(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ダイボンディング装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20241003BHJP
H01L 21/52 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
H01L21/52 F
(21)【出願番号】P 2021046693
(22)【出願日】2021-03-19
【審査請求日】2024-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】515085901
【氏名又は名称】ファスフォードテクノロジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山下 莉穂
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-029563(JP,A)
【文献】国際公開第2014/069291(WO,A1)
【文献】特開2010-021485(JP,A)
【文献】特開2014-153770(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0287625(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 21/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピックアップしたダイを透明な円形状の基板の上面に載置するボンドヘッドと、
前記基板を撮像する撮像装置と、
前記ボンドヘッドと前記撮像装置とを制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記基板の初期状態における複数のエッジを前記撮像装置により認識して計測し、
前記計測した位置に基づいて前記基板の初期中心位置および初期大きさを算出し、
前記基板を円周上に複数のエリアに分割し、所定時間経過後または所定個数ボンドされた後(所定期間後)、前記基板の前記エリア毎に複数のエッジを前記撮像装置により認識して計測し、前記計測した位置に基づいて前記エリア毎における基板の変位中心位置および変位大きさを算出し、
前記初期中心位置および前記初期大きさと、前記変位中心位置および前記変位大きさと、に基づいて、前記基板の前記所定期間後における外周の座標と、前記基板の前記初期状態における外周の座標と、の変位量を算出するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項2】
請求項1のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、
前記初期中心位置を基準とするダイをボンドするボンド位置を予め登録しておき、前記ボンド位置に前記ボンドヘッドによりダイを順次ボンドし、
前記所定期間後、前記ボンド位置を前記変位量に基づき補正し、前記ボンドヘッドによりダイを順次ボンドするよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項3】
請求項1のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、前記初期状態における基板の中心位置および大きさは、3点以上のエッジの位置に基づいて、近似円により算出するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項4】
請求項3のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、前記所定期間後における基板の中心位置および大きさは、3点以上のエッジの位置に基づいて、近似円により算出するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項5】
請求項3のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、前記所定期間後における基板の中心位置および大きさは、6点以上のエッジの位置に基づいて、近似楕円により算出するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項6】
請求項3のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、前記エリア内の3点のエッジに位置を計測し、前記エリア内の3点はエリア内の基板の外周の最遠部の2点とその中点を設定するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項7】
請求項1のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、前記基板を円周上に複数のエリアに分割するに当たり、赤外線放射サーモグラフィーの画像により温度測定を行い、温度測定結果に基づいて分割するエリアを設定するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項8】
請求項1のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、前記基板を円周上に複数のエリアに分割するに当たり、事前に倣いでメカ要因の熱伝導の癖を把握し、その癖の影響を予測した結果に基づいて分割するエリアを設定するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項9】
請求項1のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、前記基板を円周上に複数のエリアに分割するに当たり、最初は手入力でエリアを詳細に分割し、膨張係数または補正率を算出しボンドし、前記算出した膨張係数または補正率が同じである箇所がある場合、該箇所をグループ化して同じエリアに設定するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項10】
請求項1のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、前記基板を円周上に複数のエリアに分割するに当たり、蓄積された膨張係数または補正率に基づいて、膨張率を推測して分割するエリアを設定するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項11】
ダイを有するダイシングテープを保持するウエハリングを搬入する工程と、
透明な円形状の基板を搬入する工程と、
前記ウエハリングから前記ダイをピックアップし、前記ピックアップされたダイを前記基板に載置する載置工程と、
を備え、
前記載置工程は、
前記基板の初期状態における複数のエッジを計測し、
前記計測した位置に基づいて前記基板の初期中心位置および初期大きさを算出し、
前記基板を円周上に複数のエリアに分割し、所定時間経過後または所定個数ボンドされた後(所定期間後)、前記基板の前記エリア毎に複数のエッジを計測し、前記計測した位置に基づいて前記エリア毎における基板の変位中心位置および変位大きさを算出し、
前記初期中心位置および前記初期大きさと、前記変位中心位置および前記変位大きさと、に基づいて、前記基板の前記所定期間後における外周の座標と、前記基板の前記初期状態における外周の座標と、の変位量を算出する半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11の半導体装置の製造方法において、
前記載置工程は、
前記初期中心位置を基準とするダイをボンドするボンド位置を予め登録しておき、前記ボンド位置にダイを順次ボンドし、
前記所定期間後、前記ボンド位置を前記変位量に基づき補正し、ダイを順次ボンドする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項11の半導体装置の製造方法において、
前記載置工程は、前記初期状態における基板の中心位置および大きさは、3点以上のエッジの位置に基づいて、近似円により算出する半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項13の半導体装置の製造方法において、
前記載置工程は、前記所定期間後における基板の中心位置および大きさは、3点以上のエッジの位置に基づいて、近似円により算出する半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項13の半導体装置の製造方法において、
前記載置工程は、前記所定期間後における基板の中心位置および大きさは、6点以上のエッジの位置に基づいて、近似楕円により算出する半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はダイボンディング装置に関し、例えばファンアウト型ウエハレベルパッケージ用の基板にダイプレースを行うダイボンディング装置に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
ファンアウト型ウエハレベルパッケージ(Fan Out Wafer Level Package:FOWLP)はチップ面積を超える広い領域に再配線層を形成するパッケージである。FOWLPは、例えば直径が300mmのウエハやガラス基板のような円形状のパネル(ウエハパネル)に多数のシリコンダイを載せてパッケージの製造を一括して実施することで、パッケージ1個当たりの製造コストを低減する。FOWLPのパネルにはSi基板またはガラス基板を使う。一方、この一括製造の考え方を、ウエハよりも大きな矩形状のパネル(パネル状の基板)に適用したのが、FOPLP(Fan Out Panel Level Package)である。FOPLPのパネルにはプリント基板またはガラス基板(例えば液晶パネル製造用基板など)を使う。
【0003】
FOWLPおよびFOPLPの製造プロセスとしては、例えば、仮基板としてのパネル(以下、基板ともいう。)上にウエハからピックアップしたダイを、基板上に塗布した粘着性の基剤を介してボンドし仮固定してから封止樹脂で一括封止し、その封止体を基板から剥離して再配線やパッド(PAD)の形成を行う方法がある。その方法では歩留まり、品質を維持するために基板上に精度よくダイを実装する必要がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
製造装置の高精度化にむけ、基板上に予め位置決めの基準となるマークなどを配置しアライメントする方法が考えられるが、基板に加工してターゲットマークを形成する場合、製造する部品サイズが変更になった場合など基板(型として)の再使用が困難なうえ、基板上に高精度でアライメントマークを形成するにはコストがかかり、基板のコストの上昇はパッケージ価格の上昇につながる。そのため、マークなしの無地の基板上にダイを高精度に実装する必要があり、製造装置も高価なものになってしまう。FOWLPおよびFOPLPのコスト低減のためには高精度かつ低価格で実装が可能な製造装置の実現が必要である。
【0006】
本開示の課題は半導体チップ(ダイ)をマークが施されていない基板に位置決め精度良く取り付けるダイボンディング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、ダイボンディング装置は、ダイを透明な円形状の基板の上面に載置するボンドヘッドと撮像装置とを制御する制御装置を備える。制御装置は、基板の初期状態における複数のエッジを撮像装置により認識して計測し、計測した位置に基づいて基板の初期中心位置および初期大きさを算出し、基板を円周上に複数のエリアに分割し、所定期間後、基板のエリア毎に複数のエッジを撮像装置により認識して計測し、計測した位置に基づいて分割エリア毎における基板の変位中心位置および変位大きさを算出し、初期中心位置および初期大きさと、変位中心位置および変位の大きさと、に基づいて、基板の所定期間後における外周の座標と、基板の前記初期状態における外周の座標と、の変位量を算出するよう構成される。
【発明の効果】
【0008】
上記ダイボンディング装置によれば、ダイプレースの精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態におけるフリップチップボンダの概略を示す上面図である。
【
図2】
図1において矢印A方向から見たときに、ピックアップフリップヘッド、トランスファヘッド及びボンドヘッドの動作を説明する図である。
【
図3】
図1に示すダイ供給部の主要部を示す概略断面図である。
【
図4】
図1に示すフリップチップボンダで実施されるボンド方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図1に示すボンドステージを示す上面図である。
【
図6】
図1に示す基板搬送治具を説明する図である。
【
図8】実施形態のボンド方法の概要を説明する図である。
【
図9】実施形態のボンド方法による効果の一例を説明する図である。
【
図10】実施形態におけるボンド方法を説明するフローチャートである。
【
図11】基板の中心を算出する方法を説明する上面図である。
【
図12】最小二乗法で近似円を算出し、近似円の中心(Xc、Yc)、半径(R)を求める方法を説明する図である。
【
図13】最小二乗法で近似円を算出し、近似円の中心(Xc、Yc)、半径(R)を求める方法に使用する式を示す図である。
【
図15】一つのエリアにおける基板の中心を算出する方法を説明する図である。
【
図16】第一変形例におけるエッジ位置の設定を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態および変形例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0011】
図1は実施形態におけるフリップチップボンダの概略を示す上面図である。
図2は
図1において矢印A方向から見たときに、ピックアップフリップヘッド、トランスファヘッド及びボンドヘッドの動作を説明する図である。
【0012】
ダイボンディング装置としてのフリップチップボンダ10は、大別して、ダイ供給部1と、ピックアップ部2と、トランスファ部8と、中間ステージ部3と、ボンド部4と、搬送部5と、基板供給部6Kと、基板搬出部6Hと、各部の動作を監視し制御する制御装置7と、を有する。
【0013】
まず、ダイ供給部1は、基板Pに実装するダイDを供給する。ダイ供給部1は、分割されたウエハ11を保持するウエハ保持台12と、ウエハ11からダイDを突き上げる点線で示す突上げユニット13と、ウエハリング供給部18と、を有する。ダイ供給部1は、図示しない駆動手段によってX軸およびY軸方向に移動し、ピックアップするダイDを突上げユニット13の位置に移動させる。ウエハリング供給部18はウエハリング14(
図3参照)が収納されたウエハカセットを有し,順次ウエハリング14をダイ供給部1に供給し、新しいウエハリング14に交換する。ダイ供給部1は、所望のダイDをウエハリング14からピックアップできるように、ピックアップポイントに、ウエハリング14を移動する。ウエハリング14は、ウエハ11が固定され、ダイ供給部1に取り付け可能な治具である。
【0014】
ピックアップ部2は、ダイDをピックアップして反転するピックアップフリップヘッド21と、コレット22を昇降、回転、反転及びY軸方向移動させる図示しない各駆動部と、を有する。このような構成によって、ピックアップフリップヘッド21は、ダイをピックアップし、ピックアップフリップヘッド21を180度回転させ、ダイDのバンプを反転させて下面に向け、ダイDをトランスファヘッド81に渡す姿勢にする。
【0015】
トランスファ部8は、反転したダイDをピックアップフリップヘッド21から受けとり、中間ステージ31に載置する。トランスファ部8は、ピックアップフリップヘッド21と同様にダイDを先端に吸着保持するコレット82を備えるトランスファヘッド81と、トランスファヘッド81をY軸方向に移動させるY駆動部83と、を有する。
【0016】
中間ステージ部3は、ダイDを一時的に載置する中間ステージ31およびステージ認識カメラ34を有する。中間ステージ31は図示しない駆動部によりY軸方向に移動可能である。
【0017】
ボンド部4は、中間ステージ31からダイDをピックアップし、搬送されてくる基板P上にボンドする。ここで、基板Pとして透明な円形状の基板であるガラスパネルを用いる。ボンド部4は、ピックアップフリップヘッド21と同様にダイDを先端に吸着保持するコレット42を備えるボンドヘッド41と、ボンドヘッド41をY軸方向に移動させる駆動部としてのYビーム43と、基板P等を撮像し、ボンド位置を認識する撮像装置としての基板認識カメラ44と、Xビーム45と、ボンドステージ46と、を有する。Xビーム45は搬送レール51,52の近傍に設けられ、Yビーム43は、ボンドステージ46の上を跨るようにY軸方向に伸び、両端部はXビーム45によってX軸方向に移動自在に支持されている。
【0018】
ボンドヘッド41は、真空吸着によりダイDを着脱自在に保持するコレット42を有する装置であり、Y軸方向およびZ軸方向に往復動自在にYビーム43に取り付けられている。ボンドヘッド41は中間ステージ31からピックアップしたダイDを保持して搬送し、ボンドステージ46に吸着固定された基板P上にダイDを取り付ける機能を備えている。なお、ボンドヘッド41がXビーム45よりも中間ステージ31側に移動する場合は、コレット42がXビーム45よりも高くなるようにボンドヘッド41が上昇する。
【0019】
このような構成によって、ボンドヘッド41は、中間ステージ31からダイDをピックアップし、基板認識カメラ44の撮像データに基づいて基板PにダイDをボンドする。
【0020】
搬送部5は、基板Pを保持した基板搬送治具WCがX軸方向に移動する搬送レール51,52を備える。搬送レール51,52は平行に設けられる。このような構成によって、基板供給部6Kから基板Pを搬出し、搬送レール51,52に沿ってボンド位置まで移動し、ボンド後、基板搬出部6Hまで移動して、基板搬出部6Hに基板Pを渡す。基板PにダイDをボンド中に、基板供給部6Kは新たな基板Pを搬出し、搬送レール51,52上で待機する。
【0021】
制御装置7は、フリップチップボンダ10の各部の動作を監視し制御するプログラム(ソフトウェア)を格納するメモリと、メモリに格納されたプログラムを実行する中央処理装置(CPU)と、を備える。例えば、制御装置7は、基板認識カメラ44及び基板認識カメラ44からの画像情報、ボンドヘッド41の位置などの各種情報を取り込んでメモリに格納し、ボンドヘッド41のボンド動作など各構成要素の各動作を制御する。
【0022】
図3は
図1のダイ供給部の主要部を示す概略断面図である。
図3に示すように、ダイ供給部1は、ウエハリング14を保持するエキスパンドリング15と、ウエハリング14に保持され複数のダイDが粘着されたダイシングテープ16を水平に位置決めする支持リング17と、ダイDを上方に突き上げるための突上げユニット13と、を有する。所定のダイDをピックアップするために、突上げユニット13は、図示しない駆動機構によって上下方向に移動し、ダイ供給部1は水平方向には移動するようになっている。
【0023】
次に、実施形態のフリップチップボンダにおいて実施されるボンド方法(半導体装置の製造方法)について
図4を用いて説明する。
図4は
図1のフリップチップボンダで実施されるボンド方法を示すフローチャートである。
【0024】
下記ステップに先立ち、フリップチップボンダに、ダイDを有するダイシングテープ16を保持するウエハリング14および基板Pを保持する基板搬送治具WCを搬入する。搬入された基板Pはボンドステージ46に搬送されて、基板Pの中心および基板サイズを算出しそれを初期値として登録する。詳細は後述する。
【0025】
(ステップS21:ウエハダイピックアップ)
制御装置7はピックアップするダイDが突上げユニット13の真上に位置するようにウエハ保持台12を移動し、剥離対象ダイを突上げユニット13とコレット22に位置決めする。ダイシングテープ16の裏面に突上げユニット13の上面が接触するように突上げユニット13を移動する。このとき、制御装置7は、ダイシングテープ16を突上げユニット13の上面に吸着する。制御装置7は、コレット22を真空引きしながら下降させ、剥離対象のダイDの上に着地させ、ダイDを吸着する。制御装置7はコレット22を上昇させ、ダイDをダイシングテープ16から剥離する。これにより、ダイDはピックアップフリップヘッド21によりピックアップされる。
【0026】
(ステップS22:ピックアップフリップヘッド移動)
制御装置7はピックアップフリップヘッド21をピックアップ位置から反転位置に移動させる。
【0027】
(ステップS23:ピックアップフリップヘッド反転)
制御装置7はピックアップフリップヘッド21を180度回転させ、ダイDのバンプ面(表面)を反転させて下面に向け、ダイDをトランスファヘッド81に渡す姿勢にする。
【0028】
(ステップS24:トランスファヘッド受渡し)
制御装置7はピックアップフリップヘッド21のコレット22からトランスファヘッド81のコレット82によりダイDをピックアップして、ダイDの受渡しが行われる。
【0029】
(ステップS25:ピックアップフリップヘッド反転)
制御装置7は、ピックアップフリップヘッド21を反転し、コレット22の吸着面を下に向ける。
【0030】
(ステップS26:トランスファヘッド移動)
ステップS25の前または並行して、制御装置7はトランスファヘッド81を中間ステージ31に移動する。
【0031】
(ステップS27:中間ステージダイ載置)
制御装置7はトランスファヘッド81に保持しているダイDを中間ステージ31に載置する。
【0032】
(ステップS28:トランスファヘッド移動)
制御装置7はトランスファヘッド81をダイDの受渡し位置に移動させる。
【0033】
(ステップS29:中間ステージ位置移動)
ステップS28の後または並行して、制御装置7は中間ステージ31をボンドヘッド41との受渡し位置に移動させる。
【0034】
(ステップS2A:ボンドヘッド受渡し)
制御装置7は中間ステージ31からボンドヘッド41のコレットによりダイDをピックアップして、ダイDの受渡しが行われる。
【0035】
(ステップS2B:中間ステージ位置移動)
制御装置7は中間ステージ31をトランスファヘッド81との受渡し位置に移動させる。
【0036】
(ステップS2C:ボンドヘッド移動)
制御装置7は、ボンドヘッド41のコレット42が保持しているダイDを基板P上に移動する。
【0037】
(ステップS2D:ボンド)
制御装置7は、中間ステージ31からボンドヘッド41のコレット42でピックアップしたダイDを粘着性の基剤(粘着層)が塗布された基板P上にボンド(載置)する。詳細については後述する。
【0038】
(ステップS2E:ボンドヘッド移動)
制御装置7はボンドヘッド41を中間ステージ31との受渡し位置に移動させる。
【0039】
また、ステップS2Eの後に、制御装置7は基板搬出部6Hで搬送レール51,52からダイDがボンドされた基板Pを保持している基板搬送治具WCを取り出す。フリップチップボンダ10から基板Pを保持している基板搬送治具WCを搬出する。
【0040】
その後、基板Pの粘着層の上に配置された複数のダイ(半導体チップ)を封止樹脂で一括封止することにより、複数の半導体チップと複数の半導体チップを覆う封止樹脂とを備える封止体を形成した後、封止体から基板Pを剥離し、次いで封止体の基板Pが貼り付けられていた面上に再配線層を形成してFOWLPを製造する。
【0041】
次に、
図1に示すボンドステージ46について
図5を用いて説明する。
図5は
図1に示すボンドステージを示す上面図である。
【0042】
図5に示すように、ボンドステージ46はFOPLP用の矩形状の基板およびFOWLP用の円形状の基板の両方を真空吸着および加熱するように構成されている。矩形状の基板は、例えば、515mm×510mmの大きさの基板が載置可能であり、円形状の基板は、例えば、12インチおよび8インチのウエハサイズの基板が載置可能である。
【0043】
ボンドステージ46は、中央の円に円形状の基板用の真空吸着用溝VT1およびヒータHT1と、外周に矩形状の基板用の真空吸着溝VT2およびヒータHT2と、基板搬送治具用の逃がし穴EH1,EH2と、を備える。逃がし穴EH1は後述する基板保持爪WSC用であり、逃がし穴EH2は後述する基板位置決め爪WPM用である。円形状の基板を載置する場合は、中央の円のヒータHT1および真空吸着溝VT1のみを用い、矩形状の基板を載置する場合は、中央の円のヒータHT1と外周のヒータHT2および真空吸着溝VT1,VT2を用いる。
【0044】
次に、
図1に示す基板搬送治具WCについて
図6を用いて説明する。
図6は
図1に示す基板搬送治具を説明する図である。
図6(a)は基板搬送治具を示す上面図である。
図6(b)は基板搬送治具がボンドステージに載置される前の状態を示す、
図6(a)のB-B線における断面図である。
図6(c)は基板搬送治具がボンドステージに載置された状態を示す、
図6(a)のB-B線における断面図である。
【0045】
基板搬送治具WCは、中央に孔が形成された矩形状の基板WCSと、基板Pを三か所で保持する三つの基板保持爪WSCと、基板位置決め爪WPMと、を備える。
図6(b)に示すように、基板保持爪WSCは、基板WCSの上面に当接して固定される部分WSCaと、基板Pの下面に当接して基板Pを保持する部分WSCbを有する。基板Pを保持する部分WSCbの上面は、基板Pの下面と当接する。
図6(c)に示すように、基板Pを保持する部分WSCbはボンドステージ46の逃がし穴に埋没して基板Pの下面がボンドステージ46の上面と当接するように構成されている。
【0046】
ここで、本開示におけるダイボンディング装置をより明確にするため、基板にダイをプレースする場合の問題点について
図7を用いて説明する。
図7は基板の熱伸縮の問題点を説明する図であり、初期時における基板とボンド時における基板を重ねて記載した概念図である。
【0047】
FOWLPでは基板サイズが大きく(例えば、直径が300mmなど)、位置決め基準が設けられていない基板上にダイを3~5μmなどの高精度で、かつ大量にボンドする必要がある。しかし、環境の温度変化やプロセスで必要とする基板温度の変化、装置の経時変化などによる影響で、ボンド途中に基板の伸縮など変化することがあり、ボンド後の精度に影響する。
【0048】
例えば、
図7に示すように、設計値や常温時またはボンド開始時(初期時)における基板(この状態を基板P0と記載する。)は、ボンド時の加熱処理において基板がX軸方向およびY軸方向に熱膨張する(この状態を基板P1と記載する。)。その結果、設計値や初期時における基板中心CNを基準とする目標ボンドの座標BC0は、ボンド時においては基板中心CNを基準とする目標ボンドの座標BC1になる。
【0049】
同じ目標であっても熱伸縮が起こった分、目標ボンド位置は座標BC0から座標BC1へずれている。しかし、それを考慮せずに補正をしないままボンドすると、座標BC0の位置へボンドすることになる。すると、ボンド後に初期時における基板状態へ戻った際、目標通りのボンド位置とはなっておらず、精度が出ない。初期時における基板状態へ戻った際の精度を良くするために補正をかける必要がある。
【0050】
環境やプロセスによる温度変化に対する基板の熱伸縮(熱膨張および熱収縮)による変化に対し、任意の外形3カ所以上の座標から近似円を求め演算により中心点座標を算出し、測定ポイントの中心点からの半径の経時変化で各点の伸縮を求め補正を行うことが考えられる。
【0051】
しかし、基板Pの熱伸縮は、下記(a)~(f)の理由により基板内で均一に発生するとは限らず、基板Pがどの箇所も中心から均一に伸縮するとは限らない。さらに算出した中心点座標も変化するため、熱伸縮量の算出に誤差が生じ、正確な熱伸縮による基板P内のボンド位置の補正が困難となる。
【0052】
(a)基板Pの一部エリアから順にボンドを行うため、ボンドされたエリアとそれ以外のエリアの基板Pの吸放熱量が異なり、基板P内に温度差が生じ部分的な基板P内の熱伸縮の差が発生する。
【0053】
(b)基板Pの加熱機構であるボンドステージ46のヒータHT1によるばらつきで基板P内の熱伸縮量に差が発生する。
【0054】
(c)基板搬送治具WCにおける基板Pのクランプ(固定)部分である基板保持爪WSCからの熱伝導の影響で加熱した基板Pからの放熱量に部分的な差が発生し、基板P内に温度差が生じて基板P内に熱伸縮の差が発生する。
【0055】
(d)FOPLP用の基板とFOWLP用の基板の両方にダイをプレースする併用装置において、矩形のFOPLP用の基板にFOWLP用の基板を装着し処理を行う場合、FOPLP用の基板部分の基準ガイド部分である基板位置決め爪WPMから一方向に基板Pの位置に応じて異なる熱変形が発生し、中心点の座標も変化する。さらに、接触した矩形状の基板WCSの角部や辺などの形状により放熱量が異なり、FOWLP用の基板P内に温度差が生じ部分的な基板P内の熱伸縮の差が発生する。
【0056】
(e)基板Pの反りによって温度差が生じ、基板P内の熱伸縮の差が発生する。
【0057】
(f)基板Pの部材の性質によっては熱伸縮に異方性があり、熱変形が不均一になる。
【0058】
上記問題点を解決する実施形態のボンド方法の概要について
図8および
図9を用いて説明する。
図8は実施形態のボンド方法の概要を説明する図であり、
図8(a)はエリア分割を説明する図であり、
図8(b)は熱伸縮量の算出を説明する図である。
図9は実施形態のボンド方法による効果の一例を説明する図である。
【0059】
図8(a)に示すように、基板P1の円周を複数のエリアARに分割する。分割したエリア毎の円周上の3点以上の座標を抽出しその座標からそのエリア毎の中心座標を算出する。そして、
図8(b)に示すように、そのエリア毎に算出した中心座標から円周上の点座標の熱伸縮量(Δr)を算出して把握する。把握したボンド時の各座標点の変化量を、初期時における基板P0の値と比較し、その変化量に基づいてボンド位置を補正して基板にダイをボンドする。
【0060】
分割の概念を使用することでエリア毎に異なる補正値を持つことになるため、
図9に示すような奇形であってもボンドすることが可能である。
図9に示すような場合は、基板P1の一部のみ温められ、伸縮した状態である。このような場合であっても、エリアAR1、エリアAR2で異なる補正値を持つことによりそれぞれのエリアAR1,AR2においてダイを正確にボンドすることが可能となる。
【0061】
これにより、基板P内で発生する不均一な熱膨張収縮による変形に対し、そのエリア毎に補正が可能となる。円形状の透明基板で構成されるFOWLP用の基板に対するボンド(ダイプレース)の精度を向上することができる。これにより、FOWLP製品の歩留まりを向上することができる。
【0062】
次に、実施形態におけるボンド方法について
図10から
図15を用いて説明する。
図10は実施形態におけるボンド方法を説明するフローチャートである。
図11は基板の中心を算出する方法を説明する上面図である。
図12は最小二乗法で近似円を算出し、近似円の中心(Xc、Yc)、半径(R)を求める方法を説明する図である。
図13は最小二乗法で近似円を算出し、近似円の中心(Xc、Yc)、半径(R)を求める方法に使用する式を示す図である。
図14はエリア分割例を説明する図である。
図15は一つのエリアにおける基板の中心を算出する方法を説明する図である。
【0063】
(ステップS1)
制御装置7は、基板搬送治具WCにより保持された基板P0をボンドステージ46に搬送して、基板P0を真空吸着した後、すぐに基板P0のエッジの認識動作を開始する。
図11に示すように、認識動作では、制御装置7は、基板P0の任意の三点におけるエッジEG1~EG3を基板認識カメラ44により撮像して、基板P0の三つのエッジEG1~EG3の位置を認識(計測)し、その位置および距離を記憶装置に保存する。なお、基板P0の三つのエッジEG1~EG3の検出は基板認識カメラ44によるエッジスキャンにより行うが、レーザ高さセンサなどによる高さスキャンで変化位置を計測してもよい。基板P0のエッジの検出は三つに限定されるものではなく、四つ以上であってもよい。
【0064】
(ステップS2)
制御装置7は、ステップS1で計測した基板P0の三つのエッジEG1~EG3の位置から基板P0の中心CNおよび基板Pの大きさ(例えば、半径)を算出し、それらを初期値として記憶装置に保存する。制御装置7は、三点のエッジの測定結果から、最小二乗法により近似円を算出し、その近似円の中心(xc、yc)および半径(r)を求める。
【0065】
ここで、複数の測定点(xi,yi)から円を最小二乗法で近似し、円の中心(xc,yc)を算出する方法について
図12および
図13を用いて説明する。なお、
図12に示すように、測定点は三点以上あれば近似円を算出可能である。
【0066】
近似する円の中心CNの座標(xc,yc)を(a,b)、半径をrとすると、近似する円の式は、
図13に示す式(1)で表される。式(1)を変形して、
図13に示す式(2)のように変形することができる。ここで、式(2)のパラメータA、B、Cは、
図13に示す式(3)で表される。
【0067】
複数の測定点(xi,yi)(i=1~n)を使い、最小二乗法によりパラメータA,B,Cを算出する。すなわち、
図13に示す式(4)を用いてパラメータA,B,Cを算出する。
【0068】
式(4)をパラメータA,B,Cで偏微分すると、
図13に示す式(5)(6)(7)のようになる。式(5)(6)(7)を行列式で表現すると、
図13に示す式(8)のようになり、式(8)を変形すると、
図13に示す式(9)のようになる。式(9)からパラメータA,B,Cを算出する。
【0069】
式(9)から算出したA,Bを式(3)に代入して(a,b)を算出する。式(3)から算出した(a,b)および式(9)から算出したCを式(3)に代入してrを算出する。
【0070】
(ステップS3)
制御装置7は、基板P0の中心CNからダイDをボンドする位置を予め登録しておき、その位置にボンドヘッド41によりダイDを順次ボンドする。
【0071】
(ステップS4,S5)
制御装置7は、所定時間または所定個数など、時間経過に類する設定に基づいてその期間(所定期間)を経過したかどうかを判定し(ステップS4)、経過していない場合はボンドを続け、経過した場合、再度基板P1のエッジを検出する(ステップS5)。
【0072】
ここで、基板P1をその円周上に複数のエリアに分割する。複数のエリアは任意に設定可能である。例えば、基板Pの初期状態(基板P0)における中心位置を中心とする扇型に均等に4分割する。ボンド位置により、例えば、
図14に示すような第1象限(I)から第4象限(IV)の対象象限(エリア)を確定する。制御装置7は、分割されたエリア毎に基板P1の複数のエッジを計測する。
【0073】
(ステップS6)
図15に示すように、制御装置7は、例えば、対象エリアとして第1象限内において基板P1の任意の三つのエッジEG11~EG13を基板認識カメラ44により撮像して、基板P1の三つのエッジEG11~EG13の位置を認識(計測)し、その位置および距離を記憶装置に保存する。制御装置7は、第1象限のエリアの円周上の3点の座標からステップS2と同様に近似円を算出する。その近似円の中心CN’(xc’,yc’)および半径(r’)を算出し、記憶装置に保存する。
【0074】
(ステップS7)
制御装置7は、ステップS6において計測した中心CN’の位置および半径(r’)およびステップS2において算出した初期値に基づいて、基板P1の円周上の点座標の基板P0の円周上の点座標に対する変化量を算出する。例えば、制御装置7は、ステップS2において算出した近似円の半径(r)とステップS6において算出した近似円の半径(r’)とにより伸縮率を算出し、算出した伸縮率に基づいて上述の変化量を算出する。
【0075】
(ステップS8)
制御装置7は、ステップS7において算出された変化量に基づいて、予め登録されているダイDをボンドする位置を補正して、ダイDを基板P1にボンドヘッド41によりボンドする。
【0076】
(ステップS9)
制御装置7は、所定期間を経過したかどうかを判定し、経過していない場合はステップS8のボンドを続け、経過した場合はステップS5に戻る。
【0077】
実施形態では、予め設定されたエリア毎に、ボンドステージ上に設置された基板の中心(基板基準位置)と半径(基板サイズ)を検出し、中心基準で位置のアライメント、半径変化で伸縮補正を実施する。これにより、熱伸縮による基板の中心および基板の半径の変化に追従して、ボンドすることができる。
【0078】
<変形例>
以下、実施形態の代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成および機能を有する部分に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部分の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が適宜援用され得るものとする。また、上述の実施形態の一部、および、複数の変形例の全部または一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
【0079】
(第一変形例)
第一変形例におけるボンド方法について
図16を用いて説明する。
図16は第一変形例におけるエッジ位置の設定を説明する図である。
【0080】
実施形態では、対象エリア内において基板Pの任意の3点のエッジの位置を測定する例を説明したが、対象エリア内の3点は、エリア内の基板Pの外周の最遠部の2点とその中点に自動的に設定する。例えば、
図16に示すように、均等に四分割して対象エリアを第1象限とする場合は、エッジEG11はx軸上の位置に設定し、エッジEG13はy軸上の位置に設定し、エッジEG12はエッジEG11とエッジEG13の中点の位置に設定する。これにより、三点の間隔を自動的に広く取ることができる。
【0081】
(第二変形例)
分割するエリアのサイズに基づいて、エリア内の最低測定点数を決定するようにしてもよい。分割するエリアが細かい場合、実施形態と同様に、そのエリアを円に見立て中心を算出する。この場合は、最低3点のエッジ検出を行う。分割するエリアが荒い場合、そのエリアを楕円に見立て中心を算出する。この場合は、最低6点のエッジ検出を行う。
【0082】
楕円の一般式は下式で表される。
Ax2+Bxy+Cy2+Dx+Ey+F=0
ここで、A~Fは係数である。係数が6個あるので、最低6点のエッジの位置を検出することにより、実施形態に近似円と同様に、近似楕円の中心座標,長軸の長さ、短軸に長さ、傾きを算出することができる。
【0083】
なお、分割するエリアの粒度に関係なく、最低6点のエッジを検出して楕円近似を用いてもよい。
【0084】
(第三変形例)
実施形態では、基板Pを均等に分割してエリアを設定する例を説明したが、第三変形例では、分割するエリアを設定するに当たり、制御装置7は、赤外線放射サーモグラフィーの画像等により温度測定を行い、温度測定結果に基づいて分割するエリアを設定する。これにより、実際の変形エリアによる補正が可能となる。
【0085】
(第四変形例)
第四変形例では、分割するエリアを設定するに当たり、制御装置7は、事前に倣いでメカ要因の熱伝導の癖を把握し、その癖の影響を予測した上で分割するエリアを設定する。
【0086】
(第五変形例)
第五変形例では、分割するエリアを設定するに当たり、最初は手入力でエリアを詳細に分割し、制御装置7は、膨張係数や補正率を算出しボンドする。そして、算出した膨張係数や補正率(膨張率)の同じ箇所がある場合、制御装置7は、該箇所をグループ化して同じエリアに設定する。これにより、タクトタイムを向上させることができる。
【0087】
(第六変形例)
第六変形例では、分割するエリアを設定するに当たり、制御装置7は、蓄積された膨張係数や補正率(膨張率)などのデータに基づいて、膨張率を推測して分割するエリアを設定する。
【0088】
以上、本開示者らによってなされた発明を実施形態および変形例に基づき具体的に説明したが、本開示は、上記実施形態よび変形例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0089】
例えば、実施形態では、ピックアップ部2、トランスファ部8、中間ステージ部3およびボンド部4が一つの例を説明したが、ピックアップ部2、トランスファ部8、中間ステージ部3およびボンド部4はそれぞれ二組あってもよい。
【0090】
また、実施形態では、Yビーム43には一つのボンドヘッド41が設けられる例を説明したが、複数のボンドヘッドを設けてもよい。
【0091】
また、実施形態ではフリップチップボンダについて説明したが、ダイ供給部からピックアップしたダイを反転しないでボンドするダイボンダにも適用可能である。
【符号の説明】
【0092】
7・・・制御装置
10・・・フリップチップボンダ(ダイボンディング装置)
41・・・ボンドヘッド
44・・・基板認識カメラ(撮像装置)
D・・・ダイ
P・・・基板