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】坂 裕和
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-228914(JP,A)
【文献】特開2008-158605(JP,A)
【文献】特開平11-282904(JP,A)
【文献】特開2019-061529(JP,A)
【文献】特開2010-268250(JP,A)
【文献】国際公開第2018/042548(WO,A1)
【文献】特開2004-227550(JP,A)
【文献】特開2003-316935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
抽出部と、生成部と、出力部と、
特定部と、を含み、
前記抽出部は、契約書データから特定の取引情報を抽出し、
前記生成部は、前記抽出部によって抽出された取引情報に基づき資金計画情報を生成し、
前記出力部は、前記資金計画情報を出力
し、
前記特定部は、前記抽出部によって抽出された取引情報に基づき前記契約書データが発注側の契約書データなのか、受注側の契約書データなのかを特定し、
前記生成部は、前記特定部による特定結果に応じた内容の情報を前記資金計画情報として生成する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記特定部は、前記抽出部によって抽出された取引情報に含まれる呼び名の定義部分と、当該定義部分に隣接し当該呼び名が登場する部分とに基づいて、前記特定を行う、
情報処理装置。
【請求項3】
情報処理装置であって、
抽出部と、連携処理部と、を含み、
前記抽出部は、契約書データから特定の取引情報を抽出し、
前記連携処理部は、
前記抽出部によって抽出された取引情報を連携しているシステムに出力
し、
前記取引情報の出力先には、経理システム及び財務システムが含まれ、
前記取引情報が経理で扱う情報である場合は前記経理システムを出力先とし、
前記取引情報が財務で扱う情報である場合は前記財務システムを出力先とする、
情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置であって、
抽出部と、連携処理部と、
特定部と、を含み、
前記抽出部は、契約書データから特定の取引情報を抽出し、
前記連携処理部は、前記抽出部によって抽出された取引情報を連携しているシステムに出力
し、
前記特定部は、前記抽出部によって抽出された取引情報に基づき前記契約書データが発注側の契約書データなのか、受注側の契約書データなのかを特定し、
前記連携処理部は、前記特定部による特定結果に応じた出力先に前記取引情報を出力する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記特定部は、前記抽出部によって抽出された取引情報に含まれる呼び名の定義部分と、当該定義部分に隣接し当該呼び名が登場する部分とに基づいて、前記特定を行う、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項
5までの何れか1項に記載の情報処理装置において、
前記抽出部は、契約書データから、設定された文字又は単語と、前記文字又は単語に隣接する数字及び文字と、を取引情報として抽出する、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項
6までの何れか1項に記載の情報処理装置において、
前記抽出部は、契約書データから、設定された記号と、前記記号に隣接する数字及び文字と、を取引情報として抽出する、情報処理装置。
【請求項8】
情報処理システムであって、
抽出部と、生成部と、出力部と、
特定部と、を含み、
前記抽出部は、契約書データから特定の取引情報を抽出し、
前記生成部は、前記抽出部によって抽出された取引情報に基づき資金計画情報を生成し、
前記出力部は、前記資金計画情報を出力
し、
前記特定部は、前記抽出部によって抽出された取引情報に基づき前記契約書データが発注側の契約書データなのか、受注側の契約書データなのかを特定し、
前記生成部は、前記特定部による特定結果に応じた内容の情報を前記資金計画情報として生成する、
情報処理システム。
【請求項9】
情報処理システムであって、
抽出部と、連携処理部と、を含み、
前記抽出部は、契約書データから特定の取引情報を抽出し、
前記連携処理部は、
前記抽出部によって抽出された取引情報を連携しているシステムに出力
し、
前記取引情報の出力先には、経理システム及び財務システムが含まれ、
前記取引情報が経理で扱うお金に関する情報である場合は前記経理システムを出力先とし、
前記取引情報が財務で扱うお金に関する情報である場合は前記財務システムを出力先とする、
情報処理システム。
【請求項10】
情報処理システムであって、
抽出部と、連携処理部と、
特定部と、を含み、
前記抽出部は、契約書データから特定の取引情報を抽出し、
前記連携処理部は、前記抽出部によって抽出された取引情報を連携しているシステムに出力
し、
前記特定部は、前記抽出部によって抽出された取引情報に基づき前記契約書データが発注側の契約書データなのか、受注側の契約書データなのかを特定し、
前記連携処理部は、前記特定部による特定結果に応じた出力先に前記取引情報を出力する、
情報処理システム。
【請求項11】
情報処理方法であって、
情報処理装置が、
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の各部の動作を行う工程を実行する、
情報処理方法。
【請求項12】
プログラムであって、
コンピュータを、請求項1から請求項
7までの何れか1項に記載の情報処理装置の各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
予算と実績値とを管理する予実管理は資金繰り等の観点から重要である。
特許文献1には、計画予算と実績値との項目及び範囲を一致させて管理する予実算管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
領収書や請求書等の証憑から計画予算を求めることが考えられる。しかし、証憑から求められるのは例えば1ヶ月後の計画予算であり、1ヶ月後の出費が予定より多いことが分かったとしてもすぐにお金を用意したり、経費削減したりすることは難しい問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、抽出部と、生成部と、出力部と、を含む。抽出部は、契約書データから特定の取引情報を抽出する。生成部は、抽出部によって抽出された取引情報に基づき資金計画情報を生成する。出力部は、資金計画情報を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、サーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、契約書データの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、サーバ装置が実行する情報処理方法の一例を示すアクティビティ図である。
【
図6】
図6は、資金計画情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、変形例1の情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、変形例1のサーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、変形例1のサーバ装置の情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図10】
図10は、契約書の内容の変更に伴う覚書の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0008】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0009】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0010】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0011】
<実施形態1>
1.システム構成
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。情報処理システム1000は、システム構成として、サーバ装置100と、外部システム110とを含む。サーバ装置100は、外部システム110とネットワーク120を介して通信可能に接続されている。サーバ装置100は、情報処理装置の一例である。外部システム110は、例えば、事前に内容についてお互いの合意が済んでいる契約書等の書類をアップロードし、相手方が同意することにより、相互同意がなされたことを示す電子署名のサービスを提供するシステムである。
【0012】
2.ハードウェア構成
図2は、サーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ装置100は、ハードウェア構成として、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、を含む。制御部201は、サーバ装置100の全体を制御する。記憶部202は、プログラム及び制御部201がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶する。制御部201が、記憶部202に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによって後述する
図3、
図8に示す機能構成及び後述する
図4、
図9に示すアクティビティ図の処理が実現される。通信部203は、サーバ装置100をネットワーク120等に接続し、サーバ装置100と他の装置との通信を司る。
【0013】
3.機能構成
図3は、サーバ装置100の機能構成の一例を示す図である。サーバ装置100は、機能構成として、抽出部301と、生成部302と、出力部303と、を含む。
【0014】
(抽出部301)
抽出部301は、契約書データから特定の取引情報を抽出する。取引情報とは、契約書データにおける取引の情報であって、例えば、業務内容、取引先、支払金額、支払期日、支払い方法等が含まれる。
抽出部301は、外部システム110より相互同意の上、電子署名がなされたPDF(Portable Documet Format)形式の契約書を受信する。ここで、PDFは一例であって、他のフォーマットの電子データであってもよい。抽出部301は、受信したPDF形式の契約書に対してOCR(Optical Character Recognition)を実行し、契約書データを取得し、取得した契約書データから設定されている特定の取引情報を抽出する。
なお、他の例として、抽出部301は、PDF形式の契約書からOCR処理され、文字等が抽出された契約書データを外部システム110より受信するようにしてもよい。このような構成の場合、抽出部301は、受信した契約書データから設定されている特定の取引情報を抽出する。
また、抽出部301は、外部システム110より受け取るデータ形式(すなわち、PDF形式か、PDFから文字等が抽出された抽出データか)に応じて、上述した処理を切り替えるようにしてもよい。
また、外部システム100よりPDF化される前のWord(登録商標)ファイル等の契約書を受信した場合、制御部301は、Wordファイルから特定の取引情報を抽出してもよい。
なお、以下では説明の簡略化のため、抽出部301は、PDF形式の契約書データに対応してOCRを実行し、契約書データを取得し、取得した契約書データから設定されている特定の取引情報を抽出するものとして説明を行う。
【0015】
図4は、契約書データの一例を示す図である。
抽出部301は、契約書データから、設定された文字又は単語と、文字又は単語に隣接する数字及び文字と、を取引情報として抽出する。例えば、抽出部301は、契約書データの文章を形態素解析等し、甲、乙等の契約書における呼び名の定義部分401、及び、呼び名の定義部分に隣接する甲、乙等が登場する部分402等を契約書データから取引情報として抽出する。甲、乙等が登場する部分402には、数字及び文字が含まれてもよい。甲、乙等は、設定された文字又は単語の一例である。設定された文字又は単語の他の例としては、報酬、費用、支払う、期日等がある。なお、文字又は単語に隣接するとは、例えば、横書きの場合、文字又は単語から左右所定文字数以内のことをいう。縦書きの場合、文字又は単語に隣接するとは、文字又は単語から上下所定文字数以内のことをいう。ここで所定文字数は、予め設定されているものとする。例えば、所定文字数は、40文字である。例えば、改行も1文字としてカウントされる。
【0016】
また、抽出部301は、契約書データから、設定された記号と、記号に隣接する数字及び文字と、を取引情報として抽出する。例えば、抽出部301は、契約書データの文書を形態素解析等し、¥部分403と、¥部分403に隣接する数字部分405と、文字部分404及び文字部分406と、を契約書データから取引情報として抽出する。¥は記号の一例である。
【0017】
(生成部302)
生成部302は、抽出部301によって抽出された取引情報に基づき資金計画情報を生成する。資金計画情報とは、発注側、又は受注側の資金計画に関する情報であって、例えば、予実管理に用いられる情報、支払い管理に用いられる情報、収支情報等である。
生成部302は、契約書データが発注側の契約書データなのか、受注側の契約書データなのかに応じて、取引情報に基づき資金計画情報を生成する。より具体的に説明すると、生成部302は、抽出部301によって抽出された取引情報に基づき発注側の契約書データなのか、受注側の契約書データなのかを特定する。例えば、自社の名前(例えば、X株式会社)の情報が記憶部202に記憶されている。例えば、生成部302は、記憶部202に記憶されている自社の名前の情報(X株式会社)と、取引情報(甲、乙等の契約書における呼び名の定義部分401、及び、呼び名の定義部分に隣接する甲、乙等が登場する部分402等)と、に基づき、発注書側の契約書データであると特定する。そして、生成部302は、特定した契約書データに応じて、取引情報に基づき資金計画情報を生成する。
【0018】
特定した契約書データが発注側の契約書データの場合、生成部302は、取引情報に基づき所定の会計期間における支払い予測情報を資金計画情報として生成する。例えば、生成部302は、取引情報の金額、支払い方法、契約期間等から、所定の会計期間(例えば、1ヶ月ごとの)における支払い費用を自動的に予測し、支払い予測情報として生成する。支払い予測情報には、支払い期日、支払金額等が含まれる。また、特定した契約書データが受注側の契約書データの場合、生成部302は、取引情報に基づき所定の会計期間における売上予測情報を資金計画情報として生成する。例えば、生成部302は、取引情報の金額、支払い方法、契約期間等から、所定の会計期間(例えば、1ヶ月ごとの)における売上を自動的に予測し、売上予測情報として生成する。
【0019】
(出力部303)
出力部303は、資金計画情報を出力する。出力部303は、資金計画情報を、記憶部202に記憶したり、通信可能な他の装置、又はシステムに送信したりすることで出力する。
【0020】
4.情報処理
図5は、サーバ装置100が実行する情報処理方法の一例を示すアクティビティ図である。
A500において、抽出部301は、外部システム110からデータを受信するのを待つ。
A501において、抽出部301は、受信したデータがPDF形式の契約書データか否かを判定する。例えば、抽出部301は、受信したデータのファイル拡張子に基づきPDF形式か否かを判定し、ファイル名が所定のファイル名か否かに基づき契約書データか否かを判定する。抽出部301は、受信したデータがPDF形式の契約書データであると判定すると、処理をA502に進め、受信したデータがPDF形式の契約書データでないと判定すると、A500の処理に戻る。なお、
図5では、受信したデータがPDF形式の契約書データでないと判定すると、A500の処理に戻ると説明しているが、サーバ装置100は、受信したデータに応じた他の処理を実行するようにしてもよい。
【0021】
A502において、抽出部301は、契約書データから取引情報を抽出する。
A503において、生成部302は、抽出部301によって抽出された取引情報に基づき資金計画情報を生成する。
図6は、資金計画情報の一例を示す図である。
A504において、出力部303は、生成部302によって生成された資金計画情報を出力する。例えば、出力部303が資金計画情報を、サーバ装置100が通信可能な他のシステムに出力し、契約書データが発注側の契約書データの場合、他のシステムでは、資金計画情報に基づき、支払期日にアラートを生成するように設定して出力する。
【0022】
本実施形態によれば、契約書データから資金計画情報が生成され、出力されるので、領収書や請求書等の証憑から計画予算を求めるのに比べて、長いスパンでの予測が可能となり、余裕を持ってお金を用意したり、経費削減したりすることができる。
【0023】
<変形例1>
変形例1を説明する。
図7は、変形例1の情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。情報処理システム1000は、システム構成として、サーバ装置100と、経理システム102と、財務システム103と、外部システム110と、を含む。サーバ装置100と、経理システム102と、財務システム103と、は同じLAN105に接続されており、互いに通信可能である。また、サーバ装置100、経理システム102、財務システム103は、ネットワーク120を介して外部システム110と通信可能に接続されている。経理システム102は、経理作業を効率化するのに用いられるシステムであって、請求書作成、経費精算、財務諸表の作成等を行う。財務システム103は、財務作業を効率化するのに用いられるシステムであって、財務諸表等に基づき、資金調達、会社の資産運用、予算管理等を行う。
【0024】
図8は、変形例1のサーバ装置100の機能構成の一例を示す図である。サーバ装置100は、機能構成として、抽出部301と、連携処理部701と、を含む。
連携処理部701は、抽出部301によって抽出された取引情報を連携しているシステムに出力する。連携しているシステムとは、変形例1の例では、経理システム102及び財務システム103である。より具体的に説明すると、連携処理部701は、抽出部301によって抽出された取引情報に基づき取引情報の出力先を切り替える。例えば、連携処理部701は、取引情報のうち、支払い費用の情報を経理システム102に出力し、支払い期日の情報を財務システム103に出力する。また、他の例として、連携処理部701は、抽出部301によって抽出された取引情報に基づき取引情報の出力先を同一システム内の別のソフトウェア、又は別のAPI(Application Programming Interface)に切り替えるようにしてもよい。
【0025】
図9は、変形例1のサーバ装置100の情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
A801において、連携処理部701は、抽出部301によって抽出された取引情報に基づき、取引情報に含まれる情報を出力するシステムを切り替える。例えば、連携処理部701は、上述したように、取引情報のうち、支払い費用の情報を経理システム102に出力し、支払い期日の情報を財務システム103に出力する。他の例として、連携処理部701は、抽出部301によって抽出された取引情報に基づき発注側の契約書データなのか、受注側の契約書データなのかを特定する。そして、連携処理部701は、発注側の契約書データなのか、受注側の契約書データなのかに基づいて、出力先を変更するようにしてもよい。
【0026】
変形例1によれば、取引情報に基づき取引情報を出力する出力先のシステムを切り替えることができる。
【0027】
<変形例2>
変形例2を説明する。変形例2の抽出部301は、受信したデータがPDF形式の契約書の内容の変更に伴う覚書であると判定すると、覚書から契約書を特定する特定情報901と、契約内容の変更情報902とを抽出する。
図10は、契約書の内容の変更に伴う覚書の一例を示す図である。抽出部301は、変更情報に基づき、特定情報で特定された契約書データの取引情報を修正する。変形例2の生成部302は、修正された取引情報に基づき新たな資金計画情報を生成する。変形例2の出力部303は、資金計画情報を出力する。この際、出力部303は、変更された箇所を明示した資金計画情報を出力するようにしてもよい。
【0028】
変形例2によれば、契約書が修正されても自動的に元の契約書を特定し、新たな資金計画情報を生成することができる。また、変更箇所を明示した資金計画情報を出力することもできる。
【0029】
<変形例3>
変形例3を説明する。上述した実施形態及び変形例では、1つの装置である、サーバ装置100が処理を行うものとして説明を行った。しかしながら、サーバ装置100の処理を複数の装置、例えば、複数のサーバ装置から構成される情報処理システムがそれぞれのサーバ装置の記憶部に記憶されたプログラムに基づき処理を実行することでも実現される。
【0030】
変形例3によっても上述した効果を奏することができる。
【0031】
<付記>
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記生成部は、前記契約書データが発注側の契約書データなのか、受注側の契約書データなのかに応じて、前記取引情報に基づき前記資金計画情報を生成する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、契約書データが発注側の契約書データの場合、前記生成部は、前記取引情報に基づき所定の会計期間における支払い予測情報を前記資金計画情報として生成する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、契約書データが受注側の契約書データの場合、前記生成部は、前記取引情報に基づき所定の会計期間における売上予測情報を前記資金計画情報として生成する、情報処理装置。
情報処理装置であって、抽出部と、連携処理部と、を含み、前記抽出部は、契約書データから特定の取引情報を抽出し、前記連携処理部は、前記抽出部によって抽出された取引情報を連携しているシステムに出力する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記連携処理部は、前記抽出部によって抽出された取引情報に基づき前記取引情報の出力先を切り替える、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記抽出部は、契約書データから、設定された文字又は単語と、前記文字又は単語に隣接する数字及び文字と、を取引情報として抽出する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記抽出部は、契約書データから、設定された記号と、前記記号に隣接する数字及び文字と、を取引情報として抽出する、情報処理装置。
情報処理システムであって、抽出部と、生成部と、出力部と、を含み、前記抽出部は、契約書データから特定の取引情報を抽出し、前記生成部は、前記抽出部によって抽出された取引情報に基づき資金計画情報を生成し、前記出力部は、前記資金計画情報を出力する、情報処理システム。
情報処理システムであって、抽出部と、連携処理部と、を含み、前記抽出部は、契約書データから特定の取引情報を抽出し、前記連携処理部は、前記抽出部によって抽出された取引情報を連携しているシステムに出力する、情報処理システム。
情報処理方法であって、抽出工程と、生成工程と、出力工程と、を含み、前記抽出工程では、契約書データから特定の取引情報を抽出し、前記生成工程では、前記抽出工程によって抽出された取引情報に基づき資金計画情報を生成し、前記出力工程では、前記資金計画情報を出力する、情報処理方法。
情報処理方法であって、抽出工程と、連携処理工程と、を含み、前記抽出工程では、契約書データから特定の取引情報を抽出し、前記連携処理工程では、前記抽出工程によって抽出された取引情報を連携しているシステムに出力する、情報処理方法。
プログラムであって、コンピュータを、前記情報処理装置の各部として機能させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
【0032】
例えば、上述のプログラムを記憶する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体として提供してもよい。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0033】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0034】
100 :サーバ装置
102 :経理システム
103 :財務システム
110 :外部システム
120 :ネットワーク
201 :制御部
202 :記憶部
203 :通信部
301 :抽出部
302 :生成部
303 :出力部
401 :定義部分
402 :部分
403 :部分
404 :文字部分
405 :数字部分
701 :連携処理部
901 :特定情報
902 :変更情報
1000 :情報処理システム