(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ベッド及びベッドの部品接続構造
(51)【国際特許分類】
A47C 19/00 20060101AFI20241003BHJP
A47C 19/02 20060101ALI20241003BHJP
A47C 20/08 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A47C19/00 B
A47C19/02 B
A47C20/08
(21)【出願番号】P 2018146030
(22)【出願日】2018-08-02
【審査請求日】2021-07-08
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】599139442
【氏名又は名称】株式会社プラッツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清本 太郎
(72)【発明者】
【氏名】和田 剣也
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】草野 顕子
【審判官】澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-87374(JP,A)
【文献】実開昭59-6958(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C17/00-23/34,A61G1/00-7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトムを下方から支えて動かすメインフレームと、
前記メインフレームを下方から支えるベースフレームと、
前記ベースフレームがもつ複数本のフレーム脚にそれぞれ接続される複数個の固定脚と
を備えたベッドにおいて、
前記固定脚の各々は、
各固定脚の外面に開口する挿入口と、
前記挿入口から延びる挿通孔と、内側に前記挿通孔を画成する側壁を有する第1接続部と、
前記第1接続部の前記側壁の対向する位置に設けられた2つの係合窓と、
を有し、
前記フレーム脚の各々は、
前記各固定脚の前記挿入口から前記挿通孔内に挿入方向へ挿入可能な第2接続部と、
前記第2接続部上で弾性的に支持され、
前記第2接続部の対向する位置にそれぞれ設けられ、前記2つの係合窓にそれぞれ係合可能な2つの係合爪と、
を有し、
前記各フレーム脚の前記第2接続部が前記各固定脚の前記挿入口から前記挿通孔内に所定深さまで挿入されると、前記2つの係合爪と前記2つの係合窓との位置が合致して、前記2つの係合爪が弾性的作用で前記2つの係合窓に自動的に係合して、前記各固定脚と前記各フレーム脚の相互接続が確立し、
前記相互接続の確立後、前記2つの係合爪に同時に作業員の手指からの外力が加わると、前記2つの係合爪と前記2つの係合窓との係合が解除され、
前記係合の解除により、前記各固定脚と前記各フレーム脚とが分離可能になる、ベッド。
【請求項2】
請求項1記載のベッドにおいて、
前記各フレーム脚の前記係合爪が前記各固定脚の前記係合窓に係合した状態で、前記係合爪の最外端が、前記各固定脚の外面のうちの前記係合窓に隣接する領域より内方へ奥まった位置に存在する、ベッド。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれか一項記載のベッドにおいて、
前記各固定脚の前記外面のうちの前記係合窓に隣接する領域内の特定個所に、作業者の手指を前記係合窓内へ案内するガイド凹部を有する、ベッド。
【請求項4】
請求項3記載のベッドにおいて、
前記特定個所が、前記係合窓から見て、前記挿入口に最も近い個所以外の箇所である、ベッド。
【請求項5】
請求項4記載のベッドにおいて、
前記特定個所が、前記係合窓から見て、前記挿入口とは反対側に位置する箇所である、ベッド。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項記載のベッドにおいて、
前記係合爪の前端に、前記挿入方向に対して鈍角で傾斜する前傾斜面が設けられ、前記係合爪が前記挿通孔に入るとき、前記前傾斜面が前記係合爪を後退させる、ベッド。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項記載のベッドにおいて、
前記各フレーム脚の前記係合爪の背端に、前記挿入方向とは反対の引き抜き方向に対して鋭角で傾斜する背傾斜面が設けられ、前記各フレーム脚と前記各固定脚の相互接続が確立した状態で前記第2接続部を前記第1接続部から前記引き抜き方向へ引く力が働いたとき、前記背傾斜面が前記係合爪と前記係合窓との係合の解除を防止する、ベッド。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項記載のベッドにおいて、
前記係合爪が、前記第2接続部の前記挿入方向における前端部に設けられる、ベッド。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項記載のベッドにおいて、
前記係合爪が、前記第2接続部に装着する及び前記第2接続部から分離することが可能になっている、ベッド。
【請求項10】
請求項1乃至9記載のベッドにおいて、
前記第2接続部が、その内部に空洞を有し、
前記第2接続部の前記空洞内に、係合爪部品が装着され、
前記係合爪部品が、前記係合爪と、前記係合爪を弾性的に支持する支持具とを含み、
前記係合爪部品のうち、前記係合爪の前記係合窓に係合する部分だけが、前記第2接続部の外面から外方へ突出し、他の部分は前記第2接続部の内部に存在する、ベッド。
【請求項11】
請求項1乃至9記載のベッドにおいて、
前記第2接続部に装着された係合爪部品を有し、
前記係合爪部品が、前記係合爪と、前記係合爪を弾性的に支持する支持具とを含み、
前記第2接続部が、前記係合爪部品を外部から保護する保護カバーを有し、
前記係合爪部品のうち、前記係合爪の前記係合窓に係合する部分が、前記保護カバーの外方へ突出する、ベッド。
【請求項12】
相互に接続される第1部品と第2部品のセットを備えたベッドにおいて、
前記第1部品は、
前記第1部品の外面に開口する挿入口と、
前記挿入口から延びる挿通孔を有する第1接続部と、
前記第1接続部の少なくとも1箇所に設けられた係合窓と、
を有し、
前記第2部品は、
前記第1部品の前記挿入口から前記挿通孔内に挿入方向へ挿入可能な第2接続部と、
前記第2接続部上で弾性的に支持された係合爪と、
を有し、
前記第2部品の前記第2接続部が前記第1部品の前記挿入口から前記挿通孔内に所定深さまで挿入されると、前記係合爪と前記係合窓との位置が合致して、前記係合爪が弾性的作用で前記係合窓に自動的に係合して、前記第1部品と前記第2部品の相互接続が確立し、
前記相互接続の確立後、前記係合爪に作業員の手指からの外力が加わると、前記係合爪と前記係合窓との係合が解除され、
前記係合の解除により、前記第1部品と前記第2部品とが分離可能になり、
前記ベッドはさらに、
ボトムと、
前記ボトムを下方から支えるメインフレームと、
前記メインフレームを下方から支えるベースフレームと、
前記ベースフレームがもつ複数本のフレーム脚に接続される複数の固定脚と
を備え
前記第1部品と前記第2部品の前記セットが、前記ベースフレームの長さ又は幅を切り替えるために設けられた、ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にはベッドに関わり、とくに、ベッドの構成部品間を接続する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッドの多くは、搬送や保管や家屋や建物への搬入出の利便のために、分解と組み立てができるように設計される。とりわけ介護用ベッドは、通常のベッドに比べ、構造的に複雑で、高価で、かつ、使用期間も短いため、エンドユーザにレンタルされることが多い。介護用ベッドのレンタル業者は、普段、介護用ベッドの分解と組み立てを頻繁に繰り返している。従来の介護用ベッドでは、部品同士を接続し固定するために、それら相互接続される部品とは別に用意された多数個の締結具、例えば締結ボルト、締結ピン又はリベットなどが使用される。
【0003】
その一例として、非特許文献1に、従来の介護用ベッドの固定脚の接続構造が記載されている。同記載によれば、ベッドはその最下部にベースフレームと呼ばれる平面形状が概略長方形のフレームを有し、ベースフレームの4つの角部からそれぞれ4本のフレーム脚が伸び出ている。ベッドの組み立て時、その4本のフレーム脚に、それぞれ4個の固定脚が取り付けられる。それら固定脚をそれらフレーム脚に固定するために、プッシュリベットと呼ばれる4個の締結具が用いられる。ベッドの分解時には、プッシュリベットが固定脚から取り外された後に、固定脚がフレーム脚から取り外される。
【0004】
ベッドには、上に例示した固定脚の他にも、互いに接続されるべき部品が多くあり、それぞれの接続箇所で、締結ボルト、締結ピン又はリベットなどの締結具が使用される。それらの締結具は、固定脚及びフレーム脚のような相互接続される部品から分離された個別部品である。ベッドの組み立て前には、作業者は正しい締結具を正しい個数用意する必要がある。ベッドの分解後は、作業者はそれらの締結具を紛失しないよう保管する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】ラフィオ取扱説明書、株式会社プラッツ、2016年12月作成(URL: http://www.platz-ltd.co.jp/support/manual/torisetsu/rafio/161228_P110_rafio_Manual.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
多数の締結具を使用したベッドの組み立てと分解の作業には多くの手数がかかる。加えて、締結具の個数が多いことが、それらの個数不足、紛失又は取り違えの可能性を高め、作業能率の一層の低下を引き起こす。とりわけ、ベッドの組み立てと分解を頻繁に繰り返す介護用ベッドのレンタル業者にとって、これは重大な問題である。
【0007】
本発明の一つの目的は、ベッドの分解又は組み立ての作業の工数を減らすことにある。
【0008】
本発明の他の目的は以降の説明から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態に従うベッドは、相互に接続される第1部品と第2部品のセットを備える。第1部品は、その外面に開口する挿入口と、挿入口から延びる挿通孔を有する第1接続部と、第1接続部の少なくとも1箇所に設けられた係合窓とを有する。第2部品は、第1部品の挿入口から挿通孔内に挿入方向へ挿入可能な第2接続部と、第2接続部上で弾性的に支持された係合爪とを有する。
【0010】
第2部品の第2接続部が第1部品の前記挿入口から挿通孔内に所定深さまで挿入されると、係合爪と係合窓との位置が合致して、係合爪が弾性的作用で係合窓に自動的に係合し、それにより、第1部品と第2部品の相互接続が確立する。相互接続の確立後、係合爪に作業員の手指からの外力が加わると、係合爪と前記係合窓との係合が解除され、それにより、第1部品と第2部品とが分離可能になる。
【0011】
このベッドでは、作業員が、第2部品の第2接続部を第1部品の挿入口から挿通孔内に所定深さまで挿入すると、第1部品と第2部品との間の係合が自動的に行われて、両部品が相互に接続される。その後、作業員が手指を使って係合爪に外力を加えると、上記係合が解除され、それにより、第1部品と第2部品が分離可能になる。
【0012】
したがって、ベッドの組み立て時の第1部品と第2部品の接続作業と、ベッドの分解時の第1部品と第2部品の分離作業とが、従来の別部品としての締結具を使うベッドより、少ない工数でできるから、作業能率が上がる。
【0013】
介護用ベッドの多くは、相互接続される部品セットを複数セット有する。それらの複数の部品セットのそれぞれに、上記の第1部品と第2部品の接続構造を採用することにより、ベッドの組み立てと分解の作業の能率は明らかに改善される。
【0014】
とりわけ、ベッドは、その構造上、同様の相互接続を要する4つの部品セットを、例えば頭側左右と足側左右などの、4個所に有することが少なくない。その一例は、ベッドの4本のフレーム脚に4個の固定脚を取り付ける場合である。ベッドによっては、相互接続される部品セットが4セットより多く存在する場合もある。このように、相互接続される部品セットが4セット以上あるベッドの場合、それぞれの部品セットにこの接続構造を適用することで、作業能率向上の効果は顕著である。
【0015】
上述した係合を解除するための一つの方法として、作業者が係合窓内に手指の先端を入れて係合爪を押圧する、という簡単な方法を採用することができる。作業者は、部品セットの接続と分離に、自分の手以外の格別の道具を必要とない。
【0016】
一実施形態に従うベッドにおいて、係合爪が係合窓に係合した状態で、係合爪の最外端が、第1部品の外面のうちの係合窓に隣接する領域より、内方へ奥まった位置に存在するように、第1部品と第2部品が構成されてよい。係合爪の最外端が上記の奥まった位置に存在することで、外部の異物が誤って係合爪に触れてこれを押すなどして、係合爪と係合窓の係合を不意に解除してしまうおそれが低減する。
【0017】
さらに、上記の係合窓に隣接する外面領域内の特定個所に、作業者の手指を係合窓内へ案内するガイド凹部が設けられていてよい。作業者にとり、手指を係合窓内に挿入して係合を解除する操作が、ガイド凹部を利用することで、より容易になる。
【0018】
上記の特定個所(つまり、ガイド凹部が設けられた個所)は、係合窓から見て挿入口に最も近い個所以外の個所であってよい。そのような個所の好ましい一例は、係合窓から見て挿入口とは反対側に位置する個所である。
【0019】
このような個所にガイド凹部が存在すると、作業者にとり、相互接続された部品を分離する操作が行いやすい。例えば、相互接続された第1部品と第2部品を分離するとき、第2部品は第1部品の挿入口の側に存在するから、作業者は、第1部品に向かって挿入口により近い方の片手で第2部品をつかみ、同時に、挿入口からより遠い方の片で第1部品をつかむのが自然である。このとき、ガイド凹部が上記の個所にあれば、第1部品をつかんだ片手の指をガイド凹部から係合窓に入れることが容易である。
【0020】
一実施形態に従うベッドにおいて、係合爪の前端に、挿入方向に対して鈍角で傾斜する前傾斜面が設けられ、係合爪が挿通孔に入るときに前傾斜面が係合爪を後退させるように、係合爪が構成されてよい。これにより、係合爪は、第1部品の挿通孔に第2部品を挿入する操作を邪魔しない。
【0021】
一実施形態に従うベッドにおいて、係合爪の背端に、挿入方向とは反対の引き抜き方向に対して鋭角で傾斜する背傾斜面が設けられ、第2部品と第1部品の相互接続が確立した状態で第2接続部を第1接続部から引き抜く力が働いたとき、背傾斜面が係合爪と係合窓との係合の解除を防止するように、係合爪が構成されてよい。これにより、第1部品又は第2部品に両部品を引き離すような意図しない外力が加わったときに、第1部品と第2部品の相互接続が外れてしまうおそれが低減する。
【0022】
上記係合爪は、第2接続部の前端部に設けられてよい。これにより、第1部品における係合窓の位置を、挿入口に近すぎない適度に離れた位置にすることができる。係合窓と挿入口とが適度に離れて配置されていることで、作業員にとり、片手で第2部品をつかみ、別の片手で第1部品をつかんで係合を外して、両部品を引き離すという分離操作が容易になる。
【0023】
上記係合爪は、これを作業者が第2接続部に装着及び分離することができるように構成されてよい。これにより、その構造、機能又は材料ゆえに損傷又は変形する可能性のある係合爪の交換やメンテナンスが、作業者にとり容易である。
【0024】
第2部品の第2接続部は、次のように構成されてよい。すなわち、第2接続部は、その内部に空洞を有し、その空洞内に、係合爪部品が装着される。係合爪部品は、係合爪と、その係合爪を弾性的に支持する支持具とを含んだ部品である。そして、係合爪部品のうち、係合爪の係合窓に係合する部分だけが、第2接続部の外面から外方へ突出しており、係合爪部品の他の部分は、第2接続部の内部に存在する(つまり、第2接続部の外面より外方へは突出していない)。
【0025】
あるいは、第2部品の第2接続部は、次のように構成されてよい。すなわち、係合爪とそれを弾性的に支持する支持具とを含んだ係合爪部品が、第2接続部に装着される。第2接続部が、係合爪部品を外部から保護する保護カバーを有する。そして、係合爪部品のうち、係合爪の係合窓に係合する部分が、保護カバーの外方へ突出する。
【0026】
上記したような第2部品の構成により、その構造、機能又は材料のゆえに損傷又は変形しやすい可能性のある係合爪部品のうち、係合窓に係合する部分だけが第2接続部の外面から外へ出ていて、その他の部分は第2接続部の内側に存在するので、係合爪部品が保護されて、その損傷や無用変形の可能性が減る。
【0027】
係合爪部品は、これを作業者が第2接続部の空洞内に装着したり、空洞から取り外したりすることができるように構成されてよい。
【0028】
一実施形態に係るベッドは、ボトムと、ボトムを下方から支えて動かすメインフレームと、メインフレームを下方から支えるベースフレームと、ベースフレームがもつ複数本のフレーム脚に接続される固定脚とを備えてよい。この場合、例えば、各フレーム脚と各固定脚の接続構造、ボトムの長さ又は幅を切り替えるための接続構造、メインフレームの長さ又は幅を切り替えるための接続構造、ベースフレームの長さ又は幅を切り替えるための接続構造、及び/又は、ボトムの屈曲位置を切り替えるための接続構造などに、上述した第1部品と第2部品の接続構造が適用されてよい。これら以外のベッド部分にも、同様の接続構造が適用されてよい。
【0029】
このようなベッドの随所に上記の接続構造が適用されることにより、ベッドの組み立てと分解の作業効能率が明らかに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】一実施形態に係るベッドの全体像の斜視図を示す。
【
図3】
図2のA-A切断線に沿った固定脚の縦断面図を示す。
【
図4】
図2のB-B切断線に沿った固定脚の縦断面図を示す。
【
図5】
図2のC-C切断線に沿った固定脚の横断面図を示す。
【
図8】フレーム脚の接続部を分解した斜視図を示す。
【
図9】フレーム脚の接続部に装着される係合爪部品の平面図を示す。
【
図10】フレーム脚の接続部と固定脚とを相互接続するときの挿入の様子を示す。
【
図11】フレーム脚と固定脚の相互接続が確立した状態における係合爪と係合窓との間の係合の様子を示すために、
図2に示したC-C切断線で固定脚と接続部を横切断した斜視図を示す。
【
図12】係合窓を固定脚の外側から見た外観図を示す。
【
図13】フレーム脚と固定脚との相互接続を解除するときの作業者の手指の操作を示すために、
図2に示したC-C切断線で固定脚と接続部を横切断した平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
【0032】
図1に示すように、一実施形態にかかるベッド1は、例えば介護用のベッドである。ベッド1は、ベッドマット(図示せず)を下方から支えるボトム3を有し、ボトム3は、例えば背ボトム3A、腰ボトム3B、膝ボトム3C及び脚ボトム3Dなどの複数のボトム要素を有する。それらボトム要素3A~3Dは相互間の角度が可変であり、それにより、ボトム3は屈曲可能である。ボトム3は例えばスティール製、又は合成樹脂製である。
【0033】
メインフレーム5が、ボトム3を下方から支える。メインフレーム5は、ボトム要素3A~3Dを動かす電動機構(図示せず)を備える。メインフレーム5は、例えば、ヘッドフレーム5A、センターフレーム5B及びフットフレーム5Cなどの複数のフレーム要素5A~5Cを有する。メインフレーム5は例えばスティール製である。
【0034】
ベースフレーム7が、メインフレーム5を下方から支える。ベースフレーム7は、例えばスティール製の四角筒形パイプを平面形状が概略長方形になるように結合したものである。ベースフレーム7は、その4つの角部から外方へ伸び出た4本のフレーム脚9A、9B、9C及び9D(
図1では、二本のフレーム脚9C及び9Dは見えない)を有する。
【0035】
ベースフレーム7の4本のフレーム脚9A、9B、9C及び9Dの先端部分(以下、フレーム脚の「接続部」という)に、4個の固定脚11A、11B、11C及び11D(
図1では、一個の固定脚11Cは見えない)がそれぞれ取り付けられる。それら固定脚11A~11Dは、床上に立ってベースフレーム7を下方から支える。
【0036】
ベッド1の搬送時や保管時には、ベッド1は、ボトム要素3A~3D、フレーム要素5A~5C、ベースフレーム7、固定脚11A~11D、及びその他の部品(説明を省略する)などの複数の部品に分解される。それらの分離された部品を相互に接続すると、
図1に示すような完成されたベッド1が組み立てられる。
【0037】
固定脚11A~11Dの各々は、ベースフレーム7のフレーム脚9A~9Dの各々の接続部に、ワンタッチで取り付ける(つまり、接続する)ことができるように構成される。また、固定脚11A~11Dの各々は、ベースフレーム7のフレーム脚9A~9Dの各々の接続部に取り付けられた後、そこからワンタッチで容易に取り外す(つまり分離する)ことができるように構成される。ここで本明細書における「ワンタッチ」で接続(又は分離)できるとは、相互に接続(又は分離)される部品セット(例えば、固定脚11A~11Dの各々とフレーム脚9A~9Dの各々のセット)からは分離された個別部品としての締結具を使わずに、作業者が手を使うだけでその部品セットを相互に接続(又は分離)できることを意味する。
【0038】
以下、固定脚11A~11Dとベースフレーム7のフレーム脚9A~9Dとのワンタッチの接続及び分離のための構造について説明する。ここで、4個の固定脚11A~11Dは互いに同じ構造、形状及びサイズを有する。また、ベースフレーム7の4本のフレーム脚9A~9Dの接続部も互いに同じ構造、形状及びサイズを有する。そこで、以下では、一個の固定脚(以下、代表的な参照番号11を付す)と1本のフレーム脚(以下、代表的な参照番号9を付す)を例にとり説明する。
【0039】
図2は、固定脚11の斜視図を示す。
図3は、
図2のA-A切断線に沿った固定脚11の縦断面図を示す。
図4は、
図2のB-B切断線に沿った固定脚11の縦断面図を示す。
図5は、
図2のC-C切断線に沿った固定脚11の横断面図を示す。
図6は、固定脚11の底面図を示す。
【0040】
固定脚11は、
図1に示されるような姿勢で、床上に立てられる。固定脚11は、概略的に直方体の外形状を有し、その長さ方向Lの寸法と高さ方向Hの寸法は比較的に長く、幅方向Wの寸法は比較的に短い。さらに、固定脚11が床に立った時の安定のために、固定脚11の床により近い(つまり、より下方に位置する)部分ほど幅方向Wの寸法がより大きい。
【0041】
固定脚11は、例えば、剛性の高い合成樹脂製で、その全体が一体品として型成形されている。固定脚11は、
図2~
図4中に示した一点鎖線の上側部分に、概略四角筒形状の接続筒20を有し、接続筒20はフレーム脚9との相互接続に用いられる。固定脚11は、接続筒20の下方に、接続筒20と連結した支持足31を有する。支持足31は、ベッド1からの荷重が加わる接続筒20を下方から強固に支える。
【0042】
固定脚11の接続筒20は、
図2~
図5に示すように、長さ方向Lに延び且つ相互連結した左側壁23A、右側壁23B、天側壁23C及び底側壁23Dを有し、その内側に挿通孔25が画成される。挿通孔25の一端は、固定脚11の背面壁29Aの外面に開口した挿入口21である。挿通孔25の他端は、接続筒20の前壁23Eにより、閉塞される。このように、挿通孔25は、固定脚11の外面に開口した挿入口21から始まって、固定脚11の長さ方向Lへ延び、そして、その終端で閉じられている。
【0043】
なお、変形例として、接続筒20が、その側壁23A~23Dの一部(例えば、天側壁23Cの全部または一部、及び/又は、底側壁23Dの全部または一部、など)を欠いた溝状の構造体、又はより簡素な構造体であってもよく、必ずしも完全な筒を構成してなくてよい。本明細書では、「接続筒」という用語は、そのような完全な筒ではない変形例も含む意味で、便宜上用いられる。
【0044】
作業者は、固定脚11をフレーム脚9に接続するとき、フレーム脚9を、図中矢印33で示す方向で、固定脚11の挿入口21から接続筒20の挿通孔25内に挿入される。作業者がベースフレーム7のフレーム脚9を挿通孔25に最も深く挿入してその前端を前壁23Eに当てると、後述する係合機構によって、固定脚11とフレーム脚9との相互接続が自動的に確立する。
【0045】
上記係合機構の構成要素として、固定脚11の接続筒20の左側壁23Aと右側壁23Bに、
図2~
図5に示すように、それぞれ係合窓27Aと27Bが設けられる。係合窓27Aと27Bは、それぞれ、左側壁23Aと右側壁23Bを貫通して、固定脚11の左右の外側面に開口する。
【0046】
固定脚11の支持足31は、相互に連結した背面壁29A、前面壁29B、左側壁29C及び右側壁29Dを有し、その内側に、
図3、
図4及び
図6に示すような補強構造35を有する。補強構造35は、例えば、長さ方向Lに延びて背面壁29Aと前面壁29Bに結合された長さ方向補強リブ35Aと、幅方向Wに延びて右側壁29Cと左側壁29Dに結合された複数枚の幅方向補強リブ35B~35Eとを有する。幅方向補強リブ35B~35Eは、長さ方向補強リブ35Aに結合される。補強構造35は、接続筒20(とりわけ、その底側壁23D)に加わるベッド1からの荷重を支える役目をもつ。
【0047】
図7は、フレーム脚9の接続部39の斜視図を示す。
図8は、フレーム脚9の接続部39を接続部本体40と係合爪部品42に分解した斜視図を示す。
図9は、フレーム脚9の接続部39に装着される係合爪部品42の平面図を示す。
【0048】
図7に示されるように、フレーム脚9は例えばスティール製の四角筒形のパイプであり、その先端部分の接続部39は、前述した固定脚11の接続筒23の挿通孔29内に挿入できるサイズと形状をもつ。フレーム脚9の接続部39は、フレーム脚9の一部分である接続部本体40と、接続部本体40に装着且つ固定される係合爪部品42とを有する。
【0049】
接続部本体40は、相互連結した右側壁41A、左側壁41B、天側壁41C及び底側壁41Dを有し、その内側に空洞43が画成される。空洞43は、接続部本体40の最前端に開口を有する。空洞43内に、係合爪部品42がはめ込まれて固定される。
【0050】
係合爪部品42は、例えば弾性を有する合成樹脂製で、その全体が一体品として型成形される。係合爪部品42は、
図8に示すように、接続部本体40の最前端の開口から、矢印59で示す方向で空洞43内に挿入されて、接続部本体40に装着且つ固定される。
【0051】
図8と
図9に示すように、係合爪部品42は、左右の2つの係合爪45Aと45B、並びに、左右の2つの固定爪51Aと51Bを有する。2つの係合爪45Aと45Bは、平面形状が略U字型の第1支持具53の左右の支持ウィング53Aと53Bにそれぞれ弾性的に支持される。2つの固定爪51Aと51Bは、平面形状が略U字型の第2支持具55の左右の支持ウィング55Aと55Bにそれぞれ弾性的に支持される。第1支持具53の基端は第2支持部55の基端に結合され、それにより、第1支持具53は第2支持部55に支持される。
【0052】
係合爪部品42は、外力の加わらない自然状態では
図9に示すような形状である。この自然形状では、支持ウィング53Aと53Bは、相互平行より若干外方へ開いており、支持ウィング55Aと55Bも、相互平行より若干外方へ開いている。
【0053】
2つの係合爪45Aと45Bに外部から幅方向W内方への押圧力が加わると、支持ウィング53Aと53Bが押圧方向へ弾性的にたわみ、係合爪45Aと45Bが
図9に示された位置より幅方向W内方へ後退する。その押圧力が解除されると、支持ウィング53Aと53Bの弾性作用により、係合爪45Aと45Bが幅方向W外方へ前進する。
【0054】
これと同様に、2つの固定爪51Aと51Bに外部から幅方向W内方への押圧力が加わると、支持ウィング55Aと55Bが押圧方向へ弾性的にたわみ、固定爪51Aと51Bが
図9に示された位置より幅方向W内方へ後退する。その押圧力が解除されると、支持ウィング55Aと55Bの弾性作用により、固定爪51Aと51Bが幅方向W外方へ自動的に前進する。
【0055】
作業員が係合爪部品42を、
図8に示されるように、矢印59の方向で接続部本体40の空洞43内に挿入するとき、当初は左右の固定爪51Aと41Bが内方に後退して、係合爪部品42の空洞43内のより深くへの挿入を可能にする。係合爪部品42が
図7に示された位置まで空洞43に挿入されたとき(つまり、左右の係合爪45Aと45Bが、左右の側壁41Aと41Bの最前端に形成された通り孔47Aと47B内に入ったとき)、左右の固定爪51Aと51Bの位置が、左右の側壁41Aと41Bを貫通する固定孔49Aと49B(
図7では、左の固定孔49Bは見えない)の位置に一致する。そのとき、支持ウィング55Aと55Bの弾性作用により、固定爪51Aと51Bが幅方向W外方へ自動的に前進し、それにより、固定孔49Aと49B内にはまり込む。これで、係合爪部品42の接続部本体40への固定が完了する。
【0056】
また、接続部本体40に一旦固定された係合爪部品42を、メンテナンス又は交換などのために、接続部39から分離したい場合、作業員は、スクリュードライバの先端部のような適当な物体を左右の固定孔49Aと49Bに挿入して、固定爪51Aと51Bを内方へ押して後退させることで、固定爪51Aと51Bを固定孔49Aと49Bから脱離させて固定を解除できる。その後に、作業員は係合爪部品42を接続部本体40から引き抜くことができる。なお、作業者が誤って固定爪51Aと51Bの係合を簡単に外すことがないように、固定爪51Aと51Bの弾性力は、手指で直接押すだけでは容易に後退しないような強さに設定されている。
【0057】
このように、係合爪部品42は、接続部本体40に対して、ワンタッチで接続及び分離することができる。
【0058】
図7に示された係合爪部品42が接続部本体40に装着された状態では、係合爪部品42の左右の係合爪45Aと45Bが、接続部本体40の左右側壁41Aと42Bの前端近傍に形成された左右の通り孔47Aと47Bを通り抜けて、接続部本体40の外面から幅方向W外方へ所定長だけ突出している。係合爪45Aと45Bの接続部本体40から外方へ突出した部分は、接続部39と固定脚11が相互接続されるときに、固定脚11の左右の係合窓27Aと27Bにそれぞれ係合して、接続部39と固定脚11の相互接続を確立する役目をする。
【0059】
係合爪部品42のうち、係合爪45Aと45Bの係合窓27Aと27Bと係合する部分を除いた他の部分は、接続部本体40の内部に収容されていて、接続部本体40の外面より外へ突出してはいない。これにより、係合爪部品42(例えば弾性的な合成樹脂製なので比較的に脆弱である)は、接続部本体40(例えばスティール製なので比較的に堅牢である)により保護されて、異物との接触などに起因する損傷や無用変形の可能性が減る。
【0060】
例えば、係合爪45Aと45Bの最前端面45AAと45BAが、接続部本体40の内部に収容されている。すなわち、
図7に示すように、接続部本体40の天側壁41Cと底側壁41Dの最前端面41CAと41DAが、係合爪45Aと45Bの最前端面45AAと45BAより、若干長、前方へ突出している。したがって、係合爪45Aと45Bの最前端面45AAと45BAは、接続部本体40の最前端面41CAと41DAより後方(つまり、接続部本体40の内部)に位置する。これにより、作業者が接続部39を固定脚11に挿入するとき、あるいは、作業者が接続部39を取り扱うときに、係合爪45Aと45Bが固定脚11内の前壁23Eあるいは他の物体に衝突する可能性を減らす。その結果、係合爪部品42が損傷したり無用変形したりする可能性が減る。
【0061】
換言すれば、接続部本体40は、その側壁41A~41Dの一部(
図7中で一点鎖線より左側の部分)により構成される保護カバー50を有し、その保護カバー50が、係合爪45Aと45Bの係合窓27Aと27Bと係合する部分を除いた係合部品42の他の部分を、外部から保護している。
【0062】
図7に示された装着状態では、さらに、係合爪45Aと45Bを支持する支持ウィング53Aと53Bの前方方向は、左右側壁41Aと42Bと平行、つまり、矢印33で示す接続部39の固定脚11への挿入方向と同方向になっている。
【0063】
図9に示すように、係合爪部品42の係合爪45Aと45Bはそれぞれ前傾斜面45ABと45BBを有する。それら前傾斜面45ABと45BBは、前方へ行くほど幅方向W外方への突出量が減るように傾斜している。すなわち、係合爪45Aと45Bの前傾斜面45ABと45BBは、支持ウィング53Aと53Bの前方方向に対して鈍角度αをなして傾斜する。前述したように、係合爪部品42が接続部本体40に装着された状態では、支持ウィング53Aと53Bの前方方向は、接続部39の固定脚11への挿入方向33と同方向であるから、係合爪45Aと45Bの前傾斜面45ABと45BBは挿入方向33に対して鈍角度αだけ傾斜する。このように傾斜した前傾斜面45ABと45BBは、接続部39が固定脚11へ挿入されるときに、係合爪45Aと45Bを内方へ後退させるよう作用する。この作用が、接続部39の固定脚11へ挿入を容易にする。
【0064】
また、
図9に示すように、係合爪45Aと45Bはそれぞれ背傾斜面45ACと45BCを有する。係合爪45Aと45Bの背傾斜面45ACと45BCは、支持ウィング53Aと53Bの後方方向に対して鋭角度βをなして傾斜する。このように傾斜した背傾斜面45ACと45BCは、係合爪45Aと45Bが固定脚11の係合窓27Aと27Bに係合して接続部39と固定脚11とが相互接続された状態で、接続部39が固定脚11から挿入方向33と反対の引き抜き方向を引かれたときに、係合爪45Aと45Bを幅方向W外方へ進出させるよう作用する。この作用が、接続部39と固定脚11の相互接続の不意の解除を防止する。
【0065】
図10は、フレーム脚9の接続部39と固定脚11とを相互接続するときの挿入の様子を示す。
【0066】
図10に示すように、フレーム脚9の接続部39が、係合爪45Aと45B(右の係合爪45Bは
図10では隠れて見えない)をもつ前端部から、固定脚11の接続筒20の挿通孔25内へ挿入される。この挿入過程で、接続部39の係合爪45Aと45Bが固定脚11の係合窓27Aと27B(右の係合窓27Bは
図10では隠れて見えない)の位置に到達するまでは、係合爪45Aと45Bは、接続筒20の左右側壁23Aと23Bの内面に当接して幅方向W内方へ後退し、それにより、接続部39の挿通孔25内のより深くへの挿入を可能にする。接続部39が挿通孔25の最深部まで挿入されると、接続部39の前端面41CAと41DAが接続筒20の前壁23E(
図3~
図5参照)に当接してそれ以上の深くへの挿入を止め、同時に、接続部39の係合爪45Aと45Bが係合窓27Aと27Bに位置に到達して係合窓27Aと27B内に自動的に入って係合する。これにより、フレーム脚9への固定脚11の接続が完了する。
【0067】
フレーム脚9の接続部39が固定脚11の接続筒20内に挿入された状態では、接続部39の側壁41A~41Dの外面は、接続筒20の側壁23A~23Dの内面に、少なくとも部分的に、好ましくはほぼ全部分で当接する。これにより、フレーム脚9と固定脚11との間のがたつきが防止され、また、ベッド1の荷重がフレーム脚9を介して固定脚20によって受け止められる。
【0068】
図11は、フレーム脚9と固定脚11の相互接続が確立した状態における、係合爪45Aと45Bと係合窓27Aと27Bとの間の係合の様子を示すために、
図2に示したC-C切断線で固定脚11と接続部39を横切断した斜視図を示す。
図12は、係合窓27Aを固定脚11の外側から見た外観図を示す。
【0069】
図11に示すように、フレーム脚9と固定脚11の相互接続が完了した状態では、係合爪45Aと45Bが係合窓27Aと27B内に入り込んでいるが、係合爪45Aと45Bの幅方向Wの外端は、固定脚11の左右側壁23Aと23Bの外面のうち、係合窓27Aと27Bに隣接する領域に比べて、幅方向W内方へ所定距離γだけ奥まった位置に存在する。換言すれば、固定脚11の外面のうちの係合窓27Aと27Bに隣接する領域は、係合爪45Aと45Bの外端より外方へ出ている。要するに、係合爪45Aと45Bは、固定脚11の外面より外方へは突出していない。これにより、固定脚11の外部に存在する異物が誤って係合爪45Aと45Bに触れて、係合爪45Aと45Bを内方へ押して係合を解除してしまう可能性が低減される。
【0070】
さらに、左右2つの係合爪45Aと45Bの両方を同時に係合窓27Aと27Bから外さないと、フレーム脚9と固定脚11の係合が完全に解除されない。これによっても、フレーム脚9と固定脚11の係合が誤って解除されてしまう可能性が低減される。
【0071】
図11と
図12に示すように、固定脚11の外面のうちの係合窓27Aと27Bに隣接する領域のうちの特定個所にだけ、ガイド凹部61Aと62Bが形成される。ガイド凹部61Aと62Bは、作業者の手指の先を係合窓27Aと27B内へと案内して、作業員が係合爪45Aと45Bを押し易くする役目をもつ。固定脚11の外面のガイド凹部61Aと62Bが形成された個所は、作業者が係合解除操作をしやすいように、例えば、係合窓27Aと27Bから見て、挿入口21に最も近い個所以外の箇所、とりわけ、挿入口21とは反対側に位置する個所、換言すれば、係合爪45Aの前傾斜面45ABと45BBに最も近い個所に選ばれている。
【0072】
図13は、フレーム脚9と固定脚11との相互接続を解除するときの作業者の手指の操作を示すために、
図2に示したC-C切断線で固定脚11と接続部39を横切断した平面図を示す。
【0073】
図13に示すように、作業者は片手の2本の指(例えば、人差し指63Aと親指63B)の先端部を、ガイド凹部61Aと61Bに沿って係合窓27Aと27B内に挿入し、そして、左右の係合爪45Aと45Bの前傾斜面45ABと45BBを利用して、係合爪45Aと45Bを同時に幅方向W内方へ押すことができる。これにより、左右の係合爪45Aと45Bが後退して左右の係合窓27Aと27Bから抜け出て、それらの間の係合が解除され得る。
【0074】
係合が解除されると、フレーム脚9の接続部39を固定脚11から簡単に引き抜くことができ、それにより、フレーム脚9から固定脚11が分離される。
【0075】
以上、一つの実施形態を説明した。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、他のさまざまな形態で実施することができる。
【0076】
フレーム脚9と固定脚11との相互接続以外の、ベッド1の部品セットの接続にも、本発明は適用できる。適用例として、ボトム3の長さ又は幅の切替、ヘッドフレーム5A、センターフレーム5B又はフットフレーム5Cの長さ又は幅の切替、ベースフレーム7の長さ又は幅の切替、及び、ボトム3の屈曲位置の切り替えなどがある。これらの適用例では、例えば、上述した固定脚11の接続筒20とフレーム脚9との接続構造が応用できる。
【0077】
また、係合爪と係合窓のセットの数は、上記の実施形態では2セットであり、その2セットの係合を作業員が片手で同時に解除しやすいように、両セットが対向する位置に配置されている。しかし、係合爪と係合窓が1セットだけある態様も、3セット以上ある態様も採用できる。
【0078】
上記の実施形態では、フレーム脚9に係合爪45Aと45Bが設けられ、固定脚11に係合窓27Aと27Bが設けられている。しかし、逆にフレーム脚9に1つ以上の係合窓が設けられ、固定脚11に1つ以上の係合爪が設けられる態様も採用できる。
【符号の説明】
【0079】
1 ベッド
7 ベースフレーム
9(9A~9D) フレーム脚
11(11A~11D) 固定脚
20 接続筒
21 挿入口
27A、27B 係合窓
31 支持足
33 挿入方向
35 補強構造
39 接続部
40 接続部本体
42 係合爪部品
45A、45B 係合爪
49A、49B 固定孔
50 保護カバー
51A、51B 固定爪
53 第1支持具
55 第2支持具
61A、61B ガイド凹部