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特許7565307衛生条件下での缶の充填および閉鎖のためのプラント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】衛生条件下での缶の充填および閉鎖のためのプラント
(51)【国際特許分類】
   B67C 7/00 20060101AFI20241003BHJP
   B67C 3/20 20060101ALI20241003BHJP
   B65B 3/28 20060101ALI20241003BHJP
   B65B 3/30 20060101ALI20241003BHJP
   B21D 51/26 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B67C7/00
B67C3/20 A
B65B3/28
B65B3/30
B21D51/26 V
B21D51/26 W
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021577378
(86)(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-01
(86)【国際出願番号】 EP2020067776
(87)【国際公開番号】W WO2020260432
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】19182337.6
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521565109
【氏名又は名称】ハイゲンタイル・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HYGENTILE AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クンツマン,アンドレアス
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01468959(EP,A2)
【文献】特開2017-043370(JP,A)
【文献】特表2013-532618(JP,A)
【文献】特開2004-256164(JP,A)
【文献】特表2009-541166(JP,A)
【文献】特表2001-507659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67C 7/00
B67C 3/20
B65B 3/28
B65B 3/30
B21D 51/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生条件下で缶(2)を充填および密封するための機械(1)であって、衛生区画(3)と、蓋取り付け装置(7)と、材料を充填するための入口開口部(30)と、エアロック区画(4)とを備え、前記蓋取り付け装置(7)は前記衛生区画(3)内に配置され、前記入口開口部(30)は前記衛生区画(3)に形成されていることを特徴とし、前記機械は、通常の使用中、前記衛生区画(3)が1つまたは複数の缶(2)と共に前記機械(1)内で移動することができるように、各場合において前記1つまたは複数の缶(2)を前記衛生区画(3)に関連付けることができるように設計される、機械であって、
前記エアロック区画(4)は前記衛生区画(3)に配置され、
前記エアロック区画(4)は傾斜ベース(42)を備え、前記機械(1)の通常の使用中、排水開口部(43)が前記傾斜ベース(42)の最下点の領域に配置される、機械(1)。
【請求項2】
充填装置(8)が前記入口開口部(30)に形成されるか、または充填装置(8)を前記入口開口部(30)に導入することができることを特徴とする、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記充填装置(8)は、充填量を決定するための流量センサを備えることを特徴とする、請求項2に記載の機械。
【請求項4】
前記蓋取り付け装置(7)は、
- 蓋搬送装置(70)と、
- 押さえ装置(71)および/または巻締装置(72)と
を備えることを特徴とする、請求項2または3に記載の機械。
【請求項5】
蓋(21)は、前記蓋搬送装置(70)を用いて、前記エアロック区画(4)から前記衛生区画(3)への搬送経路上で搬送することができることを特徴とする、請求項4に記載の機械。
【請求項6】
1つまたは複数の入口および出口(40)が前記エアロック区画(4)に配置されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の機械。
【請求項7】
前記エアロック区画(4)は、洗浄装置(41)を備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の機械。
【請求項8】
前記衛生区画(3)の内部空間(31)に高圧または減圧を加えることができ、および/または不活性雰囲気を加えることができることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の機械。
【請求項9】
缶(2)を前記衛生区画(3)に完全にまたは部分的に導入することができることを特徴とし、後者の場合、少なくとも1つの密封要素(33)が、前記缶(2)に対して前記衛生区画(3)を密封するために前記衛生区画(3)に設けられる、請求項1~8のいずれか1項に記載の機械。
【請求項10】
蓋(20)を缶(2)に対して位置合わせするための蓋位置合わせ装置(9)は、前記衛生区画(3)に一体化されるか、または一体化することができることを特徴とし、前記蓋位置合わせ装置(9)は、
- 1つ以上のセンサと、
- 蓋回転装置および/または缶回転装置と
を備える、請求項1~9のいずれか1項に記載の機械。
【請求項11】
衛生条件下で、機械(1)を用いて缶(2)を充填および密封するための方法であって、以下:
a)エアロックを介して缶(2)を衛生区画(3)に挿入するステップと、
b)前記缶(2)を充填するステップと、
c)前記缶(2)に蓋(20)を取り付けるステップと、
d)エアロックを介して前記衛生区画(3)から前記缶(2)を取り外すステップと
を含み、
前記蓋(20)は、ステップb)の前、最中、または後に前記衛生区画(3)に導入され、
前記蓋(20)を導入する前記ステップは、以下:
- 缶蓋(20)をエアロック区画(4)に導入するステップと、
- 前記エアロック区画(4)内の前記缶蓋(20)を洗浄するステップと、
- エアロックを介して前記缶蓋(20)を前記衛生区画(3)に挿入するステップとを含む構成ステップを含む、方法。
【請求項12】
缶充填のための蓋取り付け装置(7)であって、
- 蓋搬送装置(70)と、
- 押さえ装置(71)および/または巻締装置(72)と
を備え、
前記蓋取り付け装置(7)は、衛生区画(3)内に導入することができることを特徴とし、前記蓋取り付け装置(7)は、機械(1)内で移動することができるように設計されている、蓋取り付け装置(7)であって、
通常の使用中、1つまたは複数の缶(2)を前記衛生区画(3)に関連付けることで、前記衛生区画(3)が前記1つまたは複数の缶(2)と共に前記機械(1)内で移動することができるように設計されている、蓋取り付け装置(7)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の事前特徴付け条項による衛生条件下で缶を充填および密封するための機械、方法、および蓋取り付け装置に関する。
【0002】
容器を充填および/または密封するための様々な機械が従来技術から知られている。機械の目的は、多数の容器を自動的に充填して密封することである。特定の要件は、できるだけ短時間で最も衛生的な条件下で缶を充填および密封することである。
【背景技術】
【0003】
ボトルまたは同様の容器に製品、特に飲料を無菌充填するための機械は、国際公開第2011/029609号から知られている。この目的のために、容器は、無菌空間を形成するハウジング内に導入される。ハウジングは、容器を充填するための装置と容器を密封するための装置の両方を備える。第1のステップにおいて、容器は対応する飲料で満たされ、次いで第2のステップにおいて、容器移送装置によって密封装置に移送される。この手順は、多くの時間を必要とし、対応する空間を無菌環境に変換するために多くの労力および高いコストを伴う。
【0004】
さらに、ハウジングを用いた処理中に飲料容器を囲む飲料容器を処理するための装置が無菌条件下に置かれることが、ドイツ特許出願公開第19739326号から知られている。この目的のために、輸送ベルト上に位置する飲料容器は、飲料容器が装置内に導入されるとき、無菌条件下で閉鎖空間を形成するゲートによって互いに分離される。この装置の欠点は、処理期間中搬送ベルトを停止させなければならないことである。
【0005】
容器を密封するための装置は、ドイツ特許出願公開第4424098号から知られている。搬送経路に沿った容器の移動中、容器口部の密封キャップは、処理ゾーンを形成するアクセスギャップが容器口部と密封キャップとの間に位置するように供給される。減菌処理は、密封プロセスの上流の容器口部の領域の処理ゾーンで行われる。この場合、容器の密封プロセスのみが無菌条件下で行われる。これは、充填プロセス中の全体としての滅菌の程度が特に高くなく、場合によっては充填材料の貯蔵寿命が長くないという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服する、缶を充填および密封するための機械を提供すること、特に、非常に短時間で最も衛生的な条件下で飲料缶を充填および密封する機械、方法、および蓋取り付け装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、独立請求項に記載の缶を充填および密封するための機械、方法、および蓋取り付け装置によって達成される。
【0008】
本発明によれば、衛生条件下で缶を充填および密封するための機械は、衛生区画、蓋取り付け装置、および充填材料用の入口開口部を備える。蓋取り付け装置は衛生区画に配置され、入口開口部は衛生区画に形成される。通常の使用中、各場合において1つまたは複数の缶を衛生区画に関連付けることができ、区画を1つまたは複数の缶と共に機械内で移動させることができる。
【0009】
これに関連して、缶を密封することは、少なくとも缶蓋を缶に取り付けることを意味すると理解される。蓋を缶上に保持することによって、または代替的に、現在の接合技術によって、好ましくは巻締によって缶蓋を缶に結合することによって、缶がさらなる処理のために密封されたままであることが保証される。
【0010】
この機械において充填され密閉される缶は、液体および/または固体充填材料で充填される缶である。それらは、好ましくは、液体充填材料、特に飲料で充填された飲料缶である。
【0011】
衛生区画は、ここでは、環境に閉鎖され、衛生条件下にある空間を意味すると理解される。衛生条件は、ここでは、VDMA(第2/2000号、第3版、2016年)によって分類される少なくとも衛生クラスIに対応するが、好ましくはVDMA(第2/2000号、第3版、2016年)によって分類される衛生クラスIII以上に対応する条件を意味すると理解される。
【0012】
あるいは、蓋取り付け装置は、衛生区画の完全にまたは部分的に外側に形成することができる。
【0013】
本機械の利点は、缶の充填材料が長い貯蔵寿命を有し、同時に非常に時間効率の良い方法で充填および密封が可能であるように、缶を充填および密封することにある。さらに、これらの状況下では、発泡および粉末状物質の場合でも充填および蓋の迅速な取り付けが達成され得るように、圧力条件を最適化することができる。最大65バール、好ましくは0~40バールの高圧が使用される。
【0014】
充填装置は入口開口部に形成されることが好ましく、または充填装置を入口開口部に導入することができる。
【0015】
これは、缶の輸送中に時間効率の良い方法で缶を充填および密封することができるという利点を有する。
【0016】
充填装置は、好ましくは、充填量を決定するための流量センサを備える。
充填量を決定するための流量センサの代替例は、充填材料の所定の充填レベルに達したときを識別する充填レベルセンサ、または所定の重量に達したときを決定する計量装置であり得る。
【0017】
そのような充填レベルセンサまたは示された代替形態の1つの利点は、常に同じ量の充填材料による缶の自動的かつ信頼性の高い充填が可能であることである。
【0018】
蓋取り付け装置は、好ましくは、蓋搬送装置と、押さえ装置と、巻締装置とを備える。しかしながら、蓋取り付け装置は、蓋搬送装置および押さえ装置、または蓋搬送装置および巻締装置を備えることもできる。
【0019】
蓋搬送装置は、ピックアップ機構を用いて蓋をピックアップし、蓋を缶に搬送する。ピックアップ機構は、吸引機構、磁気機構、あるいは蓋を移動させるガイドシステムであってもよい。
【0020】
あるいは、巻締装置は、衛生区画の完全にまたは部分的に外側に配置することができる。
【0021】
前記蓋取り付け装置の利点は、蓋が缶に自動的に供給され、その間に、蓋の洗浄または蓋の位置合わせなどの様々なプロセスを蓋に対して実行できるという事実にある。
【0022】
エアロック区画は、好ましくは衛生区画に配置される。
エアロック区画の利点は、缶を充填するプロセス中に、後の時点で缶に取り付けられる蓋を早期に準備することができることである。蓋の洗浄または位置合わせなどのプロセスを準備に含めることができる。
【0023】
蓋は、好ましくは、蓋搬送装置を用いて、エアロック区画から衛生区画への搬送経路上で搬送される。
【0024】
エアロック区画を介して蓋を搬送することは、蓋の洗浄、位置合わせなどの様々なプロセスを搬送中の蓋に対して実行できるという利点を有する。
【0025】
1つまたは複数の入口および出口は、好ましくは、エアロック区画に配置される。
1つまたは複数の入口および出口を有するエアロック区画は、一方ではエアロック区画を衛生区画に能動的に接続するために有利であるが、他方では装置または蓋をエアロック区画に導入することができるためにも有利である。
【0026】
エアロック区画は、好ましくは洗浄装置を備える。
ここで使用される洗浄装置は、蓋および/または区画および/またはその部品を部分的または完全に洗浄および消毒するために使用される。洗浄装置は、気体、液体、または固体の洗浄剤を導入することを含むことができ、または粒子放射もしくは電磁放射または機械装置を用いて機能することができる。機械装置は、ブラシ、スポンジ、スクレーパなどであり得る。
【0027】
エアロック区画内の洗浄装置の配置の利点は、蓋を洗浄して衛生環境に導入する準備をすることができる一方で、缶の充填を衛生区画内で同時に行うことができることである。これにより、処理時間が短くなる。
【0028】
エアロック区画は、好ましくは傾斜ベースを備える。ベースは、機械の通常の使用中、ベースの最下点に排水開口部をさらに備える。
【0029】
排水開口部は、エアロック区画の外部環境への洗浄剤の排出に役立つ。この目的のために、排水開口部は、外部環境から気密封止されなければならない。これは、例えば、サイフォン、バルブ、または空にされる容器などの装置によって行うことができる。ベースの最下点の領域では、排水開口部は、ベース内だけでなく、ベースの近くのエアロック区画の壁内にあってもよい。これは、壁の排水開口部で洗浄剤の蓄積が起こらず、排水開口部を通る遅延のない排水が可能である限り可能である。
【0030】
使用済み洗浄剤は、有利には、排水開口部によってエアロック区画から簡単かつ迅速に除去することができる。
【0031】
好ましくは、衛生区画の内部空間に高圧または減圧を加えることができ、および/または不活性雰囲気を加えることができる。
【0032】
このようにして、衛生条件下で缶の充填および密封の両方を行うことができ、充填材料の貯蔵寿命が延長されるように、衛生区画の内部空間内の細菌の数を減らすことができる。細菌の数は、例えば、衛生区画内に配置された洗浄装置によって減少させることができ、その後、細菌の数が再び上昇するのを高圧または減圧および/または不活性雰囲気によって防止する。洗浄装置は、気体、液体、または固体の洗浄剤、粒子放射もしくは電磁放射、または機械装置を含むことができる。機械装置は、ブラシ、スポンジ、スクレーパなどであり得る。
【0033】
缶は、好ましくは、衛生区画に完全にまたは部分的に導入することができる。部分的にのみ導入される場合、缶に対して衛生区画を密封するために、少なくとも1つの密封要素が衛生区画に配置される。
【0034】
利点は、衛生区画の設計を個々の要件に適合させることができることである。
蓋位置合わせ装置は、好ましくは、蓋を缶に対して位置合わせするように機能する衛生区画に一体化されているか、または一体化することができる。蓋位置合わせ装置は、1つまたは複数のセンサおよび蓋回転装置、あるいは1つまたは複数のセンサおよび缶回転装置を備える。しかしながら、蓋位置合わせ装置は、1つ以上のセンサと、蓋回転装置と、缶回転装置とを備えることもできる。
【0035】
センサは、缶または缶蓋上のマーカを検出する光学または機械的センサとすることができる。マーカは、色、テキスト、形状、コード、画像、表面突起、または缶開封装置などの装置であり得る。センサによってマーカが検出された場合、蓋回転装置は、所定の外観が得られるまで、制御システムによって蓋および/または缶の対応する回転を行うことができる。
【0036】
一体化されたまたは一体化可能な蓋位置合わせ装置の利点は、蓋と缶との間の位置合わせにあり、すべての密封された缶について均一な外観が得られるように、充填プロセス中に行うことができる。この装置を用いて余分なプロセスステップを節約することができ、プロセス時間およびプロセスコストが削減される。
【0037】
この目的は、衛生条件下で缶を充填および密封する方法、特に上述の機械によってさらに達成される。
【0038】
本方法は、以下のステップを含む。
a)エアロックを介して缶を衛生区画に挿入するステップ、
b)缶を充填するステップ、
c)缶に蓋を取り付けるステップ、
d)エアロックを介して衛生区画から缶を取り外すステップ。
【0039】
したがって、蓋は、ステップb)の前、最中、または後に衛生区画に導入することができる。
【0040】
蓋がステップb)の前に衛生区画に導入される場合、蓋は、缶が衛生区画に導入される前、導入中、または導入後に、缶とは別個に衛生区画に導入することができるか、または、例えば缶に取り付けることによって、缶と一緒に衛生区画に導入することができる。
【0041】
この方法の利点は、非常に時間効率の良い方法で衛生条件下で缶を充填および密封することを可能にすることである。
【0042】
本方法において、蓋を導入するステップは、好ましくは、以下の構成ステップを含む。
- 缶蓋をエアロック区画に導入するステップ、
- エアロック区画内の缶蓋を洗浄するステップ、
- エアロックを介して缶蓋を衛生区画に挿入するステップ。
【0043】
この方法の利点は、缶の充填プロセスと並行して缶を衛生的に密封するために缶蓋が準備されることである。その結果、時間および費用を節約することができる。
【0044】
この目的は、缶充填のための蓋取り付け装置によってさらに達成される。蓋取り付け装置は、蓋搬送装置と、押さえ装置と、巻締装置とを備える。しかしながら、蓋取り付け装置は、蓋搬送装置および押さえ装置、または蓋搬送装置および巻締装置をさらに備えることもできる。蓋取り付け装置は、衛生区画に導入することができることを特徴とする。それはさらに、衛生条件下で缶を充填し密封するための機械に導入できるように設計されている。同時に、機械内に位置する缶が移動するときに移動することができる。
【0045】
蓋取り付け装置の利点は、既存の缶充填機に導入できることである。結果として、缶を充填する機械は、衛生的条件下で缶蓋を缶に追加的に取り付ける機械を形成するようにアップグレードすることができ、装備状況に応じて、缶も同時に密封する。ここで時間と費用が節約される。
【0046】
本発明は、図面の例示的な実施形態を用いて以下でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】第1の実施形態における機械の概略図を示す。
図2】充填装置の一実施形態の概略図を示す。
図3a】第1の実施形態における衛生区画の概略図を示す。
図3b】第2の実施形態における衛生区画の概略図を示す。
図3c】第3の実施形態における衛生区画の概略図を示す。
図4】衛生区画の一実施形態に組み込まれた計量装置の概略図を示す。
図5a】第1の実施形態における蓋取り付け装置の概略図を示す。
図5b】第2の実施形態における蓋取り付け装置の概略図を示す。
図5c】蓋搬送プロセスおよび蓋密封プロセスの概略図を示す。
図5d】巻締装置の側面図の概略図を示す。
図6a】エアロック区画の第1の実施形態の概略図を示す。
図6b】エアロック区画の第2の実施形態の概略図を示す。
図7】蓋位置合わせプロセスの概略図を示す。
図8】第4の実施形態における衛生区画の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1に示す機械1は、缶2を自動的に充填して密封する役割を果たす。機械1は、半径方向搬送経路5上を移動する衛生区画3およびエアロック区画4を備える。各缶2は、位置Aにある搬送装置6によってそれぞれの衛生区画3に移送され、移動方向bに搬送経路5に沿って移動される。エアロック区画4は、衛生区画3に配置されている。エアロック区画4は缶蓋20を含み、缶蓋20は、充填された缶2を密封するために、缶2が充填された後に衛生区画3に導入される。位置Bにおいて、充填および密封された缶2は、衛生区画3および搬送経路5から出る。
【0049】
図2は、缶2を充填するための充填装置8を示す。充填装置8は、外壁80に一体化された充填材料ライン81と、ガスライン82と、ジョイントまたはヒンジの形態の折り畳み機構83とを備える。充填装置8の内部空間84には、蓋取り付け装置7と、蓋取り付け装置7に配置された缶蓋20とが配置されている。充填材料は、充填材料ライン81を介して缶2内に供給することができ、缶の内部は、ガスライン82によってガスを供給することによって充填前、充填中、または充填後にガス化することができる。外壁80は、折り畳み機構83を用いて部分的に外側に折り畳むことができる。缶蓋20は、作成された開口部を介して蓋取り付け装置7によって缶壁21に取り付けることができる。
【0050】
図3a、図3b、および図3cは、衛生区画3の異なる実施形態を示す。
図3aは、充填装置8および密封要素33を備える衛生区画3を示す。衛生区画3の壁32には、エアロック区画4が配置されている。密封要素33は、環境に対して衛生区画3の内部空間31を密封する。
【0051】
図3bは、蓋取り付け装置7と、回転機構36と、密封要素33とを備える区画3の実施形態を示す。蓋取り付け装置7は、衛生区画3の内部空間31に配置され、回転機構36は、衛生区画の壁32に一体化されている。缶2は、回転機構36によって区画3に対して衛生区画3の内部空間31内で回転させることができ、巻締装置72(図3bには示されていない巻締装置72)を適用することによって、回転可能な蓋取り付け装置7によって保持された蓋20に巻き締めることができる。蓋取り付け装置7は、巻き締め前に缶蓋20を缶壁21に取り付ける。
【0052】
図3cは、充填装置8と、蓋取り付け装置7と、密封要素33とを備える衛生区画3を示す。衛生区画3の壁32には、エアロック区画4が配置されている。巻締装置72は、エアロック区画4に一体化されている。缶蓋20は、蓋取り付け装置7によって缶壁21に取り付けることができる。缶2の密封は、巻締装置72を用いて行われる。これにより、密封要素33が缶2から除去され、蓋20および缶2が回転し、巻締装置72が蓋20および缶2に当接する。
【0053】
計量装置35が図4に示されている。計量装置35は、衛生区画3の内部空間31に一体化され、充填材料の充填量を決定する役割を果たす。
【0054】
図5a、図5b、図5cは、蓋取り付け装置7の異なる実施形態を示す。
図5aは、蓋取り付け装置7による缶2への蓋20の搬送を示す。第1のステップにおいて、蓋20は、保持機構によって蓋取り付け装置7によってピックアップされる。第2のステップにおいて、蓋取り付け装置7は、蓋20を缶2上に搬送し、蓋が缶2上に位置するまで蓋を下方に移動させる。蓋を缶上に下降させる代わりに、蓋が缶上に位置するまで缶を蓋まで持ち上げることもできる。
【0055】
図5bは、蓋搬送装置70および押さえ装置71を備える蓋取り付け装置7による缶2上の蓋20の搬送および保持を示す。第1のステップにおいて、蓋20は、保持機構によって蓋取り付け装置7によってピックアップされる。第2のステップにおいて、蓋搬送装置70は、蓋20を缶2上に搬送し、蓋が缶2上に位置するまで蓋を下方に移動させる。蓋を缶上に下降させる代わりに、蓋が缶上に位置するまで缶を蓋まで持ち上げることもできる。第3のステップにおいて、蓋を保持する押さえ装置71が、蓋搬送装置70から分離される。
【0056】
図5cは、蓋取り付け装置7による蓋20への缶2の密封を示す。蓋取り付け装置7は、蓋搬送装置70および巻締装置72を備える。蓋20は、最初に保持機構によって蓋搬送装置70によってピックアップされる。次いで、蓋搬送装置70は、蓋20を缶2上に搬送し、蓋が缶2上に位置するまで蓋を下方に移動させる。蓋を缶上に下降させる代わりに、蓋が缶上に位置するまで缶を蓋まで持ち上げることもできる。蓋搬送装置70は、蓋20を解放し、再び上方に移動する。さらなるステップにおいて、缶2は、巻締装置72を用いて蓋2に密封される。
【0057】
図5a、図5b、および図5cの保持機構は、例えば、吸引機構または磁気式であり得る。
【0058】
図5dは、巻締装置72および蓋搬送装置70を示す。巻締装置72は、2つの回転可能な巻締ツールを備え、これにより、缶2およびその取り付けられた蓋20に対して第1および第2の巻締動作を実行することができる。蓋搬送装置70は、蓋20を2つの巻締ツールの間に位置する缶2に搬送する。
【0059】
図6aおよび図6bは、エアロック区画4の異なる実施形態を示す。
図6aは、蓋取り付け装置7および洗浄装置41を備えるエアロック区画4を示す。蓋取り付け装置7は、エアロック区画4の上部領域44に配置され、洗浄装置41は、エアロック区画4の傾斜ベース42に一体化されている。排水開口部43もベース42に一体化されている。エアロック区画4は、プッシャ機構によって衛生区画3の内部空間31内に移動することができる。
【0060】
図6bは、蓋取り付け装置7および洗浄装置41を備えるエアロック区画4を示す。蓋取り付け装置7は、エアロック区画4の上部領域44に配置され、洗浄装置41は、エアロック区画4のベース42に一体化されている。排水開口部43は、ベース42に近い衛生区画の壁45に一体化されている。エアロック区画4は、プッシャ機構によって衛生区画3の内部空間31内に移動することができる。
【0061】
図6aおよび図6bの洗浄装置41は、例えば、放射線源または洗浄剤であってもよい。
【0062】
図7は、開口タブの形態の蓋マーカ22を有する缶蓋2を示す。蓋マーカ22は、衛生区画3へのその進入前、進入中、または進入後に、回転運動によって所望の位置にもたらされる。
【0063】
図8は、外壁80に2つの対向する開口部を有する衛生区画3を示す。充填材料ライン81を一方の開口部に一体化することができ、衛生区画3の内部空間31に面する端部で開口する缶2を他方の開口部に導入することができる。衛生区画3の内壁には、蓋搬送装置70が配置されている。蓋搬送装置70は、缶蓋20をピックアップし、それが缶2の開口部を越えるまで衛生区画3の内壁に沿って移動することができる。蓋搬送装置70は、缶2の開口部を越えて、蓋20を下方に移動させ、それを缶2に置く。缶蓋20を缶2に密封する巻締装置72は、缶2を導入するための開口部に隣接して衛生区画3の外壁80に配置される。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図7
図8