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特許7564723微多孔積層フィルムおよびこのフィルム含む積層体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】微多孔積層フィルムおよびこのフィルム含む積層体
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/32 20060101AFI20241002BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20241002BHJP
   B32B 5/24 20060101ALI20241002BHJP
   B32B 5/26 20060101ALI20241002BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20241002BHJP
   A41D 13/12 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
B32B5/32
B32B27/32 E
B32B5/24 101
B32B5/26
B32B27/36
A41D13/12 109
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021016183
(22)【出願日】2021-02-04
(65)【公開番号】P2022042940
(43)【公開日】2022-03-15
【審査請求日】2024-01-12
(31)【優先権主張番号】P 2020147942
(32)【優先日】2020-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592197315
【氏名又は名称】ユニチカトレーディング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川元 宏之
(72)【発明者】
【氏名】永川 彰一
【審査官】増田 亮子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/175250(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/216390(WO,A1)
【文献】特表2004-538286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
A41D 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の微多孔を有するポリオレフィン系乾式フィルムと、第2の微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルムとを積層一体化したものであり、乾式フィルムの目付が10~30g/mであるとともに、湿式フィルムの目付が3~12g/mであることを特徴とする微多孔積層フィルム。
【請求項2】
乾式フィルムの目付と湿式フィルムの目付との比が、(乾式フィルムの目付)/(湿式フィルムの目付)=1~5/1であることを特徴とする請求項1記載の微多孔積層フィルム。
【請求項3】
乾式フィルムが着色されたフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載の微多孔積層フィルム。
【請求項4】
乾式フィルムと湿式フィルムとが、着色された接着剤による接合にて積層一体化されていることを特徴とする請求項1または2記載の微多孔積層フィルム。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の微多孔積層フィルムの片面または両面に不織布が積層されていることを特徴とする積層体。
【請求項6】
目付が40~80g/mであることを特徴とする請求項5記載の積層体。
【請求項7】
不織布は、芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とし、かつ構成繊維同士がスポット状の形態で部分的に熱接着されたものであることを特徴とする請求項5または6記載の積層体。
【請求項8】
JIS L1099のA-1法による透湿度が4500g/m・24h以上であり、JIS L1092のA法による耐水度が900mm以上であり、JIS T8060による血液バリア性がクラス3以上またはASTM F1670による血液バリア性の評価が「合格」であり、JIS T8061によるウィルスバリア性がクラス3以上またはASTM F1671によるウィルスバリア性の評価が「合格」であることを特徴とする請求項5から7までのいずれか1項記載の積層体。
【請求項9】
請求項5から8までのいずれか1項に記載の積層体を含むことを特徴とする布帛。
【請求項10】
請求項9に記載の布帛を含むことを特徴とする防護服。
【請求項11】
請求項9に記載の布帛を含むことを特徴とするメディカル用ウェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微多孔積層フィルムおよびこのフィルムを含む積層体に関する。さらに、この積層体を含む布帛と、この布帛を含む防護服およびメディカル用ウェアとに関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場で用いられる感染防止用の防護服として、特許文献1には、芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とし、構成繊維どうしが部分的に熱接着された不織布と、無孔透湿性ポリウレタンフィルムとが積層された複合シートを用いたものが記載されている。無孔透湿性ポリウレタンフィルムは、ポリウレタン樹脂の構造中に親水基が導入されていることで透湿機能が付与されたものである。
【0003】
一方、特許文献2には、複合シートを用いた使い捨て防護服が記載されている。この複合シートは、芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とし、構成繊維どうしが部分的に熱接着された不織布と、微多孔性ポリエチレンフィルムとが積層されたものである。この微多孔性ポリエチレンフィルムとしては、無機充填剤、有機充填剤などを含有するポリエチレンフィルムよりこれらの充填剤を溶剤で溶出して製造する微多孔性フィルムや、粒子状の無機充填剤、有機充填剤を含有するポリエチレン樹脂からなるシートを少なくとも一軸方向に延伸することで、粒子表面と樹脂との間に空隙を生じさせることにより微多孔構造を形成させて得られる微多孔性フィルムなどが挙げられる(特許文献2の段落0021)。ポリエチレンフィルムは、微多孔性であることで、血液バリア性、ウィルスバリア性、通気性、柔軟性を併有することができる。
【0004】
また、ポリエチレンの極細網状長繊維をランダムに積層したフラッシュ紡糸不織布を含むシートを用いた使い捨て防護服も知られている。これらの不織布を用いた使い捨て防護服は、軽いうえにしなやかであり、また強度もあるために有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3190510号公報
【文献】実用新案登録第3157107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、不織布を用いた公知の使い捨て防護服は、ウィルスバリア性の点でまだ完全とは言い難く、ウィルス感染を防ぎきれない可能性もある。すなわち、血液や体液のバリア性と、ウィルスバリア性と、通気性と、柔軟性とのすべてを兼ね備えることで使い捨て防護服などに好ましく適用することができる構造体は、まだ得られていないのが現状である。
【0007】
そこで本発明は、血液や体液のバリア性と、ウィルスバリア性と、通気性と、耐水性とのすべてを兼ね備えることで、使い捨て防護服などに好ましく適用することができる微多孔積層フィルムおよびこのフィルムを含む積層体を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために本発明の微多孔積層フィルムは、第1の微多孔を有するポリオレフィン系乾式フィルムと、第2の微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルムとを積層一体化したものであり、乾式フィルムの目付が10~30g/mであるとともに、湿式フィルムの目付が3~12g/mであることを特徴とする。これによれば、湿式フィルムによって所要のバリア性を発現することができるとともに、乾式フィルムによって、所要の性能を保持しながら湿式フィルムを強度的に支持することができる。
【0009】
そのためには、本発明の微多孔積層フィルムによれば、乾式フィルムの目付と湿式フィルムの目付との比が、(乾式フィルムの目付)/(湿式フィルムの目付)=1~5/1であることが好適である。
【0010】
本発明の微多孔積層フィルムによれば、乾式フィルムが着色されたフィルムであること、または乾式フィルムと湿式フィルムとが、着色された接着剤による接合にて積層一体化されていることが好適である。
【0011】
本発明の積層体は、上記した微多孔積層フィルムの片面または両面に不織布が積層されていることを特徴とする。この積層体は、目付が40~80g/mであることが好適である。
【0012】
ここで、不織布は、芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とし、かつ構成繊維同士がスポット状の形態で部分的に熱接着されたものであることが好適である。
【0013】
本発明の積層体によれば、JIS L1099のA-1法による透湿度が4500g/m・24h以上であり、JIS L1092のA法による耐水度が900mm以上であり、JIS T8060による血液バリア性がクラス3以上またはASTM F1670による血液バリア性の評価が「合格」であり、JIS T8061によるウィルスバリア性がクラス3以上またはASTM F1671によるウィルスバリア性の評価が「合格」であることが好適である。
本発明の布帛は、上記の積層体を含むことを特徴とする。そして、本発明の防護服およびメディカル用ウェアは、それぞれ上記の布帛を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の微多孔積層フィルムによると、第1の微多孔を有するポリオレフィン系乾式フィルムと、第2の微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルムとを積層一体化したものであることから、湿式フィルムによって所要のバリア性を強力に発現することができるとともに、乾式フィルムによって、所要の性能を保持しながら湿式フィルムを強度的に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態における着色された積層体の第1の態様を示す図である。
図2】同着色された積層体の第2の態様を示す図である。
図3】本発明の実施例における微多孔積層フィルムの乾式フィルムの表面の拡大図である。
図4】本発明の実施例における微多孔積層フィルムの湿式フィルムの表面の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の微多孔積層フィルムは、第1の微多孔を有するポリオレフィン系乾式フィルムと、第2の微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルムとを積層一体化したものである。
【0017】
このうち、ポリオレフィン系乾式フィルムは、ポリオレフィン系樹脂層の中に微粒子を含み、微粒子の表面とポリオレフィン系樹脂との間に空隙を有する。この乾式フィルムが有する空隙の孔径は、約0.1~15μmであり、この空隙により第1の微多孔が形成される。この空隙は、微粒子を含有するポリオレフィン系樹脂からなるシートを少なくとも一軸方向に延伸することで、微粒子表面と樹脂との間、すなわち微粒子とポリオレフィン系樹脂との界面に隙間を生じさせることにより、形成することができる。そして、延伸の結果、空隙が形成されるとともに、各空隙同士が互いに連通されることによって、所要の空気透過性や水蒸気透過性を確保することができる。このとき、空隙を形成するための微粒子は、その粒径を小さくかつ粒径の分布幅を狭くすることで、血液バリア性やウィルスバリア性などの所要の防護性能をも良好に得ることができる。
【0018】
乾式フィルムの樹脂層を形成するためのポリオレフィンとしては、任意のものを使用することができ、ポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂を代表例として挙げることができる。なかでも、ポリエチレン系樹脂を、加工性が良好で、柔軟で軽いという理由によって、好適に用いることができる。ポリエチレン系樹脂としては、エチレンのみの重合体であってもよく、また、エチレンを主たる繰り返し単位とし、これにα-オレフィンを共重合してなる共重合体でもよい。α-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン等が挙げられる。なお、ポリオレフィンの数平均分子量も任意である。
【0019】
微粒子としては、有機微粒子や無機微粒子を挙げることができる。特に無機微粒子を好適に用いることができ、そのような無機微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、アルミナ、タルク、シリカなどを挙げることができる。なかでも、自然界に多数存在する石灰石を原材料とし、汎用性があり、化粧品原料や食品添加物としても使用が認められ安全性が高いという理由から、炭酸カルシウムを好適に用いることができる。
【0020】
微粒子は、特定の粒子径以下の粒子量を表した積算分布について、積算分布D10が0.2μm以上かつ0.5μm以下であるとともに、積算分布D100が10μm以下であることが好ましい。積算分布D10とは、全微粒子を粒径の小さなものからカウントして、その全体量の10%となるときの微粒子のサイズ(粒径)をいう。また積算分布D100とは、全微粒子を粒径の小さなものからカウントして、その全体量の100%となるときの微粒子のサイズ(粒径)、すなわち全微粒子の最大サイズ(最大粒径)をいう。
【0021】
このように、積算分布D10が0.2μm以上かつ0.5μm以下であるとともに、積算分布D100が10μm以下である微粒子を用いることによって、この微粒子のサイズ(粒径)を小さくできるとともに、そのサイズの分布の幅を狭くすることができる。その結果、微粒子の周囲に形成される空隙のサイズを小さくしかも均一化することができて、この空隙の存在を原因とする通気性や水蒸気透過性を均質にすることができるとともに、この空隙のサイズにもとづく血液バリア性やウィルスバリア性などの防護性も均質にすることができる。積算分布D10が0.2μm未満であると透湿性が損なわれやすくなる。積算分布D100が10μmを超えると、大きいサイズの孔が発現する傾向となり、微多孔フィルムにおける微多孔のサイズがばらつくことから、フィルム全体において緻密で均一な微多孔構造を形成しにくくなる。このことから、積算分布D10は、0.2μm以上かつ0.4μm以下であることがより好ましく、積算分布D100が6μm以下であることがより好ましい。
【0022】
また、メジアン値についての積算分布D50を考慮することもでき、このメジアン値についての積算分布D50の値によって、微粒子の平均粒径を検討することもできる。この積算分布D50は、1.0μm以下であることが、良好な耐水性、血液バリア性、ウィルスバリア性を発揮させることができる点で好ましい。
【0023】
このような粒度分布を有する炭酸カルシウム微粒子として、市販品を利用することもできる。市販品としては、たとえばファイマテック社の品番「AFF-CB」の炭酸カルシウム微粒子を好ましく用いることができる。AFF-CBは、D10が0.31μm、D50が0.64μm、D100が4.02μmである。
【0024】
ポリオレフィン系乾式フィルムにおいて、ポリオレフィン系樹脂層の中に含まれる微粒子の割合は、40質量%以上かつ60質量%以下であることが好ましい。微粒子をこの範囲で含むことによって、微多孔フィルムを用いた防護服を構成したときに、所要の性能を得ることができるためである。
【0025】
次にポリオレフィン系湿式フィルムについて説明する。ポリオレフィン系湿式フィルムは、孔径約0.1~0.5μmの第2の微多孔を有する。このような湿式フィルムは、たとえば、ポリオレフィン系樹脂と可塑剤との混合物を溶融・混練した後に押出により膜を形成し、そのうえで延伸した後に、この形成された膜から可塑剤を抽出することにより、膜から可塑剤を除去することで、可塑剤の存在していた箇所を多数の微孔とするものである。ポリオレフィン系樹脂と可塑剤とが溶融混練により均一に混ざり合うことから、このようにして第2の微多孔を形成することで、この第2の微多孔の孔径が約0.1~0.5μmとなり、上述のポリオレフィン系乾式フィルムにおける第1の微多孔の孔径に比べて、小径の範囲であって、フィルム中により均一に分布させることができる。本発明の微多孔積層フィルムは、このように孔径の小さな微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルムを含むものであるために、血液や体液のバリア性と、ウィルスバリア性とに特に優れた性能を発揮することができる。第2の微多孔の孔径が0.1μm未満であると、透湿性が損なわれる。反対に孔径が0.5μmを超えると、所要の血液バリア性やウィルスバリア性が得られない。
【0026】
湿式フィルムの樹脂層を形成するためのポリオレフィンは、上述の乾式フィルムの樹脂層を形成するためのポリオレフィンとして例示したものと同様の任意のものを使用することができる。なかでも、乾式フィルムの樹脂層を形成するためのポリオレフィンと同じものを、好ましく用いることができる。
【0027】
第2の微多孔を形成するための可塑剤としては、ポリオレフィン系樹脂と均一に溶融混練しうる有機化合物が用いられ、その例としては、ノナン、デカン、デカリン、パラフィンオイル、パラフィンワックスなどの脂肪族または環状炭化水素や、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどのフタル酸エステルや、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの炭素数10個~20個の脂肪酸類や、パルミチン酸アルコール、ステアリン酸アルコール、オレイン酸アルコールなどの炭素数10個~20個の脂肪酸アルコール類や、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、人体に無害であり、沸騰点が高く、揮発性成分が少ないパラフィンオイルが好適である。
【0028】
ポリオレフィン系湿式フィルムの詳細な製法は次のとおりである。すなわち、ポリオレフィン系樹脂と、可塑剤となる有機化合物とを溶融混合し、その混合物を、Tダイを用いて押出した後、その押出物を延伸する。その後、溶媒で前記有機化合物を抽出することにより、ポリオレフィン系樹脂中に均一に混合していた有機化合物が除去され、その除去された箇所が微多孔となることで、ポリオレフィン系湿式フィルムを得ることができる。可塑剤の抽出に際しては、例えば、塩化メチレンを用いるとよい。また、抽出に用いた塩化メチレンは、可塑剤が除去されたフィルムに付着していることから、乾燥によって除去するとよい。
【0029】
ポリオレフィン系乾式フィルムとポリオレフィン系湿式フィルムとを積層するための方法は、次の通りである。すなわち、ホットメルト接着剤を介して熱圧着させることによるホットメルトラミネート法を採用することで、両者を積層することができる。
【0030】
本発明の微多孔積層フィルムにおいては、所要の性能を発揮するために、乾式フィルムの目付が10~30g/mであるとともに、湿式フィルムの目付が3~12g/mである。さらに、乾式フィルムの目付と湿式フィルムの目付との比が、(乾式フィルムの目付)/(湿式フィルムの目付)=1~5/1であることが好ましい。
【0031】
同様の観点から、本発明の微多孔積層フィルムにおいては、乾式フィルムの厚みが15~30μmであるとともに、湿式フィルムの厚みが4~15μmであることが好ましい。特に微多孔積層フィルムは、乾式フィルムの厚みと湿式フィルムの厚みとの合計である全体の厚みが、40μm以下であることが好ましい。全体の厚みが40μm以下であることにより、後述のように不織布層との積層によって防護服とするときに、薄く、したがって軽量であり、また柔軟なものとすることができる。厚みが40μmを超えると、上記のように不織布層との積層を行った場合に、厚くなってしまって、柔軟性を含めた防護服の着心地などが低下する。厚みの下限は、特に規定されるものではないが、微多孔積層フィルムを用いて防護服を構成した時の所要強度の観点にたてば、20μmを下限とすることが好適である。
【0032】
本発明の微多孔積層フィルムの乾式フィルと湿式フィルムとを構成するポリオレフィン樹脂組成物には、用途に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、防曇剤、帯電防止剤、難燃剤、着色防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料などの添加剤を添加することもできる。
【0033】
顔料として、たとえば白系や、青系等の着色顔料を用いることができる。顔料の使用例として、たとえば乾式フィルムに顔料を添加させ、後述の積層体を得るときに乾式フィルムを表側に配置することが挙げられる。顔料についての他の使用例として、たとえば、上述のホットメルト接着剤や、ポリオレフィン系乾式フィルムとポリオレフィン系湿式フィルムとを積層するための他の種類の接着剤に、顔料を含ませた構成とすることもできる。
【0034】
本発明の微多孔積層フィルムの製造方法の一例について説明する。まず、乾式フィルムの製造方法の一例を説明すると、最初に、ポリオレフィン系樹脂と炭酸カルシウムなどの微粒子とを所定量だけ配合して、2軸混錬押し出し機にて溶融混錬することで、コンパウンドペレットを作製する。このコンパウンドペレットを乾燥した後、インフレーション成膜法などによってフィルム化する。インフレーション成膜法としては、乾燥後のコンパウンドペレットを1軸混錬押し出し機に投入し、溶融したポリマーを丸ダイからチューブ状に引き上げ、空冷しながら同時に風船状に膨らませて成膜する方法や、丸ダイより溶融ポリマーを冷却水とともに円筒状に下方へ押し出した後、いったん折り畳み、それを上方へ引き上げ、次いで加熱しながら風船状に膨らませて、成膜しフィルム化する方法などを、好ましく採用することができる。インフレーション成膜法を用いることによって、フィルム形成後の延伸処理を施すことなしに、延伸された状態のフィルムを直ちに得ることができる。2軸混錬押し出し機におけるポリマー溶融温度は、ポリオレフィン系樹脂の溶融温度である120~180℃の温度範囲で適宜に選択することができる。1軸混錬押し出し機におけるコンパウンドペレットのポリマーの溶融温度は、ポリオレフィン系樹脂の融点や配合量、および炭酸カルシウムなどの微粒子の配合量を考慮して、適宜選択することができるが、120~180℃の温度範囲が好適である。
【0035】
また、フィルム化する方法としては、ポリオレフィン系樹脂と炭酸カルシウムなどの微粒子とを所定量だけ配合した樹脂組成物を、ポリオレフィン系樹脂の融点以上、分解温度未満の温度条件下で溶融し、Tダイを用いて押出成形し、無孔の未延伸シートを得、その後、一軸延伸または二軸延伸することにより微多孔を発現させて微多孔フィルムを得る方法も好ましい。無孔の未延伸シートを延伸する方法としての一軸延伸は、縦一軸延伸であってもよいし、横一軸延伸であってもよい。また、二軸延伸は同時二軸延伸であってもよいし、逐次二軸延伸であってもよい。逐次二軸延伸は、各延伸工程で延伸条件を選択でき、微多孔構造を制御しやすい。
【0036】
なお、微多孔フィルムを製造する前段階でのコンパウンドペレットの製造時に、必要に応じて、架橋剤、架橋助剤、有機滑剤などを添加することもできる。加えて、フィルムの製造時にも、必要に応じて添加剤をフィルム物性に影響を与えない程度に加えてもよい。
【0037】
湿式フィルムの製造方法の一例について説明すると、上記したように、ポリオレフィン系樹脂と、可塑剤となる有機化合物とを溶融混合し、その混合物をTダイを用いて押出した後、その押出物を延伸し、その後、溶媒で前記有機化合物を抽出することにより、ポリオレフィン系樹脂中に均一に混合していた有機化合物が除去され、その除去された箇所が微多孔となることで、ポリオレフィン系湿式フィルムを得ることができる。
【0038】
乾式フィルムと湿式フィルムとを積層する方法を説明すると、上記したように、ホットメルト接着剤を介して熱圧着させるドライラミネート法を採用することで、両者を積層することができ、それによって本発明の微多孔積層フィルムを得ることができる。
【0039】
本発明によれば、上述の微多孔積層フィルムを用いて、布帛や、この布帛を用いた防護服およびメディカル用ウェアなどを形成するための積層体が得られる。詳細には、微多孔積層フィルムの両面または片面に不織布を接着剤による接着や熱接着などにより積層した積層体とすることができる。不織布としては、適宜のものを利用できるが、芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とし、構成繊維同士がスポット状の形態で部分的に熱接着されているものを、好適に用いることができる。これにより、芯部のポリエチレンテレフタレートにより機械的強度を維持するとともに、鞘部のポリエチレンにより、軽くしなやかであり、防護衣等として好適である。
【0040】
接着剤としては、ホットメルト型接着剤を好ましく用いることができる。ホットメルト型接着剤のなかでも、接着性の観点から、ポリウレタン系接着剤あるいはポリエチレン系接着剤が好ましい。
【0041】
また、微多孔積層フィルムと不織布とを、微粒子状のポリオレフィン樹脂を接着成分とした接着剤を用いて積層一体化することもできる。ここにいう微粒子状のポリオレフィン樹脂は、微多孔積層フィルムを構成するポリオレフィン樹脂と同様の組成を持つものであるため、微多孔積層フィルムにおける非孔領域に選択的に付着しやすい。
【0042】
微粒子状のポリオレフィン樹脂としては、水に分散しやすいものを用いる。それにより、水性の接着剤とすることができる。そのようなポリオレフィン樹脂として、特許第3699935号公報に記載されているものを好適に用いることができる。このポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸またはその無水物(A)と、炭素数2~6のアルケン(B)とを含むモノマーを共重合した共重合体にて構成されたものである。不飽和カルボン酸またはその無水物(A)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。炭素数2~6のアルケン(B)としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセンなどが挙げられる。なお、不飽和カルボン酸またはその無水物(A)および炭素数2~6のアルケン(B)のほかに、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどのアクリル酸エステルを第三成分として共重合したものであっても差し支えない。また、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピパリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ビニルアルコール、アクリロニトリルなどの第三成分を共重合したものであっても差し支えない。不飽和カルボン酸またはその無水物(A)と炭素数2~6のアルケン(B)との共重合比は、質量比で、(A):(B)=0.5~20:99.5~80程度であることが好ましい。第三成分を共重合したものでは、この第三成分の質量比は、全体の35質量%以下であることが好ましい。
【0043】
以上のような組成を持つポリオレフィン樹脂微粒子は、特許第3699935号公報に記載されているように水によく分散するものであり、この水に分散したものは、微粒子分散液として取り扱われる。したがって、ポリビニルアルコールを溶解させた水溶液と、微粒子状のポリオレフィン樹脂を水系溶液に分散させた微粒子分散液とを混合させた接着剤とするときに、両者を均一に混合することができて、両接着成分が均一に混合する。
【0044】
上記のようにして微多孔積層フィルムに不織布を積層した積層体とすることで、不織布によって微多孔積層フィルムを補強して、防護服としたときの所要強度を得ることができる。強度的な観点にたてば、上述のように芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とした不織布が、特に好適である。また、このような芯鞘構造の不織布は、ヒートシール性に優れるので、積層体にて構成される布帛を用いて防護服を得るときに、ヒートシールによって容易に仕立てることができるとともに、ヒートシールによって布帛同士を隙間なく接合することができるために、布帛同士の接合部における防護服の防水性、血液バリア性、ウィルスバリア性を確実に保つことができる。もちろん布帛同士を縫製することによって、あるいは縫製とヒートシールとを併用することによって、防護服を仕立てることも可能である。
【0045】
微多孔積層フィルムと不織布との積層体は、布帛や、防護服およびメディカル用ガウンなどとするために、JIS L1099のA-1法による透湿度が4500g/m・24h以上であり、JIS L1092のA法による耐水度が900mm以上であり、JIS T8060による血液バリア性がクラス3以上またはASTM F1670による血液バリア性の評価が「合格」以上であり、JIS T8061によるウィルスバリア性がクラス3以上またはASTM F1671によるウィルスバリア性の評価が「合格」であることが好適である。実質的には、不織布は、これらの性能に実質的には寄与せずに、上記のように主として微多孔積層フィルムを補強する役割を果たすものであるため、これらの諸性能は、本発明の微多孔積層フィルムの性能であるということができる。
【0046】
不織布は、上述のように微多孔積層フィルムの片面または両面に積層することができるが、片面に積層する場合は、乾式フィルムの表面よりも湿式フィルムの表面に不織布を積層すると、乾式フィルムに比べて湿式フィルムの方が薄く形成されているため、不織布を湿式フィルムの表面に積層することで、湿式フィルムを効果的に補強および保護することができる。一方、片面に積層する場合に、湿式フィルムの表面よりも乾式フィルムの表面に不織布を積層すると、乾式フィルムの一方の面が湿式フィルムに覆われ、他方の面が不織布に覆われることにより、耐摩耗性が向上する。
【0047】
微多孔積層フィルムに不織布を積層した積層体がたとえば青色に着色されている場合について説明する。図1は着色された積層体の第1の態様を示す。ここで、1は不織布、2は微多孔積層フィルムにおける白色の湿式フィルム、3は微多孔積層フィルムにおける乾式フィルムである。ここでは、不織布1と乾式フィルム3とによって湿式フィルム2を挟み込んだ構成である。すなわち、上述のように不織布1を湿式フィルム2の表面に積層したものである。これにより、湿式フィルム2は積層体の表面に露出することがなく、補強および保護されている。加えて、図1に示される積層体においては、この積層体の表面側に配置される乾式フィルム3に顔料が添加されて、この乾式フィルム3が青色などに着色されている。これによって積層体を効果的に発色させることができる。
【0048】
図2は、着色された積層体の第2の態様を示す。ここでは、白色の湿式フィルム2と白色の乾式フィルム3とを接着させるための、ホットメルト接着剤などによる接着剤層4が描かれている。そして、この図2の積層体では、不織布1と湿式フィルム2とによって乾式フィルム3を挟み込んだ構成であり、すなわち不織布1を乾式フィルム3の表面に積層したものであり、顔料が添加された接着剤層4の表面側は薄い湿式フィルム2によって覆われてなる。図2においては、接着剤層4に顔料が添加されることで、この接着剤層4が着色され、さらに薄い湿式フィルム2によって覆われることで、同様に積層体を効果的に発色させることができる。
【実施例
【0049】
以下の実施例、比較例における各種物性値の測定は、下記の方法により実施した
【0050】
(1)透湿度(g/m・24h)
JIS L1099のA-1法により求めた。
【0051】
(2)耐水度(mm)
JIS L1092のA法により求めた。
【0052】
(3)血液バリア性(クラスn)
JIS T8060により求めた。JIS T8122によれば、血液バリア性は「クラスn(nは1-6の範囲の整数値)」として表されるものであり、nの値が大きいほど血液バリア性が良好である。
【0053】
また、ASTM F1670にて血液バリア性試験を行い、合格か否か確認した。
【0054】
(4)ウィルスバリア性(クラスn)
JIS T8061により求めた。JIS T8122によれば、ウィルスバリア性は「クラスn(nは1-6の範囲の整数値)」として表されるものであり、nの値が大きいほどウィルスバリア性が良好である。
【0055】
また、ASTM F1671にてウィルスバリア性試験を行い、合格か否か確認した。
【0056】
(5)目付
JIS L1913により求めた。
【0057】
(6)厚み
JIS Z1702により求めた。
【0058】
(実施例1)
[フィルムの準備]
線状低密度ポリエチレン42部と、低密度ポリエチレン8部と、積算分布D10が0.3μm、D50が0.6μm、D100が4μmの炭酸カルシウム(ファイマテック社製)52部とを2軸混錬押し出し機に投入して溶融混錬し、押し出し温度160℃にて押し出すことにより第1のコンパウンド原料を作製した。
【0059】
次いで、この第1のコンパウンド原料を用いて、1軸押し出し機により設定温度160℃で溶融押し出しを行い、ダイより押し出されたシート状物を縦方向(機械方向)に延伸倍率3倍で延伸し、速度200m/分にて巻き取り機によって巻き取った。それによって、目付18g/m、厚み20μmの乾式フィルムを作製した。
【0060】
また、線状低密度ポリエチレン42質量部と、低密度ポリエチレン8質量部と、可塑剤すなわち溶剤である流動パラフィン50質量部とを2軸混錬押し出し機に投入して溶融混錬し、押し出し温度230℃にてTダイから押し出した後、押し出した膜状物を縦方向(機械方向)に延伸倍率2.5倍で延伸し、その後に塩化メチレンを用いて流動パラフィンを除去し、乾燥によりフィルムに付着している塩化メチレンを除去して、目付6g/m、厚み7μmの湿式フィルムを作製した。
【0061】
そして、上記のようにして得られた乾式フィルムと湿式フィルムとを用いて、ホットメルト接着剤(2g/m)を介して熱圧着させることによるドライラミネート法にて両者を積層することで、目付が26g/mの微多孔積層フィルムを得た。
【0062】
図3は、得られた微多孔積層フィルムにおける乾式フィルムの表面の拡大図である。この図3において、明度が高い粒状の部分すなわち白っぽい粒状の部分は炭酸カルシウムであり、明度の低い部分すなわち黒っぽい部分は微多孔である。図4は、同微多孔積層フィルムにおける湿式フィルムの表面の拡大図であって、その拡大倍率は図3と同じである。この図4では、図3と同様に明度の低い黒っぽい部分が微多孔であるが、この微多孔の孔径が図3の微多孔の孔径に比べて小さく、かつ全体的に孔径が均一な微多孔が形成されていることを理解することができる。
【0063】
[不織布の準備]
ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとを準備した。ポリエチレンテレフタレートが芯の部分に配されポリエチレンが鞘の部分に配されるように、かつ両者の質量比が50/50となるように、芯鞘型複合紡糸孔に供給し、紡糸温度295℃、紡糸速度3000m/分で溶融紡糸を行った。溶融紡糸後、吸引装置により引き取って細化し、吸引装置から排出された糸条を開繊した後、この開繊した糸条である芯鞘複合繊維(繊度:3.5dtex)を移動する捕集面上に集積させて不織ウェブを得た。この不織ウェブに部分的に熱圧接処理を施して、不織ウェブの構成繊維同士をスポット状の形態で部分的に熱圧着させることで、目付が20g/mである不織布を得た。
【0064】
[積層体の製造]
得られた不織布の片面にホットメルト接着剤を4g/mの量で溶融塗布し、この接着剤を塗布した面に、上記した微多孔積層フィルムを、微多孔湿式フィルムが接着剤に接するようにして貼り付けることで、微多孔積層フィルムと不織布との積層体を得た。
【0065】
得られた積層体の性能を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
(実施例2)
実施例1の積層体における微多孔積層フィルムの表面に実施例1と同様の条件でホットメルト接着剤を溶融塗布し、この接着剤を塗布した面に、実施例1における不織布と同じ仕様の他の不織布を貼り付けた。これにより、第1の不織布と、微多孔積層フィルムと、第2の不織布との積層体を得た。
【0068】
得られた積層体の性能を表1に示す。
【0069】
(実施例3)
実施例1と比べて製造条件を変化させて、実施例1とは別の微多孔積層フィルムを得た。詳細には、実施例1と比べて押し出し量などを変化させて、乾式フィルムとして目付20g/m、厚み22μmのものを得た。また湿式フィルムとして、目付4g/m、厚み4.4μmのものを得た。これらを用いたこと以外は実施例1と同様の条件で、微多孔積層フィルムを得た。さらに、この微多孔積層フィルムと、実施例1と同じ条件で得た不織布とを、実施例1と同じ条件で貼り付けることで、微多孔積層フィルムと不織布との積層体を得た。
【0070】
得られた積層体の性能を表1に示す。
【0071】
(実施例4)
実施例1において、乾式フィルムを製造するにあたり、青色顔料を含有させて、青色の乾式フィルムを得たこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
【0072】
(実施例5)
実施例1において、微多孔積層フィルムを得る際に、乾式フィルムと湿式フィルムとを積層するためのホットメルト接着剤中に青色顔料を含有させたこと、不織布と微多孔積層フィルムとの積層体を得る際に、微多孔乾式フィルムが接着剤を介して不織布に接するように貼り付けたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
【0073】
(比較例1)
実施例1の微多孔積層フィルムに代えて、乾式の微多孔性ポリエチレンフィルム(三菱ケミカル社製、品名:CAU6020B、目付20g/m)を用いた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、微多孔性ポリエチレンフィルムと不織布との積層体を得た。
【0074】
得られた積層体の性能を表1に示す。
【0075】
表1に示すように、実施例1、2、3の積層体は、透湿度、耐水度、血液バリア性、ウィルスバリア性のいずれにも優れたフィルムであった。
【0076】
これに対し、比較例1のフィルムは、透湿度は優れていたが、耐水度と血液バリア性とウィルスバリア性とは、実施例1、2、3の積層体に比べて劣っていた。
図1
図2
図3
図4