(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理プログラムおよび画像処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/64 20060101AFI20241002BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20241002BHJP
G06T 9/00 20060101ALI20241002BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H04N1/64
G06T1/00 510
G06T9/00
B41J29/38
(21)【出願番号】P 2021034957
(22)【出願日】2021-03-05
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】松岡 輝彦
(72)【発明者】
【氏名】吉田 章人
(72)【発明者】
【氏名】高島 真彦
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-193818(JP,A)
【文献】特開2000-059558(JP,A)
【文献】特開2005-335073(JP,A)
【文献】特開2010-035040(JP,A)
【文献】特開2015-005835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/64
G06T 1/00
G06T 9/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像データに含まれるそれぞれの画素データの画素値の分布度合である色分布度合を導出する色分布度合導出手段、
前記画素データのうち写真領域を構成する写真領域画素データの割合である写真領域率を導出する写真領域率導出手段、
前記画素データのうち前記画素値が均一であるとみなすことのできる色均一領域を構成する色均一領域画素データの割合である色均一領域率を導出する色均一領域率導出手段、および、
前記色分布度合と前記写真領域率と前記色均一領域率とに基づいて、前記入力画像データに減色処理を施した上で可逆圧縮方式による圧縮処理を施すインデックスカラー処理と、当該入力画像データに当該減色処理を施さずに非可逆方式による圧縮処理を施すフルカラー処理と、のいずれを実行するのが適当であるのかを判定する判定手段を備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記色分布度合が第1基準値よりも小さく、かつ、前記写真領域率が第2基準値よりも小さく、かつ、前記色均一領域率が第3基準値よりも大きい場合にのみ、前記インデックスカラー処理を実行するのが適当であると判定する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記色分布度合導出手段は、
前記入力画像データに中央値分割法による判定用減色処理を施すことにより、当該入力画像データの座標空間である色空間を所定の色数分の小空間に分割する判定用減色手段、および、
前記判定用減色手段により前記所定の色数分に分割された後の前記小空間の寸法に基づいて、前記色分布度合を導出する色分布度合導出実行手段を含む、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記判定用減色手段は、前記色空間を無彩色の空間であるとみなすことのできる無彩色空間と有彩色の空間であるとみなすことのできる有彩色空間とに分割した上で、当該無彩色空間と当該有彩色空間とを含む当該色空間を前記所定の色数分の小空間に分割する、請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記判定用減色手段は、前記色空間を1つの前記無彩色空間と2以上の所定数の前記有彩色空間とに分割した上で、当該無彩色空間と当該有彩色空間とを含む当該色空間を前記所定の色数分の小空間に分割する、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記写真領域率導出手段は、
所定数単位の前記画素データの一群であるブロックごとに、当該ブロックに含まれる当該画素データの画素値のヒストグラムの特徴量であるエントロピを導出するエントロピ導出手段、
前記ブロックごとに、前記エントロピに基づいて、当該ブロックが前記写真領域を構成する写真領域ブロックであるかどうかを判定する写真領域ブロック判定手段、および、
全て前記ブロックの数に対する前記写真領域ブロックの数の割合を前記写真領域率として導出する写真領域率導出実行手段を含む、請求項1から5までのいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記エントロピ導出手段は、前記ブロックに含まれる前記画素データのうち文字領域を構成する文字領域画素データを除いた上で前記エントロピを導出する、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記色均一領域率導出手段は、
前記画素値が均一であるとみなすことのできる所定数以上の前記画素データを前記色均一
領域画素データとして特定する特定手段、および、
全ての前記画素データの数に対する前記色均一
領域画素データの数の割合を前記色均一領域率として導出する色均一領域率導出実行手段を含む、請求項1から7までのいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記色均一領域率導出手段は、
前記画素値が白色を表す値であるとみなすことのできる前記画素データを前記色均一
領域画素データとして特定する特定手段、および、
全ての前記画素データの数に対する前記色均一
領域画素データの数の割合を前記色均一領域率として導出する色均一領域率導出実行手段を含む、請求項1から7までのいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記入力画像データは、原稿の画像を読み取る画像読取装置による読取画像データを含む、請求項1から9までのいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
入力画像データに含まれるそれぞれの画素データの画素値の分布度合である色分布度合を導出する色分布度合導出手順、
前記画素データのうち写真領域を構成する写真領域画素データの割合である写真領域率を導出する写真領域率導出手順、
前記画素データのうち前記画素値が均一であるとみなすことのできる色均一領域を構成する色均一領域画素データの割合である色均一領域率を導出する色均一領域率導出手順、および、
前記色分布度合と前記写真領域率と前記色均一領域率とに基づいて、前記入力画像データに減色処理を施した上で可逆圧縮方式による圧縮処理を施すインデックスカラー処理と、当該入力画像データに当該減色処理を施さずに非可逆方式による圧縮処理を施すフルカラー処理と、のいずれを実行するのが適当であるのかを判定する判定手順を、コンピュータに実行させる、画像処理プログラム。
【請求項12】
入力画像データに含まれるそれぞれの画素データの画素値の分布度合である色分布度合を導出する色分布度合導出ステップ、
前記画素データのうち写真領域を構成する写真領域画素データの割合である写真領域率を導出する写真領域率導出ステップ、
前記画素データのうち前記画素値が均一であるとみなすことのできる色均一領域を構成する色均一領域画素データの割合である色均一領域率を導出する色均一領域率導出ステップ、および、
前記色分布度合と前記写真領域率と前記色均一領域率とに基づいて、前記入力画像データに減色処理を施した上で可逆圧縮方式による圧縮処理を施すインデックスカラー処理と、当該入力画像データに当該減色処理を施さずに非可逆方式による圧縮処理を施すフルカラー処理と、のいずれを実行するのが適当であるのかを判定する判定ステップを含む、画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理プログラムおよび画像処理方法に関し、特に、画質の劣化を抑えつつ、データ量を低減することを意図して、入力画像データに減色処理を施した上で可逆圧縮方式による圧縮処理を施すのが適当であるのか、それとも、入力画像データに減色処理を施さずに非可逆圧縮方式による圧縮処理を施すのが適当であるのかを、判定する、画像処理装置、画像処理プログラムおよび画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術の一例が、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された技術によれば、入力画像データ(カラーイメージデータ)に対して、単純クラスタリングによる色分離が行われる。そして、色分離後の色数が比較的に多い入力画像データについては、当該入力画像データに写真などの自然画的な画像が含まれているものとみなされ、フルカラー画像データに適した方式による圧縮処理が施される。一方、色分離後の色数が比較的に少ない入力画像データについては、当該入力画像データに含まれる色の殆どが文字または下地(素地)の色であるものとみなされ、減色処理が施された上で、当該減色処理後のインデックスカラー画像データに適した方式による圧縮処理が施される。このように色分離後の色数に基づいて、圧縮処理を含む適宜の処理が施されることで、画質の劣化を抑えつつ、データ量を低減することができる。
【0003】
なお、特許文献1には明示されていないが、フルカラー画像データに適した方式による圧縮処理としては、JPEGなどの非可逆圧縮方式による圧縮処理が考えられる。一方、減色処理後のインデックスカラー画像データに適した方式による圧縮処理としては、非可逆圧縮方式による圧縮処理を採用することができないことから、可逆圧縮方式による圧縮処理が採用されるものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示された技術では、色分離後の色数が比較的に少ない入力画像データについては、たとえば当該入力画像データに(色数が比較的に少ない)写真などの自然画的な画像が含まれている場合であっても、とりわけ当該写真などの自然画的な画像の寸法が比較的に大きい場合であっても、減色処理が施された上で、可逆圧縮方式による圧縮処理が施される。しかしながら、そのような入力画像データについては、写真などの自然画的な画像を構成する各画素間において、色(画素値)の不連続があるため、減色処理が施された上で、可逆圧縮方式による圧縮処理が施されると、却って圧縮率が低下して、所期の通りのデータ量の低減効果が得られない。したがって、色分離後の色数が比較的に少ない入力画像データであっても、当該入力画像データに比較的に寸法の大きい写真などの自然画的な画像が含まれる場合には、色分離後の色数が比較的に多い入力画像データについての処理と同様、減色処理は施されずに、JPEGなどの非可逆圧縮方式による圧縮処理が施されるのが、適当である。なお、色分離後の色数が比較的に少ない入力画像データに写真などの自然画的な画像が含まれていても、当該写真などの自然画的な画像の寸法が比較的に小さい場合には、つまり当該写真などの自然画的な画像についての圧縮率が低下することによる全体的なデータ量の低減効果への影響が比較的に小さい場合には、減色処理が施された上で、可逆圧縮方式による圧縮処理が施されるのが、適当である。
【0006】
またたとえば、入力画像データが、イメージスキャナなどの画像読取装置による読取画像データ(厳密には未加工のRAWデータ)であって、当該入力画像データにおける下地領域が色下地である場合や、当該入力画像データにベタ塗された領域が含まれる場合には、当該色下地やベタ塗された領域において、色ムラが生ずることがある。特許文献1に開示された技術では、このような色ムラがある入力画像データであっても、とりわけ比較的に大きい領域にわたって色ムラがある場合であっても、色分離後の色数が比較的に少ない場合には、減色処理が施された上で、可逆圧縮方式による圧縮処理が施される。しかしながら、このような比較的に大きい領域にわたって色ムラがある入力画像データについては、色分離後の色数が比較的に少ない場合であっても、前述の入力画像データに比較的に寸法の大きい写真などの自然画的な画像が含まれる場合と同様の理由により、減色処理は施されずに、JPEGなどの非可逆圧縮方式による圧縮処理が施されるのが、適当である。なお、色分離後の色数が比較的に少ない入力画像データに色ムラが含まれていても、当該色ムラのある領域が比較的に小さい場合には、減色処理が施された上で、可逆圧縮方式による圧縮処理が施されるのが、適当である。
【0007】
すなわち、特許文献1に開示された技術では、画質の劣化を抑えつつ、データ量を低減することを意図して、入力画像データに減色処理を施した上で可逆圧縮方式による圧縮処理を施す言わばインデックスカラー処理と、入力画像データに減色処理を施さずに非可逆圧縮方式による圧縮処理を施す言わばフルカラー処理と、のいずれを実行するのが適当であるのかを、適切に判定することができない場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、画質の劣化を抑えつつ、データ量を低減することを意図して、インデックスカラー処理とフルカラー処理とのいずれを実行するのが適当であるのかを適切に判定することができる、新規な画像処理装置、画像処理プログラムおよび画像処理方法を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明は、画像処理装置に係る第1の発明と、画像処理プログラムに係る第2の発明と、画像処理方法に係る第3の発明と、を含む。
【0010】
このうちの画像処理装置に係る第1の発明は、色分布度合導出手段、写真領域率導出手段、色均一領域率導出手段および判定手段を備える。色分布度合導出手段は、入力画像データに含まれるそれぞれの画素データの画素値の分布度合である色分布度合を導出(言わば評価)する。写真領域率導出手段は、入力画像データに含まれる全ての画素データのうち写真領域を構成する写真領域画素データの割合である写真領域率を導出する。色均一領域率導出手段は、入力画像データに含まれる全ての画素データのうち画素値が均一であるとみなすことのできる色均一領域を構成する色均一領域画素データの割合である色均一領域率を導出する。そして、判定手段は、色分布度合と写真領域率と色均一領域率とに基づいて、インデックスカラー処理とフルカラー処理とのいずれを実行するのが適当であるのかを判定する。ここで、インデックスカラー処理とは、入力画像データに減色処理を施した上で、可逆圧縮方式による圧縮処理を施す処理である。そして、フルカラー処理とは、入力画像データに減色処理を施さずに、非可逆方式による圧縮処理を施す処理である。
【0011】
なお、判定手段は、たとえば色分布度合が第1基準値よりも小さく、かつ、写真領域率が第2基準値よりも小さく、かつ、色均一領域率が第3基準値よりも大きい場合にのみ、インデックスカラー処理を実行するのが適当である、と判定する。これ以外の場合は、判定手段は、フルカラー処理を実行するのが適当である、と判定する。
【0012】
また、色分布度合導出手段は、たとえば判定用減色手段および色分布度合導出実行手段を含んでもよい。判定用減色手段は、入力画像データに中央値分割法(メディアンカット法)による判定用減色処理を施すことにより、当該入力画像データの座標空間である色空間を所定の色数分の小空間に分割する。そして、色分布度合導出実行手段は、判定用減色手段により所定の色数分に分割された後の小空間の寸法に基づいて、色分布度合を導出する。
【0013】
さらに、判定用減色手段は、色空間を、無彩色の空間であるとみなすことのできる無彩色空間と、有彩色の空間であるとみなすことのできる有彩色空間と、に分割した上で、これら無彩色空間と有彩色空間とを含む当該色空間を前述の所定の色数分の小空間に分割してもよい。
【0014】
加えて、判定用減色手段は、色空間を、1つの無彩色空間と、2以上の所定数の有彩色空間と、に分割した上で、これら無彩色空間と有彩色空間とを含む当該色空間を前述の所定の色数分の小空間に分割してもよい。
【0015】
併せて、写真領域率導出手段は、たとえばエントロピ導出手段、写真領域ブロック判定手段および写真領域率導出実行手段を含んでもよい。エントロピ導出手段は、入力画像データに含まれる所定数単位の画素データの一群であるブロックごとに、当該ブロックに含まれる画素データの画素値のヒストグラムの特徴量であるエントロピを導出する。写真領域ブロック判定手段は、それぞれのブロックごとに、エントロピに基づいて、当該ブロックが写真領域を構成する写真領域ブロックであるかどうかを判定する。そして、写真領域率導出実行手段は、全てブロックの数に対する写真領域ブロックの数の割合を、写真領域率として導出する。
【0016】
ここで、エントロピ導出手段は、それぞれのブロックに含まれる画素データのうち文字領域を構成する文字領域画素データを除いた状態で、エントロピを導出してもよい。
【0017】
また、色均一領域率導出手段は、特定手段および色均一領域率導出実行手段を含んでもよい。特定手段は、画素値が均一であるとみなすことのできる所定数以上の画素データを色均一領域画素データとして特定する。そして、色均一領域率導出実行手段は、全ての画素データの数に対する色均一領域画素データの数の割合を色均一領域率として導出する。
【0018】
これに代えて、特定手段は、画素値が白色を表す値であるとみなすことのできる画素データを色均一領域画素データとして特定してもよい。この場合も、色均一領域率導出実行手段は、全ての画素データの数に対する色均一領域画素データの数の割合を色均一領域率として導出する。
【0019】
本第1の発明における入力画像データは、原稿の画像を読み取る画像読取装置による読取画像データを含む。
【0020】
本発明のうちの画像処理プログラムに係る第2の発明は、コンピュータに、色分布度合導出手順、写真領域率導出手順、色均一領域率導出手順および判定手順を実行させる。色分布度合導出手順では、入力画像データに含まれるそれぞれの画素データの画素値の分布度合である色分布度合を導出する。写真領域率導出手順では、入力画像データに含まれる全ての画素データのうち写真領域を構成する写真領域画素データの割合である写真領域率を導出する。色均一領域率導出手順では、入力画像データに含まれる全ての画素データのうち前記画素値が均一であるとみなすことのできる色均一領域を構成する色均一領域画素データの割合である色均一領域率を導出する。そして、判定手順では、色分布度合と写真領域率と色均一領域率とに基づいて、インデックスカラー処理とフルカラー処理とのいずれを実行するのが適当であるのかを判定する。ここで、インデックスカラー処理とは、第1の発明におけるのと同様、入力画像データに減色処理を施した上で、可逆圧縮方式による圧縮処理を施す処理である。そして、フルカラー処理とは、入力画像データに減色処理を施さずに、非可逆方式による圧縮処理を施す処理である。
【0021】
本発明のうちの画像処理方法に係る第3の発明は、色分布度合導出ステップ、写真領域率導出ステップ、色均一領域率導出ステップおよび判定ステップを含む。色分布度合導出ステップでは、入力画像データに含まれるそれぞれの画素データの画素値の分布度合である色分布度合を導出する。写真領域率導出ステップでは、入力画像データに含まれる全ての画素データのうち写真領域を構成する写真領域画素データの割合である写真領域率を導出する。色均一領域率導出ステップでは、入力画像データに含まれる全ての画素データのうち画素値が均一であるとみなすことのできる色均一領域を構成する色均一領域画素データの割合である色均一領域率を導出する。そして、判定ステップでは、色分布度合と写真領域率と色均一領域率とに基づいて、第1処理と第2処理とのいずれを実行するのが適当であるのかを判定する。ここで、インデックスカラー処理とは、第1の発明および第2の発明におけるのと同様、入力画像データに減色処理を施した上で、可逆圧縮方式による圧縮処理を施す処理である。そして、フルカラー処理とは、入力画像データに減色処理を施さずに、非可逆方式による圧縮処理を施す処理である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、画質の劣化を抑えつつ、データ量を低減することを意図して、入力画像データに減色処理を施した上で可逆圧縮方式による圧縮処理を施すインデックスカラー処理と、入力画像データに減色処理を施さずに非可逆圧縮方式による圧縮処理を施すフルカラー処理と、のいずれを実行するのが適当であるのかを、適切に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施例に係る複合機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施例における主記憶部のRAM内の構成を概念的に示すメモリマップである。
【
図3】
図3は、第1実施例におけるイメージスキャナ機能に係る画像処理部の詳細な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1実施例における色数変換判定部の詳細な構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1実施例における色分布判定部による色分布判定処理の要領を説明するための図である。
【
図6】
図6は、第1実施例における色分布判定部による色分布判定処理の要領を説明するための別の図である。
【
図7】
図7は、第1実施例における色分布判定部による色分布判定処理の要領を説明するためのさらに別の図である。
【
図8】
図8は、第1実施例における色分布判定部による色分布判定処理の一部の流れを示すフロー図である。
【
図9】
図9は、第1実施例における色分布判定部による色分布判定処理の残りの部分の流れを示すフロー図である。
【
図10】
図10は、第1実施例における写真判定部による写真判定処理の一部の流れ示すフロー図である。
【
図11】
図11は、第1実施例における写真判定部による写真判定処理の残りの部分の流れを示すフロー図である。
【
図12】
図12は、第1実施例における白下地判定部による白下地判定処理の流れを示すフロー図である。
【
図13】
図13は、第1実施例における最終判定部による最終判定処理の流れを示すフロー図である。
【
図14】
図14は、本発明の第2実施例における色数変換判定部の詳細な構成を示すブロック図である。
【
図15】
図15は、第2実施例における色分布判定部による色分布判定処理の要領を説明するための図である。
【
図16】
図16は、第2実施例における色分布判定部による色分布判定処理の一部の流れを示すフロー図である。
【
図17】
図17は、第2実施例における色分布判定部による色分布判定処理の残りの部分の流れを示すフロー図である。
【
図18】
図18は、本発明の第3実施例における色数変換判定部の詳細な構成を示すブロック図である。
【
図19】
図19は、第3実施例における色均一カウントテーブルの構成を概念的に示す図である。
【
図20】
図20は、第3実施例におけるムラ判定部によるムラ判定処理の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施例]
本発明の第1実施例について、
図1に示される複合機10を例に挙げて説明する。
【0025】
本第1実施例に係る複合機10は、コピー機能、プリンタ機能、イメージスキャナ機能、ファクス機能などの複数の機能を有する。このため、複合機10は、画像読取部12、画像処理部14、画像形成部16、制御部18、補助記憶部20、通信部22、操作ユニット24などを備える。これらは、互いに共通のバス30を介して接続される。
【0026】
画像読取部12は、画像読取手段の一例である。すなわち、画像読取部12は、不図示の原稿の画像を読み取って、当該原稿の画像に応じた2次元の読取画像データを出力する、画像読取処理を担う。このような画像読取部12は、原稿が載置される不図示の原稿載置台を備える。併せて、画像読取部12は、不図示の光源、複数のミラー、レンズ、ラインセンサなどを含む画像読取ユニットを備える。さらに、画像読取部12は、画像読取ユニットを移動させる不図示の駆動機構を備える。加えて、画像読取部12は、不図示のA/D変換回路およびシェーディング補正回路を備える。A/D変換回路は、ラインセンサから出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号である画像データに変換する。シェーディング補正回路は、A/D変換回路による変換後の画像データに対して、画像読取ユニットの照明系(光源など)、光学系(ミラーやレンズなど)および撮像系(ラインセンサなど)をはじめとする各種の要因により生ずる歪(濃度ムラ)を取り除くためのシェーディング補正処理を施す。このシェーディング補正処理後の画像データが、読取画像データとして、画像読取部12から出力される。なお、画像読取部12は、オプション装置の1つである不図示の自動原稿送り装置(ADF)を備えることがある。
【0027】
画像処理部14は、画像処理手段の一例である。すなわち、画像処理部14は、前述の読取画像データなどの種々の画像データの入力を受け付けるとともに、入力された画像データ、言わば入力画像データに対して、適宜の画像処理を施す。この画像処理部14については、後で詳しく説明する。
【0028】
画像形成部16は、画像形成手段の一例である。すなわち、画像形成部16は、適宜の印刷用データに基づく画像を不図示のシート状の画像記録媒体としての用紙に形成する、つまり印刷する、画像形成処理を担う。この画像形成処理は、たとえば公知の電子写真方式により行われる。このため、画像形成部16は、不図示の感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、クリーニング装置、除電装置などを備える。この画像形成部16による画像形成処理により画像が形成された後の用紙、言わば印刷物は、不図示の排紙トレイに排出される。なお、画像形成部16は、白黒およびカラーのいずれの画像形成処理にも対応可能である。また、画像形成部16は、電子写真方式に限らず、たとえばインクジェット方式を採用するものであってもよい。
【0029】
制御部18は、複合機10の全体的な制御を司る、制御手段の一例である。このような制御部18は、制御実行手段としてのコンピュータ、たとえばCPU18aを、有する。併せて、制御部18は、CPU18aが直接的にアクセス可能な主記憶手段としての主記憶部18bを有する。主記憶部18bは、たとえば不図示のROMおよびRAMを含む。このうちのROMには、CPU18aの動作を制御するための制御プログラム、いわゆるファームウェアが、記憶される。一方、RAMは、CPU18aが制御プログラムに基づく処理を実行する際の作業領域およびバッファ領域を構成する。
【0030】
補助記憶部20は、補助記憶手段の一例であり、たとえば不図示のハードディスクドライブを含む。この補助記憶部20には、画像処理部14による画像処理後の画像データなどの各種のデータが、必要に応じて記憶される。
【0031】
通信部22は、通信手段の一例である。この通信部22は、不図示の通信網と接続されることで、当該通信網を介しての双方向通信を担う。ここで言う通信網としては、LANやインターネット、公衆交換電話網などがある。また、LANには、無線LAN、とりわけWi-Fi(登録商標)が、含まれる。
【0032】
操作ユニット24は、操作受付手段の一例としてのタッチパネル24aと、表示手段の一例としてのディスプレイ24bと、を有し、つまりタッチパネル24a付きのディスプレイ24bを有する。詳しい図示は省略するが、タッチパネル24aは、ほぼ透明な矩形シート状部材であり、ディスプレイ24bは、概略矩形状の表示面を有する。そして、タッチパネル24aがディスプレイ24bの表示面に重なるように設けられることで、タッチパネル24a付きのディスプレイ24bが構成される。なお、タッチパネル24aは、たとえば静電容量方式のパネルであるが、これに限らず、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式などの他方式のパネルであってもよい。そして、ディスプレイ24bは、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)であるが、これに限らず、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどの他方式のディスプレイであってもよい。また、操作ユニット24は、タッチパネル24a以外に、不図示の押しボタンスイッチなどの適宜のハードウェアスイッチ手段を有する。併せて、操作ユニット24は、ディスプレイ24b以外に、不図示の発光ダイオード(LED)などの適宜の発光手段を有する。
【0033】
ここで、
図2に、主記憶部18bのRAM内の構成を概念的に表すメモリマップ100を示す。このメモリマップ100に示されるように、RAMは、プログラム記憶領域110およびデータ記憶領域150を有する。
【0034】
このうちのプログラム記憶領域110には、前述の制御プログラムが記憶される。具体的には、制御プログラムは、表示制御プログラム112、操作検出プログラム114、画像読取制御プログラム116、画像処理制御プログラム118、画像形成制御プログラム120、補助記憶制御プログラム122、通信制御プログラム124などを含む。
【0035】
表示制御プログラム112は、ディスプレイ24bに種々の情報を、とりわけ画面を、表示するのに必要な表示画面データを生成するためのプログラムである。操作検出プログラム114は、タッチパネル24aへの操作状態を検出するためのプログラムである。画像読取制御プログラム116は、画像読取部12を制御するためのプログラムである。画像処理制御プログラム118は、画像処理部14を制御するためのプログラムである。画像形成制御プログラム120は、画像形成部16を制御するためのプログラムである。補助記憶制御プログラム122は、補助記憶部20を制御するためのプログラムである。そして、通信制御プログラム124は、通信部22を制御するためのプログラムである。
【0036】
一方、データ記憶領域150には、各種のデータが記憶される。この各種のデータとしては、表示画像生成データ152、操作データ154などがある。
【0037】
表示画像生成データ152は、前述の表示制御プログラム112に基づく表示画面データの生成に用いられるポリゴンデータやテクスチャデータなどのデータである。操作データ154は、タッチパネル24aに対する操作状態を表すデータであり、詳しくは当該タッチパネル24aに対するユーザのタッチ位置(座標)を表す時系列のデータである。
【0038】
さて、本第1実施例に係る複合機10によれば、たとえばイメージスキャナ機能において、前述の読取画像データに圧縮処理を施した上で、当該圧縮処理後のデータを、いわゆる圧縮ファイルを、外部に出力し、または、補助記憶部20に記憶することができる。これに際して、圧縮処理が施されることによる画質の劣化を極力抑えつつ、圧縮ファイルの容量を極力低減するために、どのような方式による圧縮処理が施されるのが適当であるのかが、自動的に判定される。
【0039】
具体的には、読取画像データに減色処理を施した上で可逆圧縮方式による圧縮処理を施すインデックスカラー処理と、読取画像データに減色処理を施さずに非可逆圧縮方式による圧縮処理を施すフルカラー処理と、のいずれを実行するのが適当であるのかが、自動的に判定される。なお、可逆圧縮方式による圧縮処理としては、たとえばDeflate方式による圧縮処理が採用される。一方、非可逆方式による圧縮処理としては、たとえばJPEG方式による圧縮処理が採用される。
【0040】
より具体的には、まず、読取画像データに含まれるそれぞれの画素データの画素値の分布度合(散らばり度合)である色分布度合が導出される。併せて、読取画像データに含まれる全ての画素データのうちの写真領域を構成する写真領域画素データの割合である写真領域率が導出される。さらに、読取画像データに含まれる全ての画素データのうち画素値が白色を表す値であるとみなすことのできる領域、つまり白下地領域、を構成する白下地領域画素データの割合である白下地領域率が導出される。そして、色分布度合が第1基準値よりも小さい、という第1条件と、写真領域率が第2基準値よりも小さい、という第2条件と、白下地領域率が第3基準値よりも大きい、という第3条件と、の3つの条件の全てが満足される場合にのみ、インデックスカラー処理が適当である、と判定される。一方、これら3つの条件のうちの少なくとも1つが満足されない場合には、フルカラー処理が適当である、と判定される。
【0041】
この言わば自動判定機能の実現のために、たとえば
図3に示されるように、画像処理部14に色数変換判定部200が設けられる。なお、
図3は、イメージスキャナ機能に係る画像処理部14の詳細な構成を示す。この構成においては、画像読取部12から出力される読取画像データ(RAWデータ)が、詳しくはR,GおよびBそれぞれの成分値が8ビットで表現される計24ビットのフルカラー(トゥルーカラー)のRGB画像データが、画像処理部14に入力される。
【0042】
図3に示されるように、画像処理部14は、入力階調補正部202を有し、この入力階調補正部202に、画像処理部14への入力画像データDiとしてのRGB画像データが入力される。入力階調補正部202は、入力画像データDiとしてのRGB画像データに対して、カラーバランス調整処理、下地濃度調整(下地除去)処理、コントラスト調整処理などの適宜の入力階調補正処理を施す。この入力階調補正部202による処理後の画像データは、色補正部206および領域分離処理部208に入力される。
【0043】
また、入力画像データDiとしてのRGB画像データは、原稿種別判定部204に入力される。原稿種別判定部204は、入力画像データDiに基づく画像、言わば入力画像が、文字、写真およびグラフィック(図形)のいずれを主に含む画像であるのか、それとも、これらが混在する画像であるのかを判定する、原稿種別判定処理を行う。そして、原稿種別判定部204は、原稿種別判定処理の結果を表す原稿種別信号Saを出力する。この原稿種別信号Saは、後述する階調再現処理部218および圧縮処理部220に入力される。
【0044】
色補正部206は、入力階調補正部202から入力される画像データに対して、色の再現性を高めるための色補正処理を行う。併せて、色補正部206は、入力階調補正部202から入力される画像データに基づいて、当該画像データの輝度成分を表すGray(グレースケール)データを生成する。このGrayデータを含む色補正部206による処理後の画像データは、後述する空間フィルタ処理部210に入力される。また、色補正部206による処理後の画像データは、詳しくはGrayデータを除く画像データは、色数変換判定部200に入力される。
【0045】
領域分離処理部208は、入力階調補正部202から入力される画像データに含まれるそれぞれの画素データが、文字領域、写真領域、グラフィック領域および下地領域のいずれの領域を構成するのかを判定する、領域判定処理を行う。そして、領域分離処理部208は、領域判定処理の結果を表す領域判定信号Sbを出力する。この領域判定信号Sbは、次に説明する空間フィルタ処理部210に入力される。
【0046】
空間フィルタ処理部210は、色補正部206から入力される画像データに適宜の空間フィルタ処理を施すことにより、当該画像データの空間周波数特性を補正する。その際、空間フィルタ処理部210は、領域判定信号Sbによって表される領域ごとに、当該領域の種類に応じた空間フィルタ処理を施す。たとえば、文字領域については、その高周波成分を強調するエッジ強調処理(鮮鋭強調処理)が施される。これにより、文字領域に含まれる文字のエッジ部分が強調されて、当該文字のぼやけが軽減される。この結果、文字の再現性が向上される。また、グラフィック領域については、その入力網点成分を除去するための平滑化処理が施される。さらに、写真領域については、その高周波成分を適度に平滑化しつつ、低周波成分を適度に強調する、適応化混合フィルタ処理が施される。下地領域についても、写真領域と同様の処理が施される。この空間フィルタ処理部210による処理後の画像データは、後述する解像度変換処理部212に入力される。
【0047】
色数変換判定部200は、前述したように、自動判定機能の実現のために設けられる。すなわち、色数変換判定部200は、インデックスカラー処理とフルカラー処理とのいずれを実行するのが適当であるのかを判定する。そして、色数変換判定部200は、自身による判定結果を表す色数変換判定信号Scを出力する。この色数変換判定信号Scは、後述する色数変換処理部216およびファイル生成部222に入力される。なお、色数変換判定部200については、後で詳しく説明する。
【0048】
解像度変換処理部212は、空間フィルタ処理部210から入力される画像データに対して、操作ユニット24による解像度についての設定操作内容に従って、厳密にはCPU18aからの指示に従って、当該解像度を変換するための解像度変換処理を施す。この解像度変換処理部212による解像度変換処理後の画像データは、出力階調補正部214に入力される。
【0049】
出力階調補正部214は、解像度変換処理部212から入力される画像データに対して、ガンマ補正処理などの適宜の出力階調補正処理を施す。この出力階調補正部214による処理後の画像データは、色数変換処理部216に入力される。
【0050】
色数変換処理部216は、出力階調補正部214から入力される画像データに対して、必要に応じて、詳しくは色数変換判定部200から入力される色数変換判定信号Scがインデックスカラー処理を実行するのが適当であることを表す場合に、減色処理を施す。この減色処理は、たとえば公知の中央値分割法により行われる。この減色処理によって、画像データは、たとえば色数が20色のインデックスカラー画像データに変換される。この減色処理後(色数変換処理後)のインデックスカラー画像データは、圧縮処理部220に入力される。なお、20色という減色数は、インデックスカラー処理が実行されると仮定した場合に、画質の劣化を抑制しつつ、フルカラー処理よりも圧縮ファイルの容量を十分に低減し得ると予想される色数の上限値であり、種々の実験により導き出された、いわゆる経験値である。ただし、状況によっては、これ以外の減色数であってもよく、たとえば32色という減色数であってもよい。
【0051】
一方、色数変換判定部200から入力される色数変換判定信号Scがフルカラー処理を実行するのが適当であることを表す場合には、色数変換処理部216は、出力階調補正部214から入力される画像データに対して、減色処理を施さずに、当該画像データをそのまま出力(スルー)する。この場合も、色数変換処理部216から出力される画像データは、つまり当該色数変換処理部216による減色処理が施されない言わばフルカラー画像データは、圧縮処理部220に入力される。また、色数変換処理部216から出力される画像データのうちのGrayデータは、階調再現処理部218にも入力される。
【0052】
階調再現処理部218は、色数変換処理部216から入力されるGrayデータを2値化して、K(キープレート)データを生成する、階調再現処理(中間調生成処理)を行う。その際、階調再現処理部218は、原稿種別信号Saによって表される原稿種別に応じて、階調再現処理を行う。この階調再現処理部218の階調再現処理により生成されたKデータは、圧縮処理部220に入力される。
【0053】
圧縮処理部220は、色数変換処理部216から入力される画像データに対して、適宜の圧縮処理を施す。たとえば、色数変換処理部216から入力される画像データがインデックスカラー画像データである場合には、圧縮処理部220は、当該インデックスカラー画像データに対して、Deflate方式による圧縮処理を施す。一方、色数変換処理部216から入力される画像データがフルカラー画像データである場合には、圧縮処理部220は、当該フルカラー画像データに対して、JPEG方式による圧縮処理を施す。また、JPEG方式による圧縮処理においては、圧縮処理部220は、原稿種別信号Saによって表される原稿種別を参考にして、当該圧縮処理を施す。この圧縮処理部220による圧縮処理後の画像データDaは、ファイル生成部222に入力される。
【0054】
なお、本発明には直接的に関係しないが、たとえば入力画像データDiがモノクロ原稿のものである場合には、圧縮処理部220は、Grayデータに対して、JPEG方式による圧縮処理を施す。入力画像データDiがモノクロ原稿のものであるかどうかは、不図示のACS(Auto Color Selection)処理部により判定される。また、入力画像データDiがカラー原稿のものであっても、(操作ユニット24の操作により)モノクロ出力の設定が成されている場合には、モノクロ原稿の場合と同様、圧縮処理部220は、Grayデータに対して、JPEG方式による圧縮処理を施す。さらに、モノクロ出力の一種である2値化出力の設定が成されている場合には、圧縮処理部220は、Kデータに対して、MMR方式による圧縮処理を施す。
【0055】
ファイル生成部222は、圧縮処理部220から入力される画像データDaを所定形式のファイルに整形し、たとえばPDF形式のファイルに整形する。すなわち、画像データDaがDeflate方式による圧縮処理後のデータである場合には、当該Deflate方式による圧縮処理後の画像データDaを含むPDFファイルが生成される。そして、画像データDaがJPEG方式による圧縮処理後のデータである場合には、当該JPEG方式による圧縮処理後の画像データDaを含むPDFファイルが生成される。さらに、画像データDaがMMR方式による圧縮処理後のデータである場合には、当該MMR方式による圧縮処理後の画像データDaを含むPDFファイルが生成される。このファイル生成部222により生成されたPDFファイルは、換言すれば圧縮ファイルは、画像処理部14の出力データDoとして出力される。
【0056】
画像処理部14から出力される圧縮ファイル(出力データDo)は、たとえば複合機10の外部に出力され、または、補助記憶部20に記憶(保存)される。特に、複合機10の外部に出力される圧縮ファイルは、たとえば不図示のパーソナルコンピュータやサーバなどの外部装置に送信され、あるいは、不図示のUSBメモリなどの外部記憶媒体に記憶される。
【0057】
前述したように、色数変換判定部200は、自動判定機能の実現のために設けられ、つまりインデックスカラー処理とフルカラー処理とのいずれを実行するのが適当であるのかを判定する。この色数変換判定部200の詳細な構成を、
図4に示す。
【0058】
図4に示されるように、色数変換判定部200は、色変換部250を有し、この色変換部250に、色補正部206による補正後の画像データが入力され、つまり色数変換判定部200への入力画像データDjとしてのRGB画像データが入力される。色変換部250は、入力画像データDjとしてのRGB画像データを、LC1C2形式の画像データDj’に変換する。ここで、LC1C2形式の画像データとは、輝度Lと、当該輝度L以外の色彩に係る2つの要素C1およびC2と、から成る画像データであり、たとえば均等色空間の1つであるCIELAB(以下、単に「LAB」と称する。)形式の画像データである。この色変換部250による変換後の画像データDj’は、色分布判定部252、写真判定部254および白下地判定部256に入力される。
【0059】
色分布判定部252は、前述の第1条件が満足されるかどうかを判定する、言わば第1判定手段である。すなわち、色分布判定部252は、画像データDj’に含まれるそれぞれの画素データの画素値の分布度合である色分布度合を導出するとともに、当該色分布度合が第1基準値よりも小さい、という第1条件が満足されるかどうかを判定する。これに際して、色分布判定部252は、後述する如く判定用の減色処理を行う。そして、色分布判定部252は、自身による判定結果を表す第1判定信号Seを出力する。この第1判定信号Seは、後述する最終判定部258に入力される。
【0060】
写真判定部254は、前述の第2条件が満足されるかどうかを判定する、言わば第2判定手段である。すなわち、写真判定部254は、画像データDj’に含まれる全ての画素データのうちの写真領域を構成する写真領域画素データの割合である写真領域率を導出するとともに、当該写真領域率が第2基準値よりも小さい、という第2条件が満足されるかどうかを判定する。これに際して、とりわけ写真領域を検出するのに、写真判定部254は、後述する如く特許第4527127号公報に開示された技術を利用する。そして、写真判定部254は、自身による判定結果を表す第2判定信号Sfを出力する。この第2判定信号Sfもまた、後述する最終判定部258に入力される。
【0061】
白下地判定部256は、前述の第3条件が満足されるかどうかを判定する、言わば第3判定手段である。すなわち、白下地判定部256は、画像データDj’に含まれる全ての画素データのうちの白下地領域を構成する白下地領域画素データの割合である白下地領域率を導出するとともに、当該白下地領域率が第3基準値よりも大きい、という第3条件が満足されるかどうかを判定する。そして、白下地判定部256は、自身による判定結果を表す第3判定信号Sgを出力する。この第3判定信号Sgもまた、最終判定部258に入力される。
【0062】
最終判定部258は、第1判定信号Seと第2判定信号Sfと第3判定信号Sgとに基づいて、つまり第1条件と第2条件と第3条件とのそれぞれが満足されるがどうかに基づいて、インデックスカラー処理およびフルカラー処理のいずれを実行するのが適当であるのかを最終的に判定する、最終判定手段である。たとえば、最終判定部258は、第1条件と第2条件と第3条件との全てが満足される場合にのみ、インデックスカラー処理が適当である、と判定する。これ以外の場合は、つまり第1条件と第2条件と第3条件との少なくとも1つが満足されない場合は、最終判定部258は、フルカラー処理が適当である、と判定する。そして、最終判定部258は、自身による最終的な判定結果を、色数変換判定部200全体の判定結果として、当該判定結果を表す色数変換判定信号Scを出力する。この色数変換判定信号Scは、前述の如く圧縮処理部220およびファイル生成部222に入力される。
【0063】
色分布判定部252について、より詳しく説明する。色分布判定部252は、前述の如く判定用の減色処理を行い、たとえば中央値分割法による減色処理を判定用としても行う。これに際して、色分布判定部252は、
図5に示されるように、当該色分布判定部252に入力される画像データDj’の座標空間であるLC1C2色空間300を、1つの無彩色空間310と、複数の、たとえば8つの、有彩色空間320,320,…と、に分割する。なお、
図5は、LC1C2色空間300をL軸に沿う方向から見た状態を示し、つまりC1-C2平面が
図5の紙面に沿う状態にある当該LC1C2色空間300を示す。このLC1C2色空間300におけるL値は、たとえば『0』~『100』である。そして、C1値およびC2値のそれぞれは、たとえば『-128』~『128』である。
【0064】
具体的には、色分布判定部252は、LC1C2色空間300のうちのL軸を中心とする半径がTH1の円柱状の内側部分310を、無彩色の空間であるとみなすことのできる無彩色空間として規定する。ここで言う半径TH1は、C1値およびC2値(厳密には絶対値|C1|および|C2|)それぞれの最大値(=128)よりも十分に小さい値であり、たとえば『6』であるが、これに限らない。
【0065】
併せて、色分布判定部252は、LC1C2色空間300のうちの無彩色空間310以外の部分330を、有彩色の空間であるとみなすことのできる有彩色空間として規定する。さらに、色分布判定部252は、有彩色空間330を、L軸から放射状に延伸するとともにC1-C2平面と直交する8つの平面340,340,…により等分することで、細分化された8つの扇柱状の有彩色空間320,320,…を規定する。なお、8つの平面340,340,…のうちの2つは、C1軸を含むように設けられる。また、8つの平面340,340,…のうちの別の2つは、C2軸を含むように設けられる。
【0066】
その上で、色分布判定部252は、画像データDj’に含まれるそれぞれの画素データの画素値をLC1C2色空間300に割り当てる。そして、色分布判定部252は、
図6に破線、一点鎖線または二点鎖線で示されるように、無彩色空間310および各有彩色空間320,320,…のそれぞれにおいて、当該それぞれに割り当てられた全ての画素データの画素値を含む直方体(キューブ)状の小空間350を仮想し、つまり全部で9つの小空間350,350,…を仮想する。なお、
図6は、それぞれの小空間350の寸法が最大である場合の例を示すが、画像データDj’に含まれるそれぞれの画素データの画素値の分布状態によっては、当該それぞれの小空間350の寸法は変わる。
【0067】
それぞれの小空間350について、別の観点から説明すると、まず、無彩色空間310および各有彩色空間320,320,…のそれぞれにおいて、当該それぞれに割り当てられた全ての画素データの画素値のL,C1およびC2それぞれの成分値の最大値および最小値が求められる。そして、L値の最大値を含むとともにL軸に直交する第1の平面と、L値の最小値を含むとともにL軸に直交する第2の平面と、が仮想される。併せて、C1値の最大値を含むとともにC1軸に直交する第3の平面と、C1値の最小値を含むとともにC1軸に直交する第4の平面と、が仮想される。さらに、C2値の最大値を含むとともにC2軸に直交する第5の平面と、C2軸の最小値を含むとともにC2軸に直交する第6の平面と、が仮想される。これら第1の平面と、第2の平面と、第3の平面と、第4の平面と、第5の平面と、第6の平面と、によって囲まれる直方体状の空間が、小空間350として仮想される。
【0068】
そして、色分布判定部252は、公知の中央値分割法と同様の要領で減色処理を行う。すなわち、色分布判定部252は、各小空間350,350,…のそれぞれについて、L,C1およびC2それぞれの成分値の最大値および最小値を算出する。そして、色分布判定部252は、L,C1およびC2のいずれの成分値に拘らず、当該成分値の最大値と最小値との相互差(=最大値-最小値)が最大である小空間350を特定する。さらに、色分布判定部252は、特定された小空間350を半分に分割し、詳しくはL,C1およびC2それぞれの成分値の最大値と最小値との相互差が最大である成分値の当該相互差が半分となるように分割する。
【0069】
この小空間350の分割要領について、別の観点から説明すると、当該小空間350は、
図7(A)に示されるように、L軸に沿う辺と、C1軸に沿う辺と、C2軸に沿う辺と、を持つ直方体状の空間として仮想される。そして、L軸に沿う辺と、C1軸に沿う辺と、C2軸に沿う辺と、のいずれに拘らず、最も長い辺を持つ小空間350が特定される。そして、
図7(B)に一点鎖線306で示されるように、最も長い辺を持つ小空間350の当該最も長い辺の長さが半分となるように、当該小空間350が分割される。なお、
図7(B)は、C2軸に沿う辺が最も長く、このC2軸に沿う辺の長さが半分となるように、小空間350が半分に分割される場合の例を示す。
【0070】
このような要領により、色分布判定部252は、小空間350の総数が所定数Nに達するまで、その都度、最も長い辺を持つ小空間350を分割する。ここで言う所定数Nは、たとえば前述(
図3)の色数変換処理部216による言わば圧縮用の減色処理の減色数と同じであり、つまり『20』である。そして、色分布判定部252は、小空間350の総数が所定数Nに達すると、これらN個の小空間350,350,…のうち最も長い辺を持つ小空間350を特定する。そして、色分布判定部252は、特定された小空間350の最も長い辺の長さと、所定の閾値TH2と、を比較する。
【0071】
ここでたとえば、特定された小空間350の最も長い辺の長さが、所定の閾値TH2よりも短い、とする。この場合、色分布判定部252は、前述の色数変換処理部216による圧縮用の減色処理が施されたとしても、ひいては当該減色処理を含むインデックスカラー処理が実行されたとしても、画質(色味)は大きくは劣化しない、換言すれば当該画質の劣化は許容し得る範囲内である、と判断する。このことをもって、色分布判定部252は、第1条件が満足される、と判定する。
【0072】
一方、特定された小空間350の最も長い辺の長さが、所定の閾値TH2以上である、とする。この場合、色分布判定部252は、色数変換処理部216による圧縮用の減色処理が施されると、画質が大きく劣化する可能性がある、と判断する。言い換えれば、色分布判定部252は、色数変換処理部216による圧縮用の減色処理が施されるのは適当ではない、ひいては当該減色処理を含むインデックスカラー処理が実行されるのは適当ではない、と判断する。このことをもって、色分布判定部252は、第1条件が満足されない、と判定する。
【0073】
すなわち、色分布判定部252は、最も長い辺を持つ小空間350の当該最も長い辺の長さに基づいて、画像データDj’の色分布度合を推測し、言わば当該色分布度合を間接的に導出する。併せて、色分布判定部252は、ここで言う所定の閾値TH2を、第1基準値として取り扱う。そして、色分布判定部252は、最も長い辺を持つ小空間350の当該最も長い辺の長さが、所定の閾値TH2よりも短いかどうかに基づいて、第1条件が満足されるかどうかを判定する。なお、所定の閾値TH2は、実験などの経験により適宜に定められる。
【0074】
前述したように、色分布判定部252は、自身による判定結果を表す第1判定信号Seを出力する。そして、第1判定信号Seは、最終判定部258に入力される。
【0075】
この色分布判定部252による一連の処理、言わば色分布判定処理、の流れを図示すると、
図8および
図9のようになる。
【0076】
この色分布判定処理によれば、色分布判定部252は、まず、ステップS1において、画像データDj’に含まれる最初(先頭)の画素データに注目し、つまり当該画像データDj’に基づく画像の最初の注目画素を特定する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS3へ進める。
【0077】
ステップS3において、色分布判定部252は、注目画素(画素データ)のC1値およびC2値それぞれの絶対値|C1|および|C2|が、いずれも無彩色空間310の半径TH1以下であるかどうかを判定し、つまり注目画素の画素値が無彩色空間310に属するかどうかを判定する。ここでたとえば、注目画素のC1値およびC2値それぞれの絶対値|C1|および|C2|がいずれも無彩色空間310の半径TH1以下である場合(S3:YES)、色分布判定部252は、処理をステップS5へ進める。一方、注目画素のC1値およびC2値それぞれの絶対値|C1|および|C2|のいずれかが無彩色空間310の半径TH1よりも大きい場合は(S3:NO)、色分布判定部252は、処理を後述するステップS7へ進める。
【0078】
ステップS5において、色分布判定部252は、注目画素を無彩色空間310に分類し、厳密には無彩色空間310の座標位置に割り当てる。そして、色分布判定部252は、処理をステップS9へ進める。
【0079】
これに対して、色分布判定部252は、前述のステップS3からステップS7へ処理を進めた場合、当該ステップS7において、注目画素を8つの有彩色空間320,320,…のうちの対応する空間に分類し、厳密には当該対応する有彩色空間320の座標位置に割り当てる。そして、色分布判定部252は、処理をステップS9へ進める。
【0080】
ステップS9において、色分布判定部252は、画像データDj’に含まれる全ての画素について、無彩色空間310および各有彩色空間320,320,…のいずれかへの分類が完了したかどうかを判定する。ここでたとえば、全ての画素についての分類が完了した場合(S9:YES)、色分布判定部252は、処理を後述するステップS13へ進める。一方、全ての画素についての分類が完了していない場合は(S9:NO)、色分布判定部252は、処理をステップS11へ進める。
【0081】
ステップS11において、色分布判定部252は、画像データDj’に含まれる次の注目画素を特定する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS3へ戻す。
【0082】
これに対して、色分布判定部252は、前述のステップS9からステップS13へ処理を進めた場合は、当該ステップS13において、個々の小空間350におけるL,C1およびC2それぞれの成分値の最大値および最小値を算出する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS15へ進める。
【0083】
ステップS15において、色分布判定部252は、L,C1およびC2のいずれの成分値に拘らず、当該成分値の最大値と最小値との相互差(=最大値-最小値)が最大である小空間350を特定する。言い換えれば、色分布判定部252は、最も長い辺を持つ小空間350を特定する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS17へ進める。
【0084】
ステップS17において、色分布判定部252は、ステップS15で特定された小空間350を半分に分割し、詳しくはL,C1およびC2それぞれの成分値の最大値と最小値との相互差が最大である成分値の当該相互差が半分となるように分割する。言い換えれば、色分布判定部252は、最も長い辺を持つ小空間350の当該最も長い辺の長さが半分となるように、当該小空間350を分割する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS19へ進める。
【0085】
ステップS19において、色分布判定部252は、小空間350の総数が前述の所定数Nに達したかどうかを判定する。ここでたとえば、小空間350の総数が所定数Nに達していない場合(S19:NO)、色分布判定部252は、処理をステップS13へ戻す。一方、小空間350の総数が前述の所定数Nに達した場合は(S19:YES)、色分布判定部252は、処理をステップS21へ進める。
【0086】
ステップS21において、色分布判定部252は、前述のステップS15と同様、L,C1およびC2のいずれの成分値に拘らず、当該成分値の最大値と最小値との相互差(=最大値-最小値)が最大である小空間350を特定し、つまり最も長い辺を持つ小空間350を特定する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS23へ進める。
【0087】
ステップS23において、色分布判定部252は、ステップS21で特定された小空間350における前述の相互差(=最大値-最小値)が所定の閾値TH2よりも小さいかどうかを判定し、つまり当該小空間350の最も長い辺の長さが所定の閾値TH2よりも短いかどうかを判定する。ここでたとえば、相互差(=最大値-最小値)が所定の閾値TH2よりも小さい場合、つまり最も長い辺を持つ小空間350の当該最も長い辺の長さが所定の閾値TH2よりも短い場合(S23:YES)、色分布判定部252は、処理をステップS25へ進める。一方、相互差(=最大値-最小値)が所定の閾値TH2以上である場合、つまり最も長い辺を持つ小空間350の当該最も長い辺の長さが所定の閾値TH2以上である場合は(S23:NO)、色分布判定部252は、処理を後述するステップS27へ進める。
【0088】
ステップS25において、色分布判定部252は、第1条件が満足される、と判定する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS29へ進める。
【0089】
これに対して、色分布判定部252は、前述のステップS23からステップS27へ処理を進めた場合、当該ステップS27において、第1条件が満足されない、と判定する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS29へ進める。
【0090】
ステップS29において、色分布判定部252は、ステップS25またはステップS27における判定結果を表す第1判定信号Seを出力する。これをもって、色分布判定部252は、一連の色分布判定処理を終了する。
【0091】
続いて、写真判定部254について、詳しく説明する。写真判定部254は、前述したように、画像データDj’に含まれる全ての画素データのうちの写真領域を構成する写真領域画素データの割合である写真領域率を導出して、当該写真領域率が第2基準値よりも小さい、という第2条件が満足されるかどうかを判定する。これに際して、とりわけ写真領域を検出するのに、写真判定部254は、特許第4527127号公報に開示された技術を利用する。
【0092】
具体的には、写真判定部254は、画像データDj’に含まれる全ての画素データを複数のブロックに分割する。ここで言うブロックとは、m×n(mおよびnは、いずれも2以上の整数である。)個という所定数単位の画素データの一群であり、つまり当該m×n個の画素から成る画素群である。なお、m×nは、たとえば11×11(つまりm=11およびn=11)である。
【0093】
そして、写真判定部254は、それぞれのブロックごとに、当該ブロックに含まれている文字の部分を検出し、つまり文字領域を構成する文字領域画素データを検出する。この文字領域画素データの検出は、たとえば適当なエッジ検出処理および平滑化処理を含む公知の文字検出処理により行われる。
【0094】
さらに、写真判定部254は、それぞれのブロックごとに、文字検出処理により検出された文字部分を除いた上で、当該ブロックにおけるヒストグラムエントロピEを算出する。ヒストグラムエントロピEとは、ブロックにおける(文字部分を除いた)各画素の画素値のヒストグラムの特徴量を数値化した指標であり、言わば当該ブロックが写真領域を構成するものとみなすことのできる度合(蓋然性)を表す。このヒストグラムエントロピEは、次の式1によって算出される。なお、この式1において、iは、ヒストグラムのビンの番号である。そして、h(i)は、i番のビンについての度数(頻度)である。また、p(i)は、正規化された度数である。
【0095】
《式1》
E=-Σp(i)log2{p(i)}
where p(i)={h(i)}/{Σh(i)}
i=0~L-1
【0096】
この式1によって算出されるヒストグラムエントロピEによれば、当該ヒストグラムエントロピEの絶対値|E|が大きいほど、対応するブロックが写真領域を構成するものとみなすことのできる度合が高くなる。このことを利用して、写真判定部254は、それぞれのブロックが写真領域を構成する写真領域ブロックであるかどうかを判定し、つまりは画像データDj’に基づく画像における写真領域を検出する。たとえば、写真判定部254は、ヒストグラムエントロピEの絶対値|E|と、所定の閾値TH4と、を比較して、当該絶対値|E|が所定の閾値TH4よりも大きい場合に、当該ヒストグラムエントロピEに係るブロックが写真領域ブロックである、と判定する。一方、ヒストグラムエントロピEの絶対値|E|が所定の閾値TH4以下である場合には、写真判定部254は、当該ヒストグラムエントロピEに係るブロックが写真領域ブロックではない、と判定する。なお、所定の閾値TH4は、実験などの経験により適宜に定められる。
【0097】
このような要領により、写真判定部254は、全てのブロックについて、写真領域ブロックであるかどうかを判定する。そして、写真判定部254は、全てのブロックの数に対する写真領域ブロックの数の割合を、写真領域率として導出する。
【0098】
さらに、写真判定部254は、写真領域率と、所定の閾値TH5と、を比較する。ここでたとえば、写真領域率が所定の閾値TH5よりも小さい、とする。この場合、写真判定部254は、画像データDj’に基づく画像における写真領域の寸法が比較的に小さい、と認識する。そして、写真判定部254は、このような画像データDj’(厳密には入力画像データDi)にインデックスカラー処理が実行されたとしても、写真領域における圧縮率が低下することによる画像全体としての圧縮率への影響は比較的に小さい、換言すれば画像全体として所期の通りの(高い)圧縮率が得られる、と判断する。このことをもって、写真判定部254は、第2条件が満足される、と判定する。
【0099】
一方、写真領域率が所定の閾値TH5以上である、とする。この場合、写真判定部254は、画像データDj’に基づく画像に比較的に寸法の大きい写真領域が含まれる、と認識する。そして、写真判定部254は、このような画像データDj’(厳密には入力画像データDi)にインデックスカラー処理が実行されると、写真領域における圧縮率が大きく低下することにより、画像全体としての圧縮率もまた大きく低下し、ひいては画像全体として所期の通りの圧縮率が得られない、と判断する。このことをもって、写真判定部254は、第2条件が満足されない、と判定する。
【0100】
すなわち、写真判定部254は、ここで言う所定の閾値TH5を、第2基準値として取り扱う。そして、写真判定部254は、写真領域率が所定の閾値TH5よりも小さいかどうかに基づいて、第2条件が満足されるかどうかを判定する。なお、所定の閾値TH5は、実験などの経験により適宜に定められ、たとえば20%である。
【0101】
前述したように、写真判定部254は、自身による判定結果を表す第2判定信号Sfを出力する。そして、第2判定信号Sfは、最終判定部258に入力される。
【0102】
この写真判定部254による一連の処理、言わば写真判定処理、の流れを図示すると、
図10および
図11のようになる。
【0103】
この写真判定処理によれば、写真判定部254は、まず、ステップS101において、前述の複数のブロックのうちの最初(先頭)のブロックに注目し、つまり最初の注目ブロックを特定する。そして、写真判定部254は、処理をステップS103へ進める。
【0104】
ステップS103において、写真判定部254は、注目ブロック内における最初(先頭)の注目画素を特定する。そして、写真判定部254は、処理をステップS105へ進める。
【0105】
ステップS105において、写真判定部254は、注目画素について、厳密には注目画素を含む小ブロックについて、エッジ検出処理および平滑化処理を施す。ここで言う小ブロックとは、前述のブロックよりも少数の画素から成る画素群であり、詳しくはm’×n’(m’は、mよりも小さい2以上の整数であり、n’は、nよりも小さい2以上の整数である。)個の画素から成る画素群であり、たとえば3×3(つまりm’=3およびn’=3)個の画素から成る画素群である。なお、m’×n’は、たとえば5×5(つまりm’=5およびn’=5)であってもよい。そして、写真判定部254は、処理をステップS107へ進める。
【0106】
ステップS107において、写真判定部254は、注目画素を含む小ブロックのエッジ強度と、所定の閾値TH3と、を比較する。ここでたとえば、注目画素を含む小ブロックのエッジ強度が所定の閾値TH3よりも小さい場合(S107:YES)、写真判定部254は、当該注目画素は文字部分を構成する画素ではない、つまり文字領域画素データに基づく画素ではない、と判断して、処理をステップS109へ進める。一方、注目画素を含む小ブロックのエッジ強度が所定の閾値TH3以上である場合は(S107:NO)、写真判定部254は、当該注目画素は文字部分を構成する画素である、つまり文字領域画素データに基づく画素である、と判断して、処理を後述するステップS111へ進める。なお、所定の閾値TH3は、実験などの経験により適宜に定められる。
【0107】
ステップS109において、写真判定部254は、注目画素の輝度値(L値)をヒストグラムの要素としてカウントする。そして、写真判定部254は、処理をステップS111へ進める。
【0108】
ステップS111において、写真判定部254は、注目ブロック内の全ての画素について、ステップS105およびステップS107を含む文字検出処理が完了したかどうかを判定する。ここでたとえば、注目ブロック内の全ての画素について、文字検出処理が完了した場合(S111:YES)、写真判定部254は、処理を後述するステップS115へ進める。一方。注目ブロック内の全ての画素について、文字検出処理が完了していない場合は(S111:NO)、写真判定部254は、処理をステップS113へ進める。
【0109】
ステップS113において、写真判定部254は、注目ブロック内における次の注目画素を特定する。そして、写真判定部254は、処理をステップS105へ戻す。
【0110】
これに対して、写真判定部254は、前述のステップS111からステップS115へ処理を進めた場合、当該ステップS115において、注目ブロックのヒストグラムエントロピEを計算する。前述したように、ヒストグラムエントロピEは、前述の式1によって算出される。写真判定部254は、処理をステップS117へ進める。
【0111】
ステップS117において、写真判定部254は、ヒストグラムエントロピEの絶対値|E|と、所定の閾値TH3と、を比較する。ここでたとえば、ヒストグラムエントロピEの絶対値|E|が所定の閾値TH3よりも大きい場合(S117:YES)、写真判定部254は、処理をステップS119へ進める。一方、ヒストグラムエントロピEの絶対値|E|が所定の閾値TH3以下である場合は(S117:NO)、写真判定部254は、処理を後述するステップS121へ進める。
【0112】
ステップS119において、写真判定部254は、注目ブロックを写真領域ブロックとしてカウントする。そして、写真判定部254は、処理をステップS121へ進める。
【0113】
ステップS121において、写真判定部254は、全てのブロックについて、写真領域ブロックであるかどうかを判定するための処理、つまり少なくともステップS105からステップS117までの処理、が完了したかどうかを判定する。ここでたとえば、全てのブロックについて、写真領域ブロックであるかどうかを判定するための処理が完了した場合(S121:YES)、写真判定部254は、処理を後述するステップS125へ進める。一方、全てのブロックについて、写真領域ブロックであるかどうかを判定するための処理が完了していない場合は(S121:NO)、写真判定部254は、処理をステップS123へ進める。
【0114】
ステップS123において、写真判定部254は、次の注目ブロックを特定する。そして、写真判定部254は、処理をステップS103へ戻す。
【0115】
これに対して、写真判定部254は、前述のステップS121からステップS125へ処理を進めた場合、当該ステップS125において、写真領域率を計算する。すなわち、写真判定部254は、全てのブロックの数に対する写真領域ブロックの数の割合を、写真領域率として導出する。そして、写真判定部254は、処理をステップS127へ進める。
【0116】
ステップS127において、写真判定部254は、ステップS125で導出された写真領域率と、所定の閾値TH5と、を比較する。ここでたとえば、写真導出率が所定の閾値TH5よりも小さい場合(S127:YES)、写真判定部254は、処理をステップS129へ進める。一方、写真導出率が所定の閾値TH5以上である場合は(S127:NO)、写真判定部254は、処理をステップS131へ進める。
【0117】
ステップS129において、写真判定部254は、第2条件が満足される、と判定する。そして、写真判定部254は、処理をステップS133へ進める。
【0118】
これに対して、写真判定部254は、前述のステップS127からステップS131へ処理を進めた場合、当該ステップS131において、第2条件が満足されない、と判定する。そして、写真判定部254は、処理をステップS133へ進める。
【0119】
ステップS133において、写真判定部254は、ステップS129またはステップS131における判定結果を表す第2判定信号Sfを出力する。これをもって、写真判定部254は、一連の写真判定処理を終了する。
【0120】
続いて、白下地判定部256について、詳しく説明する。白下地判定部256は、前述したように、画像データDj’に含まれる全ての画素データのうちの白下地領域を構成する白下地領域画素データの割合である白下地領域率を導出して、当該白下地領域率が第3基準値よりも大きい、という第3条件が満足されるかどうかを判定する。
【0121】
具体的には、白下地判定部256は、画像データDj’に含まれるそれぞれの画素データについて、厳密には当該画素データを含むm”×n”(m”およびn”は、いずれも2以上の整数である。)個の画素データの一群である白地判定用ブロックについて、平滑化処理を施す。なお、m”×n”は、たとえば3×3(つまりm”=3およびn”=3)または5×5(つまりm”=5およびn”=5)である。
【0122】
そして、白下地判定部256は、平滑化処理後の画素データ(注目画素)の画素値が前述の無彩色空間310に属するかどうかを判定する。この判定は、色分布判定部252と同様、当該画素データのC1値およびC2値それぞれの絶対値|C1|および|C2|がいずれも無彩色空間310の半径TH1以下であるかどうかに基づいて行われる。さらに、白下地判定部256は、画素値が無彩色空間310に属すると判定された画素データについて、その輝度値(L値)と、所定の閾値TH6と、を比較する。ここでたとえば、画素データの輝度値が所定の閾値TH6以上である場合、白下地判定部256は、当該画素データを白下地領域画素データとみなす。一方、画素データの輝度値が所定の閾値TH6よりも小さい場合は、白下地判定部256は、当該画素データを白下地領域画素データではないものとみなす。なお、所定の閾値TH6は、実験などの経験により適宜に定められ、たとえば輝度値の最大値(=100)の95%の値であり、つまり95である。
【0123】
このような要領で、白下地判定部256は、画像データDj’に含まれる全ての画素データについて、白下地領域画素データであるかどうかを判定する。そして、白下地判定部256は、画像データDj’に含まれる全ての画素データの数に対する白下地領域画素データの数の割合を、白下地領域率として導出する。
【0124】
さらに、白下地判定部256は、白下地領域率と、前述とは別の所定の閾値TH7と、を比較する。ここでたとえば、白下地領域率が所定の閾値TH7よりも大きい、とする。この場合、白下地判定部256は、画像データDj’における白下地領域の割合が比較的に大きい、換言すれば画素値が均一であるとみなすことのできる領域が比較的に大きい、と認識する。そして、白下地判定部256は、このような画像データDj’(厳密には入力画像データDi)については、インデックスカラー処理が実行されることによって、高い圧縮率が得られる、と判断する。このことをもって、白下地判定部256は、第3条件が満足される、と判定する。
【0125】
一方、白下地領域率が所定の閾値TH7以下である、とする。この場合、白下地判定部256は、画像データDj’における白下地領域の割合が比較的に小さい、換言すれば画素値が均一であるとみなすことのできる領域が比較的に小さい、と認識する。そして、白下地判定部256は、このような画像データDj’(厳密には入力画像データDi)については、インデックスカラー処理が実行されると、高い圧縮率が得られない、と判断する。このことをもって、白下地判定部256は、第3条件が満足されない、と判定する。
【0126】
すなわち、白下地判定部256は、ここで言う所定の閾値TH7を、第3基準値として取り扱う。そして、白下地判定部256は、白下地領域率が所定の閾値TH7よりも大きいかどうかに基づいて、第3条件が満足されるかどうかを判定する。なお、所定の閾値TH7もまた、実験などの経験により適宜に定められ、たとえば60%である。
【0127】
前述したように、白下地判定部256は、自身による判定結果を表す第3判定信号Sgを出力する。そして、第3判定信号Sgは、最終判定部258に入力される。
【0128】
この白下地判定部256による一連の処理、言わば白下地判定処理、の流れを図示すると、
図12のようになる。
【0129】
この白下地判定処理によれば、白下地判定部256は、まず、ステップS201において、画像データDj’に含まれる最初(先頭)の画素データに注目し、つまり当該画像データDj’に基づく画像の最初の注目画素を特定する。そして、白下地判定部256は、処理をステップS203へ進める。
【0130】
ステップS203において、白下地判定部256は、注目画素について、厳密には注目画素を含む前述の白地判定用ブロックについて、平滑化処理を施す。そして、白下地判定部256は、処理をステップS204へ進める。
【0131】
ステップS204において、白下地判定部256は、注目画素(画素データ)のC1値およびC2値それぞれの絶対値|C1|および|C2|がいずれも無彩色空間310の半径TH1以下であるかどうかを判定し、つまり注目画素の画素値が無彩色空間310に属するかどうかを判定する。ここでたとえば、注目画素のC1値およびC2値それぞれの絶対値|C1|および|C2|がいずれも無彩色空間310の半径TH1以下である場合(S204:YES)、白下地判定部256は、処理をステップS205へ進める。一方、注目画素のC1値およびC2値それぞれの絶対値|C1|および|C2|のいずれかが無彩色空間310の半径TH1よりも大きい場合は(S204:NO)、白下地判定部256は、処理を後述するステップS209へ進める。
【0132】
ステップS205において、白下地判定部256は、注目画素の輝度値(L値)と、所定の閾値TH6と、を比較する。ここでたとえば、注目画素の輝度値が所定の閾値TH6以上である場合(S205:YES)、白下地判定部256は、処理をステップS207へ進める。一方、注目画素の輝度値が所定の閾値TH6よりも小さい場合は(S205:NO)、白下地判定部256は、処理を後述するステップS209へ進める。
【0133】
ステップS207において、白下地判定部256は、注目画素を白下地領域の構成要素である白下地領域画素としてカウントし、つまり当該注目画素に対応する画素データを白下地領域画素データとしてカウントする。そして、白下地判定部256は、処理をステップS209へ進める。
【0134】
ステップS209において、白下地判定部256は、全ての画素について、白下地領域画素であるかどうかを判定するための処理、つまり少なくともステップS203からステップS205までの処理、が完了したかどうかを判定する。ここでたとえば、全ての画素について、白下地領域画素であるかどうかを判定するための処理が完了した場合(S209:YES)、白下地判定部256は、処理を後述するステップS213へ進める。一方、全ての画素について、白下地領域画素であるかどうかを判定するための処理が完了していない場合は(S209:NO)、白下地判定部256は、処理をステップS211へ進める。
【0135】
ステップS211において、白下地判定部256は、画像データDj’に含まれる次の注目画素を特定する。そして、白下地判定部256は、処理をステップS203へ戻す。
【0136】
これに対して、白下地判定部256は、前述のステップS209からステップS213へ処理を進めた場合は、当該ステップS213において、白下地領域率を計算する。すなわち、白下地判定部256は、画像データDj’に含まれる全ての画素データの数に対する白下地領域画素データの数の割合を、白下地領域率として導出する。そして、白下地判定部256は、処理をステップS215へ進める。
【0137】
ステップS215において、白下地判定部256は、ステップS213で導出された白下地領域率と、所定の閾値TH7と、を比較する。ここでたとえば、白下地領域率が所定の閾値TH7よりも大きい場合(S215:YES)、白下地判定部256は、処理をステップS217へ進める。一方、白下地領域率が所定の閾値TH7以下である場合(S215:NO)は、白下地判定部256は、処理をステップS219へ進める。
【0138】
ステップS217において、白下地判定部256は、第3条件が満足される、と判定する。そして、白下地判定部256は、処理をステップS217へ進める。
【0139】
これに対して、白下地判定部256は、前述のステップS215からステップS219へ処理を進めた場合、当該ステップS219において、第3条件が満足されない、と判定する。そして、白下地判定部256は、処理をステップS221へ進める。
【0140】
ステップS221において、白下地判定部256は、ステップS217またはステップS219における判定結果を表す第3判定信号Sgを出力する。これをもって、白下地判定部256は、一連の白下判定処理を終了する。
【0141】
続いて、最終判定部258について、詳しく説明する。最終判定部258は、前述したように、第1判定信号Seと第2判定信号Sfと第3判定信号Sgとに基づいて、つまり第1条件と第2条件と第3条件とのそれぞれが満足されるがどうかに基づいて、インデックスカラー処理およびフルカラー処理のいずれを実行するのが適当であるのかを最終的に判定する。そして、最終判定部258は、自身による最終的な判定結果を、色数変換判定部200全体の判定結果として、当該判定結果を表す色数変換判定信号Scを出力する。
【0142】
この最終判定部258による一連の処理、言わば最終判定処理、の流れを図示すると、
図13のようになる。
【0143】
この最終判定処理によれば、最終判定部258は、まず、ステップS301において、第1判定信号Seが、つまり色分布判定部252による判定結果が、第1条件が満足されることを表すかどうかを、判定する。ここでたとえば、第1条件が満足される場合(S301:YES)、最終判定部258は、処理をステップS303へ進める。一方、第1条件が満足されない場合は(S301:NO)、最終判定部258は、処理を後述するステップS309へ進める。
【0144】
ステップS303において、最終判定部258は、第2判定信号Sfが、つまり写真判定部254による判定結果が、第2条件が満足されることを表すかどうかを、判定する。ここでたとえば、第2条件が満足される場合(S303:YES)、最終判定部258は、処理をステップS305へ進める。一方、第2条件が満足されない場合は(S303:NO)、最終判定部258は、処理を後述するステップS309へ進める。
【0145】
ステップS305において、最終判定部258は、第3判定信号Sgが、つまり白下地判定部256による判定結果が、第3条件が満足されることを表すかどうかを、判定する。ここでたとえば、第3条件が満足される場合(S305:YES)、最終判定部258は、処理をステップS307へ進める。一方、第3条件が満足されない場合は(S305:NO)、最終判定部258は、処理を後述するステップS309へ進める。
【0146】
すなわち、最終判定部258は、第1条件と第2条件と第3条件との全てが満足される場合にのみ、処理をステップS307へ進める。そして、これ以外の場合は、つまり第1条件と第2条件と第3条件との少なくとも1つが満足されない場合は、最終判定部258は、処理をステップS309へ進める。
【0147】
ステップS309において、最終判定部258は、インデックスカラー処理が実行されるのが適当である、という最終的な判定を下す。そして、最終判定部258は、処理をステップS311へ進める。
【0148】
一方、ステップS309において、最終判定部258は、フルカラー処理が実行されるのが適当である、という最終的な判定を下す。そして、最終判定部258は、処理をステップS311へ進める。
【0149】
ステップS311において、最終判定部258は、ステップS307またはステップS309における最終的な判定結果を表す、つまり色数変換判定部200全体の判定結果を表す、色数変換判定信号Scを出力する。これをもって、最終判定部258は、一連の最終判定処理を終了する。
【0150】
このような色数変換判定部200を含む画像処理部14は、たとえばASICにより構成される。これに限らず、または、ASICに加えて、画像処理部14は、DSPなどの画像処理専用の要素により構成されてもよい。特に、色数変換判定部200による処理を高速化するために、色数変換判定部200への入力画像データDjの解像度が適当に低減された上で、当該色数変換判定部200による処理が言わば簡易的に行われてもよい。
【0151】
以上のように、本第1実施例によれば、とりわけ色数変換判定部200が担う自動判別機能によれば、入力画像データDi(厳密には画像データDj’)に含まれるそれぞれの画素データの画素値の分布度合である色分布度合と、当該画素データのうちの写真領域を構成する写真領域画素データの割合である写真領域率と、当該画素データのうちの白下地領域を構成する白下地領域画素データの割合である白下地領域率と、に基づいて、インデックスカラー処理およびフルカラー処理のいずれを実行するのが適当であるのかが、判定される。これにより、適切な判定が実現される。
【0152】
なお、色分布度合の導出を担う色分布判定部252は、前述の如く判定用の減色処理を行い、これに際して、画像データDj’の座標空間であるLC1C2色空間300を1つの無彩色空間310と8つの有彩色空間320,320,…とに分割するが、これに限らない。たとえば、色分布判定部252は、一般的な中央値分割法による減色処理に要領と同様に、LC1C2色空間300を分割せずに、当該中央値分割法による減色処理を行ってもよい。ただし、前述の如くLC1C2色空間300を1つの無彩色空間310と8つの有彩色空間320,320,…とに分割した上で、中央値分割法による減色処理を行うことにより、適切なインデックスカラー(代表色)を求めることができ、ひいては適切な色分布度合を導出することができる。
【0153】
ここでは、有彩色空間330が8つに等分されることによって、8つの有彩色空間320,320,…が規定されたが、これに限らない。すなわち、有彩色空間330は、等分ではなく、不均等に分割されてもよいし、そのために、当該有彩色空間330の分割数、分割位置、分割間隔などは、任意に定められてもよいし、さらには、当該有彩色空間330は、分割(細分化)されなくてもよい。
【0154】
また、色数変換処理部216による圧縮用の減色処理においても、色分布判定部252による判定用の減色処理と同様に、1つの無彩色空間と、1または複数の有彩色空間と、分割された上で、当該圧縮用の減色処理が行われてもよい。これにより、色数変換処理部216による圧縮用の減色処理においても、適切なインデックスカラーが求められ、ひいては画質の劣化が抑えられる。
【0155】
本第1実施例における色分布判定部252は、とりわけ色分布判定処理(
図8および
図9参照)におけるステップS1からステップS21までを実行する色分布判定部252は、本発明に係る色分布度合導出手段の一例である。特に、色分布判定処理におけるステップS1からステップS19までを実行する色分布判定部252は、本発明に係る判定用減色手段の一例である。そして、色分布判定処理におけるステップS21を実行する色分布判定部252は、厳密にはステップS21における前述の相互差(=最大値-最小値)を導出する、換言すれば最も長い辺を持つ小空間350の当該最も長い辺の長さを導出する、色分布判定部252は、本発明に係る色分布度合導出実行手段の一例である。
【0156】
また、本第1実施例における写真判定部254は、とりわけ写真判定処理(
図10および
図11参照)におけるステップS101からステップS125を実行する写真判定部254は、本発明に係る写真領域率導出手段の一例である。特に、写真判定処理におけるステップS101からステップS115を実行する写真判定部254は、本発明に係るエントロピ導出手段の一例である。そして、写真判定処理におけるステップS117からステップS119を実行する写真判定部254は、本発明に係る写真領域ブロック判定手段の一例である。さらに、写真判定処理におけるステップS125を実行する写真判定部254は、本発明に係る写真領域率導出手段の一例である。
【0157】
加えて、本第1実施例における白下地判定部256は、とりわけ白下地判定処理(
図12参照)におけるステップS201からステップS213を実行する白下地判定部256は、本発明に係る色均一領域率導出手段の一例である。特に、白下地判定処理におけるステップS201からステップS211を実行する白下地判定部256は、本発明に係る特定手段の一例である。そして、白下地判定処理におけるステップS213を実行する白下地判定部256は、本発明に係る色均一領域率導出実行手段の一例である。
【0158】
さらに、本第1実施例における最終判定部258は、本発明に係る判定手段の一例である。厳密に言えば、色分布判定処理におけるステップS23からステップS29までを実行する色分布判定部252と、写真判定処理におけるステップS127からステップS133を実行する写真判定部254と、白下地判定処理におけるステップS215からステップS221を実行する白下地判定部256と、もまた、本発明に係る判定手段の一例を構成する。
【0159】
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について、説明する。
【0160】
本第2実施例においては、色数変換判定部200が、
図14に示される如く構成される。すなわち、本第2実施例においては、第1実施例におけるような色変換部250が設けられない。そして、本第2実施例においては、色数変換判定部200への入力画像データDjとしてのRGB画像データが、色分布判定部252、写真判定部254および白下地判定部256のそれぞれに直接的に入力される。本第2実施例におけるこれ以外の部分は、第1実施例と同様である。したがって、本第2実施例における第1実施例と同様の部分については、第1実施例と同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0161】
本第2実施例においても、たとえば色分布判定部252は、第1実施例と同様、判定用の減色処理を行う。これに際して、色分布判定部252は、
図15に示されるように、当該色分布判定部252に入力される画像データDjの座標空間であるRGB色空間400を、1つの無彩色空間410と、複数の、たとえば8つの、有彩色空間420,420,…と、に分割する。なお、
図5は、RGB色空間400を3次元の直交座標で示す。このRGB色空間400において、原点は、黒色(K:キープレート)に対応する。そして、原点と対向する頂点は、白色(W)に対応する。また、R-G平面における原点(K)の対頂点は、イエロー(Y)に対応する。さらに、G-B平面における原点(K)の対頂点は、シアン(C)に対応する。加えて、B-R平面における原点(K)の対頂点は、マゼンタ(M)に対応する。そして、R,GおよびBそれぞれの成分値は、前述の如く8ビットであり、つまり『0』~『255』である。
【0162】
このようなRGB色空間400について、色分布判定部252は、R値とG値との相対差|R-G|、G値とB値との相対差|G-B|、ならびに、B値とR値との相対差|B-R|の全てが所定の閾値TH8以下となる部分を、無彩色空間410として規定する。すなわち、色分布判定部252は、黒色に対応する頂点と、白色に対応する頂点と、を結ぶ直線および当該直線の周囲の部分を、無彩色空間410として規定する。ここで言う所定の閾値TH8は、R,GおよびBそれぞれの成分値の最大値(=255)よりも十分に小さい値であり、たとえば『6』であるが、これに限らない。
【0163】
併せて、色分布判定部252は、RGB色空間400のうちの無彩色空間410以外の部分430を、有彩色空間として規定する。さらに、色分布判定部252は、有彩色空間430を、3つの平面440,450および460により等分することで、細分化された8つの立方体状の有彩色空間420,420,…を規定する。なお、平面440は、R-G平面に対して平行であるとともに、B値の中央値を含むように設けられる。そして、平面450は、G-B平面に対して平行であるとともに、R値の中央値を含むように設けられる。また、平面460は、B-R平面に対して平行であるとともに、G値の中央値を含むように設けられる。
【0164】
その上で、色分布判定部252は、画像データDjに含まれるそれぞれの画素データの画素値をRGB色空間400に割り当てる。そして、図示は省略するが、色分布判定部252は、無彩色空間410および各有彩色空間420,420,…のそれぞれにおいて、当該それぞれに割り当てられた全ての画素データの画素値を含む範囲内で体積が最小となる直方体状の小空間を仮想し、つまり全部で小空間を仮想する。
【0165】
これ以降、色分布判定部252は、第1実施例と同様の要領で減色処理を行う。すなわち、色分布判定部252は、各小空間のそれぞれについて、R,GおよびBそれぞれの成分値の最大値および最小値を算出する。そして、色分布判定部252は、R,GおよびBのいずれの成分値に拘らず、当該成分値の最大値と最小値との相互差(=最大値-最小値)が最大である小空間を特定する。言い換えれば、色分布判定部252は、最も長い辺を持つ小空間を特定する。さらに、色分布判定部252は、特定された小空間を半分に分割し、詳しくはR,GおよびBそれぞれの成分値の最大値と最小値との相互差が最大である成分値の当該相互差が半分となるように分割する。言い換えれば、色分布判定部252は、最も長い辺を持つ小空間の当該最も長い辺の長さが半分となるように、当該小空間を分割する。
【0166】
このような要領により、色分布判定部252は、小空間の総数が前述の所定数N(たとえばN=20)に達するまで、その都度、最も長い辺を持つ小空間を分割する。そして、色分布判定部252は、小空間の総数が所定数Nに達すると、これらN個の小空間のうち最も長い辺を持つ小空間を特定する。そして、色分布判定部252は、特定された小空間の最も長い辺の長さと、所定の閾値TH9と、を比較する。
【0167】
ここでたとえば、特定された小空間の最も長い辺の長さが、所定の閾値TH9よりも短い、とする。この場合、色分布判定部252は、前述(
図3)の色数変換処理部216による圧縮用の減色処理が施されたとしても、ひいては当該減色処理を含むインデックスカラー処理が実行されたとしても、画質(色味)は大きくは劣化しない、換言すれば当該画質の劣化は許容し得る範囲内である、と判断する。このことをもって、色分布判定部252は、第1条件が満足される、と判定する。
【0168】
一方、特定された小空間の最も長い辺の長さが、所定の閾値TH9以上である、とする。この場合、色分布判定部252は、色数変換処理部216による圧縮用の減色処理が施されると、画質が大きく劣化する可能性がある、と判断する。言い換えれば、色分布判定部252は、色数変換処理部216による圧縮用の減色処理が施されるのは適当ではない、ひいては当該減色処理を含むインデックスカラー処理が実行されるのは適当ではない、と判断する。このことをもって、色分布判定部252は、第1条件が満足されない、と判定する。
【0169】
すなわち、色分布判定部252は、最も長い辺を持つ小空間の当該最も長い辺の長さに基づいて、画像データDjの色分布度合を推測し、言わば当該色分布度合を間接的に導出する。併せて、色分布判定部252は、ここで言う所定の閾値TH9を、第1基準値として取り扱う。そして、色分布判定部252は、最も長い辺を持つ小空間の当該最も長い辺の長さが、所定の閾値TH9よりも短いかどうかに基づいて、第1条件が満足されるかどうかを判定する。なお、所定の閾値TH9は、実験などの経験により適宜に定められる。
【0170】
そして、色分布判定部252は、自身による判定結果を表す第1判定信号Seを出力する。この第1判定信号Seは、最終判定部258に入力される。
【0171】
このような本第2実施例における色分布判定部252による一連の処理、つまり色分布判定処理、の流れを図示すると、
図16および
図17のようになる。
【0172】
この色分布判定処理によれば、色分布判定部252は、まず、ステップS401において、画像データDjに含まれる最初(先頭)の画素データに注目し、つまり当該画像データDjに基づく画像の最初の注目画素を特定する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS403へ進める。
【0173】
ステップS403において、色分布判定部252は、注目画素(画素データ)のR値とG値との相対差|R-G|、G値とB値との相対差|G-B|、および、B値とR値との相対差|B-R|が、いずれも所定の閾値TH8以下であるかどうかを判定する。ここでたとえば、注目画素の各相対差|R-G|,|G-B|および|B-R|がいずれも所定の閾値TH8以下である場合(S403:YES)、色分布判定部252は、処理をステップS405へ進める。一方、注目画素の各相対差|R-G|,|G-B|および|B-R|のいずれかが所定の閾値TH8よりも大きい場合は(S403:NO)、色分布判定部252は、処理を後述するステップS407へ進める。
【0174】
ステップS405において、色分布判定部252は、注目画素を無彩色空間410に分類し、厳密には無彩色空間410の座標位置に割り当てる。そして、色分布判定部252は、処理をステップS409へ進める。
【0175】
これに対して、色分布判定部252は、前述のステップS403からステップS407へ処理を進めた場合、当該ステップS407において、注目画素を8つの有彩色空間420,420,…のうちの対応する空間に分類し、厳密には当該対応する有彩色空間420の座標位置に割り当てる。そして、色分布判定部252は、処理をステップS409へ進める。
【0176】
ステップS409において、色分布判定部252は、画像データDjに含まれる全ての画素について、無彩色空間410および各有彩色空間420,420,…のいずれかへの分類が完了したかどうかを判定する。ここでたとえば、全ての画素についての分類が完了した場合(S409:YES)、色分布判定部252は、処理を後述するステップS413へ進める。一方、全ての画素についての分類が完了していない場合は(S409:NO)、色分布判定部252は、処理をステップS411へ進める。
【0177】
ステップS411において、色分布判定部252は、画像データDjに含まれる次の注目画素を特定する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS403へ戻す。
【0178】
これに対して、色分布判定部252は、前述のステップS409からステップS413へ処理を進めた場合は、当該ステップS413において、個々の小空間におけるR,GおよびBそれぞれの成分値の最大値および最小値を算出する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS415へ進める。
【0179】
ステップS415において、色分布判定部252は、R,GおよびBのいずれの成分値に拘らず、当該成分値の最大値と最小値との相互差(=最大値-最小値)が最大である小空間を特定する。言い換えれば、色分布判定部252は、最も長い辺を持つ小空間を特定する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS417へ進める。
【0180】
ステップS417において、色分布判定部252は、ステップS415で特定された小空間を半分に分割し、詳しくはR,GおよびBそれぞれの成分値の最大値と最小値との相互差が最大である成分値の当該相互差が半分となるように分割する。言い換えれば、色分布判定部252は、最も長い辺を持つ小空間の当該最も長い辺の長さが半分となるように、当該小空間を分割する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS419へ進める。
【0181】
ステップS419において、色分布判定部252は、小空間の総数が前述の所定数Nに達したかどうかを判定する。ここでたとえば、小空間の総数が所定数Nに達していない場合(S419:NO)、色分布判定部252は、処理をステップS413へ戻す。一方、小空間の総数が前述の所定数Nに達した場合は(S419:YES)、色分布判定部252は、処理をステップS421へ進める。
【0182】
ステップS421において、色分布判定部252は、前述のステップS415と同様、R,GおよびBのいずれの成分値に拘らず、当該成分値の最大値と最小値との相互差(=最大値-最小値)が最大である小空間を特定し、つまり最も長い辺を持つ小空間を特定する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS423へ進める。
【0183】
ステップS423において、色分布判定部252は、ステップS421で特定された小空間における前述の相互差(=最大値-最小値)が所定の閾値TH9よりも小さいかどうかを判定し、つまり当該小空間の最も長い辺の長さが所定の閾値TH9よりも短いかどうかを判定する。ここでたとえば、相互差(=最大値-最小値)が所定の閾値TH4よりも小さい場合、つまり最も長い辺を持つ小空間の当該最も長い辺の長さが所定の閾値TH4よりも短い場合(S423:YES)、色分布判定部252は、処理をステップS425へ進める。一方、相互差(=最大値-最小値)が所定の閾値TH9以上である場合、つまり最も長い辺を持つ小空間の当該最も長い辺の長さが所定の閾値TH9以上である場合は(S43:NO)、色分布判定部252は、処理を後述するステップS427へ進める。
【0184】
ステップS425において、色分布判定部252は、第1条件が満足される、と判定する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS429へ進める。
【0185】
これに対して、色分布判定部252は、前述のステップS423からステップS427へ処理を進めた場合、当該ステップS427において、第1条件が満足されない、と判定する。そして、色分布判定部252は、処理をステップS429へ進める。
【0186】
ステップS429において、色分布判定部252は、ステップS425またはステップS427における判定結果を表す第1判定信号Seを出力する。これをもって、色分布判定部252は、一連の色分布判定処理を終了する。
【0187】
なお、写真判定部254については、第1実施例(
図10および
図11参照)と同様の要領で、写真判定処理を行う。ただし、本第2実施例においては、R,GおよびBそれぞれの成分値から輝度値(L値)が求められた上で、写真判定処理が行われてもよいし、当該輝度値に代えて、たとえばG値が適用されてもよい。
【0188】
また、白下地判定部256についても、第1実施例(
図12参照)と同様の要領で、白下地判定処理を行う。ただし、本第2実施例においては、平滑化処理後の画素データ(注目画素)の各相対差|R-G|,|G-B|および|B-R|がいずれも前述の閾値TH8以下であるかどうかに基づいて、当該画素データの画素値が無彩色空間410に属するがどうかの判定が行われる。そして、画素値が無彩色空間410に属すると判定された画素データについて、その輝度値と、所定の閾値TH1と、が比較され、ひいては白下地領域画素データであるかどうかの判定が行われる。これに際して、画像データの画素値のR,GおよびBそれぞれの成分値から輝度値が求められてもよいし、当該輝度値に代えて、たとえばG値が適用されてもよい。
【0189】
このように、本第2実施例によれば、とりわけ色分布判定部252によれば、RGB色空間400において、判定用の減色処理が行われ、ひいては当該判定用の減色処理を含む色分布判定処理が行われる。このような本第2実施例によっても、第1実施例と同様、インデックスカラー処理およびフルカラー処理のいずれを実行するのが適当であるのかを、適切に判定することができる。
【0190】
特に、本第2実施例においては、第1実施例におけるような色変換部250が設けられないので、つまり入力画像データDjとしてのRGB画像データをLC1C2形式の画像データDj’に変換するための色変換処理が行われないため、色数変換判定部200全体としての処理を簡素化することができる。要するに、本第2実施例によれば、第1実施例に比べて、処理のパフォーマンスの点で、有利である。なお、判定精度の点では、第1実施例の方が、第2実施例に比べて、有利である。
【0191】
また、本第2実施例においても、色分布度合の導出を担う色分布判定部252は、前述の如く判定用の減色処理を行い、これに際して、画像データDjの座標空間であるRGB色空間400を1つの無彩色空間410と8つの有彩色空間420,420,…とに分割するが、これに限らない。たとえば、色分布判定部252は、一般的な中央値分割法による減色処理に要領と同様に、RGB色空間400を分割せずに、当該中央値分割法による減色処理を行ってもよい。ただし、前述の如くRGB色空間400を1つの無彩色空間410と8つの有彩色空間420,420,…とに分割した上で、中央値分割法による減色処理を行うことにより、適切なインデックスカラー(代表色)を求めることができ、ひいては適切な色分布度合を導出することができる。
【0192】
なお、有彩色空間430が8つに等分されることによって、8つの有彩色空間420,420,…が規定されたが、これに限らない。すなわち、有彩色空間430は、等分ではなく、不均等に分割されてもよいし、そのために、当該有彩色空間430の分割数や分割位置などは、任意に定められてもよいし、さらには、当該有彩色空間430は、分割(細分化)されなくてもよい。
【0193】
また、本第2実施例においても、色数変換処理部216による圧縮用の減色処理について、色分布判定部252による判定用の減色処理と同様に、1つの無彩色空間と、1または複数の有彩色空間と、に分割された上で、当該減色処理が行われてもよい。これにより、色数変換処理部216による圧縮用の減色処理についても、より適切なインデックスカラーを求めることができるようになり、ひいては画質の劣化をより抑えることができるようになる。
【0194】
本第2実施例における色分布判定部252もまた、とりわけ色分布判定処理(
図16および
図17参照)におけるステップS401からステップS421までを実行する色分布判定部252もまた、本発明に係る色分布度合導出手段の一例である。特に、色分布判定処理におけるステップS401からステップS419までを実行する色分布判定部252は、本発明に係る判定用減色手段の一例である。そして、色分布判定処理におけるステップS421を実行する色分布判定部252は、厳密にはステップS421における前述の相互差(=最大値-最小値)を導出する、換言すれば最も長い辺を持つ小空間の当該最も長い辺の長さを導出する、色分布判定部252は、本発明に係る色分布度合導出実行手段の一例である。加えて、色分布判定処理におけるステップS423からステップS429までを実行する色分布判定部252もまた、本発明に係る判定手段の一例を構成する。
【0195】
[第3実施例]
次に、本発明の第3実施例について、説明する。
【0196】
本第3実施例においては、色数変換判定部200が、
図18に示される如く構成される。すなわち、本第3実施例においては、たとえば第1実施例における白下地判定部256に代えて、色均一判定部260が設けられる。本第3実施例におけるこれ以外の部分は、第1実施例と同様である。したがって、本第3実施例における第1実施例と同様の部分については、第1実施例と同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0197】
本第3実施例における色均一判定部260は、画像処理部14への入力画像データDiに含まれる全ての画素データのうち、画素値が均一であると見なすことのできる領域、言わば色均一領域、を構成する色均一領域画素データの割合である色均一領域率を導出する。ここで言う色均一領域には、白下地領域が含まれる。また、当該色均一領域には、色下地領域やベタ塗された領域なども含まれる。そして、色均一判定部260は、色均一領域率が所定の閾値TH11よりも大きい場合に、第3条件が満足される、と判定する。すなわち、色均一判定部260は、所定の閾値TH11を、第3基準値として取り扱う。そして、色均一判定部260は、色均一領域率が所定の閾値TH11よりも大きいかどうかに基づいて、第3条件が満足されるかどうかを判定する。なお、所定の閾値TH11は、実験などの経験により適宜に定められ、たとえば60%である。
【0198】
具体的には、色均一判定部260は、画像データDj’に含まれるそれぞれの画素データについて、厳密には当該画素データを注目画素データとして含むp×q(pおよびqは、いずれも2以上の整数である。)個の画素データの一群である色均一判定用ブロックについて、平滑化処理を施す。なお、p×pは、たとえば3×3(つまりp=3およびq=3)または5×5(つまりp=5およびq=5)である。
【0199】
そして、色均一判定部260は、それぞれの色均一判定用ブロックごとに、平滑化処理後の画素データのL,C1およびC2それぞれの成分値について、最大値および最小値を抽出し、当該最大値および最小値の相互差(=最大値-最小値)を算出する。さらに、色均一判定部260は、L,C1およびC2それぞれの相互差と、所定の閾値TH10と、を比較する。
【0200】
ここでたとえば、L,C1およびC2それぞれの相互差が、いずれも所定の閾値TH10以下である場合、色均一判定部260は、色均一判定用ブロック内の全ての画素データの画素値は均一である、と判定する。そして、色均一判定部260は、色均一判定用ブロック内の注目画素データを、色均一領域画素データの候補として取り扱う。その上で、色均一判定部260は、L,C1およびC2それぞれの成分値ごとに、色均一判定用ブロック内における平均値を算出する。加えて、色均一判定部260は、L,C1およびC2それぞれの成分値ごとに、平均値を量子化し、詳しくは当該平均値のビット数(8ビット)を右側へ所定ビット、たとえば3ビット、シフトさせ、つまり下位3ビットを捨てる。このように量子化されることで、これ以降の処理が簡素化される。そして、色均一判定部260は、注目画素データを、量子化されたL,C1およびC2それぞれの成分値(量子化値)を持つ色均一領域画素データ候補として、カウントする。このカウント値(頻度)は、
図19に示されるように、色均一判定部260に設けられた色均一カウントテーブル500に記憶される。
【0201】
なお、
図19に示される色均一カウントテーブル500によれば、L,C1およびC2の量子化値として、それぞれ『31』,『16』および『16』という値を持つ色均一領域画素データ候補の数は、『300000』である。そして、L,C1およびC2の量子化値として、それぞれ『31』,『16』および『25』という色均一領域画素データ候補の数は、『50000』である。この
図19に示される色均一カウントテーブル500の内容は、飽くまでも一例である。
【0202】
これに対して、L,C1およびC2それぞれの相互差の少なくともいずれかが、所定の閾値TH10よりも大きい場合は、色均一判定部260は、色均一判定用ブロック内の全ての画素データの画素値は均一ではない、と判定する。たとえば、色均一判定用ブロックが色下地領域やベタ塗された領域を構成するとしても、色ムラがある場合には、当該色均一判定用ブロック内の全ての画素データの画素値は均一ではない、と判断される。この場合は、色均一判定部260は、注目画素データを色均一領域画素データ候補としてカウントしない。
【0203】
このような要領で、色均一判定部260は、画像データDj’に含まれる全ての画素データについて、色均一領域画素データ候補であるかどうかを判定し、当該色均一領域画素データ候補である場合には、そのカウント値を色均一カウントテーブル500に記憶する。そして、色均一判定部260は、色均一カウントテーブル500におけるカウント値が所定の閾値TH12以上である色均一領域画素データ候補について、当該候補ではなく、色均一領域画素データとみなす。ここで言う所定の閾値TH12は、画像データDj’(厳密には入力画像データDi)の大きさに応じて適宜に設定される。たとえば、
図19に示される色均一カウントテーブル500において、前述の所定の閾値TH12が『10000』である、とすると、L,C1およびC2の量子化値として、それぞれ『31』,『16』および『16』という値を持つ色均一領域画素データ候補が、つまり『300000』という数の色均一領域画素データ候補が、色均一領域画素データとみなされる。併せて、L,C1およびC2の量子化値として、それぞれ『31』,『16』および『25』という色均一領域画素データ候補もまた、つまり『50000』という数の色均一領域画素データ候補もまた、色均一領域画素データとみなされる。
【0204】
さらに、色均一判定部260は、画像データDj’に含まれる全ての画素データの数に対する色均一領域画素データの数(カウント値)の割合を、色均一領域率として導出する。たとえば、
図19に示される色均一カウントテーブル500において、前述の如く所定の閾値TH12が『10000』である、とすると、色均一領域画素データの数は、全部で『350000(=300000+50000)』となる。
【0205】
そして、色均一判定部260は、色均一領域率と、所定の閾値TH11と、を比較する。ここでたとえば、色均一領域率が所定の閾値TH11よりも大きい、とする。この場合、色均一判定部260は、画像データDj’における色均一領域の割合が比較的に大きい、と認識する。そして、色均一判定部260は、このような画像データDj’(厳密には入力画像データDi)については、インデックスカラー処理が実行されることによって、高い圧縮率が得られる、と判断する。このことをもって、色均一判定部260は、第3条件が満足される、と判定する。
【0206】
一方、色均一領域率が所定の閾値TH11以下である、とする。この場合、色均一判定部260は、画像データDj’における色均一領域の割合が比較的に小さい、換言すれば画素値が均一であるとみなすことのできる領域が比較的に小さい、と認識する。そして、色均一判定部260は、このような画像データDj’(厳密には入力画像データDi)については、インデックスカラー処理が実行されると、高い圧縮率が得られない、と判断する。このことをもって、色均一判定部260は、第3条件が満足されない、と判定する。
【0207】
色均一判定部260は、自身による判定結果を表す第3判定信号Sgを出力する。そして、第3判定信号Sgは、最終判定部258に入力される。
【0208】
この色均一判定部260による一連の処理、言わば色均一判定処理、の流れを図示すると、
図20のようになる。
【0209】
この色均一判定処理によれば、色均一判定部260は、まず、ステップS501において、画像データDj’に含まれる最初(先頭)の画素データに注目し、つまり当該画像データDj’に基づく画像の最初の注目画素を特定する。そして、色均一判定部260は、処理をステップS503へ進める。
【0210】
ステップS503において、色均一判定部260は、注目画素について、厳密には注目画素を含む前述の色均一判定用ブロックについて、平滑化処理を施す。そして、色均一判定部260は、処理をステップS505へ進める。
【0211】
ステップS505において、色均一判定部260は、色均一判定用ブロック内における平滑化処理後の画素データのL,C1およびC2それぞれの成分値について、最大値および最小値を抽出し、当該最大値および最小値の相互差(=最大値-最小値)を算出する。そして、色均一判定部260は、L,C1およびC2それぞれの相互差と、所定の閾値TH10と、を比較する。ここでたとえば、L,C1およびC2それぞれの相互差が、いずれも所定の閾値TH10以下である場合(S505:YES)、色均一判定部260は、処理をステップS507へ進める。一方、L,C1およびC2それぞれの相互差の少なくともいずれかが、所定の閾値TH10よりも大きい場合は(S505:NO)、色均一判定部260は、処理を後述するステップS513へ進める。
【0212】
ステップS507において、色均一判定部260は、平滑化処理後のL,C1およびC2それぞれの成分値ごとに、色均一判定用ブロック内における平均値を算出する。そして、色均一判定部260は、処理をステップS509へ進める。
【0213】
ステップS509において、色均一判定部260は、L,C1およびC2それぞれの成分値ごとに、平均値を量子化し、つまり前述の如く下位3ビットを捨てる。そして、色均一判定部260は、処理をステップS511へ進める。
【0214】
ステップS511において、色均一判定部260は、注目画素データを色均一領域画素データ候補としてカウントし、つまりそのカウント値を色均一カウントテーブル500(
図19参照)における対応箇所に記憶する。そして、色均一判定部260は、処理をステップS513へ進める。
【0215】
ステップS513において、色均一判定部260は、画像データDj’に含まれる全ての画素データについて、色均一領域画素データ候補であるかどうかを判定するための処理、つまり少なくともステップS503からステップS505の処理、が完了したかどうかを判定する。ここでたとえば、全ての画素データについて、色均一領域画素データ候補であるかどうかを判定するための処理が完了した場合(S513:YES)、色均一判定部260は、処理を後述するステップS517へ進める。一方、全ての画素データについて、色均一領域画素データ候補であるかどうかを判定するための処理が完了していない場合は(S513:NO)、色均一判定部260は、処理をステップS515へ進める。
【0216】
ステップS515において、色均一判定部260は、画像データDj’に含まれる次の注目画素を特定する。そして、色均一判定部260は、処理をステップS503へ戻す。
【0217】
これに対して、色均一判定部260は、前述のステップS513からステップS517へ処理を進めた場合は、当該ステップS517において、色均一領域率を計算する。すなわち、色均一判定部260は、色均一カウントテーブル500におけるカウント値が前述の所定の閾値TH12以上である色均一領域画素データ候補について、当該候補ではなく、色均一領域画素データとみなす。そして、色均一判定部260は、画像データDj’に含まれる全ての画素データの数に対する色均一領域画素データの数(カウント値)の割合を、色均一領域率として導出する。その上で、色均一判定部260は、処理をステップS519へ進める。
【0218】
ステップS519において、色均一判定部260は、ステップS517で導出された色均一領域率と、所定の閾値TH11と、を比較する。ここでたとえば、色均一領域率が所定の閾値TH11よりも大きい場合(S519:YES)、色均一判定部260は、処理をステップS521へ進める。一方、色均一領域率が所定の閾値TH11以下である場合(S519:NO)は、色均一判定部260は、処理をステップS523へ進める。
【0219】
ステップS521において、色均一判定部260は、第3条件が満足される、と判定する。そして、色均一判定部260は、処理をステップS5257へ進める。
【0220】
これに対して、色均一判定部260は、前述のステップS519からステップS523へ処理を進めた場合、当該ステップS523において、第3条件が満足されない、と判定する。そして、色均一判定部260は、処理をステップS525へ進める。
【0221】
ステップS525において、色均一判定部260は、ステップS521またはステップS523における判定結果を表す第3判定信号Sgを出力する。これをもって、色均一判定部260は、一連の色均一判定処理を終了する。
【0222】
このように、本第3実施例によれば、とりわけ色均一判定部260によれば、入力画像データDiに基づく画像のうち、白下地領域のみならず、色下地領域やベタ塗された領域を含む色均一領域の割合が、第3条件が満足されるかどうかの判定基準とされ、ひいてはインデックスカラー処理およびフルカラー処理のいずれを実行するのが適当であるのかの判定基準の1つとされる。このような本第3実施例によっても、第1実施例と同様、インデックスカラー処理およびフルカラー処理のいずれを実行するのが適当であるのかを、適切に判定することができる。
【0223】
なお、本第3実施例においては、第1実施例における白下地判定部256に代えて、色均一判定部260が設けられたが、第2実施例における白下地判定部256に代えて、色均一判定部260が設けられてもよい。この場合は、LC1C2形式の画像データDj’ではなく、RGB形式の画像データDiについて、色均一判定処理が行われる。
【0224】
本第3実施例における色均一判定部260もまた、とりわけ色均一判定処理(
図20参照)におけるステップS501からステップS517を実行する色均一判定部260もまた、本発明に係る色均一領域率導出手段の一例である。特に、色均一判定処理におけるステップS501からステップS515を実行する色均一判定部260は、本発明に係る特定手段の一例である。そして、色均一判定処理におけるステップS517を実行する色均一判定部260は、本発明に係る色均一領域率導出実行手段の一例である。さらに、色均一判定処理におけるステップS519からステップS525を実行する色均一判定部260もまた、本発明に係る判定手段の一例を構成する。
【0225】
[その他の適用例]
以上の各実施例は、本発明の具体例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。これら各実施例以外の局面にも、本発明を適用することができる。
【0226】
たとえば、色分布判定部252による色分布判定処理、写真判定部254による写真判定処理、白下地判定部256による白下地判定処理、および、色均一判定部260による色均一判定処理について、各実施例で説明した要領に限らず、これら以外の要領により行われてもよい。
【0227】
また、可逆圧縮方式による圧縮処理として、たとえばDeflate方式による圧縮処理が採用されることとしたが、当該Deflate方式以外の方式による圧縮処理が採用されてもよい。非可逆方式による圧縮処理についても、たとえばJPEG方式による圧縮処理が採用されることとしたが、当該JPEG方式以外の方式による圧縮処理が採用されてもよい。
【0228】
併せて、画像処理部14の圧縮処理部220による圧縮処理後の画像データDaについては、その圧縮方式に拘らず、PDFファイルに整形されたが、これに限らない。たとえば、PDFファイルではなく、TIFFファイルに整形されてもよい。あるいは、Deflate方式による圧縮処理後の画像データDaについては、PNGファイルに整形されてもよい。そして、JPEG方式による圧縮処理後の画像データDaについては、JPEGファイルに整形されてもよい。
【0229】
さらに、LC1C2形式の画像データとして、LAB形式の画像データを例示したが、これに限らない。たとえば、XYZ形式、CIELUV形式、CIELCH形式などの当該LAB形式以外の画像データが採用される場合にも、本発明を適用することができる。
【0230】
そしてたとえば、第1実施例においては、
図4に示されるように、色数変換判定部200における色分布判定部252と写真判定部254と白下地判定部256とが並列に設けられる構成とされたが、これらは直列に設けられる構成とされてもよい。すなわち、色分布判定部252による色分布判定処理と、写真判定部254による写真判定処理と、白下地判定部256による白下地判定処理と、が順次行われる構成とされてもよい。このことは、第2実施例(
図14参照)および第3実施例(
図18参照)についても、同様である。
【0231】
加えて、各実施例においては、複合機10に本発明が適用される例を説明したが、これに限らない。たとえば、イメージスキャナ専用の画像読取装置にも当然に、本発明を適用することができる。極端には、自動判別機能のみを有する画像処理装置にも、本発明を適用することができる。
【0232】
さらに、本発明は、画像処理装置という装置の形態に限らず、画像処理プログラムというプログラムの形態、および、画像処理方法という方法の形態によっても、提供することができる。
【0233】
また、本発明は、画像処理プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体という形態によっても、提供することができる。この場合、記録媒体に記録された画像処理プログラムがコンピュータにより読み取られ、当該コンピュータにより実行されることで、本発明と同様の画像形成装置が実現される。ここで言う記録媒体としては、USBメモリやSDメモリカードなどの半導体メディア、あるいは、CDやDVDなどのディスクメディアがある。また、可搬型の媒体ではなく、ROMやハードディスクドライブなどのような画像形成装置(コンピュータシステム)に組み込まれる組込み型(内蔵型)の媒体もまた、ここで言う記録媒体として適用可能である。
【符号の説明】
【0234】
10 … 複合機
12 … 画像読取部
14 … 画像処理部
18 … 制御部
18a … CPU
18b … 主記憶部