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▶ ウェスト ファーマ サービシーズ イスラエル リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】充填済流体容器の屈曲流体路型付属物
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/158 20060101AFI20241003BHJP
   A61M 5/145 20060101ALI20241003BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20241003BHJP
   A61M 5/34 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61M5/158 500K
A61M5/158 500H
A61M5/145 500
A61M5/142 522
A61M5/34
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2021156942
(22)【出願日】2021-09-27
(62)【分割の表示】P 2018538073の分割
【原出願日】2016-10-10
(65)【公開番号】P2022002725
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2021-10-25
(31)【優先権主張番号】15/204,542
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/281,536
(32)【優先日】2016-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/284,806
(32)【優先日】2015-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/269,248
(32)【優先日】2016-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518123372
【氏名又は名称】ウェスト ファーマ サービシーズ イスラエル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カビリ オズ
(72)【発明者】
【氏名】ノートン ポール エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ヒズキヤ ラン
(72)【発明者】
【氏名】ブラフ リチャード
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-507260(JP,A)
【文献】特表2000-515394(JP,A)
【文献】特表2002-505601(JP,A)
【文献】国際公開第01/070304(WO,A1)
【文献】特開2007-306990(JP,A)
【文献】国際公開第2011/129175(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/158
A61M 5/145
A61M 5/142
A61M 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体容器に結合される、自己注射器用の付属物であって、
第1結合部材、第2結合部材、第1本体部分、第2本体部分および屈曲部分を含むアダプタと、
第1端部および第2端部を有すると共に前記アダプタに挿通された屈曲流体路と、
を備え、
前記第1結合部材は、前記アダプタを前記流体容器に結合させる大きさおよび形状を有し、
前記第2結合部材は、前記アダプタを前記屈曲流体路に結合させる大きさおよび形状を有し、
前記第1本体部分は、前記第1結合部材から延在していると共に、第1軸に沿って延設されており、
前記第2本体部分は、前記第2結合部材から延在していると共に、前記第1軸に対して角度を有する第2軸に沿って延設されており、
前記屈曲部分は、前記第1本体部分および前記第2本体部分に連結されており、
前記屈曲流体路の前記第1端部は、前記第2結合部材に結合されて組織を貫通するように構成されており、
前記屈曲流体路の前記第2端部は、前記第1結合部材に結合されて前記流体容器と流体連結されており、
前記流体容器に結合された前記付属物は、滅菌されると共に注射物質が充填されるように構成された一体型の自己注射器のカートリッジユニットを形成している
自己注射器用の付属物。
【請求項2】
さらに、
前記屈曲流体路の前記第1端部を保護する針保護キャップと、
前記屈曲流体路の前記第2端部を保護する保護シースと、
を備えた請求項1のいずれか1項に記載の付属物。
【請求項3】
前記屈曲流体路は、90度の角度で屈曲している
請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の付属物。
【請求項4】
さらに、
前記流体容器の本体を自己注射器に結合させる大きさおよび形状を有する少なくとも1つの締結部材を備えた
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の付属物。
【請求項5】
前記少なくとも1つの締結部材の内径は、調整可能であり、
前記アダプタおよび前記締結部材は、異なる大きさおよび異なる先端部の種類を有する複数の容器のうちの少なくとも1つを前記自己注射器に結合させるように構成されている
請求項4に記載の付属物。
【請求項6】
前記アダプタと前記締結部材との間の間隔は、調整可能である
請求項5に記載の付属物。
【請求項7】
前記複数の容器は、流体容器を含む
請求項5に記載の付属物。
【請求項8】
前記付属物は、さらに、前記少なくとも1つの締結部材の内径に沿うように取り付けられる大きさおよび形状を有する取り付け部材を備えた
請求項4に記載の付属物。
【請求項9】
前記取り付け部材は、前記少なくとも1つの締結部材の内径を減少させている
請求項8に記載の付属物。
【請求項10】
前記少なくとも1つの締結部材の少なくとも一部は、プラスチック材料によって形成されている
請求項5に記載の付属物。
【請求項11】
前記第2結合部材は、前記屈曲流体路を前記アダプタに結合させると共にそれらの間に滅菌された流体連結を確保する大きさおよび形状を有する
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の付属物。
【請求項12】
前記屈曲流体路は、中空針を含む
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の付属物。
【請求項13】
前記容器は、充填済カートリッジである
請求項5から請求項12のいずれか1項に記載の付属物。
【請求項14】
前記容器は、シリンジである
請求項5から請求項12のいずれか1項に記載の付属物。
【請求項15】
前記容器は、バイアルである
請求項5から請求項12のいずれか1項に記載の付属物。
【請求項16】
前記容器の少なくとも一部は、ガラスによって形成されている
請求項5から請求項15のいずれか1項に記載の付属物。
【請求項17】
前記容器の少なくとも一部は、プラスチック材料によって形成されている
請求項5から請求項15のいずれか1項に記載の付属物。
【請求項18】
前記付属物は、全体に渡って滅菌可能である
請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の付属物。
【請求項19】
前記第1結合部材および前記第2結合部材の少なくとも一方は、バイアルアダプタである
請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の付属物。
【請求項20】
前記第1結合部材は、ルアーロック型の結合部材である
請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の付属物。
【請求項21】
前記第1結合部材および前記第2結合部材は、スライド型の流体容器結合部材である
請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の付属物。
【請求項22】
複数の取り付けポイントを有する支持プレートを含む自己注射器と、
請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の付属物と、
前記流体容器の本体および前記取り付けポイントのうちの少なくとも1つに結合される大きさを有する少なくとも1つの締結部材と、
前記少なくとも1つの締結部材を前記支持プレートに着脱可能に結合されるように構成された保持カンチレバーと、
を備えた自己注射器結合システム。
【請求項23】
前記アダプタは、前記取り付けポイントのうちの少なくとも1つに結合される大きさを有している
請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記取り付けポイントは、前記支持プレートの上において、前記アダプタから種々の異なる距離だけ離れた位置に分散配置されている
請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記種々の異なる距離は、前記流体容器の種々の異なる長さに対応する
請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
複数の取り付けポイントを有する支持プレートを含む少なくとも1つの自己注射器と、
請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の複数の付属物と、
前記流体容器の本体の少なくとも1つの直径および前記取り付けポイントのうちの少なくとも1つに結合される大きさを有する複数の締結部材と、
前記複数の締結部材を前記支持プレートに着脱可能に結合されるように構成された複数の保持カンチレバーと、
を備えた自己注射器キット。
【請求項27】
前記アダプタのうちの少なくとも1つは、滅菌されている
請求項26に記載のキット。
【請求項28】
空の流体容器を選択する工程と、
前記流体容器の少なくとも先端部を、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の付属物に結合させることにより、一体型の自己注射器のカートリッジユニットを形成する工程と、
前記流体容器と前記屈曲流体路との間に流体連結を形成する工程と、
を含む自己注射器用の付属物の組立方法。
【請求項29】
さらに、
前記カートリッジユニットを滅菌する工程と、
滅菌された注射物質を前記流体容器に充填する工程と、
前記流体容器の流体路のうちの非屈曲端部にプランジャを挿入する工程と、
前記流体容器の前記端部を滅菌しながら封止する工程と、
を含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
さらに、
少なくとも1つの締結部材を選択すると共に、前記流体容器の本体に前記締結部材を結合させる工程と、
前記注射器のうちの少なくとも1つの対応する取り付けポイントに前記締結部材を結合させる工程と、
を含む請求項28に記載の方法。
【請求項31】
流体容器を選択する工程と、
請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の付属物に前記流体容器の少なくとも先端部を結合させる工程と、
前記流体容器と前記屈曲流体路との間に滅菌された連結を形成する工程と、
を含む流体容器に対する自己注射器用の付属物の結合方法。
【請求項32】
さらに、
少なくとも1つの締結部材を選択すると共に、前記流体容器の本体に前記締結部材を結合させる工程と、
前記注射器のうちの少なくとも1つの対応する取り付けポイントに前記締結部材を結合させる工程と、
を含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第2結合部材は、ルアーロック型の結合部材である、
請求項31または請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いくつかの実施形態において自己注射器(self injector )に関し、特に、これに限定されるわけではないがパッチ型自己注射器に関する。
【背景技術】
【0002】
皮下(SC:subcutaneous)注射は、皮下、一般的には皮膚と筋肉との間の脂肪組織に薬剤を投与する方法である。例えば、再利用可能なペン、使い捨てのペン、自動注射器、皮膚の表面に付着させるパッチ型注射器等の自動注射器を用いて生物学的製剤を皮下注射することが現在の傾向であり、ユーザが自宅にて自己注射を自由に行うことが可能となっている。
【0003】
改質薬剤は、多くの場合、高濃度であり、場合によっては粘性を有しており、所望とされる注射量は、1mLを越える。高粘性製品の場合、10秒以内の注射であっても痛みを伴い得るため、定められた治療計画にユーザが従わなくなるおそれがある。また、10秒を越える期間、あるいは数分の期間に渡る注射時において、ペンまたはその他の直立型注射器を正しい注射角度で静止させ続けることは、場合によってはユーザにとって困難を伴い得る。したがって、自己投与式のSC注射を対象としたパッチ型自動注射器またはパッチ型自己注射器は、より一般的になりつつある。
【0004】
追加的な背景技術としては、米国特許第6,843,782号および米国特許第5,858,001号がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第6843782号明細書
【文献】米国特許第5858001号明細書(発明の概要)
【0006】
本発明のいくつかの実施形態の一側面は、自己注射器用の付属物(add-on)であって、少なくとも1つの結合部材を有するアダプタと、第1端部が組織を貫通するように構成されると共に第2の端部がアダプタに結合された屈曲流体路とを備え、少なくとも1つの結合部材がアダプタを流体容器に結合させる大きさおよび形状を有し、流体容器に結合された付属物が滅菌されると共に注射物質が充填されるように構成された一体型の自己注射器のカートリッジユニットを形成している、自己注射器用の付属物を提供するものである。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態では、付属物は針保護キャップを備えている。いくつかの実施形態では、流体路は90度の角度で屈曲している。いくつかの実施形態では、付属物はさらに容器の本体を自己注射器に結合させる大きさを有する少なくとも1つの締結部材を備えている。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態の一側面は、自己注射器用の付属物であって、少なくとも1つの結合部材を有するアダプタと、第1端部が組織を貫通するように構成されると共に第2端部がアダプタに結合された屈曲流体路とを備え、少なくとも1つの結合部材がアダプタを流体容器に結合させる大きさおよび形状を有し、付属物が流体容器に結合された際、容器と屈曲流体路の第1端部との間に滅菌された流体連結が確保されている、自己注射器用の付属物を提供するものである。本発明のいくつかの実施形態では、屈曲流体路が第2端部に結合部材を有し、屈曲流体路の結合部材が屈曲流体路をアダプタに結合させる大きさおよび形状を有すると共にそれらの間に滅菌された流体連結を確保している。本発明のいくつかの実施形態では、付属物がさらに容器の本体を自己注射器に結合させるように大きさを有する少なくとも1つの締結部材を備えている。本発明のいくつかの実施形態では、屈曲流体路が中空針を含んでいる。本発明のいくつかの実施形態では、流体路が90度の角度で屈曲している。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態では、容器が充填済カートリッジである。本発明のいくつかの実施形態では、容器がシリンジである。本発明のいくつかの実施形態では、容器がバイアルである。本発明のいくつかの実施形態では、容器の少なくとも一部がガラスによって形成されている。本発明のいくつかの実施形態では、容器の少なくとも一部がプラスチック材料によって形成されている。本発明のいくつかの実施形態では、付属物が全体に渡って滅菌可能である。本発明のいくつかの実施形態では、アダプタ結合部材がルアーロック型の結合部材である。本発明のいくつかの実施形態では、アダプタ結合部材がバイアルアダプタである。本発明のいくつかの実施形態では、アダプタ結合部材がスライド型(摺動装着(slide-on)型)の流体容器結合部材である。本発明のいくつかの実施形態では、アダプタがさらに付属物を自己注射器に結合させる大きさおよび形状を有する結合部材を含んでいる。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態の一側面は、自己注射器用の付属物であって、少なくとも1つの屈曲流体路を有すると共に流体容器の少なくとも先端部に滅菌された屈曲流体路を結合させる大きさを有する少なくとも1つのアダプタと、流体容器の本体および自己注射器に対する大きさを有する少なくとも1つの締結部材とを備え、アダプタおよび締結部材が異なる大きさおよび異なる先端部の種類を有する複数の容器のうちの少なくとも1つを自己注射器に結合させるように構成されている、自己注射器用の付属物を提供するものである。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態では、アダプタと締結部材との間の間隔が調整可能である。本発明のいくつかの実施形態では、締結部材の内径が調整可能である。本発明のいくつかの実施形態では、付属物がさらに締結部材の内径に沿うように取り付けられる大きさおよび形状を有する取り付け部材を備えている。本発明のいくつかの実施形態では、取り付け部材が締結部材の内径を減少させている。本発明のいくつかの実施形態では、締結部材の少なくとも一部がプラスチック材料によって形成されている。本発明のいくつかの実施形態では、流体容器の少なくとも一部がガラスによって形成されている。本発明のいくつかの実施形態では、流体容器の少なくとも一部がプラスチック材料によって形成されている。本発明のいくつかの実施形態では、屈曲流体路が中空針を含んでいる。本発明のいくつかの実施形態では、流体路が90度の角度で屈曲している。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態では、容器が充填済カートリッジである。本発明のいくつかの実施形態では、容器が流体容器である。本発明のいくつかの実施形態では、容器がバイアルである。本発明のいくつかの実施形態では、付属物が全体に渡って滅菌可能である。本発明のいくつかの実施形態では、アダプタ結合部材がルアーロック型の結合部材である。本発明のいくつかの実施形態では、アダプタ結合部材がバイアルアダプタである。本発明のいくつかの実施形態では、アダプタ結合部材がスライド型の流体容器結合部材である。本発明のいくつかの実施形態では、アダプタがさらに付属物を自己注射器に結合させる大きさおよび形状を有する結合部材を含んでいる。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態の一側面は、複数の取り付けポイントを有する支持プレートを含む自己注射器と、少なくとも1つの屈曲流体路を有すると共に流体容器の少なくとも先端部に滅菌された屈曲流体路を結合させるように大きさを有する少なくとも1つのアダプタと、流体容器の本体および取り付けポイントのうちの少なくとも1つに結合されるように大きさを有する少なくとも1つの締結部材とを備えた、自己注射器結合システムの付属物を提供するものである。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態では、アダプタが取り付けポイントのうちの少なくとも1つに結合される大きさを有している。本発明のいくつかの実施形態では、取り付けポイントが支持プレートの上においてアダプタから種々の異なる距離だけ離れた位置に分散配置されている。本発明のいくつかの実施形態では、種々の異なる距離が流体容器の種々の異なる長さに対応している。本発明のいくつかの実施形態では、締結部材の内径が調整可能である。本発明のいくつかの実施形態では、システムがさらに締結部材の内径に沿ように取り付けられる大きさおよび形状を有する取り付け部材を備えている。本発明のいくつかの実施形態では、取り付け部材が締結部材の内径を減少させている。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態の一側面は、複数の取り付けポイントを有する支持プレートを含む少なくとも1つの自己注射器と、少なくとも1つの屈曲流体路を有すると共に少なくとも1つの種類の流体容器の少なくとも先端部に滅菌された屈曲流体路を結合させる大きさを有する複数のアダプタと、流体容器の本体の少なくとも1つの直径および取り付けポイントのうちの少なくとも1つに結合される大きさを有する複数の締結部材とを備えた、自己注射器キットを提供するものである。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態では、さらに複数の締結部材のうちの少なくとも1つの締結部材の内径に沿うように取り付けられる大きさおよび形状を有する少なくとも1つの取り付け部材を備えている。本発明のいくつかの実施形態では、取り付け部材が締結部材の内径を減少させている。本発明のいくつかの実施形態では、流体容器が充填済カートリッジ、シリンジおよびバイアルのうちの少なくとも1つである。本発明のいくつかの実施形態では、流体容器の少なくとも一部がガラスによって形成されている。本発明のいくつかの実施形態では、締結部材の少なくとも一部がプラスチック材料によって形成されている。本発明のいくつかの実施形態では、アダプタのうちの少なくとも1つが無菌されている。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態の一側面は、空の流体容器を選択する工程と、少なくとも1つの屈曲流体路を有すると共に流体容器の少なくとも先端部に屈強流体路を流体結合させる大きさを有するアダプタに流体容器の少なくとも先端部を結合させることにより、自己注射器のカートリッジユニットを形成する工程と、流体容器と屈曲流体路との間に流体連結を形成する工程とを含む、自己注射器用の付属物の組立方法を提供するものである。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態では、方法がさらに、カートリッジを滅菌する工程と、滅菌された注射物質を流体容器に充填する工程と、流体容器の流体路のうちの非屈曲端部にプランジャを挿入する工程と、流体容器の端部を滅菌しながら封止する工程とを含んでいる。本発明のいくつかの実施形態では、方法がさらに、少なくとも1つの締結部材を選択すると共に、流体容器の本体に締結部材を結合させる工程と、注射器のうちの少なくとも1つの対応する取り付けポイントに締結部材を結合させる工程とを含んでいる。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態の一側面は、流体容器を選択する工程と、少なくとも1つの屈曲流体路を有すると共に流体容器の少なくとも先端部に屈曲流体路を流体連結させる大きさを有するアダプタに流体容器の少なくとも先端部を結合させる工程と、流体容器と屈曲流体路との間に滅菌された連結を形成する工程とを含む、自己注射器用の付属物を流体容器に結合させる方法を提供するものである。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態では、方法がさらに、少なくとも1つの締結部材を選択すると共に流体容器の本体に締結部材を結合させる工程と、注射器のうちの少なくとも1つの対応する取り付けポイントに締結部材を結合させる工程とを含んでいる。
【0021】
なお、特に定義のない限り、本明細書において用いられている全ての技術用語および/または科学用語は、本発明が属する技術における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。また、本明細書に記載されているものと同様または均等の方法または材料を用いて本発明の実施形態を実施すると共に試験することができるが、以下に、それらの例示的な方法および/または材料を示す。何らかの対立が生じた場合、定義を含め、特許明細書が支配する。また、材料、方法および例は参考用にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明のいくつかの実施形態の一例に関して、添付図面を参照しながら説明する。ここで、図面に関して具体的かつ詳細に参照するが、図示された事項は一例であり、本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであることを強く主張する。この点に関し、当業者であれば、図面を考慮することによって、本発明の実施形態をどのように実施し得るかを説明から明らかにすることができる。添付図面において:
図1は、パッチ型自己注射器の簡易側面図である。
図2Aおよび図2Bは、任意の例示的実施形態に係るモジュール式のパッチ型自己注射器の簡易側面図である。
図3A図3Pは、例示的実施形態に係る、注射器と流体容器との結合部材の簡易断面図および簡易斜視図である。
図4A図4Hは、例示的実施形態に係るモジュール式の流体容器・注射器結合システムの簡易上面図および簡易斜視図である。
図5A図5B図5C図5D図5E図5Fおよび図5Gは、流体容器を自己注射器に結合させる締結部材の配置位置を示す簡易部分断面側面図である。
図6は、自己注射のための家庭用キットの簡易上面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、いくつかの実施形態において自己注射器(self injector )に関し、特に、これに限定されるものではないがパッチ型自己注射器に関する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態の一側面は、種々の異なる大きさおよび先端部の種類を有する流体容器を注射器に結合させることが可能な大きさを有する自己注射器に関する。いくつかの実施形態では、自己注射器は、針保持部と、少なくとも1つの締結部材とを少なくとも備えている。少なくとも1つの締結部材は、注射器と、流体容器の少なくともバレル部とに取り付け可能である。いくつかの実施形態では、針保持部は、針保護キャップを備えている。いくつかの実施形態では、自己注射器および流体容器は、滅菌されている。例えば、容器、針保持部および針保護キャップは、一緒に組み立てられており、一緒に滅菌されていてもよい。いくつかの実施形態では、自己注射器および流体容器は、滅菌されていなくてもよい。いくつかの実施形態では、自己注射器および流体容器は、注射物質が充填される前に滅菌されている。いくつかの実施形態では、滅菌後、滅菌された流体容器に注射物質が充填されると共に、その滅菌された流体容器が滅菌状態を維持しながら封止されると共に保護キャップを用いて覆われる。いくつかの実施形態では、針保持部と締結部材との間の間隔は、調整可能である。いくつかの実施形態では、締結部材の内半径は、調整可能である。いくつかの実施形態では、注射器は、パッチ型の自己注射器を含んでいる。いくつかの実施形態では、注射器は、屈曲針を備えている。いくつかの実施形態では、針は、90度の角度で屈曲している。いくつかの実施形態では、注射器の少なくとも一部は、流体容器の先端部を収容することが可能な大きさを有する穴を少なくとも有している。いくつかの実施形態では、針の少なくとも一部は、穴を経由して延在している。いくつかの実施形態では、針保持部は、所定位置に固定されている。いくつかの実施形態では、流体容器は、シリンジを含んでいる。いくつかの実施形態では、流体容器は、バイアルを含んでいる。いくつかの実施形態では、流体容器は、充填済カートリッジを含んでいる。
【0025】
いくつかの実施形態では、自己注射器は、再充填可能な流体容器を収容することが可能な大きさを有している。いくつかの実施形態では、自己注射器は、充填済の流体容器を収容することが可能な大きさを有している。いくつかの実施形態では、充填済流体容器の先端部は、滅菌状態を維持するために封止されている。いくつかの実施形態では、注射器は、流体容器のうちの1以上の種類の先端部に針を結合させる1以上のアダプタを備えている。いくつかの実施形態では、アダプタは、流体容器のうちの嵌め込み(slip-on )型または押し込み(push-on )型の先端部に針を結合させることが可能な大きさを有している。いくつかの実施形態では、アダプタは、流体容器のうちのルアーロック型の先端部に針を結合させることが可能な大きさを有している。いくつかの実施形態では、アダプタは、流体容器のうちのカテーテル型の先端部に針を結合させることが可能な大きさを有している。いくつかの実施形態では、アダプタは、中心位置に先端部を有する流体容器に針を結合させることが可能な大きさを有している。いくつかの実施形態では、アダプタは、偏心位置に先端部を有する流体容器に針を結合させることが可能な大きさを有している。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態の一側面は、モジュール式の流体容器・注射器結合システムを含む自己注射器に関する。いくつかの実施形態では、モジュール式のシステムは、種々の異なる種類および大きさを有する流体容器を収容することが可能な大きさを有する支持プレートを備えている。いくつかの実施形態では、注射器は、屈曲針を備えている。いくつかの実施形態では、針は、90度の角度で屈曲している。いくつかの実施形態では、支持プレートは、流体容器を注射器に固定する締結部材を収容するように構成された1以上の切り欠きを有している。いくつかの実施形態では、1以上の締結部材の少なくとも一部は、自己注射器の支持プレートに固定されるように結合されている。いくつかの実施形態では、1以上の締結部材の少なくとも一部は、自己注射器の支持プレートに取り外し可能となるように結合されている。いくつかの実施形態では、1以上の締結部材は、流体容器の先端部を収容することが可能な大きさを有する開口部を少なくとも有している。いくつかの実施形態では、1以上の締結部材は、屈曲針を備えている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの締結部材は、流体容器の先端部を収容することが可能な大きさを有する穴を少なくとも有している。いくつかの実施形態では、針の少なくとも一部は、開口部または穴を経由して延在している。
【0027】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの締結部材は、ラッチおよびヒンジを備えている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの締結部材は、1以上のラッチを備えている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの締結部材は、流体容器のバレル部を締結することが可能な大きさを有している。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの締結部材は、流体容器のフィンガフランジ(finger flange )を締結することが可能な大きさを有している。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの締結部材は、流体容器のバレル部のうちの特定の直径に対して適正化された大きさを有する少なくとも1つの取り付け部材(fitting )を備えている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの締結部材には、少なくとも部分的に弾性を有するパッドが取り付けられている。いくつかの実施形態では、流体容器の少なくとも一部は、注射器の内部の所定位置に係止された際、弾性パッドに対して付勢されている。いくつかの実施形態では、弾性パッドは、流体容器の先端部と針との結合部分からの漏出を防ぐものである。いくつかの実施形態では、弾性パッドは、針の先端部のための開口部を有している。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態の一側面は、屈曲針を備えるとともに、ルアーロック型の結合部材を有する自己注射器に関する。ルアーロック型結合部材は、ルアーロック型のオス型先端部を有する流体容器を受容することが可能な大きさを有している。いくつかの実施形態では、ルアーロック型結合部材は、一端部が注射器に結合されたシリンダを備えている。シリンダは、流体容器のうちのルアーロック型のオス型先端部に螺合するように構成されたツメ付き縁部(tabbed rim)を備えている。いくつかの実施形態では、屈曲針の少なくとも一部は、シリンダの管腔(lumen )の内部に配置されている。いくつかの実施形態では、針の少なくとも一部は、シリンダの内壁に取り付けられている。いくつかの実施形態では、針の一部と内壁との間におけるシリンダの管腔の少なくとも一部は、封止部を備えている。いくつかの実施形態では、屈曲針の少なくとも一端は、シリンダのツメ付き縁部を越えて延在している。いくつかの実施形態では、シリンダのツメ付き縁部を越えて延在する屈曲針の端部は、保護シースを備えている。いくつかの実施形態では、保護シースは、屈曲針の端部の滅菌状態を維持している。いくつかの実施形態では、保護シースは、屈曲針の一部の滅菌状態を維持するものである。その屈曲針の一部は、シリンダの管腔の内部から、ツメ付き縁部を越えて延在する屈曲針の端部を含む部分までである。いくつかの実施形態では、オス型のルアーロック部の縁部は、結合の際、保護シースを針の先端部に対して付勢させている。いくつかの実施形態では、針の先端部は、オス型のルアーロック部の縁部によって針の先端部に付勢された保護シースを破断させる。
【0029】
発明のいくつかの実施形態の一側面は、種々の異なる種類および大きさを有する流体容器を滅菌しながら収容することが可能な大きさを有する自己注射器に関する。いくつかの実施形態では、自己注射器は、結合部材を備えている。結合部材は、注射物を含む流体容器に対する結合時または結合後において注射物質の経路の滅菌状態を維持するものである。いくつかの実施形態では、注射器の結合部材は、少なくとも1つの保護シースによって少なくとも部分的に隔離された針の端部を含んでいる。いくつかの実施形態では、結合された流体容器の先端部は、結合の際、少なくとも1つのシースを針の端部に対して付勢されており、保護シースを破断させる。いくつかの実施形態では、結合された流体容器の先端部は、先端部の開口部の上に封止膜を備えている。いくつかの実施形態では、注射器の針は、結合の際、封止膜に対して付勢されており、流体容器の先端部を貫通する。
【0030】
発明のいくつかの実施形態の一側面は、支持プレートと、その支持プレートに取り付けられることが可能な大きさを有する複数の締結部材および複数の取り付け部材とを備えた自己注射器のキットに関する。いくつかの実施形態では、複数の締結部材および複数の取り付け部材は、種々の異なる種類および大きさを有する流体容器を滅菌された状態で収容する大きさを有している。いくつかの実施形態では、複数の締結部材は、迅速取り付け型(quick attachment type )の結合部材を備えている。いくつかの実施形態では、複数の締結部材は、少なくとも1つのワンクリック型(one-click type)の結合部材を備えている。いくつかの実施形態では、支持部分における様々な所望位置に種々の締結部材を結合させることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの締結部材は、屈曲針を備えている。いくつかの実施形態では、1以上の締結部材は、少なくとも1つの取り付け部材を収容するように構成されている。いくつかの実施形態では、1以上の締結部材および/または1以上の取り付け部材は、少なくとも1つの流体容器のうちの少なくとも1つのバレル部および/またはフィンガフランジを取り付けるために、様々な内径を有する1以上の開口部を備えている。
【0031】
発明のいくつかの実施形態の一側面は、種々の異なる種類および大きさを有する流体容器を自己注射器に搭載するための方法に関する。いくつかの実施形態では、その方法は、選択された流体容器のバレル部およびフィンガフランジに対して適正な大きさを有する1以上の締結部材を含んでいる。いくつかの実施形態では、その方法は、例えば、選択された流体容器のバレル部およびフィンガフランジに対して適正な大きさを有する少なくとも1つの取り付け部材を選択する工程を含んでいる。いくつかの実施形態では、その方法は、例えば、さらに、流体容器のバレル部またはフィンガフランジに1以上の取り付け部材を摺動または結合させる工程を含んでいる。いくつかの実施形態では、その方法は、さらに、例えば、流体容器のバレル部またはフィンガフランジに1以上の締結部材を摺動または結合させる工程を含んでいる。いくつかの実施形態では、その方法は、さらに、注射器の針部分における開口部に流体容器の先端部を挿入する工程を含んでいる。いくつかの実施形態では、その方法は、例えば、さらに、針保持部の締結部材における開口部に流体容器の先端部を挿入する工程を含んでいる。いくつかの実施形態では、その方法は、さらに、締結部材を支持プレートに結合させる工程を含んでいる。いくつかの実施形態では、その方法は、さらに、注射器の流体容器のプランジャ駆動システムに流体容器を接続する工程を含んでいる。
【0032】
[導入部]
図1は、パッチ型の自己注射器の簡易側面図である。このパッチ型自己注射器は、米国特許仮出願第62/284,806号に記載されており、その記載内容を全体として本明細書に援用する。自己注射器100は、カートリッジ104に結合された屈曲針102を備えている。屈曲針102は、例えば、90度の角度で屈曲している。カートリッジ104には、注射物質が予め充填されていてもよい。カートリッジ104は、支持プレート106に搭載されていてもよく、プランジャ108を含んでいてもよい。プランジャ108は、電動モータの駆動ギア110によって駆動されるものである。カートリッジ104は、注入処置を経た後に廃棄されると共に、新たな充填済カートリッジと交換されてもよい。
【0033】
なお、注射器のパワートレイン・プランジャ駆動システムは、上述した米国特許仮出願第62/284,806号において詳細に説明されており、本明細書では繰り返しとなるので、その説明を省略する。
【0034】
[モジュール式の自己注射器・流体容器結合システムの任意的構成要素]
図2A図2B、および図2C図2と総称する)は、任意の例示的実施形態に係るモジュール式のパッチ型自己注射器の簡易側面図である。図2に示したように、自己注射器200は、種々の異なる種類および大きさを有する流体容器を収容することが可能な大きさを有していてもよい。図1に示した例のように、自動注射器200は、いくつかの実施形態では、屈曲針202を備えている。屈曲針202は、例えば、90度の角度で屈曲している。本開示の他の部分においてより詳細に説明されているように、自己注射器200は、いくつかの実施形態では、支持プレート204と共に、少なくとも屈曲針202の針保持部206を備えている。針保持部206は、いくつかの実施形態では、流体容器250または流体容器255の先端部252を収容することが可能な大きさを有する穴208を少なくとも有している。穴208は、いくつかの実施形態では、針202の屈曲部212に至る開口部210を含んでいる。針202の少なくとも一部は、いくつかの実施形態では、封止状態を維持しながら開口部210を経由して穴208の内部まで延在している。針保持部206は、いくつかの実施形態では、支持プレート204上に固定されている。
【0035】
図2Aに示したように、穴208は、いくつかの実施形態では、流体容器の偏心した先端部を収容するために、針保持部206内の偏心位置に配置されている。図2Bに示したように、穴208は、いくつかの実施形態では、流体容器の標準的な(中心に位置する)先端部を収容するために、針保持部206内の中心位置に配置されている。
【0036】
[注射器と流体容器との結合部材の任意例]
一般的に用いられる流体容器の先端部としては、嵌め込み(slip-on )型または押し込み(push-on )型の先端部と、ルアーロック(Luer lock )型の先端部とが挙げられる。プラスチック製の流体容器は、双方の種類のプラスチック製先端部を備えている一方、ガラス製の流体容器の先端部は、一般的には金属によって構成されている。一部のガラス製流体容器は、ガラス製の嵌め込み型の先端部を備えている。一般的に用いられる流体容器と針との結合手法においては、注射物質の通路の滅菌化が図られるが、これは場合によっては困難を伴い得る。典型的な手法としては、流体容器および針のそれぞれを滅菌された袋(pouch )中に保存することによって、袋からの取り出し時から注射時までにそれらが周囲の環境に曝される時間を限定する手法が挙げられる。この手法は、自己注射器の場合、とりわけパッチ型の自己注射器の場合には、実用的でない。
【0037】
[嵌め込み/押し込み型]
図3A図3P図3と総称する)は、例示的実施形態に係る注射器と流体容器との結合部材の簡易断面図および簡易斜視図である。図3A図3Lに示した例示的実施形態は、流体容器のうちの1以上の異なる種類の先端部に屈曲針202を結合させる1以上のアダプタを示している。例えば、図3Aは、アダプタ302を備えた針保持部206を示している。アダプタ302は、流体容器のうちの嵌め込み型または押し込み型の先端部352に屈曲針202を結合させる大きさを有している。中心に設けられた穴308は、一方の側では開口部306において開口しており、その反対側では開口部310において終端している。開口部306は、流体容器の先端部を受容するために、流体容器に対向している。開口部310は、封止状態を維持しながら屈曲針202の少なくとも一部を収容することが可能な大きさを有している。穴308は、例えば、いくつかの実施形態では、円錐形状を有している。または、穴308は、例えば、いくつかの実施形態では、円筒形状を有している。また、図3Cに示したように、針保持部206は、例えば、いくつかの実施形態では、さらに、弾性を有する取り付け部材312を備えていてもよい。取り付け部材312は、接着またはその他の適切な手法によって、開口部306の上に取り付けられている。取り付け部材312は、いくつかの実施形態では、開口部314を有していてもよい。開口部314は、流体容器のうちのスライド型(摺動装着(slide-on)型)であると共に対応する大きさを有する先端部を収容することが可能な大きさを有している。弾性取り付け部材312は、いくつかの実施形態では、注射器200における所定位置に係止されることによって、流体容器350の少なくとも一部が弾性取り付け部材312に対して付勢された際に、流体容器の先端部と針との結合部分からの漏出の可能性を低下させるものである。
【0038】
取り付け部材312は、例えば、いくつかの実施形態では、シリコーン等の弾性型の適切な材料によって構成されていてもよい。図3Bに示したように、流体容器のバレル部352が針保持部206に付勢された際に、取り付け部材312を封止部として機能させることにより、開口部306を封止するためである。
【0039】
図3Aおよび図3Bに示したように、針316の端部は、いくつかの実施形態では、流体容器350が自己注射器に結合された際、穴308の内部および流体容器の先端部354の管腔(lumen )の内部まで少なくとも部分的に延在していてもよい。図3Dおよび図3Eに示したように、流体容器350の先端部は、滅菌状態を維持するために封止されていてもよい。例えば、流体容器の先端部356(図3D)の開口部は、膜358によって封止されていてもよい。または、流体容器の先端部360(図3E)は、保護シース362によって覆われていてもよい。穴308の内部に延在する針202の端部316は、いくつかの実施形態では、流体容器350に結合された際、流体容器の先端部のうちのほとんどの種類の封止部を破るように構成されている。封止部は、流体容器350の内部の注射物質の滅菌状態を保護するものである。図3Fに示したように、取り付け部材312の開口部314は、いくつかの実施形態では、膜性封止部320によって封止されていてもよい。流体容器350の先端部356または先端部360は、自己注射器200が流体容器350に結合した際、膜性封止部320を破り得る。
【0040】
[ルアーロック型]
図3G図3Iに示した自己注射器200は、屈曲針202と、ルアーロック型の結合部材316とを備えている。ルアーロック型結合部材316は、ルアーロック型のオス型先端部362を有する流体容器350を受容することが可能な大きさを有している。ルアーロック型結合部材316は、いくつかの実施形態では、シリンダを備えている。シリンダの一端部は、屈曲針202および自己注射器200に封止状態を維持しながら結合されている。また、シリンダの反対側の端部は、ツメ付き縁部(tabbed rim)322を備えている。シリンダの反対側の端部は、開口部306の穴308に向かって開口している。ツメ付き縁部322は、いくつかの実施形態では、流体容器のうちのルアーロック型のオス型先端部362に設けられたスリーブ364に螺合するように構成されている。図3Iは、ルアーロック型結合部材316と流体容器350のうちのルアーロック型の先端部362とが完全に一体化された構成を示している。
【0041】
図3J図3Lに示した例示的実施形態は、本開示の他の部分に記載のものと同様のルアーロック型結合システムを示している。図3Jに示したように、屈曲針202の端部324は、いくつかの実施形態では、ルアーロック型結合部材316のツメ付き縁部322を越えて延在していると共に、例えば、保護シース318を備えていてもよい。保護シース318は、屈曲針の端部324の滅菌状態を維持するように構成されている。保護シース318は、いくつかの実施形態では、柔軟な膜性材料によって構成されている。柔軟膜性材料は、例えば、ゴム、ポリウレタン、またはその他の適切な材料である。流体容器350のうちのルアーロック型のオス型先端部362の縁部366は、いくつかの実施形態では、図3Kに示したように一体化された際、屈曲針の端部324に対して保護シース318を付勢している。図3Kに示したように、屈曲針の端部324は、いくつかの実施形態では、流体容器のうちのルアーロック型の先端部362の管腔368内に進入することにより、保護シース318を破るようになっている。図3Lは、ルアーロック型結合部材316と流体容器350のうちのルアーロック型の先端部362とが完全に一体化された構成を示している。また、流体容器のうちのルアーロック型のオス型先端部316は、例えば、いくつかの実施形態では、流体容器の先端部356の封止部358と同様の封止部を備えている。
【0042】
図3Mおよび図3Nに示したように、自己注射器は、いくつかの実施形態では、屈曲針アダプタ370を備えていてもよい。屈曲針アダプタ370は、本開示の他の部分に記載の例と同様の流体容器結合部材と、そのアダプタ370の第2端部に位置する第2結合部材375とを備えている。図3Mおよび図3Nに示した例において、第2結合部材375は、ルアーロック型の先端部を備えている。また、カバー377は、第2結合部材375を環境から保護することにより、針アダプタ370の滅菌状態を維持するものである。アダプタ370は、いくつかの実施形態では、標準的な針379を自己注射器200に結合させることを可能としている。図3Nに示した例示的実施形態では、保護キャップ377が取り外されており、ルアーロック型の先端を有する針379が屈曲針アダプタ370および流体容器350に結合されている。
【0043】
図3Oおよび図3Pに示したように、例示的実施形態の屈曲針アダプタ376は、バイアルアダプタ357を含んでいる。バイアルアダプタ357は、例えば、米国特許第7,326,194号に記載されたメディモップ・メディカル・プロジェクツ・リミテッド製のバイアルアダプタ等である。屈曲針アダプタ376は、いくつかの実施形態では、滅菌カバー359を備えている。屈曲針アダプタ376は、いくつかの実施形態では、針キャップ377を備えている。または、図3Pに示したように、屈曲針アダプタ376は、例えば、空のバイアル378に取り付けられていてもよく、これにより、単一かつ非滅菌状態である自己注射器のカートリッジユニット365を形成していてもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジ365を後に滅菌することができると共に、そのカートリッジユニット365に注射物を充填することもできる。
【0044】
[締結部材および取り付け部材の任意例]
本発明のいくつかの実施形態の一側面は、モジュール式の流体容器・注射器結合システムを備えた自己注射器に関する。自己注射器、具体的にはパッチ型自己注射器は、注射処理の際における組織内の注射針の移動を防ぐことにより、注射に伴う痛みを最小限に抑えるように設計されている。これは、自己注射器のハウジングに注射針および/または流体容器のカートリッジを固定されるように取り付ける各種結合方法によって達成される。
【0045】
図4A図4H図4と総称する)は、例示的実施形態に係るモジュール式の流体容器・注射器結合システムの簡易上面図および簡易斜視図である。自己注射器200は、図4に示した例では、1以上の締結部材402を備えている。締結部材402は、少なくとも、流体容器450のバレル部452またはフィンガフランジ(finger flange )454を収容することが可能な大きさを有している。図4Aおよび図4Bに示したように、注射器200は、いくつかの実施形態では、種々の異なる種類および大きさを有する流体容器を自己注射器200に結合させるように構成された1以上の締結部材を備えている。図4Aに示したように、締結部材404は、いくつかの実施形態では、リング形状を有している。締結部材404のリング形状は、流体容器のうちの対応する直径を有するバレル部に摺動することが可能な大きさを有している。締結部材404は、いくつかの実施形態では、さらに、その締結部材404の周辺部から延在する少なくとも1つの突出部406を備えている。突出部406は、図4Aに示した例示的実施形態では、締結部材404のリング部から接線方向に延在している。しかしながら、突出部406は、半径方向に延在していてもよいし、その他の適切な幾何学的構成を有していてもよい。突出部406は、いくつかの実施形態では、少なくとも支持プレート410の表面408に対して平行に向いている。少なくとも1つの突出部406は、図4Aに示した例示的実施形態では、少なくとも1つの保持部材によって、支持プレート410に固定されるように結合されている。取り付け部材は、図4Aに示した例では、保持カンチレバー412を備えている。保持レバー412は、いくつかの実施形態では、弾性を有しており、および/または、支持プレート410に対する弾性結合部材を少なくとも備えている。しかしながら、取り付け部材は、任意の種類の適切な取り付け機構を備えていてもよい。保持カンチレバー412は、いくつかの実施形態では、支持プレートに対して締結部材404の突出部406を取り外し可能に結合させるように構成されている。図4Bおよび図4Cは、締結部材414が逆U字形状を有する例示的実施形態を示している。支持プレート410は、いくつかの実施形態では、締結部材414の脚部418を収容するように構成された複数の切り欠き416を有している。支持プレート410の切り欠き416は、いくつかの実施形態では、保持カンチレバー420を備えている。保持カンチレバー420は、脚部418のうちの対応する1以上の凹部422に取り付けられることによって、締結部材414を支持プレートに取り外し可能に結合させるように構成されている。複数の凹部422は、締結部材414のうちの1以上の脚部418が支持プレート410に挿入される深さを調整することによって、締結部材414の内半径の調整を任意に手助けするものである。締結部材414は、この複数の凹部422によって、様々な大きさの流体容器と等しい大きさを有するように構成可能となっている。
【0046】
図4Dに示したように、支持プレート410は、いくつかの実施形態では、種々の異なる長さの流体容器を収容するために、複数の取り付けポイント412または取り付けポイント416を備えている。複数の取り付けポイント412または取り付けポイント416は、締結部材402、締結部材414または締結部材424が針保持部206から種々の異なる距離だけ離れた位置において支持プレート410に結合されるように分散配置されている。取り付けポイント412または取り付けポイント416は、例えば、いくつかの実施形態では、図4Aに示した種類のカンチレバー420を備えている。取り付けポイント412または取り付けポイント416は、例えば、いくつかの実施形態では、切り欠き416と、図4Bおよび図4Cに示した種類の締結部材を取り外し可能に結合させるように構成された保持カンチレバー420とを備えている。取り付けポイント412または取り付けポイント416は、例えば、いくつかの実施形態では、図4Eおよび図4Fに示した構成を有する摺動ヒンジおよび保持レバーを備えている。また、取り付けポイント412または取り付けポイント416は、例えば、本明細書に記載の例示的実施形態以外の同様かつ任意の適した取り付け機構を備えていてもよい。
【0047】
図4Eおよび図4Fは、締結部材424がヒンジ付きの逆U字形状を有する例示的実施形態を示している。図4Eおよび図4Fに示した例では、1つの脚部426が摺動ヒンジ428を備えている。摺動ヒンジ428は、流体容器のバレル部452を取り外すため、または流体容器のバレル部452を受容するために開かれた際、大きな隙間を形成するように構成されている。締結部材424のうちのヒンジが非装着である脚部426は、図4Eに示した閉じた構成では、保持カンチレバー420によって所定位置に係止されている。
【0048】
締結部材402、締結部材414および締結部材424のうちの少なくとも1つは、いくつかの実施形態では、同じ支持プレート410の上に取り付けられるために、同じ大きさを有している。図4Gおよび図4Hに示したように、締結部材402、締結部材414および締結部材424には、いくつかの実施形態では、様々な直径を有する1以上のリング状取り付け部材430(図4H)が取り付けられている。取り付け部材430は、流体容器のうちの特定のバレル部の対応する直径に対して適正化された大きさを有している。取り付け部材430は、いくつかの実施形態では、流体容器450のバレル部452の上において摺動するように構成されており、締結部材(例えば、締結部材414または締結部材424)が閉じた状態にある際に十分な摩擦を発生させるようになっている。これにより、支持プレート410に対する流体容器のバレル部452の軸方向における滑りおよび移動を防ぐようになっている。
【0049】
なお、図4Gおよび図4Hは、図4Bおよび図4Cに示した種類の締結部材を示しているが、取り付け部材430は、本明細書に記載のいずれかの締結部材に取り付けられていてもよく、または他の同様の種類の締結部材に取り付けられていてもよい。
【0050】
[アダプタと流体容器との結合部材および締結部材の配置位置の任意例]
流体容器と自己注射器との固定結合を確保するためには、流体容器を支持プレート410等の表面に固定する以外にも、締結部材420、締結部材414および締結部材424等の締結部材を流体容器のバレル部の長さとなるように調整する必要がある。これは、多くの場合、本開示の他の部分に記載されているように、流体容器のバレル部に沿うように締結部材を摺動させることにより、および/または流体容器のフィンガフランジに締結部材を結合させることによって、達成される。本開示の他の部分に記載されているモジュール式の支持プレート410の構造では、例えば、流体容器のバレル部またはフィンガフランジに対する取り付けの際、締結部材をほとんどの所望位置に配置することが可能である。図5A図5Gは、流体容器を自己注射器に結合させる締結部材の配置位置を示す簡易部分断面側面図である。
【0051】
図5Aに示した例示的実施形態において、流体容器590は、空であり、針保持部534に結合されている。この流体容器590と針保持部534との結合によって、単一かつ一体化された自己注射器のカートリッジユニット535が形成されている。カートリッジユニット535は、いくつかの実施形態では滅菌されており、いくつかの実施形態では滅菌されていない。また、カートリッジユニット535は、いくつかの実施形態では、滅菌されると共に、滅菌状態を維持しながら注射物が充填されることによって、滅菌・封止されていると共に、使用準備が整った状態となるように設けられている。図5Bに示した例示的実施形態において、カートリッジユニット535は、滅菌された状態で充填済となっており、1以上の締結部材402(図4A)によって支持プレート410に結合されている。カートリッジユニット535は、いくつかの実施形態では、プランジャ570を備えており、充填後、滅菌状態を維持するために封止部595を用いて封止されている。カートリッジユニット535は、いくつかの実施形態では、滅菌および封筒に収納されるために、非滅菌状態で配送される。封筒は、例えば、プラスチック製のブリスタ539である。図5Cに示したように、流体容器550は、例えば、20ccの流体容器であり、嵌め込み(slip-on )型の先端部を備えており、自己注射器500に搭載されている。先端部502は、図5Cに示した例示的実施形態では、本開示の他の部分に記載の手法によって針保持部506に挿入された形で図示されており、その説明については繰り返しとなるので省略する。図5Cに示した例示的実施形態において、針保持部506は、締結部材504のそれと同様の結合部材を備えており、支持プレート410に対して可逆的に結合している。1以上の締結部材504は、いくつかの実施形態では、バレル部452に沿うように配置されており、その少なくとも1つは、フィンガフランジ454に当接していると共に、流体容器450のバレル部452を支持プレート410に結合させている。なお、締結部材504の形状および機能の説明については、本開示の他の部分に記載されており、繰り返しとなるので、その説明を省略する。締結部材504は、いくつかの実施形態では、閉じた際に、バレル部452に対して十分な摩擦を与えることによって、支持プレート410に対するバレル部452の軸方向における滑りおよび移動を防ぐようになっている。または、例えば、いくつかの実施形態では、本開示の他の部分に記載されている種類の取り付け部材を締結部材504の内部に取り付けることによってバレル部452に対して十分な摩擦を与えることにより、支持プレート410に対するバレル部452の軸方向における滑りおよび移動を防ぐようにしてもよい。
【0052】
または、図5Dに示したように、締結部材506は、例えば、いくつかの実施形態では、内壁510に沿った放射状のスロット508を備えている。スロット508は、流体容器のうちの対応する大きさを有するフィンガフランジ454を収容することが可能な大きさを有している。または、図5Eに示したように、締結部材504の種類の締結部材は、例えば、いくつかの実施形態では、締結部材504の内部に取り付けられた取り付け部材512を備えている。この締結部材504は、取り付け部材512の内壁に沿った放射状のスロット514を備えている。スロット514は、流体容器のうちの対応する大きさを有するフィンガフランジ454を収容することが可能な大きさを有している。取り付け部材512は、いくつかの実施形態では、フィンガフランジ454に対して十分な摩擦を与えることによって、支持プレート410に対するバレル部452の軸方向における滑りおよび移動を防ぐようになっている。なお、図5Dにおいては、流体容器のプランジャがプランジャ570によって置き換えられている。プランジャ570は、自己注射器500のうちのプランジャ駆動システム(図示せず)によって駆動されるように構成されている。
【0053】
または、図5Fに示したモジュール式の流体容器・注射器結合システムは、例えば、小型の流体容器555を自己注射器に500に結合させるものである。流体容器555は、例えば、5ccの流体容器である。流体容器555の嵌め込み(slip-on )型の先端部は、本開示の他の部分に記載の方法によって針保持部506に挿入された形で図示されており、その説明については繰り返しとなるので省略する。1以上の締結部材504は、いくつかの実施形態では、バレル部552に沿うように配置されており、その少なくとも1つは、フィンガフランジ554に当接していると共に、流体容器555のバレル部552を支持プレート410に結合させている。なお、締結部材504の形状および機能の説明については、本開示の他の部分に記載されており、繰り返しとなるので、その説明を省略する。締結部材504は、いくつかの実施形態では、閉じた際に、バレル部552に対して十分な摩擦を与えることによって、支持プレート410に対するバレル部552の軸方向における滑りおよび移動を防ぐようになっている。または、例えば、いくつかの実施形態では、本開示の他の部分に記載されている種類の取り付け部材430を締結部材504の内部に取り付けることによって、バレル部552に対して十分な摩擦を与えることにより、支持プレート410に対するバレル部552の軸方向における滑りおよび移動を防ぐようにしてもよい。
【0054】
図5Fに示した例示的実施形態において、締結部材504の内部に取り付けられた取り付け部材512は、流体容器のうちの対応する大きさを有するフィンガフランジ554を収容することが可能な大きさを有している。図5Gに示したように、針保持部506は、締結部材504のそれと同様に、支持プレートに対する結合部材537を備えており、支持プレート410に対して可逆的に結合している。または、針保持部506は、本開示の他の部分に記載されている任意の種類の締結部材結合部材を備えており、支持プレート410に対して可逆的に結合している。図5Gに示したように、流体容器590は、いくつかの実施形態では、フィンガフランジを有しておらず、封止状態が維持されるように針保持部506に取り付けられている。図5Gに示した例示的実施形態において、充填済みのバイアルである流体容器590では、支持プレート410に搭載されるために、本開示の他の部分に記載されているように、針保持部506に取り付けられていると共に、締結部材402(図4C)が装着されている。針保持部506は、いくつかの実施形態では、針202の針保護キャップ377を備えている。流体容器590は、いくつかの実施形態では、滅菌状態を維持するために、封止部595を用いて封止されている。針保持部506に取り付けられた充填済みの流体容器590は、封筒に収納されることによって配送される。封筒は、例えば、プラスチック製のブリスタ539である。図6は、自己注射のための家庭用キットの簡易上面図である。図6に示したように、キット600は、いくつかの実施形態では、自己注射器を備えている。この自己注射器は、図6では、モジュール式の支持プレート410と、複数の締結部材602と、各種内径を有する各種取り付け部材604とによって代表されている。
【0055】
また、キット600は、例えば、いくつかの実施形態では、印を有していてもよい。この印は、選択される流体容器に対応しており、ユーザが正しい締結部材または取り付け部材を選択する際に手助けとなるものである。例えば、図6に示したいくつかの実施形態において、選択された流体容器が50ccの流体容器である場合、ユーザは、その流体容器を自己注射器に十分に結合させるために締結部材のみを選択しても構わない。例えば、10ccの流体容器等のより小型の流体容器の場合、ユーザは、締結部材と、その締結部材に挿入される「10cc」の印が付けられた取り付け部材とを選択してもよい。キット600は、いくつかの実施形態では、例えば、「5cc」、「10cc」、「20cc」、「50cc」、「先端部」および「フランジ」等のように、締結部材および取り付け部材の取付寸法および種類について明確に示す表示を有している。
【0056】
ユーザは、いくつかの実施形態では、キットから自己注射器を取り外すことによって、カバーを開けて支持プレート410を露出させることにより、キット600を用いて流体容器を自己注射器に結合させることができる。その方法は、いくつかの実施形態では、さらに、針保持部506を流体容器に結合させる工程を含んでいる。針保持部506は、いくつかの実施形態では、針保護キャップ377を備えている。その方法は、いくつかの実施形態では、さらに、1以上の締結部材602を選択する工程と、流体容器のバレル部452またはバレル部552に1以上の締結部材を摺動させる工程とを含んでいる。または、その方法は、1以上の締結部材602を支持プレート410に結合させる工程を含んでいてもよい。その方法は、例えば、流体容器のバレル部452またはバレル部552に摺動させる前に、1以上の取り付け部材604を1以上の締結部材602に挿入する工程を含んでいてもよい。また、その方法は、例えば、フィンガフランジの締結部材606を選択する工程と、流体容器のフランジを支持プレート410に結合させる工程とを含んでいてもよい。その方法は、例えば、流体容器のフランジを支持プレート410に結合させる前に、フィンガフランジの1以上の取り付け部材608を1以上の締結部材602に挿入する工程を含んでいてもよい。その方法は、例えば、少なくとも1つの取り付けポイント412または取り付けポイント416を選択する工程と、選択された取り付けポイント412または取り付けポイント416に締結部材604または締結部材606を取り付ける工程とを含んでいてもよい。
【0057】
「備え(comprises )」、「備える(comprising)」、「含み(includes)」、「含む(including )」、「有し(has )」および「有する(having)」という用語、ならびにそれらの活用形は、「~を含むが、~に限定されない」ことを意味する。
【0058】
「からなる」という用語は、「~を含み、かつ~に限定される」ことを意味する。
【0059】
「本質的に~からなる」という用語は、組成物、方法または構造において、追加の成分、工程および/または部分が請求の範囲に記載された組成物、方法または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない限り、そのような追加の成分、工程および/または部分を含んでもよいことを意味する。
【0060】
本明細書において用いられている「a 」、「an」および「the 」を伴う単数形の記載は、文脈上明確な断りのない限り、言及がなされたものの複数形を含んでいる。
【0061】
本願の全体に渡って、本発明の実施形態について範囲形式を参照しながら提示している場合がある。しかしながら、範囲形式による記載は、便宜上および簡潔化を目的としているにすぎず、本発明の範囲について柔軟性を排して限定するものであると解釈されるべきではない。したがって、範囲の記載は、その範囲内のすべての取り得る部分範囲および個々の数値を明確に開示するものとみなされるべきである。例えば、「1から6まで」のような範囲の記載は、「1から3まで」、「1から4まで」、「1から5まで」、「2から4まで」、「2から6まで」および「3から6まで」等のような部分範囲や、例えば、1、2、3、4、5および6のように当該範囲内の個々の数字を明確に開示するものとみなされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0062】
本明細書において示されている数値範囲(例えば、「10~15」、「10から15まで」、または、それらの範囲表現以外の他の表現によって結ばれた任意の数字の対)は、いかなる場合でも、文脈上明確な断りのない限り、範囲の限界を含めると共に、示された範囲の限界によって示される範囲内の任意の数字(分数または整数)を含むことを意味する。第1の指示数字と第2の指示数字との「間の範囲(between )」や、第1の指示数字「から(from)」第2の指示数字「まで(to、up to 、until 、through )」(または、それらの範囲指示用語以外の用語)という語句は、本明細書においては互換可能に使用されており、第1の指示数字および第2の指示数字、ならびにそれらの間のすべての分数および整数を含むことを意味している。
【0063】
特に断りのない限り、本明細書において用いられている数字およびそれらの数字に基づく任意の数値範囲は、当業者によって理解されるように、合理的な測定の精度および丸め誤差の範囲内での近似値である。
【0064】
本発明のいくつかの特徴は、明確性の確保のために、文脈上、別個の実施形態として記載されているが、それらの特徴は、単一の実施形態において組み合わされてもよい。逆に、簡潔性の確保のために、文脈上、単一の実施形態として記載されている本発明の各種特徴は、記載された本発明の実施形態以外の任意の他の実施形態において、別々に設けられ、任意の適したサブコンビネーションとして設けられ、または、適切に設けられてもよい。各種実施形態として、文脈上、記載されているいくつかの特徴は、その実施形態がそれらの要素なくして作用不能とならない限り、それらの実施形態における必須の特徴とみなされるべきではない。
【0065】
本発明について具体的な実施形態と関連して説明したが、当業者であれば、多くの代替、変形および変更をなし得ることは明らかである。したがって、そのような代替、変形および変更の全てを包含することを意図するものであり、そのような代替、変形および変更は添付の請求の範囲によって定められる精神および広範な範囲内に含まれる。
【0066】
本明細書に記載されている全ての刊行物、特許および特許出願は、参照によりそれらを全体的に本明細書に援用する。これは、1つ1つの刊行物、特許または特許出願があたかも明確かつ個別に参照により本明細書に援用されていることが示されているような場合と同程度の援用である。さらに、本出願における文献の引用または特定は、その文献が本発明の先行技術として存在することを自認するものであると解釈されてはならない。節の見出しが使用される限り、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図3L
図3M
図3N
図3O
図3P
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6