IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウーブン プラネット ノース アメリカ,インコーポレイティドの特許一覧

<>
  • 特許-車両の独立軌跡検証システム 図1
  • 特許-車両の独立軌跡検証システム 図2A
  • 特許-車両の独立軌跡検証システム 図2B
  • 特許-車両の独立軌跡検証システム 図3
  • 特許-車両の独立軌跡検証システム 図4
  • 特許-車両の独立軌跡検証システム 図5
  • 特許-車両の独立軌跡検証システム 図6
  • 特許-車両の独立軌跡検証システム 図7
  • 特許-車両の独立軌跡検証システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】車両の独立軌跡検証システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20241002BHJP
   B60W 30/10 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60W30/10
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022581670
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 US2021028923
(87)【国際公開番号】W WO2022005577
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】16/917,562
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521411231
【氏名又は名称】ウーブン バイ トヨタ,ユーエス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100120499
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 淳
(72)【発明者】
【氏名】ケビン ダンフォード
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-511704(JP,A)
【文献】特開2017-013749(JP,A)
【文献】特開2017-228266(JP,A)
【文献】特開2020-015490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の計算システムによって、外部環境に関連付けられた第1のセンサデータに基づく前記車両についての計画軌跡を受信することであって、前記計画軌跡は、第1のセンサに関連付けられた、前記車両の1次計算システムによって生成される、ことと、
前記計算システムによって、前記外部環境に関連付けられた環境状況を判定することであって、前記環境状況は、前記車両の前記計算システムに関連付けられた第2のセンサによって生成される第2のセンサデータに含まれる、ことと、
前記計算システムによって、前記計画軌跡に関連付けられた1つ以上のパラメータを分析して、前記計画軌跡が、前記環境状況に少なくとも部分的に基づいているかどうかを判定することと、
前記計算システムによって、前記1次計算システムが少なくとも部分的にも前記環境状況を前記計画軌跡の基礎としていないことを判定したことに応じて、前記計画軌跡に関連付けられた前記1つ以上のパラメータを変更して、将来の軌跡を含む変更された計画軌跡を生成することと、
前記計算システムによって、前記変更された計画軌跡を実行するように前記車両に命令することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記計算システムによって、前記計画軌跡のパラメータが信頼閾値を満たすように、前記1次計算システムが少なくとも部分的に前記環境状況を前記計画軌跡の基礎としていることを判定したことに応じて、前記計算システムによって、前記計画軌跡を実行するように前記車両に命令することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記計算システムによって、前記1次計算システムが少なくとも部分的にも前記環境状況を前記計画軌跡の基礎としていないことを判定することは、前記計算システムによって、前記計画軌跡の前記パラメータが前記信頼閾値を満たしていないことを判定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上のパラメータを分析することは、前記環境状況に関して前記1次計算システムに照会し、前記環境状況に関する前記1次計算システムの信頼閾値を判定することを含み、
前記計算システムによって、前記車両のアクチュエータに関連付けられたコントローラに命令を提供することを更に含み、前記命令は、前記変更された計画軌跡に従う、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1次計算システムは、
前記外部環境内に存在する少なくとも1つの主体を識別することであって、前記少なくとも1つの主体は、前記第1のセンサによって生成される前記第1のセンサデータに含まれる、こと、
前記外部環境内の前記少なくとも1つの主体を分類すること、
前記外部環境内の前記少なくとも1つの主体を追跡すること、及び、
前記外部環境内の前記少なくとも1つの主体の軌跡を予測すること
によって前記計画軌跡を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記計算システムによって、前記1次計算システムから独立して、前記外部環境に関連付けられた前記少なくとも1つの主体を識別することであって、前記少なくとも1つの主体は、前記第2のセンサによって生成される前記第2のセンサデータに含まれる、ことと、
前記計算システムによって、前記計画軌跡に関連付けられた一式の数値計測パラメータを分析して、前記計画軌跡が前記識別された少なくとも1つの主体に基づいているかどうかを判定することと、
前記計算システムによって、前記1次計算システムが前記少なくとも1つの主体を前記計画軌跡の基礎としていないことを判定したことに応じて、前記計画軌跡に関連付けられた前記一式の数値計測パラメータを変更して、第2の変更された計画軌跡を生成することと、を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記計画軌跡に関連付けられた前記1つ以上のパラメータを分析することは、速度パラメータ、操舵角度パラメータ、加速度パラメータ、位置決めパラメータ、スロットル位置パラメータ、トルクパラメータ、燃料範囲パラメータ、充電範囲パラメータ、クラッチの噛み合いパラメータ、運転モードパラメータ、空燃比パラメータ、高度パラメータ、又は、これらの何らかの組み合わせのうちの1つ以上を分析することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記変更された計画軌跡を実行するように前記車両に命令することは、前記速度パラメータ、前記操舵角度パラメータ、前記加速度パラメータ、前記位置決めパラメータ、前記スロットル位置パラメータ、前記トルクパラメータ、前記燃料範囲パラメータ、前記充電範囲パラメータ、前記クラッチの噛み合いパラメータ、前記運転モードパラメータ、前記空燃比パラメータ、前記高度パラメータ、又は、これらの何らかの組み合わせのうちの少なくとも1つを変更するように前記車両に命令することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のセンサは、前記第1のセンサより複雑ではなく、前記第1のセンサから独立しており、
前記第2のセンサは、前記外部環境に関連付けられた前記環境状況の検出のみのために構成されており、前記第1のセンサは、前記外部環境に関連付けられた1つ以上の環境状況の知覚、分類、及び、予測のために構成されているという点で、前記第2のセンサは、前記第1のセンサに対して簡略化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
車両の計算システムであって、
命令を含む1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、
前記1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体に接続された1つ以上のプロセッサと、を備え、
前記1つ以上のプロセッサは、前記命令を実行して、
外部環境に関連付けられた第1のセンサデータに基づく前記車両についての計画軌跡を受信することであって、前記計画軌跡は、前記車両の第1のセンサに関連付けられた1次計算システムによって生成される、ことと、
前記外部環境に関連付けられた環境状況を判定することであって、前記環境状況は、前記車両の前記計算システムに関連付けられた第2のセンサによって生成される第2のセンサデータに含まれる、ことと、
前記計画軌跡に関連付けられた1つ以上のパラメータを分析して、前記計画軌跡が、前記環境状況に少なくとも部分的に基づいているかどうかを判定することと、
前記1次計算システムが少なくとも部分的にも前記環境状況を前記計画軌跡の基礎としていないことを判定したことに応じて、前記計画軌跡に関連付けられた前記1つ以上のパラメータを変更して、将来の軌跡を含む変更された計画軌跡を生成することと、
前記変更された計画軌跡を実行するように前記車両に命令することと、を行うように構成されている、計算システム。
【請求項11】
前記1つ以上のプロセッサは更に、前記命令を実行して、
前記計画軌跡のパラメータが信頼閾値を満たすように、前記1次計算システムが少なくとも部分的に前記環境状況を前記計画軌跡の基礎としていることを判定したことに応じて、前記計画軌跡を実行するように前記車両に命令するように構成されている、請求項10に記載の計算システム。
【請求項12】
前記計画軌跡の前記パラメータが前記信頼閾値を満たしていないとき、前記1次計算システムは、少なくとも部分的にも前記環境状況を前記計画軌跡の基礎としていない、請求項11に記載の計算システム。
【請求項13】
前記1つ以上のパラメータを分析することは、前記環境状況に関して前記1次計算システムに照会し、前記環境状況に関する前記1次計算システムの信頼閾値を判定することを含み、
前記1つ以上のプロセッサは更に、前記命令を実行して、前記車両のアクチュエータに関連付けられたコントローラに動作命令を提供するように構成されており、前記動作命令は、前記変更された計画軌跡に従う、請求項10に記載の計算システム。
【請求項14】
前記1つ以上のプロセッサは更に、前記命令を実行して、
前記外部環境内に存在する少なくとも1つの主体を識別することであって、前記少なくとも1つの主体は、前記第1のセンサによって生成される前記第1のセンサデータに含まれる、こと、
前記外部環境内の前記少なくとも1つの主体を分類すること、
前記外部環境内の前記少なくとも1つの主体を追跡すること、及び、
前記外部環境内の前記少なくとも1つの主体の軌跡を予測することを行うように構成されている、請求項10に記載の計算システム。
【請求項15】
前記1つ以上のプロセッサは更に、前記命令を実行して、
前記1次計算システムから独立して、前記外部環境に関連付けられた前記少なくとも1つの主体を識別することであって、前記少なくとも1つの主体は、前記第2のセンサによって生成される前記第2のセンサデータに含まれる、ことと、
前記計画軌跡に関連付けられた一式の数値計測パラメータを分析して、前記計画軌跡が前記識別された少なくとも1つの主体に基づいているかどうかを判定することと、
前記1次計算システムが前記少なくとも1つの主体を前記計画軌跡の基礎としていないことを判定したことに応じて、前記計画軌跡に関連付けられた前記一式の数値計測パラメータを変更して、第2の変更された計画軌跡を生成することと、を行うように構成されている、請求項14に記載の計算システム。
【請求項16】
前記1つ以上のパラメータを分析する前記命令は、速度パラメータ、操舵角度パラメータ、加速度パラメータ、位置決めパラメータ、スロットル位置パラメータ、トルクパラメータ、燃料範囲パラメータ、充電範囲パラメータ、クラッチの噛み合いパラメータ、クラッチの解放パラメータ、運転モードパラメータ、空燃比パラメータ、高度パラメータ、又は、これらの何らかの組み合わせのうちの1つ以上を分析する命令を更に含む、請求項10に記載の計算システム。
【請求項17】
前記計画軌跡を実行する前記命令は、前記速度パラメータ、前記操舵角度パラメータ、前記加速度パラメータ、前記位置決めパラメータ、前記スロットル位置パラメータ、前記トルクパラメータ、前記燃料範囲パラメータ、前記充電範囲パラメータ、前記クラッチの噛み合いパラメータ、前記運転モードパラメータ、前記空燃比パラメータ、前記高度パラメータ、又は、これらの何らかの組み合わせのうちの少なくとも1つを変更する命令を更に含む、請求項16に記載の計算システム。
【請求項18】
前記第2のセンサは、前記第1のセンサより複雑ではなく、前記第1のセンサから独立しており、
前記第2のセンサは、前記外部環境に関連付けられた前記環境状況の検出のみのために構成されており、前記第1のセンサは、前記外部環境に関連付けられた1つ以上の環境状況の知覚、分類、及び、予測のために構成されているという点で、前記第2のセンサは、前記第1のセンサに対して簡略化されている、請求項10に記載の計算システム。
【請求項19】
計算システムの1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
外部環境に関連付けられた第1のセンサデータに基づく車両についての計画軌跡を受信することであって、前記計画軌跡は、前記車両の第1のセンサに関連付けられた1次計算システムによって生成される、ことと、
前記外部環境に関連付けられた環境状況を判定することであって、前記環境状況は、前記車両の前記計算システムに関連付けられた第2のセンサによって生成される第2のセンサデータに含まれる、ことと、
前記計画軌跡に関連付けられた1つ以上のパラメータを分析して、前記計画軌跡が、前記環境状況に少なくとも部分的に基づいているかどうかを判定することと、
前記1次計算システムが少なくとも部分的にも前記環境状況を前記計画軌跡の基礎としていないことを判定したことに応じて、前記計画軌跡に関連付けられた前記1つ以上のパラメータを変更して、将来の軌跡を含む変更された計画軌跡を生成することと、
前記変更された計画軌跡を実行するように前記車両に命令することと、をさせる命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記命令は更に、前記1つ以上のプロセッサに、
前記計画軌跡のパラメータが信頼閾値を満たすように、前記1次計算システムが少なくとも部分的に前記環境状況を前記計画軌跡の基礎としていることを判定したことに応じて、前記計画軌跡を実行するように前記車両に命令させる、請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、車両のシステムに関し、より具体的には、車両の独立軌跡検証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自律又は半自律車両は、1つ以上のコンピュータベースの運転システムによって人の運転者の機能を補完又は完全に置き換えることを可能にし得る。したがって、理解され得るように、自律又は半自律車両は通常、運行設計領域(ODD)を決定するためのセンサの集合、又は、自律若しくは半自律車両が最適且つ安全に展開され得る環境に依拠し得る。例えば、その世界を安全且つ効率的にナビゲートするために、自律又は半自律車両は、その運転経路内で明らかとなり得る任意の障害物を正確に知覚する必要がある。これは、例えば、車、歩行者、自転車に乗っている人、交通信号灯、及び、交通標識を含み得る。したがって、リアルタイムに且つ高忠実度及び高精度で動作するためには、コンピュータベースの運転システムのセンサの集合に依拠し得る。しかしながら、特定の例では、例えば、1つ以上の一時的なシステム発現及び/又は環境的発現により、コンピュータベースの運転システムのセンサの集合からいくつかのオブジェクトが見えにくくなる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1図1は、例示的な軌跡生成モデル化システムを示す。
図2A図2Aは、独立軌跡検証システムの例示的な実施形態を示す。
図2B図2Bは、独立軌跡検証システムの別の例示的な実施形態を示す。
図3図3は、自律又は半自律車両について独立軌跡検証を実行する1つ以上の走行例を示す。
図4図4は、自律又は半自律車両について独立軌跡検証を実行する1つ以上の走行例を示す。
図5図5は、車両の2次計算システムによって計画軌跡を独立で検証する方法のワークフロー図を示す。
図6図6は、計画軌跡を独立で検証する方法のフロー図を示す。
図7図7は、自律又は半自律車両運転システムを試験及び検証するための交通管理環境の例示的なブロック図を示す。
図8図8は、例示的なコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
自律又は半自律車両は、1つ以上のコンピュータベースの運転システムによって人の運転者の機能を補完又は完全に置き換えることを可能にし得る。したがって、理解され得るように、自律又は半自律車両は通常、運行設計領域(ODD)を判定するための多数のセンサ、又は、自律若しくは半自律車両が最適且つ安全に展開され得る環境に依拠し得る。例えば、ODDに好適であると定められる特定のセンサは、車両上に設置された専用センサ構成の一部として選択され含まれ得る。実際、環境を安全且つ効率的にナビゲートするために、自律又は半自律車両は、その運転経路内で明らかとなり得る任意の障害物を正確に知覚する必要がある。これは、例えば、他の車両、歩行者、及び、自転車に乗っている人などの移動オブジェクト、並びに、破片、建設用具、交通信号灯、及び、交通標識などの静止オブジェクトを含み得る。したがって、リアルタイムに且つ高忠実度、高精度、及び、高再現度で動作するためには、より堅牢な1次計算システムの知覚センサ一式に依拠し得る。しかしながら、特定の例では、例えば、1つ以上の一時的なシステム発現及び/又は環境的発現により、堅牢な1次計算システムの知覚センサ一式からいくつかのオブジェクトが見えにくくなる可能性がある。
【0005】
例えば、いくつかの例では、例えば、定期的なマップ更新などの1つ以上の一時的なシステム発現、及び/又は、朝霧、陰鬱な靄、若しくは、他の同様の望ましくない道路状況などの1つの環境的発現により、特定のオブジェクトが、堅牢な1次計算システムの知覚センサ一式によって不適切に分類され得る(例えば、譲れの標識が、停止標識として誤って分類され得る、静止オブジェクトが、移動オブジェクトとして誤って分類され得る、黄色の交通信号灯が、赤信号として誤って分類され得る、道路上の破片が、自転車に乗っている人などの動作中のオブジェクトとして誤って分類され得る、など)。同様に、堅牢な1次計算システムに対応するセンサが、例えば、オブジェクト検出について依拠する1つ以上のレーダーセンサを含む例では、レーダーセンサは、自律又は半自律車両の動作中に、例えば、特定の大気状況(例えば、霧、露、花粉、ぬかるんだ道路、若しくは、舗装されていない道路など)及び/又は気象状況(例えば、暴風雨、暴風雪、砂暴風など)により、「汚れた」状態になりやすい場合がある。同様に、堅牢な1次計算システムに対応するセンサが、例えば、赤信号及び/又は停止標識の判定について依拠する1つ以上の特定のカメラを含む他の例では、自律又は半自律車両が、例えば夕方又は夕暮れに動作しているとき、カメラはあまり正確でない場合がある。更に、例えば、自律又は半自律車両が動作している環境(例えば、都市環境)内のハイウェイ迂回路が最近建設されたいくつかの例では、例えば、堅牢な1次計算システムによって生成され当該システムが依拠する特定のマップは、当該環境内の最近の迂回路に対して直ちに更新されない場合がある。したがって、自律又は半自律車両内の堅牢な1次計算システムの計画軌跡を独立で検証するための簡略化2次計算システムを提供することが有用であり得る。ここで、簡略化2次計算システムは、1つ以上のオブジェクトが誤って分類されるか、又は、堅牢な1次計算システムの知覚センサ一式から概して見えにくくなる場合に、(例えば、1次計算システムから独立した)独立フェイルセーフ計算システム及び更なる安全機構として動作し得る。
【0006】
よって、本実施形態は、自律又は半自律車両内の堅牢な1次計算システムの計画軌跡を独立で検証するための簡略化2次計算システム(例えば、フェイルセーフ計算システム)を含む独立軌跡検証システムを対象とする。特定の実施形態では、簡略化2次計算システムは、外部環境に関連付けられた第1のセンサデータに基づく車両についての計画軌跡を堅牢な1次計算システムから受信し得る。第1のセンサデータは、車両の1つ以上の1次センサによって生成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、簡略化2次計算システムは、第1のセンサデータ(例えば、より複雑及び/又は包括的な3次元(3D)データ)に基づいて堅牢な1次計算システムによって生成される計画軌跡(例えば、車両が、ある状態、位置、又は、目的地から次へ移動するときの車両のリアルタイム又はリアルタイムに近い計画)を受信し得る。第1のセンサデータは、例えば、LiDARセンサ、カメラ、レーダー、慣性計測ユニット(IMU)、又は、車両の周囲の環境を監視するために利用され得る他の同様のセンサデバイスのうちの1つ以上の組み合わせによって捕捉される知覚データを含み得る。
【0007】
特定の実施形態では、簡略化2次計算システムは次いで、外部環境に関連付けられた環境状況を判定し得る。環境状況は、車両の1つ以上の2次センサによって生成される第2のセンサデータに含まれ得る。例えば、いくつかの実施形態では、簡略化2次計算システムは、簡略化2次計算システムから受信される指示に基づいて環境状況(例えば、他の車両、歩行者、及び、自転車に乗っている人などの移動オブジェクト、道路上の破片、建設用具などの静止オブジェクト、交通信号灯、交通標識、レーンマーキング、レーン境界、迂回路、スクールゾーン、踏切などの道路及び交通情報伝達、道路及び交通状況、気象状況、大気状況など)を判定し得る。
【0008】
特定の実施形態では、簡略化2次計算システムは次いで、車両の1つ以上の2次センサによって生成される2次センサデータを受信し得る。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の2次センサは、環境状況に基づいて且つより複雑な1次センサから独立して潜在的な危険を検出するために利用され得る、あまり複雑でなく且つより少ないセンサ及び予め指定されたセンサ(例えば、オブジェクト検出のみを実行するように予め指定された画像センサ、超音波センサ、赤外センサ、RFセンサ)であり得るセンサを含み得る。実際、一実施形態では、簡略化2次計算システムに対応する2次センサは、環境状況の検出のみをサポートするために提供され得る一方、堅牢な1次計算システムに対応する1次センサは、1つ以上の環境状況の知覚、分類、及び、予測などのより複雑な動作をサポートするために提供され得る。
【0009】
特定の実施形態では、簡略化2次計算システムは次いで、計画軌跡に関連付けられた1つ以上のパラメータを分析して、計画軌跡が環境状況に基づいているかどうかを判定し得る。例えば、いくつかの実施形態では、簡略化2次計算システムは、計画軌跡に関連付けられた1つ以上の数値計測パラメータ(例えば、車両速度、車両操舵角度、車両加速度、車両位置決めパラメータ、車両スロットル位置、車両トルク、車両燃料航続距離、車両充電航続距離、車両クラッチの噛み合い及び/又は解放、車両運転モード、車両空燃比、車両高度など)に基づいて、車両の計画軌跡を(例えば、事前に)分析及び確認し得る。特定の実施形態では、第1の計算システムが環境状況を計画軌跡の基礎としていないことを簡略化2次計算システムによって判定したことに応じて、簡略化2次計算システムは次いで、計画軌跡に関連付けられた1つ以上のパラメータを変更して、変更された計画軌跡を生成し得る。
【0010】
例えば、いくつかの実施形態では、外部環境に関連付けられた環境状況の判定に応じて、簡略化2次計算システムは、数値計測パラメータについて計画軌跡を照会して、数値計測パラメータ及び/又は運動計測パラメータに基づいて、計画軌跡が信頼閾値を満たしているかどうかを判定し得る。計画軌跡が信頼閾値を満たしていないことを簡略化2次計算システムが判定すると、簡略化2次計算システムは、計画軌跡に関連付けられた数値計測パラメータの変更(例えば、車両速度の変更、車両操舵角度の変更、車両加速度の変更、車両位置決めの変更、車両スロットル位置の変更、車両トルクの変更、車両クラッチの噛み合い、解放、車両運転モードの変更など)に進んで、変更された計画軌跡を生成し得る。具体的には、数値計測パラメータ及び/又は運動計測パラメータを変更することによって、簡略化2次計算システムは、変更された計画軌跡、更には、車両についての1つ以上の変更された運転操作(例えば、譲る、完全停止、急停止、移動停止、加速、方向転換、レーン切り換え、路肩への方向転換など)を生成して、最初の計画軌跡とは異なるように実行し得る。簡略化2次計算システムは次いで、変更された計画軌跡を実行するように車両に命令し得る。一方、計画軌跡が信頼閾値を満たしていることを簡略化2次計算システムが判定すると、簡略化2次計算システムは、計画軌跡に関連付けられた数値計測パラメータ及び/又は運動計測パラメータの変更を差し控え、代わりに、最初の計画軌跡を実行するように車両に命令するだけであり得る。
【0011】
したがって、本実施形態は、自律又は半自律車両内の堅牢な1次計算システムの計画軌跡を独立で検証するための簡略化2次計算システム(例えば、フェイルセーフ計算システム)を含む独立軌跡検証システムを提供し得る。簡略化2次計算システムは、堅牢な1次計算システムの独立検証を提供して、自律又は半自律車両の安全性を保証及び最大化し得る。実際、簡略化2次計算システムは、計画軌跡に関連付けられた1つ以上の数値計測パラメータ(例えば、車両速度、車両操舵角度、車両加速度、車両位置決めパラメータ、車両スロットル位置、車両トルク、車両燃料航続距離、車両充電航続距離、車両クラッチの噛み合い及び/若しくは解放、車両運転モード、車両空燃比、車両高度、又は、これらの何らかの組み合わせ)に基づいて、車両の計画軌跡を事前に確認し得るため、簡略化2次計算システムは、堅牢な1次計算システムと比較して低い処理能力、メモリ容量、及び、データスループットに依拠し得る。したがって、これにより、簡略化2次計算システム204は、堅牢な1次計算システム202と比較して(例えば、環境状況の検出、また環境状況への応答に対して)高速な応答時間を達成することが可能になり得る。更に、1つ以上の数値計測パラメータ及び/又は運動計測パラメータ自体は、より複雑な測定及び/又は分析とは対照的に、解釈、歪曲、長い処理時間、及び、過負荷に影響されにくい場合がある。更に、数値計測パラメータ及び/又は運動計測パラメータにのみ依拠することによって、簡略化2次計算システムが、環境状況検出又は他のオブジェクト検出に対して、堅牢な1次計算システムよりも優先され得るという点で、堅牢な1次計算システムと簡略化2次計算システムとの間の不一致の任意の可能性が最小化され得る。
【0012】
実際、本技術は主に、簡略化2次計算システムによる、車両の前方運転経路内のオブジェクトの検出に応じて、より堅牢な1次計算システムの計画軌跡を独立で検証することに対して本明細書で述べられ得るが、本明細書に開示されるような独立軌跡検証技術は、様々な検出可能環境状況の中でも特に、オブジェクト(例えば、他の車両、歩行者、及び、自転車に乗っている人)が、車両の運転経路を遮っているか又は部分的に遮っていること、様々な気象状況及び/又は道路状況(例えば、ウェット路状況、凍結路状況、道路勾配、道路下り勾配、車両可視範囲など)、道路及び交通情報伝達(例えば、交通信号灯、交通標識、レーンマーキング、レーン境界、迂回路、スクールゾーン、踏切など)などの様々な検出可能環境状況のうちのいずれかに応じて適用され得ることを理解されたい。
【0013】
以上のことを考慮して、例えば図1によって示されるような例示的な軌跡生成モデル化システム100を説明することが有用であり得る。特定の実施形態では、例えば、軌跡生成モデル化システム100は、例えば、車両102が環境104(例えば、都市環境、郊外環境、地方の環境)をナビゲートするときの車両102のための軌跡計画意思決定モデルを含み得る。例えば、車両102が走行し得る運転軌跡106、例えば、環境104内で初期の目的地から最終的な目的地までの経路107に沿った、を判定するために、軌跡生成モデル化システム100が利用され得る。特定の実施形態では、図1によって更に示されるように、運転軌跡106は、例えば、1つ以上の環境状況108を通って及び/又は1つ以上の環境状況108の近くを通過する場合がある。
【0014】
いくつかの実施形態では、1つ以上の環境状況108は、運転軌跡106及び/又は経路107に沿って車両102が遭遇し得る任意の潜在的な障害物を含み、例えば、他の車両、縁石、曲がり角、破片、野生動物、植物、オブジェクト、又は、様々な他の潜在的な移動障害物及び/若しくは静止障害物のうちのいずれかを含み得る。他の実施形態では、1つ以上の環境状況108は、車両102が運転軌跡106に沿って遭遇し得る様々な他の検出可能環境状況108の中でも特に、様々な気象状況及び/又は道路状況(例えば、ウェット路状況、凍結路状況、霧状況、靄状況、道路勾配又は下り勾配、車両可視範囲など)、道路及び交通情報伝達(例えば、交通信号灯、交通標識、レーンマーキング、レーン境界、迂回路、スクールゾーン、踏切など)を含み得る。
【0015】
特定の実施形態では、図1によって更に示されるように、軌跡生成モデル化システム100は、1つ以上のシステムインジケータ、又は、(例えば、自律及び/若しくは半自律車両102動作を提供若しくは示すための)車両システム入力パラメータ110、(例えば、運転者制御の車両102動作を提供若しくは示すための)車両オペレータ入力パラメータ112、車両操舵角度パラメータ114、車両速度若しくは加速度パラメータ116、並びに、交通信号灯若しくは交通標識パラメータ118などの他の表示パラメータを含み得る。一実施形態では、車両操舵角度パラメータ114は、車両102が運転軌跡106に沿って走行するときの車両102の計画操舵角度に対応し得る。別の実施形態では、車両操舵角度パラメータ114は、車両102がある期間の後に(例えば、運転軌跡106における後のポイントで、又は、1つ以上の環境状況108に応じて)達すると予想される操舵角度に対応し得る。
【0016】
同様に、車両速度又は加速度パラメータ116は、車両102が運転軌跡106に沿って走行するときの車両102の計画速度若しくは加速度、又は、他の実施形態では、車両102がある期間の後に(例えば、運転軌跡106における後のポイントで、若しくは、1つ以上の環境状況108に応じて)達すると予想される速度若しくは加速度に対応し得る。交通信号灯又は交通標識パラメータ118は、例えば、車両102が運転軌跡106に沿って走行するときの現在の及び/又は推定の交通及び道路情報(例えば、赤信号対青信号、停止標識対譲れの標識、方向転換赤信号対方向転換青信号、点滅赤信号4方向停止など)を示し得る。
【0017】
図2Aは、堅牢な1次計算システム202の計画軌跡を独立で検証するために提供され得る、堅牢な1次計算システム202及び簡略化2次計算システム204を含む、本開示の実施形態による独立軌跡検証システム200Aの例示的な実施形態を示す。示されるように、特定の実施形態では、堅牢な1次計算システム202は、1つ以上の1次センサ206から入力を受信し得る。例えば、いくつかの実施形態では、1次センサ206は、例えば、LiDARセンサ、カメラ、レーダー、IMU、又は、車両102の周囲の環境104に関する第1のセンサデータ(例えば、より複雑及び/若しくは包括的な3Dデータ)を捕捉若しくは生成するために利用され得る他の同様のセンサデバイスのうちの1つ以上の組み合わせを含み得る。例えば、特定の実施形態では、堅牢な1次計算システム202は、環境104内に存在する主体(例えば、他の車両、歩行者、自転車に乗っている人、野生動物、植物、又は、様々な他の潜在的な移動障害物及び/若しくは静止障害物のうちのいずれか)を検出及び/又は分類するための1つ以上の主体モデラー(例えば、オブジェクト検出器、オブジェクト分類子、又は、センサデータから情報を導き出すように訓練された機械学習モデル)を含み得る。堅牢な1次計算システム202はまた、主体の様々な特性を判定し得る。例えば、堅牢な1次計算システム202は、当該主体の速度、移動方向、加速度、軌跡、相対距離、又は、相対位置を追跡し得る。いくつかの実施形態では、堅牢な1次計算システム202はまた、環境104内の建物、縁石、道路標識、交通信号灯、及び、任意の静止定着物を含む、環境の正確な3Dモデルなどの高精細マップからの情報を活用し得る。特定の実施形態では、堅牢な1次計算システム202はまた、主体が車両102に対して環境104内で移動するとき、主体を追跡し得る。特定の実施形態では、堅牢な1次計算システム202はまた、環境104内の車両102の近くの又は周囲の主体の挙動を予測し、主体の予測された挙動に基づいて特定のナビゲーション経路又は軌跡を判定し得る。
【0018】
特定の実施形態では、堅牢な1次計算システム202は次いで、1次センサ206によって捕捉又は生成される第1のセンサデータに基づいて、1つ以上のコントローラ212及び関連のアクチュエータ214に提供される計画軌跡(例えば、運転軌跡106)を生成し得る。特定の実施形態では、簡略化2次計算システム204は、同時に又はほぼ同時に、車両102の1つ以上の2次センサ208によって捕捉又は生成される2次センサデータを受信し得る。例えば、いくつかの実施形態では、2次センサ208は、あまり複雑でなく且つより少ないセンサ及び予め指定されたセンサ(例えば、知覚、分類、及び、予測をサポートして提供され得る1次センサ206と比較して、オブジェクト検出のみを実行するように予め指定された画像センサ、超音波センサ、赤外センサ、RFセンサ)を含み得る、1つ以上の画像センサ、超音波センサ、赤外センサ、RFセンサ、又は、車両102に対する環境状況108内の潜在的な危険を(例えば、1次センサ206から独立して)検出するために利用され得る他のあまり複雑でないか若しくは予め指定されたセンサなどの1つ以上のセンサを含み得る。例えば、一実施形態では、簡略化2次計算システム204に対応する2次センサ208は、車両102の周囲の環境104内の環境状況108に基づく潜在的な危険の検出のみをサポートするために提供され得る一方、堅牢な1次計算システム202に対応する1次センサ206は、例えば、車両102の周囲の環境104内の1つ以上の環境状況108の知覚、分類、及び、予測などのより複雑な動作をサポートするために提供され得る。いくつかの実施形態では、簡略化2次計算システム204はまた、例えば、オブジェクト検出及び/又はオブジェクト位置推定を実行するために1つ以上のセマンティックマップに依拠し得る。
【0019】
例えば、特定の実施形態では、2次センサ208は、簡略化2次計算システム204と共に、1次センサ206によって検出されず堅牢な1次計算システム202によって判定されない場合がある環境状況108(例えば、オブジェクトが車両102の運転軌跡106を遮っているか又は部分的に遮っていること、潜在的に危険な気象状況及び/又は道路状況、道路及び交通情報伝達)に基づく潜在的な危険を検出及び判定し得る。例えば、1次センサ206が、オブジェクト検出について堅牢な1次計算システム202が依拠する1つ以上のレーダーセンサを含む例では、レーダーセンサは、例えば、車両102が動作中に受け得る特定の大気状況(例えば、霧、露、花粉、ぬかるんだ道路、若しくは、舗装されていない道路)及び/又は気象状況(例えば、暴風雨、暴風雪、砂暴風など)により、「汚れた」状態になりやすい場合がある。同様に、1次センサ206が、赤信号及び/又は停止標識の判定について堅牢な1次計算システム202が依拠する1つ以上の特定のカメラを含む他の例では、車両102が、例えば、夕方又は夕暮れに動作しているとき、カメラはあまり正確でない場合がある。更に、環境104(例えば、都市環境)内のハイウェイ迂回路が最近建設された例では、例えば、堅牢な1次計算システム202によって生成され当該システム202が依拠する特定のマップは、例えば、環境104内の最近の迂回路に対して直ちに更新されない場合がある。
【0020】
特定の実施形態では、堅牢な1次計算システム202が、計画軌跡(例えば、運転軌跡106)の生成において、環境状況108に基づく潜在的な危険を考慮していないことを簡略化2次計算システム204が判定すると、図2Bを参照して記載されるように、簡略化2次計算システム204は次いで、1つ以上の数値計測パラメータを変更して、車両102についての代替的な計画軌跡を生成し得る。
【0021】
特定の実施形態では、簡略化2次計算システム204は次いで、車両102についての代替的な計画軌跡をアービトレーションシステム210に提供し得る。例えば、いくつかの実施形態では、アービトレーションシステム210は、任意のシステム(例えば、1つ以上のマルチプレクサ(MUX))を含み得る。当該システムは、1つ以上のアクチュエータ214を制御して、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡又は簡略化2次計算システム204によって生成される代替的な計画軌跡を実行するように1つ以上のコントローラ212に命令することにおいて調停するために利用され得る。特に、特定の実施形態では、アービトレーションシステム210は、優先順位を付けて、簡略化2次計算システム204によって生成される代替的な計画軌跡に従う信頼の階層に基づいて、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡と、簡略化2次計算システム204によって生成される代替的な計画軌跡とをトグルし得る。
【0022】
例えば、アービトレーションシステム210が、代替的な計画軌跡の入力を簡略化2次計算システム204から受信するときはいつでも、アービトレーションシステム210は自動的に、簡略化2次計算システム204によって生成される代替的な計画軌跡をアクチュエータ214に実行させるように1つ以上のコントローラ212に命令し得る。代替的な計画軌跡の入力が簡略化2次計算システム204から受信されないときのみ、アービトレーションシステム210は、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡をアクチュエータ214に実行させるように1つ以上のコントローラ212に命令する。すなわち、アービトレーションシステム210が、簡略化2次計算システム204によって生成される代替的な計画軌跡を特に受信しない限り、アービトレーションシステム210は、1つ以上のアクチュエータ214を制御して、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡を実行させるように1つ以上のコントローラ212に命令することをデフォルトで設定し得る。例えば、アービトレーションシステム210によって提供される命令に基づいて、1つ以上のコントローラ212は次いで、車両102の1つ以上のアクチュエータ214に出力を提供して、計画軌跡又は代替的な計画軌跡のいずれかに従って車両102を動作させ得る。
【0023】
図2Bは、堅牢な1次計算システム202の計画軌跡を独立で検証するために提供され得る、堅牢な1次計算システム202及び簡略化2次計算システム204を含む、本開示の実施形態による独立軌跡検証システム200Bの別の実施形態を示す。示されるように、特定の実施形態では、堅牢な1次計算システム202は、1つ以上の1次センサ206から入力を受信し得る。例えば、いくつかの実施形態では、図2Aを参照して上述したように、1次センサ206は、例えば、LiDARセンサ、カメラ、レーダー、IMU、又は、車両102の周囲の環境104に関する第1のセンサデータ(例えば、より複雑及び/若しくは包括的な3Dデータ)を捕捉若しくは生成するために利用され得る他の同様のセンサデバイスのうちの1つ以上の組み合わせを含み得る。特定の実施形態では、堅牢な1次計算システム202は次いで、1次センサ206によって捕捉又は生成される第1のセンサデータに基づいて、車両102についての計画軌跡(例えば、運転軌跡106)を生成し得る。
【0024】
特定の実施形態では、簡略化2次計算システム204は、同時に又はほぼ同時に、車両102の1つ以上の2次センサ208によって捕捉又は生成される2次センサデータを受信し得る。例えば、いくつかの実施形態では、前述したように、2次センサ208は、あまり複雑でなく且つより少ないセンサ及び予め指定されたセンサ(例えば、知覚、分類、及び、予測をサポートして提供され得る1次センサ206と比較して、オブジェクト検出のみを実行するように予め指定された画像センサ、超音波センサ、赤外センサ、RFセンサ)を含み得る、1つ以上の画像センサ、超音波センサ、赤外センサ、RFセンサ、又は、車両102に対する環境状況108内の潜在的な危険を(例えば、1次センサ206から独立して)検出するために利用され得る他のあまり複雑でないか若しくは予め指定されたセンサなどの1つ以上のセンサを含み得る。例えば、既に上述したように、簡略化2次計算システム204に対応する2次センサ208は、車両102の周囲の環境104内の環境状況108に基づく潜在的な危険の検出のみをサポートするために提供され得る一方、堅牢な1次計算システム202に対応する1次センサ206は、例えば、車両102の周囲の環境104内の1つ以上の環境状況108の知覚、分類、及び、予測などのより複雑な動作をサポートするために提供され得る。
【0025】
例えば、特定の実施形態では、2次センサ208は、簡略化2次計算システム204と共に、1次センサ206によって検出されず堅牢な1次計算システム202によって判定されない場合がある環境状況108(例えば、オブジェクトが車両102の運転軌跡106を遮っているか又は部分的に遮っていること、潜在的に危険な気象状況及び/又は道路状況、道路及び交通情報伝達)に基づく潜在的な危険を検出及び判定し得る。したがって、堅牢な1次計算システム202は、車両102についての計画軌跡(例えば、運転軌跡106)を生成するために1次センサ206に依拠し得るので、堅牢な1次計算システム202及び1次センサ206から独立して、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡(例えば、運転軌跡106)を検証することが有用であり得る。例えば、特定の実施形態では、2次センサ208が、簡略化2次計算システム204と共に、環境状況108に基づく潜在的な危険を検出及び判定し得る後、簡略化2次計算システム204は次いで、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡(例えば、運転軌跡106)に関連付けられた1つ以上の数値計測パラメータ及び/又は運動計測パラメータを分析して、計画軌跡(例えば、運転軌跡106)が環境状況108に基づく潜在的な危険を考慮しているかどうかを判定し得る。いくつかの実施形態では、堅牢な1次計算システム202は、簡略化2次計算システム204への通知を連続的に(例えば、毎秒10回以上)出してよく、したがって、車両102が例えば運転軌跡106及び/又は経路107に沿って走行している期間全体を通して、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡を簡略化2次計算システム204が連続的に検証することが可能になる。
【0026】
例えば、いくつかの実施形態では、簡略化2次計算システム204は、計画軌跡(例えば、運転軌跡106)に関連付けられた数値計測パラメータ(例えば、車両102の速度、車両102の操舵角度、車両102の加速度、車両102の位置決めパラメータ、車両102のスロットル位置、車両102のトルク、車両102の燃料航続距離、車両102の充電航続距離、車両102のクラッチの噛み合い及び/又は解放、車両102の運転モード、車両102の空燃比、車両102の高度など)に基づいて、車両102の計画軌跡(例えば、運転軌跡106)を(例えば、分析及び確認しない場合に車両102が環境状況108に基づく潜在的な危険に遭遇する少なくとも約10秒~12秒前に)分析及び確認し得る。一実施形態では、計算負荷及び処理リソースを更に低減するために、簡略化2次計算システム204は、車両102の速度、車両102の操舵角度、並びに/又は、計画軌跡を分析及び確認する他の単純な運動パラメータにのみ依拠し得る。したがって、これにより、簡略化2次計算システム204は、堅牢な1次計算システム202と比較して(例えば、環境状況108の検出、また環境状況108への応答に対して)高速な応答時間を達成することが可能になり得る。更に、1つ以上の数値計測パラメータ及び/又は運動計測パラメータ自体は、より複雑な測定及び/又は分析とは対照的に、解釈、歪曲、長い処理時間、及び、過負荷に影響されにくい場合がある。
【0027】
特定の実施形態では、堅牢な1次計算システム202が、計画軌跡(例えば、運転軌跡106)の生成において、環境状況108に基づく潜在的な危険を考慮していないことを簡略化2次計算システム204が判定すると、簡略化2次計算システム204は次いで、1つ以上の数値計測パラメータを変更して(例えば、車両102の速度の変更、車両102の操舵角度の変更、車両102の加速度の変更、車両102の位置決めの変更、車両102のスロットル位置の変更、車両102のトルクの変更、車両102のクラッチの噛み合い、解放、車両102の運転モードの変更など)、(例えば、車両102が、環境状況108に基づく潜在的な危険を完全に避け得るか又は回避し得るように)車両102についての代替的な計画軌跡を生成し得る。例えば、一実施形態では、簡略化2次計算システム204によって生成される代替的な計画軌跡は、例えば、車両102が環境状況108に基づく潜在的な危険を完全に避けるか又は回避するための実行を車両102に命令し得る1つ以上の代替的な運転操作(例えば、譲る、完全停止、急停止、移動停止、加速、方向転換、レーン切り換え、路肩への方向転換など)を含み得る。
【0028】
特定の実施形態では、簡略化2次計算システム204は次いで、1つ以上のアクチュエータ214を制御して、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡又は簡略化2次計算システム204によって生成される代替的な計画軌跡を実行させるように1つ以上のコントローラ212に命令することにおいて調停し得る。特に、特定の実施形態では、簡略化2次計算システム204は、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡が信頼閾値を満たしているかどうかを判定し得る。例えば、簡略化2次計算システム204は、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡が信頼閾値を満たしていないことを判定すると、アクチュエータ212を制御して、簡略化2次計算システム204によって生成される代替的な計画軌跡を実行させるように1つ以上のコントローラ212に命令し得る。一方、簡略化2次計算システム204は、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡が信頼閾値を満たしていることを判定すると、1つ以上のアクチュエータ212を制御して簡略化2次計算システム204によって生成される代替的な計画軌跡を実行させるように1つ以上のコントローラ212に命令することを差し控え得る。代わりに、簡略化2次計算システム204は、最初に意図したように、1つ以上のアクチュエータ214を制御して、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡を実行させるように1つ以上のコントローラ212に命令し得る。例えば、簡略化2次計算システム204によって提供される命令に基づいて、1つ以上のコントローラ212は次いで、車両102の1つ以上のアクチュエータ214に出力を提供して、計画軌跡又は代替的な計画軌跡のいずれかに従って車両102を動作させ得る。
【0029】
特定の実施形態では、検出された環境状況108が例えば車両102の運転経路内の1つ以上のオブジェクトに対応する実施形態に加えて、簡略化2次計算システム204はまた、他の環境状況108を検出し、他の環境状況108に応答し得る。例えば、前述したように、例えば、定期的なマップ更新などの1つ以上の一時的なシステム発現、及び/又は、朝霧、陰鬱な靄、若しくは、他の同様の望ましくない道路状況などの1つの環境的発現により、特定の環境状況108が、堅牢な1次計算システムによって不適切に分類され得る(例えば、譲れの標識が、停止標識として誤って分類され得る、静止オブジェクトが、移動オブジェクトとして誤って分類され得る、黄色の交通信号灯が、赤信号として誤って分類され得る、道路上の破片が、自転車に乗っている人などの動作中のオブジェクトとして誤って分類され得る、など)。このような場合、簡略化2次計算システム204は独立で、誤って分類された環境状況108を(例えば、1つ以上の2次カメラセンサに基づいて)検出し、それに応じて代替的な軌跡を生成し得る。例えば、一実施形態では、堅牢な1次計算システム202は、例えば、赤信号を青信号として誤って分類し得るか、又は、黄色のレーン境界を白色のレーン境界として誤って分類し得る。堅牢な1次計算システム202とは別に、堅牢な1次計算システム202から独立して、簡略化2次計算システム204は、赤信号が青として誤って分類されていること、又は、黄色のレーン境界が白色として誤って分類されていることを(例えば、1つ以上の2次カメラセンサに基づいて)適切に判定し、したがって、例えば、赤信号が判定される場合には車両102の停止若しくは急停止、又は、黄色のレーン境界が判定される場合には(例えば、真っ直ぐに車両102を運転させ続けるために)方向転換若しくは0°の操舵角度の維持を含む代替的な軌跡を生成し得る。
【0030】
図3及び図4は、本開示の実施形態による、自律又は半自律車両について独立軌跡検証を実行する1つ以上の走行例を示す。図示及び簡潔化のために、図3及び図4は、本明細書で共に述べられ得る。図3及び図4によって提供される走行例は、本開示の実施形態の単なるいくつかの例を表し得ることを理解されたい。実際、図3及び図4によって提供される走行例は以降主に、オブジェクト検出及び回避に対して述べられ得るが、本明細書の本開示のような独立軌跡検証技術は、様々な検出可能環境状況の中でも特に、オブジェクト(例えば、他の車両、歩行者、及び、自転車に乗っている人)が、車両の運転経路を遮っているか又は部分的に遮っていること、様々な気象状況及び/又は道路状況(例えば、ウェット路状況、凍結路状況、道路勾配、道路下り勾配、車両可視範囲など)、道路及び交通情報伝達(例えば、交通信号灯、交通標識、レーンマーキング、レーン境界、迂回路、スクールゾーン、踏切など)などの様々な検出可能環境状況のうちのいずれかに応じて適用され得ることを理解されたい。
【0031】
まず図3を参照すると、例示的なシナリオ300A、300B、及び、300Cが提供され得る。具体的には、図4を一時的に参照して、例示的なシナリオ300Aは、独立軌跡検証例400Aに対応し得、例示的なシナリオ300Bは、独立軌跡検証例400Bに対応し得、例示的なシナリオ300Cは、独立軌跡検証400Cに対応し得る。例えば、図3に戻って、例示的なシナリオ300A、300B、及び、300Cの各々は、車両102A、102B、及び、102Cが車道302A、302B、及び、302Cに沿って走行するときに計画軌跡306A、306B、及び、306Cに沿って他の車両304A、304B、及び、304Cを検出する本独立軌跡検証技術を示す。
【0032】
例示的なシナリオ300Aでは、堅牢な1次計算システム202は、例えば、他の車両304Aを検出せず、代わりに、(例えば、車両102の速度408A及び操舵角度410Aに基づいて)簡略化2次計算システム204は、例えば、他の車両304Aを検出し、計画軌跡306Aを独立で検証する。例えば、図4の軌跡検証例400Aに再び戻って、図402Aは、衝突までの時点(TTC)ポイントを通じて一定の速度408Aを示し、図402Bは、TTCを通じて一定の操舵角度410Aを示す。TTCは、図402A図402B、及び、図402Cの縦の破線で示され、車両102A、102B、及び、102Cが他の車両304A、304B、及び、304Cに衝突する場合がある時点に対応し得る。特定の実施形態では、TTCは、例えば、車両102A、102B、及び、102Cと、それぞれの他の車両304A、304B、及び、304Cとの間の距離、並びに、車両102A、102B、及び、102C、及び、他のそれぞれの車両304A、304B、及び、304Cの現在の速度に基づいて簡略化2次計算システム204によって計算され得る。別の実施形態では、他の車両304A、304B、及び、304Cのそれぞれの速度が判定され得るため、TTCは、例えば、他のそれぞれの車両304A、304B、及び、304Cの走行軌跡の予測に基づいて簡略化2次計算システム204によって予測され得る。速度408A及び操舵角度410Aの両方がTTCを通じて一定のままであるため、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡306Aは、例えば、信頼閾値を満たさない。したがって、簡略化2次計算システム204は、例えば、図402Cによって示されるように、車両102についての代替的な軌跡412A(例えば、車両102Aを、TCCの前に停止させるか又はTCCの前に車道302Aの隣接レーンに切り換えさせるように意図される1つ以上の運転操作)を生成及び提供し得る。
【0033】
図3に戻って、例示的なシナリオ300Bでは、堅牢な1次計算システム202は、他の車両304Bを検出する。それでもやはり、簡略化2次計算システム204は、(例えば、車両102の速度408B及び操舵角度410Bに基づいて)計画軌跡306Bを独立で検証する。例えば、図4の軌跡検証例400Bに再び戻って、図404Aは、TTCの前に低下する速度408Bを示し、図404Bは、TCCを通じて一定の操舵角度410Bを示す。少なくとも速度408BがTTCの前に低下する(例えば、車両102BがTCCの前に停止することを示す)ため、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡306Bは、信頼閾値を満たす。したがって、簡略化2次計算システム204は、図404Cによって示されるように、代替的な軌跡412Bの生成及び提供を差し控え得る。
【0034】
図3に戻って、例示的なシナリオ300Cでは、堅牢な1次計算システム202は、他の車両304Cを検出する。それでもやはり、簡略化2次計算システム204は、(例えば、車両102の速度408C及び操舵角度410Cに基づいて)計画軌跡306Cを独立で検証する。例えば、図4の軌跡検証例400Cに再び戻って、図406Aは、TTCを通じて一定の速度408Cを示し、図406Bは、TCCの前に変更された操舵角度410Cを示す。少なくとも操舵角度410CがTTCの前に変更される(例えば、車両102CがTCCの前に車道302Cの隣接レーンに方向転換するか又は切り換わることを示す)ため、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡306Bは、信頼閾値を満たす。したがって、簡略化2次計算システム204は、図406Cによって示されるように、代替的な軌跡412Cの生成及び提供を差し控え得る。
【0035】
図5は、本開示の実施形態による、車両の簡略化2次計算システムによって計画軌跡を独立で検証する方法のワークフロー図500を示す。例えば、特定の実施形態では、ワークフロー図500は、簡略化2次計算システム204によって実行され得、図3及び図4を参照して上述し、上で図示した走行例に対応し得る。ワークフロー図500は、簡略化2次計算システム204が車両102の前方経路内の1つ以上のオブジェクトを検出するブロック502で開始し得る。例えば、簡略化2次計算システム204は、車両102の1つ以上の2次センサ208によって捕捉又は生成される2次センサデータを受信し得る。ワークフロー図500は次いで、簡略化2次計算システム204が堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡を照会するブロック504に続き得る。例えば、車両102の前方経路内のオブジェクトの検出に応じて、2次計算システム204は次いで、数値計測パラメータ及び/又は運動計測パラメータについて、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡(例えば、運転軌跡106)を照会して、計画軌跡(例えば、運転軌跡106)が、車両102の前方経路内のオブジェクトに少なくとも部分的に基づいているかどうかを(例えば、数値計測パラメータ及び/又は運動計測パラメータに基づいて)判定し得る。例えば、いくつかの実施形態では、簡略化2次計算システム204は、車両102の速度、車両102の操舵角度、及び/又は、他の単純な運動パラメータについてのみ、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡を照会し得る。
【0036】
ワークフロー図500は次いで、車両102の速度がTCCで「遅い」(例えば、0mph(0km/h)に近づいている)かどうかを簡略化2次計算システム204が判定する決定506に続き得る。例えば、図3及び図4を参照して上で前述したように、簡略化2次計算システム204は、少なくとも速度408Bが例えばTTCの前に低下している(例えば、車両102BがTCCの前に停止することを示す)かどうかを判定して、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡が信頼閾値を満たすことを検証し得る。したがって、ワークフロー図500は次いで、簡略化2次計算システム204が簡略化計算システムによって生成される代替的な軌跡の生成及び提供を差し控えるブロック508に続き得、代わりに、堅牢な1次計算システム202によって生成される最初の計画軌跡をブロック510で提供し得る。例えば、簡略化2次計算システム204は、堅牢な1次計算システム202によって生成される最初の計画軌跡を1つ以上のコントローラ212に提供し得る。1つ以上のコントローラ212は次いで、車両102の1つ以上のアクチュエータ214に出力を提供して、計画軌跡に従って車両102を動作させ得る。
【0037】
一方、図3及び図4を参照して上で前述したように、簡略化2次計算システム204がTTCを通じて一定の速度408Cを判定する場合、ワークフロー図500は次いで、決定512に続き、簡略化2次計算システム204は、操舵角度410CがTTCの前に変更される(例えば、車両102CがTCCの前に車道302Cの隣接レーンに方向転換するか又は切り換わることを示す)かどうかを判定して、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡が信頼閾値を満たすことを検証し得る。ワークフロー図500は次いで、簡略化2次計算システム204が簡略化2次計算システム204によって生成される代替的な軌跡の生成及び提供を差し控えるブロック508に続き得、代わりに、堅牢な1次計算システム202によって生成される最初の計画軌跡をブロック510で提供し得る。特定の実施形態では、ワークフロー図500によって更に示されるように、例えば、速度408A及び操舵角度410Aの両方がTTCを通じて一定のままであることを簡略化2次計算システム204が判定する場合、簡略化2次計算システム204は、堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡が信頼閾値を満たしていないことを判定し得る。この場合、ワークフロー図500は、ブロック514に続き、簡略化2次計算システム204は、代替的な軌跡(例えば、車両102Aを、TCCの前に停止させるか又はTCCの前に車道302Aの隣接レーンに切り換えさせるように意図される1つ以上の運転操作)を生成し、当該代替的な軌跡をブロック516で提供し得る。例えば、簡略化2次計算システム204は、簡略化2次計算システム204によって生成される代替的な軌跡を1つ以上のコントローラ212に提供し得る。1つ以上のコントローラ212は次いで、車両102の1つ以上のアクチュエータ214に出力を提供して、代替的な軌跡に従って車両102を動作させ得る。
【0038】
したがって、本実施形態は、車両102についての堅牢な1次計算システム202の計画軌跡を独立で検証するための2次計算システム204(例えば、フェイルセーフ計算システム)を提供し得る。簡略化2次計算システム204は、堅牢な1次計算システム202の独立検証を提供して、車両102の安全性を保証及び最大化し得る。実際、簡略化2次計算システム204は、計画軌跡に関連付けられた1つ以上の数値計測パラメータ(例えば、車両102の速度、車両102の操舵角度、車両102の加速度、車両102の位置決めパラメータ、車両102のスロットル位置、車両102のトルク、車両102の燃料航続距離、車両102の充電航続距離、車両102のクラッチの噛み合い及び/若しくは解放、車両102の運転モード、車両102の空燃比、車両102の高度、又は、これらの何らかの組み合わせ)に基づいて、車両102の計画軌跡を事前に確認し得るため、簡略化2次計算システム204は、堅牢な1次計算システム202と比較して低い処理能力、メモリ容量、及び、データスループットに依拠し得る。したがって、これにより、簡略化2次計算システム204は、堅牢な1次計算システム202と比較して(例えば、環境状況108の検出、また環境状況108への応答に対して)高速な応答時間を達成することが可能になり得る。更に、1つ以上の数値計測パラメータ及び/又は運動計測パラメータ自体は、より複雑な測定及び/又は分析とは対照的に、解釈、歪曲、長い処理時間、及び、過負荷に影響されにくい場合がある。
【0039】
図6は、本開示の実施形態による、計画軌跡を独立で検証する方法600のフロー図である。方法600は、ハードウェア(例えば、汎用プロセッサ、画像処理装置(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システム・オン・チップ(SoC)、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、若しくは、データを処理するのに好適であり得る任意の他の処理デバイス)を含み得る1つ以上のプロセッサ(例えば、第2の計算システム204)、ソフトウェア(例えば、1つ以上のプロセッサ上で動作/実行する命令)、ファームウェア(例えば、マイクロコード)、又は、これらの任意の組み合わせを利用して実行され得る。
【0040】
方法600は、ブロック602で開始し、1つ以上のプロセッサ(例えば、2次計算システム204)は、車両の第1のセンサによって生成される、外部環境に関連付けられた第1のセンサデータに基づく車両についての計画軌跡を車両の1次計算システムから受信し得る。例えば、いくつかの実施形態では、2次計算システム204は、1次センサ206によって生成又は捕捉される1次センサ206のデータに基づいて堅牢な1次計算システム202によって生成される計画軌跡(例えば、運転軌跡206)を受信し得る。方法600は次いで、1つ以上のプロセッサ(例えば、2次計算システム204)が外部環境に関連付けられた環境状況を判定するブロック604に続き得る。ここで、環境状況は、車両の2次センサによって生成される第2のセンサデータに含まれ得る。例えば、いくつかの実施形態では、2次計算システム204は、2次センサ208から受信されるデータに基づいて環境状況(例えば、オブジェクトが、車両102の運転経路を遮っているか又は部分的に遮っていること、様々な気象状況及び/又は道路状況、道路及び交通情報伝達など)を判定し得る。具体的には、簡略化2次計算システム204は、車両102の2次センサ208によって生成される2次センサデータを受信し得る。具体的には、いくつかの実施形態では、2次センサ208は、1つ以上のセンサを含み得る。当該センサは、車両102に対する環境状況108に基づいて、より複雑な1次センサ206から独立して潜在的な危険を検出するために利用され得る、あまり複雑でなく且つ数がより少ない予め指定されたセンサ(例えば、知覚、分類、及び、予測をサポートして提供され得る1次センサ206と比較して、オブジェクト検出のみを実行するように予め指定された画像センサ、超音波センサ、赤外センサ、RFセンサ)であり得る。
【0041】
方法600は次いで、ブロック606に続き、1つ以上のプロセッサ(例えば、2次計算システム204)は、計画軌跡に関連付けられた1つ以上のパラメータを分析して、計画軌跡が環境状況に基づいているかどうかを判定し得る。例えば、2次計算システム204は、最初の計画軌跡(例えば、運転軌跡106)に関連付けられた1つ以上の数値計測パラメータ(例えば、車両速度、車両操舵角度、車両加速度、車両位置決めパラメータ、車両スロットル位置、車両トルク、車両燃料航続距離、車両充電航続距離、車両クラッチの噛み合い及び/又は解放、車両運転モード、車両空燃比、車両高度など)に基づいて、車両102の計画軌跡(例えば、運転軌跡106)を分析及び確認し得る。
【0042】
方法600は次いで、ブロック608に続き、1次計算システムが環境状況を計画軌跡の基礎としていないことを2次計算システムが判定したことに応じて、1つ以上のプロセッサ(例えば、2次計算システム204)は、計画軌跡に関連付けられた1つ以上のパラメータを変更して、変更された計画軌跡を生成し得る。例えば、環境状況108に基づく潜在的な危険の検出に応じて、2次計算システム204は、数値計測パラメータ及び/又は運動計測パラメータについて、計画軌跡(例えば、運転軌跡106)を照会して、計画軌跡(例えば、運転軌跡106)が、信頼閾値を満たしているかどうかを(例えば、数値計測パラメータ及び/又は運動計測パラメータに基づいて)判定し得る。計画軌跡が信頼閾値を満たしていないことが判定されると、2次計算システム204は次いで、計画軌跡(例えば、運転軌跡106)に関連付けられた1つ以上の数値計測パラメータを変更して、変更された計画軌跡を生成し得る。方法600は次いで、1つ以上のプロセッサ(例えば、2次計算システム204)が、変更された計画軌跡を実行するように車両に命令するブロック610で終わり得る。
【0043】
したがって、本実施形態は、車両102についての堅牢な1次計算システム202の計画軌跡を独立で検証するための2次計算システム204(例えば、フェイルセーフ計算システム)を提供し得る。簡略化2次計算システム204は、堅牢な1次計算システム202の独立検証を提供して、車両102の安全性を保証及び最大化し得る。実際、簡略化2次計算システム204は、計画軌跡に関連付けられた1つ以上の数値計測パラメータ(例えば、車両102の速度、車両102の操舵角度、車両102の加速度、車両102の位置決めパラメータ、車両102のスロットル位置、車両102のトルク、車両102の燃料航続距離、車両102の充電航続距離、車両102のクラッチの噛み合い及び/若しくは解放、車両102の運転モード、車両102の空燃比、車両102の高度、又は、これらの何らかの組み合わせ)に基づいて、車両102の計画軌跡を事前に確認し得るため、簡略化2次計算システム204は、堅牢な1次計算システム202と比較して低い処理能力、メモリ容量、及び、データスループットに依拠し得る。したがって、これにより、簡略化2次計算システム204は、堅牢な1次計算システム202と比較して(例えば、環境状況108の検出、また環境状況108への応答に対して)高速な応答時間を達成することが可能になり得る。更に、1つ以上の数値計測パラメータ及び/又は運動計測パラメータ自体は、より複雑な測定及び/又は分析とは対照的に、解釈、歪曲、長い処理時間、及び、過負荷に影響されにくい場合がある。更に、数値計測パラメータ及び/又は運動計測パラメータにのみ依拠することによって、簡略化2次計算システム204が、環境状況108の検出又は他のオブジェクト検出に対して、堅牢な1次計算システム202よりも優先され得るという点で、堅牢な1次計算システム202と簡略化2次計算システム204との間の不一致の任意の可能性が最小化され得る。
【0044】
図7は、本明細書に述べられるような前述の実施形態のうちの1つ以上を実行するために利用され得る交通管理環境の例示的なブロック図を示す。特定の実施形態では、当該環境は、ユーザ701(例えば、乗車プロバイダ又は要求者)のユーザ計算デバイス730、交通管理システム760、自律又は半自律車両740、及び、1つ以上のサードパーティシステム770などの様々な計算エンティティを含み得る。計算エンティティは、任意の好適なネットワーク710上で通信可能に接続され得る。一例として、制限的ではなく、ネットワーク710の1つ以上の部分は、アドホックネットワーク、エクストラネット、仮想プライベートネットワーク(VPN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN(WLAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、無線WAN(WWAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(PSTN)の一部、セルラネットワーク、又は、上記の任意のものの組み合わせを含み得る。特定の実施形態では、計算エンティティが互いに通信できるようにする任意の好適なネットワーク配置及びプロトコルが使用され得る。図7は、単一のユーザデバイス730、単一の交通管理システム760、単一の車両740、複数のサードパーティシステム770、及び、単一のネットワーク710を示しているが、本開示は、これらのエンティティの各々の任意の好適な数を想定している。一例として、制限的ではなく、ネットワーク環境は、複数のユーザ701、ユーザデバイス730、交通管理システム760、自律又は半自律車両740、サードパーティシステム770、及び、ネットワーク710を含み得る。
【0045】
ユーザデバイス730、交通管理システム760、自律又は半自律車両740、及び、サードパーティシステム770は、全体として又は部分的に互いに通信可能に接続され得るか又は同一場所に配置され得る。これらの計算エンティティは、異なる送信技術及びネットワークタイプを介して通信し得る。例えば、ユーザデバイス730及び車両740は、ケーブルを介して、又は、短距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC、Wi-Fiなど)を介して互いに通信してよく、ユーザデバイス730及び車両740が一緒に、これらデバイスのうちのいずれか一方がアクセス可能なセルラネットワークを介してインターネットに接続されてよい(例えば、ユーザデバイス730は、LTE接続を備えたスマートフォンであってよい)。一方、交通管理システム760及びサードパーティシステム770は、それぞれのLAN/WLANネットワーク及びインターネットサービスプロバイダ(ISP)を介してインターネットに接続され得る。
【0046】
図7は、ユーザデバイス730、自律又は半自律車両740、交通管理システム760、及び、サードパーティシステム770を通信ネットワーク710に接続する送信リンク750を示す。本開示は、任意の好適な送信リンク750を想定しており、例えば、有線接続(例えば、USB、ライトニング、デジタルサブスクライバライン(DSL)又はData Over Cable Service Interface Specification(DOCSIS))、無線接続(例えば、Wi-Fi、WiMAX、セルラ、サテライト、NFC、Bluetooth(登録商標))、光接続(例えば、同期型光ネットワーク(SONET)、同期デジタルハイアラーキ(SDH))、任意の他の無線通信技術、及び、これらの任意の組み合わせを含む。特定の実施形態では、1つ以上のリンク750は、1つ以上のネットワーク710に接続し得る。1つ以上のネットワーク710は、部分的に、例えば、アドホックネットワーク、イントラネット、エクストラネット、VPN、LAN、WLAN、WAN、WWAN、MAN、PSTN、セルラネットワーク、サテライトネットワーク、又は、これらの任意の組み合わせを含み得る。計算エンティティは、同じタイプの送信リンク750を必ずしも使用する必要はない。例えば、ユーザデバイス730は、セルラネットワーク及びインターネットを介して交通管理システムと通信し得るが、Bluetooth(登録商標)又は物理的な有線接続を介して自律車両740と通信し得る。
【0047】
特定の実施形態では、交通管理システム760は、好適な車両を配車することによって、1人以上のユーザ701の乗車要求を満たし得る。交通管理システム760は、任意の数の乗車要求者701から、任意の数の乗車要求を受信し得る。特定の実施形態では、乗車要求者701からの乗車要求は、システム760において乗車要求者を識別する識別子を含み得る。交通管理システム760は、当該識別子を使用して、要求者701のプライバシー設定に従い、乗車要求者701の情報にアクセスし、当該情報を格納し得る。乗車要求者701の情報は、交通管理システム760に関連付けられ、且つ、交通管理システム760にアクセス可能な1つ以上のデータストア(例えば、リレーショナルデータベースシステム)に格納され得る。特定の実施形態では、乗車要求者情報は、特定の乗車要求者701に関するプロファイル情報を含み得る。
【0048】
特定の実施形態では、乗車要求者701は、1つ以上のカテゴリ又はタイプに関連付けられてよく、それらを通して、乗車要求者701は、これらのカテゴリ又はタイプの特定の乗車要求者に関する集約情報に関連付けられてよい。乗車情報には、例えば、好みの乗車位置及び降車位置、運転の好み(例えば、安全快適レベル、好みの速度、加速/減速レート、様々な速度での走行時の他の車両からの安全距離、ルートなど)、エンタテイメントの好み及び設定(例えば、好みの音楽ジャンル若しくはプレイリスト、オーディオボリューム、ディスプレイ輝度など)、温度設定、ドライバとの会話を喜んで受け入れるか否か、頻繁な目的地、過去の乗車パターン(例えば、走行の時刻、開始位置及び終了位置など)、好みの言語、年齢、性別、又は、任意の他の好適な情報が含まれ得る。特定の実施形態では、交通管理システム760は、ユーザ701に関する既知情報に基づいて(例えば、機械学習の分類子を使用して)ユーザ701を分類してよく、且つ、当該分類を使用して、そのクラスに関連付けられた関連する集約情報を取得してよい。例えば、システム760は、ユーザ701を、青少年として分類してよく、青少年に関連付けられた関連する集約情報、例えば、青少年によって概して好まれる音楽タイプなどを取得してよい。
【0049】
交通管理システム760はまた、乗車情報を格納し、乗車情報にアクセスし得る。乗車情報は、乗車に関する位置、交通データ、ルートオプション、乗車のための最適な乗車位置若しくは降車位置、又は、乗車に関連付けられた任意の他の好適な情報を含み得る。一例として、制限的ではなく、交通管理システム760がサンフランシスコ国際空港(SFO)からカリフォルニア州パロアルトまで走行する要求を受信すると、システム760は、この特定の乗車要求のための任意の関連乗車情報にアクセスし得るか又は当該情報を生成し得る。乗車情報は、例えば、SFOにおける好みの乗車位置、乗車位置が乗車要求者と相容れない場合(例えば、乗車要求者が身体障害者であり、乗車位置にアクセスできない場合)、若しくは、乗車位置が工事、交通渋滞、乗車/降車ルールの変更、若しくは、任意の他の理由により他の方法で利用不可である場合における代替的な乗車位置、SFOからパロアルトまでナビゲートする1つ以上のルート、あるタイプのユーザの好みの出口ランプ、又は、乗車に関連付けられた任意の他の好適な情報を含み得る。
【0050】
特定の実施形態では、乗車情報の一部は、システム760によって促進される過去の乗車に関連付けられた履歴データに基づき得る。例えば、履歴データは、過去の乗車情報に基づいて生成される集約情報を含んでよく、過去の乗車情報は、本明細書に記載される任意の乗車情報並びに自律車両及び/又はユーザデバイスにおけるセンサによって収集されるテレメトリデータを含んでよい。履歴データは、特定のユーザ(例えば、その特定のユーザの好み、共通ルートなど)、(例えば、人口統計に基づく)ユーザのカテゴリ/クラス、及び/又は、システム760の全てのユーザに関連付けられ得る。
【0051】
例えば、単一のユーザに固有の履歴データは、その特定のユーザが乗車及び降車した位置、当該ユーザが好んで聴く音楽、当該乗車に関連付けられた交通情報、当該ユーザが最も頻繁に乗車する時刻、並びに、当該ユーザに固有の任意の他の好適な情報を含む、当該ユーザが行った過去の乗車に関する情報を含み得る。別の例として、ユーザのカテゴリ/クラスに関連付けられた履歴データは、例えば、ティーンエージャーはポップミュージックを好む、金融地区に頻繁に通う乗車要求者はニュースを好んで聴き得るなどの、そのカテゴリ/クラスにおけるユーザの共通の又は人気の乗車の好みを含み得る。
【0052】
更に別の例として、全てのユーザに関連付けられた履歴データは、交通パターン及び乗車パターンなどの概略の利用傾向を含み得る。特定の実施形態におけるシステム760は、履歴データを使用して、乗車要求に応じて乗車提案を予測及び提供し得る。特定の実施形態では、システム760は、ニューラルネットワーク、回帰アルゴリズム、インスタンスベースアルゴリズム(例えば、k近傍法)、決定木分析アルゴリズム、ベイズアルゴリズム、クラスタリングアルゴリズム、相関ルール学習アルゴリズム、深層学習アルゴリズム、次元削減アルゴリズム、アンサンブルアルゴリズム、及び、当業者に既知の任意の他の好適な機械学習アルゴリズムなどの機械学習を使用し得る。機械学習モデルは、ラベル付き訓練データに基づく教師あり学習、ラベルなし訓練データに基づく教師なし学習、並びに/又は、ラベル付き訓練データ及びラベルなし訓練データの混合に基づく半教師あり学習を含む任意の好適な訓練アルゴリズムを使用して訓練され得る。
【0053】
特定の実施形態では、交通管理システム760は、1つ以上のサーバコンピュータを含み得る。各サーバは、複数のコンピュータ又は複数のデータセンタにまたがるユニタリサーバ又は分散サーバであり得る。サーバは、例えば、限定ではないが、ウェブサーバ、ニュースサーバ、メールサーバ、メッセージサーバ、広告サーバ、ファイルサーバ、アプリケーションサーバ、エクスチェンジサーバ、データベースサーバ、プロキシサーバ、本明細書に記載される機能若しくはプロセスを実行するのに好適な別のサーバ、又は、これらの任意の組み合わせなどの様々なタイプであり得る。特定の実施形態では、各サーバは、サーバによって実装又はサポートされる適切な機能を実行するためのハードウェア、ソフトウェア、エンベデッドロジックコンポーネント、又は、2つ以上のこのようなコンポーネントの組み合わせを含み得る。
【0054】
特定の実施形態では、交通管理システム760は、1つ以上のデータストアを含み得る。データストアは、乗車情報、乗車要求者情報、乗車プロバイダ情報、履歴情報、サードパーティ情報、又は、任意の他の好適なタイプの情報などの様々なタイプの情報を格納するために使用され得る。特定の実施形態では、データストアに格納される情報は、特定のデータ構造に従い編成され得る。特定の実施形態では、各データストアは、リレーショナルデータベースシステム、列指向データベースシステム、相関データベースシステム、又は、任意の他の好適なタイプのデータベースシステムであり得る。本開示は、特定のタイプのデータベースについて記載又は図示しているが、本開示は、任意の好適なタイプのデータベースを想定している。特定の実施形態は、(乗車要求者若しくはプロバイダに属し得る)ユーザデバイス730、交通管理システム760、車両システム740、又は、サードパーティシステム770が、データストアに格納された情報を処理、変換、管理、取得、修正、追加、又は、削除を実行できるようにするインターフェースを提供し得る。
【0055】
特定の実施形態では、交通管理システム760は、ユーザ701の情報及び動作が交通管理システム760によってログ記録されること、記録されること、若しくは、検知されること、又は、他のシステム(例えば、サードパーティシステム770)と共有されることについてユーザ701がオプトイン又はオプトアウトできるようにする認証サーバ(又は任意の他の好適なコンポーネント)を含み得る。特定の実施形態では、ユーザ701は、適切なプライバシー設定を設定することによってオプトイン又はオプトアウトし得る。ユーザのプライバシー設定は、ユーザに関連付けられたどのような情報がログ記録され得るか、ユーザに関連付けられた情報がどのようにログ記録され得るか、ユーザに関連付けられた情報がいつログ記録され得るか、ユーザに関連付けられた情報を誰がログ記録し得るか、ユーザに関連付けられた情報が誰と共有され得るか、及び、ユーザに関連付けられた情報が何の目的でログ記録又は共有され得るかを判定し得る。認証サーバを使用して、交通管理システム760のユーザ701の1つ以上のプライバシー設定を、ブロッキング、データハッシュ化、匿名化、又は、必要に応じて他の好適な技術を通して強制適用し得る。
【0056】
特定の実施形態では、サードパーティシステム770は、HDマップ若しくはホストGPSマップ、カスタマレビュー、音楽若しくはコンテンツ、気象情報、又は、任意の他の好適なタイプの情報を提供し得るネットワークアドレス指定可能な計算システムであり得る。サードパーティシステム770は、例えば、マップデータ、カスタマレビューウェブサイトからのカスタマレビューデータ、気象データ、又は、任意の他の好適なタイプのデータなどの関連データを生成、格納、受信、及び、送信し得る。サードパーティシステム770は、ネットワーク環境の他の計算エンティティによって、直接的に又はネットワーク710を介してアクセスされ得る。例えば、ユーザデバイス730は、ネットワーク710を介して又は交通管理システム760を介して、サードパーティシステム770にアクセスし得る。後者の場合、サードパーティシステム770にアクセスするための資格情報がある場合、ユーザ701は、当該情報を交通管理システム760に提供し得る。交通管理システム760は、サードパーティシステム770のコンテンツにアクセスするためのプロキシとして機能し得る。
【0057】
特定の実施形態では、ユーザデバイス730は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、又は、ラップトップコンピュータなどのモバイル計算デバイスであり得る。ユーザデバイス730は、1つ以上のプロセッサ(例えば、CPU及び/又はGPU)、メモリ、並びに、ストレージを含み得る。例えば、交通管理システム760に関連付けられた交通アプリケーション、サードパーティシステム770に関連付けられたアプリケーション、及び、オペレーティングシステムに関連付けられたアプリケーションなどのオペレーティングシステム及びアプリケーションがユーザデバイス730にインストールされ得る。ユーザデバイス730は、GPS、コンパス、ジャイロスコープ、又は、加速度計などの一体化センサに基づいて、その位置、方向、又は、向きを判定するための機能を含み得る。ユーザデバイス730はまた、無線通信のための無線送受信機を含んでよく、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、赤外線(IR)通信、Wi-Fi、及び/又は、2G/3G/4G/LTE/5Gモバイル通信標準などの無線通信プロトコルをサポートしてよい。ユーザデバイス730はまた、1つ以上のカメラ、スキャナ、タッチスクリーン、マイク、スピーカ、及び、任意の他の好適な入出力デバイスを含み得る。
【0058】
特定の実施形態では、車両740は、自律又は半自律車両であってよく、1つ以上のアクチュエータ742、センサアレイ744、ナビゲーションシステム746、及び、乗車サービス計算デバイス748を備えていてよい。特定の実施形態では、複数の自律又は半自律車両740で構成される車両群は、交通管理システム760によって管理され得る。複数の自律車両740で構成される車両群は、全体として又は一部が、交通管理システム760に関連付けられたエンティティによって所有されていてよく、又は、車両群は、交通管理システム760に関連するサードパーティエンティティによって所有されていてよい。いずれの場合においても、交通管理システム760は、自律車両740の動作を制御してよく、これには、例えば、乗車要求を満たすために選択した車両740を配車する、選択された動作(例えば、サービスセンタ又は充電/給油ステーションに向かうこと、道路の脇に寄せること、直ちに停止すること、自己診断を行うこと、コンパートメントをロック/ロック解除すること、ミュージックステーションを変更すること、温度を変更すること、及び、任意の他の好適な動作)を実行するように車両740に命令する、並びに、選択された動作モード(例えば、通常動作する、減速して運転する、人のオペレータの命令に従い運転する、及び、任意の他の好適な動作モード)又は1つ以上のアクチュエータ742を介して実行され得る他の機械的若しくは物理的な動作に入るように車両740に命令することが含まれる。
【0059】
特定の実施形態では、自律又は半自律車両740は、交通管理システム760及びサードパーティシステム770とデータを送受信し得る。受信されるデータの例としては、例えば、命令、新しいソフトウェア又はソフトウェア更新、マップ、3Dモデル、訓練された又は訓練されていない機械学習モデル、位置情報(例えば、乗車要求者、自律又は半自律車両740自体、他の車両740、及び、サービスセンタなどの目標となる目的地の位置)、ナビゲーション情報、交通情報、気象情報、エンタテインメントコンテンツ(例えば、音楽、ビデオ、及び、ニュース)、乗車要求者情報、乗車情報、並びに、任意の他の好適な情報が含まれ得る。自律又は半自律車両740から送信されるデータの例としては、例えば、テレメトリ及びセンサデータ、当該データに基づく判定/決定、車両状況又は状態(例えば、バッテリ/燃料レベル、タイヤ及びブレーキの状況、センサの状況、速度、オドメータなど)、位置、ナビゲーションデータ、乗客の入力(例えば、車両740のユーザインターフェースを通して、乗客が交通管理システム760及び/又はサードパーティシステム770とデータを送受信し得る)、並びに、任意の他の好適なデータが含まれ得る。
【0060】
特定の実施形態では、自律又は半自律車両740はまた、互いに、並びに、交通管理システム760によって管理されるもの及び管理されないものを含む、人が運転する他の従来の車両と通信し得る。例えば、1つの車両740は、それぞれの位置、状況、状態、センサの読み取り、及び、任意の他の好適な情報に関するデータを別の車両と通信し得る。特定の実施形態では、車両対車両通信は、短距離無線通信接続(例えば、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、若しくは、NFC)で直接的に、及び/又は、ネットワーク経由で(例えば、インターネット、交通管理システム760、若しくは、サードパーティシステム770を介して)行われ得る。
【0061】
特定の実施形態では、自律又は半自律車両740は、センサ/テレメトリデータを取得及び処理し得る。当該データは、任意の好適なセンサによって捕捉され得る。例えば、車両740は、360°回転するよう構成された複数のLiDAR送受信機で構成されるLiDARセンサアレイを有してよく、パルスレーザ光を放出し、車両740の周囲のオブジェクトからの反射光を測定する。特定の実施形態では、LiDAR送信信号は、ゲート付き光弁を使用して操作され得る。当該ゲート付き光弁は、光回折の原理を使用して光ビームを方向付けるMEMSデバイスであり得る。当該デバイスは、自律又は半自律車両の周囲360°で光ビームを操作するためにジンバルミラーを使用しなくてよい。むしろ、ゲート付き光弁は、光ビームを複数の光ファイバのうちの1つに入れるよう方向付け得る。当該複数の光ファイバは、光ビームが自律又は半自律車両の周囲の多くの個別位置に方向付け得るように配置され得る。したがって、データは、自律又は半自律車両の周囲360°で捕捉されてよく、回転部材は不要であってよい。LiDARは、対称物までの距離を測定するのに効果的なセンサであるため、自律又は半自律車両740の外部環境の3Dモデルを生成するために使用され得る。一例として、制限的ではなく、3Dモデルは、他の車、縁石、破片、オブジェクト、及び、歩行者などのオブジェクトを含む外部環境を、センサ構成の最大レンジ(例えば、50メートル、100メートル、又は、200メートル)まで表し得る。
【0062】
別の例として、自律又は半自律車両740は、異なる方向を指す光学カメラを有し得る。カメラは、例えば、道路、レーンマーキング、道路標識、交通信号灯、警官、他の車両、及び、任意の他の関心のある可視オブジェクトを認識するために使用され得る。車両740が夜に「見える」ようにすべく、赤外線カメラが設けられ得る。特定の実施形態では、車両は、例えば、歩行者又は道路にある木の枝などの危険を発見するための立体視機能を備え得る。別の例として、車両740は、例えば、遠くにある他の車両及び/又は危険を検出するためのレーダーを有し得る。更に、車両740は、例えば、駐車及び障害物検出のための超音波装置を有し得る。車両740が、自身の周囲の外部世界を検出、測定、及び、理解できるようにするセンサに加えて、車両740は更に、車両自身の状態及び状況を検出及び自己診断するためのセンサを備え得る。例えば、車両740は、例えば、速度を測定するためのホイールセンサ、例えば、車両の現在のジオロケーションを判定するための全地球測位システム(GPS)、並びに/又は、移動検出若しくは運動検出のための慣性計測ユニット、加速度計、ジャイロスコープ、及び/若しくは、オドメータシステムを有し得る。
【0063】
これらのセンサの説明は特定例の用途を提供する一方、当業者であれば、センサの用途はこれらの例に限定されないことを理解するであろう。更に、用途の例は、特定のタイプのセンサに対して記載され得るが、当該用途はセンサの任意の組み合わせを使用して達成され得ることを理解されたい。例えば、自律車両740は、交通管理システム760又はサードパーティシステム770から取得される予め生成されたマップと共に、車両のLiDAR、レーダー、ソナー、及び、カメラからのデータに基づいて、その周囲の3Dモデルを構築し得る。センサ744は、図7では自律車両740の特定の位置に表示されているが、センサ744は、自律若しくは半自律車両740内の又は自律若しくは半自律車両740上の任意の好適な位置に配置され得る。センサの例示的な位置には、フロントバンパ、リアバンパ、ドア、フロントガラス、サイドパネル上、又は、任意の他の好適な位置が含まれる。
【0064】
特定の実施形態では、自律車両740は、処理装置(例えば、1つ以上のCPU及びGPU)、メモリ、並びに、ストレージを備え得る。したがって、車両740は、センサデータの処理、有用情報の抽出、及び、それに応じた動作を含む、様々な計算タスク及び処理タスクを実行するように装備され得る。例えば、車両740のカメラによって捕捉される画像及びマシンビジョンモデルに基づいて、車両740は、歩行者、他の車両、レーン、縁石、及び、任意の他の関心のあるオブジェクトなどの、当該画像によって捕捉される特定のタイプのオブジェクトを識別し得る。特定の実施形態では、自律車両740は、自律車両740を安全にナビゲートする役割を持つナビゲーションシステム746を有し得る。特定の実施形態では、ナビゲーションシステム746は、入力として、例えば、全地球測位システム(GPS)モジュール、慣性計測ユニット(IMU)、LiDARセンサ、光学カメラ、無線周波数(RF)送受信機、又は、任意の他の好適なテレメトリ若しくはセンサメカニズムからの任意のタイプのセンサデータを取得し得る。ナビゲーションシステム746はまた、例えば、マップデータ、交通データ、事故レポート、気象レポート、命令、目標となる目的地、及び、任意の他の好適な情報を利用して、ナビゲーションルート及び特定の運転動作(例えば、減速、加速、停止、カーブなど)を判定し得る。特定の実施形態では、ナビゲーションシステム746は、その判定を使用して、車両740が指示したように動作し、且つ、他のオブジェクトと衝突せずに自律車両740をその目的地に導くように制御し得る。ナビゲーションシステム746の物理的な実施形態(例えば、処理装置)は、図7では自律車両740の特定の位置に表示されているが、ナビゲーションシステム746は、自律車両740内の又は自律車両740上の任意の好適な位置に配置され得る。ナビゲーションシステム746の例示的な位置には、自律車両740のキャビン若しくは乗客コンパートメントの内部、エンジン/バッテリの近く、前部座席、後部座席の近く、又は、任意の他の好適な位置が含まれる。
【0065】
特定の実施形態では、自律又は半自律車両740は、乗車サービス計算デバイス748を備え得る。乗車サービス計算デバイス748は、交通管理システム760によって設けられるタブレットコンピュータ又は任意の他の好適なデバイスであって、これらはユーザが、自律車両740、交通管理システム760、他のユーザ701、又は、サードパーティシステム770とやり取りすることを可能にし得る。特定の実施形態では、乗車サービス計算デバイス748の設置は、自律車両740の内部に乗車サービス計算デバイス748を配置し、更に、当該デバイスを、有線接続又は無線接続を介して(例えば、Bluetooth(登録商標)を介して)車両740と通信するよう構成することによって達成され得る。図7は、自律車両740の特定の位置に単一の乗車サービス計算デバイス748を示しているが、自律又は半自律車両740は、車両内のいくつかの異なる位置にいくつかの乗車サービス計算デバイス748を含み得る。
【0066】
一例として、制限的ではなく、自律又は半自律車両740は、以下の場所に配置された4つの乗車サービス計算デバイス748を含み得る。すなわち、前の左乗客席(例えば、伝統的なアメリカの自動車の運転席)の前に1つ、前の右乗客席の前に1つ、後ろの左乗客席及び後ろの右乗客席それぞれの前に1つである。特定の実施形態では、乗車サービス計算デバイス748は、自律車両740の任意のコンポーネントから取り外し可能であり得る。これにより、ユーザが他のタブレット計算デバイスと整合した態様で乗車サービス計算デバイス748を扱えるようにし得る。一例として、制限的ではなく、ユーザは、乗車サービス計算デバイス748を、自律若しくは半自律車両740のキャビン若しくは乗客コンパートメントにおける任意の位置に移動させ得るか、乗車サービス計算デバイス748を保持し得るか、又は、任意の他の好適な態様で乗車サービス計算デバイス748を扱い得る。本開示は、特定の計算デバイスを特定の態様で提供することについて説明しているが、本開示は、任意の好適な計算デバイスを任意の好適な態様で提供することを想定している。
【0067】
図8は、本明細書に述べられるような前述の実施形態のうちの1つ以上を実行するために利用され得る例示的なコンピュータシステム800を示す。特定の実施形態では、1つ以上のコンピュータシステム800は、本明細書に記載又は図示される1つ以上の方法のうちの1つ以上のステップを実行する。特定の実施形態では、1つ以上のコンピュータシステム800は、本明細書に記載又は図示される機能を提供する。特定の実施形態では、1つ以上のコンピュータシステム800上で動作するソフトウェアは、本明細書に記載若しくは図示される1つ以上の方法のうちの1つ以上のステップを実行するか、又は、本明細書に記載若しくは図示される機能を提供する。特定の実施形態は、1つ以上のコンピュータシステム800の1つ以上の部分を含む。本明細書において、コンピュータシステムへの言及は、必要に応じて計算デバイスを包含してよく、そのまた逆も然りであってよい。更に、コンピュータシステムへの言及は、必要に応じて1つ以上のコンピュータシステムを包含し得る。
【0068】
本開示は、任意の好適な数のコンピュータシステム800を想定している。本開示は、任意の好適な物理形態を取るコンピュータシステム800を想定している。一例として、制限的ではなく、コンピュータシステム800は、エンベデッドコンピュータシステム、システム・オン・チップ(SoC)、(例えば、コンピュータオンモジュール(COM)若しくはシステムオンモジュール(SOM)などの)シングルボードコンピュータシステム(SBC)、デスクトップコンピュータシステム、ラップトップ若しくはノートブックコンピュータシステム、インタラクティブキオスク、メインフレーム、複数のコンピュータシステムのメッシュ、モバイル電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、サーバ、タブレットコンピュータシステム、拡張現実/仮想現実デバイス、又は、これらの2以上の組み合わせであり得る。必要に応じて、コンピュータシステム800は、1つ以上のコンピュータシステム800を含み得る。それらは、ユニタリ若しくは分散システムであり得るか、複数の位置にまたがっているか、複数のマシンにまたがっているか、複数のデータセンサにまたがっているか、又は、1つ以上のネットワークにおける1つ以上のクラウドコンポーネントを含み得るクラウドに存在し得る。必要に応じて、1つ以上のコンピュータシステム800は、実質的な空間制約又は時間制約がない状態で、本明細書に記載又は図示される1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行し得る。一例として、制限的ではなく、1つ以上のコンピュータシステム800は、本明細書に記載又は図示される1つ以上の方法の1つ以上のステップをリアルタイムに又はバッチモードで実行し得る。必要に応じて、1つ以上のコンピュータシステム800は、本明細書に記載又は図示される1つ以上の方法の1つ以上のステップを異なる時点又は異なる位置において実行し得る。
【0069】
特定の実施形態では、コンピュータシステム800は、プロセッサ802、メモリ804、ストレージ806、入力/出力(I/O)インターフェース808、通信インターフェース810、及び、バス812を含む。本開示は、特定の数の特定のコンポーネントを特定の配置において有する特定のコンピュータシステムについて記載及び図示しているが、本開示は、任意の好適な数の任意の好適なコンポーネントを任意の好適な配置で有する任意の好適なコンピュータシステムを想定している。特定の実施形態では、プロセッサ802は、コンピュータプログラムを構成する命令などの命令を実行するためのハードウェアを含む。一例として、制限的ではなく、命令を実行すべく、プロセッサ802は、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ804、又は、ストレージ806から命令を取得(又はフェッチ)してよく、それら命令を復号及び実行してよく、その後、1つ以上の結果を、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ804、又は、ストレージ806に書き込んでよい。特定の実施形態では、プロセッサ802は、データ、命令、又は、アドレスのための1つ以上の内部キャッシュを含み得る。
【0070】
本開示は、必要に応じて、任意の好適な数の任意の好適な内部キャッシュを含むプロセッサ802を想定している。一例として、制限的ではなく、プロセッサ802は、1つ以上の命令キャッシュ、1つ以上のデータキャッシュ、及び、1つ以上のトランスレーションルックアサイドバッファ(TLB)を含み得る。命令キャッシュ内の命令は、メモリ804又はストレージ806内の命令のコピーであってよく、命令キャッシュは、プロセッサ802によるこれらの命令の取得を加速化させてよい。データキャッシュ内のデータは、コンピュータ命令によって演算されるべきメモリ804若しくはストレージ806内のデータのコピーであり得るか、後続の命令がアクセス可能であるか、若しくは、メモリ804若しくはストレージ806に書き込まれる、プロセッサ802によって実行された以前の命令の結果であり得るか、又は、任意の他の好適なデータであり得る。データキャッシュは、プロセッサ802による読み取り動作又は書き込み動作を加速させ得る。TLBは、プロセッサ802の仮想アドレス変換を加速化させ得る。特定の実施形態では、プロセッサ802は、データ、命令、又は、アドレスのための1つ以上の内部レジスタを含み得る。本開示は、必要に応じて、任意の好適な数の任意の好適な内部レジスタを含むプロセッサ802を想定している。必要に応じて、プロセッサ802は、1つ以上の算術ロジックユニット(ALU)を含み得るか、マルチコアプロセッサであり得るか、又は、1つ以上のプロセッサ802を含み得る。本開示は、特定のプロセッサについて記載及び図示しているが、本開示は、任意の好適なプロセッサを想定している。
【0071】
特定の実施形態では、メモリ804は、プロセッサ802が実行する命令又はプロセッサ802が動作するデータを格納するためのメインメモリを含む。一例として、制限的ではなく、コンピュータシステム800は、ストレージ806又は(別のコンピュータシステム800などの)別のソースからメモリ804へ命令をロードし得る。プロセッサ802は次いで、メモリ804から内部レジスタ又は内部キャッシュへ命令をロードし得る。命令を実行するために、プロセッサ802は、内部レジスタ又は内部キャッシュから命令を取得して、それらを復号し得る。命令の実行中又は実行後に、プロセッサ802は、(中間結果又は最終結果であり得る)1つ以上の結果を内部レジスタ又は内部キャッシュに書き込み得る。プロセッサ802は次いで、これらの結果のうちの1つ以上をメモリ804に書き込み得る。
【0072】
特定の実施形態では、プロセッサ802は、(ストレージ806又は他の場所とは対照的に)1つ以上の内部レジスタ若しくは内部キャッシュ又はメモリ804内の命令のみを実行し、(ストレージ806又は他の場所とは対照的に)1つ以上の内部レジスタ若しくは内部キャッシュ又はメモリ804内のデータに対してのみ動作する。(それぞれがアドレスバス及びデータバスを含み得る)1つ以上のメモリバスは、プロセッサ802をメモリ804に結合し得る。バス812は、更に詳細に後述するように、1つ以上のメモリバスを含み得る。特定の実施形態では、1つ以上のメモリ管理ユニット(MMU)は、プロセッサ802とメモリ804との間に存在し、プロセッサ802によって要求されるメモリ804へのアクセスを促進する。特定の実施形態では、メモリ804は、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。必要に応じて、このRAMは、揮発性メモリであり得る。必要に応じて、このRAMは、ダイナミックRAM(DRAM)又はスタティックRAM(SRAM)であり得る。更に、必要に応じて、このRAMは、シングルポート又はマルチポートRAMであり得る。本開示は、任意の好適なRAMを想定している。必要に応じて、メモリ804は、1つ以上のメモリ704を含み得る。本開示は、特定のメモリについて記載及び図示しているが、本開示は任意の好適なメモリを想定している。
【0073】
特定の実施形態では、ストレージ806は、データ又は命令のための大容量ストレージを含む。一例として、制限的ではなく、ストレージ806は、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、若しくは、ユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、又は、これらの2以上の組み合わせを含み得る。必要に応じて、ストレージ806は、取り外し可能又は取り外し不可能な(若しくは固定された)メディアを含み得る。必要に応じて、ストレージ806は、コンピュータシステム800の内部に存在し得るか又は外部に存在し得る。特定の実施形態では、ストレージ806は、不揮発性、ソリッドステートメモリである。特定の実施形態では、ストレージ806は、リードオンリーメモリ(ROM)を含む。必要に応じて、このROMは、マスクプログラムROM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、電気的消去再書き込みROM(EAROM)、若しくは、フラッシュメモリ、又は、これらの2以上の組み合わせであり得る。本開示は、任意の好適な物理形態を取る大容量ストレージ806を想定している。必要に応じて、ストレージ806は、プロセッサ802とストレージ806との間の通信を促進する1つ以上のストレージ制御ユニットを含み得る。必要に応じて、ストレージ806は、1つ以上のストレージ706を含み得る。本開示は、特定のストレージについて記載及び図示しているが、本開示は、任意の好適なストレージを想定している。
【0074】
特定の実施形態では、I/Oインターフェース808は、コンピュータシステム800と1つ以上のI/Oデバイスとの間の通信のための1つ以上のインターフェースを提供するハードウェア、ソフトウェア、又は、これらの両方を含む。必要に応じて、コンピュータシステム800は、これらI/Oデバイスのうちの1つ以上を含み得る。これらのI/Oデバイスのうちの1つ以上は、人とコンピュータシステム800との間の通信を可能にし得る。一例として、制限的ではなく、I/Oデバイスは、キーボード、キーパッド、マイク、モニタ、マウス、プリンタ、スキャナ、スピーカ、静止カメラ、スタイラス、タブレット、タッチスクリーン、トラックボール、ビデオカメラ、別の好適なI/Oデバイス、又は、これらの2以上の組み合わせを含み得る。I/Oデバイスは、1つ以上のセンサを含み得る。本開示は、任意の好適なI/Oデバイス及びそれらのための任意の好適なI/Oインターフェース808を想定している。必要に応じて、I/Oインターフェース808は、プロセッサ802が、これらのI/Oデバイスのうちの1つ以上を駆動できるようにする1つ以上のデバイスドライバ又はソフトウェアドライバを含み得る。必要に応じて、I/Oインターフェース808は、1つ以上のI/Oインターフェース808を含み得る。本開示は、特定のI/Oインターフェースについて記載及び図示しているが、本開示は、任意の好適なI/Oインターフェースを想定している。
【0075】
特定の実施形態では、通信インターフェース810は、コンピュータシステム800と、1つ以上の他のコンピュータシステム800又は1つ以上のネットワークとの間の(例えば、パケットベース通信などの)通信のための1つ以上のインターフェースを提供する、ハードウェア、ソフトウェア、又は、これらの両方を含む。一例として、制限的ではなく、通信インターフェース810は、イーサネット(登録商標)若しくは任意の他の有線ベースのネットワークと通信するためのネットワークインターフェースコントローラ(NIC)若しくはネットワークアダプタ、又は、Wi-Fiネットワークなどの無線ネットワークと通信するための無線NIC(WNIC)若しくは無線アダプタを含み得る。本開示は、任意の好適なネットワーク及びそのための任意の好適な通信インターフェース810を想定している。一例として、制限的ではなく、コンピュータシステム800は、アドホックネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、若しくは、インターネットの1つ以上の部分、又は、これらの2以上の組み合わせと通信し得る。これらのネットワークのうちの1つ以上の1つ以上の部分は、有線又は無線であり得る。一例として、制限的ではなく、コンピュータシステム800は、(例えば、Bluetooth(登録商標)WPANなどの)無線PAN(WPAN)、Wi-Fiネットワーク、WI-MAXネットワーク、(例えば、グローバルシステムフォーモバイル通信(GSM(登録商標))ネットワークなどの)セルラ電話ネットワーク、若しくは、任意の他の好適な無線ネットワーク、又は、これらの2以上の組み合わせと通信し得る。必要に応じて、コンピュータシステム800は、これらのネットワークのいずれかのための任意の好適な通信インターフェース810を含み得る。必要に応じて、通信インターフェース810は、1つ以上の通信インターフェース810を含み得る。本開示は、特定の通信インターフェースについて記載及び図示しているが、本開示は、任意の好適な通信インターフェースを想定している。
【0076】
特定の実施形態では、バス812は、コンピュータシステム800のコンポーネントを互いに結合するハードウェア、ソフトウェア、又は、これらの両方を含む。一例して、制限的ではなく、バス812は、アクセラレーテッドグラフィックポート(AGP)若しくは任意の他のグラフィックバス、拡張業界標準アーキテクチャ(EISA)バス、フロントサイドバス(FSB)、ハイパトランスポート(HT)インターコネクト、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、INFINIBANDインターコネクト、ローピンカウント(LPC)バス、メモリバス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)バス、PCI-Express(PCIe)バス、シリアルアドバンスドテクノロジアタッチメント(SATA)バス、ビデオエレクトロニクス標準アソシエーションローカル(VLB)バス、若しくは、別の好適なバス、又は、これらの2以上の組み合わせを含み得る。必要に応じて、バス812は、1つ以上のバス812を含み得る。本開示は、特定のバスについて記載及び図示しているが、本開示は、任意の好適なバス又は相互接続を想定している。
【0077】
必要に応じて、本明細書において、コンピュータ可読非一時的記憶媒体は、(フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは特定用途向けIC(ASIC)などの)1つ以上の半導体ベース若しくは他のタイプの集積回路(IC)、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッドハードドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、磁気光ディスク、磁気光ドライブ、フロッピーディスケット、フロッピーディスクドライブ(FDD)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュアデジタルカード若しくはドライブ、任意の他の好適なコンピュータ可読非一時的記憶媒体、又は、これらの2以上の任意の好適な組み合わせを含み得る。必要に応じて、コンピュータ可読非一時的記憶媒体は、揮発性、不揮発性、又は、揮発性及び不揮発性の組み合わせであり得る。
【0078】
本明細書において、別途の明示がないか、又は、文脈から別途示される場合を除き、「又は(or)」は包括的であり排他的ではない。したがって、本明細書において、別途の明示がないか、又は、文脈から別途示される場合を除き、「A又はB」は、「A、B、又は、これらの両方」を意味する。更に、別途の明示がないか、又は、文脈から別途示される場合を除き、「及び(and)」は、共同且つ個別の両方である。したがって、本明細書において、別途の明示がないか、又は、文脈から別途示される場合を除き、「A及びB」は、「共同又は個別のA及びB」を意味する。
【0079】
本開示の範囲は、本明細書に記載又は図示される例示的な実施形態に対する当業者が理解するであろう全ての変更、置換、変形、改変、及び、修正を包含する。本開示の範囲は、本明細書に記載又は図示される例示的な実施形態に限定されない。更に、本開示は、本明細書のそれぞれの実施形態が特定のコンポーネント、要素、特徴、機能、動作、又は、ステップを含むものとして記載及び図示しているが、これらの実施形態のうちのいずれかは、当業者が理解するであろう、本明細書のどこかに記載又は図示されるコンポーネント、要素、特徴、機能、動作、又は、ステップのうちのいずれかの任意の組み合わせ又は置換を含み得る。更に、添付の特許請求の範囲において、装置若しくはシステムへの言及、又は、特定の機能を実行するようになっているか、配置されているか、特定の機能を実行可能であるか、特定の機能を実行するよう構成されているか、特定の機能を実行できるか、動作可能であるか、若しくは、操作可能である装置若しくはシステムのコンポーネントへの言及は、装置、システム、若しくは、コンポーネント、又は、その特定の機能がアクティブ化されるか、オンにされるか、又は、ロック解除されるかを問わず、その装置、システム、又は、コンポーネントがそのようになっているか、配置されているか、実行可能であるか、構成されているか、実行できるか、動作可能であるか、又は、操作可能である限り、その装置、システム、コンポーネントを包含する。更に、本開示は、特定の実施形態が特定の利点を提供するものとして記載又は図示しているが、特定の実施形態は、これらの利点のいずれも提供しなくてよいか、これらの利点のうち一部又は全部を提供してよい。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8