(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】工具組立体用の工具ホルダ及びこの工具ホルダを備える工具組立体
(51)【国際特許分類】
B23B 27/00 20060101AFI20241002BHJP
F16F 15/12 20060101ALI20241002BHJP
F16F 15/10 20060101ALI20241002BHJP
B23C 9/00 20060101ALI20241002BHJP
B23Q 3/12 20060101ALI20241002BHJP
B23Q 11/00 20060101ALI20241002BHJP
B24B 45/00 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
B23B27/00 C
F16F15/12 L
F16F15/10 Z
B23C9/00 Z
B23Q3/12 A
B23Q11/00 A
B24B45/00 Z
(21)【出願番号】P 2022558140
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(86)【国際出願番号】 EP2020059053
(87)【国際公開番号】W WO2021197577
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】522376195
【氏名又は名称】マク アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】チーリン フー
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-529141(JP,A)
【文献】中国実用新案第204673298(CN,U)
【文献】特開平03-202217(JP,A)
【文献】国際公開第2019/168848(WO,A1)
【文献】特開2010-175280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B27/00-29/34
B23C 1/00- 9/00
B23Q11/00-13/00
F16F 15/22
F16F 15/32
B23Q 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具組立体(10)用の工具ホルダ(12)であって、
キャビティ(26)及び中心軸(16)を有する管状要素(20)と、
前記キャビティ(26)内に配置され、前記中心軸(16)に対して半径方向に、かつ前記管状要素(20)に対して移動可能な減衰塊状体(28)と、
前記管状要素(20)に固定された後部(34)と、前記工具組立体(10)のエンドエフェクタ(14)に接続するための前部(32)と、を有するアダプタ(22)であって、前記後部(34)は開口部(40)を有し、前記減衰塊状体(28)は半径方向の隙間を有して前記開口部(40)内に少なくとも部分的に受容される、アダプタ(22)と、
該アダプタ(22)と前記減衰塊状体(28)との間に配置された弾性要素(42)であって、該弾性要素(42)は、前記減衰塊状体(28)を支持し、前記管状要素(20)に対する前記減衰塊状体(28)の半径方向の振動運動を減衰させるように配置され、前記弾性要素(42)は、前記中心軸(16)に実質的に垂直な前面(44)と、前記中心軸(16)に実質的に垂直な後面(46)とを有する、弾性要素(42)と、
を備え
、
前記弾性要素(42)の前記後面(46)は前記減衰塊状体(28)に直接接続され、
前記弾性要素(42)は、振動を前記減衰塊状体に伝達するときに主として剪断応力を受ける、
工具ホルダ(12)。
【請求項2】
前記後部(34)はねじ(36、38)によって前記管状要素(20)に固定される、請求項1に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項3】
前記後部(34)は接着剤によって前記管状要素(20)に固定される、請求項2に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項4】
前記アダプタ(22)と前記減衰塊状体(28)との間に配置された板(48)を更に備える、請求項1~3の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項5】
前記後部(34)はアダプタ開口部(50)を備え、前記板(48)は前記アダプタ開口部(50)内に着座する、請求項4に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項6】
前記板(48)は技術的篏合によって前記アダプタ(22)に対して位置決めされる、請求項4又は5に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項7】
前記弾性要素(42)は、
1.5mm未満の厚さを有する、請求項1~6の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項8】
前記減衰塊状体(28)は該減衰塊状体(28)を前記管状要素(20)に組み付ける前に釣り合わせされる、請求項1~
7の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項9】
外側剛性リング(66)を更に備え、前記減衰塊状体(28)は溝(64)を有し、前記外側剛性リング(66)は、前記溝(64)内に着座し、前記管状要素(20)と接触する、請求項1~
8の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項10】
前記外側剛性リング(66)は前記減衰塊状体(28)を支持するため
に工具ホルダ(12)の剛性の30%未満に寄与する、請求項
9に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項11】
エンドエフェクタ(14)
及び請求項1~10の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)を備える、工具組立体(10)。
【請求項12】
工具組立体(10)用の工具ホルダ(12)であって、
キャビティ(26)及び中心軸(16)を有する管状要素(20)と、
前記キャビティ(26)内に配置され、前記中心軸(16)に対して半径方向に、かつ前記管状要素(20)に対して移動可能な減衰塊状体(28)と、
前記管状要素(20)と一体に形成された後部(34)と、前記工具組立体(10)のエンドエフェクタ(14)に接続するための前部(32)と、を有するアダプタ(22)と、
該アダプタ(22)と前記減衰塊状体(28)との間に配置された弾性要素(42)であって、該弾性要素(42)は、前記減衰塊状体(28)を支持し、前記管状要素(20)に対する前記減衰塊状体(28)の半径方向の振動運動を減衰させるように配置され、前記弾性要素(42)は、前記中心軸(16)に実質的に垂直な前面(44)と、前記中心軸(16)に実質的に垂直な後面(46)とを有する、弾性要素(42)と、
を備え
、
前記弾性要素(42)の前記後面(46)は前記減衰塊状体(28)に直接接続され、
前記弾性要素(42)は、振動を前記減衰塊状体に伝達するときに主として剪断応力を受ける、
工具ホルダ(12)。
【請求項13】
前記アダプタ(22)と前記減衰塊状体(28)との間に配置された板(48)を更に備える、請求項
12に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項14】
前記後部(34)はアダプタ開口部(50)を備え、前記板(48)は前記アダプタ開口部(50)内に着座する、請求項
13に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項15】
前記板(48)は技術的篏合によって前記アダプタ(22)に対して位置決めされる、請求項
13又は
14に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項16】
前記弾性要素(42)は、
1.5mm未満の厚さを有する、請求項
12~15の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項17】
前記減衰塊状体(28)は該減衰塊状体(28)を前記管状要素(20)に組み付ける前に釣り合わせされる、請求項
12~
16の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項18】
外側剛性リング(66)を更に備え、前記減衰塊状体(28)は溝(64)を備え、前記外側剛性リング(66)は、前記溝(64)内に着座し、前記管状要素(20)と接触する、請求項
12~
17の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項19】
前記外側剛性リング(66)は前記減衰塊状体(28)を支持するため
に工具ホルダ(12)の剛性の30%未満に寄与する、請求項
18に記載の工具ホルダ(12)。
【請求項20】
エンドエフェクタ(14)
及び請求項12~19の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)を備える、工具組立体(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、工具ホルダに関する。特に、減衰塊状体を受容するための開口部を含むアダプタを有する工具ホルダと、そのような工具ホルダを備える工具組立体と、管状要素と一体化されたアダプタを有する工具ホルダと、そのような工具ホルダを備える工具組立体と、減衰塊状体を管状要素に組み込む前に釣り合わされる減衰塊状体を有する工具ホルダと、そのような工具ホルダを備える工具組立体とが提供される。
【背景技術】
【0002】
工具組立体は、フライス加工、旋削加工、中ぐり加工、研削加工、及び穴明け加工などの各種機械加工プロセスで使用することができる。びびりとも呼ばれる機械加工振動は機械加工作業中に自然に発生し、被削材と切削工具組立体との間の相対運動に相応する。工具組立体は、多くの場合、材料除去速度/生産性を主要な性能指標として使用する。高い材料除去速度は、高速、深い切り込み、及び高い送り速度を必要とする。3つのパラメータの全ては、機械加工プロセスにおける振動を増加させる傾向がある。
【0003】
振動は、機械加工された表面上にうねりをもたらす。加えて、工具組立体の振動はしばしば有害であり、被削材及び/又は工具組立体自体を損傷する可能性がある。
【0004】
工具組立体内の振動を減衰させるために、工具組立体は、内部に減衰塊状体を有する工具ホルダを備えてもよい。振動運動エネルギーは、減衰塊状体に伝達されて、工具組立体の動きを安定させる。
【0005】
特許文献1は切削工具用の質量ダンパを開示しており、質量ダンパは、少なくとも1つの減衰塊状体と、減衰塊状体を支持するように配置された少なくとも1つのばね要素とを備える。減衰塊状体は、各端部で面取りされてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2019/168448(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の1つの目的は、改善された性能を有する工具ホルダを提供することである。
【0008】
本開示のさらなる目的は、改善された表面仕上げ性能を有する工具組立体用の工具ホルダを提供することである。
【0009】
本開示の更に別の目的は、改善された減衰性能を有する工具組立体用の工具ホルダを提供することである。
【0010】
本開示の更に別の目的は、工具組立体のエンドエフェクタの近くに減衰塊状体を配置することを可能にする、工具組立体用の工具ホルダを提供することである。
【0011】
本発明の更に他の目的は、高い剛性を有する工具組立体用の工具ホルダを提供することである。
【0012】
本開示の更に別の目的は工具組立体用の工具ホルダを提供することであり、この工具ホルダは、改善されたバランスを有する。
【0013】
本開示の更に別の目的は工具ホルダが長期間にわたってほとんど又は全く修理を必要としない、工具組立体用の工具ホルダを提供することである。
【0014】
本開示のさらなる目的は、管状要素に対する減衰塊状体の単純及び/又は信頼性のある調整を可能にする、工具組立体用の工具ホルダを提供することである。
【0015】
本開示のさらなる目的は、工具ホルダが簡単で、費用効果が高く、及び/又は信頼性のある設計を有する、工具組立体用の工具ホルダを提供することである。
【0016】
本開示のさらなる目的は、工具ホルダが簡単で、費用効果が高く、及び/又は信頼性のある組立体を可能にする、工具組立体用の工具ホルダを提供することである。
【0017】
本開示のさらなる目的は、工具ホルダが簡単で、費用効果が高く、及び/又は信頼性のある製造を可能にする、工具組立体用の工具ホルダを提供することである。
【0018】
本開示のさらなる目的は、工具ホルダが前述の目的のいくつか又はすべてを組み合わせて解決する、工具組立体用の工具ホルダを提供することである。
【0019】
本開示のなおさらなる目的は工具ホルダを備える工具組立体を提供することであり、この工具組立体は、前述の目的のうちの1つ、いくつか、又はすべてを解決する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
一態様によれば、工具組立体用の工具ホルダが提供され、該工具ホルダは、キャビティと中心軸とを有する管状要素と、キャビティ内に配置され、中心軸に対して半径方向に、かつ管状要素に対して移動可能である減衰塊状体と、管状要素に固定された後部と、工具組立体のエンドエフェクタに接続するための前部とを有するアダプタであって、後部は開口部を含み、減衰塊状体は少なくとも部分的に半径方向の隙間を有して開口部に受容される、アダプタと、アダプタと減衰塊状体との間に配置された弾性要素であって、減衰塊状体を支持し、管状要素に対する減衰塊状体の半径方向の振動運動を減衰させるように構成され、中心軸に対して実質的に垂直又は垂直な前面と、中心軸に対して実質的に垂直又は垂直な後面とを有する、弾性要素と、を備える。
【0021】
多くの従来技術の工具ホルダでは、アダプタが締まり嵌め又は中間嵌めを介して管状要素に挿入され、次いで、ピンによって管状要素に固定される。そのような工具ホルダはしばしば、少なくとも5mmの直径を有するピンを必要とする。安全係数を増加させるために、ピンの数が増加され、及び/又はピンの直径が増加される。これは、中心軸に沿ったアダプタの後部の長さが延長されることを必要とする。この長さの増大は次に、減衰塊状体がエンドエフェクタから更に離れて配置されることを必要とする。
【0022】
この態様による工具ホルダの減衰塊状体はアダプタの開口部に少なくとも部分的に受け入れられるので、減衰塊状体は工具ホルダ内で更に前方に位置決めすることができる。したがって、減衰塊状体は、アダプタの前部の近くに配置され、それによって、工具組立体のエンドエフェクタの近くにも配置され得る。これにより、機械加工中に工具組立体に外力が作用する点と、減衰塊状体に作用する反力領域との間の距離を短くすることができる。例えば、引用文献1(国際公開第2019/168448(A1)号)と比較して、この距離は、4mm低減され得る。工具ホルダの設計では、1ミリメートルの減少ごとに、工具ホルダの性能に顕著な影響を及ぼす。この距離を4mm短くすることにより、加工時の工具ホルダの振動加速度振幅を10%以上低減することができ、また、工具組立体の最大振動変位を30%以上低減することができる。
【0023】
工具組立体の材料除去速度は、最大振動変位と逆の関係にある。したがって、工具組立体の最大振動変位を30%縮小させると、生産性が30%高くなる。したがって、この態様による工具ホルダは、改善された表面仕上げ性能を有する。
【0024】
更に、弾性要素の前面及び後面の実質的に垂直な配向に起因して、弾性要素は、振動を減衰塊状体に伝達するときに主に剪断応力を受ける。これは、弾性要素をより薄くすることを可能にし、これは次に、減衰塊状体とエンドエフェクタとの間の距離を低減することに寄与する。実質的に垂直な表面は、中心軸に対して80°~100°、例えば85°~95°の角度であり得る。
【0025】
したがって、工具ホルダは、改善された振動減衰性能のために最適化される。同時に、工具ホルダは、剛性、モジュール性、疲労強度、減衰塊状体のバランス及び/又はクーラント伝導の要件を満たす設計を可能にする。
【0026】
開口部は円形状であってもよい。開口部は半径方向隙間を確立するために、減衰塊状体の外径よりも大きい内径を有する可能性がある。したがって、減衰塊状体は、キャビティ及び開口部の両方の中を移動するように配置される。半径方向の移動に加えて、減衰塊状体は、中心軸に対して軸方向に移動することもできる。
【0027】
後部は、管状要素に直接的又は間接的に接続されてもよい。後部は、管状要素の前端に接続されてもよい。管状要素、アダプタ、及び弾性要素の各々は、中心軸と同心であってもよい。
【0028】
工具ホルダはテールロックを更に備えてもよい。工具ホルダは後端部を更に備えてもよい。
【0029】
工具ホルダは、中央流体管を更に備えてもよい。流体管は、エンドエフェクタに向かってクーラントを運ぶように配置されてもよい。アダプタは、流体管からエンドエフェクタにクーラントを運ぶための1つ又は複数のクーラント通路を備えることができる。
【0030】
減衰塊状体は塊状体空所を含むことができる。この場合、流体管は塊状体空所を通過することができる。流体管は例えば、ねじ山及び/又は接着剤によって、アダプタ及びテールロックの各々に堅固に接続され得る。
【0031】
アダプタの前部は、アダプタをエンドエフェクタに接続するためのインターフェースを備えてもよい。インターフェースは、標準的なアーバーインターフェースであってもよい。エンドエフェクタはボルトによって前部に固定されてもよい。本明細書で使用されるとき、工具組立体の前方向はエンドエフェクタに向かい、工具組立体の後方向は反対方向、例えば、後端に向かう。
【0032】
アダプタと減衰塊状体との間に配置された弾性要素は、前部弾性要素と呼ばれることがある。工具ホルダは、アダプタと減衰塊状体との間に1つの弾性要素のみを備えてもよい。
【0033】
後部はねじ山によって管状要素に固定されてもよい。この目的のために、後部、又は後部に固定された構成要素は雄ねじを備えることができ、管状要素、又は管状要素に固定された構成要素は、雄ねじによってねじ係合されるように構成された雌ねじを備えることができる。開口部は、雄ねじの半径方向内側に配置されてもよい。開口部は、中心軸に沿って雄ねじと少なくとも部分的に重なり得る。中心軸に沿った開口部の長さ、例えば開口部の全長は、中心軸に沿った雄ねじと重なり得る。
【0034】
代替的に、後部、又は後部に固定された構成要素は雌ねじを備えてもよく、管状要素、又は管状要素に固定された構成要素は雌ねじによってねじ係合されるように構成された雄ねじを備えてもよい。
【0035】
代替的に、又は追加的に、後部は、隙間嵌め又は締まり嵌めなどの冷間溶着、接着剤又は技術的篏合によって、管状要素に固定されてもよい。アダプタと管状要素との間の相対運動をロックするために、ろう付け又は接着剤を使用して固定接合部を形成することができる。開口部に突出しないピンを使用することも可能である。
【0036】
管状要素は、後端に固定されるように構成されてもよい。この目的のために、後端部は雄ねじを備えることができ、管状要素は、後端部の雄ねじと螺合するように構成された雌ねじを備えることができる。
【0037】
工具ホルダは、アダプタと減衰塊状体との間に配置された板を更に備えてもよい。この場合、弾性要素は、板と減衰塊状体との間に配置されてもよい。板は、断熱板であってもよい。板は円形状であってもよい。板は剛性であってもよい。中心軸に垂直な板の最大寸法は、板の厚さの少なくとも4倍、例えば少なくとも10倍であってもよい。
【0038】
アダプタと減衰塊状体との間に配置された板は、前板と呼ばれることがある。アダプタと減衰塊状体との間の前板に加えて、工具ホルダは、減衰塊状体とテールロックとの間の後板を更に備えてもよい。
【0039】
各板は、ガラス、プラスチック、木質繊維、又は他のエンジニアリング材料などの、低熱伝導性を有する材料から作製されてもよい。各板はまた、断熱コーティングの表面層でコーティングされた金属又は非金属材料によって形成されてもよい。
【0040】
後部は、アダプタ開口部を備えてもよい。この場合、板は、アダプタ開口内に着座することができる。これは、中心軸との減衰塊状体の改善された調整を可能にし、これにより、工具組立体の性能が改善される。アダプタ開口部の内径は、開口部の内径よりも小さくてもよい。アダプタ開口部は、円形状であってもよい。
【0041】
板は、技術的篏合によってアダプタに対して位置決めされてもよい。技術的篏合は、力嵌め、中間嵌め又は隙間嵌めであってもよい。板は、技術的篏合によってアダプタ開口内に着座させることができる。代替的に又は追加的に、板は、技術的篏合によって流体管上に配置されてもよい。いずれにしても、技術的篏合は、減衰塊状体を中心軸と位置合わせすることに寄与する。
【0042】
弾性要素は、2mm未満、例えば1.5mm未満の厚さを有する可能性がある。アダプタと減衰塊状体との間の前部弾性要素に加えて、工具ホルダは、減衰塊状体とテールロックとの間に後部弾性要素を更に備えてもよい。後板が設けられる場合、後部弾性要素は、減衰塊状体と後板との間に配置されてもよい。
【0043】
各弾性要素は、振動エネルギーを熱に変換するように構成されてもよい。各弾性要素は、周波数依存剛性を有することができる。これにより、自己調整効果を得ることができる。例えば、弾性要素は減衰塊状体の共振周波数が100Hz~1000Hzまでの振動数範囲にわたって工具ホルダの振動数と実質的に一致又は一致するような周波数依存性剛性を有する可能性がある。そのような周波数依存性剛性を有する材料は少なくとも1つの寸法において100nm以下の構造的サイズを有する可能性がある。
【0044】
各弾性要素は、そのヤング率の1/3以下の剪断弾性率を有する材料を含んでもよい。これは、弾性要素が中心軸に対して実質的に垂直に変位されるとき、弾性要素の厚さを低くすることを可能にする。結果として、減衰塊状体の反力領域は、エンドエフェクタのより近くに配置され得る。各弾性要素は、粘弾性要素であってもよい。
【0045】
後面は、減衰塊状体に直接接続されてもよい。これにより、減衰塊状体の反力領域が、後面と減衰塊状体との間のインターフェースに設けられる。
【0046】
減衰塊状体は、減衰塊状体を管状要素に組み立てる前にバランスをとることができる。釣り合わせは特に、減衰塊状体に1つ以上の釣り合わせ開口部を設けることによって、本開示による任意のタイプのものとすることができる。
【0047】
工具ホルダは外側剛性リングを更に備えてもよく、減衰塊状体は溝を備えてもよく、外側剛性リングは溝内に着座して管状要素と接触してもよい。外側剛性リングは、減衰塊状体の中心軸との整列を促進するように構成されてもよい。
【0048】
工具ホルダは複数のそのような外側剛性リングを備えてもよく、減衰塊状体は複数のそのような溝を備えてもよく、外側剛性リングのうちの1つが各溝に設けられてもよい。複数の外側剛性リングの使用は、より重い減衰塊状体の重力及び遠心力を打ち消すために使用することができる。
【0049】
外側剛性リングは、減衰塊状体を支持するための合計剛性の30%未満に寄与し得る。
【0050】
さらなる態様によれば、本開示による、減衰塊状体を受容するための開口部を有するアダプタを有する、エンドエフェクタ及び工具ホルダを備える工具組立体が提供される。本開示によるエンドエフェクタの例は、ミーリングヘッド、ボーリングヘッド、ドリルヘッド、ターニングヘッド、及び研削ヘッドである。
【0051】
さらなる態様によれば、工具組立体用の工具ホルダが提供され、工具ホルダは、キャビティ及び中心軸を有する管状要素と、キャビティ内に配置され、中心軸に対して半径方向に移動可能であり、管状要素に対して相対的に移動可能な減衰塊状体と、アダプタであって、管状要素と一体的に形成された後部と、工具組立体のエンドエフェクタに接続するための前部とを有するアダプタと、アダプタと減衰塊状体との間に配置され、減衰塊状体を支持し、管状要素に対する減衰塊状体の半径方向振動運動を減衰させるように構成され、中心軸に対して実質的に垂直又は垂直な前面と、中心軸に対して実質的に垂直又は垂直な後面とを備える弾性要素と、を備える。減衰塊状体及び弾性要素は、第1の態様に従って構成されてもよい。
【0052】
この態様によれば、アダプタと管状要素とが一体的に形成されているので、減衰塊状体を工具ホルダ内で更に前方に位置決めすることができる。したがって、減衰塊状体は、アダプタの前部の近くに配置され、それによって、工具組立体のエンドエフェクタの近くにも配置され得る。一体型アダプタ及び管状要素は、一体型部材又は一体型筐体と呼ばれることがある。
【0053】
工具ホルダは、アダプタと減衰塊状体との間に配置された板を更に備えてもよい。後部はアダプタ開口部を備えてもよい。この場合、板は、アダプタ開口部内に着座することができる。これは、中心軸との減衰塊状体の改善された調整を可能にし、これにより、工具組立体の性能が改善される。アダプタ開口部は、円形状であってもよい。板及びアダプタ開口部は、第1の態様に従って構成されてもよい。
【0054】
板は、技術的篏合によってアダプタに対して位置決めされてもよい。技術的篏合は、力嵌め、中間嵌め又は隙間嵌めであってもよい。
【0055】
弾性要素は、2mm未満、例えば1.5mm未満の厚さを有する可能性がある。後面は、減衰塊状体に直接接続されてもよい。
【0056】
減衰塊状体は、管状要素への減衰塊状体の組み立て前にバランスをとることができる。釣り合わせは特に、減衰塊状体に1つ以上の釣り合わせ開口部を設けることによって、本開示による任意のタイプのものとすることができる。
【0057】
工具ホルダは外側剛性リングを更に備えてもよく、減衰塊状体は溝を備えてもよく、外側剛性リングは溝内に着座して管状要素と接触してもよい。外側剛性リングは、減衰塊状体の中心軸との整列を促進するように構成されてもよい。外側剛性リングは、減衰塊状体を支持するための合計剛性の30%未満に寄与し得る。
【0058】
さらなる態様によれば、本開示による、管状要素と一体化されたアダプタを有する、エンドエフェクタ及び工具ホルダを備える工具組立体が提供される。
【0059】
さらなる態様によれば、工具組立体用の工具ホルダが提供され、工具ホルダはキャビティ及び中心軸を有する管状要素と、キャビティ内に配置され、中心軸に対して、及び管状要素に対して半径方向に移動可能な減衰塊状体とを備え、減衰塊状体は管状要素への減衰塊状体の組み立て前にバランスがとられている。
【0060】
従来技術の工具ホルダでは制動質量が製造後であるが、工具ホルダの組み立て前にアンバランスになる。100g・mm(グラムミリメートル)以上のアンバランスは例えば、機械加工プロセスの不正確さのため、及び減衰塊状体内部の材料要素の拡散のために、総質量が1.5kgの減衰塊状体において非常に一般的である。例えば、100Hz付近の振動数モードを有し、100g・mmのアンバランスを有する減衰塊状体を用いて6000rpmで回転する工具組立体は、100Hzで工具ホルダに周期的負荷を課す。この周期的負荷は、工具組立体及び/又はそのための支持構造の寿命に非常に有害な、工具組立体を共振モードにする。
【0061】
いくつかの従来技術の工具ホルダでは、減衰塊状体が例えば、減衰塊状体を管状要素に挿入し、減衰塊状体をテールロックに接続した後に、工具ホルダへの組み立て後にバランスがとられる。減衰塊状体のバランスをとるために、1つ以上の孔が、管状要素を通って減衰塊状体に穿孔されて、減衰塊状体から材料を除去することができる。しかしながら、従来技術によれば、管状要素を介して減衰塊状体に穿孔することによって減衰塊状体を正確にバランスさせることは困難である。更に、管状要素を通して穿孔された孔はキャビティ及び減衰塊状体を外部環境に露出させ、その結果、流体及びダストが工具ホルダに侵入し、工具ホルダの機能を低下させる可能性がある。管状要素を貫通して穿孔された孔はまた、工具ホルダの全体的な曲げ剛性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0062】
対照的に、この態様による減衰塊状体のバランスをとることによって、減衰塊状体の質量を中心軸に沿って均等に分布させることができ、それによって、工具ホルダは、制御下でバランスをとって高速で回転することができる。すなわち、減衰塊状体は、減衰塊状体の共振を低減又は排除するようにバランスをとることができる。減衰塊状体を管状要素内に設置する前に減衰塊状体をバランスさせることによって、例えば管状要素を穿孔することによって減衰塊状体から材料を除去することによって、工具ホルダの機能性を低下させるリスクを低減することができる。更に、バランスをより正確にすることができる。したがって、この態様による工具ホルダは、改善された表面仕上げ性能を有する。
【0063】
減衰塊状体は減衰塊状体を管状要素に組み立てる前に、ISO1940-1:2003に従い、バランシング等級G6.3を満たすようにバランスをとることができる。
【0064】
減衰塊状体は減衰塊状体を管状要素に組み立てる前に、ISO1940-1:2003に従ったバランシング等級G2.5を満たすようにバランスをとることができる。
【0065】
減衰塊状体は減衰塊状体を管状要素に組み立てる前に、ISO1940-1:2003に従ったバランシング等級G1を満たすようにバランスをとることができる。
【0066】
減衰塊状体は、減衰塊状体の釣り合わせのための少なくとも1つの釣り合わせ開口部を備えてもよい。減衰塊状体及び少なくとも1つの釣り合わせ開口部は、少なくとも1つのバランス質量開口が提供される前よりも、少なくとも1つの釣り合わせ開口部が提供された後に、減衰塊状体が良好にバランスされるように構成され得る。
【0067】
少なくとも1つの釣り合わせ開口部のうちの1つ又は複数は、中心軸に対して半径方向に延在する孔であってもよい。代替的に、又は追加的に、少なくとも1つの釣り合わせ開口部のうちの1つ又は複数は、止まり孔であってもよい。
【0068】
工具ホルダは外側剛性リングを更に備えてもよく、減衰塊状体は溝を備えてもよく、外側剛性リングは溝内に着座して管状要素と接触してもよい。外側剛性リングは、減衰塊状体を支持するための合計剛性の30%未満に寄与し得る。
【0069】
さらなる態様によれば、本開示による、管状要素への減衰塊状体の組み立て前に釣り合わせされる減衰塊状体を有する、エンドエフェクタ及び工具ホルダを備える工具組立体が提供される。
【0070】
本開示による任意の工具組立体は被削材を機械加工するとき、静止していても回転していてもよい。本開示による任意の工具ホルダ又は任意の工具組立体は、モジュール式であり得る。モジュール性は例えば、異なるタイプのエンドエフェクタ及び/又は異なるタイプのバックエンドを工具ホルダに取り付けるために使用され得る。異なるタイプの後端を工具ホルダに取り付ける能力のために、工具ホルダは、機械スピンドル又は工具マガジンなどの特定の支持体に適合するように容易に適合され得る。代替的に又は追加的に、モジュール性は例えば、同じ減衰塊状体を用いて、工具ホルダの長さ及び/又は直径を変更するために使用されてもよい。モジュール性のために、工具ホルダ又は工具組立体への構成要素のサプライチェーンストックを低減することができる。
【0071】
一例によれば、本開示による工具ホルダと、第1の後端部及び第2の後端部とを備える部品のキットが提供され、第1の後端部及び第2の後端部の各々は工具ホルダに取り外し可能に接続可能であり、第1の後端部は第1のサイズの第1の支持体に接続可能であり、第2の後端部は、第1のサイズとは異なる第2のサイズの第2の支持体に接続可能である。
【0072】
さらなる例によれば、本開示による工具ホルダと、第1のエンドエフェクタと、第2のエンドエフェクタとを備える部品のキットが提供され、第1のエンドエフェクタ及び第2のエンドエフェクタの各々は工具ホルダに取り外し可能に接続可能であり、第1のエンドエフェクタは第1のタイプのものであり、第2のエンドエフェクタは、第1のタイプとは異なる第2のタイプのものである。
【0073】
本開示のさらなる詳細、利点及び態様は、図面と併せて以下の実施形態から明らかになるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】
図1は工具ホルダ及びエンドエフェクタを備える工具組立体の斜視図を概略的に表す。
【
図2】
図2は工作機械の断面側面図を模式的に表す。
【
図3】
図3は工具組立体の部分断面斜視図を概略的に表す。
【
図4】
図4は工具組立体の部分分解断面側面図を概略的に表す。
【
図5】
図5は工具ホルダのアダプタの斜視図を概略的に表す。
【
図6】
図6は工具ホルダのための減衰塊状体のさらなる例の斜視図を概略的に表す。
【
図7】
図7は更なる実施形態の断面側面図を概略的に表す工具ホルダの例である。
【
図8】
図8工具ホルダの更なる例の断面側面図を概略的に表す。
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下では、減衰塊状体を受容するための開口部を有するアダプタを有する工具ホルダと、そのような工具ホルダを備える工具組立体と、管状要素と一体化されたアダプタを有する工具ホルダと、そのような工具ホルダを備える工具組立体と、減衰塊状体を管状要素に組み立てる前に釣り合わされた減衰塊状体を有する工具ホルダと、そのような工具ホルダを備える工具組立体とを説明する。同一又は同様の参照番号は、同一又は同様の構造的特徴を示すために使用される。
【0076】
図1は、ここではフライス工具として例示される工具組立体10の斜視図を概略的に表す。工具組立体10は、工具ホルダ12と、工具ホルダ12に接続された、ここではフライス加工ヘッドとして例示されるエンドエフェクタ14とを備える。
図1は、工具組立体10の中心軸16を更に示す。
【0077】
エンドエフェクタ14は、被削材(図示せず)を機械加工するための複数の切削歯18を備える。この例のエンドエフェクタ14は、4つの切削歯18を備える。
【0078】
図1に示されるように、工具ホルダ12は、管状要素20及びアダプタ22を備える。管状要素20及びアダプタ22の各々は、中心軸16と同心である。エンドエフェクタ14は、アダプタ22によって管状要素20に固定される。
【0079】
工具ホルダ12は、後端部24を更に備える。後端部24は、工具組立体10を支持するための支持体(図示せず)に接続することができる。被削材の機械加工中、工具組立体10と被削材との間には、中心軸16を中心とする相対回転が存在する。すなわち、工具組立体10が回転し、被削材が静止しているか、又はその逆であるかの何れかである。
【0080】
図2は、工具組立体10の断面側面図を概略的に示す。
図3は、工具組立体10の部分断面斜視図を概略的に示す。
図2及び
図3を総括すると、管状要素20は、キャビティ26を備える。管状要素20は円筒形である。
【0081】
工具組立体10は、減衰塊状体28を更に備える。減衰塊状体28は、キャビティ26の内側に配置される。工具組立体10による機械加工動作中、振動は、減衰塊状体28を中心軸16に対して、かつ管状要素20に対して半径方向に移動させる。振動はまた、減衰塊状体28を中心軸16に対して軸方向に移動させる。
【0082】
減衰塊状体28は、円筒状であり、2つの端面を備える。減衰塊状体28は、中央塊状体空所30を含む。減衰塊状体28はタングステン合金などの高密度材料から作製されてもよい。
【0083】
アダプタ22は、前部32及び後部34を備える。前部32はエンドエフェクタ14のより近くに配置され、後部34は後端部24のより近くに配置される。
【0084】
後部34は雄ねじ36を含む。管状要素20は雌ねじ38を備える。雄ねじ36は雌ねじ38とねじ係合し、それによりねじ係合を形成する。このようにして、アダプタ22は管状要素20に固定される。ねじ山36は、切削力がねじ係合を締め付けるように手で回すことができる。ねじ係合は、それによって、アダプタを管状要素に固定するためのピンを使用する従来技術の解決策よりも高い固定力を提供することができる。ねじ係合のピッチセクションのために、剪断応力が分散される表面積は、そのような従来技術の解決策よりも大きい。ねじ係合部の疲労抵抗を改善するために、ねじ係合部に接着剤を導入することもできる。
【0085】
後部34は開口部40を備える。減衰塊状体28は開口部40内に部分的に受け入れられる。これにより、減衰塊状体28の前端とアダプタ22の前端との間の距離dを小さくすることができる。これにより、工具組立体10の表面仕上げ性能が向上する。
【0086】
減衰塊状体28の外径と開口部40の内径との間に半径方向隙間が確立される。開口部40は円形状であり、中心軸16と同心である。
【0087】
図2及び
図3に示すように、開口部40の後端は、雄ねじ36の後端と位置合わせされている。雄ねじ36の前端は、開口部40の前端よりも前方に位置している。したがって、開口部40は、雄ねじ36の半径方向内側に配置される。また、開口部40と雄ねじ36とは、中心軸16に沿って重なっている。
【0088】
前部32は雌ねじ(図示せず)を含む。前部32の雌ねじは、エンドエフェクタ14をアダプタ22に固定するために、ボルト(図示せず)によってねじ係合することができる。
【0089】
工具ホルダ12は、前部弾性要素42を更に備える。前部弾性要素42は、減衰塊状体28の振動、特に半径方向の振動運動を減衰させるように配置される。前部弾性要素42は、アダプタ22と減衰塊状体28との間に配置される。前部弾性要素42は、前面44及び後面46を含む。前面44は、減衰塊状体28の前面に堅固に接続される。後面46は、前板48の後面に堅固に接続されている。
【0090】
前面44及び後面46のそれぞれは、中心軸16に対して垂直である。前面44及び後面46の中心軸16に対する垂直方向は、前部弾性要素42に主に剪断応力を受けるようにさせる。これにより、前部弾性要素42を非常に薄く、例えばわずか1mmにすることができる。前部弾性要素42を薄くすることができるので、減衰塊状体28をエンドエフェクタ14のより近くに移動させることができる。
【0091】
後面46は減衰塊状体28の前端面に直接接触する。前部弾性要素42は中心軸16と同心である。
【0092】
この例の工具ホルダ12は、ここでは円形状断熱板として例示される前板48を更に備える。前板48はアダプタ22に接触している。前面44は前板48の後端面に直接接触する。前板48は中心軸16と同心である。
【0093】
この例の後部34はアダプタ開口部50を更に備える。前板48は、技術的篏合によってアダプタ開口部50内に受容される。これにより、減衰塊状体28と中心軸16との位置合わせが改善される。
【0094】
前板48は、瞬間接着剤などの接着剤でアダプタ22に係止されてもよい。あるいは、前板48がアダプタ22に対して回転可能であってもよい。この場合、前板48とアダプタ開口部50との間にグリースが塗布されてもよい。このグリースは、空気に比べて振動エネルギーの伝達を向上させることができる。
【0095】
この例では、前部弾性要素42が前板48と減衰塊状体28との間に配置される。前面44は前板48に直接接触する。
【0096】
この例の工具ホルダ12は後板52及びテールロック54を更に備える。後板52は、減衰塊状体28とテールロック54との間に配置される。後板52は、前板48と同様の構成を有する。後板52はテールロック54に接触している。
【0097】
テールロック54はテールロック開口部56を備える。後板52は、テールロック開口部56内に受容される。これにより、減衰塊状体28と中心軸16との位置合わせが改善される。
【0098】
この例の工具ホルダ12は後部弾性要素58を更に備える。後部弾性要素58は、減衰塊状体28とテールロック54との間に配置される。この例では、後部弾性要素58が減衰塊状体28と後板52との間に配置される。後部弾性要素58は前部弾性要素42と同じ構成を有することができる。代替的に、後部弾性要素58は、前部弾性要素42と比較して、サイズ及び材料が異なってもよい。各弾性要素42、58は粘弾性要素であってもよい。
【0099】
各弾性要素42、58は自己接着性である。前部弾性要素42は前板48及び減衰塊状体28に接着される。後部弾性要素58は減衰塊状体28及び後板52に接着される。
【0100】
工具ホルダ12は流体管60を更に備える。流体管60は塊状体空所30を通過する。また、流体管60は、板48、52の各々、及び弾性要素42、58の各々の貫通孔を通過する。流体管60は、アダプタ22に螺合接続され、テールロック54に螺合接続される。これにより、アダプタ22及びテールロック54のそれぞれに流体管60が固定される。これらのねじ接続部にはシール接着剤も設けられている。流体管60はエンドエフェクタ14に向かってクーラントを運ぶように構成される。流体管60は中心軸16と同心である。
【0101】
アダプタ開口部50及びテールロック開口部56が省略されているとき、前板48及び後板52のそれぞれは技術的篏合によって流体管60に嵌合されてもよい。また、このようにして、減衰塊状体28は中心軸16と位置合わせすることができる。
【0102】
アダプタ22はクーラント通路62を更に備える。クーラント通路62は流体管60からエンドエフェクタ14に高圧クーラントを提供するように配置される。この例では、クーラント通路62はそれぞれ中心軸16と平行に延びる。
【0103】
減衰塊状体28は溝64を含む。溝64は減衰塊状体28の周囲に延在し、中心軸16と同心である。この例の溝64は、中心軸16に沿う減衰塊状体28の中心に位置する。
【0104】
この例の工具ホルダ12は、外側剛性リング66を更に備える。外側剛性リング66は、溝64内に着座している。外側剛性リング66は、減衰塊状体28と、キャビティ26を画定する管状要素20の内面との両方と接触している。これにより、減衰塊状体28と中心軸16との位置合わせが改善される。
【0105】
減衰塊状体28は、弾性要素42、58によって、及び外側剛性リング66によって支持される。したがって、減衰塊状体28の支持剛性は、弾性要素42、58及び外側剛性リング66から剛性を構成する。外側剛性リング66は、好ましくは減衰塊状体28を支持する全剛性の30%未満に寄与する。振動エネルギーは、弾性要素42、58及び外側剛性リング66のそれぞれの内側の相対運動によって減衰される。
【0106】
外側剛性リング66は弾性要素42、58の原料とは異なる原料、又は同じ原料の異なるグレード(例えば、グレードNBR70及びNBR90の天然ゴム)から作製され得る。外側剛性リング66は例えば、天然ゴム、シリコンゴム、エラストマー、又は他のポリマー材料などの低クリープ特性を有する材料から作製されてもよい。
【0107】
いずれの場合も、弾性要素42、58は主に振動エネルギーを熱に変換するのに寄与し、一方、外側剛性リング66は主に、又は単に、高速回転による減衰塊状体28の重量ドリフト及び減衰塊状体28への遠心力に対抗する。
【0108】
弾性要素42、58は工具組立体10が周期的負荷を受けているときに、半径方向の動きを受ける。弾性要素42、58は自己調整効果を提供するために、周波数に依存する剛性を有する原料から作製されてもよい。
【0109】
図4は、工具組立体10の部分分解断面側面図を概略的に示す。例えば、工具ホルダ12が10000rpmで回転するとき、減衰塊状体28は典型的には周期的負荷のようなバランスに関連する課題を回避するために、10g・mm未満の釣り合わせを必要とする。減衰塊状体28のバランスをとるために、減衰塊状体28は、まず、釣り合わせマシンで測定される。釣り合わせ測定に応答して、材料は次に、減衰塊状体28から除去され、それによって、減衰塊状体28が釣り合わされるように、中心軸16に沿った1つ以上の位置に1つ以上の釣り合わせ開口部68を生成する。
図4の減衰塊状体28は、2つの釣り合わせ開口部68を備え、それぞれが減衰塊状体28の外面からの穿孔された半径方向止まり孔として例示される。
【0110】
この例の工具ホルダ12は、減衰塊状体28と流体管60との間の塊状体空所30内に減衰液体を更に含む。減衰液体は、油などの粘性液体であってもよい。釣り合わせ開口部68は、減衰塊状体28(この例では止まり孔)を通って延在しないので、減衰塊状体28を通る減衰液体の漏れは回避される。
【0111】
減衰塊状体28はISO1940-1:2003によるバランシング等級G1を満たすように、バランシング等級G2.5を満たすように、バランシング等級G6.3を満たすように釣り合わせすることができる。減衰塊状体28の釣り合わせ後、工具ホルダ12が組み立てられる。
【0112】
工具ホルダ12は例えば、5.5kgの質量を有することができる。この場合、減衰塊状体28は、1.5kgの質量を有することができる。減衰塊状体28の質量は、工具ホルダ12の質量の20%~40%であってもよい。
【0113】
質量が1.5kgの減衰塊状体28を有する質量が5.5kgの工具ホルダ12の場合、工具ホルダ12は、300Hzの振動数に合わせて調整することができる。この手段、質量を支持する全剛性は約5.3×106N/mであり、以下の式によって支配される。
【0114】
【0115】
ここで、Ktotalは(この事例では弾性要素42、58及び外側剛性リング66の)全剛性、fは調整された振動数、mは減衰塊状体28の質量である。
【0116】
外側剛性リング66が減衰塊状体28を支持する全剛性の30%の剛性を有するように設定される場合、外側剛性リング66の剛性は約1.6×106N/mである。減衰塊状体28の重力は中心軸16が水平であるとき、約15Nである。この重力は約0.01mmの変位をもたらし、15g・mmのアンバランスをもたらし、これは許容可能である。
【0117】
工具ホルダ12が1つの弾性要素、すなわち前部弾性要素42のみを備えるが後部弾性要素58は備えない場合、支持剛性が低減され、減衰塊状体28の質量を低減することができる。減衰塊状体28の質量の低減は、製造コストを更に低減することになる。キャビティ26内の空間が制限されるので、減衰塊状体28の質量の低減も有利である。減衰塊状体28の質量が小さいほど、重力による工具組立体10の静的な撓みも低減される。外側剛性リング66は重力/重量及び遠心力による減衰塊状体28のドリフトに対抗するために、溝64内に依然として設けられてもよい。
【0118】
前部弾性要素42の剛性は、式に従って、減衰塊状体28を調整するように予め選択されてもよい。
【0119】
【0120】
式中、mは減衰塊状体28の質量、kは前部弾性要素42の剛性、fは工具組立体10の調整された振動数である。減衰塊状体28の質量mは予め選択することができる。調整された振動数fは工具組立体10の構造によって決定され得る。
【0121】
図5は、アダプタ22の斜視図を概略的に示す。
図5では、開口部40及びアダプタ開口部50をより明確に見ることができる。開口部40の内径は、アダプタ開口部50の内径よりも大きい。
【0122】
図6は、工具ホルダ12のための減衰塊状体28のさらなる例の斜視図を概略的に表す。
図6の減衰塊状体28は、釣り合わせ開口部68の位置及び構成により、
図2~4の減衰塊状体28とは異なる。
図6の減衰塊状体28は、2つの釣り合わせ開口部68を備え、それぞれが減衰塊状体28の正方形の切り欠きとして構成されている。更に、釣り合わせ開口部68は、中心軸16に対して角度的にオフセットされている。
【0123】
図7は、工具ホルダ12のさらなる例の断面側面図を概略的に表す。
図1~
図5との主な相違点について説明する。
図7の工具ホルダ12は、フライス工具の形態の工具組立体10用である。
図7では、ミーリングヘッドは省略されている。アダプタ22の前部32はより大きな外径を有している。前部32の外面は、管状要素20の外面と位置合わせされる。更に、管状要素20及び後端部24は、一体的に形成される。
【0124】
図8は、工具ホルダ12のさらなる例の断面側面図を概略的に表す。
図1~
図5との主な相違点について説明する。
図8において、アダプタ22は、管状要素20と一体に形成される。キャビティ26に加えて、結合されたアダプタ22及び管状要素26は、減衰塊状体28を収容するための追加の開口部(
図2~
図5の開口部40のよう)を備えていない。
【0125】
一体型アダプタ22及び管状要素20は、様々な方法で後端部24に固定することができる。
図8において、管状要素20は、後端部24を受け入れるための後部開口部70を備える。前板48、前部弾性要素42、減衰塊状体28、外側剛性リング66、後部弾性要素58、後板52、及びテールロック54は、後部開口部70を通って管状要素20に挿入されてもよい。
【0126】
後部開口部70は後端部24の雄ねじと螺合するための雌ねじを備えることができる。減衰塊状体28はアダプタ22と後部開口部70との間に配置される。
【0127】
アダプタ22は、管状要素20と一体に形成されるので、工具ホルダ12に長さを追加し得る、アダプタ22と管状要素20との間の接続を回避することができる。これにより、減衰塊状体28の前端とアダプタ22の前端との間の距離dを小さくすることができる。これは、工具ホルダ12を含む工具組立体10の表面仕上げ性能を改善する。
【0128】
本開示は例示的な実施形態を参照して説明されているが、本発明は上記で説明されたものに限定されないことが理解されよう。例えば、部品の寸法は、必要に応じて変更されてもよいことが理解されよう。したがって、本発明は、本明細書に添付される特許請求の範囲によってのみ限定され得ることが意図される。
なお、本発明の態様(構成)として以下に示すものがある。
[態様1]
工具組立体(10)用の工具ホルダ(12)であって、
キャビティ(26)及び中心軸(16)を有する管状要素(20)と、
前記キャビティ(26)内に配置され、前記中心軸(16)に対して半径方向に、かつ前記管状要素(20)に対して移動可能な減衰塊状体(28)と、
前記管状要素(20)に固定された後部(34)と、前記工具組立体(10)のエンドエフェクタ(14)に接続するための前部(32)と、を有するアダプタ(22)であって、前記後部(34)は開口部(40)を有し、前記減衰塊状体(28)は半径方向の隙間を有して前記開口部(40)内に少なくとも部分的に受容される、アダプタ(22)と、
該アダプタ(22)と前記減衰塊状体(28)との間に配置された弾性要素(42)であって、該弾性要素(42)は、前記減衰塊状体(28)を支持し、前記管状要素(20)に対する前記減衰塊状体(28)の半径方向の振動運動を減衰させるように配置され、前記弾性要素(42)は、前記中心軸(16)に実質的に垂直な前面(44)と、前記中心軸(16)に実質的に垂直な後面(46)とを有する、弾性要素(42)と、
を備えた工具ホルダ(12)。
[態様2]
前記後部(34)はねじ(36、38)によって前記管状要素(20)に固定される、態様1に記載の工具ホルダ(12)。
[態様3]
前記後部(34)は接着剤によって前記管状要素(20)に固定される、態様2に記載の工具ホルダ(12)。
[態様4]
前記アダプタ(22)と前記減衰塊状体(28)との間に配置された板(48)を更に備える、態様1~3の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
[態様5]
前記後部(34)はアダプタ開口部(50)を備え、前記板(48)は前記アダプタ開口部(50)内に着座する、態様4に記載の工具ホルダ(12)。
[態様6]
前記板(48)は技術的篏合によって前記アダプタ(22)に対して位置決めされる、態様4又は5に記載の工具ホルダ(12)。
[態様7]
前記弾性要素(42)は、2mm未満、例えば1.5mm未満の厚さを有する、態様1~6の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
[態様8]
前記後面(46)は前記減衰塊状体(28)に直接接続されている、態様1~7の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
[態様9]
前記減衰塊状体(28)は該減衰塊状体(28)を前記管状要素(20)に組み付ける前に釣り合わせされる、態様1~8の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
[態様10]
外側剛性リング(66)を更に備え、前記減衰塊状体(28)は溝(64)を有し、前記外側剛性リング(66)は、前記溝(64)内に着座し、前記管状要素(20)と接触する、態様1~9の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
[態様11]
前記外側剛性リング(66)は前記減衰塊状体(28)を支持するための全剛性の30%未満に寄与する、態様10に記載の工具ホルダ(12)。
[態様12]
態様1~11の何れか一項に記載のエンドエフェクタ(14)及び工具ホルダ(12)を備える、工具組立体(10)。
[態様13]
工具組立体(10)用の工具ホルダ(12)であって、
キャビティ(26)及び中心軸(16)を有する管状要素(20)と、
前記キャビティ(26)内に配置され、前記中心軸(16)に対して半径方向に、かつ前記管状要素(20)に対して移動可能な減衰塊状体(28)と、
前記管状要素(20)と一体に形成された後部(34)と、前記工具組立体(10)のエンドエフェクタ(14)に接続するための前部(32)と、を有するアダプタ(22)と、
該アダプタ(22)と前記減衰塊状体(28)との間に配置された弾性要素(42)であって、該弾性要素(42)は、前記減衰塊状体(28)を支持し、前記管状要素(20)に対する前記減衰塊状体(28)の半径方向の振動運動を減衰させるように配置され、前記弾性要素(42)は、前記中心軸(16)に実質的に垂直な前面(44)と、前記中心軸(16)に実質的に垂直な後面(46)とを有する、弾性要素(42)と、
を備えた工具ホルダ(12)。
[態様14]
前記アダプタ(22)と前記減衰塊状体(28)との間に配置された板(48)を更に備える、態様13に記載の工具ホルダ(12)。
[態様15]
前記後部(34)はアダプタ開口部(50)を備え、前記板(48)は前記アダプタ開口部(50)内に着座する、態様14に記載の工具ホルダ(12)。
[態様16]
前記板(48)は技術的篏合によって前記アダプタ(22)に対して位置決めされる、態様14又は15に記載の工具ホルダ(12)。
[態様17]
前記弾性要素(42)は、2mm未満、例えば1.5mm未満の厚さを有する、態様13~17の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
[態様18]
前記後面(46)は前記減衰塊状体(28)に直接接続される、態様13~17の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
[態様19]
前記減衰塊状体(28)は該減衰塊状体(28)を前記管状要素(20)に組み付ける前に釣り合わせされる、態様13~18の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
[態様20]
外側剛性リング(66)を更に備え、前記減衰塊状体(28)は溝(64)を備え、前記外側剛性リング(66)は、前記溝(64)内に着座し、前記管状要素(20)と接触する、態様13~19の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
[態様21]
前記外側剛性リング(66)は前記減衰塊状体(28)を支持するための全剛性の30%未満に寄与する、態様20に記載の工具ホルダ(12)。
[態様22]
態様13~21の何れか一項に記載のエンドエフェクタ(14)と工具ホルダ(12)とを備える、工具組立体(10)。
[態様23]
工具組立体(10)用の工具ホルダ(12)であって、
キャビティ(26)及び中心軸(16)を有する管状要素(20)と、
前記キャビティ(26)内に配置され、前記中心軸(16)に対して半径方向に、及び前記管状要素(20)に対して移動可能な減衰塊状体(28)であって、該減衰塊状体(28)は、該減衰塊状体(28)を前記管状要素(20)に組み付ける前に釣り合わせされる、減衰塊状体(28)と、
を備える工具ホルダ(12)。
[態様24]
前記減衰塊状体(28)は、該減衰塊状体(28)を前記管状要素(20)に組み付ける前に、ISO1940-1:2003に従ったバランシング等級G6.3を満たすように釣り合わせされる、態様23に記載の工具ホルダ(12)。
[態様25]
前記減衰塊状体(28)は、該減衰塊状体(28)を前記管状要素(20)に組み付ける前に、ISO1940-1:2003に従ったバランシング等級G2.5を満たすように釣り合わせされる、態様23又は24に記載の工具ホルダ(12)。
[態様26]
前記減衰塊状体(28)は、該減衰塊状体(28)を前記管状要素(20)に組み付ける前に、ISO1940-1:2003に従ってバランシング等級G1を満たすように釣り合わせされる、態様23~25の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
[態様27]
前記減衰塊状体(28)は、該減衰塊状体(28)を釣り合わせるための少なくとも1つの釣り合わせ開口部(68)を備える、態様23~26の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
[態様28]
前記少なくとも1つの釣り合わせ開口部(68)のうちの1つ以上が、前記中心軸(16)に対して半径方向に延びる孔である、態様27に記載の工具ホルダ(12)。
[態様29]
前記少なくとも1つの釣り合わせ開口部(68)のうちの1つ又は複数が止まり孔である、態様27又は28に記載の工具ホルダ(12)。
[態様30]
外側剛性リング(66)を更に備え、前記減衰塊状体(28)が溝(64)を備え、前記外側剛性リング(66)は、前記溝(64)内に着座し、前記管状要素(20)と接触する、態様23~29の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)。
[態様31]
前記外側剛性リング(66)は前記減衰塊状体(28)を支持するための全剛性の30%未満に寄与する、態様30に記載の工具ホルダ(12)。
[態様32]
エンドエフェクタ(14)と態様23~31の何れか一項に記載の工具ホルダ(12)とを備える、工具組立体(10)。