(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】配線器具
(51)【国際特許分類】
H01H 21/00 20060101AFI20241002BHJP
H01H 9/16 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H01H21/00 320B
H01H9/16 C
(21)【出願番号】P 2023506976
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 JP2022009550
(87)【国際公開番号】W WO2022196403
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】P 2021045757
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中植 真仁
(72)【発明者】
【氏名】奥谷 昌大
(72)【発明者】
【氏名】高江洲 竜馬
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-161638(JP,A)
【文献】特開2007-265787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 21/00
H01H 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷への電力供給状態を切り替えるスイッチと、
前記スイッチの状態に応じて発光する発光部と、
前記スイッチの前記状態の切替操
作を行うためのパネルと、
前記スイッチの前記状態を切り替える操作部であって、前記発光部が出力する光を視認可能に構成されている発光表示部を有し、前記パネルの法線方向からの平面視において前記パネルと並んで配置されている操作部と、
前記発光部から出力される光を前記発光表示部に導光する導光部と、
を備え、
前記平面視において、前記発光部の位置と、前記発光表示部の位置とが異なり、
前記操作部と前記導光部とは別体であり、
前記発光表示部は、前記導光部の出射面を露出させる孔である、
配線器具。
【請求項2】
負荷への電力供給状態を切り替えるスイッチと、
前記スイッチの状態に応じて発光する発光部と、
前記スイッチの前記状態の切替操作、及び、前記負荷に関する情報の表示の少なくとも一方を行うためのパネルと、
前記スイッチの前記状態を切り替える操作部であって、前記発光部が出力する光を視認可能に構成されている発光表示部を有し、前記パネルの法線方向からの平面視において前記パネルと並んで配置されている操作部と、
前記発光部から出力される光を前記発光表示部に導光する導光部と、
他の機器と通信可能に構成されている通信部と、
前記通信部と電気的に接続されているコネクタと、
前記パネルにおける前記切替操作及び前記表示の少なくとも一方を行う面の反対面側から、前記パネルを覆う裏カバーと、
を備え、
前記平面視において、前記発光部の位置と、前記発光表示部の位置とが異なり、
前記コネクタは、前記法線方向に沿って前記パネルと前記裏カバーとの間に配置されており、
前記裏カバーは、前記コネクタを前記裏カバー外に露出させる孔を有しており、
前記孔は、前記コネクタに近づくにつれて開口面積が小さくなるテーパー部を有している、
配線器具。
【請求項3】
負荷への電力供給状態を切り替えるスイッチと、
前記スイッチの状態に応じて発光する発光部と、
前記スイッチの前記状態の切替操作、及び、前記負荷に関する情報の表示の少なくとも一方を行うためのパネルと、
前記スイッチの前記状態を切り替える操作部であって、前記発光部が出力する光を視認可能に構成されている発光表示部を有し、前記パネルの法線方向からの平面視において前記パネルと並んで配置されている操作部と、
前記発光部から出力される光を前記発光表示部に導光する導光部と、
前記パネルにおける前記切替操作及び前記表示の少なくとも一方を行う面の反対面側から、前記パネルを覆う裏カバーと、
前記法線方向に沿って前記パネルと前記裏カバーとの間に配置され、前記パネルを位置決めするスペーサと、
を備え、
前記平面視において、前記発光部の位置と、前記発光表示部の位置とが異なり、
前記スペーサは、
前記法線方向と交差する方向において互いに並んでいる第1孔及び第2孔と、
前記法線方向に沿って前記裏カバー側に突出している突起部と、
を有し、
前記突起部は、前記交差する方向において前記第1孔と前記第2孔の間に形成されている、
配線器具。
【請求項4】
前記導光部は、前記法線方向に沿って入射される前記光を、前記法線方向に沿って前記発光表示部に向けて出射する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の配線器具。
【請求項5】
前記導光部は、前記発光部から入射される前記光を、少なくとも2回反射させて前記発光表示部に導光する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の配線器具。
【請求項6】
前記法線方向に沿って前記操作部と対向し、前記操作部側から押されることにより前記スイッチの前記状態を切り替える押ボタン式スイッチを更に備え、
前記操作部は、
前記平面視において矩形状であり、
前記法線方向に沿って前記押ボタン式スイッチ側に突出し、前記操作部が前記押ボタン式スイッチ側に押されることにより前記押ボタン式スイッチを押す突出部を有し、
前記突出部は、前記操作部の長手方向中央部に設けられている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の配線器具。
【請求項7】
前記法線方向に沿って、前記発光表示部の少なくとも一部と、前記押ボタン式スイッチの少なくとも一部とが重なる、
請求項6に記載の配線器具。
【請求項8】
前記法線方向に沿って、前記導光部の少なくとも一部と、前記押ボタン式スイッチの少なくとも一部とが重なる、
請求項6又は7に記載の配線器具。
【請求項9】
前記導光部は、
前記発光部から入射される前記光を前記法線方向と交差する方向に反射させる第1反射面と、
前記第1反射面で反射された前記光を、前記発光表示部に向けて反射させる第2反射面と、
を有しており、
前記法線方向に沿って、前記第2反射面の少なくとも一部と、前記押ボタン式スイッチの少なくとも一部とが重なる、
請求項8に記載の配線器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に配線器具に関し、より詳細には、パネルを備える配線器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タッチ操作が行われるタッチパネルを備え、壁部に設置されるタッチ式スイッチが記載されている。特許文献1に記載のタッチ式スイッチは、タッチパネルに対するタッチ操作に基づいて、照明器具のON/OFFを制御する。
【0003】
このようなタッチパネルや液晶等の表示部を備える配線器具において、照明器具等の制御を行うためのハード式スイッチと、照明器具の状態を示す発光部とを更に備えることがある。ハード式スイッチ及び発光部を備える配線器具では、ハード式スイッチの操作性と発光部の視認性とを両立させることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、ハード式スイッチの操作性と発光部の視認性とを両立させるために、部品の配置の自由度を向上させた配線器具を提供することを目的とする。
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る配線器具は、スイッチと、発光部と、パネルと、操作部と、導光部と、を備えている。前記スイッチは、負荷への電力供給状態を切り替える。前記発光部は、前記スイッチの状態に応じて発光する。前記パネルは、前記スイッチの状態の切替操作を行うためのパネルである。前記操作部は、前記スイッチの状態を切り替える。前記操作部は、発光表示部を有している。前記発光表示部は、前記発光部が出力する光を視認可能に構成されている。前記操作部は、前記パネルの法線方向からの平面視において前記パネルと並んで配置されている。前記導光部は、前記発光部から出力される光を前記発光表示部に導光する。前記平面視において、前記発光部の位置と、前記発光表示部の位置とが異なる。前記操作部と前記導光部とは別体である。前記発光表示部は、前記導光部の出射面を露出させる孔である。
本開示の一態様に係る配線器具は、スイッチと、発光部と、パネルと、操作部と、導光部と、通信部と、コネクタと、裏カバーと、を備えている。前記スイッチは、負荷への電力供給状態を切り替える。前記発光部は、前記スイッチの状態に応じて発光する。前記パネルは、前記スイッチの状態の切替操作、及び、前記負荷に関する情報の表示の少なくとも一方を行うためのパネルである。前記操作部は、前記スイッチの状態を切り替える。前記操作部は、発光表示部を有している。前記発光表示部は、前記発光部が出力する光を視認可能に構成されている。前記操作部は、前記パネルの法線方向からの平面視において前記パネルと並んで配置されている。前記導光部は、前記発光部から出力される光を前記発光表示部に導光する。前記通信部は、他の機器と通信可能に構成されている。前記コネクタは、前記通信部と電気的に接続されている。前記裏カバーは、前記パネルにおける前記切替操作及び前記表示の少なくとも一方を行う面の反対面側から、前記パネルを覆う。前記平面視において、前記発光部の位置と、前記発光表示部の位置とが異なる。前記コネクタは、前記法線方向に沿って前記パネルと前記裏カバーとの間に配置されている。前記裏カバーは、前記コネクタを前記裏カバー外に露出させる孔を有している。前記孔は、前記コネクタに近づくにつれて開口面積が小さくなるテーパー部を有している。
本開示の一態様に係る配線器具は、スイッチと、発光部と、パネルと、操作部と、導光部と、裏カバーと、スペーサと、を備えている。前記スイッチは、負荷への電力供給状態を切り替える。前記発光部は、前記スイッチの状態に応じて発光する。前記パネルは、前記スイッチの状態の切替操作、及び、前記負荷に関する情報の表示の少なくとも一方を行うためのパネルである。前記操作部は、前記スイッチの状態を切り替える。前記操作部は、発光表示部を有している。前記発光表示部は、前記発光部が出力する光を視認可能に構成されている。前記操作部は、前記パネルの法線方向からの平面視において前記パネルと並んで配置されている。前記導光部は、前記発光部から出力される光を前記発光表示部に導光する。前記裏カバーは、前記パネルにおける前記切替操作及び前記表示の少なくとも一方を行う面の反対面側から、前記パネルを覆う。前記スペーサは、前記法線方向に沿って前記パネルと前記裏カバーとの間に配置され、前記パネルを位置決めする。前記平面視において、前記発光部の位置と、前記発光表示部の位置とが異なる。前記スペーサは、第1孔及び第2孔と、突起部と、を有する。前記第1孔及び前記第2孔は、前記法線方向と交差する方向において互いに並んでいる。前記突起部は、前記法線方向に沿って前記裏カバー側に突出している。前記突起部は、前記交差する方向において前記第1孔と前記第2孔の間に形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る配線器具システムの全体構成を示す概略図である。
【
図2】
図2は、同上に係る配線器具の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、同上に係る配線器具の全体斜視図である。
【
図4】
図4は、同上に係る配線器具の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、同上に係る配線器具の分解斜視図である。
【
図7】
図7は、同上に係るスペーサの斜視図である。
【
図8】
図8は、同上に係る操作ユニットを後方向から見た背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、各方向を示す矢印は一例であり、配線器具システム100の使用時の方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0009】
(1)概要
まず、本実施形態に係る配線器具システム100の概要について、
図1~
図3、及び
図6を参照しつつ説明する。
【0010】
図1に示すように、配線器具システム100は、例えば単相三線式で系統電源PS1(商用電源)と電気的に接続されている。なお、本開示でいう「電気的に接続」とは、電気的に導通した状態の接続を意味し、直接的な接続だけでなく、例えば電線等の導体やブレーカやリレー(接続装置)を介した間接的な接続も含む。
【0011】
配線器具システム100は、複数(
図1の例では2つ)の配線器具1と複数(
図1の例では2つ)の照明負荷101(負荷)とを備えている。なお、配線器具システム100が備える配線器具1及び照明負荷101の数は1つであってもよいし、3以上であってもよい。以下の説明において、2つの配線器具1の各々を特に区別しない場合は、2つの配線器具1の各々のことを単に「配線器具1」という。また、2つの照明負荷101の各々を特に区別しない場合は、2つの照明負荷101の各々のことを単に「照明負荷101」という。
【0012】
図2に示すように、配線器具1は、配線器具1に接続されている照明負荷101への電力供給状態を切り替えるスイッチ素子12を備えている。また、配線器具1は、スイッチ素子12の状態に応じて発光するLED(Light Emitting Diode)81(発光部)と、スイッチ素子12の状態の切替操作を行うためのタッチパネル6及び操作部4(
図1参照)と、を備えている。LED81は、後述する基板80(
図6参照)に実装されている。なお、本開示でいう「スイッチ素子12の状態」とは、系統電源PS1から入力される電力を照明負荷101へ出力する状態(オン状態)と、系統電源PS1から入力される電力を照明負荷101へ出力しない状態(オフ状態)と、を含む。
【0013】
図3に示すように、配線器具1は、例えば、建物(戸建住宅、集合住宅の住戸、テナントビル等)内の部屋の壁材300に取り付けられる。なお、配線器具1の取付位置は建物内の部屋の壁材300に限定されず、部屋の天井又は床等の造営材でもよい。以下の説明では、タッチパネル6の法線方向を前後方向と規定し、後述する本体部2から見て後述する操作ユニット3側を前とし、操作ユニット3から見て本体部2側(壁材300)側を後とする。また、タッチパネル6と操作部4とが並んでいる方向を上下方向と規定し、操作部4から見てタッチパネル6側を上とし、タッチパネル6から見て操作部4側を下とする。また、前後方向及び上下方向と直交する方向を左右方向とする。
【0014】
操作部4には、LED81が出力する光を視認可能に構成されている孔41(発光表示部)が設けられている。本実施形態の孔41は操作部4の中央部に設けられているため(
図3参照)、操作部4を操作するユーザはLED81が出力する光を視認しやすい。
【0015】
図6は、
図4のA-A線における断面図である。
図6に示すように、配線器具1は、導光部42を備えている。導光部42は、LED81から出力される光を孔41に導光する。本実施形態の孔41とLED81とは、上下方向において異なる位置に設けられている。言い換えると、前後方向からの平面視において、孔41の位置とLED81の位置とが異なる。導光部42がLED81の光を孔41に導光するため、孔41及びLED81が前後方向において重なるように配置する必要がない。すなわち、本実施形態の配線器具1は、LED81の配置の自由度が向上させることができる。
【0016】
また、操作部4は、基板80に実装されているタクタイルスイッチ82(押ボタン式スイッチ)を押すことで、スイッチ素子12の状態を切り替える。操作部4の操作性を考慮すると、タクタイルスイッチ82は、操作部4の中央部に配置されることが好ましい。ここで、タクタイルスイッチ82を操作部4の中央部に配置するとLED81を操作部4の中央部に配置することができなくなるという問題がある。しかし、本実施形態の配線器具1では、LED81が発する光を導光部42が孔41に導光する。そして、本実施形態の孔41及びタクタイルスイッチ82は操作部4の中央部に設けられているため、操作部4の操作性と、LED81の光の視認性とを両立させることができる。
【0017】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る配線器具システム100の詳細について、
図1~
図9を参照して説明する。
【0018】
(2.1)配線器具システムの構成
図1に示すように、配線器具システム100は、系統電源PS1と接続されている。
【0019】
配線器具システム100は、2つの配線器具1と、2つの照明負荷101とを備えている。
【0020】
照明負荷101は、照明負荷101と接続された配線器具1を介して、系統電源PS1から電力が供給される照明器具である。なお、照明負荷101は、HEMS(Home Energy Management System)対応機器であってもよい。
【0021】
(2.2)配線器具の構成
次に、配線器具1の詳細について
図2~
図9を参照して説明する。
図2に示すように配線器具1は、電源部11と、スイッチ素子12と、通信部13と、制御部14と、記憶部15と、タッチパネル6と、LED81と、タクタイルスイッチ82と、検査コネクタ83と、を備えている。
【0022】
電源部11は、例えばスイッチング電源回路で構成され、系統電源PS1から供給される交流電力を直流電力に変換するように構成されている。電源部11が変換した直流電力は、例えばタッチパネル6、通信部13、制御部14、記憶部15、及びLED81に供給される。
【0023】
スイッチ素子12は、照明負荷101への電力供給状態を切り替えるスイッチである。スイッチ素子12は、系統電源PS1から照明負荷101への給電路を開閉するように構成されている。スイッチ素子12は、例えば双方向3端子サイリスタ(いわゆるトライアック)で構成されている。スイッチ素子12がオンしているとき(オン状態)、系統電源PS1から照明負荷101に交流電力が給電されて照明負荷101が点灯する。スイッチ素子12がオフしているときには(オフ状態)、系統電源PS1から照明負荷101への電力供給が遮断されて照明負荷101は消灯する。
【0024】
通信部13は、他の配線器具1が備える通信部13との間で、小電力無線局(免許を要しない無線局)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信を行う。小電力無線については、用途等に応じて使用する周波数帯域や空中線電力などの仕様が各国で規定されている。日本国においては、920MHz帯又は420MHz帯の電波を使用する小電力無線が規定されている。
【0025】
制御部14は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、制御部14の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0026】
制御部14は、タッチパネル6に対して照明負荷101の状態を切り替える操作があった場合、又は、タクタイルスイッチ82が押された(オンした)場合に、スイッチ素子12の状態を切り替える。また、制御部14は、スイッチ素子12がオンしているときにはLED81が消灯し、スイッチ素子12がオフしているときにはLED81が発光(点灯)するように制御を行う。上述のように、操作部4には、LED81が出力する光を視認可能に構成されている孔41が設けられている。照明負荷101の消灯時に制御部14がLED81を点灯させるため、例え部屋等が暗い場合であっても、ユーザは操作部4の位置を容易に把握することができる。また、照明負荷101の点灯時には、制御部14がLED81を消灯させることで、消費電力を低減することができる。
【0027】
また、制御部14は、タッチパネル6に対して他の照明負荷101の状態を切り替える操作があった場合、通信部13を介して他の配線器具1に切替指示を送信し、他の照明負荷101の状態を切り替える。ここで、「他の照明負荷101」とは、配線器具1と接続されている照明負荷101とは別の照明負荷101を含む。他の照明負荷101は、例えば配線器具1が設置されている部屋とは別の部屋に設置されている照明負荷101である。ユーザは、配線器具1に対して所定の操作を行うことにより、配線器具1が設置されている部屋に設置されている照明負荷101のみならず、配線器具1が設置されている部屋とは別の部屋に設置されている他の照明負荷101の状態を切り替えることができる。
【0028】
記憶部15は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などから選択されるデバイスで構成される。記憶部15は、例えばタッチパネル6で表示する画像のデータ等を記憶している。
【0029】
タッチパネル6は、ユーザの操作を受け付け可能なタッチパッドと、各種情報を表示可能な表示パネルとを含んでいる。タッチパッドはユーザによるスイッチ素子12の切替操作を受け付ける。また、表示パネルは照明負荷101に関する情報の表示を行う。本実施形態の表示パネルは、例えば電気泳動方式を採用した電子ペーパーである。電子ペーパーは、表示内容を電気的に書き換え可能で、かつ、給電を停止した状態でも表示内容を保持可能である。なお、表示パネルは液晶ディスプレイ、又は有機EL(Electro Luminescence)等の表示装置であってもよい。
【0030】
LED81は、スイッチ素子12の状態に応じて発光する発光部である。上述のようにLED81は、スイッチ素子12がオンしているときに消灯し、スイッチ素子12がオフしているときには点灯する。
【0031】
タクタイルスイッチ82は、前方向(操作部4側)から所定以上の力が加えられている場合にオンする押ボタン式(プッシュ)スイッチである。言い換えると、タクタイルスイッチ82は、後方向に所定以上の力加えられている場合にオンする押ボタン式スイッチである。より具体的には、タクタイルスイッチ82は、操作時にのみオン状態となり、それ以外ではオフ状態となる常開形かつモーメンタリ形(自己復帰形)の押ボタン式スイッチである。本実施形態のタクタイルスイッチ82は、オン状態に切り替わったときに、スイッチ素子12の状態をオフ状態からオン状態に切り替える。タクタイルスイッチ82は、自身がオン状態である間はスイッチ素子12をオン状態に維持する。本実施形態のタクタイルスイッチ82は、後述する基板80に実装される表面実装型の素子である。
【0032】
検査コネクタ83は、通信部13と電気的に接続されているコネクタである。検査コネクタ83は、通信部13が送受信する信号を、パーソナルコンピュータ(PC)等の外部機器に出力することが可能である。検査コネクタ83は、基板80に実装される例えば表面実装型のコネクタであり、検査用プローブと嵌合するように構成されている。
【0033】
例えば、配線器具1の出荷前に、配線器具1が他の配線器具1等と無線通信を行うことが可能か否かの検査が行われる。当該検査を行う作業者は、配線器具1に対して所定の操作を行うことにより配線器具1を検査モードに移行させる。そして作業者は、検査用プローブを、後述する孔92(
図9参照)に挿入して検査コネクタ83に嵌合させる。検査コネクタ83は、検査用プローブと嵌合された状態において、通信部13が送受信する信号を、検査用プローブを介して外部機器に出力する。作業者は、検査用プローブを介して外部機器に出力された信号に基づいて、配線器具1が他の配線器具1等と正常に無線通信を行うことが可能か否かの判断を行うことができる。
【0034】
次に、配線器具1の構造について
図3~
図9を参照して説明する。
図3及び
図4に示すように、本実施形態の配線器具1は、本体部2と、操作ユニット3とを備えている。
【0035】
図4に示すように、本体部2は、本体21と取付枠22とを有している。取付枠22が2つのねじ201によって壁材300に対して固定されることで、本体部2は壁材300に固定されている。本体21は、壁材300の後方(裏側)において、例えばスイッチボックスに収容された状態で固定されている。また、操作ユニット3の6つの取付爪91(
図8参照)が取付枠22の6つの取付穴221に挿入されることによって、操作ユニット3が取付枠22に固定される。操作ユニット3は、壁材300から前方に突出する状態で取付枠22に固定される(
図3参照)。
【0036】
また、本体21のコネクタ211と操作ユニット3のコネクタ84(
図8参照)とが接続されることにより、本体21と操作ユニット3とが電気的に接続される。本実施形態の電源部11は、本体21に収容されており、電源部11はコネクタ211及びコネクタ84を介して、操作ユニット3のタッチパネル6等に電力を供給する。
【0037】
図5は、操作ユニット3の分解斜視図である。操作ユニット3は、操作部4と、化粧カバー5と、タッチパネル6と、スペーサ7と、回路ブロック8と、裏カバー9と、を有している。
【0038】
操作部4は前後方向からの平面視おいて矩形状であり、操作部4の長手方向は左右方向に沿っている。操作部4は、孔41と、突出部43(
図6参照)と、2つの取付爪44と、を有している。2つの取付爪44が化粧カバー5の2つの取付穴53に挿入されることにより、操作部4は化粧カバー5の下部に取り付けられる。操作部4は、前方向からの平面視においてタッチパネル6と並んで配置される(
図4参照)また、操作部4は化粧カバー5に取り付けられた状態で、2つの取付爪44を中心として揺動可能である。操作部4は、スイッチ素子12の状態を切り替えるための部材である。
【0039】
孔41は、前後方向からの平面視において操作部4の中央部に形成されている。孔41は、LED81が出力する光を視認可能に構成されている発光表示部である。本実施形態の孔41には導光部42が嵌合されている。
【0040】
図6に示すように、導光部42は、LED81から出力される光を孔41に導光する。導光部42は、例えば透明なアクリル樹脂で形成されている。本実施形態の導光部42は、入射面421と、第1反射面422と、第2反射面423と、出射面424と、を有している。
【0041】
入射面421は、前後方向においてLED81と対向しており、LED81から出力される光が入射される面である。入射面421は、平面形状が矩形状であり、上下方向に沿っている。
【0042】
第1反射面422は、入射面421を通過して導光部42の内部を前方向に進む光を下方向に反射させる面である。本実施形態の第1反射面422は、平面形状が矩形状であり、後斜め上方に45°傾斜している。
【0043】
第2反射面423は、第1反射面422で反射され導光部42の内部を下方向に進む光を前方向に反射させる面である。本実施形態の第2反射面423は、平面形状が矩形状であり、後斜め上方に45°傾斜している。
【0044】
出射面424は、第2反射面423で反射され導光部42の内部を前方向に進む光を外部空間に出射する面である。出射面424の平面形状は、円形状である。
【0045】
図6中の2点鎖線の矢印Ar1は、LED81から出射される光の進行方向の一例である。LED81から出射された光の一部は、後方向から入射面421に入射する。後方向から導光部42の内部に入射した光は、入射角45°で第1反射面422に入射し、第1反射面422によって反射角45°で下方向に反射される。言い換えると、タッチパネル6の法線方向(前後方向)に沿って導光部42の内部に入射した光は、第1反射面422によって法線方向と直交する方向(上下方向)に反射される。
【0046】
また、第1反射面422によって下方向に反射された光は、入射角45°で第2反射面423に入射し、第2反射面423によって反射角45°で前方向に反射される。言い換えると、法線方向と直交する方向に沿って第2反射面423に入射する光は、第2反射面423によって法線方向(前後方向)に反射される。そして、第2反射面423によって前方向に反射された光は、出射面424から導光部42の外部に出射される。
【0047】
上述のように、本実施形態の導光部42は、前後方向に沿って(後方向から)入射される光を、前後方向に沿って孔41に向けて(前方向に)出射する。言い換えると、本実施形態の導光部42は、入射される光を平行移動させて出射することができる。導光部42が前後方向に沿って光を出射するため、発光表示部(孔41)をパネル(タッチパネル6)の法線方向から見た際の、発光表示部における光の視認性を向上させることができる。
【0048】
また、導光部42は、入射面421から入射される光を、第1反射面422及び第2反射面423で反射させて出射面424から出射する。すなわち、本実施形態の導光部42は、LED81から入射される光を、少なくとも2回反射させて孔41に導光する。導光部42は入射される光を少なくとも2回反射させて出射するため、入射方向と出射方向とを同一にすることができる。
【0049】
本実施形態では、孔41(発光表示部)の少なくとも一部と、第2反射面423の少なくとも一部と、タクタイルスイッチ82の少なくとも一部とが、前後方向に沿って重なっている。また、孔41と、LED81とは前後方向において重なっていない。言い換えると、前後方向からの平面視において、孔41の位置とLED81の位置とは異なっている。
【0050】
突出部43は、操作部4の左右方向における中央部に形成されている。本実施形態の突出部43は、孔41の周縁部の下側(孔41の下)に形成されている。言い換えると、突出部43の上面は、孔41の周縁部の一部、すなわち、孔41の周縁部のうち下側の部位を形成している。突出部43は、前後方向に沿って、孔41の周縁部の下側からタクタイルスイッチ82側に突出している。突出部43は、操作部4が例えばユーザによって後方向に押されることにより、タクタイルスイッチ82を押すように構成されている。
【0051】
図5に示すように、化粧カバー5はタッチパネル6の前側に配置されている。化粧カバー5は、第1開口部51と第2開口部52とを有している。第1開口部51は、タッチパネル6の操作面及び表示面を前方に露出させるための開口である。第2開口部52は、導光部42及び突出部43を、基板80側へ通すための開口である。
【0052】
タッチパネル6は、化粧カバー5の後側に配置される。タッチパネル6の前面は、スイッチ素子12の状態の切替操作、及び、照明負荷101に関する情報の表示の少なくとも一方を行うための面である。
【0053】
スペーサ7は、前後方向に沿ってタッチパネル6の後側に配置され、タッチパネル6と裏カバー9との間に配置される。スペーサ7は、タッチパネル6を位置決めする。スペーサ7は、基部70と、第1孔71と、第2孔72とを有している。
【0054】
基部70の形状は平板状であり、第1孔71と第2孔72とが形成されている。第1孔71と第2孔72とは上下方向において互いに並んでいる。第1孔71は、タッチパネル6の後面と、回路ブロック8(基板80)との間の空間を連続させるために形成されている。
【0055】
図7に示すように、本実施形態のスペーサ7は、突起部73を更に有している。突起部73は、上下方向において、第1孔71と第2孔72との間に形成されており、基部70から後方向に突出している。より具体的には、突起部73は、第1孔71の周縁部のうち第2孔72側の周縁部の左右方向における中央部から後方向に突出している。スペーサ7は、例えば製造段階における配線器具1の組み立ての際に、後側からタッチパネル6を挟み込むようにして、化粧カバー5に取り付けられる。本実施形態のスペーサ7は、第2孔72と、後方に突出する突起部73とを有しているため、配線器具1を組み立てる作業者にとって把持しやすい。したがって、スペーサ7が第2孔72と突起部73を有することにより、作業者の作業効率を向上させている。
【0056】
図5に示すように、回路ブロック8は、スペーサ7の後側に配置される。回路ブロック8の基板80の前面には、上述のLED81と、タクタイルスイッチ82とが表面実装されている。LED81とタクタイルスイッチ82とは、互いに基板80における左右方向の中央部であって、基板80の下部に配置されている。また、LED81とタクタイルスイッチ82とは上下方向に並んで配置されており、LED81がタクタイルスイッチ82の上側に配置されている。
【0057】
また、基板80の後面には、上述の検査コネクタ83と、コネクタ84とが実装されている。本実施形態の検査コネクタ83は、基板80における上下方向の中央部であって左右方向の左側に配置されている。
【0058】
図5に示すように、裏カバー9は、回路ブロック8の後側に配置される。裏カバー9は、タッチパネル6の後面側からタッチパネル6を覆う。裏カバー9は、タッチパネル6、スペーサ7、及び回路ブロック8を後側から挟み込むようにして、化粧カバー5と組み付けられる。なお、タッチパネル6の後面を言い換えると、スイッチ素子12の状態の切替操作及び照明負荷101に関する情報の表示の少なくとも一方を行うための前面の反対面である。
【0059】
図8は、操作ユニット3の背面(後面)図である。裏カバー9は、基部90と、6つの取付爪91と、孔92と、を有している。基部90の平面形状は、後方向からの平面視において矩形状である。基部90は、操作ユニット3の後面にあたる部分である。6つの取付爪91は、基部90から後方向に突出している。上述のように6つの取付爪91は、操作ユニット3を、本体部2の取付枠22に取り付けるための爪である。
【0060】
孔92は、検査コネクタ83を裏カバー9外に露出させる孔である。
図8に示すように、後方向からの平面視において、検査コネクタ83が視認可能な状態となっている。孔92は、上述の検査の際に、検査用プローブが挿入される孔である。
【0061】
図9は、
図8のB-B線における断面図である。本実施形態の孔92は、基部921と、テーパー部922とを有している。基部921は、前後方向からの平面視における孔の形状が円形状であり、開口面積が前後方向にわたって略一定の孔である。テーパー部922は、前後方向からの平面視における孔の形状が円形状であり、検査コネクタ83に近づくにつれて、すなわち前方に向かうにつれて開口面積が小さくなる孔である。言い換えると、テーパー部922は、前方に向かうにつれて径が小さくなる孔である。本実施形態では、前後方向からの平面視において、基部921の中心と、テーパー部922の中心と、検査コネクタ83の中心とが重なっている。
【0062】
また、本実施形態では検査コネクタ83の後端の平面形状は円形状であり、検査コネクタ83の後端の直径と、テーパー部922の前端における直径とが略同一である。テーパー部922が検査用プローブのガイドとして機能するため、本実施形態の孔92は、作業者の検査効率を向上させている。
【0063】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0064】
配線器具システム100は、系統電源PS1に加えて太陽電池、蓄電池等の分散電源と接続されていてもよい。また、配線器具システム100は、系統電源PS1の代わりに分散電源と接続されていてもよい。
【0065】
配線器具システム100は、照明負荷101の代わりに、例えば建物において使用される空調機器、テレビジョン、冷蔵庫、情報処理装置、及び携帯端末等の負荷を備えていてもよい。また、これらの負荷はHEMS対応機器であってもよい。
【0066】
化粧カバー5の上部に操作部4が取り付けられる構成であってもよい。この場合、LED81、タクタイルスイッチ82等の部品も基板80の上部に実装される。
【0067】
突起部73の左右方向の長さは、任意である。例えば、突起部73の左右方向の長さと、第1孔71の左右方向の長さとが等しくてもよい。また、突起部73の左右方向の長さとスペーサ7の基部70の左右方向の長さとが等しくてもよい。また、突起部73は、ゴム等のグリップ力(摩擦力)の高い素材で形成されていてもよい。突起部73を滑りにくくすることで、作業者の作業効率をより向上させることができる。
【0068】
タクタイルスイッチ82は、オルタネート形(自己保持形)の押ボタン式スイッチであってもよい。
【0069】
孔41(発光表示部)がLED81より上側に配置されていてもよい。孔41がLED81より上側に配置される場合、導光部42は、後方向から導光部42に入射する光を、第1反射面422で上方向に反射し第2反射面423で前方向に反射するように構成される。
【0070】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る配線器具(1)は、スイッチ(スイッチ素子12)と、発光部(LED81)と、パネル(タッチパネル6)と、操作部(4)と、導光部(42)と、を備えている。スイッチは、負荷(照明負荷101)への電力供給状態を切り替える。発光部は、スイッチの状態に応じて発光する。パネルは、スイッチの状態の切替操作、及び、負荷に関する情報の表示の少なくとも一方を行うためのパネルである。操作部(4)は、スイッチの状態を切り替える。操作部(4)は、発光表示部(孔41)を有している。発光表示部は、発光部が出力する光を視認可能に構成されている。操作部(4)は、パネルの法線方向からの平面視においてパネルと並んで配置されている。導光部(42)は、発光部から出力される光を発光表示部に導光する。上記平面視において、発光部の位置と、発光表示部の位置とが異なる。
【0071】
この態様によれば、パネル(タッチパネル6)の法線方向(前後方向)からの平面視において、発光部(LED81)の位置と発光表示部(孔41)の位置とを異ならせることができるため、発光部の配置の自由度を向上させることができる。また、導光部(42)が光を導光するため、発光表示部における光の視認性を向上させることができる。
【0072】
第2の態様に係る配線器具(1)では、第1の態様において、導光部(42)は、上記法線方向に沿って入射される光を、上記法線方向に沿って発光表示部(孔41)に向けて出射する。
【0073】
この態様によれば、発光表示部(孔41)をパネル(タッチパネル6)の法線方向から見た際の、発光表示部における光の視認性を更に向上させることができる。
【0074】
第3の態様に係る配線器具(1)では、第1又は第2の態様において、導光部(42)は、発光部(LED81)から入射される光を、少なくとも2回反射させて発光表示部(孔41)に導光する。
【0075】
この態様によれば、導光部(42)は入射される光を少なくとも2回反射させて出射するため、光の入射方向と出射方向とを同一にすることができる。
【0076】
第4の態様に係る配線器具(1)は、第1から第3のいずれかの態様において、押ボタン式スイッチ(タクタイルスイッチ82)を更に備えている。押ボタン式スイッチは、上記法線方向に沿って操作部(4)と対向し、操作部(4)側から押されることによりスイッチ(スイッチ素子12)の状態を切り替える。操作部(4)は、上記平面視において矩形状である。操作部(4)は、突出部(43)を有している。突出部(43)は、上記法線方向に沿って押ボタン式スイッチ側に突出し、操作部(4)が押ボタン式スイッチ側に押されることにより押ボタン式スイッチを押す。突出部(43)は、操作部(4)の長手方向中央部に設けられている。
【0077】
この態様によれば、突出部(43)は操作部(4)の長手方向中央部に設けられているため、操作部(4)が押ボタン式スイッチ(タクタイルスイッチ82)を押す際の操作性を向上させることができる。
【0078】
第5の態様に係る配線器具(1)では、第4の態様において、上記法線方向に沿って、発光表示部(孔41)の少なくとも一部と、押ボタン式スイッチ(タクタイルスイッチ82)の少なくとも一部とが重なる。
【0079】
この態様によれば、発光部(LED81)が操作部(4)の長手方向中央部に配置されていなくても、発光表示部(孔41)の少なくとも一部は操作部(4)の長手方向中央部に設けられているため、発光表示部における光の視認性を向上させることができる。これにより、操作部(4)の操作性及び発光表示部における光の視認性を両立させることができる。
【0080】
第6の態様に係る配線器具(1)では、第4又は第5の態様において、上記法線方向に沿って、導光部(42)の少なくとも一部と、押ボタン式スイッチ(タクタイルスイッチ82)の少なくとも一部とが重なる。
【0081】
この態様によれば、発光部(LED81)が操作部(4)の長手方向中央部に配置されていなくても、導光部(42)が発光部(LED81)からの光を操作部(4)の長手方向中央部に導光することができる。これにより、発光表示部(孔41)における光の視認性を向上させることができ、操作部(4)の操作性及び発光表示部における光の視認性とを両立させることができる。
【0082】
第7の態様に係る配線器具(1)では、第6の態様において、導光部(42)は、第1反射面(422)と、第2反射面(423)と、を有している。第1反射面(422)は、発光部(LED81)から入射される光を上記法線方向と交差する方向に反射させる。第2反射面(423)は、第1反射面(422)で反射された光を、発光表示部(孔41)に向けて反射させる。上記法線方向に沿って、第2反射面(423)の少なくとも一部と、押ボタン式スイッチの少なくとも一部とが重なる。
【0083】
この態様によれば、操作部(4)の長手方向中央部において発光表示部(孔41)に向けて光を反射させることができ、発光表示部における光の視認性を向上させることができる。
【0084】
第8の態様に係る配線器具(1)は、第1から第7のいずれかの態様において、通信部(13)と、コネクタ(検査コネクタ83)と、裏カバー(9)と、を更に備えている。通信部(13)は、他の機器(他の配線器具(1)1)と通信可能に構成されている。コネクタは、通信部(13)と電気的に接続されている。裏カバー(9)は、パネル(タッチパネル6)における切替操作及び表示の少なくとも一方を行う面の反対面側から、パネルを覆う。コネクタは、上記法線方向に沿ってパネルと裏カバー(9)との間に配置されている。裏カバー(9)は、孔(92)を有している。孔(92)は、コネクタを裏カバー(9)外に露出させる。孔(92)は、コネクタに近づくにつれて開口面積が小さくなるテーパー部(922)を有している。
【0085】
この態様によれば、例えば孔(92)に検査用プローブが挿入される場合に、テーパー部(922)がガイドとなるため、検査用プローブをコネクタ(検査コネクタ83)に導きやすくなる。
【0086】
第9の態様に係る配線器具(1)は、第1から第8のいずれかの態様において、裏カバー(9)と、スペーサ(7)と、を更に備えている。裏カバー(9)は、パネル(タッチパネル6)における切替操作及び表示の少なくとも一方を行う面の反対面側から、パネルを覆う。スペーサ(7)は、上記法線方向に沿ってパネルと裏カバー(9)との間に配置され、パネルを位置決めする。スペーサ(7)は、第1孔(71)及び第2孔(72)と、突起部(73)と、を有している。第1孔(71)及び第2孔(72)は、上記法線方向と交差する方向において互いに並んでいる。突起部(73)は、上記法線方向に沿って裏カバー(9)側に突出している。突起部(73)は、上記交差する方向において第1孔(71)と第2孔(72)の間に形成されている。
【0087】
この態様によれば、配線器具(1)の組立作業時において、作業者はスペーサ(7)を把持しやすくなるため、作業性を向上させることができる。
【0088】
第1の態様以外の構成については、配線器具(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 配線器具
4 操作部
41 孔(発光表示部)
42 導光部
422 第1反射面
423 第2反射面
43 突出部
6 タッチパネル(パネル)
7 スペーサ
71 第1孔
72 第2孔
73 突起部
81 LED(発光部)
82 タクタイルスイッチ(押ボタン式スイッチ)
83 検査コネクタ(コネクタ)
9 裏カバー
92 孔
922 テーパー部
12 スイッチ素子(スイッチ)
13 通信部
100 配線器具システム
101 照明負荷(負荷)
PS1 系統電源