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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H04M11/00 301
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020118223
(22)【出願日】2020-07-09
(65)【公開番号】P2022015403
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】風巻 貴
(72)【発明者】
【氏名】森内 大輔
(72)【発明者】
【氏名】西田 高史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩司
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/003010(WO,A1)
【文献】特開2015-069297(JP,A)
【文献】特開2016-039575(JP,A)
【文献】特開2016-4407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
G06F 13/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電気機器と通信可能であり、前記第1の電気機器を制御するための第1のサーバと、
前記第1の電気機器とは異なる種類、かつ前記第1の電気機器と同じ施設に設けられた第2の電気機器と通信可能であり、前記第2の電気機器を制御するための第2のサーバと、
前記第1のサーバと通信可能な通信端末と、を備え、
前記第1のサーバは、前記第2の電気機器との直接的な通信が不可であり、かつ前記第2のサーバと通信可能であり、前記第1の電気機器の情報と、前記第2のサーバから取得した前記第2の電気機器の情報と、を前記通信端末に表示させる、ネットワークシステム。
【請求項2】
第3の電気機器と通信可能であり、前記第3の電気機器を制御するための第3のサーバをさらに備え、
前記第2のサーバは、前記第3のサーバにも、前記第2の電気機器の情報を提供する、請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
第4の電気機器と通信可能であり、前記第4の電気機器を制御するための第4のサーバをさらに備え、
前記第1のサーバは、前記第4のサーバから前記第4の電気機器の情報を取得して前記通信端末に表示させる、請求項1または2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記第2のサーバは、前記第2の電気機器と通信して前記第2の電気機器の情報を記憶しておき、
前記第1のサーバは、リアルタイムで前記第1の電気機器の情報を前記通信端末に表示させつつ、前記第2のサーバから前記既に記憶している前記第2の電気機器の情報を取得して前記通信端末に提供する、請求項1から3のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記第2のサーバは、前記第2の電気機器と通信して前記第2の電気機器の情報を記憶しておき、
前記第1のサーバは、前記第2のサーバから前記既に記憶している前記第2の電気機器の情報を取得して前記通信端末に提供しつつ、前記通信端末が前記第2の電気機器に対する操作命令を入力するための画面を表示する際に、前記第2のサーバを介して前記第2の電気機器から最新の情報を取得し直して前記通信端末に提供する、請求項1から3のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記第1のサーバは、前記通信端末から一括ON命令または一括OFF命令を受け付けて、前記第2のサーバに一括ON命令または一括OFF命令を送信し、
前記第2のサーバは、前記第1のサーバからの一括ON命令または一括OFF命令に応じて、前記第1のサーバに対応する複数の前記第2の電気機器を一括でONまたはOFFする、請求項1から5のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
前記第1のサーバは、前記第1のサーバに記憶されている個人情報と、前記第2のサーバから取得した前記第2の電気機器の情報と、をあわせて表示する、請求項1から6のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して電気機器の情報を取得したり表示したりするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介して電気機器から各種の情報を取得する技術が知られている。たとえば、国際公開第2017/163308号パンフレット(特許文献1)には、複数の制御対象機器が接続された第1のネットワーク及び少なくとも1つの外部端末が接続された第2のネットワークに接続された制御装置であって、前記複数の制御対象機器の各々は、前記制御装置によって制御される第1の制御対象又は前記少なくとも一つの外部端末によって制御される第2の制御対象となっており、前記第1のネットワークから、前記第1のネットワーク用の第1のフォーマットで構成されている第1のデータを受信する第1の通信部と、前記第1のデータを、前記第2のネットワーク用の第2のフォーマットで構成されている第2のデータに変換する変換部と、前記第2のネットワークに前記第2のデータを送信する第2の通信部と、前記複数の制御対象機器の少なくとも一つの運転状態を管理する運転管理部と、を備え、前記第1のデータの送信元が前記第1の制御対象である場合には、前記運転管理部は、前記第1のデータに基づいて、当該送信元の運転状態を管理し、前記第1のデータの送信元が前記第2の制御対象である場合には、前記変換部は、前記第1のデータを前記第2のデータに変換し、前記第2の通信部は、当該変換後の第2のデータを、前記送信元を前記第2の制御対象として制御している外部端末に送信することを特徴とする制御装置が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/163308号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、より効率的に、ネットワークを介して電気機器の情報を取得したり表示したりするための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のある態様に従うと、第1の電気機器を制御するための第1のサーバと、第2の電気機器を制御するための第2のサーバと、通信端末と、を備えるネットワークシステムが提供される。第1のサーバは、第1の電気機器の情報と、第2のサーバから取得した第2の電気機器の情報と、を通信端末に表示させる。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、この発明によれば、より効率的に、ネットワークを介して電気機器の情報を取得したり表示したりするための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態にかかるネットワークシステムの全体構成を示すイメージ図である。
図2】第1の実施の形態にかかる通信端末の画面を示すイメージ図である。
図3】第1の実施の形態にかかるサーバの構成を表わすブロック図である。
図4】第1の実施の形態にかかる施設情報データを示すイメージ図である。
図5】第1の実施の形態にかかる第1のサーバの情報処理を示すフローチャートである。
図6】第1の実施の形態にかかる機器情報データを示すイメージ図である。
図7】第1の実施の形態にかかる第2のサーバの情報処理を示すフローチャートである。
図8】第1の実施の形態にかかる電気機器の構成を表わすブロック図である。
図9】第1の実施の形態にかかる通信端末の構成を表わすブロック図である。
図10】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1のユースケースを説明する図である。
図11】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1のユースケースを説明する図である。
図12】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1のユースケースを説明する図である。
図13】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1のユースケースを説明する図である。
図14】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1のユースケースを説明する図である。
図15】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1のユースケースを説明する図である。
図16】第2の実施の形態にかかるネットワークシステムの全体構成を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<ネットワークシステム1の全体構成>
【0009】
まず、図1を参照して本実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成について説明する。本実施の形態にかかるネットワークシステム1は、主に、第1のサーバ100Aと、第2のサーバ100Bと、第1の電気機器200Aと、複数の第2の電気機器200Bと、通信端末300A,300Bと、を含む。
【0010】
第1のサーバ100Aは、各種の施設で利用される。複数の施設の各々に第1のサーバ100Aが準備されることが好ましい。第1のサーバ100Aの各々は、施設の内部に載置されてもよいし、施設の外部に配置されてもよい。第1のサーバ100Aは、施設内の各部屋に配置されるインターホンや、リクライニングベッドや、部屋の温度計や、部屋にいる患者や客などの生体情報を取得するための各種のセンサや、ライトや、シャワーや、トイレ設備や、床暖房などの複数の第1の電気機器200Aに接続される。なお、本実施の形態においては、高齢者の介護施設で利用される第1のサーバ100Aについて説明する。
【0011】
第2のサーバ100Bは、たとえばクラウド上の複数のデータベースや演算装置や通信装置などから構成される。第2のサーバ100Bは、インターネットやキャリア網などの各種のネットワークを介して、エアコンや、空気清浄機や、テレビなどの複数の第2の電気機器200Bに接続される。本実施の形態においては、第2のサーバ100Bは、第1のサーバ100Aに接続される。
【0012】
なお、第1および第2の電気機器200A,200Bは、エアコン、空気清浄機、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、空気清浄器、加湿器、除湿器、自動調理鍋、炊飯器、照明、掃除機などの家電、テレビ、パーソナルコンピュータ、ハードディスクレコーダ、プロジェクタ、音楽プレーヤー、ゲーム機、スピーカなどのAV(オーディオ・ビジュアル)機器、太陽光発電システム、蓄電池システム、給湯システム、床暖房などのHEMS設備、組み込み照明、インターホン、電気錠、給湯器、温水洗浄便座コントローラなどの住宅設備、などであってもよい。
【0013】
なお、第1の電気機器200Aと第2の電気機器200Bとは、同じ種類の機器であってもよいし、別の種類の機器であってもよい。
【0014】
通信端末300は、第1のサーバ100Aに接続可能であって、パーソナルコンピュータやスマートフォンやタブレットやゲーム機やスピーカやウェアラブル端末などによって実現される。
<ネットワークシステム1の動作概要>
【0015】
次に、図1を参照して本実施の形態にかかるネットワークシステム1の動作概要について説明する。本実施の形態にかかるネットワークシステム1に関しては、まず、第1のサーバ100Aが、定期的に、第1の電気機器200Aの各種の情報を取得している。もしくは、電子機器200Aがサーバ100Aに情報を送信する。また、第2のサーバ100Bが、インターネットなどを介して、第2の電気機器200Bの各種の情報を取得している。そして、図2に示すように、第1のサーバ100Aが、施設内の第1の電気機器200Aの各種の情報を取得して、通信端末300に表示させる。また、第1のサーバ100Aは、第2のサーバ100Bから第2の電気機器200Bの各種の情報を取得して、図2に示すように、第2の電気機器200Bの情報も、通信端末300に表示させる。なお、第1のサーバ100Aは、第1の電気機器200Aと第2の電気機器200Bと第2サーバ100Bの施設の入居者等の情報とを組み合わせた画面を通信端末300に表示させることが好ましい。
【0016】
これによって、通信端末300は、施設の第1のサーバ100Aが直接的に取得できる第1の電気機器200Aの情報と、第1のサーバ100Aが直接的に取得できない第2の電気機器200Bの情報とを共に提示することができる。以下、このような機能を実現するためのネットワークシステム1の具体的な構成について詳述する。
<第1のサーバ100Aの構成>
【0017】
まず、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成する第1のサーバ100Aの構成の一態様について説明する。図3を参照して、第1のサーバ100Aは、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、操作部140と、通信インターフェイス160とを含む。
【0018】
CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することによって、第1のサーバ100Aの各部を制御する。たとえば、CPU110は、メモリ120に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する各種の処理を実行する。
【0019】
メモリ120は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read‐Only Memory)などによって実現され、第1のサーバ100Aに内包されているものであってもよいし、第1のサーバ100Aの各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、第1のサーバ100Aからアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行されるプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、その他の本実施の形態にかかるサービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
【0020】
たとえば、メモリ120は、図4に示すような、施設情報データを記憶する。施設情報データは、施設IDと、センサ情報と、本体情報と、入居者情報と、個人情報と、施設の自社システムの情報と、他のセンサの情報と、他のシステムの情報などを格納する。
【0021】
施設IDは、施設・業者を特定するための識別情報であって、第2のサーバ100Bにアクセスするときに使用する。
【0022】
センサ情報は、履歴として保管されるデータであって、定期的、もしくは任意のタイミングで、第2のサーバ100Bから取得した各種センサの情報である。
【0023】
本体情報は、履歴として保管されるデータであって、定期的に第2のサーバ100Bから取得される、第2の電気機器200Bの運転状態や操作内容の情報である。
【0024】
入居者個人情報は、通信端末300の画面に表示するための情報である。なお、この情報は、第2のサーバ100Bには提供しない。
【0025】
自社システムの情報は、第1のサーバ100Aが管理する自社製のコールシステムを動作させるための情報を含む。
【0026】
他のセンサの情報は、第1のサーバ100Aが管理する他社製の各種センサの読み取り情報を含む。たとえば、ベッドに関する情報や、人の動きの情報や、ドア開閉の情報や、照明の情報や、照度の情報などを含む。
【0027】
他のシステムの情報は、インターネットを介して第1のサーバ100Aに接続される他社のシステムから取得される情報を含む。たとえば、天気の情報や、所在地の情報や、時期の情報や、外気温の情報などを含む。
【0028】
操作部140は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をCPU110に入力する。
【0029】
通信インターフェイス160は、CPU110からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して、電気機器200A,200Bや通信端末300やサーバなどの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して他の装置からのデータを受信して、CPU110に受け渡す。
<第1のサーバ100Aの情報処理>
【0030】
次に、図5を参照して、第1のサーバ100Aにおける情報処理について説明する。本実施の形態にかかる第1のサーバ100AのCPU110は、メモリ120のプログラムに従って、以下の処理を実行する。
【0031】
まず、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、通信端末300の施設の管理ユーザの認証を行う(ステップS102)。
【0032】
CPU110は、施設情報データを参照して、入居者個人情報や、施設の自社システムの情報や、他のセンサの情報や、他のシステムの情報などを読み出す(ステップS104)。
【0033】
CPU110は、施設情報データを参照して、既に第2のサーバ100Bから取得しているセンサ情報や、本体情報などを読み出す(ステップS106)。
【0034】
CPU110は、入居者個人情報と、自社システムの情報と、センサ情報や、本体情報や、他のセンサの情報や、他のシステムの情報などを合成することによって画面表示データを作成する(ステップS108)。
【0035】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して、通信端末300に画面表示データを表示させる(ステップS110)。
【0036】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して通信端末300から、いずれかの第2の電気機器200Bの操作命令の入力を開始するための命令を受け付けると(ステップS112)、すなわち操作画面を表示するために、第2のサーバ100Bに、選択された第2の電気機器200Bに関する最新の情報を要求する(ステップS114)。
【0037】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して第2のサーバ100Bから選択された第2の電気機器200Bに関する最新の情報を取得すると(ステップS116)、通信端末300に、選択された第2の電気機器200Bに関する最新の情報を含む操作画面のデータを送信する(ステップS118)。これによって、通信端末300は、選択された第2の電気機器200Bに関する最新の情報を含む第2の電気機器200Bの操作画面を表示することができる。
【0038】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して通信端末300から、選択された第2の電気機器200Bに対する操作命令を受け付けると(ステップS120)、通信インターフェイス160を介して第2のサーバ100Bに、選択された第2の電気機器200Bに対する操作命令を送信する(ステップS122)。
【0039】
なお、CPU110は、通信インターフェイス160を介して通信端末300から、全ての第2の電気機器200Bの操作命令を受け付けると(ステップS120)、通信インターフェイス160を介して第2のサーバ100Bに全ての第2の電気機器200Bに対する操作命令を送信する(ステップS122)。
<第2のサーバ100Bの構成>
【0040】
次に、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成する第2のサーバ100Bの構成の一態様について説明する。ただし、第2のサーバ100Bの基本的な構成は、図3に示す第1のサーバ100Aと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。以下では、第1のサーバ100Aと異なる蓄積データや情報処理について説明する。
【0041】
第2のサーバ100Bのメモリ120は、図6に示すような、機器情報データを記憶する。機器情報データは、施設IDのリストと、施設IDと機器IDとの対応関係と、センサ情報と、本体情報などを格納する。
【0042】
なお、施設IDのリストは、第1のサーバ100Aがアクセスしてくるときに第1のサーバ100Aのユーザとしての施設を識別するための情報のリストを含む。
【0043】
施設IDと機器IDとの対応関係は、各施設に紐づけられる第2の電気機器200Bを特定するための情報を含む。第2のサーバ100Bは、この対応関係に基づいて、施設毎の対象の第2の電気機器200Bを特定する。
【0044】
センサ情報は、キャッシュデータとして、定期的もしくは第1のサーバ100Aのシステムの指示によって、複数の第2の電気機器200Bから取得した各センサの測定値を一時的に記憶するものである。より詳細には、センサ情報は、第2のサーバ100Bが、定期的に、または任意のタイミングで、取得した第2の電気機器200Bのセンサの値を、第1のサーバ100Aに定期的または任意のタイミングで提供するものである。
【0045】
本体情報は、キャッシュデータとして、定期的もしくは第1のサーバ100Aのシステムの指示によって、複数の第2の電気機器200Bから取得した運転状態や操作命令などを一時的に記憶するものである。
<第2のサーバ100Bの情報処理>
【0046】
次に、図7を参照して、第2のサーバ100Bにおける情報処理について説明する。本実施の形態にかかる第2のサーバ100BのCPU110は、メモリ120のプログラムに従って、以下の処理を実行する。
【0047】
まず、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、第1のサーバ100Aの施設に関する認証を行う(ステップS152)。
【0048】
CPU110は、第1のサーバ100Aから操作に関する要求を受けたか否かを判断する(ステップS154)。
【0049】
操作に関する要求を受けた場合(ステップS154にてYESである場合)、CPU110は、第1のサーバ100Aからのデータから操作対象である第2の電気機器200Bを特定する(ステップS156)。
【0050】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して、当該操作対象である第2の電気機器200Bに最新の運転状態や各種センサの測定値を要求する(ステップS158)。
【0051】
CPU110は、第2の電気機器200Bから最新の運転状態や各種センサの測定値を取得すると(ステップS160)、機器情報データの該当データを更新する(ステップS162)。
【0052】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して、操作対象の第2の電気機器200Bの最新の運転状態や各種センサの測定値を第1のサーバ100Aに送信する(ステップS164)。これによって、第1のサーバ100Aは、通信端末300に操作対象の第2の電気機器200Bの最新の運転状態や各種センサの測定値を含む操作画面を表示させることができる。
【0053】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して、第1のサーバ100Aから操作対象の第2の電気機器200Bに対する操作命令を受け付けると(ステップS166)、通信インターフェイス160を介して操作対象の第2の電気機器200Bに当該操作命令を送信する(ステップS168)。
【0054】
なお、第1のサーバ100Aから、全ての第2の電気機器200Bに対する操作命令を受け付けると(ステップS166)、機器情報データを参照して、第1のサーバ100Aの施設に紐づけられている全ての第2の電気機器200Bを特定して、通信インターフェイス160を介して第2のサーバ100Bに特定された全ての第2の電気機器200Bに対する操作命令を送信する(ステップS168)。
【0055】
一方、操作に関する要求を受け付けなかった場合(ステップS154にてNOである場合)、CPU110は、第1のサーバ100Aに紐づけられている複数の第2の電気機器200Bを特定する(ステップS172)。
【0056】
CPU110は、機器情報データを参照して、取得して蓄積してある当該複数の第2の電気機器200Bの運転状態や各種センサの測定値を読み出す(ステップS174)。
【0057】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して、複数の第2の電気機器200Bの運転状態や各種センサの測定値を第1のサーバ100Aに送信する(ステップS176)。これによって、第1のサーバ100Aは、通信端末300に操作対象の第2の電気機器200Bの運転状態や各種センサの測定値を含む表示画面を表示させることができる。
<電気機器200の構成>
【0058】
次に、図8を参照して、施設に配置される第1の電気機器200Aや第2の電気機器200Bの構成の一態様について説明する。なお、第1の電気機器200Aも第2の電気機器200Bも、主な構成は同じであるため、以下では両者を含める電気機器200に関して説明するものとする。
【0059】
本実施の形態にかかる電気機器200は、主たる構成要素として、CPU210と、メモリ220と、ディスプレイ230、操作部240と、通信インターフェイス260と、スピーカ270と、マイク280と、機器駆動部290とを含む。
【0060】
CPU210は、メモリ220あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、電気機器200の各部を制御する。
【0061】
メモリ220は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、CPU210によって実行されるプログラムや、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータ、操作部240を介して入力されたデータ、リモコンから受信したデータ、ルータやインターネットを介して第1のサーバ100Aや第2のサーバ100Bから受信したデータ、電気機器200に対応する管理サーバのアドレスなど各種サービスを利用するために必要な情報などを記憶する。
【0062】
ディスプレイ230は、CPU210からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。なお、ディスプレイ230は、単にLEDライトなどであってもよい。
【0063】
操作部240は、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU210に入力する。なお、ディスプレイ230と操作部240とは、タッチパネル250を構成してもよい。
【0064】
通信インターフェイス260は、無線通信を行うためのアンテナや、有線通信を行うためのコネクタなどによって実現される。CPU210は、通信インターフェイス260を利用することによって、ルータやインターネットなどを介して、第1のサーバ100Aや第2のサーバ100Bや他の電気機器200や通信端末300と各種のデータをやり取りする。たとえば、CPU210は、通信インターフェイス260を介して、動作内容や環境情報を第1のサーバ100Aや第2のサーバ100Bに提供したり、操作命令を第1のサーバ100Aや第2のサーバ100Bから受信したりする。
【0065】
スピーカ270は、CPU210からの音声データに基づいて音声メッセージなどを出力する。マイク280は、ユーザの声などを取得して音声データをCPU210に入力する。
【0066】
機器駆動部290は、CPU210からの信号に基づいて、電気機器200の各部(モータやヒータやセンサやアンテナなど)を制御する。機器駆動部290は、たとえば、テレビに関しては受信アンテナやチューナであったり、電子レンジに関しては加熱調理のためのアンテナや回転テーブルであったり、エアコンに関しては圧縮機やファンであったり、ベッドに関してはモータやヒータであったりする。なお、インターホンやナースコールのように特に機器駆動部290を必要としない電気機器もある。
<通信端末300の構成>
【0067】
次に、図9を参照して、ネットワークシステム1を構成する通信端末300の構成の一態様について説明する。本実施の形態にかかる通信端末300は、主たる構成要素として、CPU310と、メモリ320と、ディスプレイ330と、操作部340と、通信インターフェイス360と、スピーカ370と、マイク380などを含む。
【0068】
CPU310は、メモリ320に記憶されているプログラムを実行することによって、通信端末300の各部を制御する。
【0069】
メモリ320は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ320は、各種サービスのためのアプリケーションプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、第1のサーバ100Aから受信したデータ、操作部340を介して入力されたデータ、通信端末300のユーザを特定するための情報などを記憶する。
【0070】
ディスプレイ330は、CPU310からのデータに基づいて、画像やテキストを表示する。操作部340は、ポインティングデバイスやスイッチなどから構成され、ユーザからの各種の命令をCPU310に入力する。なお、通信端末300は、ディスプレイ330と操作部340とを含むタッチパネル350を有してもよい。
【0071】
通信インターフェイス360は、インターネットやキャリア網やルータなどを介して、第1のサーバ100Aや電気機器200などの他の装置との間でデータを送受信する。たとえば、CPU310は、プログラムに従って、通信インターフェイス360を介して第1のサーバ100Aと、ユーザに関する各種の情報をやりとりする。CPU310は、当該各種の情報を、他のアプリケーションプログラムに提供することによって各種のサービスを受けることができる。
【0072】
スピーカ370は、CPU310からの音声データに基づいて音声メッセージなどを出力する。マイク380は、ユーザの声などを取得して音声データをCPU310に入力する。
【0073】
本実施の形態においては、CPU310は、メモリ320のプログラムに従って、施設の管理者や介護者の指示に基づいて、通信インターフェイス360を介して第1のサーバ100Aとの間でデータをやり取りする。たとえば、CPU310は、通信インターフェイス360を利用することによって、第1のサーバ100Aを介して、第1の電気機器200Aに関する情報や第2の電気機器200Bに関する情報を取得して、ディスプレイ330に閲覧画面を表示したり、操作画面を表示したりする。また、CPU310は、操作部340を介して施設の管理者から第1の電気機器200Aや第2の電気機器200Bに対する操作命令を受け付けて、通信インターフェイス360を介して当該操作命令を第1のサーバ100Aに送信する。
<ユースケース>
【0074】
以下では、本実施の形態にかかるネットワークシステム1のユースケースをまとめたものを図10図14に示す。図10図14に示すように、第1のサーバ100Aは、第2のサーバ100Bを介して複数の第2の電気機器200Bの情報を取得したり、第2のサーバ100Bを介して複数の第2の電気機器200Bを制御したりすることによって、各種の施設や各種のサービスに本実施の形態にかかるネットワークシステム1を利用することができる。
<第2の実施の形態>
【0075】
上記の実施の形態に加えて、図15に示すように、第1のサーバ100Aとは別の施設のための第3のサーバ100Cが準備されてもよい。そして、第3のサーバ100Cは、当該別の施設の第3の電気機器200Cを制御するものである。
【0076】
なお、第3のサーバ100Cの施設は、第1のサーバ100Aの施設と違う種類の施設であってもよいし、同じ種類の別の業者の施設や、同じ種類の同じ業者の異なる建物や異なるエリアなどであってもよい。
【0077】
また、第3の電気機器200Cは、第1の電気機器200Aや第2の電気機器200Bと同じ種類の機器であってもよいし、別の種類の機器であってもよい。
【0078】
本実施の形態においては、第2のサーバ100Bは、第3のサーバ100Cからの要求に基づいて、当該別の施設の第2の電気機器200Bから各種の情報を取得して、第3のサーバ100Cに提供するものである。これによって、第3のサーバ100Cは、第3の電気機器200Cの情報と第2の電気機器200Bの情報とを当該別の施設の管理者の通信端末300Cに表示させることができる。なお、第3のサーバ100Cも、通信端末300Cからの指示に基づいて、第2のサーバ100Bを介して当該別の施設の第2の電気機器200Bを制御することもできる。
<第3の実施の形態>
【0079】
あるいは、逆に、第2のサーバ100Bとは別の第4のサーバが準備されてもよい。そして、第4のサーバは、第4の電気機器を制御するものである。本実施の形態においては、第4のサーバは、第1のサーバ100Aからの要求に基づいて、第4の電気機器から各種の情報を取得して、第1のサーバ100Aに提供するものである。これによって、第1のサーバ100Aは、第1の電気機器200Aの情報と第4の電気機器の情報とを通信端末300に表示させることができる。なお、第1のサーバ100Aは、通信端末300からの指示に基づいて、第4のサーバを介して第4の電気機器を制御することもできる。
<第4の実施の形態>
【0080】
上記の実施の形態のネットワークシステム1の各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。たとえば、第1のサーバ100Aや第2のサーバ100Bや第1の電気機器200Aや第2の電気機器200Bや通信端末300の各々の役割の一部または全部を別の装置が担ったり、それらの装置の1つ1つの役割の一部または全部を複数の装置で分担したりしてもよい。具体的には、たとえば、第1のサーバ100Aや第2のサーバ100Bの各々は、1つの装置で実現されてもよいし、クラウド上の複数の装置によって実現されてもよい。あるいは、第1の電気機器200Aや第2の電気機器200Bや通信端末300が、第1のサーバ100Aや第2のサーバ100Bの処理の一部の役割を担ったりしてもよい。
<まとめ>
【0081】
上記の実施の形態においては、第1の電気機器を制御するための第1のサーバと、第2の電気機器を制御するための第2のサーバと、通信端末と、を備えネットワークシステムが提供される。第1のサーバは、第1の電気機器の情報と、第2のサーバから取得した第2の電気機器の情報と、を通信端末に表示させる。
【0082】
好ましくは、第2のサーバは、第3のサーバにも、第3のサーバに対応する第2の電気機器の情報を提供する。
【0083】
好ましくは、第1のサーバは、第4のサーバから第4の電気機器の情報を取得して通信端末に表示させる。
【0084】
好ましくは、第2のサーバは、第2の電気機器と通信して第2の電気機器の情報を記憶しておく。第1のサーバは、リアルタイムで第1の電気機器の情報を通信端末に表示させつつ、第2のサーバから既に記憶している第2の電気機器の情報を取得して通信端末に提供する。
【0085】
好ましくは、第2のサーバは、第2の電気機器と通信して第2の電気機器の情報を記憶しておく。第1のサーバは、第2のサーバから既に記憶している第2の電気機器の情報を取得して通信端末に提供しつつ、通信端末が第2の電気機器に対する操作命令を入力するための画面を表示する際に、第2のサーバを介して第2の電気機器から最新の情報を取得し直して通信端末に提供する。
【0086】
好ましくは、第1のサーバは、通信端末から一括ON命令または一括OFF命令を受け付けて、第2のサーバに一括ON命令または一括OFF命令を送信する。第2のサーバは、第1のサーバからの一括ON命令または一括OFF命令に応じて、第1のサーバに対応する複数の第2の電気機器を一括でONまたはOFFする。
【0087】
好ましくは、第1のサーバは、第1のサーバに記憶されている個人情報と、第2のサーバから取得した第2の電気機器の情報と、をあわせて表示する。
【0088】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
1 :ネットワークシステム
100A :第1のサーバ
100B :第2のサーバ
100C :第3のサーバ
110 :CPU
120 :メモリ
140 :操作部
160 :通信インターフェイス
200 :電気機器
200A :第1の電気機器
200B :第2の電気機器
200C :第3の電気機器
210 :CPU
220 :メモリ
230 :ディスプレイ
240 :操作部
250 :タッチパネル
260 :通信インターフェイス
270 :スピーカ
280 :マイク
290 :機器駆動部
300 :通信端末
300A :通信端末
300B :通信端末
310 :CPU
320 :メモリ
330 :ディスプレイ
340 :操作部
350 :タッチパネル
360 :通信インターフェイス
370 :スピーカ
380 :マイク
図1
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