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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】電源システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20241002BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241002BHJP
   B60R 16/033 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H02J1/00 306L
H02J7/00 302C
H02J7/00 P
B60R16/033 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021111062
(22)【出願日】2021-07-02
(65)【公開番号】P2023007922
(43)【公開日】2023-01-19
【審査請求日】2023-10-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100175134
【弁理士】
【氏名又は名称】北 裕介
(72)【発明者】
【氏名】山本 康平
(72)【発明者】
【氏名】上月 保典
【審査官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-182936(JP,A)
【文献】特開2017-218013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00
H02J 7/00
B60R 16/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源(10)から第1通電経路(LA1)を介して電気負荷(34,36)に電力を供給する第1系統(ES1)と、
第2電源(16)から第2通電経路(LA2)を介して前記電気負荷に電力を供給する第2系統(ES2)と、
前記第1通電経路と前記第2通電経路とを接続する接続経路(LB)に設けられた系統間スイッチ(SWA)と、を有する電源システム(100)であって、
前記第1電源は、前記電気負荷の駆動を可能にする電源電圧を出力し、
前記第2電源は、前記第1電源の電源電圧により充電可能な蓄電装置(16)を含み、
前記第2系統における前記接続経路との接続点(PB)と前記第2電源との間において互いに並列に設けられた第1経路(LC1)及び第2経路(LC2)と、
前記第1経路に設けられた第1スイッチ(SWB)と、
前記第2経路において直列に設けられた電圧変換回路(26)及び第2スイッチ(SWC,SWD)と、
前記系統間スイッチを閉鎖するとともに、前記第1スイッチを開放しかつ前記第2スイッチを閉鎖した状態で、前記電圧変換回路により前記第1電源の電源電圧を昇圧し、前記蓄電装置を前記電源電圧よりも高い電圧に充電する充電制御部と
前記充電制御部による充電が完了した状態で、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを開放状態とするスイッチ制御部と
を備える電源システム。
【請求項2】
前記第2スイッチは、前記電圧変換回路よりも前記第2電源側に設けられた電源側スイッチ(SWC)と、前記電圧変換回路よりも前記接続点側に設けられた反電源側スイッチ(SWD)とを含む、請求項1に記載の電源システム。
【請求項3】
前記電源側スイッチ及び前記反電源側スイッチは、寄生ダイオードを有する半導体スイッチング素子であり、
前記電源側スイッチは、その電源側スイッチの前記寄生ダイオードの順方向が、前記電圧変換回路から前記蓄電装置に向かう方向となるように接続されており、
前記反電源側スイッチは、その反電源側スイッチの前記寄生ダイオードの順方向が、前記電圧変換回路から前記接続点に向かう方向となるように接続されている、請求項2に記載の電源システム。
【請求項4】
前記第1電源及び前記第2電源のうち前記第1電源による前記電気負荷への電力供給を行わせる場合に、前記系統間スイッチを閉鎖するとともに前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを開放する一方、前記第2電源による前記電気負荷への電力供給を行わせる場合に、前記系統間スイッチ及び前記第2スイッチを開放するとともに前記第1スイッチを閉鎖する電力供給制御部を備える請求項1~3のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項5】
前記電力供給制御部は、前記第2電源による前記電気負荷への電力供給時において前記蓄電装置の電圧が所定の閾値よりも低下した場合に、前記第1スイッチを閉鎖しかつ前記第2スイッチを開放した第1状態から、前記第1スイッチを開放しかつ前記第2スイッチを閉鎖するとともに、前記電圧変換回路により前記蓄電装置の電圧を昇圧させる第2状態に移行させる、請求項4に記載の電源システム。
【請求項6】
前記電力供給制御部は、前記第2電源による前記電気負荷への電力供給時において前記第1状態から前記第2状態に移行させる際に、前記第1スイッチを開放した後に前記第2スイッチを閉鎖する、請求項5に記載の電源システム。
【請求項7】
システム停止状態で前記電気負荷に対して暗電流を供給する電源システムであって、
前記システム停止状態において、前記第1スイッチを閉鎖しかつ前記第2スイッチを開放し、前記蓄電装置による暗電流供給を行わせる暗電流供給部を備える請求項1~6のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項8】
前記暗電流供給部は、
システム停止状態において、前記蓄電装置の電圧が前記第1電源の電源電圧まで低下する以前は、前記系統間スイッチを開放した状態で前記蓄電装置による暗電流供給を行わせ、前記蓄電装置の電圧が前記第1電源の電源電圧よりも低下した後は、前記系統間スイッチを閉鎖した状態で前記蓄電装置による暗電流供給を行わせ、又は、前記系統間スイッチを閉鎖し、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを開放した状態で前記蓄電装置による暗電流供給を停止させる、請求項7に記載の電源システム。
【請求項9】
システム停止状態において、前記蓄電装置の電圧が、前記第1電源の電源電圧よりも低い第1閾値とその第1閾値よりも低い第2閾値との間の第1電圧範囲まで低下したこと、及び前記蓄電装置の電圧が、前記第2閾値以下となる第2電圧範囲まで低下したことを判定する電圧判定部と
システム停止状態において、前記電圧判定部により前記蓄電装置の電圧が前記第1電圧範囲まで低下したと判定された場合に、前記系統間スイッチ及び前記第1スイッチを閉鎖するとともに前記第2スイッチを開放した状態で、前記第1電源により前記蓄電装置を充電し、前記電圧判定部により前記蓄電装置の電圧が前記第2電圧範囲まで低下したと判定された場合に、前記系統間スイッチ及び前記第2スイッチを閉鎖するとともに前記第1スイッチを開放した状態で、前記電圧変換回路により前記蓄電装置を充電する停止時制御部と
を備える請求項1~8のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項10】
車両に搭載された電源システムであって、
前記電気負荷は、前記車両において運転に必要な少なくとも1つの機能を実施する負荷であって、かつ前記車両の運転支援機能を実施する負荷であり、
前記車両は、前記運転支援機能を用いる第1モードによる走行と、前記運転支援機能を用いない第2モードによる走行が可能であり、
前記第1モードでの車両走行時に、前記系統間スイッチを閉鎖して前記第1電源による前記電気負荷への電力供給を行わせる一方、前記第1モードでの車両走行時に前記第1系統で異常が発生した場合に、前記系統間スイッチを開放して前記第2電源による前記電気負荷への電力供給に切り替える制御切替部と
前記充電制御部による充電が完了したことを条件に、前記車両の走行モードを前記第2モードから前記第1モードでの車両走行に切り替えることを許可する許可部と、を備える請求項1~9のいずれか一項に記載の電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電源システムとして、電気負荷への電力供給に冗長さを付与すべく、複数の電力系統で電力供給を行うようにした構成が提案されている。例えば、車両は、車両の運転に必要な機能を実施する電気負荷として電動ブレーキ装置や電動ステアリング装置などを備えており、車両の運転時に、電源失陥によりそれら電気負荷の機能が失われると、車両運転の継続に支障が及ぶことが懸念される。そこで、車両の運転中における異常発生時でも、各電気負荷の機能が失われないようにするために、電気負荷に電力を供給する電源として第1電源及び第2電源を有する装置が知られている。
【0003】
例えば特許文献1では、1機能を実施する電気負荷として第1負荷及び第2負荷を有し、第1負荷に接続された第1電源を含む第1系統と、第2負荷に接続された第2電源を含む第2系統と、を有する電源システムが開示されている。この電源システムでは、各系統を接続する接続経路に系統間スイッチが設けられており、系統間スイッチは、コントローラにより一方の系統で異常が発生したと判定された場合に開放される。これにより、異常が発生していない他方の系統の電気負荷により車両の運転に必要な機能を確保し、車両の運転を継続することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-62727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記電源システムにおいて、第2系統の第2電源としてバックアップ用の蓄電池を具備する構成が考えられる。この場合、コスト低減のために蓄電池の小容量化が求められているが、その実現を図るには技術的な改善を要すると考えられる。例えば、仮に容量が小さい蓄電池を用いた場合には、容量が大きい蓄電池に比べて蓄電池の内部抵抗が大きくなるため、蓄電池からの電力供給開始時における蓄電池の電圧が低下しやすく、電気負荷の作動が不適正になることが懸念される。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の電源系統を有する電源システムにおいて電気負荷への電力供給を適正に実施することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の手段は、第1電源から第1通電経路を介して電気負荷に電力を供給する第1系統と、第2電源から第2通電経路を介して前記電気負荷に電力を供給する第2系統と、前記第1通電経路と前記第2通電経路とを接続する接続経路に設けられた系統間スイッチと、を有する電源システムであって、前記第1電源は、前記電気負荷の駆動を可能にする電源電圧を出力し、前記第2電源は、前記第1電源の電源電圧により充電可能な蓄電装置を含み、前記第2系統における前記接続経路との接続点と前記第2電源との間において互いに並列に設けられた第1経路及び第2経路と、前記第1経路に設けられた第1スイッチと、前記第2経路において直列に設けられた電圧変換回路及び第2スイッチと、前記系統間スイッチを閉鎖するとともに、前記第1スイッチを開放しかつ前記第2スイッチを閉鎖した状態で、前記電圧変換回路により前記第1電源の電源電圧を昇圧し、前記蓄電装置を前記電源電圧よりも高い電圧に充電する充電制御部と、前記充電制御部による充電が完了した状態で、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを開放状態とするスイッチ制御部と、を備える。
【0008】
上記構成によれば、電気負荷に対して2系統による電力供給が可能となっており、例えばいずれか一方の系統で異常が発生した場合には、系統間スイッチの開放により、異常が発生していない側の系統での電力供給により電気負荷の駆動が可能となっている。また、第2電源を有する第2系統において、第1通電経路及び第2通電経路の間の接続経路との接続点と第2電源との間に第1経路及び第2経路を並列に設けるとともに、第1経路に第1スイッチを設け、第2経路に電圧変換回路及び第2スイッチを直列に設ける構成とした。そして、系統間スイッチを閉鎖するとともに、第1スイッチを開放しかつ第2スイッチを閉鎖した状態で、電圧変換回路により第1電源の電源電圧を昇圧して、蓄電装置を電源電圧よりも高い電圧に充電するようにした。また、蓄電装置の充電が完了した状態で、第1スイッチ及び第2スイッチを開放状態とするようにした。
【0009】
この場合、蓄電装置に、電圧変換回路により第1電源の電源電圧よりも高い電圧が充電されることにより、蓄電装置が比較的容量の小さい蓄電装置であっても、その蓄電装置をバックアップ用蓄電装置として適正に用いることができる。また、電圧変換回路に直列に第2スイッチが設けられており、第2スイッチを開放状態にすることで蓄電装置からの不要な放電が規制される。そのため、仮に容量の小さい蓄電装置を用いた場合であっても、所望の電力供給が可能となる。以上により、複数の電源系統を有する電源システムにおいて電気負荷への電力供給を適正に実施することができる。
【0010】
第2の手段では、前記第2スイッチは、前記電圧変換回路よりも前記第2電源側に設けられた電源側スイッチと、前記電圧変換回路よりも前記接続点側に設けられた反電源側スイッチとを含む。
【0011】
上記構成によれば、電源側及び反電源側の各スイッチを開放することで、例えば電圧変換回路において地絡等の異常が生じた場合に、電圧変換回路をいずれの電源からも切り離すことができる。
【0012】
第3の手段では、前記電源側スイッチ及び前記反電源側スイッチは、寄生ダイオードを有する半導体スイッチング素子であり、前記電源側スイッチは、その前記寄生ダイオードの順方向が、前記電圧変換回路から前記蓄電装置に向かう方向となるように接続されており、前記反電源側スイッチは、その前記寄生ダイオードの順方向が、前記電圧変換回路から前記接続点に向かう方向となるように接続されている。
【0013】
上記構成によれば、電源側スイッチ及び反電源側スイッチが半導体スイッチング素子により構成されることで、リレースイッチにより構成される場合に比べてコストを削減することができる。また、電源側スイッチと反電源側スイッチとは、それらの寄生ダイオードの順方向が、互いに逆方向となるように接続されているため、寄生ダイオードを介して暗電流が流れることを抑制することができる。さらに、電源側スイッチは、その寄生ダイオードの順方向が、電圧変換回路から蓄電装置に向かう方向となるように接続されており、反電源側スイッチは、その寄生ダイオードの順方向が、電圧変換回路から接続点に向かう方向となるように接続されているため、例えば電圧変換回路が地絡した場合でも、寄生ダイオードを介した不要な放電や電力供給を規制することができる。
【0014】
第4の手段では、前記第1電源及び前記第2電源のうち前記第1電源による前記電気負荷への電力供給を行わせる場合に、前記系統間スイッチを閉鎖するとともに前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを開放する一方、前記第2電源による前記電気負荷への電力供給を行わせる場合に、前記系統間スイッチ及び前記第2スイッチを開放するとともに前記第1スイッチを閉鎖する電力供給制御部を備える。
【0015】
上記構成では、第1電源及び第2電源のうちいずれの電源から電気負荷へ電力供給を行うかに基づいて、系統間スイッチと第1スイッチと第2スイッチとを連携させて各々開閉させるようにした。これにより、第1電源から電気負荷への電力供給、及び第2電源から電気負荷への電力供給を適正に実施することができる。
【0016】
第5の手段では、前記電力供給制御部は、前記第2電源による前記電気負荷への電力供給時において前記蓄電装置の電圧が所定の閾値よりも低下した場合に、前記第1スイッチを閉鎖しかつ前記第2スイッチを開放した第1状態から、前記第1スイッチを開放しかつ前記第2スイッチを閉鎖するとともに、前記電圧変換回路により前記蓄電装置の電圧を昇圧させる第2状態に移行させる。
【0017】
上記構成では、第2電源の蓄電装置による電力供給により蓄電装置の電圧が閾値よりも低下した場合に、蓄電装置から電気負荷に直接的に電力を供給する状態(第1状態)から、蓄電装置の電圧を電圧変換回路により昇圧して電気負荷に電力を供給する状態(第2状態)に移行させるようにした。これにより、蓄電装置の電圧が閾値よりも低下した場合でも、電気負荷に対する適正な電力供給を継続することができる。また、仮に容量の小さい蓄電装置を用いた場合であっても、蓄電装置の電力の使い切りを図りつつ、電気負荷の駆動期間を長引かせることができる。
【0018】
第6の手段では、前記電力供給制御部は、前記第2電源による前記電気負荷への電力供給時において前記第1状態から前記第2状態に移行させる際に、前記第1スイッチを開放した後に前記第2スイッチを閉鎖する。
【0019】
第2電源による電力供給時に蓄電装置の電圧が閾値よりも低下したと判定された場合には、第1スイッチの開放と第2スイッチの閉鎖とが行われ、電圧変換回路による蓄電装置の電圧の昇圧が行われる状態になるが、この場合に、第2スイッチの閉鎖が先になり、第1スイッチの開放が後になると、電圧変換回路の接続点側の電圧が第2電源側の電圧よりも高くなり、電圧変換回路の動作が不安定となるおそれがある。その点、上記構成では、第1スイッチを開放した後に第2スイッチを閉鎖するようにしたため、電圧変換回路を正常に動作させることができる。
【0020】
第7の手段では、システム停止状態で前記電気負荷に対して暗電流を供給する電源システムであって、前記システム停止状態において、前記第1スイッチを閉鎖しかつ前記第2スイッチを開放し、前記蓄電装置による暗電流供給を行わせる暗電流供給部を備える。
【0021】
第2電源の蓄電装置に第1電源の電源電圧よりも高い電圧が充電された状態で、電源システムが停止状態になると、そのシステム停止状態において、蓄電装置が高SOC状態で維持され、それに起因する蓄電装置の劣化が懸念される。その点、上記構成では、システム停止状態において、電気負荷に対して蓄電装置による暗電流供給を行わせるようにしたため、蓄電装置に蓄えられた電力を有効に活用しつつ蓄電装置の劣化を抑制することができる。
【0022】
第8の手段では、前記暗電流供給部は、システム停止状態において、前記蓄電装置の電圧が前記第1電源の電源電圧まで低下する以前は、前記系統間スイッチを開放した状態で前記蓄電装置による暗電流供給を行わせ、前記蓄電装置の電圧が前記第1電源の電源電圧よりも低下した後は、前記系統間スイッチを閉鎖した状態で前記蓄電装置による暗電流供給を行わせ、又は、前記系統間スイッチを閉鎖し、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを開放した状態で前記蓄電装置による暗電流供給を停止させる。
【0023】
システム停止状態において、第2電源の蓄電装置の電圧が第1電源の電源電圧まで低下する以前は、系統間スイッチが開放されることで、蓄電装置から第1電源に直流電流が流れることを抑制しつつ、電気負荷に対して蓄電装置による暗電流供給を行わせることができる。蓄電装置による暗電流供給が行われることで、蓄電装置の電圧が低下する。仮に容量の小さい蓄電装置を用いた場合には、蓄電装置の電圧は、第1電源の電圧よりも速く低下し、蓄電装置の電圧は第1電源の電源電圧まで低下するが、この場合に、系統間スイッチが開放された状態で蓄電装置による暗電流供給が継続されると、蓄電装置の電圧が過度に低下することが懸念される。この点、第2電源の蓄電装置の電圧が第1電源の電源電圧よりも低下した後は、系統間スイッチが閉鎖されることで、又は、系統間スイッチが閉鎖されて蓄電装置による暗電流供給が停止されることで、電気負荷に対する暗電流供給を継続しつつ、蓄電装置の電圧が過度に低下することを抑制することができる。
【0024】
第9の手段では、システム停止状態において、前記蓄電装置の電圧が、前記第1電源の電源電圧よりも低い第1閾値とその第1閾値よりも低い第2閾値との間の第1電圧範囲まで低下したこと、及び前記蓄電装置の電圧が、前記第2閾値以下となる第2電圧範囲まで低下したことを判定する電圧判定部と、システム停止状態において、前記電圧判定部により前記蓄電装置の電圧が前記第1電圧範囲まで低下したと判定された場合に、前記系統間スイッチ及び前記第1スイッチを閉鎖するとともに前記第2スイッチを開放した状態で、前記第1電源により前記蓄電装置を充電し、前記電圧判定部により前記蓄電装置の電圧が前記第2電圧範囲まで低下したと判定された場合に、前記系統間スイッチ及び前記第2スイッチを閉鎖するとともに前記第1スイッチを開放した状態で、前記電圧変換回路により前記蓄電装置を充電する、停止時制御部と、を備える。
【0025】
システム停止状態において、自然放電等により第2電源の蓄電装置が過放電状態となることがある。この場合、過放電による蓄電装置の劣化を抑制するために、システム停止状態において、第1電源からの電力供給により蓄電装置を充電することが考えられるが、蓄電装置の過放電状態の程度によっては、蓄電装置を充電する際に蓄電装置に突入電流が流れ、蓄電装置が劣化することが懸念される。その点、上記構成では、蓄電装置の電圧が第1電圧範囲まで低下していれば、第1電源からの直接的な電力供給により蓄電装置を充電し、蓄電装置の電圧が第2電圧範囲まで低下していれば、電圧変換回路からの電力供給により蓄電装置を充電するようにした。電圧変換回路を用いることで、蓄電装置を充電する際に充電電圧を段階的に上昇させることができ、蓄電装置の劣化を抑制しつつ蓄電装置を充電することができる。
【0026】
第10の手段では、車両に搭載された電源システムであって、前記電気負荷は、前記車両において運転に必要な少なくとも1つの機能を実施する負荷であって、かつ前記車両の運転支援機能を実施する負荷であり、前記車両は、前記運転支援機能を用いる第1モードによる走行と、前記運転支援機能を用いない第2モードによる走行が可能であり、前記第1モードでの車両走行時に、前記系統間スイッチを閉鎖して前記第1電源による前記電気負荷への電力供給を行わせる一方、前記第1モードでの車両走行時に前記第1系統で異常が発生した場合に、前記系統間スイッチを開放して前記第2電源による前記電気負荷への電力供給に切り替える制御切替部と、前記充電制御部による充電が完了したことを条件に、前記第1モードでの車両走行を許可する許可部と、を備える。
【0027】
運転に必要な機能であって、かつ運転支援機能を実施する電気負荷を有する車両に適用される電源システムにおいて、運転支援機能を用いる第1モードによる走行と、運転支援機能を用いない第2モードによる走行とを切り替え可能なものがある。ここで、第1モードでの車両走行時(運転支援走行時)には、系統間スイッチが閉鎖されて第1電源による電気負荷への電力供給が行われる。また、第1モードでの車両走行時に第1系統で異常が発生した場合には、系統間スイッチが開放されて第2電源による電気負荷への電力供給に切り替えられる。そして、かかる構成において、第2電源の蓄電装置に、第1電源の電源電圧よりも高い電圧が充電されていることを条件に、第1モードでの車両走行を許可するようにした。これにより、第1モードでの車両走行中に万が一、第1系統での異常が生じても、その後の適正なフェイルセーフ処理を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1実施形態における電源システムの全体構成図。
図2】第1実施形態の制御処理の手順を示すフローチャート。
図3】第1実施形態の制御処理の一例を示すタイムチャート。
図4】第1実施形態の第1変形例における電源システムの全体構成図。
図5】第1実施形態の第2変形例における電源システムの全体構成図。
図6】第2実施形態の制御処理の手順を示すフローチャート。
図7】第2実施形態の制御処理の一例を示すタイムチャート。
図8】第3実施形態の放電処理の手順を示すフローチャート。
図9】放電処理の一例を示すタイムチャート。
図10】第3実施形態の変形例における放電処理の手順を示すフローチャート。
図11】充電処理の手順を示すフローチャート。
図12】充電処理の一例を示すタイムチャート。
図13】充電処理の一例を示すタイムチャート。
図14】その他の実施形態における電源システムの全体構成図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る電源システムを車載の電源システム100として具体化した実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0030】
図1に示すように、電源システム100は、一般負荷30及び特定負荷32に電力を供給するシステムである。電源システム100は、第1電源10として高圧蓄電池11と、DCDCコンバータからなる第1コンバータ12と、第1蓄電池13とを備えるとともに、第2電源としての第2蓄電池16を備えている。高圧蓄電池11は、第1蓄電池13及び第2蓄電池16よりも高い定格電圧(例えば数百V)を有しており、例えばリチウムイオン蓄電池である。第1コンバータ12は、高圧蓄電池11から供給される電力を電源電圧VAの電力に変換して、一般負荷30及び特定負荷32に供給する電圧生成部である。本実施形態では、電源電圧VAは、一般負荷30及び特定負荷32の駆動を可能にする電圧である。第1蓄電池13は、例えば鉛蓄電池である。また、第2蓄電池16は、例えばリチウムイオン蓄電池からなる蓄電装置である。
【0031】
一般負荷30は、移動体としての車両において運転制御に用いられない電気負荷(以下、単に負荷)であり、例えばエアコン、オーディオ装置、パワーウィンドウ等である。
【0032】
一方、特定負荷32は、車両の運転制御に用いられる少なくとも1つの機能を実施する負荷であり、例えば車両の操舵を制御する電動パワーステアリング装置50、車輪に制動力を付与する電動ブレーキ装置51、車両周囲の状況を監視する走行制御装置52等である。本実施形態において、特定負荷32が「電気負荷」に相当する。
【0033】
特定負荷32は、機能毎に冗長さが付与された構成となっており、第1負荷34と第2負荷36とを有することで、異常が発生した場合でもその機能の全てが失われないようになっている。具体的には、電動パワーステアリング装置50は、第1ステアリングモータ50Aと第2ステアリングモータ50Bとを有している。電動ブレーキ装置51は、第1ブレーキ装置51Aと第2ブレーキ装置51Bとを有している。走行制御装置52は、カメラ52Aとレーザレーダ52Bとを有している。第1ステアリングモータ50Aと第1ブレーキ装置51Aとカメラ52Aとが、第1負荷34に相当し、第2ステアリングモータ50Bと第2ブレーキ装置51Bとレーザレーダ52Bとが、第2負荷36に相当する。
【0034】
第1負荷34と第2負荷36とは、併せて1つの機能を実現するものであるが、それぞれ単独でもその機能の一部を実現可能なものである。例えば電動パワーステアリング装置50では、第1ステアリングモータ50Aと第2ステアリングモータ50Bとにより車両の自由な操舵が可能であり、操舵速度や操舵範囲等に一定の制限がある中で、各ステアリングモータ50A,50Bにより車両の操舵が可能である。
【0035】
各特定負荷32は、手動運転において、ドライバによる制御を支援する機能を実現する。また、各特定負荷32は、車両の走行や停止などの挙動を自動で制御する自動運転において、自動運転に必要な機能を実現する。そのため、特定負荷32は、車両の運転に必要な少なくとも1つの機能を実施する負荷ともいうことができる。
【0036】
第1電源10には、第1通電経路としての第1系統内経路LA1を介して一般負荷30と第1負荷34とが接続されている。本実施形態では、第1系統内経路LA1により接続された第1電源10、一般負荷30及び第1負荷34により、第1系統ES1が構成されている。
【0037】
また、第2蓄電池16には、第2通電経路としての第2系統内経路LA2を介して第2負荷36と第2蓄電池16とが接続されている。本実施形態では、第2系統内経路LA2により接続された第2蓄電池16及び第2負荷36により、第2系統ES2が構成されている。
【0038】
各系統内経路LA1,LA2は、接続経路LBにより互いに接続されており、その接続経路LBに系統間スイッチSWAが設けられている。接続経路LBの一端は、第1系統内経路LA1の接続点PAに接続され、接続経路LBの他端は、第2系統内経路LA2の接続点PBに接続されている。本実施形態では、系統間スイッチSWAとして、NチャネルMOSFET(以下、単にMOSFET)が用いられている。
【0039】
第2系統ES2における接続経路LBとの接続点PBと第2蓄電池16との間には、互いに並列に設けられた第1経路LC1及び第2経路LC2が設けられている。第1経路LC1には、システムメインリレースイッチ(SMR)としての系統内スイッチSWBが設けられている。本実施形態では、系統内スイッチSWBとしてMOSFETが用いられている。本実施形態において、系統内スイッチSWBが「第1スイッチ」に相当する。
【0040】
また、第2経路LC2には、第2コンバータ26、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが直列に設けられている。本実施形態では、第2コンバータ26は、電源電圧VAを昇圧して第2蓄電池16を充電する昇圧充電機能を有する一方向の電力変換回路である。本実施形態において、第2コンバータ26が「電圧変換回路」に相当する。
【0041】
電池側スイッチSWCは、第2経路LC2において第2コンバータ26よりも第2蓄電池16側に設けられている。負荷側スイッチSWDは、第2経路LC2において第2コンバータ26よりも接続点PB側に設けられている。本実施形態において、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが「第2スイッチ」に相当する。また、電池側スイッチSWCが「電源側スイッチ」に相当し、負荷側スイッチSWDが「反電源側スイッチ」に相当する。
【0042】
接続経路LBには、接続点PAの電圧を検出する第1電圧検出部28が設けられている。また、第2系統内経路LA2には、接続点PBの電圧を検出する第2電圧検出部29が設けられている。
【0043】
制御装置40は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ等からなる周知のマイクロコンピュータを備えている。CPUは、ROM内の演算プログラムや制御データを参照して、手動運転及び自動運転するための種々の機能を実現する。具体的には、制御装置40は、スイッチSWA~SWDの開閉状態を制御する。また、制御装置40は、コンバータ12,26の動作状態と動作停止状態とを切り替える。
【0044】
制御装置40は、上述した特定負荷32を用いて車両を手動運転及び自動運転する。なお、手動運転とは、ドライバの操作によって車両を運転制御する状態を表す。また、自動運転とは、ドライバの操作によらず制御装置40による制御内容で車両を運転制御する状態を表す。具体的には、自動運転とは、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)によって定められたレベル0からレベル5までの自動運転レベルのうち、レベル3以上の自動運転のことをいう。レベル3は、制御装置40が、走行環境を観測しつつ、ハンドル操作と加減速との両方を制御するレベルである。
【0045】
また、制御装置40は、上述した特定負荷32を用いて、LKA(Lane Keeping Assist)、LCA(Lane Change Assist)、PCS(Pre-Crash Safety)等の運転支援機能を実施可能である。制御装置40は、車両の走行モードを、運転支援機能を用いる第1モードと、運転支援機能を用いない第2モードとに切り替え可能であり、車両は各走行モードによる走行が可能となっている。制御装置40は、入力部46を介したドライバの切替指示により、第1モードと第2モードとを切り替える。ここで、第1モードには、ドライバが運転支援機能を用いて車両を手動運転するモードとともに、車両を自動運転するモードが含まれる。第2モードは、ドライバが運転支援機能を用いずに車両を手動運転するモードである。
【0046】
第1モードにおいて、制御装置40は、第1系統ES1及び第2系統ES2に異常が発生したか否かを判定し、いずれの系統ES1,ES2でも異常が発生していないと判定された場合、第1負荷34と第2負荷36とを用いて車両の自動運転及び運転支援が行われる。これにより、第1,第2負荷34,36は協働して自動運転及び運転支援に必要な1つの機能を実施する。本実施形態において、異常は、地絡、天絡、過電圧及び断線等を含む。
【0047】
一方、いずれか一方の系統ES1,ES2で異常が発生したと判定された場合、系統間スイッチSWAを開放し、第1系統ES1と第2系統ES2とを電気的に絶縁する。これにより、いずれか一方の系統ES1,ES2で異常が発生した場合でも、異常が発生していない他方の系統ES1,ES2の負荷34,36を駆動させることができる。
【0048】
また、制御装置40は、報知部44と、IGスイッチ45と、入力部46とに接続されており、これらを制御する。報知部44は、視覚または聴覚的にドライバに報知する装置であり、例えば車室内に設置されたディスプレイやスピーカである。IGスイッチ45は、車両の起動スイッチである。制御装置40は、IGスイッチ45の開放又は閉鎖を監視する。入力部46は、ドライバの操作を受け付ける装置であり、例えばハンドル操作入力装置、シフトレバー操作入力装置、アクセルペダル操作入力装置、ブレーキペダル操作入力装置、及び音声入力装置である。
【0049】
上記電源システム100において、第2蓄電池16をバックアップ用の蓄電池として用いることが考えられる。ここでバックアップ用の蓄電池とは、例えば第1系統ES1での異常発生に伴い系統間スイッチSWAが開放された場合に、第2負荷36への電力供給を行う非常用の蓄電池を意味する。この場合、コスト低減のために第2蓄電池16の小容量化が求められている。しかしながら、容量が小さい蓄電池を用いた場合には、容量が大きい蓄電池に比べて内部抵抗が大きくなり、電池容量の減少度合が大きくなる。そのため、第2蓄電池16からの電力供給開始時における第2蓄電池16の電圧VBが低下しやすく、第2負荷36の作動が不適正になることが懸念される。
【0050】
本実施形態では、系統間スイッチSWAを閉鎖するとともに、系統内スイッチSWBを開放しかつ電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDを閉鎖した状態で、第2コンバータ26により電源電圧VAを昇圧して、第2蓄電池16を電源電圧VAよりも高い電圧に充電する制御処理を実施するようにした。また、制御処理では、第2蓄電池16の充電が完了した状態で、系統内スイッチSWB、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDを開放状態とするようにした。
【0051】
この場合、第2蓄電池16に、第2コンバータ26により電源電圧VAよりも高い電圧が充電されることにより、第2蓄電池16が比較的容量の小さい蓄電池であっても、その第2蓄電池16をバックアップ用蓄電池として適正に用いることができる。また、第2コンバータ26に直列に電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが設けられており、第2蓄電池16からの不要な放電が規制されるため、仮に容量の小さい蓄電池を用いた場合であっても、所望の電力供給が可能となる。
【0052】
図2に、本実施形態の制御処理のフローチャートを示す。制御装置40は、IGスイッチ45が閉鎖されると、所定の制御周期毎に制御処理を繰り返し実施する。なお、IGスイッチ45の閉鎖当初において、車両の走行モードは第2モードに設定されている。
【0053】
制御処理を開始すると、まずステップS10において、車両の走行モードが第1モードであるか否かを判定する。ステップS10で否定判定すると、ステップS11において、第2蓄電池16の電圧VBが、所定の高電圧閾値VHよりも高いか否かを判定する。ここで高電圧閾値VHは、電源電圧VAよりも所定値以上高い電圧に設定されている。例えば、電源電圧VAは12[V]であり、高電圧閾値VHは15[V]である。第2蓄電池16の電圧VBが高電圧閾値VHよりも低い場合には、第1モード実施の前提条件が成立していないため、ステップS11で否定判定し、ステップS12に進む。なお、本実施形態において、ステップS10の処理が「制御切替部」に相当し、ステップS11の処理が「許可部」に相当する。
【0054】
ステップS12では、第2系統ES2の第2コンバータ26及びスイッチSWB~SWDの少なくとも一つで異常が発生しているか否かを判定する。第2コンバータ26及びスイッチSWB~SWDの少なくとも一つで異常が発生しているか否かは、第2コンバータ26に含まれる制御回路を用いて判定される。第2コンバータ26及びスイッチSWB~SWDの少なくとも一つで異常が発生している場合には、第2蓄電池16充電の前提条件が成立していないため、ステップS12で否定判定し、ステップS13に進む。ステップS13では、系統間スイッチSWAを閉鎖し、スイッチSWB~SWDを開放し、第1コンバータ12を動作状態とし、第2コンバータ26を動作停止状態として、制御処理を終了する。つまり、第1コンバータ12から供給される電力を用いて負荷34,36を駆動する。
【0055】
第2コンバータ26及びスイッチSWB~SWDの全てが正常である場合には、第2蓄電池16を充電するため、ステップS12で肯定判定し、ステップS14に進む。ステップS14では、系統間スイッチSWA,電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDを閉鎖し、系統内スイッチSWBを開放し、第1,第2コンバータ12,26を動作状態として、制御処理を終了する。つまり、第1コンバータ12から供給される電力を用いて負荷34,36を駆動するとともに、第2コンバータ26を用いて、第1コンバータ12からの電力供給により電源電圧VAよりも高い電圧に第2蓄電池16を充電する。なお、本実施形態において、ステップS14の処理が「充電制御部」に相当する。
【0056】
第2蓄電池16の電圧VBが高電圧閾値VHよりも高い場合には、第2コンバータ26による第2蓄電池16の充電が完了しているため、ステップS11で肯定判定し、ステップS15に進む。ステップS15では、系統間スイッチSWAを閉鎖し、スイッチSWB~SWDを開放し、第1コンバータ12を動作状態とし、第2コンバータ26を動作停止状態とする。つまり、第1コンバータ12による負荷34,36への電力供給を行わせるようにする。続くステップS16では、車両の走行モードを第2モードから第1モードに切り替えることを許可し、制御処理を終了する。なお、第1モードへの切り替えは、例えば入力部46を介してドライバから運転支援機能を用いる指示、又は自動運転の指示等の切替指示が入力された場合に実施される。本実施形態において、ステップS15の処理が「スイッチ制御部」に相当し、ステップS16の処理が「モード制御部」に相当する。
【0057】
一方、ステップS10で肯定判定すると、ステップS20~22において、第1系統ES1、第2系統ES2及び第2コンバータ26のいずれかで異常が発生したか否かを判定する。具体的には、ステップS20において、第1系統ES1に異常が発生したか否かを判定する。ステップS20で否定判定すると、ステップS21において、第2系統ES2に異常が発生したか否かを判定する。ステップS21で否定判定すると、ステップS22において、第2コンバータ26に異常が発生したか否かを判定する。
【0058】
なお、第1系統ES1における異常の発生は、第1電圧検出部28で検出される電圧が所定の低電圧閾値VLよりも低下したか否かにより判定される。ここで低電圧閾値VLは、負荷34,36の動作下限電圧よりも所定値以上高い電圧に設定されている。第2系統ES2における異常の発生は、第2電圧検出部29で検出される電圧が低電圧閾値VLよりも低下したか否かにより判定される。
【0059】
また、第2コンバータ26における異常の発生は、第2コンバータ26に含まれる制御回路を用いて判定される。例えば電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが開放されている状態で、第2コンバータ26に含まれる制御回路により第2コンバータ26内の電流を検出することで、第2コンバータ26の地絡が判定される。第1モードでは、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが開放されているため、第2電圧検出部29で検出される電圧によっては、第2コンバータ26における異常の発生を検出することができない。そのため、本実施形態では、第2系統ES2における異常の発生とは別に、第2コンバータ26における異常の発生が検出される。
【0060】
いずれかにおいても異常が発生していないと判定された場合、ステップS22で否定判定する。この場合、制御処理を終了する。これにより、スイッチSWB~SWDが開放された状態に維持され、第2蓄電池16の放電が規制される。その結果、第2蓄電池16からの不要な放電が規制される。
【0061】
一方、いずれか一方の系統ES1,ES2で異常が発生したと判定された場合、異常が発生した系統側への電力供給を停止させるとともに、異常が発生していない系統の電気負荷への電力供給を継続させる処理を実施する。
【0062】
具体的には、ステップS20で肯定判定すると、まずステップS23において、系統間スイッチSWAを開放する。続くステップS24では、系統内スイッチSWBを閉鎖し、第2蓄電池16の放電規制を解除する。その結果、第1経路LC1を介して、第2蓄電池16から第2負荷36への電力供給が確保される。なお、系統間スイッチSWAが開放されてから、系統内スイッチSWBが閉鎖されるまでの期間は、1ms以内、望ましくは100μs以内であることが好ましい。
【0063】
続くステップS25では、第1コンバータ12を動作停止状態とする指令を出力し、ステップS27に進む。なお、本実施形態において、ステップS23,S24の処理が「電力供給制御部」に相当する。
【0064】
ステップS21で肯定判定すると、ステップS26において、系統間スイッチSWAを開放し、ステップS27に進む。その結果、第1コンバータ12から第1負荷34への電力供給が継続されるとともに、第1コンバータ12から第2負荷36への電力供給が遮断される。また、ステップS22で肯定判定すると、ステップS27に進む。
【0065】
ステップS27では、報知部44を介してドライバに異常が発生した旨を報知し、制御処理を終了する。本実施形態では、第1系統ES1、第2系統ES2及び第2コンバータ26のいずれかで異常が発生した場合、制御装置40は、車両の走行モードを第1モードから第2モードに切り替えることなく、第1モードにより安全な場所に車両を移動させた後に車両を停止させる処理を実施する。
【0066】
続いて、図3に、制御処理の一例を示す。図3は、第1モードでの車両の走行中に第1系統ES1で地絡異常(以下、単に地絡)が発生した場合における第2蓄電池16の電圧VBと、第2負荷36に印加される負荷電圧VDとの推移を示す。
【0067】
図3において、(A)は、IGスイッチ45の状態の推移を示し、(B)は、車両の走行モードの推移を示し、(C)は、第1系統ES1における地絡の発生の推移を示す。また、(D)は、系統間スイッチSWAの開閉状態の推移を示し、(E)は、系統内スイッチSWBの開閉状態の推移を示し、(F)は、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDの開閉状態の推移を示し、(G)は、第2コンバータ26の動作状態の推移を示す。さらに、(H)は、第2蓄電池16の電圧VBの推移を示し、(I)は、第2負荷36の負荷電圧VDの推移を示す。
【0068】
図3に示すように、時刻t1までのIGスイッチ45の開期間、つまり電源システム100の休止状態において、スイッチSWA~SWDが開放されており、第1,第2コンバータ12,26が動作停止状態に切り替えられている。そのため、IGスイッチ45の開期間では、負荷電圧VDがゼロとなる。
【0069】
時刻t1にIGスイッチ45が閉鎖されると、系統間スイッチSWAが閉鎖されるとともに、第1コンバータ12を動作状態に切り替える指令が出力される。これにより、第1コンバータ12が動作状態に切り替えられ、電源電圧VA及び負荷電圧VDが所定の閾値としての動作電圧VMまで上昇し、第2モードでの車両の走行が可能となる。ここで動作電圧VMは、負荷34,36の駆動電圧範囲内の電圧である。
【0070】
また、時刻t1に電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが閉鎖されるとともに、第2コンバータ26を動作状態に切り替える指令が出力される。これにより、第2蓄電池16の電圧VBが上昇する。時刻t2に、第2蓄電池16の電圧VBが高電圧閾値VHよりも高くなると、車両の走行モードが第2モードから第1モードへ切り替えられ、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが開放されるとともに、第2コンバータ26を動作停止状態に切り替える指令が出力される。
【0071】
第1モードでの車両の走行中に、第1系統ES1及び第2系統ES2のいずれか一方で地絡が発生したことが判定される。いずれの系統ES1,ES2でも地絡が発生していないと判定された場合、系統間スイッチSWAが閉鎖された状態に維持される。これにより、第1コンバータ12及び第1蓄電池14のそれぞれから第1,第2負荷34,36に電力供給が可能となる。第1コンバータ12からの電力供給により、長時間の自動運転時にも継続的な電力供給が可能となり、第1蓄電池14からの電力供給により、電圧変動の少ない電力供給が可能となる。その結果、時刻t2から時刻t3までの期間では、第1負荷34と第2負荷36とを用いた自動運転及び運転支援が行われる。
【0072】
いずれか一方の系統ES1,ES2で地絡が発生したと判定された場合、系統間スイッチSWAが閉鎖される。図3では、時刻t3に第1系統ES1で地絡が発生する。これにより、負荷電圧VDが低下する。時刻t4に、負荷電圧VDが低電圧閾値VLまで低下すると、第1系統ES1で地絡が発生したと判定される。この場合、時刻t4に、系統間スイッチSWAが開放されるとともに、第1コンバータ12が動作停止状態に切り替えられる。
【0073】
また、時刻t4に、系統内スイッチSWBが閉鎖される。これにより、第1経路LC1を介した第2蓄電池16から第2負荷36への電力供給が行われ、負荷電圧VDが上昇する。本実施形態では、第1系統ES1での異常発生時において、第2蓄電池16の電圧VBが、電源電圧VAの動作電圧VMよりも高い高電圧閾値VHまで上昇しているため、負荷電圧VDが高電圧閾値VH近傍まで上昇する。そのため、負荷電圧VDと低電圧閾値VLとの間に所定の電圧差ΔVを確保することができる。これにより、第2蓄電池16として仮に容量の小さい蓄電池を用いた場合であっても、第2負荷36を適正に作動させることができる。
【0074】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0075】
本実施形態によれば、第2蓄電池16に、第2コンバータ26により電源電圧VAよりも高い電圧が充電される。そのため、第2蓄電池16が比較的容量の小さい蓄電池であっても、その第2蓄電池16をバックアップ用蓄電池として適正に用いることができる。また、第2コンバータ26に直列に電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが設けられており、第2蓄電池16からの不要な放電が規制される。そのため、仮に容量の小さい蓄電池を用いた場合であっても、所望の電力供給が可能となる。以上により、複数の系統ES1,ES2を有する電源システム100において負荷34,36への電力供給を適正に実施することができる。
【0076】
本実施形態によれば、第2コンバータ26の第2蓄電池16側に電池側スイッチSWCが設けられている。そのため、例えば第2コンバータ26が地絡した場合でも、電池側スイッチSWCを開放することで、第2コンバータ26を第2蓄電池16から切り離すことができ、第2蓄電池16からの不要な放電を規制することができる。また、第2コンバータ26の接続点PB側に負荷側スイッチSWDが設けられている。そのため、例えば第2コンバータ26が地絡した場合でも、負荷側スイッチSWDを開放することで、第1コンバータ12を第2蓄電池16から切り離すことができ、第1コンバータ12からの不要な電力供給を規制することができる。
【0077】
本実施形態によれば、第1コンバータ12と第2蓄電池16とのうちいずれから負荷34,36へ電力供給を行うかに基づいて、スイッチSWB~SWDを連携させて各々開閉させるようにした。これにより、第1コンバータ12から負荷34,36への電力供給、及び第2蓄電池16から負荷34,36への電力供給を適正に実施することができる。
【0078】
本実施形態では、第1モードでの車両走行時には、系統間スイッチSWAが閉鎖されて第1コンバータ12による負荷34,36への電力供給が行われる。また、第1モードでの車両走行時に第1系統ES1で地絡が発生した場合には、系統間スイッチSWAが開放されて第2蓄電池16による第2負荷36への電力供給に切り替えられる。そして、本実施形態では、第2蓄電池16に、電源電圧VAよりも高い電圧が充電されていることを条件に、第1モードでの車両走行を許可するようにした。これにより、第1モードでの車両走行中に万が一、第1系統ES1での異常が生じても、その後の適正なフェイルセーフ処理を実施することができる。
【0079】
(第1実施形態の第1変形例)
図4に示すように、本変形例では、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDとして、半導体スイッチング素子であるMOSFETが用いられている。そのため、電池側スイッチSWCには寄生ダイオードDPBが並列接続されており、負荷側スイッチSWDには寄生ダイオードDPDが並列接続されている。本実施形態では、寄生ダイオードDPC,DPDの順方向が互いに逆向きとなるように、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが接続されている。具体的には、電池側スイッチSWCは、寄生ダイオードDPCの順方向が、第2コンバータ26から第2蓄電池16に向かう方向となるように接続されている。また、負荷側スイッチSWDは、寄生ダイオードDPDの順方向が、第2コンバータ26から接続点PBに向かう方向となるように接続されている。
【0080】
以上詳述した本変形例によれば、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDがMOSFETにより構成されることで、リレースイッチにより構成される場合に比べて電源システム100のコストを削減することができる。また、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDは、それらの寄生ダイオードDPC,DPDの順方向が、互いに逆方向となるように接続されている。そのため、寄生ダイオードDPC,DPDを介して暗電流が流れることを抑制することができる。さらに、電池側スイッチSWCは、その寄生ダイオードDPCの順方向が、第2コンバータ26から第2蓄電池16に向かう方向となるように接続されており、負荷側スイッチSWDは、その寄生ダイオードDPDの順方向が、第2コンバータ26から接続点PBに向かう方向となるように接続されている。そのため、例えば電圧変換回路が地絡した場合でも、寄生ダイオードDPC,DPDを介した不要な放電や電力供給を規制することができる。
【0081】
(第1実施形態の第2変形例)
図5に示すように、電池側スイッチSWCと第2コンバータ26との間にヒューズHZが設けられていてもよい。
【0082】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図6図7を参照しつつ説明する。
【0083】
本実施形態では、第2コンバータ26は、電源電圧VAを昇圧して第2蓄電池16を充電する昇圧充電機能を有するともに、第2蓄電池16の電圧VBを昇圧して第2負荷36に出力する昇圧放電機能を有する双方向の電力変換回路である。そして、第1モードにおいて、第1系統ES1で異常が発生したと判定された場合に、第2蓄電池16の電圧VBの低下に伴って、第2コンバータ26を用いて第2蓄電池16の電圧VBが昇圧されて第2負荷36に出力される点で、第1実施形態と異なる。
【0084】
つまり、第1系統ES1で異常が発生した場合、制御装置40は、安全な場所に車両を移動させた後に車両を停止させるのであるが、例えばトンネル走行中など、車両の走行環境によっては、近くに安全な場所が存在せず、車両を停止させるまでの期間を延長したいことがある。特に、第2蓄電池16として仮に容量の小さい蓄電池を用いた場合には、車両を停止させるまでの期間が比較的短いため、その期間の延長が望まれる。本実施形態では、第2蓄電池16による電力供給により第2蓄電池16の電圧VBが低下した場合に、第2蓄電池16から第2負荷36に直接的に電力を供給する状態(第1状態)から、第2蓄電池16の電圧VBを第2コンバータ26により昇圧して第2負荷36に電力を供給する状態(第2状態)に移行させるようにした。これにより、第2蓄電池16の電圧VBが低下した場合でも、第2負荷36に対する適正な電力供給を継続することができる。
【0085】
図6に本実施形態の制御処理のフローチャートを示す。図6において、先の図2に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【0086】
本実施形態の制御処理では、ステップS20で肯定判定すると、ステップS30において、第2蓄電池16の電圧VBが電源電圧VAの動作電圧VMまで低下したか否かを判定する。ステップS30で否定判定すると、ステップS23に進む。
【0087】
一方、ステップS30で肯定判定すると、まずステップS31において、系統内スイッチSWBを開放する。続くステップS32では、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDを閉鎖する。なお、本実施形態では、系統内スイッチSWBを開放した後に電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDを閉鎖する。
【0088】
続くステップS33では、第2コンバータ26を動作状態とする指令を出力し、ステップS27に進む。ステップS33では、第2コンバータ26に昇圧放電機能を発揮させる指令を出力する。これにより、第2コンバータ26は、第2蓄電池16の電圧VBの昇圧を開始する。
【0089】
続いて、図7に、制御処理の一例を示す。なお、図7の(A)~(I)は、図3の(A)~(I)と同一であるため、説明を省略する。また、図7において、時刻t4までの処理は、先の図3に示した処理と同一であるため、説明を省略する。
【0090】
図7に示すように、時刻t4に、系統内スイッチSWBが閉鎖されると、第2蓄電池16による第2負荷36への電力供給により、第2蓄電池16の電圧VB及び負荷電圧VDが低下する。時刻t5に、第2蓄電池16の電圧VBが電源電圧VAの動作電圧VMまで低下すると、系統内スイッチSWBが開放されるとともに、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが閉鎖される。
【0091】
また、時刻t5に、第2コンバータ26に昇圧放電機能を発揮させる指令が出力される。これにより、第2蓄電池16の電圧VBが昇圧されて第2負荷36に出力される。本実施形態では、第2コンバータ26が第2蓄電池16の電圧VBを昇圧した結果、負荷電圧VDが電源電圧VAの動作電圧VMに維持される。
【0092】
時刻t6に、第2蓄電池16の電圧VBが所定の下限電圧Vminまで低下すると、第2コンバータ26により第2蓄電池16の電圧VBを電源電圧VAの動作電圧VMまで昇圧することができなくなることから、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが開放されるとともに、第2コンバータ26を動作停止状態に切り替える指令が出力される。これにより、負荷電圧VDがゼロとなる。また、時刻t6に、車両の走行モードが第1モードから第2モードへ切り替えられ、IGスイッチ45が開放される。
【0093】
本実施形態の制御処理によれば、時刻t6まで負荷電圧VDが電源電圧VAの動作電圧VMに維持されており、車両を停止させることができる期間が、時刻t6まで延長されている。そのため、制御装置40は、時刻t5までに車両を停止させることができない場合でも、安全な場所に車両を移動させた後に車両を停止させることができる。
【0094】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0095】
本実施形態によれば、第2蓄電池16による電力供給により第2蓄電池16の電圧VBが電源電圧VAの動作電圧VMよりも低下した場合に、第2蓄電池16から第2負荷36に直接的に電力を供給する状態(第1状態)から、第2蓄電池16の電圧VBを第2コンバータ26により昇圧して第2負荷36に電力を供給する状態(第2状態)に移行させるようにした。これにより、第2蓄電池16の電圧VBが電源電圧VAの動作電圧VMよりも低下した場合でも、第2負荷36に対する適正な電力供給を継続することができる。また、第2蓄電池16の容量を使い切りつつ、第2負荷36の駆動期間を長引かせることができる。
【0096】
第2蓄電池16による電力供給時に第2蓄電池16の電圧VBが電源電圧VAの動作電圧VMよりも低下したと判定された場合には、系統内スイッチSWBの開放と電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDの閉鎖とが行われ、第2コンバータ26による第2蓄電池16の電圧VBの昇圧が行われる状態になるが、この場合に、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDの閉鎖が先になり、系統内スイッチSWBの開放が後になると、第2コンバータ26の接続点PB側の電圧が第2蓄電池16側の電圧よりも高くなり、第2コンバータ26の動作が不安定となるおそれがある。その点、本実施形態では、系統内スイッチSWBを開放した後に電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDを閉鎖するようにしたため、第2コンバータ26を正常に動作させることができる。
【0097】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図8図9を参照しつつ説明する。
【0098】
本実施形態では、IGスイッチ45の開期間、つまり電源システム100の停止期間において放電処理が実施される点で、第1実施形態と異なる。IGスイッチ45の開状態、つまり電源システム100の停止状態において、負荷34,36には暗電流(待機電流)が供給されるのであるが、本実施形態では、この放電処理において、第2蓄電池16を用いて負荷34,36に暗電流が供給される。
【0099】
つまり、第2蓄電池16に電源電圧VAよりも高い電圧が充電された状態で、電源システム100が停止状態となると、そのシステム停止状態において、第2蓄電池16が高SOC状態で維持され、それに起因する第2蓄電池16の劣化が懸念される。本実施形態では、電源システム100の停止状態において、負荷34,36に対して第2蓄電池16による暗電流供給を行わせるようにしたため、第2蓄電池16の劣化を抑制することができる。
【0100】
図8に本実施形態の放電処理のフローチャートを示す。制御装置40は、IGスイッチ45が開放された状態において、所定の制御周期毎に放電処理を繰り返し実施する。なお、制御装置40は、IGスイッチ45の開期間にも電源供給が行われることで、システム停止状態での作動が可能となっている。
【0101】
放電処理を開始すると、まずステップS40において、第2蓄電池16の電圧VBが、第1蓄電池14の電圧VPよりも高いか否かを判定する。ここで第1蓄電池14の電圧VPは、電源電圧VAの動作電圧VMよりも高い電圧に設定されている。ステップS40で肯定判定すると、ステップS41において、系統間スイッチSWAを開放し、系統内スイッチSWBを閉鎖し、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDを開放し、第1,第2コンバータ12を動作停止状態として、放電処理を終了する。なお、本実施形態において、ステップS41の処理が「暗電流供給部」に相当する。
【0102】
一方、ステップS40で否定判定すると、ステップS42において、系統間スイッチSWAを閉鎖し、放電処理を終了する。
【0103】
続いて、図9に、放電処理の一例を示す。図9は、放電処理における第2蓄電池16の電圧VBの推移を示す。
【0104】
図9において、(A)は、IGスイッチ45の状態の推移を示し、(B)は、系統間スイッチSWAの開閉状態の推移を示し、(C)は、系統内スイッチSWBの開閉状態の推移を示す。また、(D)は、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDの開閉状態の推移を示し、(E)は、第2蓄電池16の電圧VBの推移を示す。
【0105】
時刻t11にIGスイッチ45が開放されると、系統内スイッチSWBが閉鎖される。つまり、系統内スイッチSWBが閉鎖されかつ電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが開放される。これにより、系統内スイッチSWBを介して第2蓄電池16による暗電流供給が行われる。
【0106】
図9に示す例では、時刻t11において、第2蓄電池16の電圧VBが第1蓄電池14の電圧VPよりも高くなっている。そのため、時刻t11において、系統間スイッチSWAは開放される。これにより、第1系統ES1では第1蓄電池14から第1負荷34に対して暗電流供給が行われ、第2系統ES2では第2蓄電池16から第2負荷36に対して暗電流供給が行われる。
【0107】
本実施形態では、第2蓄電池16の容量は、第1蓄電池14の容量よりも小さいため、時刻t12に、第2蓄電池16の電圧VBが第1蓄電池14の電圧VPまで低下する。この場合、時刻t12に、系統間スイッチSWAが閉鎖される。これにより、第1,第2蓄電池14,16から負荷34,36に対して暗電流供給が行われる。第1蓄電池14の容量は、第2蓄電池16の容量よりも大きいため、負荷34,36に対する暗電流供給は、主に第1蓄電池14から行われ、第2蓄電池16の容量低下及び電圧低下が抑制される。
【0108】
その後、時刻t13にIGスイッチ45が閉鎖されると、制御装置40が起動し、制御処理が実施される。
【0109】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0110】
本実施形態によれば、電源システム100の停止状態において、負荷34,36に対して第2蓄電池16による暗電流供給を行わせるようにした。これにより、第2蓄電池16に蓄えられた電力を有効に活用しつつ第2蓄電池16のSOCを低下させることができ、第2蓄電池16の劣化を抑制することができる。
【0111】
システム停止状態において、第2蓄電池16の電圧VBが第1蓄電池14の電圧VPまで低下する以前は、系統間スイッチSWAが閉鎖されることで、第2蓄電池16から第1蓄電池14に直流電流が流れることを抑制しつつ、第2負荷36に対して第2蓄電池16による暗電流供給を行わせることができる。第2蓄電池16による暗電流供給が行われることで、第2蓄電池16の電圧VBが低下する。仮に容量の小さい第2蓄電池16を用いた場合には、第2蓄電池16の電圧VBは、第1蓄電池14の電圧VPよりも速く低下し、第2蓄電池16の電圧VBは第1蓄電池14の電圧VPまで低下するが、この場合に、系統間スイッチSWAが開放された状態で第2蓄電池16による暗電流供給が継続されると、第2蓄電池16の電圧VBが過度に低下することが懸念される。この点、第2蓄電池16の電圧VBが第1蓄電池14の電圧VPよりも低下した後は、系統間スイッチSWAが閉鎖されることで、並列接続された第1,第2蓄電池14,16から負荷34,36に対して暗電流供給が行われる。これにより、負荷34,36に対する暗電流供給を継続しつつ、第2蓄電池16の電圧VBが過度に低下することを抑制することができる。
【0112】
(第3実施形態の変形例)
図10に示すように、本変形例では、放電処理において、ステップS40で否定判定すると、ステップS42において、系統間スイッチSWAを閉鎖する。続くステップS43において、系統内スイッチSWBを開放し、放電処理を終了する。つまり、第2蓄電池16の電圧VBが第1蓄電池14の電圧VPまで低下すると、系統内スイッチSWB、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが開放されて、第2蓄電池16による暗電流供給が停止される。
【0113】
以上詳述した本変形例によれば、第2蓄電池16の電圧VBが第1蓄電池14の電圧VPよりも低下した後は、系統間スイッチSWAが閉鎖されるとともに第2蓄電池16による暗電流供給が停止されることで、第1蓄電池14から負荷34,36に対して暗電流供給が行われる。これにより、負荷34,36に対する暗電流供給を継続しつつ、第2蓄電池16の電圧VBが過度に低下することを抑制することができる。
【0114】
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図11図13を参照しつつ説明する。
【0115】
本実施形態では、電源システム100の停止期間において充電処理が実施される点で、第1実施形態と異なる。
【0116】
つまり、電源システム100の停止状態において、車両が長期間放置されると、自然放電等により第2蓄電池16が過放電状態となっていることがある。この場合、過放電による第2蓄電池16の劣化を抑制するために、電源システム100の停止状態において、第1コンバータ12からの電力供給により第2蓄電池16を充電することが考えられるが、第2蓄電池16の過放電状態の程度によっては、第2蓄電池16を充電する際に第2蓄電池16に突入電流が流れ、第2蓄電池16が劣化することが懸念される。本実施形態では、第2蓄電池16の電圧VBに応じて電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDを閉鎖して、第2コンバータ26により第2蓄電池16を充電するようにした。これにより、突入電流による第2蓄電池16の劣化を抑制しつつ第2蓄電池16を充電することができる。
【0117】
図11に本実施形態の充電処理のフローチャートを示す。制御装置40は、IGスイッチ45が開放された状態で、所定の制御周期毎に充電処理を繰り返し実施する。なお、充電処理の制御周期は、放電処理の制御周期よりも長い期間に設定されている。
【0118】
充電処理を開始すると、まずステップS50において、第2蓄電池16の電圧VBが、電源電圧VAの動作電圧VMよりも高いか否かを判定する。ステップS50で肯定判定すると、ステップS51において、スイッチSWA~SWDを開放し、第1,第2コンバータ12を動作停止状態として、充電処理を終了する。なお、本実施形態において、電源電圧VAの動作電圧VMが「第1閾値」に相当する。
【0119】
ステップS50で否定判定すると、ステップS52において、第2蓄電池16の電圧VBが、低電圧閾値VLよりも高いか否かを判定する。ステップS52で肯定判定すると、ステップS53に進み、ステップS52で否定判定すると、ステップS56に進む。なお、本実施形態において、ステップS50,S52の処理が「電圧判定部」に相当し、低電圧閾値VLが「第2閾値」に相当する。
【0120】
ステップS53では、第1コンバータ12を動作状態とする指令を出力する。続くステップS54では、系統間スイッチSWAを閉鎖する。続くステップS55では、系統内スイッチSWBを閉鎖し、充電処理を終了する。
【0121】
ステップS56では、第1コンバータ12を動作状態とする指令を出力する。続くステップS57では、系統間スイッチSWAを閉鎖する。続くステップS58では、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDを閉鎖する。続くステップS59では、第2コンバータ26を動作状態とする指令を出力し、充電処理を終了する。なお、本実施形態において、ステップS53~S59の処理が「停止時制御部」に相当する。
【0122】
続いて、図12図13に、充電処理の一例を示す。図12図13は、第2蓄電池16を用いた場合の放電処理における第2蓄電池16の電圧VBの推移を示す。本実施形態において、図13に示す第2蓄電池16は、図12に示す第2蓄電池16に比べて劣化しているものとする。
【0123】
図12図13において、(A)は、IGスイッチ45の状態の推移を示し、(B)は、第2蓄電池16の電圧VBの推移を示し、(C)は、充電処理の実施の推移を示す。また、(D)は、系統間スイッチSWAの開閉状態の推移を示し、(E)は、系統内スイッチSWBの開閉状態の推移を示し、(F)は、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDの開閉状態の推移を示す。
【0124】
時刻t21にIGスイッチ45が開放されると、系統間スイッチSWAが閉鎖される。つまり、系統間スイッチSWA及び系統内スイッチSWBが閉鎖され、かつ電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが開放される。IGスイッチ45が開放された電源システム100の停止状態では、自然放電等により第2蓄電池16の電圧VBは徐々に低下する。また、電源システム100の停止状態では、所定の制御周期毎に充電処理が実施される。
【0125】
図12図13に示す例では、時刻t22,t23に、充電処理が実施される。時刻t22では、第2蓄電池16の電圧VBが電源電圧VAの動作電圧VMよりも高くなっている。つまり、第2蓄電池16は過放電状態となっていないため、第2蓄電池16が充電されない。
【0126】
一方、時刻t23では、第2蓄電池16の電圧VBが第1蓄電池14の電圧VPよりも低下しており、第2蓄電池16が充電される。この場合に、図12に示す例では、第2蓄電池16があまり劣化していないため、第2蓄電池16の電圧VBが低電圧閾値VLよりも高くなっている。つまり、第2蓄電池16の電圧VBが、電源電圧VAの動作電圧VMと低電圧閾値VLとの間の第1電圧範囲HV1に低下している。そのため、時刻t23において、系統間スイッチSWAが閉鎖されるとともに、系統内スイッチSWBが閉鎖され、第1経路LC1を介して第2蓄電池16が充電される。第2蓄電池16の充電により、時刻t24に、第2蓄電池16の電圧VBが電源電圧VAの動作電圧VMまで上昇すると、第2蓄電池16の充電を終了する。
【0127】
一方、図13に示す例では、第2蓄電池16が比較的劣化しているため、第2蓄電池16の電圧VBが低電圧閾値VLよりも低下している。つまり、第2蓄電池16の電圧VBが、低電圧閾値VL以下となる第2電圧範囲HV2まで低下している。そのため、時刻t23において、系統間スイッチSWAが閉鎖されるとともに、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDが閉鎖され、第2コンバータ26により第2蓄電池16が充電される。第2蓄電池16の充電により、時刻t25に、第2蓄電池16の電圧VBが電源電圧VAの動作電圧VMまで上昇すると、第2蓄電池16の充電を終了する。
【0128】
その後、時刻t26にIGスイッチ45が閉鎖されると、制御装置40が起動し、制御処理が実施される。
【0129】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0130】
本実施形態によれば、第2蓄電池16の電圧VBが第1電圧範囲HV1まで低下していれば、第1コンバータ12からの直接的な電力供給により第2蓄電池16を充電し、第2蓄電池16の電圧VBが第2電圧範囲HV2まで低下していれば、第2コンバータ26からの電力供給により第2蓄電池16を充電するようにした。第2コンバータ26を用いることで、第2蓄電池16を充電する際に、充電電圧を段階的に上昇させることができ、突入電流による第2蓄電池16の劣化を抑制しつつ第2蓄電池16を充電することができる。
【0131】
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、次のように実施されてもよい。
【0132】
各負荷34,36は、例えば以下の装置であってもよい。
【0133】
車両に走行用動力を付与する走行用モータとその駆動回路であってもよい。この場合、第1,第2負荷34,36のそれぞれは、例えば3相の永久磁石同期モータと3相インバータ装置である。
【0134】
制動時の車輪のロックを防止するアンチロックブレーキ装置であってもよい。この場合、第1,第2負荷34,36のそれぞれは、例えば制動時のブレーキ油圧を独立に調整できるABSアクチュエータである。
【0135】
自車両の前を走行する前走車を検出し、前走車が検知された場合には前走車との車間距離を一定に維持し、前走車が検知されなくなった場合には自車両を予め設定された車速で走行させるクルーズコントロール装置であってもよい。この場合、第1,第2負荷34,36のそれぞれは、例えばミリ波レーダである。
【0136】
・各負荷34,36は、必ずしも同じ構成の組合せである必要がなく、同等の機能を異なる形式の機器で実現する組合せであってもよい。また、第1,第2負荷34,36は、それぞれが異なる負荷ではなく、同一の負荷であってもよい。つまり、第1,第2負荷34,36が、第1系統内経路LA1及び第2系統内経路LA2の両方から電力供給を受ける同一の負荷であってもよい。
【0137】
・第1電源の電圧生成部は、コンバータに限られず、オルタネータであってもよい。また、第1電源は、電圧生成部を有していなくてもよく、例えば第1蓄電池14のみを有していてもよい。
【0138】
・上記実施形態では、第2スイッチが電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDにより構成されている例を示したが、これに限られない。電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDのうち、一方のスイッチのみにより構成されていてもよい。また、電池側スイッチSWC及び負荷側スイッチSWDのうち、一方のスイッチがヒューズにより構成されていてもよい。
【0139】
・上記実施形態では、第1スイッチが系統内スイッチSWBにより構成されている例を示したが、これに限られない。直列接続された2つのMOSFETにより構成されていてもよい。この場合に、これらのMOSFETの寄生ダイオードの順方向が互いに逆向きとなるように、これらのMOSFETが接続されていることで、寄生ダイオードを介して暗電流が流れることを抑制することができる。
【0140】
また、図14に示すように、MOSFETにより構成された系統内スイッチSWBと、直列接続された第1~第3ダイオードDA1~DA3により構成されていてもよい。系統内スイッチSWBには寄生ダイオードDPBが並列接続されている。寄生ダイオードDPBは、接続点PBから第2蓄電池16に向かう方向が順方向となるように接続されている。第1~第3ダイオードDA1~DA3は、系統内スイッチSWBよりも接続点PB側に配置されており、系統内スイッチSWBに対して直列接続されている。第1~第3ダイオードDA1~DA3は、系統内スイッチSWBから接続点PBに向かう方向が順方向となるように接続されている。そのため、寄生ダイオードDPBと第1~第3ダイオードDA1~DA3とは、順方向が互いに逆方向となるように接続されている。これにより、寄生ダイオードDPBを介して暗電流が流れることを抑制することができる。
【0141】
・上記実施形態では、第1電圧検出部28で検出される電圧に基づいて第1系統ES1における異常の発生を判定する例を示したが、これに限られない。接続経路LBのうち系統間スイッチSWAよりも第1系統ES1側の部分に電流検出部が設けられており、当該部分に流れる系統間電流の向きや大きさにより、第1系統ES1における異常の発生を判定するようにしてもよければ、第1電圧検出部28と上記電流検出部とを併用してもよい。
【0142】
・上記第1実施形態では、第1系統ES1に異常が発生したと判定した場合に、系統間スイッチSWAを開放した後に系統内スイッチSWBを閉鎖する例を示したが、系統内スイッチSWBを閉鎖した後に系統間スイッチSWAを開放するようにしてもよい。系統内スイッチSWBを先に閉鎖することで、第2負荷36の瞬時的な電源失陥を防止することができる。
【0143】
・上記第2実施形態では、系統間スイッチSWAを開放した後に系統内スイッチSWBを閉鎖する形態として、制御装置40が系統間スイッチSWAを開放する指令を出力するタイミングを、系統内スイッチSWBを閉鎖する指令を出力するタイミングよりも遅らせる形態を示したが、これに限られない。例えば制御装置40が系統間スイッチSWAを開放する指令を出力するタイミングと、系統内スイッチSWBを閉鎖する指令を出力するタイミングとを等しくして、コンデンサ等の素子による指令伝達の遅延により系統間スイッチSWAを開放した後に系統内スイッチSWBを閉鎖するようにしてもよい。
【0144】
・上記実施形態では、電源システム100が手動運転及び自動運転による走行が可能な車両に適用される例を示したが、これに限られない。完全自動運転車など自動運転による走行のみが可能な車両に適用されてもよければ、手動運転による走行のみが可能な車両に適用されてもよい。
【0145】
・上記実施形態では、蓄電装置がリチウムイオン蓄電池である例を示したが、これに限られない。蓄電素子は、例えば他の種類の蓄電池であってもよければ、電気二重層キャパシタであってもよい。
【符号の説明】
【0146】
10…第1電源、16…第2蓄電池、26…第2コンバータ、100…電源システム、ES1…第1系統、ES2…第2系統、LA1…第1系統内経路、LA2…第2系統内経路、LB…接続経路、LC1…第1経路、LC2…第2経路、PB…接続点、SWA…系統間スイッチ、SWB…系統内スイッチ、SWC…電池側スイッチ、SWD…負荷側スイッチ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14