(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】電波測定装置
(51)【国際特許分類】
H04W 4/38 20180101AFI20241002BHJP
H04W 24/06 20090101ALI20241002BHJP
H04W 76/14 20180101ALI20241002BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20241002BHJP
【FI】
H04W4/38
H04W24/06
H04W76/14
H04W84/18
(21)【出願番号】P 2020197093
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】松崎 洸貴
(72)【発明者】
【氏名】中原 正守
【審査官】鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/013291(WO,A1)
【文献】特開2013-098906(JP,A)
【文献】特開2003-152621(JP,A)
【文献】特開2012-165047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線通信端末が設置されているエリアの電波状況を示す状況情報を収集する電波測定装置であって、
前記複数の無線通信端末は、互いに無線通信が可能な第1次無線通信端末と第2次無線通信端末とを含み、
前記電波測定装置は、
前記第1次無線通信端末との間で無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部から前記第1次無線通信端末に制御信号を送信させる制御部と
を備え、
前記制御部は、
応答要求を示す第1応答要求信号を前記無線通信部からブロードキャストで送信させ、
前記第1応答要求信号を受信した前記第1次無線通信端末から送信された第1応答信号を、前記無線通信部を介して取得し、
前記第1応答信号から特定した前記第1次無線通信端末に対して、前記無線通信部から前記制御信号を送信させ、
前記制御信号は、第1制御信号を含み、
前記第1制御信号は、応答要求を示す第2応答要求信号を前記第1次無線通信端末からブロードキャストで送信させ、前記第2応答要求信号を受信した前記第2次無線通信端末から送信された第2応答信号を前記第1次無線通信端末に受信させ、前記第2応答信号の電界強度値を示すデータを、前記第1次無線通信端末から前記電波測定装置に送信させる指示を示し、
前記制御部は、前記状況情報として、前記第2応答信号の電界強度値を収集する、電波測定装置。
【請求項2】
前記無線通信部は、前記第1応答信号の電界強度値を検出し、
前記制御部は、前記状況情報として、前記第1応答信号の電界強度値を更に収集する、請求項1に記載の電波測定装置。
【請求項3】
前記複数の無線通信端末は、前記第2次無線通信端末と無線通信が可能な第3次無線通信端末を更に含み、
前記制御信号は、第2制御信号を含み、
前記制御部は、前記無線通信部から前記第1次無線通信端末に前記第2制御信号を送信させ、
前記第2制御信号は、前記第1次無線通信端末から前記第2次無線通信端末へ第3制御信号を送信させる指示を示し、
前記第3制御信号は、応答要求を示す第3応答要求信号を前記第2次無線通信端末からブロードキャストで送信させ、前記第3応答要求信号を受信した前記第3次無線通信端末から送信された第3応答信号を前記第2次無線通信端末に受信させ、前記第3応答信号の電界強度値を示すデータを、前記第2次無線通信端末から、前記第1次無線通信端末を経由して、前記電波測定装置に送信させる指示を示し、
前記制御部は、前記状況情報として、前記第3応答信号の電界強度値を更に収集する、請求項1又は請求項2に記載の電波測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムの一種に、テレメータシステムがある(例えば、特許文献1参照)。テレメータシステムは、ガスメータ、水道メータ又は電力メータのようなメータが計測した値(計測値)を無線通信によりセンタへ送信するシステムである。テレメータシステムは、親機と、複数の子機とを備える。複数の子機の各々にはメータが接続されており、各子機は、自機に接続しているメータから計測値を取得して、計測値を示すデータ(計測データ)を親機へ送信する。親機は、各子機から送信される計測データをセンタへ送信する。
【0003】
特許文献1の無線検針システムにおいて、各子機は、自機が受信する電波の電界強度を測定して記憶する。無線検針システムの使用者は、各子機に記憶されている電界強度のデータを読み出すことで、通信障害の原因を特定することができる。具体的には、作業者は、無線機器を用いて各子機から電界強度のデータを取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、無線機器を用いて各子機から電界強度のデータを取得する場合、作業者は、広範な地域の電波状況を調査するために、複数の地点に移動して電界強度のデータを取得する必要があり、作業者の負担が大きい。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の無線通信端末が設置されているエリアの電波状況をより容易に確認できる電波測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電波測定装置は、複数の無線通信端末が設置されているエリアの電波状況を示す状況情報を収集する。前記複数の無線通信端末は、互いに無線通信が可能な第1次無線通信端末と第2次無線通信端末とを含む。当該電波測定装置は、無線通信部と、制御部とを備える。前記無線通信部は、前記第1次無線通信端末との間で無線通信を行う。前記制御部は、前記無線通信部から前記第1次無線通信端末に制御信号を送信させる。前記制御部は、応答要求を示す第1応答要求信号を前記無線通信部からブロードキャストで送信させる。前記制御部は、前記第1応答要求信号を受信した前記第1次無線通信端末から送信された第1応答信号を、前記無線通信部を介して取得する。前記制御部は、前記第1応答信号から特定した前記第1次無線通信端末に対して、前記無線通信部から前記制御信号を送信させる。前記制御信号は、第1制御信号を含む。前記第1制御信号は、応答要求を示す第2応答要求信号を前記第1次無線通信端末からブロードキャストで送信させ、前記第2応答要求信号を受信した前記第2次無線通信端末から送信された第2応答信号を前記第1次無線通信端末に受信させ、前記第2応答信号の電界強度値を示すデータを、前記第1次無線通信端末から前記電波測定装置に送信させる指示を示す。前記制御部は、前記状況情報として、前記第2応答信号の電界強度値を収集する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電波測定装置によれば、複数の無線通信端末が設置されているエリアの電波状況をより容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】第1次無線通信端末のうちの一台が電波状況を収集している状態を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係る電波測定用端末の構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施形態1に係る電波測定用端末の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態1に係る電波測定用端末が実行する処理の一部を示すシーケンス図である。
【
図8】本発明の実施形態1に係る電波測定用端末が実行する処理の一部を示すシーケンス図である。
【
図9】本発明の実施形態1に係る電波測定用端末が実行する処理の他例の一部を示すシーケンス図である。
【
図10】第2次無線通信端末のうちの一台が電波状況を収集している状態を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態2に係る電波測定用端末の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の実施形態2に係る電波測定用端末が実行する処理の一部を示すシーケンス図である。
【
図13】本発明の実施形態2に係る電波測定用端末が実行する処理の他例の一部を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面(
図1~
図13)を参照して本発明の電波測定装置に係る実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
[実施形態1]
以下、
図1~
図9を参照して本発明の実施形態1を説明する。まず、
図1を参照して通信システム100を説明する。
図1は、通信システム100を示す図である。
【0012】
通信システム100は、複数の無線通信端末を備える。複数の無線通信端末は、予め規定された縁組情報に基づいて無線通信を行う。縁組情報は、複数の無線通信端末において、互いに通信を行う無線通信端末の組み合わせを規定している。詳しくは、各無線通信端末は、縁組情報として、自機の通信相手を示す情報を記憶している。本実施形態において、通信システム100は、テレメータシステムである。以下、通信システム100を、「テレメータシステム100」と記載する場合がある。
【0013】
図1に示すように、テレメータシステム100は、複数の子機10と、親機40とを備える。また、テレメータシステム100は、複数のメータ30(
図4及び
図5参照)と、センタ(図示せず)とを備える。子機10及び親機40は、無線通信端末の一例である。
【0014】
テレメータシステム100は、各メータ30が計測した値(計測結果)を収集するシステムである。具体的には、各メータ30による計測の結果は、センタに収集される。メータ30は、例えば、ガスメータ、水道メータ、又は電力メータである。
【0015】
複数の子機10と、親機40とは、予め規定された縁組情報に基づいて無線通信を行う。縁組情報は、複数の子機10、及び親機40において、互いに通信を行う通信相手(無線通信端末)の組み合わせを規定している。詳しくは、複数の子機10の各々は、縁組情報として、自機の通信相手の識別情報を記憶している。同様に、親機40は、縁組情報として、自機の通信相手の識別情報を記憶している。識別情報は、例えば、通信相手の識別IDと、通信相手のアドレス情報とを含む。
【0016】
テレメータシステム100では、子機10と親機40との通信、及び、子機10同士の通信に、例えば特定小電力無線(特小無線)による通信が用いられる。特小無線による通信の周波数帯域は、例えば、920MHz帯である。以下、特小無線による通信を、「特小無線通信」と記載する場合がある。
【0017】
複数のメータ30は、複数の子機10、及び親機40に接続される。複数の子機10はそれぞれ、自機に接続されているメータ30から計測結果を取得し、取得した計測結果を親機40宛に送信する。親機40は、各子機10から送信された計測結果を、広域通信網を介してセンタに送信する。また、親機40は、自機に接続されたメータ30から計測結果を取得し、取得した計測結果を、広域通信網を介してセンタに送信する。
【0018】
なお、広域無線網は、例えば、PHS(Personal Handy-phone System)網、FOMA(Freedom Of Mobile Multimedia Access)網、LTE(Long Term Evolution)網、4G(第4世代移動通信システム)網、又は5G(第5世代移動通信システム)網である。
【0019】
続いて
図1及び
図2を参照して本実施形態の電波測定用端末20を説明する。電波測定用端末20は、電波測定装置の一例である。電波測定用端末20は、子機10及び親機40の無線通信方式と同じ無線通信方式によって無線通信を行う。
【0020】
電波測定用端末20は、複数の子機10、及び親機40が設置されているエリアの電波状況を示す状況情報を収集する。具体的には、
図1に示すように、複数の子機10、及び親機40が設置されているエリアにおいて作業者が電波測定用端末20を操作することにより、電波測定用端末20は第1応答要求信号R1をブロードキャストで送信する。第1応答要求信号R1は、応答を要求する信号である。
【0021】
本実施形態では、
図1に示すように、第1応答要求信号R1は、電波測定用端末20の通信距離の範囲内に設置されている6台の子機10-1~10-6によって受信される。例えば、特小無線通信の通信距離は、1m以上1000m以下である。子機10-1~10-6は、第1次無線通信端末の一例である。以下、電波測定用端末20の通信距離の範囲内に設置されている子機10を、「第1次無線通信端末」と記載する場合がある。なお、本実施形態では、第1次無線通信端末に子機10のみが含まれるが、第1次無線通信端末に親機40が含まれてもよい。
【0022】
第1応答要求信号R1は、電波測定用端末20を識別するための識別情報を含む。第1次無線通信端末(子機10-1~10-6)はそれぞれ、第1応答要求信号R1を受信した後、電波測定用端末20との間で無線通信を行う。
【0023】
具体的には、第1次無線通信端末(子機10-1~10-6)はそれぞれ、電波測定用端末20宛に第1応答信号A1を送信する。第1応答信号A1は、例えば、ビーコンである。第1応答信号A1は、第1応答信号A1を送信する第1次無線通信端末を識別するための識別情報を含む。例えば、子機10-1が送信する第1応答信号A1は、子機10-1を識別するための識別情報を含む。
【0024】
電波測定用端末20は、第1次無線通信端末(子機10-1~10-6)の各々から送信された第1応答信号A1の電界強度値を検出し、状況情報として、検出した電界強度値を示すデータを記憶する。これにより、状況情報として、電波測定用端末20の通信距離の範囲内における電波状況が収集される。以下、電波測定用端末20の通信距離の範囲内における電波状況(第1応答信号A1の電界強度値)を、「第0次電波状況」と記載する場合がある。
【0025】
図2は、第1次無線通信端末(子機10-1~10-6)のうちの一台が電波状況(状況情報)を収集している状態を示す図である。詳しくは、
図2は、子機10-2が電波状況(状況情報)を収集している状態を示す。
【0026】
電波測定用端末20は、第0次電波状況の収集後、各第1次無線通信端末を制御して、各第1次無線通信端末に電波状況(状況情報)を収集させる。本実施形態では、電波測定用端末20は、子機10-1~10-6の各々に電波状況(状況情報)を収集させる。
【0027】
具体的には、
図2に示すように、電波測定用端末20は、第1次無線通信端末(子機10-2)から第2応答要求信号R2をブロードキャストで送信させる。第2応答要求信号R2は、応答を要求する信号である。
【0028】
本実施形態では、
図2に示すように、子機10-2(第1次無線通信端末)の通信距離の範囲内に7台の子機10-1、10-3、及び10-7~10-11が設置されている。したがって、子機10-2から送信された第2応答要求信号R2は、子機10-1、10-3、及び10-7~10-11によって受信される。子機10-1、10-3、及び10-7~10-11は、第2次無線通信端末の一例である。以下、第1次無線通信端末の通信距離の範囲内に設置されている子機10を、「第2次無線通信端末」と記載する場合がある。なお、本実施形態では、第2次無線通信端末に子機10のみが含まれるが、第2次無線通信端末に親機40が含まれてもよい。
【0029】
第2応答要求信号R2は、第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)を識別するための識別情報を含む。第2次無線通信端末(例えば、子機10-1、10-3、及び10-7~10-11)はそれぞれ、第2応答要求信号R2を受信した後、第2応答要求信号R2を送信した第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)との間で無線通信を行う。
【0030】
具体的には、第2次無線通信端末(例えば、子機10-1、10-3、及び10-7~10-11)はそれぞれ、第2応答要求信号R2を送信した第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)宛に第2応答信号A2を送信する。第2応答信号A2は、例えば、ビーコンである。第2応答信号A2は、第2応答信号A2を送信する第2次無線通信端末を識別するための識別情報を含む。例えば、子機10-1が送信する第2応答信号A2は、子機10-1を識別するための識別情報を含む。
【0031】
なお、以下の説明において、第1応答要求信号R1と第2応答要求信号R2とを区別して説明する必要のないときは、第1応答要求信号R1及び第2応答要求信号R2を、「応答要求信号R」と記載することがある。同様に、第1応答信号A1と第2応答信号A2とを区別して説明する必要のないときは、第1応答信号A1及び第2応答信号A2を、「応答信号A」と記載することがある。
【0032】
第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)は、第2次無線通信端末(例えば、子機10-1、10-3、及び10-7~10-11)の各々から送信された第2応答信号A2の電界強度値を検出し、状況情報として、検出した電界強度値のデータを記憶する。これにより、状況情報として、第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)の通信距離の範囲内における電波状況が収集される。
【0033】
第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)は、収集した電波状況を示すデータを、状況情報として、電波測定用端末20に送信する。具体的には、第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)は、検出した電界強度値を示すデータを、状況情報として、電波測定用端末20に送信する。電波測定用端末20は、第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)から送信された状況情報を記憶する。
【0034】
子機10-1、及び10-3~10-6(他の第1次無線通信端末)も、子機10-2と同様に、自機の通信距離の範囲内における電波状況を収集して、収集した電波状況(第2応答信号A2の電界強度値)を示すデータを、状況情報として、電波測定用端末20に送信する。この結果、電波測定用端末20は、子機10-1、及び10-3~10-6(他の第1次無線通信端末)の各々から送信された状況情報を記憶する。以下、第1次無線通信端末の通信距離の範囲内における電波状況(第2応答信号A2の電界強度値)を、「第1次電波状況」と記載する場合がある。
【0035】
続いて
図3を参照して電波測定用端末20の構成を説明する。
図3は、本実施形態の電波測定用端末20の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、電波測定用端末20は、制御部21と、無線通信部22と、記憶部23と、操作部24とを備える。
【0036】
制御部21は、電波測定用端末20の各要素を制御する。例えば、制御部21は、無線通信部22、及び記憶部23を制御する。制御部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサを含む。プロセッサは、記憶部23に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、電波測定用端末20の各要素を制御する。なお、制御部21と記憶部23とによりマイクロコンピュータが構成されてもよい。
【0037】
無線通信部22は、
図1を参照して説明したように、第1次無線通信端末(子機10-1~10-6)との間で無線通信を行う。具体的には、
図1を参照して説明したように、無線通信部22は、第1応答要求信号R1をブロードキャストで送信し、第1応答信号A1を受信する。無線通信部22は、無線通信回路部221と、アンテナ222とを有する。
【0038】
無線通信回路部221は、制御部21から無線通信回路部221に出力された信号を、予め定められた無線通信方式に準拠する信号に変換してアンテナ222に送信する。この結果、アンテナ222から、予め定められた無線通信方式に準拠する電波(無線信号)が発射される。無線通信回路部221は、アンテナ222が受信した無線信号(電波)を、制御部21が処理できる信号に変換して、制御部21に出力する。無線通信回路部221は、例えば、920MHz帯域通信用のRF-LSIを有する通信モジュールである。
【0039】
無線通信回路部221は、アンテナ222が受信した電波の電界強度の値を検出する。無線通信回路部221は、検出した電界強度の値を制御部21に出力する。制御部21は、アンテナ222が受信した第1応答信号A1ごとに電界強度値を検出する。
【0040】
記憶部23は、電波測定用端末20の識別情報と、制御部21(プロセッサ)によって実行される種々のコンピュータプログラムとを記憶する。記憶部23は更に、状況情報を記憶する。具体的には、状況情報として、第1応答信号A1の電界強度値を記憶する。また、
図2を参照して説明したように、状況情報として、第2応答信号A2の電界強度値を記憶する。記憶部23は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びフラッシュメモリのような半導体メモリを含む。
【0041】
操作部24は、作業者によって操作される。作業者は、操作部24を操作することにより、第1応答要求信号R1を電波測定用端末20から送信させることができる。操作部24は、例えば、プッシュボタンを含む。
【0042】
続いて
図3を参照して制御部21が実行する処理について説明する。制御部21は、作業者が操作部24を操作することにより、第1応答要求信号R1を無線通信部22からブロードキャストで送信させる。その結果、制御部21は、第1次無線通信端末(子機10-1~10-6)の各々から送信された第1応答信号A1を、無線通信部22を介して取得する。そして、制御部21は、第1応答信号A1から、第1次無線通信端末(子機10-1~10-6)のそれぞれの識別情報を取得する。更に、制御部21は、第1応答信号A1の各々の電界強度値を無線通信部22から取得し、状況情報として記憶部23に記憶させる(第0次電波状況の収集)。
【0043】
また、制御部21は、第1応答信号A1から特定した第1次無線通信端末(子機10-1~10-6)の各々に対して、無線通信部22から第1制御信号を順次送信させる。より詳しくは、制御部21は、第1応答信号A1の各々から取得した識別情報に基づいて、各第1次無線通信端末を特定する。そして、特定した第1次無線通信端末宛の第1制御信号を無線通信部22から送信させる。
【0044】
第1制御信号は、第2応答要求信号R2を第1次無線通信端末からブロードキャストで送信させ、第2応答要求信号R2を受信した第2次無線通信端末から送信された第2応答信号A2を第1次無線通信端末に受信させ、第2応答信号A2の電界強度値を示すデータを、第1次無線通信端末から電波測定用端末20に送信させる指示を示す。制御部21は、第1次無線通信端末から送信された状況情報を記憶部23に記憶させる。この結果、第2応答信号A2の電界強度値が状況情報として電波測定用端末20に収集される(第1次電波状況の収集)。
【0045】
続いて
図4を参照して子機10の構成を説明する。
図4は、子機10の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、子機10は、制御部11と、無線通信部12と、接続部13と、記憶部14とを備える。無線通信部12は、無線通信回路部121と、アンテナ122とを有する。
【0046】
接続部13には、メータ30に接続された電線PLが接続される。したがって、接続部13は、電線PLを介してメータ30と有線接続される。制御部11は、電線PL及び接続部13を介して、メータ30から計測結果を取得する。
【0047】
制御部11は、子機10の各要素を制御する。例えば、制御部11は、無線通信部12及び記憶部14を制御する。制御部11は、例えばCPU又はMPUのようなプロセッサを含む。プロセッサは、記憶部14に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、子機10の各要素を制御する。なお、制御部11と記憶部14とによりマイクロコンピュータが構成されてもよい。
【0048】
無線通信部12は、無線通信を行う。具体的には、無線通信部12は、電波(無線信号)を送受信する。無線通信部12の構成は、電波測定用端末20の無線通信部22と略同様であるため、詳しい説明は割愛する。
【0049】
記憶部14は、自機を識別するための識別情報と、自機の通信相手を識別するための識別情報とを記憶する。また、記憶部14は、制御部11(プロセッサ)によって実行される種々のコンピュータプログラムを記憶する。記憶部14は、例えばROM、RAM、及びフラッシュメモリのような半導体メモリを含む。
【0050】
続いて
図4を参照して、応答要求信号Rを受信した子機10の制御部11が実行する処理を説明する。制御部11は、無線通信部12を介して応答要求信号Rを取得すると、応答要求信号Rに含まれる識別情報に基づいて、応答要求信号Rを送信した無線通信端末宛の応答信号Aを、無線通信部12から送信させる。
【0051】
続いて
図4を参照して、第1制御信号を受信した子機10の制御部11が実行する処理を説明する。制御部11は、無線通信部12を介して第1制御信号を取得すると、第1制御信号に基づいて、無線通信部12から第2応答要求信号R2をブロードキャストで送信させる。その結果、無線通信部12が、第2応答要求信号R2を受信した第2次無線通信端末から送信された第2応答信号A2を受信する。
【0052】
無線通信部12は、受信した第2応答信号A2の電界強度値を検出し、検出した電界強度値を示す信号を制御部11に出力する。その結果、制御部11が、第2応答信号A2の電界強度値を記憶部14に記憶させる。その後、制御部11は、記憶部14から各第2応答信号A2の電界強度値を読み出し、各電界強度値を示すデータを無線通信部12から電波測定用端末20へ送信させる。
【0053】
続いて
図5を参照して親機40の構成を説明する。
図5は、親機40の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、親機40は、制御部41と、第1無線通信部42と、第2無線通信部43と、接続部44と、記憶部45とを備える。第1無線通信部42は、第1無線通信回路部421と、第1アンテナ422とを有する。第2無線通信部43は、第2無線通信回路部431と、第2アンテナ432とを有する。
【0054】
第2無線通信部43は、
図1を参照して説明したように、広域無線網を介してセンタとの間で無線通信を行う。第2無線通信回路部431は、例えば、PHS網、FOMA網、LTE網、4G網、及び5G網のような広域通信可能な通信モジュールである。
【0055】
制御部41、第1無線通信部42、接続部44、及び記憶部45の構成は、子機10の制御部11、無線通信部12、接続部13、及び記憶部14と略同様であるため、詳しい説明は割愛する。また、親機40の制御部41が実行する処理は、子機10の制御部11が実行する処理と略同様であるため、詳しい説明は割愛する。
【0056】
続いて
図1~
図6を参照して電波測定用端末20の制御部21が実行する処理を説明する。
図6は、電波測定用端末20の制御部21が実行する処理を示すフローチャートである。
図6に示す処理は、作業者が電波測定用端末20の操作部24を操作することにより開始する。
【0057】
作業者が電波測定用端末20の操作部24を操作すると、制御部21は、第1応答要求信号R1を無線通信部22からブロードキャストで送信させる(ステップS1)。その結果、無線通信部22が、第1次無線通信端末(子機10-1~10-6)の各々から第1応答信号A1を受信する。
【0058】
制御部21は、無線通信部22を介して第1応答信号A1を取得して、第1応答信号A1の各々から第1次無線通信端末(子機10-1~10-6)の識別情報を取得する。また、無線通信部22は、第1応答信号A1のそれぞれの電界強度値を検出して、検出した電界強度値を示す信号を制御部21に出力する。その結果、第0次電波状況(第1応答信号A1の電界強度値)が電波測定用端末20に収集される(ステップS2)。具体的には、制御部21が、無線通信部22が検出した各第1応答信号A1の電界強度値を、状況情報として記憶部23に記憶させる。
【0059】
第0次電波状況の収集の後、制御部21は、第1次無線通信端末のうちの一台(例えば、子機10-2)宛に、無線通信部22から第1制御信号を送信させる(ステップS3)。その結果、第1次無線通信端末のうちの一台(例えば、子機10-2)から電波測定用端末20に第1次電波状況が収集される(ステップS4)。
【0060】
例えば、第1制御信号を受信した子機10-2は、第2応答要求信号R2をブロードキャストで送信する。子機10-2は、第2応答要求信号R2を受信した子機10-1、10-3、10-7~10-11の各々から送信された第2応答信号A2を受信して、第2応答信号A2のそれぞれの電界強度値を検出する。その後、子機10-2は、検出した第2応答信号A2のそれぞれの電界強度値を示すデータを、状況情報として、電波測定用端末20宛に送信する。電波測定用端末20の制御部21は、無線通信部22を介して、子機10-2から送信された第1次電波状況(第2応答信号A2の電界強度値)を示すデータを取得して、記憶部23に記憶させる(ステップS4)。
【0061】
制御部21は、第1次無線通信端末のうちの一台に第1次電波状況を収集させた後、第1次電波状況の収集が完了したか否かを判定する(ステップS5)。具体的には、制御部21は、全ての第1次無線通信端末(子機10-1~10-6)から状況情報(第1次電波状況を示すデータ)を受信したか否かを判定する。
【0062】
制御部21は、全ての第1次無線通信端末から第1次電波状況を示すデータを受信していない場合、第1次電波状況の収集が完了していないと判定し(ステップS5のNo)、ステップS3及びステップS4の処理を再度実行する。
【0063】
制御部21は、全ての第1次無線通信端末から第1次電波状況を示すデータを受信した場合、第1次電波状況の収集が完了したと判定し(ステップS5のYes)、
図6に示す処理を終了する。
【0064】
なお、電波測定用端末20の制御部21は、作業者が電波測定用端末20の操作部24を操作してから一定時間が経過する度に、
図6に示す処理を繰り返し実行してもよい。この結果、電波測定用端末20の記憶部23に、第0次電波状況及び第1次電波状況の履歴を記憶させることができる。
【0065】
続いて
図1~
図8を参照して電波測定用端末20が実行する処理を説明する。
図7及び
図8はそれぞれ、電波測定用端末20が実行する処理の一部を示すシーケンス図である。
【0066】
図7に示すように、作業者が電波測定用端末20の操作部24を操作すると、電波測定用端末20は、第1応答要求信号R1をブロードキャストで送信する。その結果、子機10-1~10-6(第1次無線通信端末)が第1応答要求信号R1を受信して、電波測定用端末20宛に第1応答信号A1を送信する。電波測定用端末20は、第1応答信号A1のそれぞれの電界強度値を収集する。
【0067】
図8に示すように、電波測定用端末20は、第1応答信号A1の電界強度値を収集した後、子機10-1~10-6のうちの一台宛に、ブロードキャスト要求信号R11を送信する。ブロードキャスト要求信号R11は、第2応答要求信号R2をブロードキャストで送信することを第1次無線通信端末に要求する信号である。
図8は、子機10-2宛に送信されるブロードキャスト要求信号R11を示す。本実施形態において、第1制御信号は、ブロードキャスト要求信号R11を含む。
【0068】
ブロードキャスト要求信号R11を受信した子機10-2は、電波測定用端末20宛に応答信号A11を送信した後、第2応答要求信号R2をブロードキャストで送信する。
【0069】
その結果、子機10-1、10-3、及び10-7~10-11(第2次無線通信端末)が第2応答要求信号R2を受信して、子機10-2宛に第2応答信号A2を送信する。子機10-2は、第2応答信号A2のそれぞれの電界強度値を検出する。
【0070】
電波測定用端末20は、子機10-2から応答信号A11を受信してから一定時間が経過した後、子機10-2宛に結果要求信号R12を送信する。結果要求信号R12は、第2応答信号A2の電界強度値を示すデータを電波測定用端末20宛に送信することを要求する信号である。本実施形態において、第1制御信号は、結果要求信号R12を含む。
【0071】
子機10-2は、結果要求信号R12を受信すると、電波測定用端末20宛に応答信号A12を送信する。応答信号A12は、第2応答信号A2の電界強度値を示すデータを搬送する。この結果、子機10-2から第1次電波状況(第2応答信号A2の電界強度値)を示すデータが電波測定用端末20に収集される。
【0072】
電波測定用端末20は、子機10-2から第1次電波状況を収集した後、他の子機10-1、及び10-3~10-6の各々から、順次、第1次電波状況を収集する。
【0073】
以上、
図1~
図8を参照して本発明の実施形態1を説明した。本実施形態によれば、電波測定用端末20は、第1応答要求信号R1を受信した無線通信端末(第1次無線通信端末)のそれぞれの通信距離の範囲内の電波状況を収集することができる。したがって、作業者は、複数の地点に移動することなく、広範な地域の電波状況を調査することができる。よって、本実施形態によれば、複数の無線通信端末が設置されているエリアの電波状況をより容易に確認できる。
【0074】
なお、
図8に示す例において、第1次無線通信端末は、ブロードキャスト要求信号R11を受信した後、電波測定用端末20宛に応答信号A11を送信したが、第1次無線通信端末が電波測定用端末20宛に応答信号A11を送信する処理は省略されてもよい。
【0075】
また、
図8に示す例において、電波測定用端末20は、第1次無線通信端末から応答信号A11を受信してから一定時間が経過した後、第1次無線通信端末宛に結果要求信号R12を送信したが、電波測定用端末20が第1次無線通信端末宛に結果要求信号R12を送信する処理は省略されてもよい。この場合、電波測定用端末20は、第1次無線通信端末から応答信号A12を受信するまで、待機状態となってもよい。
【0076】
以下、
図1~
図7及び
図9を参照して電波測定用端末20が実行する処理の他例を説明する。
図9は、電波測定用端末20が実行する処理の他例の一部を示すシーケンス図である。
【0077】
図9に示す例において、子機10-2(第1次無線通信端末)は、電波測定用端末20からブロードキャスト要求信号R11を受信すると、ブロードキャスト要求信号R11に基づいて、第2応答要求信号R2をブロードキャストで送信する。
図9に示す例において、ブロードキャスト要求信号R11は、第2応答要求信号R2をブロードキャストで送信することを要求すると共に、第2応答信号A2の電界強度値を示すデータを電波測定用端末20宛に送信することを要求する信号である。
【0078】
子機10-2は、子機10-1、10-3、及び10-7~10-11(第2次無線通信端末)から受信した第2応答信号A2のそれぞれの電界強度値を検出すると、ブロードキャスト要求信号R11に基づいて、電波測定用端末20宛に応答信号A12を送信する。
【0079】
[実施形態2]
続いて
図1~
図13を参照して本発明の実施形態2について説明する。但し、実施形態1と異なる事項を説明し、実施形態1と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態2は、第2次無線通信端末のそれぞれの通信距離の範囲内の電波状況が収集される点で実施形態1と異なる。
【0080】
まず
図10を参照して本実施形態の電波測定用端末20を説明する。
図10は、第2次無線通信端末のうちの一台が電波状況(状況情報)を収集している状態を示す図である。詳しくは、
図10は、子機10-9が電波状況(状況情報)を収集している状態を示す。
【0081】
電波測定用端末20は、第1次無線通信端末(子機10-1~10-6)から第1次電波状況を収集した後、各第1次無線通信端末及び各第2次無線通信端末を制御して、各第2次無線通信端末に電波状況(状況情報)を収集させる。本実施形態では、電波測定用端末20は、子機10-1~10-6から送信された第2応答要求信号R2を受信した各無線通信端末に電波状況(状況情報)を収集させる。
【0082】
具体的には、
図10に示すように、電波測定用端末20は、第2次無線通信端末(例えば、子機10-9)から第3応答要求信号R3をブロードキャストで送信させる。第3応答要求信号R3は、応答を要求する信号である。
【0083】
本実施形態では、
図10に示すように、子機10-9(第2次無線通信端末)の通信距離の範囲内に8台の子機10-3、10-7、10-8、及び10-10~10-14が設置されている。したがって、子機10-9から送信された第3応答要求信号R3は、子機10-3、10-7、10-8、及び10-10~10-14によって受信される。子機10-3、10-7、10-8、及び10-10~10-14は、第3次無線通信端末の一例である。以下、第2次無線通信端末の通信距離の範囲内に設置されている子機10を、「第3次無線通信端末」と記載する場合がある。なお、本実施形態では、第3次無線通信端末に子機10のみが含まれるが、第3次無線通信端末に親機40が含まれてもよい。
【0084】
第3応答要求信号R3は、第2次無線通信端末(例えば、子機10-9)を識別するための識別情報を含む。第3次無線通信端末(例えば、子機10-3、10-7、10-8、及び10-10~10-14)はそれぞれ、第3応答要求信号R3を受信した後、第3応答要求信号R3を送信した第2次無線通信端末(例えば、子機10-9)との間で無線通信を行う。
【0085】
具体的には、第3次無線通信端末(例えば、子機10-3、10-7、10-8、及び10-10~10-14)はそれぞれ、第3応答要求信号R3を送信した第2次無線通信端末(例えば、子機10-9)宛に第3応答信号A3を送信する。第3応答信号A3は、例えば、ビーコンである。第3応答信号A3は、第3応答信号A3を送信する第3次無線通信端末を識別するための識別情報を含む。例えば、子機10-3が送信する第3応答信号A3は、子機10-3を識別するための識別情報を含む。
【0086】
第2次無線通信端末(例えば、子機10-9)は、第3次無線通信端末(例えば、子機10-3、10-7、10-8、及び10-10~10-14)の各々から送信された第3応答信号A3の電界強度値を検出し、状況情報として、検出した電界強度値のデータを記憶する。これにより、状況情報として、第2次無線通信端末(例えば、子機10-9)の通信距離の範囲内における電波状況が収集される。
【0087】
第2次無線通信端末(例えば、子機10-9)は、収集した電波状況を示すデータを、状況情報として、対応する第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)に送信する。具体的には、第2次無線通信端末(例えば、子機10-9)は、検出した電界強度値を示すデータを、状況情報として、対応する第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)に送信する。第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)は、第2次無線通信端末(例えば、子機10-9)から送信された状況情報を記憶する。
【0088】
他の第2次無線通信端末(例えば、子機10-1、10-3、10-7、10-8、10-10、及び10-11)も同様に、自機の通信距離の範囲内における電波状況を収集して、収集した電波状況(第3応答信号A3の電界強度値)を示すデータを、状況情報として、対応する第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)に送信する。この結果、第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)は、他の第2次無線通信端末(例えば、子機10-1、10-3、10-7、10-8、10-10、及び10-11)の各々から送信された状況情報を記憶する。以下、第2次無線通信端末の通信距離の範囲内における電波状況(第3応答信号A3の電界強度値)を、「第2次電波状況」と記載する場合がある。
【0089】
第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)は、収集した第2次電波状況を示すデータを、状況情報として、電波測定用端末20に送信する。具体的には、第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)は、対応する第2次無線通信端末(例えば、子機10-1、10-3、及び10-7~10-11)が検出した電界強度値を示すデータを、状況情報として、電波測定用端末20に送信する。電波測定用端末20は、第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)から送信された状況情報を記憶する。
【0090】
他の第1次無線通信端末(例えば、子機10-1、10-3~10-6)も同様に、対応する第2次無線通信端末の各々から第2次電波状況(第3応答信号A3の電界強度値)を収集して、収集した第2次電波状況を示すデータを、状況情報として、電波測定用端末20に送信する。この結果、電波測定用端末20は、他の第1次無線通信端末(例えば、子機10-1、10-3~10-6)の各々から送信された第2次電波状況(状況情報)を記憶する。
【0091】
続いて
図3を参照して電波測定用端末20の制御部21が実行する処理について説明する。制御部21は、第1応答信号A1から特定した第1次無線通信端末(子機10-1~10-6)の各々に無線通信部22から第2制御信号を順次送信させる。第2制御信号は、第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)から第2次無線通信端末(例えば、子機10-1、10-3、及び10-7~10-11)へ第3制御信号を送信させる指示を示す。
【0092】
第3制御信号は、第3応答要求信号R3を第2次無線通信端末(例えば、子機10-9)からブロードキャストで送信させ、第3応答要求信号R3を受信した第3次無線通信端末(例えば、子機10-3、10-7、10-8、10-10~10-14)から送信された第3応答信号A3を第2次無線通信端末(例えば、子機10-9)に受信させ、第3応答信号A3の電界強度値を示すデータを、第2次無線通信端末(例えば、子機10-9)から、対応する第1次無線通信端末(例えば、子機10-2)を経由して、電波測定用端末20に送信させる指示を示す。制御部21は、第2次無線通信端末(例えば、子機10-9)から送信された状況情報を記憶部23に記憶させる。この結果、第3応答信号A3の電界強度値が状況情報として電波測定用端末20に収集される(第2次電波状況の収集)。
【0093】
続いて
図1~
図11を参照して電波測定用端末20の制御部21が実行する処理を説明する。
図11は、電波測定用端末20の制御部21が実行する処理を示すフローチャートである。
図11に示す処理は、作業者が電波測定用端末20の操作部24を操作することにより開始する。
【0094】
作業者が電波測定用端末20の操作部24を操作すると、制御部21は、ステップS11~S15の処理により、第0次電波状況及び第1次電波状況を、状況情報として記憶部23に記憶させる。ステップS11~S15の処理は、
図6を参照して説明したステップS1~S5の処理と同様であるため、その説明は割愛する。
【0095】
制御部21は、第1次電波状況の収集が完了したと判定すると(ステップS15のYes)、第1次無線通信端末のうちの一台(例えば、子機10-2)宛に、無線通信部22から第2制御信号を送信させる(ステップS16)。その結果、第1次無線通信端末のうちの一台(例えば、子機10-2)から電波測定用端末20に第2次電波状況が収集される(ステップS17)。
【0096】
例えば、子機10-2は、第2制御信号に基づいて、子機10-1、10-3、及び10-7~10-11宛に第3制御信号を送信する。その結果、子機10-1、10-3、及び10-7~10-11のそれぞれから、第3応答信号A3の電界強度値(第2次電波状況)を示すデータが子機10-2に送信される。子機10-2は、子機10-1、10-3、及び10-7~10-11のそれぞれから受信した第2次電波状況を示すデータを、状況情報として、電波測定用端末20に送信する。電波測定用端末20の制御部21は、無線通信部22を介して、子機10-2から送信された第2次電波状況(第3応答信号A3の電界強度値)を示すデータを取得して、記憶部23に記憶させる(ステップS17)。
【0097】
制御部21は、第1次無線通信端末のうちの一台に第2次電波状況を収集させた後、第2次電波状況の収集が完了したか否かを判定する(ステップS18)。具体的には、制御部21は、全ての第1次無線通信端末(子機10-1~10-6)から状況情報(第2次電波状況を示すデータ)を受信したか否かを判定する。
【0098】
制御部21は、全ての第1次無線通信端末から第2次電波状況を示すデータを受信していない場合、第2次電波状況の収集が完了していないと判定し(ステップS18のNo)、ステップS16及びステップS17の処理を再度実行する。
【0099】
制御部21は、全ての第1次無線通信端末から第2次電波状況を示すデータを受信した場合、第2次電波状況の収集が完了したと判定し(ステップS18のYes)、
図11に示す処理を終了する。
【0100】
なお、電波測定用端末20の制御部21は、作業者が電波測定用端末20の操作部24を操作してから一定時間が経過する度に、
図11に示す処理を繰り返し実行してもよい。この結果、電波測定用端末20の記憶部23に、第0次電波状況、第1次電波状況、及び第2次電波状況の履歴を記憶させることができる。
【0101】
続いて
図1~
図12を参照して電波測定用端末20が実行する処理を説明する。
図12は、電波測定用端末20が実行する処理の一部を示すシーケンス図である。
【0102】
電波測定用端末20は、
図7~
図9を参照し説明したように第0次電波状況及び第1次電波状況を収集した後、
図12に示すように、子機10-1~10-6のうちの一台宛に、通信要求信号R13を送信する。通信要求信号R13は、ブロードキャスト要求信号R21を送信することを第1次無線通信端末に要求する信号である。
図12は、子機10-2宛に送信される通信要求信号R13を示す。本実施形態において、第2制御信号は、通信要求信号R13を含む。
【0103】
通信要求信号R13を受信した子機10-2は、電波測定用端末20宛に応答信号A13を送信した後、第2次無線通信端末(子機10-1、10-3、及び10-7~10-11)のうちの一台宛にブロードキャスト要求信号R21を送信する。
図12は、子機10-9宛に送信されるブロードキャスト要求信号R21を示す。本実施形態において、第3制御信号は、ブロードキャスト要求信号R21を含む。
【0104】
ブロードキャスト要求信号R21を受信した子機10-9は、子機10-2宛に応答信号A21を送信した後、第3応答要求信号R3をブロードキャストで送信する。
【0105】
その結果、子機10-3、10-7、10-8、及び10-10~10-14(第3次無線通信端末)が第3応答要求信号R3を受信して、子機10-9宛に第3応答信号A3を送信する。子機10-9は、第3応答信号A3のそれぞれの電界強度値を検出する。
【0106】
子機10-2は、子機10-9から応答信号A21を受信してから一定時間が経過した後、子機10-9宛に結果要求信号R22を送信する。結果要求信号R22は、第3応答信号A3の電界強度値を示すデータを子機10-2宛に送信することを要求する信号である。本実施形態において、第3制御信号は、結果要求信号R22を含む。
【0107】
子機10-9は、結果要求信号R22を受信すると、子機10-2宛に応答信号A22を送信する。応答信号A22は、第3応答信号A3の電界強度値を示すデータを搬送する。この結果、子機10-9から第2次電波状況(第3応答信号A3の電界強度値)を示すデータが子機10-2に収集される。
【0108】
子機10-2は、子機10-9から第2電波状況を収集した後、他の子機10-1、10-3、10-7、10-8、10-10、及び10-11の各々から、順次、第2次電波状況を収集する。
【0109】
電波測定用端末20は、子機10-2から応答信号A13を受信してから一定時間が経過した後、子機10-2宛に結果要求信号R14を送信する。結果要求信号R14は、第3応答信号A3の電界強度値を示すデータを電波測定用端末20宛に送信することを要求する信号である。本実施形態において、第2制御信号は、結果要求信号R14を含む。
【0110】
子機10-2は、結果要求信号R14を受信すると、電波測定用端末20宛に応答信号A14を送信する。応答信号A14は、第3応答信号A3の電界強度値を示すデータを搬送する。この結果、子機10-2から第2次電波状況(第3応答信号A3の電界強度値)を示すデータが電波測定用端末20に収集される。
【0111】
電波測定用端末20は、子機10-2から第2次電波状況を収集した後、他の子機10-1、及び10-3~10-6の各々から、順次、第2次電波状況を収集する。
【0112】
以上、
図1~
図12を参照して本発明の実施形態2を説明した。本実施形態によれば、電波測定用端末20は、第2応答要求信号R2を受信した無線通信端末(第2次無線通信端末)の通信距離の範囲内の電波状況を収集することができる。したがって、作業者は、複数の地点に移動することなく、広範な地域の電波状況を調査することができる。よって、本実施形態によれば、複数の無線通信端末が設置されているエリアの電波状況をより容易に確認できる。
【0113】
なお、
図12に示す例において、第1次無線通信端末は、通信要求信号R13を受信した後、電波測定用端末20宛に応答信号A13を送信したが、第1次無線通信端末が電波測定用端末20宛に応答信号A13を送信する処理は省略されてもよい。
【0114】
また、
図12に示す例において、第2次無線通信端末は、ブロードキャスト要求信号R21を受信した後、対応する第1次無線通信端末宛に応答信号A21を送信したが、第2次無線通信端末が第1次無線通信端末宛に応答信号A21を送信する処理は省略されてもよい。
【0115】
また、
図12に示す例において、第1次無線通信端末は、第2次無線通信端末から応答信号A21を受信してから一定時間が経過した後、第2次無線通信端末宛に結果要求信号R22を送信したが、第1次無線通信端末が第2次無線通信端末宛に結果要求信号R22を送信する処理は省略されてもよい。この場合、第1次無線通信端末は、第2次無線通信端末から応答信号A22を受信するまで、待機状態となってもよい。
【0116】
また、
図12に示す例において、電波測定用端末20は、第1次無線通信端末から応答信号A13を受信してから一定時間が経過した後、第1次無線通信端末宛に結果要求信号R14を送信したが、電波測定用端末20が第1次無線通信端末宛に結果要求信号R14を送信する処理は省略されてもよい。この場合、電波測定用端末20は、第1次無線通信端末から応答信号A14を受信するまで、待機状態となってもよい。
【0117】
以下、
図1~
図11及び
図13を参照して電波測定用端末20が実行する処理の他例を説明する。
図13は、電波測定用端末20が実行する処理の他例の一部を示すシーケンス図である。
【0118】
図13に示す例において、子機10-2(第1次無線通信端末)は、電波測定用端末20から通信要求信号R13を受信すると、通信要求信号R13に基づいて、子機10-1、10-3、及び10-7~10-11(第2次無線通信端末)のうちの一台宛にブロードキャスト要求信号R21を送信する。
図13は、子機10-9宛に送信されるブロードキャスト要求信号R21を示す。
図13に示す例において、通信要求信号R13は、ブロードキャスト要求信号R21の送信を要求すると共に、第3応答信号A3の電界強度値を示すデータを電波測定用端末20宛に送信することを要求する信号である。
【0119】
子機10-9(第2次無線通信端末)は、子機10-2(第1次無線通信端末)からブロードキャスト要求信号R21を受信すると、ブロードキャスト要求信号R21に基づいて、第3応答要求信号R3をブロードキャストで送信する。
図13に示す例において、ブロードキャスト要求信号R21は、第3応答要求信号R3をブロードキャストで送信することを要求すると共に、第3応答信号A3の電界強度値を示すデータを、対応する第1次無線通信端末宛に送信することを要求する信号である。
【0120】
子機10-9(第2次無線通信端末)は、子機10-3、10-7、10-8、及び10-10~10-14(第3次無線通信端末)から受信した第3応答信号A3のそれぞれの電界強度値を検出すると、ブロードキャスト要求信号R21に基づいて、子機10-2(第1次無線通信端末)宛に応答信号A22を送信する。
【0121】
子機10-2(第1次無線通信端末)は、子機10-9(第2次無線通信端末)から第2電波状況を収集した後、他の子機10-1、10-3、10-7、10-8、10-10、及び10-11(他の第2次無線通信端末)の各々から、順次、第2次電波状況を収集する。
【0122】
子機10-2(第1次無線通信端末)は、子機10-1、10-3及び10-7~10-11(第2次無線通信端末)から第2次電波状況を収集すると、通信要求信号R13に基づいて、電波測定用端末20宛に応答信号A14を送信する。
【0123】
以上、図面(
図1~
図13)を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0124】
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0125】
例えば、
図1~
図13を参照して説明した実施形態では、子機10とメータ30とが電線PLにより有線接続されたが、子機10とメータ30とは無線接続されてもよい。同様に、
図1~
図13を参照して説明した実施形態では、親機40とメータ30とが電線PLにより有線接続されたが、親機40とメータ30とは無線接続されてもよい。
【0126】
また、
図1~
図13を参照して説明した実施形態では、親機40にメータ30が接続されたが、親機40にメータ30は接続されなくてもよい。
【0127】
また、
図1~
図13を参照して説明した実施形態では、電波測定用端末20の通信距離の範囲内に親機40が設置されていなかったが、電波測定用端末20の通信距離の範囲内に親機40が設置されてもよい。この場合、親機40は、子機10と同様に第1応答信号A1を送信し、子機10と同様に第2応答要求信号R2を送信する。
【0128】
また、
図1~
図13を参照して説明した実施形態では、第1次無線通信端末の通信距離の範囲内に親機40が設置されていなかったが、第1次無線通信端末の通信距離の範囲内に親機40が設置されてもよい。この場合、親機40は、子機10と同様に第2応答信号A2を送信し、子機10と同様に第3応答要求信号R3を送信する。
【0129】
また、
図1~
図13を参照して説明した実施形態では、第2次無線通信端末の通信距離の範囲内に親機40が設置されていなかったが、第2次無線通信端末の通信距離の範囲内に親機40が設置されてもよい。この場合、親機40は、子機10と同様に第3応答信号A3を送信する。
【0130】
また、
図1~
図13を参照して説明した実施形態では、電波測定用端末20は、第0次電波状況~第2次電波状況を収集したが、電波測定用端末20は、第1次電波状況及び第2次電波状況と同様に、第3次電波状況以降の電波状況を収集してもよい。
【0131】
また、
図1~
図13を参照して説明した実施形態において、電波測定装置は電波測定用端末20であったが、電波測定装置は、
図1~
図13を参照して説明した電波測定用端末20と同様の処理を実行できる無線通信端末である限り、特に定されない。電波測定装置は、例えば、子機10又は親機40であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、電波測定装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0133】
10 :子機
20 :電波測定用端末
21 :制御部
22 :無線通信部
23 :記憶部
A1 :第1応答信号
A2 :第2応答信号
A3 :第3応答信号
R1 :第1応答要求信号
R2 :第2応答要求信号
R3 :第3応答要求信号