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特許7565272配管構成体、加工食品の製造システム、食品の搬送方法および加工食品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】配管構成体、加工食品の製造システム、食品の搬送方法および加工食品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 41/03 20060101AFI20241003BHJP
   A22C 7/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F16L41/03
A22C7/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021530683
(86)(22)【出願日】2020-07-06
(86)【国際出願番号】 JP2020026323
(87)【国際公開番号】W WO2021006231
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】P 2019126891
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】505126610
【氏名又は名称】株式会社ニチレイフーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【弁理士】
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】筒井 泰之
(72)【発明者】
【氏名】西原 鉄兵
(72)【発明者】
【氏名】本多 政彦
(72)【発明者】
【氏名】塚本 真也
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-007069(JP,A)
【文献】特開2017-166012(JP,A)
【文献】米国特許第06291001(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 41/03
A22C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を搬送するための配管構成体において、
前記食品が供給される第1配管と、
前記第1配管の下流側に設けられ、前記第1配管に連結された複数の第2配管と、
前記第2配管の下流側に設けられ、各々の前記第2配管にそれぞれ複数本ずつ連結された第3配管と、を備え
各々の前記第2配管は、それぞれ第1連結管を介して前記第1配管に連結されており、
前記第1連結管は、前記第1配管に連結される第1連結部と、前記第1連結部の下流側に設けられ、前記第1連結部から分岐する複数の第1湾曲部とを有し、
各々の前記第3配管は、それぞれ第2連結管を介して前記第2配管に連結されており、
前記第2連結管は、前記第2配管に連結される第2連結部と、前記第2連結部の下流側に設けられ、前記第2連結部から分岐する複数の第2湾曲部とを有し、
前記食品の搬送方向に沿った断面であって、互いに隣り合う前記第1湾曲部を、当該搬送方向の上流側から見た場合に各々が延びる方向に対して、それぞれ平行な方向に切断した断面において、複数の前記第1湾曲部が合流する第1合流部の内面は、搬送方向上流側に向かって凸となる湾曲形状をもち、
前記食品の搬送方向に沿った断面であって、一の前記第1湾曲部を、当該搬送方向の上流側から見た場合に当該一の前記第1湾曲部が延びる方向に対して平行な方向に切断した断面において、前記第1合流部の内面は、搬送方向下流側に向かって凸となる湾曲形状をもち、
前記食品の搬送方向に沿った断面であって、各々の前記第2湾曲部を、当該搬送方向の上流側から見た場合に各々の前記第2湾曲部が延びる方向に対して平行な方向に切断した断面において、複数の前記第2湾曲部が合流する第2合流部の内面は、搬送方向上流側に向かって凸となる湾曲形状をもち、
前記食品の搬送方向に沿った断面であって、前記第2合流部を、当該搬送方向の上流側から見た場合に各々の前記第2湾曲部が延びる方向に対して直交する方向に切断した断面において、前記第2合流部の内面は、搬送方向下流側に向かって凸となる湾曲形状をもつ、配管構成体。
【請求項2】
前記第1配管に連結された前記第2配管の数は、一の前記第2配管に連結された前記第3配管の数よりも多い、請求項1に記載の配管構成体。
【請求項3】
前記第1配管には、3本の前記第2配管が連結されており、
各々の前記第2配管には、それぞれ2本の前記第3配管が連結されている、請求項1または2に記載の配管構成体。
【請求項4】
加工食品の製造システムにおいて、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の配管構成体を有する搬送機構と、
前記搬送機構によって搬送された前記食品を加工する加工ユニットと、を備える加工食品の製造システム。
【請求項5】
食品を搬送するための食品の搬送方法において、
第1配管に供給された前記食品を、前記第1配管に連結された複数の第2配管にそれぞれ分配して搬送する第1分配工程と、
各々の前記第2配管に供給された前記食品を、各々の前記第2配管にそれぞれ複数本ずつ連結された第3配管にそれぞれ分配して搬送する第2分配工程と、を備え
各々の前記第2配管は、それぞれ第1連結管を介して前記第1配管に連結されており、
前記第1連結管は、前記第1配管に連結される第1連結部と、前記第1連結部の下流側に設けられ、前記第1連結部から分岐する複数の第1湾曲部とを有し、
各々の前記第3配管は、それぞれ第2連結管を介して前記第2配管に連結されており、
前記第2連結管は、前記第2配管に連結される第2連結部と、前記第2連結部の下流側に設けられ、前記第2連結部から分岐する複数の第2湾曲部とを有し、
前記食品の搬送方向に沿った断面であって、互いに隣り合う前記第1湾曲部を、当該搬送方向の上流側から見た場合に各々が延びる方向に対して、それぞれ平行な方向に切断した断面において、複数の前記第1湾曲部が合流する第1合流部の内面は、搬送方向上流側に向かって凸となる湾曲形状をもち、
前記食品の搬送方向に沿った断面であって、一の前記第1湾曲部を、当該搬送方向の上流側から見た場合に当該一の前記第1湾曲部が延びる方向に対して平行な方向に切断した断面において、前記第1合流部の内面は、搬送方向下流側に向かって凸となる湾曲形状をもち、
前記食品の搬送方向に沿った断面であって、各々の前記第2湾曲部を、当該搬送方向の上流側から見た場合に各々の前記第2湾曲部が延びる方向に対して平行な方向に切断した断面において、複数の前記第2湾曲部が合流する第2合流部の内面は、搬送方向上流側に向かって凸となる湾曲形状をもち、
前記食品の搬送方向に沿った断面であって、前記第2合流部を、当該搬送方向の上流側から見た場合に各々の前記第2湾曲部が延びる方向に対して直交する方向に切断した断面において、前記第2合流部の内面は、搬送方向下流側に向かって凸となる湾曲形状をもつ、食品の搬送方法。
【請求項6】
前記第1配管に連結された前記第2配管の数は、一の前記第2配管に連結された前記第3配管の数よりも多い、請求項に記載の食品の搬送方法。
【請求項7】
前記第1配管には、3本の前記第2配管が連結されており、
各々の前記第2配管には、それぞれ2本の前記第3配管が連結されている、請求項またはに記載の食品の搬送方法。
【請求項8】
加工食品の製造方法において、
請求項乃至のいずれか一項に記載の食品の搬送方法により前記食品を搬送する工程と、
前記食品を搬送する工程によって搬送された前記食品を加工する工程と、を備える加工食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を搬送するため配管構成体、加工食品の製造システム、食品を搬送するための食品の搬送方法および加工食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な加工食品が、一般消費者に対してだけではなく、店舗に対しても広く提供されている。加工食品は、食品加工技術の発展(とりわけ冷蔵及び冷凍の技術の発展)によって、常温食品、冷蔵食品、チルド食品及び冷凍食品などの様々な形態で提供可能である。そのような加工食品の需要は、消費者の嗜好の多様化、利便性のニーズの高まりおよび食品安全性に対する意識の向上に伴って、今後益々の高まりが期待されている。特に、加工が容易な加工食品だけではなく、加工が複雑で難しい加工食品も提供されることが望まれている。
【0003】
そのような加工食品として、例えば塊状に切断された食肉(畜肉や家禽肉等)から製造される肉製品や、主原料である挽肉や細切れ肉等を野菜、パン粉、調味料等の副原料と混和して練り、得られた混練生地を成型した後、鉄板、オーブン、フライヤー、蒸し器等で加熱することにより製造されるハンバーグやミートボール等が挙げられる。
【0004】
例えば特許文献1は、手作り感に溢れた形状と、ほぐれの良い軟らかな食感を有する畜肉加工食品の製造に用いる成型方法、及び、該方法に用いる成型機用吐出ノズルを開示している。特許文献1の成型機用吐出ノズルにおいて、食品としての混練生地が、混練生地投入口から投入される。そして、混練生地投入口から投入された混練生地が、配管部内を通過する際に、部分遮蔽部材の左右に流路が分岐し、その後、合流して、混練生地吐出口から吐出されようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-245560号公報
【0006】
上述の特許文献1のノズルのように、食品を搬送する装置は既に知られているが、そのような装置および方法は更なる改良が望まれている。すなわち、食品を搬送する際に、食品へのダメージを低減することができる装置および方法が求められている。例えば、塊状に切断された畜肉等の食品を搬送する場合、搬送中に食品がダメージを受けると、食品の美観が損なわれるだけではなく、食感等の美味しさにも悪影響を与え、所定の基準が満たされずに商品としての価値が損なわれる懸念もある。
【0007】
また、食品へのダメージを低減するために、作業者が手作業で食品を整列させてから整列した食品をコンベアで搬送する場合がある。この場合、食品の美観や食感等に対しては所定の基準が満たされるが、食品の重量にバラツキが生じてしまうといった問題や、整列作業の作業時間が長くなってしまうといった問題がある。このため、生産効率が低下するといった問題がある。
【0008】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、食品を搬送する際に、食品へのダメージを低減するとともに、生産効率を向上させることが可能な、配管構成体、加工食品の製造システム、食品の搬送方法および加工食品の製造方法を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【0009】
本発明の一態様は、食品を搬送するための配管構成体において、前記食品が供給される第1配管と、前記第1配管の下流側に設けられ、前記第1配管に連結された複数の第2配管と、前記第2配管の下流側に設けられ、各々の前記第2配管にそれぞれ複数本ずつ連結された第3配管と、を備える、配管構成体である。
【0010】
本発明の一態様による配管構成体において、前記第1配管に連結された前記第2配管の数は、一の前記第2配管に連結された前記第3配管の数よりも多くてもよい。
【0011】
本発明の一態様による配管構成体において、各々の前記第2配管は、それぞれ第1連結管を介して前記第1配管に連結されており、前記第1連結管は、前記第1配管に連結される第1連結部と、前記第1連結部の下流側に設けられ、前記第1連結部から分岐する複数の第1湾曲部とを有し、各々の前記第3配管は、それぞれ第2連結管を介して前記第2配管に連結されており、前記第2連結管は、前記第2配管に連結される第2連結部と、前記第2連結部の下流側に設けられ、前記第2連結部から分岐する複数の第2湾曲部とを有し、複数の前記第1湾曲部が合流する第1合流部は、前記食品の搬送方向に沿った断面において、湾曲形状をもち、複数の前記第2湾曲部が合流する第2合流部は、前記食品の搬送方向に沿った断面において、湾曲形状をもっていてもよい。
【0012】
本発明の一態様による配管構成体において、前記第1配管には、3本の前記第2配管が連結されており、各々の前記第2配管には、それぞれ2本の前記第3配管が連結されていてもよい。
【0013】
本発明の他の態様は、加工食品の製造システムにおいて、本発明による配管構成体を有する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送された前記食品を加工する加工ユニットと、を備える加工食品の製造システムである。
【0014】
本発明の他の態様は、食品を搬送するための食品の搬送方法において、第1配管に供給された前記食品を、前記第1配管に連結された複数の第2配管にそれぞれ分配して搬送する第1分配工程と、各々の前記第2配管に供給された前記食品を、各々の前記第2配管にそれぞれ複数本ずつ連結された第3配管にそれぞれ分配して搬送する第2分配工程と、を備える、食品の搬送方法である。
【0015】
本発明の一態様による食品の搬送方法において、前記第1配管に連結された前記第2配管の数は、一の前記第2配管に連結された前記第3配管の数よりも多くてもよい。
【0016】
本発明の一態様による食品の搬送方法において、前記第1配管には、3本の前記第2配管が連結されており、各々の前記第2配管には、それぞれ2本の前記第3配管が連結されてもよい。
【0017】
本発明の他の態様は、加工食品の製造方法において、本発明による食品の搬送方法により前記食品を搬送する工程と、前記食品を搬送する工程によって搬送された前記食品を加工する工程と、を備える加工食品の製造方法である。
【0018】
本発明によれば、食品を搬送する際に、食品へのダメージを低減するとともに、生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本実施の形態による加工食品の製造システムを示すブロック図である。
図2図2は、本実施の形態による配管構成体を有する搬送機構、および加工ユニットを示す概略側面図である。
図3図3は、本実施の形態による配管構成体の第1連結管を示す斜視図である。
図4図4は、本実施の形態による配管構成体の第1連結管を示す断面図(図2のIV-IV線断面図)である。
図5図5は、本実施の形態による配管構成体の第1連結管を示す断面図(図4のV-V線断面図)である。
図6図6は、本実施の形態による配管構成体の第1連結管を示す断面図(図4のVI-VI線断面図)である。
図7図7は、本実施の形態による配管構成体の第2連結管、および加工ユニットを示す斜視図である。
図8図8は、本実施の形態による配管構成体の第2連結管を示す断面図(図2のVIII-VIII線断面図)である。
図9図9は、本実施の形態による配管構成体の第2連結管を示す断面図(図8のIX-IX線断面図)である。
図10図10は、本実施の形態による配管構成体の第2連結管を示す断面図(図8のX-X線断面図)である。
図11図11は、本実施の形態による搬送方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の典型的な実施形態を例示する。各図面に示される要素のサイズおよび縮尺は、図示および理解の便宜上、必ずしも実物と一致せず、また図面間でも一致していない。ただし、当業者であれば、本明細書および特許請求の範囲の記載を考慮し、各図に示されている要素の構成および作用効果を明確に把握することが可能である。
【0021】
以下の実施形態における食品の具体的な種類は特に限定されない。したがって食品は、塊状に切断された食肉(畜肉(牛肉や豚肉等)、家禽肉(鶏肉等)等)であってもよく、塊状に成形された食肉であってもよく、食肉をチョッパー等によって挽いた挽肉であってもよい。本発明による搬送機構に用いられる配管構成体は、食品を搬送する際に食品へのダメージを低減することができるため、特に塊状に切断された食肉に関しては筋繊維を破壊することなく、好適に搬送することができる。また、食品は、20mm角以上100mm角以下程度の大きさであってもよく、一例として35mm角程度の大きさであってもよい。
【0022】
加工食品の製造システム
まず、図1により、本実施の形態による加工食品の製造システム100の概要について説明する。図1に示すように、加工食品の製造システム100は、食品Hを搬送するための搬送機構1と、搬送機構1によって搬送された食品Hを加工するための加工ユニット80と、を備えている。このうち搬送機構1は、本実施の形態による配管構成体1Aを有している。ここでは、まず、搬送機構1の概要について説明する。
【0023】
(搬送機構)
図2に示すように、搬送機構1は、食品を搬送する配管構成体1Aを有している。この配管構成体1Aは、食品Hが供給される第1配管10と、第1配管10の下流側に設けられ、第1配管10に連結された複数の第2配管20と、第2配管20の下流側に設けられ、各々の第2配管20にそれぞれ複数本ずつ連結された第3配管30と、を備えている。本実施の形態では、第1配管10に連結された第2配管20の数は、一の第2配管20に連結された第3配管30の数よりも多くなっている。後述するように、第1配管10には、3本の第2配管20が連結されており(図3参照)、各々の第2配管20には、それぞれ2本ずつの第3配管30が連結されている(図10参照)。
【0024】
図2に示すように、第1配管10は、後述するポンプ2に連結され第1方向d1(図2に示す左右方向)に沿って延びる第1部分10aと、第1部分10aの下流側に設けられ、第1方向d1に直交する第2方向d2(図2に示す上下方向)に沿って延びる第2部分10bと、第2部分10bの下流側に設けられ第1方向d1に沿って延びる第3部分10cとを有している。第1配管10の内径は、搬送される食品Hのサイズにもよるが30mm以上200mm以下程度とすることができる。なお、図面を明瞭にするために、配管構成体1Aが1本の第1配管10を備えている例について説明するが、配管構成体1Aは、複数本の第1配管10を備えていてもよい。
【0025】
第1配管10の上流側には、食品Hを搬送するためのポンプ2と、食品Hが収容されるタンク(ホッパー)3とが設けられており、ポンプ2を駆動することによりタンク3から第1配管10に食品Hが供給されるように構成されている。このうちポンプ2は、例えば真空ポンプ、ベーンポンプまたはピストンポンプであってもよい。なお、食品Hへのダメージを低減させる観点からは、ポンプ2は真空ポンプであることが好ましい。
【0026】
第1配管10の下流側には、第1配管10と第2配管20とを連結する第1連結管11が設けられており、各々の第2配管20は、それぞれ第1連結管11を介して第1配管10に連結されている。第1連結管11は、第1配管10に連結される第1連結部12と、第1連結部12の下流側に設けられ、第1連結部12から分岐する複数の第1湾曲部13とを有している。
【0027】
各々の第2配管20は、それぞれ第1連結管11に連結され第1方向d1に沿って延びる第1部分20aと、第1部分20aの下流側に設けられ、第2方向d2に沿って延びる第2部分20bとを有している。このうち、各々の第1部分20aの長さは、互いに等しくなっている。なお、第2配管20の内径は、30mm以上200mm以下程度とすることができる。
【0028】
第2配管20の下流側には、第2配管20と第3配管30とを連結する第2連結管21が設けられており、各々の第3配管30は、それぞれ第2連結管21を介して第2配管20に連結されている。第2連結管21は、第2配管20に連結される第2連結部22と、第2連結部22の下流側に設けられ、第2連結部22から分岐する複数の第2湾曲部23とを有している。
【0029】
各々の第3配管30は、それぞれ第2方向d2に沿って延びている。これらの第3配管30の長さは、互いに等しくなっている。なお、第3配管30の内径は、30mm以上200mm以下程度とすることができる。
【0030】
また、第3配管30の下流側には、第3配管30を支持するための板状の支持部材31が設けられている。なお、図示はしないが、支持部材31は、搬送機構1の図示しない筐体等に例えばボルト等によって固定されている。
【0031】
この支持部材31の下流側には、第3配管30によって搬送された食品Hを加工する加工ユニット80が設けられている。
【0032】
(加工ユニット)
本実施の形態による加工ユニット80は、第3配管30によって搬送された食品Hが充填されるモールド板50によって構成されている。このモールド板50には、第3配管30によって搬送された食品Hが充填される開口(図示せず)が形成されている。開口は、第2方向d2においてモールド板50を貫通しており、開口に充填された食品Hが、モールド板50の下流側(図1に示す下方)に設けられたコンベア70に打ち出されるように構成されている。そして、モールド板50から打ち出された食品Hは、コンベア70によって下流側に搬送されるようになっている。
【0033】
加工ユニット80は、上述したモールド板50の他、例えば、食品Hに穀粉類を水や卵液で溶いたバッター液を付与するバターリングマシン、食品Hに小麦粉等の粉体を付与するフラワリングマシンやブレッダーマシン、食品Hを加熱するためのフライヤー等を有していてもよい。なお、加工ユニット80を構成する装置は、製造される加工食品に合わせて適宜選択することができる。例えば、焼成により食品Hを加工する場合には、加工ユニット80は、インピンジメントオーブン、コンベアオーブン、シュバンクバーナー等を有していてもよい。また、蒸煮により食品Hを加工する場合には、加工ユニット80は、スチーマー、マイクロウェーブオーブン、連続ボイル槽等を有していてもよい。また、食品Hが塊状に分離された食肉である場合、加工ユニット80は、食品Hを所望の形状および重量に分離する分離装置を有しいてもよい。さらに、加工ユニット80は、モールド板50から打ち出された各々の食品Hの計量を行う重量計、食品Hを包装材料やソーセージの皮等に充填するケーシング装置、食品Hを加熱する加熱装置および/または食品Hを冷凍する冷凍装置等を有していてもよい。
【0034】
次に、図3乃至図6により、本実施の形態による配管構成体1Aの第1連結管11について、より詳細に説明する。
【0035】
図3および図4に示すように、第1連結管11は、3つの第1湾曲部13を有しており、第1湾曲部13は、第1連結部12から三つ叉状に延びている。また、各々の第1湾曲部13には、それぞれ第2配管20が1本ずつ連結されている。このため、第1配管10には、第1連結管11を介して、3つの第2配管20が連結されている。上述したように、本実施の形態では、配管構成体1Aは、1本の第1配管10を備えているため、配管構成体1Aは、3本の第2配管20を備えている。また、図4に示すように、各々の第1湾曲部13は、上流側から見た場合に、120°ずつ等配となるように設けられている。
【0036】
図5および図6に示すように、複数の第1湾曲部13が合流する第1合流部14は、食品Hの搬送方向(この場合、第1方向d1)に沿った断面において、湾曲形状をもっている。これにより、第1連結管11内の食品Hが複数の第1湾曲部13に分配される際に、食品Hへのダメージを低減することができる。すなわち、第1合流部14が食品Hの搬送方向に沿った断面において、逆V字形状(すなわち、先端部が上流側を向くV字形状)をもっている場合や、第1合流部14が食品Hの搬送方向に直交する方向に延びる場合(すなわち、食品Hの搬送方向に沿った断面において、第1連結部12と第1湾曲部13とが全体としてT字形状に形成されている場合)と比較して、第1連結管11内の食品Hが複数の第1湾曲部13に分配される際に、食品Hが第1合流部14に対して押圧された場合であっても、食品Hの筋繊維等を破壊することなく、食品Hを複数の第1湾曲部13に分配することができる。また、第1合流部14が、食品Hの搬送方向に沿った断面において、湾曲形状をもっていることにより、食品Hの一部(例えば牛肉の腱や鶏肉の皮等)が第1合流部14に引っ掛かってしまう不具合を抑制することができる。このため、食品Hへのダメージを効果的に低減することができる。なお、本明細書中、「第1合流部」とは、搬送方向に直交する方向(この場合、第2方向d2)に広がる平面で第1連結部12を切断した断面図であって、第1湾曲部13を第1方向d1に沿って上流側から見た断面図(図4)において、第1連結部12の内壁によって画定される部分(図4乃至図6において梨地で示す部分)を意味する。
【0037】
この場合、図5に示すように、食品Hの搬送方向(この場合、第1方向d1)に沿った断面であって、互いに隣り合う第1湾曲部13を、当該搬送方向の上流側から見た場合に各々が延びる方向に対して、それぞれ平行な方向に切断した断面(すなわち、図4のV-V線に沿った断面)において、第1合流部14の内面は、搬送方向上流側に向かって凸となる湾曲形状をもっている。この場合、第1合流部14の内面の曲率半径R1は、20mm以上100mm以下程度とすることができる。
【0038】
また、図6に示すように、食品Hの搬送方向(この場合、第1方向d1)に沿った断面であって、一の第1湾曲部13を、当該搬送方向の上流側から見た場合に当該一の第1湾曲部13が延びる方向に対して平行な方向に切断した断面(すなわち、図4のVI-VI線に沿った断面)において、第1合流部14の内面は、搬送方向下流側に向かって凸となる湾曲形状をもっている。この場合、第1合流部14の内面の曲率半径R2は、30mm以上200mm以下程度とすることができる。
【0039】
次に、図2図7乃至図10により、本実施の形態による配管構成体1Aの第2連結管21について、より詳細に説明する。
【0040】
図2に示すように、第2連結管21は、2つの第2湾曲部23を有しており、第2湾曲部23は、全体としてU字形状に形成されている。また、各々の第2湾曲部23には、それぞれ第3配管30が1本ずつ連結されている。このため、各第2配管20には、第2連結管21を介して、それぞれ2本の第3配管30が連結されている。上述したように、本実施の形態では、配管構成体1Aは、3本の第2配管20を備えているため、配管構成体1Aは、6本の第3配管30を備えている(図7参照)。また、図8に示すように、各々の第2湾曲部23は、上流側から見た場合に、180°ずつ等配となるように設けられている。
【0041】
図9および図10に示すように、複数の第2湾曲部23が合流する第2合流部24は、食品Hの搬送方向(この場合、第2方向d2)に沿った断面において、湾曲形状をもっている。これにより、第2連結管21内の食品Hが複数の第2湾曲部23に分配される際に、食品Hへのダメージを低減することができる。すなわち、第2合流部24が食品Hの搬送方向に沿った断面において、逆V字形状(すなわち、先端部が上流側を向くV字形状)をもっている場合や、第2合流部24が食品Hの搬送方向に直交する方向に延びる場合(すなわち、食品Hの搬送方向に沿った断面において、第2連結部22と第2湾曲部23とが全体としてT字形状に形成されている場合)と比較して、第2連結管21内の食品Hが複数の第2湾曲部23に分配される際に、食品Hが第2合流部24に対して押圧された場合であっても、食品Hの筋繊維等を破壊することなく、食品Hを複数の第2湾曲部23に分配することができる。また、第2合流部24が、食品Hの搬送方向に沿った断面において、湾曲形状をもっていることにより、食品Hの一部が第2合流部24に引っ掛かってしまう不具合を抑制することができる。このため、食品Hへのダメージを効果的に低減することができる。なお、本明細書中、「第2合流部」とは、搬送方向に直交する方向(この場合、第1方向d1)に広がる平面で第2連結部22を切断した断面図であって、第2湾曲部23を第2方向d2に沿って上流側から見た断面図(図8)において、第2連結部22の内壁によって画定される部分(図8乃至図10において梨地で示す部分)を意味する。
【0042】
この場合、図9に示すように、食品Hの搬送方向(この場合、第2方向d2)に沿った断面であって、各々の第2湾曲部23を、当該搬送方向の上流側から見た場合に各々の第2湾曲部23が延びる方向に対して平行な方向に切断した断面(すなわち、図8のIX-IX線に沿った断面)において、第2合流部24の内面は、搬送方向上流側に向かって凸となる湾曲形状をもっている。この場合、第2合流部24の内面の曲率半径R3は、20mm以上100mm以下程度とすることができる。
【0043】
また、図10に示すように、食品Hの搬送方向(この場合、第2方向d2)に沿った断面であって、第2合流部24を、当該搬送方向の上流側から見た場合に各々の第2湾曲部23が延びる方向に対して直交する方向に切断した断面(すなわち、図8のX-X線に沿った断面)において、第2合流部24の内面は、搬送方向下流側に向かって凸となる湾曲形状をもっている。この場合、第2合流部24の内面の曲率半径R4は、30mm以上200mm以下程度とすることができる。
【0044】
なお、上述した配管構成体1Aにおいて、第1配管10および第2配管20は、例えばボルトや溶接等によって第1連結管11にそれぞれ連結されていてもよい。同様に、第2配管20および第3配管30は、例えばボルトや溶接等によって第2連結管21にそれぞれ連結されていてもよい。あるいは、上述した配管構成体1Aは、金型成型等により、一体に成型されていてもよい。
【0045】
加工食品の製造方法
次に、本発明の加工食品の製造方法について説明する。本発明による加工食品の製造方法は、本発明による食品Hの搬送方法により食品Hを搬送する工程(搬送工程、図11の符号S10)。と、食品Hを搬送する工程によって搬送された食品Hを加工する工程(加工工程、図11の符号S20)と、を備えている。ここでは、まず、本発明の食品Hの搬送方法について説明する。
【0046】
(搬送方法)
本発明の食品Hの搬送方法は、例えば上述の搬送機構1を用いて行うことができる。以下、搬送機構1を用いた事例を元に説明する。
【0047】
まず、タンク3から第1配管10に食品Hが供給される(食品供給工程、図11の符号S1)。この場合、ポンプ2を駆動することによってタンク3から第1配管10に食品Hが供給される。なお、食品Hには、図示しないタンブラー内において、調味料や香辛料等が塗り付けられている。そして、第1配管10に供給された食品Hは、下流側に搬送される。
【0048】
次に、第1配管10に供給された食品Hを、第1配管10に連結された複数の第2配管20にそれぞれ分配して搬送する(第1分配工程、図11の符号S2)。この際、まず、第1配管10内の食品Hは、第1配管10に連結された第1連結管11へ搬送される。次に、食品Hは、第1連結管11の第1連結部12を通過し、各々の第1湾曲部13へと分配される。この場合、食品Hは、3つの第1湾曲部13へとそれぞれ分配される。
【0049】
この際、複数の第1湾曲部13が合流する第1合流部14は、食品Hの搬送方向(この場合、第1方向d1)に沿った断面において、湾曲形状をもっている(図5および図6参照)。これにより、第1連結管11内の食品Hが複数の第1湾曲部13に分配される際に、食品Hが第1合流部14に対して押圧された場合であっても、食品Hの筋繊維等を破壊することなく、食品Hを複数の第1湾曲部13に分配することができる。また、第1合流部14が、食品Hの搬送方向に沿った断面において、湾曲形状をもっていることにより、食品Hの一部(例えば鶏肉の皮)が第1合流部14に引っ掛かってしまう不具合を抑制することができる。このため、食品Hへのダメージを効果的に低減することができる。
【0050】
そして、各々の第1湾曲部13へと分配された食品Hは、第2配管20に供給される。その後、第2配管20に供給された食品Hは、下流側に搬送される。
【0051】
次に、各々の第2配管20に供給された食品Hを、各々の第2配管20にそれぞれ複数本ずつ連結された第3配管30にそれぞれ分配して搬送する(第2分配工程、図11の符号S3)。この際、まず、各々の第2配管20内の食品Hは、第3配管30に連結された第2連結管21へ、それぞれ搬送される。次に、食品Hは、第2連結管21の第2連結部22を通過し、各々の第2湾曲部23へと分配される。この場合、各々の第2連結管21において、食品Hは、2つの第2湾曲部23へとそれぞれ分配される。
【0052】
この際、複数の第2湾曲部23が合流する第2合流部24は、食品Hの搬送方向(この場合、第2方向d2)に沿った断面において、湾曲形状をもっている(図9および図10参照)。これにより、第2連結管21内の食品Hが複数の第2湾曲部23に分配される際に、食品Hの筋繊維等を破壊することなく、食品Hを複数の第2湾曲部23に分配することができる。また、第2合流部24が、食品Hの搬送方向に沿った断面において、湾曲形状をもっていることにより、食品Hの一部が第2合流部24に引っ掛かってしまう不具合を抑制することができる。このため、食品Hへのダメージを効果的に低減することができる。
【0053】
そして、各々の第2連結管21において、各々の第2湾曲部23へと分配された食品Hは、第3配管30に供給される。その後、第3配管30に供給された食品Hは、下流側に搬送される。このようにして、食品Hが搬送される(搬送工程、図11の符号S10)。
【0054】
次に、第3配管30に搬送された食品Hを加工する(加工工程、図11の符号S20)。この際、まず、第3配管30に搬送された食品Hを加工ユニット80のモールド板50へ充填する(充填工程、図11の符号S4)。この際、食品Hは、モールド板50の開口(図示せず)内に充填される。
【0055】
次いで、モールド板50へ充填された食品Hを、モールド板50から打ち出す。この際、モールド板50の開口(図示せず)から食品Hがコンベア70上に打ち出される。そして、打ち出された食品Hが、コンベア70によって下流側に搬送される。このようにして、加工ユニット80のモールド板50を介して食品Hが整列される(整列工程、図11の符号S5)。
【0056】
次に、整列された食品Hを必要に応じて更に加工する。この際、例えば食品Hが加熱される(加熱工程、図11の符号S6)。この場合、食品Hは、加工ユニット80の図示しないオーブンやフライヤーなどにより加熱される。なお、食品Hを加熱する前に食品Hにバッター液が付与されてもよい。この場合、例えば、加工ユニット80の図示しないバターリングマシンにより、食品Hにバッター液が付与されてもよい。あるいは、第1配管10に食品Hが供給される前に、食品Hにバッター液が付与されていてもよい。また、食品Hを加熱する前に、モールド板50から打ち出された各々の食品Hの計量を行ってもよい。さらに、食品Hが塊状に分離された食肉である場合、食品Hを加熱する前に、食品Hを所望の形状および重量に分離してもよい。
【0057】
このようにして、加工食品が製造される。
【0058】
なお、加工工程では、目的の加工食品に合わせて工程を選択し、選択した工程を行うようにしてもよい。
【0059】
ところで、生産効率を向上させるためには、モールド板50へ食品Hを充填するための第3配管30の数を多くする必要がある。一方、1本の配管(以下、上流側配管とも称する)から、一度に多くの配管(例えば6本の配管)へ食品Hを分配する場合、上流側配管内の圧力を高くする必要がある。そして、上流側配管内の圧力を高くした場合、食品Hがダメージを受ける可能性がある。
【0060】
これに対して本実施の形態では、搬送機構1の配管構成体1Aが、第1配管10と、第1配管10の下流側に設けられ、第1配管10に連結された複数の第2配管20と、第2配管20の下流側に設けられ、各々の第2配管20にそれぞれ複数本ずつ連結された第3配管30と、を備えている。このため、第3配管30の数を多くすることができ、かつ、1本の配管に連結する配管の数を低減させることができる。例えば、本実施の形態では、一の第1配管10には3本の第2配管20が連結し、一の第2配管20には2本の第3配管30が連結している。このように、1本の配管に連結する配管の数を低減させることにより、配管内の圧力を小さくした場合であっても、食品Hをスムーズに搬送することができる。このため、1本の配管から一度に多くの配管(例えば6本の配管)へ食品Hを分配する場合と比較して、食品Hを搬送する際に配管内の圧力を小さくすることができる。この結果、搬送される食品Hへのダメージを低減することができる。また、第3配管30の数を多くすることができるため、生産効率を向上させることができる。
【0061】
また、上述したように第1配管10に連結された第2配管20の数は、一の第2配管20に連結された第3配管30の数よりも多くなっている。ここで、食品Hが第1配管10乃至第3配管30内を搬送される場合、各配管内において圧力損失が発生すると考えられる。このため、食品Hが第1配管10と第2配管20とを連結する第1連結管11の第1合流部14に押し付けられることによって受ける押圧力は、食品Hが第2配管20と第3配管30とを連結する第2連結管21の第2合流部24に押し付けられることによって受ける押圧力よりも大きいと考えられる。この結果、食品Hが第1連結管11の第1合流部14に押し付けられることにより、食品Hに対して大きい押圧力が作用する可能性がある。そして、食品Hに対して大きい押圧力が作用した場合、食品Hがダメージを受ける可能性がある。
【0062】
これに対して本実施の形態によれば、第1配管10に連結された第2配管20の数が一の第2配管20に連結された第3配管30の数よりも多くなっている。このため、第1配管10に連結された第2配管20の数が一の第2配管20に連結された第3配管30の数よりも少なくなっている場合と比較して、第1配管10内を搬送される食品Hを比較的スムーズに第2配管20へ案内することができる。すなわち、圧力が大きい第1合流部14において、食品Hに対して大きい押圧力が作用することを抑制しつつ、食品Hを比較的スムーズに第2配管20へ案内することができる。このため、搬送される食品Hへのダメージを更に低減することができる。また、第1配管10に連結された第2配管20の数が一の第2配管20に連結された第3配管30の数よりも多くなっていることにより、第1配管10に連結された第2配管20の数が一の第2配管20に連結された第3配管30の数よりも少なくなっている場合と比較して、搬送方向の下流側において、1本の配管に連結される配管の数が多くなることを抑制することができる。このため、食品Hを搬送する際に配管内の圧力を小さくすることができ、搬送される食品Hへのダメージを更に低減することができる。
【0063】
以上説明したように本実施の形態によれば、配管構成体1Aが、第1配管10と、第1配管10の下流側に設けられ、第1配管10に連結された複数の第2配管20と、第2配管20の下流側に設けられ、各々の第2配管20にそれぞれ複数本ずつ連結された第3配管30と、を備えている。これにより、第3配管30の数を多くすることができ、かつ、1本の配管に連結する配管の数を低減させることができる。このため、配管内の圧力を小さくした場合であっても、食品Hをスムーズに搬送することができる。このため、1本の配管から一度に多くの配管(例えば6本の配管)へ食品Hを分配する場合と比較して、食品Hを搬送する際に配管内の圧力を小さくすることができ、搬送される食品Hへのダメージを低減することができる。また、第3配管30の数を多くすることができるため、生産効率を向上させることができる。
【0064】
また、本実施の形態による配管構成体1Aを用いることにより、作業者が手作業で食品Hを整列させてから整列した食品Hをコンベアで搬送する場合と比較して、食品Hの重量にバラツキが生じてしまうことを抑制することができる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、第1配管10に連結された第2配管20の数は、一の第2配管20に連結された第3配管30の数よりも多くなっている。これにより、第1配管10内を搬送される食品Hを比較的スムーズに第2配管20へ案内することができる。すなわち、圧力が大きい第1合流部14において、食品Hに対して大きい押圧力が作用することを抑制しつつ、食品Hを比較的スムーズに第2配管20へ案内することができる。このため、搬送される食品Hへのダメージを更に低減することができる。また、第1配管10に連結された第2配管20の数が一の第2配管20に連結された第3配管30の数よりも多くなっていることにより、第1配管10に連結された第2配管20の数が一の第2配管20に連結された第3配管30の数よりも少なくなっている場合と比較して、搬送方向の下流側において、1本の配管に連結される配管の数が多くなることを抑制することができる。このため、食品Hを搬送する際に配管内の圧力を小さくすることができ、搬送される食品Hへのダメージを更に低減することができる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、各々の第2配管20は、それぞれ第1連結管11を介して第1配管10に連結されており、第1連結管11は、第1配管10に連結される第1連結部12と、第1連結部12の下流側に設けられ、第1連結部12から分岐する複数の第1湾曲部13とを有し、複数の第1湾曲部13が合流する第1合流部14は、食品Hの搬送方向に沿った断面において、湾曲形状をもっている。これにより、第1連結管11内の食品Hが複数の第1湾曲部13に分配される際に、食品Hへのダメージを低減することができる。すなわち、第1連結管11内の食品Hが複数の第1湾曲部13に分配される際に、食品Hが第1合流部14に対して押圧された場合であっても、食品Hの筋繊維等を破壊することなく、食品Hを複数の第1湾曲部13に分配することができる。また、第1合流部14が、食品Hの搬送方向に沿った断面において、湾曲形状をもっていることにより、食品Hの一部(例えば鶏肉の皮)が第1合流部14に引っ掛かってしまう不具合を抑制することができる。このため、食品Hへのダメージを効果的に低減することができる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、各々の第3配管30は、それぞれ第2連結管21を介して第2配管20に連結されており、第2連結管21は、第2配管20に連結される第2連結部22と、第2連結部22の下流側に設けられ、第2連結部22から分岐する複数の第2湾曲部23とを有し、複数の第2湾曲部23が合流する第2合流部24は、食品Hの搬送方向に沿った断面において、湾曲形状をもっている。これにより、第2連結管21内の食品Hが複数の第2湾曲部23に分配される際に、食品Hへのダメージを低減することができる。また、第2合流部24が、食品Hの搬送方向に沿った断面において、湾曲形状をもっていることにより、食品Hの一部が第2合流部24に引っ掛かってしまう不具合を抑制することができる。このため、食品Hへのダメージを効果的に低減することができる。
【0068】
さらに、本実施の形態によれは、加工食品の製造システム100が、本実施の形態による配管構成体1Aを有する搬送機構1と、搬送機構1によって搬送された食品Hを加工する加工ユニット80と、を備えている。これにより、加工食品に用いる食品Hへのダメージを低減することができるため、加工食品の美観が損なわれることを抑制することができるとともに、食感等の美味しさに悪影響が生じることを抑制することができる。このため、製造される加工食品の品質を向上させることができる。
【0069】
なお、上述した実施の形態では、第1配管10に連結された第2配管20の数が、一の第2配管20に連結された第3配管30の数よりも多くなっている例について説明した。しかしながら、これに限られることはなく、第1配管10に連結された第2配管20の数が、一の第2配管20に連結された第3配管30の数よりも少なくなっていてもよい。この場合においても、配管構成体1Aが、第1配管10と、第1配管10に連結された複数の第2配管20と、各々の第2配管20にそれぞれ複数本ずつ連結された第3配管30と、を備えていることにより、第3配管30の数を多くすることができ、かつ、1本の配管に連結する配管の数を低減させることができる。これにより、配管内の圧力を小さくした場合であっても、食品Hをスムーズに搬送することができる。このため、1本の配管から一度に多くの配管へ食品Hを分配する場合と比較して、食品Hを搬送する際に配管内の圧力を小さくすることができ、搬送される食品Hへのダメージを低減することができる。また、第3配管30の数を多くすることができるため、生産効率を向上させることができる。
【0070】
また、上述した実施の形態の配管構成体1Aにおいて、第1配管10、第2配管20および第3配管30の配置は一例に過ぎず、搬送機構1を設置する設置スペース等に応じて適宜変更することができる。例えば、上述した実施の形態では、第1配管10が、第1方向d1に沿って延びる第1部分10aと、第2方向d2に沿って延びる第2部分10bと、第1方向d1に沿って延びる第3部分10cとを有している例について説明した。しかしながら、これに限られることはなく、第1配管10が第1方向d1または第2方向d2に沿って一直線に延びていてもよい。
【0071】
また、上述した実施の形態では、各々の第2配管20が、それぞれ第1方向d1に沿って延びる第1部分20aと、第2方向d2に沿って延びる第2部分20bとを有している例について説明した。しかしながら、これに限られることはなく、第1配管10が第1方向d1または第2方向d2に沿って一直線に延びていてもよい。
【0072】
また、上述した実施の形態では、第3配管30の下流側に支持部材31が設けられ、支持部材31の下流側にモールド板50が設けられ、モールド板50の下流側にコンベア70が設けられている例について説明した。しかしながら、これに限られることはなく、例えば、第3配管30によって搬送された食品Hが、整列されることなく、加工ユニット80の図示しないフライヤー等に直接投入されてもよい。
【0073】
さらに、上述した実施の形態では、加工食品が塊状に切断された食肉から製造された肉製品である例について説明した。しかしながら、これに限られることはなく、加工食品が塊状に成形された食肉から製造されるハンバーグやミートボール等であってもよい。この場合、配管構成体1Aによって搬送される食品は、挽肉やこま切れ肉であってもよい。この場合においても、食品へのダメージを低減することができるため、食感等の美味しさに悪影響が生じることを抑制することができる。
【0074】
本発明は、上述の実施形態および変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態および変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また、上述の構成要素および/または方法以外の構成要素および/または方法を含む形態も、本発明の実施形態に含まれる。また、上述の構成要素および/または方法のうちの一部の要素が含まれない形態も、本発明の実施形態に含まれる。また、本発明によって奏される効果も上述の効果に限定されず、実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本発明の技術的思想および趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書、要約書および図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
図1
図2
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