(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】2つの媒体を密封式に遮断するための系密封試験装置
(51)【国際特許分類】
G01M 3/26 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
G01M3/26 M
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020178175
(22)【出願日】2020-10-23
【審査請求日】2023-09-20
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511107784
【氏名又は名称】ゲティンゲ ライフ サイエンス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】パパン ディディエ
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-145337(JP,A)
【文献】特表2001-511531(JP,A)
【文献】特開平07-294366(JP,A)
【文献】特表2002-532709(JP,A)
【文献】特開平06-193323(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0212054(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの媒体を密封式に遮断するための少なくとも1つの系の密封を試験するための装置において、ケーシング(36)であって、膨張状態で前記系と接触し、前記系と前記ケーシングの間の試験体積の画定を可能にする封止を保証するように構成された膨張式封止材(48,148)を含むケーシング(36)と、空気ポンプ(P1,P2)及び空気回路(C1,C2)であって、第1段階で、前記
空気ポンプ(P1,P2)が前記膨張式封止材(48,148)を膨張させるように前記
空気ポンプ(P1,P2)を前記膨張式封止材(48,148)に接続し、第2段階で、前記
空気ポンプ(P1,P2)が前記試験体積内で所定値の圧力を生成するように前記
空気ポンプ(P1,P2)を前記試験体積に接続する空気ポンプ(P1,P2)及び空気回路(C1,C2)と、前記試験体積内の前記圧力を測定するための手段(78,178)とを有し、前記空気回路(C1,C2)が、少なくとも前記試験体積の、前記
空気ポンプの減圧オリフィスとの接続を保証するように構成された装置。
【請求項2】
前記空気回路が、前記
空気ポンプ(P1,P2)と前記膨張式封止材(48,148)の間に少なくとも1つの分配器(66,166)と、前記
空気ポンプと前記試験体積の間に少なくとも1つの分配器と、前記膨張式封止材と前記試験体積
と排出ゾーンの間に少なくとも1つの分配器とを有し、前記
空気ポンプと前記試験体積の間の前記分配器が、少なくとも前記試験体積の、前記
空気ポンプの前記減圧オリフィスとの接続を保証するように構成された、請求項1に記載の密封試験装置。
【請求項3】
前記
空気ポンプと前記試験体積の間の前記分配器が、前記試験体積の、前記
空気ポンプの圧力オリフィスとの接続を保証するように構成された、請求項2に記載の密封試験装置。
【請求項4】
前記
空気ポンプと前記空気回路に指令するように構成された制御ユニット(UC,UC’)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の密封試験装置
【請求項5】
前記
制御ユニット
(UC,UC’)が、前記分配器に指令して、ある段階で、前記膨張式封止材を前記
空気ポンプの前記圧力オリフィスに接続させ、続く別の段階で、前記試験体積を前記
空気ポンプの前記減圧オリフィスに接続するように構成された、請求項3
を引用する請求項4に記載の密封試験装置。
【請求項6】
前記空気回路が、前記膨張式封止材内の圧力を監視するための手段を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の密封試験装置。
【請求項7】
前記
空気ポンプが、膜板ポンプである、請求項1~6のいずれか一項に記載の密封試験装置。
【請求項8】
検証される
前記系が、隔離室の二重扉移動系であり、前記
空気ポンプが、前記試験体積内の圧力を外側圧力に対して低下させるように構成された、請求項1~7のいずれか一項に記載の密封試験装置。
【請求項9】
検証される
前記系が、容器の二重扉移動系であり、前記
空気ポンプが、前記試験体積内の圧力を前記外側圧力に対して低下させるように構成された、請求項1~7のいずれか一項に記載の密封試験装置。
【請求項10】
試験される
前記系と係合するように構成された固定手段、例えば差込み型固定手段を有する、請求項8又は9に記載の密封試験装置。
【請求項11】
検証される
前記系が、少なくとも1つの柔軟部分を有し、前記
空気ポンプが、前記柔軟部分を膨張させるように構成された、請求項1~7のいずれか一項に記載の密封試験装置。
【請求項12】
検証される
前記系が、柔軟部分を含む系と、隔離室若しくは容器の二重扉移動系のいずれかであり、前記密封試験
装置が、前記
空気ポンプと前記空気回路に指令するように構成された制御ユニット(UC,UC’)を有し、前記
空気ポンプと前記試験体積の間の前記分配器が、前記試験体積の、前記
空気ポンプの圧力オリフィスとの接続を保証するように構成され、前記柔軟部分を含む系の試験の場合に、前記制御ユニットが、試験段階で、前記柔軟部分を含む系を前記
空気ポンプの前記圧力オリフィスに接続し、前記試験の終わりに、前記柔軟部分を含む系を、前記
空気ポンプの前記減圧オリフィスに接続するように構成され、前記二重扉移動系の試験の場合に、前記制御ユニットは、試験段階で、前記試験体積を前記
空気ポンプの前記減圧オリフィスに接続するように構成された、請求項
2に記載の密封試験装置。
【請求項13】
前記
空気ポンプと前記空気回路に指令するように構成された制御ユニット(UC,UC’)を有し、前記制御ユニットが、前記密封
の試験の結果を表す信号を出すための手段を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の密封試験装置。
【請求項14】
前記分配器が、電磁弁である、請求項2に記載の密封試験装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項による密封試験装置を実現する、2つの媒体を密封式に隔離するための系の密封を試験する方法であって、
前記系に前記装置を取り付ける段階と、
前記
空気ポンプを前記膨張式封止材に空気接続する段階と、
前記膨張式封止材内の圧力が第1の所定値に達するまで前記
空気ポンプを作動させる段階と、
前記
空気ポンプを停止させる段階と、
前記
空気ポンプを前記試験体積に空気接続する段階と、
前記試験体積内で圧力を第2の所定値にするように前記
空気ポンプを作動させる段階と、
前記
空気ポンプを停止させる段階と、
前記試験体積内の圧力を監視する段階と、
前記試験の結果を表す信号を出す段階と、
必要に応じて、前記膨張式封止材と前記試験体積を空にする段階とを含む方法。
【請求項16】
前記第1の所定値が、約2バールである、請求項15に記載の密封試験方法。
【請求項17】
前記系が、隔離室又は容器の二重扉移動系であり、前記第1の所定値が、外側圧力より低い圧力である、請求項15又は16に記載の密封試験方法。
【請求項18】
前記系が、柔軟部分を含む系であり、前記第2の
所定値が、約数ミリバール~数十ミリバールの正圧である、請求項15又は16に記載の密封試験方法。
【請求項19】
前記空にする段階のために、前記柔軟部分を含む系が、前記
空気ポンプの前記減圧オリフィスに接続された、請求項18に記載の密封試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、二重扉移動系及び密封環境での操作を可能にするグローブのため、2つの媒体を密封式に遮断するための系密封試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子核、医療及び製薬分野及び食品産業の幾つかの産業分野では、環境を、例えば放射能や毒などから守るために閉じられた雰囲気内で特定の作業を行うか、それとは逆にそのような作業を無菌又は無塵雰囲気中で行うか、最終的に両方同時に行うことが必要又は望ましい。
【0003】
装置又は生成物を一方の閉体積から他方の閉体積に、それらの体積のそれぞれを常に密封することなく移動させることは、外部が破壊される場合と比べて、克服すべき難しい問題を生じさせる。この問題は、二重扉移動装置によって解決されうる。
【0004】
複合セキュリティコマンドが提供されたそのような二重扉装置は、例えば、特許文献1から既知である。各体積は、フランジに取り付けられた扉によって閉じられる。各扉はそのフランジと差込み接続によって一体であり、2つのフランジが互いに差込み接続によって一体になるように意図される。
【0005】
例えば、閉体積の一方は隔離室によって形成され、他方の体積は容器によって形成される。
【0006】
従来、隔離室によって支持された接続部分は、α部分として設計され、容器によって支持された接続部分は、β部分として設計される。
【0007】
2つの閉体積の接続前に、2つの閉体積の接続中の内部又は外部汚染の危険を回避するために、α扉とβ扉がそれぞれ密封基準を満たしていることを確認することが望ましい。
【0008】
α部分とβ部分の封止を確認するために使用される技術は、薄く比較的剛性のOリングで開口が縁取られた空所を含む装置を実現し、封止は、封止が試験される試験体積を定義するためにα部分又はβ部分のフランジの薄い面に適用されるように意図される。例えば、所定の圧力レベルが生成され、例えば、体積内の圧力が低下し、これがある期間にわたって安定可能かどうか検証される。
【0009】
装置は、α部分又はβ部分の表面に封止材を押し付けるようにα部分又はβ部分に固定される。
【0010】
別の例では、隔離室がグローブケーシングを構成し、グローブは、オペレータがグローブケーシングの内側から遮断されたままグローブケーシング内で作業することを可能にする。また、グローブを使用する前にそのグローブの封止を確認することも望ましい。
【0011】
更に、試験装置が嵩張らず軽量であることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
従って、本発明の目的は、2つの媒体を密封式に隔離するための系の密封の検証を可能にして、例えば二重扉移動系の少なくとも一部分又はグローブケーシング上に取り付けられたグローブの密封を検証する、嵩張らず軽量の密封試験装置を提供することである。
【0014】
前述の目的は、試験される系と係合して試験体積を区切るように意図された膨張式封止材を有するケーシングと、封止材の膨張と密封試験の両方を保証する単一ポンプとを含む密封試験装置によって達成される。
【0015】
グローブの試験の場合、ポンプは、試験体積を構成するグローブの膨張を保証できる。二重扉移動系の試験の場合、ポンプは、試験体積の真空化を保証できる。
【0016】
柔軟部分を含むグローブ又は任意の系の密封を試験するために、好ましくは、グローブ又は柔軟部分を膨張させるために有意体積を低圧で膨張させ、膨張式封止材を膨張させるために縮小体積を高圧で膨張させ、グローブ又は柔軟部分が提供された系の密封試験の実行を許容可能時間内に可能にするポンプが選択される。
【0017】
二重扉移動系の密封を試験するために、好ましくは、縮小体積を高圧で膨張させ、装置のケーシングとα部分又はβ部分の間の減圧を生成できるポンプが選択される。
【0018】
きわめて有利には、ポンプは、有意体積の低圧による膨張、縮小体積の高圧による膨張、及び減圧の生成を可能にするメンブレン又は膜板ポンプである。
【0019】
換言すると、密封試験装置は、封止材を膨張させ、密封が検証される体積内の圧力を確立できる単一ポンプと、密封試験の様々な段階に必要な空気接続を確立するように指令できる空気回路とを実現する。
【0020】
従って、本出願の1つの主題は、2つの媒体を密封式に遮断するための少なくとも1つの系の密封を試験するための装置において、前記試験装置は、ケーシングであって、膨張状態で系と接触し、前記系と前記ケーシングの間の試験体積の画定を可能にする封止を保証するように意図された膨張式封止材を有するケーシングと、空気ポンプ及び構成空気回路であって、第1段階で、前記ポンプが前記膨張式封止材を膨張させるように前記ポンプを前記膨張式封止材に接続し、第2段階で、前記ポンプが前記試験体積内に所定値で圧力を生成するように前記ポンプを前記試験体積に接続する空気ポンプ及び構成空気回路と、前記試験体積内の圧力を測定するための手段とを含む。
【0021】
一実施例において、前記空気回路は、前記ポンプと前記膨張式封止材の間の少なくとも1つの分配器と、前記ポンプと前記試験体積の間の少なくとも1つの分配器と、前記膨張式封止材と前記試験体積と排出ゾーンの間の少なくとも1つの分配器とを含む。
【0022】
前記ポンプと前記試験体積間の前記分配器は、有利には、前記ポンプの圧力オリフィス又は前記ポンプの減圧オリフィスいずれかにおける前記試験体積の接続を保証するように構成される。
【0023】
前記空気回路は、好ましくは、前記膨張式封止材内に圧力監視手段を含む。
【0024】
前記ポンプは、有利には膜板ポンプである。
【0025】
前記密封試験装置は、前記ポンプと前記空気回路に指令するように構成された制御ユニットを含む。
【0026】
例えば、検証される前記系が隔離室の二重扉移動系である場合、前記ポンプは、これにより、前記試験体積内の圧力を外側圧力に対して低下させるように構成されうる。
【0027】
別の例では、検証される前記系は、容器の二重扉移動系であり、したがって、前記ポンプは、前記試験体積内の圧力を前記外側圧力に対して低下させるように構成されうる。
【0028】
追加の特徴によれば、前記密封試験装置は、前記試験される系と係合するように構成された固定手段、例えば差込み型固定手段を有する。
【0029】
検証される前記系が、柔軟部分を含む系であるとき、前記系は、例えばグローブであり、前記回路は、有利には前記柔軟部分を膨張させるように構成される。
【0030】
検証される前記系が、柔軟部分を含む系か、隔離室又は容器の二重扉移動系である場合に、前記柔軟部分を含む系の試験の場合、前記制御ユニットは、試験段階で、前記ポンプの圧力オリフィスにおいて柔軟部分を含む前記系を接続し、前記試験の終わりに、前記ポンプの前記減圧オリフィスにおいて前記柔軟部分を含む系を接続するように構成され、前記二重扉移動系の試験の場合、前記制御ユニットは、試験段階で、前記ポンプの前記減圧オリフィスにおいて前記試験体積を接続するように構成される。
【0031】
追加の特徴によれば、前記制御ユニットは、前記密封試験の結果を表す信号を出すための手段を含む。
【0032】
前記分配器は、例えば、電磁弁である。
【0033】
本出願の別の主題は、本発明による密封試験装置を実現する2つの媒体を密封式に遮断するための系の密封を試験する方法であって、
前記装置を前記系に取り付ける段階と、
前記ポンプを前記膨張式封止材に空気接続する段階と、
前記膨張式封止材内の圧力が第1の所定値に達するまで前記ポンプを作動させる段階と、
前記ポンプを停止する段階と、
前記ポンプを前記試験体積に空気接続する段階と、
前記ポンプを作動させて前記試験体積内で圧力を第2の所定値に確立する段階と、
前記ポンプを停止する段階と、
前記試験体積内の圧力を監視する段階と、
前記試験の結果を表す信号を出す段階と、
必要に応じて前記膨張式封止材と前記試験体積を空にする段階とを含む方法である。
【0034】
前記第1の所定値は、例えば、約2バールである。
【0035】
前記系が、隔離室又は容器の二重扉移動系である場合、前記第1の所定値は、好ましくは外側圧力より低い圧力である。
【0036】
柔軟部分を含む系の場合、前記第2の値は、好ましくは、約数ミリバール~数十ミリバールの正圧である。
【0037】
有利には、前記空にする段階のため、前記柔軟部分を含む系は、前記ポンプの前記減圧オリフィスに接続される。
【0038】
本発明は、以下の説明及び添付図面に基づいてよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】差込み型手段による二重扉封止移動装置によるセル上の容器の接続を概略的に示す縦断面図である。
【
図2A】隔離室に取り付けられる前の密封試験装置の例を概略的に表す縦断面図であり、封止材が非膨張状態である。
【
図2B】隔離室に取り付けられた
図2Aの密封試験装置を概略的に表す縦断面図であり、封止材が非膨張状態である。
【
図2C】隔離室に取り付けられた
図2Aの密封試験装置を概略的に表す縦断面図であり、封止材が膨張状態である。
【
図3】隔離室に取り付けられた二重扉移動系の密封を試験するために実現された密封試験装置の空気回路の例の概略図である。
【
図5A】容器に取り付けられる前の封止試験装置の例を概略的に表す縦断面図であり、封止材が非膨張状態である。
【
図5B】容器に取り付けられた
図5Aの封止試験装置の例を概略的に表す縦断面図であり、封止材が非膨張状態である。
【
図5C】容器に取り付けられた
図5Aの封止試験装置の例を概略的に表す縦断面図であり、封止材が膨張状態である。
【
図6】グローブの密封を試験する密封試験の例を概略的に表す縦断面図である。
【
図7】グローブの密封を試験するように実現されまた二重扉移動系の密封を試験するように適応された密封試験装置の空気回路の例の概略図である。
【
図8】グローブの密封を試験するように実現された密封試験装置の空気回路の別の例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明による密封試験装置は、2つの媒体を密封式に遮断するための系の密封を試験するものである。系は、例えば、限定ではなく、
隔離室の壁によって支持され、外部環境から隔離室の内部を遮断する二重扉移動系のα部分、
容器又は柔軟バッグによって支持され、容器又は柔軟バッグの内部を外部環境から遮断する二重扉移動装置のβ部分、
グローブケーシングポート内に取り付けられ、グローブケーシングの内部を外部環境から遮断し、オペレータが内側から遮断されたままグローブケーシング内で作業することを可能にするグローブでよい。
【0041】
【0042】
以下の記述では、接続前に密封を試験したい2つの閉体積が、それぞれ隔離室10と容器12に対応する。しかしながら、本発明は、閉体積が、限定でなく、例えば、一方ではグローブケーシング、他方では容器又はグローブケーシングである場合に適用可能であることを理解されよう。
【0043】
隔離室10は、壁14によって区切られ、
図1にはその一部分だけが見られる。隔離室は従来、例えば、壁14と一体の遠隔マニピュレータ及び/又はグローブ(図示せず)などの遠隔操作手段を備え、それは、集中指令機構をこのセル10の内側から操作できるからである。容器12は、また、
図1に詳細に示されたように壁16によって区切られる。
【0044】
二重扉密封移動装置は、主に、隔離フランジ18、容器フランジ20、隔離フランジ18によって区切られた円形開口を常に塞ぐ隔離扉22、及び容器フランジ20によって区切られた開口を常に塞ぐ容器扉24を備える。隔離フランジ18と容器フランジ20は、隔離室10の壁14と容器12の壁16にそれぞれ固定される。隔離室の扉22は、ヒンジ26によって隔離フランジ18上に関節接続される。
【0045】
参照28(図示せず)によって一般に示された手段は、扉22及び24の開閉を可能にする。
【0046】
例えば、容器フランジ20上の容器扉24の固定は、文書FR 2 695 343に記載されたように差込み接続30によって保証される。例えば、容器フランジ20を隔離フランジ18上に固定し容器扉24を隔離扉22上に固定することを可能にし、二重扉密封移動系は、また、参照32及び34によってそれぞれ示された2つの他の差込み接続を有する。3つの差込み接続30、32及び34は、容器フランジ20を隔離フランジ18上に合体させた後で、例えば容器12をその軸のまわりに時計回りに回転させることにより、容器フランジ20と隔離フランジ18を固定し、容器扉24と隔離扉22を固定し、容器扉24を容器フランジ20から切り離す効果があるように構成される。2つの後の操作は、容器扉24が二重扉を構成するように隔離扉22に固定された後にだけ容器が開くように連続して行われる。
【0047】
隔離フランジと隔離扉は、一般に「α部分」と呼ばれる。容器フランジと容器扉は、一般に「β部分」と呼ばれる。
【0048】
一般に、二重扉移動系は、隔離フランジの軸である軸Xのまわりに回転対称性を有する。
【0049】
図2A~
図2Cに、α部分の密封を確認するように適応された試験装置D1の例の概略図が見られる。
【0050】
図2A~
図2Cに、α部分の扉22が詳細に見られうる。α部分は、その外側面22.1と外周に取り付けられた密封材23を含む。密封材23は、扉の外側面22.1とその側縁22.2の両方の上に延在する。密封材23は、一方で、隔離扉22と隔離フランジ18の間の密封と、隔離扉22の外側面と容器扉24の外側面の間の密封を保証し、これらの外側面を閉体積の内部から隔離する。
【0051】
密封材23は、隔離扉22に形成された環状凹部21内に取り付けられた「ヒール」と呼ばれる環状突起25によって隔離扉22に固定される。
【0052】
密封材23と隔離フランジ18の間に矢印F1よって表された潜在的漏れと、扉22とヒール25の取り付け高さの密封材23の間に矢印F2によって表された潜在的漏れが起こりうる。
【0053】
試験装置D1は、漏れF1及びF2の検出を可能にするように作成される。試験装置D1は、空所38を区切り、底40、側壁42、及び底の反対側の開口44を有するケーシング又はヘッド36を含む。空所38は、縦軸X1に沿って延在する。
【0054】
ケーシング36は、開口44を取り囲む凹部46と、凹部46に取り付けられた膨張式封止材48とを有する。非膨張状態で(
図2Aと
図2B)、膨張式封止材48は、有利には、凹部から突出せず、α部分上の試験装置D1の接続中に摩擦を低減する。更に、封止材は、保護される。例えば、膨張式封止材48は、拡張されるように意図された面の反対側の面で接着される。
【0055】
膨張式封止材は、例えば、エラストマ、例えば、シリコーン、ブタジエンスチレン、SBR(ブタジエンスチレンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマ)、フッ素重合体、例えば、FKM、水素化ニトリルHNBR(水素化ニトリルブタジエンゴム)で作成される。
【0056】
空所の直径は、膨張式封止材48が、膨張状態で、隔離室の潜在的漏れゾーンF1及びF2を覆わないように選択される。更に、好ましくは、ケーシングは、密封材23と接触しないようなものである。ケーシングの寸法は、開口44に隣接する凹部46の縁、換言すると、凹部46と開口44の間の隔壁が密封材23と接触しないようなものである。試験装置D1の位置決めは、固定手段によって保証され、接続状態で、ケーシングと詳細には凹部46の内縁は、密封材23に触れないほど短い。
【0057】
試験装置D1は、α部分上のケーシング36、詳細には、膨張状態で封止材48が隔離フランジ18の外側面18.1に接するように、隔離フランジ18上のケーシングを機械的に接続するための手段50を有する。
【0058】
有利には、機械的接続手段50は、容器フランジ20を隔離フランジ18上に固定するための手段と係合する。記載された例では、これらは差込み手段である。したがって、装置D1が容器の代わりにフランジ上に取り付けられるので、機械的接続手段50は、容器フランジ20によって支持されるものと同一である。
【0059】
図2A~
図2Cに示された例では、従って、機械的接続手段は、隔離フランジ18の凹部54に貫入し並進して2つのフランジ18及び20をロックする突起52を有する。変形物では、機械的接続手段は、ねじ込みなどによるスナップ嵌め型のものでよい。
【0060】
試験装置は、更に、ポンプP1と、ポンプP1を膨張式封止材48と空所38に選択的に接続する空気回路C1を有する。回路C1は、
図2A~
図2Cには示されない。
【0061】
【0062】
空気回路C1は、ポンプP1と膨張式封止材48と空所38の間の選択的接続手段を有する。
【0063】
有利には、空気接続手段は、分配弁を構成する第1の分配器3/2 66を有する。分配器は、2つの位置と、3つのオリフィス、即ち、ポンプP1に接続された第1のオリフィス、膨張式封止材48に接続された第2のオリフィス、及び封止材48を収縮させることを可能にする第1のパージ系68に接続された第3のオリフィスを有する。
【0064】
第1の分配器3/2 66は、ポンプP1と封止材48を接続して封止材48と第1のパージ系68の間の連通を中断するか、封止材48と第1のパージ系68を接続してポンプP1と封止材48の間の連通を中断するように、2つの位置を取り得るスライドを有する。
【0065】
例えば、第1のパージ系68は、第1の分配器3/2 66の第3のオリフィスに接続された第1のオリフィスと、パージゾーン69に接続された第2のオリフィスとを有する第1の分配器2/2 70を含む。第1の分配器2/2 70は、2つの位置、即ち、第1のオリフィスが第2のオリフィスに接続された位置と、第1と第2のオリフィス間の接続が中断された位置とを含む。
【0066】
有利には、空気接続手段は、ポンプP1に接続された第1のオリフィスと、空所38に接続された第2のオリフィスと、空所からの排出を可能にする第2のパージ系74に接続された第3のオリフィスを有する分配弁を構成する第2の分配器3/2 72を有する。
【0067】
第2の分配器3/2 72のスライドは、ポンプP1と空所38を接続して空所38と第2のパージ系74の間の連通を中断するか、空所38と第2のパージ系74を接続してポンプP1と空所38の間の連通を中断するように2つの位置を取り得る。
【0068】
例えば、第2のパージ系74は、第2の分配器3/2 72の第3のオリフィスに接続された第1のオリフィスと、パージゾーン75に接続された第2のオリフィスとを有する第2の分配器2/2 76を有する。第2の分配器2/2 76は、2つの位置、即ち、第1のオリフィスが第2のオリフィスに接続された位置と、第1と第2のオリフィス間の接続が中断される位置とを有する。
【0069】
分配器66,70,72,76のスライドを移動させるための手段は、有利には電気機械手段であり、分配器は電動弁又は電磁弁である。変形物で、スライドを移動させるための手段は、空気手段又は機械的手段である。
【0070】
分配器66,70,72,76は、有利には、例えば電子基板によって支持された制御ユニットUCによって指令される。
【0071】
分配器66,70,72,76の全て又は幾つかが、制御ユニットUCによって指令される個別の弁に置き換えられうることが理解されよう。
【0072】
ポンプP1は、封止材48を数バールの圧力、例えば低流量で2バールの圧力で膨張させることを可能にするものであり、実際には封止材の体積は小さい。更に、ポンプP1は、外側圧力、例えば40ミリバールに対する真空を、縮小体積を有する空所38内で生成することを可能にする。
【0073】
膜板ポンプは、きわめて有利には、封止材の膨張と空所内の真空の生成の両方を保証することを可能にする。変形物では、試験装置内ではピストンポンプ、ベーンポンプ又はインペラポンプが使用されうる。
【0074】
空気回路C1は、また、密封を確認するために空所38内の圧力を制御するための手段78を有し、手段78は、例えば、圧力センサを有する。実際には、圧力が上昇する場合、これは、α部分が密封されないことを意味する。
【0075】
きわめて有利には、空気回路C1は、その状態の検証及び/又は隔離フランジ18上の装置の取り付けを可能にする膨張式封止材48内の圧力を監視するための監視手段80を有する。例えば、監視手段80は、圧力スイッチを有する。圧力スイッチは、圧力の損失を制御する。所定の指示は、事前に固定された封止材の膨張圧力値に対応する。圧力スイッチは、所定の指示と封止材の実際の圧力測定値を比較する。この指示/測定値の差がしきい値を超えるとき、例えば封止材が突き通された場合、圧力スイッチは、信号、例えば、警告灯の形のアラームを送る。これにより、圧力が試験全体にわたって安定したままであり、試験の状態が有効であることを確認することができる。膨張中、圧力スイッチは、封止材の膨張圧力値に達したときにポンプの停止を命じる。
【0076】
回路C1は、少数の分配器を有する最適化された大きさを有する。
【0077】
次にα部分の密封を試験するための装置D1の動作について述べる。
【0078】
装置D1は、容器が接続されたときにα部分のフランジに接続される。この例では、α部分への装置の接続は、差込み型のものである。
【0079】
分配器2/2 70及び76は、パージゾーン69及び75への接続を中断する位置にある。
【0080】
装置D1がα部分に取り付けられたとき、試験装置の空所38がα部分によって閉じられ、制御ユニットUCは、第1の分配器3/2 66に指令してポンプP1を膨張式封止材48に接続し、ポンプP1に指令して封止材48を膨張させる。封止材48が十分に膨張するとき、ポンプP1が停止される。次に、第1の分配器3/2 66は指令されて、封止材48とポンプP1を遮断し、閉鎖位置にある第1の分配器2/2 70に封止材48を接続する。これにより、封止材の体積が閉じられる。膨張式封止材を有するα部分によって区切られた空所38は、試験体積Vを形成する。
【0081】
試験段階が始まる。制御ユニットUCは、第2の分配器3/2 72に指令してポンプP1を空所38に接続し、ポンプP1を活動化して空所38内の流体(例えば、空気)を吸い込んで外側圧力に対して負圧力を生成する。所望の圧力レベルに達したとき、ポンプP1の動作が中断され、第2の分配器3/2 72が切り替えられて、閉鎖位置にある第2の分配器2/2 76に接続することによって空所38を遮断する。
【0082】
次に、空所38内の圧力レベルが、手段78によって監視される。
【0083】
圧力が上昇する場合、これは、隔離室の内部と空所の間に漏れがあることを意味する。このことから、α部分、即ち扉とα部分のフランジの間の接続が密封されていないと推定される。膨張式封止材は、潜在的漏れゾーンを塞がないようにα部分と接触する。
【0084】
空所内の圧力が安定している場合、このことからα部分が密封されていることが結論付けられる。
【0085】
次に、第1及び第2の分配器2/2 70,76が指令を受けて、封止材48と空所38をそのそれぞれのパージゾーン69及び75に接続する。
【0086】
【0087】
回路C1’は、ポンプを膨張式封止材48と空所38に選択的に接続する第1の分配器3/2 82を有する。
【0088】
回路C1’は、分配器82と膨張式封止材48の間の分岐C1.1’と、分配器82と空所38の間の分岐C1.2’を有する。
【0089】
分岐C1.1’は、分配器82と膨張式封止材の間の流れを可能又は不可能にする分配器2/2 84と、膨張式封止材48を空にするために分配器84から下流にある分配器2/2 86とを有する。
【0090】
分岐C1.2’は、分配器82と空所38の間の流れを可能又は不可能にする分配器2/2 88と、空所38を空にするために分配器88から下流にある分配器2/2 90とを有する。
【0091】
様々な分配器が、制御ユニットによって指令される。
【0092】
回路C1’の動作は、回路C1の動作と類似している。
【0093】
図5A~
図5Cに、β部分を試験することを可能にする装置D2の一例が見られる。
【0094】
図5A~
図5Cには、詳細にはβ部分の密封を試験するように適応された密封試験装置D2が見られうる。容器フランジ20は、遮断扉22上に取り付けられた密封材23と類似の封止材27を有する。
【0095】
装置D2は、やはり膨張式封止材を実装して封止空所をβ部分で区切るという点で、装置D1にきわめて近い。膨張式封止材148が容器フランジ20の半径方向外周と接触する点が装置D1と異なる。装置D2は、回転軸X1’を有する。
【0096】
ケーシング136は、底140と側壁142によって区切られた空所138と、膨張式封止材148を収容するケーシング内の放射状凹部146の区切るように空所の内径より小さい直径の開口144を有する。
【0097】
例えば、膨張式封止材148は、その反対面によって、拡張されるように意図された面の反対側の面で接着される。膨張式封止材148は、放射状凹部146を底に接着される。封止材48のために示された材料の例が、封止材148に適用される。
【0098】
有利には、開口144は、β部分上のケーシングの取り付けを容易にする半径方向内側斜縁を有する。
【0099】
β部分上の装置の取り付けは、β部分の自由面と空所138の底140の間に隙間が残って、β部分と装置の間に試験体積V’を作り、潜在的漏れゾーンF1’及びF2’の閉鎖を回避するようなものである。体積V’は、典型的には数cm3である。
【0100】
図5A~
図5Cに示された例で、試験装置D2は、差込み型接続によってβ部分に接続されるように構成される。この例で、装置D2は、空所138の底と封止材148の間の放射状凹部146内に配置された突起152を有し、突起152は、容器フランジ20の外周縁と係合する。
【0101】
変形物で、機械接続手段は、ねじ込みなどのスナップ嵌め型のものでよい。
【0102】
β部分の密封を確認する試験装置D2の動作は、α部分の密封を試験するための装置の動作と類似している。したがって、これについては詳細に述べない。
【0103】
図6に、グローブケーシングポート内に取り付けられるように意図されたグローブGの密封の試験を可能にする装置D3の例の概略図が見られうる。この装置は、隔離室に接続されることが望ましい少なくとも1つの柔軟部分又は要素を含む系全体の密封を確認することが可能である。例えば、これは、グローブ、グローブと関連付けられたカフ、潜水服、半潜水服でよい。
【0104】
潜水服又は半潜水服の体積はグローブの体積と実質的に異なるので、試験の持続時間を短くするために、潜水服又は半潜水服を膨張させるように適応されグローブを膨張させるために実現されたものと異なるポンプが使用されることが好ましい。
【0105】
グローブは、開口を備え、隔離室の壁155を介して固定されたグローブポートRに密封式に接続されるように意図された柔軟部分Sを有する。
【0106】
装置D3は、装置D2の構成と近い構成を有する。封止材148は、グローブポートRの内側面と接触するように側面凹部156内に取り付けられる。例えば、
図6に示されたように、グローブの開口は、外周に凹部158を備えたグローブポート端に取り付けられる。Oリング160が、凹部158内でグローブの上に取り付けられ、グローブポートR上のグローブGの維持を保証する。
【0107】
示された例で、グローブポートRは、凹部158を支持する端と反対の端の高さにねじ山162を有し、ねじ山は、隔離室の外側に配置されるように意図される。ナット164は、隔離室の外側からねじ山にねじ留めされ、壁によってグローブポートRを動かなくする。隔離室内でグローブポートRと壁155の間に封止材165が挿入されることが好ましい。
【0108】
装置D3は、1つの単一ポンプP2と、ポンプを膨張式封止材又はグローブに選択的に接続する空気回路とを有する。
【0109】
図7に、そのような空気回路C2の例の概略図が見られる。
【0110】
空気回路C2は、ポンプP2と膨張式封止材148の間でグローブG内に選択的接続手段を有する。
【0111】
ポンプP2は、空気が吸い込まれる減圧オリフィスと、空気が放出される圧力オリフィスとを有する。
【0112】
空気回路C2は、ポンプP2の圧力オリフィスに直接接続された分岐C2.1と、全て分岐C2.1に接続された3つの分岐C2.2、C2.3及びC2.4とを有する。
【0113】
分岐C2.2は、分岐C2.1を介してポンプP2の圧力オリフィスをグローブの内部に接続する。分岐C2.2は、分岐C2.1に接続された第1のオリフィス、グローブGに接続された第2のオリフィス、及びポンプの減圧オリフィスに接続された第3のオリフィスを有する分配弁を構成する分配器3/2 172を備え、弁172は、第2のオリフィスを第1のオリフィス又は第3のオリフィスに接続するために切り替えられうる。
【0114】
分岐C2.3は、分岐C2.1を介してポンプP2と膨張式封止材148の内部とを接続する。分岐C2.3は、分岐C2.1に接続された第1のオリフィスと、膨張式封止材に接続された第2のオリフィスとを有する分配弁を構成する分配器2/2 166を備える。
【0115】
分岐C2.4は、分岐C2.1に接続されたオリフィスと、外部環境に接続されたオリフィスとを有する分配器2/2 170を備える。
【0116】
回路は、また、ポンプP2の減圧オリフィスに接続されたオリフィスと、弁172を介してグローブに接続されたオリフィスと、外部に接続されたオリフィスとを有する分配器3/2 176を含む分岐C2.5を有する。弁176は、第1のオリフィスを第2のオリフィスと連通させるか第3のオリフィスと連通させるかを、切り換えうる。
【0117】
装置D1に関して、分配器166,170,172,176のスライドを移動させるための手段が、有利には電気機械手段であり、分配器は、電動弁又は電磁弁である。変形物では、スライドを移動させるための手段が、空気圧手段又は機械的手段である。
【0118】
分配器166,170,172,176は、有利には、例えば電子基板によって支持された制御ユニットUC’によって指令される。
【0119】
分配器166,170,172,176の全て又は幾つかが、制御ユニットUC’によって指令される個別の弁と置き換えられうることも理解されよう。
【0120】
装置D3は、また、グローブの密封を確認するためにグローブ内の圧力を確認するための手段178を有する。実際には、圧力が低下する場合、これは、グローブが密封されていないことを意味する。例えば、手段は、圧力センサを含む。
【0121】
次に装置D3の動作について述べる。グローブは、グローブポートによってグローブケーシングを接続するための装置上に密封式に既知の方式で取り付けられる。
【0122】
グローブは、隔離室内に配置される。
【0123】
装置D3は、グローブポートRに取り付けられる(
図6)。
【0124】
最初に、膨張式封止材148が膨張する。このため、弁166及び172は、
図7の位置にあり、弁170が切り替えられて分岐C2.4内の循環が中断され、弁172が切り替えられて減圧オリフィスが外部環境に接続される。ポンプが作動される。封止材148が膨張する。封止材が十分に膨張したときにポンプP2が停止される。弁166は、封止材を遮断するように切り替えられる。
【0125】
試験段階が始まる。制御ユニットは、分配器3/2 172に指令してポンプP2をグローブGの内部に接続させ、ポンプP2を作動させて、例えば約10ミリバールの圧力でグローブGを膨張させる。所望の圧力レベルに達したとき、ポンプP2の動作が中断され、分配器3/2 172が切り替えられてグローブGの内部が遮断される。
【0126】
次に、グローブGの圧力レベルが監視される。
【0127】
圧力が低下する場合、これは、グローブGに漏れあり、グローブGが不良と見なされることを意味する。グローブは交換されなければならない。
【0128】
グローブ内の圧力が安定している場合、このことからグローブが密封され使用されうると結論付けられる。
【0129】
試験が終わったとき、封止材とグローブが収縮される。きわめて有利には、力によりグローブを収縮又はパージする段階が行われる。弁166及び172が、グローブの内部をポンプP2の減圧オリフィスに接続するように切り替えられ、弁170は、分岐C2.4によってポンプの圧力オリフィスを外部環境に接続するように切り替えられる。ポンプP2は、グローブGから空気を吸引する働きをし、これにより、有意体積を有するグローブの迅速な収縮が保証される。
【0130】
封止材は、弁166を切り替えることによって外部環境に直接接続される。実際には、封止材は、グローブより実質的に低い体積を有し、したがってその自然収縮はきわめて迅速である。
【0131】
したがって、装置D3は、グローブの迅速な収縮を保証するという利点を有する。更に、より極めて小型になる。
【0132】
更に、空気回路C2は、二重扉移動系を試験するために、α部分の密封を試験するための装置D1とβ部分の密封を試験するための装置D2に使用できるという利点を有する。実際には、弁166とポンプの減圧オリフィスの間の接続によって、系内の減圧の生成を試験することができ、これは、二重扉移動系を試験するために望ましい。
【0133】
したがって、空気回路C2は、装置D1、D2又はD3に取り付けられることにより、グローブ及び前述の任意の柔軟接続オブジェクトと二重扉移動系との両方の試験を可能にする。
【0134】
図8に、グローブケーシングポートに取り付けられるように意図されたグローブGの密封の試験を可能にする装置に適応された回路C3の別の例が見られる。
【0135】
有利には、空気接続手段は、ポンプP3に接続された第1のオリフィスと、膨張式封止材148に接続された第2のオリフィスと、封止材148が収縮することを可能にする第1のパージ系268に接続された第3のオリフィスとを有する分配弁を構成する第1の分配器3/2 266を備える。
【0136】
第1の分配器3/2 266は、ポンプP3と封止材148、又は封止材148と第1のパージ系268を接続できるようにスライドを有する。
【0137】
例えば、第1のパージ系268は、第1の分配器3/2 266のパージゾーンと第3のオリフィスの間に分配器2/2 270を有する。
【0138】
有利には、空気接続手段は、ポンプP3に接続された第1のオリフィスと、グローブGの内部に接続された第2のオリフィスと、グローブGの内部をパージすることを可能にする第2のパージ系274に接続された第3のオリフィスとを有する分配弁を構成する第2の分配器3/2 272を有する。
【0139】
第2の分配器3/2 272は、ポンプP3とグローブGの内部、又はグローブGの内部と第2のパージ系274を接続できるようにスライドを有する。
【0140】
例えば、第2のパージ系274は、第2の分配器3/2 272のパージゾーンと第3のオリフィスの間に分配器2/2 276を有する。
【0141】
次に回路C3を備えたグローブの密封を試験するための装置の動作について述べる。
【0142】
試験装置は、グローブポートRに取り付けられる。
【0143】
パージ系の分配器270,276は閉位置にある。
【0144】
制御ユニットは、第1の分配器3/2 266に指令してポンプP3を封止材148に接続させ、ポンプP3に指令して封止材148を膨張させる。封止材148が十分に膨張されたとき、ポンプP3が停止される。第1の分配器3/2 266は、ポンプP3の封止材148を遮断するように指令される。封止材148は、閉鎖位置にある分配器270に接続される。試験装置と膨張式封止材とによって区切られたグローブの内部が試験体積を形成する。
【0145】
試験段階が始まる。制御ユニットは、第2の分配器3/2 272に指令してポンプP3をグローブGの内部に接続し、ポンプP3を活動化してグローブGを、例えば約10ミリバールの圧力で膨張させる。所望の圧力レベルに達したとき、ポンプP3の動作が中断され、第2の分配器3/2 272が切り替えられて、グローブGの内部を、閉鎖位置にある第2のパージ系274の分配器276に接続することによってグローブGの内部が遮断される。
【0146】
次に、グローブGの圧力レベルが監視される。
【0147】
圧力が低下する場合、これは、グローブGに漏れがあり、グローブGが不良と見なされることを意味する。グローブ内の圧力が安定している場合、このことからグローブが密封され使用できると結論付けられる。
【0148】
次に、パージ系268,274の分配器270,276が、封止材148及びグローブGをパージ系268,274にそれぞれ接続するように指令される。
【0149】
密封試験の実行と前述の様々な装置の分配器とポンプの指令は、自動化されることが好ましく、指令ユニットは、決定されたシーケンスに従って分配器とポンプに指示して、例えば色付き光によって、試験の結果を通知するメッセージをユーザに送る。試験は、単純化され、間違った動作の危険性が実質的に低下する。
【0150】
変形物では、ユーザが、決定されたシーケンスに従って分配器とポンプの全て又は幾つかを手動で指令することが検討されうる。
【0151】
空気回路の構成が、詳細には実質的に利用可能な場所と使用されうる分配器の数により変化できることを理解されよう。
【0152】
本発明による試験装置は、試験される系上の装置の取り付けの密封を保証して密封試験を行うために、単一ポンプの実装により小型で質量が少ないという利点を有する。
【0153】
更に、装置は、使用が比較的単純である。更に、限られた数の構成要素により誤動作の危険が低下する。
【符号の説明】
【0154】
36 ケーシング、
48,148 膨張式封止材
66,166 分配器
78,178 測定するための手段
P1,P2 空気ポンプ
C1,C2 空気回路
UC,UC’ 制御ユニット