(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】センサとその製造方法
(51)【国際特許分類】
G01L 1/14 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G01L1/14 J
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020056917
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2023-03-06
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510275024
【氏名又は名称】ピコサン オーワイ
【氏名又は名称原語表記】PICOSUN OY
【住所又は居所原語表記】Tietotie 3, FI-02150 Espoo, Finland
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】プダス マルコ
(72)【発明者】
【氏名】キヴィオヤ ヤニ
(72)【発明者】
【氏名】オクサラ ニク
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03082022(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0354174(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0235456(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0304341(US,A1)
【文献】T.J.Plum etal,Design of a MEMS Capacitive Chemical Sensor Based on Polymer Swelling,2006 IEEE WORKSHOP ON MICROELECTRONICS AND ELECTRON DEVICES,2006年08月28日,49-50,DOI:10.1109/WMED.2006.1678304,[検索日:2024年4月1日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/00-1/26
G01B 7/00-7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に取り付けられる、または堆積される第1導電性原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)層と、
前記第1ALD層上の、可撓性または圧縮可能電気絶縁性分子層堆積(Molecular Layer Deposition:MLD)層と、
前記MLD層上の第2導電性ALD層と、
を備え、歪みを示す情報を提供する回路を形成する、歪みセンサデバイス。
【請求項2】
インプラント可能装置である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記歪みを示す情報を提供するアンテナを備える、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記基板は生分解性である、請求項1から3のいずれかに記載のデバイス。
【請求項5】
生分解性である、請求項1から4のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
前記基板は、生分解性ねじまたは釘である、請求項1から5のいずれかに記載のデバイス。
【請求項7】
前記歪みを示す情報を提供するRCまたはRLD回路を備える、請求項1から6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
前記デバイスは、無線周波数により、外部読み取り可能な前記歪みを示す情報を提供するように構成される、請求項1から7のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
歪みセンサデバイスを製造する方法であって、
インプラント可能基板を設けることと、
分子層堆積(Molecular Layer Deposition:MLD)層の両側に導電層を備えるコンデンサ構造を堆積することと、
歪みを示す情報を提供するように構成された、前記コンデンサ構造を備える回路を提供することと、
を含む方法であって、前記MLD層と、前記デバイスとはともに生分解性である
、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、センサおよびその製造方法に関する。
【背景】
【0002】
本項は、有用な背景情報を示すが、本書に記載されたいかなる技術も先行技術を示すものであると認めるものではない。
【0003】
高価な撮像を伴わずに、埋め込み装置の性能を取得するため、人体から歪み情報を得ることは、医療用において有用となる。このような用途の例として、管状のメッシュ状ステントが挙げられる。これは、管内の流れを維持するため、さらに管からの流体の漏洩を維持するための布に覆われても、覆われなくてもよい。さらなる例として、心血管疾患治療用の人工弁、泌尿器科および胃腸科、骨折治療用にプレートを固定するために使用されるねじや釘、またはその他症状における骨の構造の固定(骨接合)が挙げられる。最大の課題は、挿入後にステントを開き続け、閉塞されない流れを可能な限り長く可能とすることである。しかし、ステントの挿入は、炎症反応を生じ、その組織修復反応によって再狭窄を生じ、最終的にステントを取り付けた領域の閉塞を生じる場合がある。再狭窄につながる最大の要因は、ステントや、ステントを取り付けた領域のねじれまたは過度な歪みである。これにより、ステント壁にストレスがかかり、最終的にステントの機械的完全性が失われるのである。ステントの歪みを監視する手段により、ステントの完全性を監視し、異常を検出し、ステント故障前に対処できる。整形外科用ねじや釘の場合、患者の回復時に、生体力学的負荷を監視可能とする必要がある。負荷がかかるのが早すぎると、骨接合が上手くいかず、コストのかかる再手術となる場合がある。骨接合は、骨が完全に回復するまで、固めておく必要がある。整形外科用ねじや釘の歪みを監視する手段によって、修復領域に対する適切な機械的負荷が監視可能となり、最大限の安全性で、患者の回復が制御できる。
【摘要】
【0004】
本発明の特定の実施形態は、人体から歪み情報を取得することを目的とする。
【0005】
本発明の第1の例示的態様によると、添付の請求項1に規定された歪みセンサデバイスが提供される。
【0006】
第1態様のバリエーションは、従属請求項に規定されている。
【0007】
本発明の第2の例示的態様によると、添付の請求項10に規定された歪みセンサデバイスを製造する方法が提供される。
【0008】
本発明のさらなる例示的態様によると、歪みセンサが提供される。この歪みセンサは、
第1層と、
前記第1層上の、可撓性または圧縮可能分子層堆積(Molecular Layer Deposition:MLD)層と、
前記MLD層上の第2層と、
を備える。
【0009】
本発明の実施形態は、例えば、インプラント可能・生分解性部品に使用されてもよい。
【0010】
特定の実施形態では、前記第1および第2層は導電性である、または導電体である(または電極を形成する)。
【0011】
特定の実施形態では、前記可撓性MLD層は電気絶縁性である。
【0012】
特定の実施形態では、前記第1層および第2層は原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)層である。ALDに代えて、前記第1および第2層は、別の方法を用いて製造されてもよい。
【0013】
特定の実施形態では、前記可撓性層の変形が、ALDにより形成されうる導電層(電極)間で測定される容量に影響する領域が形成されるように、前記3層の全ては、少なくとも一部が重なっている。
【0014】
特定の実施形態では、分子層堆積によって形成された、コンデンサの変形可能誘電体が設けられる。
【0015】
特定の実施形態では、第1原子層堆積層は生分解性ねじ(例えば、骨ねじ)または釘等の生分解性基板に堆積される、またはこれに取り付けられる。別の実施形態では、基板は生分解性ではない。
【0016】
特定の実施形態では、MLD層は生分解性である。別の実施形態では、MLD層は生分解性ではない。特定の実施形態では、第1層および第2層はそれぞれ生分解性である。別の実施形態では、第1層および第2層はそれぞれ生分解性ではない。
【0017】
特定の実施形態では、歪みセンサは、歪みを示す情報を提供する回路を備える。歪みは、圧縮または所定方向またはその他任意の方向への力を示しうる。
【0018】
本発明の別の実施形態によると、前述の歪みセンサの態様またはその任意の実施形態の歪みセンサを備える基板が設けられる。
【0019】
本発明の別の態様によると、センサが提供される。このセンサは、
2つの導電層の間に、分子層堆積(MLD)層を備え、
前記導電層の少なくとも1つが、材料が前記MLD層を押し通って前記MLD層に吸収されるための少なくとも1つの孔を有する。
【0020】
特定の実施形態では、MLD層に吸着される材料は、容量、またはコンデンサ構造のその他任意の電気特性を変化させる。
【0021】
本発明の別の態様によると、歪みセンサを製造する方法が提供される。この方法は、
MLD層の両側に、導電層を備えるコンデンサ構造を堆積することと、
歪みを示す情報を提供するように構成された、前記コンデンサ構造を備える回路を提供することと、
を含む。
【0022】
本発明の別の態様によると、分子層堆積(MLD)層を、検出回路構成における変形可能コンデンサ層として使用することが提供される。
【0023】
本発明のさらに別の態様によると、歪みセンサの製造方法が提供される。この方法は、
基板上に第1原子層堆積層を堆積することと、
前記第1原子層堆積層上に可撓性分子層堆積層を堆積することと、
前記分子層堆積層上に第2原子層堆積層を堆積することと、
歪みを示す情報を提供するように構成された、形成された構造に回路を取り付けることと、
を含む。
【0024】
特定の実施形態では、前記形成された構造はコンデンサ構造である。
【0025】
特定の実施形態では、前記形成された構造は、少なくとも一部が抵抗器構造である。
【0026】
本発明のさらに別の態様によると、分子層堆積(Molecular Layer Deposition:MLD)層を、検出回路構成における変形可能コンデンサ層として使用することが提供される。
【0027】
ここまで、本発明を限定しない様々な例示的態様および実施形態を例示してきた。上記の実施形態および下記の実施形態は、本発明の実施に利用されうる選択された態様またはステップを説明するためにのみ使用される。対応する実施形態は他の例示的態様にも適用できることを理解されるべきである。これら実施形態は、任意かつ適切に組み合わされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
ここで添付の図面を参照して、単なる例として本発明を説明する。
【
図1】
図1は、特定の実施形態に係る歪みセンサ構造を示す。
【
図3】
図3は、特定の実施形態に係る検出回路を示す。
【
図4】
図4は、さらなる実施形態に係る別のセンサ構造を示す。
【詳細説明】
【0029】
原子層堆積(ALD)の成長メカニズムの基礎は、当業者に知られている。ALDは、少なくとも1つの基板に対して、少なくとも2つの反応性前駆体種を順次導入することに基づく特殊な化学的堆積方法である。ただし、例えばフォトンエンハンストALDまたはプラズマアシストALD(例えばプラズマエンハンスト原子層堆積(Plasma Enhanced Atomic Layer Deposition:PEALD))を使用する場合、これら反応性前駆体の内の1つをエネルギーに置き換え可能であり、これにより単一前駆体ALDプロセスをもたらすことを理解されたい。例えば、金属のような純元素の堆積の場合、前駆体は1つのみでよい。酸化物のような二成分化合物も、堆積する2材料のいずれの元素も含む前駆体化学物質であれば、その前駆体化学物質1つで生成可能である。ALDによって成長した薄膜は、緻密でピンホールがなく、均一な厚さを有する。
【0030】
これにより、逐次的自己飽和表面反応によって基板表面に材料を堆積するために、少なくとも1つの基板が、典型的に、反応容器中で時間的に分離された前駆体パルスに曝露される。本出願の文脈では、ALDという用語は、全ての適用可能なALDによる技術と、そのあらゆる等価な、または関連性の高い技術を包含する。この例として、プラズマアシストALD(例えばPEALD)、フォトンエンハンスト原子層堆積(光ALDまたはフラッシュエンハンストALDとも知られる)等のALDのサブタイプが挙げられる。
【0031】
基本的なALD堆積サイクルとして、パルスA、パージA、パルスB、パージBという4つのステップが順次実行される。パルスAは、第1前駆体蒸気で構成され、パルスBは別の前駆体蒸気で構成される。パージAおよびパージB期間中に、ガス状の反応副産物と残留反応物分子とを反応空間からパージするために、不活性ガスと真空ポンプとが典型的に用いられる。1つの堆積シーケンスは、少なくとも1つの堆積サイクルを含む。堆積シーケンスによって所望の厚さの薄膜すなわちコーティングが生成されるまで、堆積サイクルが繰り返される。ただし、堆積サイクルはより簡潔なもの、またはより複雑なものにすることもできる。例えば、これらのサイクルは、パージ工程を間に挟んで、3つ以上の反応蒸気パルスを含んでもよいし、あるいは特定のパージ工程は省略可能である。一方、光エンハンストALDは、活性前駆体を1つのみにする等、様々な選択肢があり、パージについても多様な選択肢がある。これらの堆積サイクルの全てによって、論理演算装置またはマイクロプロセッサによって制御される時限式堆積シーケンスが形成される。
【0032】
MLD(Molecular layer Deposition)(分子層堆積)は、(ALDと同様に)逐次的自己飽和表面反応によって基板表面に材料を堆積する堆積技術である。ただし、MLDの場合、ポリマー鎖(例えば有機ポリマー鎖)等の複数の原子層が、1サイクルで堆積される。
【0033】
図1は、基板110上に製造された歪みセンサ構造100を示す。この構造は、基板110上にALDによって堆積された第1ALD層101と、第1ALD層101上にMLDによって堆積された可撓性MLD層102と、MLD層102上にALDによって堆積された第2ALD層103とを備える。
【0034】
第1ALD層101および第2ALD層103は、導電体(Al2O3、In2O3、Ru、Ptおよび/またはこれらの組合せによりドーピングされたZnO)である。可撓性MLD層102は、誘電性材料、すなわち電気絶縁性材料(アルコーン(alucone)フィルム、チタニコーン(titanicone)、またはジンコーン(zincone)等)製である。したがって、構造100は、コンデンサ、すなわちALD-MLD-ALDコンデンサである。特定の実施形態では、機械的力または化学吸収により影響される、またはその可能性がある、(可変)抵抗値を有するコンデンサ、すなわちALD-MLD-ALDコンデンサである。誘電性材料の別の例として、Nb2O5が挙げられる。
【0035】
特定の実施形態では、層101から103のそれぞれと、基板110は生分解性である(しかし、別の実施形態では生分解性ではない、またはこれらの少なくとも一部が生分解性ではない)。可撓性MLD層102は、圧力がかかると縮み(圧縮され)、圧力から解放されると広がる。コンデンサ構造の容量は変化し、この変化は外部からの無線周波数信号によって検出可能である。例えば、外部から読み取り可能な(または反射電力が測定される)LC回路またはRLC回路が形成されてもよい。容量の変化によって、回路構成の反応が変化する。容量の変化に基づいて、例えば、骨ねじ、釘、またはステントのような(コーティングされた)基板の歪み(または圧縮)を把握できる。この容量変化は、(1つまたは複数の)コンデンサ誘電性材料に固有の各種手段により生じさせることができる。
【0036】
図2は、
図1のセンサ構造の概略的斜視図を示す。
図2は、2つの導電層(導電体1および導電体2)の間の可撓性MLD層を示す。これらの導電層は、ALD、または別の方法により形成されている。これら3層の全ては、少なくとも一部は重なっている。これにより、前記可撓性層の変形が、電極(導電層)間で測定される容量に影響する領域が形成される。導電層には、
図2に矢印で示す導電体(導線またはその他の電気経路)が設けられてもよい。
【0037】
図3は、特定の実施形態に係る検出回路を示す。検出回路は、取付抵抗器(導電体1に取り付けられる)と、アンテナ(導電体2および抵抗器に取り付けられる)とを有するコンデンサ構造(導電体1+MLD層+導電体2)を備える。このようにして、検出回路が設けられる。アンテナは、誘導要素(例えば、インダクタ)であってもよく、その場合、回路はRLC回路となる。回路は外部から読み取られる(または反射電力が測定される)。容量の変化に基づいて、例えば、骨ねじ、釘、またはステントのような(コーティングされた)基板の歪みを把握できる。抵抗器はALDにより形成されてもよい。
【0038】
図4は、さらなる実施形態に係る別のセンサ構造を示す。
図4に示す構造は、
図2の構造に対応するが、導電層の1つが(1つまたは複数の)孔または(1つまたは複数の)開口を有する点が異なる。当該孔または開口を通って、分子やイオンがMLD層に入り込んで、これに吸収可能であり、これによって、コンデンサの容量や、導電性等の電気的特性を変化させる(別の実施形態では、導電層の前記1つが同様の効果を有する多孔性である)。このようすることで、構造を例えばイオン検出器として使用可能となる。RLC回路は、例えば
図3と同様に形成可能である。
【0039】
特定の実施形態をまとめると、これらの実施形態では、(可変)コンデンサまたは可変抵抗器の誘電性層として使用されるMLD層が提供される。MLD層が可撓性であることにより、この層に誘発または印加された圧力または圧縮等の歪みによってコンデンサ(および/または抵抗特性)が調整可能となる。特定の実施形態では、MLD層は生分解性である。MLD層は、アルコーン、チタニコーン、およびジンコーン等であるが、これらに限定されないMLD材料製であってもよい。前記MLD層の性能および特性は、その他のALD層およびMLD層またはALDパルスでドーピングすることで変更できる。
【0040】
インプラントが導電性であれば、インプラントそのものが機能し、アンテナとして接続可能となる。
【0041】
特定の実施形態では、コンデンサを形成するために、MLD層は導電性材料でコーティングされる。MLD層の両側の導電性材料は、例えばAl2O3+ZnO等の導電性生分解性材料のような公知の処理で形成可能である。その抵抗値は、前記材料間の比により調整可能である。さらに、導電体を生成するために、その他多様な材料および堆積処理が利用可能である。ただし、厚さを最小にし、使用される環境に対する影響を最小限に留めるために、薄膜であることが好ましい。
【0042】
さらに、MLD層は、選択された厚さを有する、ALDによって堆積されたAl2O3等の電気絶縁性層でコーティングされてもよい。
【0043】
コンデンサは、各種無線通信ソリューションにおいて公知のRC回路またはRLC回路の一部として使用できる。
【0044】
RCまたはRLC回路の抵抗器を、ALDによって生分解性材料を用いて形成可能である。
【0045】
RCまたはRLC回路構成のアンテナが存在する場合、このアンテナをALDによって生分解性材料を用いて形成可能である。
【0046】
回路(または回路構成)は、RC回路構成に内部電流を発生させるのに十分なRF励起を起こすアンテナ等の外部手段により読み取られる。この電流は、外部負荷によって厚さを減らす圧縮等により変形する、MLDによって形成されたコンデンサの容量Cの変化に左右される。さらに、回路構成の挙動の変化を外部手段により測定することで、例えば掛かった力を示す値を取得してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、完成したアセンブリを少なくとも部分的に、ALDや類似の方法で形成した非生分解性層(SiO/HfO積層体等)によって、またはセンサ構造よりも生分解にかかる時間が大幅に長い層によって、コーティング可能である。
【0048】
特定の実施形態では、容量および/または抵抗値が、MLD層内への分子またはイオンの吸収度により変化する。この吸収は、周辺(または隣接)層により可能となる。周辺層(ALDで形成してもよい)は、透過性検出可能材料であってもよいし、上述のように材料を透過させる孔を有するようにパターニングされてもよい。この透過は、イオン交換によるものであってもよい。上述の開口は、さらに、吸収種の透過を左右する材料でコーティング可能である。
【0049】
特定の実施形態により得られる利点として、使用されるバイオインプラントを、これに誘発される力の測定に用いることができるが、その形状は限定されないことが挙げられる。さらに、場合によっては、例えばバイオインプラントねじが分解性であってもよく、さらに埋め込まれたセンサも分解されると有利である。
【0050】
特許請求項の範囲や解釈はなんら限定されることなく、本明細書に開示された1つまたは複数の例示的実施形態の技術的効果を以下に挙げる。1つの技術的効果として、人体から歪み情報を取得することが挙げられる。
【0051】
前述の説明では、本発明の特定の実施や実施形態の非制限的な例として、発明者らによって現在検討される本発明を実施するための最良の方法の完全かつ有益な説明を行った。ただし、当該技術分野の当業者であれば、本発明が上記実施形態の詳細に限定されず、別の実施形態では本発明の特徴から逸脱することなく均等の手段を用いて実施可能であることが理解されよう。
【0052】
さらに、本発明の上記実施形態の特徴の一部は、これに対応して他の特徴を用いることなく、有利に利用されてもよい。よって、前述の説明は、本発明の原則を制限するものではなく、単に例示するものととらえるべきである。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。