(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】CMAS耐性、高歪み許容性及び低熱伝導率の遮熱コーティング及び溶射コーティング方法
(51)【国際特許分類】
C23C 4/10 20160101AFI20241002BHJP
C23C 4/134 20160101ALI20241002BHJP
B32B 15/04 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
C23C4/10
C23C4/134
B32B15/04 B
(21)【出願番号】P 2020551460
(86)(22)【出願日】2019-04-08
(86)【国際出願番号】 US2019026346
(87)【国際公開番号】W WO2019199678
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-03-25
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515195347
【氏名又は名称】エリコン メテコ(ユーエス)インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ディアンイン
(72)【発明者】
【氏名】ダンブラ、クリストファー ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ドーフマン、ミッチェル アール.
【審査官】黒木 花菜子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-501375(JP,A)
【文献】特表2017-515968(JP,A)
【文献】特表2013-540887(JP,A)
【文献】特表2011-508092(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0159507(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 4/10
C23C 4/134
B32B 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MCrAlY(MはNi、Co又はそれらの組合せを表す)の層を含む遮熱コーティング(TBC)上に配置された低熱伝導率を提供する少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)コーティング層;及び
前記少なくとも1つのPVCコーティング層上に堆積された少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層
を含み、
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、
希土類シリケートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、
希土類アルミネートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、及び
ジルコン酸ガドリニウムと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2
の少なくとも1つを含む耐侵食性CMAS耐性コーティング。
【請求項2】
前記少なくとも1つのDVC層が最上層である、請求項1に記載のコーティング。
【請求項3】
基材上に形成されたコーティングであって、前記TBCと前記基材との間に配置された少なくとも1つのボンドコーティング層をさらに含む、請求項1に記載のコーティング。
【請求項4】
基材上に形成されたコーティングであって、前記基材が超合金基材である、請求項1に記載のコーティング。
【請求項5】
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、
希土類酸化物と混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、
希土類シリケートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、
希土類アルミネートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、
希土類アルミネート若しくはシリケートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、
アルカリ
金属酸化物と混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、及び
ジルコン酸ガドリニウムと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2
のうちの2つ以上の混合物の混合物を含む、請求項1に記載のコーティング。
【請求項6】
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、全厚の垂直クラックを含む、請求項1に記載のコーティング。
【請求項7】
前記少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)コーティング層が、全厚の垂直クラックを含む、請求項1に記載のコーティング。
【請求項8】
TBCコーティングされた基材上に配置されたより低い熱伝導率を提供する少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)遮熱コーティング層、及び
前記少なくとも1つのPVC遮熱コーティング層の上に堆積された緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング材の最上層
を含む、前記TBCコーティングされた基材上に配置された耐侵食性CMAS耐性コーティングであって、
前記緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング材が、
希土類シリケートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、
希土類アルミネートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、及び
ジルコン酸ガドリニウムと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2
の少なくとも1つを含む、上記耐侵食性CMAS耐性コーティング。
【請求項9】
前記TBCと前記基材との間に配置された少なくとも1つのボンドコーティング層をさらに含む、請求項8に記載のコーティング。
【請求項10】
前記TBCが、MCrAlYの少なくとも1つの層を含み、Mは、Ni、Co又はそれらの組合せを表す、請求項8に記載のコーティング。
【請求項11】
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング材が、
希土類酸化物と混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、
希土類シリケートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、
希土類アルミネートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、
希土類アルミネート若しくはシリケートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、
アルカリ
金属酸化物と混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、及び
ジルコン酸ガドリニウムと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2
のうちの2つ以上の混合物を含む、請求項8に記載のコーティング。
【請求項12】
前記緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング材の最上層が、全厚の垂直クラックを含む、請求項8に記載のコーティング。
【請求項13】
前記少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)コーティング層が、全厚の垂直クラックを含む、請求項8に記載のコーティング。
【請求項14】
超合金基材上に配置され、前記基材に結合されたMCrAlYのTBCコーティング層(ただし、Mは、Ni、Co又はそれらの組合せを表す)、
前記TBCコーティング層に直接堆積されたCTE緩和を提供する多孔質縦割れ(PVC)セラミックコーティング層、及び
前記PVCコーティング層に直接堆積された緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層
を含み、
前記緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、
希土類シリケートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、
希土類アルミネートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、及び
ジルコン酸ガドリニウムと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2
の少なくとも1つを含む、耐侵食性CMAS耐性セラミックコーティング。
【請求項15】
TBCコーティングされた基材上に請求項8に記載の耐侵食性CMAS耐性コーティングをプラズマ溶射する方法であって、
より低い熱伝導率を提供する少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)遮熱コーティング層を前記TBCコーティングされた基材に堆積させること、及び
前記少なくとも1つのPVC遮熱コーティング層上に緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング材を堆積させること
を含む方法。
【請求項16】
前記TBCコーティングされた基材が、TBC層と前記基材との間に配置された少なくとも1つのボンドコーティング層を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記プラズマ溶射が、
大気圧プラズマ溶射(APS)、
プラズマ溶射-物理蒸着(PS-PVD)又は
サスペンションプラズマ溶射(SPS)
のうちの1つを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
NiCrAlYの層を含む遮熱コーティング(TBC)上に配置された低熱伝導率を提供する少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)コーティング層;及び
前記少なくとも1つのPVCコーティング層上に堆積された少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層
を含み、
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、
希土類シリケートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、
希土類アルミネートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、及び
ジルコン酸ガドリニウムと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2
の少なくとも1つを含む耐侵食性CMAS耐性コーティング。
【請求項19】
CoCrAlYの層を含む遮熱コーティング(TBC)上に配置された低熱伝導率を提供する少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)コーティング層;及び
前記少なくとも1つのPVCコーティング層上に堆積された少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層
を含み、
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、
希土類シリケートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、
希土類アルミネートと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2、及び
ジルコン酸ガドリニウムと混合された希土類酸化物安定化ZrO
2又はHfO
2
の少なくとも1つを含む耐侵食性CMAS耐性コーティング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年4月9日に提出された米国仮特許出願第62/654,985号の35 U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張するものであり、その開示全体を参照により本明細書に明示的に組み込む。
【0002】
(資金提供を受けた研究開発に関する記載)
適用不可
【0003】
本発明は、超合金基材の表面を覆う遮熱コーティング(TBC)のカルシウム・マグネシウム・アルミニウム・シリケート(CMAS)劣化問題を改善するための耐侵食性CMAS耐性多層セラミックコーティングである。多層コーティングには、耐侵食性CMAS耐性緻密縦割れ(DVC)トップコートと、低熱伝導率及び歪み許容性の多孔質縦割れ(PVC)中間コーティングを含めることができる。コーティング方法も開示されている。
【背景技術】
【0004】
ガスタービンエンジンの高温部のコンポーネントには、高温での保護のために遮熱コーティング(TBC)が施されている。8重量パーセント(8重量%)のイットリア安定化ジルコニア(8YSZ)は、その靭性が高く、高温まで熱伝導率が低いため、TBCの歴史的組成物であった。非限定的な例には、Metco 222A、231A、233A、233B、233C及び234Aが含まれる。しかしながら、エンジンの動作温度が上昇すると、一般にCMASとして知られる溶融珪質堆積物は、8YSZ TBCを攻撃し、TBCの耐久性に影響を与える重大な要素として認識されており、ガスタービン技術の進歩に対する根本的な障壁となっている。CMAS劣化の問題に対する様々な緩和戦略が試みられてきた。最も有望な戦略は、コーティングとCMAS融成物間の反応性を高めることである。これらの反応は融成物を消費するが、結晶性反応生成物は緻密な層を形成し、さらなる融成物浸透のための経路をブロックする。これらのCMAS反応性TBCのほとんどは、希土類ジルコネートに基づいている。しかしながら、これらの組成物は通常、8YSZコーティングよりも靭性が低い。したがって、TBCの熱伝導率を低く、靭性を高く保ちながら、CMAS耐性TBCの耐久性を高める新しい戦略が不可欠である。
【0005】
イットリア安定化ジルコニア(YSZ)遮熱コーティングを使用することも当技術分野で知られており、これらは何十年もの間ガスタービンエンジンで有効に使用されてきた。非限定的な例には、Metco 6608及び6609が含まれる。
【0006】
参照により全体が本明細書に明示的に組み込まれる以下の文書、すなわち、2012年6月12日発行、Taylor、米国特許第8,197,950号、1991年12月17日発行、Taylor、米国特許第5,073,433号、2014年6月26日公開、Taylor、米国特許公開第2014/0178632号、1998年11月3日発行、Gray、米国特許第5,830,586号、及び2004年3月9日発行、Subramanian、米国特許第6,703,137号は、様々なタイプのDVCコーティングを開示している。
【0007】
参照により全体が本明細書に明示的に組み込まれる以下の文書、すなわち、2001年1月23日発行、Maloney、米国特許第6,177,200号、2011年1月25日発行、Schlichting、米国特許第7,875,370号、2012年2月9日公開、Hongoh、米国特許公開第2012/0034491号、及び2015年5月5日発行、Nagaraj、米国特許第9,023,486号は、様々なタイプのCMAS耐性コーティングを開示している。
【0008】
参照により全体が本明細書に明示的に組み込まれる以下の文書は、2016年12月1日に公開された、Chen、米国特許公開第2016/0348226号、PVCコーティングを開示している。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、TBCのCMAS劣化問題を改善するための耐侵食性CMAS耐性多層セラミックコーティングを包含する。コーティング方法も開示されている。
【0010】
本発明はまた、1つ以上のTBC層が最初に超合金基材上に施されたコーティングシステムを包含する。次いで、多孔質縦割れ(PVC)コーティング層である1つ以上の低熱伝導率歪み許容性層が施される。最後に、1つ以上の緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、最上層として施されるか又は堆積される(deposited)。
【0011】
実施形態において、(複数の場合もある)DVC層の多孔率は、0%~5%であり得、そしてクラックは、(複数の場合もある)層の厚さを部分的に、すなわち、厚さの50%未満、又は厚さの約50%のいずれかを通って延在し得、また(複数の場合もある)層の厚さ全体を通って延在することもある。実施形態では、クラックは、実質的な縦割れであり得、1インチあたり20~200のクラックの範囲であり得る。
【0012】
実施形態において、(複数の場合もある)PVC層の多孔率は、5%~25%であり得、そしてクラックは、(複数の場合もある)層の厚さを部分的に、すなわち、厚さの50%未満、又は厚さの約50%のいずれかを通って延在し得、また(複数の場合もある)層の厚さ全体を通って延在することもある。実施形態では、クラックは、実質的な縦割れであり得、1インチあたり20~200のクラックの範囲であり得る。
【0013】
本発明により、TBC又はコーティングの寿命を延ばすことができ、これにより、エンジンの作動寿命が延長及び改善される。
【0014】
本開示の実施形態では、歪み許容性DVCコーティング最上層及び下にあるPVCコーティングシステムが、TBCシステムを保護するために使用される。DVC/PVC層は、CMAS耐性化学組成物と混合された強靭な希土類元素(Re)で安定化されたZrO2又はHfO2で構成され得る。本明細書で使用する場合、CMAS耐性化学物質は、CMASダストと反応して結晶相を形成し、コーティングへのCMASのさらなる浸透を防ぐことができる任意の化学組成物又はCMASと反応した後のCMAS溶融温度を改善することができる化学組成物を意味する。DVC層は耐侵食性を提供し、PVC層は熱伝導率を低下させる。
【0015】
本発明の主な利点は、TBCシステムの耐侵食性及びCMAS耐性を改善するためにCMAS耐性化学物質と混合された強靭なRe安定化ZrO2又はHfO2を含む。さらに、PVC歪み許容性遷移層は、熱伝導率が低くなる。
【0016】
DVCが耐侵食性CMAS耐性であり、PVCが熱障壁及びCTE(熱膨張係数)緩和層である、(複数の場合もある)DVC最上層及び/又は(複数の場合もある)PVC層の非限定的な実施形態は、以下のもの(希土類酸化物の例には、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化ユーロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化スカンジウム、酸化ツリウムが含まれる):
RE安定化ZrO2若しくはHfO2(RE=希土類酸化物)
希土類酸化物とのRE安定化ZrO2若しくはHfO2混合物、又は
希土類シリケートとのRE安定化ZrO2若しくはHfO2混合物、又は
希土類アルミネートとのRE安定化ZrO2若しくはHfO2混合物、又は
希土類アルミネートシリケート(Rare earth Aluminate Silicate)とのRE安定化ZrO2若しくはHfO2混合物、又は
アルカリ酸化物とのRE安定化ZrO2若しくはHfO2混合物、又は
ジルコン酸ガドリニウムとのRE安定化ZrO2若しくはHfO2混合物、又は
上記の任意の組合せを含む。
【0017】
DVC最上層又はコーティングのCTEは、約9×10-6/℃~13×10-6/℃で、厚さは2ミル(0.002インチ)~40ミル(0.040インチ)であり得る。本明細書で使用される場合、1ミルは0.001インチに等しい。この層又はコーティングは、大気圧プラズマ溶射(APS)、プラズマ溶射-物理蒸着(PS-PVD)、又はサスペンションプラズマ溶射(SPS)によって施され得る。
【0018】
複数の場合もあるPVC中間層又はコーティングのCTEは、約9×10-6/℃~13×10-6/℃で、厚さは1ミル~40ミルであり得る。この層又はコーティングは、大気圧プラズマ溶射(APS)、プラズマ溶射-物理蒸着(PS-PVD)、又はサスペンションプラズマ溶射(SPS)によって施され得る。
【0019】
複数の場合もあるボンドコーティング層又はコーティングは、厚さが2ミル~13ミルのMCrAlY(M=Co、Ni)であり得る。この層又はコーティングは、大気圧プラズマ溶射(APS)、高速フレーム溶射(HVOF)、高速空燃溶射(HVAF)、プラズマ溶射-物理蒸着(PS-PVD)又はサスペンション溶射によって施され得る。
【0020】
本発明の非限定的な実施形態は、低熱伝導率を提供し、TBCコーティングされた基材上に配置された少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)コーティング層及び前記少なくとも1つのPVCコーティング層の上に堆積された少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層を含むTBCコーティングされた基材上に配置された耐侵食性CMAS耐性コーティングを含む。
【0021】
非限定的な実施形態では、少なくとも1つのDVC層は最上層である。コーティング層は、TBCと基材との間に配置された少なくとも1つのボンドコーティング層をさらに含み得る。基材は超合金基材であってよい。
【0022】
少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、RE安定化ZrO2又はHfO2を含み得る。少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、希土類シリケートと混合された、RE安定化ZrO2又はHfO2を含み得る。少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、希土類アルミネートと混合されたRe安定化ZrO2又はHfO2を含み得る。少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、希土類アルミネート又はシリケートと混合されたRe安定化ZrO2又はHfO2を含み得る。少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、アルカリ酸化物と混合されたRe安定化ZrO2又はHfO2を含み得る。少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、ジルコン酸ガドリニウムと混合されたRe安定化ZrO2又はHfO2を含み得る。少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、上記の1つ以上の組成物の混合物を含み得る。
【0023】
少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、全厚の垂直クラックを含み得る。少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)コーティング層は、全厚の垂直クラックを含み得る。
【0024】
本発明の非限定的な実施形態は、より低い熱伝導率を提供し、MCrAlYコーティングされた基材上に配置された少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)遮熱コーティング層及び前記少なくとも1つのPVC遮熱コーティング層の上に堆積された緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング材の最上層を含むTBCコーティングされた基材上に配置された耐侵食性CMAS耐性コーティングを含む。
【0025】
非限定的な実施形態において、コーティングは、TBCと基材との間に配置された少なくとも1つのボンドコーティング層をさらに含み得る。基材は超合金基材であってよい。
【0026】
少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、希土類酸化物と混合されたRe安定化ZrO2又はHfO2を含み得る。少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、希土類シリケートと混合されたRe安定化ZrO2又はHfO2を含み得る。少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、希土類アルミネートと混合されたRe安定化ZrO2又はHfO2を含み得る。少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、希土類アルミネート又はシリケートと混合されたRe安定化ZrO2又はHfO2を含み得る。少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、アルカリ酸化物と混合されたRe安定化ZrO2又はHfO2を含み得る。少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、ジルコン酸ガドリニウムと混合されたRe安定化ZrO2又はHfO2を含み得る。少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、上記の1つ以上の組成物の混合物を含み得る。
【0027】
少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層は、全厚の垂直クラックを含み得る。少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)コーティング層は、全厚の垂直クラックを含み得る。
【0028】
本発明の非限定的な実施形態は、超合金基材上に配置され、前記基材に結合されたTBCコーティング層、前記TBCコーティング層に直接堆積されたより低い熱伝導率を提供する多孔質縦割れ(PVC)セラミックコーティング層及び前記PVCコーティング層に直接堆積された緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層を含む、耐侵食性CMAS耐性セラミックコーティングを含む。実施形態において、TBCコーティング層は、MCrAlYの層を含み、前記Mは、Ni、Co又はそれらの組合せを表す。
【0029】
本発明の非限定的な実施形態は、TBCコーティングされた基材上に耐侵食性CMAS耐性コーティングをプラズマ溶射する方法であって、より低い熱伝導率を提供する少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)遮熱コーティング層を前記TBCコーティングされた基材に堆積させ、前記少なくとも1つのPVC遮熱コーティング層上に緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング材を堆積させることを含む方法を含む。
【0030】
実施形態において、TBCコーティングされた基材は、TBC層と基材との間に配置された少なくとも1つのボンドコーティング層を含み得る。プラズマ溶射は、大気圧プラズマ溶射(APS)、プラズマ溶射-物理蒸着(PS-PVD)、又はサスペンションプラズマ溶射(SPS)のうちの1つを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
添付の図面は、本発明のさらなる理解を実現させるために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。添付の図面は、本発明の実施形態を示し、説明と合わせて、本発明の原理を説明する役割を果たす。図面において:
【
図1】
図1は本発明による多層コーティングを概略的に示す。
【
図2】
図2は本発明にしたがい適用された多層コーティングの走査型電子顕微鏡(SEM)断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の詳細な説明は、限定ではなく例として、本開示の原理を説明する。この説明は、当業者が本開示を作成及び使用することを明らかに可能にするものであり、本開示を実施する最良の形態であると現在考えられるものを含む、本開示のいくつかの実施形態、適応、変形、代替及び使用を説明する。図面は、本開示の具体例としての実施形態の図式的概略的な表現であり、本開示を限定するものではなく、必ずしも縮尺どおりに描かれている訳ではないことを理解されたい。
【0033】
本開示の特徴である新規の特徴は、その構造及び動作方法の両方に関して、そのさらなる目的及び利点とともに、本開示の実施形態が例として示されている、添付の図面に関連して検討された以下の説明から理解されるはずである。しかしながら、図面は例示及び説明のみを目的としており、それらは本開示の制限の定義として意図されるものではないことが明確に理解されるべきである。
【0034】
以下の説明では、本開示の様々な実施形態が、添付の図面に関して説明される。必要に応じて、本開示の詳細な実施形態を本明細書で検討する。しかしながら、開示された実施形態は、様々な代替的形態で具現化され得る本開示の実施形態の例示に過ぎないことを理解されたい。図は必ずしも縮尺どおりではなく、いくつかの特徴は特定のコンポーネントの詳細を示すために誇張又は最小化されている場合がある。したがって、本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細は、限定として解釈されるべきではなく、本開示を様々に使用するように当業者に教示するための単なる代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0035】
本明細書に示される詳細は、例として、また本開示の実施形態の具体的な検討のみを目的としており、本開示の原理及び概念的態様の最も有用で容易に理解される説明であると考えられるものを提供するという理由で提示される。これに関して、本開示の基本的な理解に必要であるよりも詳細に本開示の構造的詳細を示す試みは行われておらず、そのため、本説明を図面と合わせることで、本開示の形態がどのように実際に具体化され得るかが当業者に明らかになる。
【0036】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数のものに言及する場合を含む。例えば、「粉体材料」と言えば、特に除外されない限り、1つ以上の粉体材料の混合物が存在し得ることも意味する。本明細書で使用される場合、不定冠詞「a」は、1つだけでなく複数を示し、必ずしもその参照名詞を単数に限定するものではない。
【0037】
特に明記しない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される量を表すすべての数字は、「約」という用語によってすべての例で修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、反対に指示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲で示された数値パラメータは、本開示の実施形態によって得られることが求められる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、そして均等論の適用を特許請求の範囲に限定しようとする試みと見なされるべきではないが、各数値パラメータは、有効桁数と通常の丸め規則に照らして解釈されるべきである。
【0038】
さらに、本明細書内の数値範囲の列挙は、その範囲内のすべての数値及び範囲の開示であると見なされる(他に明示的に示されていない限り)。例えば、範囲が約1~約50である場合、それは、例えば、1、7、34、46.1、23.7、又はその範囲内の他の任意の値若しくは範囲を含むと見なされる。
【0039】
本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は、問題の量又は値が、指定された特定の値又はその近傍の他の値であり得ることを示す。一般に、ある特定の値を示す「約」及び「およそ」という用語は、その値の±5%以内の範囲を示すものとする。一例として、「約100」という語句は、100±5の範囲、すなわち95~105の範囲を示す。一般に、「約」及び「およそ」という用語が使用される場合、本開示による同様の結果又は効果が、示された値の±5%の範囲内で得られることが予測され得る。
【0040】
本明細書で使用される場合、用語「及び/又は」は、前記群の要素のすべて又は1つのみが存在し得ることを示す。例えば、「A及び/又はB」は「Aのみ、又はBのみ、又はAとBの両方」を意味するものとする。「Aのみ」の場合、この用語はBが存在しない可能性、すなわち「Aのみであって、Bはない」という可能性も包含する。
【0041】
「少なくとも部分的に」という用語は、以下の特性がある程度又は完全に満たされることを示すものとする。
【0042】
「実質的に」及び「本質的に」という用語は、以下の特徴、特性又はパラメータが、完全に(まったく)、又は意図した結果に悪影響を及ぼさない程度まで実現又は満たされていることを示すために使用される。
【0043】
本明細書で使用される「含む」という用語は、非排他的かつ制限のないものであることを意図している。したがって、例えば、化合物Aを含む組成物は、A以外の他の化合物を含むこともある。しかしながら、「含む」という用語はまた、「~から本質的になる」及び「~からなる」というより限定的な意味も包含するため、例えば「化合物Aを含む組成物」はまた、(本質的に)化合物Aからなるものであり得る。
【0044】
本明細書に開示された様々な実施形態は、特に反対の記載がない限り、別々に及び様々な組合せで使用することができる。
【0045】
本発明について、多層コーティングを概略的に示す
図1を参照して説明する。
図1で明らかなように、多層コーティングは、歪み許容性のあるDVCコーティング最上層である最上コーティング層を利用する。この層は、層の熱伝導率を下げるために使用される下層のPVCコーティングシステム上に配置される。DVC/PVC層は、CMAS耐性化学組成物と混合された強靭な希土類元素(Re)で安定化されたZrO
2又はHfO
2で構成され得る。1つ以上のDVC層は耐侵食性を提供し、1つ以上のPVC層は、TBCの1つ以上の高CTE上部層と1つ以上の低CTE下部層との間におけるCTE緩和を提供する。複数の場合もあるDVC層及びPVC層は、ボンドコーティングB及び基材Sの上に配置される。
【0046】
複数の場合もあるDVC層は、TBC/CMCシステムの耐侵食性CMAS耐性を改善するために、CMAS耐性化学物質と混合された強靭なRe安定化ZrO2又はHfO2で構成され得る。さらに、複数の場合もあるPVC歪み許容性遷移層は、複数の場合もある高CTE上部層(DVC層)と複数の場合もある低CTE下部層TBCとの間におけるCTE緩和を提供する。次に、PVCの微細構造により、TBCシステムの熱伝導率がさらに低下する。
【0047】
DVCが耐侵食性及びCMAS耐性であり、PVCが熱障壁及びCTE(熱膨張係数)緩和層である、複数の場合もあるDVC最上層及び/又は複数の場合もあるPVC層の非限定的な実施形態は、以下のもの(希土類酸化物の例には、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化ユーロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化スカンジウム、酸化ツリウムが含まれる):
RE安定化ZrO2若しくはHfO2
希土類酸化物とのRE安定化ZrO2若しくはHfO2混合物、又は
希土類シリケートとのRE安定化ZrO2若しくはHfO2混合物、又は
希土類アルミネートとのRE安定化ZrO2若しくはHfO2混合物、又は
希土類アルミネートシリケートとのRE安定化ZrO2若しくはHfO2混合物、又は
アルカリ酸化物とのRE安定化ZrO2若しくはHfO2混合物、又は
ジルコン酸ガドリニウムとのRE安定化ZrO2若しくはHfO2混合物、又は
上記の任意の組合せを含む。
【0048】
複数の場合もあるDVC最上層又はコーティングのCTEは、約9×10-6/℃~13×10-6/℃で、厚さは2ミル~40ミルであり得る。この層又はコーティングは、大気圧プラズマ溶射(APS)、プラズマ溶射-物理蒸着(PS-PVD)、又はサスペンションプラズマ溶射(SPS)によって施され得る。
【0049】
複数の場合もあるPVC中間層又はコーティングのCTEは、約9×10-6/℃~13×10-6/℃で、厚さは1ミル~40ミルであり得る。この層又はコーティングは、大気圧プラズマ溶射(APS)、プラズマ溶射-物理蒸着(PS-PVD)、又はサスペンションプラズマ溶射(SPS)によって施され得る。
【0050】
複数の場合もあるボンドコーティング層又はコーティングBは、MCrAlY(M=Ni、CO)であり得、2ミル~13ミルの厚さを有し得る。この層又はコーティングは、大気圧プラズマ溶射(APS)、高速フレーム溶射(HVOF)、高速空燃溶射(HVAF)、プラズマ溶射-物理蒸着(PS-PVD)又はサスペンション溶射によって施され得る。
【0051】
実施形態において、(複数の場合もある)DVC層の多孔率は、0%~5%であり得、そしてクラックは、(複数の場合もある)層の厚さを部分的に、すなわち、厚さの50%未満、又は厚さの約50%のいずれかを通って延在し得、また(複数の場合もある)層の厚さ全体を通って延在することもある。実施形態において、クラックは、実質的に垂直なクラックであり得、1インチ又は線形インチあたり20~200クラックの範囲であり得る。非限定的な実施形態において、複数の場合もあるDVC層はまた、当技術分野で既知であり、本明細書に組み込まれた文書の1つ以上に記載されているタイプのものであり得る。
【0052】
実施形態において、(複数の場合もある)PVC層の多孔率は、5%~25%であり得、そしてクラックは、(複数の場合もある)層の厚さを部分的に、すなわち、厚さの50%未満、又は厚さの約50%のいずれかを通って延在し得、また(複数の場合もある)層の厚さ全体を通って延在することもある。実施形態において、クラックは、実質的に垂直なクラックであり得、1インチ又は線形インチあたり20~200クラックの範囲であり得る。非限定的な実施形態において、複数の場合もあるPVC層はまた、当技術分野で既知であり、そして本明細書中に組み込まれた文書のうちの1つ以上に記載されているタイプのものであり得る。
【0053】
非限定的な例
次の表には、
図1及び
図2に示されているコーティングシステムの説明と、Sinplexプラズマトーチでそれを形成するために使用されるパラメータが含まれている。
【表1】
【表2】
【0054】
以下の表は、本発明による別のコーティングシステムの説明、並びにSinplexプラズマトーチでそれを形成するために使用されるパラメータを含む。
【表3】
【表4】
【0055】
さらに、少なくとも本発明は、特定の具体的な実施形態の開示により、例えば、簡略化又は効率化などを目的として、本発明を作成及び使用できるように本明細書で開示されるため、本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の追加の要素又は追加の構造が存在しなくても実施することができる。
【0056】
前述の例は単に説明の目的で提供されたものであり、決して本発明を限定するものとして解釈されるべきではないものとする。本発明を具体例としての実施形態を参照して説明してきたが、本明細書で使用されている言葉は、限定の言葉ではなく、説明及び例示の言葉であることが理解される。添付の特許請求の範囲内で、現在述べられ、補正されたように、その態様における本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、変更を加えることができる。本発明について、特定の手段、材料及び実施形態を参照して本明細書で説明してきたが、本発明は、本明細書で開示された詳細に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲内にあるような、機能的に同等なすべての構造、方法及び使用に及ぶ。
なお、下記[1]から[31]は、いずれも本発明の一形態又は一態様である。
[1]
MCrAlY(MはNi、Co又はそれらの組合せを表す)の層を含む遮熱コーティング(TBC)上に配置された低熱伝導率を提供する少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)コーティング層;及び
前記少なくとも1つのPVCコーティング層上に堆積された少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層
を含む耐侵食性CMAS耐性コーティング。
[2]
前記少なくとも1つのDVC層が最上層である、[1]に記載のコーティング。
[3]
前記TBCと基材との間に配置された少なくとも1つのボンドコーティング層をさらに含む、[1]に記載のコーティング。
[4]
前記基材が超合金基材である、[1]に記載のコーティング。
[5]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、希土類酸化物と混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
を含む、[1]に記載のコーティング。
[6]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、希土類シリケートと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
を含む、[1]に記載のコーティング。
[7]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、希土類アルミネートと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
を含む、[1]に記載のコーティング。
[8]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、希土類アルミネート若しくはシリケートと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
を含む、[1]に記載のコーティング。
[9]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、アルカリ酸化物と混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
を含む、[1]に記載のコーティング。
[10]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、ジルコン酸ガドリニウムと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
を含む、[1]に記載のコーティング。
[11]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、
希土類酸化物と混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
、
希土類シリケートと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
、
希土類アルミネートと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
、
希土類アルミネート若しくはシリケートと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
、
アルカリ酸化物と混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
、及び
ジルコン酸ガドリニウムと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
のうちの2つ以上の混合物の混合物を含む、[1]に記載のコーティング。
[12]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、全厚の垂直クラックを含む、[1]に記載のコーティング。
[13]
前記少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)コーティング層が、全厚の垂直クラックを含む、[1]に記載のコーティング。
[14]
TBCコーティングされた基材上に配置されたより低い熱伝導率を提供する少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)遮熱コーティング層、及び
前記少なくとも1つのPVC遮熱コーティング層の上に堆積された緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング材の最上層
を含む、前記TBCコーティングされた基材上に配置された耐侵食性CMAS耐性コーティング。
[15]
前記TBCと前記基材との間に配置された少なくとも1つのボンドコーティング層をさらに含む、[14]に記載のコーティング。
[16]
前記TBCが、MCrAlYの少なくとも1つの層を含み、Mは、Ni、Co又はそれらの組合せを表す、[14]に記載のコーティング。
[17]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、希土類酸化物と混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
を含む、[14]に記載のコーティング。
[18]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、希土類シリケートと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
を含む、[14]に記載のコーティング。
[19]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、希土類アルミネートと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
を含む、[14]に記載のコーティング。
[20]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、希土類アルミネート若しくはシリケートと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
を含む、[14]に記載のコーティング。
[21]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、アルカリ酸化物と混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
を含む、[14]に記載のコーティング。
[22]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、ジルコン酸ガドリニウムと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
を含む、[14]に記載のコーティング。
[23]
前記少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層が、
希土類酸化物と混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
、
希土類シリケートと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
、
希土類アルミネートと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
、
希土類アルミネート若しくはシリケートと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
、
アルカリ酸化物と混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
、及び
ジルコン酸ガドリニウムと混合されたRe安定化ZrO
2
又はHfO
2
のうちの2つ以上の混合物を含む、[14]に記載のコーティング。
[24]
前記緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層の最上層が、全厚の垂直クラックを含む、[14]に記載のコーティング。
[25]
前記少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)コーティング層が、全厚の垂直クラックを含む、[14]に記載のコーティング。
[26]
超合金基材上に配置され、前記基材に結合されたMCrAlYのTBCコーティング層(ただし、Mは、Ni、Co又はそれらの組合せを表す)、
前記TBCコーティング層に直接堆積されたCTE緩和を提供する多孔質縦割れ(PVC)セラミックコーティング層、及び
前記PVCコーティング層に直接堆積された緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層
を含む、耐侵食性CMAS耐性セラミックコーティング。
[27]
TBCコーティングされた基材上に耐侵食性CMAS耐性コーティングをプラズマ溶射する方法であって、
より低い熱伝導率を提供する少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)遮熱コーティング層を前記TBCコーティングされた基材に堆積させること、及び
前記少なくとも1つのPVC遮熱コーティング層上に緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング材を堆積させること
を含む方法。
[28]
前記TBCコーティングされた基材が、TBC層と前記基材との間に配置された少なくとも1つのボンドコーティング層を含む、[26]に記載の方法。
[29]
前記プラズマ溶射が、
大気圧プラズマ溶射(APS)、
プラズマ溶射-物理蒸着(PS-PVD)又は
サスペンションプラズマ溶射(SPS)
のうちの1つを含む、[27]に記載の方法。
[30]
NiCrAlYの層を含む遮熱コーティング(TBC)上に配置された低熱伝導率を提供する少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)コーティング層;及び
前記少なくとも1つのPVCコーティング層上に堆積された少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層
を含む耐侵食性CMAS耐性コーティング。
[31]
CoCrAlYの層を含む遮熱コーティング(TBC)上に配置された低熱伝導率を提供する少なくとも1つの多孔質縦割れ(PVC)コーティング層;及び
前記少なくとも1つのPVCコーティング層上に堆積された少なくとも1つの緻密縦割れ(DVC)耐侵食性CMAS耐性コーティング層
を含む耐侵食性CMAS耐性コーティング。