(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】海面処分場護岸の遮水構造
(51)【国際特許分類】
E02B 3/12 20060101AFI20241002BHJP
B09B 1/00 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
E02B3/12
B09B1/00 F ZAB
B09B1/00 H
(21)【出願番号】P 2020183350
(22)【出願日】2020-10-30
【審査請求日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2020009191
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000204192
【氏名又は名称】太陽工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098246
【氏名又は名称】砂場 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】石田 正利
(72)【発明者】
【氏名】池谷 典尚
(72)【発明者】
【氏名】和木 多克
【審査官】佐久間 友梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-107603(JP,A)
【文献】特開2008-023487(JP,A)
【文献】特開2008-080325(JP,A)
【文献】特開2021-101063(JP,A)
【文献】特開2004-181393(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/04-3/14
3/18
B09B 1/00-5/00
B09C 1/00-1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海面処分場護岸を区画するように造成された護岸構造物の基部に、不透水性遮水材料を充填してなる根固め遮水層を介して、前記護岸構造物を支持する遮水基盤面上に敷設された遮水層を構成する遮水シートの端部を定着させる遮水構造であって、
前記根固め遮水層は、前記遮水シート上に設けられた押さえ工と前記護岸構造物との間の空間に充填された冷固したアスファルトマスチック根固め層からなり、
前記遮水シート
は、端部が前記護岸構造物の基部まで延在するように敷設され、第1の中間遮水シートが前記遮水シート上の前記根固め遮水層と前記押さえ工との間に密着し、前記遮水シートから立ち上げられた形状が保持されるように、前記遮水シートに溶着接合され、
前記第1の中間遮水シートに加え、前記第1の中間遮水シートと前記護岸構造物との間の前記遮水シートに、少なくとも1枚の第2の中間遮水シートが、前記根固め遮水層内で前記遮水シートから立ち上げられた形状で保持されるように、前記遮水シートに溶着接合され、
前記根固め遮水層表面と前記遮水シートとの間の浸透路長を、前記
第1の中間遮水シート
と前記第2の中間遮水シートの表面を経由させて延長させたことを特徴とする海面処分場護岸の遮水構造。
【請求項2】
前記第2の中間遮水シートは、前記
第1の中間遮水シートより短い長さで、前記根固め遮水層内に埋設されるようにして立ち上げられた形状が保持された請求項
1に記載の海面処分場護岸の遮水構造。
【請求項3】
前記第2の中間遮水シートの長さは、前記
第1の中間遮水シートの長さの1/2である請求項
2に記載の海面処分場護岸の遮水構造。
【請求項4】
前記遮水層は、
前記遮水シートと、その両面を挟む保護マットとの積層シートからなる請求項1に記載の海面処分場護岸の遮水構造。
【請求項5】
前記不透水性遮水材料は、所定の遮水性能を有する、アスファルト系材料、コンクリート系材料、土質系材料、ケミカル系材料から選択された請求項1に記載の海面処分場護岸の遮水構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は海面処分場護岸の遮水構造に係り、特に海面処分場等を建設する際に埋立域を囲むために構築される遮水護岸に設けられる遮水シートの護岸基部及び鉛直遮水工における遮水シート接合部、遮水護岸構造への定着部での遮水を確実に行えるようにした海面処分場護岸の遮水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般廃棄物及び産業廃棄物の海面最終処分場は、遮水護岸を構築するために、連結部分を遮水構造とした複数のケーソンやセル等の護岸構造物によって区画して建設されている。これらの埋立域側では供用後の護岸構造物及び基礎地盤により囲まれた管理型廃棄物最終処分場から周辺海域及び周辺陸域への廃棄物や保有水の浸出防止を図るために、遮水シート等による各種の遮水構造が施工されている。
【0003】
これらの遮水構造については、「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令(以下、基準省令)」(非特許文献1)にその基本構造が明示されている。
図15は、固化処理土59を裏埋め土として用いた遮水護岸50によって海面が区画され、建設された海面処分場の一例において、廃棄物58による埋立が完了した状態を示した概略断面図である。この海面処分場となる埋立域62は、遮水護岸の前面側のケーソン式混成堤護岸と背面側の鋼製矢板56とによって区画された内部が固化処理土59によって裏埋めされて遮水護岸50で区画されている。
【0004】
ケーソン式混成堤護岸は、深層混合処理土層52上に構築された捨石マウンド53上にケーソン64が設置され、捨石マウンド53の埋立域62側の法面に沿って、遮水シート71からなる表面遮水工70が形成されている。表面遮水工70の上には、表面遮水工70全体を覆うように、上部被覆層としての押え捨石57が構築されている。
【0005】
一方、背面側の鋼製矢板56の外面側(埋立域62側)の表面全面にわたり、表面遮水工70と同様の構成からなる遮水シート71からなる外側鉛直遮水工75が施され、その背後(内陸側)の埋立域62は搬入された廃棄物58で埋め立てられる。
【0006】
このように、一般に海面処分場は、埋立護岸構造物の各部に遮水工が付加された管理型廃棄物埋立護岸として構築される。各部の遮水工として、たとえば捨石マウンド53の法面から天端を覆うように敷設された表面遮水工70とケーソン64の基部との間には、アスファルトマスチック根固め層30が形成される。このような表面遮水工70では、遮水シート71を押さえるように施工される押さえブロック33と遮水シート71及びケーソン64との接合部分における遮水性を確保するために、アスファルトマスチック根固め層30と遮水シート71とが密着するのに必要な最小限の長さ(浸透路長)を確保することが必要である。
【0007】
これらの構成のうち、遮水護岸50の背面側の鋼製矢板56は、深層混合処理土層52に所定の根入れ長を確保して建て込まれ、頂部付近がケーソン64を控え工としたタイロッドTに保持された状態で埋立域62が区画されている。
【0008】
このように、鋼製矢板56は不透水性壁体としての機能が求められており、さらに経年劣化による構造性能の低下を防止するために、鋼製矢板56の外面側(埋立域62側)の表面全面にわたり、外側鉛直遮水工75が付設される。外側鉛直遮水工75には積層シート構造からなる遮水シート71が使用されている。
【0009】
ところで、この鋼製矢板56の外面鉛直遮水工75において、鋼製矢板56の建て込みと、鋼製矢板56の表面に遮水シート71を取り付ける作業とは、冬季に行わず年度を跨いで工事が行われる。このとき各工区間(たとえば、当該年度工区と、次年度工区との間)の工区境において、工事休止期間の間、ケーソン64に定着される遮水シートの端部71a(
図16,17)を海中の全水深において安定した状態にしておく必要がある。また、工区境において、遮水シート71が連続しない分断部15が生じるため、工区境において分断された遮水シート71の端部71bでの遮水性を確保する必要がある。
【0010】
このような遮水シートの分断部でのシート端部での遮水性を確保するためにシート接続構造体が提案されている(特許文献1)。このシート接続構造体に設けられる遮水シートの接合部において、接合される遮水シートのそれぞれの端部を覆うように、連結体の枠体をシート端部に被せ、その内部にアスファルト混合物等の遮水材を充填するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【非特許文献】
【0012】
【文献】環境庁 法令・告示・通達、“一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令”、[online]、最終更新:平成29年6月9日公布改正、環境省、[令和2年3月6日検索]、インターネット<URL:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=352M50000102001&openerCode=1>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、遮水シート71の端部が保持されるアスファルトマスチック根固め層30は、流動状態のアスファルトマスチックが仕切型枠としての押さえコンクリートブロック33で囲まれた区画内に充填され、冷固したものである。この時のアスファルトマスチック根固め層30内で浸透路長Lは、たとえば根固め層30の底辺長に相当し、L>1,250mm(たとえば1,250mm=必要密着長500mm×安全率2.5)確保することが求められている。また、表面が鉛直遮水工75で覆われた鋼製矢板56の基部においても、遮水シート20の端部は押さえブロック33等で遮水シート20とアスファルトマスチック根固め層30及び処理土表面等に密着させて十分な遮水性能を発揮させる必要がある。
【0014】
しかし、捨石マウンド53上に設置されたケーソン64の基部と捨石マウンド53の法肩との距離が短く、アスファルトマスチック根固め層の底面長が確保できない場合や、遮水シート71の接合部の構造上、浸透路長を確保できない場合がある。
【0015】
特許文献1に開示されたシート接続構造体では、遮水シートの接合部において、それぞれの遮水シートの端部での遮水性能は保持することが可能となるが、それぞれの遮水シートを接合する工程を含む場合において、分断された箇所での遮水シート端部を安定した状態で保持する点や、その状態での遮水性を確保する点については考慮されていない。
【0016】
また、鉛直遮水工75において、
図16,
図17に示したように、ケーソン64などの構造物への定着部となる遮水シート71のシート端部71aや、遮水シート71の接合部でのシート端部71bでの遮水を、その深度方向の全高にわたって確実に行う必要がある。
【0017】
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消するために、アスファルトマスチック遮水部内に定着された遮水シート各部の端部とアスファルトマスチックとの間において、十分な浸透路長を確保することで、遮水シートの根固め部でのシート端部、構造物への定着部でのシート端部、遮水シート分断部におけるシート端部において、十分な遮水性を確保できるようにした海面処分場護岸の遮水構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の海面処分場護岸の遮水構造は、海面処分場護岸を区画するように造成された護岸構造物の基部に、不透水性遮水材料を充填してなる根固め遮水層を介して、前記護岸構造物を支持する遮水基盤面上に敷設された遮水層を構成する遮水シートの端部を定着させる遮水構造であって、前記根固め遮水層は、前記遮水シート上に設けられた押さえ工と前記護岸構造物との間の空間に充填された冷固したアスファルトマスチック根固め層からなり、前記遮水シートは、端部が前記護岸構造物の基部まで延在するように敷設され、第1の中間遮水シートが前記遮水シート上の前記根固め遮水層と前記押さえ工との間に密着し、前記遮水層の遮水シートから立ち上げられた形状が保持されるように、前記遮水シートに溶着接合され、前記第1の中間遮水シートに加え、前記第1の中間遮水シートと前記護岸構造物との間の前記遮水シートに、少なくとも1枚の第2の中間遮水シートが、前記根固め遮水層内で前記遮水シートから立ち上げられた形状で保持されるように、前記遮水シートに溶着接合され、
前記根固め遮水層表面と前記遮水シートとの間の浸透路長を、前記第1の中間遮水シートと前記第2の中間遮水シートの表面を経由させて延長させたことを特徴とする。
【0022】
前記第2の中間遮水シートは、前記第1の中間遮水シートより短い長さで、前記根固め遮水層内に埋設されるようにして立ち上げられた形状が保持されることが好ましい。
【0023】
前記第2の中間遮水シートの長さは、前記第1の中間遮水シートの長さの1/2であることが好ましい。
【0024】
前記遮水層は、遮水シートと、その両面を挟む保護マットとの積層シートからなることが好ましい。
【0025】
前記不透水性遮水材料は、所定の遮水性能を有する、アスファルト系材料、コンクリート系材料、土質系材料、ケミカル系材料から選択されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の海面処分場護岸の遮水構造の一実施形態が用いられている海面処分場(全体構造の一例として
図15参照)のケーソン式混成堤護岸のケーソンと捨石マウンドの天端近傍を示した側断面図。
【
図2】
図1に示した遮水構造の基部を拡大して示した拡大側断面図。
【
図3】
図15に示した鋼製矢板の根入れ部上端に本発明の遮水構造を適用した実施形態を拡大して示した拡大側断面図。
【
図4】
図1に示した遮水構造の他の実施形態を拡大して示した拡大側断面図。
【
図5】さらに他の実施形態の遮水構造を拡大して示した拡大側断面図。
【
図6】鋼製矢板の遮水構造の他の実施形態の全体構造を示した側断面図。
【
図7】鋼製矢板の根入れ部上端近傍での遮水構造を拡大して示した拡大側断面図。
【
図8】本発明の海面処分場護岸の遮水構造を、海面処分場(一例として
図16)のケーソン式混成堤護岸に適用した一実施形態を示した部分平面図。
【
図9】
図8に示した遮水シート分断部(IX)での遮水シート端部の遮水構造の一実施形態を拡大して示した部分平面図。
【
図10】
図9に示した分岐遮水シートの変形例を示した部分平面図。
【
図11】遮水シート端部の遮水構造の他の実施形態を示した部分平面図。
【
図12】
図8に示したケーソン側定着部(XII)での遮水シート端部の遮水構造の一実施形態を拡大して示した部分平面図。
【
図13】遮水シート端部の遮水構造の他の実施形態を示した部分平面図。
【
図14】遮水シート端部の遮水構造のさらに他の実施形態を示した部分平面図。
【
図15】従来の海面処分場護岸の遮水構造の一例の全体構造を示した側断面図。
【
図16】従来の海面処分場護岸の鉛直遮水工におけるケーソンと鋼製矢板の設置状態、ケーソン側定着部、遮水シート分断部の位置例を示した部分平面図。
【
図17】
図16に示したケーソンと鋼製矢板の設置状態、ケーソン側定着部、遮水シート分断部の位置例を示した部分正面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の海面処分場護岸の遮水構造の実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0033】
[表面遮水工基部における遮水構造の構成]
図1は、本発明の遮水構造を、
図15に例示した海面処分場と同じ規模の海面処分場の遮水護岸のケーソン4の基部と捨石マウンド3の端部との間の接合部分に適用した実施形態を示している。
図2は、
図1の捨石マウンド3の天端部分のケーソン4の基部との間の遮水構造を拡大して示している。
【0034】
図1に示したケーソン4は、海面処分場を区画する遮水護岸1の前面側(海洋側)の構造物として、深層混合処理土層52(
図15)上に造成された捨石マウンド3上に設置されている。ケーソン4は、内部に中詰め砂が充填された公知の鉄筋コンクリート製、鋼製、ハイブリッド製の函体からなり、複数の同形のケーソン4を捨石マウンド3上に列状に配置され、その背面が個か処理度9で裏埋めされる。これにより、沿岸水域に所定面積、広さからなる埋立域11(
図15)を区画する遮水護岸1の前面側の構造物として機能する。
【0035】
図1、
図2に示したように、ケーソン4は、捨石マウンド3上の天端の幅方向のほぼ中央位置に設置される。捨石マウンド3の法面には表面遮水工10が捨石マウンド3の法肩から法尻までの法面全体を覆うように敷設され、その上面に表面遮水工10を保護するための押え捨石5が所定層厚で積み上げられている。さらに、表面遮水工10の上端部は、アスファルトマスチック浸透防止用の目潰し砕石7が所定層厚で敷設された捨石マウンド3の天端面を覆い、ケーソン4の基部に到達するように延設されている。
【0036】
表面遮水工10は、芯材としての遮水シート20の両面が保護マット22で積層された三層一体型の積層シートからなる。遮水シート20は、低密度ポリエチレンシート(LLDPE:厚さ3mm)からなり、その上下面に保護マット22としての不織布が一体的に積層された三層一体型の積層シートの構成からなる。このように、遮水シートの両面に保護マット22としての不織布を積層して配置することにより、捨石マウンド3の裏込め材料の表面に不織布が接し、裏込め材料と遮水層との間に大きな静止摩擦力と、緩衝作用が確保できる。遮水シートに好適な他の素材としては、ポリ塩化ビニル(PVC)製シート、不織布とPVCシートとの積層シート、熱可塑性系エラストマー(TPE)シート、高密度ポリエチレンシート(HDPE)の単体シート等があり、これらを適宜選択して使用することができる。シート厚としては沈下等による伸び等を考慮して1.5~3.0mm程度とすることが好ましい。
【0037】
保護マット22は、本実施形態ではポリエチレンテレフタラート(PET)不織布(500g/m2)が用いられている。2枚の保護マット22で遮水シート20を挟むように積層し、表面遮水工10が構成されている。保護マット22のその他の好適な材料としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等を使用することができるが、遮水シートの各面に接する現場状況によっては、遮水シート20の片面のみに保護マット22を使用しても良い。
【0038】
ここで、本発明の遮水構造1の端部の構成について、
図2、
図3を参照して説明する。一般部の表面遮水工10は、遮水シート20の両面が保護マット22で挟まれた三層一体型の積層シートからなるが、ケーソン4の基部位置に定着される端部では、
図2に示したように、目潰し砕石7上に下面側の保護マット22L、遮水シート20が敷設され、遮水シート20上にアスファルトマスチック根固め層30が形成されている。このアスファルトマスチック根固め層30は、法肩側に設置された押さえコンクリートブロック33とケーソン4との間にアスファルトマスチックを充填して構築されたブロック体で、このアスファルトマスチック根固め層30と押さえコンクリートブロック33との間には、遮水シート20の幅方向の中間位置のシート上面に接合され、中間遮水シートとして機能する立ち上がり遮水シート21が、立ち上がり保護マット23とともにアスファルトマスチック根固め層30と押さえコンクリートブロック33の間に密着して挟まれるように設けられている。この境界部分に立ち上がり遮水シート21を付加することにより、表面遮水工10の端部での所定の浸透路長が確保され、この境界部分での遮水性が確保されている。
【0039】
立ち上がり遮水シート21は、捨石マウンド3の天端面に敷設された遮水シート20の上面から上方に枝分かれるように遮水性を保持して溶着接合された、一般部の遮水シート20と同等の厚さ、仕様を有する遮水シートである。この立ち上がり遮水シート21の外面(アスファルトマスチック根固め層30と反対側)には、一般部の上面側の保護マット22の端部を折り上げるように延長させて立ち上がり保護マット23が密着している。
【0040】
従来、アスファルトマスチック根固め層30の底面幅Dを設定するに際し、遮水シート20とアスファルトマスチック根固め層30との間の遮水性を確保するために、通常の構造では底面幅Dに相当する長さの浸透路長L(たとえば1,250mm=必要密着長500mm×安全率2.5)を確保することが必要であるところ、本発明では、立ち上がり遮水シート21が遮水性を保持して遮水シート20に接合されているため、この立ち上がり遮水シート21の高さH分を浸透路長として加算して浸透路長Lを
L=D+H
として考慮することができる。
よって、捨石マウンド3の天端面の寸法に制限があり、アスファルトマスチック根固め層30の底面幅Dで必要な浸透路長Lが確保できないような場合にも遮水工の端部での遮水性仕様を確保することができる。
【0041】
図3は、
図15に示した遮水護岸1の背面側の鋼製矢板6の根入れ部上端の地盤面との境界部分6a(以下、根入れ境界6aと記す。)における遮水構造を拡大して示している。
図3に示したように、鋼製矢板6の先端は遮水基盤として施工された深層混合処理土(C.D.M.)2に根入れされているが、鋼製矢板6を挟んだ遮水護岸1の内部及び埋立域11の両側の混合処理土2の表面に不陸整正用水中不分離コンクリート36が打設されて表面がほぼ平面化され、さらに、コンクリート表面に厚さ約15cmのアスファルトマスチック密着層35が形成され、鋼製矢板6の根入れ境界6aでの遮水性が確保されている。
【0042】
遮水護岸1の内部のアスファルトマスチック密着層35の表面には捨石マウンド3上に敷設された表面遮水工10の遮水シート20と上側保護マット22Uの端部が鋼製矢板6の根入れ境界6a位置まで延設され、上側保護マット22Uの端部の所定範囲にわたって根固めアスファルトマスチック根固め層30が形成されている。一方、鋼製矢板6の埋立域11側の側面には外側鉛直遮水工27が施されている。外側鉛直遮水工27では、捨石マウンド3の表面遮水工10と同様に、遮水シート20が保護マット20で挟まれた三層一体型の積層シートが用いられている。
【0043】
埋立域11側の鋼製矢板6から所定範囲にわたる基盤面にも、三層一体型の積層シートからなる基盤面遮水工15が形成されている。鋼製矢板6の外側鉛直遮水工27の基部と基盤面遮水工15の端部とは、
図3に示したように、押さえコンクリートブロック33で区画された部分に充填されたアスファルトマスチック根固め層30によって遮水性能が確保されている。このとき基盤面遮水工15において、
図2に示した構成と同じ構成からなる遮水シート20の上面に接合された立ち上がり遮水シート21と立ち上がり保護マット23とが、アスファルトマスチック根固め層30と押さえコンクリートブロック33の側面に沿って密着して設けられている。この基盤面遮水工15の浸透路長も、基盤面遮水工15の遮水シート20と立ち上がり遮水シート21のシート長の和とすることができる。これにより、鋼製矢板6の根入れ境界6aの基盤面遮水工15においても遮水性が確保されている。
【0044】
図4は、上述した捨石マウンド3の天端における表面遮水工10の遮水シート20に接合された立ち上がり遮水シート21の変形例を示している。同図に示したように、捨石マウンド3の天端のケーソン4の背面側基部と押さえコンクリートブロック33とで区画された範囲に形成されたアスファルトマスチック根固め層30では、押さえコンクリートブロック33とアスファルトマスチック根固め層30との間に
、第1の中間遮水シートとしての立ち上がり遮水シート
21Aを、アスファルトマスチック根固め層30の幅方向のほぼ中央位置に、高さ(長さ)が立ち上がり遮水シート
21Aの1/2である
、第2の中間遮水シートとしての立ち上がり遮水シート
21Bを設け、遮水シート20とこれらの2枚の立ち上がり遮水シート21A,21Bで浸透路長の延長を図っている。2枚の立ち上がり遮水シート21A,21Bを表面遮水工10の遮水シート20から鉛直に立ち上がるように配置されることで、表面遮水工10の端部の浸透路長Lは、
図4で破線表示したように、これら遮水シート
20,
21A,
21Bの長さの和となる。すなわち、アスファルトマスチック根固め層30の底面幅D、高さHとすると、
L=D+H+(H/2)+(H/2)
とすることができ、アスファルトマスチック根固め層30における遮水性能をより発揮させることができる。本実施形態では、立ち上がり遮水シート
21Bの長さは、立ち上がり遮水シート
21Aの1/2であったが、立ち上がり遮水シート
21Bの長さは、立ち上がり遮水シート
21Bがアスファルトマスチック根固め層30内において、自立して埋設されるように保持できる程度に短ければ、適宜長さを変更できる。
【0045】
図5各図は、
図4と同じ構造のアスファルトマスチック根固め層30内において、立ち上がり遮水シート21Bの枚数を3枚、5枚と増やして表面遮水工10の遮水シート20に接合させた変形例を示している。これらの変形例では、立ち上がり遮水シート21Bの枚数を増やした分、必要な密着長(浸透路長)を確保するのに必要な各シート高さを低くできるため、アスファルトマスチック根固め層30の高さHを低くしてアスファルトマスチックの充填量を低減することも可能になる。
【0046】
図6は、
図15に示した海面処分場の例と同じく、護岸前面側のケーソン式混成堤護岸と背面側の鋼製矢板6とによって区画された内部が固化処理土9によって裏埋めされた遮水護岸1を示している。この例で
図15の遮水護岸1と異なる構成は、背面側の鋼製矢板6の内面側(固化処理土側)の表面全面にわたり、内側鉛直遮水工26が施されている点である。この遮水護岸1の遮水構造は表面遮水工10と内側鉛直遮水工26とから構成されている。
【0047】
図7は、
図6に示した遮水護岸1の鋼製矢板6の内側鉛直遮水工26の基部と表面遮水工10の法尻側の先端部分を拡大して示している。この場合にも、
図3に示した場合と同様に、鋼製矢板6の先端部は遮水基盤として施工された深層混合処理土2に根入れされ、内部の混合処理土表面に不陸整正用水中不分離コンクリート36が打設され、その表面に所定厚さのアスファルトマスチック密着層35が形成されている。
【0048】
アスファルトマスチック密着層35の表面には捨石マウンド3(
図6)上に敷設された表面遮水工10の遮水シート20の先端部が鋼製矢板6の根入れ境界6aまで延設され、この先端部の遮水性を確保するために、保護マット22上に設置された押さえコンクリートブロック33で区画された所定範囲にアスファルトマスチック根固め層30が形成されている。このとき、鋼製矢板6の内面側面には、三層一体型の積層シートからなる内側鉛直遮水工26が施されている。
【0049】
この鋼製矢板6の根入れ境界6aでの内側鉛直遮水工26の基部と表面遮水工10の先端部において、
図3に示した構成と同様に、アスファルトマスチック根固め層30と押さえコンクリートブロック33の間には、アスファルトマスチック根固め層30と押さえコンクリートブロック33の側面に沿って立ち上がるように、立ち上がり遮水シート21と立ち上がり保護マット23とが設けられている。これによりこの内側鉛直遮水工26と表面遮水工10との間においても遮水性が保持されるようになっている。
図6に示した内側鉛直遮水工26を採用した場合、
図3に示したような外側鉛直遮水工27の場合に比べ、混合処理土層2の外側に位置する既存地盤12の将来的に発生するおそれのある沈下によって生じる混合処理土層2との段差の影響を受けないという利点がある。
【0050】
[鉛直遮水工における遮水構造の構成]
図8は、
他の発明としての海面処分場護岸の遮水構造を、
図15,16に例示した海面処分場と同程度の規模の海面処分場の遮水護岸の鋼製矢板の外側鉛直遮水工27(71)として取り付けられた遮水シート20の分断部15と、遮水護岸としてのケーソン側定着部4Aに適用した実施形態を示している。
【0051】
図8及び補足的に
図15,16に示したように、海面処分場となる埋立域11(62)を区画する遮水護岸1の前面側(海洋側)の構造物として、ケーソン4(64)が深層混合処理土層52上に造成された捨石マウンド53上に設置されている。ケーソン4(64)は、内部に中詰め砂(図示せず)が充填された公知の鉄筋コンクリート製函体からなり、複数の同形のケーソン4を列状(
図8ではL字形状)に捨石マウンド53(
図15)上に設置され、沿岸水域に所定面積、広さからなる埋立域11(62)を区画する遮水護岸1の前面側の構造物として機能する。
【0052】
一方、遮水護岸1の背面側の構造物として、背面に固化処理土9(59)が裏埋めされたケーソン4から所定の離れを確保した位置に鋼製矢板6(56)が、不透水性壁体を構成するように建て込まれている。鋼製矢板6(56)の頂部付近は、前面側のケーソン4(64)を控え工としたタイロッドTに保持されている。鋼製矢板6の外側面(埋立域11(62)側)の表面には、その全面を覆うように、外側鉛直遮水工27(71)が設けられている。
【0053】
(遮水シート分断部におけるシート端部の遮水構造の構成)
外側鉛直遮水工27(71)の積層遮水シート20は、
図8に示したように、施工される各工区において施工期間が異なるため、各工区の工区境(以下、分断部15と記す。)において、分断された状態で鋼製矢板6(56)に取り付けられる。以下、この分断部15における本発明の遮水シートのシート端部の遮水構造の構成について説明する。以下、かっこ内符号の記載を略す。
【0054】
図9は、外側鉛直遮水工27の分断部15((
図8-IX))における本発明の遮水構造の一実施形態を示した拡大図である。同図には、鋼製矢板6の外側面に沿って取り付けられ、工区境において分断された積層遮水シート20の端部を平面視した状態が示されている。3層からなる積層遮水シート20の端部は、同図に示したように、片面の保護シート22を除いた保護シート22と遮水シート21の2層構成の遮水シートが鋼製矢板6の表面に取り付けられている。さらに鋼製矢板6の屈曲部から分岐した形状で側方に延長する遮水シート25(以下、分岐遮水シート25と記す。)が付加されている。この分岐遮水シート25は、遮水シート21と同等の厚さ、仕様を有する保護シート22、遮水シート21の2層構成の遮水シートで、遮水シート21と鋼製矢板6の屈曲部で枝分かれするように、その根元部が遮水シート21の表面に溶着接合され、分断部15内の所定範囲まで延設され、これにより分断部15内において十分な浸透路長が確保される。
【0055】
分岐遮水シート25は、
図9に示したように、隣接工区で施工された遮水シート21に取り付けられた分岐遮水シート25と、分断部15(隣接工区との工区境)において、分断部15に関して略対称な一直線状をなして配置されている。さらに、同図に示したように、遮水シート端部21aと分岐遮水シート25とが配置された鋼製矢板6の埋立域11(
図8)側がカバープレート31で覆われ、所定容積の空間(以下、分断部空間38と記す。)が形成されている。
【0056】
カバープレート31は、
図9に示したように、プレート本体31aの両側がクランク状に屈曲したフランジ部31bが形成された加工鋼板で、溶接等によってあらじめ頭部が鋼製矢板6側の所定位置に取り付けられたボルト32の位置をガイドとしてカバープレート31で分断部15を覆い、フランジ部31bの貫通孔から現れたボルト32をナット締めしてカバープレート31を所定位置に取り付けることができる。
【0057】
さらに、
図9に示したように、鋼製矢板6とカバープレート31とで囲まれた分断部空間38内は、溶融状態で充填され、冷固したアスファルトマスチックAsで満たされ、遮水シート端部21a、分岐遮水シート25とはアスファルトマスチックAsに密着した状態で完全に埋没している。これにより、分断部15に位置する隣接した工区の各遮水シート端部の浸透路長は十分に確保され、分断部15での遮水シートの遮水性が確保される。
【0058】
図10(a)~(d)は、分岐遮水シート25の変形例を示した部分拡大図である。
図9に示した分岐遮水シート25は、遮水シート21の表面から直線状に延びた形状をなすが、分岐遮水シート25による遮水シート端部21aにおける浸透路長の延長、すなわち遮水性能の向上を図るために、各種の変形例を採用することができる。たとえば
図10(a)は、分岐遮水シート25の先端部分にフランジ25aを設けて全体がT字形状となるようにした例である。分岐遮水シート25の先端部分にフランジ25aに相当するシート片を溶着あるいは一体成形して先端形状をT字形状やL字形状することで、分岐遮水シート25の先端部分での浸透路長を延長することができる。同図(b)は、分岐遮水シート25の先端部分に樹脂製の丸棒状体25bを一体成形した変形例を示している。同図(c)、(d)は、シート長が短い第2,3の分岐遮水シート25B,25Cを遮水シート21に複数箇所設けた例を示している。これらの例では第1の分岐遮水シート25Aに沿った浸透路長に第2,3の分岐遮水シート25B,25Cの浸透路長が加算されるので、より十分な浸透路長が確保できる。
【0059】
図11は、海面処分場護岸の遮水構造の他の実施形態を示している。同図に示したように、この実施形態では、カバープレート35と鋼製矢板6とを連結固定する2本の長尺の連結ボルト32が分断部空間38内の鋼製矢板6の内側表面に溶接されている。この連結ボルト32の先端を平板状のカバープレート35の連結孔(図示せず)に挿通することで、カバープレート35の位置決め固定を簡単で、精度よく行うことができる。なお、カバープレート35の両端部35aで分断部15に両側から延びる遮水シート21を確実に押圧して保持できる。
【0060】
(ケーソン側定着部におけるシート端部の遮水構造の構成)
図12は、
図8に示した鋼製矢板6の外側鉛直遮水工27のケーソン4における定着部(以下、ケーソン側定着部4Aと記す。)での遮水シート端部21aの遮水構造の一実施形態を示している。ケーソン側定着部4Aにおいても、遮水シート端部21aをケーソン表面4aに確実に密着させて遮水シート端部21aの浸透路長を十分確保する必要がある。そのために遮水シート端部21aをケーソン表面4aに定着する部分に定着部空間40を確保し、遮水シート側から定着部空間40に延びる分岐遮水シート25を設けることで浸透路長を延長させている。このとき定着部空間40の一面はカバープレート41で覆われている。カバープレート41は、端部にフランジ41aを有するL字形をなし、このフランジ41a位置でアンカーボルト42によってケーソン表面4aに固定保持されている。カバープレート41の他端は、遮水シート端部21aを挟み込んで鋼製矢板6側に密着するようにしてボルト43で鋼製矢板6に締着されている。このときボルト42,43の取り付け位置には、ゴムパッキン44等が取り付けられ、水密性の向上が図られている。さらに、定着部空間40内には溶融状態のアスファルトマスチックAsが充填され、遮水シート端部21aのケーソン側定着部4Aでの確実な遮水構造が形成されている。
【0061】
図13は、ケーソン側定着部4Aにおいて、遮水シート端部21aの定着端を定着部空間40内に位置させた他の実施形態を示している。同図に示したように、この実施形態において、定着部空間40は鋼製矢板6と鋼製矢板6の開放側を覆うカバープレート45とで区画されている。カバープレート45は、平面視して屈曲部が直角をなす略Z字形状断面からなり、プレート両端の各屈曲部にはリブプレート45aが、長手方向(深さ方向)に所定間隔をあけて取り付けられ、屈曲部の直角形状が保持されている。カバープレート45の根元部45bは、アンカーボルト46によってケーソン表面4aに固定保持されている。一般部から定着部空間40まで延設された遮水シート端部21aは、定着部空間40内の鋼製矢板6の内のり表面に沿ってケーソン表面4aまで延設され、アンカーピン47によってケーソン表面4aに定着されている。またケーソン表面4aに沿ったシート端部21a付近には浸透路長を延長するための分岐遮水シート25が溶着されている。また、定着部空間40内にもアスファルトマスチックAsが充填され、冷固した状態でされ、遮水シート端部21aのケーソン側定着部4Aでの確実な遮水構造が形成されている。
【0062】
図14はケーソン側定着部4Aにおいて、遮水シート端部21aの定着端を、定着端カバーとしての鋼製矢板6Cとケーソン表面4aとで囲まれた定着部空間40内に位置させた他の実施形態を示している。定着部空間40は、同図に示したように、ケーソン表面4aと、図示しない固定金物でケーソン表面4aにケーソンの高さ方向に沿って固定された鋼製矢板6Cで区画されている。なお、ケーソン表面4aと鋼製矢板6Cの端部との間には密着性を高めるためのアスファルトブロック48が挟在され、ケーソン表面4aと鋼製矢板6Cとの隙間が閉塞されて遮水性が保持されている。
【0063】
一方、一般部から定着部空間40まで延設された遮水シート端部21aは、さらに隙間調整プレート49の表面とケーソン表面4aとに沿って張設され、先端部分が鋼製矢板6Cの一端から定着部空間40内に導かれている。隙間調整プレート49の根元部49aは、アンカーボルト46によってケーソン表面4aに固定保持されている。遮水シート端部21aは定着部空間40内において、ケーソン表面4aに沿って延設されるとともに、鋼製矢板6Cの内側表面に沿って所定長だけ延設されている。また、鋼製矢板6Cの端部位置には、浸透路長を延長するための分岐遮水シート25が遮水シート端部21aの表面に溶着されている。また、定着部空間40内にもアスファルトマスチックAsが充填され、冷固した状態で、遮水シート端部21aのケーソン側定着部4Aでの確実な遮水構造が形成されている。
【0064】
以上で説明したように、本発明の各実施形態では、各基部のアスファルトマスチック層の遮水シート20上の所定位置に設置された仕切型枠材としての押さえコンクリートブロック33で区画された空間、遮水シート20の上面と立ち上がり遮水シート21の側面とで囲まれた空間、及び分断部空間38、定着部空間40あるいは遮水シート21の端部21aと分岐遮水シート25の側面とに囲まれた空間に溶融状態のアスファルトマスチックが密に充填され、粘弾性体しての機能を保持して冷固することで、各部での遮水性が確保される。なお、不透水性の充填遮水材としてのアスファルトマスチックに代えて、ハンドリング性、使用時における遮水性等が同等に期待できる各種のアスファルト系混合物の他、コンクリート系材料、土質系材料、ケミカル系材料等を使用することもできる。
【0065】
以上の説明において、本発明は種々の実施形態に限定されるものではなく、各請求項に示した範囲内での種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲内で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1 海面処分場
2 混合処理土層
3 捨石マウンド
4 ケーソン
4A ケーソン側定着部
6,6C 鋼製矢板
10 表面遮水工
11 埋立域
15 基盤面遮水工
20 遮水シート
22 保護マット
22U 上側保護マット
22L 下側保護マット
25 分岐遮水シート
26 内側鉛直遮水工
27 外側鉛直遮水工
30 分断部空間
30 アスファルトマスチック根固め層
33 押さえコンクリートブロック
35 アスファルトマスチック密着層
38 分断部空間
31,35,41,45 カバープレート
40 定着部空間
As アスファルトマスチック