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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】天井構造及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/26 20060101AFI20241003BHJP
   E04B 9/06 20060101ALI20241003BHJP
   E04B 9/22 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
E04B9/26 A
E04B9/06 A
E04B9/22 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020200236
(22)【出願日】2020-12-02
(65)【公開番号】P2022088022
(43)【公開日】2022-06-14
【審査請求日】2023-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】市川 聖士
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-111948(JP,A)
【文献】実開平06-006546(JP,U)
【文献】特開2014-051846(JP,A)
【文献】特開2019-027039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/00 - 9/36
E04H 6/00 - 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いが平行で所定方向に延びる一対のメインフレームと、
前記一対のメインフレームの長手方向に交差する方向に延び且つ両端部が前記一対のメインフレームに固定される複数の吊部材と、
前記複数の吊部材に着脱可能に係合して取り付けられる複数の天井材吊部品と、
前記一対のメインフレーム間に並んで配置され、前記天井材吊部品に取り付けられる複数の天井材と、を備え
前記複数の吊部材は、それぞれ、前記吊部材の長手方向に延びると共に下方に向けて開放する溝であって前記天井材吊部品を着脱可能に取り付け可能な溝を有し、
前記天井材吊部品は、前記溝の長手方向の任意の位置において、前記吊部材に着脱可能に取り付け可能である天井構造。
【請求項2】
前記吊部材における前記溝の下端の幅方向の両端部には、前記溝の幅方向の内側に突出すると共に前記天井材吊部品を前記吊部材の前記溝に取り付けた状態において前記天井材吊部品が引っ掛かる一対の突出片が形成される、請求項1に記載の天井構造。
【請求項3】
前記天井材吊部品は、前記吊部材の前記溝に挿入された状態で回転されて前記吊部材に係合される係合部を有する、請求項1又は2に記載の天井構造。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の天井構造の施工方法であって、
前記一対のメインフレーム間において、前記複数の天井材吊部品の位置を調整して、前記複数の天井材を前記一対のメインフレームのうち一方側のメインフレームから他方側のメインフレームに向かって順に取り付ける天井構造の施工方法。
【請求項5】
請求項4に記載の天井構造の施工方法であって、
前記天井材の一端部を、前記メインフレームの下端部に引っ掛けた状態で、前記一端部を中心に前記天井材を回転させて、前記天井材の他端部を、前記天井材吊部品に嵌合させる天井構造の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、天井構造及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の天井材が並べて配置して構成される天井構造がある。天井構造において、複数の天井材を並べて配置する場合に、天井材それぞれを固定するネジを隠すために、先にネジ固定した天井材に、次にネジ固定する天井材の一部を重ねて配置する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-27039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
天井材を固定するネジを隠す構造においては、先にネジ固定した天井材に、次にネジ固定する天井材の一部を重ねて配置するため、複数並んで配置される天井材の途中に柱などを設ける場合に、途中の天井材を外すことは難しく、天井材の位置を調整することが難しかった。
【0005】
本開示は、複数の天井材が並べて配置される天井構造において、天井材の位置を容易に調整できる天井構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、互いが平行で所定方向に延びる一対のメインフレームと、前記一対のメインフレームの長手方向に交差する方向に延び且つ両端部が前記一対のメインフレームに固定される複数の吊部材と、前記複数の吊部材に着脱可能に係合して取り付けられる複数の天井材吊部品と、前記一対のメインフレーム間に並んで配置され、前記天井材吊部品に取り付けられる複数の天井材と、を備える天井構造に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の天井構造を示す斜視図である。
図2】第1実施形態の天井構造の分解斜視図である。
図3】第1実施形態の天井構造の平面図である。
図4図3のA-A線断面図である。
図5図3のB-B線断面図である。
図6図3のC-C線断面図である。
図7図3のD-D線断面図である。
図8】天井材吊部品を斜め上方側から見た斜視図である。
図9】天井材吊部品を斜め下方側から見た斜視図である。
図10】天井材吊部品を吊部品に取り付ける状態を示す斜視図である。
図11】天井材吊部品を吊部品に取り付ける状態を下方から見た図である。
図12】天井材を吊部材に取り付ける状態を下方から見た図である。
図13】第2実施形態の天井構造を示す斜視図である。
図14】第2実施形態の天井構造の縦断面図である。
図15】第2実施形態の天井構造を下方から見た図である。
図16】第3実施形態の天井構造を示す斜視図である。
図17】第4実施形態の天井構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の第1実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態においては、天井構成体2の平面視で、天井構成体2の長辺に沿う方向をX方向といい、天井構成体2の短辺に沿う方向をY方向という。天井構成体2の上下方向をZ方向いう。本実施形態においては、Z方向は、天井構成体2の厚さ方向に一致する。
【0009】
図1に示すように、第1実施形態の天井構造1は、天井構成体2と、支持フレーム100と、を備える。天井構成体2は、所定の厚さを有する平板状に構成される。本実施形態においては、天井構成体2は、平面視で、長方形状に形成される。
【0010】
天井構成体2のX方向の一端部21は、支持フレーム100に支持されている。支持フレーム100は、天井構成体2のX方向の一端部21において、Y方向に延びる。支持フレーム100のY方向の両端部は、建物構造物(図示せず)に固定されている。
【0011】
天井構成体2は、図1図3に示すように、一対のメインフレーム3と、複数の吊部材4と、複数の天井材吊部品5と、複数の天井材6と、複数の天面下地部材7と、複数の天面材8と、天井構成体2のX方向の支持フレーム100とは反対側の端部を覆う端部カバー材9と、を備える。
【0012】
本実施形態においては、天井構成体2は、X方向において、支持フレーム100に固定される構造以外の基本構造について、X方向の中央に対して対称の構造である。天井構成体2の構成において、X方向の中央から一方側の部分の構成の説明は、X方向の中央から他方側の部分の構成の説明に援用できる。天井構成体2は、Y方向において、Y方向の中央に対して対称の構造である。天井構成体2の構成において、Y方向の中央から一方側の部分の構成の説明は、Y方向の中央から他方側の部分の構成の説明に援用できる。
【0013】
一対のメインフレーム3は、図1図3に示すように、Y方向に離間して配置され、それぞれ、X方向に所定長さ延びる。一対のメインフレーム3は、互いが平行に配置される。一対のメインフレーム3は、図4に示すように、フレーム本体31を有する。フレーム本体31は、アルミニウム材料による形材により形成される。
【0014】
フレーム本体31は、図4及び図5に示すように、断面が四角形状の中空枠311と、中空枠311のY方向の外側の端部から下方に突出する下方突出片313と、中空枠311のY方向の内側の面からY方向の内側に突出する内側突出片314と、を有する。下方突出片313の下方側には、Y方向の内側に突出する突起313aが形成される。中空枠311の内部には、芯材321が配置される。芯材321は、中空枠311の内部において、中空枠311に固定される。
【0015】
複数の吊部材4は、図2及び図3に示すように、それぞれ、一対のメインフレーム3の長手方向に直交(交差)するY方向に延びる。複数の吊部材4は、互いが平行に配置される。複数の吊部材4は、それぞれ、一対のメインフレーム3のX方向の内側における下部において、Y方向の両端部が一対のメインフレーム3に固定される。
【0016】
複数の吊部材4は、図6に示すように、X方向に並んで配置される。複数の吊部材4は、X方向の両端部に配置される2つの端部吊部材41と、2つの端部吊部材41の間においてX方向に並んで配置される複数の中間吊部材42と、を有する。
【0017】
2つの端部吊部材41は、図7に示すように、それぞれ、S字が横たわる形状に形成されるS字状枠411と、S字状枠411の下部に配置される係合溝412(溝)と、を有する。S字状枠411は、メインフレーム3に固定される。係合溝412は、下方に開放すると共に、図3に示すように、Y方向(端部吊部材41の長手方向)に延びる。
【0018】
係合溝412は、図7に示すように、X方向に所定幅を有して形成される。係合溝412の下端には、溝の幅が上部側の溝の幅よりも狭くなるように、X方向の内側に突出する一対の突出片413が形成される。係合溝412には、天井材吊部品5の上部係合部52の側方突出部521が係合される。
【0019】
複数の中間吊部材42は、それぞれ、下部に係合溝422(溝)が形成された係合中空枠421と、係合中空枠421の上端からX方向の両方の外側に延出する一対の延出部424と、を有する。一対の延出部424は、メインフレーム3に固定される。係合溝422は、下方に開放すると共に、図3に示すように、Y方向(中間吊部材42の長手方向)に延びる。
【0020】
係合溝422は、図7に示すように、X方向に所定幅を有して形成される。係合溝422の下端には、溝の幅が上部側の溝の幅よりも狭くなるように、X方向の内側に突出する一対の突出片423が形成される。係合溝422には、天井材吊部品5の上部係合部52の側方突出部521が係合される。
【0021】
複数の天井材吊部品5は、それぞれ、吊部材4の溝(係合溝412、422)のY方向(長手方向)の任意の位置において、吊部材4に着脱可能に取り付け可能である。
【0022】
天井材吊部品5は、図8及び図9に示すように、吊部品本体51と、上部係合部52(係合部)と、を有する。本実施形態の天井材吊部品5の説明において、天井材吊部品5の方向(X方向、Y方向、Z方向)は、図5及び図7に示すように、天井材吊部品5が吊部材4に取り付けられた状態における方向(X方向、Y方向、Z方向)である。
【0023】
天井材吊部品5は、図5図7図9に示すように、下部側に配置される吊部品本体51と、上部側に配置される上部係合部52と、を有する。
【0024】
上部係合部52は、吊部材4の係合溝412、422に挿入されると共に、吊部材4の係合溝412、422に挿入された状態で回転されて吊部材4に係合される。上部係合部52は、一対の側方突出部521と、一対の傾斜部522と、を有する。
【0025】
一対の側方突出部521は、図8及び図9に示すように、天井材吊部品5の上部におけるY方向の一端側及び他端側において、X方向の両側の側方に突出する。一対の傾斜部は、それぞれ、Y方向に対して傾斜する傾斜状に形成される。一対の傾斜部522は、天井材吊部品5の上部におけるY方向の他端側及び一端側において、側方突出部521が設けられていない側の部分に傾斜状に形成される。
【0026】
以上の上部係合部52において、図10及び図11に示すように、一対の側方突出部521は、それぞれ、吊部材4の溝(係合溝412、422)のY方向(長手方向)の任意の位置において、上部係合部52が、吊部材4の係合溝422に挿入された状態で、回転されて吊部材4に係合される。
【0027】
天井材吊部品5を吊部材4に取り付ける場合には、吊部材4の溝(係合溝412、422)のY方向(長手方向)の任意の位置において、図10及び図11に示すように、天井材吊部品5の上部係合部52を、傾斜部522が延びる方向と吊部材4の係合溝422が延びる方向とを一致させた状態で、下方側から上方側に移動して、吊部材4の係合溝422に挿入する。そして、吊部材4の係合溝422に挿入された状態で天井材吊部品5の上部係合部52を回転することで、上部係合部52の側方突出部521が、吊部材4の係合溝422に引っ掛かることで係合する。なお、上部係合部52が吊部材4の係合溝412に係合される場合も同様である。
【0028】
吊部品本体51は、図8及び図9に示すように、上部係合部52の下部に配置される。吊部品本体51は、上面板511及び一対の延出板512を有し下方に開放するU字状部分513と、一対の突出部514と、を有する。上面板511は、X方向及びY方向に延びる板状に形成される。
【0029】
一対の延出板512は、上面板511のY方向の両端部から下方に延びる板状に形成される。一対の延出板512の下端には、上面板511のY方向の内側に突出する一対の係合突起512aが形成される。
【0030】
係合突起512aは、下端から上方に向かうに従って上面板511のY方向の内側に向かうように傾斜して三角形状に突出する。係合突起512aには、天井材6を天井材吊部品5に取り付ける場合に、図5に示すように、天井材6のY方向の端部に形成されるL字状係合片613,623(後述)の天井側係合突起613a,623aが係合する。
【0031】
一対の突出部514は、図8及び図9に示すように、一対の延出板512の間において、上面板511の下面から下方に突出すると共に、X方向に延びる。突出部514は、図5に示すように、天井材6が天井材吊部品5に取り付けられた状態において、天井材6のL字状係合片613,623の先端に対向して配置され、L字状係合片613,623のY方向の一方側(L字状係合片613,623のL字の開放する側)への移動を規制する。
【0032】
複数の天井材6は、図1に示すように、一対のメインフレーム3間においてY方向に並んで配置される。複数の天井材6は、図4及び図5に示すように、天井材吊部品5に取り付けられる。複数の天井材6の下面は、平面状に形成される。複数の天井材6は、それぞれ、天井材吊部品5に固定される。複数の天井材6は、Y方向の両端部に配置される2つの端部天井材61と、2つの端部天井材61の間においてY方向に並んで配置される複数の中間天井材62と、を有する。
【0033】
2つの端部天井材61は、図4及び図5に示すように、それぞれ、下面板611と、下面板611におけるY方向のメインフレーム3側の端部に形成されるメインフレーム側係合部612と、下面板611におけるY方向のメインフレーム3とは反対側の端部に形成されるL字状係合片613と、を有する。
【0034】
端部天井材61をメインフレーム3及び天井材吊部品5に取り付けた場合には、図5に示すように、メインフレーム側係合部612は、端部天井材61のY方向のメインフレーム3側において、メインフレーム3の下方突出片313の突起313aに係合する。L字状係合片613は、端部天井材61のY方向のメインフレーム3とは反対側において、天井材吊部品5の吊部品本体51の延出板512の係合突起512aに係合する。
【0035】
複数の中間天井材62は、図4及び図5に示すように、それぞれ、下面板621と、下面板621におけるY方向の両端部に形成される一対のL字状係合片623と、を有する。
【0036】
中間天井材62を天井材吊部品5に取り付けた場合には、図5に示すように、L字状係合片613は、端部天井材61のY方向の両端それぞれにおいて、天井材吊部品5の吊部品本体51の延出板512の係合突起512aに係合する。
【0037】
複数の天面下地部材7は、図2及び図4に示すように、それぞれ、一対のメインフレーム3が延びる方向に直交(交差)する方向に延びる。複数の天面下地部材7は、それぞれ、メインフレーム3の上方側において、Y方向の両端部が一対のメインフレーム3の下方突出片313に固定される。
【0038】
複数の天面下地部材7は、図6に示すように、X方向に平行に並んで配置される。複数の天面下地部材7は、Y方向の両端部に配置される2つの端部天面下地部材71と、2つの端部天面下地部材71の間においてX方向に並んで配置される複数の中間端部下地部材72と、を有する。
【0039】
複数の天面材8は、図2に示すように、複数の天面下地部材7の上面において、X方向に並んで配置される。複数の天面材8は、複数の天面下地部材7の上面に配置された状態で、一対のメインフレーム3に固定される。
【0040】
次に、本実施形態の天井構造1において、主に、複数の天井材6を取り付ける施工方法の手順について説明する。
【0041】
天井構造1に複数の天井材6を取り付ける場合には、一対のメインフレーム3間において、複数の天井材吊部品5のY方向の位置を調整して、複数の天井材6を一対のメインフレーム3のうち一方側のメインフレーム3から他方側のメインフレーム3に向かって順に取り付ける。
【0042】
具体的には、まず、天井材吊部品5を、一対のメインフレーム3に固定された吊部材4に取り付ける。天井材吊部品5を吊部材4に取り付ける場合には、天井構成体2のY方向の長さに合わせて、Y方向に並べて配置する天井材6の数やY方向の天井材6の長さを設定しているため、設定した天井材6の数や長さに合わせた間隔となるように、天井材吊部品5のY方向の位置を調整する。
【0043】
天井材吊部品5を吊部材4に取り付ける場合には、吊部材4の溝(係合溝412、422)のY方向(長手方向)の任意の位置において、図10及び図11に示すように、天井材吊部品5の上部係合部52を、傾斜部522が延びる方向と吊部材4の係合溝422が延びる方向とを一致させた状態で、下方側から上方側に移動して、吊部材4の係合溝422に挿入する。そして、吊部材4の係合溝422に挿入された状態で天井材吊部品5の上部係合部52を回転することで、上部係合部52の側方突出部521が、吊部材4の係合溝422に引っ掛かることで係合する。これにより、天井材吊部品5のY方向の位置を調整しながら、天井材吊部品5を吊部材4に取り付けることができる。
【0044】
次に、複数の天井材6を、メインフレーム3及び天井材吊部品5に取り付ける。
【0045】
天井構成体2のY方向の端部に配置される端部天井材61においては、図12に示すように、端部天井材61のY方向の一端部に形成されるメインフレーム側係合部612を、メインフレーム3の下端部に形成される下方突出片313の突起313aに引っ掛けた状態で、メインフレーム側係合部612を中心に端部天井材61を回転させて、端部天井材61の他端部に形成されるL字状係合片613を、天井材吊部品5の吊部品本体51の延出板512の係合突起512aに嵌合させる。これにより、ネジを使用せずに、端部天井材61を、天井構造1の下面に容易に取り付けることができる。
【0046】
2つの端部天井材61の間に配置される複数の中間天井材62においては、図12に示すように、それぞれ、隣り合う天井材吊部品5に跨るように下方側から上方側に移動させて、中間天井材62のY方向の両端部に形成されるL字状係合片623を隣り合う天井材吊部品5の吊部品本体51の延出板512の係合突起512aそれぞれに嵌合させる。これにより、ネジを使用せずに、中間天井材62を、天井構造1の下面に容易に取り付けることができる。
【0047】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の天井構造1は、互いが平行で所定方向に延びる一対のメインフレーム3と、一対のメインフレーム3の長手方向に交差する方向に延び且つ両端部が一対のメインフレーム3に固定される複数の吊部材4と、複数の吊部材4に着脱可能に係合して取り付けられる複数の天井材吊部品5と、一対のメインフレーム3間に並んで配置され、天井材吊部品5に固定される複数の天井材6と、を備える。これにより、天井材吊部品5のY方向の位置を調整することで天井材6の位置を調整することができる。また、天井材吊部品5を着脱できるため、天井材6を配置した後でも天井材6の位置を再度調整することができる。
【0048】
本実施形態においては、複数の吊部材4は、それぞれ、吊部材4の長手方向に延びると共に天井材吊部品5を着脱可能に取り付け可能な係合溝422を有し、天井材吊部品5は、係合溝422の長手方向の任意の位置において、吊部材4に着脱可能に取り付け可能である。これにより、天井材吊部品5を係合溝422の長手方向の任意の位置に取り付けることができるため、天井材6の位置を容易に調整できる。
【0049】
本実施形態においては、天井材吊部品5は、吊部材4の係合溝422に挿入された状態で回転されて吊部材4に係合される上部係合部52を有する。これにより、ネジを使用せずに、天井材吊部品5の上部係合部52を吊部材4の係合溝422に係合させることで、天井材吊部品5を吊部材4に容易に取り付けることができる。
【0050】
本実施形態の天井構造1の施工方法においては、一対のメインフレーム3間において、複数の天井材吊部品5の位置を調整して、複数の天井材6を一対のメインフレーム3のうち一方側のメインフレーム3から他方側のメインフレーム3に向かって順に取り付ける。これにより、複数の天井材6を隙間なく配置できる。
【0051】
本実施形態の天井構造1の施工方法において、端部天井材61のY方向の一端部に形成されるメインフレーム側係合部612を、メインフレーム3の下端部に形成される下方突出片313の突起313aに引っ掛けた状態で、メインフレーム側係合部612を中心に端部天井材61を回転させて、端部天井材61の他端部に形成されるL字状係合片613を、天井材吊部品5に嵌合させる。これにより、ネジを使用せずに、端部天井材61を、天井構造1の下面に容易に取り付けることができる。
【0052】
次に、第2実施形態~第4実施形態について説明する。第2実施形態~第4実施形態は、第1実施形態の変形形態であり、第2実施形態~第4実施形態の構成の説明において、第1実施形態と同様の構成については、説明を省略する場合がある。
【0053】
第2実施形態の天井構造1Aについて説明する。第1実施形態の天井構造1において天井構成体2が支持フレーム100に支持されているのに対して、図13に示すように、第2実施形態の天井構造1Aにおいて天井構成体2Aが支柱110に支持されている点において、第2実施形態は、第1実施形態と異なる。
【0054】
第2実施形態の天井構造1Aは、図13図15に示すように、天井構成体2Aと、支柱110と、を備える。第2実施形態においては、第1実施形態の天井構造1の複数の天井材6のうちの一の天井材6に代えて、第1加工天井材631と、第2加工天井材632と、を有する天井材6Aを使用する。
【0055】
第1加工天井材631には、支柱110が配置される部分に沿って、切り欠き加工631aが施されている。第2加工天井材632には、支柱110が配置される部分に沿って、切り欠き加工632aが施されている。
【0056】
第1実施形態の天井構造1において、天井材6を天井材吊部品5から、取り外すことが可能である。そのため、第1実施形態の天井構造1から天井材6を取り外した後に、支柱110を設置して、第1加工天井材631及び第2加工天井材632を有する天井材6Aを、天井材吊部品5に取り付ける。これにより、天井構成体2Aを支柱110により支持する第2実施形態の天井構造1Aとすることができる。
【0057】
第3実施形態の天井構造1Bについて説明する。第1実施形態の天井構造1において天井構成体2が支持フレーム100に支持されているのに対して、図16に示すように、第3実施形態の天井構造1Bにおいて天井構成体2Bが天井構成体2Bの長辺に沿って延びる第1壁部120に支持されている点において、第3実施形態は、第1実施形態と異なる。
【0058】
第3実施形態の天井構造1Bは、図16に示すように、天井構成体2Bと、第1壁部120と、を備える。第3実施形態においては、第1実施形態の天井構造1の複数の天井材6のうちの一の天井材6に代えて、第1加工天井材641と、第2加工天井材642と、を有する天井材6Bを使用する。
【0059】
第1加工天井材641には、第1壁部120が配置される部分に沿って、切り欠き加工641aが施されている。第2加工天井材642には、第1壁部120が配置される部分に沿って、切り欠き加工642aが施されている。
【0060】
第1実施形態の天井構造1において、天井材6を天井材吊部品5から、取り外すことが可能である。そのため、第1実施形態の天井構造1から天井材6を取り外した後に、第1壁部120を設置して、第1加工天井材641及び第2加工天井材642を有する天井材6Bを、天井材吊部品5に取り付ける。これにより、天井構成体2Bを第1壁部120により支持する第3実施形態の天井構造1Bとすることができる。
【0061】
第3実施形態において、第2加工天井材642に切り欠き加工642aを施して第1壁部120を配置したが、これに限定されない。例えば、天井材6を配置する部分に第1壁部120を配置し、第1壁部120のY方向の両側の隙間を埋めるように、Y方向の幅が狭い別の幅狭の天井材を取り付けるように構成してもよい。幅狭の天井材を使用する場合には、幅狭の天井材のY方向の両端部に係合部を設けて、幅狭の天井材を天井材吊部品5に取り付けることができる。
【0062】
第4実施形態の天井構造1Cについて説明する。第1実施形態の天井構造1において天井構成体2が支持フレーム100に支持されているのに対して、図17に示すように、第4実施形態の天井構造1Cにおいて天井構成体2Cが天井構成体2Cの短辺に沿って延びる第2壁部130に支持されている点において、第4実施形態は、第1実施形態と異なる。
【0063】
第4実施形態の天井構造1Cは、図17に示すように、天井構成体2Cと、第2壁部130と、を備える。第4実施形態においては、第1実施形態の天井構造1の複数の天井材6に代えて、第1加工天井材651と、第2加工天井材652と、を有する複数の天井材6Cを使用する。
【0064】
第1加工天井材651には、第2壁部130が配置される部分に沿って、切り欠き加工651aが施されている。第2加工天井材652には、第2壁部130が配置される部分に沿って、切り欠き加工652aが施されている。
【0065】
第1実施形態の天井構造1において、天井材6を天井材吊部品5から、取り外すことが可能である。そのため、第1実施形態の天井構造1から天井材6を取り外した後に、第2壁部130を設置して、第1加工天井材651及び第2加工天井材652を有する複数の天井材6Cを、天井材吊部品5に取り付ける。これにより、天井構成体2Cを第2壁部130により支持する第4実施形態の天井構造1Cとすることができる。
【0066】
なお、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1 天井構造、3 メインフレーム、4 吊部材、5 天井材吊部品、6 天井材、52 上部係合部(係合部)、412 係合溝(溝)、422 係合溝(溝)
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