(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】バッテリケース
(51)【国際特許分類】
H01M 50/242 20210101AFI20241002BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20241002BHJP
H01M 50/207 20210101ALI20241002BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20241002BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20241002BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/249
H01M50/207
H01M50/291
H01M50/289 101
(21)【出願番号】P 2023526581
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(86)【国際出願番号】 KR2021015452
(87)【国際公開番号】W WO2022098006
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-05-01
(31)【優先権主張番号】10-2020-0148249
(32)【優先日】2020-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ソク、 ドン-ユン
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ホン-ウ
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ジェヒュン
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0078936(KR,A)
【文献】特許第2891077(JP,B2)
【文献】韓国登録特許第10-2131535(KR,B1)
【文献】特開2019-096385(JP,A)
【文献】中国実用新案第211335559(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/242
B60R 16/04
B60K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリケースであって、
バッテリセルを収納するケース本体と、前記ケース本体に結合するカバーとを含み、
前記ケース本体は、
底板と、
前記バッテリセルを囲むように前記底板に結合された側面フレームであって、内側壁及び外側壁を含む側面フレームと、
前記側面フレームの前記外側壁に結合されたマウンティングフレームであって、空間部を備えたマウンティングフレームと、
前記底板上に配置された少なくとも1つの補強材であって、長さ方向の両側端部が少なくとも前記側面フレームの前記内側壁を貫通する少なくとも1つの補強材と
を含み、
前記側面フレームは、少なくとも3つの閉断面を有するように形成され、
前記マウンティングフレームの空間部は、前記側面フレームの閉断面のうち1つと
縦方向に対応する
高さに配置され、
前記補強材の端部は、前記側面フレームの閉断面のうち一つに挿入され
、
前記補強材は、
前記側面フレームの前記内側壁を貫通する本体と、
前記本体の端部から前記本体の幅方向に延び、前記側面フレームの内側壁に接触する支持部を含み、
前記側面フレームの前記内側壁または前記外側壁には、貫通スリットが形成され、
前記本体の端部が前記側面フレームの貫通スリットに嵌め込まれて形状が合わされ、
前記補強材と前記側面フレームの貫通スリットとの結合部位に溶接部が形成される、バッテリケース。
【請求項2】
バッテリケースであって、
バッテリセルを収納するケース本体と、前記ケース本体に結合するカバーとを含み、
前記ケース本体は、
底板と、
前記バッテリセルを囲むように前記底板に結合された側面フレームであって、内側壁及び外側壁を含む側面フレームと、
前記側面フレームの前記外側壁に結合されたマウンティングフレームであって、空間部を備えたマウンティングフレームと、
前記底板上に配置された少なくとも1つの補強材であって、長さ方向の両側端部が少なくとも前記側面フレームの前記内側壁を貫通する少なくとも1つの補強材と
を含み、
前記側面フレームは、少なくとも3つの閉断面を有するように形成され、
前記マウンティングフレームの空間部は、前記側面フレームの閉断面のうち1つと縦方向に対応する高さに配置され、
前記補強材の端部は、前記側面フレームの閉断面のうち一つに挿入され、
前記補強材は、
前記側面フレームの前記内側壁を貫通する本体と、
前記本体の端部から前記本体の幅方向に延び、前記側面フレームの内側壁に接触する支持部を含み、
前記側面フレームの前記内側壁または前記外側壁には、貫通スリットが形成され、
前記本体の端部が前記側面フレームの貫通スリットに嵌め込まれて形状が合わされ、
前記マウンティングフレームには貫通スリットが形成され、
前記本体の端部は、前記マウンティングフレームを貫通して前記マウンティングフレームから突出し、
前記本体と前記マウンティングフレームの貫通スリットとの結合部位に溶接部が形成される
、バッテリケース。
【請求項3】
前記補強材
の板材が有する厚さは、前記側面フレームの
板材が有する厚さより厚く、前記マウンティングフレームの
板材が有する厚さより薄い、請求項1に記載のバッテリケース。
【請求項4】
バッテリケースであって、
バッテリセルを収納するケース本体と、前記ケース本体に結合するカバーとを含み、
前記ケース本体は、
底板と、
前記バッテリセルを囲むように前記底板に結合された側面フレームであって、内側壁及び外側壁を含む側面フレームと、
前記側面フレームの前記外側壁に結合されたマウンティングフレームであって、空間部を備えたマウンティングフレームと、
前記底板上に配置された少なくとも1つの補強材であって、長さ方向の両側端部が少なくとも前記側面フレームの前記内側壁を貫通する少なくとも1つの補強材と
を含み、
前記側面フレームは、少なくとも3つの閉断面を有するように形成され、
前記マウンティングフレームの空間部は、前記側面フレームの閉断面のうち1つと縦方向に対応する高さに配置され、
前記補強材の端部は、前記側面フレームの閉断面のうち一つに挿入され、
前記側面フレームは、単一板材を折り曲げて少なくとも3つの閉断面と4つ以上の横方向部材が一体に形成され、
前記マウンティングフレームは、単一板材を折り曲げて前記空間部を有するように形成される
、バッテリケース。
【請求項5】
前記少なくとも3つの閉断面のうち1つを区画する前記側面フレームの横方向部材と、前記マウンティングフレームの空間部を区画する前記マウンティングフレームの横方向部分とは、互いに縦方向の高さが同様に位置する、請求項
4に記載のバッテリケース。
【請求項6】
前記少なくとも3つの閉断面のうち1つを区画する前記側面フレームの縦方向部材は、前記側面フレームの内側壁または外側壁を構成する他の縦方向部材と重なり合う、請求項
5に記載のバッテリケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気自動車などにおいて側面衝突時にバッテリの変形量を最小限に抑えることができるバッテリケースに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車などに装着されるバッテリパックは、車両衝突時に火災や爆発につながり、運転者及び搭乗者に深刻な危険を招く可能性がある。
【0003】
特にバッテリパックは車両の前後方向に比べて側方では衝突エネルギーを吸収することができる空間が少ないため、側面衝突に対応することができる構造を設けて側面衝突時に内部のバッテリセルを保護することが重要である。
【0004】
従来には、アルミニウム押出材を用いてバッテリケースの側壁を構成しているが、アルミニウム押出材に材料費用の増加によって価格競争力に劣るという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、例えば電気自動車などにおいて側面衝突に効果的に対応してバッテリパックの変形量を最小限に抑えることができるバッテリケースを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るバッテリケースは、バッテリセルを収納するケース本体と、上記ケース本体に結合するカバーとを含み、上記ケース本体は、底板と、上記バッテリセルを囲むように上記底板に結合された側面フレームであって内側壁及び外側壁を含む側面フレームと、上記側面フレームの外側壁に結合されたマウンティングフレームであって、空間部を備えたマウンティングフレームと、上記底板上に配置された少なくとも1つの補強材であって、長さ方向の両側端部が少なくとも上記側面フレームの内側壁を貫通する少なくとも1つの補強材とを含み、上記側面フレームは、少なくとも3つの閉断面を有するように形成され、上記マウンティングフレームの空間部は、上記側面フレームの閉断面のうち1つと対応するように位置し、上記補強材の端部は上記側面フレームの閉断面のうち1つに挿入されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明によると、側面フレームの横方向部材とマウンティングフレームの横方向部分の高さを一致させて側面衝突時に効果的に対応することができるとともに、補強材と側面フレーム又はマウンティングフレームとの結合によりバッテリケースの最も重要な役割である内部のバッテリセルを保護し、側面衝突時の内部侵入量を最小限に抑えることができる効果を得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施例に係るバッテリケースを示した分離斜視図である。
【
図2】
図1のI-I’線に沿って切断した面から見た図面である。
【
図3】
図2に示した側面フレームの一部を示した斜視図である。
【
図4】
図2に示した補強材の一部を示した斜視図である。
【
図5】補強材と側面フレームとの結合状態を示した斜視図である。
【
図6】本発明の第2実施例に係るバッテリケースを示した分離斜視図である。
【
図7】
図6のII-II’線に沿って切断した面から見た図面である。
【
図8】
図6に示したマウンティングフレームの一部を示した斜視図である。
【
図9】
図6に示した補強材の一部を示した斜視図である。
【
図10】従来技術及び本発明によるバッテリケースの解析による変形形態を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明が例示的な図面を通して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同一の構成要素については、他の図面に表示されても可能な限り同一の符号を有するようにしていることに留意する必要がある。
【0011】
図1は、本発明の第1実施例に係るバッテリケースを示した分離斜視図である。これに図示したように、バッテリケースは、ケース本体1及びカバー2を含むことができる。
【0012】
バッテリケースは車体を構成するアンダーフロアパネル(図示せず)に固定して設置されることができる。例えば、バッテリケースは大略直方体の形状を有し、その内部には複数のバッテリセル(図示せず)が収納されてもよい。
【0013】
ケース本体1及びカバー2は、内部に空間を形成するように互いに結合されてもよい。
【0014】
一例として、ケース本体1及びカバー2は、それぞれの縁部に沿ってフランジ部3が形成され、これらのフランジ部が互いに重なり合ってボルト及びナット、ネジなどの固定具によって組み立てられることができる。
【0015】
あるいは、カバー2の縁部に沿って形成されたフランジ部3とケース本体1の後述する側面フレーム20が互いに重なり合った後、ボルト及びナット、ネジなどの固定具を締結することで結合が行われることができる。
【0016】
カバー2は、重量減少及び原価削減を図りながら十分な強度を確保することができる高強度プラスチックや、アルミニウムなどの軽金属で形成されることができる。材質がプラスチックの場合には、カバーが射出成形や圧縮成形などによって形成されることができ、金属の場合には、カバーがプレス加工などによって所定の形状に形成されることができる。
【0017】
ケース本体1は外部に直接露出することができ、外部の異物による破損や損傷のおそれが大きいため、バッテリセルをより効果的に保護することができるように金属で形成されることができる。
【0018】
このような場合に、ケース本体1は、適度な強度を有する鋼材、例えば軽量化のために引張強度が約980MPa以上の超高強度の鋼材のような素材を機械加工して構成要素を用意した後、これらの構成要素を組み立てて結合することで作られることができる。
【0019】
以下では、便宜上、ケース本体1を中心としてバッテリケースについて説明する。
【0020】
図2は、
図1のI-I’線に沿って切断した面から見た図面であり、
図3は、
図2に示した側面フレームの一部を示した斜視図として、(a)は、ケース本体1の外面から見た図面であり、(b)は、ケース本体1の内面から見た図面である。
【0021】
本発明の第1実施例に係るバッテリケースにおいて、ケース本体1は、底板10、側面フレーム20、マウンティングフレーム40、少なくとも1つの補強材30を含むことができる。
【0022】
底板10は、例えば鋼材などの金属から作られた平板である。平板は、所定の幅と長さで切断して用意されることができる。底板は、バッテリセルなどを支持する部材として作用することができる。
【0023】
側面フレーム20は、ケース本体1に内蔵されるバッテリセルの大きさに応じてその高さが連動して変更されることができる。また、側面フレームの上面には、カバー2との結合のための複数の締結孔21(
図1参照)が形成されることができる。
【0024】
少なくとも4つの側面フレーム20がバッテリセルを囲むように設けられてもよい。例えば、側面フレームは、底板10の縁部に沿って配置されてもよい。各側面フレームの両端部は、所定の角度(例えば、約45度)に傾斜して切断され、対応する他の側面フレームとそれぞれ両端部で接した後に、例えばアーク溶接、レーザ溶接などの溶接で接合されることができる。これにより、側面フレームはケース本体1の側壁を構成することができる。
【0025】
図3に示したように、側面フレーム20は、所定位置で側面フレームの幅方向(例えば、図面ではY方向)に配置された両側壁のうち少なくともケース本体1の内面を構成する内側壁23に貫通スリット22が形成されることができる。
【0026】
選択的に、ケース本体1の外面を構成する外側壁24に貫通スリット22を形成してもよい。
【0027】
ここで、
図3に示した内側壁23と外側壁24の形状は図示の例に限定されず、内側壁と外側壁の形状は互いに反対にされていても構わない。
【0028】
貫通スリット22は、後述する補強材30の断面形状と対応する形状に形成されることができ、これによって補強材の端部が貫通スリットに嵌め込まれるとき、互いに形状を合わせることができる。
【0029】
例えば、側面フレーム20は、鋼材、アルミニウムなどの金属を用いて全体的に四角形の形状の閉断面を有するように形成されることができる。
【0030】
より具体的には、側面フレーム20は、本出願人が生産する厚さ0.8mm~1.0mm程度の1470MART(Martensitic)鋼などの板材で作られることができる。
【0031】
ここで、1470MART鋼は、1,470MPa以上の引張強度及び1,050MPa以上の降伏強度を有して衝突安全性を向上させた鋼種である。
【0032】
例えば、鋼材の場合、側面フレーム20は、所定の幅と長さを有する単一板材を複数回折り曲げた後に会う端部を溶接して、少なくとも3つの閉断面を有するように形成されることができる。機械加工としては、ベンディング(Bending)やロールフォーミング(Roll Forming)などが用いられることができる。
【0033】
例えば、板材が一端から第1高さだけ縦方向Zに延びて第1縦方向部材V1を形成した後、第1方向(
図2において反時計方向)に1回折り曲げられる。次に、所定長さだけ横方向Yに延びて第1横方向部材H1を形成した後、同じ方向に1回折り曲げられる。次いで、第2高さだけ縦方向に下降して第2縦方向部材V2を形成した後、同じ方向に1回折り曲げられる。次いで、所定長さだけ横方向に延びて第2横方向部材H2を形成した後、同じ第1方向に1回折り曲げられる。次いで、第3高さだけ縦方向に延びて第3縦方向部材V3を形成した後、同じ方向にさらに1回折り曲げられる。
【0034】
第3縦方向部材V3の第3高さが第2縦方向部材V2の第2高さよりも小さくなり、第1縦方向部材V1-第1横方向部材H1-第2縦方向部材V2-第2横方向部材H2-第3縦方向部材V3に区画される空間が2つの閉断面領域に区分されることができる。ここで、一側閉断面を第1閉断面C1とする。例えば、第1閉断面は四角形の断面を有することができる。
【0035】
次に、所定長さだけ横方向Yに延びて第3横方向部材H3を形成した後、同じ第1方向に1回折り曲げられる。続いて、第4高さだけ縦方向Zに下降して第4縦方向部材V4を形成した後、同じ方向にさらに1回折り曲げられる。
【0036】
第4縦方向部材V4の第4高さが第3縦方向部材V3の第3高さよりも小さくなり、第2縦方向部材V2の一部-第2横方向部材H2-第3縦方向部材V3-第3横方向部材H3で区画される空間が2つの閉断面領域に区分されることができる。ここで、第1閉断面C1に隣接した閉断面を第2閉断面C2とし、残りの閉断面を第3閉断面C3とする。例えば、第2閉断面または第3閉断面は四角形の断面を有することができる。
【0037】
その後に、所定長さだけ横方向Yに延びて第4横方向部材H4を形成する。
【0038】
このように所定長さで延びた後に折り曲げられる方式を繰り返して、所望の数の縦方向部材及び横方向部材と共に複数の閉断面が形成されてから、板材は他端で終結される。
【0039】
本発明の第1実施例に係るバッテリケースにおいて、側面フレーム10は、少なくとも3つの閉断面C1、C2、C3を有するように形成されることができ、これによって4つ以上の横方向部材H1、H2、H3、H4が存在することができるようになる。
【0040】
最後に、板材の両端は、フランジを形成するように時計回りまたは反時計回りにそれぞれ折り曲げられてもよい。例えば、板材の一端を第1方向の反対である第2方向(時計方向)に折り曲げられて第1フランジF1を形成することができ、他端も第2方向に折り曲げられて第2フランジF2を形成することができる。
【0041】
第1フランジF1は、第3横方向部材H3にアーク溶接、レーザ溶接などで溶接されて溶接部Wを形成することができる。第2フランジF2は、第3縦方向部材V3にアーク溶接、レーザ溶接などで溶接されて溶接部を形成することができる。
【0042】
また、第4縦方向部材V4は、第2縦方向部材V2の一側にアーク溶接、レーザ溶接などで溶接されて溶接部Wを形成することができる。
【0043】
このように、第2縦方向部材V2と第4縦方向部材V4が互いに重なり合うようになることで、側面フレーム20の内側壁23または外側壁24が部分的に厚くなり、これによって側面フレームの側壁を強固にして、側面衝突時のバッテリパックの内部侵入量を最小限に抑えることができる。
【0044】
例えば、第2縦方向部材V2と第4縦方向部材V4との重なり合った部分が側面フレーム20の内側壁23の側に位置することが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0045】
閉断面の形状は、設計条件に応じて調整されることができ、貫通スリット22は、板材のブランキング(Blanking)工程で予め打ち抜くことで形成されることができる。例えば、板材において第2縦方向部材V2、第3縦方向部材V3、または第4縦方向部材V4に該当する部位に貫通スリットが予め形成されてもよい。
【0046】
底板10及び側面フレーム20は、例えばアーク溶接などの溶接によって互いに結合されることができる。底板は、側面フレームの底面、すなわち第2横方向部材H2の外面に溶接されて溶接部Wが形成されることができる。これにより、ケース本体1は、底板の周りに閉断面を形成する側面フレームによって空間部4(
図1参照)を有することができる。
【0047】
マウンティングフレーム40は、側面フレーム20においてバッテリケースの外面を構成する外側壁24に結合することができる。例えば、マウンティングフレームにフランジが形成され、マウンティングフレームのフランジが側面フレームの外面にアーク溶接などで溶接されることができる。
【0048】
マウンティングフレーム40は、ボルティングなどによって例えば車体のサイド部分に固定されることができる。これにより、バッテリケースが車体に固定されることができる。
【0049】
また、マウンティングフレーム40は、衝突時にバッテリケースのうち最初に衝突に対応する部材として作用することができる。
【0050】
マウンティングフレーム40は、例えば鋼材のような金属の単一部材を機械加工して作られることができる。
【0051】
より具体的には、マウンティングフレーム40は、本出願人が生産する厚さ1.2mm~1.6mm程度の1470MART鋼などの板材で作られることができる。
【0052】
このように、マウンティングフレーム40は、側面フレーム20より厚さが厚くなって、バッテリケースの衝突に対する反発力を増大させる効果を得ることができる。
【0053】
マウンティングフレーム40は、所定の幅と長さを有する単一板材を複数回折り曲げて、曲がりくねった断面形状を有するように形成される。これにより、マウンティングフレームは大略的に横になったW字状にその断面が形成されることができる。機械加工としては、ベンディング、ロールフォーミング、フォーミングなどが用いられることができる。
【0054】
例えば、板材が一端から所定長さだけ横方向Yに延びて第1横方向部分HM1を形成した後、第2方向(
図2において時計方向)に1回折り曲げられ、第1高さだけ縦方向Zに下降して第1縦方向部分VM1を形成した後、同じ方向に1回折り曲げられる。
【0055】
次いで、所定長さだけ横方向Yに延びて第2横方向部分HM2を形成した後、最初の折り曲げ方向の反対である第1方向(
図2において反時計方向)に1回折り曲げられ、第2高さだけ縦方向Zに下降して第2縦方向部分VM2を形成した後、同じ第1方向に1回折り曲げられる。
【0056】
次に、所定長さだけ横方向Yに延びて第3横方向部分HM3を形成した後、最初の折り曲げ方向である第2方向に1回折り曲げられ、第3高さだけ縦方向Zに下降して第3縦方向部分VM3を形成した後、同じ第2方向にさらに1回折り曲げられる。
【0057】
その後に、所定長さだけ横方向Yに延びて第4横方向部分HM4を形成する。
【0058】
このように所定長さで延びた後に折り曲げられる方式を繰り返して所望の数の縦方向部分及び横方向部分が形成されてから、板材は他端で終結される。
【0059】
本発明の第1実施例に係るバッテリケースにおいて、マウンティングフレーム40には少なくとも2つの横方向部分(第1横方向部分HM1及び第4横方向部分HM4)が存在することができるようになる。
【0060】
最後に、板材の両端は、フランジを形成することができるように時計回りまたは反時計回りにそれぞれ折り曲げられることができる。例えば、板材の一端は第2方向に折り曲げられて第1結合フランジFM1を形成することができ、他端は第1方向に折り曲げられて第2結合フランジFM2を形成することができる。
【0061】
第1結合フランジFM1は、アーク溶接などにより側面フレーム20の外側壁を構成する例えば第1縦方向部材V1の外面に溶接されて溶接部Wを形成することができる。第2結合フランジFM2は、側面フレームの例えば第3縦方向部材V3の外面にアーク溶接などで溶接されて溶接部を形成することができる。
【0062】
マウンティングフレーム40は、折り曲げられた形状により、第1横方向部分HM1と第4横方向部分HM4との間に開放された空間部SMを有することができる。
【0063】
例えば、マウンティングフレーム40の空間部SMは、側面フレーム20の複数の閉断面のうち第2閉断面C2と対応するように位置してもよい。
【0064】
上述したように、マウンティングフレーム40の結合フランジFM1、FM2がアーク溶接などにより側面フレーム20の外側壁24に結合することでマウンティングフレームの空間部SMは閉断面となり得る。
【0065】
また、本発明の第1実施例に係るバッテリケースでは、側面フレーム20の複数の閉断面のうち1つ(例えば、C2)を区画する側面フレームの横方向部材(例えば、第3横方向部材H3及び第4横方向部材H4)と、マウンティングフレーム40の空間部SMを区画するマウンティングフレームの横方向部分(第1横方向部分HM1及び第4横方向部分HM4)は、互いに縦方向Zの高さが同様に位置してもよい。
【0066】
例えば、
図2に示したように、側面フレーム20の第3及び第4横方向部材H3、H4は、それぞれマウンティングフレーム40の第1及び第4横方向部分HM1、HM4と同じ高さに位置してもよい。
【0067】
したがって、本発明の第1実施例に係るバッテリケースは、アルミニウムまたはアルミニウム合金に比べて安価な鋼材が適用されることができるにも関わらず、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる複雑な断面の押出材と同等の横方向部材または横方向部分を備えた構造を形成することができる。
【0068】
このような横方向部材と横方向部分は、互いに高さが一致するように整列されることで、バッテリケースで補強部として作用するようになり、バッテリケースが外部から加えられる側部衝突に効果的に抵抗することができる。
【0069】
また、側面フレーム20を構成する板材の材質とマウンティングフレーム40を構成する板材の材質が有する強度や厚さの調整により、バッテリケースの衝突性能を確保することができる。
【0070】
さらに、側面フレーム20を構成する板材の材質とマウンティングフレーム40を構成する板材の材質を異ならせるか、980MPa級以上の超高強度鋼を採用することでバッテリケースの軽量化のための最適な組み合わせが行われることもできる。
【0071】
マウンティングフレーム40の断面形状は設計条件に応じて調整されることができ、貫通スリット42は板材のブランキング工程で予め形成されることができる。
【0072】
図4は、
図2に示した補強材の一部を示した斜視図であり、
図5は、補強材と側面フレームとの結合状態を示した斜視図として、(a)は、ケース本体1の内面から見た図面であり、(b)は、ケース本体1の外面から見た図面である。
【0073】
補強材30は、バッテリセルが収納されるケース本体1の内面、すなわち底板10に固定されて設けられる。補強材は溶接などにより底板に固定されることができるが、その固定方法が必ずしもこれに限定されるものではない。
【0074】
また、補強材30は、例えば鋼材などの金属の単一板材を機械加工して一体的に形成されることができる。補強材は、ベンディング、ロールフォーミング、フォーミングなどによって成形されることができる。
【0075】
例えば、補強材30をロールフォーミングで製作する場合、引張強度が約980MPa以上の超高強度の鋼材も無理なく成形が可能である。さらに、ロールフォーミングでは、プレス成形に比べてスプリングバックの補正が容易であり、補強材のコーナー半径を小さくすることができるという利点がある。
【0076】
より具体的には、補強材30は、本出願人が生産する厚さ1.0mm~1.2mm程度の1470MART鋼などの板材で作られることができる。
【0077】
ここで、補強材30の板材が有する厚さは、側面フレーム20の板材が有する厚さより厚くなることができる。
【0078】
補強材30は、所定の幅と長さを有する単一の板材を複数回折り曲げて大略的に帽子状の断面形状を有するように成形することで形成されることができる。これにより、補強材は、大略的に下に開放されたU字状に形成されて中空部32を有する本体31と、本体の長さ方向Yに沿って延びた中空部の開口端部から本体の幅方向Xの両側に延びる支持部33を含むことができる。すなわち、支持部は、本体の端部から本体の幅方向に延びて形成されてもよい。
【0079】
ここで、支持部33は、本体31の折り曲げ方向と反対の方向に折り曲げた後、支持部の端部を本体に溶接して閉断面を有するように形成してもよい。
【0080】
また、補強材30の長さ方向の両端部を構成する本体31の一部の領域では支持部が省略されることができ、このように支持部が省略された補強材の両端部はブランキング工程で板材に反映して成形が行われることができる。これにより、支持部の長さ方向Xの長さは本体の長さよりも短く形成されることができる。
【0081】
補強材30の支持部33と底板10は、例えばアーク溶接、レーザ溶接などの溶接により互いに接合されることができる。例えば、支持部が長さ方向Yの全体長さにわたって底板と溶接されることで、補強材の支持部と底板との間の水密性が保障されることができるようになる。これにより、補強材の支持部と底板との間に溶接部が形成されることができる。
【0082】
このとき、補強材30を構成する本体31の中空部32は、底板10との結合によって閉断面となり得る。
【0083】
このような支持部33は、補強材30を底板10に固定させる役割に加えて、ケース本体1内に設けられる例えば冷却板などの任意の部品を支持する役割も果たすことができる。
【0084】
補強材30の長さ方向Yの両端部は、側面フレーム20に接して側面フレーム内に挿入されて結合することができる。
図3に示し、上述したように、補強材の端部と接する側面フレームの少なくとも内側壁23には貫通スリット22が形成されており、補強材の端部は貫通スリットに嵌め込まれて形状が合わさることができる。
【0085】
より具体的には、補強材30の本体31は、貫通スリット22を介して側面フレーム20内に挿入され、側面フレーム内で複数の閉断面のうち1つの閉断面(例えば、C2)内に端部が位置することができる。
【0086】
選択的に、ケース本体1の外面を構成する外側壁24に貫通スリット22が形成され、補強材30の長さ方向Yの両側端部は、側面フレーム20を側面フレームの幅方向Yに貫通した後、側面フレームの外側に突出することができる。
【0087】
このとき、補強材30の端部、すなわち本体31の端部が側面フレーム20の両側壁にある貫通スリット22を貫通して側面フレームの外側に突出することで、バッテリケースの水密性を保障するための溶接が適用されることができる。
【0088】
補強材30の端部が側面フレーム20を貫通して側面フレームから補強材の長さ方向Yに突出した長さは、約5~10mmの範囲になることができる。突出部の長さが5mm未満であれば溶接が困難であり、10mmを超過すると周辺部品と干渉が生じて、バッテリケースの装着が困難である可能性がある。
【0089】
図5の(b)に示したように、補強材30の突出した端部と側面フレーム20の貫通スリット22の接合部位は、例えばアーク溶接、レーザ溶接などの溶接によって互いに接合されて溶接部Wが形成されることで、補強材の端部と側面フレームとの間の水密性が保障されることができるようになる。
【0090】
補強材30の支持部33は、側面フレーム20のうちケース本体1の内面を構成する内側壁23に接触することができる。例えば、支持部は内側壁を貫通しないことができる。
【0091】
補強材30の端部、すなわち本体31の端部が側面フレーム20の貫通スリット22に嵌め込まれて形状が合わさることで、貫通スリットを完全に閉鎖するようになり、これによって補強材の端部と側面フレームとの間の水密性が保障されることができる。
【0092】
補強材30の端部が貫通スリット22に嵌め込まれて形状が合わさって形成されたマッチングラインは、例えばアーク溶接、レーザ溶接などで溶接されることで、
図5の(a)のように補強材の端部と側面フレーム20との間に溶接部Wが形成されることができる。
【0093】
これにより、補強材30の端部と側面フレーム20との間の強固な結合と同時に水密性がさらに確保されることができる。
【0094】
水密性を確保するために、ケース本体1を構成する構成要素の結合部、すなわち溶接部Wに、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などのプラスチック材質のコーティングがさらに適用されることができる。
【0095】
補強材30は、少なくとも1つ以上備えられることができる。補強材の個数は、外部から加えられる衝突の大きさに応じて決定されることができる。
【0096】
このように、本発明の第1実施例に係るバッテリケースでは、ケース本体1の底に折り曲げられた帽子状の断面の補強材30を配置し、補強材はケース本体の底に沿って延びながら側面フレーム20と会って挿入されることができる。すなわち、補強材が延びて側面フレームと挿入によって結合されることができ、さらに補強材の端部は側面フレームの閉断面のうち1つ(例えば、C2)に挿入されて貫通されることができる。
【0097】
例えば、電気自動車などで側面衝突時に、本発明の第1実施例に係るバッテリケースにおいてケース本体1の側面フレーム20に衝突エネルギーが伝達されて変形されると、補強材30は衝突及び変形に抵抗する役割を果たすことができる。
【0098】
これにより、本発明によると、内部のバッテリセルを保護し、側面衝突時の内部侵入量を最小限に抑えることができる効果が得られる。
【0099】
図6は、本発明の第2実施例に係るバッテリケースを示した分離斜視図であり、
図7は、
図6のII-II’線に沿って切断した面から見た図面である。
【0100】
本発明の第2実施例に係るバッテリケースにおいて、ケース本体1は、底板10、側面フレーム20、マウンティングフレーム40、少なくとも1つの補強材30を含むことができる。
【0101】
ここで、本発明の第2実施例に係るバッテリケースにおいて、ケース本体1の補強材30が側面フレーム20を貫通してマウンティングフレーム40と接触する点のみが異なり、その他の構成要素は、上述した本発明の第1実施例で説明されたものと同様に構成されて用いられることができるため、残りの構成要素の構成及び作用の詳細な説明を省略する。
【0102】
マウンティングフレーム40は、上述のように側面フレーム20においてバッテリケースの外面を構成する外側壁24に結合することができる。例えば、マウンティングフレームに結合フランジFM1、FM2が形成され、マウンティングフレームの結合フランジが側面フレームの外側壁にアーク溶接などで溶接されることができる。
【0103】
マウンティングフレーム40は、ボルティングなどにより例えば車体のサイド部分に固定されることができる。これにより、バッテリケースが車体に固定されることができる。
【0104】
また、マウンティングフレーム40は、衝突時にバッテリケースのうち最初に衝突に対応する部材として作用することができる。
【0105】
図8は、
図6に示したマウンティングフレームの一部を示した斜視図であり、これに示したように、選択的にマウンティングフレーム40は、所定の位置で貫通スリット42が形成されることができる。
【0106】
貫通スリット42は、後述する補強材30の断面形状と対応する形状に形成されることができ、これによって補強材の端部が貫通スリットに嵌め込まれるときに互いに形状を合わせることができる。
【0107】
マウンティングフレーム40は、例えば鋼材のような金属の単一部材を機械加工して作られることができる。
【0108】
より具体的には、マウンティングフレーム40は、本出願人が生産する厚さ1.2mm~1.6mm程度の1470MART鋼などの板材で作られることができる。
【0109】
マウンティングフレーム40は、所定の幅及び長さを有する単一板材を複数回折り曲げて、曲がりくねった断面形状を有するように形成される。これにより、マウンティングフレームは大略的に横になったW字状にその断面が形成されることができる。機械加工としては、ベンディング、ロールフォーミング、フォーミングなどが用いられることができる。
【0110】
マウンティングフレーム40の断面形状は設計条件に応じて調整されることができ、貫通スリット42は板材のブランキング工程で予め形成されることができる。
【0111】
図9は、
図6に示した補強材の一部を示した斜視図である。
【0112】
補強材30は、バッテリセルが収納されるケース本体1の内面、すなわち底板10上に固定されて設けられる。補強材は溶接などにより底板に固定されることができるが、その固定方法が必ずしもこれに限定されるものではない。
【0113】
また、補強材30は、例えば鋼材などの金属の単一板材を機械加工して一体的に形成されることができる。補強材は、ベンディング、ロールフォーミング、フォーミングなどによって成形されることができる。
【0114】
例えば、補強材30をロールフォーミングで製作する場合、引張強度が約980MPa以上の超高強度の鋼材も無理なく成形が可能である。さらに、ロールフォーミングでは、プレス成形に比べてスプリングバックの補正が容易であり、補強材のコーナー半径を小さくすることができるという利点がある。
【0115】
より具体的には、補強材30は、本出願人が生産する厚さ1.0mm~1.2mm程度の1470MART鋼などの板材で作られることができる。
【0116】
ここで、補強材30の板材が有する厚さは、側面フレーム20の板材が有する厚さより厚く、マウンティングフレーム40の板材が有する厚さより薄くてもよい。
【0117】
補強材30は、所定の幅と長さを有する単一板材を複数回折り曲げられて大略的に帽子状の断面形状を有するように成形することで形成されることができる。これにより、補強材は、大略的に下に開放されたU字状に形成されて、中空部32を備えた本体31と、本体の長さ方向Yに沿って延びた中空部の開口端部から本体の幅方向Xの両側に延びた支持部33を含むことができる。すなわち、支持部は、本体の端部から本体の幅方向に延びて形成されてもよい。
【0118】
ここで、支持部33は、本体31の折り曲げ方向と反対の方向に折り曲げた後、支持部の端部を本体に溶接して閉断面を有するように形成してもよい。
【0119】
また、補強材30の長さ方向の両端部を構成する本体31の一部の領域では支持部が省略されることができ、このように支持部が省略された補強材の両端部はブランキング工程で板材に反映して成形が行われることができる。
【0120】
補強材30の支持部33と底板10は、例えばアーク溶接、レーザ溶接などの溶接によって互いに水密に接合されることができる。例えば、支持部33の長さ方向Yの全体長さにわたって底板と溶接されることで、補強材の支持部と底板との間の水密性が保障されることができるようになる。これにより、補強材の支持部と底板との間に溶接部が形成されることができる。
【0121】
このとき、補強材30を構成する本体31の中空部32は、底板10との結合によって閉断面になることができる。
【0122】
このような支持部33は、補強材30を底板10に固定させる役割に加えて、ケース本体1内に設けられる例えば冷却板などの任意の部品を支持する役割も行うことができる。
【0123】
補強材30の長さ方向Yの両端部は、側面フレーム20と会って側面フレームを貫通するように結合することができる。
図7に示し、上述したように補強材の端部と接する側面フレームの両側壁には貫通スリット22が形成されており、補強材の端部は貫通スリットに嵌め込まれて形状が合わさって、側面フレームの複数の閉断面のうち1つ、例えば第2閉断面C2を貫通した後、側面フレームを通って側面フレームの幅方向Yに続いて延びることができる。
【0124】
補強材30の端部が側面フレーム20の貫通スリット22に嵌め込まれて形状が合わさることで、貫通スリットを完全に閉鎖し、これにより補強材の端部と側面フレームとの間の水密性が保障されることができる。
【0125】
補強材30の端部と接する側面フレーム20の両側壁のうち、少なくともケース本体1の内面を構成する内側壁23において、補強材の端部が貫通スリット22に嵌め込まれて形状が合わさって形成されたマッチングラインは、例えばアーク溶接、レーザ溶接などで溶接されることで、補強材の端部と側面フレームとの間に溶接部Wが形成されることができる。
【0126】
これにより、補強材30の端部と側面フレーム20との間の強固な結合と同時に水密性がさらに確保されることができる。
【0127】
補強材30の端部、すなわち本体31の端部が側面フレーム20を側面フレームの幅方向Yに横切って貫通して側面フレームから突出した後、マウンティングフレーム40の内面に接触することができる。
【0128】
選択的に、マウンティングフレーム40の内面に凹溝(図示せず)が形成され、側面フレーム内で延びた補強材30の端部、すなわち本体31の端部が凹溝内に安着することができる。
【0129】
選択的に、マウンティングフレーム40に貫通スリット42が形成され、補強材の端部は貫通スリットに嵌め込まれて形状が合わさってマウンティングフレームを貫通した後、マウンティングフレームの外側に突出することができる。
【0130】
このとき、補強材30の端部、すなわち本体31の端部が側面フレーム20を側面フレームの幅方向Yに横切って貫通して側面フレームから突出した後、マウンティングフレーム40の貫通スリット42を貫通して外側に突出することで、バッテリケースの水密性を保障するための溶接が適用されることができる。
【0131】
補強材30の端部がマウンティングフレーム40を貫通してマウンティングフレームから補強材の長さ方向Yに突出した長さは、約5~10mmの範囲になることができる。突出部の長さが5mm未満であれば溶接が困難であり、10mmを超過すると周辺部品と干渉が生じて、バッテリケースの装着が困難である可能性がある。
【0132】
このように、補強材30の突出した端部とマウンティングフレーム40の貫通スリット42の結合部位は、例えばアーク溶接、レーザ溶接などの溶接により互いに接合され、溶接部Wが形成されることで補強材の端部とマウンティングフレームとの間の水密性が保障されることができるようになる。
【0133】
水密性を確保するために、ケース本体1を構成する構成要素の結合部、すなわち溶接部Wに、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などのプラスチック材質のコーティングがさらに適用されることができる。
【0134】
一方、補強材30の支持部33は、側面フレーム20のうちケース本体1の内面を構成する内側壁23に接触することができるが、例えば、支持部は内側壁はもちろん、側面フレームを貫通しないことができる。
【0135】
補強材30は、少なくとも1つ以上備えられることができる。補強材の個数は、外部から加えられる衝突の大きさに応じて決定されることができる。
【0136】
このように、本発明の第2実施例に係るバッテリケースでは、ケース本体1の底に折り曲げられた帽子状の断面の補強材30を配置し、補強材はケース本体の底に沿って延びながら側面フレーム20と会い、側面フレームと閉断面のうち1つ(例えば、C2)を貫通した後、側面フレームから突出してマウンティングフレーム40の内面に接触したり、マウンティングフレームを貫通したりすることができる。すなわち、補強材が延びて側面フレーム及びマウンティングフレームと結合されることができる。
【0137】
例えば、電気自動車などで側面衝突時に、バッテリケースのうち最初に衝突エネルギーを受けるようになるマウンティングフレーム40から変形が起こるようになる。
【0138】
このとき、本発明の第2実施例に係るバッテリケースでは、側面衝突によりマウンティングフレーム40の変形が始まるときから補強材30が衝突に抵抗する役割を果たすことができる。また、側面フレーム20が変形される際にも、補強材は衝突及び変形に抵抗する役割を果たすことができる。
【0139】
したがって、本発明によると、内部のバッテリセルを保護し、側面衝突時の内部侵入量を最小限に抑えることができる効果が得られる。
【0140】
図10は、従来技術及び本発明によるバッテリケースの解析による変形形態を示したグラフである。
【0141】
図10では、鋼材からなる側面フレームの内側壁に補強材の端部が接合されるが、挿入されていない従来技術のバッテリケースPと、本発明の第1実施例に係る補強材30が側面フレーム20を貫通して結合したバッテリケースI1、及び本発明の第2実施例に係る補強材が側面フレーム20及びマウンティングフレーム40を貫通して結合したバッテリケースI2間の変位に伴う断面の支持荷重(または反発力)を示している。
【0142】
図10を検討すると、本発明の第2実施例によって補強材30が側面フレーム20及びマウンティングフレーム40を貫通して結合したバッテリケースI2において断面が垂直に受ける荷重又は反発力が最も大きいことが分かる。
【0143】
従来技術のバッテリケースPは、変位が約50mm程度で断面の荷重が60KNであるのに対し、本発明によるバッテリケースI1、I2は、同じ変位で断面の荷重が最大90KNに近いかまたは到達している。
【0144】
本発明によるバッテリケースが従来技術に比べて約50%程度の支持荷重または反発力が増加して、同じ変位内でさらに大きな衝突エネルギーを吸収しており、これによりエネルギー吸収能が比較優位にあることを確実に示している。
【0145】
以上のように本発明によると、側面フレームの横方向部材とマウンティングフレームの横方向部分の高さを一致させて、マウンティングフレームから伝達される側方への衝突エネルギーを十分に吸収することができる。
【0146】
また、本発明によると、側面フレームの縦方向部材の一部が互いに重なり合って内側壁が部分的に厚く形成されるとともに、補強材と側面フレーム又はマウンティングフレームとの結合によりバッテリケースの内部のバッテリセルを保護し、側面衝突時の内部侵入量を最小限に抑えることができる効果が得られる。
【0147】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能である。
【0148】
例えば、本明細書及び図面では、補強材30が車両の左右方向に平行なケース本体1の幅方向Yに延びる例が示されているが、必ずしもこれに限定されず、補強材は車両の前後方向に平行なケース本体の長さ方向Xに延びて車両の前方衝突に対応することもできる。
【0149】
したがって、本明細書及び図面に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は以下の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0150】
1 ケース本体 2 カバー
3 フランジ部 4、SM 空間部
10 底板 20 側面フレーム
21 締結孔 22、42 貫通スリット
23 内側壁 24 外側壁
30 補強材 31 本体
32 中空部 33 支持部
40 マウンティングフレーム