(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】基板処理方法及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/302 101B
(21)【出願番号】P 2023537278
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 KR2021018679
(87)【国際公開番号】W WO2022131684
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】10-2020-0178152
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519362963
【氏名又は名称】ピーエスケー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジン ウ
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヒョン シン
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/041213(WO,A1)
【文献】特開2017-073535(JP,A)
【文献】国際公開第2011/105331(WO,A1)
【文献】特開2010-103495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
C23F 1/00
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法において、
チャンバが有する処理空間に基板を搬入する基板搬入段階と、
前記処理空間において、前記基板上に提供される膜を除去する膜除去段階と、
前記処理空間において、前記基板上に酸素を含む保護膜を形成する保護膜形成段階と、
前記処理空間から前記基板を搬出する基板搬出段階と、を含
み、
前記膜除去段階は、
前記膜にプラズマを伝達して遂行され、
前記膜除去段階には、
前記基板を支持するチャックと前記基板の上部に配置されるバッフルとの間の間隔が第1間隔であり、前記処理空間の圧力は第1圧力で維持され、
前記保護膜形成段階には、
前記基板を支持する前記チャックと前記バッフルとの間の間隔が前記第1間隔より大きい第2間隔であり、
前記処理空間の圧力は前記第1圧力より小さな第2圧力で維持され、
前記チャック、および、前記バッフルのうちで何れか一つは前記処理空間に電界を発生させる電源ユニットと連結され、
前記チャック、および、前記バッフルのうちで他の一つは接地される基板処理方法。
【請求項2】
前記保護膜形成段階は、
前記膜除去段階以後遂行される請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記保護膜形成段階は、
前記膜除去段階以前に遂行される請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記基板搬出段階以後前記基板に薬液を供給して前記基板上に残留する不純物または前記保護膜を除去する液処理段階をさらに含む請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記膜除去段階には、
前記処理空間に水、水素、および、非活性ガスが供給され、
前記保護膜形成段階には、
前記処理空間に水、および、非活性ガスが供給される
請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項6】
基板を処理する装置において、
処理空間を有するチャンバと、
前記処理空間で基板を支持し、前記基板を上下方向に移動させるチャックと、
前記処理空間に工程ガスを供給するガス供給ユニットと、
前記処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットと、
前記チャックに支持される基板の上部に配置され、前記工程ガス及び/または前記処理流体が流れる噴射ホールが形成されるバッフルと、
前記処理空間を排気する排気ユニットと、
前記処理空間に電界を発生させる電源ユニットと、
制御機とを含み、
前記制御機は、
前記処理空間において、前記チャックに支持された基板上に提供される膜を除去
するとともに前記チャックに支持された基板上に酸素を含む保護膜を形成するように、前記ガス供給ユニット、前記排気ユニット、前記流体供給ユニット、前記チャック、前記電源ユニットのうちで少なくとも一つ以上を制御
し、
前記制御機は、
前記膜を除去する間には前記チャックと前記バッフルとの間の間隔を第1間隔で維持して、前記処理空間の圧力を第1圧力で維持するように前記チャック、前記排気ユニット、前記ガス供給ユニット、および、前記流体供給ユニットのうちで少なくとも一つ以上を制御し、
前記保護膜を形成する間には前記チャックと前記バッフルとの間の間隔を前記第1間隔より大きい第2間隔で維持し、前記処理空間の圧力を前記第1圧力より小さな第2圧力で維持するように前記チャック、前記排気ユニット、前記ガス供給ユニット、および、前記流体供給ユニットのうちで少なくとも一つ以上を制御する基板処理装置。
【請求項7】
前記制御機は、
前記膜を除去した以後、前記保護膜を形成するように、前記ガス供給ユニット、前記排気ユニット、前記流体供給ユニット、前記チャック、前記電源ユニットのうちで少なくとも一つ以上を制御する
請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記制御機は、
前記膜を除去した以前に、前記保護膜を形成するように、前記ガス供給ユニット、前記排気ユニット、前記流体供給ユニット、前記チャック、前記電源ユニットのうちで少なくとも一つ以上を制御する
請求項6に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理方法及び基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラズマはイオンやラジカル、および、電子などでなされたイオン化されたガス状態を言って、非常に高い温度や、強い電界、あるいは高周波電子系(RF Electromagnetic Fields)によって生成される。半導体素子製造工程はプラズマを利用して基板上の膜を除去するアッシングまたは蝕刻工程を含む。アッシングまたは蝕刻工程はプラズマに含有されたイオン及びラジカル粒子らが基板上の膜と衝突または反応することで遂行される。
【0003】
プラズマを利用して基板を処理する装置は基板上の膜(例えば、基板上に形成されたハードマスク、または基板上に形成されたフォトレジスト膜)を除去することに利用されることができる。プラズマを利用して基板上の膜を除去した以後、基板は基板上に残留する工程副産物を除去するために液処理チャンバに返送される。液処理チャンバでは基板に薬液を供給して基板上に残留する工程副産物を除去する。
【0004】
最近半導体素子製造工程が複雑になって、基板に対する精密な処理が要求されている。前述したように基板上の膜を除去した以後、基板に薬液を供給して工程副産物を除去時、前記薬液によって基板上に形成されたパターンがオーバーエッチ(Over-Etch)される場合がある。このようなオーバーエッチ現象は基板に対する精密な処理を難しくして、効率的な半導体素子Dimension形成を難しくする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、基板を効率的に処理することができる基板処理方法及び基板処理装置を提供することを一目的とする。
【0007】
また、本発明は基板上の膜を除去した以後、基板に薬液を供給して基板上に残留する不純物を除去時、基板がオーバーエッチされる問題を最小化できる基板処理方法及び基板処理装置を提供することを一目的とする。
【0008】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題らで限定されるものではなくて、言及されない課題らは本明細書及び添付された図面から本発明の属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基板を処理する方法を提供する。基板を処理する方法は、チャンバが有する処理空間に基板を搬入する基板搬入段階と、前記基板上に提供される膜を除去する膜除去段階と、前記基板上に酸素を含む保護膜を形成する保護膜形成段階と、前記処理空間から前記基板を搬出する基板搬出段階と、を含むことができる。
【0010】
一実施例によれば、前記保護膜形成段階は、前記膜除去段階以後遂行されることができる。
【0011】
一実施例によれば、前記保護膜形成段階は、前記膜除去段階以前に遂行されることができる。
【0012】
一実施例によれば、前記方法は、前記基板搬出段階以後前記基板に薬液を供給して前記基板上に残留する不純物または前記保護膜を除去する液処理段階をさらに含むことができる。
【0013】
一実施例によれば、前記膜除去段階は、前記膜にプラズマを伝達して遂行されることができる。
【0014】
一実施例によれば、前記膜除去段階には、前記基板を支持するチャックと前記基板の上部に配置されるバッフルの間の間隔が第1間隔であり、前記処理空間の圧力は第1圧力で維持され、前記保護膜形成段階には、前記チャックと前記バッフルとの間の間隔が前記第1間隔より大きい第2間隔であり、前記処理空間の圧力は前記第1圧力より小さな第2圧力で維持され、前記チャック、および、前記バッフルのうちで何れか一つは前記処理空間に電界を発生させる電源ユニットと連結され、前記チャック、および前記バッフルのうちで他の一つは接地されることがある。
【0015】
一実施例によれば、前記膜除去段階には、前記処理空間に水、水素、および、非活性ガスが供給され、前記保護膜形成段階には、前記処理空間に水、および非活性ガスが供給されることができる。
【0016】
また、本発明は基板を処理する装置を提供する。基板処理装置は、処理空間を有するチャンバと、前記処理空間で基板を支持し、前記基板を上下方向に移動させるチャックと、前記処理空間に工程ガスを供給するガス供給ユニットと、前記処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットと、前記チャックに支持される基板の上部に配置され、前記工程ガス及び/または前記処理流体が流れる噴射ホールが形成されるバッフルと、前記処理空間を排気する排気ユニットと、前記処理空間に電界を発生させる電源ユニットと、及び制御機を含み、前記制御機は、前記チャックに支持された基板上に提供される膜を除去し、前記チャックに支持された基板上に酸素を含む保護膜を形成するように、前記ガス供給ユニット、前記排気ユニット、前記流体供給ユニット、前記チャック、前記電源ユニットのうちで少なくとも一つ以上を制御することができる。
【0017】
一実施例によれば、前記制御機は、前記膜を除去した以後、前記保護膜を形成するように、前記ガス供給ユニット、前記排気ユニット、前記流体供給ユニット、前記チャック、前記電源ユニットのうちで少なくとも一つ以上を制御することができる。
【0018】
一実施例によれば、前記制御機は、前記膜を除去した以前に、前記保護膜を形成するように、前記ガス供給ユニット、前記排気ユニット、前記流体供給ユニット、前記チャック、前記電源ユニットのうちで少なくとも一つ以上を制御することができる。
【0019】
一実施例によれば、前記制御機は、前記膜を除去する間には前記チャックと前記バッフルとの間の間隔を第1間隔で維持し、前記処理空間の圧力を前記第1圧力で維持するように前記チャック、前記排気ユニット、前記ガス供給ユニット、および、前記流体供給ユニットのうちで少なくとも一つ以上を制御し、前記保護膜を形成する間には前記チャックと前記バッフルとの間の間隔を前記第1間隔より大きい第2間隔で維持し、前記処理空間の圧力を前記第1圧力より小さな第2圧力で維持するように前記チャック、前記排気ユニット、前記ガス供給ユニット、および、前記流体供給ユニットのうちで少なくとも一つ以上を制御することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一実施例によれば、基板を効率的に処理することができる。
【0021】
本発明の一実施例によれば、基板上の膜を除去した以後、基板に薬液を供給して基板上に残留する不純物を除去時、基板がオーバーエッチされる問題を最小化することができる。
【0022】
本発明の効果が上述した効果らに限定されるものではなくて、言及されない効果らは本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施例による基板処理装置が処理する基板の構造を表す図面である。
【
図2】
図1の処理空間に搬入され得る基板の構造を概略的に表す図面である。
【
図3】同じく、
図1の処理空間に搬入され得る基板の構造を概略的に表す図面である。
【
図4】同じく、
図1の処理空間に搬入され得る基板の構造を概略的に表す図面である。
【
図5】本発明の一実施例による基板処理方法を表すフローチャートである。
【
図6】
図5の膜除去段階を遂行する基板処理装置を表す図面である。
【
図7】
図5の膜除去段階が遂行された基板の構造を表す図面である。
【
図8】
図5の保護膜形成段階を遂行する基板処理装置を表す図面である。
【
図9】
図5の保護膜形成段階が遂行された基板の構造を表す図面である。
【
図10】本発明の他の実施例による基板処理方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では添付した図面を参照にして本発明の実施例に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明はいろいろ相異な形態で具現されることができるし、ここで説明する実施例で限定されない。また、本発明の望ましい実施例を詳細に説明するにおいて、関連される公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曇ることがあると判断される場合にはその詳細な説明を略する。また、類似機能及び作用をする部分に対しては図面全体にかけて同一な符号を使用する。
【0025】
ある構成要素を‘包含'するということは、特別に反対される記載がない限り他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。具体的に、“包含する”または“有する”などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはその以上の他の特徴らや数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないことで理解されなければならない。
【0026】
単数の表現は文脈上明白に異なるように志さない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素らの形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0027】
第1、第2などの用語は多様な構成要素らを説明することに使用されることができるが、前記構成要素らは前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使用されることができる。例えば、本発明の権利範囲から離脱されないまま第1構成要素は第2構成要素で命名されることができるし、類似に第2構成要素も第1構成要素で命名されることができる。
【0028】
ある構成要素が他の構成要素に“連結されて”いるか、または“接続されて”いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されなければならないであろう。反面に、ある構成要素が他の構成要素に“直接連結されて”いるか、または“直接接続されて”いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないことで理解されなければならないであろう。構成要素らとの関係を説明する他の表現ら、すなわち、“~間に”と“すぐ~間に”または“~に隣合う”と“~に直接隣合う”なども同じく解釈されなければならない。
【0029】
異なるように定義されない限り、技術的であるか、または科学的な用語を含んでここで使用されるすべての用語らは本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者によって一般的に理解されるものと等しい意味である。一般に使用される辞書に定義されているものと同じ用語らは関連技術の文脈上有する意味と一致する意味であるもので解釈されなければならないし、本出願で明白に定義しない限り、理想的であるか、または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0030】
以下では
図1乃至
図9を参照して本発明の実施例を詳しく説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施例による基板処理装置が処理する基板の構造を表す図面である。
図1を参照すれば、本発明の一実施例による基板処理装置10はチャンバ100、チャック200、バッフル300、流体供給ユニット400、ガス供給ユニット500、排気ユニット600、電源ユニット700、および、制御機800を含むことができる。
【0032】
チャンバ100は処理空間102を有することができる。チャンバ100は接地されることができる。チャンバ100が有する処理空間102は基板(W)上に形成されたハードマスクを除去する薄膜除去工程が遂行される空間であり得る。チャンバ100の一側には基板(W)が処理空間102に搬入または基板(W)が処理空間102から搬出される搬入口(図示せず)が形成され得る。搬入口はドア(図示せず)によって選択的に開閉され得る。また、チャンバ100の底面には後述する排気ユニット600と連結される排気ホール104が形成され得る。
【0033】
また、チャンバ100には冷却部材110が提供され得る。冷却部材110はチャンバ100の温度を調節することができる。冷却部材110は処理空間102の温度を調節することができる。冷却部材110は冷却流体を供給する冷却流体供給源と連結された流路であり得る。冷却部材110に供給される冷却流体は、冷却水であるか、または冷却ガスであり得る。しかし、これに限定されるものではなくて、冷却部材110はチャンバ100に冷熱を伝達することができる公知された記載で多様に変形され得る。
【0034】
チャック200は処理空間102で基板(W)を支持することができる。チャック200は支持板210、支持軸220、昇降部材240、および、加熱部材230を含むことができる。支持板210は基板(W)が安着される安着面を有し得る。支持板210は上部から眺める時概して円盤形状を有し得る。また、支持板210内には電極が提供され得る。支持板210内に提供される電極は接地され得る。また、支持板210は支持軸220によって支持され得る。
【0035】
昇降部材240は支持軸220を上下方向に移動させることができる。昇降部材240は支持軸220を上下方向に移動させ、処理空間102で支持される基板(W)の高さを変更することができる。
【0036】
また、支持板210内には加熱部材230が提供され得る。加熱部材230はヒーターであることがある。加熱部材230は加熱電源(図示せず)から電力の伝達を受けて加熱されるヒーターであり得る。加熱部材230は加熱電源から電力の伝達を受けて支持板210に支持される基板(W)の温度を調節することができる。
【0037】
バッフル300はチャック200の上部に配置され得る。バッフル300はチャック200に支持された基板(W)の上部に配置され得る。バッフル300は処理空間102に工程ガス及び/または処理流体を供給し得る。バッフル300は内部空間302を有する桶形状で提供され得る。また、バッフル300の下面には工程ガス及び/または処理流体が流れる噴射ホール304が形成され得る。バッフル300の上部には後述する流体供給ライン440、および、ガス供給ライン530が連結される注入ポートが形成され得る。流体供給ライン440が供給する処理流体、および、ガス供給ライン530が供給する工程ガスは注入ポートを通じて内部空間302に流入され得る。内部空間302に流入された工程ガス及び/または処理流体は噴射ホール304を通じて処理空間102に流入され得る。また、バッフル300の下面縁領域の下面が中央領域の下面より低い段差になった形状を有し得る。これに、バッフル300はチャンバ100の上部に形成された開口に挿入されて設置され得る。また、バッフル300は接地され得る。
【0038】
流体供給ユニット400は処理空間102に処理流体を供給することができる。流体供給ユニット400が供給する処理流体は水(H20)またはアルコールなどを含むことができる。アルコールはメタノール(MeOH)、またはエタノール(EtOH)であってもよい。また、流体供給ユニット400は処理流体供給源410、気化器(Vaporizer)420、流量調節部材430、および、流体供給ライン440を含むことができる。
【0039】
処理流体供給源410は気化器420で水(H2O)を含む処理流体を気化器420に伝達することができる。また、処理流体供給源410はアルコールを含む処理流体を気化器420に伝達することができる。アルコールはメタノール(MeOH)またはエタノール(EtOH)であってもよい。
【0040】
また、処理流体供給源410は液状の処理流体を気化器420に伝達することができる。気化器420では伝達を受けた処理流体を高温で加熱するなどの方式で処理流体を気化された状態に変化させることができる。気化器420で気化された状態に変化された高温の処理流体はバッフル300と連結される流体供給ライン440を通じてバッフル300に伝達することができる。また、バッフル300に伝達された処理流体は噴射ホール304を通じて処理空間102に注入され得る。また、流量調節部材430はバッフル300に伝達する処理流体の単位時間当り供給流量を変更することができる。流量調節部材430はレギュレーター(Regulator)であるか、または流量調節バルブであり得る。しかし、これに限定されるものではなくて、流量調節部材430は処理流体の単位時間当り供給流量を変更することができる公知された装置で多様に変形され得る。
【0041】
ガス供給ユニット500は処理空間102に工程ガスを供給することができる。ガス供給ユニット500が処理空間102に供給する工程ガスは、N2、Ar、H2、O2、O*のうちで少なくとも一つ以上を含むことができる。
【0042】
ガス供給ユニット500はガス供給源510、流量制御部材520、および、ガス供給ライン530を含むことができる。
【0043】
ガス供給源510はガス供給ライン530を通じてバッフル300に工程ガスを供給することができる。バッフル300に供給された工程ガスは噴射ホール304を通じて処理空間102に供給され得る。ガス供給源510は第1ガス供給源511、第2ガス供給源512、および、第3ガス供給源513を含み得る。第1ガス供給源511は窒素(N2)ガスを供給することができる。第2ガス供給源512はアルゴン(Ar)ガスを供給することができる。第3ガス供給源513は水素(H2)ガスを供給することができる。また、ガス供給源510が供給する工程ガスの単位時間当り供給流量は流量制御部材520によって調節され得る。例えば、流量制御部材520は第1流量制御部材521、第2流量制御部材522、および、第3流量制御部材523を含むことができる。また、第1ガス供給源511が供給する工程ガスの単位時間当り供給流量はガス供給ライン530に設置される第1流量制御部材521によって調節され得る。また、第2ガス供給源512が供給する工程ガスの単位時間当り供給流量は、ガス供給ライン530に設置される第2流量制御部材522によって調節され得る。また、第3ガス供給源513が供給する工程ガスの単位時間当り供給流量は、ガス供給ライン530に設置される第3流量制御部材523によって調節され得る。流量制御部材520はレギュレーターであるか、または流量調節バルブであり得る。しかし、これに限定されるものではなくて流量制御部材520は工程ガスの単位時間当り供給流量を調節する公知された装置で多様に変形され得る。
【0044】
排気ユニット600は処理空間102を排気することができる。排気ユニット600は基板(W)が処理される前、基板(W)が処理された後、基板(W)が処理されるうちに少なくとも一つ以上の時期に処理空間102を排気することができる。排気ユニット600は処理空間102を排気し、処理空間102に供給された工程ガス、処理流体、基板(W)を処理する過程で発生され得る副産物(または、不純物)を処理空間102の外部に排出することができる。排気ユニット600は排気ホール104と連結される排気ライン602、および、排気ライン602に減圧を提供する排気部材604を含み得る。排気部材604はポンプであり得る。しかし、これに限定されるものではなくて、排気部材604は処理空間102に減圧を提供して処理空間102を排気する公知された装置で多様に変形されることができる。
【0045】
電源ユニット700は処理空間102に電界を発生させることができる。電源ユニット700は処理空間102に電界を発生させ、処理空間102に供給される工程ガスまたは処理流体からプラズマを発生させることができる。電源ユニット700は高周波電源702、および、整合器704を含み得る。高周波電源702はRF電源であり得る。整合器704は高周波電源702に対する整合を遂行することができる。
【0046】
制御機800は基板処理装置10を制御することができる。制御機800は基板処理装置10が基板(W)上の膜を除去する膜除去工程、および、基板(W)上に保護膜を形成する保護膜形成工程を遂行するように基板処理装置10を制御することができる。例えば、制御機800は以下で説明する基板処理方法を遂行するように、基板処理装置10を制御することができる。例えば、制御機800は冷却部材110、昇降部材240、加熱部材230、加熱部材230に電力を伝達する加熱電源、流体供給ユニット400、ガス供給ユニット500、排気ユニット600、および、電源ユニット700のうちで少なくとも一つ以上を制御することができる。また、制御機800は基板処理装置10の制御を行うマイクロプロセッサー(コンピューター)でなされるプロセスコントローラーと、オペレーターが基板処理装置10を管理するためにコマンド入力操作などを行うキーボードや、基板処理装置10の稼働状況を可視化して表示するディスプレイなどでなされるユーザーインターフェースと、基板処理装置10で実行される処理をプロセスコントローラーの制御で行うための制御プログラムや、各種データ及び処理条件によって各構成部に処理を実行させるためのプログラム、すなわち、処理レシピが記憶された記憶部を具備することができる。また、ユーザーインターフェース及び記憶部はプロセスコントローラーに接続されてあり得る。処理レシピは記憶部のうちで記憶媒体に記憶されてあり得て、記憶媒体は、ハードディスクでも良く、CD-ROM、DVDなどの可搬性ディスクや、フラッシュメモリーなどの半導体メモリーであることがある。
【0047】
図2、
図3、および、
図4は、
図1の処理空間に搬入されることができる基板の姿を概略的に表す図面である。処理空間102に搬入されることができる基板(W)上には膜が形成され得る。例えば、
図2に示されたところのように基板(W)上にはエッチングターゲットレイヤード(L1、Etching target layer)、および、マスクレイヤード(L2、Mask Layer)が形成され得る。
図2に示された基板(W)は処理空間102に搬入され、基板処理装置10は以下で説明する基板処理方法を遂行することができる。また、
図3に示されているように、基板(W)上にはエッチングターゲットレイヤード(L1)、および、マスクレイヤード(L2)の一部分が除去されてパターンを形成するハードマスク(ML)が形成され得る。
図3に示された基板(W)は処理空間102に搬入され、基板処理装置10は以下で説明する基板処理方法を遂行することができる。また、
図4に示されているように、基板(W)上にはエッチングターゲットレイヤード(L1)の一部分が除去されてハードマスク(ML)と等しいパターンを形成するエッチドレイヤード(EL、Etched Layer)、および、ハードマスク(ML)が形成され得る。
図4に示された基板(W)は処理空間102に搬入され、基板処理装置10は以下で説明する基板処理方法を遂行することができる。以下では、
図4に示された基板(W)が処理空間102に搬入されて基板処理装置10によって処理されることを例で挙げて説明する。
【0048】
図5は、本発明の一実施例による基板処理方法を表すフローチャートである。
図5を参照すれば、本発明の一実施例による基板処理方法は基板搬入段階(S11)、膜除去段階(S12)、保護膜形成段階(S13)、および基板搬出段階(S14)を含むことができる。基板搬入段階(S11)、膜除去段階(S12)、保護膜形成段階(S13)、および、基板搬出段階(S14)は順次に遂行され得る。
【0049】
基板搬入段階(S11)にはチャンバ100の搬入口を通じて基板(W)が搬入され得る。基板(W)の搬入は返送ロボットが有するハンドによってなされ得る。この時、チャック200に提供されるリフトピン(図示せず)が上昇して前記ハンドに安着された基板(W)を支持し、ハンドが後退して、リフトピンが降りてチャック200に基板(W)を安着させることができる。
【0050】
膜除去段階(S12)は基板(W)上に提供される膜を除去することがある。膜の除去は工程ガスまたは処理流体から発生されるプラズマ(P)が基板(W)上の膜に伝達されて遂行され得る。例えば、膜除去段階(S12)には基板(W)上に提供されるハードマスク(ML)を除去することがある。膜除去段階(S12)にはガス供給ユニット500が処理空間102に水素、および、非活性ガス(例えば、アルゴン)を供給することができる。また、膜除去段階(S12)には流体供給ユニット400が処理空間102に水を供給することができる。また、膜除去段階(S12)には
図6に示されているように、チャック200とバッフル300との間の間隔(G)を第1間隔で維持し、処理空間102の圧力を第1圧力で維持することができる。第1間隔は相対的に小さな間隔であり、第1圧力は相対的に高い圧力であり得る。膜除去段階(S12)の遂行が完了すれば、
図7に示されているように、基板(W)上に提供された膜、例えば、ハードマスク(ML)が除去され得る。
【0051】
保護膜形成段階(S13)は基板(W)上に保護膜を形成することができる。基板(W)上に形成される保護膜(PL)は酸素を含む保護膜であり得る。例えば、保護膜(PL)はPassivation Oxideであり得る。保護膜(PL)は絶縁体の役割を遂行することができる。保護膜(PL)は以後で遂行されることができる液処理段階で、基板(W)またはエッチドレイヤード(EL)がオーバーエッチになることを防止することができる。保護膜形成段階(S13)にはガス供給ユニット500が処理空間102に非活性ガス(例えば、アルゴン)を供給することができる。また、保護膜形成段階(S13)には流体供給ユニット400が処理空間に水を供給することができる。また、保護膜形成段階(S13)には
図8に示されているように、チャック200とバッフル300と間の間隔(G)を第1間隔より大きい第2間隔で維持して、処理空間102の圧力を第1圧力より小さな第2圧力で維持することができる。第2間隔は相対的に大きい間隔であり、第2圧力は相対的に低い圧力であり得る。保護膜形成段階(S13)の遂行が完了すれば、
図9に示されているように、基板(W)上には保護膜(PL)が形成され得る。
【0052】
基板搬出段階(S14)にはチャンバ100の搬入口を通じて基板(W)が搬出され得る。基板(W)の搬出は返送ロボットが有するハンドによってなされ得る。この時、チャック200に提供されるリフトピン(図示せず)が上昇し、ハンドが処理空間102に進入し、基板(W)がハンドにローディングされて、リフトピンが降りて、ハンドが処理空間102から基板(W)を搬出することができる。
【0053】
処理空間102から搬出された基板(W)は、液処理チャンバ(図示せず)に返送され得る。液処理チャンバに返送された基板(W)は基板(W)を支持し、回転させることができるサセプターに置かれ得る。サセプターは基板(W)を回転させ、液処理チャンバに提供されるノズルは回転する基板(W)に薬液を供給することができる。前述したところのように、基板上には保護膜(PL)が形成された状態で薬液によって処理されるため、薬液によるオーバーエッチなどの問題を最小化することができる。すなわち、保護膜(PL)は絶縁体の役割をすることと共に、次のエッチング工程から素子を保護し、効率的な素子Dimension形成に寄与することができる。また、前述した基板処理装置10では基板(W)上の膜を除去し、基板(W)上に保護膜を形成する工程をすべて遂行することができて、保護膜(PL)を形成するために別途の装置で基板(W)返送が要求されないし、これによって単位時間当り処理することができる基板(W)の数を増加させることができるし、基板処理装置10を含む基板処理設備が占める空間も効果的に減らすことができる。
【0054】
前述した例では保護膜形成段階(S13)が膜除去段階(S12)以後に遂行されることを例であげて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、
図10に示されているように、基板搬入段階(S21)、保護膜形成段階(S22)、膜除去段階(S23)、および、基板搬出段階(S24)は順次に遂行され得る。すなわち、膜除去段階(S23)は保護膜形成段階(S22)以後に遂行され得る。
【0055】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の望ましい実施形態を示して説明するものであり、本発明は多様な他の組合、変更及び環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、著わした開示内容と均等な範囲及び/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。前述した実施例は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明するものであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態で本発明を制限しようとする意図ではない。また、添付された請求範囲は他の実施状態も含むことで解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0056】
10 基板処理装置
100 チャンバ
200 チャック
300 バッフル
400 流体供給ユニット
500 ガス供給ユニット
600 排気ユニット
700 電源ユニット
800 制御機