(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】折り畳み傘用カバー及び折り畳み傘の収納方法
(51)【国際特許分類】
A45B 25/24 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A45B25/24 C
(21)【出願番号】P 2021091777
(22)【出願日】2021-05-31
【審査請求日】2024-04-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2021年1月4日にウェブサイトhttps://watote.trinus.jp/designs/4580で公開。
(73)【特許権者】
【識別番号】309033312
【氏名又は名称】佐藤 憲二
(74)【代理人】
【識別番号】100158023
【氏名又は名称】牛田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 憲二
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-017210(JP,A)
【文献】特開2010-094468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 25/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つ折りであって、表面において折れ線で区画された第1領域と、前記第1領域に隣接する第2領域と、を有する本体部と、
前記本体部を開閉する開閉部材と、
前記本体部の裏面に設けられた吸水部と、
前記第1領域に両端部が固定され一部の指が挿入される第1把持部と、
前記第2領域に両端部が固定され他の指が挿入される第2把持部と、を有し、
前記第1把持部に一部の指を挿入し前記第2把持部に他の指を挿入した状態で、片手で前記本体部を開閉可能であることを特徴とする、折り畳んだ状態の折り畳み傘を収納する折り畳み傘用カバー。
【請求項2】
前記第1把持部と、前記第2把持部と、は前記折れ線に対して対称に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み傘用カバー。
【請求項3】
前記第1把持部と、前記第2把持部と、は前記折れ線に対して非対称に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み傘用カバー。
【請求項4】
二つ折りであって、表面において折れ線で区画された第1領域と、前記第1領域に隣接する第2領域と、を有する本体部と、
前記本体部を開閉する開閉部材と、
前記本体部の裏面に設けられた吸水部と、
前記第1領域に位置し、一部の指が挿入される袋状の第1把持部と、
前記第2領域に位置し、他の指が挿入される袋状の第2把持部と、を有し、
前記第1把持部に一部の指を挿入し前記第2把持部に他の指を挿入した状態で、片手で前記本体部を開閉可能であることを特徴とする、折り畳んだ状態の折り畳み傘を収納する折り畳み傘用カバー。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の折り畳み傘用カバーを準備するステップと、
前記本体部の前記開閉部材を開くステップと、
前記第1把持部に一部の指を挿入し、前記第2把持部に他の指を挿入するステップと、
前記吸水部で前記折り畳み傘の底部を支持して前記折り畳み傘のロッドを縮めるステップと、
前記吸水部の上に前記折り畳み傘を載置するステップと、
前記本体部を前記折れ線で折り畳むことにより前記折り畳み傘を保持するステップと、
前記本体部を前記折れ線で折り畳んだ状態で前記折り畳み傘を回転させるステップと、
前記開閉部材によって前記本体部を閉じるステップと、を有することを特徴とする折り畳み傘の収納方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は折り畳み傘用カバー及び折り畳み傘の収納方法に関し、特に内側に吸水部が設けられている折り畳み傘用カバー及び折り畳み傘カバーへの収納方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、折り畳んだ状態の折り畳み傘を収納する傘袋が知られている(特許文献1)。傘袋は、親指開口部が形成されていて、折り畳み傘を取り出した後に傘袋に手を入れて親指を親指開口部から突出させることにより、傘袋を手袋として兼用することができる。
【0003】
他の折り畳み傘用の傘袋では、傘袋開閉用のチャックが斜めに設けられている(特許文献2)。折り畳み傘を傘袋に挿入後、あるいは挿入しつつ折り畳み傘のハンドルを把持して傘軸を中心に一定方向に回動させれば、開口状態にある傘袋の裏面に案内されて、傘布は自然と巻回される。これにより、折り畳み傘を傘袋に簡単かつ円滑に収納することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6474866号
【文献】実用新案登録第3211264号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の傘袋は筒状に形成された側面に親指開口部が形成されているため、折り畳み傘を傘袋に挿入する際、折り畳み傘の傘布を回転させて開かないように固定する必要があった。これにより、傘布を巻き付けて固定するときに手が濡れてしまう等の問題があった。
【0006】
また、特許文献2の傘袋は斜めにチャックが設けられていて開口するように構成されているが、傘袋自体を手で把持する部分が無いため、傘袋上で折り畳み傘を回転させたときに安定性が悪く、傘袋も折り畳み傘と共に回転してしまうという問題があった。また、特許文献2の傘袋は布状であるため、折り畳み傘を傘袋で回転させているときに傘袋の端部が折れ曲がってしまうなどの問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、手を濡らすことなく折り畳み傘を簡単に収納でき、片手で身体の濡れを拭くことができる折り畳み傘用カバー及び折り畳み傘の収納方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために第1の発明は、二つ折りであって、表面において折れ線で区画された第1領域と、前記第1領域に隣接する第2領域と、を有する本体部と、前記本体部を開閉する開閉部材と、前記本体部の裏面に設けられた吸水部と、前記第1領域に両端部が固定され一部の指が挿入される第1把持部と、前記第2領域に両端部が固定され他の指が挿入される第2把持部と、を有し、前記第1把持部に一部の指を挿入し前記第2把持部に他の指を挿入した状態で、片手で前記本体部を開閉可能であることを特徴とする、折り畳んだ状態の折り畳み傘を収納する折り畳み傘用カバーを提供している。
【0009】
第2の発明では、第1の発明の折り畳み傘用カバーであって、前記第1把持部と、前記第2把持部と、は前記折れ線に対して対称に設けられていることを特徴としている。
【0010】
第3の発明では、第1の発明の折り畳み傘用カバーであって、前記第1把持部と、前記第2把持部と、は前記折れ線に対して非対称に設けられていることを特徴としている。
【0011】
第4の発明では、二つ折りであって、表面において折れ線で区画された第1領域と、前記第1領域に隣接する第2領域と、を有する本体部と、前記本体部を開閉する開閉部材と、前記本体部の裏面に設けられた吸水部と、前記第1領域に位置し、一部の指が挿入される袋状の第1把持部と、前記第2領域に位置し、他の指が挿入される袋状の第2把持部と、を有し、前記第1把持部に一部の指を挿入し前記第2把持部に他の指を挿入した状態で、片手で前記本体部を開閉可能であることを特徴とする、折り畳んだ状態の折り畳み傘を収納する折り畳み傘用カバーを提供している。
【0012】
第5の発明では、第1の発明から第4の発明のいずれかに記載の折り畳み傘用カバーを準備するステップと、前記本体部の前記開閉部材を開くステップと、前記第1把持部に一部の指を挿入し、前記第2把持部に他の指を挿入するステップと、前記吸水部で前記折り畳み傘の底部を支持し前記折り畳み傘のロッドを縮めるステップと、前記吸水部の上に前記折り畳み傘を載置するステップと、前記本体部を前記折れ線で折り畳むことにより前記折り畳み傘を保持するステップと、前記本体部を前記折れ線で折り畳んだ状態で前記折り畳み傘を回転させるステップと、前記開閉部材によって前記本体部を閉じるステップと、を有することを特徴とする折り畳み傘の収納方法を提供している。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によると、二つ折りの本体部の第1領域に第1把持部が設けられていて第2領域に第2把持部が設けられているため、片方の手で第1把持部及び第2把持部を持つことにより、折り畳み傘用カバーを片手で開閉することができる。これにより、一方の手で折り畳み傘を持ち、他方の手で折り畳み傘用カバーを持って、手を濡らすことなく折り畳み傘を収納することが可能となる。また、第1把持部に一部の指を挿入し第2把持部に他の指を挿入した状態で片手で本体部を開閉可能であるため、身体やかばん等に付着した水滴を吸水部で拭き取ることができる。さらに、第1把持部は第1領域に両端が固定されていて第2把持部は第2領域に両端が固定されているため、簡易な構造で片手による折り畳み傘用カバーの把持を実現することができる。また、本体部を開閉する開閉部材が設けられているため、外部に水滴が漏れることを抑制できる。
【0014】
第2の発明によると、第1把持部と第2把持部とは折れ線に対して非対称であるため、右手用、又は左手用の折り畳み傘用カバーを実現することができる。これにより、特定の用途に適した折り畳み傘用カバーを実現することができる。
【0015】
第3の発明によると、第1把持部と第2把持部とは折れ線に対して対称であるため、右手用及び左手用で折り畳み傘用カバーを把持することができる。また、折り畳み傘用カバーの製造プロセスの簡素化が可能となる。
【0016】
第4の発明によると、第1把持部は袋状に構成され第2把持部も袋状に構成されているため、簡易な構造で片手による折り畳み傘用カバーの把持を実現することができるとともに、折り畳み傘用カバーが手から落下することを抑制できる。
【0017】
第5の発明によると、折り畳み傘の傘布に直接触れることなく片手で折り畳み傘を収納できるため、手を濡らすことなく折り畳み傘用カバーに収納することができる。特にロッドを縮めるステップにおいて、濡れた折り畳み傘の底部を吸水部で支持するため手の濡れを防ぐことができる。また、吸水部の上で折り畳み傘を回転させることにより、折り畳み傘表面の水滴を吸水部に吸着させて折り畳み傘用カバー外部に漏れることを抑制できる。さらに、折り畳み傘を吸水部に載置した状態で回転させることで、折り畳み傘の傘布が自然と巻回された状態になるため、円滑に折り畳み傘用カバーに収納することができる。また、片方の手で折り畳み傘用カバー及び折り畳み傘を保持した状態で他方の手でロッドを圧縮するため、手を濡らすことなくロッドを縮めることができる。
【0018】
本発明によって、手を濡らすことなく折り畳み傘を簡単に収納でき、身体の濡れを拭くことができる折り畳み傘用カバー及び折り畳み傘の収納方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施の形態の折り畳み傘用カバーの正面図。
【
図2】本発明の第1の実施の形態の折り畳み傘用カバーの背面図
【
図3】本発明の第1の実施の形態の折り畳み傘用カバーを把持したときの正面図
【
図4】本発明の第1の実施の形態の折り畳み傘用カバーを折りたたんだ状態で把持したときの斜視図。
【
図5】本発明の第1の実施の形態の折り畳み傘用カバーの本体部の部分断面図。
【
図6】本発明の第1の実施の形態の折り畳み傘用カバーで身体を拭くときの説明図。
【
図7】本発明の第1の実施の形態の折り畳み傘用カバーに折り畳み傘を収納するときの斜視図。
【
図8】本発明の第2の実施の形態の折り畳み傘用カバーの正面図。
【
図9】本発明の第3の実施の形態の折り畳み傘用カバーの正面図。
【
図10】本発明の第4の実施の形態の折り畳み傘用カバーの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の第1の実施の形態の折り畳み傘用カバー1を
図1から
図7に基づき説明する。図中に示すように、上下左右方向を定義する。折り畳み傘用カバー1は、折り畳み傘10を
図7に示すように小さく折り畳んだ状態で収納するカバーである。
【0021】
折り畳み傘用カバー1は、略二つ折り形状であって、本体部2と、チャック3と、吸水部4と、把持部5と、から構成される。本体部2は上下に延びる中央の折れ線2Aで二つ折り可能であって、
図1に示す表面の表材21と
図2に示す裏面の吸水部4とを縫い合わせることにより構成される。
図5に示すように、表材21と吸水部4との間には、剛性があり吸水部4と略同一形状の樹脂製の補強部材24が挿入されている。補強部材24は、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、PET、シリコン、テフロン(登録商標)等任意の樹脂を選択することができる。補強部材24は、折れ線2Aで折れるように構成されるが、アールを形成して湾曲するように構成してもよい。補強部材24の剛性によって折り畳み傘用カバー1はシワ等が寄ることもなく
図1に示す平滑な状態、又は
図4に示す僅かに折りたたまれた状態を維持することができる。表材21の素材、色、模様、柄は、特に限定されない。折り畳み傘10のデザインと統一感を持たせてもよく、異なる色彩、模様であってもよい。
【0022】
本体部2の表材21は、折れ線2Aによって左右方向に分割され、右側の第1領域22と、左側の第2領域23と、が規定される。換言すると、本体部2の右半分であって本体部2の輪郭と折れ線2Aとによって囲まれた領域が第1領域22となり、本体部2の左半分であって本体部2の輪郭と折れ線2Aとによって囲まれた領域が第2領域23となる。第1領域22と第2領域23とは略同一形状であって、それぞれの略中央に把持部5が設けられている。本体部2は、上下が湾曲した略矩形であるが、これに限定されず、折り畳み傘10が収納可能な二つ折り形状であればよい。
【0023】
本体部2の外縁には、開閉のためのチャック3が全周に亘って設けられている。チャック3によって、折り畳み傘用カバー1を開閉することができる。チャック3は、折り畳み傘用カバー1内の水滴が外部に漏れないよう、防水性のファスナーであってもよい。なお、折り畳み傘用カバー1を開閉するための部材は、これに限定されず、紐、面ファスナー、ボタン、バックル、磁石、又は任意の係合部材と被係合部材を用いることができる。チャック3は、本発明の開閉部材に対応する。
【0024】
吸水部4は、本体部2の裏面全体に設けられていて、
図5に示す基材41から吸水性の高いポリエステル製マイクロファイバーが起立している。吸水部4の素材は、これに限定されず、シェニール織物素材、パイル生地、モール素材であってもよい。
【0025】
把持部5は、折り畳み傘用カバー1を把持する部材であって、第1領域22に設けられた第1把持部51と、第2領域23に設けられた第2把持部52と、から構成される。第1把持部51と、第2把持部52とは、折れ線2Aに対して互いに対称である。
【0026】
第1把持部51は略矩形のベルトであって、斜線で示すように両端が第1領域22に縫い付けられており、上下の中央部分は指が挿入可能なように表材21からわずかに浮いている。第1把持部51は、第1領域22の略中央に位置している。第2把持部52は第1把持部51と略同一のベルトであって、斜線で示すように両端が第2領域23に縫い付けられており、上下の中央部分は指が挿入可能なように表材21からわずかに浮いている。第2把持部52は、第2領域23の略中央に位置している。
【0027】
折り畳み傘用カバー1を把持するときは、
図3に示すように、第2把持部52に親指を挿入し、第1把持部51に残りの4本の指を挿入する。手を閉じることにより、
図4に示すように折り畳み傘用カバー1も折れ線2Aで湾曲するようにアール状に折り畳まれる。このとき、補強部材24の剛性により、指で押さえた部分だけが曲がるのではなく、第1領域22及び第2領域23が略平滑な状態を保ったまま折れ線2Aで湾曲するようにアール状に折り畳まれる。このとき、吸水部4に囲まれた空間が、折り畳み傘10が収納される傘収納空間1Aとなる。
【0028】
図6に示すように、片手で折り畳み傘用カバー1を把持することができるため、吸水部4で身体やカバン、荷物等に付着した水滴を拭き取ることができる。このとき、折り畳み傘用カバー1内部の補強部材24により、一部が湾曲することなく吸水部4全体で効率的な拭き取りが可能となる。
【0029】
次に、
図7を参照して、折り畳み傘10の折り畳み傘用カバー1への収納方法を説明する。まず、折り畳み傘用カバー1のチャック3を開け、親指を第2把持部52に挿入し、残りの指を第1把持部51に挿入する。
図7(a)に示すように、一方の手で折り畳み傘10のロッド11が伸びた状態で折り畳み傘10の底面を吸水部4で支持しながら、他方の手で持ち手13を矢印の方向に押圧してロッド11を縮ませる。
図7(b)に示すように、折り畳み傘用カバー1を折れ線2Aで折り畳むように手を閉じることで、折り畳み傘10を片手で把持する。このとき、手が直接傘布12及び折り畳み傘10の底面に触れないため、手が濡れることがない。
【0030】
図7(c)に示すように、一方の手で折り畳み傘用カバー1の把持部5を介して折り畳み傘10を把持した状態のまま、他方の手で折り畳み傘10の持ち手13を矢印の方向に回転させる。これにより、傘布12が吸水部4と接触して水滴が吸着され、傘布12が巻回された状態となる。
図7(d)に示すように、他方の手でチャック3を閉めて折り畳み傘10の折り畳み傘用カバー1への収納が完了する。
【0031】
このような構成によると、二つ折りの本体部2の第1領域22に第1把持部51が設けられていて第2領域23に第2把持部52が設けられているため、片方の手で第1把持部51及び第2把持部52を持つことにより、折り畳み傘用カバー1を片手で開閉することができる。これにより、一方の手で折り畳み傘10を持ち、他方の手で折り畳み傘用カバー1を持って手を濡らすことなく折り畳み傘を収納することが可能となる。また、第1把持部51に一部の指を挿入し第2把持部52に他の指を挿入した状態で片手で本体部2を開閉可能であるため、身体やかばん等に付着した水滴を吸水部4で拭き取ることができる。さらに、第1把持部51は第1領域22に両端が固定されていて第2把持部52は第2領域23に両端が固定されているため、簡易な構造で片手による折り畳み傘用カバー1の把持を実現することができる。また、本体部2を開閉するチャック3が設けられているため、外部に水滴が漏れることを抑制できる。
【0032】
このような構成によると、補強部材24が表材21と吸水部4との間に設けられているため、折り畳み傘用カバー1の剛性を保つことができる。これにより、折り畳み傘用カバー1を片手で把持したときに本体部2が湾曲することがないため、効率的に身体等の水滴を除去することができる。また、折り畳み傘用カバー1が剛性を有しているため、折り畳み傘10を円滑に収納することができるとともに、チャック3をスムーズに開閉することができる。
【0033】
このような構成によると、第1把持部51と第2把持部52とは折れ線2Aに対して対称であるため、右手用及び左手用で折り畳み傘用カバー1を把持することができる。また、折り畳み傘用カバーの製造プロセスの簡素化が可能となる。
【0034】
このような構成によると、折り畳み傘10の傘布12に直接触れることなく片手で折り畳み傘10を収納できるため、手を濡らすことなく折り畳み傘用カバー1に収納することができる。特にロッド11を縮めるときも、濡れた折り畳み傘10の底部を吸水部4で支持するため、手の濡れを防ぐことができる。さらに、折り畳み傘10を吸水部4に載置した状態で回転させることで、折り畳み傘10の傘布12が自然と巻回された状態になるため、円滑に折り畳み傘用カバー1に収納することができる。また、片方の手で折り畳み傘用カバー1及び折り畳み傘10を保持した状態で他方の手でロッド11を圧縮するため、手を濡らすことなくロッド11を縮めることができる。
【0035】
次に、第2の実施の形態について、
図8を参照して説明する。第1の実施の形態と同一の構成は同一の符号を付し説明を省略する。折り畳み傘用カバー101の把持部105は、第1把持部151と、第2把持部152と、から構成される。第1把持部151と、第2把持部152とは、折れ線2Aに対して非対称である。
【0036】
第1把持部151は略矩形のベルトであって、斜線で示すように両端が第1領域22に縫い付けられており、上下の中央部分は親指が挿入可能なように表材21からわずかに浮いている。第1把持部151は、第1領域22の略中央に左上から右下に向けて傾斜するように配置される。第2把持部152は第1把持部151よりも短いベルトであって、斜線で示すように両端が第2領域23に縫い付けられており、上下の中央部分は親指が挿入可能なように表材21からわずかに浮いている。第2把持部152は、第2領域23の右上から左下に向けて傾斜するように配置される。
【0037】
図8に示す折り畳み傘用カバー101は右手用だが、左手用として第1領域22に第2把持部152を設けて第2領域23に第1把持部151を設けてもよい。折り畳み傘用カバー201では、補強部材24に対応する部材は設けられていない。つまり、表材21と吸水部4とが直接縫合されている。これは、右手又は左手専用なので手全体で折り畳み傘用カバー1を把持することができる。これにより、水滴を拭き取る際に吸水部4全体を使用することができる。
【0038】
このような構成によると、第1把持部151と第2把持部152とは折れ線2Aに対して非対称であるため、右手用、又は左手用の折り畳み傘用カバー101を実現することができる。これにより、特定の用途に適した折り畳み傘用カバー101を実現することができる。
【0039】
次に、第3の実施の形態について、
図9を参照して説明する。上述の実施の形態と同一の構成は同一の符号を付し説明を省略する。折り畳み傘用カバー201の把持部205は、第1把持部251と、第2把持部252と、から構成される。第1把持部251と、第2把持部252とは、折れ線2Aに対して対称である。
【0040】
第1把持部251は略矩形のベルトであって、両端及び中央の3か所がそれぞれ均等となるように第1領域22に縫い付けられており、4つの第1指挿入部251Aが規定される。斜線部が表材21と第1把持部251との縫合箇所となる。各第1指挿入部251Aは、指が1又は2本程度入るように表材21からわずかに浮いている。第1把持部251は、第1領域22の略中央部に位置している。
【0041】
第2把持部252は第1把持部251と略同一形状のベルトであって、両端及び中央部分の3か所がそれぞれ均等となるように第2領域23に縫い付けられており、4つの第2指挿入部252Aが規定される。斜線部が表材21と第2把持部252との縫合箇所となる。各第2指挿入部252Aは、指が1又は2本程度入るように表材21からわずかに浮いている。第2把持部252は、第2領域23の略中央部に位置している。なお、第1指挿入部251A及び第2指挿入部252Aは均等に設けられていたが、不均等であってもよい。不均等となる場合は、上側に位置する指は親指、人差し指が挿入されるため大きく構成され、下側に位置する指は小指が挿入されるため小さく構成されることが望ましい。また、折り畳み傘用カバー301では、補強部材24に対応する部材は設けられていない。つまり、表材21と吸水部4とが直接縫合されている。これは、指を第1指挿入部251A及び第2指挿入部252Aにそれぞれ挿入するため、手全体で折り畳み傘用カバー1を把持することができる。これにより、水滴を拭き取る際に吸水部4全体を使用することができる。
【0042】
このような構成によると、また、第1把持部251と第2把持部252とは折れ線2Aに対して対称であるため、右手用及び左手用で折り畳み傘用カバー201を把持することができる。また、指を1本ずつ第1指挿入部251A及び第2指挿入部252Aに挿入することにより、折り畳み傘用カバー201が手から落下することを抑制できる。
【0043】
次に、第4の実施の形態について、
図10を参照して説明する。上述の実施の形態と同一の構成は同一の符号を付し説明を省略する。折り畳み傘用カバー301の把持部305は、第1把持部351と、第2把持部352と、から構成される。第1把持部351と、第2把持部352とは、折れ線2Aに対して対称である。
【0044】
第1把持部351は袋状に形成されており、斜線で示すように略コ字状に表材21に縫合されている。第1把持部351は第1領域22の略中央部分に位置しているが、第1領域22全面に形成されてもよい。第1把持部351の形状も矩形に限定されず、指を入れることができる形状であればよい。
【0045】
第2把持部352は袋状に形成されており、斜線で示すように略コ字状に表材21に縫合されている。第2把持部352は第2領域23の略中央部分に位置しているが、第2領域23全面に形成されてもよい。第2把持部352の形状も矩形に限定されず、指を入れることができる形状であればよい。例えば、指が1本づつ挿入可能なように把持部が区画されていてもよく、半円形状であってもよい。また、第1把持部351及び第2把持部352が切り込みとして形成されていて、当該切り込みに手を入れるような袋状の構造であってもよい。これにより、当該切り込みを小物入れとして使用することもできる。
【0046】
このような構成、第1把持部351及び第2把持部352は袋状に構成されているため、簡易な構造で片手による折り畳み傘用カバー301の把持を実現することができるとともに、折り畳み傘用カバー301が手から落下することを抑制できる。
【0047】
本発明による折り畳み傘用カバー及び折り畳み傘の収納方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【0048】
上述の実施の形態では、表材21と吸水部4との間に補強部材24が設けられていたが、これに限定されない。例えば、表材が剛性を有する素材であってもよく、吸水部の基材が剛性を有する補強部材に対応する部材であってもよい。また、第3の実施の形態のように補強部材を設けなくてもよい。
【0049】
上述の実施の形態では、表材21と吸水部4との間に補強部材24が設けられていたが、これに限定されない。例えば、補強部材に変えて折れ線2Aの部分に円柱又は角柱状の芯材を設けてもよい。これにより、チャック3を閉めるとき、本体部2が折れ曲がることを抑制でき、円滑な本体部2の開閉が可能となる。
【符号の説明】
【0050】
1、101、201、301 折り畳み傘用カバー
2 本体部
2A 折れ線
3 チャック
4 吸水部
5、105、205、305 把持部
21 表材
22 第1領域
23 第2領域
24 補強部材
51、151、251、351 第1把持部
52、152、252、352 第2把持部