(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】表示基板、その製造方法及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20241003BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241003BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20241003BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20241003BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20241003BHJP
【FI】
G09F9/30 349C
G09F9/00 338
G09F9/30 349D
G09F9/33
H01L33/00 L
H01L33/58
(21)【出願番号】P 2021576247
(86)(22)【出願日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 CN2020073961
(87)【国際公開番号】W WO2021147064
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】521555029
【氏名又は名称】京東方晶芯科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE MLED TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.8 Xihuanzhong RD.,BDA,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】チャン カンルー
(72)【発明者】
【氏名】リー ペイ
(72)【発明者】
【氏名】リー ジンペン
(72)【発明者】
【氏名】ユー ルー
(72)【発明者】
【氏名】サン ジエン
(72)【発明者】
【氏名】スン ハイウェイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ミン
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-075528(JP,A)
【文献】特開2009-258455(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109671365(CN,A)
【文献】特開2014-236175(JP,A)
【文献】特表2019-533905(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0035974(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0357395(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0385991(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0038365(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0102348(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0148274(US,A1)
【文献】特開2009-177117(JP,A)
【文献】特表2023-518626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
H01L33/00
33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示基板であって、
ベースと、
前記ベースの一側に互いに間隔をあけて設けられた複数の発光素子と、
光調整層と、を含み、
前記複数の発光素子のうちの少なくとも1つの発光素子の側壁が前記光調整層によって囲まれるように、前記光調整層の少なくとも一部は、前記複数の発光素子の間の間隙内に位置し、
前記光調整層は、前記光調整層に入射した光を吸収するように配置され、
前記複数の発光素子の前記ベースへの正投影は、前記光調整層の前記ベースへの正投影内に位置し、
前記光調整層は、
前記複数の発光素子の間の間隙内に位置する第1部分であって、前記第1部分は、発光素子から前記第1部分に入射した光を反射して前記発光素子に戻すように配置される第1部分と、
前記第1部分の前記ベースから離れた側に設けられ且つ前記複数の発光素子及び前記第1部分上に連設される第2部分であって、前記第2部分の材料は、光吸収材料を含み、前記第2部分は、前記第2部分に入射した光を吸収するように配置される第2部分と、を含む、
表示基板。
【請求項2】
前記光調整層のうちの、前記複数の発光素子の間の間隙内に位置する部分の厚さは、前記複数の発光素子の厚さの1.5倍である、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記光調整層の材料は、黒色インク、黒色ペースト、及び黒色フォトレジストのうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の表示基板。
【請求項4】
前記光調整層の材料の吸収係数は2×10
-5m
-1~0.8m
-1である、請求項1~3のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項5】
前記光調整層の前記ベースから離れた表面は、前記ベースに対して、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面よりも高い、請求項1~4のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項6】
前記ベースに対して、前記光調整層の前記ベースから離れた表面は、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面よりも高い、且つ高い部分は、0μmよりも大きく且つ15μm以下である、請求項5に記載の表示基板。
【請求項7】
前記第1部分の前記ベースから離れた表面と前記ベースとの距離と、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面と前記ベースとの距離の差は、0μmよりも大きく且つ15μm未満である、請求項1に記載の表示基板。
【請求項8】
前記第2部分の厚さは、10μm~15μmである、請求項7に記載の表示基板。
【請求項9】
前記複数の発光素子の前記ベースへの正投影は、前記第2部分の前記ベースへの正投影内に位置する、
請求項8に記載の表示基板。
【請求項10】
前記第1部分の各前記発光素子の側壁と接触する部分の厚さは、前記第1部分の各前記発光素子の側壁と接触しない部分の厚さよりも小さい、請求項7に記載の表示基板。
【請求項11】
前記第1部分の中間に位置する部分が、エッジに位置する部分に対して前記ベースから離れた側に凸状になる、請求項10に記載の表示基板。
【請求項12】
さらに、前記複数の発光素子のうちの、各々の発光素子の側壁を覆う光反射層を含む、請求項9に記載の表示基板。
【請求項13】
各々の前記発光素子は、前記ベース上に設けられ且つ光を発するように配置される発光層と、前記発光層の前記ベースから離れた側に設けられた透過層と、を含む、請求項1又は2に記載の表示基板。
【請求項14】
前記透過層の屈折率は、1.78である、請求項13に記載の表示基板。
【請求項15】
前記透過層の材料は、サファイア材料又は空気である、請求項13に記載の表示基板。
【請求項16】
表示基板の製造方法であって、
ベースを提供することと、
前記ベースの一側に互いに間隔をあけて複数の発光素子を設けることと、
前記複数の発光素子が設けられたベースに光調整層を形成することと、を含み、
前記複数の発光素子のうちの少なくとも1つの発光素子の側壁が前記光調整層によって囲まれるように、前記光調整層の少なくとも一部が前記複数の発光素子の間の間隙に位置し、
前記光調整層は、前記光調整層に入射した光を吸収するように配置され、
前記複数の発光素子の前記ベースへの正投影は、前記光調整層の前記ベースへの正投影内に位置し、
前記光調整層は、
前記複数の発光素子の間の間隙内に位置する第1部分であって、前記第1部分は、発光素子から前記第1部分に入射した光を反射して前記発光素子に戻すように配置される第1部分と、
前記第1部分の前記ベースから離れた側に設けられ且つ前記複数の発光素子及び前記第1部分上に連設される第2部分であって、前記第2部分の材料は、光吸収材料を含み、前記第2部分は、前記第2部分に入射した光を吸収するように配置される第2部分と、を含む、
表示基板の製造方法。
【請求項17】
前記した、前記複数の発光素子が設けられたベースに光調整層を形成することは、
前記複数の発光素子の間の前記間隙内及び前記複数の発光素子の前記ベースから離れた側に光調整薄膜を形成することと、
前記光調整薄膜を磨いて前記光調整薄膜の厚さを減少させ、前記光調整層を形成することとを含み、
前記ベースに対して、前記光調整薄膜の前記ベースから離れた表面は、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面よりも高く、
前記光調整薄膜は、光吸収材料を含む、
請求項16に記載の表示基板の製造方法。
【請求項18】
前記光調整薄膜を形成する工程は、ディスペンス工程、スプレー工程、ラインコーティング工程、及び3D印刷工程のうちのいずれかを含む、
請求項17に記載の表示基板の製造方法。
【請求項19】
請求項1~15のいずれか1項に記載の表示基板を含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術分野に関し、特に、表示基板、その製造方法及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミニ発光ダイオード(Mini Light Emitting Diode、略称Mini LED)とは、結晶粒サイズが約100μmの発光ダイオードをいう。Mini LEDは、自発光、高効率、高輝度、高信頼性、省エネ及び高速応答などの多くの利点を有するため、画素毎に各々のアドレスの位置付けを実現でき、マイクロ表示、携帯電話、テレビなどの中サイズ表示から映画館の大画面表示までの分野で応用されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様において、表示基板が提供される。前記表示基板は、ベースと、前記ベースの一側に設けられた複数の発光素子と、光調整層と、を含む。前記複数の発光素子は、互いに間隔をあけて設けられる。前記複数の発光素子のうちの少なくとも1つの発光素子の側壁が前記光調整層によって囲まれるように、前記光調整層の少なくとも一部は、前記複数の発光素子の間の間隙内に位置し;前記光調整層の材料は、光吸収材料を含み;前記光調整層は、前記光調整層に入射した光を吸収するように配置される。
【0004】
幾つかの実施例において、前記光調整層の、前記複数の発光素子の間の間隙内に位置する部分の厚さは、前記複数の発光素子の厚さの0.5倍~1.5倍である。
【0005】
幾つかの実施例において、前記光調整層の材料は、黒色インク、黒色ペースト、及び黒色フォトレジストのうちの少なくとも1つを含む。
【0006】
幾つかの実施例において、前記光調整層の材料の吸収係数は2×10-5m-1~0.8m-1である。
【0007】
幾つかの実施例において、前記光調整層の前記ベースから離れた表面は、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面と同一のレベル上にあるか、又は前記ベースの厚さ方向に沿って、前記ベースに対して、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面よりも高い、又は低い。
【0008】
幾つかの実施例において、前記ベースの厚さ方向に沿って、前記ベースに対して、前記光調整層の前記ベースから離れた表面は、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面よりも0μm~50μm高いか、又は、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面よりも0μm~15μm低い。
【0009】
幾つかの実施例において、前記光調整層は、前記複数の発光素子の間の間隙内に位置する第1サブ光調整層と、前記第1サブ光調整層の前記ベースから離れた側に設けられた第2サブ光調整層と、を含む。前記第1サブ光調整層の前記ベースから離れた表面は、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面と同一のレベル上にあるか、又は前記ベースに対して、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面よりも高い、又は低い。前記第1サブ光調整層の材料は、光反射材料を含む。前記第1サブ光調整層は、発光素子から前記第1サブ光調整層に入射した光を反射して前記発光素子に戻すように配置される。前記第2サブ光調整層の前記ベースから離れた表面は、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面と同一のレベルにあるか、又は前記ベースに対して、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面よりも高い。前記第2サブ光調整層の材料は、光吸収材料を含む。前記第2サブ光調整層は、前記第2サブ光調整層に入射した光を吸収するように配置される。
【0010】
幾つかの実施例において、前記第1サブ光調整層における光反射材料の反射率は、85%~95%である。
【0011】
幾つかの実施例において、前記第1サブ光調整層の材料は、白色インク、白色ペースト、又は金属材料のうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
幾つかの実施例において、前記ベースの厚さ方向に沿って、前記第1サブ光調整層の前記ベースから離れた表面と前記ベースとの距離と、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面と前記ベースとの距離の差は、-15μm~15μmである。
【0013】
幾つかの実施例において、前記第2サブ光調整層の厚さは、10μm~15μmである。
【0014】
幾つかの実施例において、前記第2サブ光調整層の前記ベースへの正投影は、前記複数の発光素子の前記ベースへの正投影と重ならないか又はほぼ重ならない。又は、前記複数の発光素子の前記ベースへの正投影は、前記第2サブ光調整層の前記ベースへの正投影内に位置する。
【0015】
幾つかの実施例において、前記表示基板は、さらに、前記複数の発光素子のうちの、各々の発光素子の側壁を覆う光反射層を含む。
【0016】
別の態様において、表示基板の製造方法が提供される。前記表示基板の製造方法は、ベースを提供することと、前記ベースの一側に互いに間隔をあけて複数の発光素子を設けることと、前記複数の発光素子が設けられたベースに光調整層を形成することと、を含み;前記複数の発光素子のうちの少なくとも1つの発光素子の側壁が前記光調整層によって囲まれるように、前記光調整層の少なくとも一部は、前記複数の発光素子の間の間隙に位置し;前記光調整層の材料は、光吸収材料を含み;前記光調整層は、前記光調整層に入射した光を吸収するように配置される。
【0017】
幾つかの実施例において、前記した、前記複数の発光素子が設けられたベースに光調整層を形成することは、前記複数の発光素子間の間隙内に第1サブ光調整層を形成することと、前記第1サブ光調整層の前記ベースから離れた側に第2サブ光調整層を形成することと、を含み;前記第1サブ光調整層の前記ベースから離れた表面は、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面と同一のレベル上にあるか、又は前記ベースに対して、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面よりも高く、又は低く;前記第1サブ光調整層の材料は、光反射材料を含む。前記第2サブ光調整層の前記ベースから離れた表面は、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面と同一のレベル上にあるか、又は前記ベースに対して、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面よりも高く;前記第2サブ光調整層の材料は、光吸収材料を含む。
【0018】
幾つかの実施例において、第1サブ光調整層を形成することは、ディスペンス工程、スプレー工程、及び3D印刷工程のうちのいずれかを採用する。前記第2サブ光調整層を形成することは、ディスペンス工程、スプレー工程、ラインコーティング工程、3D印刷工程、フォトリソグラフィ工程、及び射出成形工程のうちのいずれかを採用する。
【0019】
幾つかの実施例において、前記した、前記複数の発光素子が設けられたベースに光調整層を形成することは、前記複数の発光素子の間の前記間隙内及び前記複数の発光素子の前記ベースから離れた側に光調整薄膜を形成することと、前記光調整薄膜を磨いて前記光調整薄膜の厚さを減少させ、前記光調整層を形成することとを含み;前記ベースに対して、前記光調整薄膜の前記ベースから離れた表面が、前記複数の発光素子の前記ベースから離れた表面よりも高く;前記光調整薄膜は光吸収材料を含む。
【0020】
さらに別の態様において、表示装置が提供される。前記表示装置は、例えば、前記幾つかの実施例に記載の表示基板を含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本開示の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に用いる必要な図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は、本開示の幾つかの実施例の図面に過ぎず、当業者であれば、これらの図面に基づく他の図面を得られることはもちろん自明である。また、以下の説明における図面は概略図であり、本開示の実施例に係る製品の実際の寸法、方法の実際の流れなどを限定するものではない。
【0022】
【
図1】本開示の幾つかの実施例に係る表示基板の平面図である。
【0023】
【
図2】
図1に示す表示基板のA-A’方向に沿った断面図である。
【0024】
【
図3】
図1に示す表示基板のA-A’方向に沿った別の断面図である。
【0025】
【
図4】
図1に示す表示基板のA-A’方向に沿ったさらに別の断面図である。
【0026】
【
図5】
図1に示す表示基板のA-A’方向に沿ったさらに別の断面図である。
【0027】
【
図6】本開示の幾つかの実施例に係る別の表示基板の平面図である。
【0028】
【
図7】
図6に示す表示基板のB-B’方向に沿った断面図である。
【0029】
【
図8】
図6に示す表示基板のB-B’方向に沿った別の断面図である。
【0030】
【
図9】本開示の幾つかの実施例に係る表示基板の光路図である。
【0031】
【
図10】本開示の幾つかの実施例に係る表示基板の製造方法を示すフローチャートである。
【0032】
【
図11】本開示の幾つかの実施例に係る光調整層を形成することのフローチャートである。
【0033】
【
図12】
図11に示す光調整層を形成することの製造工程図である。
【0034】
【
図13】
図11に示す光調整層を形成することの別の製造工程図である。
【0035】
【
図14】
図11に示す光調整層を形成することのさらに別の製造工程図である。
【0036】
【
図15】本開示の幾つかの実施例に係る別の光調整層を形成することのフローチャートである。
【0037】
【
図16】
図15に示す別の光調整層を形成することの製造工程図である。
【0038】
【
図17】本開示の幾つかの実施例に係る表示装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照しながら、本開示の幾つかの実施例における技術案について明確に、完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本開示の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本開示によって提供される実施例に基づいて、当業者が得られる他のすべての実施例は、本開示の保護範囲に含まれる。
【0040】
文脈において別途指摘されない限り、本明細書及び特許請求の範囲において、用語「含む(comprise)」及びその他の形態、例えば、第3者単数形「含む(comprises)」及び現在分詞形「含む(comprising)」は、開放的、包括的という意味、即ち「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。本明細書の記載において、用語「一実施例(one embodiment)」、「幾つかの実施例(some embodiments)」、「例示的な実施例(exemplary embodiments)」、「例(example)」、「特定例(specific example)」又は「幾つかの例(some examples)」などは、その実施例、又はその例に関連する特定の特徴、構造、材料又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを示すことを意図している。上記の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を指すとは限らない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の適切な態様で、任意の1つ又は複数の実施例又は例に含まれ得る。
【0041】
以下において、「第1」、「第2」という用語は、単に目的を説明するためのものであり、相対的な重要性を示すか又は暗示するものとして、或いは示される技術的特徴の数量を暗示するものとして理解されるべきではない。したがって、「第1」、「第2」と定義された特徴は、1つ又は複数のその特徴を明示的又は暗示的に含み得る。本開示の実施例の説明において、特に明記しない限り、「複数」は、2つ又は2つ以上を意味する。
【0042】
「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」は、「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」と同じ意味を有し、いずれも以下のA、B及びCの組み合わせ:Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの組み合わせ、A及びCの組み合わせ、B及びCの組み合わせ、A、B及びCの組み合わせを含む。
【0043】
従来技術において、Mini LEDは、赤色、緑色、青色、白色などの多様な色の光を発することができる。Mini LEDを表示装置に適用する場合、Mini LEDは、表示装置が有するサブ画素領域内に設けられて、そのままサブ画素として表示することができる。
【0044】
表示装置には、Mini LEDに電気信号を供給するベースが設けられており、当該ベース及びMini LEDは、それぞれの表面に入射した光を反射する可能性がある。このように表示装置の表示輝度が0の場合、表示装置の表示面はベース及びMini LEDの反射作用により明るさが表示され、表示装置のコントラストが低下する。
【0045】
本開示の幾つかの実施例は、表示基板100を提供する。
図1~
図9に示すように、表示基板100は、ベース1と、ベース1の一側に設けられた複数の発光素子2と、光調整層3と、を含む。
【0046】
幾つかの例において、上記複数の発光素子2の各々は、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)、Mini LED、又はMicro LED(Micro Light Emitting Diode、マイクロ発光ダイオード)である。
【0047】
幾つかの例において、
図9に示すように、各々の発光素子2は、光を発するように配置される発光層21と、発光層21の一側に設けられた透過層22と、を含む。発光素子2がベース1に設けられた後、透過層22は発光層21のベース1から離れた側に位置する。発光層21から発せられた光は、透過層22を透過した後、表示側に出射される。発光層21から発せられた光は、透過層22を透過した後に散乱され、複数の方向に出射され、これにより、光密度を低減することができ、発光素子2から出射される光の均一性を向上させることができる。透過層22は、例えば、屈折率が1.78のサファイア材料を含んで形成される。幾つかの例において、透過層22は、空気を含んでもよい。
【0048】
ベース1は、マトリクス状に配列される複数のサブ画素領域を有し、各々の発光素子2は、1つのサブ画素領域に対応して設けられ、複数の発光素子2は、互いに間隔をあけて設けられる。
【0049】
幾つかの例において、上記ベース1は、各々の発光素子2に駆動電圧を供給し、発光素子2が当該駆動電圧の駆動により発光できるように配置される。
【0050】
例示的に、ベース1は、ベース基板と、ベース基板に配置され、複数のサブ画素領域と1対1に対応している複数の画素駆動回路と、を含んでもよい。これにより、各々の発光素子2は、対応する画素駆動回路から供給される駆動電圧の駆動により発光することができる。
【0051】
上記画素駆動回路の構造は、例えば、「2T1C」、「6T1C」、「7T1C」、「6T2C」又は「7T2C」などの複数種類を含む。ここで、「T」は薄膜トランジスタを示し、「T」の前の数字は薄膜トランジスタの数を示し、「C」は蓄積容量を示し、「C」の前の数字は蓄積容量の数を示す。各々の構造の画素駆動回路に含まれる複数の薄膜トランジスタのうち、1つの薄膜トランジスタが駆動トランジスタである。
【0052】
もちろん、本開示の実施例は、上記の駆動方式で複数の発光素子2を駆動する以外、ほかの駆動方式を採用することもできる。例えば、本開示の実施例は、パッシブ駆動方式又はIC(Integrated Circuit、集積回路)駆動方式で複数の発光素子2を駆動してもよい。
【0053】
ベース1におけるベース基板は、複数種類の構造を含む。例示的に、ベース基板は、PET(Polymethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)ベース基板、PEN(Polyethylene naphthalate two formic acid glycol ester、ポリエチレンナフタレート)ベース基板、又はPI(Polyimide、ポリイミド)ベース基板のようなフレキシブルベース基板であってもよい。また、例示的に、ベース基板は、ガラスベース基板又はPMMA( Polymethyl methacrylate、ポリメチルメタクリレート) ベース基板のようなリジットベース基板であってもよい。
【0054】
上記複数の発光素子2は、互いに間隔をあけて設けられ、即ち、複数の発光素子2の間に間隙がある。
図2~
図5、
図7及び
図8に示すように、当該複数の発光素子2のうちの少なくとも1つの発光素子2の側壁23が光調整層3によって囲まれるように、上記光調整層3の少なくとも一部は、当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置する。発光素子2の側壁23とは、発光素子2の、ベース1に対して垂直又は略垂直な表面を意味する。
【0055】
前記光調整層3の少なくとも一部は、当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置し、複数の配置態様を含む。
【0056】
例えば、光調整層3の一部は、当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置し、この場合、
図3及び
図5に示すように、発光素子2がベース1に対して垂直に延在する方向において、光調整層3の別の一部は、隣り合う2つの発光素子2の間の領域に位置してもよく;又は、
図7及び
図8に示すように、光調整層3の別の一部は、さらに、当該少なくとも1つの発光素子2のベース1から離れた表面に位置してもよく、これにより、光調整層3は、複数の発光素子2のうちの少なくとも1つの発光素子2の側壁23を囲むことができるだけでなく、当該少なくとも1つの発光素子2のベース1から離れた表面を囲んで覆うこともできる。
【0057】
別の例として、
図2及び
図4に示すように、光調整層3は、全て当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置し、複数の発光素子2のうちの少なくとも1つの発光素子2の側壁23を囲む。
【0058】
光調整層3を設けることにより、複数の発光素子2のうちの少なくとも1つの発光素子2の側壁23、さらにベース1から離れた表面を保護することができ、当該少なくとも1つの発光素子2の側壁23、さらにベース1から離れた表面が、製造工程において、引っかかりにより脱落したり損傷したりすることを防止し、さらに、当該少なくとも1つの発光素子2の品質に影響を及ぼすことを防止することができる。また、光調整層3を設けることにより、当該少なくとも1つの発光素子2をベース1に良好に固定することができ、発光素子2が緩んで良好に発光し難くなる状況を低減ないし防止し、さらに表示基板100の良好な表示効果を確保することができる。
【0059】
幾つかの例において、光調整層3の材料は、光吸収材料を含む。光調整層3は、光調整層3に入射した光を吸収するように配置される。これは、光調整層3に入射した光のうち、多くの光が吸収されることを意味し、これにより、光調整層3で反射される光の量を効果的に減少ことができる。
【0060】
このように、本開示の実施例に係る表示基板100は、光調整層3の少なくとも一部が複数の発光素子2の間の間隙内に位置するように光調整層3を配置することにより、複数の発光素子2のうちの少なくとも1つの発光素子2を保護することができ、当該少なくとも1つの発光素子2が製造工程において、引っかかりにより脱落したり損傷したりして品質に影響を及ぼすことを防止することができるだけではなく、当該少なくとも1つの発光素子2に対して固定の役割を果たし、表示基板100の良好な表示効果を確保することができる。
【0061】
また、本開示の実施例に係る表示基板100において設けられた光調整層3の材料は、光吸収材料を含み、これにより、光調整層3に入射した光を光調整層3で吸収し、光調整層3で反射される光の量を減少ことができる。光調整層3の少なくとも一部が複数の発光素子2の間の間隙内に設けられるため、光調整層3が、ベース1、少なくとも1つの発光素子2の側壁23、ひいてはベース1から離れた表面に対して遮蔽を形成し、ベース1及び当該少なくとも1つの発光素子2で反射される光の量を減少し、ベース1及び当該少なくとも1つの発光素子2の反射により外部(即ち表示基板100の表示面と反対側の空気)に出射される光の量を低減することができ、これにより、表示基板100の表示輝度が0の場合、表示基板100の表示面をより暗くすることができる。
【0062】
また、本開示の実施例は発光素子2に供給される駆動電圧を調整することにより、表示基板が表示する輝度を、光調整層3を設けない場合と同様な輝度とすることができる。即ち、本開示の実施例によれば、表示基板100が光調整層3を設けない場合の最高階調の輝度を表示できることを確保することができるだけでなく、光調整層3を設けない場合の最低階調の輝度を表示することもでき、最も明るい状態と最も暗い状態との差の範囲を大きくし、表示基板100のコントラストを効果的に向上させることができる。
【0063】
本開示の実施例において、光調整層3の材料が光吸収材料を含むとは、様々な構成を含む。即ち、光調整層3の材料の全てが光吸収材料を含み、又は光調整層3の材料の少なくとも一部が光吸収材料を含む。いずれの構成を採用するかは、光調整層3の構造に関わる。
【0064】
幾つかの実施例において、
図2、
図3、及び
図7に示すように、光調整層3は、1層の薄膜の構造であり、光調整層3の材料の全てが光吸収材料を含む。
【0065】
例示的に、光調整層3の材料は、黒色インク、黒色ペースト、及び黒色フォトレジストなどのうちの少なくとも1つを含むが、これに限定されるものではない。ここで、光吸収材料とは、黒色インク、黒色ペースト、及び黒色フォトレジストなどのうちの少なくとも1つである。ここで、黒色ペーストは、例えば、黒色粉末がドープされたシリカゲルであり、例えば、当該黒色ペーストには、シリカゲル100g当たり黒色粉末が0.5g~1.5gドープされる。
【0066】
幾つかの例において、光調整層3の、当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置する部分の厚さD1(即ちベース1に垂直な、発光素子3の表面に向かう方向における寸法)は、当該複数の発光素子3の厚さD2(即ちベース1に垂直な、発光素子3の表面に向かう方向における寸法)の0.5~1.5倍である。
【0067】
ここで、図
1、図2及び
図3に示すように、光調整層3の、当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置する部分とは
、光調整層3の
当該複数の発光素子のうち全ての隣り合う2つの発光素子2の間に位置する部分
、及び当該複数の発光素子のうち全ての隣り合う4つの発光素子で囲まれる全ての部分を指し、当該部分は
、隣り合う2つの発光素子2の間に位置する部分を含み、発光素子2のベース1から離れた側に位置する部分を含まない。
【0068】
例示的に、光調整層3の、当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置する部分の厚さD1は、当該複数の発光素子
2の厚さD2の1倍である。即ち、光調整層3の、当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置する部分の厚さD1は、当該複数の発光素子
2の厚さD2とほぼ等しい。この場合、
図2に示すように、光調整層3のベース1から離れた表面Pと、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qとは、同一のレベルにある。
【0069】
例示的に、光調整層3の、当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置する部分の厚さD1と、当該複数の発光素子2の厚さD2との倍数は、0.5倍以上1倍未満である。即ち、光調整層3の、当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置する部分の厚さD1は、当該複数の発光素子2の厚さD2よりも小さい。この場合、光調整層3のベース1から離れた表面Pは、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも低い。例示的に、ベース1に対して、光調整層3のベース1から離れた表面Pは、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも0μm~15μm低い。例えば、ベース1に対して、光調整層3のベース1から離れた表面Pは、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも、5μm、7μm、10μm、13μm、又は15μm等低い。また、光調整層3のベース1から離れた表面Pが、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも0μm低い場合は、両者が同一のレベルにあることを意味する。
【0070】
なお、光調整層3が光調整層3に入射した光を吸収するように配置されるとの説明において、光とは、外部から光調整層3に入射した光だけでなく、発光素子2が発光して光調整層3に入射した光も含む。
【0071】
ここで、光調整層3による光の吸収は、下記の式を満たす。
I=I0×e-αL
ここで、I
0
は光調整層3に入射する前の光の強度であり、Iは光調整層3を透過して出射する光の強度であり、αは光調整層3の吸収係数であり、Lは光調整層3を進行する光の光路長である。この式から、光が光調整層3を進行する光路長が短いほど、光調整層3による光の吸収が少ないことがわかる。
【0072】
本開示の実施例は、光調整層3のベース1から離れた表面Pを、複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qと同一のレベルに、又は複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qより低く設けることにより、光調整層3で発光素子2を保護及び固定して、表示基板100の表示効果を確保することができるだけでなく、発光素子2が発した光の光調整層3を進行する光路長を短くし、光調整層3による発光素子2が発した光の吸収を低減し、光の損失を低減することができる。また、光の損失を低減することができるので、表示基板100に所望の表示輝度を確保しながら、発光素子2に大きな駆動電圧を供給することを回避し、消費電力を低減することができる。
【0073】
例示的に、光調整層3の、当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置する部分の厚さD1は、当該複数の発光素子
2の厚さD2の1倍より大きく1.5倍以下である。即ち、光調整層3の、当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置する部分の厚さD1は、発光素子
2の厚さD2よりも大きい。この場合、
図3及び
図7に示すように、ベース1に対して、光調整層3のベース1から離れた表面Pは、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも高い。
【0074】
ベース1に対して、光調整層3のベース1から離れた表面Pが、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも高い場合、光調整層3は、様々の配置態様がある。
【0075】
例えば、
図1及び
図3に示すように、光調整層3は、各々の発光素子2のベース1から離れた表面Qを覆わずに、各々の発光素子2の側壁23を囲む。
【0076】
また例えば、
図6及び
図7に示すように、当該複数の発光素子2のベース1への正投影は、光調整層3のベース1への正投影内に位置する。光調整層3は、各々の発光素子2の側壁23を囲むとともに、各発光素子2のベース1から離れた表面Qを覆う。
【0077】
本開示の実施例は、光調整層3のベース1から離れた表面Pを、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも高く設けることにより、外部から各発光素子2に入射した光の、各発光素子2による反射を低減ないし回避することができ、表示基板100の表示輝度が0の場合に表示面が暗い状態にあることを確保するのに有利であり、表示基板100のコントラストを効果的に向上させることができる。
【0078】
本実施例において、ベース1に対して、光調整層3のベース1から離れた表面Pの、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも高い寸法は、実際の必要に応じて選択して設定すればよく、これにより、表示基板100のコントラストを効果的に向上させることができるとともに、大きな光損失が生じることを回避することができる。
【0079】
例示的に、ベース1に対して、光調整層3のベース1から離れた表面Pは、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも0μm~50μm高い。例えば、ベース1に対して、光調整層3のベース1から離れた表面Pは、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも、10μm、20μm、30μm、40μm、又は50μmなど高い。また、光調整層3のベース1から離れた表面Pが、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも0μm高い場合は、両者が同一のレベルにあることを意味する。
【0080】
なお、光調整層3による光の吸収の式から、光調整層3による光の吸収は、光調整層3の吸収係数とも相関しており、光調整層3の吸収係数が小さいほど、光調整層3による光の吸収は少ないことがわかる。
【0081】
例示的に、光調整層3の吸収係数は、2 ×10-5m-1~0.8m-1である。これにより、光調整層3による発光素子2が発した光の吸収を低減し、光の損失を低減することができる。さらに、表示基板100に所望の表示輝度を確保しながら、発光素子2に大きな駆動電圧を供給することを回避し、消費電力を低減することができる。
【0082】
別の実施例において、
図4、
図5及び
図8に示すように、光調整層3は、多層の薄膜を積層した構造であり、光調整層3のうちの少なくとも1層の薄膜の材料は光吸収材料を含む。
【0083】
幾つかの例において、
図4、図5及び図8に示すように、光調整層3は、2層の薄膜を積層した構造である。光調整層3は、当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置する第1サブ光調整層31を含む。第1サブ光調整層31の材料は、光反射材料を含む。第1サブ光調整層31は、発光素子2から第1サブ光調整層31に入射した光を反射して発光素子2に戻すように配置される。
【0084】
ここで、第1サブ光調整層31が当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置することは、第1サブ光調整層31の一部又は全部が当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置することを含む。
【0085】
例示的に、第1サブ光調整層31の全体は、当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置する。
図4に示すように、ベース1に対して、第1サブ光調整層31のベース1から離れた表面P1は、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも低く、第1サブ光調整層31は、各発光素子2の側壁23の一部を囲むことができる。又は、
図8に示すように、第1サブ光調整層31のベース1から離れた表面P1と、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qとは、同一のレベルにあり、第1サブ光調整層31は、各発光素子2の側壁23を囲むことができる。
【0086】
例示的に、第1サブ光調整層31の一部は、当該複数の発光素子2の間の間隙内に位置する。
図5に示すように、ベース1に対して、第1サブ光調整層31のベース1から離れた表面P1は、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも高く、第1サブ光調整層31は、各発光素子2の側壁23を囲むことができる。この場合、
図5に示すように、第1サブ光調整層31のベース1への正投影と、当該複数の発光素子2のベース1への正投影とは重ならない。
【0087】
上記第1サブ光調整層31の材料は、光反射材料を含み、即ち、第1サブ光調整層31は、第1サブ光調整層31に入射した光を反射することができる。例示的に、
図9に示すように、第1サブ光調整層31は、各発光素子2の側壁23を囲んでいるので、発光素子2が発した光は、発光素子2の側壁23に入射した後、当該側壁23を囲む第1サブ光調整層31によって反射され、発光素子2内に戻される。即ち、発光素子2が発した光は、第1サブ光調整層31によって少なくとも1回反射され、反射された光は、発光素子2のベース1から離れた表面から出射することができる。これにより、発光素子2の側壁23に入射した光の吸収を低減ないし回避し、発光素子2のベース1から離れた表面から出射する光の量を増やすことができ、表示基板100の光効率を向上させ、表示基板100の消費電力を低減することに有利である。
【0088】
幾つかの例において、
図4、図5及び図8に示すように、光調整層3は、第1サブ光調整層31のベース1から離れた側に設けられた第2サブ光調整層32をさらに含む。第2サブ光調整層32の材料は、光吸収材料を含む。第2サブ光調整層32は、第2サブ光調整層32に入射した光を吸収するように配置される。
【0089】
ここで、第2サブ光調整層32が第1サブ光調整層31のベース1から離れた側に設けられることは、第2サブ光調整層32が第1サブ光調整層31のベース1から離れた側の表面に設けられること、即ち、両者が直接接触することを含むが、これに限定されない。
【0090】
第2サブ光調整層32が第1サブ光調整層31のベース1から離れた側に設けられた後、
図4に示すように、第2サブ光調整層32のベース1から離れた表面P(即ち光調整層3のベース1から離れた表面P)は、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qと同一のレベルにある。又は、
図5及び
図8に示すように、ベース1に対して、第2サブ光調整層32のベース1から離れた表面Pは、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも高い。
【0091】
第2サブ光調整層32のパターンは、複数の種類を含む。
【0092】
例えば、
図4及び
図5に示すように、第1サブ光調整層31のベース1への正投影と第2サブ光調整層31のベース1への正投影とが重なり、この場合、第2サブ光調整層32のベース1への正投影と当該複数の発光素子2のベース1への正投影とは重ならないか又はほぼ重ならない。これにより、第2サブ光調整層32によって第1サブ光調整層31を覆い、第2サブ光調整層32を利用して外部から第2サブ光調整層32に入射した光を吸収することができ、当該光が第1サブ光調整層31に入射し第1サブ光調整層31で反射されて、表示基板100の表示輝度が0の場合の表示面の状態に影響を及ぼすことを回避することができし、ひいては表示基板100のコントラストに影響を及ぼすことを回避することができる。
【0093】
また例えば、
図8に示すように、第1サブ光調整層31のベース1への正投影は、第2サブ光調整層32のベース1への正投影内に位置し、この場合、複数の発光素子2のベース1への正投影は、第2サブ光調整層32のベース1への正投影内に位置する。これにより、第2サブ光調整層32によって第1サブ光調整層31及び複数の発光素子2を覆い、第2サブ光調整層32を利用して外部から第2サブ光調整層32に入射した光を吸収することができ、当該光が第1サブ光調整層31又は複数の発光素子2に入射し第1サブ光調整層31又は複数の発光素子2で反射されて、表示基板100の表示輝度が0である場合の表示面の状態に影響を及ぼすことを回避することができ、ひいては表示基板100のコントラストに影響を及ぼすことを回避することができる。
【0094】
このように、本発明の実施例は、第1サブ光調整層31及び第2サブ光調整層32を含む光調整層3を設けることにより、表示基板100の光効率を向上させ、表示基板100の消費電力を減少させるとともに、表示基板100がより高いコントラストを有することを確保することもできる。
【0095】
幾つかの実施例において、第1サブ光調整層31における光反射材料の反射率は85%~95%である。これにより、第1サブ光調整層31が、各発光素子2から第1サブ光調整層31に発せられた光に対して良好な反射効果を有することを確保し、表示基板100が高い光効率及び低い消費電力を確保することができる。
【0096】
第1サブ光調整層31の材料としては、様々な材料を用いることができる。例示的に、第1サブ光調整層31の材料は、白色インク、白色ペースト、又は金属材料などのうちの少なくとも1つを含むが、第1サブ光調整層31の材料は、これに限定されない。ここで、光反射材料とは、即ち白色インク、白色ペースト、又は金属材料などのうちの少なくとも1つである。上記白色ペーストは、例えば、チタン白でドープされたシリカゲルである。上記金属材料は、例えば、高い反射率を有する金、銅、又はモリブデンである。
【0097】
第2サブ光調整層32の材料としては、様々な材料を用いることができる。例示的に、第2サブ光調整層32の材料は、黒色インク、黒色ペースト、及び黒色フォトレジストなどのうちの少なくとも1つを含むが、第2サブ光調整層32の材料は、これに限定されない。ここで、光吸収材料とは、即ち黒色インク、黒色ペースト、及び黒色フォトレジストなどのうちの少なくとも一つである。
【0098】
幾つかの例において、ベース1に対して、第1サブ光調整層31のベース1から離れた表面P1と複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qとの間の関係は、実際の必要に応じて選択して設定することができる。例示的に、第1サブ光調整層31のベース1から離れた表面P1とベース1との距離D3(即ちベース1に垂直な、発光素子3の表面に向かう方向における第1サブ光調整層31の寸法)と、当該複数の発光素子2のベース1からから離れた表面Qとベース1との距離D2(即ち発光素子2の厚さ)の差は、-15μm~15μmである。即ち、ベース1に対して、第1サブ光調整層31のベース1から離れた表面P1は、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも最大で15μm低くてもよく、又は第1サブ光調整層31のベース1から離れた表面P1は、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも最大で15μm高くてもよい。これにより、各発光素子2から第1サブ光調整層31に発せられる光に対する第1サブ光調整層31の反射効果を効果的に確保することができる。
【0099】
第2サブ光調整層32の厚さD4(即ちベース1に垂直な、発光素子3の表面に向かう方向における第2サブ光調整層32の寸法)は、実際の必要に応じて選択して設定することができる。幾つかの例において、第2サブ光調整層32の厚さD4は、10μm~15μmである。例えば、第2サブ光調整層32の厚さD4は、10μm、11μm、13μm、又は15μmなどである。
【0100】
なお、第1サブ光調整層31のベース1から離れた表面P1とベース1との距離D3と、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qとベース1との距離D2との間の差の設定、及び第2サブ光調整層32の厚さD4の設定は、第2サブ光調整層32のベース1から離れた表面Pが、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qと同一のレベルにあるか、又はベース1に対して当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも高いことを確保する必要がある。
【0101】
例えば、第1サブ光調整層31のベース1から離れた表面P1とベース1との距離D3と、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qとベース1との距離D2との間の差を-15μmに設定すると、第2サブ光調整層32の厚さD4を15μmに設定する。また、例えば、第1サブ光調整層31のベース1から離れた表面P1とベース1との距離D3と、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qとベース1との距離D2との間の差を-10μmに設定すると、第2サブ光調整層32の厚さD4を10μm~15μmに設定する。
【0102】
ここで、本開示の上記実施例において言及された幾つかの態様の相対輝度を模式的に説明する。
【0103】
例えば、
図2に示す態様において、光調整層3は1層の薄膜の構造であり、且つ光調整層3のベース1から離れた表面Pと発光素子2のベース1から離れた表面Qとが同一のレベルにあり;
図7に示す態様において、光調整層3は1層の薄膜の構造であり、且つベース1に対して、光調整層3のベース1から離れた表面Pが発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも高く;また、
図4に示す態様において、光調整層3は2層薄膜の構造であり、且つ第2サブ光調整層32のベース1から離れた表面Pと発光素子2のベース1から離れた表面Qとが同一のレベルにある。
【0104】
相対輝度とは、同じ駆動電圧を供給する場合に、ある実施例において表示基板100が表示する輝度を100%の基準とし、別の実施例において表示基板100が表示する輝度をいう。
【0105】
例えば、
図2に示す態様を基準とすると、
図7に示す態様の相対輝度は25%~50%であり、
図4に示す態様の相対輝度は115%~130%である。
【0106】
このように、光調整層3のベース1から離れた表面Pを発光素子2のベース1から離れた表面Qと同一のレベルにあるように設け、又は、第2サブ光調整層32とベース1との間に第1サブ光調整層31を設けることは、発光素子2からの光の吸収を低減することに有利であり、即ち表示基板100の消費電力を低減することに有利である。
【0107】
幾つかの実施例において、
図7に示すように、本開示の実施例に提供される表示基板100は、各々の発光素子2の側壁23を覆う光反射層4をさらに含む。当該
光反射層4は、発光素子2から
光反射層4に入射した光を反射して発光素子2に戻すように配置される。即ち、発光素子2が発した光は、
光反射層4によって少なくとも1回反射され、かつ、反射された光は、発光素子2のベース1から離れた表面から出射することができる。このように、
光反射層4によって、発光素子2のベース1から離れた表面から出射する光の量を増やすことができ、表示基板100の光効率を向上させ、表示基板100の消費電力を低減することに有利である。また、光反射層4を設ける場合は、光調整層3を1層の薄膜の構造のみとすることができ、光調整層3の製造工程の簡略化に有利である。
【0108】
本開示の幾つかの実施例は、表示基板の製造方法を提供する。
図10に示すように、当該表示基板の製造方法は、S100~S300を含む。
【0109】
S100では、ベースを提供する。
【0110】
S200では、ベースの一側に互いに間隔をあけて複数の発光素子を設ける。
【0111】
幾つかの例において、当該複数の発光素子を、大量移載の方式でベースの一側に設けることができる。当該複数の発光素子とベースとの間に複数の溶接スポットを設けてもよく、これにより、複数の発光素子は、対応する溶接スポットを介してベースと電気的に接続できる。
【0112】
幾つかの例において、上記ベースは、発光素子が駆動電圧の駆動により発光できるように、各々の発光素子に駆動電圧を供給するように配置される。従って、上記S100で提供されるベースは、各々の発光素子に対応する画素駆動回路を含む。当該画素駆動回路は、対応する溶接スポットを介して対応する発光素子と電気的に接続され得る。
【0113】
幾つかの例において、ベースの一側に少なくとも1層の機能性薄膜(例えば絶縁層、パッシベーション層、又は平坦化層など)が形成され、上記複数の発光素子は、当該少なくとも1層の機能性薄膜のベースから離れた側の表面に形成される。
【0114】
S300では、上記複数の発光素子が設けられたベースに光調整層を形成する。当該複数の発光素子のうちの少なくとも1つの発光素子の側壁が光調整層に囲まれるように、当該光調整層のうちの少なくとも一部が当該複数の発光素子の間の間隙に位置する。光調整層の材料は、光吸収材料を含む。前記光調整層は、前記光調整層に入射した光を吸収するように配置される。
【0115】
上記光調整層は、様々な構造を有することができる。例えば、光調整層は、1層の薄膜で構成された構造である。また例えば、光調整層は、2層の薄膜で構成された構造である。光調整層の構造はこれに限定されない。
【0116】
ここで、光調整層を形成するプロセスフローは、光調整層の構造に関連している。
【0117】
幾つかの実施例において、光調整層は、2層の薄膜で構成された構造である。
【0118】
図11に示すように、上記S300において、複数の発光素子が設けられたベースに光調整層を形成することは、S310a~S320aを含む。
【0119】
S310aでは、
図13の(a)、
図14の(a)及び図
12の(a)に示すように、当該複数の発光素子2の間の間隙内に第1サブ光調整層31を形成する。第1サブ光調整層31のベース1から離れた表面P1は、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qと同一のレベルにあるか、又はベース1に対して当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも高い、又は低い。第1サブ光調整層31材料は、光反射材料を含む。
【0120】
第1サブ光調整層31の材料としては、様々な材料を用いることができる。例示的に、第1サブ光調整層31の材料は、白色インク、白色ペースト、又は金属材料のうちの少なくとも一つを含む。ここで、白色ペーストは、例えば、チタン白でドープされたシリカゲルである。金属材料は、高い反射率を有する金、銅、モリブデン等を含み得る。
【0121】
第1サブ光調整層31の形成工程は、それに含まれる材料に関連している。
【0122】
例示的に、第1サブ光調整層31の材料が白色インク又は白色ペーストを含む場合、白色インク又は白色ペーストは流体的性質を有する材料であるため、この場合、ディスペンス工程、スプレー工程、及び3D印刷工程のうちのいずれかを採用して、第1サブ光調整層31を形成することができる。
【0123】
例示的に、第1サブ光調整層31の材料が金属材料を含む場合、3D印刷工程を採用して第1サブ光調整層31を形成することができる。
【0124】
なお、第1サブ光調整層31の材料が白色インク又は白色ペーストを含む場合、上記S310aにおいて、当該複数の発光素子2の間の間隙内に第1サブ光調整層31を形成することは、S3101a~S3102aを含む。
【0125】
S3101aでは、ディスペンス工程、スプレー工程、及び3D印刷工程のうちのいずれかを採用し、当該複数の発光素子2の間の間隙内に第1サブ光調整薄膜を形成する。白色インクや白色ペーストは流体的性質を有するため、当該複数の発光素子2の間の間隙内に自発的に流動することができ、当該複数の発光素子2の間の間隙内を均一に充填し、第1サブ光調整薄膜を形成する。
【0126】
S3102aでは、第1サブ光調整薄膜をベーク処理し、第1サブ光調整層31を形成する。
【0127】
例示的に、上記ベーク処理の温度範囲は140℃~160℃であり、ベーク処理の時間範囲は1時間~2時間である。
【0128】
ここで、流体的性質を有する材料が流動して第1サブ光調整薄膜を形成した後、ベーク処理して形成された第1サブ光調整層31は、様々な形態を有することができる。
【0129】
例えば、
図4に示すように、第1サブ光調整層31の各発光素子2の側壁と接触する部分の厚さ(即ちベース1に垂直な方向の寸法)が、第1サブ光調整層31の各発光素子2の側壁と接触しない部分の厚さ(即ちベース1に垂直な方向の寸法)よりも大きい。この場合、当該形態は、第1サブ光調整層31の中間に位置する部分が、エッジに位置する部分に対して凹状になってもよい。
【0130】
また例えば、
図8に示すように、第1サブ光調整層31の各発光素子2の側壁と接触する部分の厚さが、第1サブ光調整層31の各発光素子2の側壁と接触しない部分の厚さよりも小さい。この場合、当該形態は、第1サブ光調整層31の中間に位置する部分が、エッジに位置する部分に対して凸状になってもよい。
【0131】
第1サブ光調整薄膜をベーク処理することにより、液体状態の第1サブ光調整薄膜を固体状態の第1サブ光調整層31に変換することができ、これにより、形成された第1サブ光調整層31は、比較的安定した形態を有し、後続の第2サブ光調整層32の形成に影響を及ぼすことを回避し、且つ第2サブ光調整層32を形成する過程において第1サブ光調整層31を汚染することを回避することができる。
【0132】
S320aでは、第1サブ光調整層31のベース1から離れた側に第2サブ光調整層32を形成する。第2サブ光調整層32のベース1から離れた表面Pは、当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qと同一のレベルにあるか、又はベース1に対して当該複数の発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも高い。第2サブ光調整層32の材料は、光吸収材料を含む。
【0133】
ここで、第2サブ光調整層32の材料は、黒色インク、黒色ペースト、黒色フォトレジストのうちの少なくとも1つを含む。
【0134】
第2サブ光調整層32は、様々な工程で形成できる。例示的に、第2サブ光調整層32を形成することは、ディスペンス工程、スプレー工程、ラインコーティング工程、3D印刷工程、フォトリソグラフィ工程、及び射出成形工程のうちのいずれかを採用することができる。
【0135】
なお、第2サブ光調整層32の材料は流体的性質を有する。上記S320aにおいて、当該複数の発光素子2間の間隙内に第2サブ光調整層32を形成することは、S3201a~S3202aを含む。
【0136】
S3201aでは、第1サブ光調整層31のベース1から離れた側に第2サブ光調整薄膜32’を形成する。
【0137】
例示的に、
図13の(b)に示すように、ディスペンス工程、スプレー工程、ラインコーティング工程、3D印刷工程のうちのいずれかを採用して第2サブ光調整薄膜32’を形成する。
【0138】
例示的に、
図12の(b)及び(c)に示すように、射出成形工程を採用して第2サブ光調整薄膜32’を形成する。射出成形工程を採用して第2サブ光調整薄膜32’を形成する工程は、例えば、複数の発光素子2のベース1から離れた側に射出成形型5を設け、真空引きして真空環境を形成し、射出成形型5と第1サブ光調整層31との間に、注入孔51を介して第2サブ光調整層32の材料を注入して第2サブ光調整薄膜32’を形成する。ここで、
図12の(d)に示すように、第2サブ光調整薄膜32’をベーク処理して硬化させた後、射出成形型5を取り外すことができる。第2サブ光調整薄膜32’のベーク処理は、
S3102aに記載の内容を参照することができる。
【0139】
S3202aでは、第2サブ光調整薄膜32’をベーク処理し、第2サブ光調整層32を形成する。
【0140】
例示的に、上記ベーク処理の温度範囲は140℃~160℃であり、ベーク処理の時間範囲は1時間~2時間である。
【0141】
第2サブ光調整薄膜32’をベーク処理することにより、液体状態の第2サブ光調整薄膜32’を固体状態の第2サブ光調整層32に変換することができ、これにより、形成された第2サブ光調整層32は比較的安定した形態を有することができる。
【0142】
また、フォトリソグラフィ工程を採用して第2サブ光調整層32を形成する工程は、例えば、
図14の(b)に示すように、ディスペンス工程、スプレー工程、ラインコーティング工程、及び3D印刷工程のいずれかを採用して第2サブ光調整薄膜32’を形成し;
図14の(c)に示すように、第2サブ光調整薄膜32’をベーク処理した後、フォトリソグラフィ工程を採用して、ベーク処理後の第2サブ光調整薄膜32’をエッチングして、第2サブ光調整層32を形成する。
【0143】
別の幾つかの実施例において、光調整層は、1層の薄膜で構成された構造である。
【0144】
図15に示すように、上記S300において、複数の発光素子が設けられたベースに光調整層を形成することは、S310b~S320bを含む。
【0145】
S310bでは、
図16の(a)に示すように、
複数の発光素子2の間の間隙内及び当該複数の発光素子2のベース1から離れた側に光調整薄膜3’を形成する。ベース1に対して、光調整薄膜3’のベース1から離れた表面は、複数の発光素子2のベース1から離れた表面よりも高い。光調整薄膜3’は、光吸収材料を含む。
【0146】
例示的に、光調整薄膜3’を形成する工程は、ディスペンス工程、スプレー工程、ラインコーティング工程、及び3D印刷工程のうちのいずれかを含む。
【0147】
S320bでは、
図16の(b)に示すように、光調整薄膜3’を磨いて光調整薄膜3’の厚みを減少させて、光調整層3を形成する。
【0148】
例示的に、ベースに対して、形成された光調整層3のベース1から離れた表面Pは、発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも0μm~50μm高い。形成された光調整層3のベース1から離れた表面Pが発光素子2のベース1から離れた表面Qよりも0μm高い場合、両者は同一のレベルにある。
【0149】
ここで、S310bの後、S320bの前に、複数の発光素子が設けられたベースに光調整層を形成することは、光調整薄膜3’をベーク処理することをさらに含み、これにより、光調整薄膜3’を液体状態から固体状態に変換させ、光調整薄膜3’のベース1から離れた表面を容易に磨くことができる。
【0150】
上記の磨くは、研磨工程を採用することができる。これにより、形成された光調整層3のベース1から離れた表面Pをよりフラットにする(例えば当該表面の変動範囲を-5μm~5μmにする)ことができ、製造された表示基板の表示ムラの発生を回避することができる。
【0151】
また、さらに別の幾つかの実施例において、光調整層が1層の薄膜で構成された構造である場合、複数の発光素子が設けられたベースに光調整層を形成することは、複数の発光素子の間隙内に光調整薄膜を形成し、当該光調整薄膜をベーク処理し、光調整層を形成することを含む。光調整層のベースから離れた表面は、当該複数の発光素子のベースから離れた表面と同一のレベルにあるか、又は当該複数の発光素子のベースから離れた表面よりも低い。
【0152】
ここで、光調整薄膜を形成する工程は、ディスペンス工程、スプレー工程、ラインコーティング工程、3D印刷工程、フォトリソグラフィ工程、及び射出成形工程のうちのいずれか一つを含むことができる。上記ベーク処理の温度範囲は140℃~160℃であってよく、ベーク処理の時間範囲は1時間~2時間であってよい。
【0153】
本開示の幾つかの実施例は、表示装置200を提供する。
図17に示すように、当該表示装置200は、上記幾つかの実施例で提供される表示基板100を含む。
【0154】
上記表示装置200に含まれる表示基板100は、上記幾つかの実施例で提供される表示基板100と同様の構造を有し、同様の効果を奏するものであるため、ここではその説明を省略する。
【0155】
幾つかの実施例において、上記表示装置200は、電子ペーパー、携帯電話、タブレット、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーションなどの表示機能を有する任意の製品又は部品である。
【0156】
上記は本開示の具体的な実施形態に過ぎないが、本開示の範囲はこれに限定されず、本開示の技術的範囲内で当業者であれば容易に想到できる変形又は置換は、すべて本開示の技術的範囲内に包含するものである。したがって、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に準ずるものとする。