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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】産業用ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/00 20060101AFI20241003BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20241003BHJP
   B25J 17/00 20060101ALI20241003BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20241003BHJP
   B25J 9/04 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B25J19/00 Z
H01L21/68 A
B25J17/00 Z
B25J9/06 D
B25J9/04 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020186268
(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公開番号】P2022076059
(43)【公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】栗林 保
【審査官】松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-204584(JP,A)
【文献】特開2002-264067(JP,A)
【文献】特開2006-110662(JP,A)
【文献】国際公開第2019/222696(WO,A1)
【文献】特表2019-519913(JP,A)
【文献】特開2015-100863(JP,A)
【文献】国際公開第2017/026256(WO,A1)
【文献】特開平08-046010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
H01L 21/67 - 21/687
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平多関節型の産業用ロボットにおいて、
被支持部と、前記被支持部が上側から固定され前記被支持部と一緒に回動する回動部材と、前記被支持部の下側に配置されるとともに前記回動部材を回動可能に保持する支持部と、前記被支持部を前記回動部材に固定するための固定用ボルトと、前記回動部材に対して前記被支持部を持ち上げるための持上用ボルトと、前記被支持部と前記回動部材との間に配置されるシムとを備え
前記被支持部と前記回動部材との間に前記シムが配置されるときには、前記固定用ボルトが緩められるとともに前記持上用ボルトがねじ込まれていて、前記回動部材に対して前記被支持部が持ち上げられた状態になっており、
前記固定用ボルトが締まっていて前記被支持部が前記回動部材に固定されている状態では、前記シムと前記被支持部とが接触するとともに前記シムと前記回動部材とが接触するように前記持上用ボルトが緩んでいることを特徴とする産業用ロボット。
【請求項2】
ハンドと、前記ハンドが先端側に回動可能に連結されるアームと、前記アームの基端側が回動可能に連結される本体部とを備え、
前記アームは、前記被支持部としての上側アーム部と、前記支持部としての下側アーム部とを備え、
前記下側アーム部の先端側に前記上側アーム部の基端側が回動可能に連結されていることを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット。
【請求項3】
前記アームは、前記本体部に基端側が回動可能に連結される第1アーム部と、前記第1アーム部の先端側に基端側が回動可能に連結される第2アーム部と、前記第2アーム部の先端側に基端側が回動可能に連結される第3アーム部とを備え、
前記第1アーム部と前記第2アーム部との関係においては、前記第1アーム部が前記下側アーム部であるとともに、前記第2アーム部が前記上側アーム部であり、
前記第2アーム部と前記第3アーム部との関係においては、前記第2アーム部が前記下側アーム部であるとともに、前記第3アーム部が前記上側アーム部であることを特徴とする請求項2記載の産業用ロボット。
【請求項4】
ハンドと、前記ハンドが先端側に回動可能に連結されるアームと、前記アームの基端側が回動可能に連結される前記支持部としての本体部とを備え、
前記アームは、前記被支持部として、前記本体部に基端側が回動可能に連結される第1アーム部を備えることを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット。
【請求項5】
前記被支持部には、前記持上用ボルトが係合するネジ穴が形成され、
前記持上用ボルトの下端は、前記回動部材の上面に接触可能となっていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の産業用ロボット。
【請求項6】
被支持部と、前記被支持部が上側から固定され前記被支持部と一緒に直線的にスライドするスライド部材と、前記被支持部の下側に配置されるとともに前記スライド部材をスライド可能に保持する支持部と、前記被支持部を前記スライド部材に固定するための固定用ボルトと、前記スライド部材に対して前記被支持部を持ち上げるための持上用ボルトと、前記被支持部と前記スライド部材との間に配置されるシムとを備え
前記被支持部と前記スライド部材との間に前記シムが配置されるときには、前記固定用ボルトが緩められるとともに前記持上用ボルトがねじ込まれていて、前記スライド部材に対して前記被支持部が持ち上げられた状態になっており、
前記固定用ボルトが締まっていて前記被支持部が前記スライド部材に固定されている状態では、前記シムと前記被支持部とが接触するとともに前記シムと前記スライド部材とが接触するように前記持上用ボルトが緩んでいることを特徴とする産業用ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、搬送対象物を搬送するための産業用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水平多関節型の産業用ロボットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の産業用ロボットは、基板(ガラス基板)が搭載されるハンドと、ハンドが先端側に回動可能に連結されるアームと、アームの基端側が回動可能に連結される本体部とを備えている。アームは、本体部に基端側が回動可能に連結される第1アーム部と、第1アーム部の先端側に基端側が回動可能に連結される第2アーム部とによって構成されている。ハンドは、第2アーム部の先端側に回動可能に連結されている。
【0003】
特許文献1に記載の産業用ロボットでは、アームは、本体部の上側に配置され、ハンドは、アームの上側に配置されている。また、第2アーム部の基端部は、第1アーム部の先端部の上側に配置されている。第1アーム部と第2アーム部との連結部には、減速機が配置されている。減速機は、中空波動歯車装置である。減速機のケース体は、第1アーム部の先端部にボルトで固定されている。減速機の出力軸は、第2アーム部の基端部の下側に配置されている。減速機の出力軸には、第2アーム部の基端部が上側からボルトで固定されており、減速機の出力軸は、第1アーム部に対して第2アーム部と一緒に回動可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-69575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の産業用ロボットの場合、産業用ロボットの組立後、本体部に対してアームを伸ばしたときに、アームおよびハンドの自重等の影響でアームが撓んで、ハンドの回動中心軸が上下方向(鉛直方向)に対して傾くことがある。そのため、この産業用ロボットでは、たとえば、産業用ロボットの組立後、工場から産業用ロボットを出荷する前に、第2アーム部の基端部の下面と減速機の出力軸との上端面との間にシムを入れて、上下方向に対するハンドの回動中心軸の傾きを調整しなければならない場合がある。
【0006】
特許文献1に記載の産業用ロボットにおいて、第2アーム部の基端部の下面と減速機の出力軸との上端面との間にシムを入れるときには、減速機の出力軸に第2アーム部の基端部を固定するためのボルトを緩めて、減速機の出力軸に対して第2アーム部を持ち上げる必要があるが、第2アーム部の持上げ作業は、従来、作業者が、専用の治具を利用して、または、人力で行っている。そのため、特許文献1に記載の産業用ロボットでは、第2アーム部の持上げ作業が大変な作業になる。
【0007】
そこで、本発明の課題は、被支持部と、被支持部の下側に配置されるとともに被支持部が連結される支持部とを備える産業用ロボットにおいて、被支持部の持上げ作業を容易に行うことが可能な産業用ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットは、水平多関節型の産業用ロボットにおいて、被支持部と、被支持部が上側から固定され被支持部と一緒に回動する回動部材と、被支持部の下側に配置されるとともに回動部材を回動可能に保持する支持部と、被支持部を回動部材に固定するための固定用ボルトと、回動部材に対して被支持部を持ち上げるための持上用ボルトと、被支持部と回動部材との間に配置されるシムとを備え、被支持部と回動部材との間にシムが配置されるときには、固定用ボルトが緩められるとともに持上用ボルトがねじ込まれていて、回動部材に対して被支持部が持ち上げられた状態になっており、固定用ボルトが締まっていて被支持部が回動部材に固定されている状態では、シムと被支持部とが接触するとともにシムと回動部材とが接触するように持上用ボルトが緩んでいることを特徴とする。
【0009】
本発明の産業用ロボットは、回動部材に対して被支持部を持ち上げるための持上用ボルトを備えている。そのため、本発明では、被支持部を回動部材に固定するための固定用ボルトを緩めた状態で、持上用ボルトを回せば、支持部に回動可能に保持される回動部材に対して被支持部を持ち上げることが可能になる。したがって、本発明では、回動部材に対する被支持部の持上げ作業を容易に行うことが可能になる。また、本発明では、回動部材に対する被支持部の持上げ作業を容易に行うことが可能になるため、被支持部と回動部材との間にシムを入れる作業を容易に行うことが可能になる。
【0010】
本発明において、たとえば、産業用ロボットは、ハンドと、ハンドが先端側に回動可能に連結されるアームと、アームの基端側が回動可能に連結される本体部とを備え、アームは、被支持部としての上側アーム部と、支持部としての下側アーム部とを備え、下側アーム部の先端側に上側アーム部の基端側が回動可能に連結されている。
【0011】
本発明において、たとえば、アームは、本体部に基端側が回動可能に連結される第1アーム部と、第1アーム部の先端側に基端側が回動可能に連結される第2アーム部と、第2アーム部の先端側に基端側が回動可能に連結される第3アーム部とを備え、第1アーム部と第2アーム部との関係においては、第1アーム部が下側アーム部であるとともに、第2アーム部が上側アーム部であり、第2アーム部と第3アーム部との関係においては、第2アーム部が下側アーム部であるとともに、第3アーム部が上側アーム部である。
【0012】
本発明において、たとえば、産業用ロボットは、ハンドと、ハンドが先端側に回動可能に連結されるアームと、アームの基端側が回動可能に連結される支持部としての本体部とを備え、アームは、被支持部として、本体部に基端側が回動可能に連結される第1アーム部を備えている。
【0013】
本発明において、被支持部には、持上用ボルトが係合するネジ穴が形成され、持上用ボルトの下端は、回動部材の上面に接触可能となっていることが好ましい。このように構成すると、被支持部の上側から持上用ボルトを回すことで回動部材に対して被支持部を持ち上げることが可能になる。したがって、持上用ボルトが係合するネジ穴が回動部材に形成され、持上用ボルトの上端が被支持部の下面に接触可能になっている場合と比較して、被支持部の持上げ作業をより容易に行うことが可能になる。
【0014】
また、上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットは、被支持部と、被支持部が上側から固定され被支持部と一緒に直線的にスライドするスライド部材と、被支持部の下側に配置されるとともにスライド部材をスライド可能に保持する支持部と、被支持部をスライド部材に固定するための固定用ボルトと、スライド部材に対して被支持部を持ち上げるための持上用ボルトと、被支持部とスライド部材との間に配置されるシムとを備え、被支持部とスライド部材との間にシムが配置されるときには、固定用ボルトが緩められるとともに持上用ボルトがねじ込まれていて、スライド部材に対して被支持部が持ち上げられた状態になっており、固定用ボルトが締まっていて被支持部がスライド部材に固定されている状態では、シムと被支持部とが接触するとともにシムとスライド部材とが接触するように持上用ボルトが緩んでいることを特徴とする。
【0015】
本発明の産業用ロボットは、スライド部材に対して被支持部を持ち上げるための持上用ボルトを備えている。そのため、本発明では、被支持部をスライド部材に固定するための固定用ボルトを緩めた状態で、持上用ボルトを回せば、支持部にスライド可能に保持されるスライド部材に対して被支持部を持ち上げることが可能になる。したがって、本発明では、スライド部材に対する被支持部の持上げ作業を容易に行うことが可能になる。また、本発明では、スライド部材に対する被支持部の持上げ作業を容易に行うことが可能になるため、被支持部とスライド部材との間にシムを入れる作業を容易に行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明では、被支持部と、被支持部の下側に配置されるとともに被支持部が連結される支持部とを備える産業用ロボットにおいて、被支持部の持上げ作業を容易に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態にかかる産業用ロボットの斜視図である。
図2図1に示す産業用ロボットの側面図である。
図3図2に示す関節部の構成を説明するための断面図である。
図4図3のE-E方向から固定用ボルトおよび持上用ボルトの配置を説明するための図である。
図5図3に示す関節部において第3アーム部を持ち上げた状態の断面図である。
図6】本発明の他の実施の形態にかかる産業用ロボットの側面図である。
図7図6に示す被支持部と支持部との連結部分の構成を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
(産業用ロボットの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の斜視図である。図2は、図1に示す産業用ロボット1の側面図である。
【0020】
本形態の産業用ロボット1は、半導体ウエハ2を搬送するための水平多関節型のロボットである。産業用ロボット1は、半導体製造システムに組み込まれて使用される。産業用ロボット1は、半導体ウエハ2が搭載される2個のハンド4、5と、ハンド4、5が先端側に回動可能に連結されるとともに水平方向に動作するアーム6と、アーム6の基端側が回動可能に連結される本体部7とを備えている。半導体ウエハ2は、円板状に形成されている。以下の説明では、産業用ロボット1を「ロボット1」とし、半導体ウエハ2を「ウエハ2」とする。
【0021】
アーム6は、本体部7に基端側が回動可能に連結される第1アーム部10と、第1アーム部10の先端側に基端側が回動可能に連結される第2アーム部11と、第2アーム部11の先端側に基端側が回動可能に連結される第3アーム部12とを備えている。本形態のアーム6は、第1アーム部10と第2アーム部11と第3アーム部12との3個のアーム部によって構成されている。第1アーム部10、第2アーム部11および第3アーム部12は、中空状に形成されている。
【0022】
本体部7と第1アーム部10と第2アーム部11と第3アーム部12とは、上下方向において、下側からこの順番で配置されている。すなわち、本体部7は、第1アーム部10の下側に配置され、第1アーム部10は、第2アーム部11の下側に配置され、第2アーム部11は、第3アーム部12の下側に配置されている。本形態では、本体部7と第1アーム部10との関係において、第1アーム部10は、被支持部となっており、本体部7は、被支持部である第1アーム部10の下側に配置されるとともに第1アーム部10が回動可能に連結される支持部となっている。
【0023】
また、本形態では、第1アーム部10と第2アーム部11との関係において、第2アーム部11は、被支持部となっており、第1アーム部10は、被支持部である第2アーム部11の下側に配置されるとともに第2アーム部11が回動可能に連結される支持部となっている。また、第1アーム部10と第2アーム部11との関係においては、第2アーム部11が上側アーム部となっており、第1アーム部10が下側アーム部となっている。
【0024】
さらに、本形態では、第2アーム部11と第3アーム部12との関係において、第3アーム部12は、被支持部となっており、第2アーム部11は、被支持部である第3アーム部12の下側に配置されるとともに第3アーム部12が回動可能に連結される支持部となっている。また、第2アーム部11と第3アーム部12との関係においては、第3アーム部12が上側アーム部となっており、第2アーム部11が下側アーム部となっている。
【0025】
ハンド4、5は、上下方向から見たときの形状が略Y形状となるように形成されている。ハンド4、5の基端部は、第3アーム部12の先端側に回動可能に連結されている。第3アーム部12に対するハンド4の回動中心と第3アーム部12に対するハンド5の回動中心とは一致している。ハンド4、5のそれぞれは、第3アーム部12に対して個別に回動可能となっている。ハンド4、5は、第3アーム部12の上側に配置されている。また、ハンド4は、ハンド5の上側に配置されている。
【0026】
本体部7は、第1アーム部10の基端側が回動可能に連結される昇降部14と、昇降部14を昇降可能に保持する筐体15とを備えている。第1アーム部10の基端側は、昇降部14の上端部に回動可能に連結されている。筐体15の内部には、昇降部14を昇降させるアーム昇降機構が収納されている。アーム昇降機構は、たとえば、ボールネジ、および、ボールネジのネジ軸を回転させるモータ等によって構成されている。
【0027】
また、ロボット1は、第3アーム部12に対してハンド5を回動させるハンド回動機構と、第3アーム部12に対してハンド4を回動させるハンド回動機構と、第1アーム部10および第2アーム部11を回動させて第1アーム部10と第2アーム部11とからなるアーム6の一部を伸縮させるアーム部駆動機構と、第2アーム部11に対して第3アーム部12を回動させる第3アーム部回動機構とを備えている。ハンド回動機構は、モータと、モータの動力を減速してハンド4、5に伝達するための減速機とを備えている。
【0028】
アーム部駆動機構は、モータと、モータの動力を減速して伝達するための2個の減速機17とを備えている。モータは、筐体15の内部に配置されるとともに昇降部14に保持されている。2個の減速機17のうちの一方の減速機17は、昇降部14と第1アーム部10とを繋ぐ関節部18に配置されており、モータの動力を減速して第1アーム部10に伝達する。他方の減速機17は、第1アーム部10と第2アーム部11とを繋ぐ関節部19に配置されており、モータの動力を減速して第2アーム部11に伝達する。
【0029】
第3アーム部駆動機構は、モータと、モータの動力を減速して伝達するための減速機17とを備えている。モータは、第2アーム部11の内部に配置されている。減速機17は、第2アーム部11と第3アーム部12とを繋ぐ関節部20に配置されており、モータの動力を減速して第3アーム部12に伝達する。
【0030】
減速機17は、中空波動歯車装置(ハーモニックドライブ(登録商標))である。アーム部駆動機構では、モータと減速機17とが、たとえば、特開2011-230256号公報に記載された産業用ロボットと同様に、プーリおよびベルトを介して連結されている。また、第3アーム部駆動機構では、モータと減速機17とが、たとえば、特開2011-230256号公報に記載された産業用ロボットと同様に、プーリ21およびベルト22(図3参照)を介して連結されている。なお、第3アーム部駆動機構において、モータと減速機17とがかさ歯車を介して連結されていても良い。また、減速機17は、中空波動歯車装置以外の減速機であっても良い。
【0031】
(関節部の構成)
図3は、図2に示す関節部20の構成を説明するための断面図である。図4は、図3のE-E方向から固定用ボルト30および持上用ボルト31の配置を説明するための図である。図5は、図3に示す関節部20において第3アーム部12を持ち上げた状態の断面図である。
【0032】
上述のように、関節部20には、減速機17が配置されている。また、上述のように、減速機17は、中空波動歯車装置である。減速機17の入力軸25の下端には、プーリ21が固定されている。減速機17のケース体26は、第2アーム部11の先端側の上面部に固定されている。減速機17の出力軸27には、第3アーム部12が固定されている。具体的には、第3アーム部12の基端部が上側から出力軸27に固定されている。
【0033】
出力軸27は、軸受28を介してケース体26に回動可能に保持されている。すなわち、出力軸27は、軸受28およびケース体26を介して第2アーム部11の先端側の上面部に回動可能に保持されている。関節部20では、出力軸27は、第2アーム部11と第3アーム部12との関係において被支持部である第3アーム部12が上側から固定されるとともに第3アーム部12と一緒に回動する回動部材となっており、回動部材である出力軸27は、第2アーム部11と第3アーム部12との関係において支持部である第2アーム部11に回動可能に保持されている。出力軸27の上面は、上下方向に直交する平面となっている。
【0034】
第3アーム部12の基端部には、出力軸27に固定される被固定部12aが形成されている。被固定部12aの下側は、出力軸27が配置される凹部となっており、この凹部は、第3アーム部12の下面から上側に向かって窪んでいる。また、被固定部12aの上側も凹部となっており、この凹部は、第3アーム部12の上面から下側に向かって窪んでいる。この凹部は、カバー29によって上側から覆われている(図1図2参照)。被固定部12aの上面および下面は、上下方向に直交する平面となっている。出力軸27に固定される被固定部12aの下面は、出力軸27の上面に接触している。
【0035】
関節部20には、第3アーム部12を出力軸27に固定するための複数の固定用ボルト30と、出力軸27に対して第3アーム部12を持ち上げるための複数の持上用ボルト31とが配置されている。すなわち、ロボット1は、第3アーム部12を出力軸27に固定するための固定用ボルト30と、出力軸27に対して第3アーム部12を持ち上げるための持上用ボルト31とを備えている。関節部20には、たとえば、12個の固定用ボルト30と4個の持上用ボルト31とが配置されている。
【0036】
固定用ボルト30は、六角穴付きボルトである。固定用ボルト30は、固定用ボルト30の軸部の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。被固定部12a(すなわち、第3アーム部12の基端部)には、固定用ボルト30の軸部が挿通される挿通穴12bが形成されている。挿通穴12bは、上下方向において被固定部12aを貫通している。出力軸27には、固定用ボルト30が係合する(具体的には、固定用ボルト30の軸部に形成されるオネジが係合する)ネジ穴27aが形成されている。ネジ穴27aは、出力軸27の上面から下側に向かって窪んでいる。固定用ボルト30は、被固定部12aの上側から挿通穴12bに挿通されるとともにネジ穴27aにねじ込まれており、固定用ボルト30の頭部は被固定部12aの上側に配置されている。
【0037】
持上用ボルト31は、頭部の外径と軸部の外径とが等しいセットボルトである。たとえば、持上用ボルト31は、一端面に六角形の穴が形成された六角穴付き止めネジである。持上用ボルト31は、持上用ボルト31の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。第3アーム部12の基端部には、持上用ボルト31が係合する(具体的には、持上用ボルト31の軸部に形成されるオネジが係合する)ネジ穴12cが形成されている。ネジ穴12cは、上下方向において被固定部12aを貫通している。持上用ボルト31は、被固定部12aの上側からネジ穴12cにねじ込まれている。持上用ボルト31の長さは、被固定部12aの厚さ(上下方向の厚さ)よりも長くなっており、持上用ボルト31の下端は、出力軸27の上面に接触可能となっている。
【0038】
図4に示すように、12個の固定用ボルト30は、第2アーム部11に対する第3アーム部12の回動中心を中心とする円環状に配列されている。また、12個の固定用ボルト30は、第2アーム部11に対する第3アーム部12の回動中心を中心にして等角度に配列されている。4個の持上用ボルト31は、第2アーム部11に対する第3アーム部12の回動中心を中心とする円環状に配列されている。また、4個の持上用ボルト31は、第2アーム部11に対する第3アーム部12の回動中心を中心にして等角度に配列されている。本形態では、持上用ボルト31は、円環状に配列される固定用ボルト30の外周側に配置されている。
【0039】
また、上述のように、関節部19にも減速機17が配置されている。関節部19では、ケース体26は、第1アーム部10の先端側の上面部に固定され、出力軸27には、第2アーム部11の基端部が上側から固定されている。出力軸27は、軸受28およびケース体26を介して第1アーム部10の先端側の上面部に回動可能に保持されている。関節部19では、出力軸27は、第1アーム部10と第2アーム部11との関係において被支持部である第2アーム部11が上側から固定されるとともに第2アーム部11と一緒に回動する回動部材となっており、回動部材である出力軸27は、第1アーム部10と第2アーム部11との関係において支持部である第1アーム部10に回動可能に保持されている。
【0040】
関節部19には、関節部20と同様に、第2アーム部11を出力軸27に固定するための複数の固定用ボルト30と、出力軸27に対して第2アーム部11を持ち上げるための複数の持上用ボルト31とが配置されている。たとえば、関節部19には、12個の固定用ボルト30と4個の持上用ボルト31とが配置されている。関節部19では、関節部20と同様に、第2アーム部11の基端部に、固定用ボルト30の軸部が挿通される挿通穴が形成され、出力軸27に、固定用ボルト30が係合するネジ穴が形成されている。第2アーム部11の基端部には、持上用ボルト31が係合するネジ穴が形成されており、持上用ボルト31の下端は、出力軸27の上面に接触可能となっている。関節部19では、関節部20と同様に、固定用ボルト30および持上用ボルト31が配置されている。
【0041】
また、上述のように、関節部18にも減速機17が配置されている。関節部18では、ケース体26は、本体部7の上端部(具体的には、昇降部14の上端部)に固定され、出力軸27には、第1アーム部10の基端部が上側から固定されている。出力軸27は、軸受28およびケース体26を介して昇降部14の上端部に回動可能に保持されている。関節部18では、出力軸27は、本体部7と第1アーム部10との関係において被支持部である第1アーム部10が上側から固定されるとともに第1アーム部10と一緒に回動する回動部材となっており、回動部材である出力軸27は、本体部7と第1アーム部10との関係において支持部である本体部7に回動可能に保持されている。
【0042】
関節部18には、関節部20と同様に、第1アーム部10を出力軸27に固定するための複数の固定用ボルト30と、出力軸27に対して第1アーム部10を持ち上げるための複数の持上用ボルト31とが配置されている。たとえば、関節部18には、12個の固定用ボルト30と4個の持上用ボルト31とが配置されている。関節部18では、関節部20と同様に、第1アーム部10の基端部に、固定用ボルト30の軸部が挿通される挿通穴が形成され、出力軸27に、固定用ボルト30が係合するネジ穴が形成されている。第1アーム部10の基端部には、持上用ボルト31が係合するネジ穴が形成されており、持上用ボルト31の下端は、出力軸27の上面に接触可能となっている。関節部18では、関節部20と同様に、固定用ボルト30および持上用ボルト31が配置されている。
【0043】
ロボット1を組み立てた後、たとえば、ロボット1を工場から出荷する前には、アーム6が伸びているときの上下方向に対するハンド4、5の回動中心軸の傾きを調整するために、関節部20において、第3アーム部12の基端部と出力軸27の上面との間(具体的には、被固定部12aの下面と出力軸27の上面との間)にシム33を入れることがある。この場合には、作業者は、図5に示すように、固定用ボルト30を緩めた後、持上用ボルト31が下側に移動するように持上用ボルト31をねじ込んで、出力軸27に対して第3アーム部12を持ち上げてから、第3アーム部12の基端部と出力軸27の上面との間にシム33を入れる。第3アーム部12の基端部と出力軸27の上面との間にシム33を入れ終えると、作業者は、持上用ボルト31が上側に移動するように持上用ボルト31を緩めてから、固定用ボルト30を締める(図3参照)。
【0044】
同様に、上下方向に対するハンド4、5の回動中心軸の傾きを調整するために、関節部19において、第2アーム部11の基端部と出力軸27の上面との間にシム33を入れる場合には、作業者は、固定用ボルト30を緩めた後、持上用ボルト31をねじ込んで、出力軸27に対して第2アーム部11を持ち上げてから、第2アーム部11の基端部と出力軸27の上面との間にシム33を入れる。第2アーム部11の基端部と出力軸27の上面との間にシム33を入れ終えると、作業者は、持上用ボルト31が上側に移動するように持上用ボルト31を緩めてから、固定用ボルト30を締める。
【0045】
同様に、上下方向に対するハンド4、5の回動中心軸の傾きを調整するために、関節部18において、第1アーム部10の基端部と出力軸27の上面との間にシム33を入れる場合には、作業者は、固定用ボルト30を緩めた後、持上用ボルト31をねじ込んで、出力軸27に対して第1アーム部10を持ち上げてから、第1アーム部10の基端部と出力軸27の上面との間にシム33を入れる。第1アーム部10の基端部と出力軸27の上面との間にシム33を入れ終えると、作業者は、持上用ボルト31が上側に移動するように持上用ボルト31を緩めてから、固定用ボルト30を締める。
【0046】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、ロボット1は、関節部20において出力軸27に対して第3アーム部12を持ち上げるための持上用ボルト31を備えている。そのため、本形態では、固定用ボルト30を緩めた状態で持上用ボルト31を回せば、第2アーム部11に回動可能に保持される出力軸27に対して第3アーム部12を持ち上げることが可能になる。したがって、本形態では、出力軸27に対する第3アーム部12の持上げ作業を容易に行うことが可能になる。また、本形態では、出力軸27に対する第3アーム部12の持上げ作業を容易に行うことが可能になるため、出力軸27と第3アーム部12との間にシム33を入れる作業を容易に行うことが可能になる。
【0047】
同様に本形態では、関節部19において、固定用ボルト30を緩めた状態で持上用ボルト31を回せば、出力軸27に対して第2アーム部11を持ち上げることが可能になるため、出力軸27に対する第2アーム部11の持上げ作業を容易に行うことが可能になる。また、出力軸27に対する第2アーム部11の持上げ作業を容易に行うことが可能になるため、出力軸27と第2アーム部11との間にシム33を入れる作業を容易に行うことが可能になる。
【0048】
また、本形態では、関節部18において、固定用ボルト30を緩めた状態で持上用ボルト31を回せば、出力軸27に対して第1アーム部10を持ち上げることが可能になるため、出力軸27に対する第1アーム部10の持上げ作業を容易に行うことが可能になる。また、出力軸27に対する第1アーム部10の持上げ作業を容易に行うことが可能になるため、出力軸27と第1アーム部10との間にシム33を入れる作業を容易に行うことが可能になる。
【0049】
(産業用ロボットの変形例)
図6は、本発明の他の実施の形態にかかる産業用ロボット51の側面図である。図7は、図6に示すスライド部55とスライド保持部56との連結部分の構成を説明するための断面図である。
【0050】
上述した形態では、ロボット1は、水平多関節型のロボットであるが、本発明が適用される産業用ロボット51(以下、「ロボット51」とする。)は、たとえば、図6に示すように、ウエハ2が搭載されるハンド54と、ハンド54がスライド可能に連結されるスライド部55と、スライド部55がスライド可能に連結されるスライド保持部56と、スライド保持部56を保持する本体部57とを備えていても良い。ハンド54は、スライド部55に対して水平方向(図6の左右方向)に直線的にスライド可能となっている。スライド部55は、スライド保持部56に対してハンド54の移動方向と同じ方向に直線的にスライド可能となっている。
【0051】
ハンド54とスライド部55とスライド保持部56とは、上下方向において、上側からこの順番で配置されている。すなわち、スライド部55は、ハンド54の下側に配置され、スライド保持部56は、スライド部55の下側に配置されている。この変形例では、スライド部55は、被支持部となっており、スライド保持部56は、被支持部であるスライド部55の下側に配置されるとともにスライド部55が直線的にスライド可能に連結される支持部となっている。
【0052】
ハンド54は、たとえば、上述した形態のハンド5と同様に構成されている。本体部57は、スライド保持部56を昇降可能に保持する柱状フレーム61を備えている。柱状フレーム61は、上下方向に細長い柱状に形成されている。また、本体部57は、本体部57の下端部を構成する基台62と、柱状フレーム61の下端が固定されるとともに基台62に対して回動可能な回動ベース63とを備えている。基台62は、図示を省略するベース部材に対して水平移動可能となっている。
【0053】
ロボット51は、スライド部55に対してハンド54をスライドさせる第1スライド機構と、スライド保持部56に対してスライド部55をスライドさせる第2スライド機構とを備えている。第1スライド機構は、ハンド54が固定されるスライダを備えている。このスライダは、スライド部55にスライド可能に保持されている。また、第1スライド機構は、たとえば、スライダを直線的に移動させるボールネジ、および、ボールネジのネジ軸を回転させるモータ等を備えている。
【0054】
第2スライド機構は、スライド部55が固定されるスライダ77を備えている。スライダ77は、スライド保持部56にスライド可能に保持されている。また、第2スライド機構は、たとえば、スライダ77を直線的に移動させるボールネジ、および、ボールネジのネジ軸を回転させるモータ等を備えている。スライダ77には、スライド部55が上側から固定されている。この変形例では、スライダ77は、被支持部であるスライド部55が上側から固定されるとともにスライド部55と一緒にスライドするスライド部材となっており、支持部であるスライド保持部56にスライド可能に保持されている。
【0055】
スライド部55とスライド保持部56との連結部分には、スライド部55をスライダ77に固定するための複数の固定用ボルト30と、スライダ77に対してスライド部55を持ち上げるための複数の持上用ボルト31とが配置されている。スライド部55には、固定用ボルト30の軸部が挿通される挿通穴55bが形成され、スライダ77には、固定用ボルト30が係合するネジ穴77aが形成されている。スライド部55には、持上用ボルト31が係合するネジ穴55cが形成されている。持上用ボルト31の下端は、スライダ77の上面に接触可能となっている。
【0056】
この変形例では、たとえば、図6において、スライド部55に対してハンド54が右端まで移動し、かつ、スライド保持部56に対してスライド部55が右端まで移動しているときのハンド54の傾きを調整するために、スライド部55とスライダ77の上面との間にシムを入れることがある。この場合には、作業者は、固定用ボルト30を緩めた後、持上用ボルト31が下側に移動するように持上用ボルト31をねじ込んで、スライダ77に対してスライド部55を持ち上げてから、スライド部55とスライダ77の上面との間にシムを入れる。スライド部55とスライダ77の上面との間にシム33を入れ終えると、作業者は、持上用ボルト31が上側に移動するように持上用ボルト31を緩めてから、固定用ボルト30を締める。
【0057】
この変形例では、ロボット51が、スライダ77に対してスライド部55を持ち上げるための持上用ボルト31を備えているため、固定用ボルト30を緩めた状態で持上用ボルト31を回せば、スライド保持部56にスライド可能に保持されるスライダ77に対してスライド部55を持ち上げることが可能になる。したがって、スライダ77に対するスライド部55の持上げ作業を容易に行うことが可能になる。また、スライダ77に対するスライド部55の持上げ作業を容易に行うことが可能になるため、スライダ77とスライド部55との間にシムを入れる作業を容易に行うことが可能になる。
【0058】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0059】
上述した形態において、持上用ボルト31は、円環状に配列される固定用ボルト30の内周側に配置されていても良い。また、上述した形態において、関節部20に配置される持上用ボルト31の数は、3個であっても良いし、5個以上であっても良い。同様に、関節部18、19に配置される持上用ボルト31の数は、3個であっても良いし、5個以上であっても良い。また、上述した形態において、持上用ボルト31は、六角穴付きボルトや六角ボルト等の、セットボルト以外のボルトであっても良い。
【0060】
上述した形態において、持上用ボルト31が係合するネジ穴が出力軸27に形成され、持上用ボルト31の上端が、第1アーム部10の基端部の下面、第2アーム部11の基端部の下面、第3アーム部12の基端部の下面に接触可能になっていても良い。ただし、上述した形態では、第1アーム部10の基端部、第2アーム部11の基端部、第3アーム部12の基端部の上側から持上用ボルト31を回すことで出力軸27に対して、第1アーム部10、第2アーム部11、第3アーム部12を持ち上げることが可能になるため、上述した形態の方が、第1アーム部10、第2アーム部11、第3アーム部12の持上げ作業をより容易に行うことが可能になる。
【0061】
上述した形態において、減速機17に代えて、関節部20に、円筒状に形成される回動部材と、回動部材を回動可能に保持する支持軸とが配置されていても良い。この場合には、たとえば、支持軸は、第2アーム部11の先端部に固定されており、回動部材は、支持軸を介して第2アーム部11に回動可能に保持されている。また、この場合には、たとえば、回動部材に上側から第3アーム部12の基端部が固定され、回動部材の下端部にプーリ21が固定されている。また、この場合には、第3アーム部12を回動部材に固定するための固定用ボルト30と、回動部材に対して第3アーム部12を持ち上げるための持上用ボルト31とが関節部20に配置されている。同様に、減速機17に代えて、関節部18、19に、円筒状に形成される回動部材と、回動部材を回動可能に支持する支持軸とが配置されていても良い。
【0062】
上述した形態において、ハンド4、5と第3アーム部12とを繋ぐ関節部に、ハンド4、5が上側から固定されハンド4、5と一緒に回動するとともに第3アーム部12に回動可能に保持される回動部材と、ハンド4、5を回動部材に固定するための固定用ボルト30と、回動部材に対してハンド4、5を持ち上げるための持上用ボルト31とが配置されていても良い。この場合には、ハンド4、5と第3アーム部12との関係において、ハンド4、5は、被支持部となっており、第3アーム部12は、支持部となっている。
【0063】
上述した形態において、関節部18~20のいずれか1箇所または2箇所に、持上用ボルト31が配置されていなくても良い。また、上述した形態において、アーム6は、2個のアーム部によって構成されても良いし、4個以上のアーム部によって構成されていても良い。さらに、上述した形態において、第3アーム部12の先端側に1個のハンドが取り付けられても良い。また、上述した形態において、ロボット1は、液晶表示装置用のガラス基板等の、ウエハ2以外の搬送対象物を搬送するロボットであっても良い。
【符号の説明】
【0064】
1 ロボット(産業用ロボット)
4、5 ハンド
6 アーム
7 本体部(支持部)
10 第1アーム部(被支持部、支持部、下側アーム部)
11 第2アーム部(被支持部、支持部、上側アーム部、下側アーム部)
12 第3アーム部(被支持部、上側アーム部)
12c ネジ穴
27 出力軸(回動部材)
30 固定用ボルト
31 持上用ボルト
51 ロボット(産業用ロボット)
55 スライド部(被支持部)
56 スライド保持部(支持部)
77 スライダ(スライド部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7