(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】ホルダー
(51)【国際特許分類】
B65D 33/02 20060101AFI20241002BHJP
B65D 23/00 20060101ALI20241002BHJP
B65D 33/38 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
B65D33/02
B65D23/00 M
B65D33/38
(21)【出願番号】P 2020193202
(22)【出願日】2020-11-20
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塔本 晴可
(72)【発明者】
【氏名】綿世 真弓
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-042553(JP,A)
【文献】特開2008-285178(JP,A)
【文献】特開2018-047928(JP,A)
【文献】特開2005-263329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/02
B65D 33/38
B65D 77/04
B65D 77/06
B65D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部に注出口部材が取り付けられた軟包材を支持するホルダーであって、
後端側が開放して前記注出口部材が係止される切欠部が形成された天面部と、
前記天面部の左右方向の両端部から下方に向けて延設された1対の脚部と、
前記1対の脚部の各々の下端部同士を互いに接続する接続部と、
前記1対の脚部の各々から前方側に延出した1対の延出片部とを備え、
前記1対の延出片部の各々の先端の少なくとも一部は、互いに隙間をあけて対向しており、かつ、前記1対の脚部が互いに接近するように弾性変形した際に互いに当接可能である、ホルダー。
【請求項2】
前記接続部は、前記1対の脚部の各々の前方側に位置しており、前記軟包材の下端部の周面と対向する、請求項1に記載のホルダー。
【請求項3】
前記1対の脚部は、互いの間隔が狭くなっている括れ部を有している、請求項1または請求項2に記載のホルダー。
【請求項4】
前記括れ部は、上下方向において前記1対の延出片部が位置している範囲内に形成されている、請求項3に記載のホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
袋容器ホルダーの構成を開示した先行文献として、特開2018-47928号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された袋容器ホルダーは、載置部と、立設部と、張出し係止部とを含んで構成されている。載置部は、載置面に載置される。立設部は、載置部の周縁部から縦方向に立設して設けられている。張出し係止部は、立設部の上端部から載置部の直上部分に横方向に張り出して設けられている。張出し係止部は、袋容器の注出口部材が係止されるU字状切欠き部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
傾けて内容物を注ぎ出す軟包材を支持するホルダーにおいては、ホルダーを傾けた際に軟包材の支持が不安定となり、軟包材から安定して内容物を注ぎ出すことができないことがある。また、特に粘度の高い内容物の場合、内容物を注ぐことが難しいことがある。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、軟包材を支持するホルダーを把持しつつ軟包材を適度に圧搾することにより、ホルダーを傾けた際の軟包材の支持を安定化して、軟包材から安定して内容物を注ぎ出すことができる。また、軟包材を圧搾することで、内容物を押し出して注ぎ出すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づくホルダーは、上端部に注出口部材が取り付けられた軟包材を支持するホルダーである。ホルダーは、天面部と、1対の脚部と、接続部と、1対の延出片部とを備える。天面部は、後端側が開放して注出口部材が係止される切欠部が形成されている。1対の脚部は、天面部の左右方向の両端部から下方に向けて延設されている。接続部は、1対の脚部の各々の下端部同士を互いに接続する。1対の延出片部は、1対の脚部の各々から前方側に延出している。1対の延出片部の各々の先端の少なくとも一部は、互いに隙間をあけて対向しており、かつ、1対の脚部が互いに接近するように弾性変形した際に互いに当接可能である。
【0007】
本発明の一形態においては、接続部は、1対の脚部の各々の前方側に位置しており、軟包材の下端部の周面と対向する。
【0008】
本発明の一形態においては、1対の脚部は、互いの間隔が狭くなっている括れ部を有している。
【0009】
本発明の一形態においては、括れ部は、上下方向において1対の延出片部が位置している範囲内に形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、軟包材を支持するホルダーを把持しつつ軟包材を適度に圧搾することにより、ホルダーを傾けた際の軟包材の支持を安定化して、軟包材から安定して内容物を注ぎ出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態1に係るホルダーに軟包材が支持されている状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係るホルダーの構成を示す斜視図である。
【
図3】
図2のホルダーを矢印III方向から見た正面図である。
【
図4】
図3のホルダーを矢印IV方向から見た側面図である。
【
図5】
図3のホルダーを矢印V方向から見た平面図である。
【
図6】
図3のホルダーを矢印VI方向から見た底面図である。
【
図7】本発明の実施形態1の第1変形例に係るホルダーの構成を示す正面図である。
【
図8】
図7のホルダーをVIII-VIII線矢印方向から見た断面図である。
【
図9】本発明の実施形態1の第2変形例に係るホルダー同士の天面部を積み重ねた状態を示す部分断面図である。
【
図10】本発明の実施形態2に係るホルダーの構成を示す斜視図である。
【
図11】
図10のホルダーを矢印XI方向から見た正面図である。
【
図12】
図11のホルダーを矢印XII方向から見た側面図である。
【
図13】
図11のホルダーを矢印XIII方向から見た平面図である。
【
図14】
図11のホルダーを矢印XIV方向から見た底面図である。
【
図15】本発明の実施形態2の変形例に係るホルダーの構成を示す正面図である。
【
図16】
図15のホルダーをXVI-XVI線矢印方向から見た断面図である。
【
図17】本発明の実施形態3に係るホルダーの構成を示す斜視図である。
【
図18】
図17のホルダーを矢印XVIII方向から見た正面図である。
【
図19】
図18のホルダーを矢印XIX方向から見た側面図である。
【
図20】
図18のホルダーを矢印XX方向から見た平面図である。
【
図21】
図18のホルダーを矢印XXI方向から見た底面図である。
【
図22】本発明の実施形態4に係るホルダーの構成を示す斜視図である。
【
図23】
図22のホルダーを矢印XXIII方向から見た正面図である。
【
図24】
図23のホルダーを矢印XXIV方向から見た側面図である。
【
図25】
図23のホルダーを矢印XXV方向から見た平面図である。
【
図26】
図23のホルダーを矢印XXVI方向から見た底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態に係るホルダーについて図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰返さない。
【0013】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るホルダーに軟包材が支持されている状態を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施形態1に係るホルダーの構成を示す斜視図である。
図3は、
図2のホルダーを矢印III方向から見た正面図である。
図4は、
図3のホルダーを矢印IV方向から見た側面図である。
図5は、
図3のホルダーを矢印V方向から見た平面図である。
図6は、
図3のホルダーを矢印VI方向から見た底面図である。
【0014】
図1に示すように、ホルダー付き軟包材1においては、注出口付き軟包材10が、ホルダー100に支持されている。注出口付き軟包材10は、軟包材20と、軟包材20の上端部に取り付けられた注出口部材30とを備える。
【0015】
軟包材20は、軟質で柔らかい樹脂製のシート材が熱接着により接合されて袋状に形成されている。軟包材20の側部に、シート材が一定の幅で接合された部分である1対のサイドシール21が形成されている。1対のサイドシール21の各々は、上下方向に延在している。内容物が充填された状態の軟包材20のサイドシール21同士の間の周面22は、外周側に凸状に湾曲した曲面である。軟包材20の上端面23となる襠部分の略中央に、注出口部材30が取り付けられている。本実施形態においては、軟包材20は、底側に襠部分を有する底ガゼット付軟包材であるが、これに限られず、サイドガゼット付軟包材など、他の形態のパウチであってもよい。
【0016】
注出口部材30は、注出口部31とキャップ部32と係止部33とを含む。本実施形態においては、キャップ部32は、
図1中の矢印Dで示す方向に展開して注出口部31を開閉可能なヒンジ付キャップである。ただし、キャップ部32は、ヒンジ付キャップに限られず、注出口部31に設けられた雄ねじと螺合する雌ねじが設けられたねじ付キャップであってもよい。
【0017】
係止部33は、軟包材20の上端面23から上方に突出している筒部33aと、筒部33aの外周面から外側に膨出している鍔部33bとを含む。鍔部33bの下面は、軟包材20の上端面23に間隔をあけて対向している。
【0018】
軟包材20は、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは二軸延伸ナイロンフィルムなどの基材と、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂などからなるシーラント層とを、積層したシート材から構成されている。シート材においては、ガスバリアー性の付与および補強のための中間層がさらに積層されていてもよい。注出口部材30は、シート材の最内面のシーラント層と熱接着性を有するポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂などの合成樹脂で構成されている。
【0019】
軟包材20は、醤油、みりん、酒または油などの食品調味料を収容している。なお、軟包材20が収容している内容物は、食品調味料に限られず、シャンプー、リンス、化粧液または薬液などであってもよい。
【0020】
図1~
図6に示すように、ホルダー100は、天面部110と、1対の脚部120と、接続部130と、1対の第1延出片部140とを備える。本実施形態においては、ホルダー100は、1対の第2延出片部150とを備える。ホルダー100は、左右対称の形状を有している。
【0021】
本実施形態においては、ホルダー100は、樹脂で一体成型されている。ホルダー100は、全体的に略一定の肉厚で形成されている。ホルダーは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂またはスチレン系共重合体などの可撓性および柔軟性を有する樹脂で構成されている。
【0022】
天面部110は、略水平に延在している。天面部110には、後端側が開放して注出口部31が係止される切欠部111が、形成されている。
図5に示すように、切欠部111は、直径の寸法がW3の円弧状の形状を有している。直径の寸法W3は、筒部33aの直径より僅かに大きい。切欠部111の開放側の端部における内幅の寸法はW4である。内幅寸法W4は、たとえば、筒部33aの直径の寸法より0.3mm以上0.6mm以下小さい。
【0023】
ホルダー100が可撓性および柔軟性を有する樹脂で構成されていることにより、切欠部111の開放側から注出口部材30が挿入される際に、切欠部111の周囲が弾性変形して一時的に開くことにより、筒部33aが切欠部111の内側に嵌め込まれた状態で注出口部材30が係止される。内幅寸法W4が筒部33aの直径の寸法より小さいことにより、切欠部111に係止された注出口部材30が切欠部111から意図せずに抜けることを抑制することができる。
【0024】
1対の脚部120は、天面部110の左右方向の両端部から下方に向けて延設されている。1対の脚部120は、互いに間隔をあけて対向している。本実施形態においては、
図4に示すように、1対の脚部120の各々は、前側上方から後側下方に向けて延在している。
【0025】
図3および
図6に示すように、接続部130は、1対の脚部120の各々の下端部同士を互いに接続している。本実施形態においては、接続部130は、略水平に平板状に延在し、1対の脚部120の各々の下面を互いに接続している。
【0026】
1対の脚部120の各々の上下方向の長さは、軟包材20の上下方向の長さ以上である。よって、ホルダー100に支持された軟包材20は、浮いた状態、または、接続部130上に載置された状態となっている。
【0027】
1対の脚部120の各々の下端部同士が接続部130によって互いに接続されていることにより、1対の脚部120の各々の下端部同士の間隔が固定されるとともに、ホルダー100の安定した自立性が確保されている。
【0028】
1対の第1延出片部140は、1対の脚部120の各々から前方側に延出している。具体的には、1対の第1延出片部140の各々は、内容物が充填された状態の軟包材20の周面22に沿う湾曲形状を有している。
【0029】
1対の第1延出片部140の各々の先端の少なくとも一部は、互いに隙間141をあけて対向している。本実施形態においては、1対の第1延出片部140の各々の先端の略全体が互いに対向している。1対の第1延出片部140の各々の先端の少なくとも一部は、1対の脚部120が互いに接近するように弾性変形した際に互いに当接可能である。
【0030】
図3に示すように、隙間141の最小寸法はW1である。隙間141の最小寸法W1は、たとえば、5mm以上10mm以下である。隙間141の最小寸法W1が5mm以上であることにより、1対の脚部120の左右方向の一定の弾性変形可能範囲を確保している。隙間141の最小寸法W1が10mm以下であることにより、1対の脚部120が左右方向に弾性変形していない状態においてホルダー100の上端部を前方側に傾けた際に、内容物が充填された状態の軟包材20が隙間141を通り抜けることを抑制している。
【0031】
本実施形態においては、1対の第1延出片部140は、ホルダー100の上下方向の中央部と上端部との中間に設けられている。1対の第1延出片部140は、ホルダー100の上端部を前方側に傾けた際に軟包材20を支持する。
【0032】
図1~
図4に示すように、1対の脚部120は、互いの間隔が狭くなっている括れ部121を有している。括れ部121は、ホルダー100を把持する際に、指が引っかけられる把持部となる。
【0033】
括れ部121においては左右方向の幅が狭くなるため、軟包材20の周面22と1対の脚部120の各々との間の距離が短くなり、軟包材20の内容物が減って軟包材20が薄くなってきたときに、括れ部121にて軟包材20を押圧することができる。
【0034】
また、括れ部121が形成されていることにより、1対の脚部120の各々の柔軟性および弾力性を向上することができる。さらに、括れ部121が形成されていることにより、1対の脚部120の各々の括れ部121より下方の部分は、下方に行くにしたがって左右方向の幅が広がる形状となるため、ホルダー100の自立安定性を向上することができる。
【0035】
括れ部121は、上下方向において1対の第1延出片部140が位置している範囲内に形成されている。本実施形態においては、括れ部121は、1対の第1延出片部140の下部の位置に形成されている。これにより、括れ部121に指を引っかけてホルダー100を把持しつつ1対の脚部120を互いに接近するように弾性変形させて1対の第1延出片部140の各々の先端同士が当接または近接した状態において、指が引っかけられている把持部と1対の第1延出片部140の各々の先端との間の距離が短いため、1対の脚部120に過大な曲げモーメントが作用することを抑制することができる。その結果、弾性変形を繰り返しても1対の脚部120の各々が折損することを抑制することができる。
【0036】
また、1対の第1延出片部140の位置に括れ部121が形成されていることにより、1対の第1延出片部140の各々の強度を高くして、1対の第1延出片部140の各々が折損することを抑制することができる。
【0037】
なお、括れ部121の形成位置は、上記に限られない。ホルダー100を把持しやすくかつ1対の脚部120を容易に弾性変形させることができる観点から、括れ部121は、ホルダー100の上下方向の中央より上方に形成されていることが好ましく、ホルダー100の上端からホルダー100の高さの1/4だけ下方の位置とホルダー100の上下方向の中央との間の範囲に形成されていることがより好ましい。
【0038】
1対の第2延出片部150は、1対の脚部120の各々から前方側に延出している。具体的には、1対の第2延出片部150の各々は、1対の脚部120の各々の下端部から前方側に延出し、内容物が充填された状態の軟包材20の下端部の周面22に沿う湾曲形状を有している。
【0039】
1対の第2延出片部150の各々の先端の少なくとも一部は、互いに隙間151をあけて対向している。本実施形態においては、1対の第2延出片部150の各々の先端の略全体が互いに対向している。
【0040】
図3に示すように、隙間151の最小寸法はW2である。隙間151の最小寸法W2は、たとえば、1mm以上10mm以下である。隙間151の最小寸法W2が1mm以上であることにより、軟包材20のサイドシール21が隙間151内に位置することが可能である。隙間151の最小寸法W2が10mm以下であることにより、1対の脚部120が左右方向に弾性変形していない状態においてホルダー100の上端部を前方側に傾けた際に、内容物が充填された状態の軟包材20が隙間151を通り抜けることを抑制している。
【0041】
1対の第2延出片部150は、ホルダー100の上端部を前方側に傾けた際に軟包材20の下端部を支持する。本実施形態においては、ホルダー100の上端部を前方側に傾けた際に、1対の第1延出片部140および1対の第2延出片部150の各々で軟包材20を支持することができるため、傾いた状態の軟包材20を安定して支持することができる。
【0042】
特に、
図1に示すように、ヒンジ付キャップを有する注出口付き軟包材10の場合は、キャップ部32が矢印Dで示すように後ろ側に開く状態でホルダー100に支持されていることにより、内容物を注ぎ出す際にホルダー100を傾ける方向が、ホルダー100の上端部が前方側に傾く方向に決まるため、ホルダー100の前方側に配置された1対の第1延出片部140および1対の第2延出片部150の各々によって、傾いた状態の注出口付き軟包材10を安定して支持することができる。なお、ヒンジ付キャップが前後逆向きの状態で注出口部材30が切欠部111に挿入されないようにするために、挿入方向を示す表示が、軟包材10またはホルダー100に印刷または刻印などで施されていてもよい。さらに、ヒンジ付キャップが前後逆向きの状態で注出口部材30が切欠部111に挿入できないようにするために、鍔部33bの後ろ側下面に、挿入防止用の突起などの方向規制手段が設けられていてもよい。
【0043】
また、1対の第1延出片部140および1対の第2延出片部150の各々が、ホルダー100の前方側に配置されていることにより、軟包材20を後方側からホルダー100内に挿入して容易に取り付けることができる。さらに、ホルダー100を成型する金型の構造が簡易になるため、ホルダー100の製造コストを低減することができる。
【0044】
図1に示すように、サイドシール21が1対の第1延出片部140同士の間の隙間141および1対の第2延出片部150の間の隙間151の各々の内部に位置する状態で、軟包材20がホルダー100に支持されていることが好ましい。
【0045】
サイドシール21は、軟包材20の中で硬く変形抵抗が大きい部位であるため、サイドシール21が1対の脚部120の各々と当たらない配置にすることで、ホルダー100を把持しつつ軟包材20を圧搾する際の必要荷重を低減することができるとともに、軟包材20がホルダー100内で反発した力が発生しないため、軟包材20をホルダー100によって安定して支持することができる。
【0046】
なお、1対の脚部120の各々の下端部の後ろ側に、内容物が充填された状態の軟包材20の下端部の周面22に沿う湾曲形状を有する延出片部が設けられていてもよい。この場合、ホルダー100の下端部に、略環状の周壁が構成される。
【0047】
本発明の実施形態1に係るホルダー100においては、1対の第1延出片部140が、1対の脚部120の各々から前方側に延出している。1対の第1延出片部140の各々の先端の少なくとも一部は、互いに隙間141をあけて対向しており、かつ、1対の脚部120が互いに接近するように弾性変形した際に互いに当接可能である。
【0048】
これにより、軟包材20を支持するホルダー100を把持しつつ軟包材20を適度に圧搾することにより、ホルダー100を傾けた際の軟包材20の支持を安定化して、軟包材20から安定して内容物を注ぎ出すことができる。
【0049】
本実施形態においては、天面部110は、平坦であったが、段差を有していてもよい。ここで、天面部が段差を有する変形例に係るホルダーについて説明する。なお、実施形態1に係るホルダー100と同様の構成については説明を繰り返さない。
【0050】
図7は、本発明の実施形態1の第1変形例に係るホルダーの構成を示す正面図である。
図8は、
図7のホルダーをVIII-VIII線矢印方向から見た断面図である。
【0051】
図7および
図8に示すように、本発明の実施形態1の第1変形例に係るホルダー100aの天面部110aには、段差112が形成されている。具体的には、天面部110aは、段差112によって、後ろ側が前側より上方に位置している。これにより、天面部110aの段差112における上下方向の厚みが、実施形態1の天面部110の厚みより厚くなっている。本変形例においては、段差112は、鍔部33bと当接する位置に形成されている。
【0052】
その結果、
図8に示すように、切欠部111に注出口部材30が係止された状態において、軟包材20の上端面23と鍔部33bとの間における天面部110aの上下方向のクリアランスを小さくすることができる。よって、ホルダー100aによって安定して軟包材20を支持することができる。なお、注出口部材30に2段の鍔部33bが形成されており、鍔部33b同士の間で切欠部111に係止されていてもよい。
【0053】
後述する実施形態2に係るホルダーのように接続部130が形成されていない場合、ホルダー同士を積み重ねることが可能である。ここで、天面部が段差を有しつつ接続部130が形成されていない本発明の実施形態1の第2変形例に係るホルダーについて説明する。
【0054】
図9は、本発明の実施形態1の第2変形例に係るホルダー同士の天面部を積み重ねた状態を示す部分断面図である。
図9に示すように、本発明の実施形態1の第2変形例に係るホルダー100bにおいては、段差112同士が重なるように積み重ねることにより、複数のホルダー100bを直立した状態で安定して積み重ねることができる。
【0055】
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2に係るホルダーについて図を参照して説明する。本発明の実施形態2に係るホルダーは、接続部の構成が主に、実施形態1に係るホルダー100と異なるため、実施形態1に係るホルダー100と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0056】
図10は、本発明の実施形態2に係るホルダーの構成を示す斜視図である。
図11は、
図10のホルダーを矢印XI方向から見た正面図である。
図12は、
図11のホルダーを矢印XII方向から見た側面図である。
図13は、
図11のホルダーを矢印XIII方向から見た平面図である。
図14は、
図11のホルダーを矢印XIV方向から見た底面図である。
【0057】
図10~
図14に示すように、本発明の実施形態2に係るホルダー200は、天面部110と、1対の脚部120と、接続部250と、1対の第1延出片部140とを備える。ホルダー200は、左右対称の形状を有している。
【0058】
接続部250は、1対の脚部120の各々の下端部同士を互いに接続している。本実施形態においては、接続部250は、1対の脚部120の各々の前方側に位置しており、軟包材20の下端部の周面22と対向する。具体的には、接続部250は、1対の脚部120の各々の下端部から前方側に延出し、内容物が充填された状態の軟包材20の下端部の周面22に沿う湾曲形状を有している。本実施形態においては、実施形態1の平板状の接続部130は形成されていない。
【0059】
1対の脚部120の各々の下端部同士が接続部250によって互いに接続されていることにより、1対の脚部120の各々の下端部同士の間隔が固定されるとともに、ホルダー200の安定した自立性が確保されている。
【0060】
接続部250は、ホルダー200の上端部を前方側に傾けた際に軟包材20の下端部を支持する。本実施形態においては、ホルダー200の上端部を前方側に傾けた際に、1対の第1延出片部140および接続部250の各々で軟包材20を支持することができるため、傾いた状態の軟包材20を安定して支持することができる。
【0061】
本実施形態においては、実施形態1の平板状の接続部130は形成されていない。これにより、接続部130上に汚れが堆積することを抑制することができる。また、実施形態1に係るホルダー100を成型する金型に比較して、実施形態2に係るホルダー200を成型する金型の構造をより簡易にできる。さらに、天面部110の勾配を水平に近づけることができるため、軟包材20を安定してホルダー200に装着することができる。
【0062】
本実施形態においては、天面部110は、平坦であったが、下面にリブを有していてもよい。ここで、天面部の下面にリブが形成された変形例に係るホルダーについて説明する。なお、実施形態2に係るホルダー200と同様の構成については説明を繰り返さない。
【0063】
図15は、本発明の実施形態2の変形例に係るホルダーの構成を示す正面図である。
図16は、
図15のホルダーをXVI-XVI線矢印方向から見た断面図である。
【0064】
図15および
図16に示すように、本発明の実施形態2の変形例に係るホルダー200aの天面部210の下面には、リブ211が形成されている。具体的には、天面部210の下面の切欠部111の周囲の位置に、たとえば高さが0.5mm以上5mm以下のリブ211が形成されている。これにより、リブ211を含めた天面部210の厚みが、実施形態2の天面部110の厚みより厚くなっている。
【0065】
その結果、
図16に示すように、切欠部111に注出口部材30が係止された状態において、軟包材20の上端面23と鍔部33bとの間におけるリブ211を含む天面部210の上下方向のクリアランスを小さくすることができる。よって、ホルダー200aによって安定して軟包材20を支持することができる。
【0066】
(実施形態3)
以下、本発明の実施形態3に係るホルダーについて図を参照して説明する。本発明の実施形態3に係るホルダーは、切欠部、1対の脚部および接続部の構成が主に、実施形態2に係るホルダー200と異なるため、実施形態2に係るホルダー200と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0067】
図17は、本発明の実施形態3に係るホルダーの構成を示す斜視図である。
図18は、
図17のホルダーを矢印XVIII方向から見た正面図である。
図19は、
図18のホルダーを矢印XIX方向から見た側面図である。
図20は、
図18のホルダーを矢印XX方向から見た平面図である。
図21は、
図18のホルダーを矢印XXI方向から見た底面図である。
【0068】
図17~
図21に示すように、本発明の実施形態3に係るホルダー300は、天面部110と、1対の脚部320と、接続部350と、1対の第1延出片部140とを備える。ホルダー300は、左右対称の形状を有している。
【0069】
天面部110には、後端側が開放して注出口部31が係止される切欠部311が形成されている。本実施形態においては、切欠部311の開放側の端部は、実施形態1のように内幅が狭くなっておらず、代わりに、切欠部311の内側に突出した1対の突起が設けられている。この1対の突起により、切欠部311に係止された注出口部材30が切欠部311から意図せずに抜けることを抑制することができる。
【0070】
本実施形態においては、
図19に示すように、1対の脚部320の各々は、上下方向に直線状に延在している。1対の脚部320の各々の左右方向の幅は、下方に行くにしたがって広くなっている。
【0071】
接続部350は、1対の脚部320の各々の下端部同士を互いに接続している。本実施形態においては、接続部350は、1対の脚部320の各々の後方側に位置しており、軟包材20の下端部の周面22と対向する。具体的には、接続部350は、1対の脚部320の各々の下端部から後方側に延出し、内容物が充填された状態の軟包材20の下端部の周面22に沿う湾曲形状を有している。
【0072】
1対の脚部320の各々の下端部同士が接続部350によって互いに接続されていることにより、1対の脚部320の各々の下端部同士の間隔が固定されるとともに、ホルダー300の安定した自立性が確保されている。
【0073】
接続部350は、ホルダー300の上端部を後方側に傾けた際に軟包材20の下端部を支持する。本実施形態においては、ホルダー300の上端部を前方側に傾けた際に、1対の第1延出片部140で軟包材20を支持し、ホルダー300の上端部を後方側に傾けた際に、接続部350で軟包材20を支持することができる。
【0074】
本実施形態に係るホルダー300においては、1対の脚部320、1対の第1延出片部140および接続部350によって、軟包材20の全周を取り囲んでいる。そのため、ホルダー300の上端部を360°いずれの方向に傾けた場合においても、1対の脚部320、1対の第1延出片部140および接続部350のいずれかによって軟包材20を支持することができる。
【0075】
特に、ねじ付キャップを有する注出口付き軟包材の場合は、内容物を注ぎ出す際にホルダー300を傾ける方向が、360°いずれの方向にもありえるため、1対の第1延出片部140がホルダー300の前方側に配置され、接続部350がホルダー300の後方側に配置されていることにより、ホルダー300をいずれの方向に傾けた場合にも、1対の脚部320、1対の第1延出片部140および接続部350のいずれかによって、傾いた状態の注出口付き軟包材を支持することができる。
【0076】
(実施形態4)
以下、本発明の実施形態4に係るホルダーについて図を参照して説明する。本発明の実施形態4に係るホルダーは、1対の脚部および1対の第1延出片部の構成が主に、実施形態1に係るホルダー100と異なるため、実施形態1に係るホルダー100と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0077】
図22は、本発明の実施形態4に係るホルダーの構成を示す斜視図である。
図23は、
図22のホルダーを矢印XXIII方向から見た正面図である。
図24は、
図23のホルダーを矢印XXIV方向から見た側面図である。
図25は、
図23のホルダーを矢印XXV方向から見た平面図である。
図26は、
図23のホルダーを矢印XXVI方向から見た底面図である。
【0078】
図22~
図26に示すように、本発明の実施形態4に係るホルダー400は、天面部110と、1対の脚部420と、接続部130と、1対の第1延出片部440とを備える。ホルダー400は、左右対称の形状を有している。
【0079】
本実施形態においては、
図24に示すように、1対の脚部420の各々は、上下方向に直線状に延在している。1対の脚部420の各々の左右方向の幅は、高さ方向の略中央の位置で狭くなっている。
【0080】
1対の第1延出片部440は、1対の脚部420の各々の下端部から前方側に延出している。具体的には、1対の第1延出片部440の各々は、内容物が充填された状態の軟包材20の周面22に沿う湾曲形状を有している。
【0081】
1対の第1延出片部440の各々の先端の少なくとも一部は、互いに隙間441をあけて対向している。本実施形態においては、1対の第1延出片部440の各々の先端の略全体が互いに対向している。1対の第1延出片部440の各々の先端の少なくとも一部は、1対の脚部420が互いに接近するように弾性変形した際に互いに当接可能である。隙間441の最小寸法は、隙間141の最小寸法W1と同様に決定される。
【0082】
本発明の実施形態4に係るホルダー400においても、1対の第1延出片部440が、1対の脚部420の各々から前方側に延出している。1対の第1延出片部440の各々の先端の少なくとも一部は、互いに隙間441をあけて対向しており、かつ、1対の脚部420が互いに接近するように弾性変形した際に互いに当接可能である。
【0083】
これにより、軟包材20を支持するホルダー400を把持しつつ軟包材20を適度に圧搾することにより、ホルダー400を傾けた際の軟包材20の支持を安定化して、軟包材20から安定して内容物を注ぎ出すことができる。
【0084】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1 ホルダー付き軟包材、10 注出口付き軟包材、20 軟包材、21 サイドシール、22 周面、23 上端面、30 注出口部材、31 注出口部、32 キャップ部、33 係止部、33a 筒部、33b 鍔部、100,100a,100b,200,200a,300,400 ホルダー、110,110a,210 天面部、111,311 切欠部、112 段差、120,320,420 脚部、121 括れ部、130,250,350 接続部、140,440 第1延出片部、141,151,441 隙間、150 第2延出片部、211 リブ。