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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】情報提供システムと情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/163 20240101AFI20241003BHJP
   E04F 10/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/163
E04F10/02
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021046700
(22)【出願日】2021-03-20
(65)【公開番号】P2022145337
(43)【公開日】2022-10-04
【審査請求日】2023-12-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2021年2月16日~2月19日(設営2021年2月15日)開催のHCJ2021第49回国際ホテル・レストラン・ショーにて公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】000108627
【氏名又は名称】タカノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087468
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 一美
(72)【発明者】
【氏名】織田 五三
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 達也
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-021655(JP,A)
【文献】特開平10-292755(JP,A)
【文献】特開2005-233490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
E04F 10/00-10/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1制御部を有するサーバと、
日除けシートと、前記日除けシートを支持するフレームと、第2制御部と、を有する日除け設備と、を備える情報提供システムの情報提供方法において、
前記第2制御部が、気象センサユニットにより設置位置の気象情報を取得する取得工程と、
前記第2制御部が、前記取得工程により取得された前記気象情報を、送信部によりネットワークを介して前記サーバに送信する送信工程と、
前記第1制御部が、前記送信工程により前記サーバに送信された前記気象情報を記憶する記憶工程と、
前記第1制御部が、前記記憶工程により前記サーバに記憶された前記気象情報を、端末装置からの要求に応じてサーバ送信部により前記ネットワークを介して前記端末装置に送信するサーバ送信工程と、を備えることを特徴とする情報提供方法。
【請求項2】
前記情報提供システムは、前記サーバである第1サーバと、第3制御部を有する第2サーバと、を備え、
前記第3制御部が、前記第1サーバから前記ネットワークを介して送信された前記気象情報を受信し、所定のアプリケーションを利用して前記端末装置に表示させるように前記気象情報を処理する処理工程と、処理した前記気象情報を前記端末装置に送信する端末送信工程と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システムと情報提供方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、オーニングやパラソルなどの日除け設備とサーバとを備えた情報提供システムと、この情報提供システムを用いた情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレームに支持された日除けシートを開閉可能に設けたオーニングやパラソルなどの日除け設備が知られている(特許文献1参照)。このような日除け設備は、例えば、ホテルやレストランの庭や屋上、あるいは公園や高速道路SA・PAのような野外、その他の施設に設置されることがある。そのような場合に、日除け設備を設置した施設において、例えば、来店(来場)者数や、来店(来場)者の需要などの予測など、各種目的に気象情報を利用したいという要望があった。特に、日除け設備の設置位置から離れた場所において、ネットワークを介して端末装置を利用して日除け設備の設置位置の気象情報を取得したいという要望があった。このため、日除け設備の設置位置の近傍に予め設置されている気象センサで取得された気象情報がアップされているサーバにアクセスし、その設置位置の近傍の気象情報に基づいて日除け設備の設置位置の気象情報を推測し、その推測値に基づいて上述した各種目的に利用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-141649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したように設置位置の近傍の気象情報に基づいた日除け設備の設置位置の気象情報の推測値を日除け設備の設置位置における各種目的に利用すると、日除け設備の設置位置の実際の気象情報と推測値とは異なることもある。例えば、ビルの屋上やビルの間の地面では、周囲では発生していない特有の強風が発生することがあり、また、建物によって日差しが遮られることで日照状況が変わることもある。これらの場合に、設置位置の近傍の気象情報に基づいた推測値を利用してしまうと、日除け設備の設置位置の実際の気象情報とは異なるために、各種目的を十分に達成できなくなる虞があるという課題があった。
【0005】
本発明は、日除け設備の設置位置の実際の気象情報をネットワークを利用して得ることができる情報提供システムと情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため、本発明の情報提供方法は、第1制御部を有するサーバと、日除けシートと、日除けシートを支持するフレームと、第2制御部と、を有する日除け設備と、を備える情報提供システムの情報提供方法において、第2制御部が、気象センサユニットにより設置位置の気象情報を取得する取得工程と、第2制御部が、取得工程により取得された気象情報を、送信部によりネットワークを介してサーバに送信する送信工程と、第1制御部が、送信工程によりサーバに送信された気象情報を記憶する記憶工程と、第1制御部が、記憶工程によりサーバに記憶された気象情報を、端末装置からの要求に応じてサーバ送信部によりネットワークを介して端末装置に送信するサーバ送信工程と、を備えるようにしている。
【0009】
また、本発明の情報提供方法は、情報提供システムは、サーバである第1サーバと、第3制御部を有する第2サーバと、を備え、第3制御部が、第1サーバからネットワークを介して送信された気象情報を受信し、所定のアプリケーションを利用して端末装置に表示させるように気象情報を処理する処理工程と、処理した気象情報を端末装置に送信する端末送信工程と、を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の情報提供方法によれば、日除け設備の設置位置の気象情報を取得してネットワークを介してサーバに送信し、サーバに記憶された気象情報をネットワークを介して端末装置で受信することができるので、日除け設備の設置位置の実際の気象情報をネットワークを利用して得ることができるようになる。このため、設置位置の近傍の気象情報に基づいた推測値を利用する場合に比べて、実際の気象情報を得ることができるため、気象情報を利用した集客予想や需要予想を高精度に実現することができる。
【0011】
また、本発明の情報提供方法によれば、第2サーバは、第1サーバからネットワークを介して送信された気象情報を受信し、所定のアプリケーションを利用して端末装置に表示させるように気象情報を処理し、処理した気象情報を端末装置に送信するようにしている。このため、例えば、広く普及している対話型のアプリケーションを利用して通常の言葉を使ってサーバに気象情報を要求することができるようになるので、操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る日除け設備の実施形態の一例の全体構成を示す側面図である。
図2図1の日除け設備の平面図である。
図3】本発明に係る情報提供システムの実施形態のメインサーバと気象センサを示すブロック図である。
図4】本発明に係る情報提供システムの実施形態の全体構成を示すブロック図である。
図5】本発明に係る情報適用方法の実施形態において、気象情報を取得する方法の一例を示すフローチャートである。
図6】本発明に係る情報適用方法の実施形態の一例を示すフローチャートである。
図7】本発明に係る情報提供システムにおける処理の流れを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1及び図2に、本発明の情報提供システムを適用した日除け設備の一例である自立型のオーニング1の実施形態を示す。本発明の説明においては、日除けシート12が広げられたり折り畳まれたりする方向を前後方向とし、そして、日除けシート12が広げられて伸張する向きを前向きとすると共に撓曲して折り畳まれる向きを後向きとする。また、前後方向と平面視において直交する方向を左右方向とする。また、本実施形態のオーニング1は、例えば、ホテルやレストランの庭や屋上、あるいは公園や高速道路の屋外、その他の施設に設置するものとしている。
【0015】
本実施形態のオーニング1は、大まかな構成として、オーニング本体1aと気象センサ20とを有する。オーニング本体1aは、図2に示す平面視において矩形状のルーフユニット10と、当該ルーフユニット10の四角のそれぞれに設けられてルーフユニット10を支持する四本の支柱11と、ルーフユニット10に張られる折り畳み式の日除けシート12と、当該日除けシート12を開閉させる(言い換えると、広げたり折り畳んだりする)開閉機構13とを有する。
【0016】
ルーフユニット10は、前後一対の前後桁フレーム10A,10Aと左右一対の左右桁フレーム10B,10Bとを有する平面視において矩形枠状のフレーム構造であり、四つの角部がそれぞれ支柱11によって支持されるフレームユニットとしている。このルーフユニット10では、複数のシート支持フレーム14の一部が左右一対の左右桁フレーム10B,10Bによって前後方向に移動可能に支持され、さらに、シート支持フレーム14を前後方向に移動させるための牽引フレーム15を有し、当該牽引フレーム15が左右方向における中央部に接続されたロープ16によって前後方向に移動させられる。本実施形態では、ロープ16は、一方の方向に牽引されて回転されることにより日除けシート12を開き、それとは反対の他方の方向に回転されることにより日除けシート12を閉じる。尚、ロープ16は、開閉機構13に連結されており、開閉機構13の動作により牽引される。本実施形態では、ルーフユニット10は、フレームの一例であり、日除けシート12を開いて広げた開状態と閉じて収納した閉状態とに開閉可能に支持する。
【0017】
ルーフユニット10は、四本の支柱11により、水平に支持される。各支柱11の下端には、支柱11から横にはみ出して錘17を受け止める荷重受け部11aが設けられている。本実施形態の荷重受け部11aは例えば円板であり、支柱11の下端に例えば溶接により固着されている。この荷重受け部11aの上に錘17を載せることで、支柱11が固定される。??錘17は、例えば半割リングであり、半割リングを支柱11を囲むように組み合わせることで1つのリング(錘組み)が構成され、さらにその上に積み重ねることで図1に示すように円筒状に構成される。
【0018】
日除けシート12は、前後方向に並べられて配設される複数のシート部材18を有する。複数のシート部材18は、各々は左右方向に配置されると共に前後方向に並べられて配設される複数のシート支持フレーム14同士の各間に張られる。即ち、日除けシート12は、複数のシート部材18が複数のシート支持フレーム14を介して連接しているものとして構成される。
【0019】
各シート支持フレーム14同士の間に張られるシート部材18の材質は、可撓性を有すると共に日除けシートとして必要とされる強度を備えるものであれば、特定の種類に限定されるものではなく、例えばオーニングとしての用途などが勘案された上で、適当なものが適宜選択される。具体的には例えば、シート部材18の材質として、キャンバスが選択され得る。
【0020】
開閉機構13は、後側の桁フレーム10Aに固定して設けられ、電動モータ31(図3参照)と、電動モータの駆動力によりロープ16を牽引する牽引機構32(図3参照)とを有している。牽引機構32は、日除けシート12を開くためにロープ16を一方の方向に牽引する回転をしたり、日除けシート12を閉じるためにロープ16を他方の方向に牽引する回転をしたりする。電動モータ31は、牽引機構32がロープ16をいずれかの方向に牽引するように牽引機構32を駆動させる。従って、電動モータ31の駆動と牽引機構32の動作と日除けシート12の開閉動作とは連動し、電動モータ31の駆動が制御部33(図3参照)からの制御信号により制御されることによって日除けシート12の開閉動作が制御される。即ち、開閉機構13は、入力された制御信号に応じて日除けシート12を開閉する。尚、開閉機構13の構成としては、既知の構成を適宜適用可能であり、詳細な説明は省略する。また、オーニング1は、作動するために電力を必要とする各部へと電力を供給する電源(尚、内部電源でも外部電源でも良い)を備えるが、特別の機序ではないので、当該電源に纏わる構成の詳細な説明及び図示は省略する。
【0021】
気象センサ20は、前側の桁フレーム10Aに固定されたブラケット20aに取り付けられている。気象センサ20は、例えば、気温、湿度、気圧、照度、紫外線、風向、風速、雨量の8つの気象情報を取得可能なものとしている。
【0022】
次に、上述したオーニング1を用いた情報提供システムにおける気象情報取得システムについて、図3を用いて詳細に説明する。本気象情報取得システムは、オーニング1と、オーニング1の気象センサ20に対してネットワーク40を介して接続されたサーバ及び第1サーバの一例であるメインサーバ50とを有する。尚、ネットワーク40としては、インターネットを適用している。
【0023】
本気象情報取得システムでは、オーニング1は、開閉機構13を制御する制御部33と、ネットワーク40を介して通信を行う通信部34とを有する。これら開閉機構13、制御部33、通信部34は、バス等の信号回線によって接続される。制御部33は、例えば不揮発性メモリに格納されている制御プログラムに従うと共に、メインサーバ50から受信した気象情報に基づいて生成した制御信号により開閉機構13を制御することによって日除けシート12を開く動作や閉じる動作を制御するものであり、例えばCPU(中央演算処理装置)である。通信部34は、通信網・通信線へと接続するための通信インターフェースであり、無線通信を行う無線モジュールまたは有線通信を行う有線モジュールを備え、ネットワーク40へと接続してメインサーバ50との間でデータ通信を行う。
【0024】
気象センサ20は、第2制御部の一例である制御部21と、気象情報を取得する各種のセンサを有する検知部22と、ネットワーク40を介して通信を行う通信部23とを有する。検知部22は、検知対象である気温、湿度、気圧、照度、紫外線、風向、風速、雨量を気象情報としてそれぞれ検知できるように、各種のセンサを有するセンサユニットからなる。即ち、検知部22は、気象センサユニットの一例であり、複数のセンサを有し、オーニング1の設置位置の気象情報を取得する。
【0025】
制御部21は、検知部22により取得された気象情報を例えば1分ごとにメインサーバ50に送信するものであり、例えばCPU(中央演算処理装置)である。尚、本実施形態では、1分ごとに送信するものとしているが、これには限られず、適宜な間隔で送信するようにしてもよく、あるいは常時送信するようにしてもよい。通信部23は、通信網・通信線へと接続するための通信インターフェースであり、無線通信を行う無線モジュールまたは有線通信を行う有線モジュールを備え、ネットワーク40へと接続してメインサーバ50との間でデータ通信を行う。
【0026】
メインサーバ50は、第1制御部の一例である制御部51と、記憶部52と、ネットワーク40を介して通信を行うサーバ送信部の一例である通信部53を有する。これら制御部51、記憶部52、通信部53は、バス等の信号回線によって接続される。制御部51は、記憶部52に格納されているプログラムに従ってメインサーバ50の各構成要素を制御することによってメインサーバ50全体の制御を行うものであり、例えばCPU(中央演算処理装置)である。記憶部52は、具体的には例えばハードディスクによって構成され、プログラムや種々のデータなどを格納して保存する。記憶部52には、気象センサ20や、その他の気象センサから送信された気象情報が格納されている。通信部53は、通信網・通信線へと接続するための通信インターフェースであり、無線通信を行う無線モジュールまたは有線通信を行う有線モジュールを備え、ネットワーク40へと接続してオーニング1との間でデータ通信を行う。
【0027】
次に、上述したオーニング1を用いた情報提供システムについて、図4を用いて詳細に説明する。本情報提供システムは、ネットワーク40により接続されたオーニング1と、メインサーバ50と、ボットサーバ60と、アプリプラットフォーム70とを有する。これらメインサーバ50と、ボットサーバ60と、アプリプラットフォーム70とは、ネットワーク40上で、例えばAPIを用いて情報の送受信を行うようにしている。尚、ネットワーク40としては、インターネットを適用している。また、本実施形態では、ボットサーバ60と、アプリプラットフォーム70とを合わせて第2サーバの一例として示している。
【0028】
アプリプラットフォーム70は、端末装置80のアプリから送信されたメッセージを取得し、ボットサーバ60に送信する。また、アプリプラットフォーム70は、ボットサーバ60から受信した応答メッセージを端末装置80のアプリケーション(アプリ)に送信する。尚、ここでのアプリは、特定のものに限定されるものではないが、例えばLINE(登録商標)を適用することができる。
【0029】
ボットサーバ60は、制御部61と、記憶部62と、ネットワーク40を介して通信を行う通信部63を有する。尚、本実施形態では、ボットサーバ60の制御部61と、アプリプラットフォーム70とを合わせて第3制御部の一例として示している。これら制御部61、記憶部62、通信部63は、バス等の信号回線によって接続される。制御部61は、記憶部62に格納されているプログラムに従ってボットサーバ60の各構成要素を制御することによってボットサーバ60全体の制御を行うものであり、例えばCPU(中央演算処理装置)である。記憶部62は、具体的には例えばハードディスクによって構成され、プログラムや種々のデータなどを格納して保存する。記憶部52には、アプリプラットフォーム70から受信したメッセージから必要な情報を特定する処理を行ってメインサーバ50に送信するためのプログラム及びデータや、メインサーバ50から受信した気象情報を用いて応答メッセージを作成しプラットフォーム70に送信するためのプログラム及びデータが格納されている。通信部63は、通信網・通信線へと接続するための通信インターフェースであり、無線通信を行う無線モジュールまたは有線通信を行う有線モジュールを備え、ネットワーク40へと接続してメインサーバ50及びプラットフォーム70との間でデータ通信を行う。
【0030】
端末装置80は、ネットワーク40を介してメインサーバ50からボットサーバ60及びプラットフォーム70を介してアプリを用いて情報提供を受けるための機器の総称である。本発明における端末装置80は、特定の機器に限定されるものではなく、移動型・携帯型の(言い換えると、持ち運び可能な) 機器や固定型の機器などの種々の態様のものを含む。端末装置80としては、具体的には例えば、あくまで一例としては、携帯電話,スマートフォン,タブレットPC ,及び種々の携帯情報端末等の携帯型の端末や、パーソナルコンピュータ等の据置型の端末などが挙げられる。
【0031】
次に、本実施形態の情報提供システムを用いた情報提供方法について、図5乃至図7に沿って説明する。情報提供方法は、気象センサ20の制御部21が、検知部22により設置位置の気象情報を取得する取得工程(S1)と、取得工程により取得された気象情報を、通信部23によりネットワーク40を介してメインサーバ50に送信する送信工程(S2)と、メインサーバ50の制御部51が、送信工程によりメインサーバ50に送信された気象情報を記憶する記憶工程(S3)と、記憶工程によりメインサーバ50に記憶された気象情報を、通信部53によりネットワーク40を介して送信するサーバ送信工程(S15)と、ボットサーバ60の制御部61が、メインサーバ50からネットワーク40を介して送信された気象情報を受信し、所定のアプリケーションを利用して端末装置80に表示させるように気象情報を処理する処理工程(S16)と、アプリプラットフォーム70が、処理した気象情報を端末装置80に送信する端末送信工程(S17)と、を備える。
【0032】
情報提供システムの処理手順について、具体的に説明する。図5及び図7に示すように、気象センサ20の制御部21は、検知部22を利用して、1分ごとに周囲、即ちオーニング1の設置位置の気象情報を取得する(S1)。即ち、制御部21は、検知部22により設置位置の気象情報を取得する取得機能を有する。取得する気象情報の種類は、例えば、気温、湿度、気圧、照度、紫外線、風向、風速、雨量の全てとする。但し、これらの全てを取得することには限られず、必要に応じて適宜選択するようにしてもよい。気象センサ20の制御部21は、通信部23を利用して、検知部22が取得した気象情報をネットワーク40を介してメインサーバ50に送信する(S2)。即ち、制御部21は、取得された気象情報を、通信部23によりネットワーク40を介してメインサーバ50に送信する送信機能を有する。また、通信部23は、送信部の一例であり、検知部22により取得したオーニング1の設置位置の気象情報を、ネットワーク40を介してサーバに送信する。
【0033】
メインサーバ50の制御部51は、通信部53により受信した気象センサ20からの気象情報を記憶部52に記憶させる(S3)。即ち、メインサーバ50は、気象センサ20の通信部23により送信された気象情報を記憶する記憶機能を備える。
【0034】
一方、図6及び図7に示すように、ユーザは、端末装置80のアプリを用いて、オーニング1の設置位置の気象情報を要求する(S11)。ここでは、例えば、オーニング1が設置されている「東京営業所の天気を教えて」というメッセージを送信することで気象情報を要求することができる。アプリプラットフォーム70は、アプリからのメッセージを受信すると、ボットサーバ60にコールバックを行う(S12)。ボットサーバ60は、アプリプラットフォーム70からのコールバックを受けると、メッセージの中から必要な情報、即ちユーザはどのような情報を要求しているのかを抽出して、要求すべき情報についてメインサーバ50に対してコールを行う(S13)
【0035】
メインサーバ50では、ボットサーバ60からの気象情報の要求を受信すると(S14)、記憶部52を照会して要求された気象情報を抽出し、ボットサーバ60に送信する(S15)。ボットサーバ60は、メインサーバ50からの気象情報を受信すると、気象情報を用いて応答メッセージを作成し、プラットフォーム70に送信する(S16)。アプリプラットフォーム70は、ボットサーバ60から応答メッセージを受信すると、アプリに送信する(S17)。そして、端末装置80が気象情報を表示し(S18)、ユーザは情報提供を受けることができる。即ち、通信部53は、通信部23によりメインサーバ50に送信された気象情報を、端末装置80からの要求に応じてネットワーク40を介して端末装置80に送信する。
【0036】
端末装置80でオーニング1の設置位置の気象情報を提供されたユーザは、気象情報を用いて以下のような各種のことを実行可能である。例えば、オーニング1の設置位置の気象情報をその近傍の店内、フロント、事務所棟などで表示させ、現在の状況を確認することができる。
【0037】
また、ユーザは、来店予測や需要予測のための基礎データとして、気象情報を得られるようになる。具体的には、自社の顧客管理システムに組み込んで、気象情報を過去の売り上げデータや集客情報に関連付けてデータ解析を行うことができ、将来の売り上げ増や集客増につなげることができる。また、気象情報を過去の売り上げと関連付ける例として、例えば、おしぼりの温冷、飲み物のホットコールドの比率、アイスクリームとかき氷の比率、注文される料理のメニューの傾向などが挙げられる。この場合、現在の気象情報を得ることにより、これらの事項を事前に予測することができるようになる。また、気象情報に基づき、来店者数の予測が可能になることで、屋内の人口が密になりそうな場合に事前に屋外に誘導することができるようになる。
【0038】
更には、オーニング1の設置位置はピンポイントであるため、例えば、オーニング1が雲や建物の陰に入って気温が周囲より低くなることがあり、その場合に、日照が減少したこと(日陰に入ったこと)を情報提供することで、夏季であれば熱中症防止や紫外線回避をアピールして集客を行うことができるようになる。逆に、例えば、オーニング1が雲や建物の陰から出て気温が周囲より高くなることがあり、その場合に、日照が増加したこと(日陰から出たこと)を情報提供することで、冬季であれば温かいことをアピールして集客を行うことができるようになる。
【0039】
また、メインサーバ50から受信する気象情報に対して予め閾値を設定しておき、その閾値を上回ったら(あるいは下回ったら)、端末装置80のアプリ上で警告が表示されるようにしてもよい。
【0040】
また、本実施形態では、オーニング1は、入力された警報信号に応じて周囲に警報を出力可能な警報部35を備えている。警報部35としては、例えば、警報音を発生可能なスピーカやブザーや、警報のライトを発光可能なランプ、警報メッセージを表示可能な液晶パネルなどの表示部などが挙げられる。そして、制御部33は、気象情報が所定の閾値を超えた場合に、警報部35に警報信号を出力し、警報部35から警報(注意喚起)を出力させる警報機能を有する(警報工程)。これにより、例えば、気温が高い場合に熱中症注意の警報や注意喚起を発することができるようになる。
【0041】
上述したように、本実施形態の情報提供システムによれば、オーニング1の設置位置の気象情報を取得してネットワーク40を介してメインサーバ50に送信し、メインサーバ50に記憶された気象情報をネットワーク40を介して端末装置80で受信することができるので、オーニング1の設置位置の実際の気象情報をネットワーク40を利用して得ることができるようになる。このため、設置位置の近傍の気象情報に基づいた推測値を利用する場合に比べて、実際の気象情報を得ることができるため、気象情報を利用した集客予想や需要予想を高精度に実現することができる。よって、ユーザは、来店予測や需要予測のための基礎データとして、気象情報を得ることができる。
【0042】
また、オーニング1の設置位置から離れた位置での気象情報を使用した場合、例えば、ビルの屋上やビルの間など、ピンポイントで特有の気象状況が発生したときには対応できない虞がある。これに対して、本実施形態では、オーニング1の設置位置の気象情報を利用しているので、ピンポイントで特有の気象状況が発生する場合にも実際の気象情報を得ることができるため、気象情報を利用した集客予想や需要予想を高精度に実現することができる。
【0043】
また、本実施形態の情報提供システムによれば、気象センサ20から得られた気象情報に応じて日除けシート12を直接開閉させずに、メインサーバ50を介在させている。このため、ユーザが遠隔地にいる場合でも端末装置を用いてメインサーバ50にアクセスすることで、オーニング1の設置位置の気象情報や日除けシート12の開閉状態を把握することができる。また、オーニング1の設置者や所有者などのユーザ以外の者であっても、同様にオーニング1の設置位置の気象情報や日除けシート12の開閉状態を把握することができる。また、メインサーバ50を利用することにより、例えば、ログデータをメインサーバ50に残すことができるので、過去の気象情報を取得して過去の売り上げや集客に関連付けたデータ解析を実行することができる。
【0044】
また、本実施形態の情報提供システムによれば、ボットサーバ60やアプリプラットフォーム70の利用により、例えば、広く普及している対話型のアプリケーションを利用して通常の言葉を使ってメインサーバ60に気象情報を要求することができるようになる。例えば、アプリとしてLINE(登録商標)を使用した場合、トーク画面で通常の言葉を用いて気象情報を要求できるようになるので、操作性を向上することができる。
【0045】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0046】
例えば、上述の説明では、気象センサ20は、気温、湿度、気圧、照度、紫外線、風向、風速、雨量の8つの気象情報を取得可能なものとしているが、これには限られず、その他の気象情報を取得可能なものであってもよく、あるいは、用途に応じて取得可能な気象情報を減らした簡素な気象センサを利用するようにしてもよい。
【0047】
また、上述の説明では、日除け設備として自立型のオーニング1を適用した場合について説明したが、これには限られず、例えば、壁付型のオーニングや、パラソルなどであってもよく、日除けシートとこれを開閉可能に支えるフレームを有するものに広く適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 オーニング(日除け設備)
10 ルーフユニット(フレーム)
12 日除けシート
21 制御部(第2制御部)
22 検知部(気象センサユニット)
23 通信部(送信部)
40 ネットワーク
50 メインサーバ(サーバ、第1サーバ)
51 制御部(第1制御部)
53 通信部(サーバ送信部)
60 ボットサーバ(第2サーバ)
61 制御部(第3制御部)
70 アプリプラットフォーム(第2サーバ)
80 端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7