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特許7564904ファイルシステムのバックアップと復元方法及びその通信装置
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  • 特許-ファイルシステムのバックアップと復元方法及びその通信装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】ファイルシステムのバックアップと復元方法及びその通信装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/14 20060101AFI20241002BHJP
   G06F 16/11 20190101ALI20241002BHJP
【FI】
G06F11/14 669
G06F16/11
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023029399
(22)【出願日】2023-02-28
(65)【公開番号】P2023138373
(43)【公開日】2023-10-02
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】202210258390.7
(32)【優先日】2022-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508024599
【氏名又は名称】▲啓▼碁科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄祐霖
(72)【発明者】
【氏名】孔建雲
(72)【発明者】
【氏名】張紅森
(72)【発明者】
【氏名】湯智淵
【審査官】三坂 敏夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-049445(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0030323(US,A1)
【文献】特開2000-209239(JP,A)
【文献】特開2015-088123(JP,A)
【文献】特開2020-184265(JP,A)
【文献】特開2011-209834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/14
G06F 16/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の演算処理ユニットが、ファイルシステムに対応する複数のバックアップリスト及びバックアップデータにアクセスするための記憶ユニットに記憶されるファイルシステムが破壊されたかを検出してから、検出結果を生成するように駆動する検出工程と、
前記第1の演算処理ユニットが前記検出結果を第2の演算処理ユニットに伝送するように駆動する伝送工程と、
を備え、
前記検出結果として前記ファイルシステムが破壊された場合、前記第2の演算処理ユニットは、前記バックアップデータに基づいて前記ファイルシステムを復元することを含むシステム復元工程を実行し、
前記検出結果として前記ファイルシステムが破壊されていない場合、前記第2の演算処理ユニットは、前記記憶ユニットに前記バックアップデータが記憶されているかを確認するバックアップ確認工程を実行し、
前記バックアップリストは、それぞれ複数のハードウェア識別コードに対応し、且つそれぞれ複数の動的オブジェクトタグがリストされ、前記バックアップデータに1つの前記ハードウェア識別コード及び複数の動的オブジェクトパラメータが記憶されているファイルシステムのバックアップと復元方法。
【請求項2】
前記システム復元工程は、
前記第2の演算処理ユニットが前記ファイルシステムを削除し、前記ファイルシステムの静的オブジェクトパラメータセットをリセットするように駆動するオブジェクトリセット工程と、
前記第2の演算処理ユニットが前記バックアップデータに基づいて動的オブジェクトパラメータセットを前記ファイルシステムに復元するように駆動することを含むオブジェクト復元工程と、
前記第2の演算処理ユニットが前記ファイルシステムを再起動するように駆動するシステム再起動工程と、
を更に含み、
前記オブジェクト復元工程は、前記第2の演算処理ユニットが前記バックアップデータに記憶される前記動的オブジェクトパラメータを前記ファイルシステムに復元するように駆動することを更に含む請求項1に記載のファイルシステムのバックアップと復元方法。
【請求項3】
前記記憶ユニットに前記バックアップデータが記憶されていない場合、前記第2の演算処理ユニットは、データバックアップ工程を実行し、
前記記憶ユニットに前記バックアップデータが記憶され、且つ前記バックアップデータが完全でないか又は破壊された場合、前記第2の演算処理ユニットは、バックアップ更新工程を実行し、
前記データバックアップ工程では、前記第2の演算処理ユニットが前記ファイルシステムに基づいて前記バックアップデータを構築し、且つ前記バックアップデータを前記記憶ユニットに記憶するように駆動し、
前記ファイルシステムに1つの前記ハードウェア識別コード及び前記動的オブジェクトパラメータが記憶され、前記第2の演算処理ユニットは、前記ファイルシステムに記憶される前記1つの前記ハードウェア識別コードに基づいて1つの前記バックアップリストを選択し、且つ前記1つの前記バックアップリストにリストされた前記動的オブジェクトタグに基づいて前記動的オブジェクトパラメータをバックアップして前記バックアップデータを構築し、
前記バックアップ更新工程では、前記第2の演算処理ユニットが前記ファイルシステムに記憶される前記1つの前記ハードウェア識別コードに基づいて前記1つの前記バックアップリストを選択し、且つ前記1つの前記バックアップリストにリストされた前記動的オブジェクトタグに基づいて前記動的オブジェクトパラメータを前記バックアップデータに更新するように駆動する請求項1に記載のファイルシステムのバックアップと復元方法。
【請求項4】
ファイルシステムと前記ファイルシステムに対応する複数のバックアップリスト及びバックアップデータにアクセスするための記憶ユニットと、
前記記憶ユニットに接続され、且つ前記ファイルシステムが破壊されたかを検出して検出結果を生成する第1の演算処理ユニットと、
前記記憶ユニットと前記第1の演算処理ユニットに接続され、且つ前記検出結果を受信する第2の演算処理ユニットと、
を含み、
前記検出結果として前記ファイルシステムが破壊された場合、前記第2の演算処理ユニットは、前記バックアップデータに基づいて前記ファイルシステムを復元することを含むシステム復元工程を実行し、
前記検出結果として前記ファイルシステムが破壊されていない場合、前記第2の演算処理ユニットは、前記記憶ユニットに前記バックアップデータが記憶されているかを確認するバックアップ確認工程を実行し、
前記バックアップリストは、それぞれ複数のハードウェア識別コードに対応し、且つそれぞれ複数の動的オブジェクトタグがリストされ、前記バックアップデータに1つの前記ハードウェア識別コード及び複数の動的オブジェクトパラメータが記憶されている通信装置。
【請求項5】
前記システム復元工程は、
前記第2の演算処理ユニットが前記ファイルシステムを削除し、前記ファイルシステムの静的オブジェクトパラメータセットをリセットするように駆動するオブジェクトリセット工程と、
前記第2の演算処理ユニットが前記バックアップデータに基づいて動的オブジェクトパラメータセットを前記ファイルシステムに復元するように駆動することを含むオブジェクト復元工程と、
前記第2の演算処理ユニットが前記ファイルシステムを再起動するように駆動するシステム再起動工程と、
を更に含み、
前記オブジェクト復元工程は、前記第2の演算処理ユニットが前記バックアップデータに記憶される前記動的オブジェクトパラメータを前記ファイルシステムに復元するように駆動することを更に含む請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記記憶ユニットに前記バックアップデータが記憶されていない場合、前記第2の演算処理ユニットは、データバックアップ工程を実行し、
前記記憶ユニットに前記バックアップデータが記憶され、且つ前記バックアップデータが完全でないか又は破壊された場合、前記第2の演算処理ユニットは、バックアップ更新工程を実行し、
前記データバックアップ工程では、前記第2の演算処理ユニットが前記ファイルシステムに基づいて前記バックアップデータを構築し、且つ前記バックアップデータを前記記憶ユニットに記憶するように駆動し、
前記ファイルシステムに1つの前記ハードウェア識別コード及び前記動的オブジェクトパラメータが記憶され、前記第2の演算処理ユニットは、前記ファイルシステムに記憶される前記1つの前記ハードウェア識別コードに基づいて1つの前記バックアップリストを選択し、且つ前記1つの前記バックアップリストにリストされた前記動的オブジェクトタグに基づいて前記動的オブジェクトパラメータをバックアップして前記バックアップデータを構築し、
前記バックアップ更新工程では、前記第2の演算処理ユニットが前記ファイルシステムに記憶される前記1つの前記ハードウェア識別コードに基づいて前記1つの前記バックアップリストを選択し、且つ前記1つの前記バックアップリストにリストされた前記動的オブジェクトタグに基づいて前記動的オブジェクトパラメータを前記バックアップデータに更新するように駆動する請求項4に記載の通信装置。
【請求項7】
前記記憶ユニットは、
前記ファイルシステムにアクセスするための第1の記憶ブロックと、
前記バックアップリストと前記バックアップデータにアクセスするための別のファイルシステムにアクセスするための第2の記憶ブロックと、
を含む請求項4に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイルシステムのバックアップと復元方法及びその通信装置に関し、特に、組み込みファイルシステムのバックアップと復元方法及びその通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
組み込みファイルシステム(Embedded File System;EFS)は、組み込みシステム(Embedded System)においてファイルのアクセスを実現するモジュールである。組み込みファイルシステムは、また、ファイルの入出力の管理機能を提供し、組み込みシステムとデバイスのためにファイルシステムのサポートを提供する。組み込みシステムは、高温で、電源が変動して安定的でなく、電圧負荷能力が十分でなく、又は電池の電力残量が足りない場合、システムの電源オフと再起動が繰り返されやすい。再起動過程で、システム内部のパラメータが失われて、システムが工場出荷時の設定に戻ってしまい、ひいてはデータが全て失われ、システムが正常に起動できなくなる虞がある。また、製品の欠陥レポートの殆どによると、組み込みファイルシステムが破壊されるか又はシステムが完全でないことが示されるため、組み込みファイルシステムのバックアップと復元は、非常に重要な機能である。
【0003】
従来のバックアップと復元技術では、システムの前回の起動状況のみに応じて、バックアップデータによってバックアップ及び復元を行うかを決定する。しかしながら、バックアップデータは、長期間に格納されることで、データが紛失され、又は人為的に変更されて不安全になる場合がある。従って、従来のバックアップと復元技術では、依然としてバックアップデータが存在するか又は完全で破壊されていないかを判定することができず、柔軟性が低く、手動でメンテナンスする必要があり、更にメンテナンスコストが高くなる。
【0004】
これに鑑みて、システムが破壊されたかを検出すると共にバックアップが存在するかを確認することができるファイルシステムのバックアップと復元方法及びその通信装置を如何に構築するかは、実に人々に切望されていることであり、関連業者が力を入れて研究開発して突破すべき目標及び方向でもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、第1の演算処理ユニットによってファイルシステムが破壊されたかを判断し、且つ第2の演算処理ユニットによってファイルシステムを復元すると共にバックアップデータが存在するかを確認し、更にファイルシステムの破壊による返品で招かれたロスを減らすことができるファイルシステムのバックアップと復元方法及びその通信装置を提供することである。また、本発明のファイルシステムのバックアップと復元方法及びその通信装置によれば、デバイスが破壊を検出できた途端、破壊されたファイルシステムを即時復元することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、第1の演算処理ユニットが、ファイルシステムに対応する複数のバックアップリスト及びバックアップデータにアクセスするための記憶ユニットに記憶されるファイルシステムが破壊されたかを検出してから、検出結果を生成するように駆動する検出工程と、第1の演算処理ユニットが検出結果を第2の演算処理ユニットに伝送するように駆動する伝送工程と、を備え、検出結果としてファイルシステムが破壊された場合、第2の演算処理ユニットは、バックアップデータに基づいてファイルシステムを復元することを含むシステム復元工程を実行し、また、検出結果としてファイルシステムが破壊されていない場合、第2の演算処理ユニットは、記憶ユニットにバックアップデータが記憶されているかを確認するバックアップ確認工程を実行し、これらのバックアップリストは、それぞれ複数のハードウェア識別コードに対応し、且つそれぞれ複数の動的オブジェクトタグがリストされ、バックアップデータに1つのハードウェア識別コード及び複数の動的オブジェクトパラメータが記憶されているファイルシステムのバックアップと復元方法を提供する。
【0007】
これにより、本発明のファイルシステムのバックアップと復元方法は、第1の演算処理ユニットによって生成された検出結果に基づいて第2の演算処理ユニットがシステム復元工程又はバックアップ確認工程を実行するように駆動し、破壊されたファイルシステムを復元することができるだけでなく、今後ファイルシステムが破壊されると、記憶ユニットにバックアップデータが記憶されていることを確保し、更にバックアップデータの欠失によって復元できない状況を回避することもできる。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、ファイルシステムとファイルシステムに対応する複数のバックアップリスト及びバックアップデータにアクセスするための記憶ユニットと、記憶ユニットに接続され、且つファイルシステムが破壊されたかを検出して検出結果を生成する第1の演算処理ユニットと、記憶ユニットと第1の演算処理ユニットに接続され、且つ検出結果を受信する第2の演算処理ユニットと、を含み、検出結果としてファイルシステムが破壊された場合、第2の演算処理ユニットは、バックアップデータに基づいてファイルシステムを復元することを含むシステム復元工程を実行し、また、検出結果としてファイルシステムが破壊されていない場合、第2の演算処理ユニットは、記憶ユニットにバックアップデータが記憶されているかを確認するバックアップ確認工程を実行し、これらのバックアップリストは、それぞれ複数のハードウェア識別コードに対応し、且つそれぞれ複数の動的オブジェクトタグがリストされ、バックアップデータに1つのハードウェア識別コード及び複数の動的オブジェクトパラメータが記憶されている通信装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
これにより、本発明の通信装置は、第1の演算処理ユニットによって生成された検出結果に基づいて第2の演算処理ユニットがシステム復元工程又はバックアップ確認工程を実行するようにし、破壊されたファイルシステムを復元することができるだけでなく、今後ファイルシステムが破壊されると、記憶ユニットにバックアップデータが記憶されていることを確保し、更にバックアップデータの欠失によって復元できない状況を回避することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施例によるファイルシステムのバックアップと復元方法を示すフローチャートである。
図2】本発明の第2の実施例による通信装置を示す模式図である。
図3】本発明の第3の実施例によるファイルシステムのバックアップと復元方法を示すフローチャートである。
図4図2の第1の記憶ブロックのファイルシステムと第2の記憶ブロックのファイルシステムの2つのバックアップリストとバックアップデータを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の複数の実施例を説明する。明確に説明するために、多くの実際的な細部を下記叙述で合わせて説明する。しかしながら、理解すべきなのは、これらの実際の細部が、本発明を制限するように適用されるものではない。つまり、本発明の一部の実施例において、これらの実際的な細部は必要なものではない。また、図面を簡略化するために、一部の従来慣用の構造及び素子は、図面において簡単で模式的に示され、重複する素子は、同じ符号で表される場合がある。
【0012】
なお、本明細書において、ある素子(又はユニットやモジュールなど)が別の素子に「接続/連結」される場合、前記素子が別の素子に直接接続/連結されることを指してもよいし、ある素子が別の素子に間接接続/連結されることを指し、即ち、前記素子と別の素子の間に他の素子が介在されることを意味してもよい。ある素子が別の素子に「直接接続/連結」されると明確に示された場合に限って、前記素子と別の素子との間に他の素子が介在されていないことを示す。「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単に異なる素子を叙述するためのものであり、素子そのものを制限することはないため、第1の素子を第2の素子と言い換えてもよい。且つ、本明細書における素子/ユニット/回路の組み合わせは、この分野において一般的に知られた、通常又は従来の組み合わせではなく、素子/ユニット/回路そのものが従来のものであるかによって、その組み合わせ関係が当業者によって容易に完成されるかを判断してはならない。
【0013】
図1を参照されたく、図1は、本発明の第1の実施例によるファイルシステムのバックアップと復元方法100を示すフローチャートである。図1に示すように、ファイルシステムのバックアップと復元方法100は、検出工程S02と、伝送工程S04と、を含む。
【0014】
検出工程S02では、第1の演算処理ユニットが、ファイルシステムに対応する複数のバックアップリスト及びバックアップデータにアクセスするための記憶ユニットに記憶されるファイルシステムが破壊されたかを検出してから、検出結果110を生成するように駆動する。伝送工程S04では、第1の演算処理ユニットが検出結果110を第2の演算処理ユニットに伝送するように駆動する。
【0015】
詳細には、検出結果110としてファイルシステムが破壊された(即ち、検出結果110が「はい」である)場合、第2の演算処理ユニットは、システム復元工程S062を実行する。システム復元工程S062は、記憶ユニット内におけるバックアップデータに基づいてファイルシステムを復元すること備え、具体的には、ファイルシステムは、1つのバックアップリストによりバックアップされたバックアップデータに基づいて復元する。検出結果としてファイルシステムが破壊されていない(即ち、検出結果110が「いいえ」である)場合、第2の演算処理ユニットは、バックアップ確認工程S064を実行する。バックアップ確認工程S064では、記憶ユニットにバックアップデータが記憶されているかを確認する。これにより、本発明のファイルシステムのバックアップと復元方法100は、第1の演算処理ユニットによって生成された検出結果110に基づいて第2の演算処理ユニットがシステム復元工程S062又はバックアップ確認工程S064を実行するように駆動し、破壊されたファイルシステムを復元することができるだけでなく、今後ファイルシステムが破壊されると、記憶ユニットにバックアップデータが記憶されていることを確保し、更にバックアップデータの欠失によって復元できない状況を回避することもできる。
【0016】
図1図2を合わせて参照されたく、図2は、本発明の第2の実施例による通信装置200を示す模式図である。図1図2に示すように、通信装置200は、第1の実施例のファイルシステムのバックアップと復元方法100を実施するために用いられてよく、且つ、記憶ユニット300と、第1の演算処理ユニット400と、第2の演算処理ユニット500と、を含む。
【0017】
記憶ユニット300は、第1の記憶ブロック310と第2の記憶ブロック320を含む。第1の記憶ブロック310は、ファイルシステム311にアクセスするために用いられる。第2の記憶ブロック320は、別のファイルシステム321にアクセスするために用いられ、ファイルシステム321は、2つのバックアップリスト3211、3212及びバックアップデータ3213にアクセスするために用いられる。
【0018】
第1の演算処理ユニット400は、記憶ユニット300に接続され、且つファイルシステム311が破壊されたかを検出して検出結果110を生成する。第2の演算処理ユニット500は、記憶ユニット300と第1の演算処理ユニット400に接続され、且つ第1の演算処理ユニット400からの検出結果110を受信する。具体的には、通信装置200は、モデム(Modem)、又は他の電子装置内部の通信モジュールであってもよく、車両に設けられる通信モジュールであってもよいが、本発明はこれに限定されない。記憶ユニット300は、メモリ(Memory)であってよい。第1の演算処理ユニット400は、モデム(Modulator-demodulator;Modem)プロセッサであってよい。第2の演算処理ユニット500は、アプリケーションプロセッサ(Application Processor;AP)であってよい。ファイルシステム311は、組み込みファイルシステム(Embedded File System;EFS)であってよく、ファイルシステム321は、ソートされていないブロックイメージファイルシステム(Unsorted Block Image File System;UBIFS)であってよいが、本発明はこれに限定されない。
【0019】
検出結果110としてファイルシステム311が破壊された場合、第2の演算処理ユニット500は、システム復元工程S062を実行する。検出結果110としてファイルシステム311が破壊されていない場合、第2の演算処理ユニット500は、バックアップ確認工程S064を実行する。これにより、本発明の通信装置200は、第1の演算処理ユニット400により生成された検出結果110に基づいて第2の演算処理ユニット500がシステム復元工程S062又はバックアップ確認工程S064を実行するようにし、破壊されたファイルシステム311を復元することができるだけでなく、今後ファイルシステム311が破壊されると、記憶ユニット300にバックアップデータ3213が記憶されていることを確保し、更にバックアップデータ3213の欠失によって復元できない状況を回避することもできる。
【0020】
図2図3図4を合わせて参照し、図3は、本発明の第3の実施例によるファイルシステムのバックアップと復元方法600を示すフローチャートであり、図4は、図2の第1の記憶ブロック310のファイルシステム311と第2の記憶ブロック320のファイルシステム321の2つのバックアップリスト3211、3212及びバックアップデータ3213を示す模式図である。図3に示すように、第3の実施例のファイルシステムのバックアップと復元方法600は、第2の実施例の通信装置200により実施されてよく、且つ、検出工程S12と、伝送工程S14と、システム復元工程S162と、バックアップ確認工程S164と、を備え、検出工程S12、伝送工程S14及びバックアップ確認工程S164は、いずれも第1の実施例におけるファイルシステムのバックアップと復元方法100の対応する工程と同じであり、別途説明しない。
【0021】
第3の実施例と第1の実施例との相違点は、システム復元工程S162が、オブジェクトリセット工程S1622と、オブジェクト復元工程S1624と、システム再起動工程S1626と、を更に含んでよいことにある。オブジェクトリセット工程S1622では、第2の演算処理ユニット500が破壊されたファイルシステム311を削除し、ファイルシステム311の静的オブジェクトパラメータセット3112をリセットするように駆動する。オブジェクト復元工程S1624は、第2の演算処理ユニット500がファイルシステム321内のバックアップデータ3213に基づいて動的オブジェクトパラメータセット3113をファイルシステム311に復元するように駆動することを含む。システム再起動工程S1626では、第2の演算処理ユニット500が復元後のファイルシステム311を再起動するように駆動する。
【0022】
詳細には、図4におけるファイルシステム311は、ハードウェア識別コード3111、静的オブジェクトパラメータセット3112及び動的オブジェクトパラメータセット3113を含んでよく、ハードウェア識別コード3111は、製造業者が製品装置別に定義された識別コード列であり、且つファイルシステム311に記録され、換言すれば、ファイルシステム311には、それ自身に対応する製品装置のハードウェア識別コード3111が記憶されている。静的オブジェクトパラメータセット3112は、主にファームウェアに関連し、且つファームウェアにより作成可能であるため、バックアップデータ3213によりファイルシステム311に復元される必要がない。オブジェクトリセット工程S1622において、第2の演算処理ユニット500は、まず破壊されたファイルシステム311の静的オブジェクトパラメータセット3112と動的オブジェクトパラメータセット3113を削除してから、第2の演算処理ユニット500自身のファームウェアにより新たな静的オブジェクトパラメータセット3112を作成する。
【0023】
また、図2から分かるように、ファイルシステム321は、バックアップリスト3211、3212及びバックアップデータ3213にアクセスし、バックアップリスト3211、3212は、それぞれ2つのハードウェア識別コード(Hardware Identification;HWID)に対応してよく、且つそれぞれ2つの動的オブジェクトタグL1、L2がリストされてよい。例えば、図4のバックアップリスト3211は、ハードウェア識別コード3111に対応し、且つ動的オブジェクトタグL1がリストされている。バックアップリスト3212は、別のハードウェア識別コード(別途図示せず)に対応し、且つ別の動的オブジェクトタグL2がリストされている。図4のバックアップデータ3213には、1つのハードウェア識別コード3111及び3つの動的オブジェクトパラメータP1、P2、P3が記憶されている。オブジェクト復元工程S1624は、第2の演算処理ユニット500がバックアップデータ3213に記憶される動的オブジェクトパラメータP1、P2、P3をファイルシステム311に復元するように駆動することを更に含んでよく、動的オブジェクトパラメータセット3113は、動的オブジェクトパラメータP1、P2、P3からなる。
【0024】
詳細には、動的オブジェクトパラメータセット3113は、工場での較正時に既にファイルシステム311内に書き込まれたため、動的オブジェクトパラメータセット3113の全てのパラメータに対応するタグ(即ち、動的オブジェクトタグL1)は、ファイルシステム321の1つのバックアップリスト(即ち、バックアップリスト3211)に記録される。本発明において、異なるハードウェア識別コードに応じて、較正時に選択される動的オブジェクトパラメータセットが異なるため、各ハードウェア識別コードは、1つのバックアップリストに対応する。他の実施例において、バックアップリストの数は複数であってよく、動的オブジェクトパラメータの数は複数であってよく、本発明はこれに限定されない。続いて、第2の演算処理ユニット500は、新たな静的オブジェクトパラメータセット3112を作成し終わり、且つ新たな動的オブジェクトパラメータセット3113をファイルシステム311に復元し終わった場合、ファイルシステム311を完全に復元するように、システム再起動工程S1626を実行する。これにより、本発明のファイルシステムのバックアップと復元方法600は、従来のバックアップと復元技術に比べ、ファイルシステム311を復元する時にハードウェア識別コード3111に対応するバックアップリスト3211によりバックアップされたバックアップデータ3213によって、特定の製品装置に対して動的オブジェクトパラメータセット3113の最適化復元を行うことができ、更に他の製品装置の動的オブジェクトパラメータを全てファイルシステム311に復元する必要がないため、柔軟性が高く、手動メンテナンスを必要とせず、更にメンテナンスコストが削減される。また、第2の記憶ブロック320のファイルシステム321に複数のバックアップリスト3211、3212が記憶されているため、第1の記憶ブロック310のファイルシステム311のバックアップと復元について様々な製品装置をサポートすることができる。
【0025】
一方、バックアップデータ3213は、格納されてから長期間経ったため、データが紛失されるか、又は人為的な変更及び製品装置の更新によって完全でなくなりやすい。引き続き図3を参照されたく、バックアップ確認工程S164において、記憶ユニット300の第2の記憶ブロック320にバックアップデータ3213が記憶されていない場合、第2の演算処理ユニット500は、データバックアップ工程S182を実行する。記憶ユニット300の第2の記憶ブロック320にバックアップデータ3213が記憶され、且つバックアップデータ3213が完全でないか又は破壊された場合、第2の演算処理ユニット500は、バックアップ更新工程S184を実行する。記憶ユニット300の第2の記憶ブロック320にバックアップデータ3213が記憶され、且つバックアップデータ3213が完全で正常である場合、第2の演算処理ユニット500又は第1の演算処理ユニット400は、検出工程S12を改めて実行し、換言すれば、システム動作中にバックグラウンドで検出工程S12を持続的に実行し、更に損傷が検出されるとファイルシステム311を直ちに修復して復元することができる。
【0026】
データバックアップ工程S182では、第2の演算処理ユニット500がファイルシステム311に基づいてバックアップデータ3213を構築し、且つバックアップデータ3213を記憶ユニット300の第2の記憶ブロック320のファイルシステム321に記憶するように駆動する。詳細には、ファイルシステム311は、破壊されておらず、且つハードウェア識別コード3111、静的オブジェクトパラメータセット3112及び動的オブジェクトパラメータセット3113が記憶され、動的オブジェクトパラメータセット3113は、3つの動的オブジェクトパラメータP1、P2、P3からなる。データバックアップ工程S182において、第2の演算処理ユニット500は、ファイルシステム311のハードウェア識別コード3111に基づいてバックアップリスト3211を選択し、且つバックアップリスト3211にリストされた動的オブジェクトタグL1に基づいてハードウェア識別コード3111及び動的オブジェクトパラメータP1、P2、P3をバックアップしてバックアップデータ3213を構築する。続いて、第2の演算処理ユニット500又は第1の演算処理ユニット400は、検出工程S12を改めて実行し、且つバックグラウンドでファイルシステム311が損傷されたかを持続的に検出する。
【0027】
同様に、バックアップ更新工程S184では、第2の演算処理ユニット500がファイルシステム311のハードウェア識別コード3111に基づいてバックアップリスト3211を選択し、且つバックアップリスト3211にリストされた動的オブジェクトタグL1に基づいて動的オブジェクトパラメータP1、P2、P3をバックアップデータ3213に更新し、更に前の完全でない又は破壊されたバックアップデータ3213を置き換えるように駆動する。続いて、第2の演算処理ユニット500は、検出工程S12を改めて実行する。これにより、本発明のファイルシステムのバックアップと復元方法600は、従来のバックアップと復元技術に比べ、今後ファイルシステム311が破壊されると、記憶ユニット300に完全で最新のバックアップデータ3213が記憶されていることを確保し、更にバックアップデータ3213の欠失によって復元できない状況を回避することもできる。
【0028】
上記実施形態から分かるように、本発明は、以下の利点を有する。その一、異なる検出結果に応じてそれぞれシステム復元工程とバックアップ確認工程を実行することで、破壊されたファイルシステムを復元することができるだけでなく、今後ファイルシステムが破壊されると、記憶ユニットにバックアップデータが記憶されていることを確保し、更にバックアップデータの欠失によって復元できない状況を回避することもできる。その二、特定の製品装置に対して動的オブジェクトパラメータセットの最適化復元を行い、更に全ての製品装置の全ての動的オブジェクトパラメータをファイルシステムに復元する必要がないため、柔軟性が高く、手動メンテナンスを必要とせず、更にメンテナンスコストが削減される。その三、第2の記憶ブロックのファイルシステムに複数のバックアップリストが記憶されているため、第1の記憶ブロックのファイルシステムのバックアップと復元について様々な製品装置をサポートすることができる。
【0029】
本発明は、実施形態により前記のように開示されたが、実施形態が本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えることができる。従って、本発明の保護範囲は、下記特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0030】
100、600 ファイルシステムのバックアップと復元方法
110 検出結果
200 通信装置
300 記憶ユニット
310 第1の記憶ブロック
311、321 ファイルシステム
3111 ハードウェア識別コード
3112 静的オブジェクトパラメータセット
3113 動的オブジェクトパラメータセット
320 第2の記憶ブロック
3211、3212 バックアップリスト
3213 バックアップデータ
400 第1の演算処理ユニット
500 第2の演算処理ユニット
S02、S12 検出工程
S04、S14 伝送工程
S062、S162 システム復元工程
S1622 オブジェクトリセット工程
S1624 オブジェクト復元工程
S1626 システム再起動工程
S064、S164 バックアップ確認工程
S182 データバックアップ工程
S184 バックアップ更新工程
L1、L2 動的オブジェクトタグ
P1、P2、P3 動的オブジェクトパラメータ
図1
図2
図3
図4