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  • 特許-飲料抽出装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】飲料抽出装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/36 20060101AFI20241002BHJP
   G07F 13/02 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
A47J31/36
G07F13/02 102
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022542103
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 NL2020050775
(87)【国際公開番号】W WO2021141487
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】2024645
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】521434849
【氏名又は名称】ブラフィロー ボナマット ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブレイエンダール、ルーク
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルカンプ、メルレイン
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-049257(JP,A)
【文献】特表2017-529989(JP,A)
【文献】特開2005-160649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
G07F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料抽出装置(1)であって、
粉体材料と高温の液体とを受け入れて混合するための容器(7)と、
容器(7)の下に位置するフィルタ(8)と、
容器(7)内に加圧ガスを供給するためにダクトを介して容器(7)に接続する電動ガスポンプ(9)と、
容器(7)とは反対側にあるフィルタ(8)の出口側における抽出液用の流出口(10)とを少なくとも備え、
流出口(10)は抽出された液体のための出口ダクト(11)に接続しているものにおいて、
電動ガスポンプ(9)を流れる電流を測定するために、電流検出回路(23)が電動ガスポンプ(9)の電力線に接続され、電流検出回路(23)は、前記電流が予め設定された閾値を超えているかどうかを検出するための制御部(25)に直接的または間接的に接続され、制御部(25)は、電動ガスポンプ(9)を流れる前記電流が前記予め設定された閾値を超えていると確認すると、電動ガスポンプ(9)への供給電力を低減するものであることを特徴とする飲料抽出装置。
【請求項2】
制御部(25)は、容器(7)が依然として液体で満たされており、液体が依然として出口ダクト(11)から規則的に注がれている状態で、飲料抽出装置(1)の動作に対応する電動ガスポンプ(9)を流れる平均電流レベル(B)を定めるようにされており、前記予め設定された閾値が、平均電流レベル(B)に応じて決定されることを特徴とする請求項1に記載の飲料抽出装置。
【請求項3】
前記予め設定された閾値は、電動ガスポンプ(9)を流れる平均電流レベル(B)よりも、少なくとも10%高い値に設定されていることを特徴とする、請求項2に記載の飲料抽出装置。
【請求項4】
制御部(25)は、予め設定された動作時間の後に電動ガスポンプ(9)を停止させるタイマーを備えていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の飲料抽出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体材料と高温の液体とを受け入れて混合する容器と、容器の下方に設けられたフィルタと、ダクトを介して容器に接続し、容器内に加圧ガスを供給する電動ガスポンプと、フィルタの出口側であって容器とは反対側に設けられた抽出液の流出口とを少なくとも備え、流出口が抽出液の流出ダクトに接続されている、飲料抽出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような飲料抽出装置は、出願人の先の未公表のオランダ特許出願2022775(特許文献1)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】オランダ特許出願第2022775号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ほぼ全ての液体が容器から排出されたときに、流出ダクトの出口開口部での吹き出し又は飛散を回避することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、添付の請求項の1つまたは複数の特徴を有する、本発明による飲料抽出装置が提案される。
【0006】
本発明の第1の側面によれば、電動ガスポンプを流れる電流を測定するために、電流検出回路が電動ガスポンプの電力線に接続され、電流検出回路は、電流が予め設定された閾値を超えているかどうかを検出するための制御部に直接接続され、制御部は、電動ガスポンプを流れる電流が予め設定された閾値を超えていると確認すると、電動ガスポンプへの供給電力を低減するようにしている。実施可能な代替案として、検出機能を制御部から分離することもできる。この場合、電流検出回路は、まず、電流が予め設定された閾値を超えているかどうかを検出するための検出器に接続される。次に検出器が、電動ガスポンプ用の制御部に接続される。この制御部は、電動ガスポンプを流れる電流が予め設定された閾値を超えていることを検出器が検出すると、電動ガスポンプへの供給電力を低減するようにされている。
【0007】
本発明者は、電動ガスポンプを流れる電流の上昇が、ほぼ全ての液体が容器から排出された状況、すなわち排出ダクトの出口開口部で吹き出し又は飛散が発生する瞬間の状況を判断する信頼できる指標となることを見出した。したがって、電流がある閾値以上に上昇し、その後、電動ガスポンプに供給される電力を滑らかに減少させたとき、吹き出し又は飛散を回避することができる。
【0008】
好ましくは、検出器及び/又は制御部は、容器が依然として液体で満たされており、液体が依然として出口ダクトから規則的に注がれている状態で、装置の動作に対応する電動ガスポンプを流れる平均電流レベルを定めるようにされており、予め設定された閾値が、平均電流レベルに応じて決定される。このようにして、絶対的な尺度ではない相対的な尺度が本発明の飲料抽出装置に導入され、この尺度は、フィルタが汚染し得るレベルを自動的に考慮に入れる。フィルタの汚染は、電動ガスポンプが電力を要求する原因となり得る。そうでなくても、電動ガスポンプの電力要求に対して制御部が適切に応答することを妨げることになり得る。
【0009】
好適には、予め設定された閾値は、電動ガスポンプを流れる平均電流レベルよりも、少なくとも10%高い値に設定される。
【0010】
制御部が、予め設定された動作時間の後に電動ガスポンプを停止させるタイマーを備えることがさらに望ましい場合がある。これにより、電動ガスポンプを停止させるための閾値が設定できない場合に、電動ガスポンプが作動し続けることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の飲料抽出装置の一実施形態の正面図である。
図2図1の飲料抽出装置の実施形態の関連部分を示す図である。
図3】飲料抽出装置の電動ガスポンプを制御する回路および要素の概略図である。
図4】本発明の飲料抽出装置の電動ガスポンプの動作中に測定される電流の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明をさらに説明する。これら図面は、先行技術の方法に従って動作し、添付の請求項に関して限定されない本発明の方法に従って動作する装置の例示的な実施形態を示す。
【0013】
図中に同じ参照番号が付されている場合、これらの番号は同じ部材を意味する。
【0014】
図1において、本発明の飲料抽出装置1は、例えばコーヒー豆などの豆用の収容器2を備えている。収容器2の下には、挽いた豆を図2にも示されているシュート4に供給するグラインダ3が設けられている。また、シュート4は、ダクト5からの熱水を受ける。ダクト5は、このダクト5が接続されているヒータ6から熱水を受ける。この熱水は、グラインダ3からの挽き豆を確実に搬送して、シュート4が接続する容器7に受け入れさせる。これらを収容するために、容器7には、この容器7の上側の位置13に、閉鎖可能な開口を形成し、粉体材料と熱い液体の両方を受け入れるようにしている。
【0015】
さらに図2も参照すると、閉鎖可能な開口には、当該開口を開閉するための(図示しない)バルブが、矢印13の高さに設けられている。当該バルブは、容器7の開口部を気密に閉鎖するように配置され、容器7をガスポンプ9の動作によって加圧できるようにしている。ガスポンプ9は、図2に示すように、ダクト9′を介して容器7に接続し、容器7内に加圧ガスを供給する。
【0016】
飲料抽出装置1はまた、流出口10を有している。この流出口10は、容器7とは反対側にあるフィルタ8の出口側で抽出された液体を放出するためのものである。流出口10は、図1及び図2に示すように、抽出された液体のための出口ダクト11に接続される。出口ダクト11は、流出口10から離れた出口開口12を有する。
【0017】
ここで図3および図4を参照しながら、出口ダクト11の出口開口12における飛散または吹き出しを抑制するために提案されている新規な特徴について説明する。
【0018】
図3は、電流検出回路、例えば電気分流器E(23)が、電動ガスポンプ9を流れる電流を測定するために、電動ガスポンプ9の電力線に接続している状態を示している。電流検出回路E(23)の出力は、好ましくは、変換器ADC(24)によってデジタル化される。この変換器ADCは、制御部G(25)に接続されている。制御部G(25)は、後述するような他の機能の中でもとりわけ、電流が予め設定された閾値を上回っているかどうかを検出する。また、別の検出器を適用することも可能であり、その検出器は制御部に接続される。しかし、図示の実施形態では、検出器は、電動ガスポンプ9を制御する機能をさらに有する制御部G(25)の一部である。制御部G(25)は、電動ガスポンプ9を流れる電流が予め設定された閾値を超えていることが確認された場合に、電動ガスポンプ9に供給される電力を低減するようにされている。この仕組みは、図4を参照して後ほど説明する。図4は、本発明の飲料抽出装置1の運転中に電動ガスポンプ9を流れる電流の典型的な変化を示している。ここで、X軸上に、測定された電流から採取したサンプルを表す時間軸を表し、Y軸上に、電動ガスポンプ9に供給される電流の値をボルトで表している。
【0019】
図4に示すように、検出器G(25)によって、装置1の動作に対応する電動ガスポンプ9を流れる平均電流レベルBが定められる。この際、容器7は依然として液体で満たされており、液体が出口ダクト11の出口開口12から依然として規則的に流れ出ている。さらに、電動ガスポンプ9を流れる電流がラインAに従って、ある閾値より上に上昇するとき、電動ガスポンプ9に供給される電力が軌跡Cに従って減少することが図示されている。図4から分かるように、このようなことが起こる予め設定された閾値は、電動ガスポンプ9を流れる平均電流レベルBよりおよそ10%以上高い値に設定されている。軌跡Cに従って電動ガスポンプ9に供給される電力を減少させることにより、出口ダクト11の出口開口部12における吹き出し及び飛散が効果的に回避される。
【0020】
さらに望ましくは、制御部G(25)が、予め設定された運転時間の後に電動ガスポンプを停止させるタイマーを備える。
【0021】
以上、本発明の飲料抽出装置の例示的な実施形態を参照して本発明を論じてきたが、本発明は、この特定の実施形態に拘束されるものではなく、本発明から逸脱することなく多くの点で変化させることができる。したがって、議論された例示的な実施形態は、添付の特許請求の範囲を厳密に解釈するために使用してはならない。また、本実施形態は、添付の特許請求の範囲の文言を説明するためのものであり、特許請求の範囲をこの例示的な実施形態に限定する意図はない。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲のみに従って解釈されるものとし、特許請求の範囲の文言に生じ得る曖昧さは、この例示的な実施形態を用いて解決されるものとする。
図1
図2
図3
図4