(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】マルチトランスデューサチップ超音波デバイス
(51)【国際特許分類】
H04R 17/00 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H04R17/00 332Y
(21)【出願番号】P 2023544487
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 US2021056669
(87)【国際公開番号】W WO2023075756
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】520342725
【氏名又は名称】エコー イメージング,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ワン,リャン
(72)【発明者】
【氏名】ハク,ユスフ
(72)【発明者】
【氏名】ブライゼック,ヤヌス
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/182926(WO,A1)
【文献】特表2020-500682(JP,A)
【文献】特開2005-103294(JP,A)
【文献】特表2020-501473(JP,A)
【文献】特表2021-518682(JP,A)
【文献】国際公開第2022/210887(WO,A1)
【文献】特開2021-87812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)回路基板と、
(ii)前記回路基板に結合された複数のトランスデューサチップであり、各トランスデューサチップが、
互いに密に詰められた複数の超音波素子を含む微小電気機械システム(MEMS)構成要素と、
前記MEMS構成要素の前記複数の超音波素子に動作可能に結合された特定用途向け集積回路(ASIC)と、
を含む、複数のトランスデューサチップと、
(iii)前記複数のトランスデューサチップの各ASICに、それの制御のために電気的に結合された制御ユニットと、
を含む超音波デバイスであって、
前記複数のトランスデューサチップのうちの少なくとも2つのトランスデューサチップが、前記少なくとも2つのトランスデューサチップの前記MEMS構成要素の前記超音波素子の動作波長未満の離隔距離で前記回路基板に配置される、
超音波デバイス。
【請求項2】
前記回路基板が、標準プリント回路基板(PCB)または可撓性プリント回路基板(フレックスボード)を含む、請求項1に記載の超音波デバイス。
【請求項3】
前記フレックスボードが、固定された曲率を有する、請求項2に記載の超音波デバイス。
【請求項4】
前記フレックスボードが、イメージングのために標的表面に実時間で一致するように変化する曲率を有する、請求項2に記載の超音波デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも2つのトランスデューサチップが、前記回路基板上に共平面で配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載の超音波デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも2つのトランスデューサチップが、前記回路基板上に湾曲して配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載の超音波デバイス。
【請求項7】
前記複数のトランスデューサチップに結合された1つまたは複数の音響レンズをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の超音波デバイス。
【請求項8】
前記1つまたは複数の音響レンズが、第1のトランスデューサチップに結合された第1の音響レンズと、第2のトランスデューサチップに結合された第2の音響レンズとを含み、前記第1および第2の音響レンズが曲率を有する、請求項7に記載の超音波デバイス。
【請求項9】
各トランスデューサチップが、3次元相互接続機構によって前記回路基板に結合される、請求項1~8のいずれか一項に記載の超音波デバイス。
【請求項10】
前記3次元相互接続機構がワイヤボンドを含む、請求項9に記載の超音波デバイス。
【請求項11】
前記3次元相互接続機構が、前記トランスデューサチップ内の前記ASICの全厚を通るシリコン貫通ビア(TSV)を含む、請求項9に記載の超音波デバイス。
【請求項12】
前記制御ユニットが、前記制御ユニットを前記回路基板に結合させる3次元相互接続機構を有する、請求項1に記載の超音波デバイス。
【請求項13】
前記制御ユニットが、タイミング制御(同期)により前記複数のトランスデューサチップの連係動作または独立動作を制御する、請求項1~12のいずれか一項に記載の超音波デバイス。
【請求項14】
前記MEMS構成要素のうちの1つまたは複数が、圧電微細加工超音波トランスデューサ(pMUT)を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の超音波デバイス。
【請求項15】
前記MEMS構成要素のうちの1つまたは複数が、容量性微細加工超音波トランスデューサ(cMUT)を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の超音波デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、人間もしくは動物の身体の内部組織、骨、血流、もしくは器官、または玩具もしくは出荷パッケージなどの他の関心の対象をイメージングし、画像を表示するための非侵襲的イメージングシステムおよび/またはプローブに関する。そのようなシステムおよび/またはプローブは、一般に、身体への信号の送信と、イメージングされる身体部分からの放出または反射信号の受信とを必要とする。一般に、イメージングシステムで使用されるトランスデューサは、トランシーバと呼ばれ、トランシーバの一部は、光音響および/または超音波効果に基づく。一般に、トランシーバは、イメージングのために使用されるが、必ずしもイメージングに限定されない。例えば、トランシーバは、いくつかの例を挙げると、医療イメージング、パイプ内の流量測定、スピーカおよびマイクロホンアレイ、砕石術、治療のための局所組織加熱、または手術のための高密度焦点式超音波(HIFU)において使用され得る。
【背景技術】
【0002】
[0002]従来の超音波トランスデューサは、一般に、バルク圧電(PZT)材料から構築され、一般に、送信信号を生成するために非常に高い電圧パルス、一般に100V以上を必要とする。この高い電圧は、トランスデューサの電力消費/散逸が駆動電圧の2乗に比例するので、高い電力散逸をもたらすことがある。消費される電力はプローブで生じる熱に比例するので、多くの場合、さらに、プローブの表面をどれくらい高温にすることができるかに制限があり、これは、プローブで消費できる電力量を制限する。従来のシステムでは、発熱は、いくつかのプローブで冷却構成を必要とし、それは、プローブの製造コストおよび重量を増加させる。一般に、従来のプローブの重量はまた、このプローブを使用する多数の音波検査者が筋損傷に苦しむことが知られているので問題である。
【0003】
[0003]医療イメージングで使用される従来の超音波プローブは、一般に、PZT材料または他の圧電セラミックおよびポリマー複合材料を使用する。プローブは、一般に、トランスデューサと、表示ユニットに画像を表示させるための手段を備えたいくつかの他の電子機器とを収容する。トランスデューサのための従来のバルクPZT素子を製作するために、厚い圧電材料スラブを大きい長方形のPZT素子に単に切断することができる。これらの長方形のPZT素子は、製造プロセスが、長方形の厚いPZTまたはセラミック材料を正確に切断することと、基板上に正確な間隔で装着することとを含むので、構築することが非常に高価である。さらに、トランスデューサのインピーダンスは、トランスデューサ用の送信/受信電子機器のインピーダンスよりもはるかに高い。
【0004】
[0004]従来のシステムでは、トランスデューサ用の送信/受信電子機器は、多くの場合、プローブから遠く離れて配置され、トランスデューサと電子機器との間にマイクロ同軸ケーブルを必要とする。一般に、ケーブルは、遅延およびインピーダンス整合のために正確な長さを有する必要があり、かなりの頻度で、追加のインピーダンス整合ネットワークが、トランスデューサをケーブルを通して電子機器に効率的に接続するために必要とされる。
【0005】
[0005]微細加工技術の進歩により、センサおよびアクチュエータ、例えば、容量性微細加工超音波トランスデューサ(cMUT)および圧電微細加工超音波トランスデューサ(pMUT)などを、(シリコン)基板上に効率的に形成することができる。かさばった圧電材料を有する従来のトランスデューサと比較して、MUTは、それほどかさばらず、製造するのにより安価であるとともに、電子機器とトランスデューサとの間のより簡単でより高い性能の相互接続を有し、動作周波数のより大きい柔軟性と、より高い品質の画像を生成する可能性とを提供する。
【0006】
[0006]これらのトランスデューサの基礎概念は1990年代初期に開示されたが、これらの概念の商品化は、いくつかの課題に直面した。例えば、従来のcMUTセンサは、特に、高電圧動作中の電荷蓄積、低い周波数で高い十分な音圧を生成することの難しさ、および本質的に非線形であることに起因して、故障または性能のドリフトが起こる傾向がある。従来のpMUTは、有望な代替であるが、送信および受信の非能率に関連する問題があり、依然として比較的高い動作電圧を必要とし、帯域幅が限定されている。そのため、向上した効率を有し、より低い電圧で動作することができ、高い帯域幅を示すことができる改善されたMUTが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本開示は、アレイに相互接続された多数のトランスデューサチップで構成され得る超音波デバイスを提供する。トランスデューサチップは、特定用途向け集積回路(ASIC)と連通する微小電気機械システム(MEMS)構成要素を包含することができる。ASICチップは、前記MEMS構成要素の多くの超音波素子に結合され、ワイヤボンドアセンブリまたはシリコン貫通ビア(TSV)パッケージングのいずれかを介して制御チップと電気的に相互接続され得る。いくつかの実施形態では、トランスデューサチップは、動作超音波波長未満であり得る離隔距離でアレイに組み立てられ得、それは、イメージング開口の部分的な重なりを引き起こすことができ、それは、イメージング区域の増加と横方向解像度の向上の両方をもたらすことができる。
【0008】
[0008]一態様では、本開示は、様々なタイプのイメージングで使用するための超音波デバイスを提供する。いくつかの実施形態では、超音波デバイスは、回路基板と、回路基板に結合された複数のトランスデューサチップとを含むことができる。いくつかの実施形態では、回路基板は、プリント回路基板(PCB)などの金属基板を含むことができる。いくつかの実施形態では、各トランスデューサチップは、互いに密に詰められた複数の超音波素子を含むことができる微小電気機械システム(MEMS)構成要素と、前記MEMS構成要素の複数の超音波素子に動作可能に結合され得る特定用途向け集積回路(ASIC)と、複数のトランスデューサチップの各ASICに、それの制御のために電気的に結合され得る制御ユニットとを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数のトランスデューサチップのうちの少なくとも2つのトランスデューサチップは、前記少なくとも2つのトランスデューサチップのMEMS構成要素の超音波素子の動作波長未満であり得る離隔距離で回路基板に配置され得る。
【0009】
[0009]別の態様では、超音波デバイスは、回路基板と、回路基板に結合された複数のトランスデューサチップとを含む。いくつかの場合には、各トランスデューサチップは、互いに密に詰められた複数の超音波素子を含む微小電気機械システム(MEMS)構成要素と、前記MEMS構成要素の複数の超音波素子に動作可能に結合された特定用途向け集積回路(ASIC)とを含む。いくつかの実施形態では、超音波デバイスは、複数のトランスデューサチップの各ASICに、それの制御のために電気的に結合された制御ユニットを含み、複数のトランスデューサチップのうちの少なくとも2つのトランスデューサチップは、前記少なくとも2つのトランスデューサチップのMEMS構成要素の超音波素子の動作波長未満の離隔距離で回路基板に配置される。いくつかの実施形態では、超音波デバイスは、標準プリント回路基板(PCB)または可撓性プリント回路基板(フレックスボード(Flex Board))を含む回路基板を含む。いくつかの実施形態では、前記フレックスボードは、固定された曲率を有する。いくつかの実施形態では、前記フレックスボードは、イメージングのために標的表面に実時間で一致するように変化する曲率を有する。
【0010】
[0010]いくつかの実施形態では、トランスデューサチップは、特定の動作波長を有する。いくつかの実施形態では、任意の隣接するトランスデューサチップ間の離隔距離は、隣接するトランスデューサチップの特定の動作波長に対して最適化される。いくつかの実施形態では、前記少なくとも2つのトランスデューサチップ間の離隔距離は、20μm以下である。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのトランスデューサチップは、回路基板上に共平面で配置される。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのトランスデューサチップは、回路基板上に湾曲して配置される。いくつかの実施形態では、複数のトランスデューサチップのうちの第1のトランスデューサチップは、複数のトランスデューサチップのうちの第2の後続のトランスデューサチップの動作周波数と無関係な1つまたは複数の動作周波数を有する。いくつかの実施形態では、任意のトランスデューサチップ内の隣接する超音波素子間の離隔距離は、トランスデューサチップの特定の動作波長に対して最適化される。いくつかの実施形態では、超音波デバイスは、複数のトランスデューサチップに結合された1つまたは複数の音響レンズを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の音響レンズは、第1のトランスデューサチップに結合された第1の音響レンズと、第2のトランスデューサチップに結合された第2の音響レンズとを含み、第1および第2の音響レンズは曲率を有する。いくつかの実施形態では、各トランスデューサチップは、3次元相互接続機構によって回路基板に結合される。いくつかの実施形態では、3次元相互接続機構はワイヤボンドを含む。
【0011】
[0011]いくつかの実施形態では、3次元相互接続機構は、前記トランスデューサチップ内のASICの全厚を通るシリコン貫通ビア(TSV)を含む。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、前記制御ユニットを回路基板に結合させる3次元相互接続機構を有する。いくつかの実施形態では、制御ユニットは回路基板に結合される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、回路基板から切り離されたPCBに結合される。いくつかの実施形態では、前記制御ユニットは、タイミング制御により複数のトランスデューサチップの独立および同期した動作を連係させる。いくつかの実施形態では、前記超音波デバイスアセンブリは、TSVを使用する2次元構成を含む。いくつかの実施形態では、レンズの高さは、前記TSVによって可能にされたMEMS表面より最大で200μm上である。いくつかの実施形態では、前記TSVは、10pH未満のインダクタンスレベルを有する。いくつかの実施形態では、前記TSVは、TSV最終のアセンブリである。いくつかの実施形態では、前記TSV最終のアセンブリは、少なくとも35μmの直径を有する。いくつかの実施形態では、前記TSV最終のアセンブリは、上記の直径よりも少なくとも20μm大きいパッドサイズを有する。いくつかの実施形態では、前記TSV最終のアセンブリは、パッドサイズよりも少なくとも15μm大きいピッチを有する。いくつかの実施形態では、前記TSV最終のアセンブリは、最大で3:1の上記の直径に対する深さ比を有する。いくつかの実施形態では、前記TSVは、TSV中間のアセンブリである。いくつかの実施形態では、前記TSV中間のアセンブリは、少なくとも2μmの直径を有する。いくつかの実施形態では、前記TSV中間のアセンブリは、上記の直径よりも少なくとも10μm大きいパッドサイズを有する。いくつかの実施形態では、前記TSV中間のアセンブリは、上記のパッドサイズよりも少なくとも20μm大きいピッチを有する。いくつかの実施形態では、前記TSV中間のアセンブリは、最大で10:1の上記の直径に対する深さ比を有する。いくつかの実施形態では、MEMS構成要素のうちの1つまたは複数は、圧電微細加工超音波トランスデューサ(pMUT)を含む。いくつかの実施形態では、MEMS構成要素のうちの1つまたは複数は、容量性微細加工超音波トランスデューサ(cMUT)を含む。いくつかの実施形態では、前記少なくとも2つのトランスデューサチップのMEMS構成要素の動作波長は、0.1mmから3mmの範囲にある。
【0012】
[0012]本開示の追加の態様および利点は、以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになるはずであり、本開示の例示的な実施形態のみが示され説明される。理解されるように、本開示は、他のおよび異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、様々な明白な事項において変更が可能であり、それはすべて本開示から逸脱しない。したがって、図面および説明は、本質的に例示的なものであると見なされるべきであり、限定するものと見なされるべきではない。
参照による組み込み
[0013]本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が、あたかも参照により組み込まれることが具体的におよび個々に示されているかのように、同程度に参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる刊行物、および特許または特許出願が本明細書に含まれる本開示と矛盾する範囲において、本明細書は、任意のそのような矛盾する材料に取って代わる、および/または優先することが意図される。
【0013】
[0014]本開示の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載される。本開示の特徴および利点のより良い理解は、本開示の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明と、添付の図面(さらに本明細書における「図(Figure)」および「図(FIG.)」)とを参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】[0015]本開示の実施形態によるイメージングシステムを示す図である。
【
図2】[0016]本開示の実施形態による例示的な超音波イメージャのブロック図である。
【
図3A1】[0017]
図3A1は、本開示の実施形態による湾曲構成の例示的なトランスデューサチップの側面図である。
【
図3A2】[0018]
図3A2は、本開示の実施形態による平面構成の例示的なトランスデューサチップの側面図である。
【
図3B】[0019]本開示の実施形態による例示的なMEMSダイの簡単化された上面図である。
【
図4】[0020]本開示の実施形態による超音波素子の概略断面図である。
【
図5A】[0021]
図5Aは、本開示の実施形態によるCMOSウェハ上のフリップチップ組立て済み超音波素子ダイの上面図である。
【
図5B】[0022]
図5Bは、本開示の実施形態による、方向5-5に沿って得られた
図5Aのフリップチップアセンブリの断面図である。
【
図6】[0023]本開示の実施形態によるMEMSダイおよびCMOSダイを含む個片化されたフリップチップアセンブリの断面図である。
【
図7】[0024]本開示の実施形態によるMEMS-CMOSアセンブリの断面図である。
【
図8】[0025]本開示の実施形態によるMEMS-CMOSアセンブリの断面図である。
【
図9】[0026]本開示の実施形態によるMEMS-CMOSアセンブリの断面図である。
【
図10】[0027]本開示の実施形態によるMEMS-CMOSアセンブリの例示的な概略図である。
【
図11】[0028]本開示の実施形態によるTSVを使用するトランスデューサチップアレイアセンブリの上面図である。
【
図12】[0029]本開示の実施形態によるトランスデューサチップアレイアセンブリワイヤボンドの上面図である。
【
図13】[0030]本開示の実施形態による、切り離されたプリント回路基板(PCB)上の制御チップをもつトランスデューサチップアレイアセンブリの上面図である。
【
図14】[0031]本開示の実施形態による、隣接する超音波素子間に可変の間隔をもつトランスデューサチップアレイアセンブリの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0032]本開示の様々な実施形態が、本明細書に示され、説明されているが、そのような実施形態は単に例として提供されていることが当業者には明らかであろう。非常に多くの変形、改変、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者に思い浮かぶであろう。本明細書に記載される本開示の実施形態の様々な代替が用いられてもよいことを理解されたい。
【0016】
[0033]「少なくとも(at least)」、「を超える(greater than)」、または「以上(greater than or equal to)」という用語が、一連の2つ以上の数値における第1の数値に先行するときはいつでも、「少なくとも」、「を超える」、または「以上」という用語は、その一連の数値における数値の各々に適用される。例えば、1、2、または3以上は、1以上、2以上、または3以上と等価である。
【0017】
[0034]「以下(no more than)」、「未満(less than)」、または「以下(less than or equal to)」という用語が、一連の2つ以上の数値における第1の数値に先行するときはいつでも、「以下(no more than)」、「未満(less than)」、または「以下(less than or equal to)」という用語は、その一連の数値における数値の各々に適用される。例えば、3、2、または1以下は、3以下、2以下、または1以下と等価である。
【0018】
[0035]本明細書における特定の発明の実施形態は、数値範囲を想定する。範囲が存在する場合、範囲は範囲の終点を含む。追加として、範囲内のすべてのサブ範囲および値は、あたかも明示的に書き出されたかのように存在する。「約(about)」または「ほぼ(approximately)」という用語は、特定の値に対する許容可能な誤差範囲内を意味することができ、許容可能な誤差範囲は、値がどのように測定または決定されるか、例えば、測定システムの限界に部分的に依存する。例えば、「約」は、当技術分野の慣例に従って、1または1を超える標準偏差内を意味することができる。代替として、「約」は、所与の値の20%まで、10%まで、5%まで、または1%までの範囲を意味することができる。特定の値が本出願および特許請求の範囲に記載されている場合、特に断らない限り、特定の値に対する許容可能な誤差範囲内を意味する「約」という用語が想定され得る。
【0019】
[0036]以下の説明では、説明の目的で、具体的な詳細が、本開示の理解を提供するために記載される。しかしながら、当業者には、これらの詳細なしに本開示が実践され得ることが明らかであろう。さらに、当業者は、以下で説明される本開示の実施形態が、プロセス、装置、システム、デバイス、または有形コンピュータ可読媒体上の方法などの様々な方法で実施され得ることを認識するであろう。
【0020】
[0037]当業者は、(1)特定の製造ステップが、オプションとして実行されてもよいこと、(2)ステップが、本明細書に記載された特定の順序に限定されなくてもよいこと、および(3)特定のステップが、同時に行われることを含めて異なる順序で実行されてもよいことを認識すべきである。
【0021】
[0038]図に示される素子/構成要素は、本開示の例示的な実施形態の例示であり、本開示を不明瞭にすることを避けるように意図されている。本明細書における「1つの実施形態」、「好ましい実施形態」、「一実施形態」、または「複数の実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、特性、または機能が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれ、2つ以上の実施形態に存在し得ることを意味する。本明細書の様々な箇所における「1つの実施形態において」、「一実施形態において」、または「複数の実施形態において」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ1つの実施形態または複数の実施形態を参照するわけではない。「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「備える、含む(comprise)」、および「備えている、含んでいる(comprising)」という用語は、オープンな用語であると理解されるものとし、後に続くリストは、例であり、リストに記載された項目に限定されることを意味するものではない。本明細書で使用される見出しは、系統化のためのみのものであり、説明または特許請求の範囲の範囲を限定するために使用されないものとする。さらに、本明細書の様々な箇所における特定の用語の使用は、例示のためであり、限定として解釈されるべきではない。
【0022】
[0039]実施形態において、pMUT/cMUT(超音波素子)およびトランスデューサアセンブリ/パッケージは、人間/動物の身体の内臓をイメージングするために、ならびに超音波ビームを使用して、治癒のために組織を加熱するかまたは顕微手術のために高出力超音波ビームを集束させる他の治療用途のために使用され得る。実施形態において、超音波素子およびトランスデューサアセンブリ/パッケージは、超音波断層法用途にも使用され得る。
【0023】
[0040]実施形態において、超音波素子の製造コストは、最新の半導体およびウェハ処理技法を適用することによって低減され得る。実施形態において、薄膜圧電層が、半導体ウェハ上にスピンまたはスパッタリングされ、その後、パターン化されて、各々が2つ以上の電極を有する圧電トランスデューサを作り出すことができる。実施形態において、各超音波素子は、特定の周波数範囲で信号を放出または受信する能力を有するように設計され得る。以下、圧電素子、超音波素子、圧電センサ、圧電トランスデューサ、圧電トランシーバ、および単位画素という用語は、交換可能に使用される。
【0024】
[0041]
図1は、本開示の実施形態によるイメージングシステム100の概略図を示す。図示のように、システム100は、送信モード/プロセスにおいて、圧力波122を生成し、心臓、肺、または腎臓などの内臓112に向けて送信し、内臓から反射された圧力波を受信するイメージングデバイス(または手短に言えばイメージャ)120と、通信チャネル130および/またはケーブル131を通してイメージャと信号を送受信するコンピューティングデバイス(または手短に言えばデバイス)102とを含むことができる。実施形態において、内臓112は、圧力波122の一部分をイメージャ120の方に反射することができ、イメージャ120は、反射圧波を捕捉し、受信モード/プロセスにおいて電気信号を生成することができる。イメージャ120は、電気信号をデバイス102に通信することができ、デバイス102は、電気信号を使用して、臓器または標的の画像をディスプレイ/スクリーン104に表示することができる。いくつかの実施形態では、イメージャ120は、デバイス102をカプセル化することができ、イメージャ120は、電気信号をデバイス102に内部的に通信することができ、デバイス102は、電気信号を使用して、臓器または標的の画像をディスプレイ/スクリーン104に表示することができる。
【0025】
[0042]実施形態において、イメージャ120は、Aスキャンとしても知られる1次元イメージング、Bスキャンとしても知られる2次元イメージング、また時にはCスキャンとも呼ばれる3次元イメージング、4次元イメージング、およびドップライメージングを実行するために使用され得る。また、イメージャは、プログラム制御の下で様々なイメージングモードに切り替えられ得る。いくつかの実施形態では、イメージャ120は、ハンドヘルド型とすることができ、またはセンサパッチなどの別のフォームファクタを有することができる。
【0026】
[0043]実施形態において、イメージャ120は、動物の内臓の画像を得るためにも使用され得る。イメージャ120はまた、ドップラモードイメージングにおけるように動脈および静脈の血流の方向および速度を決定し、さらに、組織硬度を測定するために使用され得る。実施形態において、圧力波122は、人間/動物の身体を通って進み、内臓、組織、または動脈および静脈によって反射され得る音波であり得る。
【0027】
[0044]実施形態において、イメージャ120は、ポータブルデバイスであり、通信チャネルを通して、無線130(802.11プロトコルなどのプロトコルを使用する)でデバイス102と信号を通信することができる。実施形態において、デバイス102は、セル電話もしくはiPad(登録商標)などのモバイルデバイス、またはユーザに画像を表示することができる固定コンピューティングデバイスであり得る。
【0028】
[0045]実施形態において、2つ以上のイメージャが、標的臓器の画像を発生させるために使用されてもよい。例えば、第1のイメージャは、圧力波を標的臓器に向けて送ることができ、一方、第2のイメージャは、標的臓器から反射された圧力波を受信し、受信した波に応じて電荷を発生させることができる。
【0029】
[0046]
図2は、本開示の実施形態による例示的なイメージャ120の概略図である。実施形態において、イメージャ120は、イメージャ120と同じであり得る。イメージャ120は、
図2に示された構成要素よりも多いまたは少ない構成要素を有してもよいことに留意されたい。
【0030】
[0047]実施形態において、イメージャ120は、超音波イメージャとすることができる。
図2に示されるように、イメージャ201は、圧力波を送受信するためのトランスデューサチップ210と、圧力波の伝搬方向を設定および/または集束するためのレンズとして動作し、さらに、トランスデューサチップと人体110との間の音響インピーダンス界面として機能するコーティング層212と、トランスデューサチップ210を制御するためのASICチップ(または手短に言えばASIC)などの制御ユニット202であり、バンプによってトランスデューサチップ210に結合される、制御ユニット202と、イメージャ120の構成要素を制御するためのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)214と、信号を処理/調整するためのアナログフロントエンド(AFE)などの回路215と、トランスデューサチップ210によって生成され、回路215の方に伝搬する波を吸収するための音響吸収体層203と、1つまたは複数のポート216を通してデバイス102などの外部デバイスとデータを通信するための通信ユニット208と、データを格納するためのメモリ218と、イメージャの構成要素に電力を供給するためのバッテリ206と、オプションとして、標的臓器の画像を表示するためのディスプレイ217とを含むことができる。いくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、イメージャ120に電力を供給することができる。
【0031】
[0048]実施形態において、デバイス102は、ディスプレイ/スクリーンを有することができる。そのような場合、ディスプレイは、イメージャ120に含まれなくてもよい。実施形態において、イメージャ120は、ポート216のうちの1つを通してデバイス102から電力を受け取ってもよい。そのような場合、イメージャ120は、バッテリ206を含まなくてもよい。イメージャ120の構成要素のうちの1つまたは複数は、1つの一体化電気素子に組み合わされてもよいことに留意されたい。同様に、イメージャ120の各構成要素は、1つまたは複数の電気素子に実装されてもよい。
【0032】
[0049]実施形態において、ユーザは、コーティング層212と人体110との間の界面におけるインピーダンス整合が改善され得る、すなわち、界面における圧力波122の損失が低減され、イメージャ120に向かって進む反射波の損失も界面において低減され得るように、人体110がコーティング層212と直接接触する前に人体110の皮膚にゲルを塗布してもよい。実施形態において、トランスデューサチップ210は、(回路)基板に装着されてもよく、また音響吸収体層に取り付けられてもよい。この層は、逆方向に放出される超音波信号を吸収し、これは、そうでなければ、反射され、画像の品質を損う可能性がある。
【0033】
[0050]以下で論じられるように、コーティング層212は、単にトランスデューサから身体へのおよびその逆の音響信号の送信を最大化するための単なる平坦な整合層とすることができる。ビーム合焦は、この場合、制御ユニット202に電子的に実装され得るので必要とされない。イメージャ120は、反射信号を使用して、臓器112の画像を作り出すことができ、結果は、臓器112の画像の有無にかかわらず示されるグラフ、プロット、および統計などの様々なフォーマットでスクリーンに表示され得る。
【0034】
[0051]実施形態において、ASICなどの制御ユニット202は、トランスデューサチップと一緒に1つのユニットとして組み立てられてもよい。他の実施形態では、制御ユニット202は、イメージャ120の外に配置され、ケーブルを介してトランスデューサチップ210に電気的に結合されてもよい。実施形態において、イメージャ120は、構成要素202~215を囲むハウジングと、構成要素によって生成される熱エネルギーを散逸させるための熱散逸機構とを含むことができる。
【0035】
[0052]
図3A1および
図3A2は、本開示の実施形態による3つのトランスデューサチップ210を有する例示的なトランシーバアレイの概略図を示す。パッケージは、
図3A2に示されるように平面構成であってもよく、または
図3A1に示されるように湾曲構成であってもよい。パッケージは、一般に、5μm、20μm、または100μmなど、5μm~100μmの範囲の、動作超音波波長よりも小さい、少なくとも2つのトランスデューサチップ210間の間隔で組み立てられ得る。共平面アセンブリは、
図3A2に示されるように、平面上で使用され得、湾曲面上では、湾曲アセンブリが、
図3A1に示されるように、トランスデューサチップ210のために使用され得る。共平面アセンブリは、15μmなどの動作超音波波長未満の共平面性(隣接するトランスデューサチップの表面レベルの垂直差)を必要とし得る。
図3A1に示されるような湾曲アセンブリは、リストバンドまたはパッチなどの多数の可能なプローブ構造のために使用され得る。
【0036】
[0053]
図3Bは、本開示の実施形態による1つまたは複数の超音波素子302を含む個々のトランスデューサチップ210の上面図を示す。図示のように、トランスデューサチップ210は、トランスデューサ基板304と、トランスデューサ基板304上に配置された1つまたは複数の超音波素子302とを含むことができる。いくつかの実施形態では、トランスデューサ基板304は、シリコンなどの金属基板を含むことができる。いくつかの場合には、トランスデューサチップ210は、少なくとも2つのトランスデューサチップ210のエッジの列または行の間の間隔が、他のトランスデューサチップ210のそれぞれの列または行の間の間隔の倍数、例えば2などに等しくなるように組み立てられ得る。いくつかの実施形態では、このトランスデューサチップ210は、単に画像再構成を構築することができる。
【0037】
[0054]バルク超音波素子を使用する従来のシステムと異なり、実施形態では、超音波素子アレイ302はウェハ上に形成され得、ウェハは多数のトランスデューサチップ210を形成するためにダイシングされ得る。このプロセスは、トランスデューサチップ210が大量におよび低コストで製作され得るので、製造コストを低減することができる。実施形態では、ウェハの直径は、150mm~300mm(6~12インチ)の範囲とすることができ、多くの超音波素子アレイがバッチ製造され得る。超音波素子アレイ302を制御するための集積回路は、超音波素子アレイ302が、整合集積回路に、近接して、例えば、好ましくは、Au-Au、Al-Al、もしくはCu-Cuなどの金属ウェハボンディングが実施される場合、1μm~20μm内で、または好ましくは、例えば、はんだベースボンディングが実施される場合、25μm~100μm内で接続され得るように、ASICチップに形成されてもよい。例えば、トランスデューサチップ210は、1024個の超音波素子302を有し、1024個の超音波素子302を駆動するための適切な数の回路を有する整合ASICチップに接続され得る。
【0038】
[0055]
図3Bは、本開示の実施形態によるトランスデューサチップ210に含まれる例示的なMEMSダイ300の上面図を示す。図示のように、MEMSダイ300は、トランスデューサ基板304と、トランスデューサ基板304に1次元アレイまたは2次元アレイで配置された1つまたは複数の超音波素子302とを含むことができる。
【0039】
[0056]バルク超音波素子を使用する従来のシステムと異なり、実施形態では、超音波素子302はウェハ上に形成され得、ウェハはMEMSダイ300を形成するためにダイシングされ得る。このプロセスは、MEMSダイ300が大量におよび低コストで製作され得るので、製造コストを低減することができる。実施形態では、ウェハの直径は、150mm~300mm(6~12インチ)の範囲とすることができ、多くの超音波素子アレイが、各ウェハにバッチ製造され得る。さらに、実施形態では、以下で論じられるように、超音波素子302を制御するための集積回路は、超音波素子302が、整合集積回路に近接して、好ましくは25μm~100μm内で接続され得るように、CMOSウェハ/ダイ(ASICチップなどの)に形成され得る。実施形態では、バイポーラ相補型金属酸化膜半導体(BICMOS)または任意の他の適切なプロセスが、CMOSウェハ/ダイの代わりに使用されてもよい。
【0040】
[0057]実施形態では、各超音波素子302の投影区域は、正方形、長方形、および円形、などの任意の適切な形状を有することができる。実施形態において、2つ以上の超音波素子が、より大きい画素素子を形成するために接続されてもよい。実施形態において、超音波素子302の2次元アレイは、直交方向に配置され得る。実施形態では、ライン素子を作り出すために、N個の超音波素子302の列が、電気的に並列に接続され得る。次いで、このライン素子は、各素子よりも約N倍長い連続的な超音波素子によって達成されるものと同様の超音波信号の送受信を行うことができる。
【0041】
[0058]従来の設計のライン素子を模倣するには、所与の幅の超音波素子の形状が非常に高い必要がある場合がある。例えば、従来の設計のライン素子は、幅が280μmおよび高さが8000μmであり得るが、厚さは10~1000μmであり得る。しかしながら、MEMSダイ300では、複数の同一の超音波素子302を使用してライン素子を設計することが有利であり、ここで、各素子は、特性中心周波数を有することができる。実施形態において、複数の超音波素子302が一緒に接続される場合、複合構造(すなわち、ライン素子)は、すべての素子画素の中心周波数からなる中心周波数をもつ1つのライン素子として機能することができる。最新の半導体プロセスでは、これらの中心周波数は、互いに十分に一致し、ライン素子の中心周波数からの非常に小さい偏差を有する。場合によっては、各超音波素子302は、異なる中心周波数を有してもよい。
【0042】
[0059]実施形態において、超音波素子302は、それに関連づけられ、中心周波数の刺激にさらされたときに中心周波数で振動し、共振器のように振る舞う1つまたは複数の懸架されたメンブレンを有する。Qファクタとして知られるこれらの共振器に関連する選択性がある。実施形態において、超音波イメージャでは、Qは、通常、低く(おおよそ1~3、またはその前後に)なるように設計され、画素の設計と、実際の使用時に画素に適用される負荷との組合せによって達成され得る。実施形態において、負荷は、RTV/ポリジメチルシロキサン(PDMS)の層または他の整合材料層を超音波素子の上面に適用することによって設けられ得、負荷は、圧力波を放出および受信するトランスデューサ表面と、イメージングされる人体の部分との間のより厳密なインピーダンス整合を容易にすることができる。実施形態において、低いQおよび十分に整合した中心周波数により、ライン素子は、実質的に1つの中心周波数をもつラインイメージング素子のように本質的に作用することができ得る。
【0043】
[0060]実施形態では、例えば、各超音波素子302は、互いの中心から中心まで100~250μm離間され得る。さらに単純化するために、超音波素子302は、形状が正方形であると仮定する。ここで、従来のライン素子を模倣するために、超音波素子302の列は互いに接続され得ると仮定する。例えば、列内の24個の超音波素子302は、各素子の幅が0.25mmである場合、長さがおよそ6mmのライン素子を作り出すことができる。実施形態において、この接続は、金属相互接続層を使用してウェハレベルで達成されてもよく、または制御ユニット202内の回路を使用して並列に接続されてもよい。
【0044】
[0061]従来のバルク超音波素子では、上部電極と下部電極にわたる電圧電位は、100V~200Vの範囲である。MUTでは、上部電極と下部電極にわたる電圧電位は、同じ音圧を生成するのに約10分の1に低くすることができる。実施形態において、この電圧をさらに低減するために、超音波素子302は、縮小した薄い圧電層を含むことができ、圧電層は、1μm以下の程度の厚さを有することができる。
【0045】
[0062]
図4は、本開示の実施形態による、
図3Bの方向4-4に沿って得られた例示的な超音波素子302の概略断面図を示す。図示のように、超音波素子302は、基板430によって支持されたメンブレン層434上に配置され得る。実施形態において、空洞432は、メンブレンを画定するために基板430に形成され得、すなわち、基板430およびメンブレン434はモノリシック体で形成され得る。代替実施形態では、メンブレン層434は、基板430上にSiO
2を堆積させることによって形成されてもよい。実施形態において、1つまたは複数の超音波素子302は、メンブレン上に配置され得る。代替実施形態では、各超音波素子302は、別個のメンブレン上に配置されてもよい。
【0046】
[0063]実施形態において、超音波素子302は、圧電層410と、信号導体(O)404に電気的に接続される第1の(または下部)電極(O)402とを含むことができる。実施形態において、信号導体(O)404は、TiO2および金属層をメンブレン層434上に堆積させることによって形成され得る。実施形態において、圧電層410は、スパッタリング技法またはゾルゲルプロセスによって形成され得る。
【0047】
[0064]実施形態において、第2の電極(X)406が、圧電層410上に成長され、第2の導体408に電気的に接続され得る。第3の電極(T)412が、さらに、圧電層410上に成長され、第2の導体412に隣接して配置されるが、第2の導体(X)408から電気的に絶縁され得る。実施形態において、第2の電極(X)406および第3の電極(T)412(言い換えると、2つの上部電極)は、圧電層410上に1つの金属層を堆積させ、その金属層をパターン化することによって形成され得る。実施形態において、電極402、406、および412の投影区域は、正方形、長方形、円形、および楕円形、などの任意の適切な形状を有することができる。
【0048】
[0065]実施形態において、第1の電極(O)402は、金属、ビア、および層間誘電体を使用して導体(O)404に電気的に接続され得る。実施形態において、第1の電極(O)402は、圧電層410に直接接触することができる。第3の導体(T)414が、第1の電極(O)402を基準にして圧電層410の他の側に堆積または成長され得る。超音波素子302を製造するためのステップに関するさらに多くの情報は、2017年11月29日に出願された「LOW VOLTAGE,LOW POWER MEMS TRANSDUCER WITH DIRECT INTERCONNECT CAPABILITY(直接相互接続機能をもつ低電圧、低電力MEMSトランスデューサ)」と題する米国特許第11058396号明細書に見いだすことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
[0066]ユニモルフ超音波素子が単に例示の目的で
図4に示されているが、実施形態では、複数の圧電サブ層と電極とから構成された多層超音波素子が利用されてもよい。実施形態において、圧電層410は、PZT、KNN、PZT-N、PMN-Pt、AlN、Sc-AlN、ZnO、PVDF、およびLiNiO
3材料のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0050】
[0067]MEMSダイ300の超音波素子は他の適切な数の上部電極を含んでもよいことに留意されたい。例えば、超音波素子は、1つの上面電極(例えば、X電極)のみを含むことができる。別の例では、超音波素子は、3つ以上の上部電極を含むことができる。上部電極の数および上部電極への電気的接続に関するさらに多くの情報は、米国特許第11058396号明細書に見いだされ得る。
【0051】
[0068]
図4は、概略図であり、そのため、超音波素子の詳細な構造を示していないことに留意されたい。例えば、電気パッドが、導体(X)408の1つの端部と、電極(X)406との間に配置され得る。さらに、MEMSダイ300は、超音波素子302とは異なる構造を有する超音波素子を含むことができる。例えば、MEMSダイ300の各超音波素子は、1つの上部電極のみを有することができる。したがって、超音波素子302は、MEMSダイ300に含まれ得るいくつかのタイプの超音波素子のうちの1つであることが当業者には明らかであろう。
【0052】
[0069]
図5Aは、本開示の実施形態によるCMOSウェハ502に搭載された多数のMEMSダイ(またはMEMSウェハ)504を含むフリップチップアセンブリ500の上面図を示す。
図5Bは、本開示の実施形態による、方向5-5に沿って得られたフリップチップアセンブリ500の断面図である。図示のように、MEMSダイ504は、金属バンプまたはピラー506によってCMOSウェハ502に搭載され得る。実施形態において、CMOSウェハ502は、MEMSダイ504の超音波素子を制御するためのASICを含むことができる。(CMOSおよびASICという用語は本明細書では交換可能に使用され得る。)実施形態において、バンプまたはピラー506の間のピッチは、1~200μmの間の範囲とすることができ、それは、超音波素子の大きいアレイを有するMEMSダイに適用可能な高密度相互接続を可能にする。実施形態において、多数の超音波素子をもつMEMSダイ504は、2次元、3次元、および4次元イメージングのために使用され得る。いくつかの実施形態では、MEMSウェハ504は、ASICに結合され得る。場合によっては、MEMSダイ504は、MEMSバンピング506によってASICダイに接合されてもよい。いくつかの実施形態では、MEMSダイ504は、ASICの構成要素上に製作されてもよい。
【0053】
[0070]
図6は、本開示の実施形態によるCMOSダイ618に搭載されたMEMSダイ610を含む個片化されたフリップチップアセンブリの断面図を示す。実施形態において、MEMSダイ610は、MEMSダイ504と同様であり得る。実施形態において、多数のMEMSダイを有するMEMSウェハが製作され、単一のチップにダイシングされ得る。同様に、実施形態において、多数のASICチップを有するCMOSウェハが製作され、単一のチップにダイシングされ得る。次いで、
図6に示されるように、MEMSダイ610は、多数のバンプまたはピラー616によってCMOSダイ618に搭載され得る。
【0054】
[0071]実施形態において、単一のMEMSダイが、CMOSウェハに搭載されてもよい。実施形態において、フリップチップアセンブリは、ダイ・オン・ダイ、ダイ・オン・ウェハ、またはウェハ・オン・ウェハボンディングによって作り出され得る。実施形態において、ウェハ・ツー・ウェハボンディングプロセスは、歩留まり乗算効果の原因となることがある、すなわち、一体化された(組み立てられた)ダイの歩留まりは、MEMSウェハ歩留まりにCMOSウェハ歩留まりを乗算した積となり得る。実施形態において、既知の良好なダイ・オン・ダイボンディングプロセス、または既知の良好なウェハ部位への既知の良好なダイのボンディングプロセスは、MEMSウェハがCMOSウェハに結合されるときに存在し得る歩留まり乗算効果を排除することができる。
【0055】
[0072]
図7は、本開示の実施形態によるMEMS-CMOSアセンブリ700の断面図を示す。図示のように、MEMS-CMOSアセンブリ700は、MEMSダイ702と、バンプまたはピラー712によってMEMSダイに電気的に結合されたCMOSダイ704と、接着剤層710によってCMOSダイに固定されたパッケージ706とを含むことができる。実施形態において、CMOSダイ704は、1つまたは複数のワイヤ708によってパッケージ706に電気的に結合され得る。実施形態において、各々のワイヤ708の先端は、ワイヤボンディング技法によってCMOSダイ704およびパッケージ706に結合され得る。
【0056】
[0073]実施形態において、
図3BのMEMSダイ300と同様であり得るMEMSダイ702は、超音波素子720のアレイを含むことができ、各超音波素子は、
図4の超音波素子400と同様であり得る。実施形態において、各超音波素子720は、基板726上に形成されたメンブレン722と、下部電極、圧電層、および1つまたは複数の上部電極を含む層のスタック728とを含むことができる。実施形態において、メンブレン722は、基板726に空洞をエッチングすることによって形成されてもよい、すなわち、モノリシック体をエッチングして空洞を形成し、その結果、エッチングされていない部分が基板になり、エッチングされた部分がメンブレンを画定してもよい。代替実施形態では、メンブレン722は、基板726と異なる材料で形成されてもよい。実施形態において、MEMSダイ702は、1つまたは複数のメンブレン722を含むことができる。
【0057】
[0074]実施形態において、MEMSダイ702の一部分は、CMOSダイ704への電気的接続を行うために、バンプ712に直接取り付けられ得る。実施形態において、少なくとも1つの金属層が、MEMSダイの底面に堆積され、パターン化され、それによって、電気的接続(ワイヤおよび/またはトレースなど)を形成することができ、電気的接続の一部は、CMOSダイ704と電気連通するためにバンプ712と直接接触することができる。例えば、導体(O)404と同様であり得る導体は、MEMSダイ702の底面に金属層を堆積およびパターン化することによって形成された電気ワイヤ(またはトレース)であり得る。
【0058】
[0075]MEMS-CMOSアセンブリ700が不注意で硬い表面に落ちた場合、衝突が10000gの程度の衝撃を生成することがあり、それはバンプまたはピラー712を剪断する可能性がある。実施形態において、MEMSダイ702とCMOSダイ704との間の空間は、アンダーフィル材料730で充填されてもよく、それは、外部応力衝撃を低減し、衝撃応力に敏感であるバンプ712などの構成要素を保護することができる。さらに、アンダーフィル材料(層)730は、MEMSダイ702をCMOSダイ704に機械的に固定することができる。実施形態において、アンダーフィル材料730は、加えて、アンダーフィル材料730を通過する圧力波を吸収するための音響減衰特性を有することができる。
【0059】
[0076]実施形態において、超音波素子720は、適切な電気導体(404、408、および414など)によってバンプまたはピラー712に電気的に結合され得る。実施形態において、電気的接続は、メンブレン722の底面上および層728のスタック上に形成された金属トレース(およびビア)を含むことができる。
【0060】
[0077]実施形態において、CMOSダイ704は、超音波素子が、送信モード/プロセス中に圧力波を生成し、受信モード/プロセス中に電荷を発生させることができるように、超音波素子720を感知および駆動するための電気回路を含むことができる。送信モード中、CMOSダイ704の駆動回路は、バンプ712を介して電気パルスを超音波素子720に送ることができ、このパルスに応じて、超音波素子は、垂直方向にメンブレン722を振動させて、圧力波730を生成することができる。受信モード中、標的臓器から反射された圧力波は、メンブレン722を変形させ、その結果として、超音波素子720に電荷を発生させることができる。電荷は、さらなる処理のために、バンプ712を介してCMOSダイ704の電気回路に送られ得る。
【0061】
[0078]送信モード中、メンブレン722によって生成された圧力波の一部分は、CMOSダイ704の方に伝搬することがある。これらの圧力波は、CMOSダイ704および/またはパッケージ706から反射されて、標的臓器から反射された圧力波に干渉することがあるので、これらの圧力波は、画像品質に悪影響を及ぼす可能性がある。実施形態において、接着剤材料730は、望ましくない圧力波を吸収し、熱エネルギーに散逸させ得る音響減衰材料で形成されてもよい。
【0062】
[0079]実施形態において、パッケージ706は、1つまたは複数のワイヤ708によってCMOSダイ704との間で電気信号を接続することができる。実施形態において、CMOSダイ704のASIC部位は、ASIC部位とパッケージ706との間のワイヤボンディングを可能にするために、MEMSダイ704よりも若干大きくすることができる。
【0063】
[0080]上述で論じたように、パッケージ706の方に伝搬する圧力波は、パッケージ706から反射され、標的臓器から反射された圧力波に干渉する可能性があるので望ましくないことがある。実施形態において、接着剤層710は、接着剤層710を通過する圧力波が吸収され、熱エネルギーに散逸され得るように、音響減衰材料で形成され得る。
【0064】
[0081]
図8は、本開示の実施形態によるMEMS-CMOSアセンブリ800の断面図を示す。図示のように、MEMS-CMOSアセンブリ800は、MEMSダイ802と、バンプまたはピラー812によってMEMSダイに電気的に結合されたCMOSダイ804と、接着剤層810によってCMOSダイ804に固定されたパッケージ806と、パッケージ806をCMOSダイ804に電気的に結合させることができる1つまたは複数のワイヤ808とを含むことができる。実施形態において、MEMSダイ802、CMOSダイ804、およびパッケージ806は、MEMS-CMOSアセンブリ700におけるそれらの対応物と同様の構造および機能であり得る。
【0065】
[0082]
図7に関連して論じられたように、メンブレン822は、送信モード中に圧力波を生成することができ、圧力波の一部分は、CMOSダイ804の方に伝搬することがある。この望ましくない圧力波の強度を低減する(または除去する)ために、MEMS-CMOSアセンブリ800は、MEMSダイ802の周囲に配置され得るシールリング832を含むことができ、シールリングによって囲まれる空間830は、真空または非常に低い圧力に保たれ、空間を通る圧力波の伝搬を低減/阻止することができる。例えば、空間830は、好ましくは大気圧よりも低い事前設定された圧力の不活性ガスまたは空気で充填され得る。
【0066】
[0083]実施形態において、カバー層824が、人体に面するMEMSダイ802の側のまわりに配置され得る。カバー層824は、界面での整合音響インピーダンスを強化するためにMEMSダイ802と人体との間のインピーダンス整合層として、およびさらに保護機構として機能することができ、外部衝撃/衝撃からの保護を提供し、MEMSダイが直接人間の皮膚に接触するのを防止し、それによって、摩耗および断裂に対する保護を提供する。
【0067】
[0084]
図9は、本開示の実施形態によるMEMS-CMOSアセンブリ900の断面図を示す。図示のように、MEMS-CMOSアセンブリ900は、MEMSアセンブリ700と同様であるが、CMOSダイ904がシリコン貫通ビア(TSV)914と、バンプ、ピラー、またはパッド916とによってパッケージ906に電気的に結合され得ることが異なる。実施形態において、TSV914は、貫通孔のエッチングおよび孔の導電性材料による堆積/充填などの適切なウェハ処理技法によってCMOSダイ904に形成され得る。実施形態において、TSV914は、TSV最終の構造またはTSV中間の構造のいずれかとすることができる。TSV最終の構造またはTSV中間の構造は、バンプ、ピラー、またはパッド916の下のTSV914をもつASICを有し得る。TSV最終の構造は、少なくとも35μmの直径と、少なくともTSV最終の直径に20μmを加えたパッドサイズとを有することができる。TSV中間の構造は、少なくとも2μmの直径と、10μmに加えて少なくともTSV中間の直径のパッドサイズとを有することができる。実施形態において、TSVピッチおよび深さは、どのTSV構造が使用されるか、例えば、TSV最終またはTSV中間などに依存し得る。多重MEMS-CMOSアセンブリ900の2次元構成は、TSV914によって可能にされ得る。実施形態において、追加のバンプ、ピラー、またはパッド916が、CMOSダイ904またはパッケージ906に形成され得、それは、CMOSダイ904とパッケージ906との間の電気的接続を提供する。実施形態において、パッケージ906は、TSV914と、バンプ、ピラー、またはパッド916とを通してCMOS904に電気信号を通信することができる。接着剤層910は、圧力波が吸収され、熱エネルギーに散逸され得るように、音響減衰材料で形成され得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、MEMS-CMOSアセンブリ900は、さらに、CMOSダイ904の一方の側の電極から反対側の電極に接続してASICに接続するTSV914を有することができる。
【0068】
[0085]
図8に示されているように、カバー層824と同様のカバー層が、MEMSダイ902のまわりに配置され得ることに留意されたい。また、MEMSアセンブリ900は、シールリング832と同様のシールリングを含むことができ、その結果、シールリングによって囲まれた空間が真空に保たれて、圧力波がCMOSダイ904の方に伝搬するのを防止することができることに留意されたい。また、実施形態において、MEMSダイ902とCMOSダイ904との間の空間は、材料730と同様のアンダーフィル材料で充填され得る。
【0069】
[0086]
図10は、本開示の実施形態によるMEMS-CMOSアセンブリ(または手短に言えばアセンブリ)1000の例示的な概略図を示す。実施形態において、MEMSダイ1002およびCMOSダイ(またはASICチップ)1004は、それぞれ、MEMSダイ702(802および902)およびCMOSダイ704(804および904)と同様であり得る。従来のシステムでは、圧電トランスデューサを駆動するための電子機器は、一般に、圧電トランスデューサから遠く離れて配置され、同軸ケーブルを使用して圧電トランスデューサに接続される。一般に、同軸ケーブルは、電子機器における追加のキャパシタンスなどの寄生負荷を増加させ、追加のキャパシタンスは、より多くの熱および電力の損失を引き起こす。対照的に、
図10に示されるように、1つまたは複数の送信ドライバ(すなわち、回路)1012a~1012n(まとめて1012)は、Cuピラーまたははんだバンプ1032(バンプ712、812、または912と同様であり得る)などの低インピーダンス2次元(2D)相互接続機構(矢印1020で示されるような)、またはウェハボンディングもしくは同様の手法を使用して、超音波素子(すなわち、画素)1006a~1006n+i(まとめて1006)に直接接続され得る。実施形態において、MEMSダイ1002をCMOSダイ1004に統合する際、回路1012は、超音波素子1006から垂直方向に100μm未満(またはその程度)の離間で配置され得る。実施形態において、ドライバ回路1012と超音波素子1006との間のインピーダンス整合のための従来のデバイスは必要とされず、それにより、さらに、設計が簡単化され、アセンブリ1000の電力効率が向上され得る。回路1012のインピーダンスは、超音波素子1006の要件に整合するように設計され得る。
【0070】
[0087]超音波素子が3つ以上の上部電極を有する場合、各超音波素子は4つ以上のバンプによって、対応する駆動回路に結合され得ることに留意されたい。さらに、以下で論じられるように、各超音波素子は、2つ以下のバンプによって、対応する駆動回路に結合され得る。したがって、
図10は、MEMSダイとCMOSダイとの間の例示的な接続機構を示していることが当業者には明らかであろう。
【0071】
[0088]実施形態において、超音波素子1006の各々は、X、T、およびOで表された3つのリード線を有することができる。超音波素子の各々からのリード線は、CMOSダイ1004に配置された回路1012のうちの対応するものにバンプ1032によって電気的に接続され得る。実施形態において、1006n+1~1006n+iなどの超音波素子のラインは、1つの共通回路1012nに電気的に結合され得る。実施形態において、送信ドライバ回路1012nは、送信モード中に超音波素子への送信信号を生成する1つの送信ドライバを含むことができる。代替実施形態では、MEMSまたはASIC上の接続トレースは、1μmの程度の一般的なメタライゼーションの代わりに、厚い金属、例えば10μmを使用して製作され得る。
【0072】
[0089]CMOSダイ1004は、回路1012nと同様の任意の適切な数の回路を有することができることが当業者には明らかであろう。実施形態において、制御ユニット1042は、超音波素子を2次元画素アレイにおいて水平または垂直のいずれかに構成し、それらの長さを構成し、それらを、送信もしくは受信またはポーリングモードもしくはアイドルモードにする能力を有することができる。実施形態において、制御ユニット1042は、MEMSダイ1002がバンプ1032によってCMOSダイ1004に組み合わされた後、ポーリングプロセスを実行することができる。実施形態において、制御ユニット1042は、MEMSダイ1002がバンプ1032によってCMOSダイ1004に組み合わされた後、タイミング制御を用いて連係動作または独立動作を実行することができる。アセンブリ1000に関するさらに多くの情報は、2017年11月29日に出願された「CONFIGURABLE ULTRASONIC IMAGER(構成可能な超音波イメージャ)」と題する米国発行特許第10,835,209 B2号に見いだすことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0073】
[0090]実施形態において、少なくとも1つの金属層が、MEMSダイ1002の表面に堆積され、パターン化され、それによって、電気ワイヤ(またはトレース)1034を形成することができ、電気ワイヤの一部は、CMOSダイ1004と電気連通するためにバンプ1032と直接接触することができる。電気ワイヤ1034は、さらに、超音波素子1006間で信号を通信するために使用され得る。実施形態において、少なくとも1つの金属層が、CMOSダイ1004の表面に堆積され、パターン化され、それによって、電気ワイヤ(またはトレース)1036を形成することができ、電気ワイヤの一部は、MEMSダイ1002と電気連通するためにバンプ1032と直接接触することができる。電気ワイヤ1036は、さらに、CMOSダイ1004の電気構成要素間で信号を通信するために使用され得る。実施形態において、多数の金属層およびビアが、MEMSダイおよび/またはCMOSダイに堆積およびパターン化されて、電気ワイヤ(トレース)の多数の層を形成することができる。
【0074】
[0091]
図7~
図9に関連して論じられたように、実施形態において、MEMSダイ1002およびCMOSダイ1004は、別々に製造され、バンプ1032を使用する金属相互接続技術などの2D相互接続技術によって互いに組み合わされ得る。実施形態において、相互接続技術は、構成要素の歩留まりを低下させる、ウェハ間一体化の低い歩留まり乗算効果を排除することができる。実施形態において、
図10のMEMSダイは、
図7~
図9のMEMSダイと同様の構造および機能を有することができ、
図10のCMOSダイは、
図7~
図9のMEMSダイと同様の構造および機能を有することができる。
【0075】
[0092]
図11は、本開示の実施形態によるTSVを使用するトランスデューサチップアレイアセンブリ1100の上面図を示す。実施形態において、MEMSダイ1150およびASICチップ(またはCMOSダイ)1140は、それぞれ、MEMSダイ702(802および902)およびCMOSダイ704(804および904)と同様であり得る。実施形態において、トランスデューサチップアセンブリ1100は、制御チップ1110によって連係され得る。制御チップ1110は、タイミング制御(例えば同期)による連係動作または独立動作のために多数のトランスデューサチップ1120を制御するのに使用され得る。実施形態において、トランスデューサチップ1120は、MEMSダイ1150およびASICチップ1140で構成され得、PCB1130と相互接続され得る。いくつかの実施形態では、PCB1130は、剛性回路基板とすることができる。場合によっては、PCB1130は、可撓性回路基板とすることができ、それは、湾曲したイメージング区域1130を可能にする。実施形態において、制御チップ1110は、PCB1130の表側または裏側に相互接続され得る。
【0076】
[0093]
図12は、本開示の実施形態によるトランスデューサチップアレイアセンブリワイヤボンド1200の上面図を示す。実施形態において、MEMSダイ1250およびASICチップ(またはCMOSダイ)1240は、それぞれ、MEMSダイ702(802および902)およびCMOSダイ704(804および904)と同様であり得る。実施形態において、トランスデューサチップアセンブリ1200は、制御チップ1210によって連係され得る。制御チップ1210は、タイミング制御(例えば同期)による連係動作または独立動作のために多数のトランスデューサチップ1220を制御するのに使用され得る。実施形態において、トランスデューサチップ1220は、MEMSダイ1250およびASICチップ1240で構成され得、PCB1230と相互接続され得る。実施形態において、制御チップ1210は、PCB1230の表側または裏側にワイヤにより相互接続され得る。
【0077】
[0094]実施形態において、トランスデューサチップアレイアセンブリ1100を相互接続するためにTSVを使用することにより、多数のトランスデューサチップ1110を、隣接してシームレスに任意の2次元アレイで組み立てることが可能になり得る。実施形態において、このシームレス接続は、
図12に記載される実施形態と比較して、寸法性を著しく向上および改善することができる。
図12に記載された実施形態は、単に、一方向にトランスデューサチップのシームレスアセンブリを形成することができる可能性があるが、
図11に記載された実施形態は、多方向にトランスデューサチップのシームレスアセンブリを形成することができる可能性がある。個々のトランスデューサチップアレイは、アレイを組み立てる前に品質管理され得るが、
図12の実施形態は、品質が評価され得る前にアレイが組み立てられる必要がある場合がある。
【0078】
[0095]実施形態において、トランスデューサチップアレイアセンブリ1100を相互接続するためにTSVを使用することにより、
図12に記載された実施形態(ワイヤボンドループ高さおよびレンズ表面からのそのクリアランスが、レンズの高さの最小値を設定し得る)と比較して、特にレンズのエッジのまわりで、より薄いレンズの高さを可能にすることができ、これは、より低い減衰と、いくつかの形態のイメージングで必要とされることがあるより連続的な波長(CW)とをもたらすことができる。実施形態において、トランスデューサチップアレイアセンブリ1100を相互接続するためにTSVを使用することにより、
図12に記載された実施形態と比較して、より高い動作周波数を可能にすることができ、その理由は、ワイヤボンドアセンブリの代わりにTSVを使用することが、より低いインダクタンス、その結果として、動作効率の向上をもたらすことができるからである。実施形態において、トランスデューサチップアレイアセンブリ1100を相互接続するためにTSVを使用することにより、
図12に記載された実施形態と比較して、トランスデューサチップアレイ内で必要とされる間隔の量を減少させることによって、より大きいオペレーションの使用を可能にすることができる。間隔が減少することにより、イメージング開口が部分的に重なり、単一フレームコヒーレント画像の全イメージング区域を増加させ、横方向解像度を向上させる(横方向解像度はアクティブ開口サイズに反比例する)ことができる。いくつかの実施形態では、イメージング区域の増加および横方向解像度の向上により、イメージングシステムを、円筒形プローブ、または湾曲超音波イメージング区域をもつ大きいパッチとして形成することが可能であり得る。いくつかの実施形態では、湾曲超音波イメージング区域をもつ大きいパッチにより、トランスデューサチップアレイは、実時間でイメージング表面に一致するように固定曲率または変化する曲率のいずれかを有することが可能になり得る。
【0079】
[0096]いくつかの実施形態では、超音波デバイスは、切り離されたPCBに結合された制御ユニットを有することができる。場合によっては、切り離されたPCBは、回路基板から離れていてもよい。いくつかの実施形態では、切り離されたPCBは、制御チップを単独で収容することができ、または多数のトランスデューサチップを収容するPCBから切り離された多数の制御チップを収容することもできる。
【0080】
[0097]
図13は、本開示の実施形態による、切り離されたプリント回路基板(PCB)1340上の制御チップをもつトランスデューサチップアレイアセンブリ1300の上面図を示す。いくつかの実施形態では、制御チップ1320は、切り離されたPCB1340に結合され得る。いくつかの実施形態では、MEMS1310およびASIC1330は、別個の回路基板1350に結合され得る。回路基板1350は、プリント回路基板(PCB)などの金属基板を含むことができる。いくつかの場合には、切り離されたPCB1340および制御チップ1320は、相互接続機構1360を介して、MEMS1310、ASIC1330、および回路基板1350に接続され得る。いくつかの実施形態では、切り離されたPCB1340は、剛性構造とすることができる。いくつかの場合には、切り離されたPCB1340は、可撓性構造とすることができる。いくつかの実施形態では、回路基板1350は、剛性構造とすることができる。いくつかの場合には、回路基板1350は、可撓性構造とすることができる。いくつかの実施形態では、相互接続機構1360は、ケーブル、ワイヤ、または電気連通可能材料を含むことができる。
【0081】
[0098]いくつかの実施形態では、トランスデューサチップは、特定の動作波長を有することができる。いくつかの場合には、隣接するトランスデューサチップ間の離隔距離は、互いに異なる値であってもよい。この離隔距離値は、離隔距離のまわりの隣接するトランスデューサチップの特定の動作波長に対して最適化され得る。いくつかの実施形態では、2MHz未満などの低い周波数では、動作波長は、比較的大きく、例えば、3mm超などとすることができる。
【0082】
[0099]いくつかの実施形態では、隣接するトランスデューサチップ間の離隔距離、および1つのトランスデューサチップ内の隣接する超音波素子間の間隔は、高い周波数のときよりもはるかに大きくなる可能性がある。場合によっては、これは、トランスデューサチップアレイおよび超音波素子のアセンブリの製造をはるかに容易にすることができる。
【0083】
[0100]
図14は、本開示の実施形態による、隣接する超音波素子1450間に可変の間隔をもつトランスデューサチップアレイアセンブリ1400の上面図を示す。いくつかの実施形態では、MEMS1 1410は、MEMS2 1420、またはMEMS3 1430のいずれかと異なる、隣接する超音波素子1450間の間隔で構成され得る。いくつかの場合には、MEMS1 1410およびMEMS2 1420は、隣接する超音波素子1450間に同じ間隔を備え得るが、MEMS3 1430は、超音波素子1450間に異なる間隔を有する。いくつかの実施形態では、MEMS2 1420およびMEMS3 1430は、隣接する超音波素子1450間に同じ間隔を備え得るが、MEMS1 1410は、超音波素子1450間に異なる間隔を有する。いくつかの実施形態では、MEMS1 1410、MEMS2 1420、およびMEMS3 1430は、ASIC1440と相互接続され、回路基板1460に結合され得る。回路基板1460は、プリント回路基板(PCB)などの金属基板を含むことができる。いくつかの場合には、回路基板1460は、剛性PCBで構成することができる。いくつかの場合には、回路基板1460は、可撓性PCBで構成することができる。いくつかの場合には、隣接する超音波素子1450間の可変の間隔は、隣接するトランスデューサチップアレイ1400の特定の動作波長に対する最適化を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、隣接する超音波素子1450間の離隔距離は、高い周波数よりも低い周波数においてより大きくなり得る。
【0084】
[0101]本開示の好ましい実施形態が、本明細書において示され、説明されているが、そのような実施形態は、単に例として提供されていることが当業者には明らかであろう。非常に多くの変形、改変、および置換が、本開示の範囲から逸脱することなく、直ちに当業者に思い浮かぶであろう。本明細書に記載される本開示の実施形態の様々な代替が、本開示の本発明を実践する際に用いられてもよいことを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義すること、ならびにこれらの特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内の方法および構造がそれによって包含されることが意図される。