IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 旭化成ホームズ株式会社の特許一覧

特許7564802電力管理システム、電力管理方法、およびプログラム
<>
  • 特許-電力管理システム、電力管理方法、およびプログラム 図1
  • 特許-電力管理システム、電力管理方法、およびプログラム 図2
  • 特許-電力管理システム、電力管理方法、およびプログラム 図3
  • 特許-電力管理システム、電力管理方法、およびプログラム 図4
  • 特許-電力管理システム、電力管理方法、およびプログラム 図5
  • 特許-電力管理システム、電力管理方法、およびプログラム 図6
  • 特許-電力管理システム、電力管理方法、およびプログラム 図7
  • 特許-電力管理システム、電力管理方法、およびプログラム 図8
  • 特許-電力管理システム、電力管理方法、およびプログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】電力管理システム、電力管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20241002BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20241002BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20241002BHJP
   G16Y 10/35 20200101ALI20241002BHJP
   G16Y 20/30 20200101ALI20241002BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20241002BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20241002BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20241002BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J3/38 130
H02J3/00 180
G16Y10/35
G16Y20/30
G16Y40/10
G16Y40/20
G16Y40/30
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021212598
(22)【出願日】2021-12-27
(65)【公開番号】P2023096683
(43)【公開日】2023-07-07
【審査請求日】2024-06-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】岡本 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 浩介
(72)【発明者】
【氏名】山口 健太郎
【審査官】三吉 翔子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-068555(JP,A)
【文献】特開2021-040403(JP,A)
【文献】特開2007-329999(JP,A)
【文献】特開2018-046663(JP,A)
【文献】特開2015-037354(JP,A)
【文献】特開2020-058100(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0130143(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H02J 3/38
H02J 3/00
G16Y 10/35
G16Y 20/30
G16Y 40/10
G16Y 40/20
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池及び太陽光発電装置を少なくとも備える分散型電源を備える集合住宅に系統電力と前記分散型電源の電力の消費電力に応じた電気代を算出し、算出した前記電気代を前記集合住宅の複数の需要家から徴収し、前記太陽光発電装置が備えられる前記集合住宅の屋根地代を算出し、算出した前記屋根地代を前記集合住宅のオーナーに支払う精算部を備える第1事業者システム、
を備える電力管理システム。
【請求項2】
記第1事業者システムから取得された前記集合住宅の前記分散型電源の余剰電力に基づいて買い取り代金を算出し、算出した前記買い取り代金を前記第1事業者システムに支払い、前記系統電力に基づいて使用代金を算出し、算出した前記使用代金を前記第1事業者システムから徴収する精算部を備える第2事業者システム、をさらに備える請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項3】
前記第2事業者システムは、前記第1事業者システムを管理する第1事業者の施設、または前記第2事業者システムを管理する第2事業者の施設に、前記余剰電力を供給する、請求項2に記載の電力管理システム。
【請求項4】
前記第2事業者システムは、第1の戸建に前記余剰電力を供給し、少なくとも太陽光発電装置を備える第2の戸建から余剰電力を取得する、請求項2または請求項3に記載の電力管理システム。
【請求項5】
前記集合住宅は、停電時に前記蓄電池に蓄電されている電力を前記集合住宅の共用部の施設に供給する制御装置を備える、請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項6】
コンピュータが、蓄電池及び太陽光発電装置を少なくとも備える分散型電源を備える集合住宅に系統電力と前記分散型電源の電力の消費電力に応じた電気代を算出するステップと、
コンピュータが、算出した前記電気代を前記集合住宅の複数の需要家から徴収するステップと
コンピュータが、前記太陽光発電装置が備えられる前記集合住宅の屋根地代を算出するステップと、
コンピュータが、算出した前記屋根地代前記集合住宅のオーナーに支払うステップと
を有する電力管理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
蓄電池及び太陽光発電装置を少なくとも備える分散型電源を備える集合住宅に系統電力と前記分散型電源の電力の消費電力に応じた電気代を算出するステップと、
算出した前記電気代を前記集合住宅の複数の需要家から徴収するステップと
前記太陽光発電装置が備えられる前記集合住宅の屋根地代を算出するステップと、
算出した前記屋根地代前記集合住宅のオーナーに支払うステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理システム、電力管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力会社と契約し、電力系統から供給される電力を集合住宅内の各戸に配電する配電システムが知られている。電力会社との契約には、高圧電力の一括契約と低圧電力の一括契約とがある。なお、高圧電力の一括契約の場合は、電力系統から各戸に電力を供給する際、高圧受変電装置が必要である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、近年、再生可能なエネルギーの利用が求められ、太陽電池パネルや蓄電池を有する集合住宅がある。さらに、外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅であるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が求められている。このため、上述したような集合住宅の場合は、断熱性能等を大幅に向上させ、太陽電池パネルや蓄電池等を導入することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-74760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、設置コスト、運用コスト等の要因により、太陽電池パネルや蓄電池等の導入拡大が難しかった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、太陽電池パネルや蓄電池等の導入拡大促進を行うことができる電力管理システム、電力管理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る電力管理システムは、蓄電池及び太陽光発電装置を少なくとも備える分散型電源を備える集合住宅に系統電力と前記分散型電源の電力の消費電力に応じた電気代を算出し、算出した前記電気代を前記集合住宅の複数の需要家から徴収し、前記太陽光発電装置が備えられる前記集合住宅の屋根地代を算出し、算出した前記屋根地代を前記集合住宅のオーナーに支払う精算部を備える第1事業者システム、を備える。
【0008】
本実施形態に係る電力管理システムによれば、太陽電池パネルや蓄電池等の導入拡大促進を行うことができる。本実施形態に係る電力管理システムによれば、発電された電力をできるだけ集合住宅で利用し、事業者から購入する電力量を削減することができる。本実施形態に係る電力管理システムによれば、発電電力を入居者が購入することで、入居者の環境貢献意識を高めるほか、電力の地産地消を促すことができる。本実施形態に係る電力管理システムによれば、集合住宅のオーナーにとっては、設備の設置・維持管理費用を要さずに、環境価値及びレジリエンス性の高い賃貸住宅を保有することで、入居者の獲得における競争力強化と、脱炭素社会への参画ニーズを満たすことができる。本実施形態に係る電力管理システムによれば、入居者にとっても、大手電力会社より割安な料金で再生可能エネルギー比率の高い電力を購入でき、脱炭素社会への貢献意識を醸成できる。なお、電力管理システムでは、例えば、分散型電源の設置費用を第1事業者が負担(分散型電源の所有者は第1事業者)し、オーナーから屋根等の設置スペースを賃貸し、第1事業者からオーナーにその対価を支払う。
【0009】
(2)また、本発明の一態様に係る電力管理システムは、前記第1事業者システムから取得され前記集合住宅の前記分散型電源の余剰電力に基づいて買い取り代金を算出し、算出した前記買い取り代金を前記第1事業者システムに支払い、前記系統電力に基づいて使用代金を算出し、算出した前記使用代金を前記第1事業者システムから徴収する精算部を備える第2事業者システム、をさらに備えるようにしてもよい。
【0010】
本実施形態に係る電力管理システムによれば、災害による停電時には、蓄電池から共用部に供給される電力により、例えば、スマートフォンの充電などを行うことができ、被災後の情報不足解消にも役立つ。
【0011】
(3)また、本発明の一態様に係る電力管理システムにおいて、前記第2事業者システムは、前記第1事業者システムを管理する第1事業者の施設、または前記第2事業者システムを管理する第2事業者の施設に、前記余剰電力を供給するようにしてもよい。
【0012】
本実施形態に係る電力管理システムによれば、買い取った電力を事業者が運営する事業所等で利用することで、第1事業者または第2事業者が事業活動で消費する電力を再生可能エネルギーに置き換えることに貢献し、より広く、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献できる。
【0013】
(4)また、本発明の一態様に係る電力管理システムにおいて、前記第2事業者システムは、第1の戸建に前記余剰電力を供給し、少なくとも太陽光発電装置を備える第2の戸建から余剰電力を取得するようにしてもよい。
【0014】
本実施形態に係る電力管理システムによれば、余剰電力がある場合、電力が必要な住居等に配分することができる。
【0015】
(5)また、本発明の一態様に係る電力管理システムにおいて、前記集合住宅は、停電時に前記蓄電池に蓄電されている電力を前記集合住宅の共用部の施設に供給する制御装置を備えるようにしてもよい。
【0016】
(6)上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る電力管理方法は、コンピュータが、蓄電池及び太陽光発電装置を少なくとも備える分散型電源を備える集合住宅に系統電力と前記分散型電源の電力の消費電力に応じた電気代を算出するステップと、コンピュータが、算出した前記電気代を前記集合住宅の複数の需要家から徴収するステップとコンピュータが、前記太陽光発電装置が備えられる前記集合住宅の屋根地代を算出するステップと、コンピュータが、算出した前記屋根地代前記集合住宅のオーナーに支払うステップとを有する
【0017】
(7)上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、蓄電池及び太陽光発電装置を少なくとも備える分散型電源を備える集合住宅に系統電力と前記分散型電源の電力の消費電力に応じた電気代を算出するステップと、算出した前記電気代を前記集合住宅の複数の需要家から徴収するステップと、前記太陽光発電装置が備えられる前記集合住宅の屋根地代を算出するステップと、算出した前記屋根地代前記集合住宅のオーナーに支払うステップとを実行させる
【0018】
電力管理方法、プログラムでは、例えば、分散型電源の設置費用を第1事業者が負担(分散型電源の所有者は第1事業者)し、オーナーから屋根等の設置スペースを賃貸し、第1事業者からオーナーにその対価を支払う。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、太陽電池パネルや蓄電池等の導入拡大を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る情報管理システムを適用する全体構成例を示す図である。
図2】実施形態における太陽光発電システムと蓄電池を備える集合住宅の概要を説明するための図である。
図3】実施形態に係る電力管理システムの構成例を示す図である。
図4】第1事業者と第2事業者の関係について説明するための図である。
図5】実施形態に係る第1事業者システムが行う電力のやりとり、課金と精算の流れ等を説明するための図である。
図6】実施形態に係る第1事業者システムの処理を行う機能部の構成例を示す図である。
図7】実施形態に係る第2事業者システムの構成例を示す図である。
図8】実施形態に係る第2事業者システムの処理を行う機能部の構成例を示す図である。
図9】実施形態に係る情報管理システムにおける処理例のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
【0022】
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0023】
まず、実施形態の情報管理システムを適用する構成例を、図1図2を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る情報管理システムを適用する全体構成例を示す図である。図1のように、情報管理システムを適用する全体構成は、例えば、住宅2、住宅3、電力会社4、取次会社5、住宅6、電力供給先7を備える。なお、図1の構成は一例であり、これに限らない。
【0024】
住宅2は、集合住宅または1戸の住宅である。住宅2は、太陽光発電システムを備える。
【0025】
住宅3は、集合住宅または1戸の住宅である。住宅3は、太陽光発電システムと蓄電池を備える。
【0026】
電力会社4は、取次会社5を通じて、住宅2、住宅3から余剰電力を買い取る。なお、電力会社4は、蓄電池を備えていない住宅2からの電力を標準価格で買い取り、蓄電池を備えている住宅3からの電力を標準価格より高いプレミア価格で買い取るようにしてもよい。電力会社4は、取次会社5を通じて買い取った電力を、例えば取次会社5が施工した住宅6と、取次会社5の電力供給先7に供給する。
【0027】
住宅2、3の建築主は、屋根等を取次会社5に賃貸してもよい。その場合、取次会社5は、住宅2の建築主から借りた屋根に太陽光発電システムに設置し、太陽光発電システムの維持管理を行う。取次会社5は、住宅3の建築主から借りた屋根に太陽光発電システムに設置し、蓄電池を設置し、太陽光発電システムと蓄電池の維持管理を行う。取次会社5は、電力会社4の電力の取次を行う。
【0028】
住宅6は、例えば取次会社5が施工した住宅である。住宅6は、集合住宅または1戸の住宅である。
【0029】
電力供給先7は、取次会社5または電力会社4によって運営され、例えば、事務所71、展示場72、工場73である。
【0030】
図2は、本実施形態における太陽光発電システムと蓄電池を備える集合住宅の概要を説明するための図である。図2のように、住宅3は、太陽光発電装置31、蓄電池32、上位メーター33を備える。また、住宅3は、共用部34と居住部35を備える。共用部34は、例えば、照明、集合玄関機、電気鍵制御装置、コンセント、電話保安ボックス等を備える。居住部35は、例えば101~103と201~203の6戸を備える。居住部35の各戸は、下位メーター36を備える。太陽光発電装置31は、例えば、少なくとも太陽電池パネルと蓄電池を備える。なお、図3の例では、例えばパワーコンディショナーやブレーカー等を省略している。
【0031】
なお、図2では、電力事業者と低圧電力の一括契約を結ぶのは取次会社である。そして、居住部35の居住者は、取次会社と電力供給の契約を結び、電気代も取次会社に支払う。
【0032】
停電時、共用部34に蓄電池32から電力が供給される。また、停電時、居住部35の各戸には、共用部34から各戸に無線通信用の電力が、例えばアクセスポイント37に例えばLAN(Local Area Network)ケーブルを介して供給される。
【0033】
次に、本実施形態の電力管理システムについて説明する。
図3は、本実施形態に係る電力管理システムの構成例を示す図である。図3に示す電力管理システム100では、例えば、取次会社5(図1)と契約している住宅101、電気自動車104、集合住宅施設105、住宅101のオーナー(建築主)106、電力卸市場107、第2事業者108、第1の戸建109、第2の戸建110、および第1事業者の事業所111を含む。なお、事業所111は、例えば、事務所、展示場、工場等であってもよい。また、事業所111は、第2事業者の事業所であってもよい。なお、図3に示した電力管理システム100の構成例は一例であり、これに限らない。
【0034】
住宅101は、例えば賃貸の集合住宅であり、例えば太陽光発電システムや蓄電池を有する分散型電源102を備える。
分散型電源102で発電された電力または蓄電されている電力は、第1事業者103を介して集合住宅施設105の施設に、安価な電気代の電気が給電される。集合住宅施設105には、例えば、共用部の施設(コンセント、照明、電動鍵等)と、複数の需要家の住居の施設(コンセント、照明、電動鍵等)が含まれる。なお、停電時には、分散型電源102から、例えば共用部に蓄電池に蓄電されている電力が供給される。また、分散型電源102は、例えば需要家の電気自動車104と連携し、電気自動車104に電力を給電するようにしてもよい。
【0035】
第1事業者103は、図1における例えば取次会社5のシステムである。第1事業者103は、住宅101での余剰電力を第2事業者108に供給する。また、第1事業者103は、第2事業者108から安価な価格で電力を購入する。
【0036】
第1の戸建109は、第2事業者と電力の契約をしている住宅である。第1の戸建109は、第2事業者108から電力の給電を受ける。
第2の戸建110は、第1事業者に屋根を貸している住宅である。第2の戸建110の屋根には、第1事業者によって太陽電池モジュールが設置されている。第2の戸建110には、例えばパワーコンディショナー(不図示)が設置され、余剰電力を第2事業者108に給電する。なお、第2の戸建110は、蓄電池(不図示)も備えていてもよい。
【0037】
第2事業者108は、電力網を備える。第2事業者108は、分散型電源102で発電された余剰電力を第1事業者103を介して購入し、電力卸市場107から電力を購入する。第2事業者108は、第2の戸建110から余剰電力を購入する。第2事業者108は、余剰電力を第1の戸建109に給電する。第2事業者108は、これらの電力を、第1事業者の事業所111等に給電する。
【0038】
お金の流れを図3を参照して説明する。
第1事業者103は、需要家に給電した電気代を需要家から徴収する。第1事業者103は、オーナー106が住宅101の屋根等を第1事業者103に賃借している場合、例えば太陽電池モジュールの数に応じて、または発電された電力や消費された電力量に応じて、屋根の地代をオーナー106に支払う。第1事業者103は、第2事業者108から給電された電気代を第2事業者108に支払う。第1事業者103は、第2事業者108に給電した余剰電力に応じた電気代を第2事業者108から受け取る。
このように、本実施形態では、分散型電源の設置費用を第1事業者103が負担(分散型電源の所有者は第1事業者)する。そして、第1事業者103は、オーナー106から屋根等の設置スペースを賃貸する。第1事業者103は、オーナー106にその対価を支払う。
【0039】
次に、第1事業者103と第2事業者108の関係について説明する。
図4は、第1事業者と第2事業者の関係について説明するための図である。図4のように、第1事業者と第2事業者108の関係は、図4のような関係である、第2事業者108は、電力網を備え、かつ第1事業者を包含する。なお、図4に示した構成例は一例であり、これに限らない。
【0040】
(第1事業者システムの電力のやりとり、課金、精算)
次に、第1事業者システムが行う電力のやりとり、課金と精算の流れ等を説明する。
図5は、本実施形態に係る第1事業者システムが行う電力のやりとり、課金と精算の流れ等を説明するための図である。なお、図5では、説明を簡単にするために集合住宅が1つの例を示しているが、第1事業者103のシステム(以下、第1事業者システム400という)が管理する集合住宅は2つ以上であってもよい。なお、図5では需要家315(315-1、315-2)の例として説明を簡略化するために2戸を示したが、集合住宅設備300の戸数は、これに限らない。
【0041】
まず、集合住宅の構成例を説明する。
集合住宅300は、例えば、上位メーター301、受電盤302、センサ303、制御装置304、分散型電源305、分電盤308、下位メーター309、下位メーター310、切替盤311、および共用部312を備える。
共用部312は、例えば、下位メーター313、および共用部施設314を備える。
【0042】
上位メーター301は、入力側に第1事業者システム400が接続され、出力側に受電盤302の入力側が接続されている。
受電盤302は、出力側に、分電盤308の入力側が接続されている。なお、受電盤302は、余剰電力を第1事業者システム400に出力する。
分電盤308は、出力側に、センサ303を介して制御装置304と、下位メーター309の入力側と、下位メーター310の入力側と、切替盤311の第1の入力側とが接続されている。
【0043】
下位メーター309は、出力側に需要家315-1の施設(コンセント等)が接続されている。
下位メーター310は、出力側に需要家315-2の施設(コンセント等)が接続されている。
【0044】
切替盤311は、第2の入力側に制御装置304の第2の出力側が接続され、出力側に共用部312の下位メーター313が接続されている。
下位メーター313は、出力側に共用部施設314(コンセント等)が接続されている。
【0045】
制御装置304は、例えば、第1の制御側に太陽電池モジュール306が接続され、第2の制御側に蓄電池307が接続されている。
【0046】
次に、集合住宅300の各設備の動作例を説明する。
上位メーター301は、第1事業者103と契約する電力量測定用のメーターであり、一括受電メーターである。上位メーター301は、複数の需要家315の施設による消費電力量と共用部312による消費電力量とを測定する。なお、上位メーター301は、例えばスマートメータであってもよい。
【0047】
受電盤302は、上位メーター301に接続され、第1事業者システム400を介して低圧一括受電の電力の供給を受ける。受電盤302は、例えば、変流器、ブレーカーを備える。受電盤302は、供給された電力を、分電盤308に供給する。
【0048】
センサ303は、例えば分電盤308の後段に接続され、例えば分電盤308に流れる電流の向きを検出する。センサ303は、検出した検出結果を制御装置304に出力する。
【0049】
分散型電源305は、少なくとも太陽電池モジュール306と蓄電池307を備える。なお、分散型電源305は、燃料電池、風力発電システム等を備えていてもよい。
【0050】
制御装置304は、例えばパワーコンディショナーである。制御装置304は太陽電池モジュール306を制御する。制御装置304は蓄電池307を制御する。制御装置304は、太陽電池モジュール306が発電した直流の電気を、家庭で使用できる交流の電気に変換する。制御装置304は、共用部312や需要家315の施設で使用されない太陽電池モジュール306が発電した余剰な直流の電気の電圧を、蓄電池307に充電可能な電圧に変換し、電圧を変換した電力を蓄電池307に蓄電させる。制御装置304は、太陽電池モジュール306の発電量が少ないとき、蓄電池307に蓄電されている電力を共用部312や需要家315の施設に供給する。制御装置304は、センサ303が検出した電流の流れる向きを示す検出結果に基づいて、蓄電池307の充放電を制御する。制御装置304は、系統側からの電力供給の有無を検知して、停電が発生していることを検出した場合、蓄電池307に蓄電されている電力を、切替盤311を切り替えて共用部施設314に供給する。
【0051】
分電盤308は、例えば、分岐先毎に複数のブレーカーを備える。分電盤308は、連系運転時に受電盤302で受電される電力を、複数の支幹に分岐させ、共用部312と需要家315の施設に分配する。また、分電盤308は、制御装置304経由で供給される電力を、複数の支幹に分岐させて共用部312と需要家315の施設に分配する。なお、分電盤308は、集合住宅が複数階の場合、階毎に振り分けるようにしてもよい。
【0052】
下位メーター309は、需要家315-1の施設の消費電力を測定するメーターである。
【0053】
需要家315-1の施設は、集合住宅設備300の例えば第1の住居設備である。需要家315-1の施設は、例えば、アクセスポイント、負荷(コンセント、電灯等)を備える。
【0054】
下位メーター310は、需要家315-2の施設の消費電力を測定するメーターである。
【0055】
需要家315-2の施設は、集合住宅設備300の例えば第2の住居設備である。需要家315-2の施設は、例えば、アクセスポイント、負荷(コンセント、電灯等)を備える。
【0056】
下位メーター313は、共用部312の消費電力を測定するメーターである。
【0057】
切替盤311は、第1事業者システム400から給電される系統電力か制御装置304のどちらから通電されているかを判断してスイッチを切り替え、系統電力と、制御装置304を介して供給される電力を切り替えて共用部施設314に電力を供給する。なお、停電時、蓄電池307の電力は、分電盤308を介さずに、制御装置304から直接、切替盤311に供給される。
【0058】
共用部312は、例えば、集合住宅のロビー、廊下、管理室、集会所等の電気施設である。共用部施設314は、例えば、ルータ、コンセント、照明機器、ドア開閉機器等を備える。
【0059】
次に、第1事業者システム400の構成例を説明する。
第1事業者システム400は、例えば、電力取得部401、電力供給部402、余剰電力取得部403、余剰電力出力部404、取得部405、および精算部406を備える。
【0060】
次に、第1事業者システム400の動作例を説明する。
電力取得部401は、第2事業者108(図3)の電力網から電力を取得する。なお、第2事業者108の電力網から給電される電力は、電力卸市場から購入した電力である。なお、第2事業者108の電力網から給電される電力には、第2の戸建110から購入した余剰電力が含まれていてもよい。
電力供給部402は、電力取得部401が取得した電力を集合住宅300へ給電する。
【0061】
余剰電力取得部403は、集合住宅300から余剰電力を取得する。
余剰電力出力部404は、取得した余剰電力を第2事業者の電力網へ売電する。余剰電力出力部404は、取得した余剰電力量を示す情報を取得部405に出力するようにしてもよい。
【0062】
取得部405は、集合住宅300の上位メーター301、下位メーター309、下位メーター310、および下位メーター313それぞれの計測値を取得する。
【0063】
精算部406は、取得部405が取得した情報に基づいて、需要家315-1、315-2それぞれに請求する電気代を計算し、需要家315-1、315-2それぞれから電気代を徴収する。精算部406は、太陽電池モジュール306に基づき、または集合住宅300から取得した余剰電力量に基づいて屋根地代をオーナー106に支払う。精算部406は、第2事業者108の電力網から買い取った電力量の電気代を、第2事業者108に支払う。精算部406は、第2事業者108が第1事業者システム400から買い取った余剰電力に基づく買取収入を取得する。
【0064】
図6は、本実施形態に係る第1事業者システムの処理を行う機能部の構成例を示す図である。なお、第1事業者システム400の処理を行う機能部とは、例えば取得部405、および精算部406である。
図6のように、第1事業者システム400の処理を行う機能部450は、例えば、通信部451、CPU452、RAM453、ROM454、HDD455、操作部456、および出力部457を備える。なお、通信部451、CPU452、RAM453、ROM454、HDD455、操作部456、および出力部457は、BUS(バス)を介して接続されている。なお、図6に示した構成例は一例であり、これに限らない。
【0065】
通信部451は、無線通信機能および有線通信機能のうちの少なくとも1つを備える。通信部451は、例えば、第2事業者108のシステムと情報の送受信を行う。通信部451は、例えば、集合住宅300の電気メーター(上位メーター、下位メーター)の情報を取得する。
【0066】
CPU452は、中央演算装置であり、第1事業者システム400の処理を行う機能部450の各部の制御を行う。
RAM453は、Random Access Memoryであり、データを一時的に記憶する。
ROM454は、Read Only Memoryであり、例えばCPU452が制御に用いるプログラム、数式等を記憶する。
【0067】
HDD455は、Hard Disk Driveであり、例えば電力量、電気代等を記憶する。なお、PU452が制御に用いるプログラム、数式等は、HDD455が記憶していてもよい。また、HDD455は、Solid State Driveであってもよく、Hard Disk DriveとSolid State Driveのハイブリッドであってもよい。
【0068】
操作部456は、例えば、マウス、キーボード、出力部457上に設けられているタッチパネルセンサ等であり、作業者が行った操作結果を検出する。
出力部457は、外部装置(例えば、画像表示装置、印字装置等)に運用に関する情報を出力する。運用に関する情報とは、例えば、電気料、電気量等である。
【0069】
(第2事業者のシステム)
次に、第2事業者108のシステム(以下、第2事業者システム500という)の構成例を説明する。
図7は、本実施形態に係る第2事業者システムの構成例を示す図である。
第2事業者システム500は、例えば、電力取得部501、電力供給部502、余剰電力取得部503、余剰電力出力部504、取得部505、および精算部506を備える。
【0070】
次に、第2事業者システム500の動作例を説明する。
電力取得部501は、電力卸市場から電力を取得、購入する。
電力供給部502は、電力取得部501が取得した電力を第1事業者システム400へ給電する。
【0071】
余剰電力取得部503は、第1事業者システム400と第2の戸建110から余剰電力を取得する。
余剰電力出力部504は、取得した余剰電力を第2事業者108の事業所等、第1の戸建109へ給電する。余剰電力出力部404は、取得した余剰電力量を示す情報を精算部506に出力するようにしてもよい。
【0072】
精算部506は、例えば、第1事業者の事業所111に給電した電力量も基づく電気代を算出して第1事業者103から徴収する。精算部506は、第1事業者103から買い取った電気量に基づいて電気代を算出して、買い取った電気量に基づく買取収入を第1事業者103に支払う。
【0073】
図8は、本実施形態に係る第2事業者システムの処理を行う機能部の構成例を示す図である。なお、第2事業者システム500の処理を行う機能部とは、例えば取得部505、および精算部506である。
図8のように、第2事業者システム500の処理を行う機能部550は、例えば、通信部551、CPU552、RAM553、ROM554、HDD555、操作部556、および出力部557を備える。なお、通信部551、CPU552、RAM553、ROM554、HDD555、操作部556、および出力部557は、BUS(バス)を介して接続されている。なお、図8に示した構成例は一例であり、これに限らない。
【0074】
通信部551は、無線通信機能および有線通信機能のうちの少なくとも1つを備える。通信部551は、例えば、第1事業者システム400と情報の送受信を行う。
【0075】
CPU552は、中央演算装置であり、第2事業者システム500の処理を行う機能部550の各部の制御を行う。
RAM553は、Random Access Memoryであり、データを一時的に記憶する。
ROM554は、Read Only Memoryであり、例えばCPU552が制御に用いるプログラム、数式等を記憶する。
【0076】
HDD555は、Hard Disk Driveであり、例えば電力量、電気代等を記憶する。なお、PU452が制御に用いるプログラム、数式等は、HDD555が記憶していてもよい。また、HDD555は、Solid State Driveであってもよく、Hard Disk DriveとSolid State Driveのハイブリッドであってもよい。
【0077】
操作部556は、例えば、マウス、キーボード、出力部557上に設けられているタッチパネルセンサ等であり、作業者が行った操作結果を検出する。
出力部557は、外部装置(例えば、画像表示装置、印字装置等)に運用に関する情報を出力する。運用に関する情報とは、例えば、電気料、電気量等である。
【0078】
(処理例)
次に、情報管理システムにおける処理例を説明する。
図9は、本実施形態に係る情報管理システムにおける処理例のシーケンス図である。
【0079】
(ステップS1)第2事業者システム500は、電力卸市場から系統電力を購入する。第2事業者システム500は、電力卸市場から購入した系統電力を第1事業者システム400に給電する。
【0080】
(ステップS2)第1事業者システム400は、系統電力を第2事業者システム500から取得する。
【0081】
(ステップS3)第1事業者システム400は、第2事業者システム500から取得した電力を集合住宅300に給電する。
【0082】
(ステップS4)集合住宅300の需要家315の施設は、第1事業者システム400から系統電力を受電する。
【0083】
(ステップS5)集合住宅300の共用部312は、第1事業者システム400から系統電力を受電する。
【0084】
(ステップS6)集合住宅300の制御装置304は、太陽電池モジュール306が発電した太陽光電力を共用部312と需要家315の施設に給電する。共用部312の施設は、太陽光電力を受電する。
【0085】
(ステップS7)集合住宅300の需要家315の施設は、太陽光電力を受電する。
【0086】
(ステップS8)集合住宅300の需要家315の下位メーター(309、310)の情報を第1事業者システム400に出力する。
【0087】
(ステップS9)集合住宅300の上位メーター301の情報と、共用部312の下位メーター313の情報を第1事業者システム400に出力する。
【0088】
(ステップS10)第1事業者システム400は、需要家315の下位メーター(309、310)、上位メーター301の情報と、下位メーター313の情報に基づいて、消費電力量の情報を取得する。
【0089】
(ステップS11)第1事業者システム400は、取得した情報と第2事業者108からの電気代の請求金額とを用いて、各戸の電気代を算出する。
【0090】
(ステップS12)需要家315は、電気代を第1事業者システム400に支払う(振り込む)。
【0091】
(ステップS13)第1事業者システム400は、需要家315から電気代を徴収する。
【0092】
(ステップS14)集合住宅300の制御装置304は、余剰電力が有るか否かを判別し、余剰電力がある場合に余剰電力を第1事業者103に売電する。例えば、日中、太陽電池モジュール306によって発電された太陽光電力を蓄電池に307に蓄電し、さらに各需要家315と共用部312に給電しても余る場合、制御装置304は、余剰電力があると判定する。
【0093】
(ステップS15)第1事業者システム400は、集合住宅300から余剰電力を受電する。
【0094】
(ステップS16)第1事業者システム400は、集合住宅300から受電した余剰電力を第2事業者システム500に売電する。
【0095】
(ステップS17)第2の戸建110に設置されているパワーコンディショナーは、余剰電力がある場合に、余剰電力を第2事業者システム500に出力する。
【0096】
(ステップS18)第2事業者システム500は、第1事業者システム400が出力する余剰電力と、第2の戸建110が出力する余剰電力を受電する。
【0097】
(ステップS19)第2事業者システム500は、受電した余剰電力を、第1の戸建109と、第1事業者の事業所111等に給電する。
【0098】
(ステップS20)第1の戸建109は、第2事業者108からの余剰電力を受電する。第1事業者の事業所111は、第2事業者システム500からの余剰電力を受電する。
【0099】
(ステップS21)第2事業者システム500は、第1事業者103から買い取った電力の買取収入を算出し、算出した買取収入を第1事業者システム400に支払う(振り込む)。
【0100】
(ステップS22)第1事業者システム400は、第2事業者108から買取収入を受け取る。
【0101】
(ステップS23)第1事業者システム400は、集合住宅300のオーナー106に屋根地代を算出して支払う(振り込む)。
【0102】
(ステップS24)集合住宅300のオーナー106は、第1事業者システム400から屋根地代を受け取る。
【0103】
なお、図9の示した処理内容、処理手順は一例であり、これに限らない。例えば、いくつかの処理は、平行して同時に行われてもよく、処理手順が入れ替わってもよい。
【0104】
以上のように、本実施形態では、通常時、系統電力の低圧電力を一括受電した電力と、太陽電池モジュール306によって発電された電力が、共用部と居住部の需要家315に供給される。なお、例えば、日中、太陽電池モジュール306で発電された電力は、各住居に供給され、かつ蓄電池307に蓄電される。そして、夜間、蓄電池307に蓄電された電力が各住居に供給される。このように、本実施形態では、発電された電力をできるだけ集合住宅で利用し、事業者から購入する電力量を削減することができる。
【0105】
従って、本実施形態のビジネスモデルによれば、発電電力を入居者が購入することで、入居者の環境貢献意識を高めるほか、電力の地産地消を促すことができる。実施形態のビジネスモデルによれば、買い取った電力を例えば第1事業者103が運営する事業所等で利用することで、第1事業者103または第2事業者108が事業活動で消費する電力を再生可能エネルギーに置き換えることに貢献し、より広く、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献できる。
【0106】
また、実施形態のビジネスモデルによれば、建築主にとっては、設備の設置・維持管理費用を要さずに、環境価値及びレジリエンス性の高い賃貸住宅を保有することで、入居者の獲得における競争力強化と、脱炭素社会への参画ニーズを満たすことができる。さらに、実施形態のビジネスモデルによれば、入居者にとっても、大手電力会社より割安な料金で再生可能エネルギー比率の高い電力を購入でき、脱炭素社会への貢献意識を醸成できるだけでなく、災害による停電時には、蓄電池から共用部に供給される電力により、例えば、スマートフォンの充電などを行うことができ、被災後の情報不足解消にも役立つ。
【0107】
なお、従来の集合住宅において、例えば住居毎に太陽電池発電システム等を設置した場合、住居毎に使用電力量が異なるので、例えば不在の住宅の電力は売電され、電力をたくさん消費する住宅には分配されず、電力事業者からその不足分の電力を購入する必要があった。これに対して、実施形態では、余剰電力がある場合、必要な住居に配分することができる。
【0108】
なお、本発明における第1事業者システム400の機能の全てまたは一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより第1事業者システム400が行う処理の全てまたは一部を行ってもよい。また、本発明における第2事業者システム500の機能の全てまたは一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより第2事業者システム500が行う処理の全てまたは一部を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0109】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0110】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0111】
1…情報管理システム、2…住宅、3…住宅、4…電力会社、5…取次会社、6…住宅、7…電力供給先7、100…電力管理システム、5…取次会社、101…住宅、104…電気自動車、105…集合住宅施設、106…オーナー、107…電力卸市場、108…第2事業者、109…第1の戸建、110…第2の戸建、111…第1事業者の事業所、300…集合住宅、301…上位メーター、302…受電盤、303…センサ、304…制御装置、305…分散型電源、306…太陽電池モジュール、307…蓄電池、308…分電盤、309…下位メーター、310…下位メーター、311…切替盤、312…共用部、313…下位メーター、314…共用部施設、400…第1事業者システム、401…電力取得部、402…電力供給部、403…余剰電力取得部、404…余剰電力出力部、405…取得部、406…精算部、500…第2事業者システム、501…電力取得部、502…電力供給部、503…余剰電力取得部、504…余剰電力出力部、505…取得部、506…精算部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9