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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】縦型ブラインド
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/36 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
E06B9/36 A
E06B9/36 D
E06B9/36 B
E06B9/36 E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021025198
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022033684
(43)【公開日】2022-03-02
【審査請求日】2024-02-02
(31)【優先権主張番号】P 2020137644
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143568
【弁理士】
【氏名又は名称】英 貢
(72)【発明者】
【氏名】中村 元
(72)【発明者】
【氏名】阿坂 翼
(72)【発明者】
【氏名】江波戸 武信
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 潤一
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-054186(JP,A)
【文献】特開2010-150857(JP,A)
【文献】特開平10-140952(JP,A)
【文献】実開昭61-056497(JP,U)
【文献】特開昭56-000487(JP,A)
【文献】実開昭60-179795(JP,U)
【文献】実開昭51-045830(JP,U)
【文献】米国特許第03860056(US,A)
【文献】特開平06-050069(JP,A)
【文献】特開2012-246612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンガーレールに複数のランナーを支持し、各ランナーにスラットを吊下支持する吊下軸を回転可能に支持させ、各ランナーに挿通したチルト軸を回転させてスラットを回動操作可能とする縦型ブラインドであって、
前記複数のランナーは、第1のランナーと、前記第1のランナーに隣接して配設される第2のランナーからなり、前記第1のランナーには前記チルト軸の回転を当該第1のランナーにおける吊下軸に伝達するギヤ機構が設けられ、前記第2のランナーは、前記チルト軸の回転を当該第2のランナーにおける吊下軸に非伝達とされ、
前記第2のランナーは、前記第2のランナーの吊下軸の回転角に応じて、前記第2のランナーの吊下軸に対する非回転方向に発生する力を前記第2のランナーの吊下軸の回転方向の付勢力に転換する付勢転換機構を有することを特徴とする縦型ブラインド。
【請求項2】
前記付勢転換機構は、前記第2のランナーが吊下支持するスラットが前記ハンガーレールの長手方向に対して垂直となる前記第2のランナーの吊下軸の回転角を境に、前記ハンガーレールの長手方向に沿ったスラット角度として全閉と逆全閉のいずれか一方に、前記第2のランナーの吊下軸に対する非回転方向に発生する力を前記第2のランナーの吊下軸の回転方向の付勢力に転換することを特徴とする、請求項1に記載の縦型ブラインド。
【請求項3】
前記第1のランナーと前記第2のランナーとが交互に配設され、
前記第1のランナーと前記第2のランナーには、それぞれ異なる種類のスラットが吊下支持され、
前記第2のランナーの吊下軸に吊下支持されるスラットは、前記第1のランナーの吊下軸の回転で回動するスラットとの接触で回動するように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の縦型ブラインド。
【請求項4】
前記付勢転換機構は、カム機構により前記第2のランナーの吊下軸に対する水平方向又は上下方向に発生する力を回転方向の付勢力に転換する手段を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の縦型ブラインド。
【請求項5】
前記第2のランナーの吊下軸に対する水平方向又は上下方向に発生する力を、水平方向に発生する引っ張り力とし、
前記引っ張り力は、引っ張りバネと磁力のいずれか一方、又は双方により発生させるよう構成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の縦型ブラインド。
【請求項6】
前記第2のランナーの吊下軸に対する水平方向又は上下方向に発生する力を、鉛直方向に発生する押し付け力とし、
前記押し付け力は、前記第2のランナーの吊下軸に係るスラットの自重と、押しバネのいずれか一方、又は双方により発生させるよう構成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の縦型ブラインド。
【請求項7】
前記付勢転換機構は、前記第2のランナーの吊下軸の回転角に応じて該吊下軸を上下動させながら回転案内するように構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の縦型ブラインド。
【請求項8】
前記スラットの上縁部を保持するスラットハンガーが設けられ、
前記複数のランナーの各々は、前記スラットハンガーの長手方向略中央部を吊下支持するように構成され、
前記スラットハンガーの長手方向両端部に抜け止めが形成され、
前記抜け止めは、或るスラットに隣接する各スラットに対し、1点のみ、若しくは2点で当接し、2点で当接しているときでもその2点間距離が、前記スラットハンガーの本体部の厚み未満となる形状で形成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の縦型ブラインド。
【請求項9】
前記抜け止めは、
前記スラットハンガーの本体部の側面に対して円形膨起して連なる内側湾曲部と、
前記スラットハンガーの本体部の最端部として前記本体部の厚さに対応する幅で切欠いた外側端部と、
を有することを特徴とする、請求項8に記載の縦型ブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のスラットを角度調節可能とした縦型ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
縦型ブラインドは、ハンガーレール内を移動可能に支持された多数のランナーからそれぞれスラットが角度調節可能に吊下支持され、スラットをハンガーレールに沿って引き出し、且つスラットの角度を調節することにより、室内への採光量を適宜調節可能である。
【0003】
スラットは、遮光性の生地、又は半透過性の生地で構成され、操作装置の操作により角度調節される。
【0004】
ところで、縦型ブラインドの一種として、各ランナーにスラットを吊下支持する吊下軸を回転可能に支持し、各ランナーに挿通したチルト軸の回転を吊下軸に伝達するギヤ機構を全てのランナーに対して設ける縦型ブラインドが開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。そして、操作装置によりチルト軸を回転させて全てのランナーについてギヤ機構を介して各ランナーの吊下軸を回転させることによりスラットを回動操作可能としている。
【0005】
一方、複数のランナーの1つおきにチルト軸の回転を非伝達とし、その回転非伝達としたランナーのフックには、その一回転方向に付勢するコイルバネを設けておき、各ランナーに吊下支持されるルーバー(スラット)同士の間の隙間をほぼ塞ぐ状態に自動的に復帰するよう構成した縦型ブラインドが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4966849号公報
【文献】特許第4953916号公報
【文献】特許第3228687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献1,2に開示される縦型ブラインドでは、全てのランナーにギヤ機構を設けてスラットを回動操作可能とする構成となっており、この構成では、回動角度によってスラット間の隙間が発生する問題があり、更に、操作負荷が重くなる方向にギヤ比を設定するギヤ機構としているため、スラットの回動に係る操作性の観点で改善の余地がある。
【0008】
また、特許文献3に開示される縦型ブラインドでは、複数のランナーの1つおきにチルト軸の回転を非伝達とし、その回転非伝達としたランナーのフックには、その一回転方向に付勢するコイルバネを設けて、各ランナーに吊下支持されるルーバー(スラット)同士の間の隙間をほぼ塞ぐ状態に自動的に復帰させる構成が開示されている。しかしながら、この構成では、ルーバー(スラット)の回動角度に応じて操作負荷が重くなり、やはりスラットの回動に係る操作性の観点で改善の余地がある。
【0009】
従って、本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、スラットの回動角度によってスラット間の隙間が発生するのを抑制し、且つスラットの回動に係る操作性を向上させた縦型ブラインドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の縦型ブラインドは、ハンガーレールに複数のランナーを支持し、各ランナーにスラットを吊下支持する吊下軸を回転可能に支持させ、各ランナーに挿通したチルト軸を回転させてスラットを回動操作可能とする縦型ブラインドであって、前記複数のランナーは、第1のランナーと、前記第1のランナーに隣接して配設される第2のランナーからなり、前記第1のランナーには前記チルト軸の回転を当該第1のランナーにおける吊下軸に伝達するギヤ機構が設けられ、前記第2のランナーは、前記チルト軸の回転を当該第2のランナーにおける吊下軸に非伝達とされ、前記第2のランナーは、前記第2のランナーの吊下軸の回転角に応じて、前記第2のランナーの吊下軸に対する非回転方向に発生する力を前記第2のランナーの吊下軸の回転方向の付勢力に転換する付勢転換機構を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の縦型ブラインドにおいて、前記付勢転換機構は、前記第2のランナーが吊下支持するスラットが前記ハンガーレールの長手方向に対して垂直となる前記第2のランナーの吊下軸の回転角を境に、前記ハンガーレールの長手方向に沿ったスラット角度として全閉と逆全閉のいずれか一方に、前記第2のランナーの吊下軸に対する非回転方向に発生する非回転方向に発生する力を前記第2のランナーの吊下軸の回転方向の付勢力に転換することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の縦型ブラインドにおいて、前記第1のランナーと前記第2のランナーとが交互に配設され、前記第1のランナーと前記第2のランナーには、それぞれ異なる種類のスラットが吊下支持され、前記第2のランナーの吊下軸に吊下支持されるスラットは、前記第1のランナーの吊下軸の回転で回動するスラットとの接触で回動するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の縦型ブラインドにおいて、前記付勢転換機構は、カム機構により前記第2のランナーの吊下軸に対する水平方向又は上下方向に発生する力を回転方向の付勢力に転換する手段を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の縦型ブラインドにおいて、前記第2のランナーの吊下軸に対する水平方向又は上下方向に発生する力を、水平方向に発生する引っ張り力とし、前記引っ張り力は、引っ張りバネと磁力のいずれか一方、又は双方により発生させるよう構成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の縦型ブラインドにおいて、前記第2のランナーの吊下軸に対する水平方向又は上下方向に発生する力を、鉛直方向に発生する押し付け力とし、前記押し付け力は、前記第2のランナーの吊下軸に係るスラットの自重と、押しバネのいずれか一方、又は双方により発生させるよう構成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の縦型ブラインドにおいて、前記付勢転換機構は、前記第2のランナーの吊下軸の回転角に応じて該吊下軸を上下動させながら回転案内するように構成されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の縦型ブラインドにおいて、前記スラットの上縁部を保持するスラットハンガーが設けられ、前記複数のランナーの各々は、前記スラットハンガーの長手方向略中央部を吊下支持するように構成され、前記スラットハンガーの長手方向両端部に抜け止めが形成され、前記抜け止めは、或るスラットに隣接する各スラットに対し、1点のみ、若しくは2点で当接し、2点で当接しているときでもその2点間距離が、前記スラットハンガーの本体部の厚み未満となる形状で形成されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の縦型ブラインドにおいて、前記抜け止めは、前記スラットハンガーの本体部の側面に対して円形膨起して連なる内側湾曲部と、前記スラットハンガーの本体部の最端部として前記本体部の厚さに対応する幅で切欠いた外側端部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、回動角度によってスラット間の隙間が発生するのを抑制し、且つスラットの回動に係る操作性を向上させた縦型ブラインドを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る縦型ブラインドの概略構成を示す正面図である。
図2】(a),(b)は、それぞれ本発明に係る縦型ブラインドにおける第1実施形態の第1及び第2のランナーについて一部を断面図示した側面図である。
図3】(a)乃至(c)は、それぞれ本発明に係る縦型ブラインドにおける第1実施形態の第2のランナーの動作に関して説明するための一部を断面図示した側面図である。
図4】(a)乃至(e)は、それぞれ本発明に係る縦型ブラインドにおける第1実施形態の第2のランナーにおける吊下軸の動作を概略的に示す側面図と、第2のランナーに吊下支持される第2のスラットが隣り合う第1のスラットと共に回動する様子を概略的に示す平面図である。
図5】(a),(b)は、それぞれ本発明に係る縦型ブラインドにおける各スラットの全閉から逆全閉、及び逆全閉から全閉へ回動する様子を概略的に示す平面図である。
図6】本発明に係る縦型ブラインドにおける各スラットの全閉から逆全閉に向かう中途で、全閉へ戻すように回動する様子を概略的に示す平面図である。
図7】(a),(b)は、それぞれ従来の縦型ブラインドにおける全てのランナーにチルト軸から回転伝達するギヤ機構が設けられているときの各スラットの全閉から逆全閉、及び逆全閉から全閉へ回動する様子を概略的に示す平面図である。
図8】従来の縦型ブラインドにおける全てのランナーにチルト軸から回転伝達するギヤ機構が設けられているときの各スラットの全閉から逆全閉に向かう中途で、全閉へ戻すように回動する様子を概略的に示す平面図である。
図9】(a),(b)は、それぞれ本発明に係る縦型ブラインドにおける第2実施形態の第2のランナーについて一部を断面図示した概略構造と動作を示す側面図である。
図10】(a)は本発明に係る縦型ブラインドにおける第3実施形態の第2のランナーの概略構造を示す平面図であり、(b)はその第3実施形態の第2のランナーについて動作を示す各平面図及び対応する側面図である。
図11】(a)は本発明に係る縦型ブラインドにおける第4実施形態の第2のランナーの概略構造を示す平面図であり、(b)はその第4実施形態の第2のランナーについて動作を示す各平面図及び対応する側面図である。
図12】(a),(b)は、それぞれ本発明に係る縦型ブラインドにおける第5実施形態の第2のランナーについて一部を断面図示した概略構造と動作を示す側面図である。
図13】(a)は本発明に係る縦型ブラインドにおける第6実施形態の第2のランナーの概略構造を示す平面図であり、(b)はその第3実施形態の第2のランナーについて動作を示す各平面図及び対応する側面図である。
図14】(a)は従来技術の典型的なスラットハンガーの概略形状を示す斜視図であり、(b)はその従来技術のスラットハンガーを本発明による第1乃至第6実施形態に係る縦型ブラインドに適用したときの各スラットの回動動作を示す各平面図である。
図15】(a)は本発明による一実施例のスラットハンガーの概略形状を示す斜視図であり、(b)はその本発明による一実施例のスラットハンガーを本発明による第1乃至第6実施形態に係る縦型ブラインドに適用したときの各スラットの回動動作を示す各平面図である。
図16】(a)は従来技術の典型的なスラットハンガーの概略形状を示す平面図とその抜け止めに関する部分的な拡大図であり、(b)は本発明による一実施例のスラットハンガーの概略形状を示す平面図とその抜け止めに関する部分的な拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明に係る縦型ブラインドを説明する。尚、本願明細書中、図1に示す縦型ブラインドの正面図に対して、図示上方及び図示下方をそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向を縦型ブラインドの左側、及び、図示右方向を縦型ブラインドの右側と定義して説明する。また、以下に説明する例では、図1に示す縦型ブラインドの正面図に対して、視認する側を前側(又は室内側)、その反対側を後側(又は室外側)とする。
【0022】
〔縦型ブラインドの全体構成〕
図1は、本発明に係る縦型ブラインドの概略構成を示す正面図である。図1に示す縦型ブラインドは、ハンガーレール1から多数枚の第1及び第2のスラット2a,2bが吊下支持され、各スラット2a,2bは、それぞれハンガーレール1内に移動可能に支持される第1及び第2のランナー3a,3bから吊下支持される。
【0023】
スラット2aはドレープ生地等の遮光性を備えた生地で構成され、スラット2bはレース生地等の光を一部透過する半透過性を備えた生地で構成され、スラット2aとスラット2bが交互に配設されている。
【0024】
即ち、ランナー3aの各々にはスラット2aを吊下支持する第1の吊下軸6aが回転可能に支持され、その吊下軸6aの下端部にフック61が設けられている。また、ランナー3bの各々にはスラット2bを吊下支持する第2の吊下軸6bが回転可能に支持され、その吊下軸6bの下端部に同じくフック61が設けられている。
【0025】
そして、各ランナー3aのフック61にスラット2aを吊下支持する第1のスラットハンガー14aが掛装される。また、各ランナー3bのフック61にスラット2bを吊下支持する第2のスラットハンガー14bが掛装される。尚、本実施例において、第1のスラットハンガー14aと第2のスラットハンガー14bは、同一のもの(同一形状・同一長さ)としているが、スラット2a,2bの大きさを変える場合などでは異なる形状又は異なる長さのものとしてもよい。
【0026】
詳細は後述するが、ランナー3aの各々には3条のスプラインが刻設されたチルト軸4が係合して挿通されるが、ランナー3bの各々にはチルト軸4が非係合に挿通され、各ランナー3a,3bはチルト軸4の軸方向に相対移動可能となっている。即ち、各ランナー3aについては、チルト軸4の回転がギヤ機構(後述する図2(a)に示すウォーム12とウォームホィール13)を介して直接的に回転伝達されるが、各ランナー3bについては当該ギヤ機構が設けられていないためチルト軸4の回転が直接的には回転伝達されない(図2(b)参照して後述する。)。ただし、ランナー3bの吊下軸6bに吊下支持されるスラット2bは、ランナー3aの吊下軸の回転で回動するスラット2aとの接触で回動するように構成されている。尚、チルト軸4の両端はハンガーレール1の両端に取着されるエンドキャップ5a,5bに回転可能に支持されている。
【0027】
ハンガーレール1の一端にはチルト操作棒9が吊下支持され、そのチルト操作棒9を回転させると、エンドキャップ5a内に配設されるチルトギヤ機構(図示略)を介してチルト軸4が回転される。そして、チルト軸4の回転に伴って各ランナー3aの吊下軸6aが回転され、各ランナー3aに吊下支持されるスラット2aが回動されるようになっている。また、詳細は後述するが、スラット2bは、回動するスラット2aとの接触で回動するように構成されている。
【0028】
エンドキャップ5aから垂下される操作コード10は、ハンガーレール1内を周回可能に配設され、ランナー3aのうち例えば最もエンドキャップ5b側に配置される先頭ランナーに取着されている。また、各ランナー3a,3b間はスペーサー11で連結され、各ランナー3a,3b間の最大離間距離が設定されている。
【0029】
従って、操作コード10を操作して先頭ランナーを移動させれば、その先頭ランナーに追随して後続のランナーが順次引き出され、或いは後続のランナーが先頭ランナーにより順次押し戻される。このような動作により、各ランナー3a,3bにそれぞれ吊下支持されたスラット2a,2bがハンガーレール1に沿って引き出され、或いはハンガーレール1の他端側に畳み込まれる。
【0030】
〔第1実施形態〕
以下、図2(a),(b)を参照して、本発明に係る縦型ブラインドにおける第1実施形態の各ランナー3a,3bの構造について説明する。図2(a),(b)は、それぞれ本発明に係る縦型ブラインドにおける第1実施形態の第1及び第2のランナー3a,3bについて一部を断面図示した側面図である。尚、図2(a),(b)において、同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
【0031】
(第1のランナー3a)
まず、図2(a)に示すように、ランナー3aの各々にはスラット2aを吊下支持する吊下軸6aが回転可能に支持され、その吊下軸6aの下端部にフック61が設けられている。そして、吊下軸6aのフック61にスラット2aを吊下支持する第1のスラットハンガー14aが掛装される。ハンガーレール1は、その底面に開口部1aが形成された状態で、各ランナー3aを移動可能に支持している。図2(a)では、ハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対しスラット2aの面が垂直に位置しているときの状態を示している。尚、ランナー3aについては、吊下軸6aにバネを設けていない形態の従来と同様の基本構造を有している。
【0032】
即ち、ランナー3aは、その第1のランナーケース30aの内部で上方に開口した略直方体で中空状の第1の空洞部31aが形成され、その空洞部31aの側壁に形成された軸受孔34にウォーム12が回転可能に支持されている。
【0033】
ランナーケース30aの中央部における空洞部31aには、吊下軸6aが回転可能に支持され、その吊下軸6aにおけるフランジ部62より上方の上端部63に、ウォーム12に噛み合うウォームホィール13が摩擦体64を介して取着されている。摩擦体64は、吊下軸6aの上端部63の外周面とウォームホィール13の内周面との間の摩擦を確保するために設けられている。そして、摩擦体64とウォームホィール13の内周面との間に生成される摩擦により、所定の回転範囲内で常には吊下軸6aとウォームホィール13とが一体に回転される。そして、ウォーム12の中心部には、チルト軸4が軸方向に相対移動可能に、且つ相対回転不能に挿通されている。従って、チルト軸4が回転されると、ウォーム12及びウォームホィール13を介して吊下軸6aが回転される。また、吊下軸6a(フランジ部62の下方)とランナーケース30aにおける空洞部31aとの間には回転範囲を設定するストッパー(図示せず) が設けられ、吊下軸6aの回転とともにスラット2aがハンガーレール1にほぼ沿う方向まで回動されると、吊下軸6aの同方向へのそれ以上の回転が阻止される。そして、吊下軸6aの回転が阻止された状態では、ウォームホィール13は吊下軸6aに対し空回りするようになっている。即ち、スラット2aが全閉状態からほぼ180度反転した逆全閉状態まで回動されるときの吊下軸6aの回動範囲がほぼ180度に設定されている。
【0034】
ランナー3aは、ランナーケース30aの前後方向両側(図2(a)の図示上では左右両側)において水平方向に延びるローラー軸32にローラー8が回転可能に支持され、このローラー8がハンガーレール1の内側面に突出されるリブ1bを案内レールとしてハンガーレール1内を移動するようになっている。また、ランナー3aのランナーケース30aの前後方向両側(図2(a)の図示上では左右両側)には、ハンガーレール1内を周回可能に配設される操作コード10を挿通可能とした透孔33が形成されている。このように、ハンガーレール1内で周回可能に配設される操作コード10で各ランナーの移送操作を行うコード操作仕様の縦型ブラインドでは、この透孔33に操作コード10が挿通される。尚、操作コード10を周回させる構成とする代わりに、操作コード10の操作で周回移動する移送コードを用いた構成としてもよい。
【0035】
(第2のランナー3b)
次に、図2(b)に示すように、ランナー3bの各々にはスラット2bを吊下支持する吊下軸6bが回転可能に支持され、その吊下軸6bの下端部にフック61が設けられている。そして、吊下軸6bのフック61にスラット2bを吊下支持する第2のスラットハンガー14bが掛装される。ハンガーレール1は、その底面に開口部1aが形成された状態で、各ランナー3bを移動可能に支持している。図2(b)では、ハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対しスラット2bの面が垂直に位置しているときの状態を示している。そして、ランナー3bは、ランナー3aとは相違して、ランナー3aにおける当該ギヤ機構(図2(a)に示すウォーム12とウォームホィール13)が設けられていないため、チルト軸4の回転が直接的には回転伝達されないが、スラット2bは、スラット2aとの接触で回動するように構成されている。
【0036】
即ち、ランナー3bは、その第2のランナーケース30bの内部で上方に開口し、図示するように一部に吊下軸6bの支持壁を持つ略直方体で中空状の第2の空洞部31bが形成され、チルト軸4が軸受孔34に非係合に挿通される。従って、チルト軸4の回転は吊下軸6bに対し直接的には回転伝達されない。
【0037】
ランナーケース30bの中央部における空洞部31bには、吊下軸6bが回転可能に支持され、その吊下軸6bにおける第2のフランジ部65の上部には、押しバネ(圧縮バネ)15を介してランナーキャップ7が設けられている。ランナーキャップ7は空洞部31bの上端部に固着される。ランナーキャップ7と吊下軸6bにおけるフランジ部65との間に設けられる押しバネ(圧縮バネ)15は、「吊下軸6bの一回転方向に付勢するのではなく」、「吊下軸6bを常に下方に押す方向に押し付け力を発生」している。
【0038】
また、吊下軸6bにおけるフランジ部65の下方の吊下軸6bの周面上には、図示するように下向きの三角頂部を持つ三角凸部66が形成されている。この三角凸部66は、吊下軸6bの中心軸を挟んで180度正対する位置(図示する面の背面側)にも同じように形成されており、即ち、吊下軸6bにおける中心軸に対し軸対象となる周面上の位置に一対の三角凸部66が形成されている。
【0039】
また、ランナーケース30bにおける空洞部31bにおいて、吊下軸6bを回転可能に支持する内測壁には、吊下軸6bにおける三角凸部66の頂部と係合する図示するように上向きの頂部が三角状のスロープ部35が形成されており、スロープ部35は、吊下軸6bの回転角に応じて吊下軸6bを上下動させながら回転案内するようになっている。この三角状のスロープ部35は、空洞部31aの左右方向両側の筒状内周壁(図2(b)の図示上では前後両側の筒状内周壁)で、回転支持する吊下軸6bの中心軸を挟んで180度正対する位置にも同じように形成され、滑らかに連続するようになっており、即ち、回転支持する吊下軸6bにおける中心軸に対し軸対象となる空洞部31aの内測壁上の位置に一対のスロープ部35が滑らかに連続するように形成されている。
【0040】
即ち、ランナー3bは、吊下軸6bの回転角に応じて、吊下軸6bに対する少なくともスラット2bの自重及び押しバネ(圧縮バネ)15により鉛直方向下方に発生する押し付け力を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換する付勢転換機構(スロープ部35及び三角凸部66)を有するように一種のカム構造で構成される。この付勢転換機構(スロープ部35及び三角凸部66)により、ランナー3bが吊下支持するスラット2bがハンガーレール1の長手方向に対して垂直となる吊下軸6bの回転角を境に、ハンガーレール1の長手方向に沿ったスラット角度として全閉と逆全閉のいずれか一方に、その吊下軸6bに加わる非回転方向に発生する力(押し付け力)を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換することができる。
【0041】
尚、吊下軸6bには吊下支持するスラット2bの自重により、吊下軸6bは常に下方に押す押し付け力が働くため、必ずしも押しバネ(圧縮バネ)15を設けずとも、吊下軸6bを常に下方に押す方向に押し付け力を発生するものとなり、スロープ部35は、吊下軸6bの回転角に応じて吊下軸6bを上下動させながら回転案内することができる。ただし、押しバネ(圧縮バネ)15は、ランナー3bの吊下軸6bに対する押し付け力を助力するように機能する。このため、例えば種々の生地を利用できるようにスラット2bを構成する場合など、押しバネ(圧縮バネ)15を設ける方が、吊下軸6bの回転角に応じて吊下軸6bを上下動させながらスロープ部35により回転案内させる動作を安定させることができる点で好適である。
【0042】
図3(a)乃至(c)には、第2のランナー3bの動作に関して説明するための一部を断面図示した側面図を示している。図3(a)は、ハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対しスラット2bの面が垂直に位置しているときの状態である。図3(a)に示すように、吊下軸6bは、スラット2bの自重及び押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力により、吊下軸6bにおける三角凸部66の頂部とランナーケース30bにおけるスロープ部35とが係合して回転方向の付勢力に転換可能としており、図3(a)に示す状態は、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として最上位にある。
【0043】
図3(a)に示す状態から、チルト軸4の回転に従い回動するスラット2aにスラット2bがほぼ隙間なく接触することにより、例えば図3(a)において、図示する矢印方向に吊下軸6bが回転し始めると、吊下軸6bは、三角凸部66の頂部がスロープ部35に沿って案内されながら回転するため、図3(b)に示すように、吊下軸6bは下方に移動しながら回転案内される。
【0044】
このとき、吊下軸6bにはスラット2bの自重及び押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、吊下軸6bは、スラット2aに対するほぼ隙間なくスラット3bが接触した状態を維持しながら、図3(b)に示す状態を経て、ハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対しスラット2bの面が略平行に位置する図3(c)に示す状態まで回転案内される。尚、図3(a)に示す状態から、図3(a)に図示する方向とは逆方向に吊下軸6bが回転し始めたときも、ハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対しスラット2bの面が略平行に位置する図3(c)に示す状態とは真逆の状態まで回転案内される。
【0045】
このように、吊下軸6bの回転角に応じて吊下軸6bが上下動するので、吊下軸6bのフック61に吊下支持されるスラット2bも、そのスラット2bの回動角度に応じて上下動する。このスラット2bの上下動範囲Dは約2mmに設定され、ほとんどその上下動が操作者にとって視認できないほど小さい。また、スラット2a,2bが共にほぼ全閉状態になると、スラット2bの上下動範囲の最下限位置となるスラット高さが、スラット2aのスラット高さと略同一となるように設定されているので、遮蔽効果を損なうことがなく、意匠性の観点でも美観を保つものとなっている。
【0046】
また、スラット2aの回動に伴う接触でスラット2bが回動するようになっている。このため、ランナー3bにおいては、ランナー3aとは異なり、吊下軸6bとランナーケース30bにおける空洞部31bとの間に回転範囲を設定するストッパー(図示せず) を設ける必要はない。ただし、ランナー3aと同様に、吊下軸6bの回転とともにスラット2bがハンガーレール1にほぼ沿う方向まで回動されると、吊下軸6bの同方向へのそれ以上の回転が阻止されるようなストッパーをランナー3bに設けてもよい。
【0047】
そして、ランナー3bは、ランナーケース30bの前後方向両側(図2(b)の図示上では左右両側)において水平方向に延びるローラー軸32にローラー8が回転可能に支持され、このローラー8がハンガーレール1の内側面に突出されるリブ1bを案内レールとしてハンガーレール1内を移動するようになっている。また、ランナー3bのランナーケース30bの前後方向両側(図2(b)の図示上では左右両側)には、ハンガーレール1内を周回可能に配設される操作コード10を挿通可能とした透孔33が形成されている。このように、ハンガーレール1内で周回可能に配設される操作コード10で各ランナーの移送操作を行うコード操作仕様の縦型ブラインドでは、この透孔33に操作コード10が挿通される。尚、操作コード10を周回させる構成とする代わりに、操作コード10の操作で周回移動する移送コードを用いた構成としてもよい。
【0048】
(スラット2bの回動動作)
図4(a)乃至(e)は、それぞれ本発明に係る縦型ブラインドにおける第1実施形態の第2のランナー3bにおける吊下軸6bの動作を概略的に示す側面図と、第2のランナー3bに吊下支持される第2のスラット2bが隣り合う第1のスラット2aと共に回動する様子を概略的に示す平面図である。
【0049】
まず、図4(a)には、第2のスラット2bが隣り合う第1のスラット2aと共に全閉状態まで回動されているときの、第2のランナー3bにおける吊下軸6bの側面図を示している。操作コード10を操作して、先頭ランナーをハンガーレール1に沿って引き出すと、後続のランナー3a,3bが所定間隔を隔てて順次引き出され、その後、チルト操作棒9を操作してスラット2aをハンガーレール1に沿う状態となるまで回動させると、スラット2bもハンガーレール1に沿う状態となり、図4(a)に示すような全閉状態となる。図4(a)に示す状態の吊下軸6a及び吊下軸6bの回転角を0度とする。また、図4(a)に示すような全閉状態では、各スラット2a,2bの高さは揃っている。
【0050】
図4(a)に示す状態から、チルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を一方向に回転させ、各スラット2aの面がハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対し垂直な状態になるとき(吊下軸6aの回転角90度)、図4(b)に示すように、各スラット2bの上縁両端部(より正確には、第2のスラットハンガー14bの両端部)が、各スラット2aの上縁部に当接するように配設されているため、各スラット2bも回動する。各スラット2aの面がハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対し垂直な状態になるとき、吊下軸6bの回転角は約45度であり、各スラット2bを吊下支持する吊下軸6bにはスラット2bの自重及び押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、スラット2aの回動方向とは逆方向に回転しようとする。このため、スラット2bの端部はその両側のスラット2aに押し付けられ、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない。
【0051】
図4(b)に示す状態から、更にチルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を当該一方向に回転させると、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないまま、図4(c)に示すように、各スラット2bの面がハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対し垂直な状態になる(吊下軸6aの回転角135度、吊下軸6bの回転角は約90度)。吊下軸6bの回転角は約90度の状態では、吊下軸6bにおける三角凸部66の下向きの頂部とランナーケース30bにおけるスロープ部35の上向きの頂部とが係合しており、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として最上位にある。即ち、図4(c)に示すスラット2bの状態は、図4(a)に示すスラット2bの状態から、距離D(約2mm)上昇した状態となる。
【0052】
図4(c)に示す状態から、更にチルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を当該一方向に回転させようとすると、図4(d)に示すように、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として下がる方向に、吊下軸6bにおける三角凸部66の頂部がスロープ部35によって案内されて下りはじめる。各スラット2bを吊下支持する吊下軸6bにはスラット2bの自重及び押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、スラット2bは、スラット2aの回動方向と同方向に回転するよう切り替わり、各スラット2bの上縁両端部(より正確には、第2のスラットハンガー14bの両端部)が、図4(b)とは逆の関係で各スラット2aの上縁部に当接するように、瞬時に、各スラット2bが回動する。
【0053】
そして、図4(d)に示す状態を経て、チルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を当該一方向に回転させ、スラット2aを図4(a)とは逆の関係である逆全閉にすると、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないまま、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として最下位になって下りきり、図4(d)に示す状態の吊下軸6a及び吊下軸6bの回転角はほぼ180度となって、図4(e)に示すように、スラット2bも逆全閉となる。また、図4(e)に示すような逆全閉状態では、各スラット2a,2bの高さは揃っている。
【0054】
より具体的に、図5(a),(b)は、それぞれ本発明に係る縦型ブラインドにおける各スラット2a,2bの全閉から逆全閉、及び逆全閉から全閉へ回動する様子を概略的に示す平面図である。図5(a)には、各スラット2a,2bの全閉から逆全閉にほぼ180度回動させる遷移をステップS1~ステップS10として示している。また、図5(b)には、各スラット2a,2bの逆全閉から全閉にほぼ180度回動させる遷移をステップS11~ステップS20として示している。
【0055】
まず、図5(a)を参照するに、各スラット2a,2bが全閉状態にあるとき(ステップS1)、吊下軸6a及び吊下軸6bの回転角を0度とする。ステップS1に示すような全閉状態では、各スラット2a,2bの高さは揃っている。
【0056】
ステップS1に示す状態から、チルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を逆全閉の方向に回転させ始めると、各スラット2bの上縁両端部(より正確には、第2のスラットハンガー14bの両端部)が、各スラット2aの上縁部に当接するように配設されているため、各スラット2bも回動する。各スラット2bの面がハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対し垂直な状態になるまで(ステップS2~ステップS6)、各スラット2bを吊下支持する吊下軸6bに働くスラット2bの自重及び押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力により、各スラット2bはスラット2aの回動方向とは逆方向に回転しようとする。このため、スラット2bの端部はその両側のスラット2aに押し付けられ、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない。
【0057】
各スラット2bの面がハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対し垂直な状態になると(ステップS7)、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として最上位にある。
【0058】
ステップS7に示す状態から、更にチルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を逆全閉方向に回転させようとすると、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として下がる方向に案内される。各スラット2bを吊下支持する吊下軸6bにはスラット2bの自重及び押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、スラット2bは、スラット2aの回動方向と同方向に回転するよう切り替わり、各スラット2bの上縁両端部(より正確には、第2のスラットハンガー14bの両端部)が、ステップS2~ステップS6とは逆の関係で各スラット2aの上縁部に当接するように、瞬時に、各スラット2bが回動する(ステップS8)。
【0059】
そして、ステップS8に示す状態を経て、チルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を逆全閉方向に回転させ、スラット2aを逆全閉にすると、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないまま、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として下がる方向に案内され(ステップS9)、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として最下位になって下りきると、吊下軸6a及び吊下軸6bの回転角はほぼ180度となって、ステップS10に示すように、スラット2bも逆全閉となる。また、ステップS10に示すような逆全閉状態では、各スラット2a,2bの高さは揃っている。
【0060】
図5(b)には、各スラット2a,2bの逆全閉から全閉にほぼ180度回動させる遷移をステップS11~ステップS20として示しており、各スラット2a,2bの回動方向が異なるのみで、動作としては図5(a)と同様である。
【0061】
即ち、図5(b)を参照するに、各スラット2a,2bが逆全閉状態にあるとき(ステップS11)、吊下軸6a及び吊下軸6bの回転角を180度とする。ステップS11に示すような逆全閉状態では、各スラット2a,2bの高さは揃っている。
【0062】
ステップS11に示す状態から、チルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を全閉の方向に回転させ始めると、各スラット2bの上縁両端部(より正確には、第2のスラットハンガー14bの両端部)が、各スラット2aの上縁部に当接するように配設されているため、各スラット2bも回動する。各スラット2bの面がハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対し垂直な状態になるまで(ステップS12~ステップS16)、各スラット2bを吊下支持する吊下軸6bに働くスラット2bの自重及び押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力により、各スラット2bはスラット2aの回動方向とは逆方向に回転しようとする。このため、スラット2bの端部はその両側のスラット2aに押し付けられ、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない。
【0063】
各スラット2bの面がハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対し垂直な状態になると(ステップS17)、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として最上位にある。
【0064】
ステップS17に示す状態から、更にチルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を全閉方向に回転させようとすると、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として下がる方向に案内される。各スラット2bを吊下支持する吊下軸6bにはスラット2bの自重及び押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、スラット2bは、スラット2aの回動方向と同方向に回転するよう切り替わり、各スラット2bの上縁両端部(より正確には、第2のスラットハンガー14bの両端部)が、ステップS12~ステップS16とは逆の関係で各スラット2aの上縁部に当接するように、瞬時に、各スラット2bが回動する(ステップS18)。
【0065】
そして、ステップS18に示す状態を経て、チルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を全閉方向に回転させ、スラット2aを全閉にすると、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないまま、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として下がる方向に案内され(ステップS19)、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として最下位になって下りきると、吊下軸6a及び吊下軸6bの回転角はほぼ0度となって、ステップS20に示すように、スラット2bも全閉となる。また、ステップS20に示すような全閉状態では、各スラット2a,2bの高さは揃っている。
【0066】
また、図6は、本発明に係る縦型ブラインドにおける各スラット2a,2bの全閉から逆全閉に向かう中途で、全閉へ戻すように回動する様子を概略的に示す平面図である。図6に示すステップS1~S7は、図5に示すステップS1~S7と同様である。
【0067】
図6において、ステップS7に示す状態は、各スラット2bの面がハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対し垂直な状態にあり、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として最上位にある。
【0068】
そして、ステップS7に示す状態から、チルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を全閉から逆全閉に向かう中途で、全閉へ戻すように回転させようとすると、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として下がる方向に案内される。各スラット2bを吊下支持する吊下軸6bにはスラット2bの自重及び押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、スラット2bは、スラット2aの回動方向と同方向に回転する状態に戻り、各スラット2bの上縁両端部(より正確には、第2のスラットハンガー14bの両端部)が、ステップS6と同じ関係で各スラット2aの上縁部に当接して、各スラット2bが回動する(ステップS8’)。
【0069】
そして、ステップS8’に示す状態を経て、チルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を全閉方向に回転させ、スラット2aを全閉にすると、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないまま、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として下がる方向に案内され(ステップS9’~S11’)、吊下軸6bの位置がランナーケース30bに対する相対的な可動範囲として最下位になって下りきると、吊下軸6a及び吊下軸6bの回転角はほぼ0度となって、ステップS12’に示すように、スラット2bも全閉となる。
【0070】
各スラット2a,2bの逆全閉から全閉に向かう中途で、逆全閉へ戻すように回動する場合も、各スラット2a,2bの回動方向が異なるのみで、動作としては図6と同様である。
【0071】
このように、本発明に係る縦型ブラインドにおいては、ランナー3bは、吊下軸6bの回転角に応じて、吊下軸6bに対する少なくともスラット2bの自重により鉛直方向下方に発生する押し付け力を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換する付勢転換機構(スロープ部35及びる三角凸部66)を有するように構成される。この付勢転換機構(スロープ部35及びる三角凸部66)により、ランナー3bが吊下支持するスラット2bがハンガーレール1の長手方向に対して垂直となる吊下軸6bの回転角を境に、ハンガーレール1の長手方向に沿ったスラット角度として全閉と逆全閉のいずれか一方に、その吊下軸6bに加わる非回転方向に発生する力(押し付け力)を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換することができる。
【0072】
従って、本発明に係る縦型ブラインドにおいては、スラット2bを回動させるために、スラット2bを吊下支持する吊下軸6bの回転速度と、スラット2aを吊下支持する吊下軸6aの回転速度とを調整する等の機構は必要なく、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないように吊下軸6bにはスラット2bの自重及び押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、チルト操作に要する操作力が軽くなる。そして、スラット2a,2bを逆回転させてもスラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない。
【0073】
比較例として、図7及び図8を参照して、特許文献1,2に開示されるような従来の縦型ブラインドにおける全てのランナー3a,3bにチルト軸4から回転伝達するギヤ機構(ウォーム12とウォームホィール13)が設けられているときの動作を説明する。尚、図7及び図8において、説明の便宜上、従来の縦型ブラインドについても各スラット2a,2bとして説明する。
【0074】
図7(a),(b)は、特許文献1,2に開示されるような従来の縦型ブラインドにおける全てのランナー3a,3bにチルト軸4から回転伝達するギヤ機構(ウォーム12とウォームホィール13)が設けられているときの各スラット2a,2bの全閉から逆全閉、及び逆全閉から全閉へ回動する様子を概略的に示す平面図である。そして、特許文献1,2に開示される従来の縦型ブラインドにおいては、スラット2aを吊下支持するランナー3と、スラット2bを吊下支持するランナー3とでは、当該ギヤ機構のギヤ比が異なり、例えばスラット2bの回転角がスラット2aの回転角の2倍となるように設定されている。即ち、スラット2bはスラット2aの例えば1/2の速さで回転するように回転速度差が設定されている。
【0075】
まず、図7(a)を参照するに、各スラット2a,2bが全閉状態にある状態(ステップS101)から、チルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を逆全閉の方向に回転させ始めると、スラット2a及びスラット2bがそれぞれの当該ギヤ機構のギヤ比に対応する回転速度差で回動し(ステップS102~S105)、スラット2a,2b間に隙間が生じうる。
【0076】
スラット2aが隣のスラット2bを押す動作となった間は(ステップS106~S108)、スラット2a,2b間に隙間が生じないが、スラット2aが逆全閉に閉じ切った時点ではスラット2bは閉じ切っていないので(ステップS109)、スラット2bが閉じ切る状態まで、スラット2aを吊下支持する吊下軸6aの回転を滑らせ(空転させ)、チルト操作棒9を余分に回転させる必要がある(ステップS110)。このため、チルト操作に要する操作力が重くなる。
【0077】
同様に、図7(b)を参照するに、各スラット2a,2bが逆全閉状態にある状態(ステップS111)から、チルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を全閉の方向に回転させ始めると、スラット2a及びスラット2bがそれぞれの当該ギヤ機構のギヤ比に対応する回転速度差で回動し(ステップS112~S115)、スラット2a,2b間に隙間が生じうる。
【0078】
スラット2aが隣のスラット2bを押す動作となった間は(ステップS116~S118)、スラット2a,2b間に隙間が生じないが、スラット2aが逆全閉に閉じ切った時点ではスラット2bは閉じ切っていないので(ステップS119)、スラット2bが閉じ切る状態まで、スラット2aを吊下支持する吊下軸6aの回転を滑らせ(空転させ)、チルト操作棒9を余分に回転させる必要がある(ステップS120)。このため、チルト操作に要する操作力が重くなる。
【0079】
また、図8は、特許文献1,2に開示されるような従来の縦型ブラインドにおける全てのランナー3a,3bにチルト軸4から回転伝達するギヤ機構(ウォーム12とウォームホィール13)が設けられているときの各スラット2a,2bの全閉から逆全閉に向かう中途で、全閉へ戻すように回動する様子を概略的に示す平面図である。図8に示すステップS101~S107は、図7に示すステップS101~S107と同様である。
【0080】
図8において、ステップS107に示す状態は、スラット2aが隣のスラット2bを押す動作となっており、スラット2a,2b間に隙間が生じないが、チルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を全閉から逆全閉に向かう中途で、全閉へ戻すように回転させ始めると、スラット2aが隣のスラット2bを押す動作が必要となる。このため、スラット2a,2b間に隙間が生じていないステップS108’を経て、その押す動作が回転速度差に対応するまでに、スラット2aが全閉に閉じ切ってもスラット2bは閉じ切っていない状態になり(ステップS109’~S112’)、スラット2a,2b間に隙間が生じうる。そして、スラット2bが閉じ切る状態まで、スラット2aを吊下支持する吊下軸6aの回転を滑らせ(空転させ)、チルト操作棒9を余分に回転させる必要があり、チルト操作に要する操作力が重くなる。
【0081】
特に、特許文献1,2に開示されるような従来の縦型ブラインドにおいて、チルト操作棒9による回転操作でチルト軸4を全閉から逆全閉に向かう中途で、全閉へ戻すように回転させ始めると、スラット2a,2b間に生じる隙間が目立つようになる。これは、チルト軸4を逆全閉から全閉に向かう中途で、逆全閉へ戻すように回転させ始めるときも同様である。
【0082】
このように、特許文献1,2に開示されるような従来の縦型ブラインドにおいては、全てのランナー3a,3bにチルト軸4から回転伝達するギヤ機構(ウォーム12とウォームホィール13)を設け、且つスラット2aを吊下支持するランナー3と、スラット2bを吊下支持するランナー3とでは、当該ギヤ機構のギヤ比が異なり、例えばスラット2bの回転角がスラット2aの回転角の2倍となるように設定されているので、スラット角度によってスラット2a,2b間に隙間が発生し、更に操作性も重いものとなる。
【0083】
一方、図1乃至図6に示す本発明に係る一実施形態の縦型ブラインドにおいては、スラット2bを回動させるために、スラット2bを吊下支持する吊下軸6bの回転速度と、スラット2aを吊下支持する吊下軸6aの回転速度とを調整する等の機構は必要なく、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないように吊下軸6bにはスラット2bの自重及び押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、チルト操作に要する操作力が軽くなる。そして、スラット2a,2bを逆回転させてもスラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない。このように、本発明に係る縦型ブラインドにおいては、スラット2a,2b間の隙間を減らしながら、操作力の低減を図ることが可能になり、中途でスラット角度を逆回転させても、スラット2a,2b間の隙間を減らすことができる。
【0084】
上述の実施形態の例では、吊下軸6bに設けた三角凸部66と、ランナーケース30bに設けたスロープ部35により、吊下軸6bの回転角に応じて吊下軸6bを上下動させながら回転案内するように付勢転換機構を構成する例を説明したが、この形態に限定する必要はない。例えば、吊下軸6b側にスロープ部35と同様なスロープ部を設け、ランナーケース30b側に三角凸部66と同様な三角凸部を設けて付勢転換機構を構成してもよい。更には、吊下軸6bとランナーケース30bのうち一方にピンを設け、他方にピンの移動を案内する案内孔を設けて、吊下軸6bの回転角に応じて吊下軸6bを上下動させながら回転案内するように付勢転換機構を構成してもよい。
【0085】
上述した第1実施形態における第2のランナー3bは、吊下軸6bの回転角に応じて、吊下軸6bに対する少なくともスラット2bの自重と、より好適に設けられる押しバネ(圧縮バネ)15により、鉛直方向下方に発生する押し付け力を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換する付勢転換機構(スロープ部35及び三角凸部66)を有するとして説明したが、バネによる力だけで吊下軸6bの回転角に応じてスラット2bを回動させるように付勢転換機構を構成した第2のランナー3bとすることができる。
以下、より具体的に、バネによる力だけで吊下軸6bの回転角に応じてスラット2bを回動させるように付勢転換する付勢転換機構を有する第2乃至第5実施形態の第2のランナー3bについて、順に説明する。
【0086】
〔第2実施形態〕
図9(a),(b)は、それぞれ本発明に係る縦型ブラインドにおける第2実施形態の第2のランナー3bについて一部を断面図示した概略構造と動作を示す側面図である。尚、図9において、上述した実施形態と同様の構成要素には、同一の参照番号を付している。また、図9に示す第2実施形態のランナー3bは、図1に示す縦型ブラインドにおいて適用することで、図5及び図6に説明した動作を実現するものであり、第1のランナー3a、スペーサー11等の他の構成要素は上述と同様であることから、その図示説明は省略する。
【0087】
まず、第2実施形態のランナー3bは、スラット2bを吊下支持する吊下軸6bを回転可能に支持して、その吊下軸6bの下端部にフック61が設けられ、このフック61にスラット2bを吊下支持する第2のスラットハンガー14bが掛装される点、及び、ランナー3aとは相違して、ランナー3aにおける当該ギヤ機構(図2(a)に示すウォーム12とウォームホィール13)が設けられていないため、チルト軸4の回転が直接的には回転伝達されないが、スラット2bは、スラット2aとの接触で回動するように構成されている点で、上述した図2乃至図4に示す第1実施形態と同様である。
【0088】
ただし、第2実施形態のランナー3bは、上述した第1実施形態とは相違して、図9(a),(b)に示すように、ランナーケース30bの中央部における空洞部31bにて回転可能に支持される吊下軸6bの上端はフランジ状上端部67とされ、そのフランジ状上端部67の上面は回転方向90度毎に滑らかに凹凸が入れ替わる波面状スロープ部68を有する。
【0089】
そして、この吊下軸6bの上端の波面状スロープ部68の上方には、下向きの三角頂部を持つ柱状の凸柱部17が形成されているフランジ状の押圧部材16が配置され、この押圧部材16の上方に押しバネ(圧縮バネ)15を介してランナーキャップ7が設けられている。ランナーキャップ7は空洞部31bの上端部に固着され、任意の形状とすることができる。ランナーキャップ7と押圧部材16との間に設けられる押しバネ(圧縮バネ)15は、「吊下軸6bの一回転方向に付勢するのではなく」、「押圧部材16を常に下方に押す方向に押し付け力を発生」している。
【0090】
また、押圧部材16は、ランナーケース30bの中央部における空洞部31bにて回転不能であるが、上下方向にスライド可能に支持され(図示略)、その凸柱部17における下向きの三角頂部が吊下軸6bの上端の波面状スロープ部68に当接し、常に吊下軸6bを上方から下方に向けて押圧している。このため、波面状スロープ部68は、吊下軸6bの回転角に応じて、本例では吊下軸6bを上下動させることなく、吊下軸6bを回転案内するようになっている。
【0091】
即ち、図9に示す第2実施形態のランナー3bは、吊下軸6bの回転角に応じて、吊下軸6bに対する押しバネ(圧縮バネ)15により鉛直方向下方に発生する押し付け力を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換する付勢転換機構(吊下軸6bの上端の波面状スロープ部68及び凸柱部17を有する押圧部材16)を有するように一種のカム構造で構成される。この付勢転換機構(吊下軸6bの上端の波面状スロープ部68及び凸柱部17を有する押圧部材16)により、ランナー3bが吊下支持するスラット2bがハンガーレール1の長手方向に対して垂直となる吊下軸6bの回転角を境に、ハンガーレール1の長手方向に沿ったスラット角度として全閉と逆全閉のいずれか一方に、吊下軸6bに加わる非回転方向に発生する力(押し付け力)を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換することができる。
【0092】
より具体的に、図9(b)を参照して第2実施形態のランナー3bの動作を説明する。尚、図9(b‐1)乃至(b-5)の各動作状態は、図4(a)乃至(e)の各動作状態とそれぞれ対応している。尚、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、各ランナー3aの吊下軸6aはチルト軸4の回転に伴って回転されるが、チルト軸4の回転は各ランナー3bの吊下軸6bに対しては非伝達である。
【0093】
まず、図9(b‐1)には、第2のスラット2bが隣り合う第1のスラット2aと共に全閉状態まで回動されているときの(対応する図4(a)参照)、第2のランナー3bにおける吊下軸6bの側面図を示している。このとき、押圧部材16の凸柱部17の下向きの三角頂部が吊下軸6bの上端の波面状スロープ部68における凹凸の最も低い位置に当接している。図9(b‐1)に示す状態の吊下軸6bの回転角を0度とする。
【0094】
図9(b‐1)に示す状態から、図9(b‐2)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約45度回転した状態では、押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、付勢転換機構(吊下軸6bの上端の波面状スロープ部68及び凸柱部17を有する押圧部材16)の作動により、その押圧部材16を上方にスライド移動させつつ、その吊下軸6bの回転方向とは逆方向(図示矢印方向)に吊下軸6bが回転しようとする。このため、スラット2bの端部はその両側のスラット2aに押し付けられ、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない(対応する図4(b)参照)。また、第2実施形態のランナー3bでは、押圧部材16が上下方向にスライド移動するため、吊下軸6b及びスラット2bが第1実施形態とは相違して上下動することなく、押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力により、吊下軸6bの回転への付勢転換を行うようになっている。
【0095】
図9(b‐2)に示す状態から、図9(b‐3)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約90度回転した状態では、スラット2bの面がハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対し垂直な状態になる(吊下軸6aの回転角は約135度、対応する図4(c)参照)。このとき、押圧部材16の凸柱部17の下向きの三角頂部が吊下軸6bの上端の波面状スロープ部68における凹凸の最も高い位置に当接した状態で、押圧部材16が上方にスライド移動している。
【0096】
図9(b‐3)に示す状態から、図9(b‐4)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約135度回転した状態では、押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、付勢転換機構(吊下軸6bの上端の波面状スロープ部68及び凸柱部17を有する押圧部材16)の作動により、その押圧部材16を下方にスライド移動させつつ、その吊下軸6bの回転方向と同方向に回転するよう切り替わり、瞬時に、各スラット2bが回動する(対応する図4(d)参照)。
【0097】
そして、図9(b‐4)に示す状態を経て、図9(b‐5)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約180度回転した状態では、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないまま、逆全閉となる(対応する図4(e)参照)。
【0098】
このように、第2実施形態のランナー3bは、押しバネ(圧縮バネ)15による力だけで吊下軸6bの回転角に応じてスラット2bを回動させるように付勢転換する付勢転換機構(吊下軸6bの上端の波面状スロープ部68及び凸柱部17を有する押圧部材16)を有するように構成され、特に、押圧部材16が上下方向にスライド移動するため、吊下軸6b及びスラット2bが第1実施形態とは相違して上下動することなく、押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力により、吊下軸6bの回転への付勢転換を行うことができる。
【0099】
そして、スラット2a,2bの動作としては、図5及び図6と同様となり、ランナー3bが吊下支持するスラット2bがハンガーレール1の長手方向に対して垂直となる吊下軸6bの回転角を境に、ハンガーレール1の長手方向に沿ったスラット角度として全閉と逆全閉のいずれか一方に、その吊下軸6bに加わる非回転方向に発生する力(押し付け力)を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換することができる。このため、本実施形態のランナー3bを利用して図1に示すように構成した発明に係る縦型ブラインドにおいても、スラット2bを回動させるために、スラット2bを吊下支持する吊下軸6bの回転速度と、スラット2aを吊下支持する吊下軸6aの回転速度とを調整する等の機構は必要なく、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないように吊下軸6bには押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、チルト操作に要する操作力が軽くなる。そして、スラット2a,2bを逆回転させてもスラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない。このように、本実施形態のランナー3bを利用して図1に示すように構成した発明に係る縦型ブラインドにおいても、スラット2a,2b間の隙間を減らしながら、操作力の低減を図ることが可能になり、中途でスラット角度を逆回転させても、スラット2a,2b間の隙間を減らすことができる。
【0100】
〔第3実施形態〕
図10(a)は本発明に係る縦型ブラインドにおける第3実施形態の第2のランナー3bの概略構造を示す平面図(上面図)であり、図10(b)はその第3実施形態の第2のランナー3bについて動作を示す各平面図(上面図)及び対応する側面図である。尚、図10において、上述した実施形態と同様の構成要素には、同一の参照番号を付している。また、図10に示す第3実施形態のランナー3bは、図1に示す縦型ブラインドにおいて適用することで、図5及び図6に説明した動作を実現するものであり、第1のランナー3a、スペーサー11等の他の構成要素は上述と同様であることから、その図示説明は省略する。
【0101】
まず、第3実施形態のランナー3bは、スラット2bを吊下支持する吊下軸6bを回転可能に支持して、その吊下軸6bの下端部にフック61が設けられ、このフック61にスラット2bを吊下支持する第2のスラットハンガー14bが掛装される点、及び、ランナー3aとは相違して、ランナー3aにおける当該ギヤ機構(図2(a)に示すウォーム12とウォームホィール13)が設けられていないため、チルト軸4の回転が直接的には回転伝達されないが、スラット2bは、スラット2aとの接触で回動するように構成されている点で、上述した図2乃至図4に示す第1実施形態と同様である。
【0102】
ただし、第3実施形態のランナー3bは、上述した第1実施形態とは相違して、図10(a),(b)に示すように、ランナーケース30bの中央部における空洞部31bにて回転可能に支持される吊下軸6bの上端はフランジ状上端部67とされ、そのフランジ状上端部67の上面には、吊下軸6bに吊下支持されるスラット2bの面に対し略垂直方向に穿設されたスライド溝69を有する。また、ランナーケース30bの中央部における空洞部31bにおける吊下軸6bの上端部分には楕円筒状を為す楕円壁31cが形成されている。
【0103】
そして、この吊下軸6bの上端のフランジ状上端部67の上面に穿設されたスライド溝69には、水平方向に配置される押しバネ(圧縮バネ)15により常に互いに離れる方向に付勢される一対の突張部材18がスライド移動可能に案内するよう配設される。ただし、各突張部材18の端に位置する三角状の頂部は、楕円壁31cに常に当接するように配置され、各突張部材18の頂部が楕円壁31cにより案内されながら、常に、楕円壁31cを突っ張るように押圧している。尚、ただし、スライド溝69は、必ずしも溝状とする必要はなく、一対の突張部材18をスライド移動可能に案内するものであればよい。そして、本実施形態の押しバネ(圧縮バネ)15は、「吊下軸6bの一回転方向に付勢するのではなく」、「楕円壁31cを常に水平方向に押す方向に押し付け力を発生」している。
【0104】
そして、一対の突張部材18は、楕円壁31cにより案内されながら、常に、楕円壁31cを突っ張るように押圧しつつスライド自在のため、本例では吊下軸6bを上下動させることなく、吊下軸6bを回転案内するようになっている。
【0105】
即ち、図10に示す第3実施形態のランナー3bは、吊下軸6bの回転角に応じて、吊下軸6bに対する押しバネ(圧縮バネ)15により水平方向に発生する押し付け力を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換する付勢転換機構(楕円壁31c及び一対の突張部材18)を有するように一種のカム構造で構成される。この付勢転換機構(楕円壁31c及び一対の突張部材18)により、ランナー3bが吊下支持するスラット2bがハンガーレール1の長手方向に対して垂直となる吊下軸6bの回転角を境に、ハンガーレール1の長手方向に沿ったスラット角度として全閉と逆全閉のいずれか一方に、その吊下軸6bに加わる非回転方向に発生する力(押し付け力)を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換することができる。
【0106】
より具体的に、図10(b)を参照して第3実施形態のランナー3bの動作を説明する。尚、図10(b‐1)乃至(b-5)の各動作状態は、図4(a)乃至(e)の各動作状態とそれぞれ対応している。尚、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、各ランナー3aの吊下軸6aはチルト軸4の回転に伴って回転されるが、チルト軸4の回転は各ランナー3bの吊下軸6bに対しては非伝達である。
【0107】
まず、図10(b‐1)には、第2のスラット2bが隣り合う第1のスラット2aと共に全閉状態まで回動されているときの(対応する図4(a)参照)、第2のランナー3bにおける上面図及び側面図を示している。このとき、一対の突張部材18の各頂部が楕円壁31cの長径位置に当接している。図10(b‐1)に示す状態の吊下軸6bの回転角を0度とする。
【0108】
図10(b‐1)に示す状態から、図10(b‐2)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約45度回転した状態では、押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、付勢転換機構(楕円壁31c及び一対の突張部材18)の作動により、その一対の突張部材18を軸中心方向にスライド移動させつつ、その吊下軸6bの回転方向とは逆方向(図示矢印方向)に吊下軸6bが回転しようとする。このため、スラット2bの端部はその両側のスラット2aに押し付けられ、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない(対応する図4(b)参照)。また、第3実施形態のランナー3bでは、一対の突張部材18が水平方向にスライド移動するため、吊下軸6b及びスラット2bが第1実施形態とは相違して上下動することなく、押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力により、吊下軸6bの回転への付勢転換を行うようになっている。
【0109】
図10(b‐2)に示す状態から、図10(b‐3)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約90度回転した状態では、スラット2bの面がハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対し垂直な状態になる(吊下軸6aの回転角は約135度、対応する図4(c)参照)。このとき、一対の突張部材18の各頂部が楕円壁31cの短径位置に当接した状態で、一対の突張部材18が軸中心方向にスライド移動している。
【0110】
図10(b‐3)に示す状態から、図10(b‐4)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約135度回転した状態では、押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、付勢転換機構(楕円壁31c及び一対の突張部材18)の作動により、その一対の突張部材18を互いに離れる方向にスライド移動させつつ、その吊下軸6bの回転方向と同方向に回転するよう切り替わり、瞬時に、各スラット2bが回動する(対応する図4(d)参照)。
【0111】
そして、図10(b‐4)に示す状態を経て、図10(b‐5)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約180度回転した状態では、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないまま、逆全閉となる(対応する図4(e)参照)。
【0112】
このように、第3実施形態のランナー3bは、押しバネ(圧縮バネ)15による力だけで吊下軸6bの回転角に応じてスラット2bを回動させるように付勢転換する付勢転換機構(楕円壁31c及び一対の突張部材18)を有するように構成され、特に、一対の突張部材18が水平方向にスライド移動するため、吊下軸6b及びスラット2bが第1実施形態とは相違して上下動することなく、押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力により、吊下軸6bの回転への付勢転換を行うことができる。
【0113】
そして、スラット2a,2bの動作としては、図5及び図6と同様となり、ランナー3bが吊下支持するスラット2bがハンガーレール1の長手方向に対して垂直となる吊下軸6bの回転角を境に、ハンガーレール1の長手方向に沿ったスラット角度として全閉と逆全閉のいずれか一方に、その吊下軸6bに加わる非回転方向に発生する力(押し付け力)を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換することができる。このため、本実施形態のランナー3bを利用して図1に示すように構成した発明に係る縦型ブラインドにおいても、スラット2bを回動させるために、スラット2bを吊下支持する吊下軸6bの回転速度と、スラット2aを吊下支持する吊下軸6aの回転速度とを調整する等の機構は必要なく、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないように吊下軸6bには押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、チルト操作に要する操作力が軽くなる。そして、スラット2a,2bを逆回転させてもスラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない。このように、本実施形態のランナー3bを利用して図1に示すように構成した発明に係る縦型ブラインドにおいても、スラット2a,2b間の隙間を減らしながら、操作力の低減を図ることが可能になり、中途でスラット角度を逆回転させても、スラット2a,2b間の隙間を減らすことができる。
【0114】
〔第4実施形態〕
図11(a)は本発明に係る縦型ブラインドにおける第4実施形態の第2のランナー3bの概略構造を示す平面図(上面図)であり、図11(b)はその第4実施形態の第2のランナー3bについて動作を示す各平面図(上面図)及び対応する側面図である。尚、図11において、上述した実施形態と同様の構成要素には、同一の参照番号を付している。また、図11に示す第4実施形態のランナー3bは、図1に示す縦型ブラインドにおいて適用することで、図5及び図6に説明した動作を実現するものであり、第1のランナー3a、スペーサー11等の他の構成要素は上述と同様であることから、その図示説明は省略する。
【0115】
まず、第4実施形態のランナー3bは、スラット2bを吊下支持する吊下軸6bを回転可能に支持して、その吊下軸6bの下端部にフック61が設けられ、このフック61にスラット2bを吊下支持する第2のスラットハンガー14bが掛装される点、及び、ランナー3aとは相違して、ランナー3aにおける当該ギヤ機構(図2(a)に示すウォーム12とウォームホィール13)が設けられていないため、チルト軸4の回転が直接的には回転伝達されないが、スラット2bは、スラット2aとの接触で回動するように構成されている点で、上述した図2乃至図4に示す第1実施形態と同様である。
【0116】
ただし、第4実施形態のランナー3bは、上述した第1実施形態とは相違して、図11(a),(b)に示すように、ランナーケース30bの中央部における空洞部31bにて回転可能に支持される吊下軸6bの上端はフランジ状上端部67とされ、そのフランジ状上端部67の上面縁の一部には、引っ張りバネ19の一端を取着する支点70を有する。また、ランナーケース30bにおける空洞部31bの端部には、引っ張りバネ19の他端を取着する支点31dが形成されている。
【0117】
そして、この吊下軸6bの上端のフランジ状上端部67は、引っ張りバネ19により常に引っ張りバネ19が縮長する水平方向に付勢され、この付勢力により吊下軸6bが回転方向に付勢転換される。即ち、本実施形態の引っ張りバネ19は、「吊下軸6bの一回転方向に付勢するのではなく」、「引っ張りバネ19が縮長する方向(吊下軸6bの回転方向としては最長位置を境に二方向)に引っ張り力を発生」している。
【0118】
そして、引っ張りバネ19は、伸縮自在のため、本例では吊下軸6bを上下動させることなく、吊下軸6bを回転案内するようになっている。
【0119】
即ち、図11に示す第4実施形態のランナー3bは、吊下軸6bの回転角に応じて、吊下軸6bに対する引っ張りバネ19により水平方向に発生する引っ張り力を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換する付勢転換機構(ランナーケース30bにおける支点31d及び吊下軸6bの上端の支点70)を有するように一種のカム構造で構成される。尚、引っ張りバネ19の代わりにゴム材を用いてもよい。この付勢転換機構(ランナーケース30bにおける支点31d及び吊下軸6bの上端の支点70)により、ランナー3bが吊下支持するスラット2bがハンガーレール1の長手方向に対して垂直となる吊下軸6bの回転角を境に、ハンガーレール1の長手方向に沿ったスラット角度として全閉と逆全閉のいずれか一方に、その吊下軸6bに加わる非回転方向に発生する力(押し付け力)を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換することができる。
【0120】
より具体的に、図11(b)を参照して第4実施形態のランナー3bの動作を説明する。尚、図11(b‐1)乃至(b-5)の各動作状態は、図4(a)乃至(e)の各動作状態とそれぞれ対応している。尚、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、各ランナー3aの吊下軸6aはチルト軸4の回転に伴って回転されるが、チルト軸4の回転は各ランナー3bの吊下軸6bに対しては非伝達である。
【0121】
まず、図11(b‐1)には、第2のスラット2bが隣り合う第1のスラット2aと共に全閉状態まで回動されているときの(対応する図4(a)参照)、第2のランナー3bにおける上面図及び側面図を示している。このとき、吊下軸6bの上端の支点70が引っ張りバネ19の可変範囲として最短となる2パターンのうち一方となる状態に位置している。図11(b‐1)に示す状態の吊下軸6bの回転角を0度とする。
【0122】
図11(b‐1)に示す状態から、図11(b‐2)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約45度回転した状態では、引っ張りバネ19による引っ張り力が働いているため、付勢転換機構(ランナーケース30bにおける支点31d及び吊下軸6bの上端の支点70)の作動により、その吊下軸6bの回転方向とは逆方向(図示矢印方向)に吊下軸6bが回転しようとする。このため、スラット2bの端部はその両側のスラット2aに押し付けられ、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない(対応する図4(b)参照)。また、第4実施形態のランナー3bでは、引っ張りバネ19が水平方向に伸縮自在のため、吊下軸6b及びスラット2bが第1実施形態とは相違して上下動することなく、引っ張りバネ19による引っ張り力により、吊下軸6bの回転への付勢転換を行うようになっている。
【0123】
図11(b‐2)に示す状態から、図11(b‐3)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約90度回転した状態では、スラット2bの面がハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対し垂直な状態になる(吊下軸6aの回転角は約135度、対応する図4(c)参照)。このとき、吊下軸6bの上端の支点70が引っ張りバネ19の可変範囲として最長となる状態に位置している。
【0124】
図11(b‐3)に示す状態から、図11(b‐4)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約135度回転した状態では、引っ張りバネ19による引っ張り力が働いているため、付勢転換機構(ランナーケース30bにおける支点31d及び吊下軸6bの上端の支点70)の作動により、その吊下軸6bの回転方向と同方向に回転するよう切り替わり、瞬時に、各スラット2bが回動する(対応する図4(d)参照)。
【0125】
そして、図11(b‐4)に示す状態を経て、図11(b‐5)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約180度回転した状態では、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないまま、逆全閉となる(対応する図4(e)参照)。
【0126】
このように、第4実施形態のランナー3bは、引っ張りバネ19による力だけで吊下軸6bの回転角に応じてスラット2bを回動させるように付勢転換する付勢転換機構(ランナーケース30bにおける支点31d及び吊下軸6bの上端の支点70)を有するように構成され、特に、引っ張りバネ19が水平方向に伸縮自在のため、吊下軸6b及びスラット2bが第1実施形態とは相違して上下動することなく、引っ張りバネ19による引っ張り力により、吊下軸6bの回転への付勢転換を行うことができる。
【0127】
そして、スラット2a,2bの動作としては、図5及び図6と同様となり、ランナー3bが吊下支持するスラット2bがハンガーレール1の長手方向に対して垂直となる吊下軸6bの回転角を境に、ハンガーレール1の長手方向に沿ったスラット角度として全閉と逆全閉のいずれか一方に、その吊下軸6bに加わる非回転方向に発生する力(引っ張り力)を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換することができる。このため、本実施形態のランナー3bを利用して図1に示すように構成した発明に係る縦型ブラインドにおいても、スラット2bを回動させるために、スラット2bを吊下支持する吊下軸6bの回転速度と、スラット2aを吊下支持する吊下軸6aの回転速度とを調整する等の機構は必要なく、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないように吊下軸6bには引っ張りバネ19による引っ張り力が働いているため、チルト操作に要する操作力が軽くなる。そして、スラット2a,2bを逆回転させてもスラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない。このように、本実施形態のランナー3bを利用して図1に示すように構成した発明に係る縦型ブラインドにおいても、スラット2a,2b間の隙間を減らしながら、操作力の低減を図ることが可能になり、中途でスラット角度を逆回転させても、スラット2a,2b間の隙間を減らすことができる。
【0128】
〔第5実施形態〕
図12(a),(b)は、それぞれ本発明に係る縦型ブラインドにおける第5実施形態の第2のランナー3bについて一部を断面図示した概略構造と動作を示す側面図である。尚、図12において、上述した実施形態と同様の構成要素には、同一の参照番号を付している。また、図12に示す第5実施形態のランナー3bは、図1に示す縦型ブラインドにおいて適用することで、図5及び図6に説明した動作を実現するものであり、第1のランナー3a、スペーサー11等の他の構成要素は上述と同様であることから、その図示説明は省略する。
【0129】
まず、第5実施形態のランナー3bは、スラット2bを吊下支持する吊下軸6bを回転可能に支持して、その吊下軸6bの下端部にフック61が設けられ、このフック61にスラット2bを吊下支持する第2のスラットハンガー14bが掛装される点、及び、ランナー3aとは相違して、ランナー3aにおける当該ギヤ機構(図2(a)に示すウォーム12とウォームホィール13)が設けられていないため、チルト軸4の回転が直接的には回転伝達されないが、スラット2bは、スラット2aとの接触で回動するように構成されている点で、上述した図2乃至図4に示す第1実施形態と同様である。
【0130】
ただし、第5実施形態のランナー3bは、上述した第1実施形態とは相違して、図12(a),(b)に示すように、ランナーケース30bの中央部における空洞部31bにて回転可能に支持される吊下軸6bの上方は円柱部71とされ、その円柱部71の周面上に回転方向90度毎に滑らかに凹凸が入れ替わる蛇行案内溝72を有する。
【0131】
そして、この吊下軸6bの円柱部71の上方には、円板状の本体を有し、その周縁部から下方に延びる一対の腕部21を持つ押圧部材20が配置され、この押圧部材20の上方に押しバネ(圧縮バネ)15を介してランナーキャップ7が設けられている。ランナーキャップ7は空洞部31bの上端部に固着され、任意の形状とすることができる。ランナーキャップ7と押圧部材16との間に設けられる押しバネ(圧縮バネ)15は、「吊下軸6bの一回転方向に付勢するのではなく」、「押圧部材20を常に下方に押す方向に押し付け力を発生」している。
【0132】
また、押圧部材20の一対の腕部21の下端には内周方向に突起する突起部22が形成されており、この突起部22が吊下軸6bの円柱部71の周面上に形成される蛇行案内溝72に係合している。押圧部材20は、ランナーケース30bの中央部における空洞部31bにて回転不能であるが、上下方向にスライド可能に支持され(図示略)、突起部22が蛇行案内溝72に案内されるようにして、常に吊下軸6bを上方から下方に向けて押圧している。このため、蛇行案内溝72は、吊下軸6bの回転角に応じて、本例では吊下軸6bを上下動させることなく、吊下軸6bを回転案内するようになっている。
【0133】
即ち、図12に示す第5実施形態のランナー3bは、吊下軸6bの回転角に応じて、吊下軸6bに対する押しバネ(圧縮バネ)15により鉛直方向下方に発生する押し付け力を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換する付勢転換機構(吊下軸6bの円柱部71の周面上に形成される蛇行案内溝72及び突起部22を持つ腕部21を有する押圧部材20)を有するように一種のカム構造で構成される。この付勢転換機構(吊下軸6bの円柱部71の周面上に形成される蛇行案内溝72及び突起部22を持つ腕部21を有する押圧部材20)により、ランナー3bが吊下支持するスラット2bがハンガーレール1の長手方向に対して垂直となる吊下軸6bの回転角を境に、ハンガーレール1の長手方向に沿ったスラット角度として全閉と逆全閉のいずれか一方に、その吊下軸6bに加わる非回転方向に発生する力(押し付け力)を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換することができる。
【0134】
より具体的に、図12(b)を参照して第5実施形態のランナー3bの動作を説明する。尚、図12(b‐1)乃至(b-5)の各動作状態は、図4(a)乃至(e)の各動作状態とそれぞれ対応している。尚、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、各ランナー3aの吊下軸6aはチルト軸4の回転に伴って回転されるが、チルト軸4の回転は各ランナー3bの吊下軸6bに対しては非伝達である。
【0135】
まず、図12(b‐1)には、第2のスラット2bが隣り合う第1のスラット2aと共に全閉状態まで回動されているときの(対応する図4(a)参照)、第2のランナー3bにおける吊下軸6bの側面図を示している。このとき、押圧部材20の突起部22が吊下軸6bの蛇行案内溝72における凹凸の最も低い位置に係合している。図12(b‐1)に示す状態の吊下軸6bの回転角を0度とする。
【0136】
図12(b‐1)に示す状態から、図12(b‐2)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約45度回転した状態では、押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、付勢転換機構(吊下軸6bの円柱部71の周面上に形成される蛇行案内溝72及び突起部22を持つ腕部21を有する押圧部材20)の作動により、その押圧部材20を上方にスライド移動させつつ、その吊下軸6bの回転方向とは逆方向(図示矢印方向)に吊下軸6bが回転しようとする。このため、スラット2bの端部はその両側のスラット2aに押し付けられ、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない(対応する図4(b)参照)。また、第5実施形態のランナー3bでは、押圧部材20が上下方向にスライド移動するため、吊下軸6b及びスラット2bが第1実施形態とは相違して上下動することなく、押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力により、吊下軸6bの回転への付勢転換を行うようになっている。
【0137】
図12(b‐2)に示す状態から、図12(b‐3)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約90度回転した状態では、スラット2bの面がハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対し垂直な状態になる(吊下軸6aの回転角は約135度、対応する図4(c)参照)。このとき、押圧部材20の突起部22が吊下軸6bの蛇行案内溝72における凹凸の最も高い位置に当接した状態で、押圧部材20が上方にスライド移動している。
【0138】
図12(b‐3)に示す状態から、図12(b‐4)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約135度回転した状態では、押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、付勢転換機構(吊下軸6bの円柱部71の周面上に形成される蛇行案内溝72及び突起部22を持つ腕部21を有する押圧部材20)の作動により、その押圧部材20を下方にスライド移動させつつ、その吊下軸6bの回転方向と同方向に回転するよう切り替わり、瞬時に、各スラット2bが回動する(対応する図4(d)参照)。
【0139】
そして、図12(b‐4)に示す状態を経て、図12(b‐5)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約180度回転した状態では、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないまま、逆全閉となる(対応する図4(e)参照)。
【0140】
このように、第5実施形態のランナー3bは、押しバネ(圧縮バネ)15による力だけで吊下軸6bの回転角に応じてスラット2bを回動させるように付勢転換する付勢転換機構(吊下軸6bの円柱部71の周面上に形成される蛇行案内溝72及び突起部22を持つ腕部21を有する押圧部材20)を有するように構成され、特に、押圧部材20が上下方向にスライド移動するため、吊下軸6b及びスラット2bが第1実施形態とは相違して上下動することなく、押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力により、吊下軸6bの回転への付勢転換を行うことができる。
【0141】
そして、スラット2a,2bの動作としては、図5及び図6と同様となり、ランナー3bが吊下支持するスラット2bがハンガーレール1の長手方向に対して垂直となる吊下軸6bの回転角を境に、ハンガーレール1の長手方向に沿ったスラット角度として全閉と逆全閉のいずれか一方に、その吊下軸6bに加わる非回転方向に発生する力(押し付け力)を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換することができる。このため、本実施形態のランナー3bを利用して図1に示すように構成した発明に係る縦型ブラインドにおいても、スラット2bを回動させるために、スラット2bを吊下支持する吊下軸6bの回転速度と、スラット2aを吊下支持する吊下軸6aの回転速度とを調整する等の機構は必要なく、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないように吊下軸6bには押しバネ(圧縮バネ)15による押し付け力が働いているため、チルト操作に要する操作力が軽くなる。そして、スラット2a,2bを逆回転させてもスラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない。このように、本実施形態のランナー3bを利用して図1に示すように構成した発明に係る縦型ブラインドにおいても、スラット2a,2b間の隙間を減らしながら、操作力の低減を図ることが可能になり、中途でスラット角度を逆回転させても、スラット2a,2b間の隙間を減らすことができる。
【0142】
〔第6実施形態〕
図13(a)は本発明に係る縦型ブラインドにおける第6実施形態の第2のランナー3bの概略構造を示す平面図(上面図)であり、図13(b)はその第6実施形態の第2のランナー3bについて動作を示す各平面図(上面図)及び対応する側面図である。尚、図13において、上述した実施形態と同様の構成要素には、同一の参照番号を付している。また、図13に示す第6実施形態のランナー3bは、図1に示す縦型ブラインドにおいて適用することで、図5及び図6に説明した動作を実現するものであり、第1のランナー3a、スペーサー11等の他の構成要素は上述と同様であることから、その図示説明は省略する。
【0143】
まず、第6実施形態のランナー3bは、スラット2bを吊下支持する吊下軸6bを回転可能に支持して、その吊下軸6bの下端部にフック61が設けられ、このフック61にスラット2bを吊下支持する第2のスラットハンガー14bが掛装される点、及び、ランナー3aとは相違して、ランナー3aにおける当該ギヤ機構(図2(a)に示すウォーム12とウォームホィール13)が設けられていないため、チルト軸4の回転が直接的には回転伝達されないが、スラット2bは、スラット2aとの接触で回動するように構成されている点で、上述した図2乃至図4に示す第1実施形態と同様である。
【0144】
ただし、第6実施形態のランナー3bは、上述した第1実施形態とは相違して、図13(a)に示すように、ランナーケース30bの上面は、その内部の中空状の第2の空洞部31b(図示略)を塞ぐように蓋着する蓋部31eが設けられている。また、この蓋部31eには、ランナーケース30bの中央部の位置で丸孔31fが形成され、更に、ランナーケース30bの前後方向(図示左右方向)となる軸上において、丸孔31fに隣接し丸孔31fを挟むように一対の磁石74a,74bが埋設されている。この一対の磁石74a,74bの各々は、図13(a),(b)に図示する例では上端N極下端S極(つまり、図示上端がN極)の円柱状となっている。一方、吊下軸6bの上端は円形のフランジ状上端部67とされ、当該丸孔31eにて回転可能に支持される。そして、そのフランジ状上端部67の上円縁の一部に、磁石74a又は74bに対し主に水平方向に発生する磁力で引き合う極性配置の磁石73が埋設されている。つまり、磁石73は、図13(a),(b)に図示する例では上端S極下端N極(つまり、図示上端がS極)の円柱状となっている。
【0145】
このため、第6実施形態のランナー3bにおける吊下軸6bのフランジ状上端部67の上円縁の一部に設けられた磁石73が、ランナーケース30bの前後方向(図示左右方向)の軸上に配置される一対の磁石74a,74bのうち距離として近い方に対してより強い磁力で引き合うようになり、この主に水平方向に発生する磁力による引っ張り力によって吊下軸6bには右回り又は左回りの回転方向の付勢力が常に発生する。例えば、図13(a)に示す状態では、磁石73が距離としてより近い磁石74aに引き合う磁力により、吊下軸6bには右回りの回転方向(図示する矢印方向)の付勢力が発生する。
【0146】
従って、第6実施形態のランナー3bは、吊下軸6bを上下動させることなく、吊下軸6bの回転角に応じて、磁力によって定まる方向に吊下軸6bを回転案内するようになっている。
【0147】
即ち、図13に示す第6実施形態のランナー3bは、吊下軸6bの回転角に応じて、吊下軸6bに主に水平方向に発生する磁力を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換する付勢転換機構(磁石73,74a,74b)を有するように構成される。この付勢転換機構(磁石73,74a,74b)により、ランナー3bが吊下支持するスラット2bがハンガーレール1の長手方向に対して垂直となる吊下軸6bの回転角を境に、ハンガーレール1の長手方向に沿ったスラット角度として全閉と逆全閉のいずれか一方に、その吊下軸6bに加わる非回転方向に発生する力(磁力による引っ張り力)を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換することができる。
【0148】
より具体的に、図13(b)を参照して第6実施形態のランナー3bの動作を説明する。尚、図13(b‐1)乃至(b-5)の各動作状態は、図4(a)乃至(e)の各動作状態とそれぞれ対応している。尚、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、各ランナー3aの吊下軸6aはチルト軸4の回転に伴って回転されるが、チルト軸4の回転は各ランナー3bの吊下軸6bに対しては非伝達である。
【0149】
まず、図13(b‐1)には、第2のスラット2bが隣り合う第1のスラット2aと共に全閉状態まで回動されているときの(対応する図4(a)参照)、第2のランナー3bにおける上面図及び側面図を示している。このとき、吊下軸6bのフランジ状上端部67の上円縁の一部に設けられた磁石73が、ランナーケース30bの前後方向(図示左右方向)の軸上に配置される磁石74aに最も近接した状態にある。図13(b‐1)に示す状態の吊下軸6bの回転角を0度とする。
【0150】
図13(b‐1)に示す状態から、図13(b‐2)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約45度回転した状態では、磁石73,74a間の磁力が磁石73,74b間の磁力よりもより強く働いているため、付勢転換機構(磁石73,74a,74b)の作動により、その吊下軸6bの回転方向とは逆方向(図示矢印方向)に吊下軸6bが回転しようとする。このため、スラット2bの端部はその両側のスラット2aに押し付けられ、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない(対応する図4(b)参照)。また、第6実施形態のランナー3bでは、磁力が主に水平方向に働くものとしているため、吊下軸6b及びスラット2bが第1実施形態とは相違して上下動することなく、当該磁力により、吊下軸6bの回転への付勢転換を行うようになっている。
【0151】
図13(b‐2)に示す状態から、図13(b‐3)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約90度回転した状態では、スラット2bの面がハンガーレール1の長手方向(左右方向)に対し垂直な状態になる(吊下軸6aの回転角は約135度、対応する図4(c)参照)。このとき、磁石73,74a間の磁力は、磁石73,74b間の磁力と均衡している。
【0152】
図13(b‐3)に示す状態から、図13(b‐4)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約135度回転した状態では、磁石73,74b間の磁力が磁石73,74a間の磁力よりもより強く働いているため、付勢転換機構(磁石73,74a,74b)の作動により、その吊下軸6bの回転方向と同方向に回転するよう切り替わり、瞬時に、各スラット2bが回動する(対応する図4(d)参照)。
【0153】
そして、図13(b‐4)に示す状態を経て、図13(b‐5)に示すように、吊下軸6bが回転角として一方向に約180度回転した状態では、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないまま、逆全閉となる(対応する図4(e)参照)。
【0154】
このように、第6実施形態のランナー3bは、磁力だけで吊下軸6bの回転角に応じてスラット2bを回動させるように付勢転換する付勢転換機構(磁石73,74a,74b)を有するように構成され、特に、主に水平方向に磁力が働くため、吊下軸6b及びスラット2bが第1実施形態とは相違して上下動させる必要がなく、主に水平方向に働く磁力を吊下軸6bの回転へと付勢転換することができる。
【0155】
そして、スラット2a,2bの動作としては、図5及び図6と同様となり、ランナー3bが吊下支持するスラット2bがハンガーレール1の長手方向に対して垂直となる吊下軸6bの回転角を境に、ハンガーレール1の長手方向に沿ったスラット角度として全閉と逆全閉のいずれか一方に、その吊下軸6bに加わる非回転方向に発生する力(磁力による引っ張り力)を吊下軸6bの回転方向の付勢力に転換することができる。このため、本実施形態のランナー3bを利用して図1に示すように構成した発明に係る縦型ブラインドにおいても、スラット2bを回動させるために、スラット2bを吊下支持する吊下軸6bの回転速度と、スラット2aを吊下支持する吊下軸6aの回転速度とを調整する等の機構は必要なく、スラット2a,2b間に隙間がほとんど生じないように吊下軸6bには磁力による引っ張り力が働いているため、チルト操作に要する操作力が軽くなる。そして、スラット2a,2bを逆回転させてもスラット2a,2b間に隙間がほとんど生じない。このように、本実施形態のランナー3bを利用して図1に示すように構成した発明に係る縦型ブラインドにおいても、スラット2a,2b間の隙間を減らしながら、操作力の低減を図ることが可能になり、中途でスラット角度を逆回転させても、スラット2a,2b間の隙間を減らすことができる。
【0156】
従って、本発明に係る縦型ブラインドによれば、回動角度によってスラット間の隙間が発生するのを抑制し、且つスラットの回動に係る操作性を向上させた縦型ブラインドを構成することができる。
【0157】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、第1乃至第6実施形態のランナー3bのうちいずれか1つを利用して縦型ブラインドを構成してもよいし、これらのうち2以上を組み合わせ適用して縦型ブラインドを構成してもよい。また、第1乃至第6実施形態のランナー3bに係るそれぞれの付勢転換機構の技法のうち2以上を組み合わせた付勢転換機構を構成してもよい。例えば、第4実施形態及び第6実施形態を組み合わせ、第2のランナー3bの吊下軸6bに対する水平方向又は上下方向に発生する力を、水平方向に発生する引っ張り力とし、この引っ張り力は、引っ張りバネ19と磁石73,74a,74bによる磁力の双方により発生させるよう構成することができる。
【0158】
〔スラットハンガーに関する実施例〕
次に、上述した第1乃至第6実施形態に係る縦型ブラインドに用いるのに好適なスラットハンガー14a(又は14b)について説明する。尚、スラットハンガー14a,14bはいずれも同形状とすることができる。
【0159】
(従来技術の典型的なスラットハンガー)
まず、図14(a)は従来技術の典型的なスラットハンガー14a(又は14b)の概略形状を示す斜視図であり、図14(b)はその従来技術のスラットハンガー14a(又は14b)を本発明による第1乃至第6実施形態に係る縦型ブラインドに適用したときの各スラット2a(又は2b)の回動動作を示す各平面図である。
【0160】
図14(a)に示す従来技術の典型的なスラットハンガー14a(又は14b)は、スラット2a(又は2b)の上縁部を保持するように構成され、合成樹脂で長板状に形成されている。より具体的には、スラットハンガー14a(又は14b)の長板状の本体部140の両端には鍔状の抜け止め143が形成されている。また、本体部140の中央部には、開口部142を有する取付溝141が形成されている。取付溝141の周縁部は、抜け止め143と同様に、スラットハンガー14a(又は14b)の厚さ方向に鍔状に突出する位置ずれ防止部が形成されている。一方、スラット2a(又は2b)の上縁は、折り返して縫製することにより袋状部が形成され、その袋状部にスラットハンガー14a(又は14b)が挿通される。また、スラット2a(又は2b)の上縁の中央部には、スラットハンガー14a(又は14b)の取付溝141を露出させるためのくり抜き孔が形成されている。そして、各ランナー3aにおける吊下軸6aのフック61にスラット2aを吊下支持するスラットハンガー14aが掛装され、同様に、各ランナー3bにおける吊下軸6bのフック61にスラット2bを吊下支持するスラットハンガー14bが掛装されるようになっている。尚、取付溝141の形状自体は、フック61の形状に合わせて種々のものが存在する。
【0161】
ところで、図14(a)に示す従来技術の典型的なスラットハンガー14a(又は14b)における抜け止め143は、スラット2a(又は2b)の上縁の抜け止めとして機能するものであるが、本体部140の側面に対して垂直に突起する平坦な内側平坦部143aと、半楕円状に湾曲した外側湾曲部143bとが形成され、内側平坦部143aと外側湾曲部143bとが連なる角部に丸め加工を施し鍔状としたものとしている(図16(a)を参照して詳細に後述する。)。
【0162】
このような従来技術のスラットハンガー14a(又は14b)を、上述した本発明による第1乃至第6実施形態に係る縦型ブラインドに適用したとき、各スラット2a(又は2b)の回動動作として、隣接するスラット2a,2b間(換言すれば、隣接するスラットハンガー14a,14b間)で、わずかに引っ掛かるような動作を伴うことがあり、本発明による第1乃至第6実施形態に係る作用・効果をもたらす上で動作上の問題が生じるものではないが、動的な美観として好ましくない。
【0163】
この従来技術のスラットハンガー14a(又は14b)に係るわずかに引っ掛かるような動作について、図14(b)を参照して説明する。図14(b)として示す図14(b‐1)乃至図14(b‐3)は、上述した図6のステップS6のより細かい動作を図示している。
【0164】
図14(b‐1)に示す状態は、或るスラット2bの上縁両端部(より正確には、第2のスラットハンガー14bの両端部の抜け止め143)が、当該スラット2bに隣接する各スラット2aの上縁部に当接するように配設されているため、各スラット2aの図示右回りの回動操作で、各スラット2bも回動するが、各スラット2bは各スラット2aの回動方向とは逆方向に回転しようとする力が働いている状態である。
【0165】
この図14(b‐1)に示す状態から、各スラット2aの図示右回りの回動操作を継続すると、図14(b‐2)に示す状態のように、或るスラット2bにおける第2のスラットハンガー14bの両端部の抜け止め143が、当該スラット2bに隣接する各スラット2aにおける第1のスラットハンガー14aの両端部の抜け止め143にそれぞれ当接する状態に到達する。
【0166】
この図14(b‐2)に示す状態で、各スラット2aの図示右回りの回動操作を継続すると、図14(b‐3)に示す状態の破線丸枠の拡大視で示すように、或るスラット2bにおける第2のスラットハンガー14bの両端部の抜け止め143が、当該スラット2bに隣接する各スラット2aにおける第1のスラットハンガー14aの両端部の抜け止め143に対する当接点S1と、各スラット2aにおける上縁部に対する当接点S2の2点で当接しているときに、わずかに引っ掛かるような動作を生じることがある。
【0167】
そこで、鋭意検討した結果、当接点S1‐S2間距離d1が、所定値以上になると図14(b‐3)に示すような引っ掛かり動作が生じることが分かった。
【0168】
(本発明による一実施例のスラットハンガー)
次に、図15(a)は本発明による一実施例のスラットハンガー14a(又は14b)の概略形状を示す斜視図であり、図15(b)はその本発明による一実施例のスラットハンガーを本発明による第1乃至第6実施形態に係る縦型ブラインドに適用したときの各スラット2a(又は2b)の回動動作を示す各平面図である。尚、図15において、図14と同様な構成要素には、同一の参照番号を付している。
【0169】
図15(a)に示す本発明による一実施例のスラットハンガー14a(又は14b)は、図14に示すものと比較して、本体部140の両端に鍔状の抜け止め143を形成する代わりに、本体部140の両端に円形膨起形状の抜け止め144を形成するものとした点を除き、同様の形状を有する。即ち、図15(a)に示す本発明による一実施例のスラットハンガー14a(又は14b)は、長板状の本体部140の両端には円形膨起して連なる形状の抜け止め144が形成されている。また、本体部140の中央部には、開口部142を有する取付溝141が形成されている。取付溝141の周縁部は、スラットハンガー14a(又は14b)の厚さ方向に鍔状に突出する位置ずれ防止部が形成されている。一方、スラット2a(又は2b)の上縁は、折り返して縫製することにより袋状部が形成され、その袋状部にスラットハンガー14a(又は14b)が挿通される。また、スラット2a(又は2b)の上縁の中央部には、スラットハンガー14a(又は14b)の取付溝141を露出させるためのくり抜き孔が形成されている。そして、各ランナー3aにおける吊下軸6aのフック61にスラット2aを吊下支持するスラットハンガー14aが掛装され、同様に、各ランナー3bにおける吊下軸6bのフック61にスラット2bを吊下支持するスラットハンガー14bが掛装されるようになっている。尚、取付溝141の形状自体は、フック61の形状に合わせて任意の形状とすることができる。
【0170】
ところで、図15(a)に示す本発明による一実施例のスラットハンガー14a(又は14b)における抜け止め144は、スラット2a(又は2b)の上縁の抜け止めとして機能するものであるが、本体部140の側面に対して円形膨起して連なる内側湾曲部144aと、本体部140の厚さに対応する幅で本例では平坦に切欠いた外側端部144bとが形成され、内側湾曲部144aと外側端部144bとが連なる角部に丸め加工を施し円形膨起形状としたものとしている(図16(b)を参照して詳細に後述する。)。
【0171】
この図15(a)に示す本発明による一実施例のスラットハンガー14a(又は14b)を、上述した本発明による第1乃至第6実施形態に係る縦型ブラインドに適用したとき、各スラット2a(又は2b)の回動動作として、隣接するスラット2a,2b間(換言すれば、隣接するスラットハンガー14a,14b間)で、図14を参照して説明したような引っ掛かり動作がなくなり、本発明による第1乃至第6実施形態に係る作用・効果をもたらすとともに、動的な美観として好ましい状態になる。
【0172】
この図15(a)に示す本発明による一実施例のスラットハンガー14a(又は14b)に係る動作について、図15(b)を参照して説明する。図15(b)として示す図15(b‐1)乃至図15(b‐3)は、上述した図6のステップS6のより細かい動作を図示している。
【0173】
図15(b‐1)に示す状態は、或るスラット2bの上縁両端部(より正確には、第2のスラットハンガー14bの両端部の抜け止め144)が、当該スラット2bに隣接する各スラット2aの上縁部に当接するように配設されているため、各スラット2aの図示右回りの回動操作で、各スラット2bも回動するが、各スラット2bは各スラット2aの回動方向とは逆方向に回転しようとする力が働いている状態である。
【0174】
この図15(b‐1)に示す状態から、各スラット2aの図示右回りの回動操作を継続すると、図15(b‐2)に示す状態のように、或るスラット2bにおける第2のスラットハンガー14bの両端部の抜け止め144が、当該スラット2bに隣接する各スラット2aにおける第1のスラットハンガー14aの両端部の抜け止め144にそれぞれ当接する状態に到達する。
【0175】
この図15(b‐2)に示す状態で、各スラット2aの図示右回りの回動操作を継続すると、図15(b‐3)に示す状態の破線丸枠の拡大視で示すように、或るスラット2bにおける第2のスラットハンガー14bの両端部の抜け止め144が、当該スラット2bに隣接する各スラット2aの上縁の1点(当接点S1)のみ、若しくはその当接点S1と当該各スラット2aにおける第1のスラットハンガー14aの抜け止め144に対する当接(当接点S2)の2点で当接し、この2点で当接しているときでも、当接点S1‐S2間距離d2が、ほぼ一点で当接しているとみなせる所定値未満となるようにしている。このように、第2のスラットハンガー14bの両端部の抜け止め144が当該スラット2bに隣接する各スラット2aに対し、1点、若しくは2点で当接し、2点で当接しているときでも、その2点間距離(当接点S1‐S2間距離)d2が、ほぼ一点で当接しているとみなせる所定値未満(実施例では、設計目安として本体部140の厚み未満)とすることで、図14を参照して説明したような引っ掛かり動作がなくなり、本発明による第1乃至第6実施形態に係る作用・効果をもたらすとともに、動的な美観として好ましい状態になる。
【0176】
そこで、図16を参照して、図14を参照して説明した従来技術に係る抜け止め143と、図15を参照して説明した本発明に係る抜け止め144の形状を具体的に対比して説明する。
【0177】
(従来技術に係る抜け止め)
まず、図16(a)として示す図16(a‐1),(a‐2)のうち、図16(a‐1)は図14を参照して説明した従来技術の典型的なスラットハンガー14a(又は14b)の概略形状を示す平面図であり、図16(a‐2)は抜け止め143に関する部分的な拡大図である。
【0178】
図16(a‐2)に示すように、図14を参照して説明した従来技術の典型的なスラットハンガー14a(又は14b)において、抜け止め143は、本体部140の側面に対して垂直に突起する平坦な内側平坦部143aと、半楕円状に湾曲した外側湾曲部143bとが形成され、内側平坦部143aと外側湾曲部143bとが連なる角部に丸め加工を施し鍔状としたものとしている。
【0179】
より具体的には、図16(a‐2)に示す抜け止め143の例において、本体部140の長手方向の軸L0上で、本体部140の端部P1が定められ、この端部P1を楕円中心とする短径a及び長径bの楕円状の半分(半楕円状)に沿うように、外側湾曲部143bの形状を定めている。ここで、本例では、長径bは、本体部140の厚みtに対し長径b=3tとしている。また、短径aは、本体部140の抜け止め143を含む最大長さとして設計的に定めたcに基づいて定めており、a=2cとし、t<a<bとしている。そして、内側平坦部143aは本体部140の側面に対して垂直に突起しており、内側平坦部143aと外側湾曲部143bとが連なる角部に丸め加工を施した丸角部143cを形成したものとしている。このように形成された従来技術の典型的なスラットハンガー14a(又は14b)では、図14を参照して説明したように、当接点S1‐S2間距離d1が、比較的大きなものとなっており、少なくとも本体部140の厚みt以上となっている。
【0180】
(本発明に係る抜け止め)
一方、図16(b)として示す図16(b‐1),(b‐2)のうち、図16(b‐1)は図15を参照して説明した本発明に係るスラットハンガー14a(又は14b)の概略形状を示す平面図であり、図16(a‐2)は抜け止め144に関する部分的な拡大図である。
【0181】
図16(b‐2)に示すように、図15を参照して説明した本発明に係るスラットハンガー14a(又は14b)において、抜け止め144は、本体部140の側面に対して円形膨起して連なる内側湾曲部144aと、本体部140の最端部として本体部140の厚さに対応する幅で本例では平坦に切欠いた外側端部144bとが形成され、内側湾曲部144aと外側端部144bとが連なる角部に丸め加工を施し円形膨起形状としたものとしている。
【0182】
より具体的には、図16(b‐2)に示す抜け止め144の例において、本体部140の長手方向の軸L0上で、本体部140の端部P1が定められ、この端部P1を円中心とする直径aの円状に沿うように、内側湾曲部144aの形状を定めている。ここで、本例では、直径aは、本体部140の抜け止め143を含む最大長さとして設計的に定めたcに基づいて定めているが、本体部140の厚さtに対応する幅で本例では平坦に切欠いた外側端部144bを設けていることから、cより短いeが定義(t<a,a/4<e<a/2)されたものとなっている。そして、内側湾曲部144aと外側端部144bとが連なる角部に丸め加工を施した丸角部144cを形成したものとしている。このように形成された本発明に係るスラットハンガー14a(又は14b)では、図15を参照して説明したように、当接点S1‐S2間距離d2が、ほぼ一点で当接しているとみなせる所定値未満(実施例では、設計目安として本体部140の厚みt未満)となり、図14を参照して説明した従来技術のような引っ掛かり動作がなくなる。
【0183】
尚、図16(b)に示す例では、内側湾曲部144aについて円中心を単一とする単一曲率の円状に沿う形状を例に説明したが、複数の円中心に基づいた複数曲率の凹みの無い複曲面形状としてもよいし、更には外側端部144bについても、平坦な形状を持つ例を説明したが、凹みの無い湾曲した形状としてもよい。例えば外側端部144bについて、図示したような平坦な形状に切欠いた部位とすることなく、内側湾曲部144aと共に円中心を単一とする単一曲率の円状に沿う形状(即ち、全体的に円形形状)としてもよい。上述した例では、外側端部144bを設けることで当接点S1‐S2間距離d2をより短くすることを可能としているが、少なくとも当接点S1‐S2間距離d2が本体部140の厚みt未満を満たすものとすれば従来技術よりも当該引っ掛かり動作を抑制させることができる。即ち、抜け止め144は、当接点S1‐S2間距離d2をできる限り短くする形状とするのが好ましい。
【0184】
従って、本発明に係る縦型ブラインドは、上述した実施形態の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によってのみ制限される。
【産業上の利用可能性】
【0185】
本発明によれば、回動角度によってスラット間の隙間が発生するのを抑制し、且つスラットの回動に係る操作性を向上させることができるので、縦型ブラインドの用途に有用である。
【符号の説明】
【0186】
1 ハンガーレール
2a 第1のスラット
2b 第2のスラット
3a 第1のランナー
3b 第2のランナー
4 チルト軸
5a,5b エンドキャップ
6a 第1の吊下軸
6b 第2の吊下軸
7 ランナーキャップ
11 スペーサー
12 ウォーム(ギヤ機構)
13 ウォームホィール(ギヤ機構)
14a 第1のスラットハンガー
14b 第2のスラットハンガー
15 押しバネ(圧縮バネ)
16 押圧部材(第2実施形態に係る付勢転換機構)
17 凸柱部(第2実施形態に係る付勢転換機構)
18 突張部材(第3実施形態に係る付勢転換機構)
19 引っ張りバネ
20 押圧部材(第5実施形態に係る付勢転換機構)
21 腕部(第5実施形態に係る付勢転換機構)
22 突起部(第5実施形態に係る付勢転換機構)
30a 第1のランナーケース
30b 第2のランナーケース
31a 第1の空洞部
31b 第2の空洞部
31c 楕円壁(第3実施形態に係る付勢転換機構)
31d 引っ張りバネ用の支点(第4実施形態に係る付勢転換機構)
34 軸受孔
35 スロープ部(第1実施形態に係る付勢転換機構)
61 フック
62 第1のフランジ部
65 第2のフランジ部
66 三角凸部(第1実施形態に係る付勢転換機構)
67 フランジ状上端部
68 波面状スロープ部(第2実施形態に係る付勢転換機構)
69 スライド溝
70 吊下軸の上端の支点(第4実施形態に係る付勢転換機構)
71 円柱部
72 蛇行案内溝(第5実施形態に係る付勢転換機構)
73,74a,74b 磁石(第6実施形態に係る付勢転換機構)
143 抜け止め(従来技術の典型的なスラットハンガー)
144 抜け止め(本発明に係るスラットハンガー)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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図16