(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ブリスターパック
(51)【国際特許分類】
B65D 75/36 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
B65D75/36
(21)【出願番号】P 2021017630
(22)【出願日】2021-02-05
【審査請求日】2024-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】301068158
【氏名又は名称】日包興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 周平
(72)【発明者】
【氏名】酒井 俊佑
(72)【発明者】
【氏名】米山 樹一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】由上 芳一
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-502018(JP,A)
【文献】実開平03-003576(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/36
B65D 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
短手方向の略中央部に突出して形成されており、内側に収容される棒状体物品の外形の一部に沿って長手方向に延在する中央固定部を備えた棒状体収容部と、
前記棒状体収容部の長手方向の両端側において前記棒状体収容部と一体で形成されており、前記中央固定部に収容された前記棒状体物品の長手方向両端部を前記棒状体収容部に対して固定する棒状体固定部と、
を備えており、
前記棒状体収容部と前記棒状体固定部とが嵌合可能とされており、一方の前記棒状体固定部を載置することによって、前記棒状体収容部が自立可能とされたブリスターパック。
【請求項2】
前記棒状体固定部は、前記棒状体収容部の側へ向けて回動することによって、前記棒状体収容部と嵌合すると共に、前記棒状体収容部に収容された前記棒状体物品を固定することを特徴とする請求項1に記載のブリスターパック。
【請求項3】
前記中央固定部の短手方向の端部に設けられており、前記棒状体収容部に収容された前記棒状体物品と当接することによって、前記棒状体物品を保持する棒状体保持部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のブリスターパック。
【請求項4】
前記棒状体収容部に収容された前記棒状体物品は、筆記具であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のブリスターパック。
【請求項5】
ブリスターパックは、前記棒状体固定部が、前記棒状体収容部に収容された前記棒状体物品を固定する固定状態において、筒状又は箱状に形成された包装容器に収容できることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のブリスターパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記具、化粧品等の棒状体物品を収容し、保持するブリスターパックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、筆記具等の棒状体物品は、傷や埃が付くことを防ぐために、包装容器に収容した上で、店頭等に陳列して、販売されている。また、筆記具等は、包装容器に収容する前に、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されているようなブリスターパックに一旦収容される場合がある。しかしながら、特許文献1に開示されたブリスターパックは、別個に設けられた台紙とブリスターパックとの間に形成された空間内に筆記具等を収容するように構成されている。このため、筆記具等を、ブリスターパックに収容する際やブリスターパックから取り出す際に、ブリスターパックと台紙との間に生じ得る隙間から、筆記具等を誤って落下させてしまう可能性が生じ得る。特許文献2に開示されたブリスターパックは、台紙を必要としないものの、筆記具等を安定して収容するためのクリップ係止用舌片等の複数の基材を必要とすると共に、収容する筆記具等の側にもクリップ係止用舌片に係止するためのクリップを必要とする。このため、ブリスターパックの部品点数が増加すると共に、筆記具等を収容するのに手間がかかる。また、筆記具等は、特許文献3に開示されているようなプレゼンテーションケースに直接収容される場合もある。プレゼンテーションケースは、例えば、平面視で略矩形状に形成されると共に、中央部に筆記具を保持するための挿入部を設けたベースと、ベースと同様の形体を有すると共にベースとヒンジ結合されたカバーと、を備えており、開放状態からベースとカバーとが重ね合わされた閉鎖状態にすることによって、筆記具を収容できる。しかしながら、筆記具を収容したプレゼンテーションケースやブリスターパックは、通常、自立した状態で陳列することができない。このため、衝立や箱等を用いて筆記具を収容したプレゼンテーションケースやブリスターパックを支持することによって、筆記具を自立させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-115112号公報
【文献】特開2011-148524号公報
【文献】特表2000-502018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、筆記具等の棒状体物品を簡便に収容することができ、かつ、自立することが可能なブリスターパックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、短手方向の略中央部に突出して形成されており、内側に収容される棒状体物品の外形の一部に沿って長手方向に延在する中央固定部を備えた棒状体収容部と、棒状体収容部の長手方向の両端側において棒状体収容部と一体で形成されており、中央固定部に収容された棒状体物品の長手方向両端部を棒状体収容部に対して固定する棒状体固定部と、を備えており、棒状体収容部と棒状体固定部とが嵌合可能とされており、一方の棒状体固定部を載置することによって、棒状体収容部が自立可能とされたブリスターパックが提供される。
【0006】
また、本発明の別の態様によれば、棒状体固定部は、棒状体収容部の側へ向けて回動することによって、棒状体収容部と嵌合すると共に、棒状体収容部に収容された棒状体物品を固定してもよい。
【0007】
さらに、本発明の別の態様によれば、中央固定部の短手方向の端部に設けられており、棒状体収容部に収容された棒状体物品と当接することによって、棒状体物品を保持する棒状体保持部を備えてもよい。
【0008】
また、本発明の別の態様によれば、棒状体収容部に収容された棒状体物品は、筆記具とされてもよい。さらに、ブリスターパックは、棒状体固定部が、棒状体収容部に収容された棒状体物品を固定する固定状態において、筒状又は箱状に形成された包装容器に収容されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るブリスターパックによれば、棒状体物品を、その外形の一部に沿って長手方向に延在する中央固定部に収容することができるため、棒状体物品を簡便に収容できる。また、ブリスターパックは、棒状体収容部と嵌合可能とされた棒状体固定部を備えているため、中央固定部の内側に収容された棒状体物品の長手方向両端部を棒状体収容部に対して固定することができる。このため、棒状体物品をブリスターパックに簡便に固定することができる。
【0010】
さらに、本発明に係るブリスターパックによれば、ブリスターパックの一方の棒状体固定部を載置することによって、棒状体収容部を自立させることができるため、ブリスターパックに収容した棒状体物品を自立した状態で効果的に店頭等において陳列することができる。また、ブリスターパックに収容された棒状体物品は、中央固定部の外側、かつ、棒状体固定部に固定されていない部分の外面をブリスターパックの外側に対して開放することができる。このため、ブリスターパックに収容された状態の棒状体物品に直接触れることができ、棒状体物品の質感等を容易に確認することができる。
【0011】
以上のことから、本発明に係るブリスターパックは、簡便に筆記具等の棒状体物品を収容することができ、かつ、自立することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る組立前状態のブリスターパックを斜視図で示す。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る組立後状態のブリスターパックの自立状態を斜視図で示す。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るブリスターパックを包装箱に収容した状態図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係るブリスターパックを説明する。同様な又は対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。理解を容易にするために、図の縮尺を変更して説明する場合がある。また、添付の図面に示されたブリスターパックは、一例とされており、これに限らず、異なる寸法のブリスターパックが形成されてもよい。
【0014】
図1には、本実施形態に係るブリスターパック10の斜視図を示す。
図1は、包装容器としての包装用箱12(
図3参照)に収容される前のブリスターパック10の組立前状態を示す。
図2には、包装用箱12に収容するために組み立てられたブリスターパック10の組立後状態(固定状態)の斜視図を示す。ここでは、ブリスターパック10は、棒状体物品としての筆記具14(
図3参照)を収容する側を前方側とする。図中には、ブリスターパック10の長手方向及び短手方向を矢印で示す。図中のFRは、長手方向先端側を示しており、図中のWは、短手方向を示す。
【0015】
図1に示されるように、ブリスターパック10は、筆記具14を収容するための中央固定部18を備えた棒状体収容部16と、棒状体収容部16の長手方向の両端側に一体で形成されると共に、棒状体収容部16と嵌合可能な棒状体固定部20、22と、を備える。ブリスターパック10は、例えば、熱可塑性樹脂等の樹脂材料等から構成された1枚の平板から形成されている。具体的には、1枚の平板状の樹脂材料は、真空成形又は圧空成形等によって、棒状体収容部16や棒状体固定部20、22に相当する部分が、ブリスターパック10の前方側へ向けて突出するように成形されている。
【0016】
中央固定部18は、棒状体収容部16の短手方向の略中央部に形成されており、内側に筆記具14を収容できるように、筆記具14の外形の一部に沿って略曲面状に形成されると共に、長手方向に沿って延在されている。このため、中央固定部18の略曲面状に形成された部分は、筆記具14を収容する側とは反対側となるブリスターパック10の後方側へ向けて突出されている。また、中央固定部18の前方側は、筆記具14を出し入れするために、ブリスターパック10の外側へ向けて開放されている。
【0017】
筆記具14の外形の一部に沿って延在された中央固定部18の長手方向の一方の端部は、収容される筆記具14の先端部14A(
図3参照)の形状に沿って形成された固定部先端18Aとされており、他方の端部は、収容される筆記具14の後端部14B(
図3参照)の形状に沿って形成された固定部後端18Bとされている。
【0018】
好ましくは、中央固定部18の長手方向の略中央部、かつ、前方側における短手方向の両端部には、前方側かつ短手方向内側へ向けて延出された棒状体保持部24が形成されている。棒状体保持部24は、中央固定部18に収容された筆記具14と当接するように形成されている。このため、棒状体収容部16に棒状体固定部20、22が嵌合されていない場合であっても、筆記具14は棒状体保持部24によって保持されるため、筆記具14を中央固定部18に安定して収容することができる。
【0019】
なお、ここでは、棒状体保持部24は、中央固定部18の前方側における短手方向の両端部に形成されているとして説明したが、これに限らず、短手方向の一方の端部だけに形成されてもよい。具体的には、例えば、筆記具の外形に沿って略円弧状に形成された棒状体保持部が、中央固定部の短手方向の一方の端部だけに形成されてもよい。また、ここでは、棒状体保持部24は、中央固定部18の長手方向の略中央部に形成されているとして説明したが、これに限らず、中央固定部の長手方向中央部以外の部分に1つ又は複数形成されてもよい。
【0020】
棒状体収容部16の長手方向の両端部には、棒状体固定部20、22と嵌合するために、棒状体固定部20、22側(長手方向外側)へ向けて凹状に形成された先端側凹状嵌合部26と、後端側凹状嵌合部28と、が各々形成されている。
【0021】
棒状体収容部16の長手方向の両端部と棒状体固定部20、22との間には、略平板状に形成された先端側平坦部30と、後端側平坦部32と、が形成されている。先端側平坦部30及び後端側平坦部32には、棒状体収容部16の短手方向に沿って延在する折曲部34が設けられている。折曲部34には、棒状体固定部20、22を棒状体収容部16に嵌合させるために、棒状体固定部20、22を折曲部34回りに回動させること(折曲部34で折り曲げること)ができるように、短手方向に沿ってミシン目が形成されている。なお、ここでは、折曲部34には、短手方向に沿ってミシン目が形成されているとして説明するが、これに限らず、例えば、折曲部は、平坦部の他の部分よりも薄く形成される等、棒状体固定部を回動することができるような他の態様で形成されてもよい。
【0022】
ブリスターパック10の長手方向の両端部側の棒状体固定部20、22は、筆記具14の先端部14A側が、先端部14Aを固定するための先端側棒状体固定部20とされており、筆記具14の後端部14B側が、後端部14Bを固定するための後端側棒状体固定部22とされている。
【0023】
先端側棒状体固定部20は、組立前状態において、ブリスターパック10の前方側へ向けて突出された先端側脚部36を備える。先端側脚部36は、組立後状態のブリスターパック10を、例えば、テーブルや台の天板といった載置面PL(
図2参照)に載置することによって自立させる際の、ブリスターパック10の脚部となるように形成されている。具体的には、先端側脚部36は、その外周形状(組立前状態における後方側の外周形状)の面積が、棒状体収容部16の短手方向に沿った横断面の外周形状の面積と略同一、又は、これよりも広い面積となるように形成されている。これによって、先端側脚部36の外周部分を載置面PLに載置した状態でブリスターパック10を自立させることができる。
【0024】
また、先端側棒状体固定部20は、先端側脚部36からブリスターパック10の前方側へ向けて突出された先端固定部38を備える。組立前状態における、先端固定部38の棒状体収容部16側には、棒状体収容部16側へ向けて凹状に形成された、先端側溝部40が設けられている。先端側溝部40は、その内周形状が、中央固定部18に収容された筆記具14の先端部14Aの中央固定部18から外側に露出する部分の外形に沿うように形成されている。このため、先端側溝部40は、棒状体収容部16と先端側棒状体固定部20とが嵌合したときに、先端側溝部40と固定部先端18Aとによって、筆記具14の先端部14Aを固定できるように形成されている。
【0025】
先端側脚部36の棒状体収容部16側の端部には、棒状体収容部16側かつブリスターパック10の前方側へ向けて突出するように凸状に形成された先端側凸状嵌合部42が形成されている。先端側凸状嵌合部42の外周形状は、先端側凹状嵌合部26の内周形状と略同一、又は、先端側凸状嵌合部42と先端側凹状嵌合部26とが、弾性変形した状態で嵌合できる程度に先端側凹状嵌合部26の内周形状よりも大きく形成されている。このため、先端側凸状嵌合部42は、先端側棒状体固定部20を折曲部34回りに約90度回動させることによって、先端側凹状嵌合部26と嵌合させることができる(
図2参照)。なお、ここでは、先端側棒状体固定部20を折曲部34回りに約90度回動させるとして説明するが、これに限らない。例えば、先端側棒状体固定部とこれと対向する棒状体収容部とが、ブリスターパックの長手方向に対してテーパ状に形成されている場合には、先端側棒状体固定部を折曲部回りに90度以上又は90度以下回動させることによって、凹状嵌合部と嵌合させてもよい。
【0026】
後端側棒状体固定部22は、組立前状態において、ブリスターパック10の前方側へ向けて突出された後端側脚部44を備える。後端側脚部44は、組立後状態のブリスターパック10を、例えば、テーブルや台の天板といった載置面PL(
図2参照)に載置することによって自立させる際の、ブリスターパック10の脚部となるように形成されている。具体的には、後端側脚部44は、その外周形状(組立前状態における後方側の外周形状)の面積が、棒状体収容部16の短手方向に沿った横断面の外周形状の面積と略同一、又は、これよりも広い面積となるように形成されている。これによって、後端側脚部44の外周部分を載置面PLに載置した状態でブリスターパック10を自立させることができる。
【0027】
図3に示されるように、先端側棒状体固定部20及び後端側棒状体固定部22は、組立後状態のブリスターパック10を包装用箱12へ簡便に挿入することができ、かつ、包装用箱12内に安定して収容できるように、先端側脚部36の外周形状と後端側脚部44の外周形状とが、略同一となるように形成されている。
【0028】
また、
図1に示されるように、後端側棒状体固定部22は、後端側脚部44からブリスターパック10の前方側へ向けて突出された後端固定部46を備える。組立前状態における、後端固定部46の棒状体収容部16側には、棒状体収容部16側へ向けて凹状に形成された、後端側溝部48が設けられている。後端側溝部48は、その内周形状が、中央固定部18に収容された筆記具14の後端部14Bの中央固定部18から外側に露出する部分の外形に沿うように形成されている。このため、後端側溝部48は、棒状体収容部16と後端側棒状体固定部22とが嵌合したときに、後端側溝部48と固定部後端18Bとによって、筆記具14の後端部14Bを固定できるように形成されている。
【0029】
後端側脚部44の棒状体収容部16側の端部には、棒状体収容部16側かつブリスターパック10の前方側へ向けて突出するように凸状に形成された後端側凸状嵌合部50が形成されている。後端側凸状嵌合部50の外周形状は、後端側凹状嵌合部28の内周形状と略同一、又は、後端側凸状嵌合部50と後端側凹状嵌合部28とが、弾性変形した状態で嵌合できる程度に後端側凹状嵌合部28の内周形状よりも大きく形成されている。このため、後端側凸状嵌合部50は、後端側棒状体固定部22を折曲部34回りに約90度回動させることによって、後端側凹状嵌合部28と嵌合させることができる(
図2参照)。なお、ここでは、後端側棒状体固定部22を折曲部34回りに約90度回動させるとして説明するが、これに限らない。例えば、後端側棒状体固定部とこれに対向する棒状体収容部とが、ブリスターパックの長手方向に対してテーパ状に形成されている場合には、後端側棒状体固定部を折曲部回りに90度以上又は90度以下回動させることによって、凹状嵌合部と嵌合させてもよい。
【0030】
本実施形態の作用及び効果について、以下に説明する。
【0031】
本実施形態に係るブリスターパック10によれば、筆記具14の外形の一部に沿って形成された棒状体収容部16の中央固定部18に筆記具14を収容するだけの構成であるため、筆記具14をブリスターパック10に簡便に収容することができる。
【0032】
また、本実施形態に係るブリスターパック10は、長手方向両端部に、先端側棒状体固定部20及び後端側棒状体固定部22を備えている。
図2に示されるように、先端側棒状体固定部20及び後端側棒状体固定部22を折曲部34(
図1参照)回りに約90度回動させることによって、これらを棒状体収容部16の先端側凹状嵌合部26及び後端側凹状嵌合部28と嵌合させることができる。このため、ブリスターパック10を簡便な動作によって組み立てることができる(組立後状態にすることができる)と共に、中央固定部18に収容された筆記具14をさらに固定することができる。
【0033】
さらに、本実施形態に係るブリスターパック10によれば、先端側棒状体固定部20及び後端側棒状体固定部22を折曲部34回りに棒状体収容部16とは反対側に約90度回動させることによって、簡便に組立前状態(
図1参照)とすることができ、ブリスターパック10に収容された筆記具14を取り出すことができる。また、ブリスターパック10は、棒状体固定部20、22と棒状体収容部16とが折曲部34を介して一体で形成されているため、組立前状態と組立後状態とに繰り返し変更することができる。このため、ブリスターパック10からの筆記具14の収容と取り出しとを繰り返し、かつ、簡便に行うことができる。
【0034】
また、本実施形態に係るブリスターパック10によれば、中央固定部18の長手方向の略中央部には、棒状体保持部24が、中央固定部18に収容された筆記具14と当接するように形成されていることが好ましい。このため、棒状体収容部16に棒状体固定部20、22が嵌合されていない状態であっても、筆記具14は棒状体保持部24によって保持されるため、筆記具14を中央固定部18に安定して収容することができる。
【0035】
さらに、本実施形態に係るブリスターパック10によれば、組み立てられたブリスターパック10とこれに収容された筆記具14とは、先端側脚部36又は後端側脚部44を載置面PL等に載置することによって、自立させることができる。これによって、ブリスターパック10に収容した筆記具14を自立した状態で効果的に店頭等において陳列することができる。
【0036】
また、本実施形態に係るブリスターパック10によれば、組立後状態において、中央固定部18に収容された筆記具14の先端部14Aを、先端側溝部40と固定部先端18Aとによって、固定することができる。さらに、中央固定部18に収容された筆記具14の後端部14Bを、後端側溝部48と固定部後端18Bとによって、固定することができる。このため、筆記具14の軸筒の一部(ここでは、筆記具14の長手方向中央部)がブリスターパック10の外側に対して露出している状態であっても、筆記具14がブリスターパック10から脱落することを防止又は抑制することができる。
【0037】
さらに、本実施形態に係るブリスターパック10によれば、ブリスターパック10に収容された筆記具14は、棒状体保持部24に保持されていない、かつ/又は、棒状体固定部20、22に固定されていない部分の外面をブリスターパック10の外側に対して開放することができる。このため、例えば、陳列されている筆記具14を観察している人は、ブリスターパック10に収容された状態の筆記具14に直接触れることができ、筆記具14の質感等を容易に確認することができる。
【0038】
また、本実施形態に係るブリスターパック10によれば、先端側脚部36の外周形状と後端側脚部44の外周形状とが略同一となるように形成されているため、ブリスターパック10を包装用箱12へ簡便に挿入することができ、かつ、包装用箱12内に安定して収容できる。
【0039】
以上のとおり、本実施形態に係るブリスターパック10によって、簡便に筆記具14をブリスターパック10に収容することができ、かつ、ブリスターパック10及びこれに収容された筆記具14の自立を可能とすることができる。
【0040】
なお、ここでは、ブリスターパック10には、筆記具14が収容されているとして説明したが、これに限らず、例えば、化粧品等の筆記具以外の棒状体物品が収容されてもよい。
【0041】
また、ここでは、棒状体固定部20、22を折曲部34回りに回動させることによって、棒状体収容部16と嵌合させるとして説明したが、これに限らず、例えば、蛇腹等のように折り畳み可能に形成された平坦部を折り畳むことによって、棒状体固定部20、22をスライドさせ、棒状体収容部16と嵌合させてもよい。
【0042】
さらに、ここでは、棒状体収容部16と、棒状体固定部20、22と、を備えたブリスターパック10の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。当業者が想到する範囲において、上記の実施形態の様々な変形が本発明の実施形態に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
10 ブリスターパック
12 包装用箱(包装容器)
14 筆記具(棒状体物品)
16 棒状体収容部
20 先端側棒状体固定部(棒状体固定部)
22 後端側棒状体固定部(棒状体固定部)
24 棒状体保持部