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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】歯牙清掃用研磨剤を含む錠剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20241003BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20241003BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20241003BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20241003BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20241003BHJP
   A61K 8/84 20060101ALI20241003BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/25
A61K8/36
A61K8/46
A61K8/60
A61K8/84
A61Q11/00
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019542180
(86)(22)【出願日】2018-02-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 US2018016505
(87)【国際公開番号】W WO2018144771
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2021-02-01
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】62/453,949
(32)【優先日】2017-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519017889
【氏名又は名称】ウォーター ピック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー クリフォード
【合議体】
【審判長】木村 敏康
【審判官】阪野 誠司
【審判官】小石 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-208521(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0125814(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0100921(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0141953(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0282909(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0244343(US,A1)
【文献】特表2006-509768(JP,A)
【文献】国際公開第2013/072932(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
50μm~100μmの平均(Mv)粒子径を有する水溶性研磨剤
キシリトール及びトウモロコシデキストリンを含むバルク剤、及び
結合剤、崩壊剤、流動促進剤、滑沢剤、界面活性剤、甘味料、および香味料のうち1つまたは複数
を含み、前記水溶性研磨剤がグリシンである、口腔衛生用錠剤。
【請求項2】
前記水溶性研磨剤が、50μm~90μmの平均(Mv)粒子径を有する、請求項1に記載の錠剤。
【請求項3】
前記水溶性研磨剤が、1μm~500μmの粒子径分布を有する、請求項1又は2に記載の錠剤。
【請求項4】
前記水溶性研磨剤が、1μm~300μmの粒子径分布を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項5】
前記水溶性研磨剤が、32質量%~48質量%で存在する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項6】
前記キシリトールが、32質量%~48質量%で存在する、請求項1~5のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項7】
前記錠剤が流動促進剤を含み、前記流動促進剤がヒュームドシリカである、請求項1~6のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項8】
前記ヒュームドシリカの平均粒子径が、0.06μm~0.18μmである、請求項7に記載の錠剤。
【請求項9】
前記錠剤が崩壊剤を含み、前記崩壊剤がクロスポビドンである、請求項1~8のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項10】
前記錠剤が滑沢剤を含み、前記滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項1~9のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項11】
前記錠剤が界面活性剤を含み、前記界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、請求項1~10のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項12】
前記錠剤が甘味料を含み、前記甘味料がスクラロースである、請求項1~11のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項13】
50μm~100μmの平均(Mv)粒子径を有する水溶性研磨剤、
キシリトール及びトウモロコシデキストリンを含むバルク剤、及び
結合剤、崩壊剤、流動促進剤、滑沢剤、界面活性剤、甘味料、および香味料のうち1つまたは複数
を含み、前記水溶性研磨剤がグリシンである、歯の清掃のための錠剤。
【請求項14】
前記流動促進剤が、0.06~0.18μmの平均粒子径を有するヒュームドシリカを含む、請求項13記載の錠剤。
【請求項15】
歯の汚れを低減する方法であって:
グリシン、
キシリトール及びトウモロコシデキストリンを含むバルク剤、ならびに
結合剤、滑沢剤、崩壊剤、流動促進剤、界面活性剤、甘味料、および香味料のうち1つまたは複数
を含む錠剤を提供することと、
前記錠剤を液体流で浸食して、液体中に粒子の懸濁液を生成し、
ここで、前記粒子は液体流により歯まで運ばれ、
前記粒子が歯の汚れを低減することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記液体流が、脈動性液体流である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記グリシンが、歯から汚れを削り落とす、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記汚れが、粒子含有液体の2分間の適用後、修正型Lobene Stain指数において、平均27%の改善を示す、請求項1517のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記汚れが、粒子含有液体の5分間の適用後、修正型Lobene Stain指数において、平均64%の改善を示す、請求項1518のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記方法による象牙質の磨耗が、歯ブラシを用いて10倍の時間をかけたブラッシングによる磨耗よりも少ない、請求項1519のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
粒子含有液体の48秒間の適用後、0.2μm未満の象牙質が磨耗される、請求項1520のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年2月2日に出願された米国仮特許出願第62/453,949号の優先権を主張し、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、研磨剤を含む口腔衛生用錠剤、ならびに該錠剤の製造方法および使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトのう歯は、歯の酸蝕により起きる損傷である。口中細菌は、人が食べた食物中の糖を取り込むと、浸食酸を生成する。経時的に、該酸は、歯の外層であるエナメル質、および中間層である象牙質さえ破壊する。う蝕は穴または空洞として形成され得る。
歯は、小果実およびチョコレートなどの食物、コーヒー、ワイン、および濃色のソーダなどの飲料、ならびに喫煙により外因的に汚される可能性がある。外因性汚れは、白色の線から黄色を帯びるかまたは褐色の点および穴の範囲に及ぶ。
う歯および汚れの中には、歯科用ハンドピースを通って流れる圧縮エアまたはガスにより、微細な研磨剤粒子が歯面に向けて噴射される技術であるエア研磨を用いて、歯科専門家により除去され得るものもある。小範囲のう蝕または汚れは、研磨剤粒子の流れが、冒された部位に強く打ち付けられると除去される。
エア研磨は、患者には不快であり、且つこの手順により歯面の一部が除去されるため歯には粗すぎる場合がある。エア研磨はまた、この手順により細塵が漂うため、不快なものでもある。微細粒子は、患者および歯科専門家を、吸入に関連する健康上のリスクに曝すこともある。
エア研磨剤混合物を水と合わせて、この組成物を歯に噴霧する粉体噴射装置は、微細粒子の吸入から健康上のリスクが存在する恐れがある。研磨剤粒子はまた、歯面の小領域を除去する。
【0003】
汚れは、歯を漂白することにより低減するかまたは除去することができる。歯科専門家は、約30~60分間、トレー中で歯に押し当てる光活性漂白ゲルを適用することができる。家庭用漂白トレーは、より弱い漂白剤を使用する。一貫して家庭用漂白を実行すると、数週間または数か月の期間にわたり汚れを低減することができる。粗すぎることはないが効果も乏しい家庭療法には、歯に適用される白色化ゲルおよび細片が含まれる。習慣的な歯のブラッシングもまた、汚れを妨げるかまたは低減する助力となり得るが、歯に対して粗すぎる場合もある。
本明細書の背景技術部分に含まれる情報は、本明細書に引用される任意の参照文献および任意の記載またはその考察も含め、単に技術的な参照目的で含まれ、それにより特許請求の範囲に特定される本発明の範囲が制限される主題と考えるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に開示される技術は、口腔衛生用錠剤に関する。本錠剤は、歯面の磨耗を起こさないかまたは最小限とする一方、歯のエナメル質もしくは象牙質から、汚れもしくはう蝕を低減するかもしくは除去するか、または歯根面を清掃するために使用され得る。
いくつかの実施形態では、本錠剤は、研磨剤、バルク剤、流動促進剤(glidant)、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、界面活性剤、甘味料、および香味料のうち1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、研磨剤はアミノ酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸はグリシンである。いくつかの実施形態では、バルク剤はキシリトールである。いくつかの実施形態では、流動促進剤はシリカである。
いくつかの実施形態では、グリシンは、体積分布により測定して、45μmより大きい平均粒子径(average particle size)を有する。いくつかの実施形態では、35質量%以下のグリシン粒子は、45μm未満の粒子径を有する。いくつかの実施形態では、35質量%以下のグリシン粒子は、100μmより大きい粒子径を有する。
いくつかの実施形態では、グリシンは、錠剤中に32質量%~48質量%で存在する。いくつかの実施形態では、キシリトールは、錠剤中に32質量%~48質量%で存在する。
いくつかの実施形態では、シリカはヒュームドシリカである。ヒュームドシリカの平均粒子径は、0.03μmより大きくてもよい。いくつかの実施形態では、シリカは、錠剤中に0.28質量%~0.42質量%で存在する。
【0005】
いくつかの実施形態では、本錠剤は滑沢剤を含み、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。いくつかの実施形態では、本錠剤は界面活性剤を含み、界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、本錠剤は甘味料を含み、甘味料はスクラロースである。
一実装形態では、本錠剤の製造方法を提供する。本錠剤は、造粒および圧縮により成型され得る。
一実装形態では、歯の汚れを低減するなどの本錠剤の使用方法を提供する。該方法は、研磨剤を含有する錠剤を提供し、該錠剤を流体流(fluid stream)で浸食して、流体中に粒子の懸濁液を生成することを含み得る。粒子は、流体流により歯まで運ばれ得る。
いくつかの実装形態では、グリシンは歯から汚れを削り落とす。
【0006】
いくつかの実装形態では、汚れは、粒子含有(particle-laden)流体の2分間の適用後、修正型Lobene Stain指数において、平均27%の改善を示す。いくつかの実装形態では、汚れは、粒子含有流体の5分間の適用後、修正型Lobene Stain指数において、平均64%の改善を示す。
いくつかの実装形態では、該方法による象牙質の磨耗は、歯ブラシを用いて10倍の時間をかけたブラッシングによる磨耗よりも少ない。
いくつかの実装形態では、粒子含有流体の48秒間の適用後、0.2μm未満の象牙質が磨耗される。
いくつかの実施形態では、グリシンなどの研磨剤は、水などの流体の流れで運ばれる。いくつかの実施形態では、流れは脈動性である。いくつかの実施形態では、流れは毎分約1200パルスで脈動する。
いくつかの実施形態では、脈動作用は、ピストンポンプなどのポンプにより生じる。いくつかの実施形態では、脈動作用は、加圧流体が間欠バルブまたは揺動バルなどのバルブを通って流動するときに生じる。
いくつかの実施形態では、流れは、口腔洗浄器、カウンタートップ取り付け式の洗浄装置、手持ちの洗浄装置、または送水管から放出される。
【0007】
本概要は、以下の詳細な説明にさらに記載される、簡略化形式における概念の選択を導入するために提供される。本概要は、特許請求される主題の重要な特色または本質的な特色を特定することを意図するものではなく、また、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもない。特許請求の範囲において特定される本発明の特色、詳細、有用性、および利点のより広範囲の説明を、以下の本発明の様々な実施形態の記載において提供し、且つ添付の図において例示する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ベースユニットに接続可能なホースに接続された口腔洗浄器用ハンドルの前右の等角図である。
図2A-2D】歯の汚れ除去に関する様々な処置の効果を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
歯の清掃のための口腔衛生用錠剤を本明細書に開示する。本錠剤は、歯のエナメル質もしくは象牙質から、汚れもしくはう蝕を低減するかもしくは除去するか、または歯根面を清掃し得る。本錠剤は、歯面の磨耗を起こさないかまたは最小限とする一方、歯の清掃を可能とする研磨剤を含有すると一般に理解され得る。研磨剤はグリシンであってもよく、本錠剤はバルク剤および流動促進剤などの賦形剤を含んでもよい。
【0010】
研磨性錠剤製剤
錠剤製剤は、研磨剤および複数の賦形剤を含むと一般に理解され得る。賦形剤には、バルク剤、結合剤、崩壊剤、流動促進剤、滑沢剤、界面活性剤、甘味料、香味料、および水が含まれ得る。任意の所与の賦形剤は、2種類以上の賦形剤として作用し得るかまたは2つ以上の機能を果たし得る。例えば、バルク剤はまた結合剤でもあり得る。別の例として、甘味料はまた香味料でもあり得る。
研磨剤は、天然歯または人工歯の表面を磨くかまたは清掃することが可能な任意の物質であり得る。研磨剤の例として、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ホウ素、炭酸カルシウム、ホスホケイ酸ナトリウムカルシウム、エメリー、ガーネット、グリシン、パーライト、軽石、炭化ケイ素、重炭酸ナトリウム、酸化ジルコニウム、およびケイ酸ジルコニウムが含まれる。
【0011】
一実施形態では、研磨剤はアミノ酸である。一実施形態では、研磨剤はグリシンである。グリシンは、45μmより大きいか、または約50μm~約100μm、または約50μm~約90μm、または約50μm~約80μm、または約70μm~約100μm、または約50μm~約60μmのMV(体積分布の平均直径)粒子径を有し得る。いくつかの実施形態では、グリシン粒子径(MV)は約58μm~約60μmである。一実施形態では、グリシン粒子径は約59μmである。
いくつかの実施形態では、約35質量パーセント以下のグリシン粒子は、45μm未満の粒子径を有する。いくつかの実施形態では、35質量パーセント以下のグリシン粒子は、100μmより大きい粒子径を有する。
グリシン粒子の粒子径分布は、約1μm~約500μm、または約1μm~約400μm、または約1μm~約300μm、または約2μm~約300μmであり得る。
グリシン粒子は表面コーティングを含まなくてもよい。
研磨剤は、錠剤の約20質量パーセント~約60質量パーセント、または錠剤の約20質量パーセント~約55質量パーセント、または約20質量パーセント~約50質量パーセント、または約20質量パーセント~約45質量パーセント、または約20質量パーセント~約40質量パーセント、または約25質量パーセント~約60質量パーセント、または約30質量パーセント~約60質量パーセント、または約35質量パーセント~約40質量パーセント、または約32質量パーセント~約48質量パーセントで存在し得る。一実施形態では、研磨剤は錠剤の約40質量パーセントで存在する。
【0012】
グリシンは、モース硬度値2を有する水溶性アミノ酸である。歯科用エア磨きに使用される研磨剤として、重炭酸ナトリウム(モース硬度値2.5)、炭酸カルシウム(モース硬度値3)、および水酸化アルミニウム(モース硬度値4)が含まれる。口腔衛生用錠剤の設計および使用において、エナメル質(5.0)または象牙質(3.0~4.0)のいずれよりも小さいモース硬度値を有するグリシンは、より高い硬度値を有する公知の研磨剤より安全または穏やかな研磨剤を生じ得る。口腔衛生用錠剤の設計および使用において、恒常的に消費されるアミノ酸であるグリシンは、摂取する場合に安全且つ無毒であり得る。
バルク剤または充填剤は、加工または製造において助けとなり得て且つ錠剤サイズを対象にとってより実用的なものとし得る、体積または質量を増加させる任意の物質であり得る。バルク剤の例として、デンプン、マルトデキストリン、カルシウム塩、およびラクトースなどの糖が含まれる。
一実施形態では、バルク剤はキシリトールである。一実施形態では、バルク剤は、Xylisorb(登録商標)100 DC(Roquette Pharma、Lestrem、フランス)などの、トウモロコシデキストリンと共加工されたキシリトールである。
【0013】
バルク剤は、錠剤の約20質量パーセント~約60質量パーセント、または錠剤の約20質量パーセント~約55質量パーセント、または約20質量パーセント~約50質量パーセント、または約20質量パーセント~約45質量パーセント、または約20質量パーセント~約40質量パーセント、または約25質量パーセント~約60質量パーセント、または約30質量パーセント~約60質量パーセント、または約35質量パーセント~約40質量パーセント、または約32質量パーセント~約48質量パーセントで存在し得る。一実施形態では、バルク剤は錠剤の約40質量パーセントで存在する。
口腔衛生用錠剤の設計および使用において、Xylisorb(登録商標)は、より清潔に溶解するより硬い錠剤を生成する助力となり得る。本錠剤は、ペースト状の物質を生成することなく溶解し得る。本錠剤が口腔洗浄器の流体流路で使用されるとき、本錠剤は、流路を遮断するかまたはスクリーンなどの洗浄器構成要素を詰まらせることなく溶解し得る。
【0014】
結合剤は、他の物質を確保するかまたは引き寄せて、共に全体的に凝集性物質を形成することが可能な任意の物質であり得る。結合剤はまた、必要とされる機械的強度を伴って錠剤が形成される助力ともなり得る。結合剤の例として、スクロースおよびラクトースなどの二糖;トウモロコシデンプンなどのデンプン;セルロース;微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルエチルセルロースなどの修飾セルロース;キシリトール、ソルビトール、およびマルチトールなどの糖アルコール;ゼラチン;ポリビニルピロリドンおよびポリエチレングリコールなどの合成ポリマー;ならびに二塩基性リン酸カルシウムが含まれる。
一実施形態では、結合剤は、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマーである。一実施形態では、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマーは、Kollidon(登録商標)VA64 Fine(BASF Corporation、Florham Park、NJ)である。
【0015】
結合剤は、錠剤の約0質量パーセント~約12質量パーセント、または錠剤の約0質量パーセント~約10質量パーセント、または約0質量パーセント~約8質量パーセント、または約0質量パーセント~約6質量パーセント、または約2質量パーセント~約10質量パーセント、または約4質量パーセント~約10質量パーセント、または約6質量パーセント~約10質量パーセントで存在し得る。
口腔衛生用錠剤の設計および使用において、Kollidon(登録商標)VA64 Fineは、他の結合剤を用いて製造された錠剤より、打錠する間にキャッピングしにくい、より硬い錠剤を生成する助力となり得る。Kollidon(登録商標)VA64 Fineを用いて製造される錠剤は、より砕けにくくもあり得る。
【0016】
崩壊剤は、錠剤の溶解を容易にするかまたは促進する任意の物質であり得る。崩壊剤の例として、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルシウムカルボキシメチルセルロース、および内部架橋されたナトリウムカルボキシメチルセルロース(クロスカルメロースナトリウム)などのセルロース誘導体;架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドンまたはコポビドン);ならびにカルボキシメチルデンプン、ナトリウムカルボキシメチルデンプン、およびデンプングリコール酸ナトリウムなどの化学修飾デンプンが含まれる。
一実施形態では、崩壊剤はクロスポビドンである。一実施形態では、クロスポビドンは、Kollidon CL-F (BASF Corporation、Florham Park、NJ)である。
【0017】
崩壊剤は、錠剤の約0質量パーセント~約6質量パーセント、または錠剤の約0質量パーセント~約5質量パーセント、または約0質量パーセント~約4質量パーセント、または約0質量パーセント~約3質量パーセント、または約1質量パーセント~約6質量パーセント、または約2質量パーセント~約6質量パーセント、または約3質量パーセント~約6質量パーセントで存在し得る。
流動促進剤は、錠剤化される粉体の流動を最適化する任意の物質であり得る。流動促進剤の例として、コロイド状二酸化ケイ素(ヒュームドシリカ)、デンプン、およびタルクが含まれる。
一実施形態では、流動促進剤はヒュームドシリカである。いくつかの実施形態では、ヒュームドシリカは撥水性ではない。一実施形態では、非撥水性ヒュームドシリカは、Aerosil(登録商標)200(Evonik Industries、Essen、ドイツ)である。
ヒュームドシリカは、0.03μmより大きいか、または約0.06μm~0.18μm、または約0.06μm~0.16μm、または約0.06μm~0.14μm、または約0.06μm~0.12μm、または約0.08μm~0.18μm、または約0.10μm~0.18μm、または約0.12μm~0.18μmの平均粒子径を有し得る。一実施形態では、平均粒子径は約0.12μmである。
【0018】
流動促進剤は、錠剤の約0質量パーセント~約0.6質量パーセント、または錠剤の約0質量パーセント~約0.5質量パーセント、または約0質量パーセント~約0.4質量パーセント、または約0質量パーセント~約0.3質量パーセント、または約0.1質量パーセント~約0.6質量パーセント、または約0.2質量パーセント~約0.6質量パーセント、または約0.3質量パーセント~約0.6質量パーセントで存在し得る。一実施形態では、流動促進剤は、約0.28質量パーセント~約0.42質量パーセントで存在する。一実施形態では、流動促進剤は、錠剤の約0.35質量パーセントで存在する。
【0019】
口腔衛生用錠剤の設計および使用において、相対的に小さいAerosil(登録商標)200粒子は、より大きい成分粒子をコーティングする助力となり得て、それにより、粒子間のファンデルワールス引力を低減する。ヒュームドシリカ粒子はまた、粉体表面に存在する水分を吸収する助力となり得て、それにより、粉体が固化および凝集するのを最小限に抑える。ヒュームドシリカ粒子は、粉体流動を最適化し、処理量を増加させ、且つ投薬量の均一性を改善する助力となり得る。
滑沢剤は、成分が共に凝集するか、または錠剤パンチ機またはカプセル剤充填機などの機械に付着するのを妨げる任意の物質であり得る。滑沢剤はまた、摩擦を低減する助力ともなり得て、それにより、型充填、錠剤形成、および放出を助ける。
滑沢剤の例として、ステアリン酸;ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸マグネシウムなどのステアリン酸金属塩;タルク;コロイド状シリカ;ケイ酸無水物またはケイ酸水和物などのケイ酸;蜜ロウまたは鯨ロウなどのワックス;グリセリン脂肪酸エステル;水素化植物油;ホウ酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムなどの硫酸塩;ラウリル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸マグネシウムなどのラウリル硫酸塩;グリコール;フマル酸;フマル酸ステアリルナトリウム;安息香酸ナトリウム;およびD,L-ロイシンが含まれる。一実施形態では、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0020】
滑沢剤は、錠剤の約0.5質量パーセント~約2.5質量パーセント、または錠剤の約0.5質量パーセント~約2.25質量パーセント、または約0.5質量パーセント~約2.0質量パーセント、または約0.5質量パーセント~約1.75質量パーセント、または約0.5質量パーセント~約1.5質量パーセント、または約0.75質量パーセント~約2.5質量パーセント、または約1.0質量パーセント~約2.5質量パーセント、または約1.25質量パーセント~約2.5質量パーセント、または約1.5質量パーセント~約2.5質量パーセントで存在し得る。一実施形態では、滑沢剤は、錠剤の約1.5質量パーセントで存在する。
【0021】
口腔衛生用錠剤の設計および使用において、ステアリン酸マグネシウムは、錠剤がパンチに付着するのを妨げる助力となり得る。ステアリン酸マグネシウムはまた、打錠プロセス中の水分に対する障壁を生み出す助力ともなり得て、濡れた指で触ったときに錠剤が変質するのを妨げる助力となり得る。
滑沢剤を含むことに加えて、または代替として、錠剤は、ポリマーコーティングまたはセラックコーティングなどでコーティングされてもよい。コーティングは水に不溶性であり得て、湿った指で触ったときに錠剤が変質するのを妨げる助力となり得る。
界面活性剤は、塊状化を妨げ、流動を助け、濡れを改善し、脱凝集を促進し、溶解に役立つ粒子の表面積を増加させ、且つ/または溶解速度を増加させる任意の物質であり得る。
界面活性剤の例として、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、およびポリソルベート80が含まれる。一実施形態では、界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウムである。
【0022】
界面活性剤は、錠剤の約0.5質量パーセント~約3.0質量パーセント、または錠剤の約0.5質量パーセント~約2.5質量パーセント、または約0.5質量パーセント~約2.25質量パーセント、または約0.5質量パーセント~約2.0質量パーセント、または約0.75質量パーセント~約3.0質量パーセント、または約1.0質量パーセント~約3.0質量パーセント、または約1.25質量パーセント~約3.0質量パーセント、または約1.5質量パーセント~約3.0質量パーセント、または約1.75質量パーセント~約3.0質量パーセント、または約2.0質量パーセント~約3.0質量パーセントで存在し得る。一実施形態では、界面活性剤は、錠剤の約2.0質量パーセントで存在する。
甘味料は、錠剤の香味または錠剤の利用者支持を改善する助力となる任意の物質であり得る。
甘味料の例として、デキストロース、ラクトース、マンニトール、およびスクロースなどの天然甘味料;ならびにアスパルテーム、シクラメート、サッカリン、およびスクラロースなどの人工甘味料が含まれる。一実施形態では、甘味料はスクラロースである。
【0023】
甘味料は、錠剤の約4質量パーセント~約14質量パーセント、または錠剤の約4質量パーセント~約12質量パーセント、または約4質量パーセント~約10質量パーセント、または約4質量パーセント~約8質量パーセント、または約6質量パーセント~約14質量パーセント、または約8質量パーセント~約14質量パーセント、または約10質量パーセント~約14質量パーセントで存在し得る。一実施形態では、甘味料は、錠剤の約9質量パーセントで存在する。
香味料は、不快な味成分を隠し、錠剤の利用者支持を改善する助力となる任意の物質であり得る。
香味料は、天然または人工であってもよい。香味料の例として、サッカリンナトリウムおよびアスパルテームなどの甘味料;クエン酸、リンゴ酸、および酒石酸などの酸味料;ペパーミントおよびスペアミントなどのミント香味料;ならびにメントール、レモン、およびオレンジなどの芳香料が含まれる。一例では、香味料は、噴霧乾燥ペパーミントである。
【0024】
香味料は、錠剤の約5質量パーセント~約15質量パーセント、または錠剤の約5質量パーセント~約13質量パーセント、または約5質量パーセント~約11質量パーセント、または約5質量パーセント~約9質量パーセント、または約7質量パーセント~約15質量パーセント、または約9質量パーセント~約15質量パーセント、または約11質量パーセント~約15質量パーセントで存在し得る。一実施形態では、香味料は錠剤の約10質量パーセントで存在する。
いくつかの実施形態では、本錠剤製剤は、水を含む。水は、錠剤の約0質量パーセント~約5質量パーセント、約0質量パーセント~約4質量パーセント、約0質量パーセント~約3質量パーセント、約0質量パーセント~約2質量パーセント、または約0質量パーセント~約1質量パーセント未満で存在し得る。
本明細書では錠剤に言及しているけれども、本開示の製剤は、丸剤、カプセル剤、およびカプレットなどのそれらの変形を含む任意の固形経口剤形として調製され得る。
【0025】
本錠剤は、一般に円柱状などの任意の形状であってもよい。いくつかの実施形態では、本錠剤は、対向する端部を有し、一方または両方の端部は丸みがあるかまたは先端がとがっている。いくつかの実施形態では、本錠剤は、口腔洗浄器内のチャンバまたは口腔洗浄器先端部の内部に適した大きさおよび形状である。いくつかの例では、本錠剤は、約7mm~約15mm、または約7mm~約14mm、または約7mm~約13mm、または約7mm~約12mm、または約7mm~約11mm、または約8mm~約15mm、または約9mm~約15mm、または約10mm~約15mm、または約11mm~約15mmの厚さを有し得る。
別の例では、本錠剤は、約40mm~50mmの幅および約20mm~約30mmの高さ(厚み)である。別の例では、本錠剤は、約80mm~120mmの幅および約80mm~約120mmの厚みである。
【0026】
本錠剤は、約0.5キロポンド(kp)~約10kp、または約0.5kp~約9kp、または約0.5kp~約8kp、または約0.5kp~約7kp、または約0.5kp~約6kp、または約1kp~約10kp、または約2kp~約10kp、または約3kp~約10kp、または約4kp~約10kp、または約5kp~約10kpの硬度を有し得る。いくつかの実施形態では、本錠剤は、約6kp~約8kp、または約7kpの硬度を有する。
【0027】
錠剤の製造方法
本開示の錠剤は、成分を造粒し、次に混合物を錠剤に成型することにより生成され得る。造粒は、湿式造粒または乾式造粒であり得る。全ての成分は一度に混合されてもよく、または研磨剤、バルク剤、および結合剤などのいくつかの成分は、滑沢剤などの他の成分に混合される前に、最初に共に造粒されてもよい。いくつかの実施形態では、付加的成分を添加する前に、造粒成分は乾燥され、大きさに関してスクリーニングされる。次に、この混合物は、錠剤などの固体剤形に圧縮成型され得る。錠剤は、口腔洗浄器を通って流動する流体が衝突したときに溶解するまで、包装、出荷、および保管に持ちこたえるように圧縮され得る。
一例では、滑沢剤を除く錠剤成分は、滑沢剤の添加前に混合乾燥される。次に、得られた粉体を、長ストロークおよび予備圧縮ステーションの一方または両方を有し得る打錠プレスに直接入れてもよい。いくつかの例では、湿式造粒、スラッギング、またはローラー圧縮などの付加的な予備工程は利用されない。いくつかの例では、湿式造粒、スラッギング、またはローラー圧縮などの1つまたは複数の付加的な予備工程を含み、これは、より短いストロークを伴うプレスかまたは予備圧縮ステーションを伴わないプレスで、より高密度の錠剤を得る助力となり得る。
いくつかの例では、錠剤の硬度を変化させて、それにより錠剤の崩壊時間および破砕性のいずれかまたは両方を変化させるために、打錠圧および/または結合剤質量パーセントを変えてもよい。
【0028】
打錠圧(圧縮力)は、約250ポンド~約10,000ポンド、約250ポンド~約9000ポンド、または約250ポンド~約8000ポンド、または約250ポンド~約7000ポンド、または約250ポンド~約6000ポンド、または約500ポンド~約10,000ポンド、または約1000ポンド~約10,000ポンド、または約2000ポンド~約10,000ポンド、または約3000ポンド~約10,000ポンド、または約4000ポンド~約10,000ポンド、または約5000ポンド~約10,000ポンド、または約6000ポンド~約10,000ポンドであり得る。いくつかの実施形態では、予備圧縮力は約1100ポンド~約3300ポンドである。いくつかの実施形態では、最終圧縮力は約3200ポンド~約9600ポンドである。
本錠剤の製造方法において使用される装置として、例えば、高速混合造粒機、流動床乾燥機、押出し造粒機、スラッガープレス、またはローラー圧縮機が含まれ得る。
【0029】
錠剤の使用方法
一例として、しかし限定されることなく、本明細書に記載される錠剤は、以下の手順に基づいて、歯のエナメル質もしくは象牙質から汚れもしくはう蝕を低減するかもしくは除去するために使用されるか、または歯根面を清掃するために使用され得る。
【0030】
錠剤は、洗浄器の流体流路に位置するように、口腔洗浄器(Water Pik、Fort Collins、CO製造のものなど)内に挿入され得る。錠剤が流体流路に位置し得る口腔洗浄器の例として、「Oral Irrigator Handle For Use With Oral Hygiene Agent」という表題で2017年3月16日に出願された米国仮特許出願第62/474,438号;および「Oral Irrigator Handle For Use With Oral Hygiene Agent」という表題で2017年6月7日に出願された米国仮特許出願第62/516,227号が含まれ、これらはその全容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
洗浄器の電源を入れると、水、口内洗浄剤、または口腔濯ぎ液などの流体が洗浄器を通って流動し、錠剤に衝突し得る。錠剤は崩壊し、研磨剤を放出し得る。溶解した錠剤粒子は、口腔洗浄器の先端部から放出された流体により利用者の口中に運ばれ得る。研磨剤含有流体は歯に直進し得て、研磨剤の衝撃により、エナメル質または象牙質から、う歯または汚れが低減されるかまたは除去され得る。研磨剤はまた、歯根面も清掃し得る。一般に、本錠剤は、洗浄器の口腔清掃効率を改善し得る。
実施例に、より詳細が記載されるように、本錠剤は、歯面の磨耗を起こさないかまたは最小限とする一方、歯の清掃の助力となり得る。口腔洗浄器における本錠剤の使用により、同等量のブラッシングより歯面の除去がより少なくなり得る。
いくつかの実施形態では、本錠剤は水溶性であり、口腔内に清潔なまたは滑らかな感触が残る。いくつかの実施形態では、本錠剤は水溶性であり、口腔内に残留しているかまたはザラザラした感触が残らない。
研磨剤の使用方法
いくつかの実施形態では、グリシンなどの本明細書に開示される研磨剤は、水などの流体の流れで運ばれる。推進流体中のグリシンの設計および使用において、グリシンは、歯面または歯根面を清掃し得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、流体流は脈動性である。一例では、流れは毎分約1200パルスで脈動する。ポンプまたはバルブが脈動作用を提供し得る。例えば、ポンプは、電動モータにより駆動し得て、スコッチヨーク駆動方式により往復運動するピストンをその中に有する小シリンダを備え得る。別の例として、間欠バルブまたは揺動バルブを通って流動する加圧流体は、流体の脈動流を生じ得る。
流体の流れは、送水管から直接に、または口腔洗浄器、カウンタートップ取り付け式の洗浄装置、または手持ち式洗浄装置などの装置から放出され得る。送水管または装置は、専門用環境または家庭用環境に好適であり得る。いくつかの実施形態では、装置は、約0.035の断面積を有するノズルを備え、該ノズルは脈動を生じる助けとなる。
グリシンが運ばれ得る流体の流れを生じる装置の一例を、図1に示す。
口腔洗浄器のハンドル100は、連結器107およびホース108により、貯蔵器などの流体源に流体連結される。ハンドル100はまた、着脱可能な先端部104とも流体連結され、これはハンドル100とつなぎ合わせる先端部カラー106を備え得る。先端部104がハンドル100に連結されると、流体源からの液体は、先端部104中の先端部流出口105を通って排出され得る。先端部104は、一般に、利用者の口中に挿入され、利用者の歯、歯ぐき、舌などに対して流体を排出するように構成されている。
【0033】
ハウジング102の中または上に位置する取り外しボタン110は、先端部104をハンドル100から選択的に取り外すことができるか、または本開示の錠剤が挿入され得る内部チャンバとつなぐことができる。内部チャンバを有する口腔洗浄器ハンドルの例として、「Oral Irrigator Handle For Use With Oral Hygiene Agent」という表題で2017年3月16日に出願された米国仮特許出願第62/474,438号;および「Oral Irrigator Handle For Use With Oral Hygiene Agent」という表題で2017年6月7日に出願された米国仮特許出願第62/516,227号が含まれ、これらはその全容が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、ハウジング102の中または上に位置する休止アクチュエータ112は、流体源から先端部104への液体の流動を選択的に遮断する。
図1に示されるハンドル100において、流体流の脈動作用を生じるポンプまたはバルブなどの構造は、ベースユニット(図示せず)中に位置する。いくつかの例では、ハンドル100は加圧送水管に直接連結しており、脈動生成構造はハンドル100内に配置されるバルブである。いくつかの例では、ハンドル100は内蔵式ユニットであり、脈動生成構造はハンドル100内に配置される。
【実施例
【0034】
以下の実施例は本開示の様々な態様を例示するものであり、限定するものと考えるべきではない。
【0035】
(例1)
錠剤組成物および調製
錠剤を、表1に示す組成物から調製した。質量百分率は相対的比率と理解され得て、製造プロトコルにおける変動に起因して、合計は100パーセントにならない。
【表1】
【0036】
Xylisorb(登録商標)100 DCは、トウモロコシデキストリンと混合された顆粒化キシリトールであり、Roquette Pharma(Lestrem、フランス)から入手した。Aerosil(登録商標)200は、非晶質無水コロイド状二酸化ケイ素であり、Evonik Industries (Essen、ドイツ)から入手した。Kollidon(登録商標)VA64 Fineはビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマーであり、Kollidon(登録商標)CL-Fはクロスポビドンであり、BASF Corporation(Florham Park、NJ)から入手した。グリシン粒子は、レーザー回折(Powdersize、Inc.、Quakertown、PA)により測定して約59μmの平均粒子径(Mv)を有した。
【0037】
表1の成分を、最後に添加したステアリン酸マグネシウムと共に混合乾燥した。得られた粉体混合物は、表2に示す物理的特性を有した。
【表2】

得られた粉体混合物を、長ストロークおよび予備圧縮ステーションを備える打錠プレス内に直接置いた。打錠圧を変化させて錠剤の硬度を制御し、それにより錠剤の崩壊時間および破砕性を制御した。一例として、2質量%のKollidon(登録商標)VA64 Fineを含有する混合物を、2248Lbの予備圧縮力および6400Lbの最終圧縮力で圧縮して、7kp(15.43ポンド)の硬度を伴う錠剤を生成した。
【0038】
(例2A)
口腔洗浄器中の錠剤による汚れ除去
例1の錠剤の、歯から汚れを除去する有効性を、Salus Research、Inc.(Fort Wayne、IN)により以下の手順に基づいて試験した。
極端な重なりまたは過密を伴わない良好な修復状態の全部で4本の天然下切歯を含む少なくとも16本の天然歯を有する、18歳~65歳の間の男性および女性の成人を募集した。各対象における4本の切歯中の少なくとも3本は、全歯冠または修復はなかった。各対象は、歯の顔面近接および辺縁領域における下顎前部の汚れを有した。
【0039】
研究参加の前後において、対象の歯の汚れを、経験を積んだ歯科検査員により、各歯の近心および遠心領域に存在する汚れの強度および面積の両方を評価するMacPherson修正型のLobene Stain指数を使用して点数化した。各切歯の顔面を以下の4区分に分けた:歯肉または辺縁部(歯肉縁と並行する2mm幅の細部;歯間乳頭の端部によりもたらされる切歯端に向かう範囲;主要部(歯肉と遠心近心部位との間の頬側面の中心領域、切歯端まで伸びる)、近心スコア(稜角と隣接する歯との間の可視領域、歯間乳頭、すなわち歯肉部位の開始部において終わる)、ならびに遠心スコア(稜角と隣接する歯との間の可視領域、歯間乳頭、すなわち歯肉部位の開始部において終わる)。
各区分を、以下の基準に基づいて、汚れの面積に関して点数化した:0=汚れが存在しない、天然歯色;1=細線の汚れ、非連続的であってもよい;2=太線または帯状の汚れ;および3=全領域を覆う汚れ。各区分を、以下の基準に基づいて、汚れの強度に関して点数化した:0=汚れなし;1=かすかな汚れ、細密な検査で見ることができる;2=中等度の汚れ、明らかに目に見え且つ美的には容認できない;および3=重度の黒ずんだ汚れ、明白で且つ美的には容認できない。個々の面積と強度の点数を乗じて且つそれを平均することにより、各対象に関する合計基部(proximal)汚れ点数を算出した。
【0040】
研究参加の前後において、対象の口腔軟組織健康状態を、歯科検査員により、歯科用光装置およびミラーを使用して口腔の目視検査により評価した。検査構造として、歯肉、硬口蓋および軟口蓋、中咽頭、頬および口唇の粘膜、舌、口底、ならびに唇が含まれた。任意の病変の部位、大きさ、および重症度、ならびに可能な場合は暫定診断を記録した。研究に続いて、検査員はまた、任意の異常性が処置に起因するかどうかも評価した。
対象は、研究過程では他の歯科用器具または口腔ケア製品を何も使用しなかった。
【0041】
試験錠剤を、口腔洗浄器(Water Pik、Fort Collins、CO)に挿入されたプロトタイプ先端部に入れた。対象は、製造業者の使用説明に基づいて、毎回1分間、5回まで口腔洗浄器を使用した。試験錠剤は、口腔洗浄器から対象の口中へ少なくとも下顎前部顔面上へ放出された水に溶解した。
口腔洗浄に続いて、歯科検査員は、汚れ面積、汚れ強度および口腔軟組織健康状態を再評価した。汚れデータを、修正型Lobene Stain指数を使用した、外因性汚れに関する平均点数として表3に示す。データ第1行は、少なくとも3分間の処置を完了した4対象の平均結果を示す。データ第2行は、5分間の処置を完了した2対象の平均結果を示す。
【0042】
軟組織に対する損傷は報告されないかまたは観察されなかった。
【表3】

結果は、例1の錠剤が、口腔洗浄器から対象の口中へ放出された水に溶解すると、歯および軟組織に対して安全であることを実証している。
結果は、外因性の歯の汚れが、合計2分間の錠剤/口腔洗浄器使用後に約27%、合計3分後に約37%、合計4分後に約54%、および合計5分後に約64%減少したことを実証している。
グリシンは水溶性アミノ酸であり、口腔洗浄器から放出された水に完全に溶解することが期待された。グリシンまたはその粒子の任意の歯の清掃効果は、流体流中でグリシンが運び去られた後に残存することは予期されなかった。
【0043】
(例2B)
口腔洗浄器中の錠剤による汚れ除去
例1の錠剤の、歯から汚れを除去する有効性を、以下の変化を伴い、例2Aに記載されるように試験した。
15人の対象を3研究群に無作為に割り付けた:口腔洗浄器を用いた錠剤、口腔洗浄器単独、および標準的歯ブラシを用いたブラッシング(口腔B指標35)。対象は、割り付けられた口腔衛生用プロトコルを2週間毎日実施した。
汚れデータを、修正型Lobene Stain指数を使用した、外因性汚れに関する平均点数として表4に示す。
【0044】
軟組織に対する損傷は報告されないかまたは観察されなかった。
【表4】

結果は、例1の錠剤が、口腔洗浄器から対象の口中へ放出された水に溶解すると、歯および軟組織に対して安全であることを実証している。
結果は、例1の錠剤が、2週間毎日の使用後に、標準的歯ブラシを用いたブラッシングより合計の汚れをかなり減少させたことを実証している。
グリシンは水溶性アミノ酸であり、口腔洗浄器から放出された水に完全に溶解することが期待された。グリシンまたはその粒子の任意の歯の清掃効果は、流体流中でグリシンが運び去られた後に残存することは予期されなかった。
【0045】
(例3)
象牙質の磨耗
例1の錠剤の象牙質に対する効果を、歯科用製品試験(Dental Product Testing)(Noblesville、IN)により以下の手順に基づいて研究した。
う歯を含まない、準備可能な象牙質の少なくとも3mm×5mm表面を有する萌出または未萌出のヒト永久歯を選択した。軟組織をこすり取ることにより除去し、歯を次亜塩素酸ナトリウムで少なくとも24時間滅菌し、次に好適な媒体(例えば、無菌の0.9%生理食塩水)に保管した。歯を、エナメル-セメント質接合部で、歯科用バーまたはディスクで切断し、歯根部分を象牙質検体に使用した。
検体を、試験装置に適する大きさの立方体の型(10mm×10mm×10mm)に乗せた。型は、歯科用印象に使用されるような可撓性物質で構成されていた。型をメタクリル酸メチルで満たし、検体を可能な限り水平に上に配置した。次にメタクリレートを硬化させた。
【0046】
硬化するとすぐに、象牙質が露出したブロックの表面を連続して削り、炭化ケイ素盤上で磨いた。検体ブロックの6面全てを、精密研磨用ホイール上で320グリッドの湿Al23ペーパーを用いて削った。検体を有する面を、象牙質がちょうど露出されるまで削った。次に、検体表面を、良好に磨かれるまで600および800グリッドの湿Al23を用いて磨いた。検体を、プロフィロメトリーにより決定されたRa(表面粗さ)が0.1μm未満になるまで、3μmおよび1μmのダイヤモンドスラリーを用いて手作業でさらに磨いた。
検体を、マイクロカリパスを使用して、立方体を各次元において左右横方向に測定することにより面平行とした。4回の測定値が100μm超で異なる場合は、満足のいく結果が得られるまで手磨きを繰り返した。
【0047】
面平行となるとすぐに、検体をプロフィロメータ(Mitutoyo Surftest SV-2000(Aurora、IL)または0.1μm未満の感度を備える同様の機器)上に置き、表面に均一に分散する5つのトレースを取った。検体のRaは0.1μm未満であり、最高点と最低点の間の差異は10μmを越えなかった。加えて、凹面または波状の輪郭はなかった。
円滑性および面平行性が確立されるとすぐに、検体を硬度マイクロテスター上に置き、検体のきわめて端部の4読み取り値を取り、検体のVicker硬度数(VHN)を決定した。象牙質は、30VHN~70VHNの範囲であった。
検体には、準備、摩耗、および測定手順の間は常に水分を供給した。
【0048】
各群において8検体を選択した。対照(歯ブラシ)群に関して、2片のPVCまたはポリエステルの接着性テープを、各検体上に互いに平行に置き、象牙質のウインドウをおよそ3~4mm幅に露出させた。そのようなテーピングにより、5mm検体の両側に0.5~1mmを残し、基準点として使用した。試験群に関して、最初のテープに対して垂直に置かれた付加的な2片のテープにより、象牙質のおよそ2mm×2mmウインドウが残された。露出した小表面により、先端部を取り外して洗浄器に研磨錠剤を再装填した後に、口腔洗浄器先端部を同一の領域に置くことが容易となった。
【0049】
8本のISO歯ブラシ(ISO 11609、Annex A:A.3.4:Toothbrushesに記載)を選択し、DI水に24時間浸した。ブラシを、V8クロスブラッシング機(ISO 11609、Annex A:A.3.2.1に記載)に取り付けた。ブラシを、任意の基材(歯科用基材に限定されない)を検体ホルダーに150gの圧力で保持しながら、20,000ストロークでブラッシングすることにより前処理した。
ブラシの前処理に続いて、対照群用に準備された8個の象牙質検体をブラッシング機に取り付けた。ブラシヘッドを、ブラシの毛の中央列が検体の中心になるように、検体上に一直線に並べた。ブラシが付けられたアームをその最高点まで動かし、往復運動中に最短点においてブラシの毛の最前列が検体から外れるように、ブラシヘッドを据え付けた。
【0050】
試験群用に、10%のグリセリン溶液中の0.5%のCMC(カルボキシメチルセルロースベースの人工唾液)である基準希釈剤を調製した(ISO 11609、Annex A:A.3.5に記載)。基準研磨剤スラリーを、50mlの0.5%基準希釈剤中に10gのピロリン酸カルシウムを混合することにより調製した(ISO 11609、Annex A:A.3.1 & A.3.6に記載)。
基準スラリーをよく混合して、確実に均一な懸濁液として、次にブラッシング機のヘッドに塗布した。歯ブラシの力は1.5N(150g)であり、合計ブラシ回数は5000ダブルストロークであった。処置後、70%エタノールを用いて検体から接着剤を除去し、検体を清掃した。ブラッシング機もまた実行の間によく清掃して、キャリーオーバを防いだ。
表面プロファイル測定値を、検体を水から取り出した後の15分以内に収集した。
試験群用に、口腔洗浄器(Water Pik、Fort Collins、CO)を歯ブラシの代わりに使用した。
検体をクレイ中のシザーリフト(scissor lift)の上に保持し、検体を安定させた。検体を、洗浄器からのスプレーが検体上にトラップされないように、クレイ上に配置した。全構成を深いシンクの底に置き、スプレー飛沫を捉えた。口腔洗浄器先端部をリングスタンドに固定し、先端部と象牙質の間の距離を隙間ゲージ(2mm)で測定することにより、洗浄器と検体の間の距離を維持した。
【0051】
錠剤を例1に基づいて調製し、1錠の錠剤を、洗浄器の流路に位置するように口腔洗浄器に挿入した。洗浄器の貯蔵器を水で満たした。洗浄器を最大出力およびフロスモードに設定した。先端部を、露出した象牙質ウインドウ上に配置した。口腔洗浄器を1プログラムサイクル(30秒実行、休止時間、18秒実行)で実行した。プロフィロメトリーデータを、48秒間の処置後に収集し(以下に記載)、これの6か月間の使用をシミュレーションした(これも以下に記載)。次にテープを再貼付し、検体をその研究位置に戻した。新しい錠剤を洗浄器に挿入し、貯蔵器を新しい水で満たした。先端部を、露出したウインドウ上の同じ位置に戻し、処置を合計7分12秒間(7×1分(30秒実行、休止時間、30秒実行)+12秒)繰り返し、これの5年間の使用をシミュレーションした。検体から接着剤を除去し、水でよくすすぎ、分析されるまで多湿環境に置いた。
【0052】
プロフィロメトリーデータを各検体の処置(テープ貼付)領域から収集した。予めテープ貼付した範囲のすぐ内側から、露出したウインドウをわたり、ちょうど反対側の予めテープ貼付した範囲へと、表面測定値を取った。プロフィロメトリーソフトウェアは、スキャン中の少なくとも100z値から平均値を算出した。露出した範囲に沿った異なる点からの5スキャンを取り、5読み取り値の平均値を算出した。1検体当たり5トレースの平均深さを決定した。次に、磨耗の平均深さを、群内の8つの個々の検体値から各群に関して決定した。
ブラッシングおよび口腔洗浄器の処置の比較性を以下の通りに決定した。口腔洗浄器先端部は、歯ぐきに沿って歯列弓当たり228mmの距離を、内側および外側の両方の表面を含め、直径1mmのスプレーでトレースした。合計の処置面積は、したがって、456mm2である。60秒間の処置時間を考えると、得られた曝露は0.132秒/mm2である。1日当たり2回の処置を1年あたり365日=任意の所与のmm2に関して1年当たり96秒。
【0053】
平均ブラッシング時間は、歯列弓当たり1分もしくは30秒、または四半部当たり15秒である。それぞれの口四半部は、5表面(臼歯の舌側、臼歯の咬合、臼歯の頬側、切歯の舌側、および切歯の頬側)を有する。四半部当たり15秒のブラッシングで、各表面は、約3秒のブラッシングを受ける。ブラッシング速度は、1秒当たり約5ストロークである。ブラシヘッドの長さに起因して、任意の所与の表面の中歯は15ストロークを受け得る。1日2回のブラッシング×1本の歯当たり15ストローク×1年当たり365日=1年当たり1本の歯当たり10950ストローク。
【0054】
標準的ブラッシング試験は、5000ストロークを使用し、これはおよそ6か月間のブラッシングに相当する(すなわち、1年当たり1本の歯当たり10950ストロークの1/2)。口腔洗浄器に関して、48秒は約6か月間の使用に相当する(すなわち、任意の所与のmm2に関して1年当たり96秒の1/2)。したがって、口腔洗浄器データは、6か月間のブラッシングに相当する48秒間の使用後、および5年間の1日2回のブラッシングに相当する8分間の使用後に収集された。
【0055】
結果を表5に示す。
【表5】
【0056】
表5の結果は、通常の歯ブラシを用いたブラッシングが、例1の溶解した錠剤を含有する流体流を適用するよりも、著しく多量の象牙質を磨耗することを実証している。シミュレーションした6か月間のブラッシング(5000ストローク)は、シミュレーションした6か月間の錠剤を伴う口腔洗浄器の使用(48秒)より、有意に(p<0.001)大きい象牙質損失を起こした。シミュレーションした6か月間のブラッシングは、シミュレーションした5年間の錠剤を伴う口腔洗浄器の使用(8分)より、有意に(p<0.001)大きい象牙質損失を起こした。
2つの錠剤群のstudent t-検定による比較は、有意な(p<0.001)差を明らかにしている。その差は、本錠剤処置からの用量応答を示唆している。
相対的象牙質摩耗性(Relative Dentine Abrasivity)(RDA)値を、プロフィロメトリー測定値から算出し、表6に示す。参照歯磨剤は、標準的ブラッシングモデルにおいて、RDA値100を有すると考える。標準的モデル(すなわち、口腔洗浄器の使用)からの偏差は、RDA値の算出および比較に影響を及ぼす可能性がある。
【表6】

表6のデータは、本開示の錠剤を伴う口腔洗浄器の使用は、標準的ブラッシングよりかなり低い摩耗性値を有することを実証している。
【0057】
(例4)
先端部からの錠剤の距離の効果
口腔洗浄器先端部(すなわち、ノズル)の末端からの距離の関数として、錠剤性能の有効性を調査した。1つの研究では、ノズルから放出された水(図2A)と、例1の錠剤と接触した後にノズルから放出された水とを、ノズルの末端から約3.5インチ(図2B)、約5インチ(図2C)、または約30インチ(図2D)において比較した。各処置に関して、水圧および水流出口と試験汚れの間の距離は同一であった。結果を図2A~2Dに示す。
【0058】
例1の錠剤(図2B~2D)は、錠剤とノズルの間の距離にかかわらず、歯からの汚れ除去において、水単独(図2A)より効果的であった。例1の錠剤は、錠剤とノズル末端の間の距離が約3.5インチ(図2B)~約5インチ(図2C)であるとき、歯からの汚れ除去において、ほぼ等しく効果的であった。錠剤とノズル末端の間の距離が約30インチ(図2D)に増加すると、汚れ除去有効性は、より短い距離(図2Bおよび2C)と比較すると減少した。
【0059】
結果は、所与の粒子径のグリシンが、ノズルからの所与の距離において効果的であり、ノズルからの距離が増加するにつれて、有効性が減少したことを実証している。流体流動速度が一定のままである場合、錠剤とノズルの間の距離が増加するにつれて、錠剤粒子(グリシンなど)と流体の間の曝露時間が増加する。曝露の増加により、運ばれた粒子径が低減され得て、その結果、利用者は残留した固い粒子を口中にまたは周囲の表面上(顔または浴室カウンターなど)に感じなくなる。
【0060】
様々な実施形態を、ある程度の特定性を伴うか、または1つもしくは複数の個々の実施形態を参照して上述してきたが、当業者は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、本開示の実施形態に対して多くの変更を加えることができる。したがって、他の実施形態が意図される。上の記載に含まれる全ての事項は、特定の実施形態を単に例示するものであり、限定するものではない。本明細書に記載される基本的要素から逸脱することなく、詳細または構造に変化を加えることができる。
図1
図2