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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A63F5/04 650
A63F5/04 620
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023106905
(22)【出願日】2023-06-29
【審査請求日】2023-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000161806
【氏名又は名称】京楽産業.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100185672
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】村田 陸哉
(72)【発明者】
【氏名】桑原 郁也
(72)【発明者】
【氏名】大久保 喬之
(72)【発明者】
【氏名】兒島 康之
(72)【発明者】
【氏名】石川 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】三宅 匠
(72)【発明者】
【氏名】永井 省吾
(72)【発明者】
【氏名】兒玉 龍哉
【審査官】金子 和孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-078337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有利区間および非有利区間の何れかで遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
停止操作可能な停止操作手段と、
各遊技において、複数種類の図柄を変動表示し、遊技の結果としての図柄組合せを停止操作に応じて停止表示可能な図柄表示手段と、
前記遊技制御手段からのコマンドに応じて演出を制御する演出制御手段と、
各種の画像を表示可能な画像表示手段と、
遊技者に有利な停止操作態様を指示する指示手段と、
を具備する遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
規定数の遊技価値を用いた遊技を開始する遊技開始手段と、
各遊技において、各当選エリアのうちの何れかを決定する当選エリア決定手段と、
前記当選エリアと停止操作態様とに応じて、前記図柄組合せを停止表示させる図柄変動制御手段と、
前記図柄組合せに対応する遊技価値を付与可能にする遊技価値付与手段と、
予め定められた開始契機で、前記有利区間を開始する有利区間開始手段と、
予め定められた終了契機で、前記有利区間を終了する有利区間終了手段と、
前記有利区間であることを条件に、前記指示が実行されない所定状態および前記指示が実行される特別状態を含む各状態に制御可能な状態制御手段と、を具備し、
前記特別状態において所定の開始条件が成立した場合に特定状態となり、当該特定状態となっているときに前記終了契機が成立した場合に当該特定状態を終了し、
前記各種の画像には、遊技依存を警告するための警告画像が含まれ、
前記画像表示手段は、
前記終了契機が成立した場合に予め定められた表示条件が満たされていると前記警告画像を表示する一方、前記終了契機が成立した場合に前記表示条件が満たされていないと前記警告画像を表示せず、
前記表示条件には、前記特定状態が終了することが含まれる
遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警告画像を表示可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種の警告画像を表示する遊技機が提案される。例えば、特許文献1には、遊技依存を警告するための警告画像を表示する遊技機が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-93459公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技依存を警告するための警告画像により遊技依存が予防される。ただし、当該警告画像を表示する時期によっては、遊技意欲が低下するという新たな問題が生じる。以上の事情を考慮して、本発明は、遊技依存を警告するための警告画像を適切な時期に表示可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明に係る遊技機は、有利区間および非有利区間の何れかで遊技の進行を制御する遊技制御手段と、停止操作可能な停止操作手段と、各遊技において、複数種類の図柄を変動表示し、遊技の結果としての図柄組合せを停止操作に応じて停止表示可能な図柄表示手段と、遊技制御手段からのコマンドに応じて演出を制御する演出制御手段と、各種の画像を表示可能な画像表示手段と、遊技者に有利な停止操作態様を指示する指示手段と、を具備する遊技機であって、遊技制御手段は、規定数の遊技価値を用いた遊技を開始する遊技開始手段と、各遊技において、各当選エリアのうちの何れかを決定する当選エリア決定手段と、当選エリアと停止操作態様とに応じて、図柄組合せを停止表示させる図柄変動制御手段と、図柄組合せに対応する遊技価値を付与可能にする遊技価値付与手段と、予め定められた開始契機で、有利区間を開始する有利区間開始手段と、予め定められた終了契機で、有利区間を終了する有利区間終了手段と、有利区間であることを条件に、指示が実行されない所定状態および指示が実行される特別状態を含む各状態に制御可能な状態制御手段と、を具備し、特別状態において所定の開始条件が成立した場合に特定状態となり、当該特定状態となっているときに終了契機が成立した場合に当該特定状態を終了し、各種の画像には、遊技依存を警告するための警告画像が含まれ、画像表示手段は、終了契機が成立した場合に予め定められた表示条件が満たされていると警告画像を表示する一方、終了契機が成立した場合に表示条件が満たされていないと警告画像を表示せず、表示条件には、前記特定状態が終了することが含まれる
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技依存を警告するための警告画像を適切な時期に表示可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】遊技機の正面図である。
図2】各リールに配列された各図柄を示す図である。
図3】図柄表示領域を説明するための図である。
図4】遊技機の機能ブロック図である。
図5】当選エリア抽選テーブルの概念図である。
図6】当選役決定テーブルの概念図である。
図7】図柄組合せテーブルの概念図である。
図8】獲得期待値の具体例を説明するための図である。
図9】出玉状態の遷移を説明するための図である。
図10】指示決定テーブルの概念図である。
図11】メイン制御基板から送信されるコマンドを説明するための図である。
図12】各表示情報を説明するための図である。
図13】特定演出決定テーブルの概念図である。
図14】指示演出の具体例を説明するための図である。
図15】指示モードが移行する契機の具体例を説明するための図である。
図16】非有利区間の平均遊技回数を説明するための図である。
図17】出玉状態が移行する契機の具体例を説明するための図である。
図18】警告画像を説明するための図である。
図19】警告画像が表示される期間の具体例を説明するための図である。
図20】メインCPUの遊技制御処理のフローチャートである。
図21】メインCPUの非有利区間中処理のフローチャートである。
図22】メインCPUの有利区間制御処理のフローチャートである。
図23】サブCPUのサブ起動処理のフローチャートである。
図24】サブCPUの各制御モードを説明するための図である。
図25】サブCPUの各演出処理のフローチャートである。
図26】第2実施形態を説明するための図である。
図27】第2実施形態を説明するための他の図である。
図28】第3実施形態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
<遊技機の構造>
図1を用いて、第1実施形態における遊技機1の構造について説明する。図1は、遊技機1の正面図の一例である。遊技者は、遊技媒体(例えばメダルや遊技球)を用いて遊技機1で遊技する。本実施形態においては、遊技媒体としてメダルが用いられる遊技機1(パチスロ機)を例示する。なお、遊技媒体として、電気的に記憶されるポイントが用いられる構成(例えば、特開2020-116297号公報参照)としてもよい。
【0009】
遊技機1は、正面側(遊技者側)に開口を有する箱状のキャビネットと、前面扉3とを含んで構成される。キャビネットには蝶番機構が設けられる。前面扉3は、蝶番機構により、キャビネットの開口を開閉可能に軸支される。
【0010】
図1に示すように、前面扉3の周縁側には、複数(図1の例では14個)の筐体ランプ5が設けられる。各筐体ランプ5は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)などの発光体と、当該発光体を覆う光透過性のレンズとから構成される。筐体ランプ5は、遊技機1における各演出に応じた態様で発光する。
【0011】
図1に示すように、前面扉3には、腰部パネル6が設けられる。腰部パネル6は、遊技機1の名称などが描かれる。また、腰部パネル6の下側には、メダルを貯留する受皿ユニット7が設けられる。受皿ユニット7は、貯留したメダルを遊技者が自由に取り出すことができるように設けられる。
【0012】
前面扉3には、メダルが投入される開口を有するメダル投入部8と、遊技機1の内部からのメダルが排出されるメダル払出口9とが設けられる。メダル投入部8から規定枚数(3枚)のメダルが投入されると、遊技が開始可能になる。規定枚数は、遊技の状態に応じて設定される。メダル払出口9から排出されたメダルは、受皿ユニット7に貯留される。
【0013】
前面扉3の正面の中央側には、パネル10が設けられる。パネル10の中央には、略矩形状の表示窓11が形成される。表示窓11からは、キャビネットの内部の複数のリール12(12L、12C、12R)を視認することができる。
【0014】
各リール12は、略円筒状のドラム部と、ドラム部の外周面に装着された帯状のシート部材とを含んで構成される。リール12のシート部材は、光透過性であり、複数種類の図柄が描かれている。各リール12は、回転可能に設けられ、相互に隣り合うように水平方向に配列される。具体的には、各リール12は、回転軸が同一の直線上に位置するように配列される。ステッピングモーター101(101L、101C、101R)がリール12の各々に設けられ(図示略)、各リール12は、各ステッピングモーター101により回転する。
【0015】
図2は、本実施形態の各リール12に配列された各図柄を示す図である。図2に示すように、複数のリール12の各々の外周は、20個のコマに区分される。図2に示すように、各コマには1個の図柄が描かれている。本実施形態では、図2に示す図柄の配列の下からNコマ目(Nは数値「0」から数値「19」までの整数)を図柄位置「N」と記載する場合がある。図2に示す通り、各リール12には、リプレイ図柄、ベルA図柄、ベルB図柄、チェリーA図柄、チェリーB図柄、セブンA図柄、セブンB図柄、セブンC図柄、BAR図柄およびブランク図柄が配列される。
【0016】
具体的には、リプレイ図柄は、左リール12Lの図柄位置「2」「7」「12」「17」と、中リール12Cの図柄位置「1」「5」「10」「15」と、右リール12Rの図柄位置「4」「9」「14」「19」とに配列される。ベルA図柄は、左リール12Lの図柄位置「4」「9」「14」「19」と、中リール12Cの図柄位置「1」「6」「11」「16」と、右リール12Rの図柄位置「2」「17」とに配列される。ベルB図柄は、左リール12Lの図柄位置「1」「6」「11」と、右リール12Rの図柄位置「7」「12」とに配列される。チェリーA図柄は、中リール12Cの図柄位置「12」と、右リール12Rの図柄位置「5」「15」とに配列される。チェリーB図柄は、左リール12Lの図柄位置「10」と、中リール12Cの図柄位置「14」とに配列される。セブンA図柄は、左リール12Lの図柄位置「0」「15」と、中リール12Cの図柄位置「2」「7」と、右リール12Rの図柄位置「10」とに配列される。セブンB図柄は、左リール12Lの図柄位置「5」と、中リール12Cの図柄位置「17」と、右リール12Rの図柄位置「0」とに配列される。セブンC図柄は、左リール12Lの図柄位置「16」と、中リール12Cの図柄位置「4」と、右リール12Rの図柄位置「11」とに配列される。BAR図柄は、左リール12Lの図柄位置「3」「8」「13」「18」と、中リール12Cの図柄位置「3」「8」「13」「18」と、右リール12Rの図柄位置「3」「8」「13」「18」とに配列される。ブランク図柄は、中リール12Cの図柄位置「9」「19」と、右リール12Rの図柄位置「1」「6」「16」とに配列される。
【0017】
なお、図2では、実際の各図柄の色彩とは異なる色彩で各図柄を示す。また、各リール12の各図柄は、当該リール12が回転中であっても、遊技者が概ね識別可能である。したがって、遊技者は、特定の図柄が表示窓11内を通過するタイミングで、リール12を停止させる操作(いわゆる目押し)をすることができる。各リール12の図柄の配列を示す図柄配置テーブル(図示略)がメインROM302に記憶される。
【0018】
図1に示した前面扉3の表示窓11には、リール12毎に3個の図柄が停止表示される。すなわち、全てのリール12が停止した状態では、表示窓11に合計9個の図柄が停止表示される。本実施形態では、各図柄が表示される領域を「図柄表示領域」という。
【0019】
図3は、図柄表示領域を説明するための図である。図3に示すように、図柄表示領域は、各単位領域U(L、C、R)を含んで構成される。単位領域Uの各々には、1個の図柄が表示される。各単位領域Uは、左リール12Lの各図柄が表示される各単位領域ULと、中リール12Cの各図柄が表示される各単位領域UCと、右リール12Rの各図柄が表示される各単位領域URとを含んで構成される。各単位領域ULは、上段に位置する単位領域UL1と中段に位置する単位領域UL2と下段に位置する単位領域UL3とを含む。また、各単位領域UCは、上段に位置する単位領域UC1と中段に位置する単位領域UC2と下段に位置する単位領域UC3とを含み、各単位領域URは、上段に位置する単位領域UR1と中段に位置する単位領域UR2と下段に位置する単位領域UR3とを含む。
【0020】
規定枚数のメダルがメダル投入部8に投入されると、有効ラインが設定される。有効ラインは、各単位領域Uのうちリール12Lの何れか1個の単位領域Uとリール12Cの何れか1個の単位領域Uとリール12Rの何れか1個の単位領域Uとで構成される領域である。本実施形態の有効ラインは、リール12Lの単位領域UL2とリール12Cの単位領域UC2とリール12Rの単位領域UR2とを結ぶラインである。
【0021】
有効ラインには、遊技の結果としての図柄の組合せが停止表示される。有効ラインに予め定められた図柄の組合せが停止された場合、当該停止した図柄の組合せに応じて遊技者に利益が付与される。例えば、入賞に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示された場合は、遊技者にメダルが付与される。また、再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示された場合は、遊技者に再遊技の権利が付与される。具体的には、再遊技に係る図柄の組合せが今回の遊技で表示された場合、メダルの投入を必要とせず次回の遊技が開始可能になる。有効ラインに停止表示することが可能な図柄の組合せは、後述する内部抽選処理の結果に応じて遊技毎に決定される。
【0022】
本実施形態において、リール12Lの上段の単位領域UL1とリール12Cの上段の単位領域UC1とリール12Rの上段の単位領域UR1とを結んだラインを「上段ライン」という場合がある。同様に、リール12Lの中段の単位領域UL2とリール12Cの中段の単位領域UC2とリール12Rの中段の単位領域UR2とを結んだライン(本実施形態の有効ライン)を「中段ライン」という場合がある。また、リール12Lの下段の単位領域UL3とリール12Cの下段の単位領域UC3とリール12Rの下段の単位領域UR3とを結んだラインを「下段ライン」という場合がある。また、リール12Lの下段の単位領域UL3と、リール12Cの中段の単位領域UC2と、リール12Rの上段の単位領域UR1とを結んだラインを「右上りライン」という場合がある。同様に、リール12Lの上段の単位領域UL1と、リール12Cの中段の単位領域UC2と、リール12Rの下段の単位領域UR3とを結んだラインを「右下りライン」という場合がある。
【0023】
また、各リール12には、当該リール12のシート部材を内側から照らす各バックライトが設けられる(図示略)。具体的には、リール12の各々には、当該リール12の上段ラインの単位領域Uを照らすバックライトと中段ラインの単位領域Uを照らすバックライトと下段ラインの単位領域Uを照らすバックライトとが設けられる。
【0024】
図1に示すように、パネル10には、投入可能表示ランプ13、BETランプ14(14a、14b、14c)、スタートランプ15、指示表示器16、貯留枚数表示器17、再遊技表示ランプ18、ウェイトランプ19と打ち止ランプ20とを含む複数の表示器(以下「表示器ML」という)が設けられる。表示器MLの各ランプは、後述のメインCPU301により制御される。
【0025】
投入可能表示ランプ13は、メダル投入部8からのメダルを受付ることが可能な状態であるか否かを報知する。BETランプ14は、賭けメダルの枚数を表示する。また、BETランプ14は、1枚ランプ14aと2枚ランプ14bと3枚ランプ14cとを含んでいる。1枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14aが点灯し、2枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14aおよび2枚ランプ14bが点灯し、3枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14a、2枚ランプ14bおよび3枚ランプ14cが点灯する。スタートランプ15は遊技の開始操作(後述のスタートレバー24の操作)を受け付けることが可能であるか否かを報知する。
【0026】
指示表示器16は、メインCPU301により制御され、停止ボタン25の操作態様(押順)を指示する指示情報を表示する。詳細には後述するが、メインCPU301は、指示期間の各遊技において、指示情報を指示表示器16に表示させる。また、指示表示器16は、当選役に係る図柄組合せが有効ラインに表示された場合、遊技者に付与されるメダルの枚数を表示する。例えば、図柄組合せ「ベル-ベル-ベル」が有効ラインに停止表示された場合、12枚のメダルが遊技者に付与され、指示表示器16は数字「12」を表示する。
【0027】
遊技者に付与されたメダルの枚数は、遊技機1(後述のメインRAM303)において電気的に記憶(貯留)することができる。本実施形態では、貯留されているメダルの枚数を「クレジット数」という。クレジット数は、遊技の結果メダルが付与された場合に加算される。また、クレジット数は、規定枚数の賭けメダルが投入された状態において、さらにメダル投入部8からメダルが投入された場合に加算される。貯留枚数表示器17は、クレジット数を表示する。具体的には、貯留枚数表示器17は、数値「0」からクレジット数の上限値である数値「50」までを、記憶されているクレジット数に応じて可変に表示する。
【0028】
再遊技表示ランプ18は、再遊技中である旨を報知する。具体的には、今回の遊技で再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示されてから次回の遊技が終了するまで再遊技表示ランプ18は点灯する。再遊技表示ランプ18が点灯することで、メダルを使用することなく次回の遊技の開始操作が可能であることが遊技者に報知される。ウェイトランプ19は、遊技の開始操作(後述のスタートレバー24の操作)がされてから各リール12の回転が開始されるまでのウェイト期間に点灯する。ウェイト期間は、1回の遊技に要する平均の時間長を所定値(約4.1秒)以上にするために設けられる。打ち止ランプ20は、遊技が不可能な打ち止め状態である旨を報知する。
【0029】
図1に示すように、前面扉3には、1BETボタン21、MAX-BETボタン22、精算ボタン23、スタートレバー24、複数の停止ボタン25(25L、25C、25R)、演出ボタン26と方向指定ボタン27とを含む複数の操作部が設けられる。各操作部は、遊技者により操作される。
【0030】
1BETボタン21は、貯留されたメダルを用いて1枚の賭けメダルを設定する場合に操作される。MAX-BETボタン22は、貯留されたメダルを用いて規定枚数の賭けメダルを設定する場合に操作される。精算ボタン23は、クレジット数として記憶されたメダルおよび賭けメダルを精算する場合に操作される。精算ボタン23が操作されると、クレジットと賭けメダルとを合計した枚数のメダルがメダル払出口9から払い出される。本実施形態では、MAX-BETボタン22または1BETボタン21の操作をBET操作という場合がある。
【0031】
スタートレバー24は、遊技を開始する場合に遊技者により操作される。遊技者は、遊技が開始可能な状態において、スタートレバー24に対して開始操作をすることで、遊技の開始を指示することができる。本実施形態のスタートレバー24は、前面扉3に対して略垂直な状態から360度何れの方向にも傾動可能である。また、スタートレバー24の握玉部は、透光性を有する樹脂により形成され、レバー演出用ランプ42を内蔵する。レバー演出用ランプ42は、所定の演出において点灯する。
【0032】
停止ボタン25は、リール12を停止する場合に遊技者により操作される。また、停止ボタン25は、停止ボタン25Lと停止ボタン25Cと停止ボタン25Rとを含んでいる。停止ボタン25Lはリール12Lに対応し、停止ボタン25Cはリール12Cに対応し、停止ボタン25Rはリール12Rに対応する。リール12が回転している期間において、当該リール12に対応する停止ボタン25が操作(以下「停止操作」という)されると、当該リール12は停止(通常停止、疑似停止)する。
【0033】
以下、本実施形態においては、各遊技における最初の停止操作を第1停止操作という。同様に、2番目の停止操作を第2停止操作、3番目の停止操作を第3停止操作という。また、左停止ボタン25Lを最初に停止操作することを「左第1停止操作」と記載し、中停止ボタン25Cを最初に停止操作することを「中第1停止操作」と記載し、右停止ボタン25Rを最初に停止操作することを「右第1停止操作」と記載する場合がある。
【0034】
また、遊技機1(後述のメインCPU301)が第1停止操作に基づいてリール12を停止させる制御を第1停止制御という。同様に、第2停止操作に基づくリール12の停止制御を第2停止制御、第3停止操作に基づくリール12の停止制御を第3停止制御という。また、停止操作がされた時点において表示窓11の中段ラインに位置するリール12の図柄位置を停止操作位置という。各リール12の回転中に中段ラインに位置する図柄位置は、図柄カウンタに記憶され、停止操作の時点の図柄カウンタの図柄位置が停止操作位置として取得される。図柄カウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。
【0035】
全てのリール12が停止すると、遊技の結果としての図柄の組合せが有効ラインに表示され、当該遊技が終了する。遊技が開始されると、各リール12は一定の回転速度まで加速する。各リール12が一定の回転速度の期間(リール12が定常回転している期間)において、遊技の結果を有効ラインに停止表示させるための停止操作が可能になる。一方で、各リール12が回転を開始してから定常回転するまでの加速期間では、リール12が回転中であっても、遊技の結果を表示させるための停止操作は受付られない。
【0036】
本実施形態の停止ボタン25は、複数種類の表示態様に制御可能である。具体的には、各停止ボタン25の内部には、赤色、青色および緑色に発光可能な発光体(例えばLED)がそれぞれ設けられる。停止ボタン25の発光体が赤色に発光する期間では、当該停止ボタン25が赤色に発光して見える。同様に、停止ボタン25の発光体が青色に発光する期間では、当該停止ボタン25が青色に発光して見え、停止ボタン25の発光体が緑色に発光する期間では、当該停止ボタン25が緑色に発光して見える。停止ボタン25が緑色に発光するのは、後述の各設定値のうち特定の設定値(設定値「1」)が設定された場合である。以上の構成によれば、特定の設定値が設定されている旨が停止ボタン25の態様により把握できる。なお、停止ボタン25の態様は以上の例に限定されない。
【0037】
演出ボタン26は、演出に関する指示をする場合に遊技者により操作される。例えば、遊技者は、演出ボタン26を操作することで特定の演出の実行を指示することができる。すなわち、当該特定の演出は、演出ボタン26の操作を契機(トリガ)に実行される。なお、MAX-BETボタン22に演出ボタン26の機能を兼備させることも可能である。以上の構成によれば、演出ボタン26が省略され、部品点数を削減することができる。
【0038】
また、今回の遊技が終了してから、次回の遊技を開始するための賭メダルが投入されるまでの期間(以下「非遊技期間」という)において、演出ボタン26が操作された場合、メニュー画像が液晶表示装置30に表示される。
【0039】
演出ボタン26の操作は、演出ボタンスイッチ26SWで検知される。例えば、演出ボタン26が押されていない場合、演出ボタンスイッチ26SWはOFF信号を出力する。一方、演出ボタン26が押されている場合、演出ボタンスイッチ26SWはON信号を出力する。非遊技期間において、演出ボタンスイッチ26SWがOFF状態からON状態に変化した場合、メニュー画像が液晶表示装置30に表示される。
【0040】
方向指定ボタン27は、例えば、液晶表示装置30にメニュー画像が表示されている場合に、遊技者により操作される。方向指定ボタン27は、上ボタン、下ボタン、右ボタンおよび左ボタンを含んで構成される。例えば、方向指定ボタン27の操作により、メニュー画像に表示された選択肢を指定するカーソルを移動させることができる。具体的には、上ボタンが操作されると、メニュー画像内のカーソルが上方向に移動する。同様に、下ボタンが操作されると下方向にカーソルが移動し、右ボタンが操作されると右方向にカーソルが移動し、左ボタンが操作されると左方向にカーソルが移動する。
【0041】
非遊技期間において、方向指定ボタン27が操作されると、遊技機1のマスタ音量が変更される。また、非遊技期間において、方向指定ボタン27が適宜に操作されると、遊技機1の演出制御モードが変更できる。本実施形態の演出制御モードは、エンジョイモード、通常モード、シンプルモードの3種類が設けられる。以上の各演出制御モードでは、演出の実行頻度が相違する。具体的には、エンジョイモードは、演出制御モードの中で最も演出が実行され易い。また、シンプルモードは、演出制御モードの中で最も演出が実行され難い。
【0042】
図1に示すように、前面扉3のパネル10には、上述した表示器ML(スタートランプ15等)に加え、複数の演出用ランプ28(28a~28e)と複数の停止操作順序表示ランプ29(29L、29C、29R)とが設けられる。表示器MLの各ランプは、メインCPU301により制御されるのに対し、各演出用ランプ28と各停止操作順序表示ランプ29とは、後述のサブCPU412により制御される。複数の演出用ランプ28のうち演出用ランプ28aおよび演出用ランプ28bは、正面視で表示窓11の左側に設けられ、演出用ランプ28cから演出用ランプ28eは、正面視で表示窓11の右側に設けられる。各演出用ランプ28は、現在の遊技の状態等を報知する。
【0043】
各停止操作順序表示ランプ29は、パネル10のうち表示窓11より下側の領域に設けられ、各停止ボタン25の操作の順序を報知する。図1に示すように、前面扉3の表示窓11の上側には、各種の画像を表示する液晶表示装置30が設けられる。液晶表示装置30は、遊技機1で実行される演出に応じて動画像および静止画像を表示する。具体的には、液晶表示装置30は、後述の内部抽選処理の結果に係る情報、出玉状態を示唆する情報などを報知する。
【0044】
また、液晶表示装置30を含む各演出実行手段は、複数種類の演出モードに制御される。各演出実行手段は、演出モードに応じた演出を実行可能である。例えば、液晶表示装置30は、演出モードに応じた各種の画像(背景画像など)を表示する。また、スピーカ31は、演出モードに応じた楽曲を再生する。サブCPU412は、演出モードに応じた演出の実行を決定する。
【0045】
図1に示すように、前面扉3の上端側には、上部ランプ35(L、R)が設けられる。上部ランプ35は、例えば、各色彩(青色、黄色、緑色、赤色等)に発光可能な発光ダイオードと、当該発光ダイオードを覆うレンズとを含んで構成される。上部ランプ35は、例えば、当選役が有効ラインに停止表示された場合、当該当選役に応じた態様(色彩)で発光する。また、上部ランプ35は、各演出において、当該演出に応じた態様で発光する。
【0046】
図1に示すように、前面扉3には、スピーカ31(31L、31R)とスピーカ32(32L、32R)とが設けられる。スピーカ31は、前面扉3の下端側に設けられ、遊技者側から見て左側に取り付けられるスピーカ31Lと右側に取り付けられるスピーカ31Rとを含む。また、スピーカ32は、前面扉3の上端側に設けられ、遊技者側から見て左側に取り付けられるスピーカ32Lと右側に取り付けられるスピーカ32Rとを含んでいる。スピーカ31とスピーカ32とは、演出に応じた音響(楽曲、音声および効果音)を出力する。例えば、スピーカ31とスピーカ32とは、上述した液晶表示装置30、演出用ランプ28、筐体ランプ5、停止操作順序表示ランプ29またはレバー演出用ランプ42で実行される演出に関連した音響を出力する。スピーカ31とスピーカ32とは、前面扉3の裏面に取り付けられ、前面扉3の表面には、スピーカ31とスピーカ32との各々に対応する位置に、複数の放音孔が形成される。
【0047】
図1に示すように、前面扉3には、返却ボタン33が設けられる。返却ボタン33は、遊技機1の内部のメダル流路におけるメダル詰まりを解消するために操作される。返却ボタン33を操作することで、メダル流路に詰まったメダルがメダル払出口9から排出される。
【0048】
前面扉3には、鍵穴が形成された施錠装置4が設けられる。キャビネットの係止片(図示略)に前面扉3の施錠装置4が係合することで、前面扉3が施錠される。図1に示すように、施錠装置4の鍵穴は、前面扉3の前面に位置し、前面扉3を解錠するための鍵(図示略)が挿入可能である。後述するように、キャビネットの内部には各種の操作部(例えば設定変更ボタン37)が設けられる。キャビネットの内部の各操作部は、前面扉3を解錠する鍵の管理者(例えば遊技機1が設置される遊技場の店員)によって操作される。
【0049】
キャビネットの内部には、メイン制御基板300が設けられる。具体的には、メイン制御基板300は、透明の基板ケースに収められ、キャビネットの背面板に取り付けられる。メイン制御基板300には、後述のメインCPU301を含む各種の電子部品が実装される。また、メイン制御基板300は、後述のリール基板100、中継基板200、サブ制御基板400および電源基板500を含む各種の基板とコネクタ(図示略)を介して電気的に接続される。なお、上述した各種の基板は、単一の基板で構成してもよいし、複数の基板で構成してもよい。
【0050】
キャビネットの内部には、設定表示部36および設定変更ボタン37が設けられる。設定表示部36は、遊技機1の設定値を表示する。設定値とは、遊技機1の出玉率に関する数値であり、各遊技において設定値に応じた確率で各種の抽選が実行される。例えば、設定値は「1」から「6」までが設けられ、設定値「6」が最も出玉率が高くなる。本実施形態においては、設定変更用の鍵穴に設定変更キーを挿入して回転した場合に、設定表示部36は、設定値を表示する。
【0051】
設定変更ボタン37は、設定表示部36の数値を変更する場合に操作される。設定表示部36は、設定変更ボタン37が操作される毎に、数値を1ずつ加算して表示する。設定表示部36に設定値が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、当該操作の時点で設定表示部36に表示されている数値が設定値として記憶される。
【0052】
ただし、本実施形態では、数字「0」「1」「2」「4」「5」「6」が設定表示部36に表示される。具体的には、設定変更キーを回転した状態で、電源が投入されると、設定値変更処理が開始され設定変更モードへ移行する。設定変更モードにおいて、設定表示部36に数字「0」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「1」が設定される。また、設定表示部36に数字「1」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「2」が設定される。さらに、設定表示部36に数字「2」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「3」が設定される。
【0053】
同様に、設定表示部36に数字「4」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「4」が設定され、設定表示部36に数字「5」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「5」が設定され、設定表示部36に数字「6」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「6」が設定される。設定値が設定されると、設定変更モードが終了し、遊技状態(遊技状態フラグ)および出玉状態(出玉状態フラグ)を含む全ての情報が初期化され、遊技が実行可能になる。なお、設定キーを使用しないで電源が投入された場合、設定値変更処理は実行されない。以上の場合、電源が遮断された際の遊技状態フラグおよび出玉状態フラグを含む各種の情報は、電源投入後においても保持される。
【0054】
前面扉3の裏面には、サブ制御基板400が設けられる。サブ制御基板400は、演出制御基板410、画像制御基板420およびサウンド基板430を含む各種の基板を含んで構成される。
【0055】
キャビネットの内部には、電源装置510が設けられる。電源装置510は、AC-DCコンバータおよびDC-DCコンバータ(何れも図示略)を具備し、遊技機1の外部から供給される交流電圧から直流電圧を生成し、生成した直流電圧から複数種類の直流電圧を生成する。例えば、電源装置510は、モータやソレノイドの駆動に用いられる32Vの直流電圧と、液晶表示装置30に供給される12Vの直流電圧と、電子回路基板(例えばメイン制御基板300)に供給される5Vの直流電圧とを生成する。
【0056】
電源装置510には、電源ボタン511およびリセットボタン512が設けられる。電源ボタン511をON状態に操作した場合、遊技機1に電源が供給され、電源ボタン511をOFF状態に操作した場合、電源が遮断される。リセットボタン512は、出玉状態などをリセットする場合に操作される。具体的には、リセットボタンを操作した場合、後述のメインRAM303の所定の記憶領域が初期値にリセットされる。
【0057】
メイン制御基板300には各種の電子部品が設けられる。具体的には、メインCPU301、メインROM302、メインRAM303、抵抗、コンデンサ、コネクタ、設定表示部36およびメイン表示器40を含む各種の電子部品がメイン制御基板300に実装される。コネクタは、メイン制御基板300と他の制御装置とを電気的に接続するために用いられる。
【0058】
<遊技機の回路>
遊技機1の構造の説明は以上である。以下において、図4を用いて遊技機1が備える各回路の機能について説明する。遊技機1は、図4に示すように、リール基板100、中継基板200、メイン制御基板300、サブ制御基板400および電源基板500を具備する。
【0059】
<メイン制御基板>
メイン制御基板300は、図4に示すように、メインCPU301とメインROM302とメインRAM303と乱数発生器304とI/F(インターフェース)回路305とを含んで構成される。なお、メインCPU301とメインROM302とメインRAM303とを、別体の電子機器として具備してもよいし、各要素が一体的に構成されたワンチップ型のマイクロコンピュータとして具備してもよい。
【0060】
メインROM302は、メインCPU301により実行される制御プログラムおよび各種のデータ(例えば当選エリア抽選テーブル)を不揮発的に記憶する。メインRAM303は、メインCPU301が実行する各処理で用いられる各種のデータを記憶する。
【0061】
メインCPU301は、メインROM302に記憶される制御プログラムを読み込み、遊技の進行に合わせて所定の処理を行うことにより、サブ制御基板400と各リール12とメダルを払出すホッパー520と表示器MLとを含む各種の機器を制御する。
【0062】
乱数発生器304は、後述する内部抽選処理において用いられる乱数値R1を生成する。本実施形態の乱数発生器304は、カウンタ回路とサンプリング回路とパルス発生回路(何れも図示略)とを具備し、ハードウェア乱数を生成する。具体的には、パルス発生回路は所定の周期でカウンタ回路に信号を出力する。カウンタ回路の数値は、パルス発生回路から信号が入力される毎に「1」だけインクリメントされる。サンプリング回路は、遊技者が遊技の開始操作をした場合に、カウンタ回路の数値を乱数値R1として記憶する。乱数値R1は、数値「0」~「65535」の範囲で生成される。なお、ソフトウェア乱数を乱数値R1として採用してもよい。
【0063】
本実施形態においては、乱数値R1に加え乱数値R2が生成される。乱数値R2は、メインCPU301に内蔵されるレジスタから取得されるソフトウェア乱数であり、数値「0」~「255」の範囲で生成される。後述するように、乱数値R2は、回胴演出決定処理で用いられる。以上の回胴演出決定処理では、回胴演出(疑似遊技)の種類が抽選により決定される。回胴演出では、通常の遊技とは相違する態様で各リール12が制御される。また、メインCPU301は、乱数値R3を生成する。乱数値R3は、数値「0」~「255」の範囲で生成される。乱数値R3は、後述する初期状態決定処理する抽選などで用いられる。
【0064】
I/F回路305は、各種の操作部(例えばスタートレバー24)の各スイッチSW(例えばスタートスイッチ24SW)からの信号および各センサSE(例えばメダルセンサ34SE)からの信号をメインCPU301に入力する。各スイッチSWおよび各センサSEからの信号は、ハイレベルまたはローレベルの信号である。なお、本実施形態においては、説明のため、第1のレベル(ハイレベルまたはローレベル)の信号をON信号と表記し、第2のレベル(ローレベルまたはハイレベル)の信号をOFF信号と表記する。ON信号である第1のレベルがハイレベルであるかローレベルであるかは、スイッチSWまたはセンサSEの種別に応じて設定される。また、スイッチSWからON信号(OFF信号)が出力されていることを「スイッチSWがON状態(OFF状態)である」と記載する場合がある。
【0065】
I/F回路305は、表示器ML、ホッパー520および各リール12を駆動させる各種の信号をメイン制御基板300の外部に出力する。また、I/F回路305は、サブ制御基板400に各種のコマンドを出力する。なお、不正なコマンドがメイン制御基板に入力されることを防止するため、サブ制御基板400からのコマンドは、メイン制御基板300で受信されない。
【0066】
リール基板100には、メイン制御基板300からの信号が入力される。リール基板100は、メイン制御基板300からの信号に応じて、駆動パルスを各リール12に出力する。リール基板100からの駆動パルスに応じて、各リール12の各ステッピングモーター101が駆動される。
【0067】
ステッピングモーター101は、複数個(4つ)のコイルを具備する。各コイルのうち励磁されるコイルの組合せは、リール基板100から駆動パルスが入力される毎に順次に切り替わり、励磁されるコイルの組合せが順次に切り替わることにより、各リール12が回転する。具体的には、ステッピングモーター101の励磁されるコイルの組合せが1回切り替えられると、リール12が所定の角度だけ回転する。例えば、パルスが24回付与された場合に、リール12は1コマ(単位領域U)分の角度だけ回転し、パルスが504回付与された場合に、リール12は1回転する。以上の構成では、駆動パルスが付与される時間間隔が短いほどリール12の回転速度は速くなる。
【0068】
メイン制御基板300には、複数のリールセンサ111(111L、111C、111R)からのON/OFF信号がリール基板100を介して入力される。各リールセンサ111のうちリールセンサ111Lはリール12Lに対応し、リールセンサ111Cはリール12Cに対応し、リールセンサ111Rはリール12Rに対応する。各リールセンサ111は、対応するリール12の回転角度が基準位置である場合にON信号を出力する。他方で、各リール12の回転角度が基準位置以外である場合、各リールセンサ111は、OFF信号を出力する。メイン制御基板300のメインCPU301は、各リールセンサ111からの信号と各ステッピングモーター101へ駆動パルスが出力された回数とから、各リール12の回転角度を判別することができる。
【0069】
中継基板200は、メイン制御基板300から表示器MLへの信号を中継する。メイン制御基板300から出力された信号に応じて、表示器MLが駆動される。また、中継基板200は、各操作部(スタートレバー24など)の操作を検出する各センサ(後述のスタートスイッチ24SWなど)からメイン制御基板300に入力されるON/OFF信号を中継する。具体的には、中継基板200は、図4に示すように、1BETスイッチ21SW、MAX-BETスイッチ22SW、精算スイッチ23SW、スタートスイッチ24SW、停止スイッチ25SWおよびメダルセンサ34SEからのON/OFF信号を中継する。また、図4に示すように、電源基板500は、リセットスイッチ512SEおよび払出センサ112SEを含む各種のセンサまたはスイッチのON/OFF信号を中継する。
【0070】
1BETスイッチ21SWは、遊技者による1BETボタン21の操作を検出する。また、1BETスイッチ21SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、1BETスイッチ21SWからのON信号が入力された場合、1枚のメダルを賭けメダルに加算する。
【0071】
MAX-BETスイッチ22SWは、遊技者によるMAX-BETボタン22の操作を検出する。また、MAX-BETスイッチ22SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、MAX-BETスイッチ22SWからのON信号が入力された場合に、規定枚数のメダルを賭けメダルとして設定する。
【0072】
精算スイッチ23SWは、遊技者による精算ボタン23の操作を検出する。精算スイッチ23SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。
【0073】
精算スイッチ23SWからのON信号が入力された場合、または、入賞にかかる図柄の組合せが有効ラインに表示された場合、メインCPU301は、ホッパー520に対してホッパー駆動信号を出力する。ホッパー駆動信号は、メイン制御基板300から電源基板500を介してホッパー520に入力される。ホッパー520は、ホッパー駆動信号が入力されると、メダルの払出しを行う。
【0074】
払出センサ112SEは、ホッパー520から1枚のメダルが払い出される毎に、払出信号をメイン制御基板300に出力する。具体的には、ホッパー520の排出スリット521bを通過するメダルが検知される位置に、払出センサ112SEが設けられる。払出センサ112SEは、メダルを検知した場合、払出信号を出力する。払出信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、払出信号が入力された回数を計数することで、払い出されたメダルの枚数を判別することができる。
【0075】
電源スイッチ511SWは、電源ボタン511の操作によりON状態またはOFF状態に切り替えられる。電源スイッチ511SWがON状態では、電源装置510から遊技機1に電源が供給され、電源スイッチ511SWがOFF状態では、電源装置510から遊技機1への電源が遮断される。電源装置510は、電源が供給されると直流電圧を生成する。電源装置510で生成された直流電圧は、電源基板500を介してホッパー520を含む各種の装置に供給される。
【0076】
リセットスイッチ512SWは、電源装置510に設けられ、リセットボタン512が操作されるとメイン制御基板300にリセット信号を出力する。リセット信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、リセット信号を受信すると、メインRAM303の所定の記憶領域を初期化し、例えばエラー状態を解除する。なお、複数個のリセットスイッチ512SW(リセットボタン512)を設ける構成としてもよい。例えば、電源装置510に設けられたリセットスイッチ512SWに加え、施錠装置4にリセットスイッチを設けてもよい。以上の構成において、例えば、施錠装置4の鍵穴に鍵を挿入し、右に鍵を回転させた場合に前面扉3が解錠され、左に鍵を回転させた場合にリセットスイッチからリセット信号が出力される構成が好適に採用される。
【0077】
図4に示す設定変更スイッチ37SWは、設定変更ボタン37の操作を検出する。設定変更スイッチ37SWからのON信号は、メイン制御基板300に入力される。設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力されると、メインCPU301は、設定表示部36の表示を更新する。また、設定表示部36に設定値が表示されない期間において、設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力された場合、メインCPU301は、指示込役物比率(後述)を貯留枚数表示器16に表示させる。メダルセンサ34SEは、メダル投入部8から投入されたメダルを検出する。
【0078】
メイン制御基板300には、複数の停止スイッチ25SW(25SWL、25SWC、25SWR)からのON/OFF信号が中継基板200を介して入力される。各停止スイッチ25SWのうち停止スイッチ25SWLは停止ボタン25Lに対応し、停止スイッチ25SWCは停止ボタン25Cに対応し、停止スイッチ25SWRは停止ボタン25Rに対応する。メインCPU301は、ON信号が入力された停止スイッチ25SWに対応するリール12の停止制御をする。具体的には、停止スイッチ25SWLからON信号が入力された場合は、リール12Lの停止制御をする。同様に、メインCPU301は、停止スイッチ25SWCからON信号が入力された場合は、リール12Cの停止制御をし、停止スイッチ25SWRからON信号が入力された場合は、リール12Rの停止制御をする。
【0079】
スタートスイッチ24SWは、遊技者によるスタートレバー24の操作を検出する。スタートスイッチ24SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、スタートスイッチ24SWからのON信号が入力された場合に、例えば、各ステッピングモーター101を制御して各リール12を回転させる。また、設定変更スイッチ37SWからのON信号がメイン制御基板300に入力される。
【0080】
本実施形態のスタートスイッチ24SWは、スタートレバー24が操作された方向を検出可能に形成される。具体的には、スタートスイッチ24SWは、遊技者側から見てスタートレバー24を押上げる押上操作、押下げる押下操作、右側に倒す右側操作、左側に倒す左側操作の何れかを個別に検出可能である。例えば、スタートスイッチ24SWを、スタートレバー24が押上操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWUと、押下操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWDと、右側操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWRと、左側操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWLとを含む複数のセンサで構成する。以上の構成によれば、例えば、スタートレバー24が押下操作された場合と押上操作された場合とで、実行される演出を異ならせることができる。
【0081】
メインCPU301は、遊技の進行に応じて各種の遊技情報(連役比率、役物比率、直近連役比率、直近役物比率、指示込役物比率、ボーナス遊技比率)を算出し、当該遊技情報に応じた表示情報をメイン表示器40に表示させる。表示情報は、各遊技情報に対応する各識別情報と、当該遊技情報の大きさを示す割合情報とを含む。
【0082】
メイン表示器40は、第1表示部40Xと第2表示部40Yとを含んで構成される。第1表示部40Xは、上述した識別情報を表示する。また、第2表示部40Yは、上述した割合情報を表示する。第1表示部40Xは2個の7セグメントディスプレイで構成され、第2表示部40Yは2個の7セグメントディスプレイで構成される。メイン表示器40は、遊技機1の電源が投入された場合、表示情報の表示を開始し、その後、電源が遮断されるまで継続する。詳細には後述するが、各種の遊技情報に対応する複数の表示情報をメイン表示器40は表示する。各表示情報は、予め定められた時間間隔(約5秒)で切換えて表示される。
【0083】
<サブ制御基板>
サブ制御基板400は、液晶表示装置30、スピーカ(31、32)および各ランプ(例えば演出用ランプ28)を制御する。図4に示すように、サブ制御基板400は、演出制御基板410と画像制御基板420とサウンド基板430とを含む複数の基板で構成される。また、サブ制御基板400には、演出ボタンスイッチ26SWと方向指定スイッチ27SWとを含む各種のセンサと、筐体ランプ5と演出用ランプ28と停止操作順序表示ランプ29とレバー演出用ランプ42と上部ランプ35とを含む各種のランプが電気的に接続される。
【0084】
また、図4に示すように、サブ制御基板400には、音量調整スイッチ44が電気的に接続される。音量調整スイッチ44は、遊技機1のマスタ音量を調整するのに用いる。音量調整スイッチ44としては、例えば、ディップスイッチが好適に採用される。上述したように、マスタ音量は、方向指定ボタン27の操作によっても調整することができる。すなわち、マスタ音量は、方向指定ボタン27および音量調整スイッチ44の何れかを操作することにより調整される。
【0085】
本実施形態においては、方向指定ボタン27を操作した場合と音量調整スイッチ44を操作した場合とで調整可能なマスタ音量が相違する。具体的には、方向指定ボタン27を操作した場合、数値「1」から数値「5」(5段階)の何れかにマスタ音量を調整することができる。一方で、音量調整スイッチ44を操作した場合、数値「1」、数値「3」および数値「5」(3段階)の何れかにマスタ音量を調整することができる。なお、方向指定ボタン27を操作した場合と音量調整スイッチ44を操作した場合とで調整可能なマスタ音量を同じにしてもよい。
【0086】
演出制御基板410は、図4に示すように、I/F回路411とサブCPU412とサブROM413とサブRAM414とを含んで構成される。演出制御基板410(サブCPU412)は、筐体ランプ5と演出用ランプ28と停止操作順序表示ランプ29とレバー演出用ランプ42とを含む各種のランプとサウンド基板430とを制御する。また、演出制御基板410は、画像制御基板420に対して、液晶表示装置30に各画像を表示させるコマンドを与える。
【0087】
サブROM413は、サブCPU412により実行される制御プログラムと各種のデータとを記憶する。例えば、演出の種類を決定するための演出抽選テーブルや各種のランプの点滅パターンを示すランプデータがサブROM413に記憶される。
【0088】
サブRAM414は、各種のデータを揮発的に格納するワーク領域として機能する。I/F回路411は、メイン制御基板300(I/F回路305)からのコマンドを受信する。ただし、サブ制御基板400からコマンドはメイン制御基板300が受信不可能に構成される。I/F回路411で受信されたコマンドは、サブCPU412に供給される。I/F回路411が受信するコマンドは、例えば、有効ラインに停止した当選役の種別を示す表示当選役コマンドである。
【0089】
サブCPU412は、サブROM413が記憶する制御プログラムを実行し、サブROM413が記憶する各データに基づいて各種のランプ(例えば筐体ランプ5)とサウンド基板430とを制御する。例えば、サブCPU412は、サブROM413から筐体ランプ5の点滅パターンを示すデータを読み出して、筐体ランプ5を点滅させる。また、サブCPU412は、後述する演出制御処理などで用いる乱数値R4を生成する。乱数値R4としては、例えば範囲0~65535の乱数が好適に採用される。なお、サブROM413は、単一の電子部品で構成してもよいし、複数の電子部品(記憶装置)で構成してもよい。
【0090】
画像制御基板420は、演出制御基板410からのコマンドに応じて、液晶表示装置30に各種の画像を表示させる。画像制御基板420は、図4に示すように、画像制御CPU421と画像制御ROM422とVDP(Video Display Processor)423とCGROM424とVRAM425とを含んで構成される。
【0091】
画像制御CPU421は、画像制御ROM422が記憶する制御プログラムを実行し、演出制御基板410からのコマンドに応じた指示をVDP423に与える。CGROM424は、圧縮符号化された画像データ(例えばテクスチャデータ)を記憶する。VDP423は、画像デコーダと描画回路とを含んで構成される(何れも図示略)。画像制御CPU421からの指示がVDP423に入力されると、画像デコーダは、当該指示に応じてCGROM424から画像データを読み出す。画像デコーダは、読み出した画像データを伸長(デコード)し、RAM425に格納する。描画回路は、RAM425に格納された画像データに応じて、各種の画像を液晶表示装置30に表示させる。また、RAM425は、画像制御CPU421の各処理で生成された各種のデータを記憶する。RAM425には、音源IC431に送信する音制御コマンドを記憶するコマンド格納領域が設けられる。
【0092】
サウンド基板430は、画像制御CPU421に制御されて、音響信号を生成する。サウンド基板430で生成された音響信号は、スピーカ31およびスピーカ32に供給され、音波として出力される。図4に示すように、サウンド基板430は、音源IC431と音源ROM432とを含んで構成される。画像制御CPU421は、サブCPU412からのコマンドに応じてサウンド基板430(音源IC431)を制御する。
【0093】
音源ROM432は、複数の音響データを圧縮して記憶する。各音響データは、例えば、特定の出玉状態の楽曲、遊技者が停止ボタン25を操作する毎に出力される音声、エラー状態に出力されるエラー音を含む各音響の各々を示すデータである。
【0094】
音源IC431は、音源ROM432の音響データから音響信号を生成する。また、音源IC431は、デコーダと制御レジスタとA/D変換器(何れも図示略)とを含んで構成される。音源IC431のデコーダは、サブCPU412からの指示に応じて音源ROM432から音響データを読出す。また、音源IC431のデコーダは、読出した音響データの音量を調整した後に、当該音響データを制御レジスタに格納する。制御レジスタには複数の音響データが格納され、制御レジスタに格納された各音響データは、格納された順序でA/D変換器に供給される。A/D変換器は、音響データから音響信号を生成してアンプ433に供給する。アンプ433は、音源IC431(A/D変換器)から供給された音響信号を増幅してスピーカ31およびスピーカ32に供給する。なお、音源IC431を制御するCPUを、サブCPU412および画像制御CPU421とは別に設ける構成としてもよい。
【0095】
<メインCPUが用いる各データ>
遊技機1の各回路の説明は以上の通りである。以下、図面を用いて、メインROM302に記憶される各種のデータを説明する。
【0096】
図5は、当選エリア抽選テーブルの概念図である。メインCPU301は、後述する内部抽選処理において、当選エリア抽選テーブルと乱数値R1とを用いて、当選エリアを決定する。図5に示すように、各当選エリア抽選テーブルは、複数の当選エリアと各当選エリアに対応する各抽選値とを含んで構成される。図5には、各当選エリアの名称が示される。当選エリア抽選テーブルは、設定値毎にメインROM302に記憶される。
【0097】
図5には、設定値「1」の場合に参照される当選エリア抽選テーブルが例示される。詳細には後述するが、各設定値のうち設定値「0」が設定された場合の遊技性は、他の設定値が設定された場合の遊技性と大きく異なる。具体的には、設定値「0」が設定された場合、他の設定値が設定された場合と比較して、ギャンブル性が著しく低下する。以上の事情から、遊技者によっては面白味に欠けると感じる場合があるため、遊技機1の管理者によっては、設定値「0」を原則設定しない場合がある。
【0098】
当選エリア抽選テーブルの各当選エリアは、図6に示す当選役決定テーブルで規定される各当選役を指定する。例えば、当選エリア番号「01」の「リプレイ1」が内部抽選処理で決定された場合を想定する。当選エリア番号「01」は、図6に示すように、当選役「REP1」および当選役「REP2」を指定する。すなわち、当選エリア「リプレイ1」が当選した遊技において、複数種類の当選役が重複して指定される。当選エリアで指定された当選役の図柄の組合せは、有効ラインへの停止が許可される。
【0099】
当選エリア抽選テーブルの各抽選値は、内部抽選処理において乱数値R1に減算される。具体的には、内部抽選処理において、メインCPU301は、乱数値R1から各当選エリアに対応する各抽選値を当選エリアの昇順に減算していく。内部抽選処理において、乱数値R1から抽選値を減算した結果が負数となった当選エリアが決定される。乱数値R1に減算した場合に負数になる確率は、抽選値が大きいほど高くなるため、当選エリアのうち抽選値が大きい当選エリアほど当選する確率が高くなる。
【0100】
図5に示すように、当選エリア抽選テーブルは、遊技状態毎の各抽選値を含んで構成される。各遊技状態は、非内部中状態と内部中状態とボーナス作動状態とを含む。本実施形態では、各遊技状態における規定枚数は共通して3枚である。各遊技状態のうち非内部中状態には、設定値が設定(変更)された場合またはボーナス作動状態が終了した後に移行する。なお、内部中状態において設定値が変更された場合、内部中状態が維持される構成としてもよい。
【0101】
内部中状態は、RBB役の当選状態が持越されている(以下、単に「RBB役が持越されている」等と記載する)遊技状態である。具体的には、本実施形態では、RBB役を含む各種の当選役が各遊技で決定される。RBB役以外の当選役は、当該当選役の図柄組合せが停止表示されたか否かによらず、次回の遊技に持越されない。一方、RBB役の図柄組合せが今回の遊技で停止表示されない場合、次回以降の遊技にRBB役が持越される。
【0102】
例えば、図6に示す通り、当選エリア「右上りベル」が決定された遊技では、RBB役に加え、当選役「NML1」、当選役「NML2」および当選役「NML8」の図柄組合せが停止表示可能になる。以上の当選エリア「右上りベル」が決定された遊技でRBB役の図柄組合せが停止表示されない場合、RBB役が次遊技以降に持ち越され(内部中状態へ移行し)、他の当選役は次遊技に持越されない。以上の内部中状態は、ボーナス作動状態が開始されるまで維持される。なお、本実施形態の内部中状態には、RBB役が当選した遊技が含まれる。
【0103】
ボーナス作動状態には、RBB役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合に移行する。ボーナス作動状態は、22枚を超えるメダルが払出された場合に終了する。ボーナス作動状態が終了した場合、メインCPU301は、非内部中状態に移行する。ボーナス作動状態の各遊技では、図5に示す通り、当選エリア「全1枚」、当選エリア「全3枚」および当選エリア「全役」の何れかが当選する。
【0104】
当選エリア「全役」が当選した遊技では、払出枚数が12枚の当選役(12枚ベル役)が有効ラインに停止表示される。また、当選エリア「全3枚」が当選した遊技では、払出枚数が3枚の当選役が有効ラインに停止表示される。当選エリア「全1枚」が当選した遊技では、払出枚数が1枚の当選役が有効ラインに停止表示される。以上の各当選役は、ボーナス作動状態において、停止操作順序および停止操作位置によらず有効ラインに停止表示される。
【0105】
なお、本実施形態では、非内部中状態において、当選エリア「単独RBB」が当選した場合(RBB役が単独で当選した場合)にのみ、RBB役を停止表示可能である。また、一旦RBB役が取りこぼされると、その後の内部中状態において、他の当選役が必ず当選するため、RBB役の図柄組合せは停止表示できない。すなわち、本実施形態では、原則、内部中状態で遊技が実行される。
【0106】
図7は、図柄組合せテーブルの概念図である。図柄組合せテーブルは、各当選役が当選した遊技において、有効ラインへの停止が許可される図柄の組合せを規定する。例えば、当選役「RBB役」が当選した遊技においては、「チェリーB-チェリーB-チェリーA」の図柄組合せが有効ラインに停止することが許可される。また、例えば、当選役「REP1」が当選した遊技においては、「BAR-ベルA-セブンA」、「BAR-ベルA-セブンB」、「BAR-ベルA-チェリーA」の図柄組合せが有効ラインに停止可能になる。
【0107】
図柄組合せテーブルは、図7に示すように、各図柄組合せの許可ビット番号と各当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止した場合のメダルの払出枚数とを含んで構成される。図7には、各当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止した場合の払出枚数が示される。例えば、当選役「NML1」の図柄組合せ「ベルA-ベルA-ベルA」が有効ラインに停止表示された場合の払出枚数は「3」枚である。また、RBB役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合の払出枚数は「0枚」である。
【0108】
図7に示すように、当選役「NML1,2」(3枚ベル役)、当選役「NML3~6」(12枚ベル役)、当選役「NML7」(プレミア役)、当選役「NML8」(右上りベル役)、当選役「NML9~43」(1枚役)を含む各当選役の何れかに係る図柄組合せが有効ラインに表示されると、各当選役に応じた払出枚数のメダルが遊技者に付与される。本実施形態においては、有効ラインに表示された場合にメダルが払い出される当選役を「入賞当選役」という。また、入賞当選役の図柄組合せが有効ラインに停止表示されることを単に「入賞」という場合がある。
【0109】
当選役「REP1」(上段リプレイ役)、「REP2」(中段リプレイ役)、「REP3~7」(セブンリプレイ役)、「REP8~11」(フェイクリプレイ役)の何れかが有効ラインに表示されると、次回の遊技が再遊技に設定される。本実施形態においては、有効ラインに表示された場合に次回の遊技が再遊技となる当選役を総称して「リプレイ」という場合がある。複数の当選役が重複して当選した場合、リプレイは、他の当選役より優先して有効ラインに停止表示され、RBB役は、他の当選役より優先順位が低い。ただし、入賞当選役よりボーナス役の優先順位が高い構成としてもよい。
【0110】
図柄組合せテーブルの各許可ビット番号は、メインRAM303の表示許可ビット格納領域の各表示許可ビットを指定する。表示許可ビット格納領域は、複数の表示許可ビットを含んで構成され、各表示許可ビットは、各当選役に対応する。例えば、当選エリア番号「01」の「リプレイ1」が当選して、上段リプレイの図柄組合せが有効ラインに停止許可された場合を想定する。以上の場合では、表示許可ビット格納領域の許可ビット番号「01」で指定される表示許可ビットが「1」に設定され、その他は「0」に設定される。
【0111】
メインRAM303は、後述の表示判定処理において、表示許可ビット格納領域と対比される表示役格納領域を記憶する。表示役格納領域は、複数の表示可能ビットを含んで構成され、各表示可能ビットは、各当選役に対応する(表示許可ビット格納領域と同様)。また、各表示可能ビットは、当該表示可能ビットに対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がある場合に「1」に設定され、対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がない場合に「0」に設定される。例えば、各リール12が回転を開始した時点においては、全ての当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性があるため、全ての表示可能ビットが「1」に設定される。また、表示役格納領域の各表示可能ビットは、各リール12が停止する毎に更新され、全てのリール12が停止した時点において、実際に有効ラインに停止した当選役に係る図柄組合せに対応する表示可能ビットのみが「1」になる。
【0112】
内部抽選処理で当選した当選役は、遊技者の各停止ボタン25の操作態様に応じて、有効ラインに停止する。具体的には、各当選役は、各停止ボタン25の停止操作位置および停止操作順序の組合せ(以下「停止操作態様」と記載する場合がある)に応じて、有効ラインに停止する。例えば、停止操作位置から4コマ(停止操作位置を含めて5コマ)の範囲(以下「引込範囲」という)内に位置する図柄が有効ラインに停止可能であり、引込範囲外に位置する図柄は、当選役を構成する図柄であっても有効ラインに停止されない(いわゆる「取りこぼし」が発生する)。ただし、入賞可能な当選役の図柄が引込範囲に位置する場合、当該図柄を必ず有効ラインに停止させる(当該図柄が複数個引込範囲に位置する場合は何れか1個を有効ラインに停止させる)。
【0113】
また、上述したとおり、一回の遊技において、複数種類の当選役が重複して当選する場合がある。複数種類の当選役が当選した遊技においては、例えば停止操作の順序および停止操作位置に応じた当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する。本実施形態では、今回の遊技で当選している当選役の種類、停止操作順序および停止操作位置の組合せと、停止表示する図柄組合せとが、当選エリア毎に一対一に対応付けられる。
【0114】
以上の通り、入賞する当選役の種類は、停止操作順序に応じて変化する。詳細には後述するが、本実施形態では、メダルの払出枚数が一方的に有利となる停止操作順序が設けられる遊技状態(非内部中状態、内部中状態)へ移行可能である。以下、メダルの払出枚数が一方的に有利となる停止操作順序を「有利押順」と記載し、有利押順以外の停止操作順序を「不利押順」と記載する場合がある。また、停止操作位置がランダムの場合における、特定の停止操作順序で遊技した際のメダルの払出枚数の期待値を、当該停止操作順序での「獲得期待値A」と記載する場合がある。以上の獲得期待値Aは、不利押順で遊技した場合より有利押順で遊技した場合に多くなる。ただし、詳細には後述するが、出玉状態によっては、有利押順で遊技した場合、上述の指示表示器16の指示機能の性能が低下するペナルティ制御が実行される。
【0115】
図8は、各遊技で停止表示される図柄組合せを説明するための図である。図8には、各遊技状態(内部中状態、非内部中状態、ボーナス作動状態)のうち内部中状態において停止表示される図柄組合せが示される。上述した通り、本実施形態では、原則、内部中状態において遊技が進行する。図8には、各当選エリアが当選した遊技において、有効ラインに停止表示可能となる(引込の対象となる)当選役が停止操作順序毎に示される。
【0116】
以下、説明のため、「左第1停止、中第2停止、右第3停止」の停止操作順序を単に「左中右」と記載する場合がある。その他の停止操作順序についても同様である。また、本実施形態では、「左中右」「左右中」「中左右」「中右左」「右左中」「右中左」の6種類の停止操作順序の各々を「順序1」「順序2」「順序3」「順序4」「順序5」「順序6」と記載する場合がある。さらに、以上の停止操作順序のうちの任意の1個を単に「順序m」と記載する場合がある。「m」は数字「1」から数字「6」までの整数である。また、図8に示す通り、「左中右」(順序1)の獲得期待値Aを「獲得期待値A1」と記載する場合がある。同様に、「左右中」(順序2)から「右中左」(順序6)までの各停止操作順序の各獲得期待値Aを「獲得期待値A2」から「獲得期待値A6」と記載する場合がある。
【0117】
ベルA1~A4が当選した遊技では、停止操作順序に応じて、1枚役または3枚ベル役が入賞する。例えば、ベルA1が当選した遊技において、左1stで停止操作されると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。一方、ベルA1が当選した遊技において、変則押順で停止操作されると、停止操作位置によらず3枚ベル役が入賞する。
【0118】
具体的には、ベルA1が当選した遊技では、変則押順のうち中1st(中左右、中右左)で停止操作されても右1st(右左中、右中左)で停止操作されても、3枚ベル役のうち中段ベル役が入賞する。同様に、ベルA2が当選した遊技において、左1stで停止操作されると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。また、ベルA2が当選した遊技において、変則押順で停止操作されると、3枚ベル役のうち中段ベル役が入賞する。
【0119】
以上の説明から理解される通り、ベルA1とベルA2とは別々の当選エリアであるが、入賞可能な入賞当選役(中段ベル、1枚役)および当該入賞当選役が入賞する停止操作順序は共通(変則押順、左1st)である。ただし、後述する通り、ベルA1が当選した遊技とベルA2が当選した遊技とでは、指示される停止操作順序の種類(中左右、中右左)が相違する。
【0120】
ベルA3が当選した遊技において、左1stで停止操作されると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。一方、ベルA3が当選した遊技において、変則押順で停止操作されると、停止操作位置によらず3枚ベル役のうち下段ベルが入賞する。ベルA4が当選した遊技において、左1stで停止操作されると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。一方、ベルA4が当選した遊技において、変則押順で停止操作されると、ベルA3が当選した遊技と同様に、3枚ベル役のうち下段ベルが入賞する。
【0121】
以上の説明から理解される通り、ベルA3とベルA4とは別々の当選エリアであるが、入賞可能な入賞当選役(下段ベル、1枚役)および当該入賞当選役が入賞する停止操作順序は共通(変則押順、左1st)である。ただし、後述する通り、ベルA3が当選した遊技とベルA4が当選した遊技とでは、指示される停止操作順序の種類(右左中、右中左)が相違する。以上の通り、ベルA1~A4が当選した遊技では、左1stで停止操作すると1枚役が入賞し、変則押順で停止操作されると3枚ベル役が入賞する。以下、説明のためベルA1~A4を「ベルグループA」と記載する場合がある。
【0122】
詳細には後述するが、特定の出玉状態(メインAT状態、プレミアAT状態)において、ベルグループAが当選すると、示唆演出(図14(a-2)参照)が実行される。以上の示唆演出では、指示表示器16で停止操作順序が指示されないが、遊技者に有利な停止操作順序(変則押順)が実質的に報知(示唆)される。一方、他の出玉状態(上乗せ特化状態、ストック特化状態、エンディング状態)において、ベルグループAが当選すると、指示演出(図14(a-1)参照)が実行される。以上の指示演出では、指示表示器16で停止操作順序が指示されるとともに、遊技者に有利な停止操作順序(変則押順)が指示(明示)される。以上の示唆演出Yは、非指示期間(通常状態など)においては実行されない。
【0123】
図8に示す通り、ベルB1~ベルB8が当選した遊技では、停止操作順序に応じて、1枚役または12枚ベル役が入賞する。以下、説明のため12枚ベル役が入賞する停止操作順序を「正解押順」と記載する場合がある。また、ベルB1~ベルB8が当選した遊技において、12枚ベル役が入賞しない停止操作順序を「不正解押順」と記載する場合がある。
【0124】
例えば、ベルB1が当選した遊技において、「中左右」で停止操作されると、停止操作位置によらず12枚ベル役が入賞する。すなわち、ベルB1が当選した遊技では、「中左右」が正解押順になる。一方、ベルB1が当選した遊技において、不正解押順のうち「中右左」または左1stで停止操作されると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。また、ベルB1が当選した遊技において、不正解押順のうち右1stで停止操作されると、停止操作位置に応じて1枚役の何れかが入賞するか取りこぼしが発生する。
【0125】
ベルB2が当選した遊技において、「中左右」で停止操作されると、停止操作位置によらず、12枚ベル役が入賞する。すなわち、ベルB2が当選した遊技とベルB1が当選した遊技とでは正解押順が共通になる。一方、ベルB2が当選した遊技において、不正解押順のうち「中右左」または左1stで停止操作されると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。また、ベルB2が当選した遊技において、不正解押順のうち右1stで停止操作されると、停止操作位置に応じて1枚役の何れかが入賞するか取りこぼしが発生する。なお、ベルB1が当選した遊技とベルB2が当選した遊技とでは、右1stで1枚役が入賞する停止操作位置は相違する。
【0126】
ベルB3が当選した遊技において、「中右左」で停止操作されると、停止操作位置によらず、12枚ベル役が入賞する。すなわち、ベルB3が当選した遊技では、「中右左」が正解押順になる。一方、ベルB3が当選した遊技において、不正解押順のうち「中左右」または左1stで停止操作されると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。また、ベルB3が当選した遊技において、不正解押順のうち右1stで停止操作されると、停止操作位置に応じて1枚役の何れかが入賞するか取りこぼしが発生する。
【0127】
ベルB4が当選した遊技において、「中右左」で停止操作されると、停止操作位置によらず、12枚ベル役が入賞する。すなわち、ベルB4が当選した遊技とベルB3が当選した遊技とでは正解押順が共通になる。一方、ベルB4が当選した遊技において、不正解押順のうち「中左右」または左1stで停止操作されると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。また、ベルB4が当選した遊技において、不正解押順のうち右1stで停止操作されると、停止操作位置に応じて1枚役の何れかが入賞するか取りこぼしが発生する。なお、ベルB3が当選した遊技とベルB4が当選した遊技とでは、右1stで1枚役が入賞する停止操作位置は相違する。
【0128】
ベルB5が当選した遊技において、「右左中」で停止操作されると、停止操作位置によらず、12枚ベル役が入賞する。すなわち、ベルB5が当選した遊技では、「右左中」が正解押順になる。一方、ベルB5が当選した遊技において、不正解押順のうち「右中左」または左1stで停止操作されると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。また、ベルB5が当選した遊技において、不正解押順のうち中1stで停止操作されると、停止操作位置に応じて1枚役の何れかが入賞するか取りこぼしが発生する。
【0129】
ベルB6が当選した遊技において、「右左中」で停止操作されると、停止操作位置によらず、12枚ベル役が入賞する。すなわち、ベルB6が当選した遊技とベルB5が当選した遊技とでは正解押順が共通になる。一方、ベルB6が当選した遊技において、不正解押順のうち「右中左」または左1stで停止操作されると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。また、ベルB6が当選した遊技において、不正解押順のうち中1stで停止操作されると、停止操作位置に応じて1枚役の何れかが入賞するか取りこぼしが発生する。なお、ベルB5が当選した遊技とベルB6が当選した遊技とでは、中1stで1枚役が入賞する停止操作位置は相違する。
【0130】
ベルB7が当選した遊技において、「右中左」で停止操作されると、停止操作位置によらず、12枚ベル役が入賞する。すなわち、ベルB7が当選した遊技では、「右中左」が正解押順になる。一方、ベルB7が当選した遊技において、不正解押順のうち「右左中」または左1stで停止操作されると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。また、ベルB7が当選した遊技において、不正解押順のうち中1stで停止操作されると、停止操作位置に応じて1枚役の何れかが入賞するか取りこぼしが発生する。
【0131】
ベルB8が当選した遊技において、「右中左」で停止操作されると、停止操作位置によらず、12枚ベル役が入賞する。すなわち、ベルB8が当選した遊技とベルB7が当選した遊技とでは正解押順が共通になる。一方、ベルB8が当選した遊技において、不正解押順のうち「右左中」または左1stで停止操作されると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。また、ベルB8が当選した遊技において、不正解押順のうち中1stで停止操作されると、停止操作位置に応じて1枚役の何れかが入賞するか取りこぼしが発生する。なお、ベルB7が当選した遊技とベルB8が当選した遊技とでは、中1stで1枚役が入賞する停止操作位置は相違する。
【0132】
以上の通り、ベルB1~B8が当選した遊技では、左1stで停止操作すると1枚役が入賞し、正解押順で停止操作されると12枚ベル役が入賞する。以下、説明のためベルB1~B8を「ベルグループB」と記載する場合がある。詳細には後述するが、指示期間(上乗せ特化状態、ストック特化状態、エンディング状態、メインAT状態、プレミアAT状態)において、ベルグループBが当選すると、指示表示器16で正解押順が指示されるとともに、当該正解押順が指示される指示演出が実行される。
【0133】
リプレイ1が当選した遊技では、左1stで停止操作されると、停止操作位置によらず上段リプレイ役が有効ラインに停止表示される。一方、リプレイ1が当選した遊技において、中1stまたは右1st(変則押順)で停止操作すると、停止操作位置によらず中段リプレイ役が有効ラインに停止表示される。
【0134】
リプレイ2またはリプレイ3が当選した遊技では、停止操作順序に応じて、赤セブンリプレイ役が有効ラインに停止表示される。赤セブンリプレイ役が有効ラインに停止表示されると、5個のラインのうちの何れかに「赤セブン-赤セブン-赤セブン」の図柄組合せが停止表示される。
【0135】
例えば、リプレイ2が当選した遊技において、「中左右」の停止操作順序で各リール12をセ赤ブン図柄の引込範囲で停止操作すると、赤セブンリプレイ役が有効ラインに停止表示される。一方、リプレイ2が当選した遊技において、「中右左」の停止操作順序で停止操作すると、赤セブン図柄の引込範囲で各リール12を停止操作した場合であっても、フェイクリプレイ役が有効ラインに停止表示される。フェイクリプレイ役が有効ラインに停止すると、各ラインの何れかに赤セブン図柄がテンパイする。
【0136】
リプレイ3が当選した遊技において、「中右左」の停止操作順序で各リール12を赤セブン図柄の引込範囲で停止操作すると、赤セブンリプレイ役が有効ラインに停止表示される。一方、リプレイ3が当選した遊技において、「中左右」の停止操作順序で停止操作すると、セブンA図柄の引込範囲で停止操作した場合であっても、フェイクリプレイ役が有効ラインに停止表示される。リプレイ2またはリプレイ3が当選した遊技では、左1stで停止操作されると上段リプレイが有効ラインに停止表示され、右1stで停止操作されると中段リプレイが有効ラインに停止表示される。
【0137】
以下説明のため、リプレイ2およびリプレイ3を「択当てグループC」と総称する場合がある。詳細には後述するが、特定の出玉状態(ストック特化状態)において、択当てグループCが当選すると、指示表示器16において中1stが指示され、中1stを指示する指示演出(図14(b-1)参照)が実行される。また、択当てグループCが当選した遊技において、赤セブンリプレイ役が停止表示される順序で停止操作されると、予め定められた特典が付与される。ただし、上述した通り、択当てグループCが当選した遊技において、赤セブンリプレイ役が停止表示される停止操作順序は「中左右」と「中右左」との2種類である。したがって、択当てグループCが当選した遊技で指示演出の指示通りに停止操作した場合であっても、特典が付与されない場合がある。なお、ストック特化状態以外の出玉状態では、択当てリプレイCの当選遊技で赤セブンリプレイが有効ラインに停止表示した場合、上述の特典は付与されない。
【0138】
リプレイ4、5、6、9、10が当選した遊技では、停止操作順序に応じて、赤セブンリプレイ役が有効ラインに停止表示される。以下、リプレイ4、5、6、9、10を「回復リプレイ」と総称する場合がある。例えば、ストック特化状態において、回復リプレイが当選すると、上述の特典が付与される。なお、上述の択当てグループCが当選した場合とは異なり、ストック特化状態において回復リプレイが当選した場合、停止操作順序によらず上述の特典が付与される。
【0139】
リプレイ7またはリプレイ8が当選した遊技では、停止操作順序に応じて、フェイクリプレイ役が有効ラインに停止表示される。以下、リプレイ7およびリプレイ8を「フェイクリプレイ」と総称する場合がある。
【0140】
なお、本実施形態では、ストック特化状態以外の指示期間においてリプレイ2~8が当選した場合、赤セブンリプレイまたはフェイクリプレイが停止表示されない停止操作順序が液晶表示装置30により指示される。具体的には、リプレイ2~8が当選した場合、左1stが液晶表示装置30により指示される。ストック特化状態以外の指示期間では、リプレイ2~8が当選した遊技において、停止操作順序に応じて有利度が変化しない。以上の事情から、ストック特化状態以外の指示期間では、リプレイ2~8が当選した遊技において、液晶表示装置30で左1stが指示されるが、指示表示器30は指示情報を表示しない。
【0141】
1枚1~6が当選した遊技では、停止操作順序および停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。なお、1枚1~6のうち1枚4が当選した遊技では、1枚役のうち他の当選エリアが当選した遊技では入賞しない1枚役が入賞する。チャンス目が当選した遊技では、1枚4が当選した遊技と同様に、1枚役のうち他の当選エリアが当選した遊技では入賞しない1枚役が停止操作態様によらず入賞する。
【0142】
白セブンが当選した遊技では、左1stで各リール12をセブンC図柄の引込範囲で停止操作すると、「セブンC-セブンC-セブンC」の図柄組合せが停止表示される1枚役が入賞し、他の停止操作態様では他の1枚役の何れかが入賞する。当選エリア「プレミア」が当選した遊技では、左1stおよび中1stではプレミア役が入賞し、右1stでは12枚ベル役が入賞する。
【0143】
ベルグループBが当選した遊技では、変則押順の何れで停止操作した場合であっても、確率約1/4で12枚ベル役が入賞する。一方、ベルグループBが当選した遊技では、左1stで停止操作した場合、12枚ベル役は入賞しない。以上の構成では、ベルグループBが当選した遊技では、左1stで停止操作した場合より、変則押順で停止操作した場合の方が遊技価値の獲得期待値は多くなる。ただし、ベルグループBが当選した遊技における変則押順の各停止操作順序での獲得期待値は、規定数(3)未満になる。
【0144】
また、ベルグループAが当選した遊技では、変則押順の何れで停止操作した場合であっても3枚ベル役が入賞する。以上の本実施形態では、左1stでの獲得期待値A1および獲得期待値A2は略共通になり、変則押順での獲得期待値A3~A6は略共通になる。一方、変則押順での獲得期待値A(3~6)は、左1stでの獲得期待値A(1、2)より多くなる。
【0145】
図9(a)は、メインCPU301の出玉状態の遷移を説明するための図である。メインCPU301は、非有利区間または有利区間の何れかで遊技を制御する。なお、出玉状態が遷移する際に、遊技状態(非内部中状態、内部中状態、ボーナス作動状態)は原則維持される。また、遊技状態が遷移する際に、出玉状態は原則維持される。
【0146】
非有利区間は、後述の有利区間移行処理を除き、指示機能に係る処理(出玉状態の移行に関係する処理(更新処理、抽選処理)、指示表示器16における指示を実行するための処理など)が原則実行されない区間である。すなわち、非有利区間は、指示表示器16における指示が実行されない区間である。一方、有利区間は、指示機能に係る処理が実行される区間である。すなわち、有利区間は、指示表示器16における指示が実行され得る区間である。
【0147】
本実施形態では、現在の出玉状態を示す出玉状態フラグおよび現在の遊技状態を示す遊技状態フラグがメインRAM303に記憶される。メインCPU301は、各遊技において、出玉状態フラグを示す出玉状態コマンドをサブCPU412に送信する。サブCPU412は、出玉状態コマンドが示す出玉状態に応じて演出を決定する。遊技状態フラグは、現在の遊技状態を判定する際に参照される。
【0148】
本実施形態では、有利区間における差枚数(払出枚数の合計-投入枚数の合計)が差枚数カウンタにより計数される。以上の差枚数カウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。以上の「差枚数」とは、有利区間において獲得したメダル枚数から遊技に使用したメダル枚数を減算した数値であり、負数になり得る。例えば、有利区間における差枚数が「-1000枚」の時点からメダルの増加が開始し、その後、差枚数が「2400枚」に達した場合、純増枚数は「3400枚」になる。
【0149】
なお、本実施形態では、1回の有利区間の遊技回数に上限が無い。ただし、有利区間が予め定められた回数の遊技で終了する構成としてもよい。例えば、上述の差枚数が2400枚に達した契機に加え、有利区間における遊技回数が4000回に達した契機で当該有利区間が終了する構成としてもよい。
【0150】
図9に示す通り、本実施形態では、有利区間であることを条件に、通常状態、上乗せ特化状態、メインAT状態、ストック特化状態、エンディング状態、待機状態(A、B)およびプレミアAT状態(非有利区間以外の出玉状態)に制御可能になる。本実施形態では、各出玉状態のうち、指示表示器16における指示が実行される出玉状態を「指示期間」と総称する場合がある。
【0151】
詳細には後述するが、本実施形態の指示期間では、複数種類の指示モード(a~c)の何れかに制御される。以上の指示モードに応じて、停止操作順序が指示される確率が変化する。指示表示器16における指示が実行されない出玉状態を「非指示期間」と総称する場合がある。本実施形態では、上乗せ特化状態、メインAT状態、ストック特化状態、エンディング状態およびプレミアAT状態が指示期間であり、他の出玉状態は非指示期間である。
【0152】
上述した通り、設定値が変更されると、各遊技状態のうち非内部中状態へ移行する。また、設定値が変更されると、各出玉状態のうち非有利区間へ移行する(図9(a)の矢印(A))。詳細には後述するが、内部中状態の非有利区間と非内部中状態の非有利区間とでは、移行可能な出玉状態が相違する。例えば、設定値が変更された直後の非有利区間は非内部中状態である。以上の非有利区間では、「ハズレ」および「リプレイ1」以外の当選エリア(以下「有利区間移行当選エリア」)が当選すると、各出玉状態のうち通常状態へ移行する(図9(a)の矢印(B))。
【0153】
通常状態は、非指示期間であり、AT初当り抽選を含む各種の処理が実行される。なお、AT初当り抽選の当選確率が相違する複数のモードを通常状態は含む。具体的には、通常状態においてモード移行抽選が当選エリアに応じた確率で実行され、当該抽選の結果に応じてモードが移行する。以上の通常状態は、指示期間へ移行するまでに要する遊技回数の平均が他の出玉状態より長い比較的不利な出玉状態である。
【0154】
通常状態におけるAT初当り抽選で当選すると、その後、上乗せ特化状態へ移行する(図9(a)の矢印(C))。上乗せ特化状態は、指示期間であり、メインAT状態の遊技回数が加算(上乗せ)される出玉状態である。ただし、上乗せ特化状態の序盤の遊技は、非指示期間になる(後述の図9(b)参照)。上乗せ特化状態へは、上述した通り、通常状態から移行する。すなわち、通常状態から指示期間へ移行した場合、当該指示期間の最初の出玉状態は上乗せ特化状態になる。以上の場合、上乗せ特化状態は、メインAT状態の初期遊技回数を決定する出玉状態として機能する。
【0155】
上乗せ特化状態の各遊技では、上乗せ遊技回数が抽選により決定される。具体的には、メインAT状態の残り遊技回数はAT遊技回数カウンタに記憶される。上乗せ特化状態では、他の出玉状態より高い確率で上乗せ遊技回数が決定され、決定された上乗せ遊技回数がAT遊技回数カウンタに加算される。以上の上乗せ特化状態は、例えば10回の遊技で終了する。ただし、上乗せ特化状態の遊技回数は適宜に変更できる。例えば、上乗せ特化状態を10回より多い遊技回数としてもよい。
【0156】
また、上乗せ特化状態では、当選エリアに応じて上乗せ遊技回数が決定される。具体的には、各当選エリアのうちベルグループAが当選した場合、ベルグループBが当選した場合より多くの上乗せ遊技回数が決定され易い。詳細には後述するが、本実施形態では、上乗せ特化状態において、ベルグループAが当選した場合とベルグループBが当選した場合とで、共通の指示演出Xが実行される。また、ベルグループAが当選した場合とベルグループBが当選した場合とで、表示され得る指示情報は共通である。以上の構成によれば、指示演出または指示情報により、ベルグループAが当選したかベルグループBが当選したかを把握できない。したがって、実際にベル役(3枚ベル役、12枚ベル役)が入賞するまで、ベルグループAが当選したことを期待して遊技させることができるという利点がある。
【0157】
詳細には後述するが、後述のストック特化状態において、上乗せ特化状態へ移行する権利が複数個付与される場合がある。具体的には、ストック特化状態では、上乗せストックカウンタが加算される場合がある。上乗せ特化状態の残り遊技回数が数値「0」に達した場合であっても、上乗せストックカウンタが数値「1」以上の場合、上乗せストックカウンタから数値「1」が減算され、再度上乗せ特化状態へ移行する。以上の説明から理解される通り、上乗せ特化状態へ移行する権利が複数個付与された場合、上乗せ特化状態が複数回繰り返される。
【0158】
図9に示す通り、通常状態におけるAT初当り抽選に当選した場合に加え、当選エリア「白セブン」が当選した場合に上乗せ特化状態へ移行する(図9(a)の矢印(D))。例えば、通常状態において当選エリア「白セブン」が当選すると、次回の遊技から上乗せ特化状態へ移行する。同様に、メインAT状態において当選エリア「白セブン」が当選すると、次回の遊技から上乗せ特化状態へ移行する。以上の上乗せ特化状態は、既に進行していたメインAT状態の残り遊技回数を加算(延長)するための出玉状態として機能する。
【0159】
また、ストック特化状態において当選エリア「白セブン」が当選した場合、上乗せストックカウンタに数値「1」が加算される。以上の場合、ストック特化状態が終了した後に、上乗ストックカウンタから数値「1」が減算され、上乗せ特化状態へ移行する。プレミアAT状態において当選エリア「白セブン」が当選した場合も同様に、上乗せストックカウンタに数値「1」が加算され、プレミアAT状態が終了した後に、上乗せ特化状態へ移行する。
【0160】
非有利区間において当選エリア「白セブン」が当選した場合、プレミアストックフラグをON状態に変更し、次回の遊技から上乗せ特化状態へ移行する。以上の場合、上乗せ特化状態およびメインAT状態が終了した後に、プレミアAT状態へ移行することができる(詳細には後述)。待機状態(A、B)において当選エリア「白セブン」が当選した場合も同様に、プレミアストックフラグをON状態に変更し、次回の遊技から上乗せ特化状態へ移行する。
【0161】
上乗せ特化状態において当選エリア「白セブン」が当選した場合、当該上乗せ特化状態終了後に新たな上乗せ特化状態を開始する。なお、プレミアストックフラグがON状態のプレミアAT状態において当選エリア「白セブン」が当選した場合、中1stまたは右1stが指示され、特別な特典は付与されない。「白セブン」が当選した場合、中1stまたは右1stで停止操作されると、「セブンC-セブンC-セブンC」の図柄組合せは停止表示されず、他の当選エリアが当選した場合にも入賞する1枚役が入賞する。以上の構成では、プレミアAT状態において当選役「白セブン」が当選した旨を遊技者に察知されない。
【0162】
図9(a)に示す通り、上乗せ特化状態が終了すると、メインAT状態へ移行する(図9(a)の矢印(E))。メインAT状態は、指示期間である。以上のメインAT状態の各遊技では、上述のAT遊技回数カウンタが数値「1」ずつ減算される。また、メインAT状態の各遊技では、当選エリアに応じた確率で、当該メインAT状態の上乗せ遊技回数が決定される。
【0163】
メインAT状態は、AT遊技回数カウンタが数値「0」まで減算されると終了する。メインAT状態が終了すると、通常状態へ移行する(図9(a)の矢印(H))。ただし、メインAT状態が終了する際に、プレミアストックフラグがON状態の場合、非有利区間または待機状態Bへ移行する(詳細には後述)。なお、AT初当り抽選において、複数個のATセットが付与される場合がある。AT遊技回数カウンタが数値「0」に達した場合であっても、ATセットが数値「1」以上の場合、ATセットから数値「1」を減算し、再度上乗せ特化状態へ移行する。
【0164】
メインAT状態においてリプレイ10が当選すると、ストック特化状態へ移行するか否かが抽選される。当該抽選で当選すると、赤セブンリプレイ役が停止表示される停止操作順序(右1st)が指示され、次回の遊技からストック特化状態へ移行する(図9(a)の矢印(F))。また、メインAT状態においてリプレイ9(赤セブン)が当選すると、次回の遊技からストック特化状態へ移行する。通常状態においてリプレイ9(赤セブン)が当選した場合、次回の遊技からストック特化状態へ移行し、当該ストック特化状態が終了した後に、上乗せ特化状態、メインAT状態の順に移行する。
【0165】
非有利区間においてリプレイ9(赤セブン)が当選した場合、プレミアストックフラグをON状態に変更し、次回の遊技からストック特化状態へ移行する。以上の場合、ストック特化状態、上乗せ特化状態およびメインAT状態が終了した後に、プレミアAT状態へ移行することができる(詳細には後述)。待機状態(A、B)においてリプレイ9(赤セブン)が当選した場合も同様に、プレミアストックフラグをON状態に変更し、次回の遊技からストック特化状態へ移行する。
【0166】
上乗せ特化状態においてリプレイ9(赤セブン)が当選した場合、当該上乗せ特化状態を途中で中断し、ストック特化状態へ移行する。また、当該ストック特化状態が終了すると、中断した上乗せ特化状態を再開する。プレミアAT状態またはエンディング状態においてリプレイ9(赤セブン)が当選した場合、特別な特典は付与されない。また、プレミアAT状態またはエンディング状態においてリプレイ9(赤セブン)が当選した場合、赤セブンリプレイ役が停止表示されない停止操作順序(中1stまたは右1st)を指示する指示演出が実行される。
【0167】
ストック特化状態は、指示期間であり、各遊技において高確率で上乗せストックカウンタが加算される。すなわち、ストック特化状態では、上乗せ特化状態へ移行する権利が高確率で付与される。具体的には、上述の択当てグループCが当選し、且つ、赤セブンリプレイ役が停止表示される停止操作順序で停止操作がされた場合、上乗せストックカウンタが加算される。また、上述の回復リプレイが当選した場合、上乗せストックカウンタが加算される。なお、ストック特化状態へ移行する際に、上乗せストックカウンタに初期値「1」が設定される。
【0168】
以上のストック特化状態は、予め定められた回数(例えば12回)の遊技で終了する。ただし、上乗せストックカウンタが加算されると、ストック特化状態の残り遊技回数が12回にリセットされる(回復する)。12回の遊技のうちに1度も上乗せストックカウンタが加算されないと、ストック特化状態は終了する。ストック特化状態が終了すると、上乗せ特化状態へ移行する(図9(a)の矢印(G))。以上の上乗せ特化状態は、ストック特化状態において加算された上乗せストックカウンタの数値に応じた回数繰り返される。
【0169】
ストック特化状態では、通常モードおよび特殊モードの何れかに制御される。具体的には、ストック特化状態は、原則は通常モードになる。ただし、ストック特化状態において、リプレイ9(赤セブン)が当選した場合、通常モードから特殊モードへ移行する。以上の特殊モードでは、通常モードと比較して、各遊技における上乗せストックカウンタの加算値の平均が多くなる。以上の特殊モードは、ストック特化状態が終了するまで継続する。ただし、ストック特化状態の残り遊技回数がリセットされた契機の一部で(抽選により)特殊モードが終了する構成としてもよい。
【0170】
図9(a)に示す通り、差枚数カウンタ(現在の有利区間が強制的に終了するまでのメダル数)が151未満に減算されると、エンディング状態へ移行する(図9(a)の矢印(I))。具体的には、メインAT状態、上乗せ特化状態、ストック特化状態またはプレミアAT状態において差枚数カウンタが151未満に減算されると、エンディング状態へ移行する。エンディング状態は、指示期間であり、差枚数カウンタが数値「0」に減算されるまで継続する。すなわち、有利区間が強制的に終了する契機が成立するまでエンディング状態は継続する。
【0171】
以上の構成では、エンディング状態が終了すると、非有利区間へ移行する。上述した通り、本実施形態では、設定値が変更された直後以外の遊技は、原則、内部中状態になる。したがって、エンディング状態が終了した後の非有利区間は、通常、内部中状態である(図9(a)の矢印(J))。内部中状態の非有利区間では、有利区間移行当選エリアが当選すると、初期状態決定処理(有利区間移行処理の一部)が実行される。以上の初期状態決定処理では、設定値に応じた確率で、待機状態Aへ移行するか(図9(a)の矢印(M)参照)、待機状態Bへ移行するか(図9(b)の矢印(K)参照)が決定される。
【0172】
待機状態Bの各遊技では、プレミア移行抽選処理が実行される。以上のプレミア移行抽選処理で当選すると、プレミア移行フラグがON状態に変更される。また、待機状態Bの各遊技では、待機残り回数カウンタが数値「1」ずつ減算される。待機状態Bへ移行する場合、以上の待機残り回数カウンタに初期値「30」がセットされる。また、待機状態Bへ移行する場合、待機天井カウンタに数値「3」がセットされる。
【0173】
待機状態Bにおいて、待機残り回数カウンタが数値「0」に減算されると、プレミア移行フラグがON状態であるか否かが判定される。プレミア移行フラグがON状態の場合(30回の遊技中にプレミア移行抽選処理で当選していた場合)、その後、プレミアAT状態へ移行する。一方、プレミア移行フラグがON状態ではない場合、待機天井カウンタから数値「1」が減算され、減算結果が数値「0」であるか否かが判定される。待機天井カウンタが数値「0」の場合、その後、プレミアAT状態へ移行する。一方、待機天井カウンタが数値「0」ではない場合、待機残り回数カウンタに再度「30」がセットされる。以上の構成では、待機状態Bは最大で90回継続し、その後、プレミアAT状態へ移行する(図9(a)の矢印(L))。
【0174】
待機状態Aは1回の遊技で終了する。また、待機状態Aが終了すると非有利区間へ移行する(図9(a)の矢印(N))。以上の構成では、非有利区間における初期状態決定処理で待機状態Bが決定されるまで、非有利区間および待機状態Aへ繰返し移行する。詳細には後述するが、設定値「0」では他の設定値と比較して、初期状態決定処理で待機状態Bが決定され難い。すなわち、設定値「0」では他の設定値と比較して、総遊技回数における有利区間の遊技回数の割合が小さくなる。
【0175】
ただし、待機状態Aでは待機状態Bと同様にプレミア移行抽選処理が実行される。仮に、待機状態Aにおいてプレミア移行抽選処理で当選した場合、プレミア移行フラグがON状態になる。以上の場合、当該待機状態Aが1回の遊技では終了せず、その後も継続される。具体的には、待機状態Aにおいてプレミア移行フラグがON状態に変更されていると、待機残り回数カウンタに数値「30」をセットし、待機天井カウンタに数値「1」がセットされる。以上の構成では、プレミア移行フラグがON状態に変更されてから、待機状態Aにおいて30回の遊技が実行されると、待機残り回数カウンタが数値「0」に減算される。また、待機残り回数カウンタが数値「0」に減算されると待機天井カウンタが数値「0」に減算され、その後、プレミアAT状態へ移行する(図9(a)の矢印(О))。
【0176】
上述した通り、メインAT状態が終了する際に、プレミアストックフラグがON状態の場合がある。以上の場合、差枚数カウンタの現在値に応じて、有利区間を継続してプレミアAT状態へ移行する場合と、有利区間を一旦終了してプレミアAT状態へ移行する場合とがある。
【0177】
具体的には、プレミアストックフラグがON状態の場合、差枚数カウンタ(現在の有利区間が強制的に終了するまでのメダル数)が2400(初期値)以上であるか否かが判定される。仮に、差枚数カウンタが2400未満の場合、現在の有利区間を終了し、非有利区間へ移行する(図9(a)の矢印(R))。メインAT状態が終了して非有利区間へ移行した場合、遊技状態は内部中状態であるのが通常である。したがって、メインAT状態が終了して非有利区間へ移行した場合、上述のエンディング状態が終了して非有利区間へ移行した場合と同様に、その後、待機状態(A、B)を介してプレミアAT状態へ移行する。
【0178】
一方、差枚数カウンタが2400以上の場合、現在の有利区間を継続し、待機状態Bへ移行する(図9(a)の矢印(R))。以上の場合、待機残り回数カウンタに初期値「10」が設定され、待機天井カウンタに初期値「1」が設定される。したがって、有利区間が継続した場合、メインAT状態が終了してから10回の遊技が実行されるとプレミアAT状態へ移行する。
【0179】
以上の通り、メインAT状態が終了してからプレミアAT状態へ移行するまでに要する遊技回数は、非有利区間を介した場合より非有利区間を介さない場合の方が短い。また、メインAT状態が終了してからプレミアAT状態へ移行するまでに要する遊技回数は、非有利区間を介した場合はランダムであり、非有利区間を介さない場合は予め定められている。
【0180】
プレミアAT状態は、指示期間である。プレミアAT状態が開始されると、前半プレミアAT状態へ移行する。前半プレミアAT状態は、例えば100回の遊技にわたり継続する。また、前半プレミアAT状態では、後半移行抽選が実行される。以上の後半移行抽選は、約75%の確率で当選する。後半移行抽選に当選すると、前半プレミアAT状態が終了した後に後半プレミアAT状態へ移行する。後半プレミアAT状態は、例えば30回の遊技にわたり継続する。また、後半プレミアAT状態では継続抽選が実行され、継続抽選で当選すると後半プレミアAT状態が繰返される。
【0181】
なお、本実施形態では、後半プレミアAT状態へ移行すると、約65%の確率で差枚数カウンタを2400枚に到達させることができる(有利区間を完走することができる)。上述した通り、有利区間が終了すると、待機状態を介してプレミアAT状態へ移行する。したがって、プレミアAT状態へ移行した場合、当該プレミアAT状態で有利区間を完走させることで、プレミアAT状態へ繰返し移行させることができる。
【0182】
図9(a)に示す通り、当選エリア「プレミア」に当選すると(BAR図柄が揃うと)、プレミアAT状態へ移行する(図9(a)の矢印(P))。例えば、通常状態、上乗せ特化状態またはメインAT状態で当選エリア「プレミア」に当選すると、次回の遊技からプレミアAT状態へ移行する。以上の場合、プレミアストックフラグは変更されない。また、非有利区間で当選エリア「プレミア」に当選すると、次回の遊技からプレミアAT状態へ移行する。以上の場合、プレミアストックフラグがON状態に変更される。
【0183】
ストック特化状態において、当選エリア「プレミア」に当選すると、当該ストック特化状態が終了してからプレミアAT状態へ移行する。なお、ストック特化状態において、当選エリア「プレミア」に当選した回数が2回目の場合、プレミアストックフラグがON状態に変更される。また、ストック特化状態において、当選エリア「プレミア」に当選し、且つ、既にプレミアストックフラグがON状態に変更されている場合に、当該ストック特化状態で再度当選エリア「プレミア」に当選した場合、12枚ベル役が入賞する右1stが指示され、特別な特典は付与されない。
【0184】
エンディング状態において当選エリア「プレミア」に当選した場合、12枚ベル役が入賞する右1stが指示され、特別な特典は付与されない。待機状態(A、B)において当選エリア「プレミア」に当選すると、次回の遊技からプレミアAT状態へ移行する。以上の場合、プレミアストックフラグがON状態に変更される。
【0185】
上述した通り、有利区間における非指示期間において変則押順で停止操作すると、メインペナルティ制御が実行される。具体的には、メインRAM303には遊技進行フラグが記憶される。非指示期間において左1stで停止操作する限りは、遊技進行フラグはON状態から変化しない。一方、非指示期間において変則押順で停止操作された遊技では、第3停止操作後にメインペナルティ制御が実行される。メインペナルティ制御が実行されると、遊技進行フラグはOFF状態になる。なお、非有利区間(有利区間移行処理が実行される遊技を含む)ではメインペナルティ制御は実行されない。
【0186】
以上の構成では、今回の遊技において変則押順で停止操作すると、次回の遊技の開始時において遊技進行フラグはOFF状態になる。遊技の開始時に遊技進行フラグがOFF状態の場合、指示機能に係る処理は実行されない(ただし、後述の有利区間制御処理(有利区間カウンタおよび差枚数カウンタの更新処理)は実行される)。具体的には、遊技の開始時に遊技進行フラグがOFF状態の場合、各種のカウンタ(現在の出玉状態の残り遊技回数を示すカウンタなど)が減算されず、且つ、各種の抽選が実行されない。すなわち、遊技進行フラグがOFF状態の期間では、遊技が進行できなくなるというペナルティが付与される。左1stで停止操作されると、遊技進行フラグがOFF状態からON状態に変更される。
【0187】
図9(b)は、各出玉状態の詳細を説明するための図である。図9(b)には、各出玉状態が非指示期間であるか指示期間であるかが示される。上述した通り、非有利区間、通常状態、待機状態(A、B)は非指示期間である。また、メインAT状態、ストック特化状態、エンディング状態およびプレミアAT状態は指示期間である。また、上乗せ特化状態の各遊技のうち1回目から3回目までの遊技は非指示期間であり、上乗せ特化状態の4回目以降の遊技は指示期間である。
【0188】
図9(b)に示す通り、非指示期間のうち通常状態および待機状態では、変則押順で停止操作するとペナルティ制御(メインペナルティ制御)が実行される。一方、非指示期間であっても、非有利区間および上乗せ特化状態(1~3ゲーム目)では、当選エリアによらずペナルティ制御は実行されない。また、指示期間の各出玉状態では、ペナルティ制御は実行されない。
【0189】
メインペナルティ制御が実行されると、例えば、通常状態におけるAT初当り抽選が省略される。また、メインペナルティ制御が実行されると、待機状態において後述のプレミアAT移行抽選が省略される。ただし、当選エリアのうちリプレイ9(赤セブン)、白セブン、プレミア(BAR揃い)が当選した遊技では、変則押順で停止操作された場合であってもメインペナルティ制御は実行されない。
【0190】
図9(b)には、指示期間における各出玉状態での指示モード(a、b、c)が示される。本実施形態では、指示期間において、指示モードa、指示モードbおよび指示モードcを含む各指示モードの何れかに制御される。具体的には、図9(b)に示す通り、各出玉状態のうちメインAT状態およびプレミアAT状態が指示モードaになる。また、上乗せ特化状態(4ゲーム目以降)およびエンディング状態が指示モードbになり、ストック特化状態は指示モードcになる。
【0191】
各指示モードでは、指示表示器16により停止操作順序が指示される当選エリアが相違する。具体的には、指示モードaでは、各当選エリアのうちベルグループBが当選すると、12枚ベル役を入賞させるための正解押順が指示される。指示モードbでは、各当選エリアのうちベルグループBが当選すると、12枚ベル役を入賞させるための正解押順が指示され、且つ、ベルグループAが当選すると3枚ベル役が入賞する停止操作順序(変則押順の何れか)が指示される。指示モードcでは、各当選エリアのうちベルグループBが当選すると、12枚ベル役を入賞させるための正解押順が指示され、且つ、ベルグループAが当選すると3枚ベル役が入賞する停止操作順序(変則押順の何れか)が指示され、且つ、択当てグループCが当選すると、中1stが指示される。
【0192】
図9(b)には、各指示モードでの増加値が示される。本実施形態において、「増加値」とは、指示表示器16において停止操作順序が指示された遊技では当該停止操作順序で停止操作し、且つ、停止操作順序が指示されない遊技では左1stで停止操作した場合における、1回の遊技で増加(規定数「3」-払出枚数)するメダル数の期待値である。
【0193】
例えば、指示モードbおよび指示モードcでは、ベルグループAが当選した遊技およびベルグループBが当選した遊技の双方において、停止操作順序が指示される。以上の指示モードbおよび指示モードcにおける増加値は約「4」になる。一方、指示モードaでは、ベルグループBが当選した遊技では停止操作順序が指示されるが、ベルグループAが当選した遊技では停止操作順序が指示されない。したがって、指示モードaにおける増加値は、ベルグループAの当選遊技において左1stで停止操作する(1枚役が入賞し3枚ベル役は入賞しない)と仮定して算出される。以上の指示モードaの増加値は、指示モードbおよび指示モードcにおける増加値「4」より少なくなる。具体的には、指示モードaの増加値は約「2.77」である。
【0194】
ただし、本実施形態では、指示モードaにおいても、ベルグループAが当選した遊技において3枚ベル役を入賞可能な構成が採用される。具体的には後述するが、指示モードaにおいてベルグループAが当選すると、ベルグループAが当選した旨を示唆する示唆演出が実行される。以上の示唆演出では、3枚ベル役を入賞させるための停止操作順序が直接指示されない。
【0195】
上述した通り、ベルグループAが当選した遊技では、変則押順(中1st、右1st)の何れかで停止操作すると、3枚ベル役が入賞する。したがって、遊技者は、示唆演出が実行された遊技において、変則押順で停止操作することで、具体的な停止操作順序が指示されないにも関わらず、3枚ベル役を入賞させることができる。また、指示モードaを含む指示期間の各遊技では、当該遊技における停止操作順序の指示の有無によらず、変則押順で停止操作してもメインペナルティ制御は実行されない。
【0196】
以上の構成では、指示モードaにおいてもベルグループAが当選した遊技で3枚ベル役が入賞する手順で遊技される。以上の手順で遊技した場合、1回の遊技で増加するメダル数の期待値(以下「実加算値」)は、指示モードa、指示モードbおよび指示モードcにおいて数値「4」で共通になる。図9(b)には、各出玉状態における実加算値が示される。
【0197】
図10(a)、図10(b-1)から図10(b-3)は、各指示決定テーブル(X、Ya、Yb、Yc)の概念図である。メインCPU301は、各遊技において、指示決定テーブルにより指示番号を決定し、当該指示番号に応じた指示情報(「01」~「05」)を指示表示器16に表示する。また、メインCPU301は、各遊技で決定した指示番号を示すコマンド(後述の第2コマンド)をサブ制御基板400(サブCPU412)に送信する。
【0198】
各指示決定テーブルは、指示決定テーブルX(図10(a))と指示決定テーブルY(図10(b-1)~図10(b-3))とを含んでいる。指示決定テーブルXは、非指示期間の各遊技の指示番号を決定するのに用いられる。また、指示決定テーブルY(Ya、Yb、Yc)は、指示期間の各遊技の指示番号を決定するのに用いられる。図10に示すように、各指示決定テーブルは、当選エリア毎の各指示番号を含んで構成される。
【0199】
指示決定テーブルYは、指示決定テーブルYa、指示決定テーブルYbおよび指示決定テーブルYcを含む。指示決定テーブルYaは、指示期間のうち指示モードa(メインAT状態、プレミアAT状態)において用いられる。指示決定テーブルYaは、指示期間のうち指示モードaにおいて用いられる。また、指示決定テーブルYbは指示期間のうち指示モードbにおいて用いられ、指示決定テーブルYcは指示モードcにおいて用いられる。
【0200】
図10(a)に示すように、非指示期間において、何れの当選エリアが当選した場合であっても、指示番号「99」が決定される。指示番号「99」が決定された場合、指示表示器16は、指示情報を表示しない。具体的には、指示番号「99」が決定された場合、指示表示器16は、指示情報を表示する期間において数字「0」を表示する。以上の構成によれば、非指示期間では、指示表示器16により停止操作態様(停止操作位置、停止操作順序)が指示されない。
【0201】
図10(b-1)は、指示決定テーブルYaの概念図である。上述した通り、指示決定テーブルYaは、指示モードaで用いられる。すなわち、指示決定テーブルYaは、メインAT状態およびプレミアAT状態において用いられる。
【0202】
図10(b-1)に示すように、指示モードaの各遊技において、ベルグループBのうちベルB1またはベルB2が当選すると、メインCPU301は、指示番号「01」を決定する。指示番号「01」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「1」(以下、「指示情報「1」」と記載する)を表示させる。上述した通り、ベルB1またはベルB2が当選した場合の正解押順は「中左右」である。以上の構成では、指示情報「1」が表示された遊技では、「中左右」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より有利になる。したがって、指示情報「1」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「中左右」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「1」を表示することで、「中左右」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
【0203】
指示モードaの各遊技において、ベルB3またはベルB4が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「02」を決定する。指示番号「02」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「2」(以下、「指示情報「2」」と記載する)を表示させる。上述した通り、ベルB3またはベルB4が当選した場合の正解押順は「中右左」である。以上の構成では、指示情報「2」が表示された遊技では、「中右左」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より有利になる。したがって、指示情報「2」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「中右左」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「2」を表示することで、「中右左」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
【0204】
指示モードaの各遊技において、ベルB5またはベルB6が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「03」を決定する。指示番号「03」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「3」(以下、「指示情報「3」」と記載する)を表示させる。上述した通り、ベルB5またはベルB6が当選した場合の正解押順は「右左中」である。以上の構成では、指示情報「3」が表示された遊技では、「右左中」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より有利になる。したがって、指示情報「3」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「右左中」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「3」を表示することで、「右左中」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
【0205】
指示モードaの各遊技において、ベルB7またはベルB8が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「04」を決定する。指示番号「04」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「4」(以下、「指示情報「4」」と記載する)を表示させる。上述した通り、ベルB7またはベルB8が当選した場合の正解押順は「右中左」である。以上の構成では、指示情報「4」が表示された遊技では、「右中左」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より有利になる。したがって、指示情報「4」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「右中左」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「4」を表示することで、「右中左」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
【0206】
以上の通り、指示モードaでは、各当選エリアのうちベルグループB(ベルB1~8)が当選すると、正解押順が指示表示器16により指示される。一方、図10(b-1)に示す通り、指示モードaでは、各当選エリアのうちベルグループA(ベルA1~4)が当選しても、停止操作順序が指示されない。すなわち、ベルグループA(ベルA1~4)が指示モードaで当選した場合、3枚ベル役が入賞する停止操作順序(変則押順)が指示されない。ただし、上述した通り、指示モードaにおいてベルグループAが当選すると、3枚ベル役が入賞する変則押順で停止操作すべき旨が示唆演出により示唆される。図10(b-1)に示す通り、指示モードaでは、ベルグループB以外の当選エリアが当選した遊技では、指示表示器16による指示は実行されない。
【0207】
図10(b-2)は、指示決定テーブルYbの概念図である。指示決定テーブルYbは、指示モードbで用いられる。上述した通り、エンディング状態および上乗せ特化状態(4ゲーム目以降)が指示モードbになる。図10(b-2)に示す通り、指示モードbにおいてベルグループBが当選すると、指示モードaと同様に、12枚ベル役が入賞する正解押順が指示表示器16により指示される。
【0208】
指示モードbにおいては、ベルグループBが当選した遊技に加え、ベルグループA(ベルA1~4)が当選した遊技において指示表示器16により停止操作順序が指示される。具体的には、指示モードbにおいてベルグループAのうちベルA1が当選すると、メインCPU301は、指示番号「01」(中左右)を決定する。また、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報「1」を表示させる。すなわち、指示モードbにおいてベルA1が当選すると、ベルB1(ベルB2)が当選した場合と同様に、「中左右」の停止操作順序が指示される。上述した通り、ベルA1が当選した遊技では、変則押順(中左右を含む)で停止操作すると3枚ベル役が入賞する。したがって、指示モードbにおいて、指示表示器16の指示に従うことで、ベルA1が当選した遊技で3枚ベル役を入賞させることができる。
【0209】
指示モードbにおいてベルA2が当選すると、メインCPU301は、指示番号「02」を決定する。また、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報「2」を表示させる。すなわち、指示モードbにおいてベルA2が当選すると、ベルB3(ベルB4)が当選した場合と同様に、「中右左」の停止操作順序が指示される。上述した通り、ベルA2が当選した遊技では、変則押順(中右左を含む)で停止操作すると3枚ベル役が入賞する。したがって、指示モードbにおいて、指示表示器16の指示に従うことで、ベルA2が当選した遊技で3枚ベル役を入賞させることができる。
【0210】
指示モードbにおいてベルA3が当選すると、メインCPU301は、指示番号「03」を決定する。また、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報「3」を表示させる。すなわち、指示モードbにおいてベルA3が当選すると、ベルB5(ベルB6)が当選した場合と同様に、「右左中」の停止操作順序が指示される。上述した通り、ベルA3が当選した遊技では、変則押順(右左中を含む)で停止操作すると3枚ベル役が入賞する。したがって、指示モードbにおいて、指示表示器16の指示に従うことで、ベルA3が当選した遊技で3枚ベル役を入賞させることができる。
【0211】
指示モードbにおいてベルA4が当選すると、メインCPU301は、指示番号「04」を決定する。また、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報「4」を表示させる。すなわち、指示モードbにおいてベルA4が当選すると、ベルB7(ベルB8)が当選した場合と同様に「右中左」の停止操作順序が指示される。上述した通り、ベルA4が当選した遊技では、変則押順(右中左を含む)で停止操作すると3枚ベル役が入賞する。したがって、指示モードbにおいて、指示表示器16の指示に従うことで、ベルA4が当選した遊技で3枚ベル役を入賞させることができる。指示モードbにおいて、ベルグループAおよびベルグループB以外が当選した場合、指示番号「99」が決定され、指示表示器16に指示情報は表示されない。
【0212】
なお、ベルグループAが当選した遊技では、変則押順であれば「中左右」「中右左」「右左中」「右中左」の何れであっても3枚ベル役が入賞する。したがって、指示モードbにおいてベルグループAが当選した場合、ベルAの種類によらず指示情報「A」が指示表示器16に共通して表示され、指示番号「A」が決定される構成(以下「対比例」)としてもよい。以上の対比例では、指示表示器16に指示番号「A」が表示された場合、変則押順(中左右、中右左、右左中、右中左)の何れかで停止操作すべきことが指示され、3枚ベル役を入賞させることができる。
【0213】
ただし、上述の対比例では、ベルグループAが当選した遊技(指示情報=A)とベルグループBが当選した遊技(指示情報=1、2、3、4)とで、表示され得る指示情報の種類が相違する。したがって、指示情報の種類数が多くなり、遊技者(特に初心者)によっては、各指示情報が何れの停止操作順序を指示しているのか理解できない不都合が生じ得るという事情がある。以上の事情を考慮して、本実施形態では、ベルグループAが当選した遊技とベルグループBが当選した遊技とで、表示され得る指示情報を共通にした。以上の本実施形態では、例えば上述の対比例と比較して、指示情報の種類数が削減され、上述の不都合が抑制できるという利点がある。
【0214】
図10(b-3)は、指示決定テーブルYcの概念図である。上述した通り、指示決定テーブルYcは、指示モードcで用いられる。すなわち、指示決定テーブルYcは、ストック特化状態において用いられる。図10(b-3)に示す通り、指示モードcでは、指示モードaおよび指示モードbと同様に、ベルグループBが当選すると12枚ベル役が入賞する正解押順が指示表示器16により指示される。また、指示モードcにおいて、指示モードbと同様に、ベルグループAが当選すると3枚ベル役が入賞する停止操作順序が指示表示器16により指示される。
【0215】
指示モードcにおいては、ベルグループAまたはベルグループBが当選した遊技に加え、択当てグループC(リプレイ2、3)およびリプレイ4(回復リプレイ)が当選した遊技において指示表示器16により停止操作順序が指示される。具体的には、指示モードcにおいて択当てグループCまたはリプレイ4が当選すると、インCPU301は、指示番号「05」を決定する。また、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報「5」を表示させる。
【0216】
詳細には後述するが、指示モードc(ストック特化状態)では、択当てグループCが当選した遊技において、中1st(中左右、中右左の何れか)で停止操作したことを条件に上乗せ特化状態へ移行する権利が付与される。したがって、指示モードcにおいて指示表示器16に指示情報「5」が表示された場合、遊技者は中1stで停止操作する。すなわち、指示表示器16に指示情報「5」が表示された場合、中1stで停止操作すべき旨が実質的に指示される。
【0217】
なお、本実施形態では、指示モードcでリプレイ4(回復リプレイ)が当選した場合、停止操作順序によらず上乗せ特化状態へ移行する権利が付与される。したがって、指示モードcでリプレイ4が当選した場合、指示番号「99」(指示なし)を決定するとともに指示表示器16に指示情報を表示しない構成としてもよい。指示モードcにおいて、ベルグループA、ベルグループB、択当てグループCおよびリプレイ4以外が当選した場合、指示番号「99」が決定され、指示表示器16に指示情報は表示されない。
【0218】
図11は、メインCPU301からサブCPU412に送信される各コマンド(第1コマンド、第2コマンド)を説明するための図である。図11に示すように、メインCPU301は、当選エリアに応じて、第1コマンド(「A00」等)をサブCPU412へ送信する。例えば、今回の遊技の当選エリアがハズレの場合、メインCPU301は、コマンド「A00」をサブCPU412に送信する。また、メインCPU301は、リプレイ1が当選した場合、コマンド「A01」を送信する。
【0219】
図11から理解される通り、各当選エリアには、原則、当該当選エリアに対応する1個の第1コマンドが設けられる。すなわち、当選エリアと第1コマンドとが1対1に対応する。したがって、当該第1コマンドがサブCPU412側で受信された場合、当該第1コマンドから当選エリアが特定できる。したがって、サブCPU412は、第1コマンドに対応する当選エリアに応じた演出を決定できる。
【0220】
ただし、図11に示す通り、リプレイ2およびリプレイ3(択当てグループC)が当選した遊技では、第1コマンド「A02」が共通して送信される。したがって、第1コマンド「A02」からは、リプレイ2およびリプレイ3の何れが当選したかは判別できない。また、ベルA1~A4(ベルグループA)が当選した遊技では、第1コマンド「A10」が共通して送信される。したがって、第1コマンド「A10」からは、ベルA1~A4の何れが当選したかは判別できない。同様に、ベルB1~B8(ベルグループB)または1枚1が当選した遊技では、第1コマンド「A11」が共通して送信される。したがって、第1コマンド「A11」からは、ベルB1~B8の何れが当選したかは判別できない。以上の構成では、有利な停止操作順序(例えば、正解押順)を第1コマンドからは特定できない。
【0221】
メインCPU301は、第1コマンドに加え、今回の遊技の指示番号(指示情報)に応じた第2コマンド(「B01」等)をサブCPU412に送信する。具体的には、今回の遊技で指示番号「99」(指示なし)を決定した場合、図11に示す通り、メインCPU301は、コマンド「B99」をサブCPU412に送信する。上述したように、指示番号「99」は、非指示期間の各遊技において決定される。したがって、非指示期間では、当選エリアによらずコマンド「B99」が送信される。
【0222】
図11に示すように、メインCPU301は、指示期間のうち指示モードa(メインAT状態、プレミアAT状態)において、ベルグループBのうちベルB1またはベルB2(正解押順は「中左右」)が当選すると、指示番号「01」(中左右)に対応する第2コマンド「B01」を送信する。また、メインCPU301は、指示モードaにおいてベルグループBのうちベルB3またはベルB4(正解押順は「中右左」)が当選すると、指示番号「02」(中右左)に対応する第2コマンド「B02」を送信する。同様に、メインCPU301は、指示モードaにおいてベルグループBのうちベルB5またはベルB6(正解押順は「右左中」)が当選すると、指示番号「03」(右左中)に対応する第2コマンド「B03」を送信し、ベルB7またはベルB8(正解押順は「右中左」)が当選すると、指示番号「04」(右中左)に対応する第2コマンド「B04」を送信する。
【0223】
図11に示すように、指示モードaと同様に、指示モードb(上乗せ特化状態の4ゲーム目、エンディング状態)および指示モードc(ストック特化状態)においてベルグループBが当選した遊技では、当該遊技で当選したベルB(1~8)の正解押順に対応する第2コマンド(B01~B04)が送信される。以上の第2コマンドを受信すると、サブCPU412は、当該第2コマンドに対応する停止操作順序が指示される指示演出を実行する。以上の指示演出では、12枚ベル役の正解押順が指示される。
【0224】
図11に示すように、メインCPU301は、指示期間のうち指示モードaにおいて、ベルグループAが当選すると、第2コマンド「B99」を送信する。以上の第2コマンド「B99」は、指示番号「99」(指示なし)に対応する。すなわち、指示モードaにおいてベルグループAが当選した遊技では、変則押順が有利であるが(変則押順で3枚ベル役が入賞できるが)、有利な停止操作順序に対応する第2コマンドは送信されない。また、指示モードaにおいてベルグループAが当選した遊技では、指示表示器16において指示情報が表示されない。
【0225】
ただし、ベルグループAが当選したか否かは、第1コマンド「A10」によりサブCPU412側で把握可能である。本実施形態のサブCPU412は、指示モードaにおいて第1コマンド「A10」を受信すると、予め定められた示唆演出を実行する。以上の示唆演出が実行された遊技において変則押順で停止操作することにより3枚ベル役が入賞する。すなわち、以上の示唆演出によれば、指示表示器16に指示情報が表示されない遊技であっても有利な停止操作順序が実質的に示唆される。
【0226】
図11に示すように、メインCPU301は、指示期間のうち指示モードbまたは指示モードcにおいて、ベルグループAのうちベルA1が当選すると、指示番号「01」(中左右)に対応する第2コマンド「B01」を送信する。また、メインCPU301は、指示期間のうち指示モードbまたは指示モードcにおいて、ベルグループAのうちベルA2が当選すると、指示番号「02」(中右左)に対応する第2コマンド「B02」を送信する。
【0227】
同様に、メインCPU301は、指示期間のうち指示モードbまたは指示モードcにおいて、ベルグループAのうちベルA3が当選すると、指示番号「03」(右左中)に対応する第2コマンド「B03」を送信し、ベルA4が当選すると、指示番号「04」(右中左)に対応する第2コマンド「B04」を送信する。以上の第2コマンドを受信すると、サブCPU412は、当該第2コマンドに対応する停止操作順序が指示される指示演出を実行する。以上の指示演出では、3枚ベル役が入賞する停止操作順序が指示される。
【0228】
図11に示すように、メインCPU301は、指示期間のうち指示モードcにおいて、択当てグループCまたはリプレイ4が当選すると、指示番号「05」(中1st)に対応する第2コマンド「B05」を送信する。以上の第2コマンドを受信すると、サブCPU412は、当該第2コマンドに対応する停止操作順序が指示される指示演出(択当て演出)を実行する(後述の図14(b-1)参照)。
【0229】
メインCPU301は、遊技の進行に応じて各種の遊技情報(連役比率、役物比率、直近連役比率、直近役物比率、指示込役物比率、ボーナス遊技比率)を算出し、当該遊技情報に応じた表示情報をメイン表示器40に表示させる。以上の遊技情報を算出するため、メインCPU301は、遊技機1に電源が最初に投入されてから遊技回数が175000回に達するまでの期間(以下「総遊技計数期間」という)の遊技回数を計数する。
【0230】
図12は、メインRAM303の各記憶領域(G1~G3、g1、g2)を説明するための図である。以上の各記憶領域は、上述の各遊技情報(連役比率など)を記憶するために設けられ、記憶領域G1、記憶領域G2、記憶領域G3、記憶領域G4、記憶領域g1および記憶領域g2を含む。例えば、記憶領域の各々には1バイトの情報が記憶可能である。
【0231】
以下、説明のため、所謂「第1種特別役物に係る役物連続作動装置」が作動する期間を単に「第1役連中」と記載する場合がある。同様に、所謂「第2種特別役物に係る役物連続作動装置」が作動する期間を単に「第2役連中」と記載する場合がある。第1役連中および第2役連中は、予め定められた枚数のメダルの払出で終了する。また、所謂「第1種特別役物」が作動する期間を単に「第1役物中」と記載し、所謂「第2種特別役物」が作動する期間を単に「第2役物中」と記載する場合がある。第1役物中は8回の遊技で終了し、第2役物中は1回の遊技で終了する。また、所謂「普通役物」が作動する期間を「普通役物中」と記載する場合がある。普通役物中は1回の遊技で終了する。
【0232】
本実施形態のボーナス作動状態は、第1役連中であり、全ての遊技が第1役物中である。なお、第1役連中に「第1役連一般中」を設けてもよい。第1役連一般中では、第1役連一般中以外の遊技状態と比較して、第1種特別役物を作動させる当選役(RB役)が当選し易い。また、第2役連中を設ける場合、第2役連中に「第2役連一般中」を設けてもよい。第2役連一般中では、第2役連一般中以外の遊技状態と比較して、第2種特別役物を作動させる当選役(CB役)が当選し易い。
【0233】
連役比率は、最初の電源投入時から現在まで(以下「総遊技期間」という)に獲得したメダル枚数(以下「総メダル枚数A」という)のうち、第1役物中(第1役連中の第1役物中を含む)で獲得したメダル枚数(以下「連役メダル枚数B」)が占める割合である(連役比率=B/A)。本実施形態の連役メダル枚数Bは、ボーナス作動状態(第1役連中の第1役物中)で獲得したメダル枚数である。図12に示す通り、連役比率は記憶領域G1に記憶される。
【0234】
メインCPU301は、400回の遊技毎に連役比率を算出し、算出結果を記憶領域G1に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを連役比率として記憶領域G1に記憶する。
【0235】
役物比率は、総メダル枚数Aのうち、第1役物中、第2役物中および普通役物中で獲得したメダル枚数の合計(以下「役物メダル枚数C」という)が占める割合である(役物比率=C/A)。図12に示す通り、役物比率は記憶領域G2に記憶される。本実施形態の役物メダル枚数Cは、第2役物中および普通役物中は設けられないため、第1役物中(ボーナス作動状態)で獲得したメダル枚数になる。
【0236】
メインCPU301は、400回の遊技毎に役物比率を算出し、算出結果を記憶領域G2に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを役物比率として記憶領域G2に記憶する。指示込役物比率は、指示表示器16が押順を指示した遊技で獲得したメダルの合計枚数(以下「指示遊技メダル枚数D」という)および役物メダル枚数Cの合計のメダル枚数(C+D)が総メダル枚数Aに占める割合である(指示込役物比率=(C+D)/A)。本実施形態では、指示表示器16が押順を指示した遊技で、当該押順以外で停止操作した場合(押順ミスした場合)であっても、1枚役が停止表示され得る。以上の場合、指示遊技メダル枚数Dに数値「1」が加算される。
【0237】
メインCPU301は、400回の遊技毎に指示込役物比率を算出し、算出結果を記憶領域G3に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを指示込役物比率として記憶領域G3に記憶する。
【0238】
直近連役比率は、直近の6000回の遊技で獲得したメダル枚数(以下「直近総メダル枚数a」という)のうち、第1役物中(第1役連中の第1役物中を含む)で獲得したメダル枚数(以下「直近連役メダル枚数b」)が占める割合である(直近連役比率=b/a)。本実施形態の直近連役メダル枚数bは、直近の6000回の遊技においてボーナス作動状態(第1役連中の第1役物中)で獲得したメダル枚数である。図12に示す通り、直近連役比率は記憶領域g1に記憶される。なお、総遊技期間における遊技回数が6000回以下の場合、連役比率および直近連役比率は一致する(B/A=b/a)。
【0239】
メインCPU301は、400回の遊技毎に直近連役比率を算出し、算出結果を記憶領域g1に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを直近連役比率として記憶領域g1に記憶する。
【0240】
直近役物比率は、直近総メダル枚数aのうち、第1役物中、第2役物中および普通役物中において獲得したメダル枚数の合計(以下「役物メダル枚数c」という)が占める割合である(役物比率=c/a)。本実施形態の役物メダル枚数cは、第2役物中および普通役物中は設けられないため、直近の6000回の遊技において第1役物中(ボーナス作動状態)で獲得したメダル枚数になる。図12に示す通り、直近役物比率は記憶領域g2に記憶される。なお、総遊技期間における遊技回数が6000回以下の場合、役物比率および直近役物比率は一致する(C/A=c/a)。
【0241】
メインCPU301は、400回の遊技毎に直近役物比率を算出し、算出結果を記憶領域g2に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを直近役物比率として記憶領域g2に記憶する。
【0242】
ボーナス遊技比率は、総遊技期間の総遊技回数Eのうち、第1役連中(第1役物中を含む)の遊技回数、第2役連中(第2役物中を含む)の遊技回数、第1役物中(第1役連中を除く)の遊技回数、第2役物中(第2役連中を除く)の遊技回数および普通役物中の遊技回数の合計であるボーナス遊技回数Fが占める割合である(ボーナス遊技比率=F/E)。本実施形態のボーナス遊技回数Fは、ボーナス作動状態における遊技回数の合計である。
【0243】
図12に示す通り、ボーナス遊技比率は記憶領域G4に記憶される。メインCPU301は、1回の遊技毎にボーナス遊技比率を算出し、算出結果を記憶領域G4に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみをボーナス遊技比率として記憶領域G4に記憶する。
【0244】
以上の総メダル枚数A、連役メダル枚数B、役物メダル枚数C、指示遊技メダル枚数D、総遊技回数E、ボーナス遊技回数F、直近総メダル枚数a、直近連役メダル枚数bおよび役物メダル枚数cは、メインRAM303に設けられた専用のカウンタに別々に記憶され、上述した各契機で加算される。例えば、指示が実行された各遊技でメダルが付与された場合において、指示遊技メダル枚数Dが加算される。また、ボーナス作動状態でメダルが付与された場合において、役物メダル枚数Cが加算される。さらに、各遊技で遊技媒体が付与されると、停止操作順序の指示の有無によらず、総メダル枚数Aが加算される。
【0245】
なお、本実施形態では、総遊技回数Eが175000回に達すると、連役比率、役物比率、指示込役物比率およびボーナス遊技比率の更新は停止される。一方、直近連役比率および直近役物比率は、総遊技回数Eが175000回に達した以降の期間においても更新される。
【0246】
図12は、表示情報HAを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HAが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、連役比率に対応する文字列「6A」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域G1の現在値(連役比率の大きさ)が表示される。
【0247】
また、表示情報HAを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「60」以上の場合(G1≧60)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HAを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が17500回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
【0248】
図12は、表示情報HBを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HBが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、役物比率に対応する文字列「7A」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域G2の現在値が表示される。
【0249】
また、表示情報HBを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「70」以上の場合(G2≧70)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HBを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が17500回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
【0250】
図12は、表示情報HCを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HCが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、指示込役物比率に対応する文字列「7P」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域G3の現在値が表示される。
【0251】
また、表示情報HCを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「70」以上の場合(G3≧70)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HCを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が175000回未満の場合(E<175000)、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
【0252】
図12は、表示情報HDを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HDが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、直近連役比率に対応する文字列「6Y」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域g1の現在値が表示される。
【0253】
また、表示情報HDを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「60」以上の場合(g1≧60)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HDを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が6000回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
【0254】
図12は、表示情報HEを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HEが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、直近役物比率に対応する文字列「7Y」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域g2の現在値が表示される。
【0255】
表示情報HEを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「70」以上の場合(g2≧70)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HEを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が6000回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
【0256】
図12は、表示情報HFを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HFが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、ボーナス遊技比率に対応する文字列「5F」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域G4の現在値が表示される。
【0257】
表示情報HFを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「50」以上の場合(G4≧50)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HFを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が175000回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
【0258】
上述した通り、以上の各表示情報は、予め定められた時間間隔(約5秒)で切換えて表示される。具体的には、メイン表示器40は、電源が投入されると、約5秒間にわたりテストパターンで表示される。以上のテストパターンでは、メイン表示器40の全てのセグメントが点滅して表示される。その後、メイン表示器40は、表示情報HC、表示情報HD、表示情報HE、表示情報HA、表示情報HB、表示情報HFの順番で、各表示情報を約5秒間ずつ表示する。また、表示情報HFを表示した後に、最初から(表示情報HCから)各表示情報を繰返し表示する。
【0259】
なお、電源が投入された直後の期間に加え、他の期間においてもテストパターンでメイン表示器40が表示される構成としてもよい。例えば、設定値を変更可能な期間において、メイン表示器40がテストパターンで表示される構成としてもよい。また、設定値を確認可能な期間において、メイン表示器40がテストパターンで表示される構成としてもよい。なお、電源が投入された直後の期間と他の期間とでは、テストパターンが相違する構成としてもよい。
【0260】
<サブCPUが用いる各データ>
以下、図面を用いて、サブROM413に記憶される各種のデータを説明する。サブROM413は、特定演出決定テーブルを含む各種のデータを記憶する。
【0261】
サブCPU412は、指示番号(指示情報)を示す第2コマンド(B99(指示なし)以外)を受信した場合、各指示演出の何れかを特定演出決定テーブルにより決定する。指示演出を決定した場合、サブCPU412は、当該指示演出を示す演出制御コマンドを画像制御基板(画像制御CPU421)420に送信する。
【0262】
画像制御CPU421は、指示演出を示す演出制御コマンドを受信した場合、当該指示演出の各画像を液晶表示装置30に表示させる。本実施形態では、サブ制御基板(サブCPU412)400が遊技者に有利な停止操作順序が特定される第2コマンドを受信した場合(メインCPU301が第2コマンドを送信した場合)、当該第2コマンドに対応した停止操作態様(停止操作順序)の報知は、サブCPU412により必ず実行される。
【0263】
図13(a)~(c)は、特定演出決定テーブルの概念図である。サブCPU412は、メインCPU301からのコマンド(第1コマンド、第2コマンド)に基づいて、特定演出の何れかを特定演出決定テーブルを用いて決定する。特定演出は、有利な停止操作順序で遊技者に遊技させるための演出であり、上述の指示演出および示唆演出を含む。なお、本実施形態では、特定演出とは別に(並行して)、今回の遊技で当選した当選エリアを報知するための報知演出等が実行される場合がある(図14(a-1)等参照)。
【0264】
図13(a)~(c)に示す通り、特定演出決定テーブルは、指示モード(a~c)毎に設けられる。図13(a)は、指示モードaにおける特定演出決定テーブルの概念図である。図13(b)は、指示モードbにおける特定演出決定テーブルの概念図である。図13(c)は、指示モードcにおける特定演出決定テーブルの概念図である。
【0265】
図13(a)に示す通り、指示モードaでは、第1コマンド「A10」(ベルグループA)と第2コマンド「B99」との組合せがサブCPU412で受信されると、示唆演出Yが実行される。指示モードaでベルグループAが当選した遊技では、指示表示器16に指示情報が表示されないが、示唆演出Yが実行される。遊技者は、示唆演出Yが実行された遊技において変則押順で停止操作することにより、3枚ベル役を入賞させることができる。
【0266】
指示モードaで1枚4が当選した遊技では、ベルグループAが当選した遊技と同様に、示唆演出Yが実行される。ただし1枚4が当選した遊技では、何れの順序で停止操作した場合であっても、1枚役が入賞する。以上の構成では、示唆演出Yが実行された遊技において、変則押順で停止操作しても3枚ベル役が必ずしも入賞しない。すなわち、示唆演出Yは、変則押順が必ず有利である旨を報知するものではない。なお、ベルA1~4が当選した遊技で示唆演出Yが実行され、他の当選エリア(1枚4を含む)が当選した遊技では示唆演出Yが実行されない構成としてもよい。
【0267】
図13(a)に示す通り、指示モードaでは、第1コマンド「A11」(ベルグループB)と第2コマンド「B01」~「B04」との組合せがサブCPU412で受信されると、当該第2コマンドに対応する停止操作順序が指示される指示演出X(1~4)が実行される。
【0268】
例えば、第1コマンド「A11」と第2コマンド「B01」(中左右)との組合せがサブCPU412で受信されると、「中左右」を指示する指示演出X1が実行される。また、第1コマンド「A11」と第2コマンド「B02」(中右左)との組合せがサブCPU412で受信されると、「中右左」を指示する指示演出X2が実行される。同様に、第1コマンド「A11」と第2コマンド「B03」(右左中)との組合せがサブCPU412で受信されると、「右左中」を指示する指示演出X3が実行され、第1コマンド「A11」と第2コマンド「B04」(右中左)との組合せがサブCPU412で受信されると、「右中左」を指示する指示演出X4が実行される。以上の構成では、ベルグループBが当選した遊技において、12枚ベル役の正解押順が指示演出X(1~4)により指示される。
【0269】
図13(a)には、指示モードaの各遊技において、指示演出Xが実行される確率が示される。図13(a)に示す通り、各指示演出のうち指示演出X1が指示モードaで実行される確率は約「1/11」である。また、各指示演出のうち指示演出X2が指示モードaで実行される確率は約「1/11」である。同様に、各指示演出のうち指示演出X3が指示モードaで実行される確率は約「1/11」であり、指示演出X4が指示モードaで実行される確率は約「1/11」である。
【0270】
以上の指示モードaでは、指示表示器16において停止操作順序が指示される各遊技における指示演出X1(中左右)が実行される各遊技の割合の平均値(以下「出現割合CLRa」)は約1/4になる。また、指示モードaでは、停止操作順序が指示される各遊技における指示演出X2(中右左)が実行される各遊技の割合の平均値(以下「出現割合CRLa」)は約1/4になる。同様に、指示モードaでは、停止操作順序が指示される各遊技における指示演出X3(右左中)が実行される各遊技の割合の平均値(以下「出現割合RLCa」)は約1/4になり、指示演出X4(右中左)が実行される各遊技の割合の平均値(以下「出現割合RCLa」)は約1/4になる。
【0271】
図13(b)に示す通り、指示モードbでは、第1コマンド「A10」(ベルグループA)が受信された遊技、および、第1コマンド「A11」(ベルグループB)が受信された遊技において、指示演出X(1~4)が実行される。例えば、指示モードbにおいては、上述の指示モードaと同様に、第1コマンド「A11」(ベルグループB)と第2コマンド「B01」(中左右)との組合せが受信されると、指示演出X1が実行される。また、指示モードbにおいては、以上の場合に加え、第1コマンド「A10」(ベルグループA)と第2コマンド「B01」(中左右)との組合せが受信されると、指示演出X1が実行される。
【0272】
同様に、指示モードbでは、第1コマンド「A10」(ベルグループA)と第2コマンド「B02」(中右左)との組合せが受信された場合、および、第1コマンド「A11」(ベルグループB)と第2コマンド「B02」との組合せが受信された場合、指示演出X2が実行される。また、指示モードbでは、第1コマンド「A10」と第2コマンド「B03」(右左中)との組合せが受信された場合、および、第1コマンド「A11」と第2コマンド「B03」との組合せが受信された場合、指示演出X3が実行される。指示モードbでは、第1コマンド「A10」と第2コマンド「B04」(右中左)との組合せが受信された場合、および、第1コマンド「A11」と第2コマンド「B04」との組合せが受信された場合、指示演出X4が実行される。
【0273】
図13(b)には、指示モードbの各遊技において、指示演出Xが実行される確率が示される。図13(b)に示す通り、各指示演出のうち指示演出X1が指示モードbで実行される確率は約「1/7」である。また、各指示演出のうち指示演出X2が指示モードbで実行される確率は約「1/7」である。同様に、各指示演出のうち指示演出X3が指示モードbで実行される確率は約「1/7」であり、指示演出X4が指示モードbで実行される確率は約「1/7」である。
【0274】
以上の指示モードbでは、指示表示器16により停止操作順序が指示される各遊技における指示演出X1(中左右)が実行される各遊技の割合の平均値(以下「出現割合CLRb」)は約1/4になる。また、指示モードbでは、停止操作順序が指示される各遊技における指示演出X2(中右左)が実行される各遊技の割合の平均値(以下「出現割合CRLb」)は約1/4になる。同様に、指示モードbでは、停止操作順序が指示される各遊技における指示演出X3(右左中)が実行される各遊技の割合の平均値(以下「出現割合RLCb」)は約1/4になり、指示演出X4(右中左)が実行される各遊技の割合の平均値(以下「出現割合RCLb」)は約1/4になる。
【0275】
以上の説明から理解される通り、指示表示器16により停止操作順序が指示される各遊技のうち「中左右」が指示される各遊技の割合は、指示モードaと指示モードbとで略共通になる(出現割合CLRa=出現割合CLRb=1/4)。また、停止操作順序が指示される各遊技のうち「中右左」が指示される各遊技の割合は、指示モードaと指示モードbとで略共通になる(出現割合CRLa=出現割合CRLb=1/4)。同様に、停止操作順序が指示される各遊技のうち「右左中」が指示される各遊技の割合は、指示モードaと指示モードbとで略共通になり(出現割合RLCa=出現割合RLCb=1/4)、停止操作順序が指示される各遊技のうち「右中左」が指示される各遊技の割合は、指示モードaと指示モードbとで略共通になる(出現割合RCLa=出現割合RCLb=1/4)。
【0276】
以上の本実施形態では、停止操作順序が指示される確率が指示モードaと指示モードbとで変化するが、各出現割合(CLR、CLR、RLC、RCL)は、指示モードaと指示モードbとで変化しない。仮に、指示モードaと指示モードbとで特定の停止操作順序の出現割合が変化する構成(以下「対比例」)を想定する。以上の対比例では、一部の停止操作順序が極端に指示され難くなる場合がある。以上の場合、当該一部の停止操作順序が突然(稀に)指示されるため、遊技者が当該指示に従えない不都合が生じ得る。本実施形態によれば、指示モードaと指示モードbとで各停止操作順序がバランスよく指示されるため、以上の不都合が抑制されるという利点がある。
【0277】
図13(a)および図13(b)に示す通り、第1コマンド「A02」~「A06」(リプレイ2~7)が受信された遊技では、指示モードaおよび指示モードbの何れにおいても、第2コマンド「99」が受信される。第1コマンド「A02」~「A06」と第2コマンド「99」との組合せが受信されると、左1st演出Wが決定される。
【0278】
上述した通り、リプレイ2~7が当選した遊技では、左1stで停止操作されると上段リプレイが有効ラインに停止表示され、変則押順では赤セブンリプレイ役またはフェイクリプレイ役が停止表示され得る。以上の左1st演出Wを実行することで、赤セブンリプレイ役およびフェイクリプレイ役が無意味に停止表示される事態が抑制できる。ただし、指示モードaおよび指示モードbにおいて、リプレイ2~7が当選した遊技で停止操作順序が指示されない構成としてもよい。
【0279】
図13(c)に示す通り、指示モードcでは、上述の指示モードbと同様に、第1コマンド「A10」(ベルグループA)が受信された遊技、および、第1コマンド「A11」(ベルグループB)が受信された遊技において、指示演出X(1~4)が実行される。また、指示モードcにおける各指示演出X1~4(中左右、中右左、右左中、右中左)が実行される確率および出現割合は、指示モードbと略共通である。
【0280】
また、指示モードcでは、第1コマンド「A02」(択当てグループC)または第1コマンド「A03」(リプレイ4(回復リプレイの一部))を受信した遊技、および、第1コマンド「A04」~「A06」(回復リプレイ、フェイクリプレイ)を受信した遊技において、指示演出Zが実行される。具体的には、第1コマンド「A02」(択当てグループC)と第2コマンド「B05」(中1st)との組合せを受信した場合、サブCPU412は、指示演出Zを実行する。以上の場合、指示表示器16に指示情報「5」が表示される。
【0281】
また、第1コマンド「A03」(回復リプレイ)と第2コマンド「B05」(中1st)との組合せを受信した場合、サブCPU412は、指示演出Zを実行する。以上の場合、指示表示器16に指示情報「5」が表示される。同様に、第1コマンド「A04」~「A06」(回復リプレイ、フェイクリプレイ)と第2コマンド「B99」(指示なし)との組合せを受信した場合、サブCPU412は、指示演出Zを実行する。以上の場合、指示表示器16に指示情報は表示されない。
【0282】
以上の説明から理解される通り、指示演出Zが実行される遊技では、指示表示器16が指示情報を表示する場合と表示しない場合とがある。具体的には、択当てグループCが当選して指示演出Zが実行される遊技では、指示表示器16で指示される中1st以外で停止操作すると、特典(上乗せ特化状態へ移行する権利)が付与されない。すなわち、当該遊技では、中1stが他の停止操作順序より実際に有利になる。
【0283】
一方、回復リプレイまたはフェイクリプレイが当選して指示演出Zが実行される遊技では、当該指示演出Zにおいて中1stが指示されるが、停止操作順序によらず特典が付与される。また、当該遊技では、停止操作順序によらずリプレイが有効ラインに停止表示される。すなわち、当該遊技では、各停止操作順序での有利度は共通である。したがって、指示表示器16に指示情報を表示させる必要はない。ただし、リプレイ4(回復リプレイ)が当選した遊技と同様に、他の回復リプレイまたはフェイクリプレイが当選した遊技において指示情報「5」が表示される構成としてもよい。
【0284】
図14(a-1)は、指示演出Xの具体例を説明するための図である。図14(a-1)の具体例は、メインAT状態において、指示演出X1が実行される場合を想定する。メインAT状態では、指示演出Xを含む特定演出と並行して、AT中演出が実行される。AT中演出としては、例えば、当選した当選エリアを報知または示唆する演出画像の表示等が含まれる。また、メインAT状態では、当該メインAT状態の残り遊技回数が表示される。また、メインAT状態では、今回の指示期間において獲得したメダル数が表示される。
【0285】
上述した通り、メインAT状態は指示モードaであり、ベルグループBが当選した遊技において指示演出X(1~4)が実行される。指示演出Xでは、指示画像Gsxが表示される。指示画像Gsxは、12枚ベル役の正解押順を指示するための画像である。図14(a-1)に示す通り、指示演出X1では、「中左右」の停止操作順序を指示する指示画像Gsxが表示される。また、指示演出X2では、「中右左」の停止操作順序を指示する指示画像Gsxが表示される。同様に、指示演出X3では「右左中」の停止操作順序を指示する指示画像Gsxが表示され、指示演出X4では「右中左」の停止操作順序を指示する指示画像Gsxが表示される。
【0286】
以上の指示画像Gsxは、遊技の開始操作の直後に表示開始される。また、指示画像Gxは、他の演出画像より前側に表示される。以上の演出画像としては、当選エリアを報知するための画像、上乗せ遊技回数が付与されるか否かを報知するための画像などが想定される。プレミアAT状態では、以上のメインAT状態と同様に、ベルグループBが当選した遊技において、12枚ベル役の正解押順が指示画像Gxにより指示される。
【0287】
図14(a-2)は、示唆演出Yの具体例を説明するための図である。図14(a-2)の具体例は、メインAT状態において、示唆演出Yが実行される場合を想定する。上述した通り、指示モードaのメインAT状態においてベルグループAまたは1枚4が当選すると、示唆演出Yが実行される。メインAT状態では、示唆演出Yと並行して、AT中演出が実行される。図14(a-2)に示す通り、示唆演出Yでは示唆画像Gsyが表示される。示唆画像Gsyは、略額縁状の画像であり、内側に演出画像が表示される。ただし、示唆画像Gsyは、図14(a-2)の具体例に限定されない。
【0288】
以上の示唆画像Gsyは、遊技の開始操作の直後に表示開始される。すなわち、示唆画像Gsyが表示開始されるタイミングと指示画像Gsxが表示開始されるタイミングとは略同時である。ただし、示唆画像Gsyが表示開始されるタイミングと指示画像Gsxが表示開始されるタイミングとが相違する構成としてもよい。例えば、示唆画像Gsyが表示開始されるタイミングは、指示画像Gsxが表示開始されるタイミングより後の構成としてもよいし、先の構成としてもよい。
【0289】
示唆画像Gsyは、変則押順で停止操作された場合、第3停止操作のタイミングで非表示になる。ただし、示唆画像Gsyが表示開始された後に、左1stで停止操作された場合、第1停止操作のタイミングで示唆画像Gsyが非表示になる。具体的には、示唆演出Yが実行される遊技において左第1停止操作されると、その直後に、示唆画像Gsyが非表示になり後述のメッセージ画像Gmが表示される。ただし、変則押順で停止操作した場合であっても、第1停止操作のタイミングで示唆画像Gsyが非表示になる構成としてもよい。
【0290】
図14(a-3)は、メッセージ画像Gmの具体例を説明するための図である。図14(a-3)の具体例は、遊技開始時に示唆演出Gsyが開始され、その後、左第1停止操作された場合を想定する。以上の場合、第1停止操作された直後にメッセージ画像Gmが表示される。メッセージ画像Gmは、左第1停止操作がされた旨のメッセージを表示する。以上のメッセージ画像Gmによれば、示唆演出Yが実行された遊技では、左1st以外で停止操作すべき旨が示唆される。
【0291】
図14(a-3)に示す通り、メッセージ画像Gmが表示される期間において、演出画像が表示される。具体的には、上述した通り示唆画像Gsyが表示される期間において表示される演出画像は、メッセージ画像Gmが表示される期間においても継続して表示される。例えば、示唆画像Gsyが表示される期間において所定の動画像が演出画像として表示される場合を想定する。以上の場合、メッセージ画像Gmが表示されるか否かによらず(左第1停止操作されるか否かによらず)、当該所定の動画像が連続して表示される。ただし、メッセージ画像Gmが表示される契機で、他の画像(演出画像など)が変化する構成としてもよい。例えば、メッセージ画像Gmが表示される契機で、演出画像に替えて黒色の背景画像が表示される構成としてもよい。
【0292】
メッセージ画像Gmは、第3停止操作を契機に非表示になる。ただし、メッセージ画像Gmが非表示になる契機は適宜に変更できる。例えば、表示開始されてから予め定められた時間が経過した契機でメッセージ画像Gmが非表示になる構成としてもよい。
【0293】
なお、指示モードaにおいてベルグループAが当選した遊技において左1stで停止操作された場合と、1枚4が当選した遊技において左1stで停止操作された場合とで、メッセージ画像Gmの表示態様を変化させてもよい。また、1枚4が当選した遊技において左1stで停止操作された場合はメッセージ画像Gmが表示されない構成としてもよい。本実施形態では、示唆画像Gsyが表示されない遊技(例えば、1枚1の当選遊技)ではメッセージ画像Gmが表示されないが、当該遊技においてメッセージ画像Gmが表示され得る構成としてもよい。
【0294】
プレミアAT状態では、以上のメインAT状態と同様に、ベルグループAが当選した遊技において、示唆画像Gsyが表示される。また、プレミアAT状態では、以上のメインAT状態と同様に、ベルグループAが当選した遊技において左第1停止操作すると、メッセージ画像Gmが表示される。
【0295】
図14(b-1)は、指示演出Zの具体例を説明するための図である。上述した通り、指示演出Zは、ストック特化状態において択当てグループC、回復リプレイまたはフェイクリプレイが当選した遊技で実行される。図14(b-1)は、ストック特化状態において指示演出Zが実行される場合の各画像の模擬図である。ストック特化状態では、ストック特化状態の残り遊技回数を示す画像が表示される。また、指示演出Zでは、指示画像Gszが表示される。指示画像Gszは、中1stまたは右1stを指示するための画像である。
【0296】
具体的には、ストック特化状態において、択当てグループCまたはリプレイ4(回復リプレイ)が当選すると、中1stを指示する指示画像Gszが表示される。また、ストック特化状態において、リプレイ5またはリプレイ6(回復リプレイ)、リプレイ7(フェイクリプレイ)が当選すると、右1stを指示する指示画像Gszが表示される。
【0297】
また、ストック特化状態における指示演出Zでは、指示画像Gszに加えて「CHANCE!」という文字列を表す画像が表示される。なお、指示演出Zが実行される遊技のうち回復リプレイが当選した遊技、および、択当てグループCが当選し、且つ、特定の停止操作順序で停止操作した遊技では、各リール12に赤セブン図柄を狙うことで赤セブンプレイが有効ラインに停止表示される。したがって、指示演出Zが実行される遊技において、各リール12に赤セブン図柄を狙うべき旨のメッセージが表示される構成としてもよい。
【0298】
図14(b-2)は、指示演出Xの他の具体例を説明するための図である。図14(b-2)の具体例は、ストック特化状態において表示される各画像の具体例を示す。上述した通り、ストック特化状態は指示モードbである。指示モードbでは、ベルグループBが当選した遊技に加え、ベルグループAが当選した遊技において、指示演出X(1~4)が実行される。
【0299】
本実施形態では、指示モードb(ストック特化状態、上乗せ特化状態)において、ベルグループAが当選した場合とベルグループBが当選した場合とで、共通の指示演出Gsxが表示される。ただし、ベルグループAが当選した場合とベルグループBが当選した場合とで、指示画像Gsxの態様が相違する構成としてもよい。
【0300】
図15(a)および図15(b)は、各遊技における指示モード(a~c)の具体例を説明するための図である。図15(a)および図15(b)には、各時点における出玉状態および指示モードが示される。本実施形態では、一連の指示期間において、指示モードが切替わる場合がある。
【0301】
図15(a)の具体例は、時点t1においてAT初当り抽選に当選した場合を想定する。AT初当り抽選に当選すると、所定回数の前兆遊技を介して、上乗せ特化状態へ移行する。図15(a)の具体例では、時点t2において上乗せ特化状態へ移行した場合を想定する。上述した通り、上乗せ特化状態の序盤の遊技(1回目~3回目)は、非指示期間になる。また、上乗せ特化状態の後半の遊技(4回目以降)は指示期間になる。上乗せ特化状態の指示モードは指示モードbである
【0302】
図15(b)の具体例では、時点t3において上乗せ特化状態が終了した場合を想定する。上述した通り、上乗せ特化状態が終了するとメインAT状態へ移行する。メインAT状態の指示モードは指示モードaである。また、図15(b)の具体例では、メインAT状態の時点t4において、赤セブン(リプレイ9)が当選した場合を想定する。赤セブンが当選した遊技では、左1stで各リール12に赤セブン図柄を狙うと「赤セブン-赤セブン-赤セブン」の図柄組合せが停止表示される。また、メインAT状態において赤セブンが当選すると、次回の遊技からストック特化状態が開始される。
【0303】
ストック特化状態の指示モードは指示モードcである。また、上述した通り指示モードaの増加値は約2.77であり、指示モードcの増加値は約4である。以上の説明から理解される通り、本実施形態では、メインAT状態において特定の図柄組合せ(赤セブン-赤セブン-赤セブン)が停止表示されると、増加値が向上する。以上の本実施形態では、特定の図柄組合せが停止表示された契機で有利な状態へ移行したと遊技者に認識させることができる。
【0304】
ただし、上述した通り、メインAT状態(指示モードa)とストック特化状態(指示モードc)とでは、実増加値は約4で共通である。プレミアAT状態において赤セブンが当選した場合も同様に、指示モードが指示モードa(プレミアAT状態)から指示モードc(ストック特化状態)に変更されるため、特定の図柄組合せが停止表示された契機で出玉状態が移行した旨を遊技者に認識させることができる。
【0305】
図15(a)に示す通り、ストック特化状態が終了すると、その後、上乗せ特化状態へ移行する。ストック特化状態の最終遊技では、当該ストック特化状態で加算された上乗せストックカウンタの数値を表す画像が表示される。図15(a)の具体例では、時点t5においてストック特化状態が終了した場合を想定する。ストック特化状態が終了した後の上乗せ特化状態は、当該ストック特化状態において加算された上乗せストックカウンタに応じた回数だけ繰返される。
【0306】
図15(a)に示す通り、ストック特化状態から上乗せ特化状態へ移行した場合であっても、当該上乗せ特化状態の序盤の遊技は非指示期間になる。ただし、通常状態から移行した上乗せ特化状態の序盤の遊技を非指示期間とし、ストック特化状態から移行した上乗せ特化状態は最初の遊技から指示期間(指示モードb)としてもよい。なお、メインAT状態において白セブンが当選した場合、次回の遊技から上乗せ特化状態へ移行する。本実施形態では、メインAT状態から上乗せ特化状態へ移行した場合であっても、当該上乗せ特化状態の序盤の遊技は非指示期間になる。ただし、メインAT状態から移行した上乗せ特化状態は最初の遊技から指示期間(指示モードb)としてもよい。
【0307】
上乗せ特化状態が終了すると、その後、メインAT状態へ復帰する。図15(a)の具体例では、時点t6において上乗せ特化状態が終了しメインAT状態へ移行した場合を想定する。以上の場合、時点t6において指示モードが指示モードbから指示モードaに変更される。上乗せ特化状態の最終遊技では、当該上乗せ特化状態で獲得した上乗せ遊技回数の合計を表示する画像が表示される。
【0308】
図15(b)は、各遊技における指示モード(a~c)の他の具体例を説明するための図である。図15(b)の具体例では、メインAT状態の時点t7において差枚数カウンタが数値「151」未満に減算された場合を想定する。以上の場合、時点t7においてメインAT状態からエンディング状態へ移行する。なお、上述した通り、差枚数カウンタが数値「151」未満に減算された場合、指示期間であれば出玉状態(プレミアAT状態など)によらずエンディング状態へ移行する。エンディング状態では、エンディング状態専用の特別なエンディング演出が実行される。
【0309】
ところで、停止操作順序が直接的に指示される指示演出Xより、停止操作順序が単に示唆される示唆演出Yの方が、見落とさない様に注意する必要がある。したがって、遊技者は、示唆演出Yが実行される指示モードaでは、示唆演出Yが実行されない指示モードbより他の演出に集中し難いという事情がある。以上の事情を考慮して、本実施形態では、エンディング状態を指示モードbとした。以上の構成によれば、例えばエンディング状態が指示モードaの構成(エンディング状態において示唆演出Yが実行され得る構成)と比較して、上述のエンディング演出に集中させ易いという利点がある。
【0310】
ただし、指示モードb(指示モードc)の出玉状態が長期化する程、上述の指示込役物比率が過度に高くなる不都合が生じ易い。しかし、エンディング状態におけるメダルの純増数は、最大で151+α(α<12)である。したがって、エンディング状態を指示モードbにすることにより指示込役物比率が極端に高くなる不都合は生じにくい。ただし、エンディング状態を指示モードaとしてもよい。
【0311】
上述した通り、エンディング状態が終了すると、有利区間が終了し非有利区間へ移行する。図15(b)において、非有利区間の期間を網掛けで表示する。後述の図17(a)~(c)等においても同様に、非有利区間の期間を網掛けで表示する。なお、本実施形態では、エンディング状態(有利区間)の最終遊技においてフリーズフラグをON状態にする。以上のフリーズフラグは、エンディング状態の最終遊技が終了し、その後、非有利区間へ移行してもON状態で維持される。
【0312】
また、非有利区間の最初の遊技において、フリーズフラグがON状態の場合、当該遊技開始時においてフリーズ演出が実行される。以上のフリーズ演出では、各リール12の変動開始が規制され、液晶表示装置30により待機期間へ移行する旨が報知される。フリーズフラグは、エンディング状態またはメインAT状態から非有利区間へ移行する場合にON状態になり、他の出玉状態(待機状態A)から非有利区間へ移行する場合はON状態にならない。また、設定値が変更され非有利区間へ移行した場合もフリーズフラグはON状態にならない。
【0313】
非有利区間へ移行する際に、指示機能に係る処理で用いる全ての情報は初期化される。以上の情報には、前回の有利区間における最後の出玉状態を示す情報が含まれる。しかし、本実施形態では、有利区間が終了する前に、当該有利区間の最後の出玉状態に応じてフリーズフラグをON状態に変更する。したがって、指示機能に係る処理で用いる全ての情報が非有利区間へ移行する前に初期化された場合であっても、前回の有利区間の最後の出玉状態に応じて、当該非有利区間におけるフリーズ演出の有無を変更できる。なお、非有利区間から待機状態へ移行した契機で、フリーズ演出が実行される構成としてもよい。
【0314】
図15(b)の具体例では、時点t8において有利区間移行処理が実行された場合を想定する。上述した通り、有利区間移行処理には初期状態決定処理が含まれる。以上の初期状態決定処理では、設定値に応じた確率で、待機状態Aへ移行するか、待機状態Bへ移行するかが決定される。図15(b)の具体例では、時点t8の初期状態決定処理において、待機状態Aが決定された場合を想定する。以上の場合、次回の遊技から有利区間が開始され待機状態Aへ移行する。
【0315】
待機状態Aは、原則、1回の遊技で終了する。ただし、待機状態Aにおいてもプレミア移行抽選処理が実行される。図15(b)の具体例では、時点t9で実行されたプレミア移行抽選処理において非当選だった場合を想定する。以上の場合、待機状態Aが終了して非有利区間へ移行する。
【0316】
図15(b)の具体例では、エンディング状態が終了してから2回目の非有利区間の時点t10において有利区間移行処理(初期状態決定処理)が実行された場合を想定する。また、時点t10の初期状態決定処理において、待機状態Bが決定された場合を想定する。上述した通り、待機状態Bは、プレミアAT状態へ移行するまで継続する。図15(b)の具体例では、時点t12において、待機状態Bが終了してプレミアAT状態へ移行した場合を想定する。
【0317】
図16(a)は、初期状態決定処理において、待機状態Aまたは待機状態Bが決定される確率を説明するための図である。図16(a)に示す通り、待機状態Bの当選確率は設定値に応じて変化する。具体的には、設定値が大きいほど、待機状態Bが当選し易い。上述した通り、待機状態Bへ移行した場合、その後、プレミアAT状態へ移行する。一方、待機状態Aへ移行した場合、その後、非有利区間へ移行する。ただし、待機状態Aへ移行した場合であっても、プレミア移行抽選処理で当選した場合、当該待機状態Aが30回の遊技にわたり継続し、その後、プレミアAT状態へ移行できる。
【0318】
図16(b)は、プレミア移行抽選処理で当選する確率を説明するための図である。図16(b)に示す通り、1回の遊技でプレミア移行抽選処理に当選する確率は、約2.3%である。したがって、仮に、待機状態Aへ移行した場合であっても、確率2.3%で非有利区間ではなく当該待機状態Aが継続しプレミアAT状態へ移行する。
【0319】
図16(c)は、内部中状態において非有利区間へ移行してからプレミアAT状態へ移行するまでの非有利区間の遊技回数の平均(以下「非有利区間平均回数」)を説明するための図である。本実施形態では、設定値によらず非有利区間は原則1回の遊技で終了する。上述の図16(a)に示す通り、設定値0の場合、待機状態Bへ移行しないため、待機状態Aにおけるプレミア移行抽選処理で当選するまで待機状態Aと非有利区間とを繰返す。以上の本実施形態では、設定値0での非有利区間平均回数は約43回になる。
【0320】
一方、設定値0以外では、初期状態決定処理において待機状態Bが当選するか、待機状態Aにおけるプレミア移行抽選処理で当選するまで待機状態Aと非有利区間とを繰返す。上述した通り、初期状態決定処理では、設定値が大きいほど待機状態Bに当選し易い。以上の本実施形態では、図16(c)に示す通り、設定値が大きいほど非有利区間平均回数は少なくなる。
【0321】
以上の通り、本実施形態では、最も出玉率が低い設定値0では、全ての遊技における非有利区間の合計回数の平均値が最大となる。一方、最も出玉率が高い設定値6では、非有利区間の合計回数の平均値が最小となる。以上の構成によれば、プレミアAT状態へ移行するまでに要した遊技回数に基づいて、設定値を予想できるという遊技性が実現する。なお、最も出玉率が低い設定値0では、非有利区間の合計回数の平均値が最小となり、最も出玉率が高い設定値6では、非有利区間の合計回数の平均値が最大となる構成としてもよい。以上の構成であっても、プレミアAT状態へ移行するまでに要した遊技回数に基づいて、設定値を予想できるという遊技性が実現する。
【0322】
図17(a)~(c)は、プレミアストックが有る場合(プレミアストックフラグ=ON)の各出玉状態の遷移を説明するための図である。図17(a)~(c)には、各時点における出玉状態、指示モードおよび差枚数カウンタの数値が示される。上述した通り、プレミアストックが有る場合、メインAT状態が終了した後に、プレミアAT状態へ移行可能になる。ただし、メインAT状態が終了する際の差枚数カウンタに応じて、プレミアAT状態へ移行するまでの出玉状態が相違する。
【0323】
図17(a)は、メインAT状態が終了した後にプレミアAT状態へ移行するまでの具体例を説明するための図である。図17(a)の具体例では、メインAT状態が時点t1aにおいて終了した場合を想定する。メインAT状態が終了する際にプレミアストックフラグがON状態の場合、差枚数カウンタ(現在の有利区間が強制的に終了するまでのメダル数)が2400より多いか否かが判定される。
【0324】
仮に、差枚数カウンタが2400以下の場合、現在の有利区間を終了し、非有利区間へ移行する。図17(a)の具体例では、メインAT状態が終了する時点t1aにおいて差枚数カウンタの数値が「1000」の場合を想定する(差枚数カウンタ<2400)。以上の場合、メインAT状態が終了すると、有利区間が終了して非有利区間へ移行する。
【0325】
図17(a)の具体例では、メインAT状態が終了した後の最初の非有利区間において、待機状態Bへの移行が決定された場合を想定する。以上の場合、新たな有利区間の最初の出玉状態が待機状態Bになる。図17(a)の具体例では、時点t2aから新たな有利区間が開始された場合を想定する。以上の場合、時点t2aにおける差枚数カウンタは初期値「2401」になる。
【0326】
仮に、メインAT状態が終了した時点における差枚数カウンタの数値によらず、メインAT状態から非有利区間を介さずにプレミアAT状態へ移行する構成を想定する。以上の構成では、メインAT状態が終了した時点における差枚数カウンタの数値が過剰に小さい場合、その後のプレミアAT状態において直ちに差枚数カウンタが数値「0」に減算され非有利区間へ移行してしまう不都合が想定される。本実施形態によれば、メインAT状態が終了した時点における差枚数カウンタの数値が過剰に小さい場合、一旦非有利区間へ移行し新たな有利区間を開始するため、プレミアAT状態へ移行する前に差枚数カウンタが初期値「2401」にリセットされる。したがって、上述の不都合が抑制できる。
【0327】
上述した通り、待機状態Bの各遊技では、プレミア移行抽選処理が実行される。また、待機状態Bの遊技回数が30回に達すると、当該30回の遊技においてプレミア移行抽選処理で当選したか否かが判定される。図17(a)の具体例では、待機状態Bの遊技回数が30回目の遊技が終了した時点t3aにおいて、プレミア移行抽選処理で当選していない場合を想定する。以上の場合、時点t3a以降も待機状態Bが継続する。
【0328】
また、図17(a)の具体例では、時点t3a以降の待機状態Bにおける30回の遊技において、プレミア移行抽選処理で当選した場合を想定する。以上の場合、待機状態Bの60回目の遊技が終了した時点t4aにおいて、プレミア移行抽選処理で当選していたと判定される。プレミア移行抽選処理で当選していたと判定されると、次回の遊技からプレミアAT状態へ移行する。上述した通り、待機状態Bで90回の遊技が実行されると、プレミア移行抽選処理で当選しなくとも次回の遊技からプレミアAT状態へ移行する。
【0329】
なお、所定の条件を満たした場合(例えば、特定の当選エリアに当選した場合)、待機状態Bで30回の遊技が実行される以前に、プレミアAT状態へ移行する構成としてもよい。プレミアAT状態へ移行すると、指示モードが指示モードaになる(指示期間が開始される)。
【0330】
図17(b)は、メインAT状態が終了した後にプレミアAT状態へ移行するまでの他の具体例を説明するための図である。上述の図17(a)の具体例では、メインAT状態の終了時点において、差枚数カウンタが数値「2400」以下の場合を想定した。図17(b)の具体例では、メインAT状態の終了時点t1bにおいて、差枚数カウンタが数値「2400」より大きい場合を想定する。
【0331】
メインAT状態の終了時点において、差枚数カウンタが数値「2400」より大きい場合、非有利区間を介することなくプレミアAT状態へ移行する。すなわち、差枚数カウンタをリセットすることなくプレミアAT状態へ移行する。具体的には、メインAT状態の終了時点において、差枚数カウンタが数値「2400」より大きい場合、メインAT状態から待機状態Bへ直接移行する。すなわち、メインAT状態と待機状態Bとは共通の(一連の)有利区間になる。
【0332】
メインAT状態から待機状態Bへ直接移行した場合、当該待機状態Bで10回の遊技が実行されると、プレミア移行抽選処理の結果によらず、プレミアAT状態へ移行する。図17(b)では、時点t2bにおいてプレミアAT状態が開始された場合を想定する。非有利区間から移行した待機状態B(図17(a)参照)とメインAT状態から移行した待機状態B(図17(b)参照)とでは演出モードが共通して「待機モード」になる。ただし、非有利区間から移行した場合とメインAT状態から移行した場合(非有利区間を介さない場合)とで待機状態Bの演出モードを相違させてもよい。
【0333】
仮に、メインAT状態が終了した時点における差枚数カウンタの数値によらず、メインAT状態が終了すると一律に非有利区間へ移行する構成を想定する。以上の構成では、メインAT状態が終了した時点における差枚数カウンタの数値が2400より大きい(例えば、3000)場合であっても、その後のプレミアAT状態において純増枚数が2400枚程度に達すると、非有利区間へ移行してしまう。以上の構成では、遊技者によっては、遊技意欲が低下する不都合が生じ得る。本実施形態によれば、メインAT状態が終了した時点における差枚数カウンタの数値が2400大きい場合、有利区間を継続させて差枚数カウンタを初期値(2401)にリセットしない。したがって、上述の不都合が抑制できる。
【0334】
図17(c)は、メインAT状態が終了した後にプレミアAT状態へ移行するまでの他の具体例を説明するための図である。図17(c)の具体例は、上述の図17(a)の具体例と同様に、メインAT状態の終了時点t1cにおいて、差枚数カウンタが数値「2400」以下の場合を想定する。以上の場合、メインAT状態から非有利区間へ移行する。
【0335】
図17(c)の具体例は、メインAT状態の終了後、最初の非有利区間において待機状態Aが決定された場合を想定する。また、当該待機状態AのプレミアAT移行抽選処理(時点t2c)でハズレの場合を想定する。以上の場合、待機状態Aが終了して非有利区間へ再度移行する。さらに、図17(c)の具体例は、メインAT状態が終了して2回目の非有利区間においても待機状態Aが決定され、その後の待機状態AにおいてもプレミアAT移行抽選処理(時点t3c)でハズレの場合を想定する。以上の場合、待機状態Aが終了して非有利区間へ再度移行する。
【0336】
図17(c)の具体例は、メインAT状態が終了して3回目の非有利区間においても待機状態Aが決定された場合を想定する。また、当該待機状態Aにおいて、プレミア移行抽選処理(時点t4c)で当選した場合を想定する。以上の場合、当該待機状態Aは1回の遊技では終了せず、その後30回の遊技に亘り継続する。また、待機状態Aにおいて30回の遊技が実行されると、その後、プレミアAT状態へ移行する。
【0337】
以上の本実施形態では、待機状態AにおいてプレミアAT移行抽選処理で当選した場合、当該待機状態Aの本来の終了契機(1回の遊技の実行)が成立した場合であっても、当該待機状態Aを継続し、プレミアAT状態へ移行する。すなわち、本実施形態は、有利区間の本来の終了契機が成立した場合であっても、所定の特典を得る権利が当該有利区間において付与されている場合、当該有利区間を継続して当該特典が付与される。以上の本実施形態によれば、所定の特典を得る権利が付与されたにもかかわらず、非有利区間へ移行して当該権利が無効になる構成と比較して、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという利点がある。
【0338】
なお、非有利区間と待機状態Aとへ繰返し移行する場合であっても、メインAT状態が終了してからプレミアAT状態へ移行するまでの期間における各時点の演出モードは、共通して「待機モード」になる。仮に、非有利区間へ移行した契機または待機状態Aへ移行した契機で演出モードが切替わる構成を想定する。以上の構成では、演出モードが頻繁に切替わり、遊技者によっては煩わしく感じる不都合が生じ得る。本実施形態の構成によれば以上の不都合が抑制される。
【0339】
本実施形態では、非有利区間へ移行する際に、警告画像Gkを表示する場合がある(後述の図18(a)参照)。以上の警告画像Gkは、遊技者に対して遊技依存を警告するための画像である。ただし、本実施形態では、待機状態Aへ移行した場合、非有利区間へ繰返し移行する場合がある。したがって、仮に、非有利区間へ移行する度に警告画像Gkが一律に表示される構成では、警告画像Gkが短期間に繰返し表示される不都合が生じ得るという事情がある。
【0340】
以上の事情を考慮して、本実施形態は、非有利区間へ移行する場合に、予め定められた表示条件が満たされていると、警告画像Gkを表示する一方、当該表示条件が満たされていないと、警告画像Gkを表示しない構成を採用した。以上の構成について以下で詳細に説明する。
【0341】
図18(a)は、警告画像Gkの具体例を説明するための図である。図18(a)は、リザルト画面Mrの模擬図である。リザルト画面Mrは、一連の指示期間(メインAT状態など)において獲得したメダル数が表示される画像である。
【0342】
警告画像Gkは、例えば、リザルト画面Mrが表示される期間において表示される。図18(a)に示す通り、警告画像Gkは「のめり込みに注意しましょう」「パチスロは適度に楽しむ遊びです。」というメッセージを表示する。なお、警告画像Gkの具体例は以上の例に限定されない。また、リザルト画面Mrの表示期間以外において警告画像Gkが表示される構成としてもよい。例えば、非遊技期間において警告画像Gkが表示され得る構成としてもよい。また、リザルト画面Mrに表示される画像は以上の例に限定されない。例えば、メインAT状態においてストック特化状態へ移行した回数がリザルト画面Mrに表示される構成としてもよい。
【0343】
図18(b)は、警告画像Gkが表示される時期の具体例を説明するための図である。警告画像Gkは、原則、出玉状態が移行する直前に表示される。例えば、メインAT状態(移行元)から通常状態(移行先)へ移行する場合、当該メインAT状態が終了する際に警告画像Gkが表示される。一方、メインAT状態から待機状態Bへ移行する場合(プレミアストックがあり、有利区間をリセットしない場合)、当該メインAT状態が終了する際に警告画像Gkが表示されない。
【0344】
また、メインAT状態から非有利区間へ移行する場合(プレミアストックがあり、有利区間をリセットする場合)、当該メインAT状態が終了した際に警告画像Gkが表示されない。エンディング状態から非有利区間へ移行する場合、当該エンディング状態が終了した際に警告画像Gkが表示される。また、待機状態Aから非有利区間へ移行する場合、当該待機状態Aが終了する際に警告画像Gkが表示されない。
【0345】
図19(a-1)~図19(a-3)は、本実施形態において警告画像Gkが表示される時期の詳細を説明するための図である。図19(a-1)~図19(a-3)には、各時点における出玉状態および演出モードが示される。また、図19(a-1)~図19(a-3)には、警告画像Gkが表示される表示期間Tが示される。後述の図19(b-1)および図19(b-2)についても同様である。
【0346】
図19(a-1)は、メインAT状態が終了する際の具体例を説明するための図である。図19(a-1)の具体例は、メインAT状態が終了する際にプレミアストックフラグがOFF状態の場合を想定する。また、ATセットの残り個数が0個の場合を想定する。以上の場合、メインAT状態が終了すると通常状態へ移行する。
【0347】
図19(a-1)の具体例では、メインAT状態の最後の遊技が時点t1dで終了した(時点t1dで第3停止操作された)場合を想定する。以上の場合、時点t1dの直後から表示期間Tにわたり警告画像Gkが表示される。表示期間Tは、予め定められた時間(例えば約5秒)で終了する。メインAT状態から通常状態へ移行する場合、上述の図18(a)を用いて説明した通り、リザルト画面Mrが時点t1dから表示され、当該リザルト画面Mrが表示される期間において警告画像Gkが表示される。
【0348】
本実施形態では、時点t1dから5秒以上が経過した後の時点t2dにおいて、通常状態の最初の遊技が開始された場合を想定する。以上の場合、通常状態へ移行するより前に警告画像Gkが非表示になる。一方、仮に、時点t1dから5秒が経過する前に通常状態の最初の遊技が開始された場合、当該遊技の開始時点では警告画像Gkが表示され、その後に非表示になる。
【0349】
ただし、警告画像Gkが表示される期間は適宜に変更できる。例えば、次回の遊技が開始されるまで警告画像Gkが表示され続ける構成としてもよい。リザルト画面Mrは、例えば、通常状態の最初の遊技開始時点t2dまで表示され、その後、非表示になる。ただし、通常状態の最初の遊技を開始するためのメダルが投入された契機で、リザルト画面Mrが非表示になる構成としてもよい。以上の構成では、通常状態の最初の遊技を開始するためのメダルが投入された契機で演出モードが通常状態に対応する通常モードに切替わる。
【0350】
図19(a-2)は、メインAT状態が終了する際の他の具体例を説明するための図である。図19(a-2)の具体例は、上述の図19(a-1)と同様に、ATセットの残り個数が0個の場合を想定する。また、図19(a-2)の具体例は、メインAT状態が終了する際にプレミアストックフラグがON状態であり、且つ、差枚数カウンタが数値「2400」以下の場合を想定する。以上の場合、メインAT状態が終了すると非有利区間へ移行する。
【0351】
図19(a-2)の具体例では、メインAT状態が時点te1において終了し、非有利区間へ移行した場合を想定する。上述した通り、メインAT状態から通常状態へ移行する場合、警告画像Gkを表示した(上述の図19(a-1)参照)。一方、メインAT状態から非有利区間へ移行する場合、図19(a-2)に示す通り、警告画像Gkは表示されない。
【0352】
図19(a-2)の具体例では、メインAT状態が終了した後の最初の非有利区間から待機状態Aへ移行した場合を想定する。また、時点t2eにおいて、待機状態Aから非有利区間へ移行した場合を想定する。図19(a-2)に示す通り、待機状態Aから非有利区間へ移行する場合、警告画像Gkは表示されない。図19(a-2)の具体例では、メインAT状態が終了してから2回目の非有利区間において、待機状態Bへの移行が決定された場合を想定する。以上の場合、待機状態Bが終了した後にプレミアAT状態へ移行する。
【0353】
以上の説明から理解される通り、メインAT状態が終了して通常状態へ移行する場合(図19(a-1)参照)は警告画像Gkを表示する一方、非有利区間へ移行する場合(図19(a-2)参照)は警告画像Gkを表示しない。詳細な説明は省略するが、メインAT状態が終了する際にプレミアストックフラグがON状態であり、且つ、差枚数カウンタが数値「2400」より多い場合、メインAT状態から待機状態Bを介してプレミアAT状態へ移行するまでの期間において、警告画像Gkは表示されない。
【0354】
図19(a-2)に示す通り、メインAT状態の最終遊技において第3停止操作がされた時点t1eの直後に非有利区間が開始される。また、図19(a-2)の具体例では、時点t11eにおいて、非有利区間の最初の遊技が開始され、当該遊技で有利区間への移行が決定された場合を想定する。さらに、待機状態Aの最初の遊技が時点t12eから開始された場合を想定する。
【0355】
以上の図19(a-2)の具体例では、時点t1eから時点t11eまでの演出モードは、メインAT状態に対応するメインATモードで維持される。なお、時点t1eから時点t11eまでの期間において、リザルト画面Mrが表示される構成としてもよい。また、以上の構成において、時点t1eから警告画像Gkの表示期間Tが開始される構成としてもよい。非有利区間の最初の遊技が開始された時点t11eより後の期間の演出モードは、待機状態(A、B)に対応する待機モードになる。
【0356】
図19(a-3)は、エンディング状態が終了する際の具体例を説明するための図である。上述した通り、エンディング状態が終了すると非有利区間へ移行する。図19(a-3)の具体例では、エンディング状態の最終遊技における第3停止操作が時点t1fで実行され、その後、非有利区間へ移行した場合を想定する。以上の場合、時点t1fから警告画像Gkの表示期間Tが開始される。
【0357】
また、図19(a-3)の具体例では、表示期間Tが経過した後の時点t2fにおいて非有利区間の最初の遊技が開始された場合を想定する。以上の場合、非有利区間における最初の遊技開始時点t2fでは警告画像Gkが非表示になっている。ただし、表示期間Hが終了する前に非有利区間における最初の遊技が開始された場合、当該遊技の開始時において警告画像Gkが表示され得る。
【0358】
図19(a-3)の具体例では、時点t1fから時点t2fまでの期間において、演出モードがエンディング状態に対応するエンディングモードに制御され、リザルト画面Mrが表示される。また、非有利区間の最初の遊技が開始された時点t2fから演出モードが待機モードに切替わる。ただし、以上の構成に替えて、非有利区間の最初の遊技を開始するためのメダルが投入された契機で、リザルト画面Mfrを非表示にし、演出モードが待機モードに切替わる構成としてもよい。図19(a-3)の具体例では、時点t3fにおいて待機状態Bへ移行した場合を想定する。待機状態Bが終了すると、その後、プレミアAT状態へ移行する。
【0359】
以上の警告画像Gkの表示時期は適宜に変更できる。図19(b-1)および図19(b-2)は、第1実施形態の変形例を説明するための図である。第1実施形態では、上述した通り、内部中状態で非有利区間へ移行した場合、プレミアAT状態への移行が実質的に確定する。一方、図19(b-1)および図19(b-2)に示す変形例では、内部中状態で非有利区間へ移行した場合であっても、プレミアAT状態への移行しない場合がある。具体的には、当該変形例では、第1実施形態と同様に、非内部中状態の非有利区間からは通常状態へ移行する。また、当該変形例では、内部中状態の非有利区間からは待機状態へ移行する。変形例の待機状態は例えば30回の遊技で終了する。
【0360】
変形例の待機状態の各遊技では、第1実施形態の待機状態(A、B)と同様に、プレミアAT移行抽選処理が実行される。以上の待機状態は、プレミアAT状態へ移行する権利が高確率で決定される期間である。ただし、第1実施形態では、仮に、プレミアAT抽選処理で当選せずに待機状態の残り遊技回数が0回に達した場合であっても、最終的にプレミアAT状態へ移行する。一方、変形例では、プレミアAT抽選処理で当選せずに待機状態の残り遊技回数が0回に達した場合、その後、通常状態へ移行する。
【0361】
図19(b-1)の具体例は、待機状態におけるプレミアAT抽選処理で当選した場合を想定する。具体的には、図19(b-1)では、時点t1gにおいてメインAT状態から非有利区間へ移行した場合を想定する。また、非有利区間から待機状態へ移行し、当該待機状態の時点t2gにおいて、プレミアAT移行抽選処理で当選した場合を想定する。以上の場合、待機状態の残り遊技回数が0回に達すると、その後、待機状態からプレミアAT状態へ移行する。 図19(b-1)に示す通り、待機状態からプレミアAT状態へ移行する場合、メインAT状態からプレミアAT状態へ移行する一連の期間において警告画像Gkは表示されない。
【0362】
図19(b-2)の具体例は、待機状態におけるプレミアAT移行抽選処理で当選しない場合を想定する。以上の場合、待機状態が終了する際に警告画像Gkが表示される。具体的には、図19(b-2)の具体例では、時点t1hにおいて、待機状態における最後の遊技が終了した場合(第3停止操作された場合)を想定する。当該変形例では、時点t1hから警告画像Gkの表示期間T(5秒間)が開始される。その後、時点t2hにおいて次回の遊技が開始されると、出玉状態が通常状態へ移行する。
【0363】
以上の変形例では、時点t1hから時点t2hまでの期間においてリザルト画面Mrが表示される。以上のリザルト画面Mrでは、直前のメインAT状態を含む指示期間において獲得したメダル数に応じた遊技結果が表示される。なお、通常状態の最初の遊技を開始するためのメダルが投入された契機で、リザルト画面Mrが非表示になり演出モードが通常モードに切替わる構成としてもよい。
【0364】
以上の変形例によれば、有利区間が終了する場合に警告画像Gkを表示せず、その後に開始された新たな有利区間において警告画像Gkを表示可能である。仮に、有利区間が終了する場合に一律に警告画像Gkが表示される構成を想定する。以上の構成では、有利区間が終了した後に比較的有利な出玉状態(例えば待機状態)へ移行する場合であっても警告画像Gkが表示される。すなわち、一連の有利な期間の途中で警告画像Gkが表示されてしまう。したがって、遊技者によっては、当該一連の有利な期間の途中で遊技意欲が低下してしまう不都合が生じ得る。上述の変形例によれば以上の不都合が抑制される。
【0365】
<メインCPUが実行する各処理>
メインCPU301は、上述した各データを用いて各種の処理を実行する。メインCPU301は、リセット回路からのリセット信号が入力された場合、起動処理を実行する。リセット信号は、メイン制御基板300に供給される電源電圧が所定の閾値を超えた場合に出力される。例えば、電源スイッチ511SWがON状態になることでメイン制御基板300への電源電圧の供給が開始された場合、起動処理が実行される。起動処理において、メインCPU301は、メイン制御基板300の各レジスタ等を初期化する。
【0366】
また、起動処理において、メインCPU301は、設定値を変更するための処理を含む各種の処理(遊技可能な状態に移行するための処理)を実行する。なお、メインCPU301は、起動処理の以前に、メインROM302が記憶する制御プログラムの正当性を判断するセキュリティチェック処理を実行してもよい。起動処理を終了した後に、メインCPU301は、遊技制御処理に移行する。本実施形態では、設定値が変更されると、遊技状態が非内部中状態へ移行し、出玉状態が非有利区間となる。また、指示機能に係る各種の情報を初期化される。
【0367】
図20は、メインCPU301の遊技制御処理のフローチャートである。遊技制御処理は、遊技者が1回の遊技を行う毎に実行される。詳細には後述するが、メインCPU301は、遊技制御処理が実行される期間において、所定の時間間隔(例えば1.49ms)で割込処理を実行する。すなわち、メインCPU301は、遊技制御処理と割込処理とを交互に実行する。例えば、サブ制御基板400に送信されるコマンドは、遊技制御処理でセットされ、割込処理でサブ制御基板400に送信される。メインCPU301が実行する各種の抽選の結果、または、メインRAM303に設けられた各種のカウンタの数値を示すコマンドが適宜にサブ制御基板400に送信される。また、遊技制御処理でセットされた各タイマ(例えばウェイトタイマ)は、割込処理で減算される。
【0368】
メインCPU301は、遊技制御処理を開始すると、初期設定処理を実行する(S101)。初期設定処理は、1回の遊技が終了する毎に実行される。メインCPU301は、初期設定処理において、メインRAM303の記憶領域のうち遊技毎に初期化される記憶領域を初期化する。例えば、前回の遊技の当選エリア(当選エリア番号)が格納された当選エリア格納領域は、初期設定処理で初期化される。
【0369】
メインCPU301は、初期設定処理の後に、自動投入処理(S102)に移行する。自動投入処理により、メインCPU301は、前回の遊技の結果、有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが揃った場合、前回の遊技と同数の賭けメダルを今回の遊技の賭けメダルとして設定する。
【0370】
メインCPU301は、自動投入処理の後に、遊技開始前処理(S103)に移行する。遊技開始前処理において、メインCPU301は、メダル投入部8からのメダルの検知、および、精算ボタン23の操作の検出をする。遊技開始前処理において、メダルの投入を検出した場合、メインCPU301は、賭けメダルまたはクレジットを加算する。また、遊技開始前処理において、清算ボタン23の操作を検出した場合、メインCPU301は、賭けメダルまたはクレジットを払い戻す。また、メインCPU301は、遊技開始前処理において、スタートレバー24の操作(すなわち遊技の開始操作)を検出する。
【0371】
メインCPU301は、遊技開始前処理で遊技の開始操作を検知すると、設定値確認処理(S104)に移行する。設定値確認処理において、メインCPU301は、設定値の適否を判断する。具体的には、メインCPU301は、設定値確認処理において、設定値が適正(0、1、2、4、5、6の何れか)であるか否かを判定する。設定値が適正でないと判断した場合、メインCPU301は、設定値の異常を示す設定値異常コマンドをコマンド格納領域に格納し、設定値エラー処理に移行する。
【0372】
メインCPU301は、設定値確認処理で設定値が適正であると判断した場合、乱数値R1、乱数値R2および乱数値R3を取得する(S105)。乱数値R1は、乱数発生器304で生成されるハードウェア乱数であり、内部抽選処理で用いられる。乱数値R2は、メインCPU301に内蔵されるレジスタから取得されるソフトウェア乱数であり、回胴演出決定処理等で用いられる。乱数値R3は、指示機能に係る処理で用いられる。メインCPU301は、取得した乱数値R1をメインRAM303の乱数値R1格納領域に格納する。同様に、メインCPU301は、取得した乱数値R2をメインRAM303の乱数値R2格納領域に格納し、乱数値R3をメインRAM303の乱数値R3格納領域に格納する。
【0373】
メインCPU301は、乱数値R1、乱数値R2および乱数値R3をメインRAM303に格納した後に、開始時処理(S106)に移行する。開始時処理は、当選エリアを乱数値R1により決定するための内部抽選処理、および、回胴演出を乱数値R2により決定するための回胴演出決定処理を含む各処理で構成される。また、開始時処理は、指示番号を決定するための指示番号決定処理を含む。
【0374】
メインCPU301は、開始時処理を実行した後に、回胴演出処理(S107)を実行する。例えば、回胴演出処理において、各種の遊技操作を受付け、リール12の態様(加速、変動表示、停止、静止、振動)を切換える処理が実行される。また、メインCPU301は、回胴演出処理において、上述の遅延時間を抽選により設定する。なお、回胴演出処理においてもウェイト期間の残り時間が減算される。
【0375】
メインCPU301は、回胴演出処理を実行した後に、ウェイト処理(S108)を実行する。ウェイト処理は、各遊技の時間長を所定の長さ以上にするための処理である。メインCPU301は、ウェイト処理において、ウェイト期間が経過したか否かを判定し、ウェイト期間が経過していないと判断した場合、ウェイト処理から後述の停止前処理に移行しない。
【0376】
一方で、ウェイト期間が経過したと判断した場合、メインCPU301は、停止前処理(S109)に移行する。停止前処理においては、内部抽選処理で決定された当選エリアに応じて各種のデータ(後述の優先順位等)がメインRAM303に格納される。後述の停止制御処理において、停止前処理で格納された各データに応じて各リール12が停止されることにより、当選エリアで指定される当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
【0377】
メインCPU301は、停止前処理を実行した後に、停止制御処理(S110)に移行する。停止制御処理により、メインCPU301は、各停止ボタン25が操作される毎に、当該停止ボタン25に対応するリール12を停止させる。各リール12は、上述した停止前処理で設定した各データに応じた図柄位置で停止する。
【0378】
停止制御処理で全てのリール12を停止すると、メインCPU301は、表示判定処理(S111)に移行する。表示判定処理において、メインCPU301は、有効ラインに表示された図柄の組合せの判定をする。また、メインCPU301は、有効ラインに表示された図柄の組合せの種別に応じて各種のデータを設定する。例えば、リプレイに係る図柄組合せが有効ラインに停止表示していると判定した場合、メインCPU301は、再遊技作動中フラグをON状態に設定する。また、メインCPU301は、有効ラインに入賞当選役に係る図柄組合せが停止していると判断した場合、当該入賞当選役の種別に応じた枚数のメダルをクレジット数に加算する。
【0379】
メインCPU301は、表示判定処理を実行した後に、停止時処理(S112)を実行する。停止時処理において、メインCPU301は、出玉状態および遊技状態を移行させる。以上の停止時処理には、上述の判定条件抽選処理およびストック抽選処理が含まれる。また、メインCPU301は、停止時処理において、出玉状態の移行に伴い、有利区間を開始または終了させる。具体的には、後述の有利区間制御処理を実行する。メインCPU301は、停止時処理を終了すると、ステップS101に処理を戻す。
【0380】
図21は、非有利区間中処理のフローチャートである。メインCPU301は、非有利区間の遊技において非有利区間中処理を実行する。具体的には、メインCPU301は、開始時処理(上述の図20におけるS106)において非有利区間中処理を実行する。なお、非有利区間中処理は、非有利区間において、遊技状態によらず全ての遊技で実行される。
【0381】
非有利区間中処理が開始されると、メインCPU301は、今回の遊技の当選エリアが有利区間移行当選エリアであるか否かを判定する(Sx0)。今回の遊技の当選エリアが有利区間移行当選エリアでない場合(Sx0:No)、メインCPU301は、後述の有利区間移行処理を省略して非有利区間中処理を終了する。以上の場合、有利区間が開始されず、次回の遊技に非有利区間が継続する。一方、今回の遊技の当選エリアが有利区間移行当選エリアである場合(Sx0:Yes)、メインCPU301は、有利区間移行処理を実行する。有利区間移行処理は、新たな有利区間が開始される際に実行される処理であり、後述のステップSx1~Sx5を含む。
【0382】
図21に示す通り、有利区間移行処理では、遊技状態が内部中状態であるか否かが判定される(Sx1)。遊技状態が内部中状態ではないと判断すると(Sx1:No)、メインCPU301は、次回出玉状態を通常状態に設定する(Sx2)。前回の遊技で次回出玉状態が通常状態に設定されると、次回の遊技から通常状態になる。また、メインCPU301は、次回出玉状態を通常状態に設定した後に、通常時処理(Sx3)を実行する。通常時処理には、通常状態の各遊技において実行される各種の処理が含まれる。例えば、通常時処理では、上述のAT初当り抽選が実行される。メインCPU301は、通常処理を実行した後に非有利区間中処理を終了する。
【0383】
ステップSx1において、遊技状態が内部中状態であると判断すると(Sx1:Yes)、メインCPU301は、初期状態決定処理(Sx4)を実行する。初期状態決定処理では、上述した通り、待機状態Aまたは待機状態Bが決定される。その後、メインCPU301は、初期状態決定処理の結果に基づいて、次回出玉状態を待機状態Aまたは待機状態Bに設定する(Sx5)。例えば、直前の初期状態決定処理において待機状態Aが決定された場合、次回出玉状態を待機状態Aに設定する。
【0384】
一方、直前の初期状態決定処理において待機状態Bを決定した場合、メインCPU301は、次回出玉状態を待機状態Bに設定する。また、メインCPU301は、次回出玉状態を待機状態Bに設定した場合、待機天井カウンタに初期値「3」を設定し、待機残りカウンタに初期値「30」を設定する。次回出玉状態を設定した後に、メインCPU301は、非有利区間中処理を終了する。なお、非有利区間中処理において、次回出玉状態を待機状態に設定した場合、待機状態中に実行される各種の処理が実行される構成としてもよい。例えば、非有利区間中処理において、プレミアAT移行抽選処理が実行される構成としてもよい。
【0385】
図22は、有利区間制御処理のフローチャートである。メインCPU301は、上述の停止時処理において有利区間制御処理を実行する。なお、有利区間制御処理は、遊技状態によらず全ての遊技で実行される。有利区間制御処理を開始すると、メインCPU301は、今回の遊技が有利区間中であるか否かを判定する(Sx10)。有利区間中ではないと判断した場合(Sx10:No)、すなわち非有利区間中の場合、メインCPU301は、有利区間制御処理を終了する。一方、有利区間中であると判断すると(Sx10:Yes)、メインCPU301は、今回の遊技でリプレイが有効ラインに停止表示されたか否か判定する(Sx11)。
【0386】
リプレイが停止表示されていないと判断すると(Sx11:No)、メインCPU301は、差枚数カウンタ更新処理(Sx12)を実行する。差枚数カウンタ更新処理では、差枚数カウンタが更新される。具体的には、今回の遊技の賭けメダルの枚数(3枚)から払出枚数を減算した数値が差枚数カウンタに加算される。例えば、払出枚数が12枚の場合、数値「-9」を差枚数カウンタに加算する(すなわち、差枚数カウンタから数値「9」が減算される)。また、払出枚数が0枚の場合、数値「+3」を差枚数カウンタに加算する。
【0387】
再遊技(リプレイが停止表示された遊技の次遊技)では、自動投入されたメダルの枚数が当該遊技における賭けメダルの枚数としてステップSx12が実行される。差枚数カウンタ更新処理を実行した後に、メインCPU301は、ステップSx13へ処理を進める。今回の遊技でリプレイが停止表示されたと判断すると(Sx11:Yes)、メインCPU301は、差枚数カウンタ更新処理を省略してステップSx13へ処理を進める。
【0388】
ステップSx13において、メインCPU301は、差枚数カウンタが数値「0」以下であるか否かを判定する。差枚数カウンタが数値「0」以下であると判断すると(Sx13:Yes)、メインCPU301は、メインRAM303に記憶される指示機能に係る全てのパラメタを初期化して(Sx15)、有利区間制御処理を終了する。ステップSx15では、例えば、上述の各カウンタが初期化され、出玉状態が非有利区間へ移行する。なお、出玉状態が非有利区間へ移行した場合であっても、遊技状態は変化しない。
【0389】
差枚数カウンタが数値「0」より大きいと判断すると(Sx13:No)、メインCPU301は、次回の出玉状態が「非有利区間」に設定されたか否かを判定する(Sx14)。例えば、エンディング状態の最終遊技において、次回の出玉状態が「非有利区間」に設定される。また、プレミアAT移行抽選処理に外れた場合の待機状態Aの遊技において、次回の出玉状態が「非有利区間」に設定される。
【0390】
次回の出玉状態が「非有利区間」の場合(Sx14:Yes)、メインCPU301は、ステップSx15へ移行し、メインRAM303に記憶される指示機能に係る全てのパラメタを初期化して有利区間制御処理を終了する。一方、次回の出玉状態が「非有利区間」以外の場合(Sx14:No)、メインCPU301は、ステップSx15を省略して有利区間制御処理を終了する。
【0391】
<サブCPUが実行する各処理>
図23は、サブCPU412のサブ起動処理のフローチャートである。サブCPU412は、リセット回路からのリセット信号が入力された場合にサブ起動処理を実行する。リセット回路は、サブ制御基板400に供給される電源電圧が所定の閾値を超えた場合に、リセット信号を出力する。例えば、サブ制御基板400への電源電圧の供給が開始された場合に、サブ起動処理が実行される。
【0392】
サブ起動処理を開始すると、サブCPU412は、起動時初期化処理(S301)を実行する。起動時初期化処理において、サブCPU412は、例えば、サブ制御基板400の各種のレジスタを初期化する。
【0393】
起動時初期化処理において、サブCPU412は、サブRAM414のバックアップ異常の有無を判定する。バックアップ異常がある場合、サブCPU412は、バックアップデータを初期化する。また、サブCPU412は、起動時初期化処理において、CGROM424を含む各種のROMに記憶されたデータが適正であるか否かを判定する。例えば、各ROMの特定のアドレスに格納されたデータを読み出し、当該データが適正であるか否かを判定する。各種のROMに異常が発見された場合、サブCPU412は、所定のエラー処理に移行する。
【0394】
サブCPU412は、サブ起動処理において、ランプ制御タスクの起動(S302)、音響制御タスクの起動(S303)、画像制御基板通信タスクの起動(S304)、メイン制御基板通信タスクの起動(S305)、演出ボタン入力タスクの起動(S306)を行う。
【0395】
サブCPU412は、ランプ制御タスクにより、筐体ランプ5と演出用ランプ28とを含む各種のランプを制御する。また、サブCPU412は、音響制御タスクにより、スピーカ(31、32)を制御する。また、サブCPU412は、画像制御基板通信タスクにより、画像制御基板420にコマンドを送信し、メイン制御基板通信タスクにおいてメイン制御基板300からのコマンドを受信し、演出ボタン入力タスクにおいて演出ボタン26および方向指定ボタン27の操作を受付ける。
【0396】
サブCPU412には、タイマ割込信号が所定の時間間隔で入力される。サブCPU412は、タイマ割込信号を受信すると、各タスクのうちの何れかを実行する。すなわち、各種のランプおよびスピーカ(31,32)を含む各周辺装置は、時分割で制御される。
【0397】
ところで、所定の遊技回数において獲得するメダルの総数は、何れの設定値が設定された場合であっても、予め定められた範囲内であることが求められる。具体的には、400回の遊技において獲得するメダルの総数は、投入をしたメダルの総数の3分の1を超え、かつ、2.2倍に満たないものであることが求められる。また、1600回の遊技において獲得するメダルの総数は、投入をしたメダルの総数の5分の2を超え、かつ、1.5倍に満たないものであることが求められる。また、6000回の遊技において獲得するメダルの総数は、投入をしたメダルの総数の2分の1を超え、かつ、1.26倍に満たないものであることが求められる。さらに、17500回の遊技において獲得するメダルの総数は、投入をしたメダルの総数の5分の3を超え、かつ、1.15倍に満たないものであることが求められる。
【0398】
以上の基準(以下「出玉基準」)を満たすか否かは、試験により確認されるのが通常である。仮に、所定の遊技回数において過度にメダルが減少し易い場合、試験において出玉基準が満たされない可能性が高い。また、所定の遊技回数において過度に多くのメダルが獲得され易い場合、試験において出玉基準が満たされない可能性が高い。すなわち、ギャンブル性が高い遊技機ほど、試験において出玉基準が満たされないと判断される可能性が高い。
【0399】
以上の事情を考慮して、本実施形態の遊技機1は、特定の設定値では、他の設定値と比較して著しくギャンブル性が低い構成を採用した。具体的には、各設定値のうち設定値「0」が設定された場合、他の設定値が設定された場合と比較して、試験において出玉基準を満たす可能性が著しく高くなる構成を採用した。例えば、本実施形態では、指示期間(BB状態)へ移行することにより、多くのメダルが獲得可能になる。設定値「0」が設定されている場合、指示期間へ移行する確率(初当り確率)が比較的高くなるが、指示期間が短期間で終了し易い(連チャンし難い)。以上の構成によれば、設定値「0」が設定される場合、試験において出玉基準が満たされる確率が高くなる。
【0400】
ただし、設定値「0」が設定される場合、ギャンブル性が著しく低くなるため、遊技が面白味に欠けると感じる遊技者が多い。したがって、仮に設定値「0」が設定されているか否かが遊技する前に把握できない構成では、遊技者によっては、遊技機1で遊技することを敬遠する不都合が生じ得る。以上の事情を考慮して、本実施形態では、設定値「0」が設定されているか否かを遊技する前に把握可能な構成を採用した。以上の構成について以下で詳細に説明する。
【0401】
図24(a)は、サブCPU412による電源投入時処理のフローチャートである。サブCPU412は、電源が投入された直後において、電源投入時処理を実行する。また、以上の電源投入時処理は、通常、メインCPU301が遊技制御処理を実行可能になる前に完了する。すなわち、遊技が可能になる前にサブCPU412は電源投入時処理を完了する。
【0402】
電源投入時処理を開始すると、サブCPU412は、メインCPU301側で設定された設定値を確認する。具体的には、メインCPU301は、電源が投入された直後に設定値を示すコマンドをサブCPU412へ送信する。サブCPU412は、ステップSy1において、当該コマンドが示す設定値を確認する。その後、サブCPU412は、ステップSy1において確認した設定値が「0」であるか否かを判定する(Sy2)。
【0403】
設定値が「0」ではないと判断した場合(Sy2:No)、サブCPU412は、通常制御モードを決定して(Sy3)、電源投入時処理を終了する。一方、設定値が「0」であると判断した場合(Sy2:Yes)、サブCPU412は、特殊制御モードを決定して(Sy4)、電源投入時処理を終了する。詳細には以下で説明するが、通常制御モードが決定された場合と、特殊制御モードが決定された場合とでは、演出実行手段(停止ボタン25、スピーカ、液晶表示装置30)の態様が相違する。
【0404】
図24(b)は、各制御モードにおける演出実行手段の態様を説明するための図である。図24(b)に示す通り、通常制御モードでは、停止ボタン25の操作が無効の期間(例えば、対応するリールが停止している期間)において、当該停止ボタン25は赤色で発光する。一方、特殊制御モードでは、停止ボタン25の操作が無効の期間において、当該停止ボタン25は緑色で発光する。
【0405】
以上の構成では、遊技者は、停止ボタン25の色彩を確認することにより、遊技する前に設定値「0」が設定されたか否かを特定できる。ただし、図24(b)に示す通り、停止操作が可能な期間での停止ボタン25の色彩は、各制御モードにおいて青色で共通する。仮に、停止操作が可能な期間での停止ボタン25の色彩が各制御モードで相違する構成を想定する。以上の構成では、遊技者によっては、停止操作が有効であるか否かが直感的に判断し難くなるという不都合が想定される。本実施形態によれば、以上の不都合が抑制される。
【0406】
上述した通り、本実施形態では、方向指定ボタン27を操作することにより、遊技者がマスタ音量を調整可能である。具体的には、図24(b)に示す通り、制御モードが通常制御モードの場合、マスタ音量を遊技者が調整可能である。一方、特殊制御モードの場合、マスタ音量が変更不可能である。以上の構成によれば、マスタ音量が変更不可能な場合、設定値「0」が設定されている旨を遊技者が特定できる。ただし、何れの制御モードであっても、エラーを報知するためのエラー音は、最大の音量で出力される。
【0407】
上述した通り、本実施形態では、方向指定ボタン27を遊技者が操作することにより、演出制御モード(エンジョイモード、通常モード、シンプルモード)を変更可能である。具体的には、図24(b)に示す通り、制御モードが通常制御モードの場合、演出制御モードを遊技者が変更可能である。一方、特殊制御モードの場合、演出制御モードが変更不可能である。以上の構成によれば、演出制御モードが変更不可能な場合、設定値「1」が設定されている旨を遊技者が特定できる。
【0408】
本実施形態では、サブCPU412が電源断の状態から復旧すると直ちに電源投入時処理が実行され、停止ボタン25が緑色で表示される。以上の構成によれば、例えば、電源を投入した遊技機1の管理者は、停止ボタン25が緑色で表示されている場合、設定値「1」が設定されている旨を直ちに把握することができるという利点がある。
【0409】
なお、通常制御モードと特殊制御モードとで、非遊技期間における液晶表示装置30の画像が相違する構成としてもよい。以上の構成では、本実施形態と同様に、設定値「1」が設定されているか否かを遊技する前に特定できる。ただし、電源が投入されてから復旧するまでの時間は、液晶表示装置30よりランプ(停止ボタンのランプを含む)の方が短いのが通常である。したがって、本実施形態では、例えば各制御モードで液晶表示装置30の画像のみが変化する構成と比較して、電源が投入されてから設定値「1」が設定されている旨を特定可能になるまでの時間が短縮されるという利点がある。
【0410】
図25(a)~(c)は、サブCPU412による演出制御処理のフローチャートである。演出制御処理は、演出実行手段(液晶表示装置30など)における演出を制御するための処理である。図25(a)~(c)に示す通り、演出制御処理は、サブ開始時処理、サブ第1停止処理およびサブ停止時処理を含む。図25(a)~(c)には、演出制御処理のうちの一部が抜粋して示される。
【0411】
図25(a)は、サブ開始時処理のフローチャートである。メインCPU301は、遊技の開始操作がされると、その旨を示すコマンドをサブCPU412(サブ制御基板400)へ送信する。サブCPU412は、当該コマンドをメインCPU301から受信すると、サブ開始時処理を実行する。図25(a)に示す通り、サブ開始時処理を開始すると、サブCPU412は、サブペナルティ状態中であるか否かを判定する(Sy11)。サブCPU412は、上述の遊技進行フラグがOFF状態の期間(メインペナルティ制御が実行された後の期間)においてサブペナルティ状態に制御される。例えば、非指示期間の前回の遊技において変則押順で停止操作された場合、今回の遊技におけるサブ開始時処理の実行時点ではサブペナルティ状態になる。
【0412】
サブペナルティ状態ではないと判断した場合(Sy11:No)、サブCPU412は、演出抽選で各種の演出を決定し(Sy12)、サブ開始時処理を終了する。ステップSy12において演出が決定されると、当該演出が各演出実行手段において実行開始される。一方、サブペナルティ状態中であると判断した場合(Sy11:Yes)、サブCPU412は、演出抽選を省略してサブ開始時処理を終了する。以上の構成によれば、サブペナルティ状態中に開始された遊技では、新たな演出がステップSy12において決定されない。
【0413】
図25(b)は、サブ第1停止処理のフローチャートである。メインCPU301は、第1停止操作がされると、第1停止操作された停止ボンタン25(左、中、右)を示すコマンドをサブCPU412へ送信する。サブCPU412は、非指示期間において当該コマンドをメインCPU301から受信すると、サブ第1停止処理を実行する。図30(b)に示す通り、サブ第1停止処理を開始すると、サブCPU412は、左第1停止操作されたか否かを判定する(Sy21)。左第1停止操作されたと判断した場合(Sy21:Yes)、サブCPU412は、サブ第1停止処理を終了する。
【0414】
一方、左第1停止以外(中第1停止、右第1停止)で停止操作されたと判断した場合(Sy21:No)、サブCPU412は、現在実行中の演出を強制的に終了させる(Sy22)。例えば、直前のサブ開始時処理において実行開始された演出は、その後、中第1停止操作または右第1停止操作されると、サブ第1停止処理において強制的に終了させられる。
【0415】
なお、左第1停止以外で停止操作された場合、全ての演出が一律に強制終了させられる構成に替えて、一部の演出については継続して実行され得る構成としてもよい。例えば、サブCPU412は、左第1停止以外で停止操作された場合、現在実行中の演出が特定演出であるか否かを判定する。仮に、特定演出であると判断された場合、当該特定演出が継続して実行される。一方、特定演出ではないと判断された場合、実行中の演出が強制的に終了する。なお、特定演出としては、遊技状態の移行を報知するための演出(例えば、メインAT状態が開始する際の演出)が想定される。以上の特定演出は、実行開始が予定されていた遊技がサブペナルティ状態中であっても、当該遊技で実行開始されるのが好適である。
【0416】
図25(b)に示す通り、サブCPU412は、左第1停止以外で停止操作されたと判断した場合、サブペナルティ状態へ移行する(Sy23)。また、サブCPU412は、左第1停止以外で停止操作されたと判断した場合、報知内容決定処理(Sy24)を実行する。報知内容決定処理では、報知画像および報知音声が決定される。具体的には、今回の遊技で中第1停止操作された場合、「中から押しています」というメッセージを表示する報知画像および報知音声「中から押しています」が決定される。また、今回の遊技で右第1停止操作された場合、「右から押しています」というメッセージを表示する報知画像および報知音声「右から押しています」が決定される。報知画像が決定されると、当該報知画像が液晶表示装置30に直ちに表示される。また、報知音声が決定されると、当該報知音声がスピーカらから直ちに出力される。
【0417】
図25(c)は、サブ停止時処理のフローチャートである。メインCPU301は、最後の停止ボンタン25が操作がされると、その旨を示すコマンドをサブCPU412へ送信する。サブCPU412は、当該コマンドをメインCPU301から受信すると、サブ停止時処理を実行する。図25(c)に示す通り、サブ停止時処理を開始すると、サブCPU412は、今回の遊技で左第1停止操作されたか否かを判定する(Sy31)。左第1停止操作されたと判断した場合(Sy31:Yes)、サブCPU412は、サブペナルティ状態中であるか否かを判定する(S32)。
【0418】
サブペナルティ状態中ではないと判断した場合(Sy32:No)、サブCPU412は、サブ停止時処理を終了する。一方、サブペナルティ状態中であると判断した場合(Sy32:Yes)、サブCPU412は、ペナルティ状態を解除して(Sy33)、サブ停止時処理を終了する。以上の構成によれば、左第1停止操作された遊技の終了時に、サブペナルティ状態が解除される。また、上述のステップSy31において、左第1停止操作されなかったと判断した場合(Sy31:No)、サブCPU412は、ステップSy33を省略してサブ停止時処理を終了する。以上の構成によれば、左1stで遊技されない場合、サブペナルティ状態が次回以降の遊技に継続される。
【0419】
<第2実施形態>
本発明の他の実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0420】
図26(a)は、第2実施形態の出玉状態の遷移を説明するための図である。図26(a)には、各出玉状態のうちの一部が抜粋して示される。第2実施形態では、上述の第1実施形態と同様に、非有利区間(内部中状態、非内部中状態)、通常状態、上乗せ特化状態、メインAT状態、ストック特化状態、プレミアAT状態、エンディング状態および待機状態(A、B)へ移行する(図9(a)参照)。第2実施形態における各出玉状態への移行契機は、原則、上述の第1実施形態と共通する。また、第2実施形態と第1実施形態とでは、当選エリアの種類および各当選エリアが当選した遊技で停止表示可能な当選役の図柄組合せが共通する。
【0421】
図26(a)に示す通り、第2実施形態では、上述の各出玉状態に加え、準備状態が設けられる。具体的には、上述の第1実施形態では、通常状態から上乗せ特化状態へ直接移行した。一方、第2実施形態では、通常状態から準備状態を介して、上乗せ特化状態へ移行する。具体的には、通常状態においてAT初当り抽選に当選すると、前兆期間を介してAT当選報知が実行され、その後準備状態へ移行する。
【0422】
以上の準備状態では、特定の指示演出(後述の指示演出H)が実行される。また、指示演出Hが実行された遊技において、予め定められた停止操作順序(変則押順)で停止操作されると、上乗せ特化状態へ移行可能になる(図26(a)の矢印(a))。一方、当該停止操作順序以外で停止操作されると、上乗せ特化状態へ移行せず、準備状態が維持される(図26(a)の矢印(b))。
【0423】
図26(b)は、第2実施形態における指示決定テーブルYjの概念図である。第2実施形態では、第1実施形態と同様に、指示期間において指示モードa、指示モードbおよび指示モードcの何れかに制御される。また、第2実施形態における指示モードaから指示モードcでは、上述の図10(b-1)~図10(b-3)を用いて説明した各指示決定テーブルY(a~c)により指示番号が決定される。第2実施形態では、以上の指示モード(a~c)に加え、指示モードjが設けられる。指示モードjでは、指示決定テーブルYjを用いて指示番号が決定される。
【0424】
第2実施形態では、上述の準備状態が指示モードjに制御される。メインCPU301は、指示モードjにおいて、ベルグループB(ベルB1~B8)が当選すると、ベルBの種類によらず、指示番号「06」を決定し、指示情報「06」を指示表示器16に表示させる。また、メインCPU301は、ベルグループBが指示モードjで当選すると、ベルグループBを示す第1コマンド「A11」および指示番号「06」を示す第2コマンド「B06」をサブCPU412へ送信する。
【0425】
上述した通り、ベルグループBが当選した遊技での獲得期待値は、左1stより変則押順で多くなる。すなわち、ベルグループBが当選した旨が報知された場合、12枚ベル役が入賞しない左1stより、12枚ベル役が入賞し得る変則押順で停止操作した方が獲得期待値は多くなる。以上の構成では、指示情報「06」が表示された遊技では、遊技者は変則押順で停止操作することになる。すなわち、指示情報「06」が表示された場合、変則押順で停止操作すべき旨が実質的に指示される。指示モードj(準備状態)においてベルグループB以外が当選した遊技では、指示番号「99」(指示なし)が決定され、指示情報は表示されない。
【0426】
図26(c)は、指示モードjにおける特定演出決定テーブルの概念図である。第2実施形態における指示モードaから指示モードcでは、第1実施形態と同様に上述の図13(a)~図13(c)を用いて説明した各特定演出決定テーブルを用いて特定演出(指示演出、示唆演出)が決定される。図25(c)に示す通り、第1コマンド「A11」(ベルグループB)と第2コマンド「B06」(変則押順)との組合せを指示モードjにおいて受信すると、サブCPU412は、指示演出Hの実行を決定する。以上の指示演出Hでは、変則押順が指示される。
【0427】
図26(d-1)は、準備状態で表示される各画像を説明するための図である。準備状態の各遊技では、例えば、上乗せ特化状態へ移行する準備中である旨が表示される。また、図26(d-1)の具体例は、準備状態においてベルグループBが当選し、指示演出Hが実行される場合を想定する。
【0428】
指示演出Hでは、指示画像Gshが表示される。指示画像Gshは、変則押順で停止操作すべき旨を指示するための画像である。例えば、指示画像Gshは、左停止ボタン25Lに対応する左側部分、中停止ボタン25Cに対応する中央部分および右停止ボタン25Rに対応する右側部分を含む。また、指示画像Gshの左側部分には「×」印が表示され、中央部分および右側部分の各々には「?」印が表示される。以上の指示画像Gshによれば、左第1停止操作以外(変則押順)で停止操作すべき旨が指示される。
【0429】
また、指示演出Hにおける指示画像Gshは、指示演出Xにおける指示画像Gsxとは液晶表示装置30の画面における表示領域が相違する。図26(d-2)は、指示演出Xにおける各画像の概念図である。図26(d-2)に示す通り、指示演出Xの指示画像Gsxは、液晶表示装置30の画面における中央より下側に表示される。一方、図26(d-1)に示す通り、指示演出Hの指示画像Gshは、液晶表示装置30の画面における中央付近に表示される。また、図26(d-1)および図26(d-2)から理解される通り、指示画像Gshは指示画像Gsxより広い領域に表示される。ただし、指示画像Gshは、変則押順が指示可能であれば足り、適宜に変更できる。
【0430】
以上の指示演出Hは、遊技が開始されてから第1停止操作が実行されるまでの期間において実行される。本実施形態では、指示演出Hが実行開始された後の第1停止操作を契機に開始演出を実行する。図26(d-3)は、開始演出において表示される画像を説明するための図である。図26(d-3)に示す通り、開始演出では、上乗せ特化状態が開始される旨を報知するためのメッセージ(図26(d-3)の例では「START!」)が表示される。なお、開始演出において、上乗せ特化状態を説明するための画像が表示される構成としてもよい。
【0431】
図27(a)は、指示演出Hが実行される期間の具体例を説明するための図である。すなわち、図27(a)は、指示画像Gsh(上述の図26(d-1)参照)が表示される期間の具体例を説明するための図である。また、図27(a)には、各時点における出玉状態および指示モード、指示画像Gshが表示される期間、および、開始画像(上述の図26(d-3)参照)が示される。
【0432】
図27(a)の具体例では、通常状態から準備状態へ移行した場合を想定する。以上の場合、指示モードjに制御され、指示期間が開始される。また、図27(a)の具体例では、準備状態における時点t1xから開始される遊技において、ベルグループBが当選した場合を想定する。以上の場合、時点t1xにおいて、指示表示器16に指示情報「06」が表示開始され、液晶表示装置30において指示演出Hが実行され指示画像Gshが表示開始される。
【0433】
図27(a)の具体例では、指示演出Hが実行された遊技において、変則押順(中1stまたは右1st)で停止操作された場合を想定する。具体的には、時点t2xにおいて、第1停止操作された場合を想定する。以上の場合、上乗せ特化状態への移行が決定され、次回の遊技から上乗せ特化状態へ移行する。具体的には、指示演出Hが実行された遊技では、停止操作順序(中左右、中右左、右左中、右中左)に応じて、12枚ベル役が入賞する場合と入賞しない場合とがある。ただし、指示演出Hが実行された遊技において変則押順で停止操作された場合、12枚ベル役が入賞するか否かによらず、次回の遊技から上乗せ特化状態へ移行する。
【0434】
ところで、従来から、準備状態において特定のリプレイが当選した場合、次回の遊技から有利な出玉状態へ移行可能となる技術が知られている。以上の従来技術では、特定のリプレイが当選した遊技において特殊な指示演出が実行され、当該指示演出に従い停止操作することで、特定の図柄組合せ(セブン-セブン-セブン)が停止表示される。以上の構成によれば、有利な出玉状態への移行を遊技者が認識し易いという利点がある。
【0435】
ただし、以上の従来技術では、有利な出玉状態へ移行可能な遊技において、停止操作態様によらずリプレイが停止表示される。すなわち、当該遊技において、付与され得る遊技価値(再遊技の権利を含む)は一律である。したがって、遊技者によっては面白味に欠けるという不都合が生じ得た。
【0436】
以上の事情を考慮して、本実施形態では、有利な出玉状態へ移行可能な遊技において、指示演出の指示に従い遊技したとしても、付与され得る遊技価値が変化する構成を採用した。以上の構成によれば、有利な出玉状態へ移行する旨を認識し易くしつつ、例えば上述の従来技術と比較して、遊技の面白味が向上するという利点がある。
【0437】
図27(a)に示す通り、指示演出Hが実行された遊技における第1停止操作の時点t2xで、指示画像Gsxが非表示になる。また、指示演出Hが実行された遊技において変則押順で第1停止操作(中第1停止、右第1停止)されると、指示画像Gshに替えて、開始画像が表示開始される。その後、開始画像は上乗せ特化状態の最初の遊技が開始される時点t3xまで表示される。
【0438】
なお、開始画像が表示される期間は適宜に変更できる。例えば、指示演出Hが実行された遊技の第3停止操作を契機に開始画像が表示開始され、上乗せ特化状態の最初の遊技開始を契機に非表示になる構成としてもよい。ただし、以上の構成では、指示演出Hが実行された遊技が終了した直後に次回の遊技が開始された場合、開始画像が表示される期間が極端に短くなるという不都合が生じ得る。第2実施形態の構成によれば、上述の不都合が抑制されるという利点がある。
【0439】
図27(b)は、指示演出Hが実行される期間の他の具体例を説明するための図である。図27(b)には、各時点における出玉状態および指示画像Gshが表示される期間が示される。
【0440】
図27(b)の具体例では、時点t1yにおいて開始された準備状態中の遊技において、ベルグループBが当選した場合を想定する。以上の場合、当該遊技の開始時点t1yから指示演出Hが実行され指示演出Gshが表示開始される。また、図27(b)の具体例では、当該遊技における時点t2yにおいて、左第1停止操作された場合を想定する。以上の場合、左第1停止操作を契機に指示画像Gshが非表示になる。
【0441】
上述した通り、準備状態において指示演出Hの指示に従い変則押順で停止操作されると、次回の遊技から上乗せ特化状態へ移行する。一方、図27(b)に示す通り、準備状態における指示演出Hが実行された遊技で、左1stで停止操作された場合、次回以降の遊技において準備状態が継続する。
【0442】
具体的には、準備状態は指示演出Hに従い変則押順で停止操作されるまで継続する。例えば、図27(b)の具体例では、遊技が時点t3yで開始された遊技において、2回目の指示演出Hが実行されたが、当該遊技の時点t4yにおいて左第1停止操作された場合を想定する。以上の場合、当該遊技以降において準備状態が継続する。
【0443】
以上の準備状態は、指示演出Hにおいて左1stで停止操作された場合であっても、上乗せ特化状態へ移行するまで継続する。すなわち、上乗せ特化状態へ移行する権利は、指示演出Hにおいて左1stで停止操作された場合であっても消滅しない。ただし、準備状態において差枚数カウンタが数値「0」まで減算された場合、非有利区間へ移行する。
【0444】
また、準備状態において白セブン、赤セブン(リプレイ9)またはプレミア(以下「確定役」と総称する場合がある)が当選した場合、準備状態が終了する。具体的には、準備状態において白セブンが当選すると、次回の遊技から上乗せ特化状態へ移行する。また、準備状態において赤セブンが当選すると、次回の遊技からストック特化状態へ移行する。同様に、準備状態においてプレミアが当選すると、次回の遊技からプレミアAT状態へ移行する。ただし、以上の各場合であっても、エンディング状態を介して非有利区間へ移行した場合を除いて、メインAT状態が終了した後に上乗せ特化状態へ移行する(上乗せ特化状態へ移行する権利は消滅しない)。
【0445】
なお、準備状態において予め定められた回数(例えば100回)の遊技が実行された契機で、当該準備状態が終了する構成としてもよい。また、確定役が当選した場合であっても、出玉状態が準備状態で維持される構成としてもよい。以上の構成では、準備状態において確定役が当選した場合、その後、指示演出Hの指示に従い当該準備状態が終了した契機で、当該確定役(例えば、プレミア)に応じた出玉状態(プレミアAT状態)へ移行する構成としてもよい。
【0446】
図27(b)の具体例では、その後の時点t5yで開始された遊技の時点t6yにおいて、「中左右」(変則押順)で停止操作された場合を想定する。以上の場合、当該遊技の次回の遊技から上乗せ特化状態へ移行する。上述した通り、上乗せ特化状態が終了すると、その後、メインAT状態へ移行する。以上のメインAT状態においては、ベルグループBのうちベルB1が当選し、指示演出X1(左中右)が実行される場合がある。以上の場合、指示演出X1が実行された遊技で「左中右」で停止操作したとしても、出玉状態はメインAT状態から変化しない(上乗せ特化状態へ移行しない)。
【0447】
以上の説明から理解される通り、ベルグループBが当選した遊技において、指示演出(X、H)が実行された場合、停止操作順序が共通であっても、出玉状態が維持される場合(メインAT状態)と維持されない場合(準備状態)とがある。以上の構成によれば、特定の当選エリアが当選した遊技で特定の停止操作順序で停止操作した場合に一律に出玉状態が変化してしまう構成と比較して、意図しない時期に出玉状態が変化してしまう不都合が抑制できるという利点がある。
【0448】
<第3実施形態>
図28(a)は、第3実施形態において、各停止操作順序で入賞する当選役を説明するための図である。第1実施形態と第3実施形態とでは、移行可能な出玉状態は共通である。また、各出玉状態で実行される各種の処理は第1実施形態と第3実施形態とで原則共通である。さらに、各出玉状態の指示モード(a~c)は第1実施形態と第3実施形態とで共通である。
【0449】
第3実施形態では、第1実施形態におけるベルA1~A4(ベルグループA)およびベルB1~B8(ベルグループB)に替えて、打順ベル01~04が設けられる。以上の打順ベル01~04の各々の当選確率は共通である。以下、打順ベル01~04を「ベルグループX」と記載する場合がある。ベルグループX以外の当選エリアは、第1実施形態と第3実施形態とで共通である。
【0450】
図28(a)に示す通り、ベルグループXが当選した遊技では、停止操作順序に応じて入賞する当選役が相違する。例えば、ベルグループXのうち打順ベル01が当選した遊技では、「中左右」で停止操作すると、停止操作位置によらず8枚ベル役が入賞する。8枚ベル役は、払出枚数が8枚の入賞当選役である。一方、打順ベル01が当選した遊技では、「中左右」以外で停止操作すると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。
【0451】
同様に、ベルグループXのうち打順ベル02が当選した遊技では、「中右左」で停止操作すると、停止操作位置によらず8枚ベル役が入賞し、「中右左」以外で停止操作すると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。打順ベル03が当選した遊技では、「右左中」で停止操作すると、停止操作位置によらず8枚ベル役が入賞し、「右左中」以外で停止操作すると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。打順ベル04が当選した遊技では、「右中左」で停止操作すると、停止操作位置によらず8枚ベル役が入賞し、「右中左」以外で停止操作すると、停止操作位置によらず1枚役の何れかが入賞する。
【0452】
以上の第3実施形態では、上述の第1実施形態と同様に、左1stの獲得期待値は、変則押順(中1st、右1st)の獲得期待値より小さくなる。また、左1stの各停止操作順序(左中右、左右中)で獲得期待値は共通になり、変則押順の各停止操作順序(中左右、中右左、右左中、右中左)で獲得期待値は共通になる。
【0453】
第3実施形態では、第1実施形態と同様に、通常状態および待機状態(A、B)において変則押順で停止操作すると、メインペナルティ制御が実行される。なお、詳細には後述するが、指示期間(指示モードa)のベルグループXが当選した遊技において、停止操作順序が指示される場合と指示されない場合とがある。指示期間における停止操作順序が指示されない遊技において、変則押順で停止操作されてもメインペナルティ制御は実行されない。
【0454】
ベルグループXが当選した場合、第1コマンド「A0F」が共通してメインCPU301からサブCPU412へ送信される。なお、第3実施形態において、他の当選エリアが当選した場合の第1コマンドは、第1実施形態と同様である。
【0455】
非指示期間においてベルグループXが当選した場合、第2コマンド「B99」(指示なし)が送信される。また、指示期間のうち指示モードbおよび指示モードcでは、ベルグループXのうち打順ベル01が当選した遊技において、原則、指示情報「01」(中左右)が指示表示器16に表示されるとともに、第2コマンド「B01」(中左右)が送信される。
【0456】
同様に、指示モードbおよび指示モードcでは、打順ベル02が当選した遊技において、指示情報「02」(中右左)が指示表示器16に表示されるとともに、第2コマンド「B02」(中右左)が送信される。また、指示モードbおよび指示モードcでは、打順ベル03が当選した遊技において、指示情報「03」(右左中)が指示表示器16に表示されるとともに、第2コマンド「B03」(右左中)が送信され、打順ベル04が当選した遊技において、指示情報「04」(右中左)が指示表示器16に表示されるとともに、第2コマンド「B04」(右中左)が送信される。
【0457】
第3実施形態においては、第1実施形態と同様な特定演出(指示演出X、示唆演出Y、指示演出Z)が実行される。具体的には、サブCPU412側で第2コマンド「B01」~「B04」が受信されると、指示演出X1~指示演出X4が液晶表示装置30において実行される。以上の説明から理解される通り、指示モードbまたは指示モードcでベルグループXに当選した遊技では、指示表示器16および液晶表示装置30において、8枚ベル役を入賞可能な停止操作順序(以下「正解押順」)が原則指示される。
【0458】
一方、指示モードaにおいてベルグループXが当選した場合、指示実行抽選が実行され、当該指示実行抽選で当選したことを条件に、正解押順に対応する指示情報が指示表示器16に表示され、当該正解押順を指示する指示演出が実行される。一方、指示実行抽選で非当選の場合、指示情報が指示表示器16に表示されず、指示演出が実行されない。具体的には、指示実行抽選で非当選の場合、示唆演出Yが実行される。以上の構成について、以下の図28(b)を用いて詳細に説明する。
【0459】
図28(b)は、第3実施形態におけるベル当選時処理のフローチャートである。メインCPU301は、ベルグループXが当選した遊技の開始時処理において、ベル当選時処理を実行する。以上のベル当選時処理を開始すると、メインCPU301は、今回の遊技が指示期間であるか否かを判定する(Sz11)。指示期間ではないと判断した場合(Sz11:No)、メインCPU301は、第2コマンド「B99」をコマンド格納領域に設定して(Sz17)ベル当選時処理を終了する。
【0460】
一方、指示期間であると判断した場合(Sz11:Yes)、メインCPU301は、指示モードが指示モードaであるか否かを判定する(Sz12)。指示モードが指示モードaではない場合(Sz12:No)、メインCPU301は、指示表示器制御処理(Sz13)を実行する。すなわち、指示モードbまたは指示モードcの場合、指示表示器制御処理が実行される。指示表示器制御処理では、今回の遊技で8枚ベル役が入賞する正解押順に対応する指示番号が決定され、当該指示番号に対応する指示情報(0~4)が指示表示器16に表示される。その後、メインCPU301は、直前の指示表示器制御処理で決定した指示番号に対応する第2コマンド(B01~B04)を設定してベル当選時処理を終了する。
【0461】
以上の構成によれば、指示モードbまたは指示モードcでベルグループXに当選した遊技では、正解押順を示す第2コマンドがメインCPU301からサブCPU412へ原則送信される。サブCPU412は、受信した第2コマンドが示す正解押順を指示する指示演出Xを実行させる。
【0462】
一方、上述のステップSz12において、指示モードaであると判断した場合(Sz12:Yes)、メインCPU301は、指示実行抽選(Sz15)を実行する。以上の指示実行抽選では、今回の遊技において指示演出Xを実行するか否かが抽選により決定される。例えば、指示実行抽選では確率約1/2で指示演出Xを実行する旨が決定される(確率約1/2で指示演出Xに当選する)。
【0463】
メインCPU301は、指示実行抽選で当選したか否かを判定し(Sz16)、当選の場合(Sz16:Yes)、上述の指示表示器制御処理を実行し、今回の遊技における正解押順を示す第2コマンド(B01~B04)を設定してベル当選時処理を終了する。以上の場合、正解押順を指示する指示演出Xが実行される。一方、指示実行抽選で非当選の場合(Sz16:Yes)、メインCPU301は、第2コマンド「B99」(指示なし)を設定してベル当選時処理を終了する。以上の場合、以下の図28(c-1)で説明する通り、示唆演出Yが実行される。
【0464】
図28(c-1)および図28(c-2)は、第3実施形態における特定演出決定テーブルの概念図である(第1実施形態の図13(a)および図13(b)参照)。なお、図28(c-1)および図28(c-2)には、特定演出決定テーブルのうち指示モードaにおける特定演出決定テーブルおよび指示モードbにおける特定演出決定テーブルを抜粋して示す。
【0465】
図28(c-1)は指示モードaにおける特定演出決定テーブルの概念図である。上述した通り、指示モードaでは、ベルグループXが当選した遊技において、指示実行抽選で当選した場合、第1コマンド「A0F」と第2コマンド「B01」~「B04」の何れかとの組合せがサブCPU412側で受信される。以上の場合、図28(c-1)に示す通り、第2コマンドに応じて指示演出X1から指示演出X4の何れかが実行される。以上の指示演出Xでは、8枚ベル役が入賞する正解押順が指示される。また、指示モードaでは、ベルグループXが当選した遊技において、指示実行抽選で非当選の場合、第1コマンド「A0F」と第2コマンド「B99」との組合せがサブCPU412側で受信される。以上の場合、図28(c-1)に示す通り、示唆演出Yが実行される。
【0466】
上述した通り、ベルグループXが当選した遊技では、左1stでの獲得期待値より変則押順での獲得期待値が多くなる。また、指示モードaにおいては、指示演出Xが実行されない遊技において変則押順で停止操作してもメインペナルティ制御が実行されない。以上の構成では、示唆演出Yが実行された場合、遊技者は変則押順で停止操作することになる。すなわち、第3実施形態の示唆演出Yは、第1実施形態の示唆演出Yと同様に、変則押順で停止操作すべき旨を示唆する演出として機能する。図28(c-1)に示す通り、第3実施形態では、第1実施形態と同様に、指示モードaにおいて1枚4が当選した場合、示唆演出Yが実行される。
【0467】
図28(c-2)は、指示モードbにおける特定演出決定テーブルの概念図である。上述した通り、指示モードbでは、ベルグループXが当選した遊技において、第1コマンド「A0F」と第2コマンド「B01」~「B04」の何れかとの組合せがサブCPU412側で原則受信される。以上の場合、図28(c-2)に示す通り、第2コマンドに応じて指示演出X1から指示演出X4の何れかが実行される。なお、指示モードcにおいても、指示モードbと同様に、ベルグループXが当選した遊技では、正解押順が指示される指示演出X(1~4)が原則実行される。また、第3実施形態の指示モードcでは、第1実施形態の指示モードcと同様に、指示演出Zが実行される場合がある。
【0468】
第3実施形態では、非指示期間において、当選エリアによらず(ベルグループXが当選したとしても)示唆演出Yは実行されない。また、非指示期間において変則押順で停止操作されると、メインペナルティ制御が実行される。
【0469】
以上の第3実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様に、指示込役物比率を抑制しつつ、実増加値を向上させることができる。なお、指示込役物比率を抑制しつつ実増加値を向上させるための構成は以上の例に限定されない。
【0470】
例えば、第3実施形態の変形例として、打順ベル01~打順ベル04に替えて、中1stが正解押順になる打順ベルCおよび右1stが正解押順になる打順ベルRを具備する構成を想定する。以上の変形例では、打順ベルCおよび打順ベルRの第1コマンドは共通である。また、指示モードbまたは指示モードcでは、打順ベルCの当選遊技において、中1st(正解押順)が指示表示器16により指示され、指示演出により中1stが指示される。同様に、指示モードbまたは指示モードcでは、打順ベルRの当選遊技において、右1st(正解押順)が指示表示器16により指示され、指示演出により右1stが指示される。ただし、指示モードaでは、打順ベルCの当選遊技において、中1stが指示表示器16および液晶表示装置30で指示される一方、打順ベルRの当選遊技においては、示唆演出Yが実行される(指示情報は表示されない)。
【0471】
以上の変形例では、示唆演出Yが実行される遊技において、右1stで停止操作することにより8枚ベル役が入賞する。したがって、変形例の示唆演出Yによれば、8枚ベル役が入賞する停止操作順序が示唆される。以上の変形例によれば、第1実施形態および第3実施形態と同様に、指示込役物比率を抑制しつつ実加算値を向上させることができる。
【0472】
なお、第3実施形態は上述の第2実施形態に採用できる。具体的には、第3実施形態において準備状態を設け、当該準備状態でベルグループXが当選した場合、上述の指示演出Hが実行される。また、指示演出Hが実行された遊技において、変則押順で停止操作されると、次回の遊技から上乗せ特化状態へ移行する構成としてもよい。
【0473】
<変形例>
以上の各形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
【0474】
(1)上述の第2実施形態において、準備状態では指示演出H以外の指示演出が実行されない構成とした。しかし、準備状態において、指示演出H以外の指示演出が実行され得る構成としてもよい。例えば、準備状態において、ベル役が入賞する正解押順を指示する指示演出Xが実行され得る構成としてもよい。
【0475】
具体的には、メインCPU301は、準備状態においてベルグループBが当選すると、指示種類決定処理が実行する。以上の指示種類決定処理では、指示演出X(1~4)を実行するか指示演出Hを実行するかが抽選により決定される。例えば、確率約1/2で指示演出Xが決定され、確率約1/2で指示演出Hが実行される。
【0476】
指示演出Xが決定された遊技では、当該遊技における正解押順を示す指示番号が決定され、当該指示番号を示す第2コマンドがサブCPU412へ送信され、当該第2コマンドに応じた指示演出X(1~4)が実行される。ただし、指示演出Xが決定された遊技において変則押順で停止操作しても、出玉状態は準備状態で維持される。一方、指示演出Hが決定された場合、変則押順を示す指示番号が決定され、当該指示番号を示す第2コマンドがサブCPU412へ送信され、指示演出Hが実行される。指示演出Hが実行された遊技において変則押順で停止操作されると上乗せ特化状態へ移行可能になる。
【0477】
仮に、準備状態において、指示演出Hで指示される停止操作順序を遊技者(特に初心者)が直ちには理解できない場合を想定する。以上の場合、遊技者によっては、準備状態において指示演出Hが実行される度に、左1stで停止操作し続ける事態が生じ得る。したがって、準備状態が必要以上に長期化し、当該準備状態において多くのメダルを無駄にする不都合が生じ得る。上述の変形例によれば、準備状態において指示演出Xが実行され、12枚ベル役が入賞可能になる。したがって、準備状態が必要以上に長期化した場合のメダルの損失が抑制されるという利点がある。
【0478】
なお、上述の具体例では、指示種類決定処理により指示演出Xを実行するか否かを決定したが、準備状態において指示演出Xを実行可能にする構成は以上の例に限定されない。例えば、ベルグループBのうちベルB1、ベルB3、ベルB5およびベルB7が当選した遊技では指示演出Xが実行され、ベルB2、ベルB4、ベルB6およびベルB8が当選した遊技では指示演出Hが実行される構成が考えられる。
【0479】
以上の構成の準備状態では、ベルグループBのうちベルB1、ベルB3、ベルB5およびベルB7が当選した遊技では、正解押順に対応する指示情報が表示され、当該正解押順を示す第2コマンドがサブCPU412へ送信される。一方、ベルB2、ベルB4、ベルB6およびベルB8が当選した遊技では変則押順を示す指示情報が表示され、当該指示情報を示す第2コマンドがサブCPU412へ送信される。以上の構成によれば、準備状態において指示演出Hが実行された場合の正解押順が均等になるという利点がある。なお、準備状態を設けた各形態において、ベル役の正解押順が指示される期間は適宜に変更できる。例えば、指示演出Hが最初に実行された後の準備状態では、ベル役の正解押順が指示されない構成としてもよい。すなわち、指示演出Hが最初に実行された後の準備状態では、指示演出Hのみが実行され指示演出Xが実行されない構成としてもよい。また、指示演出Hの実行の有無によらず、準備状態において指示演出Xおよび指示演出Hが実行され続ける構成としてもよい。
【0480】
(2)上述の第2実施形態において、準備状態から上乗せ特化状態へ移行可能とする構成は上述の例に限定されない。具体的には、準備状態の序盤の期間において、指示演出Hが実行された遊技において変則押順で停止操作したとしても、準備状態が継続する構成としてもよい。
【0481】
例えば、準備状態の最初の10回の遊技では、指示演出Hが実行された遊技において変則押順で停止操作しても準備状態が継続する。また、準備状態の11回目以降の遊技では、指示演出Hが実行された遊技において変則押順で停止操作すると、移行可能状態へ移行する。以上の移行可能状態においては、回復リプレイが当選した遊技において赤セブンリプレイが停止表示される停止操作順序が指示される。移行可能状態において、回復リプレイが当選すると、赤セブンリプレイが停止表示されたか否かによらず(停止操作態様によらず)、次回の遊技から上乗せ特化状態へ移行する。
【0482】
なお、以上の変形例(他の変形例を含む)において、移行可能状態のベルグループBが当選した遊技において指示演出Hが実行される構成としてもよい。また、準備状態および移行可能状態における指示演出Hが実行された遊技において、12枚ベル役が入賞した場合、予め定められた特典が付与される構成としてもよい。例えば、準備状態および移行可能状態における指示演出Hが実行された遊技において、12枚ベル役が入賞した場合、メインAT状態の上乗せ遊技回数が付与される構成としてもよい。
【0483】
また、準備状態および移行可能状態における指示演出Hが実行された遊技において、12枚ベル役が入賞した回数に応じて、特典が付与され易い構成としてもよい。例えば、12枚ベル役が入賞した際に特典を付与するか否かを抽選する構成とし、12枚ベル役が入賞した回数が多い程、当該抽選で当選する確率が高くなる構成としてもよい。同様に、第2実施形態における準備状態において、指示演出Hが実行された遊技において、12枚ベル役が入賞した場合、予め定められた特典が付与される構成としてもよい。
【0484】
なお、以上の変形例において、指示演出Hが実行された遊技において、12枚ベル役が入賞できない場合であっても、変則押順で停止操作した場合に特典が付与される構成としてもよい。また、準備状態から移行可能状態へ移行する契機は以上の例に限定されない。たとえば、準備状態における指示演出Hにおいて変則押順で停止操作がされ、且つ、予め定められた抽選に当選した契機で、移行可能状態へ移行する構成としてもよい。また、準備状態において実行された遊技回数によらず、指示演出Hが実行された次回の遊技から移行可能状態へ移行する構成としてもよい。
【0485】
(3)上述の第2実施形態において、指示演出Hが準備状態以外で実行される構成としてもよい。例えば、指示演出HがメインAT状態において実行される構成としてもよい。また、メインAT状態において指示演出Hが実行された遊技では、12枚ベル役が入賞できた場合、予め定められた特典(例えば、メインAT状態の上乗せ遊技回数)が付与される構成としてもよい。なお、メインAT状態において指示演出Hが実行された遊技において、12枚ベル役が入賞できない場合であっても、変則押順で停止操作した場合に特典が付与される構成としてもよい。
【0486】
以上の変形例では、準備状態以外で指示演出Hが実行された場合、停止操作順序によらず(左1stで停止操作しても)当該出玉状態が進行する(残り遊技回数が減算される)構成が好適である。ただし、メインAT状態において指示演出Hを実行するか否かを抽選で決定し、指示演出Hに当選した場合、当該メインAT状態を一旦中断し、準備状態へ移行する構成としてもよい。以上の構成では、指示演出Hが実行されるまで(例えば、特定の当選エリアが当選するまで)準備状態が継続し、指示演出Hが実行された遊技において変則押順で停止操作されると、その後、メインAT状態へ復帰する。また、指示演出Hが実行された遊技で左1stで停止操作されると、準備状態が継続する。
【0487】
(4)上述の第2実施形態において、準備状態へ移行する契機は適宜に変更できる。例えば、通常状態から上乗せ特化状態へ移行する場合に加え、メインAT状態から上乗せ特化状態へ移行する場合に、メインAT状態から準備状態を介して上乗せ特化状態へ移行する構成としてもよい。また、上乗せ特化状態へ移行する場合、移行元の出玉状態によらず、準備状態を介して上乗せ特化状態へ移行する構成としてもよい。
【0488】
ただし、非指示期間(通常状態)から上乗せ特化状態へ移行する場合に準備状態を介して上乗せ特化状態へ移行する一方、指示期間(メインAT状態等)から上乗せ特化状態へ移行する場合は準備状態を介さず上乗せ特化状態へ移行する構成としてもよい。例えば、ストック特化状態において上乗せストックカウンタが数値「2」以上に加算される場合がある。以上の場合、ストック特化状態が終了した後に上乗せ特化状態へ繰返し移行するが、準備状態へは移行しない。ただし、上乗せ特化状態へ繰返し移行する場合、最初の上乗せ特化状態へ移行する場合にのみ準備状態へ一旦移行する構成としてもよい。
【0489】
また、通常状態から上乗せ特化状態へ移行する場合、チャンスAT状態を介して上乗せ特化状態へ移行する構成としてもよい。以上の構成では、通常状態におけるAT初当り抽選に当選すると、チャンスAT状態へ移行する。また、チャンスAT状態では、上乗せ特化状態(メインAT状態)へ移行するか否かが抽選により決定される。当該抽選でハズレの場合、チャンスAT状態終了後に通常状態へ戻る。一方、当該抽選で当選した場合、チャンスAT状態終了後に、準備状態を介して上乗せ特化状態へ移行する。
【0490】
さらに、準備状態を介して特定の非指示期間の出玉状態へ移行する構成としてもよい。例えば、上述の変形例において、チャンスAT状態からチャンス状態へ移行する構成を想定する。以上のチャンス状態は、非指示期間であり、各遊技において上乗せ特化状態へ移行するか否かが高確率で決定される。チャンス状態において上乗せ特化状態への移行が決定された場合、その後、上乗せ特化状態へ移行する。一方、上乗せ特化状態への移行が決定される前にチャンス状態が終了した場合、その後、通常状態へ移行する。
【0491】
以上の構成において、チャンスAT状態終了後に準備状態へ移行し、当該準備状態中の指示演出Hにおいて変則押順で停止操作すると、チャンス状態へ移行する構成としてもよい。また、準備状態における指示演出Hが実行された遊技で12枚ベル役が入賞した場合、その後のチャンス状態の遊技回数が延長される構成としてもよい。
【0492】
(5)各形態において、警告画像Gkが表示される構成は、以上の例に限定されない。例えば、特定の出玉状態の終了報知を実行可能とし、当該終了報知の際に警告画像Gkを含むリザルト画面Mrが表示される構成を想定する。また、実際には当該出玉状態が継続する場合であっても終了報知が実行され、その後、復活演出により当該出玉状態が継続する旨が報知される構成を想定する。以上の構成において、復活演出の有無によらず、終了報知の際に警告画像Gkを含むリザルト画面Mrが表示される構成が考えられる。
【0493】
また、上述の図19(b-1)および図19(b-2)の変形例においては、AT状態(メインAT状態)から非有利区間を介して待機状態へ移行した場合、当該待機状態から再度AT状態(プレミアAT状態)へ移行する場合と、当該待機状態から通常状態へ移行する場合とがある。以上の変形例において、待機状態においてAT状態が継続(再開)される旨の継続報知が実行された場合、終了報知は実行されず、待機状態からAT状態へ移行する。以上の場合、待機状態においてリザルト画面Mrおよび警告画像Gkは表示されない。
【0494】
また、待機状態から通常状態へ移行する場合、終了報知においてリザルト画面Mrおよび警告画像Gkが表示される。以上の構成において、待機状態から再度AT状態へ移行する場合の一部においても、継続報知に替えて終了報知が実行され、リザルト画面Mrおよび警告画像Gkが表示される。具体的には、待機状態の最終遊技において、終了報知が実行される。待機状態からAT状態へ移行する場合、次回の遊技を開始するためのメダル投入を契機に、復活演出が実行され、演出モードがATモード(プレミアATモード)に切替わる。一方、待機状態から通常状態へ移行する場合、次回の遊技を開始するためのメダル投入を契機に、演出モードが通常モードに切替わる。以上の変形例によれば、復活演出の有無によらず、終了報知において警告画像Gkが表示される。したがって、警告画像Gkの有無により復活演出の有無が把握されてしまう不都合が抑制される。
【0495】
(6)各形態において、ベルグループ(AまたはX)が当選し示唆演出Yが実行されるとした遊技において、示唆演出Yが実行されない構成としてもよい。また、各形態において、指示期間のベルグループの当選遊技で特定演出(指示演出、示唆演出)が実行されない場合、変則押順で停止操作した場合にメインペナルティ制御が実行される構成としてもよい。
【0496】
(7)各形態において、所定のベルグループ(例えば、ベルグループA)が当選した場合と他のベルグループ(例えば、ベルグループB)が当選した場合とで指示演出Xが変化する構成としてもよい。例えば、指示演出Xにおいて、ベルグループの種類によらず、共通の指示画像Gsxを表示する。一方、所定のベルグループが当選した場合の指示演出Xでは、指示演出Xが実行されない遊技でも表示される演出画像(例えば、AT中演出)が表示され、他のベルグループが当選した場合の指示演出Xでは、当該演出画像に替えて(または加えて)専用のカットイン画像が表示される構成としてもよい。
【0497】
さらに、指示演出Xが実行された遊技において、入賞したベル役の種類に応じて、相違する画像が表示される構成としてもよい。例えば、ベル役のうち払出枚数が比較的少ないベル役が入賞した場合は「GET」という文字列を表す画像が表示され(払出枚数は表示されず)、払出枚数が比較的多いベル役が入賞した場合は「〇〇枚GET!」という文字列を表す画像が表示される構成としてもよい。
【0498】
(8)各形態において、ベルグループは以上の例に限定されない。例えば、第1実施形態においてベルグループAおよびベルグループBに替えて、ベルC1~ベルC8を含むベルグループCを具備する構成としてもよい。以上の変形例において、ベルグループCが当選した遊技において左1stで停止操作した場合、停止操作位置によらず1枚役が入賞する。
【0499】
一方、ベルC1が当選した遊技では、「中左右」以外で停止操作された場合は1枚役が入賞し、「中左右」で停止操作された場合、中第1停止操作した図柄位置に応じて、3枚ベル役または12枚ベル役が入賞する。具体的には、中第1停止操作した図柄位置が第1範囲の場合に3枚ベル役が入賞し、中第1停止操作した図柄位置が第1範囲以外の範囲(以下「第2範囲」)の場合に12枚ベル役が入賞する。
【0500】
また、ベルC2が当選した遊技では、「中左右」以外で停止操作された場合は1枚役が入賞し、「中左右」で停止操作された場合、中第1停止操作した図柄位置が第2範囲の場合に3枚ベル役が入賞し、中第1停止操作した図柄位置が第1範囲の場合に12枚ベル役が入賞する。ベルC3が当選した遊技では、「中右左」以外で停止操作された場合は1枚役が入賞し、「中右左」で停止操作された場合、中第1停止操作した図柄位置が第1範囲の場合に3枚ベル役が入賞し、中第1停止操作した図柄位置が第2範囲の場合に12枚ベル役が入賞する。ベルC4が当選した遊技では、「中右左」以外で停止操作された場合は1枚役が入賞し、「中右左」で停止操作された場合、中第1停止操作した図柄位置が第2範囲の場合に3枚ベル役が入賞し、中第1停止操作した図柄位置が第1範囲の場合に12枚ベル役が入賞する。ベルC5が当選した遊技では、「右左中」以外で停止操作された場合は1枚役が入賞し、「右左中」で停止操作された場合、右第1停止操作した図柄位置が第1範囲の場合に3枚ベル役が入賞し、右第1停止操作した図柄位置が第2範囲の場合に12枚ベル役が入賞する。ベルC6が当選した遊技では、「右左中」以外で停止操作された場合は1枚役が入賞し、「右左中」で停止操作された場合、右第1停止操作した図柄位置が第2範囲の場合に3枚ベル役が入賞し、右第1停止操作した図柄位置が第1範囲の場合に12枚ベル役が入賞する。ベルC7が当選した遊技では、「右中左」以外で停止操作された場合は1枚役が入賞し、「右中左」で停止操作された場合、右第1停止操作した図柄位置が第1範囲の場合に3枚ベル役が入賞し、右第1停止操作した図柄位置が第2範囲の場合に12枚ベル役が入賞する。ベルC8が当選した遊技では、「右中左」以外で停止操作された場合は1枚役が入賞し、「右中左」で停止操作された場合、右第1停止操作した図柄位置が第2範囲の場合に3枚ベル役が入賞し、右第1停止操作した図柄位置が第1範囲の場合に12枚ベル役が入賞する。ベルC1~ベルC8の当選確率は共通である。
【0501】
以上の変形例では、指示モードaでベルC1が当選した遊技では、指示情報J1が表示される。同様に、指示モードaでベルC2が当選した遊技では、指示情報J1が表示される。以上の指示情報J1が表示された遊技では、「中左右」で停止操作することで、3枚ベル役または12枚ベル役が入賞する。したがって、以上の指示情報J1が表示された遊技では、「中左右」が実質的に指示される。また、指示モードaにおいて、ベルC3またはベルC4が当選した遊技では、指示情報J2(中右左)が表示され、ベルC5またはベルC6が当選した遊技では、指示情報J3(右左中)が表示され、ベルC7またはベルC8が当選した遊技では、指示情報J4(右中左)が表示される。以上の指示情報J1~J4からは、12枚ベル役が入賞する図柄位置は特定できない。
【0502】
また、以上の変形例では、指示モードbでベルC1が当選した遊技では、指示情報J11が表示され、指示モードbでベルC2が当選した遊技では、指示情報J12が表示される。以上の構成では、指示情報J11が表示された遊技では、第2範囲で中第1停止操作しつつ、「中左右」で停止操作することで、12枚ベル役が入賞する。また、指示情報J12が表示された遊技では、第1範囲で中第1停止操作しつつ、「中左右」で停止操作することで、12枚ベル役が入賞する。すなわち、指示情報J11では12枚ベル役が入賞する停止操作順序(中左右)と停止操作位置との組合せが実質的に指示される。
【0503】
同様に、指示モードbにおいて、ベルC3が当選した遊技では、指示情報J13が表示され、ベルC4が当選した遊技では、指示情報J14が表示される。指示モードbにおいて、ベルC5が当選した遊技では、指示情報J15が表示され、ベルC6が当選した遊技では、指示情報J16が表示される。指示モードbにおいて、ベルC7が当選した遊技では、指示情報J17が表示され、ベルC8が当選した遊技では、指示情報J18が表示される。指示モードcにおいても同様である。
【0504】
以上の変形例であっても、指示情報が表示された場合は当該指示情報に従い停止操作し、指示情報が表示されない場合は左1stで停止操作した場合のメダルの増加値は、指示モードaと指示モードbとで変化する。ただし、当該変形例であっても、停止操作順序が指示された各遊技における「中左右」が指示される各遊技(指示情報J1、J11、J12が表示される遊技)の割合は、各指示モードで共通である。他の停止操作順序が指示される各遊技の割合についても同様である。
【0505】
また、当該変形例では、他の実施形態と同様に、指示情報が表示されると、当該指示情報に対応する第2コマンドが送信される。例えば、指示モードbでは指示情報J11に対応する第2コマンドBJ11が送信される。以上の第2コマンドBJ11は、付与される遊技価値が最大となる停止操作態様を示す第2コマンドであるといえる。一方、指示モードaでは指示情報J1に対応する第2コマンドBJ1が送信される。以上の第2コマンドBJ1は、付与される遊技価値が最大となる停止操作態様を示すものではない。
【0506】
(9)本発明における「状態」(第1状態、第2状態)とは、各出玉状態のうちの1個、または、複数個の出玉状態の組合せを意味する。例えば、「指示コマンド」(第2コマンド)が送信され得る「第2状態」とは、各出玉状態のうちのメインAT状態とプレミアAT状態との組合せを意味する場合がある。
【0507】
(10)各形態において、有利区間を終了させる条件は、適宜に変更できる。例えば、メインAT状態において、プレミアAT状態へ移行する権利を付与するか否かを抽選し、当該抽選で当選した場合に非有利区間へ移行し、プレミアAT状態へ移行する構成を想定する。また、以上の構成では、メインAT状態において特殊ATモードへ移行する場合がある。以上の特殊ATモードではATストックが高確率で付与される。また、メインAT状態においてプレミアAT状態へ移行する権利が付与された場合であっても、特殊ATモードに滞在している場合、当該特殊ATモードを継続した場合の方が、プレミアAT状態へ移行した場合より(非有利区間へ移行する場合より)、長期にわたり指示期間が継続し易い。以上の構成において、メインAT状態の遊技でプレミアAT状態へ移行する権利が付与された場合であっても、特殊ATモードに滞在している場合、プレミアAT状態(非有利区間)へは移行せず、当該特殊ATモード(メインAT状態)が継続する構成としてもよい。
【0508】
(11)各形態において、ベルグループが当選した場合に表示される指示情報は適宜に変更してもよい。例えば、各形態において、ベルグループ(A、B、C、X)に替えて、ベルグループDおよびベルグループEを具備する構成を想定する。ベルグループDには、ベルD1~ベルD4が含まれる。ベルグループDが当選した各遊技では、当選エリアによらず、共通の第1コマンドがサブCPU412へ送信される。また、ベルグループEが当選した各遊技では、当選エリアによらず、共通の第1コマンドが送信される。ただし、ベルグループDが当選した各遊技とルグループEが当選した各遊技とでは、第1コマンドは相違する。
【0509】
ベルD1が当選した遊技では、「中左右」で停止操作すると9枚ベル役が入賞し、「中左右」以外で停止操作すると1枚役が入賞する。同様に、ベルD2が当選した遊技では、「中右左」で停止操作すると9枚ベル役が入賞し、「中右左」以外で停止操作すると1枚役が入賞する。ベルD3が当選した遊技では、「右左中」で停止操作すると9枚ベル役が入賞し、「右左中」以外で停止操作すると1枚役が入賞する。ベルD4が当選した遊技では、「右中左」で停止操作すると9枚ベル役が入賞し、「右中左」以外で停止操作すると1枚役が入賞する。
【0510】
また、ベルグループEには、ベルE1~ベルE4が含まれる。ベルE1が当選した遊技では、「中左右」で停止操作すると11枚ベル役が入賞し、「中左右」以外で停止操作すると1枚役が入賞する。同様に、ベルE2が当選した遊技では、「中右左」で停止操作すると11枚ベル役が入賞し、「中右左」以外で停止操作すると1枚役が入賞する。ベルE3が当選した遊技では、「右左中」で停止操作すると11枚ベル役が入賞し、「右左中」以外で停止操作すると1枚役が入賞する。ベルE4が当選した遊技では、「右中左」で停止操作すると11枚ベル役が入賞し、「右中左」以外で停止操作すると1枚役が入賞する。以下、9枚ベル役が入賞する停止操作順序および11枚ベル役が入賞する停止操作順序を「正解押順」と記載する場合がある。
【0511】
以上の通り、当該変形例では、ベルD1が当選した遊技とベルE1が当選した遊技とで、正解押順が共通である。ただし、正解押順が指示される指示モード(指示モードb)において、ベルD1が当選した遊技とベルE1が当選した遊技とでは表示される指示情報が相違する。具体的には、ベルD1が当選した遊技では指示情報「2」が表示され、ベルE1が当選した遊技では指示情報「6」が表示される。同様に、ベルD2が当選した遊技では指示情報「3」が表示され、ベルE2が当選した遊技では指示情報「7」が表示される。ベルD3が当選した遊技では指示情報「4」が表示され、ベルE3が当選した遊技では指示情報「8」が表示される。ベルD4が当選した遊技では指示情報「5」が表示され、ベルE4が当選した遊技では指示情報「9」が表示される。なお、当該変形例において、指示情報(指示番号)に対応する第2コマンドがサブCPU412へ送信される。
【0512】
仮に、ベルグループDが当選した遊技とベルグループEが当選した遊技とで、正解押順が共通の場合、共通の指示情報が表示される構成を想定する。以上の構成では、11枚ベル役が入賞することを期待して停止操作した場合に9枚ベル役が入賞すると、遊技者によっては、遊技意欲が低下する不都合が生じ得る。
【0513】
上述の変形例によれば、ベルグループDが当選した遊技とベルグループEが当選した遊技とで、正解押順が共通の場合であっても、異なる指示情報が表示される。したがって、遊技者は、指示情報を確認することで9枚ベル役が入賞するのか11枚ベル役が入賞するのかを事前に把握できる。したがって、当該変形例によれば上述の不都合が抑制される。なお、当該変形例において、ベルグループDが当選した遊技とベルグループEが当選した遊技とで、正解押順が共通であれば、表示される指示情報も共通である構成としてもよい。
【0514】
ただし、当該変形例では、指示期間において、ベルD1が当選した遊技とベルE1が当選した遊技とで、共通の指示画像Gsにより正解押順が指示される。同様に、ベルD2が当選した遊技とベルE2が当選した遊技とで、共通の指示画像Gsにより正解押順が指示され、ベルD3が当選した遊技とベルE3が当選した遊技とで、共通の指示画像Gsにより正解押順が指示され、ベルD4が当選した遊技とベルE4が当選した遊技とで、共通の指示画像Gsにより正解押順が指示される。以上の構成によれば、各遊技で表示される指示画像Gsの種類数が過大になる不都合が抑制される。
【0515】
以上の変形例では、メインAT状態では指示モードaに制御され、プレミアAT状態では指示モードbに制御される。また、指示モードaでは、各ベルグループ(D、E)のうちベルグループDが当選した遊技において正解押順を指示する指示情報が表示される。一方、指示モードbでは、各ベルグループ(D、E)のうちベルグループDが当選した遊技に加え、ベルグループEが当選した遊技において正解押順を指示する指示情報が表示される。以上の構成では、指示モードbでの増加値は指示モードaでの増加値より多くなる。
【0516】
また、当該変形例では、ベルグループDの各当選エリア(ベルD1~ベルD4)の当選確率は共通である。また、ベルグループEの各当選エリア(ベルE1~ベルE4)の当選確率は共通である。ただし、ベルグループDが当選する確率は、ベルグループEが当選する確率より高い。以上の構成では、ベルグループE(11枚ベル役)の当選確率がベルグループD(9枚ベル役)の当選確率より高い構成と比較して、指示モードaと指示モードbとで指示演出が実行される頻度の差を抑制できるという利点がある。
【0517】
当該変形例では、準備状態が設けられ、準備状態では指示モードjに制御される。指示モードjでは、ベルグループDが当選した遊技の一部で指示演出Hが実行され、他の一部では正解押順を指示する指示演出Xが実行される。具体的には、ベルグループDのうちベルD1は、ベルD11およびベルD12(当選確率は共通)を含む。指示モードjにおいて、ベルD11が当選した遊技では、指示情報「1」が表示され、指示演出Hが実行される。一方、ベルD12が当選した遊技では、指示情報「2」(中左右)が表示され指示演出Xが実行される。
【0518】
また、ベルグループDのうちベルD2は、ベルD21およびベルD22(当選確率は共通)を含む。指示モードjにおいて、ベルD21が当選した遊技では、指示情報「1」が表示され、指示演出Hが実行される。一方、ベルD22が当選した遊技では、指示情報「3」(中右左)が表示され指示演出Xが実行される。同様に、ベルグループDのうちベルD3は、ベルD31およびベルD32(当選確率は共通)を含む。指示モードjにおいて、ベルD31が当選した遊技では、指示情報「1」が表示され、指示演出Hが実行される。一方、ベルD32が当選した遊技では、指示情報「4」(右左中)が表示され指示演出Xが実行される。ベルグループDのうちベルD4は、ベルD41およびベルD42(当選確率は共通)を含む。指示モードjにおいて、ベルD41が当選した遊技では、指示情報「1」が表示され、指示演出Hが実行される。一方、ベルD42が当選した遊技では、指示情報「5」(右中左)が表示され指示演出Xが実行される。指示モードjでは、ベルグループEが当選した遊技において指示情報は表示されない。
【0519】
指示演出Hでは、上述した通り、変則押順の何れかで停止操作すべき旨が指示される。また、指示演出Hが実行された遊技において、変則押順で停止操作されると、その後、移行可能状態へ移行する。一方、指示演出Hが実行された遊技において、左1stで停止操作されると、準備状態が維持される。移行可能状態において、赤セブンリプレイを停止表示可能なリプレイが当選すると、次回の遊技から上乗せ特化状態へ移行する。移行可能状態において当該リプレイが停止表示されると、上乗せ特化状態が開始する旨を報知するための開始画像が表示される。なお、移行可能状態からメインAT状態へ移行する構成としてもよい。
【0520】
(12)各形態において、準備状態における増加値は数値「0」未満である構成が好適である。仮に、準備状態における増加値が数値「0」以上である構成を想定する。また、以上の構成において、非有利区間へ移行した場合、その後、有利な出玉状態(例えばプレミアAT状態)へ移行する場合を想定する。以上の場合、指示演出Hが実行された遊技において意図的に左1stで停止操作し、差枚数カウンタが数値「0」に減算されるまで準備状態を維持し、非有利区間を介して有利な出玉状態へ移行させる不正行為の余地が残る。上述の変形例によれば、以上の不正行為が抑制される。
【0521】
(13)各形態において、準備状態を介して移行可能な出玉状態を複数種類設けてもよい。例えば、上乗せ特化状態として第1上乗せ特化状態および第2上乗せ特化状態を設ける構成を想定する。以上の構成において、準備状態を介して、第1上乗せ特化状態および第2上乗せ特化状態の何れかに移行する構成としてもよい。
【0522】
また、以上の構成において、準備状態では、第1上乗せ特化状態および第2上乗せ特化状態の何れに移行するのかが原則秘匿される構成としてもよい。準備状態において指示演出Hが実行され、変則押順で停止操作されると、移行可能状態へ移行する。以上の移行可能状態は、予め定められた回数(例えば1回)の遊技で終了する。移行可能状態の遊技では、その後に移行する上乗せ特化状態の種類を報知するための報知演出が実行される。以上の変形例によれば、指示演出Hが実行される遊技と、報知演出が実行される遊技とが別々になる。したがって、指示演出Hと報知演出とが共通の遊技で実行される構成と比較して、報知演出を実行可能な期間が確保し易いという利点がある。
【0523】
(14)各形態において、準備状態から移行する出玉状態に応じて、準備状態および移行可能状態の演出モードを変更してもよい。例えば、準備状態を介してメインAT状態へ移行可能であるとともに、通常状態においてプレミアが当選した場合に準備状態を介してプレミアAT状態へ移行する構成を想定する。以上の構成において、メインAT状態へ移行する場合とプレミアAT状態へ移行する場合とで、準備状態の演出モードが相違する構成としてもよい。なお、移行先の出玉状態によらず、指示演出Hが実行された遊技において変則押順で停止操作されると準備状態が終了する。
【0524】
具体的には、通常状態からメインAT状態へ移行する場合、準備状態および移行可能状態では共通の演出モード(準備モード)に制御され、移行可能状態においてリプレイが当選すると赤セブン図柄を各リール12に狙うべき旨を指示する演出が実行され、次回の遊技からメインAT状態へ移行する。ただし、以上の構成において、準備状態および移行可能状態とで演出モードが変化する構成としてもよい。例えば、移行可能状態専用の演出モードを設けてもよい。
【0525】
一方、通常状態においてプレミア役が入賞すると、その後の準備状態および移行可能状態は、プレミアAT状態と共通のプレミアATモードに制御される。以上の準備状態および移行可能状態では、プレミアAT状態へ移行する準備中である旨が報知される。当該変形例では、準備状態および移行可能状態において、ベルグループの一部が当選した遊技で指示演出Hが実行され、他の一部が当選した遊技で指示演出Xが実行される構成が好適である。また、プレミアAT状態へ移行する場合の移行可能状態では、赤セブン図柄を狙うべき旨が報知されず、リプレイが停止表示されるとプレミアAT状態へ移行する。なお、以上の変形例において、指示期間(例えば、メインAT状態)においてプレミア役が入賞すると、準備状態および移行可能状態を省略して、プレミアAT状態へ移行可能な構成としてもよい。
【0526】
(15)各形態において、準備状態を介して出玉状態が移行する構成は、以上の例に限定されない。例えば、通常状態から指示期間へ移行する場合、原則、当該指示期間の最初に準備状態(および移行可能状態)が設けられる構成を想定する。以上の構成において、プレミア役が入賞して指示期間が開始される場合、準備状態を介することなくプレミアAT状態へ移行する構成としてもよい。
【0527】
また、通常状態において予め定められた天井回数の遊技が実行された場合、その後、プレミアAT状態または上乗せ特化状態へ移行する構成を想定する。天井回数の遊技が実行された後に移行する出玉状態の種類は、例えば、抽選により決定される。以上の構成において、天井回数の遊技が実行されてプレミアAT状態へ移行する場合、準備状態を介さずプレミアAT状態へ移行する一方、上乗せ特化状態へ移行する場合、準備状態を介して上乗せ特化状態へ移行する構成としてもよい。ただし、天井回数の遊技が実行されて指示期間が開始される場合、一律に準備状態へ移行する構成としてもよいし、移行する出玉状態によらず準備状態へ移行しない構成としてもよい。
【0528】
(16)各形態において、指示期間の開始時において準備状態が設けられない場合がある構成では、当該指示期間の途中で準備状態へ移行可能な構成が好適である。例えば、天井回数の遊技が実行されて準備状態を介さずにプレミアAT状態へ移行した場合を想定する。以上の場合において、プレミアAT状態が終了して(または、プレミアAT状態の途中で)上乗せ特化状態へ移行する際に、準備状態を介して上乗せ特化状態へ移行する構成が考えられる。また、指示期間が開始される場合に準備状態へ原則(一律に)移行する構成では、当該指示期間の途中で(例えば、上乗せ特化状態へ移行する場合(通常状態から移行した際には準備状態が設けられる場合)であっても)準備状態へ移行しない構成が好適である。
【0529】
(17)各形態において、準備状態が開始される際に、予め定められた時間にわたり遊技の進行(停止操作、メダル投入操作)が不可能になるフリーズ期間が設けられる構成としてもよい。例えば、準備状態における最初の遊技の開始操作を契機に、フリーズ期間が開始される構成としてもよい。以上のフリーズ期間では、準備状態へ移行する旨、または、準備状態を介して移行する出玉状態が報知される開始演出が実行される。また、当該フリーズ期間が開始された直後に、指示情報が表示される構成が好適である。以上の指示情報としては、ベル役の正解押順を指示する指示情報または変則押順を指示する指示情報が想定される。ただし、当該指示情報に対応する指示演出は、フリーズ期間(開始演出)が終了した後に開始される。
【0530】
以上の構成では、仮に、準備状態の最初の遊技で指示演出Hが実行される場合であっても、指示情報「1」がフリーズ期間開始時に表示されるため、事前に(フリーズ期間が終了する前に)その旨が把握できる。したがって、指示演出Hが実行された遊技で左1stで停止操作してしまう不都合が抑制されるという利点がある。また、開始演出の開始時点と指示演出Hの開始時点とがズレるため、開始演出により指示演出Hの指示画像Gshが視認し難くなる不都合が抑制される。なお、フリーズ期間が終了した後に、指示情報が表示開始される構成としてもよい。
【0531】
(18)各形態において、準備状態において指示演出Hが実行される当選エリアは上述の例に限定されない。例えば、ベルグループAおよびベルグループBを設けた構成において、各ベルグループのうちベルグループAが当選した遊技で指示演出Hが実行される構成としてもよい。また、ベルグループAが当選した遊技およびベルグループBが当選した遊技の双方で指示演出Hが実行され得る構成としてもよい。また、ベルグループDおよびベルグループEを設けた構成において、各ベルグループのうちベルグループDが当選した遊技で指示演出Hが実行される構成としてもよいし、ベルグループEが当選した遊技で指示演出Hが実行される構成としてもよい。ベルグループDが当選した遊技およびベルグループEが当選した遊技の双方で指示演出Hが実行され得る構成としてもよい。
【0532】
(19)各形態において、メインペナルティ制御を実行する出玉状態は適宜に変更できる。例えば、指示モードj(準備状態、移行可能状態)において、指示演出(H、X)が実行されない遊技で変則押順で停止操作された場合にメインペナルティ制御が実行される構成としてもよい。また、他の指示モードにおいても同様に、指示演出が実行されない遊技で変則押順で停止操作された場合にメインペナルティ制御が実行される構成としてもよい。以上の構成では、示唆演出Yが実行されない構成としてもよい。
【0533】
(20)各形態において、各出玉状態における増加値を変化させるための構成は上述の例に限定されない。例えば、ベルグループXを設けた構成において、第1の出玉状態では、ベルグループXが当選した全ての遊技において、正解押順が指示される構成を想定する。以上の構成において、第2の出玉状態において、ベルグループXが当選した前回の遊技で正解押順が指示された場合、ベルグループXが当選した今回の遊技では正解押順が指示されず、ベルグループXが当選した前回の遊技で正解押順が指示されていない場合、ベルグループXが当選した今回の遊技では正解押順が指示される構成としてもよい。
【0534】
(21)各形態において、移行可能状態の指示モードは、準備状態の指示モードと共通であってもよいし、各出玉状態で変化してもよい。例えば、準備状態において指示演出Hが実行され移行可能状態へ移行した場合、当該移行可能状態が予め定められた回数の遊技(例えば、1回)で終了する構成を想定する。以上の構成において、準備状態では、ベルグループが当選した遊技の一部で指示演出Hが実行され、他の一部で指示演出Xが実行される(ベル役の正解押順が指示される)。一方、移行可能状態では、ベルグループが当選した全ての遊技で指示演出Xが実行される構成としてもよい。具体的には、移行可能状態の指示モードと、移行可能状態から移行する出玉状態(上乗せ特化状態、メインAT状態)の指示モードとを共通にしてもよい。
【0535】
(22)本発明は、上述したパチスロ機のみならず、ぱちんこ機、その他の遊技機、ゲーム機一般に適用することができる。なお、以上の各変形例における制御は、遊技状態によらず実行可能であることは言うまでもない。
【0536】
本発明の遊技機は、例えば以下の遊技機である。
【0537】
本発明の遊技機は、有利区間および非有利区間の何れかで遊技の進行を制御する遊技制御手段(メインCPU301)と、停止操作可能な停止操作手段(停止ボタン25)と、各遊技において、複数種類の図柄を変動表示し、遊技の結果としての図柄組合せを停止操作に応じて停止表示可能な図柄表示手段(リール12)と、遊技制御手段からのコマンドに応じて演出を制御する演出制御手段(サブCPU412)と、各種の画像を表示可能な画像表示手段と、遊技者に有利な停止操作態様を指示する指示手段(指示表示器16)と、を具備する遊技機であって、遊技制御手段は、規定数の遊技価値を用いた遊技を開始する遊技開始手段(遊技開始前処理)と、各遊技において、各当選エリアのうちの何れかを決定する当選エリア決定手段(内部抽選処理)と、当選エリアと停止操作態様とに応じて、図柄組合せを停止表示させる図柄変動制御手段(停止制御処理)と、図柄組合せに対応する数の遊技価値を付与可能にする遊技価値付与手段(停止時処理)と、予め定められた開始契機で、有利区間を開始する有利区間開始手段(停止時処理)と、予め定められた終了契機で、有利区間を終了する有利区間終了手段(停止時処理)と、有利区間であることを条件に、指示が実行されない所定状態および指示が実行される特別状態を含む各状態に制御可能な状態制御手段(停止時処理)と、を具備し、特別状態において所定の開始条件が成立した場合に特定状態となり、当該特定状態となっているときに終了契機が成立した場合に当該特定状態を終了し、各種の画像には、遊技依存を警告するための警告画像(Gk)が含まれ、画像表示手段は、終了契機が成立した場合に、予め定められた表示条件が満たされていると、警告画像を表示する一方(図19(a-3)参照)、終了契機が成立した場合に、表示条件が満たされていないと、警告画像を表示せず図19(a-2)参照)、表示条件には、前記特定状態が終了することが含まれる
【符号の説明】
【0538】
1…遊技機、300…メイン制御基板、301…メインCPU、302…メインROM、303…メインRAM、304…乱数発生器、305…I/F回路、400…サブ制御基板、410…演出制御基板、411…I/F回路、412…サブCPU、413…サブROM、414…サブRAM、420…画像制御基板、421…画像制御CPU、422…画像制御ROM、423…VDP、424…CGROM、425…RAM、430…サウンド基板、431…音源IC、432…音源ROM。
【要約】
【課題】遊技依存を警告するための警告画像を適切な時期に表示可能な遊技機を提供する。
【解決手段】予め定められた開始契機で、有利区間を開始する有利区間開始手段と、予め定められた終了契機で、有利区間を終了する有利区間終了手段と、有利区間であることを条件に、指示が実行されない所定状態および指示が実行される特別状態を含む各状態に制御可能な状態制御手段と、を具備し、画像表示手段は、有利区間が終了する場合に警告画像を表示せず、その後に開始された新たな有利区間において警告画像を表示可能である。
【選択図】図19
図1
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