(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】ディスプレイパネルにおけるセンサのための電力線デザイン
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20241002BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 365
G09F9/00 350Z
(21)【出願番号】P 2022522720
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(86)【国際出願番号】 US2020063789
(87)【国際公開番号】W WO2021126597
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-08-17
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,サンム
(72)【発明者】
【氏名】マネア,エイドリアン・ゲオルゲ
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0206958(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110572504(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109256399(CN,A)
【文献】特開2017-167478(JP,A)
【文献】特開平09-068714(JP,A)
【文献】特開2007-164162(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109585519(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107749287(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0288008(US,A1)
【文献】国際公開第2017/038670(WO,A1)
【文献】特開2017-167203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/133-1/1334
G02F 1/1339-1/135
G03B 13/00-13/28
G09F 9/00-9/46
G09G 3/00-3/38
H04M 1/02-1/23
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルであって、
前記ディスプレイパネルの平面で延びる複数の画素を備えるディスプレイアクティブ領域と、
前記ディスプレイアクティブ領域を取り囲むベゼルと、
前記ベゼルの第1端で前記ベゼルに取り付けられる接続タブと、
電磁放射線の1つまたは複数の波長で不透過な材料から形成される1つまたは複数の電力線とを備え、
前記電力線は、前記接続タブから、前記ベゼルの前記第1端と向かい合う前記ベゼルの第2端まで延び、
前記電力線は、前記ディスプレイパネルの動作の間、前記ディスプレイアクティブ領域に電力を供給するように構成され、
前記電力線は、前記第1端および前記第2端の間の前記ベゼルの側端に沿った前記ディスプレイパネルの前記平面において、第1幅を有し、前記第2端における前記ベゼルの部分で、前記第1幅、または、前記電力線
の終端によって形成される隙間よりも狭い第2幅を有し、
前記第2端における前記ベゼルの前記部分は、電磁放射線の前記1つまたは複数の波長に対して実質的に透過であ
り、
前記部分または前記隙間は、前記ベゼルの前記部分または前記隙間において前記ベゼルを通じて伝えられる前記1つまたは複数の波長の前記電磁放射線を向ける、および/または、受けるように配置されるセンサモジュールの上方に位置している、ディスプレイパネル。
【請求項2】
前記材料は、金属である、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項3】
前記第1幅は、0.1mm以上3mm以下の範囲である、請求項1または2に記載のディスプレイパネル。
【請求項4】
前記第2幅は、0.0001mm以上0.1mm以下の範囲である、請求項1~3のいずれかに記載のディスプレイパネル。
【請求項5】
前記ベゼルは、前記第2端において1mm以下の幅を有する、請求項1~4のいずれかに記載のディスプレイパネル。
【請求項6】
前記第1端は、前記第2端における前記ベゼルの幅の50%以上である幅を有する、請求項1~5のいずれかに記載のディスプレイパネル。
【請求項7】
ディスプレイパネルであって、
前記ディスプレイパネルの平面で延びる複数の画素を備えるディスプレイアクティブ領域と、
前記ディスプレイアクティブ領域を取り囲むベゼルと、
前記ベゼルの第1端で前記ベゼルに取り付けられる接続タブと、
電磁放射線の1つまたは複数の波長で不透過な材料から形成される1つまたは複数の電力線と、
透過性電極層とを備え、
前記電力線は、前記接続タブから、前記ベゼルの前記第1端と向かい合う前記ベゼルの第2端まで延び、
前記電力線は、前記ディスプレイパネルの動作の間、前記ディスプレイアクティブ領域に電力を供給するように構成され、
前記電力線は、前記第1端および前記第2端の間の前記ベゼルの側端に沿った前記ディスプレイパネルの前記平面において、第1幅を有し、前記第2端における前記ベゼルの部分で、前記第1幅、または、前記電力線における隙間よりも狭い第2幅を有し、
前記第2端における前記ベゼルの前記部分は、電磁放射線の前記1つまたは複数の波長に対して実質的に透過であり、
前記透過性電極層は、前記ディスプレイアクティブ領域、および、少なくとも前記ベゼルの
前記部分上で延びる
、ディスプレイパネル。
【請求項8】
前記透過性電極層は、前記第2端における前記ベゼルの前記部分を横切って前記電力線を電気的に接続する、請求項7に記載のディスプレイパネル。
【請求項9】
有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイパネルである、請求項1~8のいずれかに記載のディスプレイパネル。
【請求項10】
請求項1~
6のいずれかに記載の前記ディスプレイパネルと、
前
記センサモジュールとを備える、デバイス。
【請求項11】
スマートフォンまたはタブレットコンピュータである、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記センサモジュールは、前記1つまたは複数の波長
の前記電磁放射線を検出するためのセンサを備える、請求項10または11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記センサモジュールは、前記1つまたは複数の波長
の前記電磁放射線のエミッタを備える、請求項10~12のいずれかに記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この米国特許出願は、2019年12月19日に提出された米国の仮出願番号62/950,854,に対する優先権を主張し、その全内容は、引用によってここに組み入れられる。
【0002】
発明の分野
この明細書は、一般的には、電子ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
アクティブマトリックス有機発光ダイオード(Active Matrix Organic Light Emitting Diode:AMOLED)ディスプレイパネルといったフラットディスプレイパネルは、一般的に、ベゼルにより取り囲まれたディスプレイアクティブ領域を含む。多くの従来のアクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイパネルでは、ディスプレイパネルの上部のベゼル領域に、典型的には金属から形成される電力線がある。特に、AMOLEDパネルでは、OLEDデバイスのカソード電源供給のためである負電位の電力線がある。
【0004】
モバイルフォンおよびタブレットコンピュータといった、ディスプレイパネルを使用する多くのデバイスでは、前面センサがディスプレイのベゼルに設置されている。しかしながら、電力線を形成する金属層は、センサにより検出される放射線を弱らせ得る。この理由のため、前面センサは、ベゼルにおける電力線から側方にしばしばオフセットされる。ベゼルの幅は、電力線およびセンサの両方を収容する必要があるため、これによって、センサを含むディスプレイの端に比較的広いベゼルが生じる結果となり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の概要
電極線からの前面センサのオフセットは、ベゼルの幅を増大させ得る。しかしながら、前面センサの場所で局所的に電力線を取り除くこと(または、その幅を著しく減少させること)は、センサがディスプレイのアクティブ領域のより近くに配置され、このため、ディスプレイの上部におけるベゼルの幅を減少させることを許容し得る。
【0006】
一般的に、第1の局面において、本発明は、ディスプレイパネルの平面で延びる複数の画素を有するディスプレイアクティブ領域と、ディスプレイアクティブ領域を取り囲むベゼルと、ベゼルの第1端でベゼルに取り付けられる接続タブと、電磁放射線の1つまたは複数の波長で不透過な材料から形成される1つまたは複数の電力線とを含み、電力線は、接続タブから、ベゼルの第1端と向かい合うベゼルの第2端まで延び、電力線は、ディスプレイパネルの動作の間、ディスプレイアクティブ領域に電力を供給するように構成され、電力線は、第1端および第2端の間のベゼルの側端に沿ったディスプレイの平面において、第1幅を有し、第2端におけるベゼルの部分で、第1幅、または、電力線における隙間よりも狭い第2幅を有し、第2端におけるベゼルの部分は、電磁放射線の1つまたは複数の波長に対して実質的に透過であるディスプレイパネルを特徴付ける。
【0007】
ディスプレイパネルの実施形態は、1つまたは複数の以下の構成を含み得る。たとえば、材料は、金属であり得る。
【0008】
第1幅は、0.1mm以上3mm以下の範囲であり得る。
第2幅は、0.0001mm以上0.1mm以下の範囲であり得る。
【0009】
ベゼルは、第2端において1mm以下の幅を有し得る。
第1の部分は、第2端におけるベゼルの幅の50%以上である幅を有し得る。
【0010】
ディスプレイパネルは、ディスプレイアクティブ領域、および、少なくともベゼルの部分上で延びる透過性電極層を含み得る。透過性電極は、第2端におけるベゼルの部分を横切って電力線を電気的に接続し得る。
【0011】
ディスプレイパネルは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイパネルであり得る。
【0012】
もう1つの局面において、本発明は、ディスプレイパネルと、第2端におけるベゼルの部分と隣り合って配置され、ベゼルの部分においてベゼルを通じて伝えられる1つまたは複数の波長で、電磁放射線を向ける、および/または、受けるように配置されるセンサモジュールとを含むデバイスを特徴付ける。
【0013】
デバイスは、スマートフォンまたはタブレットコンピュータであり得る。
センサモジュールは、1つまたは複数の波長で、電磁放射線を検出するためのセンサを含み得る。
【0014】
センサモジュールは、1つまたは複数の波長における電磁放射線のエミッタを含み得る。
【0015】
さらに一般的な局面では、多数の画像を有するディスプレイアクティブ領域と、ディスプレイアクティブ領域を取り囲むベゼルと、ベゼルの第1端でベゼルに取り付けられる接続タブと、不透過な材料から形成される電力線とを含み、電力線は、接続タブから、ベゼルの第1端と向かい合うベゼルの第2端まで延び、電力線は、ディスプレイアクティブ領域に電力を供給するように構成され、電力線は、第1端および第2端の間のベゼルの側端に沿ったディスプレイの平面において、第1幅を有し、第2端におけるベゼルの部分で、第1幅、または、電力線における隙間よりも狭い第2幅を有し、第2端におけるベゼルの部分は、実質的に透過であるディスプレイパネルが提供される。
【0016】
他の利点の中では、実施形態は、前面センサ(たとえば、顔検出センサ)を収容するディスプレイパネルの端(たとえば、上端)に狭いベゼルを有するディスプレイパネル(たとえば、AMOLEDディスプレイパネル)を特徴付ける。たとえば、センサを収容するベゼルの部分においてセンサの動作波長で不透過である電力線の幅を狭くし、または、さらに電力線を全体に取り除くことによって、ベゼルの幅は、ディスプレイパネルの全体の端に沿って一定の幅で延びる電力線を特徴付けるディスプレイパネルと比べて、減少させられ得る。
【0017】
追加の利点は、以下の記載、図面およびクレームから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】AMOLEDディスプレイパネルの実施例の平面視である。
【
図1B】
図1Aに示されるAMOLEDディスプレイパネルの上部の平面視である。
【
図1C】
図1Bに示されるAMOLEDディスプレイパネルの上部の断面視である。
【
図2A】AMOLEDディスプレイパネルのもう1つの実施例の上部の平面視である。
【
図2B】
図2Aに示されるAMOLEDディスプレイパネルの上部の断面視である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
様々な図面における同様の参照番号および名称は、同様の要素を指し示す。
詳細な説明
図1Aを参照して、AMOLEDディスプレイパネル100は、ディスプレイアクティブ領域110と、ディスプレイアクティブ領域110を取り囲むベゼル120とを含む。電力線130は、ベゼル120に配置されており、ディスプレイパネル100の底部におけるコネクタタブからベゼルの上部に至るまで、ベゼルの両側に沿って這わされている。電力線130は、パネルの上部で終端し、エミッタ150およびセンサ160を含むセンサモジュールの場所に対応する隙間140を提供する。電力線130は、パネルの動作の間、ディスプレイアクティブ領域110におけるOLED画素に放出電流を運ぶ。
図1Aに示されないが、コネクタタブは、集積回路およびコネクタのような構成要素を含み、ディスプレイパネル100がデバイスに取り付けられる時に、典型的には、アクティブ領域110およびベゼル120の後ろに折り返される。
【0020】
一般的に、電力線130は、銅またはアルミニウムのようなある特定の金属といった、良好な電気伝導体である材料から形成されている。電力線は、発光のため、ディスプレイアクティブ領域に電流を運ぶために十分に低い抵抗率を有するべきである。電力線130は、ディスプレイパネルの上端で幅133を有する。電力線の幅は、一般的に、電力線の抵抗率が十分に低くなるように選択される。その幅は、ベゼル120の上端に沿って一定であり得る。いくつかの実施形態では、電力線130の幅は、ベゼルの側端および上端に沿って一定である。ある特定の実施形態において、幅133は、0.1mm以上3mm以下の範囲(たとえば、0.2mm以上、0.5mm以上、2mm以下、1mm以下)であり得る。
【0021】
平面視においてディスプレイパネル100の上部を示す
図1B、ならびに、
図1Aおよび
図1B中のABで示された線に沿ったディスプレイパネル100を貫く断面視を示す
図1Cも参照して、センサモジュール162は、デバイス(たとえば、モバイルフォンまたはタブレットコンピュータ)に取り付けられる時、ディスプレイパネル100の下方に搭載される。センサモジュール162は、前面センサ150および前面エミッタ160を含み、前面センサ150は、隙間140を通じて周囲環境から伝えられる放射線を受けるように配置され、前面エミッタ160は、センサモジュール162から隙間140を通じて周囲環境に伝えられる放射線を放出するように配置される。
【0022】
一般的に、センサ150およびエミッタ160の動作波長は同じである。動作波長は、センサモジュール162の特定の機能に応じて変化し得る。いくつかの実施形態では、動作波長は、赤外線波長を含む。動作波長は、電磁スペクトルの可視部分の外側にあり得る。電力線130が形成される材料は、センサモジュール162の動作波長に対して不透過であり得る。たとえば、銅およびアルミニウムといった導電性金属は、ある特定の可視および赤外線波長に対して不透過である。
【0023】
特に
図1Cを参照して、ディスプレイパネル100は、OLED層116と、OLED層116の上部上の1つまたは複数の追加の層104と、追加の層104の上部上のカバーガラス102とを含む多層デバイスである。OLED層116は、ディスプレイアクティブ領域110に放射画素112および画素回路11
4を含む。画素は、ディスプレイパネル100の平面で延びてもよい。
【0024】
可視光に対して不透過な材料の層122は、追加の層104およびカバーガラス102の間のベゼル122に含まれる。
【0025】
ベゼル120は、典型的には、約0.1mm以上約3mm以下の範囲である幅121に渡る。いくつかの実施形態において、幅121は、電力線130の幅133と同じであるか、または、幅133よりわずかに大きい。たとえば、幅121は、幅133より0.5mm以下大きい値であり得る(たとえば、0.3mm以下、0.2mm以下、0.1以下、0.05mm以下)。
【0026】
隙間140は、電力線130の幅133に対応する幅141に渡る。上記のように、幅141は、ベゼル120の幅121よりも小さい。いくつかの実施形態において、幅141は、約0.05mm以上約2mm以下の範囲であり得る。
【0027】
ギャップ140でベゼルを構成する材料は、センサモジュール162の動作波長における十分な放射線が、センサモジュールの効果的な動作を許容するためにベゼルを通じて伝えられ得るように、一般的には、センサモジュール162の動作波長に対して透過である。いくつかの実施形態において、隙間140におけるベゼルは、動作波長において通常それに入射する放射線の約30%以上を伝えることができる。これに対して、電力線130におけるベゼルは、動作波長において通常入射する放射線の1%以下を伝えることができる。
【0028】
多くのOLEDディスプレイパネルは、ディスプレイアクティブ領域の全体に渡ってベゼル内に延びるカソード電極を含む。このようなカソード電極は、ディスプレイアクティブ領域における画素からの光の伝達を許容するように、可視光に対して透過な材料から形成され得る。たとえば、カソード電極は、インジウムスズ酸化物、または、薄い銀層から形成され得る。いくつかの実施形態において、カソード電極は、ギャップ140を横切って電力線130の2つの端子を電気的に接続するように使用され得る。
【0029】
ディスプレイパネル100における電力線130は、ギャップ140を形成して終端する一方で、他の実装もまた可能である。たとえば、いくつの実施形態では、電力線の幅は、完全に終端されず、ギャップで著しく狭められ得る。このような配置の実施例は、
図2Aおよび
図2Bに示されており、
図2Aおよび
図2Bにおいて、ディスプレイパネル200は、センサ150およびエミッタ160上の部分240で狭くなる電力線230を含む。ここでは、電力線の狭い部分232は、ベゼル120の上部を横切って電力線230を接続する。
【0030】
電力線の狭い部分232は、部分240の外側のディスプレイパネル200の上端における電力線230の幅133よりも著しく小さい幅233を有する。一般的には、幅233は、電力線の部分232がセンサモジュール162の動作を実質的に妨げないように、十分に小さくあるべきである。いくつかの実施形態において、幅233は、0.0001mm以上0.1mm以下の範囲であり得る。
【0031】
いくつかの実施形態が記載される一方で、他の配置が可能である。たとえば、ディスプレイアクティブ領域110のアクティブ領域およびベゼル120は、一般的に、矩形である一方、他の形状が可能である。いくつかの実施形態において、たとえば、ディスプレイアクティブ領域は、前面センサーが配置されるノッチを含み得る。このような場合、電力線は、ノッチの形状に従うことができる。電力線におけるギャップ、または、電力線の狭まりは、ノッチに設置され得る。他のディスプレイ形状(たとえば、正方形、円形、または、他の湾曲したおよび/または多角形の形状)が可能である。
【0032】
この明細書に記載される主題および機能的動作の実施形態は、パーソナルコンピュータ、モバイルフォン、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートテレビ、モバイルオーディオもしくはビデオプレーヤ、ゲームコンソール、または、ディスプレイパネルおよび前面センサを利用するこれらデバイスの1つまたは複数の組み合わせといった、任意の適切な電子デバイスに実装され得る。
【0033】
電子デバイスは、メモリ、プロセッサ、ディスプレイおよび入力/出力ユニットといった様々な構成要素を含んでもよい。入力/出力ユニットは、たとえば、データを送受信するために1つまたは複数のネットワークと通信可能なトランシーバを含んでもよい。ディスプレイは、たとえば、画像を表示するための、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LDC)、または、発光ダイオード(LED)ディスプレイを含む任意の適切なディスプレイであってもよい。
【0034】
ここに記載されるシステムおよび技術の様々な実装は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASICs(アプリケーション特有の集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/または、それらの組み合わせで実現され得る。これらの様々な実装は、データおよび命令を受信し、データおよび命令を送信するために結合された、特別または一般的な目的であってもよい少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサと、ストレージシステムと、少なくとも1つの入力デバイスと、少なくとも1つの出力デバイスとを含む、プログラム可能なシステム上で実行可能および/または解釈可能である1つまたは複数のコンピュータプログラムにおける実装を含み得る。
【0035】
実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品として、たとえば、データ処理装置による実行のための、または、データ処理装置の動作を制御するための、コンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして、実装されてもよい。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号に影響を与える要素の構成、または、それらの1つまたは複数の組み合わせであってもよい。「データ処理装置」という用語は、データを処理するためのすべての装置、デバイスおよび機械を包含し、たとえば、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、多数のプロセッサ、または、多数のコンピュータを含む。装置は、ハードウェアに加えて、問題となるコンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード、たとえば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、または、それらの1つまたは複数の組み合わせを構成するコードを含んでもよい。伝播された信号は、人為的に生成された信号、たとえば、適切な受信装置への伝達のための情報を符号化するために生成される機械生成の電気的、光学的または電磁的な信号である。
【0036】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプトまたはコードとしても知られている)は、コンパイルされた、または、解釈された言語を含む任意の形式のプログラミング言語で書かれてもよく、それは、スタンドアロンプログラムとして、または、モジュールとして、コンピューティング環境での使用に適したコンポーネント、サブルーチン、または、その他のユニットを含む、任意の形式で展開されてもよい。コンピュータプログラムは、ファイルシステムにおけるファイルに必ずしも対応しない。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(たとえば、マークアップ言語ドキュメントに格納された1つまたは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部に、問題となるプログラム専用の単一のファイルに、または、多数の整えられたファイル(たとえば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラムまたはコードの一部を格納するファイル)に、格納されてもよい。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータで実行されるように展開されてもよいし、1つの場所に配置され、または、複数の場所に渡って分散され、通信ネットワークによって相互接続されている多数のコンピュータで実行されるように展開されてもよい。
【0037】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、たとえば、一般的または特別な目的のマイクロプロセッサの両方、ならびに、いくつかの種類のデジタルコンピュータの1つまたは複数のプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリまたはその両方からの命令およびデータを受けるであろう。
【0038】
コンピュータの要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを格納するための1つまたは複数のメモリデバイスとを含んでもよい。一般的には、コンピュータはまた、データを格納するための1つまたは複数の大容量格納装置、たとえば、磁気ディスク、光磁気ディスクまたは光ディスクを含むか、または、大容量格納装置からデータを受けたり、大容量格納装置にデータを送ったり、もしくは、その両方を行なったりするように有効に連結されるであろう。しかしながら、コンピュータは、そのようなデバイスを有しなくてもよい。コンピュータプログラムの命令およびデータを格納するのに適したコンピュータ可読媒体は、全ての形式の不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイスを含み、例示すると、たとえば、EPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリデバイスといった半導体メモリデバイス、たとえば、内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスクといった磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む。プロセッサおよびメモリは、特別な目的の論理回路によって補完されてもよいし、特別な目的の論理回路に組み合わされてもよい。
【0039】
この明細書は、多くの特定の実装の詳細を含む一方で、これらは、クレームされるところの範囲の限定として解釈されるべきでなく、特定の実施形態に特有の構成の記載として解釈されるべきである。この明細書で別々の実施形態の場面で記載されるある特定の構成は、単一の実施形態における組み合わせでも実行され得る。逆に、単一の実施形態の場面で記載される様々な構成はまた、複数の実施形態で別々に、または、いくつかの適切なサブコンビネーションで実行され得る。さらに、構成は、ある特定の組み合わせで作用するとして上に記載され、最初にそのようにクレームされてさえいるが、クレームされた組み合わせからの1つまたは複数の構成は、いくつかのケースでは、組み合わせから削除されることが可能であり、クレームされた組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形に向けられてもよい。
【0040】
同様に、動作は、特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序または連続した順序で実行されたり、全ての図示される動作が実行されたりすることの要求として理解されるべきでない。ある特定の状況では、マルチタスクおよび並行するプロセスが、有利であってもよい。さらに、上記の実施形態における様々なシステムモジュールおよびコンポーネントの分離は、全ての実施形態においてそのような分離が必要であると理解されるべきではなく、記載されたプログラムコンポーネントおよびシステムが、一般的には、単一のソフトウェア製品に一緒に統合されるか、複数のソフトウェア製品にパッケージされると理解されるべきである。
【0041】
主題の特定の実施形態は、記載されている。他の実施形態は、以下のクレームの範囲内である。たとえば、クレームで参照される動作は、異なる順序で実行され得るし、なお望ましい結果を達成することができる。一例として、付随の図に示されるプロセスは、望ましい結果を達成するために、示される特定の順序または連続する順序を必ずしも要求しない。いくつかのケースにおいて、マルチタスクおよび並行するプロセスが有利であってもよい。
【0042】
他の実施形態は、以下のクレームにある。