IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローム株式会社の特許一覧

特許7565298発光制御システム、発光システム、発光制御装置及び発光装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】発光制御システム、発光システム、発光制御装置及び発光装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/165 20200101AFI20241003BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20241003BHJP
   H05B 45/54 20200101ALI20241003BHJP
   B60Q 11/00 20060101ALN20241003BHJP
   B60Q 1/34 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
H05B47/165
H05B45/10
H05B45/54
B60Q11/00 625Z
B60Q1/34 A
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021561185
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(86)【国際出願番号】 JP2020036424
(87)【国際公開番号】W WO2021106344
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2023-08-25
(31)【優先権主張番号】P 2019213370
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木元 伸輔
(72)【発明者】
【氏名】青木 啓
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-0902032(KR,B1)
【文献】特開2009-123456(JP,A)
【文献】特開2019-057518(JP,A)
【文献】国際公開第2019/208545(WO,A1)
【文献】実開昭48-113375(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/165
H05B 45/10
H05B 45/54
B60Q 11/00
B60Q 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発光素子群に含まれる複数の発光素子を個別に点灯又は消灯させる制御を実行可能な第1制御部と、特性が可変のクロック信号を生成するクロック生成部と、前記クロック信号が伝搬されるべきクロック配線に接続される第1クロック端子と、を有する第1発光制御装置、及び、
第2発光素子群に含まれる複数の発光素子を個別に点灯又は消灯させる制御を実行可能な第2制御部と、前記クロック配線に接続される第2クロック端子と、を有する第2発光制御装置、を備えた発光制御システムであって、
前記第1制御部は、前記クロック信号に同期して前記第1発光素子群の各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく第1駆動シーケンスを、所定条件の成立を契機に実行し、
前記クロック生成部は、前記第1駆動シーケンスの開始後における特定タイミングにおいて前記クロック信号の特性を所定の第1特性から所定の第2特性へと変更し、
前記第2制御部は、前記第2クロック端子にて受ける前記クロック信号の特性が前記第1特性から前記第2特性に変更された後、前記クロック信号に同期して前記第2発光素子群の各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく第2駆動シーケンスを実行し、前記第2クロック端子にて受ける前記クロック信号の特性の変更タイミングを基準に第2駆動シーケンスの実行開始タイミングを決定する
発光制御システム。
【請求項2】
前記第1発光制御装置は、当該第1発光制御装置と前記第1発光素子群中の各発光素子との接続ノードの電圧に基づいて、前記第1発光素子群中の各発光素子の異常の有無を検出する第1異常検出部を更に有し、
前記第1制御部は、前記第1異常検出部により前記第1発光素子群における何れかの発光素子に異常が検出されたとき、前記第1駆動シーケンスに優先して前記第1発光素子群の全発光素子を消灯状態とするとともに、前記第1クロック端子の電位を所定電位に固定する
請求項1に記載の発光制御システム。
【請求項3】
前記第2制御部は、前記第2クロック端子での電位が所定時間以上継続して固定されているとき、前記第2駆動シーケンスに優先して前記第2発光素子群の全発光素子を消灯状態とする
請求項2に記載の発光制御システム。
【請求項4】
前記第2発光制御装置は、当該第2発光制御装置と前記第2発光素子群中の各発光素子との接続ノードの電圧に基づいて、前記第2発光素子群中の各発光素子の異常の有無を検出する第2異常検出部を更に有し、
前記第2制御部は、前記第2異常検出部により前記第2発光素子群における何れかの発光素子に異常が検出されたとき、前記第2駆動シーケンスに優先して前記第2発光素子群の全発光素子を消灯状態とするとともに、前記第2クロック端子の電位を所定電位に固定し、
前記第1制御部は、前記第1クロック端子での電位が所定時間以上継続して固定されているとき、前記第1駆動シーケンスに優先して前記第1発光素子群の全発光素子を消灯状態とする
請求項1に記載の発光制御システム。
【請求項5】
前記所定条件の成立前において前記第1発光素子群及び前記第2発光素子群における全ての発光素子は消灯状態にあり、
前記第1制御部は、前記所定条件の成立後、前記第1駆動シーケンスにおいて、前記第1発光素子群中で点灯する発光素子の個数を、前記クロック信号に同期する間隔で順次増大させ、
前記第2制御部は、前記第2駆動シーケンスにおいて、前記第2発光素子群中で点灯する発光素子の個数を、前記クロック信号に同期する間隔で順次増大させる
請求項1~4の何れかに記載の発光制御システム。
【請求項6】
前記所定条件の成立に伴って、前記第1制御部及び前記第2制御部により前記第1発光素子群及び前記第2発光素子群における全ての発光素子が点灯状態とされ、
前記第1制御部は、前記所定条件の成立後、前記第1駆動シーケンスにおいて、前記第1発光素子群で点灯する発光素子の個数を、前記クロック信号に同期する間隔で順次減少させ、
前記第2制御部は、前記第2駆動シーケンスにおいて、前記第2発光素子群で点灯する発光素子の個数を、前記クロック信号に同期する間隔で順次減少させる
請求項1~4の何れかに記載の発光制御システム。
【請求項7】
前記クロック信号の特性は、前記クロック信号のデューティ又はパルス幅である
請求項1~6の何れかに記載の発光制御システム。
【請求項8】
当該発光制御システムに対する電力の投入により、前記所定条件が成立する
請求項1~7の何れかに記載の発光制御システム。
【請求項9】
当該発光制御システムに対する所定信号の入力により、前記所定条件が成立する
請求項1~7の何れかに記載の発光制御システム。
【請求項10】
前記第1発光制御装置及び前記第2発光制御装置は互いに共通の構成を有する2つの発光制御装置であり、
前記2つの発光制御装置は各々に設定用外部端子を備え、
前記2つの発光制御装置における2つの設定用外部端子に互いに異なる電圧が加えられることで、前記2つの発光制御装置の内、一方が前記第1発光制御装置として動作し且つ他方が前記第2発光制御装置として動作する
請求項1~9の何れかに記載の発光制御システム。
【請求項11】
複数の発光素子を含む第1発光素子群と、
他の複数の発光素子を含む第2発光素子群と、
前記第1発光素子群及び前記第2発光素子群における各発光素子に対して点灯用の駆動電流を供給可能な駆動電流供給部と、
請求項1~10の何れかに記載の発光制御システムと、を備えた
発光システム。
【請求項12】
発光素子群に含まれる複数の発光素子を個別に点灯又は消灯させる制御を実行可能な制御部と、特性が可変のクロック信号を生成可能なクロック生成部と、クロック端子と、第1レベル及び第2レベルの何れかのレベルを有する電圧が選択的に供給される設定用外部端子と、を備えた発光制御装置であって、当該発光制御装置は、前記設定用外部端子に供給される電圧が前記第1レベルを有する場合に第1モードで動作し、前記設定用外部端子に供給される電圧が前記第2レベルを有する場合に第2モードで動作し、
当該発光制御装置が前記第1モードで動作する場合、前記クロック生成部にて生成された前記クロック信号が前記クロック端子に供給され前記制御部は、前記クロック信号に同期して各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく第1駆動シーケンスを、所定条件の成立を契機に実行し、前記クロック生成部は、前記第1駆動シーケンスの開始後における特定タイミングにおいて前記クロック信号の特性を所定の第1特性から所定の第2特性へと変更し、
当該発光制御装置が前記第2モードで動作する場合前記クロック生成部は前記クロック信号の生成を停止し、前記クロック生成部による前記クロック信号の前記クロック端子への供給停止された状態で当該発光制御装置の外部に設けられた外部装置から供給される他のクロック信号を前記クロック端子にて受け、前記クロック端子に対する前記他のクロック信号の供給開始後、前記他のクロック信号の特性は前記第1特性から前記第2特性に変更され、
当該発光制御装置が前記第2モードで動作する場合、前記制御部は、前記クロック端子にて受ける前記他のクロック信号の特性が前記第1特性から前記第2特性に変更された後、前記他のクロック信号に同期して各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく第2駆動シーケンスを実行し、前記クロック端子にて受ける前記他のクロック信号の特性の変更タイミングを基準に第2駆動シーケンスの実行開始タイミングを決定する
発光制御装置。
【請求項13】
当該発光制御装置と各発光素子との接続ノードの電圧に基づいて、前記発光素子群中の各発光素子の異常の有無を検出する異常検出部を更に有し、
当該発光制御装置が前記第1モードで動作する場合において、前記異常検出部により前記発光素子群における何れかの発光素子に異常が検出されたとき、前記制御部は、前記第1駆動シーケンスに優先して前記発光素子群の全発光素子を消灯状態とするとともに、前記クロック端子の電位を所定電位に固定する
請求項12に記載の発光制御装置。
【請求項14】
当該発光制御装置が前記第2モードで動作する場合において、前記クロック端子での電位が所定時間以上継続して固定されているとき、前記制御部は、前記第2駆動シーケンスに優先して前記発光素子群の全発光素子を消灯状態とする
請求項13に記載の発光制御装置。
【請求項15】
当該発光制御装置と各発光素子との接続ノードの電圧に基づいて、前記発光素子群中の各発光素子の異常の有無を検出する異常検出部を更に有し、
当該発光制御装置が前記第2モードで動作する場合において、前記異常検出部により前記発光素子群における何れかの発光素子に異常が検出されたとき、前記制御部は、前記第2駆動シーケンスに優先して前記発光素子群の全発光素子を消灯状態とするとともに、前記クロック端子の電位を所定電位に固定し、
当該発光制御装置が前記第1モードで動作する場合において、前記クロック端子での電位が所定時間以上継続して固定されているとき、前記制御部は、前記第1駆動シーケンスに優先して前記発光素子群の全発光素子を消灯状態とする
請求項12に記載の発光制御装置。
【請求項16】
前記所定条件の成立前において前記発光素子群における全ての発光素子は消灯状態にあり、
当該発光制御装置が前記第1モードで動作する場合、前記制御部は、前記所定条件の成立後、前記第1駆動シーケンスにおいて、前記発光素子群中て点灯する発光素子の個数を、前記クロック信号に同期する間隔で順次増大させ、
当該発光制御装置が前記第2モードで動作する場合、前記制御部は、前記第2駆動シーケンスにおいて、前記発光素子群中で点灯する発光素子の個数を、前記他のクロック信号に同期する間隔で順次増大させる
請求項12~15の何れかに記載の発光制御装置。
【請求項17】
前記所定条件の成立に伴って、前記制御部により前記発光素子群における全ての発光素子が点灯状態とされ、
当該発光制御装置が前記第1モードで動作する場合、前記制御部は、前記所定条件の成立後、前記第1駆動シーケンスにおいて、前記発光素子群で点灯する発光素子の個数を、前記クロック信号に同期する間隔で順次減少させ、
当該発光制御装置が前記第2モードで動作する場合、前記制御部は、前記第2駆動シーケンスにおいて、前記発光素子群で点灯する発光素子の個数を、前記他のクロック信号に同期する間隔で順次減少させる
請求項12~15の何れかに記載の発光制御装置。
【請求項18】
前記クロック信号の特性は前記クロック信号のデューティ又はパルス幅であり、
前記他のクロック信号の特性は前記他のクロック信号のデューティ又はパルス幅である
請求項12~17の何れかに記載の発光制御装置。
【請求項19】
当該発光制御装置に対する電力の投入により、前記所定条件が成立する
請求項12~18の何れかに記載の発光制御装置。
【請求項20】
当該発光制御装置に対する所定信号の入力により、前記所定条件が成立する
請求項12~18の何れかに記載の発光制御装置。
【請求項21】
前記外部装置は当該発光制御装置と同一の構成を有し、
当該発光制御装置が前記第1モードで動作する場合、前記外部装置は前記第2モードで動作し、
当該発光制御装置が前記第2モードで動作する場合、前記外部装置は前記第1モードで動作する
請求項12~20の何れかに記載の発光制御装置。
【請求項22】
複数の発光素子を含む発光素子群と、
前記発光素子群における各発光素子に対して点灯用の駆動電流を供給可能な駆動電流供給部と、
請求項12~21の何れかに記載の発光制御装置と、を備えた
発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光制御システム、発光システム、発光制御装置及び発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用途において、複数の発光素子の順次点灯を利用し、発光領域を流れるようにみせる方向指示器が実用化されており、そのような方向指示器はシーケンシャルウィンカなどと称される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-091311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の発光素子の点灯制御を行うために複数の発光制御装置が利用されることも多い。例えば、トランクリッドに配置される発光素子群とメインボディに配置される発光素子群とで後方方向指示器を形成する場合にあっては、トランクリッド側の発光素子群を駆動制御するための発光制御装置をトランクリッドに配置すると共にメインボディ側の発光素子群を駆動制御するための発光制御装置をメインボディに配置し、2つの発光制御装置の協働により、全体として、流れるような順次点灯を実現する。
【0005】
順次点灯においては、或る点灯状態から他の点灯状態へと(例えば、i個の発光素子が点灯している状態から(i+1)個の発光素子が点灯している状態へと)次々と変化してことになるが、点灯状態の変化の間隔は一定であることが要求される。マイクロコンピュータ等を利用すればタイミング制御が容易となるが、マイクロコンピュータ等の利用はコストの増大に繋がるため避けられた方が好ましい。また、複数の発光制御装置間の配線(ケーブル)の本数は極力少なくすることも要求される。従来の方法では、これらの様々な要求に関して改善の余地があった(これについては後にも詳説される)。
【0006】
尚、順次点灯の代わりに、点灯状態にある発光素子の個数を徐々に減らしてゆく順次消灯が利用される場合もあるが、順次消灯においても順次点灯と同様の事情が存在する。また、車載用途に注目して順次点灯又は順次消灯に関わる事情を説明したが、このような事情は順次点灯又は順次消灯を利用する他の任意の用途にも当てはまりうる。
【0007】
本発明は、順次点灯又は順次消灯を良好に行いうる(例えば、点灯状態の変化の間隔を一定とする制御を抵コスト且つ省配線にて実現する)発光制御システム、発光システム、発光制御装置及び発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る発光制御システムは、第1発光素子群に含まれる複数の発光素子を個別に点灯又は消灯させる制御を実行可能な第1制御部と、特性が可変のクロック信号を生成するクロック生成部と、前記クロック信号が伝搬されるべきクロック配線に接続される第1クロック端子と、を有する第1発光制御装置、及び、第2発光素子群に含まれる複数の発光素子を個別に点灯又は消灯させる制御を実行可能な第2制御部と、前記クロック配線に接続される第2クロック端子と、を有する第2発光制御装置、を備えた発光制御システムであって、前記第1制御部は、前記クロック信号に同期して前記第1発光素子群の各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく第1駆動シーケンスを、所定条件の成立を契機に実行し、前記クロック生成部は、前記第1駆動シーケンスの開始後における特定タイミングにおいて前記クロック信号の特性を所定の第1特性から所定の第2特性へと変更し、前記第2制御部は、前記第2クロック端子にて受ける前記クロック信号の特性が前記第1特性から前記第2特性に変更された後、前記クロック信号に同期して前記第2発光素子群の各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく第2駆動シーケンスを実行し、前記第2クロック端子にて受ける前記クロック信号の特性の変更タイミングを基準に第2駆動シーケンスの実行開始タイミングを決定する構成(第1の構成)である。
【0009】
上記第1の構成に係る発光制御システムにおいて、前記第1発光制御装置は、当該第1発光制御装置と前記第1発光素子群中の各発光素子との接続ノードの電圧に基づいて、前記第1発光素子群中の各発光素子の異常の有無を検出する第1異常検出部を更に有し、前記第1制御部は、前記第1異常検出部により前記第1発光素子群における何れかの発光素子に異常が検出されたとき、前記第1駆動シーケンスに優先して前記第1発光素子群の全発光素子を消灯状態とするとともに、前記第1クロック端子の電位を所定電位に固定する構成(第2の構成)であっても良い。
【0010】
上記第2の構成に係る発光制御装置において、前記第2制御部は、前記第2クロック端子での電位が所定時間以上継続して固定されているとき、前記第2駆動シーケンスに優先して前記第2発光素子群の全発光素子を消灯状態とする構成(第3の構成)であっても良い。
【0011】
上記第1の構成に係る発光制御システムにおいて、前記第2発光制御装置は、当該第2発光制御装置と前記第2発光素子群中の各発光素子との接続ノードの電圧に基づいて、前記第2発光素子群中の各発光素子の異常の有無を検出する第2異常検出部を更に有し、前記第2制御部は、前記第2異常検出部により前記第2発光素子群における何れかの発光素子に異常が検出されたとき、前記第2駆動シーケンスに優先して前記第2発光素子群の全発光素子を消灯状態とするとともに、前記第2クロック端子の電位を所定電位に固定し、前記第1制御部は、前記第1クロック端子での電位が所定時間以上継続して固定されているとき、前記第1駆動シーケンスに優先して前記第1発光素子群の全発光素子を消灯状態とする構成(第4の構成)であっても良い。
【0012】
上記第1~第4の構成の何れかに係る発光制御システムにおいて、前記所定条件の成立前において前記第1発光素子群及び前記第2発光素子群における全ての発光素子は消灯状態にあり、前記第1制御部は、前記所定条件の成立後、前記第1駆動シーケンスにおいて、前記第1発光素子群中で点灯する発光素子の個数を、前記クロック信号に同期する間隔で順次増大させ、前記第2制御部は、前記第2駆動シーケンスにおいて、前記第2発光素子群中で点灯する発光素子の個数を、前記クロック信号に同期する間隔で順次増大させる構成(第5の構成)であっても良い。
【0013】
上記第1~第4の構成の何れかに係る発光制御システムにおいて、前記所定条件の成立に伴って、前記第1制御部及び前記第2制御部により前記第1発光素子群及び前記第2発光素子群における全ての発光素子が点灯状態とされ、前記第1制御部は、前記所定条件の成立後、前記第1駆動シーケンスにおいて、前記第1発光素子群で点灯する発光素子の個数を、前記クロック信号に同期する間隔で順次減少させ、前記第2制御部は、前記第2駆動シーケンスにおいて、前記第2発光素子群で点灯する発光素子の個数を、前記クロック信号に同期する間隔で順次減少させる構成(第6の構成)であっても良い。
【0014】
上記第1~第6の構成の何れかに係る発光制御システムにおいて、前記クロック信号の特性は、前記クロック信号のデューティ又はパルス幅である構成(第7の構成)であっても良い。
【0015】
上記第1~第7の構成の何れかに係る発光制御システムにおいて、当該発光制御システムに対する電力の投入により、前記所定条件が成立する構成(第8の構成)であっても良い。
【0016】
上記第1~第7の構成の何れかに係る発光制御システムにおいて、当該発光制御システムに対する所定信号の入力により、前記所定条件が成立する構成(第9の構成)であっても良い。
【0017】
上記第1~第9の構成の何れかに係る発光制御システムにおいて、前記第1発光制御装置及び前記第2発光制御装置は互いに共通の構成を有する2つの発光制御装置であり、前記2つの発光制御装置は各々に設定用外部端子を備え、前記2つの発光制御装置における2つの設定用外部端子に互いに異なる電圧が加えられることで、前記2つの発光制御装置の内、一方が前記第1発光制御装置として動作し且つ他方が前記第2発光制御装置として動作する構成(第10の構成)であっても良い。
【0018】
本発明に係る発光システムは、複数の発光素子を含む第1発光素子群と、他の複数の発光素子を含む第2発光素子群と、前記第1発光素子群及び前記第2発光素子群における各発光素子に対して点灯用の駆動電流を供給可能な駆動電流供給部と、上記第1~第10の構成の何れかに係る発光制御システムと、を備えた構成(第11の構成)である。
【0019】
本発明に係る発光制御装置は、発光素子群に含まれる複数の発光素子を個別に点灯又は消灯させる制御を実行可能な制御部と、特性が可変のクロック信号を生成可能なクロック生成部と、クロック端子と、を有し、第1モード又は第2モードにて動作する発光制御装置であって、前記第1モードにおいて、前記クロック生成部にて生成された前記クロック信号が前記クロック端子に供給され、前記第1モードにおいて、前記制御部は、前記クロック信号に同期して各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく第1駆動シーケンスを、所定条件の成立を契機に実行し、前記クロック生成部は、前記第1駆動シーケンスの開始後における特定タイミングにおいて前記クロック信号の特性を所定の第1特性から所定の第2特性へと変更し、前記第2モードにおいて、前記クロック生成部による前記クロック信号の前記クロック端子への供給は停止され、他の発光制御装置にて生成された他のクロック信号を前記クロック端子にて受け、前記第2モードにおいて、前記制御部は、前記クロック端子にて受ける前記他のクロック信号の特性が前記第1特性から前記第2特性に変更された後、前記他のクロック信号に同期して各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく第2駆動シーケンスを実行し、前記クロック端子にて受ける前記他のクロック信号の特性の変更タイミングを基準に第2駆動シーケンスの実行開始タイミングを決定する構成(第12の構成)である。
【0020】
上記第12の構成に係る発光制御装置において、当該発光制御装置と各発光素子との接続ノードの電圧に基づいて、前記発光素子群中の各発光素子の異常の有無を検出する異常検出部を更に有し、前記第1モードにおいて、前記制御部は、前記異常検出部により前記発光素子群における何れかの発光素子に異常が検出されたとき、前記第1駆動シーケンスに優先して前記発光素子群の全発光素子を消灯状態とするとともに、前記クロック端子の電位を所定電位に固定する構成(第13の構成)であっても良い。
【0021】
上記第13の構成に係る発光制御装置において、前記第2モードにおいて、前記制御部は、前記クロック端子での電位が所定時間以上継続して固定されているとき、前記第2駆動シーケンスに優先して前記発光素子群の全発光素子を消灯状態とする構成(第14の構成)であっても良い。
【0022】
上記第12の構成に係る発光制御装置において、当該発光制御装置と各発光素子との接続ノードの電圧に基づいて、前記発光素子群中の各発光素子の異常の有無を検出する異常検出部を更に有し、前記第2モードにおいて、前記制御部は、前記異常検出部により前記発光素子群における何れかの発光素子に異常が検出されたとき、前記第2駆動シーケンスに優先して前記発光素子群の全発光素子を消灯状態とするとともに、前記クロック端子の電位を所定電位に固定し、前記第1モードにおいて、前記制御部は、前記クロック端子での電位が所定時間以上継続して固定されているとき、前記第1駆動シーケンスに優先して前記発光素子群の全発光素子を消灯状態とする構成(第15の構成)であっても良い。
【0023】
上記第12~第15の構成の何れかに係る発光制御装置において、前記所定条件の成立前において前記発光素子群における全ての発光素子は消灯状態にあり、前記第1モードでの前記制御部は、前記所定条件の成立後、前記第1駆動シーケンスにおいて、前記発光素子群中て点灯する発光素子の個数を、前記クロック信号に同期する間隔で順次増大させ、前記第2モードでの前記制御部は、前記第2駆動シーケンスにおいて、前記発光素子群中で点灯する発光素子の個数を、前記他のクロック信号に同期する間隔で順次増大させる構成(第16の構成)であっても良い。
【0024】
上記第12~第15の構成の何れかに係る発光制御装置において、前記所定条件の成立に伴って、前記制御部により前記発光素子群における全ての発光素子が点灯状態とされ、前記第1モードでの前記制御部は、前記所定条件の成立後、前記第1駆動シーケンスにおいて、前記発光素子群で点灯する発光素子の個数を、前記クロック信号に同期する間隔で順次減少させ、前記第2モードでの前記制御部は、前記第2駆動シーケンスにおいて、前記発光素子群で点灯する発光素子の個数を、前記他のクロック信号に同期する間隔で順次減少させる構成(第17の構成)であっても良い。
【0025】
上記第12~第17の構成の何れかに係る発光制御装置において、前記クロック信号の特性は前記クロック信号のデューティ又はパルス幅であり、前記他のクロック信号の特性は前記他のクロック信号のデューティ又はパルス幅である構成(第18の構成)であっても良い。
【0026】
上記第12~第18の構成の何れかに係る発光制御装置において、前記発光制御装置に対する電力の投入により、前記所定条件が成立する構成(第19の構成)であっても良い。
【0027】
上記第12~第18の構成の何れかに係る発光制御装置において、前記発光制御装置に対する所定信号の入力により、前記所定条件が成立する構成(第20の構成)であっても良い。
【0028】
上記第12~第20の構成の何れかに係る発光制御装置において、設定用外部端子を更に備え、前記設定用外部端子に加えられる電圧に応じ、当該発光制御装置は前記第1モード又は第2モードにて動作する構成(第21の構成)であっても良い。
【0029】
本発明に係る発光装置は、複数の発光素子を含む発光素子群と、前記発光素子群における各発光素子に対して点灯用の駆動電流を供給可能な駆動電流供給部と、上記第12~第21の構成の何れかに係る発光制御装置と、を備えた構成(第22の構成)である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、順次点灯又は順次消灯を良好に行いうる(例えば、点灯状態の変化の間隔を一定とする制御を抵コスト且つ省配線にて実現する)発光制御システム、発光システム、発光制御装置及び発光装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】は、本発明の第1実施形態に係る発光装置の全体構成図である。
図2】は、本発明の第1実施形態に係る発光制御装置の外観斜視図である。
図3】は、本発明の第1実施形態に係る駆動電流供給部の構成例を示す図である。
図4】は、本発明の第1実施形態に係る発光システムの構成図である。
図5】は、本発明の第1実施形態に係り、発光システムと他の装置との関係を示す図である。
図6】(a)及び(b)は、本発明の第1実施形態に係り、トランクが閉状態とされた車両の外観図と、トランクが開状態とされた車両の外観図である。
図7】は、本発明の第1実施形態に係り、車両に設けられる右折用ターンランプの構造図である。
図8】は、本発明の第1実施形態に係る順次点灯動作の流れを示す図である。
図9】(a)及び(b)は、本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_1に係り、順次点灯動作の実現に関与する発光制御装置の一部構成図である。
図10】は、本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_1に係り、制御信号とクロック信号との関係を示す図である。
図11】は、本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_1に係り、クロック信号の特性を説明するための図である。
図12】は、本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_1に係り、クロック信号の特性における第1特性及び第2特性を比較する図である。
図13】は、本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_1に係り、正常ケースにおける2つの発光制御装置の状態を示す図である。
図14】は、本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_1に係り、正常ケースにおける順次点灯動作の流れを示す図である。
図15】(a)及び(b)は、本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_2に係り、イネーブル信号が導入された構成を示す図である。
図16】は、本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_3に係り、第1マスタ異常ケースにおけるタイミングチャートである。
図17】は、本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_3に係り、マスタ異常ケースにおける2つの発光制御装置の状態を示す図である。
図18】は、本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_3に係り、第2マスタ異常ケースにおけるタイミングチャートである。
図19】は、本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_4に係り、スレーブ異常ケースにおけるタイミングチャートである。
図20】は、本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_4に係り、スレーブ異常ケースにおける2つの発光制御装置の状態を示す図である。
図21】は、本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_6に係り、3つの端子電圧と発光素子接続数との関係を示す図である。
図22】は、本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_6に係り、4つの発光素子の制御を行う発光システムの構成図である。
図23】は、本発明の第2実施形態に係る順次消灯動作の流れを示す図である。
図24】は、本発明の第2実施形態に係り、正常ケースにおける順次消灯動作の流れを示す図である。
図25】は、本発明の第3実施形態に係る発光システムの構成図である。
図26】は、本発明の第4実施形態に係り、発光制御装置と発光素子群との接続関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、素子又は部位等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、素子又は部位等の名称を省略又は略記することがある。例えば、後述の“10”によって参照される発光制御装置は(図1参照)、発光制御装置10と表記されることもあるし、装置10と略記されることもあり得るが、それらは全て同じものを指す。
【0033】
まず、本発明の実施形態の記述にて用いられる幾つかの用語について説明を設ける。グランドとは、基準となる0V(ゼロボルト)の電位を有する導電部を指す又は0Vの電位そのものを指す。0Vの電位をグランド電位と称することもある。本発明の実施形態において、特に基準を設けずに示される電圧は、グランドから見た電位を表す。レベルとは電位のレベルを指し、任意の信号又は電圧についてハイレベルはローレベルよりも高い電位を有する。任意の信号又は電圧について、信号又は電圧がハイレベルにあるとは信号又は電圧のレベルがハイレベルにあることを意味し、信号又は電圧がローレベルにあるとは信号又は電圧のレベルがローレベルにあることを意味する。信号についてのレベルは信号レベルと表現されることがあり、電圧についてのレベルは電圧レベルと表現されることがある。
【0034】
任意の信号又は電圧において、ローレベルからハイレベルへの切り替わりをアップエッジと称し、ローレベルからハイレベルへの切り替わりのタイミングをアップエッジタイミングと称する。同様に、任意の信号又は電圧において、ハイレベルからローレベルへの切り替わりをダウンエッジと称し、ハイレベルからローレベルへの切り替わりのタイミングをダウンエッジタイミングと称する。
【0035】
MOSFETを含むFET(電界効果トランジスタ)として構成された任意のトランジスタについて、オン状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が導通状態となっていることを指し、オフ状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が非導通状態(遮断状態)となっていることを指す。FETに分類されないトランジスタについても同様である。MOSFETは、特に記述無き限り、エンハンスメント型のMOSFETであると解して良い。MOSFETは“metal-oxide-semiconductor field-effect transistor”の略称である。
【0036】
任意のスイッチ素子を1以上のFET(電界効果トランジスタ)にて構成することができ、或るスイッチ素子がオン状態のときには当該スイッチ素子の両端間が導通する一方で或るスイッチ素子がオフ状態のときには当該スイッチ素子の両端間が非導通となる。
【0037】
任意のトランジスタ又はスイッチ素子について、オフ状態からオン状態への切り替わりをターンオンと表現し、オン状態からオフ状態への切り替わりをターンオフと表現する。また、任意のトランジスタ又はスイッチ素子について、トランジスタ又はスイッチ素子がオン状態となっている区間をオン区間と称することがあり、トランジスタ又はスイッチ素子がオフ状態となっている区間をオフ区間と称することがある。以下、任意のトランジスタ又はスイッチ素子について、オン状態、オフ状態を、単に、オン、オフと表現することもある。
【0038】
ハイレベル又はローレベルの信号レベルをとる任意の信号について、当該信号のレベルがハイレベルとなる区間をハイレベル区間と称し、当該信号のレベルがローレベルとなる区間をローレベル区間と称する。ハイレベル又はローレベルの電圧レベルをとる任意の電圧についても同様である。
【0039】
<<第1実施形態>>
本発明の第1実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る発光装置1の全体構成図である。発光装置1は、発光制御装置10と、発光素子群20と、駆動電流供給部30と、を備える。
【0040】
発光制御装置10は、直流の正の入力電圧Vinの供給を受けて動作し、発光素子群20を形成する複数の発光素子の点灯又は消灯を個別に切り替える制御装置である。発光制御装置10は、図2に示すような、半導体集積回路を樹脂にて構成された筐体(パッケージ)内に封入することで形成された電子部品(半導体装置)であり、発光制御装置10を構成する各回路が半導体基板上に集積化されて形成される。発光制御装置10の筐体に複数の外部端子が露出して設けられており、その複数の外部端子には図1に示される端子CH[0]~CH[8]、VIN、VREG、SEL0~SEL3、CLK及びGNDが含まれ、図1に示されない他の端子も上記複数の外部端子に含まれる。尚、図2に示される発光制御装置10の外部端子の数及び発光制御装置10の外観は例示に過ぎない。
【0041】
発光素子群20は複数の発光素子から成る発光体である。ここでは、発光素子群20は最大8個の発光素子から成るものとし、図1の例では、発光素子群20が計8個の発光素子LED[1]~LED[8]から成る。発光素子群20を7個以下の発光素子にて形成することも可能であるが、それについては後述される。本実施形態において、発光素子LED[1]~LED[8]は互いに直列接続されている。各々の発光素子は、単一の発光ダイオードであっても良いし、複数の発光ダイオードを直列又は並列に接続して形成された発光ダイオード集合体であっても良いが、以下では、特に必要のない限り、各発光素子を単一のダイオードと見立てる。尚、本明細書では、発光素子が発光しない状態を非発光又は消灯と称する。消灯の反対の用語として、発光素子が発光する状態を点灯と称することがあるが、発光素子について発光と点灯は同義である。後述の発光部についても同様である。
【0042】
駆動電流供給部30は、入力電圧Vinに基づいて駆動し、発光素子群20の各発光素子を発光させるための駆動電流Idrvを発光素子群20に供給する。発光素子LED[1]~LED[8]の内、発光素子LED[1]が最も低電位側に配置され、発光素子LED[8]が最も高電位側に配置される。発光素子LED[i+1]のカソードが発光素子LED[i]のアノードに接続される。iは任意の整数を表す。駆動電流供給部30から発光素子LED[8]のアノードに供給される電圧を駆動電圧Vdrvと称する。駆動電流供給部30により発光素子LED[8]のアノードと発光素子LED[1]のカソードとの間に電圧が印加されることで駆動電流Idrvが発光素子群20に供給される。但し、後述されるように各発光素子に対してスイッチ部100中の各スイッチ素子が並列接続されるため、実際には発光素子群20とスイッチ部100との並列回路を通じて駆動電流Idrvが流れることになる。ここでは、発光素子LED[1]のカソードがグランドに接続されない構成を想定しているが、発光素子LED[1]のカソードがグランドに接続される構成を採用することもできる。
【0043】
尚、駆動電圧Vdrvの生成は発光制御装置10内の回路と協働して実現されるものであっても良い。また、ここでは、駆動電流供給部30は入力電圧Vinに基づいて駆動電圧Vdrvの生成を行うものするが、駆動電流供給部30は入力電圧Vin以外の電圧を電源電圧として受けて駆動電圧Vdrvの生成を行う回路であっても良い。
【0044】
発光制御装置10は、スイッチ部100と、ドライバ部110と、主制御部120と、異常検出部130と、クロック生成部140と、内部電源回路150とを備えると共に、上記複数の外部端子を備える。
【0045】
上記複数の外部端子の内、端子CH[8]は発光素子LED[8]のアノードに接続され、端子CH[0]は発光素子LED[1]のカソードは接続される。“1≦i≦7”を満たす任意の整数iについて、端子CH[i]は発光素子LED[i+1]のカソード及び発光素子LED[i]のアノードに共通接続される。端子VINは入力電圧Vinの供給を受ける。端子GNDはグランドに接続される。端子SEL0~SEL3及びCLKの機能については後述する。
【0046】
スイッチ部100は複数チャネル分のスイッチ素子から成る。ここでは、スイッチ部100が8チャネル分のスイッチ素子から成ることを想定しており、8チャネル分のスイッチ素子をスイッチ素子SW[1]~SW[8]と称する。スイッチ素子SW[i]は発光素子LED[i]に対応しており、対応する外部端子を介して発光素子LED[i]に並列接続される。
【0047】
より具体的には、“1≦i≦8”を満たす任意の整数iについて、スイッチ素子SW[i]は端子CH[i]及びCH[i-1]間に設けられる。“1≦i≦8”を満たす任意の整数iについて、スイッチ素子SW[i]がオン状態であるときには、端子CH[i]及びCH[i-1]がスイッチ素子SW[i]を通じて短絡され、発光素子LED[i]に駆動電流Idrvが流れなくなるので発光素子LED[i]は非発光となる。“1≦i≦8”を満たす任意の整数iについて、スイッチ素子SW[i]がオフ状態であるときには、スイッチ素子SW[i]の両端間が解放されるので、駆動電流Idrvが発光素子LED[i]に流れて発光素子LED[i]が発光する(但し、駆動電流供給部30が動作を停止しているときには、当然、発光素子LED[i]は発光しない)。
【0048】
ドライバ部110は、主制御部120の制御の下でスイッチ素子SW[1]~SW[8]の夫々を個別に駆動するドライバDRV[1]~DRV[8]から成る。任意の整数iに関し、ドライバDRV[i]の出力信号に基づきスイッチ素子SW[i]がオン状態又はオフ状態とされる。尚、入力電圧Vinはチャージポンプ回路(図1にて不図示)にて昇圧され、ドライバDRV[1]~DRV[8]は、その昇圧により得られた昇圧電圧Vcpに基づき、スイッチ素子SW[1]~SW[8]を駆動する。スイッチ素子SW[i]をNチャネル型のMOSFETにて構成しておくことができる。この場合、スイッチ素子SW[i]としてのMOSFETのドレイン、ソースが、夫々、端子CH[i]、CH[i-1]に接続され、ドライバDRV[i]は、スイッチ素子SW[i]としてのMOSFETのゲートに対しスイッチ素子SW[i]をオン状態又はオフ状態とするためのゲート信号を供給する。
【0049】
主制御部120は、主たる機能として、ドライバ部110を用いつつ、所定のパターンでスイッチ素子SW[1]~SW[8]のオン/オフ状態を順次切り替えてゆく駆動シーケンスを実行する他、発光制御装置10内の各部位の動作を統括的に制御する。駆動シーケンスにより、発光素子LED[1]~LED[8]の点灯/消灯状態が順次切り替えられることになる。このため、駆動シーケンスは、発光素子LED[1]~LED[8]の点灯/消灯状態を順次切り替える一連の動作であると考えることができる。
【0050】
異常検出部130は、端子CH[0]~CH[8]の電圧(即ち発光制御装置10と発光素LED[1]~LED[8]との接続ノードの電圧)に基づき発光素子LED[1]~LED[8]の異常の有無を検出し、その検出結果を示す信号Serrを主制御部120に送る。発光素子LED[i]の異常には、発光素子LED[i]のアノード及びカソード間がスイッチ素子SW[i]の状態に関係なく短絡状態となるショート異常と、発光素子LED[i]のアノード及びカソード間が開放状態となるオープン異常と、がある。
【0051】
異常検出部130は、スイッチ素子SW[i]をオフ状態としているときの端子CH[i]及びCH[i-1]間の電圧に基づき、発光素子LED[i]におけるショート異常又はオープン異常の有無を検出できる。即ち例えば、スイッチ素子SW[i]をオフ状態としているときの端子CH[i]及びCH[i-1]間の電圧が所定のショート判定電圧VSHORT未満であれば発光素子LED[i]にショート異常があると判断することができ、スイッチ素子SW[i]をオフ状態としているときの端子CH[i]及びCH[i-1]間の電圧が所定のオープン判定電圧VOPENを超えておれば発光素子LED[i]にオープン異常があると判断することができ、それらの何れでもない場合に発光素子LED[i]に異常は無いと判断することができる(VSHORT<VOPEN)。チャネルごとのウィンドウコンパレータにて異常検出部130を形成することができる。
【0052】
異常検出部130は、発光素子LED[1]~LED[8]の内、任意の何れか1以上の発光素子に異常があることが検出された場合に限り、“1”の 論理値を持つ信号Serrを主制御部120に送り、そうでない場合には“0”の 論理値を持つ信号Serrを主制御部120に送る。主制御部120は、1”の 論理値を持つ信号Serrを受けると所定の異常対応処理を実行する。異常対応処理は、実行中の駆動シーケンスを停止させる処理、及び、発光素子LED[1]~LED[8]を全て消灯させる処理を含む。スイッチ素子SW[1]~SW[8]を全てオン状態とすることで発光素子LED[1]~LED[8]を全て消灯させることができる。
【0053】
クロック生成部140は、所定のクロック周波数を有するクロック信号Sclkを生成する。クロック信号Sclkは、交互にローレベル、ハイレベルの信号レベルをとる矩形波信号である。或る発光制御装置10において、上述の駆動シーケンスは当該発光制御装置10内で生成されたクロック信号Sclkに同期して実行されることもあるし、他の発光制御装置10から供給を受けたクロック信号Sclkに同期して実行されることもある(詳細は後述)。或る発光制御装置10において、当該発光制御装置10内で生成されたクロック信号Sclkは端子CLKから出力されうる(詳細は後述)。
【0054】
クロック周波数は、抵抗及びコンデンサから成るRC回路を用い、抵抗及びコンデンサの各特性にて定まる時定数に基づき設定されるものであっても良いし、水晶振動子を用いて設定されるものであっても良い。クロック周波数を定めるための部品の全部又は一部はディスクリート部品として発光制御装置10の外部に設けられて発光制御装置10に対し外部接続されていても良い。
【0055】
内部電源回路150は、入力電圧Vinに基づき、内部電源電圧Vreg(例えば3.3V)を含む1以上の内部電源電圧を生成する。主制御部120を含む、発光制御装置10内の各回路は、内部電源回路150にて生成された内部電源電圧を用いて動作する。内部電源電圧Vregは端子VREGに印加され、端子VREGとグランドとの間にはコンデンサが設けられる。
【0056】
駆動電流供給部30は各発光素子に駆動電流Idrvを供給できるものであれば任意であるが、 図3に駆動電流供給部30の一構成例を示す。図3の構成例では、Nチャネル型のMOSFETとして構成されたトランジスタ311と、インダクタ312と、還流ダイオード313と、平滑コンデンサ314と、センス抵抗315及び316と、コンデンサ317及び318と、ダイオード319とを含んで、駆動電流供給部30が形成される。図3の構成例において、発光制御装置10に設けられる複数の外部端子の一部として、端子GL、IS、PGND、SNSP、SNSN、CURLIMI、CURLIMO、BOOT及びCPが含まれる他、発光制御装置10に対し、DC/DC駆動制御部181、過電圧検出部182、電流検出部183、電流リミット部184、スイッチ素子185及びダイオード186~188が設けられている。
【0057】
図3に示される各素子の接続関係を説明する。インダクタ312の一端は端子VIN及びダイオード319のカソードに共通接続される。インダクタ312の他端は、トランジスタ311のドレイン、還流ダイオード313のアノード、コンデンサ317の一端に接続される。コンデンサ317の他端は端子BOOTに接続される。トランジスタ311のソースはセンス抵抗315の一端に接続されると共に端子ISに接続される。センス抵抗315の他端はグランドに接続されると共に端子PGNDに接続される。トランジスタ311のゲートは端子GLに接続される。
【0058】
還流ダイオード313のカソードは、平滑コンデンサ314を介してグランドに接続され、一方でセンス抵抗316の一端と端子SNSPに共通接続される。センス抵抗316の他端は端子SNSN及び端子CURLIMIに共通接続される。発光制御装置10の内部において、端子CURLIMIはスイッチ素子185の一端に接続され、端子CURLIMOはスイッチ素子185の他端に接続される。また、端子CURLIMOは端子CH[8]及び発光素子LED[8]のアノードに接続される。ダイオード319のアノードは端子CH[0]及び発光素子LED[1]のカソードに接続される。このため、端子VINに必要な入力電圧Vinが供給されている状態でトランジスタ311がスイッチングされることで入力電圧Vinを昇圧した電圧が還流ダイオード313のカソードに生じ、スイッチ素子185がオン状態であれば、その昇圧した電圧が駆動電圧Vdrvとして発光素子LED[8]のアノードに加わって駆動電流Idrvの供給が可能となる。
【0059】
また、還流ダイオード313のカソードはコンデンサ318を介して端子CPに接続される。ダイオード186のアノードには、内部電源回路150(図1)にて生成される直流の正の電圧(Vregとは異なりうる)が加わる。ダイオード188のアノードには入力電圧Vinが印加される。ダイオード186のカソード及びダイオード187のアノードは端子BOOTに接続され、ダイオード187及び188の各カソードは端子CPに接続される。これらのダイオード186~188とコンデンサ317及び318とを含むチャージポンプ回路により、トランジスタ311のスイッチングを通じて端子CPに昇圧電圧Vcpが生じる。
【0060】
DC/DC駆動制御部181は、端子GL及びISに接続され、センス抵抗315の電圧降下等に基づきつつ、トランジスタ311にゲート信号を供給することでトランジスタ311をスイッチングさせる(即ち交互にオン、オフとする)。尚、DC/DC駆動制御部181は図1の主制御部120と接続されており、両者間で必要な信号のやり取りが行われる。
【0061】
過電圧検出部182は、端子SNSPに接続され、端子SNSPでの電圧が所定の過電圧閾値以上であれば端子SNSPでの電圧が過電圧状態にあると判断する。端子SNSPでの電圧が過電圧状態にあると判断された場合、DC/DC駆動制御部181は、過電圧状態が解消されるまでトランジスタ311のスイッチングを停止する。尚、過電圧閾値にはヒステリシスが付与されている。
【0062】
電流検出部183は端子SNSP及びSNSNに接続され、端子SNSP及びSNSN間の電圧(即ちセンス抵抗316での電圧降下)を検出することで、センス抵抗316に流れる電流(即ち駆動電流Idrv)の大きさを検出する。電流検出部183の検出結果はDC/DC駆動制御部181に送られる。
【0063】
電流リミット部184は、DC/DC駆動制御部181の制御の下で、スイッチ素子185をオン状態又はオフ状態とする。スイッチ素子185は原則としてオン状態とされており、駆動電流Idrvの大きさが所定の過電流閾値以上となる過電流状態が電流検出部183にて検出されたとき、DC/DC駆動制御部181の制御の下、電流リミット部184は、スイッチ素子185をオフ状態とする。過電流状態の検出に基づくスイッチ素子185のオフ状態は、一定時間だけ維持されるものであっても良いし、発光制御装置10に対する入力電圧Vinの供給が途絶えるまで維持されるものであっても良い。
【0064】
過電圧状態や過電流状態の検出は、本発明の本質と関係がないため、以下では、過電圧状態や過電流状態の存在を無視し、特に断りなき限り、スイッチ素子185はオン状態に固定されていると考える。
【0065】
[発光システム]
上述の発光装置1を複数用いて発光システムを形成することができる。図4に2つの発光装置1から成る発光システムSYSの構成を示す。2つの発光装置1において、グランドの電位は共通である。2つの発光装置1の構成は互いに共通である。但し、2つの発光装置1の間で発光素子の個数は異なりうる(ここでは、一致していると仮定)。少なくとも、2つの発光装置1における2つの発光制御装置10の構成は互いに共通(同じ)である。
【0066】
発光制御装置10が基板に実装される際、端子SEL0~SEL3は個別に端子VREG又はGND(図1参照)に接続される。上述したように、発光制御装置10に対して入力電圧Vinが供給されているとき、端子VREGには正の直流電圧である電圧Vregが加わる。図4の発光システムSYSにおいては、2つの発光装置1の内、一方の発光装置1の発光制御装置10における端子SEL0は端子VREGに接続され(即ち電圧Vregが加えられ)、他方の発光装置1の発光制御装置10における端子SEL0は端子GNDに接続される(即ちグランドに接続される)。
【0067】
端子SEL0が端子VREGに接続されている発光制御装置10(即ち、端子SEL0に対して相対的にハイレベルの電位(電圧Vreg)が与えられている発光制御装置10)を、特に発光制御装置10Aと称する。端子SEL0が端子GNDに接続されている発光制御装置10(即ち、端子SEL0に対して相対的にローレベルの電位(グランドの電位)が与えられている発光制御装置10)を、特に発光制御装置10Bと称する。また、発光制御装置10Aを含む発光装置1を特に発光装置1Aと称し、発光装置1Aにおける発光素子群20、駆動電流供給部30を、夫々、特に発光素子群20A、駆動電流供給部30Aと称することがある。同様に、発光制御装置10Bを含む発光装置1を特に発光装置1Bと称し、発光装置1Bにおける発光素子群20、駆動電流供給部30を、夫々、特に発光素子群20B、駆動電流供給部30Bと称することがある。
【0068】
このように、端子SEL0は設定用外部端子として機能し、2つの発光制御装置10における2つの設定用外部端子SEL0に対し互いに異なる電圧が加えられることで、2つの発光制御装置10の内、一方が発光制御装置10Aとして動作し且つ他方が発光制御装置10Bとして動作することになる。
【0069】
各発光制御装置10はマスタモード又はスレーブモードで動作することができる。端子SEL0に電圧Vregが加えられた発光制御装置10(即ち発光制御装置10A)は、マスタモードで動作し、端子SEL0にグランドの電位が加えられた発光制御装置10(即ち発光制御装置10B)は、スレーブモードで動作する。尚、端子SEL0にグランドの電位が加えられた発光制御装置10がマスタモードで動作し且つ端子SEL0に電圧Vregが加えられた発光制御装置10がスレーブモードで動作するようにしても良い。或いは、端子SEL0に所定の閾電圧以上の電圧が加えられた発光制御装置10がマスタモードで動作し且つ端子SEL0に所定の閾電圧未満の電圧が加えられた発光制御装置10がスレーブモードで動作するようにしても良いし、その逆でも良い。
【0070】
また、2つの発光装置1の夫々において、端子SEL1~SEL3は個別に端子VREG又はGNDに接続され、その接続状態に応じて発光制御装置10が制御すべき発光素子の個数が設定される。ここでは、2つの発光装置1の夫々において、端子SEL1~SEL3が全て端子GNDに接続され(即ちグランドに接続され)、結果、各発光制御装置10が制御すべき発光素子の個数は8に設定されているものとする(上記接続状態に応じた設定の詳細は後述される)。
【0071】
発光制御装置10A及び10Bの各端子CLKは、発光制御装置10A及び10B間に設けられたケーブルであるクロック配線WRに接続される。故に、発光制御装置10Aの端子CLKと発光制御装置10Bの端子CLKとは、クロック配線WRにより互いに接続される。
【0072】
図5に、発光システムSYSと発光システムSYSに接続される装置との関係を示す。本実施形態では、発光システムSYSが自動車等の車両CC(図6(a)及び(b)参照)に搭載されることを想定している。
【0073】
車両CCには、発光システムSYSに加えて、バッテリ3、スイッチ素子4及びECU5が搭載されている。バッテリ3は鉛蓄電池等にて形成された二次電池であり、グランドを基準に正の直流電圧を出力する。
【0074】
スイッチ素子4は、バッテリ3と発光装置1A及び1Bとの間に設けられる。スイッチ素子4がオン状態であるときにのみバッテリ3の出力電圧に基づき入力電圧Vinが正の直流電圧として発光装置1A及び1Bに供給される(従って入力電圧Vinが正の直流電圧として発光制御装置10A及び10Bの各端子VINに供給される)。入力電圧Vinは、バッテリ3の出力電圧そのものであっても良いし、バッテリ3の出力電圧に基づいて生成された他の直流電圧であっても良い。尚、スイッチ素子4及び発光装置1A間の配線とグランドとの間であって且つ発光装置1Aの近傍にコンデンサが挿入されていて良く、スイッチ素子4及び発光装置1B間の配線とグランドとの間であって且つ発光装置1Bの近傍にコンデンサが挿入されていて良い。
【0075】
スイッチ素子4がオフ状態であるときには入力電圧Vinの発光装置1A及び1Bへの供給は遮断されて(即ち発光制御装置10A及び10Bの各端子VINへの供給電圧はゼロとなって)発光装置1A及び1Bの動作は停止する。発光装置1A及び1Bの動作が停止しているとき、発光素子群20A及び20Bの夫々に対する駆動電圧VDrv及び駆動電流Idrvの供給は無く、発光素子群20A及び20Bに含まれる全ての発光素子は消灯状態となる。
【0076】
ECU5は、車両CCに搭載された電子制御装置(Electronic Control Unit)の1つであって、スイッチ素子4のオン/オフ状態を制御する。
【0077】
ここでは、説明の具体化のため、発光システムSYSにより、車両CCの後方方向指示器の1つである右折用ターンランプが形成されるものとする。図6(a)にはトランクが閉状態とされている車両CCの外観が示され、図6(b)にはトランクが開状態とされている車両CCの外観が示されている。車両CCの車体は、メインボディBDYとトランクリッドLIDを含んで構成される。トランクリッドLIDは車両CCの後方側に配置された荷台であるトランクの蓋であり、メインボディBDYに対して開閉自在に装着される。トランクの閉状態(図6(a))を基準にトランクリッドLIDを上に持ち上げることでトランクが開状態(図6(b))となる。
【0078】
車両CCにおいて、発光装置1AはトランクリッドLIDの右後端部に設置される一方で、発光装置1BはメインボディBDYの右後端部に設置される。発光制御装置10AはトランクリッドLID内に設置される第1基板に実装され、発光制御装置10BはメインボディBDY内に設置される第2基板に実装される。トランクの閉状態において、発光装置1Aの発光素子群20Aと発光装置1Bの発光素子群20Bとで単一の右折用ターンランプが形成される。
【0079】
図7に、車両CCの後方から見た右折用ターンランプの構造を簡単に示す。図7の例において、右折用ターンランプは発光部L[1]~L[16]から成る。水平方向に平行な路面上に車両CCが位置しているとき、発光部L[1]~L[16]は概ね水平方向に沿って一直線上に並び、発光部L[i]及びL[i+1]は互いに隣接しており、且つ、車両CCの後方から見て発光部L[i+1]は発光部L[i]の右側に位置する(iは整数)。但し、発光部L[1]~L[16]は一直線上に並ぶのではなく、折れ線上又は曲線上に並んでいる場合もある。発光部L[1]~L[8]はトランクリッドLIDに設けられ、発光部L[9]~L[16]はメインボディBDYに設けられる。
【0080】
発光部L[1]~L[8]は発光素子群20Aの発光素子LED[1]~LED[8]により形成される。即ち、“1≦i≦8”を満たす任意の整数iについて、発光部L[i]は発光素子群20Aの発光素子LED[i]により形成され、発光素子群20Aの発光素子LED[i]の点灯、消灯により、点灯、消灯する。発光部L[9]~L[16]は発光素子群20Bの発光素子LED[1]~LED[8]により形成される。即ち、“1≦i≦8”を満たす任意の整数iについて、発光部L[i+8]は発光素子群20Bの発光素子LED[i]により形成され、発光素子群20Bの発光素子LED[i]の点灯、消灯により、点灯、消灯する。
【0081】
車両CCの運転席近傍には、運転手が操作すべきターンレバーが設けられており、ターンレバーへの操作内容がECU5に伝達される。ターンレバーが所定の基準位置から右折方向に倒されている場合、ECU5はスイッチ素子4を周期的に且つ交互にオン、オフとすることにより、発光システムSYS(発光装置1A及び1B)に対し断続的に入力電圧Vinによる電力を供給する。ターンレバーが右折方向に倒されていないとき、ECU5はスイッチ素子4をオフ状態に維持する。
【0082】
発光システムSYSに対し入力電圧Vinによる電力が供給されているとき、発光装置1A及び1Bが協働して、発光部L[1]から発光部L[16]に向けて点灯状態にある発光部の個数を時間経過と共に増加させてゆく順次点灯動作を実行する。
【0083】
図8に順次点灯動作の流れを示す。発光部L[1]~L[16]が全て消灯している状態(即ち発光素子群20A及び20Bの全発光素子が消灯している状態)を全消灯状態SX[0]と称し、発光部L[1]~L[16]が全て点灯している状態(即ち発光素子群20A及び20Bの全発光素子が点灯している状態)を全点灯状態SX[16]と称する。“1≦j≦15”を満たす整数jに関し、発光部L[1]~L[16]の内、発光部L[1]~L[j]のみが点灯している状態を状態SX[j]と称する。“1≦j≦8”における状態SX[j]では、発光素子群20A及び20Bの全発光素子の内、発光素子群20Aの発光素子LED[1]~LED[j]のみが点灯している。“9≦j≦15”における状態SX[j]において、発光素子群20Aでは発光素子LED[1]~LED[8]が全て点灯し、且つ、発光素子群20Bでは発光素子LED[1]~LED[j-8]のみが点灯している。
【0084】
順次点灯動作では、全消灯状態SX[0]を起点に全点灯状態SX[16]に至るまで、状態SX[i]から状態SX[i+1]への遷移が等間隔で発生する。全点灯状態SX[16]に至った後は全点灯状態SX[16]が維持され、スイッチ素子4のターンオフに伴う発光システムSYSへの入力電圧Vinの遮断により全消灯状態SX[0]に戻る。
【0085】
順次点灯動作では、状態SX[i]から状態SX[i+1]への遷移間隔が整数iの値に依らず一定であることが要求される(この要求を、等間隔要求と称する)。また、発光装置1A及び1B間で配線を介して信号伝達を行うためには、トランクリッドLIDに設けられた発光装置1Aから一旦メインボディBDYを介して発光装置1Bまで配線(ケーブル)を引き回す必要がある。このため、発光装置1A及び1B間の配線本数は極力少なくすべきことも要求される(この要求を、省配線要求と称する)。
【0086】
上述の等間隔要求及び省配線要求を満たすことのできる発光システムSYSの構成及び動作を以下の各実施例にて説明する。第1実施形態は、以下の実施例EX1_1~EX1_6を含む。第1実施形態にて上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の実施例EX1_1~EX1_6に適用され、各実施例において、第1実施形態で上述した事項と矛盾する事項については各実施例での記載が優先されて良い。また矛盾無き限り、実施例EX1_1~EX1_6の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち複数の実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。
【0087】
[実施例EX1_1]
実施例EX1_1を説明する。実施例EX1_1では順次点灯動作の詳細を説明するが、まず、図9(a)を参照し、順次点灯動作の実現に関与する発光制御装置10の一部構成を説明する。図9(a)の発光制御装置10は、マスタモードで動作するならば発光制御装置10Aであり、スレーブモードで動作するならば発光制御装置10Bである。
【0088】
発光制御装置10において、クロック生成部140は、Nチャネル型のMOSFETとして構成されたトランジスタ141と信号生成部142とを備える。また、発光制御装置10には、端子CLKに接続される素子としてバッファ回路BFが設けられる。
【0089】
トランジスタ141のドレイン及びバッファ回路BFの入力端は端子CLKに接続される。トランジスタ141のソースはグランドに接続される。信号生成部142では上述のRC回路や水晶振動子を用いて所定のクロック周波数を有する矩形波信号を生成可能であり、生成された矩形波信号をトランジスタ141のゲートに供給することで、トランジスタ141をクロック周波数にてスイッチングさせることができる。図9(a)には示されていないが、後述されるよう(図13参照)、端子CLKはプルアップ抵抗を介して端子VREGにプルアップされる。故に、トランジスタ141がクロック周波数にてスイッチングされた場合、端子CLKにクロック周波数を持つクロック信号Sclkが生じる。クロック信号Sclkのハイレベル、端子CLKの電位におけるハイレベル、及び、クロック配線WRの電位におけるハイレベルは、電圧Vregの電位と実質的に一致する。クロック信号Sclkのローレベル、端子CLKの電位におけるローレベル、及び、クロック配線WRの電位におけるローレベルは、グランド電位と実質的に一致する。
【0090】
尚、クロック生成部140は、端子CLKの電位をハイレベルにするハイ状態、端子CLKの電位をローレベルにするロー状態、及び、端子CLKのインピーダンスを十分に高めるHiz状態の何れかの状態にさせることができる回路であっても良い。具体的には例えば、図9(b)に示す如く、上述の構成を基準に、Pチャネル型のMOSFETとして構成されたトランジスタ143をクロック生成部140に追加しても良い。図9(b)の構成において、トランジスタ143のソースには電圧Vregが印加され、トランジスタ143のドレインはトランジスタ141のドレインと共に端子CLKに接続される。そして、図9(b)の構成において、信号生成部142は、トランジスタ141及び143の各ゲート電位を制御することで、端子CLKの状態を、ハイ状態、ロー状態及びHiz状態間で切り替える。トランジスタ141、143が夫々オフ、オンであればハイ状態が実現され、トランジスタ141、143が夫々オン、オフであればロー状態が実現され、トランジスタ141及び143が共にオフであればHiz状態が実現される。トランジスタ141及び143が共にオンとされることは無い。このように、図9(a)の構成を図9(b)の構成に変更することが可能であるが、以下では、例として、図9(a)の構成が採用されるものとする。
【0091】
バッファ回路BFの出力端は主制御部120に接続され、端子CKでの信号がバッファ回路BFを通じて主制御部120に供給される。つまり、端子CLKにおける信号がハイレベルであれば、ハイレベルの信号がバッファ回路BFから主制御部120に供給され、端子CLKにおける信号がローレベルであれば、ローレベルの信号がバッファ回路BFから主制御部120に供給される。また、上述したように、異常検出部130からの信号Serrが主制御部120に伝達される。
【0092】
主制御部120は、制御信号CNT1及びCNT2をクロック生成部140に供給することでクロック生成部140の動作を制御する。制御信号CNT1及びCNT2は、夫々に、“0”又は“1”の値をとる二値信号である。
【0093】
図10に、制御信号CNT1及びCNT2とクロック生成部140の動作の関係を示す。制御信号CNT1の値が“1”であるとき、クロック生成部140において、信号生成部142は所定のクロック周波数を有する矩形波信号を生成し、生成された矩形波信号をトランジスタ141のゲートに供給することで、トランジスタ141をクロック周波数にてスイッチングさせる。これにより、端子CLKにクロック周波数を持つクロック信号Sclkが生じる。信号生成部142にて生成された矩形波信号のハイレベル区間ではクロック信号Sclkもハイレベルとなり、信号生成部142にて生成された矩形波信号のローレベル区間ではクロック信号Sclkもローレベルとなる。
【0094】
クロック生成部140(信号生成部142)は、クロック信号Sclkを生成及び出力する際、クロック信号Sclkの特性を変化できるように構成されている。クロック信号Sclkの特性とは、クロック信号Sclkのデューティ又はパルス幅である。クロック信号Sclkの特性が3段階以上で可変となるようにクロック生成部140が形成されていても良いが、ここでは、クロック信号Sclkの特性が第1特性と第2特性の2段階で可変となるものとする。第1特性と第2特性は互いに異なる。クロック生成部140は、制御信号CNT1の値が“1”である場合において、制御信号CNT2の値が“0”であるときには第1特性のクロック信号Sclkを生成及び出力し、制御信号CNT2の値が“1”であるときには第2特性のクロック信号Sclkを生成及び出力する。
【0095】
図11にクロック信号Sclkの波形を示す。クロック信号Sclkの信号レベルは交互にハイレベル、ローレベルとなる。クロック信号Sclkにおける、互いに隣接する1つのハイレベル区間と1つのローレベル区間とで単位区間が形成される。単位区間の長さは、クロック周波数の逆数であるクロック周期の長さに等しい。1つの単位区間において、クロック信号Sclkのハイレベル区間の時間長さを記号“t”で表し、クロック信号Sclkのローレベル区間の時間長さを記号“t”で表す。クロック信号Sclkのデューティは各単位区間における値“t/(t+t)”を指し、クロック信号Sclkのパルス幅は各単位区間における時間tを指す。尚、“t/(t+t)”をクロック信号Sclkのデューティとみなす変形も可能であり、時間tをクロック信号Sclkのパルス幅とみなす変形も可能である(以下では、そのような変形の存在を無視する)。
【0096】
図12に、クロック信号Sclkの波形、デューティ及びパルス幅の例を示す。第1特性におけるクロック信号Sclkのデューティよりも、第2特性におけるクロック信号Sclkのデューティの方が大きい。第1特性におけるクロック信号Sclkのパルス幅よりも、第2特性におけるクロック信号Sclkのパルス幅の方が大きい。例えば、第1特性、第2特性におけるクロック信号Sclkのデューティは、夫々、20%、80%とされ、このとき、クロック周波数が1kHz(キロヘルツ)であるならば、第1特性、第2特性におけるクロック信号Sclkのパルス幅は、夫々、200マイクロ秒、800マイクロ秒となる。クロック周波数は一定であるので、クロック信号Sclkのデューティの変化に連動してクロック信号Sclkのパルス幅も変化する。このため、クロック信号Sclkのデューティの変化とクロック信号Sclkのパルス幅の変化は等価であると考えても良い。
【0097】
尚、ここでは、説明の具体化ため、第1特性におけるクロック信号Sclkのデューディ、パルス幅よりも、第2特性におけるクロック信号Sclkのデューティ、パルス幅の方が大きいと考えるが、第1特性におけるクロック信号Sclkのデューディ、パルス幅よりも、第2特性におけるクロック信号Sclkのデューティ、パルス幅の方を小さくする変形も可能である。
【0098】
図10を再び参照し、制御信号CNT1の値が“0”であるときには、クロック生成部140においてクロック信号Sclkの生成は停止され、トランジスタ141がオフ状態又はオン状態に固定される。クロック生成部140は、制御信号CNT1の値が“0”である場合において、制御信号CNT2の値が“0”であるときにはトランジスタ141をオフ状態で固定し、制御信号CNT2の値が“1”であるときにはトランジスタ141をオン状態で固定する。1つの発光制御装置10において、トランジスタ141がオフ状態で固定されたとき、他の発光制御装置10からのクロック信号Sclkを端子CLKにて受信できる状態となる。1つの発光制御装置10において、トランジスタ141がオン状態で固定されると、他の発光制御装置10でのクロック信号Sclkの生成状態に依らずクロック配線WR及び端子CLKの電位はローレベル(グランド電位)に固定される。
【0099】
図13を参照し、発光素子群20A及び20Bを構成する発光素子に一切の異常(ショート故障又はオープン故障)が無い正常ケースを想定し、発光システムSYSの順次点灯動作の詳細を説明する。尚、以下では、必要に応じ、発光制御装置10Aにおける主制御部120、異常検出部130、クロック生成部140、バッファ回路BFを、夫々、記号“120A”、“130A”、“140A”、“BFA”にて参照し、発光制御装置10Bにおける主制御部120、異常検出部130、クロック生成部140、バッファ回路BFを、夫々、記号“120B”、“130B”、“140B”、“BFB”にて参照する。
【0100】
マスタモードで動作する発光制御装置10において、即ち発光制御装置10Aにおいて、端子CLKはプルアップ抵抗を介して端子VREGに接続されている。発光制御装置10Aにおいて制御信号CNT1の値は“1”とされる(制御信号CNT2については後述)。一方、スレーブモードで動作する発光制御装置10において、即ち発光制御装置10Bにおいて制御信号CNT1及びCNT2の値は共に“0”とされる。故に、発光制御装置10Aではトランジスタ141がクロック周波数にてスイッチングされて端子CLKに第1特性又は第2特性のクロック信号Sclkが生じ、クロック生成部140Aにより生成されたクロック信号Sclkはクロック配線WRを通じて発光制御装置10Bの端子CLKにも加わる。結果、発光制御装置10A及び10Bの何れにおいても、主制御部120に対しバッファ回路BFを通じて共通のクロック信号Sclkが加わる(但し信号遅延や波形歪み等を無視)。クロック周波数は任意であるが、例えば数100Hz~数kHz程度の低周波で良いため、信号遅延や波形歪み等は無視できる。
【0101】
図14に、正常ケースにおける順次点灯動作のタイミングチャートを示す。発光システムSYSに対する入力電圧Vinの供給開始に伴って発光制御装置10A及び10B(主制御部120A及び120B)が実質的に略同時に起動する。タイミングT[0]は、発光制御装置10A及び10B(主制御部120A及び120B)が起動してから所定の起動遅延時間が経過したタイミングを指す。発光制御装置10Aにおいて、主制御部120Aが起動した時点では制御信号CNT1の値が“0”とされており、タイミングT[0]において、制御信号CNT1の値が“0”から“1”に切り替えられ、このとき制御信号CNT2の値は“0”とされる。発光制御装置10Aにおいて、制御信号CNT1の値が“0”から“1”に切り替えられることを契機に第1特性のクロック信号Sclkの生成及び出力が開始される(図10参照)。正常ケースにおいて、タイミングT[0]以降、発光制御装置10Aでの制御信号CNT1の値は“1”に維持される。一方、スレーブモードで動作する発光制御装置10Bにおいては制御信号CNT1の値が常に“0”とされる。また、発光制御装置10Bにおいては原則として制御信号CNT2の値が“0”とされてトランジスタ141がオフ状態で固定される。正常ケースでは、原則通り、発光制御装置10Bでの制御信号CNT2の値が“0”とされる。
【0102】
発光制御装置10Aにおいて、入力電圧Vinの供給開始に伴って主制御部120Aが起動した時点では、主制御部120Aの制御の下、スイッチ素子SW[1]~SW[8]が全てオン状態とされることで発光素子群20A中の全発光素子が消灯状態とされている。但し、発光制御装置10Aにおいて、スイッチ素子SW[1]~SW[8]を全てオン状態とする代わりに図3のスイッチ素子185をオフ状態とすることで発光素子群20A中の全発光素子の消灯状態を実現しても良い(発光素子群20A中の全発光素子を消灯状態とする、後述の任意の動作においても同様)。
【0103】
発光制御装置10Bにおいて、入力電圧Vinの供給開始に伴って主制御部120Bが起動した時点では、主制御部120Bの制御の下、スイッチ素子SW[1]~SW[8]が全てオン状態とされることで発光素子群20B中の全発光素子が消灯状態とされている。但し、発光制御装置10Bにおいて、スイッチ素子SW[1]~SW[8]を全てオン状態とする代わりに図3のスイッチ素子185をオフ状態とすることで発光素子群20B中の全発光素子の消灯状態を実現しても良い(発光素子群20B中の全発光素子を消灯状態とする、後述の任意の動作においても同様)。
【0104】
タイミングT[0]では、発光素子群20A及び20B中の全発光素子が消灯状態とされている(即ち、全消灯状態SX[0]となっている)。タイミングT[0]を起点に、主制御部120Aは、バッファ回路BFAから提供されるクロック信号Sclkのクロック数をカウントし、全消灯状態SX[0]を起点として状態SX[8]に至るまで、クロック数が所定数増加するごとに、状態SX[i]から状態SX[i+1]へと遷移させる。クロック信号Sclkのクロック数とは、クロック信号Sclkにおけるアップエッジ又はダウンエッジの発生回数を指す。ここでは、所定数が“8”であるとする。但し、所定数は“8”以外の任意の整数であって良い。また、以下では、クロック信号Sclkにおけるアップエッジの発生回数がクロック信号Sclkのクロック数に相当すると考える。
【0105】
即ち、タイミングT[0]を起点として、クロック信号Sclkにおけるアップエッジの発生回数が“8”となるタイミングT[1]において、主制御部120Aは、スイッチ素子SW[1]~SW[8]の内、スイッチSW[1]のみをオフ状態に切り替えることで全消灯状態SX[0]から状態SX[1]への遷移を発生させる。その後、タイミングT[1]を起点として、クロック信号Sclkにおけるアップエッジの発生回数が“8”だけ追加されるタイミングT[2]において、主制御部120Aは、スイッチ素子SW[1]のオフ状態を維持しつつ、スイッチ素子SW[2]~SW[8]の内、スイッチSW[2]のみをオフ状態に切り替えることで状態SX[1]から状態SX[2]への遷移を発生させる。以後、同様の処理が繰り返される。タイミングT[i]は、状態SX[i-1]から状態SX[i]への切り替わりのタイミングを表す。
【0106】
タイミングT[0]を起点としてカウントされたクロック数が“64”となるタイミング、即ちタイミングT[8]において、主制御部120Aは、制御信号CNT2の値を“0”から“1”に切り替え、以後、制御信号CNT2の値を“1”に維持する。正常ケースにおいて、タイミングT[8]以降、主制御部120AはスイッチSW[1]~SW[8]を全てオフ状態に維持することで発光素子群20A中の全発光素子の点灯状態を維持する。
【0107】
タイミングT[8]を境に、主制御部120Aの制御の下、クロック生成部140Aから出力されるクロック信号Sclkの特性が第1特性から第2特性に切り替わる。発光制御装置10Bにおいて、主制御部120Bは、バッファ回路BFBを通じて供給を受けるクロック信号Sclkの特性が第1特性及び第2特性の何れであるのかを判別する特性判別処理を実行可能であり、特性判別処理によりクロック信号Sclkの特性が第1特性から第2特性に切り替わったタイミングを特性変更タイミングとして検出する。検出される特性変更タイミングは、ここではタイミングT[8]である。
【0108】
クロック信号Sclkの特性が第1特性から第2特性に切り替わった後、スレーブ側の主制御部120Bは、バッファ回路BFBから提供されるクロック信号Sclkのクロック数をカウントし、状態SX[8]を起点として状態SX[16]に至るまで、クロック数が8増加するごとに、状態SX[i]から状態SX[i+1]へと遷移させる。
【0109】
即ち、タイミングT[8]を起点として、クロック信号Sclkにおけるアップエッジの発生回数が“8”となるタイミングT[9]において、主制御部120Bは、スイッチ素子SW[1]~SW[8]の内、スイッチSW[1]のみをオフ状態に切り替えることで状態SX[8]から状態SX[9]への遷移を発生させる。その後、タイミングT[9]を起点として、クロック信号Sclkにおけるアップエッジの発生回数が“8”だけ追加されるタイミングT[10]において、主制御部120Bは、スイッチ素子SW[1]のオフ状態を維持しつつ、スイッチ素子SW[2]~SW[8]の内、スイッチSW[2]のみをオフ状態に切り替えることで状態SX[9]から状態SX[10]への遷移を発生させる。以後、同様の処理が繰り返される。
【0110】
タイミングT[8]を起点としてカウントされたクロック数が“64”となるタイミング、即ちタイミングT[16]において状態SX[15]から全点灯状態SX[16]への遷移が発生し、以後、発光装置1A及び1Bに対する入力電圧Vinの供給が遮断されるまで、全点灯状態SX[16]が維持される。正常ケースにおいて、クロック生成部140Aは、発光装置1Aに対する入力電圧Vinの供給が遮断されるまで、タイミングT[16]以降もクロック信号Sclkの生成及び出力を継続する。
【0111】
このように、本実施例では、以下の構成(便宜上、構成WP1と称する)を有する発光システムSYSが形成される。構成WP1に係る発光システムSYSにおいて、
発光制御装置10Aは、第1発光素子群(20A)に含まれる複数の発光素子(LED[1]~LED[8])に対して各々並列接続される複数チャネル分のスイッチ素子(SW[1]~SW[8])から成る第1スイッチ部(100)と、第1スイッチ部(100)の各スイッチ素子のオン/オフ状態を制御することで第1発光素子群(20A)の各発光素子を個別に点灯又は消灯させる制御を実行可能な第1制御部(120A)と、特性が可変のクロック信号(Sclk)を生成するクロック生成部(140A)と、クロック信号が伝搬されるべきクロック配線(WR)に接続される第1クロック端子(CLK)と、を有し、
発光制御装置10Bは、第2発光素子群(20B)に含まれる複数の発光素子(LED[1]~LED[8])に対して各々並列接続される複数チャネル分のスイッチ素子(SW[1]~SW[8])から成る第2スイッチ部(100)と、第2スイッチ部(100)の各スイッチ素子のオン/オフ状態を制御することで第2発光素子群(20B)の各発光素子を個別に点灯又は消灯させる制御を実行可能な第2制御部(120A)と、クロック配線(WR)に接続される第2クロック端子(CLK)と、を有する。
そして、構成WP1に係る発光システムSYSでは、
発光制御装置10Aにおいて、第1制御部(120A)は、クロック信号(Sclk)に同期して第1スイッチ部の各スイッチ素子のオン/オフ状態を順次切り替えてゆくことで第1発光素子群の各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく第1駆動シーケンスを、所定のシーケンス開始条件の成立(例えば電力の投入)を契機に実行し、
発光制御装置10Aにおけるクロック生成部(140A)は、第1駆動シーケンスの開始後における特定タイミング(ここではT[8])においてクロック信号の特性を所定の第1特性から所定の第2特性へと変更し、
発光制御装置10Bにおいて、第2制御部(120A)は、第2クロック端子(CLK)にて受けるクロック信号の特性が第1特性から第2特性に変更された後、クロック信号に同期して第2スイッチ部の各スイッチ素子のオン/オフ状態を順次切り替えてゆくことで第2発光素子群(20B)の各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく第2駆動シーケンスを実行し、第2クロック端子にて受けるクロック信号の特性の変更タイミングを基準に第2駆動シーケンスの実行開始タイミングを決定する。
【0112】
このような発光制御装置10A及び10Bにより、上述の等間隔要求及び省配線要求の双方を良好に満たすことが可能となる。
【0113】
発光制御装置10Aと発光制御装置10Bとで発光制御システムが構成される、と考えることができる。
【0114】
順次点灯動作において、第1駆動シーケンスは、状態SX[0]から状態SX[8]へと第1発光素子群(20A)の各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく一連の動作を指す。順次点灯動作において、第2駆動シーケンスは、第1駆動シーケンスに続いて実行されるシーケンスであって、状態SX[8]から状態SX[16]へと第2発光素子群(20B)の各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく一連の動作を指す。
【0115】
実施例EX1_1に係る第1駆動シーケンスにより、シーケンス開始条件の成立後(例えば電力の投入後)、第1発光素子群(20A)中で点灯する発光素子の個数が、クロック信号に同期する間隔で順次増大してゆく。実施例EX1_1に係る第2駆動シーケンスにより、第2発光素子群(20B)中で点灯する発光素子の個数が、クロック信号に同期する間隔で順次増大してゆく。ここで、クロック信号に同期する間隔は、図14の例ではクロック周期の8倍となっているが、当該間隔はこれに限定されず、クロック周期の整数倍であれば任意である。
【0116】
上述した動作例において、タイミングT[8]が特定タイミング(クロック信号の特性が第1特性から第2特性に変化するタイミング)は相当する。タイミングT[8]は、第1駆動シーケンスの終了タイミングに相当するとも言える。特定タイミングは、第1駆動シーケンスの開始後における任意の他のタイミングであっても良く、例えば、状態SX[7]から状態SX[8]への遷移タイミングT[8]の後、クロック信号Sclkの4回目のアップエッジタイミングを特定タイミングとしても良い。この場合、スレーブ側の主制御部120Bは、クロック信号Sclkの特性が第1特性から第2特性に切り替わった後、バッファ回路BFBから提供されるクロック信号Sclkのクロック数が“4”に達した時点で状態SX[8]から状態SX[9]への遷移を発生させれば良い。状態SX[8]から状態SX[9]への遷移タイミングT[9]の後の動作は上述した通りである。タイミングT[6]及びT[7]間のタイミングや、タイミングT[7]及びT[8]間のタイミングを特定タイミングとすることも可能である。
【0117】
上述のシーケンス開始条件は、発光システムSYS(発光制御システム)に対する電力の投入により成立する。発光システムSYSに対する電力の投入は、換言すれば、発光装置1A及び1Bに対する或いは発光制御装置10A及び10Bに対する電力の投入である。ここにおける電力の投入とは、スイッチ素子4(図5参照)のターンオンに伴う入力電圧Vinによる電力の投入を指す。即ち、入力電圧Vinによる電力が発光システムSYS(発光制御装置10A及び10B)に投入されることを契機に、発光制御装置10Aによる第1駆動シーケンスが開始される。
【0118】
上述したように、車両CCの運転席近傍に設けられたターンレバーが所定の基準位置から右折方向に倒されている場合、ECU5はスイッチ素子4を周期的に且つ交互にオン、オフとすることにより、発光システムSYS(発光装置1A及び1B)に対し断続的に入力電圧Vinによる電力を供給する。スイッチ素子4のオン、オフの繰り返しにおける各周期において、スイッチ素子4がオン状態に維持される時間の長さは、タイミングT[0]及びT[16]間の長さよりも長く、例えば、タイミングT[0]及びT[16]間の長さの2倍である。このため、ターンレバーが右折方向に倒されている間、全消灯状態SX[0]から状態SX[1]~SX[15]を順次経由して全点灯状態SX[16]に至る順次点灯動作が、繰り返し実行されることになる。
【0119】
ここで、幾つかの参考構成の説明を交えながら本発明構成の有意性を説明する。16チャネル分のスイッチ素子を有する単一の発光制御装置を用意してトランクリッドLIDに設置し、単一の発光制御装置を用いて発光素子LED[1]~LED[16]の消灯/点灯を制御するという第1参考構成も考えられる。第1参考構成によれば等間隔要求は容易に満たされるが、トランクリッドLIDに配置される単一の発光制御装置とメインボディBDYに設置される発光素子LED[9]~LED[16]とを接続する多数配線(ケーブル)を引き回す必要が生じ、現実的ではない。
【0120】
また、発光素子LED[1]~LED[8]の制御用の発光制御装置をトランクリッドLIDに設置すると共に発光素子LED[9]~LED[16]の制御用の発光制御装置をメインボディBDYに設置し、夫々の発光制御装置にてクロック信号を独立に生成するという第2参考構成も考えられる。しかしながら、第2参考構成では、2つの発光制御装置間でのクロック周波数のばらつきにより、例えば、状態SX[1]から状態SX[2]への遷移間隔は15ミリ秒であるのに対し、状態SX[9]から状態SX[10]への遷移間隔は25ミリ秒となる、といったことが生じうる(即ち等間隔要求を満たし難い)。加えて、状態SX[8]から状態SX[9]に滑らかに遷移させるための工夫(第1及び第2の発光制御装置間の通信等)も必要となる。
【0121】
例えば、第2参考構成を基準とした以下の第3参考構成が考えられる。第3参考構成では、トランクリッドLIDにMCU(Micro Control Unit)を設けておくと共に、MCUとメインボディBDY側の発光制御装置との間にCAN(Controller Area Network)トランシーバを設けておく。そして、MCUがトランクリッドLID側の発光制御装置に指令を出すことでトランクリッドLID側の各発光素子の順次点灯を実現すると共に、CANトランシーバを介してメインボディ側の発光制御装置に指令を出すことでメインボディ側の各発光素子の順次点灯を実現する。MCUが各発光素子の点灯タイミングを指定することで上述の等間隔要求を満たすことができる。但し、このような第3参考構成では、順次点灯のためにCANトランシーバ及びMCUが必要となりコストが嵩む。また、通信用の配線をトランクリッドLID及びメインボディBDY間で引き回すがある。更に、CANによる比較的高速な通信により大きなノイズ放射が懸念される。
【0122】
この他、1以上のMCUを用いて順次点灯のための必要なタイミング制御を実現する様々な構成が考えられるが、何れにせよ、MCUが必要となる点や通信が必要となる点を考慮すれば、第3参考構成におけるものと同様の懸念がある。
【0123】
これに対し、本実施例の構成では、MCUは不要であり(故に低コストで済み)、低周波数で足るクロック信号Sclkを発光制御装置10A及び10B間で伝搬するだけで、求められる順次点灯動作を実現できる。
【0124】
尚、発光制御装置10Aにおいて、クロック生成部140は、クロック信号Sclkを生成及び出力する際、スルーレート制御を行っても良い。スルーレート制御は、クロック信号Sclkの電位変化の傾きを制御又は制限する制御である。即ち例えば、スルーレート制御では、クロック信号Sclkをローレベルからハイレベルに遷移させる際、信号生成部142が、所定時間をかけて定電流をトランジスタ141のゲートに供給することでトランジスタ141のゲート電位を徐々に増大させ、クロック信号Sclkをハイレベルからローレベルに遷移させる際、信号生成部142が、所定時間をかけて定電流をトランジスタ141のゲートから引き込むことでトランジスタ141のゲート電位を徐々に低下させる。これにより、クロック信号Sclkの電位変化の傾きが緩やかとなり、クロック配線WRから放射されるノイズを無視できる程度に小さく抑えることが可能となる。クロック信号Sclkは低周波(1kHz程度)で良いため、スルーレート制御を実害なく実行可能である。車載用途におけるノイズ放射の規制は厳しく、ノイズ放射が少ないことは極めて有益である。
【0125】
[実施例EX1_2]
実施例EX1_2を説明する。実施例EX1_1において、シーケンス開始条件は発光システムSYSに対する電力の投入により成立するが、シーケンス開始条件の成立条件は、これに限定されない。例えば発光システムSYSに対する所定信号の入力によりシーケンス開始条件が成立しても良い。これについての具体例を以下に挙げる。
【0126】
図15(a)に示す如く、各発光制御装置10に対し外部端子の1つとしてイネーブル端子ENを設けておく。ECU5は、各発光制御装置10のイネーブル端子ENに対して“0”又は“1”の値を持つイネーブル信号Senを供給する。各発光制御装置10は、イネーブル端子ENに対して“0”のイネーブル信号Senが入力されているとき、クロック信号Sclkの生成及び図3のトランジスタ311のスイッチングを含め、自身の動作を停止し、結果、全消灯状態SX[0]が実現される。各発光制御装置10は、イネーブル端子ENに対して“1”のイネーブル信号Senが入力されているときに限り、本実施形態で述べる各種動作を実行する。
【0127】
ECU5は、必要なタイミングにおいてスイッチ素子4(図5参照)をオンとする。実施例EX1_2ではスイッチ素子4が常時オンとされていると考えても良い。運転的付近に設けられたターンレバーが所定の基準位置から右折方向に倒されている場合、ECU5は、スイッチ素子4をオンに維持した状態で、各発光制御装置10に対して供給する(即ち発光制御装置10A及び10Bに対して供給する)イネーブル信号Senの値を周期的に且つ交互に1”及び“0”間で切り替える。図14に例に関して言えば、イネーブル信号Senの値が変化される各周期において、イネーブル信号Senの値が“1”に維持される時間の長さは、タイミングT[0]及びT[16]間の長さよりも長く、例えば、タイミングT[0]及びT[16]間の長さの2倍である。このため、ターンレバーが右折方向に倒されている間、全消灯状態SX[0]から状態SX[1]~SX[15]を順次経由して全点灯状態SX[16]に至る順次点灯動作が、繰り返し実行されることになる。実施例EX1_2において、タイミングT[0]は、イネーブル信号Senの値が“0”から“1”に切り替わるタイミングであると解して良い。
【0128】
このように、発光システムSYSに対する所定信号(ここでは“1”のイネーブル信号Sen)の入力によりシーケンス開始条件を成立させて第1及び第2駆動シーケンスから成る順次点灯動作を開始させても良いが、図15(a)の構成では、所定信号を伝搬するための配線(ケーブル)がECU5と発光制御装置10A及び10Bとの間に必要となる。この点を考慮すれば、電力の投入によりシーケンス開始条件を成立させる方式の方が有利である。図6(a)及び(b)に示す構成では発光制御装置10A及び10Bが互いに異なる基板に実装されることになるが、これとは異なり、発光制御装置10A及び10Bを共通の基板に実装できるケースなどにおいて図15(a)に示す構成は特に有益となりうる。
【0129】
或いは以下のようにしても良い。即ち、図15(b)に示す如く、ECU5は発光制御装置10A及び10Bの内、マスタモードで動作する発光制御装置10Aに対してのみイネーブル信号Senを供給する。一方で、発光制御装置10Bのイネーブル端子ENを端子VREGに接続しておく。ここで、イネーブル信号Senが電圧Vregの電位を有するとき、イネーブル信号Senは“1”の値を持つものとする。発光制御装置10Bは発光制御装置10Aからのクロック信号Sclkが第1特性から第2特性に変化したタイミングを基準に発光素子群20B中の発光素子の順次点灯を開始するので、発光制御装置10Bのイネーブル端子ENの電圧が“1”に対応する電圧に固定されていても構わない。
【0130】
運転的付近に設けられたターンレバーが所定の基準位置から右折方向に倒されている場合、図15(b)の構成に係るECU5は、スイッチ素子4をオンに維持した状態で、発光制御装置10Aに対して供給するイネーブル信号Senの値を周期的に且つ交互に1”及び“0”間で切り替える。図14に例に関して言えば、イネーブル信号Senの値が変化される各周期において、イネーブル信号Senの値が“1”に維持される時間の長さは、タイミングT[0]及びT[16]間の長さよりも長く、例えば、タイミングT[0]及びT[16]間の長さの2倍である。このため、図15(b)の構成においても、ターンレバーが右折方向に倒されている間、全消灯状態SX[0]から状態SX[1]~SX[15]を順次経由して全点灯状態SX[16]に至る順次点灯動作が、繰り返し実行されることになる。発光制御装置10Aに供給されるイネーブル信号Senの値が“1”から“0”に切り替わると、発光制御装置10Aはクロック信号Sclkの生成及び出力を停止するので、後述のスレーブ側監視処理を通じて発光素子群20Bの全発光素子は速やかに消灯状態となる。
【0131】
[実施例EX1_3]
実施例EX1_3を説明する。車両に関する法規又は規制(例えば本願の出願時点の日本国の法規又は規制)において、ターンランプを構成する複数の発光素子の内、1つでも異常な発光素子がある場合には、全ての発光素子を消灯状態とすべきことが要請されることがある(この要請を、以下、便宜上、異常時全消灯要請と称する)。実施例EX1_3及び後述の実施例EX1_4では、異常時全消灯要請に応える技術を説明する。実施例EX1_3では、発光素子群20A(図4参照)中の発光素子に異常が発生した場合の動作を説明する。
【0132】
今、説明の具体化のため、発光素子群20A及び20Bの全発光素子の内、発光素子群20Aの発光素子LED[4]にのみ異常(オープン異常又はショート異常)があるマスタ異常ケースを考える。発光制御装置10Aにおける第1駆動シーケンスの開始後、タイミングT[4]の直前までの動作は実施例EX1_1で述べた通りである。
【0133】
マスタ異常ケースの1つである第1マスタ異常ケースでは、タイミングT[4]において、主制御部120Aがスイッチ素子SW[4]のターンオフにより発光素子群20A中の発光素子LED[4]の点灯を試みるが、その発光素子LED[4]に異常(オープン異常又はショート異常)があり、その異常が異常検出部130AによりタイミングT[4]直後にて検出されたとする。図16に第1マスタ異常ケースに係るタイミングチャートを示す。
【0134】
第1マスタ異常ケースに係る発光制御装置10Aにおいて、異常検出部130Aは、発光素子LED[4]の異常を検出すると、その旨を示す信号Serrを主制御部120Aに伝達する。この信号Serrを受け、発光制御装置10Aにおいて、主制御部120Aは、自身が保持している異常フラグFLGAに“1”を代入する。発光制御装置10Aにおいて、主制御部120Aの起動時には異常フラグFLGAに対し初期値“0”が格納されており、何れかの発光素子にて異常が検出されたことを示す信号Serrを異常検出部130Aから受信した場合に限り、主制御部120Aは、異常フラグFLGAに“1”を代入してラッチする。
【0135】
発光制御装置10Aにおいて、異常フラグFLGAの値が“1”であるとき、主制御部120Aは、自身が実行可能な第1駆動シーケンスに優先して発光素子群20A中の全発光素子を消灯状態とし、且つ、制御信号CNT1及びCNT2の値を夫々“0”、“1”とする。
【0136】
図16の例に関し、発光制御装置10Aにおいて、主制御部120Aは、異常が検出されたことを示す信号Serrの受信を契機に、実行中の第1駆動シーケンスを停止して、スイッチ素子SW[1]~SW[8]を全てターンオンすることにより(又は図3のスイッチ素子185をターンオフすることにより)発光素子群20A中の全発光素子を消灯状態とし、以後、発光素子群20A中の全発光素子を消灯状態にて固定し、これに加えて、クロック生成部140Aに対する制御信号CNT1及びCNT2の値を夫々“0”、“1”へと切り替え、以後、制御信号CNT1及びCNT2の値を夫々“0”、“1”にて固定する。
【0137】
発光制御装置10Aにおいて、制御信号CNT1及びCNT2の値が夫々“0”、“1”とされることで、図17に示す如く、トランジスタ141(発光制御装置10Aのトランジスタ141)がオン状態に固定されて信号Sclkの電位がローレベルに固定される。故に、発光制御装置10A及び10Bの各端子CLKの電位及びクロック配線WR上の信号電位はローレベルに固定され、発光制御装置10Bのバッファ回路BFBの出力信号もローレベルに固定される。尚、図16の例では、タイミングT[4]の後、クロック信号Sclkが一度だけハイレベルとなった後に、信号Sclkの電位がローレベルに固定されている。
【0138】
第1マスタ異常ケースでは、タイミングT[9]に至る前に、即ち、発光制御装置10Bによる第2駆動シーケンスが開始される前に各端子CLKの電位がローレベルに固定されるため、発光素子群20B中の発光素子は何れも点灯することはない。故に、発光装置1A側にて発光素子群20Aを全消灯させた段階で異常時全消灯要請が達成される。
【0139】
発光素子群20Aの発光素子LED[4]の異常(オープン異常又はショート異常)がタイミングT[9]の後に発生及び検出されるケースもあり、このケースを第2マスタ異常ケースと称する。第2マスタ異常ケースでは、発光制御装置10Aによる第1駆動シーケンスを経て状態SX[8]に至った後、発光制御装置10Bによる第2駆動シーケンスが開始され、発光素子群20B中の1以上の発光素子が点灯しているタイミングにて、発光素子群20A中の発光素子LED[4]に異常が発生する。ここでは、説明の具体化のため、図18を参照し、タイミングT[12]の後、タイミングT[13]に至るまでの異常検出タイミングTAE1において、発光素子群20A中の発光素子LED[4]に異常が発生して当該異常が異常検出部130Aにて検出されたとする。図18は第2マスタ異常ケースに係るタイミングチャートである。
【0140】
第2マスタ異常ケースにおいて、異常検出部130Aは、発光素子LED[4]にて異常が検出されたことを示す信号Serrを主制御部120Aに伝達する。この信号Serrを受け、主制御部120Aは、自身が保持している異常フラグFLGAに“1”を代入する。異常フラグFLGAについては上述した通りである。
【0141】
このため、第2マスタ異常ケースにおいて、主制御部120Aは、異常が検出されたことを示す信号Serrの受信を契機に、即ち異常検出タイミングTAE1を境に、スイッチ素子SW[1]~SW[8]を全てターンオンすることで(又はスイッチ素子185をターンオフすることで)発光素子群20A中の全発光素子を消灯状態とし、以後、発光素子群20A中の全発光素子を消灯状態にて固定し、これに加えて、異常検出タイミングTAE1を境に、クロック生成部140Aに対する制御信号CNT1及びCNT2の値を夫々“0”、“1”へと切り替え、以後、制御信号CNT1及びCNT2の値を夫々“0”、“1”にて固定する。
【0142】
発光制御装置10Aにおいて、制御信号CNT1及びCNT2の値が夫々“0”、“1”とされることで、図17に示す如くトランジスタ141(発光制御装置10Aのトランジスタ141)がオン状態に固定されて信号Sclkの電位がローレベルに固定される。故に、発光制御装置10A及び10Bの各端子CLKの電位及びクロック配線WR上の信号電位はローレベルに固定され、発光制御装置10Bのバッファ回路BFBの出力信号もローレベルに固定される。
【0143】
スレーブ側の主制御部120Bは、バッファ回路BFBの出力信号に基づき端子CLK(発光制御装置10Bの端子CLK)の電位を監視するスレーブ側監視処理を実行する。発光制御装置10Bにおいて、主制御部120Bは、スレーブ側監視処理を、自身の起動後、イネーブル信号Senの“0”から“1”への切り替え後、又は、第2特性のクロック信号Sclkの受信開始後に開始して良い。スレーブ側監視処理において、主制御部120Bは、端子CLK(発光制御装置10Bの端子CLK)の電位が所定のエラー判定時間tERR2以上継続して固定されているとき(例えばローレベルに固定されているとき)、第2駆動シーケンスに優先して発光素子群20B中の全発光素子を消灯状態とする。エラー判定時間tERR2はクロック信号Sclkの周期よりも長い(例えば2倍~5倍)。
【0144】
第2マスタ異常ケースでは、タイミングT[12]より後の異常検出タイミングTAE1を起点に端子CLKの電位がローレベルに固定される。このため、その異常検出タイミングTAE1からエラー判定時間tERR2が経過したタイミングTAE2に、主制御部120Bは、実行中の第2駆動シーケンスを停止して、スイッチ素子SW[1]~SW[8]を全てターンオンすることにより(又は図3のスイッチ素子185をターンオフすることにより)発光素子群20B中の全発光素子を消灯状態とし、以後、発光素子群20B中の全発光素子を消灯状態にて固定する。このような動作により、第2マスタ異常ケースにおいても異常時全消灯要請が達成される。
【0145】
尚、図18において、タイミングTAE1及びTAE2間の区間では、発光素子群20Aの全発光素子が消灯状態とされつつ発光素子群20B中の発光素子LED[1]~LED[4]のみが点灯状態となるという特殊発光状態となる。当該区間の長さは微小であって人間の視覚で認知される程度のものではないので問題は生じない。必要であれば、発光制御装置10Aにおいて、発光素子の異常が検知されてからエラー判定時間tERR2が経過した後に発光素子群20A中の全発光素子の状態を消灯状態へ切り替えるようにしても良い。
【0146】
[実施例EX1_4]
実施例EX1_4を説明する。実施例EX1_4では、発光素子群20B(図4参照)中の発光素子に異常が発生した場合の動作を説明する。
【0147】
今、説明の具体化のため、発光素子群20A及び20Bの全発光素子の内、発光素子群20Bの発光素子LED[4]にのみ異常(オープン異常又はショート異常)があるスレーブ異常ケースを考える。発光制御装置10Bにおける第2駆動シーケンスの開始後、タイミングT[12]の直前までの動作は実施例EX1_1で述べた通りである。
【0148】
スレーブ異常ケースでは、タイミングT[12]において、主制御部120Bがスイッチ素子SW[4]のターンオフにより発光素子群20B中の発光素子LED[4]の点灯を試みるが、その発光素子LED[4]に異常(オープン異常又はショート異常)があり、その異常が異常検出部130BによりタイミングT[12]直後にて検出されたとする。図19にスレーブ異常ケースに係るタイミングチャートを示す。
【0149】
スレーブ異常ケースにおいて、異常検出部130Bは、発光素子LED[4]の異常を検出すると、その旨を示す信号Serrを主制御部120Bに伝達する。この信号Serrを受け、主制御部120Bは、自身が保持している異常フラグFLGBに“1”を代入する。発光制御装置10Bにおいて、主制御部120Bの起動時には異常フラグFLGBに対し初期値“0”が格納されており、何れかの発光素子にて異常が検出されたことを示す信号Serrを異常検出部130Bから受信した場合に限り、主制御部120Bは、異常フラグFLGBに“1”を代入してラッチする。
【0150】
発光制御装置10Bにおいて、異常フラグFLGBの値が“1”であるとき、主制御部120Bは、自身が実行可能な第2駆動シーケンスに優先して発光素子群20B中の全発光素子を消灯状態とし、且つ、制御信号CNT1及びCNT2の値を夫々“0”、“1”とする。
【0151】
図19の例に関し、発光制御装置10Bにおいて、主制御部120Bは、異常が検出されたことを示す信号Serrの受信を契機に、実行中の第2駆動シーケンスを停止して、スイッチ素子SW[1]~SW[8]を全てターンオンすることにより(又は図3のスイッチ素子185をターンオフすることにより)発光素子群20B中の全発光素子を消灯状態とし、以後、発光素子群20B中の全発光素子を消灯状態にて固定し、これに加えて、クロック生成部140Bに対する制御信号CNT1及びCNT2の値を夫々“0”、“1”へと切り替え、以後、制御信号CNT1及びCNT2の値を夫々“0”、“1”にて固定する。
【0152】
発光制御装置10Bにおいて、制御信号CNT1及びCNT2の値が夫々“0”、“1”とされることで、図20に示す如く、トランジスタ141(発光制御装置10Bのトランジスタ141)がオン状態に固定されて信号Sclkの電位がローレベルに固定される。故に、発光制御装置10A及び10Bの各端子CLKの電位及びクロック配線WR上の信号電位はローレベルに固定され、発光制御装置10Aのバッファ回路BFAの出力信号もローレベルに固定される。尚、図19の例では、タイミングT[12]の後、クロック信号Sclkが一度だけハイレベルとなった後に信号Sclkの電位がローレベルに固定されている。
【0153】
マスタ側の主制御部120Aは、バッファ回路BFAの出力信号に基づき端子CLK(発光制御装置10Aの端子CLK)の電位を監視するマスタ側監視処理を実行する。主制御部120Aは、マスタ側監視処理を、自身の起動後、イネーブル信号Senの“0”から“1”への切り替え後、又は、第2特性のクロック信号Sclkの送信開始後に開始して良い。マスタ側監視処理において、主制御部120Aは、端子CLK(発光制御装置10Aの端子CLK)の電位が所定のエラー判定時間tERR1以上継続して固定されているとき(例えばローレベルに固定されているとき)、第1駆動シーケンスに優先して発光素子群20A中の全発光素子を消灯状態とする。エラー判定時間tERR1はクロック信号Sclkの周期よりも長い(例えば2倍~5倍)。エラー判定時間tERR1と、実施例EX1_3で示されたエラー判定時間tERR2との一致/不一致は問わない。
【0154】
ここで想定されているスレーブ異常ケースでは、タイミングT[12]の直後から端子CLKの電位がローレベルに固定される。端子CLKの電位がローレベルに固定されたタイミングからエラー判定時間tERR1が経過したタイミングTAE3に、主制御部120Aは、第1駆動シーケンスに優先してスイッチ素子SW[1]~SW[8]を全てターンオンすることにより(又は図3のスイッチ素子185をターンオフすることにより)発光素子群20A中の全発光素子を消灯状態とし、以後、発光素子群20A中の全発光素子を消灯状態にて固定する。このような動作により、スレーブ異常ケースにおいても異常時全消灯要請が達成される。
【0155】
尚、図19において、タイミングT[12]及びTAE3間の区間では、状態SX[0]に至る前の段階として、発光素子群20Bの全発光素子が消灯状態でありながら発光素子群20Aの全発光素子が点灯状態となる状態SX[8]が一時的に実現される。当該区間の長さは微小であって人間の視覚で認知される程度のものではないので問題は生じない。必要であれば、発光制御装置10Bにおいて、発光素子の異常が検知されてからエラー判定時間tERR1が経過した後に発光素子群20B中の全発光素子の状態を消灯状態へ切り替えるようにしても良い。
【0156】
[実施例EX1_5]
実施例EX1_5を説明する。単体の発光制御装置10は、端子SEL0の電圧に応じて、マスタモードで動作することも可能であるし、スレーブモードで動作することも可能である。つまり、単体の発光制御装置10は、マスタモードで動作する場合には発光制御装置10Aの動作を実現し、スレーブモードで動作する場合には発光制御装置10Bの動作を実現する。
【0157】
このため、上述の構成WP1に係る発光システムSYSについて、当該発光システムSYSを構成する単一の発光制御装置に注目すれば、単一の発光制御装置は以下の構成WQ1を持つと言える。
【0158】
即ち、構成WQ1に係る発光制御装置は、
発光素子群(20)に含まれる複数の発光素子(LED[1]~LED[8])に対して各々並列接続される複数チャネル分のスイッチ素子(SW[1]~SW[8])から成るスイッチ部(100)と、前記スイッチ部の各スイッチ素子のオン/オフ状態を制御することで前記発光素子群の各発光素子を個別に点灯又は消灯させる制御を実行可能な制御部(120)と、特性が可変のクロック信号(Sclk)を生成可能なクロック生成部(140)と、クロック端子(CLK)と、を有し、第1モード(マスタモード)又は第2モード(スレーブモード)にて動作する発光制御装置であって、
前記第1モードにおいて(即ち発光制御装置10Aとして動作するときにおいては)、前記クロック生成部にて生成された前記クロック信号が前記クロック端子に供給され、
前記第1モードにおいて、前記制御部は、前記クロック信号に同期して前記スイッチ部の各スイッチ素子のオン/オフ状態を順次切り替えてゆくことで各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく第1駆動シーケンスを、所定のシーケンス開始条件の成立(例えば電力の投入)を契機に実行し、前記クロック生成部は、前記第1駆動シーケンスの開始後における特定タイミング(ここではT[8])において前記クロック信号の特性を所定の第1特性から所定の第2特性へと変更し、
前記第2モードにおいて(即ち発光制御装置10Bとして動作するときにおいては)、前記クロック生成部による前記クロック信号の前記クロック端子への供給は停止され、他の発光制御装置にて生成された他のクロック信号(発光制御装置10Aから出力されたクロック信号Sclkに相当)を前記クロック端子にて受け、
前記第2モードにおいて、前記制御部は、前記クロック端子にて受ける前記他のクロック信号の特性が前記第1特性から前記第2特性に変更された後、前記他のクロック信号に同期して前記スイッチ部の各スイッチ素子のオン/オフ状態を順次切り替えてゆくことで各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく第2駆動シーケンスを実行し、前記クロック端子にて受ける前記他のクロック信号の特性の変更タイミングを基準に第2駆動シーケンスの実行開始タイミングを決定する。
【0159】
[実施例EX1_6]
実施例EX1_6を説明する。ここまでは、各発光制御装置10に対し8つの発光素子(LED[1]~LED[8])が外付け接続されることを想定したが、各発光制御装置10に外付け接続される発光素子の個数(以下、発光素子接続数と称する)を7個以下とすることができる。
【0160】
図21に、端子電圧VSEL1~VSEL3と発光素子接続数との関係を示す。端子電圧VSEL1、VSEL2、VSEL3は、夫々、端子SEL1、SEL2、SEL3に加わる電圧を指す。各発光制御装置10において、主制御部120は、端子電圧VSEL1~VSEL3の組み合わせに応じて、端子CH[0]~CH[8]に対して外付け接続される発光素子の個数(即ち発光素子接続数)を判別する。主制御部120において、端子電圧VSEL1が電圧Vregより低い正の閾電圧より高ければ端子電圧VSEL1はハイレベルであると認識され、そうでなければ端子電圧VSEL1はローレベルであると認識される。端子電圧VSEL2及びVSEL3についても同様である。端子SEL1、SEL2及びSEL3は、個別に端子VREG又はGNDに接続され、故に、端子電圧VSEL1~VSEL3は個別にハイレベル又はローレベルに設定される。
【0161】
端子電圧VSEL1~VSEL3が全てローレベルである場合、主制御部120は、端子CH[0]~端子CH[8]が第8接続状態にあると認識し、発光装置1は実際に第8接続状態とされる。第8接続状態は、ここまで説明してきたように、端子CH[0]~端子CH[8]に対して発光素子LED[0]~LED[8]が外付け接続されている状態である。
【0162】
端子電圧VSEL1~VSEL3が、夫々、ハイレベル、ローレベル、ローレベルである場合、主制御部120は、端子CH[0]~端子CH[8]が第7接続状態にあると認識し、発光装置1は実際に第7接続状態とされる。第7接続状態は、第8接続状態を基準に発光素子LED[8]が削除され且つ不要チャネルの端子間(端子CH[8]及びCH[7]間)が発光制御装置10の外部において短絡される。
【0163】
端子電圧VSEL1~VSEL3が、夫々、ローレベル、ハイレベル、ローレベルである場合、主制御部120は、端子CH[0]~端子CH[8]が第6接続状態にあると認識し、発光装置1は実際に第6接続状態とされる。第6接続状態は、第8接続状態を基準に発光素子LED[8]及びLED[7]が削除され且つ不要チャネルの端子間(端子CH[8]~CH[6]間)が発光制御装置10の外部において短絡される。
【0164】
端子電圧VSEL1~VSEL3が、夫々、ハイレベル、ハイレベル、ローレベルである場合、主制御部120は、端子CH[0]~端子CH[8]が第5接続状態にあると認識し、発光装置1は実際に第5接続状態とされる。第5接続状態は、第8接続状態を基準に発光素子LED[8]~LED[6]が削除され且つ不要チャネルの端子間(端子CH[8]~CH[5]間)が発光制御装置10の外部において短絡される。
【0165】
端子電圧VSEL1~VSEL3が、夫々、ローレベル、ローレベル、ハイレベルである場合、主制御部120は、端子CH[0]~端子CH[8]が第4接続状態にあると認識し、発光装置1は実際に第4接続状態とされる。第4接続状態は、第8接続状態を基準に発光素子LED[8]~LED[5]が削除され且つ不要チャネルの端子間(端子CH[8]~CH[4]間)が発光制御装置10の外部において短絡される。
【0166】
端子電圧VSEL1~VSEL3が、夫々、ハイレベル、ローレベル、ハイレベルである場合、主制御部120は、端子CH[0]~端子CH[8]が第3接続状態にあると認識し、発光装置1は実際に第3接続状態とされる。第3接続状態は、第8接続状態を基準に発光素子LED[8]~LED[4]が削除され且つ不要チャネルの端子間(端子CH[8]~CH[3]間)が発光制御装置10の外部において短絡される。
【0167】
端子電圧VSEL1~VSEL3が、夫々、ローレベル、ハイレベル、ハイレベルである場合、主制御部120は、端子CH[0]~端子CH[8]が第2接続状態にあると認識し、発光装置1は実際に第2接続状態とされる。第2接続状態は、第8接続状態を基準に発光素子LED[8]~LED[3]が削除され且つ不要チャネルの端子間(端子CH[8]~CH[2]間)が発光制御装置10の外部において短絡される。
【0168】
端子電圧VSEL1~VSEL3が全てハイレベルである場合、主制御部120は、端子CH[0]~端子CH[8]が第1接続状態にあると認識し、発光装置1は実際に第1接続状態とされる。第1接続状態は、第8接続状態を基準に発光素子LED[8]~LED[2]が削除され且つ不要チャネルの端子間(端子CH[8]~CH[1]間)が発光制御装置10の外部において短絡される。
【0169】
例として、図22に第4接続状態での発光装置1の接続構成を示す。上述したように、異常検出部130は、端子CH[i]及びCH[i-1]間の電圧に基づき発光素子LED[i]の異常の有無を検出できるが、図22の発光装置1においては、端子電圧VSEL1~VSEL3が夫々ローレベル、ローレベル、ハイレベルであることに基づき、主制御部120は、端子CH[4]及びCH[5]間の電圧、端子CH[5]及びCH[6]間の電圧、端子CH[6]及びCH[7]間の電圧、並びに、端子CH[7]及びCH[8]間の電圧を、監視対象から外すよう、異常検出部130に指示を与える。結果、図22の発光装置1において、信号Serrは、監視対象から外れた各電圧に依存しないものなる。
【0170】
図22の発光装置1における発光制御装置10が発光制御装置10Aとして用いられる場合の順次点灯動作を説明する。但し、スレーブ側の発光制御装置10Bには8つの発光素子LED[1]~LED[8]が接続されていると仮定する。この場合における順次点灯動作において、発光制御装置10Aの主制御部120Aは、バッファ回路BFAから提供されるクロック信号Sclkのクロック数をカウントし、全消灯状態SX[0]を起点として状態SX[4]に至るまで、クロック数が8増加するごとに、状態SX[i]から状態SX[i+1]へと遷移させる。タイミングT[0]を起点としてカウントされたクロック数が“32”となるタイミング、即ちタイミングT[4]において、主制御部120Aは、制御信号CNT2の値を“0”から“1”に切り替えることで、クロック生成部140Aから出力されるクロック信号Sclkの特性を第1特性から第2特性に切り替える。クロック信号Sclkの特性が第1特性から第2特性に切り替わった後、スレーブ側の主制御部120Bは、バッファ回路BFBから提供されるクロック信号Sclkのクロック数をカウントし、状態SX[4]を起点として、クロック数が8増加するごとに、発光制御装置10Bに接続された発光素子の内、点灯状態にある発光素子の個数を1つずつ増大させてゆく態様で、発光素子LED[1]~LED[8]を順次点灯させてゆく。
【0171】
図22の発光装置1における発光制御装置10が発光制御装置10Bとして用いられる場合の順次点灯動作を説明する。但し、マスタ側の発光制御装置10Aには8つの発光素子LED[1]~LED[8]が接続されていると仮定する。この場合における順次点灯動作において、発光制御装置10Aの主制御部120Aは、バッファ回路BFAから提供されるクロック信号Sclkのクロック数をカウントし、全消灯状態SX[0]を起点として状態SX[8]に至るまで、クロック数が8増加するごとに、状態SX[i]から状態SX[i+1]へと遷移させる。タイミングT[0]を起点としてカウントされたクロック数が“64”となるタイミング、即ちタイミングT[8]において、主制御部120Aは、制御信号CNT2の値を“0”から“1”に切り替えることで、クロック生成部140Aから出力されるクロック信号Sclkの特性を第1特性から第2特性に切り替える。クロック信号Sclkの特性が第1特性から第2特性に切り替わった後、スレーブ側の主制御部120Bは、バッファ回路BFBから提供されるクロック信号Sclkのクロック数をカウントし、状態SX[8]を起点として状態SX[12]に至るまで、クロック数が8増加するごとに、発光制御装置10Bに接続された発光素子の内、点灯状態にある発光素子の個数を1つずつ増大させてゆく態様で、発光素子LED[1]~LED[4]を順次点灯させてゆく。
【0172】
発光制御装置10A及び10Bの内、一方の発光制御装置が第8接続状態にあり且つ他方の発光制御装置が第4接続状態にある場合の例を挙げたが、発光制御装置10A及び10Bの双方が第8接続状態以外となる場合も同様である。このような構成により、様々なユーザ要求(発光装置1A及び1Bの夫々に必要となる発光素子の個数)に柔軟に対応することができる。
【0173】
<<第2実施形態>>
本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態及び後述の第3~第5実施形態は第1実施形態を基礎とする実施形態であり、第2~第5実施形態において特に述べない事項に関しては、矛盾の無い限り、第1実施形態の記載が第2~第5実施形態にも適用される。第2実施形態の記載を解釈するにあたり、第1及び第2実施形態間で矛盾する事項については第2実施形態の記載が優先されて良い(後述の第3~第5実施形態についても同様)。矛盾の無い限り、第1~第5実施形態の内、任意の複数の実施形態を組み合わせても良い。
【0174】
車両に関する法規又は規制(例えば本願の出願時点の米国の法規又は規制)において、ターンランプの点灯開始時におけるターンランプの輝度を規定輝度以上とすることが要請されることがある。順次点灯動作において、この要請を満たすためには、状態SX[1](図8参照)の段階でターンランプの輝度を規定輝度以上とする必要があり(即ち発光素子LED[1]の一個分の輝度を規定輝度以上とする必要があり)、達成が難しい場合も多い。そこで、上記の要請を応えるべく、発光システムSYSにおいて、順次点灯動作の代わりに順次消灯動作を行うようにしても良い。
【0175】
順次点灯動作及び順次消灯動作の内、順次点灯動作のみを実行可能な発光制御装置10と、順次消灯動作のみを実行可能な発光制御装置10とを、別個に製造するようにしても良い。或いは、順次点灯動作及び順次消灯動作を選択的に実行できるよう発光制御装置10を形成しておいても良い。この場合、発光制御装置10に外部端子の1つとして端子SEL4(不図示)を設けておき、端子SEL4の電圧に応じて、主制御部120は、順次点灯動作及び順次消灯動作の何れか一方を実行すると良い。
【0176】
第2実施形態では、以下、図4の発光システムSYSにおいて実行可能な順次消灯動作を説明する。車両CCの右折用ターンランプの構造は第1実施形態で述べた通りであるとする(図7参照)。図23に順次消灯動作の流れを示す。順次消灯動作では、発光装置1A及び1Bが協働して、発光部L[1]~L[16]が全て点灯している状態を起点に、発光部L[1]から発光部L[16]に向けて、時間経過と共に発光部を1つずつ消灯してゆく。
【0177】
発光部L[1]~L[16]が全て点灯している状態(即ち発光素子群20A及び20Bの全発光素子が点灯している状態)を全点灯状態SY[16]と称し、発光部L[1]~L[16]が全て消灯している状態(即ち発光素子群20A及び20Bの全発光素子が消灯している状態)を全消灯状態SY[0]と称する。“2≦j≦16”を満たす整数jに関し、発光部L[1]~L[16]の内、発光部L[j]~L[16]のみが点灯している状態を状態SY[17-j]により表す。
【0178】
順次消灯動作では、全点灯状態SY[16]を起点に全消灯状態SY[0]に至るまで、状態SY[i+1]から状態SY[i]への遷移が等間隔で発生する。全消灯状態SY[0]に至った後は全消灯状態SY[0]が維持される。
【0179】
図24を参照し、発光素子群20A及び20Bを構成する発光素子に一切の異常(ショート故障又はオープン故障)が無い正常ケースを想定して、発光システムSYSの順次消灯動作の詳細を説明する。図24は正常ケースにおける順次消灯動作のタイミングチャートである。
【0180】
発光システムSYSに対する入力電圧Vinの供給開始に伴って発光制御装置10A及び10B(主制御部120A及び120B)が実質的に略同時に起動する。タイミングT[0]は、発光制御装置10A及び10B(主制御部120A及び120B)が起動してから所定の起動遅延時間が経過したタイミングを指す。発光制御装置10Aにおいて、主制御部120Aが起動した時点では制御信号CNT1の値が“0”とされており、タイミングT[0]において、制御信号CNT1の値が“0”から“1”に切り替えられ、このとき制御信号CNT2の値は“0”とされる(図10参照)。発光制御装置10Aにおいて、制御信号CNT1の値が“0”から“1”に切り替えられることを契機に第1特性のクロック信号Sclkの生成及び出力が開始される(図10参照)。正常ケースにおいて、タイミングT[0]以降、発光制御装置10Aでの制御信号CNT1の値は“1”に維持される。一方、スレーブモードで動作する発光制御装置10Bにおいては制御信号CNT1の値が常に“0”とされる。また、発光制御装置10Bにおいては原則として制御信号CNT2の値が“0”とされてトランジスタ141がオフ状態で固定される。正常ケースでは、原則通り、発光制御装置10Bでの制御信号CNT2の値が“0”とされる。
【0181】
主制御部120Aは、自身が起動してから所定の起動遅延時間が経過したタイミングにおいてスイッチ素子SW[1]~SW[8]を全てターンオフすることにより発光素子群20A中の全発光素子を点灯させ、これとは独立して、主制御部120Bは、自身が起動してから所定の起動遅延時間が経過したタイミングにおいてスイッチ素子SW[1]~SW[8]を全てターンオフすることにより発光素子群20B中の全発光素子を点灯させる。発光装置1Aにおけるスイッチ素子SW[1]~SW[8]のターンオフタイミングと、発光装置1Bにおけるスイッチ素子SW[1]~SW[8]のターンオフタイミングは、厳密には微小時間だけずれうることがあるが、ここでは、そのずれを無視し、それらのタイミングがタイミングT[0]であると考える。これにより、タイミングT[0]を境に全消灯状態SY[0]から全点灯状態SY[16]に遷移する。
【0182】
タイミングT[0]を起点に、主制御部120Aは、バッファ回路BFAから提供されるクロック信号Sclkのクロック数をカウントし、全点灯状態SY[16]を起点として状態SY[8]に至るまで、クロック数が8増加するごとに、状態SY[i]から状態SY[i-1]へと遷移させる。クロック信号Sclkのクロック数とは、クロック信号Sclkにおけるアップエッジの発生回数を指す。
【0183】
即ち、タイミングT[0]を起点として、クロック信号Sclkにおけるアップエッジの発生回数が“8”となるタイミングT[1]において、主制御部120Aは、スイッチ素子SW[1]~SW[8]の内、スイッチ素子SW[1]のみをオン状態に切り替えることで全点灯状態SY[16]から状態SY[15]への遷移を発生させる。その後、タイミングT[1]を起点として、クロック信号Sclkにおけるアップエッジの発生回数が“8”だけ追加されるタイミングT[2]において、主制御部120Aは、スイッチ素子SW[1]のオン状態を維持しつつ、スイッチ素子SW[2]~SW[8]の内、スイッチ素子SW[2]のみをオン状態に切り替えることで状態SY[15]から状態SY[14]への遷移を発生させる。以後、同様の処理が繰り返される。タイミングT[i]は、状態SY[17-i]から状態SY[16-i]への切り替わりのタイミングを表す。
【0184】
タイミングT[0]を起点としてカウントされたクロック数が“64”となるタイミング、即ちタイミングT[8]において、主制御部120Aは、制御信号CNT2の値を“0”から“1”に切り替え、以後、制御信号CNT2の値を“1”に維持する。正常ケースにおいて、タイミングT[8]以降、主制御部120Aはスイッチ素子SW[1]~SW[8]を全てオン状態に維持することで(又は図3のスイッチ素子185をオフ状態に維持することで)発光素子群20A中の全発光素子の消灯状態を維持する。
【0185】
タイミングT[8]を境に、主制御部120Aの制御の下、クロック生成部140Aから出力されるクロック信号Sclkの特性が第1特性から第2特性に切り替わる。発光制御装置10Bにおいて、主制御部120Bは、第1実施形態で述べた特性判別処理を実行可能であり、特性判別処理によりクロック信号Sclkの特性が第1特性から第2特性に切り替わったタイミングを特性変更タイミングとして検出する。検出される特性変更タイミングは、ここではタイミングT[8]である。
【0186】
クロック信号Sclkの特性が第1特性から第2特性に切り替わった後、スレーブ側の主制御部120Bは、バッファ回路BFBから提供されるクロック信号Sclkのクロック数をカウントし、状態SY[8]を起点として状態SY[0]に至るまで、クロック数が8増加するごとに、状態SY[i]から状態SY[i-1]へと遷移させる。
【0187】
即ち、タイミングT[8]を起点として、クロック信号Sclkにおけるアップエッジの発生回数が“8”となるタイミングT[9]において、主制御部120Bは、スイッチ素子SW[1]~SW[8]の内、スイッチ素子SW[1]のみをオン状態に切り替えることで状態SY[8]から状態SY[7]への遷移を発生させる。その後、タイミングT[9]を起点として、クロック信号Sclkにおけるアップエッジの発生回数が“8”だけ追加されるタイミングT[10]において、主制御部120Bは、スイッチ素子SW[1]のオン状態を維持しつつ、スイッチ素子SW[2]~SW[8]の内、スイッチ素子SW[2]のみをオン状態に切り替えることで状態SY[7]から状態SY[6]への遷移を発生させる。以後、同様の処理が繰り返される。
【0188】
タイミングT[8]を起点としてカウントされたクロック数が“64”となるタイミング、即ちタイミングT[16]において状態SY[1]から全消灯状態SY[0]への遷移が発生し、以後、全消灯状態SY[0]が維持される。正常ケースにおいて、クロック生成部140Aは、発光装置1Aに対する入力電圧Vinの供給が遮断されるまで、タイミングT[16]以降もクロック信号Sclkの生成及び出力を継続する。
【0189】
上述したように、車両CCの運転席近傍に設けられたターンレバーが所定の基準位置から右折方向に倒されている場合、ECU5はスイッチ素子4を周期的に且つ交互にオン、オフとすることにより、発光システムSYS(発光装置1A及び1B)に対し断続的に入力電圧Vinによる電力を供給する。スイッチ素子4のオン、オフの繰り返しにおける各周期において、スイッチ素子4がオン状態に維持される時間の長さは、タイミングT[0]及びT[16]間の長さよりも長く、例えば、タイミングT[0]及びT[16]間の長さの2倍である。このため、ターンレバーが右折方向に倒されている間、全点灯状態SY[16]から状態SY[15]~SY[1]を順次経由して全消灯状態SY[0]に至る順次消灯動作が、繰り返し実行されることになる。
【0190】
順次消灯動作において、第1駆動シーケンスは、状態SY[16]から状態SY[8]へと第1発光素子群(20A)の各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく一連の動作を指す。順次消灯動作において、第2駆動シーケンスは、第1駆動シーケンスに続いて実行されるシーケンスであって、状態SY[8]から状態SY[0]へと第2発光素子群(20B)の各発光素子の点灯/消灯状態を順次切り替えてゆく一連の動作を指す。
【0191】
第2実施形態では、所定のシーケンス開始条件の成立に伴って、まず主制御部120A及び120Bにより発光素子群20A及び発光素子群20B中の全発光素子が点灯され、その後、主制御部120Aの第1駆動シーケンスにより、第1発光素子群(20A)中で点灯する発光素子の個数が、クロック信号に同期する間隔で順次減少してゆき、続く主制御部120Bの第2駆動シーケンスにより、第2発光素子群(20B)中で点灯する発光素子の個数が、クロック信号に同期する間隔で順次減少してゆく。ここで、クロック信号に同期する間隔は、図24の例ではクロック周期の8倍となっているが、当該間隔はこれに限定されず、クロック周期の整数倍であれば任意である。
【0192】
順次消灯動作において、クロック生成部140Aは、第1駆動シーケンスの開始後における特定タイミング(ここではT[8])においてクロック信号Sclkの特性を所定の第1特性から所定の第2特性へと変更する。上述した動作例では、タイミングT[8]が特定タイミングに相当する。タイミングT[8]は、第1駆動シーケンスの終了タイミングに相当するとも言える。特定タイミングは、第1駆動シーケンスの開始後における任意の他のタイミングであっても良く、例えば、状態SY[9]から状態SY[8]への遷移タイミングT[8]の後、クロック信号Sclkの4回目のアップエッジタイミングを特定タイミングとしても良い。この場合、スレーブ側の主制御部120Bは、クロック信号Sclkの特性が第1特性から第2特性に切り替わった後、バッファ回路BFBから提供されるクロック信号Sclkのクロック数が“4”に達した時点で状態SY[8]から状態SY[7]への遷移を発生させれば良い。状態SY[8]から状態SY[7]への遷移タイミングT[9]の後の動作は上述した通りである。タイミングT[6]及びT[7]間のタイミングや、タイミングT[7]及びT[8]間のタイミングを特定タイミングとすることも可能である。
【0193】
シーケンス開始条件が発光システムSYSに対する電力の投入により成立する点は実施例EX1_1と同様である。但し、実施例EX1_2で述べたように、シーケンス開始条件の成立を信号Senによって実現しても良い。
【0194】
第2実施形態において、マスタ異常ケースにおける動作は実施例EX1_3で示したものと同様であって良い。即ち、タイミングT[0]の後、マスタ側の異常検出部130Aにより発光素子群20A中の何れかの発光素子に異常があることが検出されたとき、その検出の旨を示す信号Serrが主制御部120Aに送られる。その信号Serrを受けて、主制御部120Aは、自身が保持している異常フラグFLGAに“1”を代入し且つラッチする。異常フラグFLGAの値が“1”であるとき、主制御部120Aは、自身が実行可能な第1駆動シーケンスに優先して発光素子群20A中の全発光素子を消灯状態とし、且つ、制御信号CNT1及びCNT2の値を夫々“0”、“1”とする。
【0195】
発光制御装置10Aにおいて、制御信号CNT1及びCNT2の値が夫々“0”、“1”とされることで、図17に示す如く、トランジスタ141(発光制御装置10Aのトランジスタ141)がオン状態に固定されて信号Sclkの電位がローレベルに固定される。故に、発光制御装置10A及び10Bの各端子CLKの電位及びクロック配線WR上の信号電位はローレベルに固定され、発光制御装置10Bのバッファ回路BFBの出力信号もローレベルに固定される。
【0196】
スレーブ側の主制御部120Bは、バッファ回路BFBの出力信号に基づき端子CLK(発光制御装置10Bの端子CLK)の電位を監視するスレーブ側監視処理を実行する。発光制御装置10Bにおいて、主制御部120Bは、スレーブ側監視処理を、自身の起動後、又は、イネーブル信号Senの“0”から“1”への切り替え後に開始して良い。スレーブ側監視処理において、主制御部120Bは、端子CLK(発光制御装置10Bの端子CLK)の電位が所定のエラー判定時間tERR2以上継続して固定されているとき(例えばローレベルに固定されているとき)、第2駆動シーケンスに優先して発光素子群20B中の全発光素子を消灯状態とする。これは第2駆動シーケンスの開始前であっても同様である。即ち例えば、端子CLK(発光制御装置10Bの端子CLK)の電位が所定のエラー判定時間tERR2以上継続して固定されているという判断が図24のタイミングT[2]にて成された場合、主制御部120Bは、直ちに発光素子群20B中の全発光素子を消灯状態とし、以後、第2駆動シーケンスは実行されない。
【0197】
第2実施形態において、スレーブ異常ケースにおける動作は実施例EX1_4で示したものと同様であって良い。即ち、タイミングT[0]の後、スレーブ側の異常検出部130Bにより発光素子群20B中の何れかの発光素子に異常があることが検出されたとき、その検出の旨を示す信号Serrが主制御部120Bに送られる。その信号Serrを受けて、主制御部120Bは、自身が保持している異常フラグFLGBに“1”を代入し且つラッチする。異常フラグFLGBの値が“1”であるとき、主制御部120Bは、自身が実行可能な第2駆動シーケンスに優先して発光素子群20B中の全発光素子を消灯状態とし、且つ、制御信号CNT1及びCNT2の値を夫々“0”、“1”とする。これは第2駆動シーケンスの開始前であっても同様である。即ち例えば、異常フラグFLGBの値の“0”から“1”への切り替えがタイミングT[2]に発生した場合、主制御部120Bは、直ちに発光素子群20B中の全発光素子を消灯状態とし、以後、第2駆動シーケンスは実行されない。
【0198】
発光制御装置10Bにおいて、制御信号CNT1及びCNT2の値が夫々“0”、“1”とされることで、図20に示す如く、トランジスタ141(発光制御装置10Bのトランジスタ141)がオン状態に固定されて信号Sclkの電位がローレベルに固定される。故に、発光制御装置10A及び10Bの各端子CLKの電位及びクロック配線WR上の信号電位はローレベルに固定され、発光制御装置10Aのバッファ回路BFAの出力信号もローレベルに固定される。
【0199】
マスタ側の主制御部120Aは、バッファ回路BFAの出力信号に基づき端子CLK(発光制御装置10Aの端子CLK)の電位を監視するマスタ側監視処理を実行する。主制御部120Aは、マスタ側監視処理を、自身の起動後、又は、イネーブル信号Senの“0”から“1”への切り替え後に開始して良い。マスタ側監視処理において、主制御部120Aは、端子CLK(発光制御装置10Aの端子CLK)の電位が所定のエラー判定時間tERR1以上継続して固定されているとき(例えばローレベルに固定されているとき)、第1駆動シーケンスに優先して発光素子群20A中の全発光素子を消灯状態とする。
【0200】
<<第3実施形態>>
本発明の第3実施形態を説明する。発光システムSYSは3以上の発光装置1を備えていても良い。図25に、3つの発光装置1を備えた発光システムSYSである発光システムSYSaの構成を示す。発光システムSYSaにおける各発光装置1の構成は第1又は第2実施形態で述べた通りであって良い。但し、発光システムSYSaにおける各発光装置1は、外部端子として、上述の端子CLKの代わりに端子CLKOUT及びCLKINを備える。端子CLKOUT及びCLKINを利用した特異な順次点灯動作について説明する。
【0201】
発光システムSYSaでは、1つの発光装置1がマスタモードで動作し、他の2つの発光装置1はスレーブモードで動作する。発光システムSYSaにおいて、マスタモードで動作する1つの発光装置1を発光装置1Aと称し、スレーブモードで動作する2つの発光装置1を発光装置1B及び1Cと称する。発光装置1A、1B及び1Cは、何れも上述の第8接続状態(発光素子LED[1]~LED[8]が接続されている状態)にあるものとする(但し、第8接続状態以外であっても良い)。発光装置1A、1B、1Cにおける発光制御装置10を、夫々、符号“10A”、“10B”、“10C”にて参照し、発光装置1A、1B、1Cにおける発光素子群20を、夫々、符号“20A”、“20B”、“20C”にて参照し、発光装置1A、1B、1Cにおける駆動電流供給部30を、夫々、符号“30A”、“30B”、“30C”にて参照する。発光制御装置10Aの端子CLKOUTは、装置10A及び10B間に設けられたケーブルであるクロック配線WR1を介して、発光制御装置10Bの端子CLKINに接続される。発光制御装置10Bの端子CLKOUTは、装置10B及び10C間に設けられたケーブルであるクロック配線WR2を介して、発光制御装置10Cの端子CLKINに接続される。発光システムSYSaにおいて、発光制御装置10Aの端子CLKIN及び発光制御装置10Cの端子CLKOUTは利用されない。
【0202】
発光システムSYSaにおける発光制御装置10Aの端子CLKOUTは、第1実施形態における発光制御装置10Aの端子CLKとして機能すると共に、発光システムSYSaにおける発光制御装置10Bの端子CLKINは、第1実施形態における発光制御装置10Bの端子CLKとして機能する。発光制御装置10Aにて生成されたクロック信号Sclkに基づき、発光制御装置10A及び10Bが協働して、発光素子群20A及び20B中の発光素子を順次点灯させてゆく動作(順次点灯動作)は、第1実施形態で述べた通りである。
【0203】
第3実施形態に係る各発光制御装置10は、クロック信号整形回路(不図示)を備えている。各発光制御装置10において、クロック信号整形回路にはバッファ回路BFの出力信号が入力される。
【0204】
各発光制御装置10において、クロック信号整形回路は、端子CLKINに入力されたクロック信号Sclkの特性が第1特性であるときには、端子CLKINに入力されたクロック信号Sclkをそのまま端子CLKOUTから出力する。
各発光制御装置10において、クロック信号整形回路は、端子CLKINに入力されたクロック信号Sclkの特性が第1特性から第2特性に切り替わった後、整形対象区間では、端子CLKINに入力されたクロック信号Sclkの特性を第1特性に変更し、特性変更後のクロック信号Sclkを端子CLKOUTから出力する一方、その後のスルー区間では、端子CLKINに入力されたクロック信号Sclkをそのまま端子CLKOUTから出力する。各発光制御装置10において、整形対象区間とは、端子CLKINに入力されたクロック信号Sclkの特性が第1特性から第2特性に切り替わったタイミングから起算してクロック信号Sclkのクロック数が“64”に達するまでの区間であり、スルー区間は、整形対象区間の終了後の区間である。
【0205】
クロック信号整形回路はスレーブモードで動作する発光制御装置10においてのみ動作し、マスタモードで動作する発光制御装置10においてクロック信号整形回路は動作を停止している。図25の発光システムSYSaでは、発光制御装置10Bのクロック信号整形回路のみが有意に機能する。
【0206】
図14の動作例を基準にして、図25の発光システムSYSaによる順次点灯動作を説明する。発光制御装置10A~10Cの起動直後におけるタイミングT[0]では、発光素子群20A~20C中の全発光素子が消灯状態とされている。
【0207】
タイミングT[0]の後、全消灯状態SX[0]を起点として状態SX[16]に至るまでの動作は、上述の実施例EX1_1で示した通りである。故に、タイミングT[8]を境に、発光制御装置10Aのクロック生成部140から出力されるクロック信号Sclkの特性が第1特性から第2特性に切り替わり、発光制御装置10Bにて特性判別処理によりタイミングT[8]が特性変更タイミングとして検出されて、以後、特性変更タイミング(T[8])を基準に発光制御装置10Bによる第2駆動シーケンスが実行される。
【0208】
発光制御装置10Bにおいて、クロック信号整形回路は、特性変更タイミング(T[8])から起算してクロック信号Sclkのクロック数が“64”に達するまでの区間を整形対象区間に設定し、その後の区間をスルー区間に設定する。故に、図14の動作例では、タイミングT[8]からタイミングT[16]までの区間が整形対象区間となる。発光制御装置10Bにおいて、クロック信号整形回路は、整形対象区間(タイミングT[8]及びT[16]間の区間)では、端子CLKINに入力されたクロック信号Sclkの特性を第1特性に変更し、特性変更後のクロック信号Sclkを端子CLKOUTから出力する。発光制御装置10Bにおいて、端子CLKOUTから出力されるクロック信号Sclkの周波数は、端子CLKINに入力されるクロック信号Sclkの周波数と同じである。つまり、発光制御装置10Bにおいて、整形対象区間では、端子CLKINに入力されるクロック信号Sclkと端子CLKOUTから出力されるクロック信号Sclkとの間でデューティ又はパルス幅のみが異なる。
【0209】
タイミングT[16]は整形対象区間とスルー区間との境界タイミングに相当する。故に、発光制御装置10Bのクロック信号整形回路は、タイミングT[16]からは、端子CLKINに入力されたクロック信号Sclkをそのまま端子CLKOUTから出力する。タイミングT[16]の後、発光システムSYSaに対する入力電圧Vinの供給が遮断されるまで(又はイネーブル信号Senが“0”とされるまで)発光素子群20A及び20B中の全発光素子は点灯状態を維持している。
【0210】
発光制御装置10Cの動作は発光制御装置10Bの動作と同じである(但し、発光制御装置10Cのクロック信号整形回路は有意に機能しない)。発光制御装置10Bから出力されて発光制御装置10Cの端子CLKINに入力されるクロック信号Sclkの特性がタイミングT[16]を境に第1特性から第2特性に切り替わる。つまり、発光制御装置10Bのクロック信号整形回路の機能により、発光制御装置10Cにとっては、クロック信号Sclkの特性の変更タイミングがタイミングT[16]となる。故に、発光制御装置10Cによる特性判別処理ではタイミングT[16]が特性変更タイミングとして検出され、以後、特性変更タイミング(T[16])を基準に発光制御装置10Cによる第3駆動シーケンスが実行される。
【0211】
第3駆動シーケンスにおいて、発光制御装置10Cの主制御部120は、発光制御装置10Cの端子CLKINへ入力されるクロック信号Sclkのクロック数をバッファ回路BFの出力信号に基づいてカウントし、発光素子群20Cの全発光素子が消灯している状態を起点として、クロック数が8増加するごとに、発光素子群20C中の発光素子の内、点灯している発光素子の個数を1つずつ増大させてゆけば良い。
【0212】
尚、図25の発光システムSYSaにおいて、順次点灯動作ではなく、第2実施形態に示した順次消灯動作を行うようにしても良い。順次点灯動作と順次消灯動作とでは、時間経過と共に発光素子の点灯数が増大してゆくのか減少してゆくのかが異なるだけである。発光システムSYSaにて順次消灯動作を行う場合には、第3実施形態にて上述した主旨により、発光素子群20A~20Cの全体に亘って時間経過と共に発光素子の点灯数を減少させてゆけば良い。
【0213】
また、4以上の発光装置1を有する発光システムを形成することも可能であり、その場合の順次点灯動作又は順次消灯動作も、上述したものと同様にできる。
【0214】
<<第4実施形態>>
本発明の第4実施形態を説明する。発光素子群20において、複数の発光素子の接続関係は上述したものに限定されず、複数の発光素子は互いに並列接続されていても良い。複数の発光素子を並列接続する変形を施した、発光装置1の構成例を図26に示す。尚、図26では、変形された発光制御装置10の一部のみが図示されている。
【0215】
即ち、発光素子群20に発光素子LED[1]~LED[8]が含まれているとすると、各発光素子LED[1]~LED[8]のアノードに対し駆動電流供給部30から出力される駆動電圧Vdrvを印加し、発光素子LED[1]~LED[8]のカソードを、夫々、発光制御装置10の端子CH[1]~CH[8]に接続する。図26の発光制御装置10では、端子CH[i]とグランドとの間に、スイッチ素子SW[i]と定電流回路とが直列に挿入されている(ここにおけるiは1以上8以下の整数)。従って、図26の構成では、スイッチ素子SW[i]がオン状態であるときに発光素子LED[i]に電流が流れて発光素子LED[i]が点灯し、スイッチ素子SW[i]がオフ状態であるときには発光素子LED[i]に電流は流れないため発光素子LED[i]は消灯状態となる。
【0216】
故に、第1~第3実施形態の内容を図26の構成に適用する際には、発光素子LED[i]を点灯、消灯させるためのスイッチ素子SW[i]の状態が逆となる点に配慮すれば良い。即ち、発光素子LED[i]を点灯させるためのスイッチ素子SW[i]の状態は、第1~第3実施形態においてはオフ状態であるが、図26の構成ではオン状態となり、発光素子LED[i]を消灯させるためのスイッチ素子SW[i]の状態は、第1~第3実施形態においてはオン状態であるが、図26の構成ではオフ状態となる。図26の構成においても、スイッチ素子SW[i]がオン状態であるときの端子CH[i]の電圧に基づき発光素子LED[i]の異常の有無を検出可能である。
【0217】
<<第5実施形態>>
本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態では、第1~第4実施形態の任意の何れかに対して適用可能な応用技術、変形技術等を説明する。
【0218】
発光素子の異常には上述したようにショート異常とオープン異常とがある。発光システム(SYS、SYSa)に含まれる何れかの発光素子にショート異常又はオープン異常が生じていることが検出されたとき、上述してきた方法に従い、発光システムに含まれる全ての発光素子を消灯状態とする処理(以下、全消灯処理と称する)を実行することができる。但し、全消灯処理をオープン異常の検出時においてのみ実行し、ショート異常の検出に対しては全消灯処理を行わないようにしても良い(即ち、第1~第4実施形態で述べた発光素子の異常は、発光素子のオープン異常に限定されていても良い)。更には、全消灯処理を非実行するための設定が可能であっても良い。
【0219】
各発光制御装置10に、全消灯処理の詳細及び実行有無を定めるための外部端子として、第1設定端子及び第2設定端子を設けておいても良い。この場合、
各発光制御装置10において、第1設定端子及び第2設定端子に対し共にローレベルの電圧が印加されているとき、ショート異常の検出時にもオープン異常の検出時にも全消灯処理を行う。
各発光制御装置10において、第1設定端子、第2設定端子に対し、夫々、ハイレベル、ローレベルの電圧が印加されているとき、ショート異常の検出時には全消灯処理を行わないがオープン異常の検出時には全消灯処理を行う。
各発光制御装置10において、第1設定端子、第2設定端子に対し、夫々、ローレベル、ハイレベルの電圧が印加されているとき、ショート異常の検出時には全消灯処理を行うがオープン異常の検出時には全消灯処理を行わない。
各発光制御装置10において、第1設定端子及び第2設定端子に対し共にハイレベルの電圧が印加されているとき、ショート異常の検出時にもオープン異常の検出時にも全消灯処理を行わない。
【0220】
発光システムSYSにおいて、発光素子群20A及び20Bに1対1で対応する駆動電流供給部30A及び30Bを別々に設ける構成を図4に示したが、発光素子群20A及び20Bの各発光素子(全発光素子)に対して点灯用の駆動電流Idrvを供給する単一の駆動電流供給部(不図示)を駆動電流供給部30A及び30Bの代わりに発光システムSYSに設けるようにしても良い。或いは、図4の駆動電流供給部30A及び30Bにより発光素子群20A及び20Bの各発光素子(全発光素子)に対して点灯用の駆動電流Idrvを供給する駆動電流供給部が構成される、と考えても良い。図25の発光システムSYSaのような、発光素子群が3以上設けられる発光システムについても同様である。
【0221】
例えば、図4の発光システムSYSにおいて(図1も参照)、発光素子群20Aにおける発光素子LED[1]のカソードを発光素子群20Bにおける発光素子LED[8]のアノードに接続し(即ち、発光素子群20A中の発光素子LED[8]~LED[1]と発光素子群20B中の発光素子LED[8]~LED[1]とを直列接続し)、発光素子群20A中の発光素子LED[8]~LED[1]と発光素子群20B中の発光素子LED[8]~LED[1]とから成る計16の発光素子に対し駆動電圧Vdrvの印加を通じて駆動電流供給部は駆動電流Idrvを供給するようにしても良い。図4の発光システムSYSにおいて図3の構成を採用する場合にあっては、図3のダイオード319を削除し、且つ、発光制御装置10Aに接続される発光素子LED[1]のカソードを発光制御装置10Bに接続される発光素子LED[8]のアノードに接続した上で、発光制御装置10Bに接続される発光素子LED[1]のカソードと発光制御装置10Aの端子VINとの間に、発光制御装置10Bに接続される発光素子LED[1]のカソードから発光制御装置10Aの端子VINに向かう向きを順方向とするダイオードを挿入すればよい。
【0222】
上述の実施形態では、各発光制御装置10に対して接続可能な発光素子の最大個数が“8”となっているが、その最大個数は2以上の任意の整数であって良い(1であり得ても良い)。
【0223】
端子SEL0の電圧で動作モードをマスタモード及びスレーブモード間で切り替えるのではなく、マスタモードのみで動作する専用の発光制御装置10と、スレーブモードのみで動作する専用の発光制御装置10とを、別々に用意するようにしても良い。
【0224】
発光素子群20を構成する各発光素子は発光ダイオード以外の発光素子であっても良い。各発光素子は有機エレクトロルミネッセンスを利用した発光素子であっても良い。
【0225】
発光素子群20を用いて右折用ターンランプが形成されることを想定したが、発光素子群20を用いて左折用ターンランプを形成しても良い他、車両CCのヘッドランプ、フォグランプ、テールランプなど、車両CCに搭載される任意のランプを発光素子群20にて形成しても良い。
【0226】
また、本発明は車載用途以外の任意の用途に適用されても良い。
【0227】
任意の信号又は電圧に関して、上述の主旨を損なわない形で、それらのハイレベルとローレベルの関係を逆にしても良い。
【0228】
上述の任意のトランジスタは、任意の種類のトランジスタであって良い。例えば、MOSFETとして上述された任意のトランジスタを、接合型FET、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はバイポーラトランジスタに置き換えることも可能である。
【0229】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
【符号の説明】
【0230】
1 発光装置
10 発光制御装置
20 発光素子群
30 駆動電流供給部
100 スイッチ部
110 ドライバ部
120 主制御部
130 異常検出部
140 クロック生成部
LED[i] 発光素子
SW[i] スイッチ素子
SYS 発光システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26