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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】投影光路及び投影装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20241002BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20241002BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20241002BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241002BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20241002BHJP
【FI】
G03B21/14 A
G03B21/00 D
F21S2/00 311
F21Y115:10
F21Y115:30
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023528463
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 CN2021101265
(87)【国際公開番号】W WO2022100098
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】202022639082.8
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523155456
【氏名又は名称】ゴアテック・オプティカル・テクノロジー・カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GOERTEK OPTICAL TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】NO. 1 Fab., Optical Park Phase 3, No. 3999, Huixian Road, Yongchun Community, Qingchi Sub-district Office, Weifang Hi-Tech Zone, Weifang, Shandong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コン チンチエン
(72)【発明者】
【氏名】トン ヤンチュン
(72)【発明者】
【氏名】ティン ウェイタオ
(72)【発明者】
【氏名】リウ ディーン
(72)【発明者】
【氏名】ルー コンタオ
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-286521(JP,A)
【文献】中国実用新案第207992666(CN,U)
【文献】中国実用新案第211427018(CN,U)
【文献】特開2009-258207(JP,A)
【文献】特表2016-540252(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111458891(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21Y 115/10
F21Y 115/30
G02B 27/00-30/60
G03B 21/00-21/10
G03B 21/12-21/13
G03B 21/134-21/30
G03B 33/00-33/16
H04N 9/12-9/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の波長光を発する第1の光源を含む主光路と、
第2の波長光を発する第2の光源と、第3の波長光を発する第3の光源と、第4の波長光を発する第4の光源とを含む補助光路と、
前記第1の光源、前記第2の光源、前記第3の光源又は前記第4の光源に出射される励起光線を発する励起光源と、を含み、
前記第2の波長光、前記第3の波長光及び前記第4の波長光は、前記第1の波長光の出射方向に沿って前記第1の波長光と順次合流し、前記第1の波長光、前記第2の波長光及び前記第3の波長光の色は、それぞれ異なり、前記第1の波長光、前記第2の波長光及び前記第3の波長光は、それぞれ赤色光、緑色光及び青色光のうちの1種であり、前記第4の波長光の波長範囲は、赤色光の波長範囲内にあり、前記第4の波長光の波長をλ1とし、前記第1の波長光、前記第2の波長光、前記第3の波長光のうち赤色光に設定された波長光の波長をλ2とすると、λ1≠λ2を満たし、
前記主光路は、前記第2の波長光と前記第1の波長光との交差位置と、前記第3の波長光と前記第1の波長光との交差位置との間の光路に設置される第1の集光レンズ810、及び、前記第3の波長光と前記第1の波長光との交差位置と、前記第4の波長光と前記第1の波長光との交差位置との間の光路に設置される第2の集光レンズをさらに含み、
前記主光路は、前記第2の波長光と前記第1の波長光との交差位置に設置された第1の分光シートをさらに含み、前記励起光源は、前記第1の分光シートの前記第2の光源から離れた側に設置され、
前記第1の光源は、緑色光の光源であり、前記第1の分光シートの前記励起光源に向かう表面に前記励起光線の反射膜が設置され、前記励起光線は、前記第1の分光シートにより前記第1の光源に反射され、
または、前記第2の光源は、緑色光の光源であり、前記第1の分光シートの前記励起光源に向かう表面に前記励起光線の反射防止膜が設置され、前記励起光線は、前記第2の光源に向かって透過し、
前記補助光路は、前記第2の光源、前記第3の光源、および、前記第4の光源が前記主光路を囲むように、前記主光路と別体で設置されることを特徴とする、投影光路。
【請求項2】
前記第2の波長光の出射方向は、前記第1の波長光の出射方向に直交し、前記第1の分光シートは、前記第2の波長光と前記第1の波長光との交差位置に設置され、前記第1の分光シートには、前記第1の光源に向かって前記第1の波長光の反射防止膜が設置され、前記第2の光源に向かって前記第2の波長光の反射膜が設置されることを特徴とする、請求項に記載の投影光路。
【請求項3】
前記主光路は、第2の分光シートをさらに含み、前記第3の波長光の出射方向は、前記第1の波長光の出射方向に直交し、前記第2の分光シートは、前記第3の波長光と前記第1の波長光との交差位置に設置され、前記第2の分光シートには、前記第1の光源に向かって前記第1の波長光と前記第2の波長光の反射防止膜が設置され、前記第3の光源に向かって前記第3の波長光の反射膜が設置されることを特徴とする、請求項に記載の投影光路。
【請求項4】
前記主光路は、第3の分光シートをさらに含み、前記第4の波長光の出射方向は、前記第1の波長光の出射方向に直交し、前記第3の分光シートは、前記第4の波長光と前記第1の波長光との交差位置に設置され、前記主光路は、前記第1の波長光の出射方向に垂直である第1の光出射面をさらに含み、前記第1の波長光、前記第2の波長光及び前記第3の波長光は、前記第3の分光シートを透過し、前記第4の波長光は、前記第3の分光シートにより反射され、前記第1の波長光、前記第2の波長光、前記第3の波長光及び前記第4の波長光は、前記第3の分光シートにより収束し、収束した前記第1の波長光、前記第2の波長光、前記第3の波長光及び前記第4の波長光は、前記第1の光出射面から出射されることを特徴とする、請求項に記載の投影光路。
【請求項5】
前記第1の波長光は、緑色光であり、前記第2の波長光は、青色光であり、前記第3の波長光は、赤色光であり、前記第3の分光シートには、第1の光源に向かって前記第1の波長光、前記第2の波長光及び前記第3の波長光の反射防止膜が設置され、第4の光源に向かって前記第4の波長光の反射膜が設置され、かつλ1>λ2を満たすことを特徴とする、請求項に記載の投影光路。
【請求項6】
前記第2の光源、前記第3の光源及び前記第4の光源は、前記第1の波長光の出射光路の上側に設置され、前記励起光源は、前記第1の波長光の出射光路の下側に設置されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の投影光路。
【請求項7】
前記励起光源、前記第3の光源及び前記第4の光源は、前記第1の波長光の出射光路の上側に設置され、前記第2の光源は、前記第1の波長光の出射光路の下側に設置されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の投影光路。
【請求項8】
前記第2の光源及び前記第4の光源は、前記第1の波長光の出射光路の上側に設置され、前記励起光源及び前記第3の光源は、前記第1の波長光の出射光路の下側に設置されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の投影光路。
【請求項9】
前記第2の光源及び前記第3の光源は、前記第1の波長光の出射光路の上側に設置され、前記励起光源及び前記第4の光源は、前記第1の波長光の出射光路の下側に設置されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の投影光路。
【請求項10】
ケース及び請求項1~のいずれか一項に記載の投影光路を含み、前記投影光路は、前記ケースに設置されることを特徴とする、投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、光学表示の技術分野に関し、特に投影光路及び投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学投影表示において、赤緑青という3つの色の光の組み合わせを投影光源として採用し、投影画面の輝度を向上させるために、対応する色の光線数を増加させ、すなわち光束を増加させる必要がある。現在、光束を増加させる方式として、対応する電源の電流を高めることにより、3種類の色に対応する光源からより多くの光線を生成することができる。しかしながら、赤色光の光源は、温度に敏感であり、電流がある程度増大すると、赤色光線の数が多くなることにより、熱効果が発生するため、1種類の赤色光の光源を用いて互いに協働して、赤色光の光源による熱効果を低減させる。しかしながら、他の色の光源の発光効率が依然として低く、投影画面全体の輝度を効果的に向上させにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため、従来の投影光源において、2種類の赤色光の光源を用いて互いに協働し、赤色光の光源による熱効果を低減させる場合、他の色の光源の発光効率が依然として低く、投影画面全体の輝度を効果的に向上させにくいという問題に対して、赤色光による熱効果を低減させるとともに、光源の発光効率を向上させることにより、投影画面全体の輝度を効果的に向上させることができる、投影光路及び投影装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本願に係る投影光路は、
第1の波長光を発する第1の光源を含む主光路と、
第2の波長光を発する第2の光源と、第3の波長光を発する第3の光源と、第4の波長光を発する第4の光源とを含む補助光路と、
前記第1の光源、前記第2の光源、前記第3の光源又は前記第4の光源に出射される励起光線を発する励起光源と、を含み、
前記第2の波長光、前記第3の波長光及び前記第4の波長光は、前記第1の波長光の出射方向に沿って前記第1の波長光と順次合流し、前記第1の波長光、前記第2の波長光及び前記第3の波長光の色は、それぞれ異なり、前記第1の波長光、前記第2の波長光及び前記第3の波長光は、それぞれ赤色光、緑色光及び青色光のうちの一種であり、前記第4の波長光の波長範囲は、赤色光の波長範囲内にあり、前記第4の波長光の波長をλ1とし、前記第1の波長光、前記第2の波長光、前記第3の波長光のうち赤色光に設定された波長光の波長をλ2とすると、λ1≠λ2を満たす。
【0005】
好ましくは、前記主光路は、前記第2の波長光と前記第1の波長光との交差位置に設置された第1の分光シートをさらに含み、前記励起光源は、前記第1の分光シートの前記第2の光源から離れた側に設置され、
前記第1の光源は、緑色光の光源であり、前記第1の分光シートの前記励起光源に向かう表面に前記励起光線の反射膜が設置され、前記励起光線は、前記第1の分光シートにより前記第1の光源に反射され、
または、前記第2の光源は、緑色光の光源であり、前記第1の分光シートの前記励起光源に向かう表面に前記励起光線の反射防止膜が設置され、前記励起光線は、前記第2の光源に向かって透過する。
【0006】
好ましくは、前記第2の波長光の出射方向は、前記第1の波長光の出射方向に直交し、前記第1の分光シートは、前記第2の波長光と前記第1の波長光との交差位置に設置され、前記第1の分光シートには、前記第1の光源に向かって前記第1の波長光の反射防止膜が設置され、前記第2の光源に向かって前記第2の波長光の反射膜が設置される。
【0007】
好ましくは、前記主光路は、第2の分光シートをさらに含み、前記第3の波長光の出射方向は、前記第1の波長光の出射方向に直交し、前記第2の分光シートは、前記第3の波長光と前記第1の波長光の交差位置に設置され、前記第2の分光シートには、前記第1の光源に向かって前記第1の波長光と前記第2の波長光の反射防止膜が設置され、前記第2の分光シートには、前記第3の光源に向かって前記第3の波長光の反射膜が設置される。
【0008】
好ましくは、前記主光路は、第3の分光シートをさらに含み、前記第4の波長光の出射方向は、前記第1の波長光の出射方向に直交し、前記第3の分光シートは、前記第4の波長光と前記第1の波長光との交差位置に設置され、前記主光路は、前記第1の波長光の出射方向に垂直である第1の光出射面をさらに含み、前記第1の波長光、前記第2の波長光及び前記第3の波長光は、前記第3の分光シートを透過し、前記第4の波長光は、前記第3の分光シートにより反射され、前記第1の波長光、前記第2の波長光、前記第3の波長光及び前記第4の波長光は、前記第3の分光シートにより収束し、収束した前記第1の波長光、前記第2の波長光、前記第3の波長光及び前記第4の波長光は、前記第1の光出射面から出射される。
【0009】
好ましくは、前記第1の波長光は、緑色光であり、前記第2の波長光は、青色光であり、前記第3の波長光は、赤色光であり、前記第3の分光シートには、第1の光源に向かって前記第1の波長光、前記第2の波長光及び前記第3の波長光の反射防止膜が設置され、前記第4の光源に向かって前記第4の波長光の反射膜が設置され、かつλ1>λ2を満たす。
【0010】
好ましくは、前記第2の光源、前記第3の光源及び前記第4の光源は、前記第1の波長光の出射光路の上側に設置され、前記励起光源は、前記第1の波長光の出射光路の下側に設置される。
【0011】
好ましくは、前記励起光源、前記第3の光源及び前記第4の光源は、前記第1の波長光の出射光路の上側に設置され、前記第2の光源は、前記第1の波長光の出射光路の下側に設置される。
【0012】
好ましくは、前記第2の光源及び前記第4の光源は、前記第1の波長光の出射光路の上側に設置され、前記励起光源及び前記第3の光源は、前記第1の波長光の出射光路の下側に設置される。
【0013】
好ましくは、前記第2の光源及び前記第3の光源は、前記第1の波長光の出射光路の上側に設置され、前記励起光源及び前記第4の光源は、前記第1の波長光の出射光路の下側に設置される。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本願に係る投影装置は、ケース及び上記のような投影光路を含み、前記投影光路は、前記ケースに設置される。
【発明の効果】
【0015】
本願に係る技術手段において、主光路の第1の光源は、第1の波長光を発し、補助光路の第2の光源から発した第2の波長光、第3の光源から発した第3の波長光及び第4の光源から発した第4の波長光は、主光路の第1の波長光と順次合流する。第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光は、それぞれ赤色光、緑色光及び青色光のうちの一種であり、三種類の色の光の組み合わせを投影画面の光源とする。第4の波長光も赤色であり、このようにして、投影画面の輝度を増加させる場合、投影光源の赤色が2つの光源により提供されることで、単一の赤色光の光源に熱効果が現れる状況を減少させ、発光効率が急激に低下するという問題を減少させることにより、投影光源が安定して動作することを保証する。
【0016】
また、第4の波長光の赤色波長は、第1の光源、第2の光源又は第3の光源における赤色光の波長と異なる。これにより、投影光路は、複数の光路に分けられて伝達を行い、第4の光源の第4の波長光と他の3種類の光源における赤色光との相互干渉を低減させ、光線が同じ位置で収束した後に出射されることを保証することができる。
【0017】
また、補助光路の光源から発した光線を主光路の光線に順次出射するという解決手段を採用することにより、補助光路における第2の光源、第3の光源及び第4の光源から出射された光線が互いに収束する状況を回避して、収束光を減少させることができる。補助光路における光源が主光路を囲んで設置されることにより、光路設計を簡略化して、投影光路をより簡単にする。さらに、本実施例において、投影光路が長帯状に設置されることにより、主光路の両側が占める取付空間を減少させることができる。
【0018】
さらに、励起光源から出射された励起光線は、第1の光源、第2の光源、第3の光源又は第4の光源の発光効率を向上させることにより、光線の出射量を増加させ、さらに投影画面の輝度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本願の実施例又は従来技術における技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本願の一部の図面に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をすることなく、さらに提供された図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
図1】本願の投影光路の実施例1の概略構成図である。
図2】本願の投影光路の実施例2の概略構成図である。 願の目的の達成、機能特徴及び利点について、実施例と組み合わせて、図面を参照しながらさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術手段を説明し、明らかに、説明される実施例は、本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で取得される他の全ての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するものである。
【0021】
光学投影表示において、赤緑青という3つの色の光の組み合わせを投影光源として採用し、投影画面の輝度を向上させるために、対応する電源の電流を増加させることにより、3つの色の対応する光源は、より多くの光線を生成することができる。しかしながら、赤色光の光源は、温度に敏感であり、電流がある程度増大すると、赤色の光線の数が多くなることにより、熱効果が発生する。このために、2種類の赤色光の光源を用いて互いに協働して、赤色光の光源による熱効果を低減させる。しかしながら、他の色の光源の発光効率が依然として低く、投影画面全体の輝度を効果的に向上させにくい。
【0022】
上記問題を解決するために、図1に示すように、本願に係る投影光路は、主光路1、補助光路2及び励起光源50を含む。主光路1は、第1の波長光を発する第1の光源10を含み、補助光路2は、第2の光源20、第3の光源30及び第4の光源40を含み、第2の光源20は、第2の波長光を発し、第3の光源30は、第3の波長光を発し、第4の光源40は、第4の波長光を発し、第2の波長光、第3の波長光及び第4の波長光は、第1の波長光の出射方向に沿って第1の波長光と順次合流し、第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光の色は、それぞれ異なり、第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光は、それぞれ赤色光、緑色光及び青色光のうちの1種であり、すなわち、第1の波長光が緑色光である場合、第2の波長光は、赤色光であってもよく、第3の波長光は、青色光であり、或いは、第1の波長光が緑色光である場合、第2の波長光は、青色光であってもよく、第3の波長光は、赤色光である。また、第1の波長光が赤色光である場合、第2の波長光は、緑色光であってもよく、第3の波長光は、青色光であり、或いは、第1の波長光が赤色光である場合、第2の波長光は、青色光であってもよく、第3の波長光は、緑色光である。さらに、第1の波長光が青色光である場合、第2の波長光は、緑色光であってもよく、第3の波長光は、赤色光であり、或いは、第1の波長光が青色光である場合、第2の波長光は、赤色光であってもよく、第3の波長光は、緑色光である。第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光の3種類の光の色は、赤色光、緑色光及び青色光の三者から選択され、かつ3種類の波長光の色は、異なる。第4の波長光の波長範囲は、赤色光の波長範囲内にあり、第4の波長光の波長をλ1とし、第1の波長光、第2の波長光、第3の波長光のうち赤色光に設定された波長光の波長をλ2とすると、λ1≠λ2を満たす。例えば、赤色光の波長範囲は、600nm~740nmの間にあり、第1の波長光は、赤色光であり、第1の波長光の波長λ2=620nmであれば、第4の波長光の波長λ1=650nmである。さらに例えば、第1の波長光の波長λ2=625nmであれば、第4の波長光の波長λ1=660nmである。
【0023】
第1の光源10、第2の光源20、第3の光源30及び第4の光源40は、発光ダイオード(LED、Light-emitting Diode)、半導体レーザ(LD、Laser Diode)、超放射半導体デバイス(SLD、Super Luminescent Diode)のうちのいずれか1種であってもよい。
【0024】
励起光源50は、励起光線を発し、励起光線は、第1の光源10、第2の光源20、第3の光源30又は第4の光源40に出射される。励起光源50は、励起ランプであり、例えば、励起光線が青色光であり、青色の励起光線が第1の光源10、第2の光源20、第3の光源30及び第4の光源40に出射されることにより、対応する光源の蛍光分子を増加させ、さらに対応する光源の光線出射量を増加させる。
【0025】
また、当業者にとって、よく知られているように、任意の光源から発した光は、いずれも一定の波長範囲を有する光束であるため、本願における第1の波長光は、第1の波長を主波長とする光束を指し、本願における第1の波長光の波長は、第1の波長光の主波長を指す。それに応じて、第2の波長光、第3の波長光及び第4の波長光も同様である。主波長は、中心波長として理解されてもよい。
【0026】
本願に係る技術手段において、主光路1の第1の光源10は、第1の波長光を発し、補助光路2の第2の光源20から発した第2の波長光、第3の光源30から発した第3の波長光及び第4の光源40から発した第4の波長光は、主光路1の第1の波長光と順次合流する。第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光は、それぞれ赤色光、緑色光及び青色光のうちの一種であり、三種類の色の光の組み合わせを投影画面の光源とする。第4の波長光も赤色であり、このようにして、投影画面の輝度を増加させる場合、投影光源の赤色が2つの光源により提供されることで、単一の赤色光の光源に熱効果が現れる状況を減少させ、発光効率が急激に低下するという問題を減少させることにより、投影光源が安定して動作することを保証する。
【0027】
また、第4の波長光の赤色波長は、第1の光源10、第2の光源20又は第3の光源30における赤色光の波長と異なる。これにより、投影光路は、複数の光路に分けられて伝達を行って、第4の光源40の第4の波長光と他の3種類の光源における赤色光との相互干渉を低減し、光線が同じ位置で収束した後に出射されることを保証することができる。
【0028】
また、補助光路2の光源から発した光線を主光路1の光線に順次出射するという解決手段を採用することにより、補助光路2における第2の光源20、第3の光源30及び第4の光源40から出射された光線が互いに収束する状況を回避して、収束光を減少させることができる。補助光路2における光源が主光路1を囲んで設置されることにより、光路設計を簡略化して、投影光路をより簡単にする。さらに、本実施例において、投影光路が長帯状に設置されることにより、主光路1の両側が占める取付空間を減少させることができる。
【0029】
さらに、励起光源50から出射された励起光線は、第1の光源10、第2の光源20、第3の光源30又は第4の光源40の発光効率を向上させることにより、光線の出射量を向上させ、さらに投影画面の輝度を向上させることができる。
【0030】
上記実施例において、励起光線が第1の光源10又は第2の光源20に正確に出射されることを保証するために、主光路1は、第2の波長光と第1の波長光との交差位置に設置された第1の分光シート710をさらに含み、励起光源50は、第1の分光シート710の第2の光源20から離れた側に設置され、第1の光源10は、緑色光の光源であり、第1の分光シート710の励起光源50に向かう表面に励起光線の反射膜が設置され、励起光線は、第1の分光シート710により第1の光源10に反射され、励起光線は、青色光であり、第1の分光シート710の反射により、青色光の励起光線は、第1の光源10に出射されると、緑色光の蛍光分子を増加させることにより、緑色光の光出射量を増加させる。
【0031】
或いは、第2の光源20は、緑色光の光源であり、第1の分光シート710の励起光源50に向かう表面に励起光線の反射防止膜が設置され、励起光線は、第2の光源20に向かって透過する。第1の分光シート710を介した透過により、青色光の励起光線が第2の光源20に出射されると、緑色光の蛍光分子を増加させることにより、緑色光の光出射量を増加させる。
【0032】
上記実施例において、第1の波長光と第2の波長光を効果的に収束させるために、第2の波長光の出射方向は、第1の波長光の出射方向に直交し、第1の分光シート710は、第2の波長光と第1の波長光との交差位置に設置され、第1の分光シート710には、第1の光源10に向かって第1の波長光の反射防止膜が設置され、第2の光源20に向かって第2の波長光の反射膜が設置される。第1の分光シート710により、第1の波長光が透過し、第2の波長光が反射されることにより、第1の波長光及び第2の波長光は、第1の分光シート710の同じ表面から出射して、第1の波長光と第2の波長光との収束を完了する。第1の波長光の反射防止膜と第2の波長光の反射膜は、第1の分光シート710の同じ表面に設置されてもよく、第1の分光シート710の2つの表面にそれぞれ設置されてもよい。
【0033】
上記実施例において、第3の波長光を主光路1に合流させるために、主光路1は、第2の分光シート720をさらに含み、第3の波長光の出射方向は、第1の波長光の出射方向に直交し、第2の分光シート720は、第3の波長光と第1の波長光との交差位置に設置され、第2の分光シート720には、第1の光源10に向かって第1の波長光及び第2の波長光の反射防止膜が設置され、第3の光源30に向かって第3の波長光の反射膜が設置される。第2の分光シート720により、第1の波長光及び第2の波長光が透過し、第3の波長光が反射されることにより、第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光は、第1の分光シート710の同じ表面から出射されて、第3の波長光の第1の波長光への収束を完了する。第1の波長光及び第2の波長光の反射防止膜と第3の波長光の反射膜は、第2の分光シート720の同じ表面に設置されてもよく、第2の分光シート720の2つの表面にそれぞれ設置されてもよい。
【0034】
上記実施例において、主光路1は、第3の分光シート730をさらに含み、第4の波長光の出射方向は、第1の波長光の出射方向に直交し、第3の分光シート730は、第4の波長光と第1の波長光との交差位置に設置され、主光路1は、第1の波長光の出射方向に垂直である第1の光出射面910をさらに含み、第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光は、第3の分光シート730を透過し、第4の波長光は、第3の分光シート730により反射され、第1の波長光、第2の波長光、第3の波長光及び第4の波長光は、第3の分光シート730により収束し、収束した第1の波長光、第2の波長光、第3の波長光及び第4の波長光は、第1の光出射面910から出射される。4種類の波長光を収束させ、かつ4種類の波長光を同じ光出射面から出射させる。
【0035】
例を挙げて説明すると、第1の波長光は、緑色光であり、第2の波長光は、青色光であり、第3の波長光は、赤色光であり、第3の分光シート730には、第1の光源10に向かって第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光の反射防止膜が設置され、第4の光源40に向かって第4の波長光の反射膜が設置され、かつλ1>λ2を満たす。緑色光の第1の波長光と青色光の第2の波長光の波長範囲が近いことにより、第1の分光シート710を通過する時に高い透過率を取得することができる。緑色光の第1の波長光、青色光の第2の波長光及び赤色光の第3の波長光は、第3の分光シート730を通過するとともに、第4の波長光も透過現象が発生することを回避するために、第4の波長光の波長範囲については、第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光の波長範囲を排除する必要があるため、第4の波長光の波長λ1は、第3の波長光の波長λ2より大きい。第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光の反射防止膜と、第4の波長光の反射膜は、第3の分光シート730の同じ表面に設置されてもよく、第3の分光シート730の2つの表面にそれぞれ設置されてもよい。
【0036】
上記実施例において、主光路1は、第1の集光レンズ810及び第2の集光レンズ820をさらに含み、第1の集光レンズ810は、第1の分光シート710と第2の分光シート720との間の光路に設置され、第2の集光レンズ820は、第2の分光シート720と第3の分光シート730との間の光路に設置される。具体的には、第1の波長光及び第2の波長光の発散を低減させるために、投影光路は、第1の分光シート710と第2の分光シート720との間の光路に設置された第1の集光レンズ810をさらに含む。第1の集光レンズ810の集光作用により第1の波長光と第2の波長光を収束させることができ、さらに第1の波長光と第2の波長光を混合するとともに、第1の波長光と第2の波長光の発散を低減させることができる。
【0037】
さらに、投影光路は、第2の分光シート720と第3の分光シート730との間の光路に設置された第2の集光レンズ820をさらに含み、収束した第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光は、第2の集光レンズ820に出射される。第2の集光レンズ820の集光作用により第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光をさらに収束させることにより、光線の発散を低減させることができる。
【0038】
さらに、投影光路は、複数のコリメータレンズ群60を含み、コリメータレンズ群60は、少なくとも第1の光源10、第2の光源20、第3の光源30又は第4の光源40のうちの1つの光出射方向に設置され、コリメータレンズ群60により、対応する光線を対応する位置に正確に出射させることができる。例えば、コリメータレンズ群60は、第1のコリメータレンズ610及び第2のコリメータレンズ620を含み、第1のコリメータレンズ610は、対応する光源に向かって設置され、第2のコリメータレンズは、対応する光源と逆向きに設置され、第1のコリメータレンズ610及び第2のコリメータレンズ620は、球面レンズ、非球面レンズ又は自由曲面レンズのうちのいずれか1種である。コリメータレンズ群60は、3つのコリメータレンズを含んでもよく、3つのコリメータレンズは同様に、球面レンズ、非球面レンズ又は自由曲面レンズのうちのいずれか1種であってもよい。
【0039】
上記実施例において、投影光路は、第1の波長光の出射方向に垂直である第1の光出射面910を含み、第1の波長光、第2の波長光及び第の波長光は、第3の分光シート730を透過し、第の波長光は、第3の分光シート730により反射され、第1の波長光、第2の波長光、第3の波長光及び第4の波長光は、第3の分光シート730により収束し、収束した第1の波長光、第2の波長光、第3の波長光及び第4の波長光は、第1の光出射面910から出射される。第3の分光シート730には、第1の分光シート710に向かって第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光の反射防止膜が設置され、第4の光源40に向かって第4の波長光の反射膜が設置される。このようにして、第3の分光シート730により、第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光が透過し、第4の波長光が反射される場合、第1の波長光、第2の波長光、第3の波長光及び第4の波長光は、収束し、かつ第1の光出射面910から出射することができる。第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光の反射防止膜と、第4の波長光の反射膜は、第3の分光シート730の同じ表面に設置されてもよく、第3の分光シート730の2つの表面にそれぞれ設置されてもよい。
【0040】
また、本実施例は、別の光出射方向をさらに提供し、投影光路は、第1の波長光の出射方向に平行である第2の光出射面920を含み、第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光は、第3の分光シート730により反射され、第4の波長光は、第3の分光シート730を透過し、第1の波長光、第2の波長光、第3の波長光及び第4の波長光は、第3の分光シート730により収束し、収束した第1の波長光、第2の波長光、第3の波長光及び第4の波長光は、第2の光出射面920から出射される。第3の分光シート730には、第1の分光シート710に向かって第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光の反射膜が設置され、第4の光源40に向かって第4の波長光の反射防止膜が設置される。このようにして、第3の分光シート730により、第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光が反射され、第4の波長光が透過する場合、第1の波長光、第2の波長光、第3の波長光及び第4の波長光は、収束し、かつ第2の光出射面920から出射することができる。第1の波長光、第2の波長光及び第3の波長光の反射膜と、第4の波長光の反射防止膜は、第3の分光シート730の同じ表面に設置されてもよく、第3の分光シート730の2つの表面にそれぞれ設置されてもよい。
【0041】
再び図1を参照すると、取付空間に基づいて、投影光路の取付位置を柔軟に調整するために、第2の光源20、第3の光源30及び第4の光源40は、第1の波長光の出射光路の上側に設置され、励起光源50は、第1の波長光の出射光路の下側に設置される。本実施例において、第3の光源30及び第4の光源40の第1の波長光の出射光路に対する下側の空間を効果的に節約することができる。
【0042】
図2に示すように、励起光源50、第3の光源30及び第4の光源40は、第1の波長光の出射光路の上側に設置され、第2の光源20は、第1の波長光の出射光路の下側に設置される。本実施例において、第3の光源30及び第4の光源40の第1の波長光の出射光路に対する下側の空間を効果的に節約することができる。
【0043】
さらなる一実施例において、第2の光源20及び第4の光源40は、第1の波長光の出射光路の上側に設置され、励起光源50及び第3の光源30は、第1の波長光の出射光路の下側に設置される。本実施例において、第3の光源30の第1の波長光の出射光路に対する上側の空間を効果的に節約することができ、第4の光源40の第1の波長光の出射光路に対する下側の空間を節約することもできる。
【0044】
また、さらなる一実施例において、第2の光源20及び第3の光源30は、第1の波長光の出射光路の上側に設置され、励起光源50及び第4の光源40は、第1の波長光の出射光路の下側に設置される。本実施例において、第3の光源30の第1の波長光の出射光路に対する下側の空間を効果的に節約することができ、第4の光源40の第1の波長光の出射光路に対する上側の空間を節約することもできる。
【0045】
本願に係る投影装置は、ケース及び上記のような投影光路を含み、投影光路は、ケースに設置される。ケースは、取付空間を有し、投影光路は、取付空間内に設置され、ケースは、投影光路を保護し、投影光路における光学部品が破損される確率を減少させることができる。同時に、ケースは、さらに、塵埃が投影光路内に落ちることを防止することにより、塵埃の投影光路への影響を減少させることができる。また、ケースは、さらに、防水し、雨水又は汗等の液体が投影光路内に浸透することを減少させ、液体が投影光路内の光学部品を腐食することを回避することができる。
【0046】
本明細書における各実施例は、並列又は漸進的な方式で説明され、各実施例について他の実施例との相違点を重点として説明し、各実施例間の同じ又は類似する部分は互いに参照すればよい。実施例に開示された装置は、実施例に開示された方法に対応するため、簡単に説明されるが、関連する部分については方法の説明を参照すればよい。
【0047】
当業者であれば理解できるように、本明細書で開示される実施例を参照して説明された各例のユニット及びアルゴリズムのステップを電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア又は両者の組み合わせにより実現することができ、ハードウェアとソフトウェアの互換性を明確に説明するために、上記説明において機能に応じて各例の構成及びステップを一般的に説明した。これらの機能をハードウェアで実行するかソフトウェアで実行するかは、技術手段の特定の応用及び設計上の制約条件により決定される。当業者は、各特定の応用に対して異なる方法で説明された機能を実現することができるが、このような実現は本願の範囲を超えると見なされるべきではない。
【0048】
本明細書に開示された実施例を参照して説明された方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサにより実行されたソフトウェアモジュール、又は両者の組み合わせを直接使用して実施することができる。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM、電気的消去可能プログラマブルROM、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は技術分野内で公知の任意の他の形式の記憶媒体に配置することができる。
【0049】
なお、本明細書において、第1、第2等の関係用語は、1つのエンティティ又は操作を別のエンティティ又は操作と区別するためのものに過ぎず、必ずしもこれらのエンティティ又は操作の間にこのような如何なる実際の関係又は順序が存在することを要求又は示唆するものではない。また、用語「含む」、「備える」又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図することにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されない他の要素をさらに含むか、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素をさらに含む。更なる限定がない場合、「…1つの…を含む」という語句で限定された要素は、上記要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に他の同様な要素がさらに存在することを排除しない。
【0050】
本願は、2020年11月13日に中国国家知識産権局に提出された、発明の名称が「投影光路及び投影装置」である中国特許出願第202022639082.8号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【符号の説明】
【0051】
1 主光路
2 補助光路
10 第1の光源
20 第2の光源
30 第3の光源
40 第4の光源
50 励起光源
60 コリメータレンズ群
610 第1のコリメータレンズ
620 第2のコリメータレンズ
710 第1の分光シート
720 第2の分光シート
730 第3の分光シート
810 第1の集光レンズ
820 第2の集光レンズ
910 第1の光出射面
920 第2の光出射面
図1
図2