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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】配線モジュール
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20241003BHJP
   H05K 1/16 20060101ALI20241003BHJP
   H01H 85/10 20060101ALI20241003BHJP
   H01H 69/02 20060101ALI20241003BHJP
   B60R 16/02 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
H05K1/02 F
H05K1/16 B
H01H85/10
H01H69/02
B60R16/02 650P
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021026268
(22)【出願日】2021-02-22
(65)【公開番号】P2022127993
(43)【公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真一朗
(72)【発明者】
【氏名】中山 治
(72)【発明者】
【氏名】高田 孝太郎
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-011253(JP,A)
【文献】特開2007-317990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/16
H01H 85/10
H01H 69/02
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電素子に電気的に接続されるフレキシブルプリント配線板を有する配線モジュールであって、
前記フレキシブルプリント配線板は、
絶縁性を有し、第一面及び第二面を有するベースフィルムと、
前記ベースフィルムの前記第一面に積層された接着性を有する接着層と、
前記接着層によって前記ベースフィルムの前記第一面に積層された導電路と、
前記接着層によって前記ベースフィルムの前記第一面に積層されて、前記ベースフィルムの前記第一面及び前記導電路を覆うカバーレイと、を有し、
前記導電路は、回路の一部を構成し、他の部分よりも断面積が小さいヒューズ部を有しており、
前記ベースフィルムの前記第二面のうち前記ヒューズ部に対応する部分、及び、前記カバーレイの外面のうち前記ヒューズ部に対応する部分には、絶縁性の合成樹脂を含む樹脂部が形成されている配線モジュール。
【請求項2】
前記ベースフィルム及び前記カバーレイは、前記ヒューズ部の延びる方向について側方の位置に、前記ベースフィルム及び前記カバーレイを貫通する少なくとも一つの貫通孔を有し、
前記貫通孔の内部には、前記樹脂部に連続するとともに前記貫通孔内を充填する充填樹脂部が形成されている請求項1に記載の配線モジュール。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記ヒューズ部の両側方に形成されている請求項2に記載の配線モジュール。
【請求項4】
前記フレキシブルプリント配線板は、絶縁性の合成樹脂製の絶縁プロテクタに配置されており、
前記絶縁プロテクタは底壁と、前記底壁の側縁から延びる2つの側壁と、を有し、
前記フレキシブルプリント配線板は、前記絶縁プロテクタのうち前記底壁と前記2つの側壁との間に形成されたヒューズ収容部の内部に、前記底壁と前記フレキシブルプリント配線板の前記第二面とが対向する状態で配されており、
前記ヒューズ収容部には、前記樹脂部が配されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【請求項5】
前記絶縁プロテクタの前記底壁には、前記ヒューズ部に対応する位置に、溝部が形成されており、
前記溝部内に前記樹脂部が配されている請求項4に記載の配線モジュール。
【請求項6】
前記樹脂部は、ショアA硬度について、10以上90以下である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【請求項7】
車両に搭載される前記複数の蓄電素子に電気的に取り付けられる車両用の配線モジュールであって、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器等の電気回路を構成するために、フレキシブルプリント配線板が広く用いられている。フレキシブルプリント配線板は、絶縁性の合成樹脂製の絶縁フィルムに、接着剤によって導電パターンが接着されている。絶縁フィルム及び導電パターンは、接着剤によって接着された絶縁体被覆によって覆われている。電子機器等では、過電流による電子部品の損傷を防止するために、過電流が流れると溶断して電流を遮断するヒューズを設けることが望まれる場合がある。このため、フレキシブルプリント配線板にヒューズが実装されることがある。
【0003】
フレキシブルプリント配線板にヒューズを実装することは、部品点数や実装工程の増加によりフレキシブルプリント配線板のコストを増大させる。そこで、フレキシブルプリント配線板の導電パターンによって構成される回路の断面積を部分的に小さくし、過電流により溶断するヒューズの機能を付与することが提案されている(特開2007-317990号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-317990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記公報に記載のフレキシブルプリント配線板の構成では、ヒューズが溶断する際にヒューズの周囲が高温になり、絶縁フィルム、又は絶縁体被覆が炭化したり、破損したりすることが懸念される。すると、絶縁フィルム、又は絶縁体被覆から溶断したヒューズが露出するおそれがある。溶断した状態のヒューズであっても、絶縁フィルム、又は絶縁体被覆から露出した部分に水分が付着すると、この水分を介して溶断したヒューズが短絡するおそれがある。
【0006】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、過電流によって溶断したヒューズ部が短絡することを抑制可能な配線モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、複数の蓄電素子に電気的に接続されるフレキシブルプリント配線板を有する配線モジュールであって、前記フレキシブルプリント配線板は、絶縁性を有し、第一面及び第二面を有するベースフィルムと、前記ベースフィルムの前記第一面に積層された接着性を有する接着層と、前記接着層によって前記ベースフィルムの前記第一面に積層された導電路と、前記接着層によって前記ベースフィルムの前記第一面に積層されて、前記ベースフィルムの前記第一面及び前記導電路を覆うカバーレイと、を有し、前記導電路は、回路の一部を構成し、他の部分よりも断面積が小さいヒューズ部を有しており、前記ベースフィルムの前記第二面のうち前記ヒューズ部に対応する部分、及び、前記カバーレイの外面のうち前記ヒューズ部に対応する部分には、絶縁性の合成樹脂を含む樹脂部が形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、過電流によって溶断したヒューズ部が短絡することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1に係る配線モジュールが搭載された車両を示す模式図である。
図2図2は、配線モジュールを示す一部拡大平面図である。
図3図3は、図7におけるIII-III線断面図である。
図4図4は、ヒューズ部を示す一部拡大平面図である。
図5図5は、配線モジュールが絶縁プロテクタに載置された状態を示す一部拡大断面図であって、図7におけるIII-III線に対応する断面図である。
図6図6は、ヒューズ収容部に、樹脂部を構成する合成樹脂が注入される前のヒューズ収容部を示す、配線モジュールの一部拡大平面図である。
図7図7は、樹脂部に覆われたヒューズ部を示す、配線モジュールの一部拡大平面図である。
図8図8は、図7におけるVIII-VIII線断面図である。
図9図9は、配線モジュールが絶縁プロテクタに載置された状態を示す一部拡大断面図であって、図7におけるVIII-VIII線に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
【0011】
(1)本開示は、複数の蓄電素子に電気的に接続されるフレキシブルプリント配線板を有する配線モジュールであって、前記フレキシブルプリント配線板は、絶縁性を有し、第一面及び第二面を有するベースフィルムと、前記ベースフィルムの前記第一面に積層された接着性を有する接着層と、前記接着層によって前記ベースフィルムの前記第一面に積層された導電路と、前記接着層によって前記ベースフィルムの前記第一面に積層されて、前記ベースフィルムの前記第一面及び前記導電路を覆うカバーレイと、を有し、前記導電路は、回路の一部を構成し、他の部分よりも断面積が小さいヒューズ部を有しており、前記ベースフィルムの前記第二面のうち前記ヒューズ部に対応する部分、及び、前記カバーレイの外面のうち前記ヒューズ部に対応する部分には、絶縁性の合成樹脂を含む樹脂部が形成されている。
【0012】
ヒューズ部に過電流が流れると、ヒューズ部の温度が上昇する。これによりヒューズ部が溶断する。このとき、ヒューズ部の温度は、ヒューズ部を構成する金属の融点と実質的に同じ程度まで上昇する。このため、ベースフィルム、又はカバーレイが炭化したり、破損したりすることが懸念される。本開示によれば、ベースフィルムの第二面のうちヒューズ部に対応する部分、及び、カバーレイの外面のうちヒューズ部に対応する部分には樹脂部が形成されているので、ベースフィルム、又はカバーレイが炭化したり、破損したりした場合でも、溶断したヒューズ部が外部に露出しないようになっている。この結果、溶断したヒューズ部に水分が付着することが抑制されるので、過電流によって溶断したヒューズ部が短絡することを抑制できる。
【0013】
(2)前記ベースフィルム及び前記カバーレイは、前記ヒューズ部の延びる方向について側方の位置に、前記ベースフィルム及び前記カバーレイを貫通する少なくとも一つの貫通孔を有し、前記貫通孔の内部には、前記樹脂部に連続するとともに前記貫通孔内を充填する充填樹脂部が形成されていることが好ましい。
【0014】
ヒューズ部に過電流が流れてヒューズ部が溶断する際に、接着層に含まれる比較的に沸点が低い成分が気体となり、ベースフィルムとカバーレイの間にたまる場合がある。すると、この気体により、ヒューズ部の近傍の圧力が上昇することが懸念される。ヒューズ部の近傍の圧力が上昇すると、ヒューズ部が切断されやすくなるため、所定の温度よりも低い温度でヒューズ部が溶断するおそれがある。本開示によれば、ヒューズ部の温度が上昇して、接着層を構成する成分のうち気化しやすいものが気体となった場合でも、この気体は、ベースフィルム、及びカバーレイに形成された貫通孔内に排出される。貫通孔内に排出された気体は、充填樹脂部内に拡散され、さらに充填樹脂部に連続する樹脂部内に拡散される。これにより、ヒューズ部の近傍の圧力が上昇することが抑制されるので、ヒューズ部を所定の温度で溶断させることができる。
【0015】
(3)前記貫通孔は、前記ヒューズ部の両側方に形成されていることが好ましい。
【0016】
ヒューズ部の両側方に形成された貫通孔に、接着層で発生した気体が排出されるので、ヒューズ部の近傍の圧力が上昇することを、さらに抑制できる。
【0017】
(4)前記フレキシブルプリント配線板は、絶縁性の合成樹脂製の絶縁プロテクタに配置されており、前記絶縁プロテクタは底壁と、前記底壁の側縁から延びる2つの側壁と、を有し、前記フレキシブルプリント配線板は、前記絶縁プロテクタのうち前記底壁と前記2つの側壁との間に形成されたヒューズ収容部の内部に、前記底壁と前記フレキシブルプリント配線板の前記第二面とが対向する状態で配されており、前記ヒューズ収容部には、前記樹脂部が配されていることが好ましい。
【0018】
樹脂部が、底壁と、2つの側壁との間に形成されたヒューズ収容部から外部に流出することを抑制できる。これにより、樹脂部が、ヒューズ収容部の外部に配された部材と干渉することを抑制できる。
【0019】
(5)前記絶縁プロテクタの前記底壁には、前記ヒューズ部に対応する位置に、溝部が陥没して形成されており、前記溝部内に前記樹脂部が配されていることが好ましい。
【0020】
前記溝部内に樹脂部が配されていることにより、フレキシブルプリント配線板の第二面も確実に樹脂部で覆うことができる。
【0021】
(6)前記樹脂部は、ショアA硬度について、10以上90以下であることが好ましい。
【0022】
ショアA硬度が10以上であることにより、成型性を確保することができる。ショアA硬度が90以下であることにより樹脂部が柔軟性を持ち、ヒューズ部の溶断時に発生するガスによって樹脂部内部の内圧が上昇し、その内圧に耐えきれず樹脂部自体が割れてしまうことを回避する効果を得ることができる。ショアA硬度の測定方法については、JIS K6253に準拠する。
【0023】
(7)配線モジュールは、車両に搭載される前記複数の蓄電素子に電気的に取り付けられる車両用の配線モジュールであることが好ましい。
【0024】
複数の蓄電素子は車両の駆動源として用いられるので、比較的に高い電圧(例えば約300V)を有する。このような複数の蓄電素子に対して、本態様は好適に用いることができる。
【0025】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0026】
<実施形態1>
本開示を配線モジュール20に適用した実施形態1について図1から図9を参照しつつ説明する。蓄電モジュール10は、例えば電気自動車又はハイブリッド自動車等の車両1に搭載されて、車両1を駆動するための電源として使用される。以下では、矢線Yで示される方向を前方、矢線Xで示される方向を左方、矢線Zで示される方向を上方として説明する。
【0027】
図1に示されるように、車両1の中央付近には蓄電パック2が配設されている。車両1の前部にはPCU3(Power Control Unit)が配設されている。蓄電パック2とPCU3とは、ワイヤーハーネス4によって接続されている。蓄電パック2は複数の蓄電素子11を有する。蓄電素子11はニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池でもよく、キャパシタでもよい。
【0028】
[蓄電モジュール10]
蓄電モジュール10は、図2図2には蓄電モジュール10の一部を図示し、他の部分は省略)に示すように、前後方向に並んだ複数の蓄電素子11と、隣り合う蓄電素子11の2つの電極部12間を接続する接続部材14と、複数の蓄電素子11に取り付けられる配線モジュール20と、を備えている。
【0029】
図2に示されるように、各蓄電素子11は、扁平な直方体状であって、上面から突出する電極部12を備え、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池やキャパシタとされる。電極部12の上面は、平坦な長方形状であって、接続部材14が載置可能とされている。隣り合う蓄電素子11の向きは、隣り合う電極部12の極性が反対になるように配置されている。つまり、隣り合う電極部12の一方は正極であり、他方は負極である。複数の蓄電素子11のうち、端部に位置する蓄電素子11の電極部12は、ワイヤーハーネス4を介して外部のPCU3等の機器に接続される。
【0030】
[接続部材14]
図2に示されるように、接続部材14は、概ね長方形状であって、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼(SUS)等の金属板材からなる。接続部材14は、隣り合う一対の電極部12を覆う大きさで形成されている。接続部材14は、電極部12にレーザー溶接により固定される。レーザー溶接後の接続部材14には円形状の溶接部15が形成されている。なお、図2には、一つの接続部材14が図示されているが、複数の接続部材14により複数の蓄電素子11を直列または並列に接続することができる。接続部材14は、上方から見て長方形状をなす本体部16と、本体から後述するフレキシブルプリント配線板に向けて突出する凸部17と、を有する。溶接部15は本体部16に形成されている。
【0031】
[配線モジュール20]
図2に示されるように、配線モジュール20は、フレキシブルプリント配線板21を有する。フレキシブルプリント配線板21は、絶縁プロテクタ30に保持されている。
【0032】
[フレキシブルプリント配線板21]
図3に示す本発明の一実施形態のフレキシブルプリント配線板21は、絶縁性を有するとともに上面22(第一面の一例)及び下面23(第二面の一例)を有するベースフィルム24と、このベースフィルム24の上面22に積層される導電路25とを備える。また、フレキシブルプリント配線板21は、ベースフィルム24の上面22及び導電路25の上面を覆うよう積層される絶縁性のカバーレイ26を備える。
【0033】
図4に示されるように、フレキシブルプリント配線板21は、回路の一部を構成する導電路25のうち、他の部分より断面積が小さいヒューズ部27を有する。このヒューズ部27は、この回路に過電流が流れた際にジュール熱により溶断するよう形成される部分である。より具体的には、ヒューズ部27は、少なくともフレキシブルプリント配線板21の回路に用いられる蓄電モジュール10をその両端に直接接続した場合に流れる電流によって溶断するよう断面積が減じられた部分である。
【0034】
さらに、フレキシブルプリント配線板21は、平面視で、ヒューズ部27の延びる方向についてヒューズ部27の左右両側に、上下方向に貫通する2つの貫通孔28を備える。つまり、貫通孔28は、平面視でベースフィルム24、導電路25及び絶縁層が存在しない領域である。本実施形態においては、2つの貫通孔28は、互いに同形同大である。
【0035】
[ベースフィルム24]
図3に示されるように、ベースフィルム24は、導電路25を支持する部材であって、フレキシブルプリント配線板21の強度を担保する構造材である。
【0036】
このベースフィルム24の主成分としては、例えばポリイミド、液晶ポリエステルに代表される液晶ポリマー等の合成樹脂を用いることができる。これらの中でも耐熱性に優れるポリイミドが好ましい。
【0037】
[導電路25]
導電路25は、層状の導体を少なくとも部分的に回路を構成するよう、公知のプリント配線技術によりパターニングして形成される。この導電路25は、電路となる配線部29と、この配線部29の一部分の幅を減じることにより他の部分よりも断面積を小さくしたヒューズ部27とを有する。また、導電路25は、接続部材14の凸部17と半田付けされるためのランド31を有する(図2参照)。
【0038】
導電路25を形成する材料としては、導電性を有し、通電によるジュール熱により溶断可能な材料であれば特に限定されないが、例えば銅、アルミニウム、ニッケル等の金属が挙げられ、一般的には安価で導電率が大きい銅が用いられる。また、導電路25は、表面にめっき処理が施されてもよい。
【0039】
導電路25の配線部29は、略一定の幅を有する帯状に形成されることが好ましい。なお、略一定とは、製造上発生し得る誤差程度の偏差を許容することを意味し、好ましくは平均幅との差が10%未満であることを意味する。
【0040】
[カバーレイ26]
図3に示されるように、カバーレイ26は、ベースフィルム24及び導電路25を含む積層体の上面側に被覆されている。このカバーレイ26は、主に導電路25が他の部材等と接触して損傷することや短絡することを防止する。
【0041】
カバーレイ26の材質としては特に限定されるものではないが、ベースフィルム24を構成する樹脂フィルムと同様のものを使用することが可能であり、例えばポリイミドを用いることができる。
【0042】
カバーレイ26は、ベースフィルム24の上面22に、接着剤からなる接着層32によって接着されている。これにより、カバーレイ26とベースフィルム24との間には接着層32が形成されている。
【0043】
[ヒューズ部27]
図4に示されるように、ヒューズ部27は、配線部29の一部分の幅を減じることにより、配線部29の他の部分よりも断面積が小さいことで単位長さあたりの電気抵抗が大きく、過電流が流れるとジュール熱により加熱して溶断するよう形成されている。つまり、ヒューズ部27は、ヒューズ部27の前方及び後方に形成された配線部29より線幅が小さく形成されている。ヒューズ部27は前後方向(ヒューズ部の延びる方向の一例)に延びて形成されている。
【0044】
なお、ヒューズ部27の断面積は、少なくともヒューズ部27の両端に蓄電モジュール10を直接接続したときに流れる電流で溶断するよう設計される。好ましくは、ヒューズ部27の断面積は、蓄電モジュール10を直接接続したときに流れる電流よりも小さい値の溶断電流によってヒューズ部27が溶断されるよう定められる。より詳しくは、ヒューズ部27の断面積は、例えば回路に実装される素子の絶縁耐力等を考慮して上記溶断電流を設定し、この溶断電流でヒューズ部27が溶断するよう、導電路25を形成する材料の物性、並びにヒューズ部27からの熱の放散量に影響を及ぼすベースフィルム24及び絶縁層を形成する材料の物性や形状等を考慮して適宜選択される。
【0045】
ヒューズ部27は、長さ方向中央部において断面積が最小となることが好ましい。また、ヒューズ部27は、幅(断面積)が最小となる部分が長さ方向に延在する帯状であることが好ましい。これにより、ヒューズ部27の長さ方向中央部で発生したジュール熱が前後方向に熱伝導して両側の配線部29に逃げることを抑制でき、ヒューズ部27の過電流による迅速な溶断を促進することができる。
【0046】
図3においてはヒューズ部27とカバーレイ26との間に接着層32が介在しない構成が示されているが、ヒューズ部27とカバーレイ26との間に接着層32が介在していてもよい。
【0047】
[貫通孔28]
図4に示されるように、一対の貫通孔28は、平面視でヒューズ部27を流れる電流の向きに垂直な方向でヒューズ部27の両側に形成されている。また、一対の貫通孔28は、ヒューズ部27の長さ方向の中心を軸として左右対称に形成されている。また、貫通孔28は、当該フレキシブルプリント配線板21が応力集中によって破断し易くなることを避けるために、角部を面取りした形状とすることが好ましい。ヒューズ部27の側縁と、貫通孔28の側縁との間には間隔が空けられている。貫通孔28は、ベースフィルム24、接着層32、カバーレイ26を上下方向に貫通している。
【0048】
この貫通孔28は、ヒューズ部27から熱が左右方向に逃げることを抑制する。つまり、貫通孔28は、ヒューズ部27の近傍領域の熱容量、つまりヒューズ部27の近傍に存在するベースフィルム24及び絶縁層の体積を小さくし、ヒューズ部27で発生したジュール熱の拡散を防止することで、過電流が流れた際のヒューズ部27の溶断を迅速化する。
【0049】
また、ヒューズ部27の溶断を迅速化することによって、ヒューズ部27の溶断時に隣接するベースフィルム24や絶縁層が加熱される時間も短縮されることから、ベースフィルム24や絶縁層の炭化を抑制することができる。これにより、ヒューズ部27の溶断時に生成される炭化物が、溶断したヒューズ部27の前後の配線部29間又は配線部29と導電路25の別の回路部分との間を導通(短絡)させることを防止することができる。
【0050】
貫通孔28は、ヒューズ部27の長手方向の長さがヒューズ部27よりも短く形成されている。これにより、ヒューズ部27の長手方向の両端部においては、ヒューズ部27と貫通孔28とは、ヒューズ部27の長手方向と交差する方向について重ならないようになっている。貫通孔28は、ヒューズ部27の中央領域近傍においてベースフィルム24及び絶縁層の熱容量をより小さくし、特にヒューズ部27の中央領域から放熱を抑制することで、この中央領域でヒューズ部27が溶断するよう誘導する。
【0051】
上記のように、ヒューズ部27の中央領域からの放熱を抑制する効果を高めるために、貫通孔28の側縁は、ヒューズ部27の側縁と平行に形成されている。貫通孔28がヒューズ部27の側縁と平行な側縁を有することによって、ヒューズ部27の中央領域からのベースフィルム24及び絶縁層への熱の拡散をより効果的に抑制することができ、ヒューズ部27の中央領域における溶断をより確実にすると共に、ヒューズ部27の溶断をより迅速化することができる。
【0052】
貫通孔28の側縁とヒューズ部27の側縁との間に間隔を有するようにフレキシブルプリント配線板21が形成されることが好ましい。この貫通孔28の側縁とヒューズ部27の側縁との間隔は、ベースフィルム24、導電路25及び絶縁層の積層体に貫通孔28を形成する場合、導電路25に対して貫通孔28が位置ずれして形成されても、過ってヒューズ部27の幅(断面積)がさらに減じられ、ヒューズ部27が溶断する電流値が望外に低下することが防止される。また、貫通孔28の側縁とヒューズ部27の側縁との間に間隔を設けることによって、ヒューズ部27の左右両側においてベースフィルム24と絶縁層とが接着され、ヒューズ部27の露出を防止できる。これにより、例えば水の進入等によって短絡が生じることを防止できる。
【0053】
[絶縁プロテクタ30]
絶縁プロテクタ30は、図3に示すように、絶縁性の合成樹脂からなる。絶縁プロテクタ30は、底壁33を有する。フレキシブルプリント配線板21は、底壁33の上面に、フレキシブルプリント配線板21の下面が下方を向くようにして載置される。これにより、フレキシブルプリント配線板21の下面と底壁33とが対向するようになっている。
【0054】
図3に示されるように、絶縁プロテクタ30には、底壁33にフレキシブルプリント配線板21が載置された状態で、フレキシブルプリント配線板21のヒューズ部27に対応する領域において、底壁33の側縁から上方に突出する2つの側壁34を有する。底壁33と、2つの側壁34との間に形成された領域は、ヒューズ部27が収容されるヒューズ収容部35とされる。
【0055】
図5及び図6に示されるように、底壁33のうちヒューズ収容部35に対応する部分には、フレキシブルプリント配線板21のヒューズ部27に対応する位置に、下方に陥没した溝部36が形成されている。ヒューズ部27の長手方向について、溝部36の長さ寸法は、ヒューズ部27の長さ寸法よりも大きく設定されている。
【0056】
[樹脂部37]
図7に示されるように、ヒューズ収容部35にフレキシブルプリント配線板21のヒューズ部27が収容された状態において、ヒューズ収容部35内には、絶縁性の合成樹脂を含む樹脂部37が配されている。
【0057】
図3及び図8に示されるように、樹脂部37は、カバーレイ26の上面(外面の一例)のうちヒューズ部27の上部を覆っている。樹脂部37はカバーレイ26の上面と密着している。樹脂部37の上端部は、2つの側壁34の上端縁と略同じ高さに形成されている。樹脂部37の上端部は、2つの側壁34の上端縁よりも低い位置にあってもよいし、また、2つの側壁34の上端縁よりもやや盛り上がった形態であってもよい。
【0058】
絶縁プロテクタ30の溝部36内には樹脂部37が配されている。これにより、ベースフィルム24の下面23のうちヒューズ部27に対応する部分には樹脂部37が形成されており、この樹脂部37によって覆われている。
【0059】
樹脂部37を構成する合成樹脂は、エチレン―プロピレン共重合体エラストマー、エチレンーブテン共重合体エラストマー、エチレン―プロピレン―ジエン共重合体エラストマー、スチレン―ブタジエン共重合体、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等、特に限定されないが、変性シリコーン樹脂が好ましい。樹脂部37を構成する合成樹脂は、ショアA硬度について、10以上90以下が好ましい。ショアA硬度が10以上であることにより、成型性を確保することができる。ショアA硬度が90以下であることにより樹脂部37が柔軟性を持ち、ヒューズ部27の溶断時に発生するガスによって樹脂部37内部の内圧が上昇し、その内圧に耐えきれず樹脂部37自体が割れてしまうことを回避するという効果を得ることができる。ショアA硬度は、30以上80以下であることがより好ましく、40以上70以下であることが特に好ましい。本実施形態に係る樹脂部37を構成する合成樹脂のショアA硬度は、JIS K6253に基づいて測定された。
【0060】
[充填樹脂部38]
ベースフィルム24、接着層32、カバーレイ26を上下方向に貫通する貫通孔28の内部には、絶縁性の合成樹脂を含む充填樹脂部38が充填されている。貫通孔28の内部空間のうち、ベースフィルム24の下面23とカバーレイ26の上面との間の領域に充填された部分が充填樹脂部38とされる。充填樹脂部38の上端部は、カバーレイ26の上面に配された樹脂部37と連続しており、充填樹脂部38の下端部は、ベースフィルム24の下面23に配された樹脂部37と連続している。充填樹脂部38を構成する構成樹脂としては、樹脂部37を構成する合成樹脂と同じものが用いられる。
【0061】
[本実施形態の製造工程]
続いて、本実施形態の製造工程の一例について説明する。本態様の製造工程は以下の記載に限定されない。
【0062】
ベースフィルム24の上面22に積層した導体層のパターニングによりヒューズ部27を有する導電路25が形成される。この工程においては、例えばフォトリソグラフィによりレジストパターンを形成して導体層をエッチングする公知の方法を用いることができる。なお、ベースフィルム24と導電路25を形成する導体層とを積層する際には、接着剤が用いられる。
【0063】
ベースフィルム24及び導電路25の積層体の一方の面側にカバーレイ26が積層される。この工程では、例えば下面に接着剤を有するカバーレイ26がベースフィルム24の上面22及び導電路25の積層体の上面側に積層されてもよく、ベースフィルム24の上面22に接着剤が塗布された後にカバーレイ26が積層されてもよい。ヒューズ部27の両側においてベースフィルム24とカバーレイ26とを確実に接着するために、真空熱圧着装置等を用いることが好ましい。
【0064】
ベースフィルム24、導電路25及びカバーレイ26の積層体に貫通孔28が形成される。この工程では、例えばパンチ及びダイを用いる打ち抜きや、レーザー加工等により、ヒューズ部27の両側に貫通孔28が形成される(図4参照)。
【0065】
図5及び図9に示されるように、絶縁プロテクタ30にフレキシブルプリント配線板21が載置される。このとき、ヒューズ収容部35内に、フレキシブルプリント配線板21のヒューズ部27が収容される。
【0066】
ヒューズ収容部35内にヒューズ部27が収容された状態で、液体状態の樹脂部37、及び充填樹脂部38が、公知のノズル等を用いることにより、ヒューズ収容部35内に注入される。液体状態の樹脂部37は溝部36の内部に充填され、液体状の充填樹脂部38は貫通孔28の内部に充填され、さらに液体状の樹脂部37はフレキシブルプリント配線板21の上面側、及び下面側の双方を覆う。液体状態の樹脂部37が、ヒューズ収容部35の側壁34の上端縁に達したときに、液体状態の樹脂部37、及び充填樹脂部38の注入が停止される。その後、樹脂部37、及び充填樹脂部38が公知の手法により固化される。固化に際しては、放冷、硬化剤の添加、所定の周波数を有する光の照射等、任意の手法を採用し得る(図3及び図8参照)。
【0067】
フレキシブルプリント配線板21のランド31に接続部材14が半田付けされる。半田付けは、リフロー半田付けでもよく、また、半田ごてによる半田付けでもよく、任意の手法を採用し得る。
【0068】
フレキシブルプリント配線板21が配置された状態の絶縁プロテクタ30を、複数の蓄電素子11の上面に載置する。その後、接続部材14と、蓄電素子11の電極部12とがレーザー溶接される。これにより蓄電モジュール10が完成する(図2参照)。
【0069】
[本実施形態の作用効果]
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態は、複数の蓄電素子11に電気的に接続されるフレキシブルプリント配線板21を有する配線モジュール20であって、フレキシブルプリント配線板21は、絶縁性を有し、上面22及び下面23を有するベースフィルム24と、ベースフィルム24の第一面に積層された接着性を有する接着層32と、接着層32によってベースフィルム24の上面22に積層された導電路25と、接着層32によってベースフィルム24の上面22に積層されて、ベースフィルム24の第一面及び導電路25を覆うカバーレイ26と、を有し、導電路25は、回路の一部を構成し、他の部分よりも断面積が小さいヒューズ部27を有しており、ベースフィルム24の下面23のうちヒューズ部27に対応する部分、及び、カバーレイ26のうちヒューズ部27に対応する部分には、絶縁性の合成樹脂を含む樹脂部37が形成されている。
【0070】
ヒューズ部27に過電流が流れると、ヒューズ部27の温度が上昇する。これによりヒューズ部27が溶断する。このとき、ヒューズ部27の温度は、ヒューズ部27を構成する金属の融点と実質的に同じ程度まで上昇する。このため、ベースフィルム24、又はカバーレイ26が炭化したり、破損したりすることが懸念される。本実施形態によれば、ベースフィルム24の下面23のうちヒューズ部27に対応する部分、及び、カバーレイ26のうちヒューズ部27に対応する部分には樹脂部37が形成されているので、ベースフィルム24、又はカバーレイ26が炭化したり、破損したりした場合でも、溶断したヒューズ部27が外部に露出しないようになっている。この結果、溶断したヒューズ部27に水分が付着することが抑制されるので、過電流によって溶断したヒューズ部27が短絡することを抑制できる。
【0071】
本実施形態によれば、ベースフィルム24、及びカバーレイ26は、ヒューズ部27の延びる方向について側方の位置に、ベースフィルム24及びカバーレイ26を貫通する少なくとも一つの貫通孔28を有し、貫通孔28の内部には、樹脂部37に連続するとともに貫通孔28内を充填する充填樹脂部38が形成されている。
【0072】
ヒューズ部27に過電流が流れてヒューズ部27が溶断する際に、接着層32に含まれる比較的に沸点が低い成分が気体となり、ベースフィルム24とカバーレイ26との間にたまる場合がある。すると、この気体により、ヒューズ部27の近傍の圧力が上昇することが懸念される。ヒューズ部27の近傍の圧力が上昇すると、ヒューズ部27が切断されやすくなるため、所定の温度よりも低い温度でヒューズ部27が溶断するおそれがある。本実施形態によれば、ヒューズ部27の温度が上昇して、接着層32を構成する成分のうち気化しやすいものが気体となった場合でも、この気体は、ベースフィルム24、及びカバーレイ26に形成された貫通孔28内に排出される。貫通孔28内に排出された気体は、充填樹脂部38内に拡散され、さらに充填樹脂部38に連続する樹脂部37内に拡散される。これにより、ヒューズ部27の近傍の圧力が上昇することが抑制されるので、ヒューズ部27を所定の温度で溶断させることができる。
【0073】
また、本実施形態によれば、貫通孔28は、ヒューズ部27の両側方に形成されている。
【0074】
ヒューズ部27の両側方に形成された貫通孔28に、接着層32で発生した気体が排出されるので、ヒューズ部27の近傍の圧力が上昇することを、さらに抑制できる。
【0075】
また、本実施形態によれば、フレキシブルプリント配線板21は、絶縁性の合成樹脂製の絶縁プロテクタ30に配置されており、絶縁プロテクタ30は底壁33と、底壁33の側縁から延びる2つの側壁34と、を有し、フレキシブルプリント配線板21は、絶縁プロテクタ30のうち底壁33と2つの側壁34との間に形成されたヒューズ収容部35の内部に、底壁33とフレキシブルプリント配線板21の下面とが対向する状態で配されており、ヒューズ収容部35には、樹脂部37が配されている。
【0076】
樹脂部37が、底壁33と、2つの側壁34との間に形成されたヒューズ収容部35から外部に流出することを抑制できる。これにより、樹脂部37が、ヒューズ収容部35の外部に配された部材と干渉することを抑制できる。
【0077】
また、本実施形態によれば、絶縁プロテクタ30の底壁33には、ヒューズ部27に対応する位置に、溝部36が陥没して形成されており、溝部36内に樹脂部37が配されている。
【0078】
溝部36内に樹脂部37が配されていることにより、フレキシブルプリント配線板21の下面も確実に樹脂部37で覆うことができる。
【0079】
また、本実施形態によれば、樹脂部37は、ショアA硬度について、10以上90以下である。
【0080】
ショアA硬度が10以上であることにより、成型性を確保することができる。ショアA硬度が90以下であることにより、樹脂部37が柔軟性を持ち、ヒューズ部27の溶断時に発生するガスによって樹脂部37内部の内圧が上昇し、その内圧に耐えきれず樹脂部37自体が割れてしまうことを回避するという効果を得ることができる。
【0081】
本実施形態に係る配線モジュール20は、車両1に搭載される複数の蓄電素子11に電気的に取り付けられる車両用の配線モジュール20である。
【0082】
複数の蓄電素子11は車両1の駆動源として用いられるので、比較的に高い電圧(例えば約300V)を有する。このような複数の蓄電素子11に対して、本態様は好適に用いることができる。
【0083】
<他の実施形態>
(1)貫通孔28は一つでもよいし、3つ以上でもよい。また、貫通孔28は省略してもよい。
【0084】
(2)樹脂部37は、フレキシブルプリント配線板21の上面と、貫通孔28の内部にのみ配されて、ベースフィルム24の下面23が露出する構成としてもよい。
【0085】
(3)配線モジュール20においては、絶縁プロテクタ30は省略されてもよい。
【0086】
(4)導電路25は、ベースフィルム24の上面22と下面23の双方に形成される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1: 車両
2: 蓄電パック
3: PCU
4: ワイヤーハーネス
10: 蓄電モジュール
11: 蓄電素子
12: 電極部
14: 接続部材
15: 溶接部
16: 本体部
17: 凸部
20: 配線モジュール
21: フレキシブルプリント配線板
22: 上面
23: 下面
24: ベースフィルム
25: 導電路
26: カバーレイ
27: ヒューズ部
28: 貫通孔
29: 配線部
30: 絶縁プロテクタ
31: ランド
32: 接着層
33: 底壁
34: 側壁
35: ヒューズ収容部
36: 溝部
37: 樹脂部
38: 充填樹脂部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9