(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】モバイル機器に適合した内部コネクタおよび各種機器用の外部コネクタを有するモバイル機器用保護スリーブ
(51)【国際特許分類】
H04M 1/11 20060101AFI20241002BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H04M1/11 Z
H05K5/02 C
(21)【出願番号】P 2022563215
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(86)【国際出願番号】 US2021027928
(87)【国際公開番号】W WO2021216430
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-10-25
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515184075
【氏名又は名称】ナショナル プロダクツ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】National Products, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】カルネヴァリ ジェフリー ディー
(72)【発明者】
【氏名】パーカー ジェイク
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン スコット
【審査官】横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-523225(JP,A)
【文献】特表2016-537902(JP,A)
【文献】特開2013-048018(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1609754(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/02- 1/23
A45C 1/00-15/08
A45F 3/00
3/02
3/04
3/12
G06F 1/00
1/16- 1/18
H01R 27/00-31/08
H05K 5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル機器用のケースであって、前記ケースは、
前記モバイル機器を受け入れて保持するよう構成された空所を画定する可撓性の覆いを有し、
前記可撓性覆い内に少なくとも部分的に設けられた剛性のフレームを有し、前記剛性フレームの少なくとも1つの第1の部分は、前記可撓性覆いによって2つの互いに反対側の側部のうちの1つが覆われかつ前記2つの互いに反対側の側部のうちの別の1つが露出され、前記剛性フレームの少なくとも1つの第2の部分は、前記2つの互いに反対側の側部の両方が露出され、
前記剛性フレームの少なくとも1つの第3の部分は、前記可撓性覆いによって前記剛性フレームの前記2つの互いに反対側の側部の両方が覆われ、
前記剛性フレームおよび前記可撓性覆い内に少なくとも部分的に設けられたアダプタを有し、前記アダプタは、外部機器の接点に結合可能な複数の第1の接点、前記可撓性覆いによって画定された前記空所中に延びかつ前記モバイル機器の雌型ソケット中に挿入可能に構成された雄型プラグ、および前記雄型プラグに設けられかつ前記アダプタの前記第1の接点に電気的に結合された複数の第2の接点を有し、
前記アダプタは、前記可撓性覆いまたは前記剛性フレーム
のうちの少なくとも一方と組み合わせ状態で、前記ケースの前記可撓性覆いによって画定された前記空所から遠ざかって延びかつ前記外部機器に結合可能に構成された第1の雄型構造体を構成し、前記アダプタの前記第1の接点は、前記第1の雄型構造体に設けられている、ケース。
【請求項2】
前記第1の雄型構造体は、前記アダプタ、前記可撓性覆い、および前記剛性フレームによって構成されている、請求項1記載のケース。
【請求項3】
前記第1の雄型構造体は、ベースおよび前記ベースから遠ざかって延びる第2の雄型構造体を有し、前記アダプタの前記第1の接点は、前記第2の雄型構造体に設けられている、請求項1記載のケース。
【請求項4】
前記アダプタは、前記第1の雄型構造体の前記ベースに設けられている開口部を備えた雌型コネクタをさらに有し、前記雌型コネクタは、前記アダプタの前記雄型プラグに電気的に結合されている、請求項3記載のケース。
【請求項5】
前記アダプタは、前記第1の雄型構造体に設けられている開口部を備えた雌型コネクタをさらに有し、前記雌型コネクタは、前記アダプタの前記雄型プラグに電気的に結合されている、請求項1記載のケース。
【請求項6】
前記アダプタは、ポートをさらに有し、前記ケースは、前記ポートか前記雌型コネクタかのいずれかの中に挿入可能に構成されたプラグをさらに有する、請求項5記載のケース。
【請求項7】
前記剛性フレームは、複数の隆起区分が設けられた後側パネルおよび前記隆起区分のうちの少なくとも2つ相互間に位置する少なくとも1つの中間区分を有し、前記隆起区分は、前記空所内に露出され、前記少なくとも1つの中間区分の少なくとも一部分は、前記空所内で覆われている、請求項1記載のケース。
【請求項8】
前記剛性フレームは、後側パネルを有し、前記後側パネルから延びる側壁区分が前記モバイル機器の下方部の少なくとも一部分を受け入れるよう構成されている、請求項1記載のケース。
【請求項9】
前記剛性フレームは、前記側壁区分から延びるアダプタ受け口をさらに有し、前記アダプタ受け口は、前記アダプタの少なくとも一部分を受け入れるよう構成されかつ前記第1の雄型構造体の少なくとも一部分を形成する、請求項8記載のケース。
【請求項10】
システムであって、
請求項1記載の前記ケースと、
前記雌型ソケットを有していて前記ケースの前記空所内に受け入れ可能な前記モバイル機器とを含む、システム。
【請求項11】
システムであって、
請求項1記載の前記ケースと、
前記ケースの前記アダプタの前記第1の接点に電気的に結合可能に構成されたコネクタを有する前記外部機器とを含む、システム。
【請求項12】
モバイル機器用のケースであって、前記ケースは、
前記モバイル機器を受け入れて保持するよう構成された空所を画定する可撓性覆いと、
前記可撓性覆い内に少なくとも部分的に設けられたアダプタとを有し、前記アダプタは、外部機器の接点に結合可能な複数の第1の接点、前記可撓性覆いによって画定された前記空所中に延びかつ前記モバイル機器の雌型ソケット中に挿入可能に構成された雄型プラグ、前記雄型プラグに設けられかつ前記アダプタの前記第1の接点に電気的に結合された複数の第2の接点、および前記第2の接点に電気的に結合されていて開口部を備えた雌型コネクタを有し、
前記アダプタおよび前記可撓性覆いは、前記ケースの前記可撓性覆いによって画定された前記空所から遠ざかって延びかつ前記
外部機器に結合可能に構成された
、前記雄型プラグの反対側に設けられた第1の雄型構造体を構成し、前記アダプタの前記第1の接点および前記雌型コネクタの前記開口部は、前記第1の雄型構造体に設けられている、ケース。
【請求項13】
前記可撓性覆い内に少なくとも部分的に設けられた剛性フレームをさらに有し、前記剛性フレームの少なくとも1つの第1の部分は、2つの反対側の側部のうちの1つが前記可撓性覆いによって覆われかつ前記少なくとも1つの第1の部分は、前記2つの反対側の側部のうちの別の1つが露出されている、請求項12記載のケース。
【請求項14】
前記剛性フレームは、複数の隆起区分が設けられた後側パネルおよび前記隆起区分のうちの少なくとも2つ相互間に位置する少なくとも1つの中間区分を有し、前記隆起区分は、前記空所内に露出され、前記少なくとも1つの中間区分の少なくとも一部分は、前記空所内で覆われている、請求項13記載のケース。
【請求項15】
前記剛性フレームは、後側パネルを有し、前記後側パネルから延びる側壁区分が前記モバイル機器の下方部の少なくとも一部分を受け入れるよう構成されている、請求項13記載のケース。
【請求項16】
前記剛性フレームは、前記側壁区分から延びるアダプタ受け口をさらに有し、前記アダプタ受け口は、前記アダプタの少なくとも一部分を受け入れるよう構成されかつ前記第1の雄型構造体の少なくとも一部分を形成する、請求項15記載のケース。
【請求項17】
前記第1の雄型構造体は、ベースおよび前記ベースから遠ざかって延びる第2の雄型構造体を有し、前記アダプタの前記第1の接点は、前記第2の雄型構造体に設けられている、請求項12記載のケース。
【請求項18】
前記アダプタは、ポートをさらに有し、前記ケースは、前記ポートか前記雌型コネクタかのいずれかの中に挿入可能に構成されたプラグをさらに有する、請求項12記載のケース。
【請求項19】
システムであって、
請求項12記載の前記ケースと、
前記雌型ソケットを有していて前記ケースの前記空所内に受け入れ可能な前記モバイル機器とを含む、システム。
【請求項20】
システムであって、
請求項12記載の前記ケースと、
前記ケースの前記アダプタの前記第1の接点に電気的に結合可能に構成されたコネクタを有する前記外部機器とを含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル機器(モバイル端末)用のケースに関する。本発明はまた、モバイル機器用のケースであって、可撓性の覆い、剛性のフレーム、およびモバイル機器に電気的に結合する接点を備えたアダプタを有するケースに関する。
【0002】
〔関連出願の参照〕
本願は、2020年4月20日に出願された米国特許出願第16/853,544号の優先権主張出願であり、この米国特許出願を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器、例えばスマートフォン、セルラー電話、携帯電話、タブレット、パーソナルデジタルアシスタント(携帯情報端末)、および他のポータブル機器は、今やあちこちで目にする。モバイル機器を保護するためにケースが用いられるのが通例である。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態は、モバイル機器用のケースであって、ケースがモバイル機器を受け入れて保持するよう構成された空所を画定する可撓性覆いと、可撓性覆い内に少なくとも部分的に設けられた剛性フレームとを有し、剛性フレームの少なくとも1つの第1の部分は、可撓性覆いによって2つの互いに反対側の側部のうちの1つが覆われかつ2つの互いに反対側の側部のうちの別の1つが露出され、剛性フレームの少なくとも1つの第2の部分は、2つの互いに反対側の側部の両方が露出され、ケースが剛性フレームおよび可撓性覆い内に少なくとも部分的に設けられたアダプタをさらに有し、アダプタは、外部機器の接点に結合可能な複数の第1の接点、可撓性覆いによって画定された空所中に延びかつモバイル機器の雌型ソケット中に挿入可能に構成された雄型プラグ、および雄型プラグに設けられかつアダプタの第1の接点に電気的に結合された複数の第2の接点を有し、アダプタは、可撓性覆いまたは剛性フレームのうちの少なくとも一方と組み合わせ状態で、ケースの可撓性覆いによって画定された空所から遠ざかって延びかつ外部機器に結合可能に構成された第1の雄型構造体を構成し、アダプタの第1の接点は、第1の雄型構造体に設けられていることを特徴とするケースである。
【0005】
少なくとも幾つかの実施形態では、第1の雄型構造体は、アダプタ、可撓性覆い、および剛性フレームによって構成されている。少なくとも幾つかの実施形態では、第1の雄型構造体は、ベースおよびベースから遠ざかって延びる第2の雄型構造体を有し、アダプタの第1の接点は、第2の雄型構造体に設けられている。少なくとも幾つかの実施形態では、アダプタは、第1の雄型構造体のベースに設けられている開口部を備えた雌型コネクタをさらに有し、雌型コネクタは、アダプタの雄型プラグに電気的に結合されている。
【0006】
少なくとも幾つかの実施形態では、アダプタは、第1の雄型構造体に設けられている開口部を備えた雌型コネクタをさらに有し、雌型コネクタは、アダプタの雄型プラグに電気的に結合されている。少なくとも幾つかの実施形態では、アダプタは、ポートをさらに有し、ケースは、ポートか雌型コネクタかのいずれかの中に挿入可能に構成されたプラグをさらに有する。
【0007】
少なくとも幾つかの実施形態では、剛性フレームは、複数の隆起区分が設けられた後側パネルおよび隆起区分のうちの少なくとも2つ相互間に位置する少なくとも1つの中間区分を有し、隆起区分は、空所内に露出され、少なくとも1つの中間区分の少なくとも一部分は、空所内で覆われている。少なくとも幾つかの実施形態では、剛性フレームは、後側パネルを有し、後側パネルから延びる側壁区分がモバイル機器の下方部の少なくとも一部分を受け入れるよう構成されている。少なくとも幾つかの実施形態では、剛性フレームは、側壁区分から延びるアダプタ受け口をさらに有し、アダプタ受け口は、アダプタの少なくとも一部分を受け入れるよう構成されかつ第1の雄型構造体の少なくとも一部分を形成する。
【0008】
もう一つの実施形態は、モバイル機器用のケースであって、ケースがモバイル機器を受け入れて保持するよう構成された空所を画定する可撓性覆いと、可撓性覆い内に少なくとも部分的に設けられたアダプタとを有し、アダプタは、外部機器の接点に結合可能な複数の第1の接点、可撓性覆いによって画定された空所中に延びかつモバイル機器の雌型ソケット中に挿入可能に構成された雄型プラグ、雄型プラグに設けられかつアダプタの第1の接点に電気的に結合された複数の第2の接点、および第2の接点に電気的に結合されていて開口部を備えた雌型コネクタを有し、アダプタおよび可撓性覆いは、ケースの可撓性覆いによって画定された空所から遠ざかって延びかつ外部装置に結合可能に構成された第1の雄型構造体を構成し、アダプタの第1の接点および雌型コネクタの開口部は、第1の雄型構造体に設けられていることを特徴とするケースである。
【0009】
少なくとも幾つかの実施形態では、ケースは、可撓性覆い内に少なくとも部分的に設けられた剛性フレームをさらに有し、剛性フレームの少なくとも1つの第1の部分は、2つの反対側の側部のうちの1つが可撓性覆いによって覆われかつ少なくとも1つの第1の部分は、2つの反対側の側部のうちの別の1つが露出されている。少なくとも幾つかの実施形態では、剛性フレームは、複数の隆起区分が設けられた後側パネルおよび隆起区分のうちの少なくとも2つ相互間に位置する少なくとも1つの中間区分を有し、隆起区分は、空所内に露出され、少なくとも1つの中間区分の少なくとも一部分は、空所内で覆われている。少なくとも幾つかの実施形態では、剛性フレームは、後側パネルを有し、後側パネルから延びる側壁区分がモバイル機器の下方部の少なくとも一部分を受け入れるよう構成されている。少なくとも幾つかの実施形態では、剛性フレームは、側壁区分から延びるアダプタ受け口をさらに有し、アダプタ受け口は、アダプタの少なくとも一部分を受け入れるよう構成されかつ第1の雄型構造体の少なくとも一部分を形成する。
【0010】
少なくとも幾つかの実施形態では、第1の雄型構造体は、ベースおよびベースから遠ざかって延びる第2の雄型構造体を有し、アダプタの第1の接点は、第2の雄型構造体に設けられている。少なくとも幾つかの実施形態では、アダプタは、ポートをさらに有し、ケースは、ポートか雌型コネクタかのいずれかの中に挿入可能に構成されたプラグをさらに有する。
【0011】
さらにもう一つの実施形態は、システムであって、上述のケースと、雌型ソケットを有していてケースの空所内に受け入れ可能なモバイル機器とを含むことを特徴とするシステムである。
【0012】
さらにもう一つの実施形態は、システムであって、上述のケースと、ケースのアダプタの第1の接点に電気的に結合可能に構成されたコネクタを有する外部機器とを含むことを特徴とするシステムである。
【0013】
以下の図面を参照して、本発明の非限定的かつ非網羅的実施形態について説明する。図面中、別段の指定がなければ、同一の参照符号は、種々の図全体を通じて同一の部分を示している。
【0014】
本発明の良好な理解のため、以下の詳細な説明が参照され、詳細な説明は、添付の図面と関連して読まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】本発明に係るモバイル機器用ケースの第1の実施形態の概略斜視図である。
【
図1B】別の角度から見た本発明に係る
図1Aのケースの概略斜視図である。
【
図1C】本発明に係るモバイル機器用ケースの第2の実施形態の前から見た概略斜視図である。
【
図1D】本発明に係る
図1Cのケースの後から見た概略斜視図である。
【
図2】本発明に係る
図1Aのケースの剛性フレームの概略斜視図である。
【
図3A】本発明に係るモバイル機器用ケースの第3の実施形態の後から見た概略斜視図である。
【
図3B】本発明に係るモバイル機器用ケースの第4の実施形態の前から見た概略斜視図である。
【
図3C】本発明に係るモバイル機器用ケースの第5の実施形態の前から見た概略斜視図である。
【
図3D】本発明に係るモバイル機器用ケースの第6の実施形態の前から見た概略斜視図であり、ケースが外部機器(この場合、ドッキング機器)内に設けられている状態を示す図である。
【
図4A】本発明に係る
図1Aのケースのアダプタの一部分の概略斜視図である。
【
図4B】本発明に従ってオーバーモールドがアダプタの基板、雌型コネクタ、雄型プラグの一部分に被せられている状態を示す図である。
【
図4C】別の角度から見た本発明に係る
図4Bのアダプタの一部分の概略斜視図である。
【
図5A】本発明に従って外部機器と
図1Aのケースのアダプタとモバイル機器との間で行われる電気的接続の第1の実施形態をモバイル機器がケース内に受け入れられて外部機器がケースのアダプタに電気的に結合されたときの状態で示すブロック図である。
【
図5B】本発明に従って外部機器と
図1Aのケースのアダプタとモバイル機器との間で行われる電気的接続の第2の実施形態をモバイル機器がケース内に受け入れられて外部機器がケースのアダプタに電気的に結合されたときの状態で示すブロック図である。
【
図6】本発明に係る
図1Aのケースの剛性フレームおよびアダプタの概略斜視図である。
【
図7A】本発明に係る
図1Aのケースの一部分の概略拡大斜視図であり、ケースのアダプタの一領域に焦点を当てている図である。
【
図7B】本発明に係るケースのアダプタの一領域に焦点を当てた
図1Aのケースの一部分の概略拡大斜視図であり、プラグがポートから取り外されて雌型コネクタ内に配置されている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、モバイル機器用のケースに関する。本発明はまた、モバイル機器用のケースであって、可撓性覆い、剛性フレーム、およびモバイル機器に電気的に結合する接点を備えたアダプタを有するケースに関する。
【0017】
図1Aおよび
図1Bは、モバイル機器、例えばセルラーまたは携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルデジタルアシスタント、または任意他の適当なモバイル機器用のケース100の一実施形態を示している。ケース100は、モバイル機器を受け入れる空所103を画定した可撓性覆い102、可撓性覆い内に少なくとも部分的に設けられた剛性フレーム104、および可撓性覆いおよび剛性フレーム内に少なくとも部分的に設けられたアダプタ106を有する。アダプタ106は、外部機器(図示せず)、例えばドッキング機器に結合可能な第1の接点108、モバイル機器の雌型ソケット中に挿入可能な雄型プラグ109、および雄型プラグに設けられた第2の接点142(
図5Aおよび
図5B)を有する。雄型プラグ109の接点142は、アダプタが電力もしくはデータもしくはこれら両方を外部機器とモバイル機器との間で伝えることができるよう第1の接点108に電気的に結合されている。アダプタ106は、オプションとして、雌型コネクタ110、例えばUSB‐A、USB‐B、Micro‐USB、Mini‐USBまたはLightningコネクタなどを有する。アダプタ106および剛性フレーム104または可撓性覆い102のうちの少なくとも一方は、空所から遠ざかって延びる第1の雄型構造体112を形成している。「可撓性」および「剛性」という用語は、「可撓性覆い」および「剛性フレーム」という関連で用いられている場合、互いに対して相対的なものであることが意図されており、したがって、可撓性覆いは、平均的な大人のユーザが判断して、剛性フレームよりも可撓性が高く感じられ、そして剛性フレームは、平均的な大人のユーザが判断して、可撓性カバーよりも剛性が高いものであるようになっている。
【0018】
オプションとして、アダプタ(およびオプションとして、可撓性覆い102または剛性フレーム104のうちの一方または両方)は、第1の雄型構造体112の一部として、第1の雄型構造体112のベース115から延び出た第2の雄型構造体113を形成している。少なくとも幾つかの実施形態では、第1の雄型構造体112もしくは第2の雄型構造体113(またはこれら両方)は、雌型コネクタ(図示せず)または外部機器の任意他の適当なコネクタに結合可能に構成されている。
図1Aおよび
図1Bの図示の実施形態では、領域124,128は、開いている。
【0019】
図1Cおよび
図1Dは、それぞれ、カバー100の第2の実施形態の正面図および背面図であり、可撓性覆い102、剛性フレーム104、およびアダプタ106は、類似しているが異なる配置状態で示されている。
図1Cおよび
図1Dは、可撓性覆い102(明るめの陰影)および剛性フレーム104(暗めの陰影)ならびに開放領域124,128を区別するために陰影を用いている。
【0020】
可撓性覆い102は、任意適当な軟質プラスチック材料で構成でき、かかる材料としては、熱可塑性エラストマーポリマー(高分子)材料、他の適当な軟質またはエラストマーポリマー材料などまたはこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。少なくとも幾つかの実施形態では、可撓性覆い102は、剛性フレーム104上にまたはその周りに成形されている。少なくとも幾つかの実施形態では、剛性フレーム104は、インサートであるのが良く、可撓性覆い102は、剛性フレーム上にまたはその周りにインサート成形されるのが良い。少なくとも幾つかの実施形態では、成形は、剛性フレーム104への可撓性覆い102の付着または密着を容易にする。少なくとも幾つかの実施形態では、可撓性覆い102および剛性フレーム104の材料は、かかる付着または密着を容易にするよう選択される。少なくとも幾つかの実施形態では、可撓性覆い102は、接着剤、熱処理などまたはこれらの任意の組み合わせを用いて剛性フレーム104に取り付けられるのが良い。
【0021】
モバイル機器がケース100内に受け入れられると、可撓性覆い102は、モバイル機器の全ての側面の少なくとも一部分を覆い、そしてモバイル機器の表面または背面の周縁の少なくとも一部分(または全て)上に延びてモバイル機器をケース内に保持するとともにモバイル機器の保護を可能にするよう配置されている。少なくとも幾つかの実施形態では、可撓性覆い102は、スタイラスまたは他の器具を受け入れてこれを保持するための1つ以上の湾曲延長部127を有する。オプションとして、可撓性覆い102は、モバイル機器に設けられたボタンの位置(または取り得る位置)と一致するよう可撓性覆い内に位置決めされた1つ以上の軟質ボタン129を有するのが良い。軟質ボタン129は、十分な力で軟質ボタンを押し下げると、その結果としてケース100内に受け入れられたモバイル機器のボタンが押し下げられるよう配置されている。可撓性覆い102は、モバイル機器に設けられたスピーカ、マイクロホン、カメラ、ライト、ジャックなどへの接近を可能にするために1つ以上の開口部123をさらに有するのが良い。
【0022】
図2は、
図1Aおよび
図1Bのカバー100の剛性フレーム104だけを示している。剛性フレーム104の図示の実施形態は、後側パネル114および後側パネル114から延びていてモバイル機器の下方部分を受け入れるよう構成された側壁区分118を有する。少なくとも幾つかの実施形態では、後側パネル114は、第1の凹み区分117を包囲した隆起区分116ならびに隆起区分116相互間の第2の凹み区分119を有する。後側パネル114は、モバイル機器の後側部分に対して保護作用または支持作用を提供することができ、側壁区分118は、モバイル機器の底部および下方部分に対して保護作用または支持作用を提供することができる。
【0023】
可撓性覆いが剛性フレーム104に被せられると(例えば、成形されると)、剛性フレームの1つ以上の部分露出区分は、2つの互いに反対側の側部のうちの一方(例えば、内側部か外側部かのいずれか一方、この場合、内側部は、空所103に向いた側部であり、外側部は、ケース100の後側外部101(
図1A)に位置する側部またはこれに向いた側部である)の1つが可撓性覆いによって覆われ、それにより互いに反対側の側部のうちの他方の1つは露出状態のままになる。加うるに、剛性フレーム104は、2つの反対側の側部のうちのいずれか一方の側部が可撓性覆いによって覆われてはいない1つ以上の完全露出区分およびオプションとして2つの反対側の側部のうちの両方の側部が可撓性覆いによって覆われた1つ以上の被覆区分を有するのが良い。
【0024】
図1Cおよび
図1Dを参照すると、この実施形態では、可撓性覆い102の複数の部分132が剛性フレーム104の隆起区分116相互間の第2の凹み区分119に被せられ、その結果、剛性フレームの当該部分は、内側部が可撓性覆いによって覆われるようになっている。剛性フレームのこれらの第2の凹み区分119は、上述したように剛性フレームの部分露出区分である。加うるに、剛性フレーム104の側壁区分118のうちの大部分または全ては、外側部が可撓性覆い102によって覆われ、それにより内側部が露出状態のままになり、その結果、剛性フレームのこれら部分もまた、上述したように剛性フレームの部分露出区分となる。剛性フレーム104の後側パネル114の他の部分は、前側部と後側部の両方が露出され、その結果、剛性フレームのこれら部分は、上述したように剛性フレームの完全露出区分となる。少なくとも幾つかの実施形態では、剛性フレームの縁に沿って位置する剛性フレーム104の複数の部分は、上述した剛性フレームの被覆区分に対応した両方の互いに反対側に位置する側部が可撓性覆い102によって覆われるのが良い。
【0025】
剛性フレーム104は、アダプタ106を受け入れるとともにアダプタ106を保護しまたは支持するために側壁部分118から延びたアダプタ受け口120をさらに有する。剛性フレーム104は、モバイル機器のボタン、カメラ、コネクタなどへの接近ができるようにするために剛性フレームを貫通して設けられた1つ以上の開口部122,124をさらに有するのが良い。
【0026】
剛性フレーム104は、任意適当な硬質材料で構成でき、かかる材料としては、硬質プラスチック、金属などまたはこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。
【0027】
背面図である
図3Aならびに全て正面図である
図3B、
図3C、および
図3Dは、それぞれ、異なる配置状態の可撓性覆い102および剛性フレーム104を備えたケース100の4つの追加の実施形態を示している。具体的に説明すると、これら実施形態は、異なる構成の開放領域124,128を示すとともに剛性フレーム104のどの領域が可撓性覆い102を通って露出されているかを示している。
図1Dおよび
図3Aは、剛性フレーム104が露出されてケース100の後側外部101の一部をなしている状態の実施形態を示している。少なくとも幾つかの他の実施形態では、可撓性覆い102は、剛性フレームが主としてケースの内部103のところで露出されまたはかかる内部103のところでのみ露出したケース100の後側外部101を形成している。
図3Dは、ケース100に結合されたドッキング機器230の一実施形態を示している。外部機器、例えばドッキング機器(ドッキングクレードルとも称される)および外部機器の雌型コネクタの他の実施形態の例示が米国特許第9,195,279号明細書、同第9,331,444号明細書、同第9,529,387号明細書、同第9,602,639号明細書、同第9,632,535号明細書、同第9,706,026号明細書、同第10,050,658号明細書、同第10,054,984号明細書、同第10,389,399号明細書、同第10,454,515号明細書および同第10,630,334号明細書に見受けられ、これら米国特許の全てを参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0028】
図4は、モバイル機器の雌型コネクタに結合可能な雄型プラグ109、外部機器の接点に結合可能な第1の接点108、接点支持体138、雌型コネクタ110、第1の接点108および雌型コネクタ110を雄型プラグ134に結合する導体(図示せず、例えば導電性配線トレースまたは線材)を支持する基板140(例えば、印刷回路板)、および1つ以上のオプションとしての磁気要素(磁気素子)141を含むアダプタ106の一部分を示している。オプションとしての磁気要素141は、磁性物質か磁力で引き付けられる物質(例えば、強磁性物質)かのいずれかで作られるのが良い。少なくとも幾つかの一実施形態では、外部機器は、米国特許第9,195,279号明細書、同第9,331,444号明細書、同第9,529,387号明細書、同第9,602,639号明細書、同第9,632,535号明細書、同第9,706,026号明細書、同第10,050,658号明細書、同第10,054,984号明細書、同第10,389,399号明細書、同第10,454,515号明細書、および同第10,630,334号明細書に詳細に記載されているように、アダプタ106の磁気要素141を含むのが良く、これら米国特許の全てを参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
図4Bおよび
図4Cは、基板140、雌型コネクタ110、雄型プラグ109の一部分に被せされたオーバーモールド144を示している。
【0029】
図4A~
図4Cは、カバー100の第1の接点108の一配列状態を示している。この配列状態では、2つの列をなして配列された18個の第1の接点108が存在する。図示の実施形態では、これらの列は、互い違いになっているが、これらの列を互い違いではなくて互いに並列されても良いことは認識されよう。外部機器は、同じ個数および配列状態の電気接点を有するのが良く、ただし、幾つかの実施形態では、外部機器は、カバー100よりも少ないまたは多い接点を有することができる。理解されるように、カバー100は、任意個数の第1の接点108を有することができ、かかる任意の個数の第1の接点としては、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、12個、14個、16個、18個、20個またはそれ以上の第1の接点が挙げられるが、これらには限定されない。第1の接点108は、任意の規則的なまたは不規則なパターンをなして配列可能である。例えば、3つの第1の接点を直線の状態で、正三角形、二等辺三角形、直角三角形の状態で、または任意他の配列状態で配列することができる。もう1つの例として、第1の接点108のうちの幾つかまたは全てを規則的または不規則な多角形、例えば五角形、六角形、または八角形の頂点のところに配置することができる。
【0030】
図5Aは、モバイル機器がケース100内に受け入れられて外部機器がケースのアダプタに電気的に結合されたときの外部機器230とアダプタ106とモバイル機器570との間の電気的接続状態の一実施形態のブロック図である。この実施形態では、アダプタの第1の接点108は、順次配列されている導体143を介して雄型プラグ109の第2の接点142に結合されている。図示のように、モバイル機器570の雌型ソケット548内に設けられた接点546は、アダプタの雄型プラグ109の第2の接点142に電気的に結合され、外部機器230の接点550(これらは、オプションとして、雌型コネクタ551または他のコネクタ内に設けられている)は、アダプタ106の第1の接点108に結合されている。
図5Aは、特定の入力/出力に割り当てられたこれら接点の配列状態549の一例を示している。認識されるように、入力/出力の他の割り当てまたは入力/出力の割り当ての配列を使用するができることは認識されよう。
【0031】
図5Bは、外部機器230とアダプタ106とモバイル機器540との間の電気的接続状態の別の実施形態のブロック図である。この実施形態では、第1の接点108は、導体143のうちの少なくとも幾つかが互いにオーバーラップした状態で(介在する絶縁体を備えた状態)で非連続関係をなして第2の接点142に結合されている。したがって、アダプタ106は、入力/出力をモバイル機器からユニバーサル外部機器、例えばドッキング機器またはドッキングクレードルの入力/出力の配列状態に配列し直すことによって、特定タイプのモバイル機器をユニバーサル外部機器に結合するために使用できる。これにより、入力/出力の配列状態をモバイル機器からユニバーサル外部機器に変換する適当なアダプタの選択によってユニバーサル外部機器を様々なモバイル機器に使用することができる。
【0032】
図5Aおよび
図5Bは、第2の接点142への第1の接点108の結合を示しているが、認識されるように、これとほぼ同じ配列状態の導体143を用いて雌型コネクタ110の接点152を
図5Aおよび
図5Bに示されているように(参照符号「108/152」を用いて)アダプタ106の雄型プラグ109の第2の接点142に結合することができる。幾つかの実施形態では、雌型コネクタ110は、モバイル機器540の雌型ソケット548と同一である。例えば、モバイル機器の雌型ソケットがUSB‐Cタイプのソケットである場合、雌型コネクタもまた、USB‐Cである。他の実施形態では、雌型コネクタ110は、異なるタイプもしくはコネクタであり、またはモバイル機器540の雌型ソケット548とは異なる入力/出力配列状態を有する。
【0033】
幾つかの実施形態では、剛性フレーム104は、可撓性覆い102に第1の雄型構造体112(およびオプションとして第2の雄型構造体113)および第1の接点108に加えて、雌型コネクタ110を有するアダプタ106を提供するようケース100から除外されても良い。第1の接点108および雌型コネクタ110は、ケース100(およびケース内に受け入れられたモバイル機器540)を外部機器230に結合するための2つの互いにコネクタコネクタ構造を提供する。雌型コネクタ110を備えたアダプタ106を含むよう改造可能な他の可撓性ケース(またはカバー)の例示が米国特許第9,195,279号明細書、同第9,331,444号明細書、同第9,529,387号明細書、同第9,602,639号明細書、同第9,632,535号明細書、同第9,706,026号明細書、同第10,050,658号明細書、同第10,054,984号明細書、同第10,389,399号明細書、同第10,454,515号明細書、および同第10,630,334号明細書に見受けられ、これら米国特許の全てを参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。例えば、かかる可撓性ケース(またはカバー)は、本明細書において説明したアダプタに代えて雌型コネクタを含むアダプタ106を用いるよう改造可能である。
【0034】
図6は、アダプタ106が剛性フレーム104のアダプタ受け口120中に挿入された状態を示している。
図7Aおよび
図7Bは、可撓性覆い102がアダプタ106上に成形された(または違ったやり方で被せられた)拡大図である。少なくとも幾つかの実施形態では、可撓性覆い102は、接点108周りにかつ1つ以上のオプションとしての磁気要素141(
図4A)および接点支持体138(
図4A)を覆った状態で設けられるプラットホーム160を形成することができる。可撓性覆い102はまた、オプションとしてのポート162を形成することができる。他の実施形態では、プラットホーム160もしくはポート162またはこれらの両方は、別の軟質または硬質ポリマー材料で作られるのが良い。
【0035】
少なくとも幾つかの実施形態では、ポート162は、雌型コネクタ110と寸法および形状がほぼ同じであるのが良く、ケース100は、ポートか雌型コネクタ110かのいずれかにぴったりと嵌まることができるプラグ164を有するのが良い。プラグ164は、使用されていないときには雌型コネクタ110を覆う上で有用な場合がある。雌型コネクタ110が使用されているとき、プラグ164をこれがなくならないようにポート162中に挿入するのが良い。
【0036】
少なくとも幾つかの実施形態では、プラットホーム160、第2の雄型構造体113、または第1の雄型構造体112は、ケース100を外部機器に正しく結合するのを容易にすることができる非対称の形を有するのが良い。
図6に示された実施形態では、プラットホーム160、第2の雄型構造体113、または第1の雄型構造体112は、直線である第1の縁180および第1の縁と反対側に位置していて湾曲した第2の縁182を有する。外部機器の雌型コネクタは、プラットホーム160、第2の雄型構造体113、または第1の雄型構造体112とほぼ同じ形をしているのが良く、その結果、ケースのプラットホーム160、第2の雄型構造体113、または第1の雄型構造体112は、1つの向きでドッキングクレードルの雌型コネクタ中にのみ容易に嵌まるようになっている。ケース100のこの非対称の形をしたプラットホーム160、第2の雄型構造体113、または第1の雄型構造体112は、ケースと外部機器との正確な結合を容易にし、その結果、第1の接点108は、外部機器の対応の接点と正確かつ確実に嵌合するようになる。
【0037】
上述の記載は、本発明の製造および使用についての説明を提供している。本発明の多くの実施形態を本発明の精神および範囲から逸脱することなく構成することができるので、本発明はまた、以下に添付された特許請求の範囲にある。