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特許7565318パワーデバイス用の窒化ガリウムエピタキシャル構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】パワーデバイス用の窒化ガリウムエピタキシャル構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/20 20060101AFI20241003BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20241003BHJP
   H01L 21/338 20060101ALI20241003BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20241003BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20241003BHJP
   C30B 29/38 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01L21/20
H01L21/205
H01L29/80 H
C30B29/38 D
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022110889
(22)【出願日】2022-07-11
(62)【分割の表示】P 2019538435の分割
【原出願日】2018-01-10
(65)【公開番号】P2022165964
(43)【公開日】2022-11-01
【審査請求日】2022-08-09
(31)【優先権主張番号】62/447,857
(32)【優先日】2017-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/591,016
(32)【優先日】2017-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/864,977
(32)【優先日】2018-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518137335
【氏名又は名称】クロミス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(72)【発明者】
【氏名】オドノブリュードフ,ウラジミール
(72)【発明者】
【氏名】レスター,スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】アクタス,オズギュル
【審査官】桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0147772(US,A1)
【文献】特表2009-536606(JP,A)
【文献】特開2013-069935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/20
H01L 21/205
H01L 21/338
C30B 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板熱膨張係数を有する加工基板であって、前記加工基板は、
多結晶セラミックコアと、
前記多結晶セラミックコアを封入するバリア層と、
前記バリア層に結合された酸化シリコン層と、
前記酸化シリコン層に結合された単結晶シリコン層と、を含む、加工基板と、
前記単結晶シリコン層に結合されたバッファ層と、
前記バッファ層に結合された窒化シリコン部分層と、
前記窒化シリコン部分層上に形成されたエピタキシャル層であって、前記基板熱膨張係数と実質的に等しいエピタキシャル熱膨張係数によって特徴付けられるエピタキシャル層と、
を含む、エピタキシャル半導体構造。
【請求項2】
前記窒化シリコン部分層が窒化シリコンの部分単分子層を含む、請求項1に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項3】
前記エピタキシャル層が窒化ガリウム(GaN)を含む、請求項1に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項4】
前記エピタキシャル層に結合された1つまたは複数のドープされたGaN層をさらに備える、請求項3に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項5】
前記1つまたは複数のドープされたGaN層のドーピング密度が意図的なドーピングに関連する、請求項4に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項6】
前記1つまたは複数のドープされたGaN層がn型GaN層を含む、請求項4に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項7】
前記n型GaN層がシリコンを含む、請求項6に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項8】
前記1つまたは複数のドープされたGaN層がp型GaN層を含む、請求項4に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項9】
前記エピタキシャル層に結合された少なくとも1つの非ドープのGaN層をさらに備える、請求項4に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項10】
前記少なくとも1つの非ドープのGaN層のドーピング密度が1×1016cm-3の程度である、請求項9に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項11】
前記少なくとも1つの非ドープのGaN層のドーピング密度が1×1016cm-3未満である、請求項10に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項12】
前記エピタキシャル層に結合された追加の窒化シリコン部分層をさらに備える、請求項3に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項13】
前記窒化シリコン部分層が複数の窒化シリコンの部分単分子層を含む、請求項3に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項14】
基板熱膨張係数によって特徴付けられる加工基板であって、
多結晶セラミックコアと、
前記多結晶セラミックコアを封入するバリア層と、
前記バリア層に結合された酸化シリコン層と、
前記酸化シリコン層に結合された単結晶シリコン層と、を含む、加工基板と、
前記単結晶シリコン層に結合されたバッファ層と、
前記バッファ層に結合された窒化シリコン部分層と、
前記窒化シリコン部分層上に形成された窒化ガリウム(GaN)エピタキシャル層であって、前記基板熱膨張係数と実質的に等しいエピタキシャル熱膨張係数によって特徴付けられる窒化ガリウム(GaN)エピタキシャル層と、
を含む、エピタキシャル半導体構造。
【請求項15】
前記GaNエピタキシャル層に結合された1つまたは複数のドープされたGaN層をさらに備え、前記1つまたは複数のドープされたGaN層が1×1016cm-3より大きいドーピング密度によって特徴付けられる、請求項14に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項16】
前記1つまたは複数のドープされたGaN層の各々は、
1×1016cm-3より大きいドーピング密度によって特徴付けられるドープされたGaN層と、
前記ドープされたGaN層に結合された非ドープのGaN層であって、1×1016cm-3未満のドーピング密度によって特徴付けられる非ドープのGaN層と、
を含むエピタキシャル層のセットのうちの1つを形成する、請求項15に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項17】
前記1つまたは複数のドープされたGaN層が、n型GaN層およびp型GaN層を含む、請求項15に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項18】
前記n型GaN層と前記p型GaN層との間に配置された非ドープのGaN層をさらに備え、前記非ドープのGaN層は、1×1016cm-3の程度のドーピング密度によって特徴付けられる、請求項17に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項19】
前記窒化シリコン部分層が窒化シリコンの部分単分子層を含む、請求項14に記載のエピタキシャル半導体構造。
【請求項20】
前記GaNエピタキシャル層に結合された追加の窒化シリコン部分層をさらに備える、請求項14に記載のエピタキシャル半導体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]関連出願の相互参照
本出願は、2017年1月18日に出願された米国仮特許出願第62/447,857号、2017年11月27日に出願された米国仮特許出願第62/591,016号、および2018年1月8日に出願された米国非仮特許出願第15/864,977号の利益を主張し、上記の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]窒化ガリウム系パワーデバイスは通常、サファイア基板上にエピタキシャル成長される。サファイア基板上への窒化ガリウム系パワーデバイスの成長は、基板とエピタキシャル層が異なる材料で構成されているため、ヘテロエピタキシャル成長プロセスである。ヘテロエピタキシャル成長プロセスに起因して、エピタキシャル成長材料は、エピタキシャル層の電子的/光学的特性に関連する均一性の低下およびメトリックの低下を含む様々な悪影響を示す可能性がある。したがって、エピタキシャル成長プロセスおよび基板構造に関連する改良された方法およびシステムに対する技術的な必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]本発明のいくつかの実施形態によれば、基板熱膨張係数を有する加工基板上に多層デバイスを作製するための方法は、加工基板上にバッファ層を成長させるステップと、バッファ層上に第1のエピタキシャル層を成長させるステップと、を含む。第1のエピタキシャル層は、基板熱膨張係数と実質的に等しいエピタキシャル熱膨張係数によって特徴付けられる。
【0004】
[0004]本発明のいくつかの他の実施形態によれば、基板熱膨張係数を有する加工基板上に多層デバイスを作製するための方法は、加工基板上にバッファ層を成長させるステップと、バッファ層上に1つまたは複数のエピタキシャル層を成長させるステップと、を含む。1つまたは複数のエピタキシャル層のうちの少なくとも1つは、基板熱膨張係数と実質的に等しいエピタキシャル熱膨張係数によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のエピタキシャル層は、非ドープのGaN層とドープされたGaN層とが交互になる超格子を含むことができる。ドープされたGaN層は、炭素がドープされたGaN(C-GaN)または鉄がドープされたGaN(Fe-GaN)を含むことができる。本方法は、超格子に結合された非ドープのGaN層を成長させるステップと、非ドープのGaN層に結合された第1のエピタキシャル層を成長させるステップと、をさらに含むことができる。第1のエピタキシャル層は、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)または窒化インジウムアルミニウム(InAlN)を含むことができる。非ドープのGaN層と第1のエピタキシャル層との間の界面は、高電子移動度トランジスタ(HEMT)の伝導チャネルを形成することができる。加工基板は、多結晶セラミックコアと、多結晶セラミックコアを封入するバリア層と、バリア層に結合された接合層と、接合層に結合された実質的に単結晶のシリコン層と、を含むことができる。バッファ層は、AlN、AlGaN、またはAlN/AlGaNのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0005】
[0005]本発明のいくつかの他の実施形態によれば、基板熱膨張係数を有する加工基板上に多層デバイスを作製するための方法は、加工基板上にバッファ層を成長させるステップと、バッファ層に結合された第1のエピタキシャル層を成長させるステップと、を含む。第1のエピタキシャル層は、基板熱膨張係数と実質的に等しいエピタキシャル熱膨張係数によって特徴付けられる。本方法は、第1のエピタキシャル層に結合された窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)バックバリア層を成長させるステップと、AlGaNバックバリア層に結合された非ドープの窒化ガリウム(GaN)層を成長させるステップと、非ドープのGaN層に結合されたバリア層を成長させるステップと、をさらに含む。
【0006】
[0006]いくつかのさらなる実施形態によれば、エピタキシャル半導体構造は、基板熱膨張係数を有する加工基板と、加工基板上に形成されたバッファ層と、バッファ層上に形成された第1のエピタキシャル層と、を含む。第1のエピタキシャル層は、基板熱膨張係数と実質的に等しいエピタキシャル熱膨張係数によって特徴付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態による加工基板構造上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。
図2】本発明の別の実施形態による加工基板構造上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。
図3】本発明の一実施形態による裏面コンタクトを有する加工基板構造上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。
図4】本発明の一実施形態による前面コンタクトを有する加工基板構造上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。
図5】本発明の一実施形態による加工基板構造上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。
図6】本発明の別の実施形態による加工基板構造上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。
図7】本発明のさらなる実施形態による加工基板構造上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。
図8】本発明のいくつかの他の実施形態による加工基板構造上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。
図9A】いくつかの実施形態による、AlGaNバックバリア層を有しないHEMTの例示的な伝導帯図である。
図9B】いくつかの他の実施形態による、AlGaNバックバリア層を有するHEMTの例示的な伝導帯図である。
図10】本発明の一実施形態によるパワーデバイスの製造に使用するのに適した基板構造を示す簡略化した概略断面図である。
図11】本発明の一実施形態による加工基板構造を示す簡略化した概略断面図である。
図12】本発明のいくつかの実施形態による加工基板構造を示す簡略化した概略図である。
図13】本発明のいくつかの他の実施形態による加工基板構造を示す簡略化した概略図である。
図14】本発明のいくつかのさらなる実施形態による加工基板構造を示す簡略化した概略図である。
図15】本発明のいくつかの実施形態による加工基板を製造する方法を示す簡略化したフローチャートである。
図16】本発明のいくつかの実施形態による、加工基板上に多層デバイスを作製するための方法を示す簡略化したフローチャートである。
図17】本発明のいくつかの他の実施形態による、加工基板上に多層デバイスを作製するための方法を示す簡略化したフローチャートである。
図18】本発明のいくつかのさらなる実施形態による、加工基板上に多層デバイスを作製するための方法を示す簡略化したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0026]本発明は、一般的には、加工基板上に形成されたパワーデバイスに関する。より具体的には、本発明は、エピタキシャル成長プロセスを用いてパワーデバイスを製造するのに適した方法およびシステムに関する。ほんの一例として、本発明は、エピタキシャル成長によって基板上にパワーデバイスを製造するための方法およびシステムに適用され、基板は、パワーデバイスを形成するエピタキシャル層と実質的に一致する熱膨張率(CTE)によって特徴付けられる。本方法および技術は、様々な半導体プロセス工程に適用することができる。
【0009】
[0027]図1は、本発明の一実施形態による加工基板構造102上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。加工基板構造102は、その上に形成された薄いシリコン(Si)層120を有するセラミック基板110を含むことができる。シリコン層120は、その後のエピタキシャル成長のための表面を提供することができる。セラミック基板110は、1つまたは複数の後続のエピタキシャル層のCTEと実質的に一致するCTEを有することができる。
【0010】
[0028]バッファ層130は、Si層120上にエピタキシャルに形成することができる。バッファ層130は、1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実施形態では、バッファ層130は比較的薄く、例えば厚さが0.5ミクロン未満であってもよい。バッファ層130は、例えば、厚さ約0.2μmのAlN、厚さ約0.125μmのAl0.25Ga0.75N、またはそれらの組み合わせなどを含むことができる。比較的薄いアルミニウム含有バッファ層(例えば、0.2μmAlN/0.125μmAl0.25Ga0.75N)は、シリコン基板を使用して製造することができない大直径基板上に8ミクロンを超えるGaNエピタキシを支持することができる。
【0011】
[0029]バッファ層130上にGaNエピタキシャル層140を形成することができる。いくつかの実施形態では、GaNエピタキシャル層140は、高耐圧のために8μmを超える厚さを有することができる。例えば、その後にGaNエピタキシャル層140上に形成されたパワーデバイスにおいて、500Vまたは600Vを超える降伏電圧を達成することができる。図1に示すように、GaNエピタキシャル層140は、ドープされたGaNエピタキシャル層142および伝導チャネル150の下(例えば真下)の非ドープのGaNエピタキシャル層144を含むことができる。ドープされたGaNエピタキシャル層142は、5μm以上の厚さを有することができる。ドープされたGaNエピタキシャル層142は、いくつかの実施形態では、高抵抗を提供するためにCまたはFeがドープされたGaNを含むことができる。本明細書でより十分に説明されるように、C-GaNまたはFe-GaN層などの低導電率層を形成することができるが、これらは、炭素または鉄がバックグラウンドの不純物を補償するか、またはディープセンターを提供するので、1×1012cm-3程度のバックグラウンドドーピングレベル(自由キャリア密度)を有してもよい。
【0012】
[0030]本明細書ではGaN層について説明するが、本発明はGaNに限定されず、AlGaN、InGaN、InAlGaN、それらの組み合わせなどを含む他のIII-V族材料を利用することができる。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0013】
[0031]AlGaNまたはInAlN層160をバリア層としてGaNエピタキシャル層140上に形成することができる。AlGaN/GaN界面は、ヘテロ界面での分極誘起電荷により、2次元電子ガス(2DEG)を生じさせることができる。2次元電子ガスは、高電子移動度トランジスタ(HEMT)パワーデバイスの伝導チャネル150を形成する。
【0014】
[0032]いくつかの実施形態では、エンハンスメントモードデバイスを製造するのに適切な、任意の非ドープのまたはp型GaNキャップ層170をAlGaNまたはInAlN層160上に形成することができる。
【0015】
[0033]セラミック基板110は、GaNエピタキシャル層のCTEと実質的に一致するCTEを有することができるので、比較的薄い(例えば、0.5μm未満)バッファ層130は、比較的厚い(例えば、5μm超)GaNエピタキシャル層140を支持することができる。
【0016】
[0034]図2は、本発明の一実施形態による加工基板構造202上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。加工基板構造202は、その上に形成された薄いシリコンゲルマニウム(SiGe)層220を有するセラミック基板110を含むことができる。シリコンゲルマニウム層220は、後続のエピタキシャル成長のための格子整合表面を提供することができる。セラミック基板110は、後続のエピタキシャル層のCTEと実質的に一致するCTEを有することができる。SiGe層220は、Si層(図示せず)上にエピタキシャル成長させることができ、または(例えば、ドナー基板をその上に形成されたSiGe層とセラミック基板とを結合させることによって)ドナー基板から転写することができる。
【0017】
[0035]バッファ層130は、SiGe層220上にエピタキシャルに形成することができる。バッファ層130は、1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実施形態では、バッファ層130は比較的薄く、例えば厚さが0.5ミクロン未満であってもよい。バッファ層130は、例えば、厚さ約0.2μmのAlN、厚さ約0.125μmのAl0.25Ga0.75N、またはそれらの組み合わせなどを含むことができる。比較的薄いアルミニウム含有バッファ層130(例えば、0.2μmAlN/0.125μmAl0.25Ga0.75N)は、シリコン基板を使用して製造することができない大直径基板上に8ミクロンを超えるGaNエピタキシを支持することができる。
【0018】
[0036]バッファ層130上にGaNエピタキシャル層140を形成することができる。いくつかの実施形態では、GaNエピタキシャル層140は、高耐圧のために8μmを超える厚さを有することができる。例えば、その後にGaNエピタキシャル層上に形成されたパワーデバイスにおいて、500Vまたは600Vを超える降伏電圧を達成することができる。図2に示すように、GaNエピタキシャル層は、例えば、5μmのドープされたエピタキシャル層142と、伝導チャネル150の下(例えば、真下)の非ドープのGaN層144と、を含むことができる。ドープされたエピタキシャル層142は、いくつかの実施形態では、CまたはFeがドープされたGaNを含むことができる。本明細書ではGaN層について説明するが、本発明はGaNに限定されず、AlGaN、InGaN、InAlGaN、それらの組み合わせなどを含む他のIII-V族材料を利用することができる。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0019】
[0037]AlGaNまたはInAlN層160をバリア層としてGaNエピタキシャル層140上に形成することができる。AlGaN/GaN界面は、ヘテロ界面での分極誘起電荷により、2次元電子ガス(2DEG)を生じさせることができる。2次元電子ガスは、高電子移動度トランジスタ(HEMT)パワーデバイスの伝導チャネル150を形成する。
【0020】
[0038]いくつかの実施形態では、エンハンスメントモードデバイスを製造するのに適切な、任意の非ドープのまたはp型GaNキャップ層170をAlGaNまたはInAlN層160上に形成することができる。
【0021】
[0039]図3は、本発明の一実施形態による加工基板構造102上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。加工基板構造102は、その上に形成された薄いSi層120を有するセラミック基板110を含むことができる。Si層120は、その後のエピタキシャル成長のための表面を提供することができる。セラミック基板110は、後続のエピタキシャル層のCTEと実質的に一致するCTEを有することができる。
【0022】
[0040]パワーデバイスは、図1に示すパワーデバイスと実質的に同様に、Si層120上にエピタキシャル形成されたバッファ層130、バッファ層130上に形成されたGaNエピタキシャル層140、およびGaNエピタキシャル層140上に形成されたAlGaNまたはInAlNバリア層160をさらに含むことができる。GaNエピタキシャル層140は、5μmのドープされたエピタキシャル層142と、伝導チャネル150の下(例えば真下)の非ドープのGaN層144と、を含むことができる。GaNエピタキシャル層140はまた、(例えば、図4に示すように)ドープされたエピタキシャル層の下に1つまたは複数の導電性エピタキシャル層を含むことができる。
【0023】
[0041]パワーデバイスは、セラミック基板110を貫通して形成されたSi層120またはGaNエピタキシャル層140への電気コンタクト310をさらに含むことができる。パワーデバイスの動作中に、いくらかの寄生電荷がSi層120および/またはバッファ層130内に蓄積する可能性があり、その結果寄生容量が生じる。電気コンタクト310は、寄生電荷の除去を容易にすることができ、それによってパワーデバイスのより速いスイッチングを可能にする。
【0024】
[0042]図4は、本発明の一実施形態による加工基板構造102上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。加工基板構造102は、その上に形成された薄いシリコン(Si)層120を有するセラミック基板110を含むことができる。シリコン層120は、その後のエピタキシャル成長のための表面を提供することができる。セラミック基板110は、後続のエピタキシャル層のCTEと実質的に一致するCTEを有することができる。
【0025】
[0043]バッファ層130上にGaNエピタキシャル層140を形成することができる。いくつかの実施形態では、GaNエピタキシャル層140は、高耐圧のために8μmを超える厚さを有することができる。例えば、その後にGaNエピタキシャル層140上に形成されたパワーデバイスにおいて、500Vまたは600Vを超える降伏電圧を達成することができる。図4に示すように、GaNエピタキシャル層140は、例えば、導電性GaNエピタキシャル層420、ドープされたGaNエピタキシャル層142、および伝導チャネル150の下(例えば真下)の非ドープのGaN層144を含むことができる。ドープされたエピタキシャル層142は、いくつかの実施形態では、CまたはFeがドープされたGaNを含むことができる。本明細書ではGaN層について説明するが、本発明はGaNに限定されず、AlGaN、InGaN、InAlGaN、それらの組み合わせなどを含む他のIII-V族材料を利用することができる。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0026】
[0044]AlGaNまたはInAlN層160をバリア層としてGaNエピタキシャル層140上に形成することができる。AlGaN/GaN界面は、ヘテロ界面での分極誘起電荷により、2次元電子ガス(2DEG)を生じさせることができる。2次元電子ガスは、高電子移動度トランジスタ(HEMT)パワーデバイスの伝導チャネル150を形成する。
【0027】
[0045]いくつかの実施形態では、エンハンスメントモードデバイスを製造するのに適切な、任意の非ドープのまたはp型GaNキャップ層170をAlGaNまたはInAlN層160上に形成することができる。
【0028】
[0046]パワーデバイスは、パワーデバイスの前面を貫通して形成されたSi層120またはGaNエピタキシャル層140への電気コンタクト410をさらに含むことができる。図4は、電気コンタクトがGaNエピタキシャル層140を貫通してバッファ層130まで延在することを示しているが、いくつかの実施形態では、電気コンタクトはSi層120まで延在することができる。電気コンタクトは、AlGaNまたはInAlN層160およびGaNエピタキシャル層140に電気的に接続されないようにその側壁上で絶縁されてもよい。電気コンタクト410は、寄生電荷の除去を容易にすることができ、それによってパワーデバイスのより速いスイッチングを可能にする。
【0029】
[0047]図5は、本発明の別の実施形態による加工基板構造102上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。加工基板102は、その上に形成された薄いシリコン(Si)層120を有するセラミック基板110を含むことができる。シリコン層120は、単結晶層とすることができ、その後のエピタキシャル成長のための表面を提供することができる。セラミック基板110は、後続のエピタキシャル層のうちの1つまたは複数のCTEと実質的に一致するCTEを有することができる。
【0030】
[0048]図5に示すように、SiNの部分単層510を挿入して、3D成長に伴う転位の減少を促進することができる。加工基板102の使用は、多結晶セラミックコア基板110の使用により、エピタキシャル層内の圧縮応力の低減を可能にすることができる。図5に示すように、SiNの部分単層510は、転位密度を低減し、結晶品質を向上させるために、横方向過成長プロセスにおいて利用されるSiNアイランドを提供することができる。さらなる説明は、2015年4月21日に発行された米国特許第9,012,253号に提供されており、その開示はすべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
[0049]SiNの部分単層510は、バッファ層130の一部を覆うことができ、GaNエピタキシャル成長のための引張応力を提供することができる。SiNの部分単層510上のGaNの再成長は、SiNアイランド間の核生成およびSiNアイランド上の横方向過成長をもたらし、転位の終端および結晶品質の向上をもたらすことができる。本明細書ではSiNアイランドについて説明しているが、SiNストライプのアレイなどを含む他の部分層を利用することができる。さらに、SiNは単層として形成される必要はなく、単層よりも大きい所定の厚さを有してもよい。SiNに加えて、SiOなどを含む他の材料を横方向過成長プロセスにおいて利用することができる。
【0032】
[0050]いくつかの実施形態では、複数の部分単層が利用される。これらの実施形態では、第1の部分単層が形成され、第1の横方向過成長が行われ、第2の部分単層が形成され、第2の横方向過成長が行われ、単層/再成長構造が所定の回数繰り返されて、複数の中間層が得られる。横方向過成長層の厚さは、いくつかの実施形態では、例えば、0.5μmから2.5μmまで変化し得る。横方向過成長層が連続してより平坦になり、欠陥および/または転位の数が少ないことを特徴とするので、部分単層510は、後続の横方向過成長層の表面を改善することができ、これによって、特定の用途に応じて厚さを増減することができる。
【0033】
[0051]いくつかの実施形態では、SiNの部分単層510上に形成された導電性エピタキシャル層420は、総エピタキシャル構造の要素として高抵抗層を提供する設計において、1×1016cm-3程度の低いドーピング密度を特徴とする非ドープのGaN(u-GaN)であってもよい。
【0034】
[0052]図6は、本発明の別の実施形態による加工基板構造102上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。加工基板102は、その上に形成された薄いシリコン(Si)層120を有するセラミック基板110を含むことができる。単結晶層とすることができるシリコン層120は、その後のエピタキシャル成長のための表面を提供する。セラミック基板110は、後続のエピタキシャル層のうちの1つまたは複数のCTEと実質的に一致するCTEを有することができる。
【0035】
[0053]図6に示すように、所定のアルミニウムモル分率(x)を有するAlGa1-xNエピタキシャル層640が、バッファ層130からチャネル150の下の非ドープのGaN層144まで延在する。アルミニウムのモル分率は、所望のキャリア閉じ込めを提供するために低く、例えば10%未満であってもよい。他の実施形態では、アルミニウムのモル分率は10%~30%の範囲であってもよい。AlGa1-xNエピタキシャル層640は、絶縁層またはブロッキング層として機能し得るこのエピタキシャル層の抵抗率をさらに増加させるために、鉄または炭素をドープすることができる。AlGaNとGaNとの間のバンドギャップ差は、降伏に対するさらなる障壁を提供することができる。
【0036】
[0054]図7は、本発明の別の実施形態による加工基板構造102上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。加工基板102は、その上に形成された薄いシリコン(Si)層120を有するセラミック基板110を含むことができる。シリコン層120は、単結晶層とすることができ、その後のエピタキシャル成長のための表面を提供することができる。セラミック基板110は、後続のエピタキシャル層のうちの1つまたは複数のCTEと実質的に一致するCTEを有することができる。
【0037】
[0055]図7において、エピタキシャル構造740は、C-GaN(またはFe-GaN)および非ドープのGaN(u-GaN)層の交互の層を成長させることによって形成され、改善された結晶品質を有する高抵抗を提供する。u-GaNは通常、C-GaNまたはFe-GaNと比較してより高い温度で成長し、より高い成長温度は通常より高品質の結晶に関連するので、超格子におけるu-GaNの存在によって、より高い結晶品質を得ることができる。したがって、この構造は、結晶品質を改善しながら高い降伏性能を提供するエピタキシャル層の絶縁特性を維持する。いくつかの実施形態では、意図的なドーピングがなくても、成長チャンバ内に存在するドーパントの混入の結果として、u-GaNは1×1016cm-3の程度のバックグラウンドドーピングレベルを有する。低導電率を有するこれらの層は、超格子中のC-GaNまたはFe-GaN層と組み合わせることができ、C-GaNまたはFe-GaN層は、炭素または鉄がバックグラウンド不純物を補償するので、1×1012cm-3程度のバックグラウンドドーピングレベル(自由キャリア密度)を有する。したがって、超格子は、高抵抗および高品質の結晶を提供することができる。
【0038】
[0056]図8は、本発明の別の実施形態による加工基板構造102上に形成されたパワーデバイスを示す簡略化した概略断面図である。加工基板102は、その上に形成された薄いシリコン(Si)層120を有するセラミック基板110を含むことができる。シリコン層120は、単結晶層とすることができ、その後のエピタキシャル成長のための表面を提供することができる。セラミック基板110は、後続のエピタキシャル層のうちの1つまたは複数のCTEと実質的に一致するCTEを有することができる。バッファ層130は、Si層120上にエピタキシャルに形成することができる。図1および図7を参照して上述したように、意図的でなくドープされたGaN(UID-GaN)エピタキシャル層840(あるいはC-GaN(またはFe-GaN)および非ドープのGaN(uGaN)層の交互の層)をバッファ層130上に形成することができる。
【0039】
[0057]さらに図8を参照すると、非ドープの低組成AlGaN層810をUID-GaN層840(あるいはC-GaN(またはFe-GaN)およびuGaNの交互の層)上に形成することができる。非ドープの低組成AlGaN層810をバックバリア層と呼ぶことがある。非ドープの低組成AlGaN層810上に、非ドープのGaN層144を形成することができる。非ドープのGaN層810上に、AlGaN(またはInGaN)層160を形成することができる。AlGaN(またはInGaN)層160をバリア層と呼ぶことがある。AlGaN/GaN界面は、ヘテロ界面での分極誘起電荷により、2次元電子ガス(2DEG)を生じさせることができる。2次元電子ガスは、高電子移動度トランジスタ(HEMT)パワーデバイスの伝導チャネル150を形成する。低組成AlGaN層810(すなわち、バックバリア層)を追加することによって、伝導チャネル150内の電子の保持を高め、後述するように、電子がリーク電流としてUID-GaN層840(あるいはC-GaN(またはFe-GaN)およびuGaNの交互の層)に侵入するのを防ぐことができる。
【0040】
[0058]図9Aは、いくつかの実施形態による、バックバリア層を有しないHEMTの例示的な伝導帯(CB)図を示す。AlGaNバリア層160は、約10%から約100%の範囲のアルミニウムモル分率、および約1nmから約100nmの範囲の厚さdを有することができる。GaN層144(すなわち、チャネル)は、約10nmから約100nmの範囲の厚さdを有することができる。UID-GaN層840は、上述したように高電圧抵抗のために約8μmより大きい厚さdを有することができる。図9Aに示すように、AlGaNバリア層160の伝導帯は、フェルミ準位(E)に対して第1のバリア高さEB1を形成することができ、これは約1eVから約4eVの範囲であり得る。UID-GaN層840の伝導帯は、フェルミ準位(E)に対して第2のバリア高さEB2を形成することができ、これは第1のバリア高さEB1より実質的に低くてもよい。いくつかの実施形態では、EB2は0.2eVから1.5eVの範囲であってもよい。したがって、チャネル(2DEG)150内の電子は、UID-GaN層840に容易に侵入する可能性があり、それによってリーク電流が生じる。
【0041】
[0059]図9Bは、別の実施形態による、低組成AlGaNバックバリア層810を有するHEMTの例示的な伝導帯(CB)図を示す。明確にするために、図9Aに関して示した要素はここでは繰り返さない。低組成AlGaNバックバリア層810は、約1%~約50%、例えば約3%~約15%の範囲のアルミニウムモル分率、および約0.1μm~約1μm、例えば約0.2μm~約0.3μmの範囲の厚さdを有してもよい。いくつかの実施形態では、AlGaNバックバリア層810は非ドープであってもよい。図示するように、低組成のAlGaNバックバリア層810は、図9Aに示すように、フェルミ準位(E)に対して、低組成AlGaNバックバリア層810を用いずにUID-GaN層840によって形成された第2のバリア高さEB2と比較して比較的高い第3のバリア高さEB3を形成することができる。いくつかの実施形態では、EB3は1~3eVの範囲であり得る。したがって、低組成AlGaNバックバリア層810を追加することによって、チャネル(2DEG)内の電子がUID-GaN層に侵入するのを防ぐことができ、それによって基板を通るリーク電流を低減することができる。
【0042】
[0060]図10は、本発明の一実施形態によるパワーデバイスの製造に使用するのに適した基板構造102を示す簡略化した概略断面図である。図10を参照すると、多結晶セラミックコア110を含む、図11に示す要素を含むことができる加工基板102を提供することができる。単結晶成長表面を提供するために、例えば層転写プロセスを使用して、単結晶層120(例えば単結晶シリコン)が多結晶セラミックコア110に接合される。バッファ層130を単結晶層120上に成長させることができ、III-V族エピタキシャル層1040(例えば、GaN)がバッファ層130上に成長される。III-V族エピタキシャル層1040のCTEは、多結晶セラミックコア110のコアのCTEと実質的に一致することができる。III-V族エピタキシャル層1040は単結晶であってもよく、部分的にはCTEが一致するので高品質である。
【0043】
[0061]図11は、本発明のいくつかの実施形態による加工基板構造を示す簡略化した概略図である。図11に示すように、加工基板構造は、様々な電子的および光学的用途に適している可能性がある。加工基板構造は、加工基板構造、例えば、剥離シリコン(111)層1125上に成長するエピタキシャル材料の熱膨張率(CTE)と実質的に一致するCTEを有することができるコア1110(例えば、AlN基板)を含む。
【0044】
[0062]窒化ガリウム(GaN)系材料(GaN系層を含むエピタキシャル層)の成長を含む用途では、コア1110は、多結晶セラミック材料、例えば、酸化イットリウムなどの結合材料を含むことができる多結晶窒化アルミニウム(AlN)であってもよい。多結晶窒化ガリウム(GaN)、多結晶窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、多結晶炭化ケイ素(SiC)、多結晶酸化亜鉛(ZnO)、多結晶三酸化ガリウム(Ga)などを含む他の材料をコアに利用することができる。
【0045】
[0063]コア1110の厚さは、100~1,500μm程度、例えば750μmであってもよい。コア1110は、シェルまたは封入シェルと呼ぶことができる接着層1112に封入されている。一実施形態では、接着層1112は、厚さが1,000Å程度のテトラエチルオルトシリケート(TEOS)酸化物層を含む。他の実施形態では、接着層1112の厚さは、例えば100Åから2,000Åまで変化する。いくつかの実施形態ではTEOS酸化物が接着層1112に利用されるが、後に堆積される層とその下の層または材料(例えば、セラミック、特に多結晶セラミック)との間の接着を提供する他の材料も本発明の実施形態に従って利用することができる。例えば、SiOまたは他の酸化ケイ素(Si)はセラミック材料によく接着し、例えば導電性材料のその後の堆積に適した表面を提供する。接着層1112は、いくつかの実施形態ではコア1110を完全に囲み、完全に封入されたコア1110を形成し、LPCVDプロセスまたは他の適切な堆積プロセスを使用して形成することができ、これは、半導体処理、特に多結晶もしくは複合の基板および層と互換性があり得る。接着層1112は、その上に後続の層が接着して加工基板構造の要素を形成する表面を提供する。
【0046】
[0064]封入接着層を形成するためのLPCVDプロセス、ガラス/誘電体上のスピン塗布、炉に基づくプロセスなどの使用に加えて、CVDプロセスまたは同様の堆積プロセスを含む他の半導体プロセスを本発明の実施形態に従って利用することができる。一例として、コア1110の一部分を被覆する堆積プロセスを利用することができ、コア1110を裏返すことができ、堆積プロセスを繰り返してコア1110のさらなる部分を被覆することができる。したがって、LPCVD技術は、完全に封入された構造を提供するためにいくつかの実施形態で利用されるが、特定の用途に応じて他の膜形成技術を利用することができる。
【0047】
[0065]図11を参照すると、接着層1112を囲むように導電層1114が形成されている。一実施形態では、導電層1114は、ポリシリコン(すなわち、多結晶シリコン)のシェルであり、ポリシリコンはセラミック材料に対する接着力が乏しいので、接着層1112を囲むように形成されている。導電層1114がポリシリコンである実施形態では、ポリシリコン層の厚さは、500~5,000Å程度、例えば2,500Åであり得る。いくつかの実施形態では、ポリシリコン層は、接着層1112(例えば、TEOS酸化物層)を完全に囲むようにシェルとして形成することができ、それによって完全に封入された接着層1112を形成し、LPCVDプロセスを使用して形成することができる。他の実施形態では、後述するように、導電材料は、接着層1112の一部、例えば基板構造の下半分に形成することができる。いくつかの実施形態では、導電性材料を完全封入層として形成し、続いて基板構造の片側で除去することができる。
【0048】
[0066]一実施形態では、導電層1114は、高導電性材料を提供するためにドープされたポリシリコン層、例えばp型ポリシリコン層を提供するためにホウ素でドープされたポリシリコン層とすることができる。いくつかの実施形態では、ホウ素によるドーピングは、高い導電性を提供するために1×1019cm-3~1×1020cm-3のレベルである。異なるドーパント濃度の他のドーパント(例えば、1×1016cm-3~5×1018cm-3の範囲のドーパント濃度のリン、ヒ素、ビスマスなど)を利用して、導電層1114に使用するのに適したn型またはp型半導体材料のいずれかを提供することができる。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0049】
[0067]導電層1114の存在は、加工基板を半導体処理ツール、例えば静電チャック(ESCまたはeチャック)を有するツールに静電チャックする際に有用である。導電層は、半導体処理ツール内で処理した後に迅速なチャック解除を可能にする。本発明の実施形態では、導電層1114は、ボンディングを含む将来の処理中にチャックとの電気的接触またはeチャックへの容量結合を可能にする。したがって、本発明の実施形態は、従来のシリコンウェハと共に利用される方法で処理することができる基板構造を提供する。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。加えて、静電チャックと組み合わせて高い熱伝導率を有する基板構造を有することは、その後の加工層およびエピタキシャル層の形成、ならびにその後のデバイス製造工程のためにより良い堆積条件を与えることができる。例えば、それは、より低い応力、より均一な堆積厚、およびその後の層形成を通してより良好な化学量論制御をもたらすことができる望ましい熱プロファイルを提供することができる。
【0050】
[0068]第2の接着層1116(例えば、厚さが1,000Å程度のTEOS酸化物層)が導電層1114を囲むように形成される。いくつかの実施形態では、第2の接着層1116は、導電層1114を完全に取り囲んで、完全に封入された構造を形成し、LPCVDプロセス、CVDプロセス、またはスピンオン誘電体の堆積を含む任意の他の適切な堆積プロセスを用いて形成することができる。
【0051】
[0069]バリア層1118、例えば窒化シリコン層が、第2の接着層1116を囲むように形成される。一実施形態では、バリア層1118は、厚さが2,000Å~5,000Åの程度の窒化シリコン層である。いくつかの実施形態では、バリア層1118は第2の接着層1116を完全に囲み、完全に封入された構造を形成し、LPCVDプロセスを使用して形成することができる。窒化シリコン層に加えて、SiCN、SiON、AlN、SiCなどを含む非晶質材料をバリア層1118として利用することができる。いくつかの実施態様では、バリア層1118は、バリア層1118を形成するために構築されたいくつかの補助層からなる。したがって、バリア層という用語は、単層または単一材料を意味するのではなく、複合的に積層された1つまたは複数の材料を包含することを意図している。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0052】
[0070]いくつかの実施形態では、バリア層1118、例えば、窒化シリコン層は、コア中に存在する元素、例えば、イットリウム(元素)、酸化イットリウム(すなわち、イットリア)、酸素、金属不純物、および他の微量元素などが、例えば高温(例えば1,000℃)のエピタキシャル成長プロセス中に加工基板が存在する可能性がある半導体処理チャンバの環境内へ拡散および/またはガス放出するのを防ぐ。本明細書に記載の封入層を利用して、非クリーンルーム環境用に設計された多結晶AlNを含むセラミック材料を半導体プロセスフローおよびクリーンルーム環境で利用することができる。
【0053】
[0071]通常、コアを形成するために利用されるセラミック材料は、1,800℃の範囲の温度で焼成される。このプロセスはセラミック材料中に存在するかなりの量の不純物を追い出すであろうと予想される。これらの不純物は、焼結剤としてのイットリアの使用から生じるイットリウム、カルシウム、ならびに他の元素および化合物を含む可能性がある。続いて、800℃~1,100℃の範囲のはるかに低い温度で行われるエピタキシャル成長プロセスの間、これらの不純物のその後の拡散は重要ではないと予想されるであろう。しかしながら、従来の予想に反して、本発明者らは、セラミック材料の焼成温度よりもはるかに低い温度でのエピタキシャル成長プロセスの間でさえも、加工基板の層を通して元素の有意な拡散が存在することを突き止めた。したがって、本発明の実施形態は、この望ましくない拡散を防ぐためにバリア層1118を加工基板構造に統合する。
【0054】
[0072]再び図11を参照すると、接合層1120(例えば、酸化シリコン層)が、バリア層1118の一部分、例えば、バリア層1118の上面に堆積され、続いて実質的単結晶層1125(例えば、図11に示す剥離シリコン(111)層などの単結晶シリコン層)の接合中に使用される。接合層1120は、いくつかの実施形態では、厚さが約1.5μmであってもよい。いくつかの実施形態では、接合層1120の厚さは、結合誘起ボイド軽減のために20nm以上である。いくつかの実施形態では、接合層1120の厚さは0.75~1.5μmの範囲である。
【0055】
[0073]実質的単結晶層1125(例えば、剥離したSi(111))は、エピタキシャル材料を形成するためのエピタキシャル成長プロセス中の成長層としての使用に適している。いくつかの実施形態では、エピタキシャル材料は、厚さが2μmから10μmのGaN層を含むことができ、これはオプトエレクトロニクス、RF、およびパワーデバイスで利用される複数の層のうちの1つとして利用することができる。一実施形態では、実質的単結晶層1125は、層転写プロセスを使用して接合層1120に付着された単結晶シリコン層を含む。
【0056】
[0074]加工基板構造に関するさらなる説明は、2017年6月13日に出願された米国特許出願第15/621,335号、および2017年6月13日に出願された米国特許出願第15/621,235号に提供されており、それらの開示は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0057】
[0075]図12は、本発明の一実施形態による加工基板1200を示す簡略化した概略断面図である。図12に示す加工基板1200は、様々な電子用途および光学用途に適している。加工基板1200は、加工基板1200上に成長するエピタキシャル材料の熱膨張率(CTE)と実質的に一致するCTEを有することができるコア1210を含む。エピタキシャル材料1230は、加工基板1200の要素として必須ではないが、通常、加工基板1200上に成長されるので、オプションとして示されている。
【0058】
[0076]窒化ガリウム(GaN)系材料(GaN系層を含むエピタキシャル層)の成長を含む用途では、コア1210は、酸化イットリウムなどの結合材料を含むことができる多結晶窒化アルミニウム(AlN)などの多結晶セラミック材料であってもよい。多結晶窒化ガリウム(GaN)、多結晶窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、多結晶炭化ケイ素(SiC)、多結晶酸化亜鉛(ZnO)、多結晶三酸化ガリウム(Ga)などを含む他の材料をコア1210に利用することができる。
【0059】
[0077]コア1210の厚さは、100μm~1,500μm程度、例えば725μmであってもよい。コア1210は、シェルまたは封入シェルと呼ぶことができる接着層1212に封入されている。一実施形態では、接着層1212は、厚さが1,000Å程度のテトラエチルオルトシリケート(TEOS)酸化物層を含む。他の実施形態では、接着層の厚さは、例えば100Åから2,000Åまで変化する。いくつかの実施形態ではTEOS酸化物が接着層に利用されるが、後に堆積される層とその下の層または材料(例えば、セラミック、特に多結晶セラミック)との間の接着を提供する他の材料も本発明の実施形態に従って利用することができる。例えば、SiOまたは他の酸化ケイ素(Si)はセラミック材料によく接着し、例えば導電性材料のその後の堆積に適した表面を提供する。いくつかの実施形態では、接着層1212はコア1210を完全に囲み、完全に封入されたコアを形成する。接着層1212は、低圧化学気相堆積(LPCVD)プロセスを使用して形成することができる。接着層1212は、その上に後続の層が接着して加工基板1200構造の要素を形成する表面を提供する。
【0060】
[0078]封入する第1の接着層1212を形成するためのLPCVDプロセス、炉に基づくプロセスなどの使用に加えて、CVDプロセスまたは同様の堆積プロセスを含む他の半導体プロセスを本発明の実施形態に従って利用することができる。一例として、コアの一部分を被覆する堆積プロセスを利用することができ、コア1210を裏返すことができ、堆積プロセスを繰り返してコアのさらなる部分を被覆することができる。したがって、LPCVD技術は、完全に封入された構造を提供するためにいくつかの実施形態で利用されるが、特定の用途に応じて他の膜形成技術を利用することができる。
【0061】
[0079]接着層1212を囲むように導電層1214が形成されている。一実施形態では、導電層1214は、ポリシリコン(すなわち、多結晶シリコン)のシェルであり、ポリシリコンはセラミック材料に対する接着力が乏しいので、第1の接着層1212を囲むように形成されている。導電層1214がポリシリコンである実施形態では、ポリシリコン層の厚さは、500~5,000Å程度、例えば2,500Åであり得る。いくつかの実施形態では、ポリシリコン層は、第1の接着層1212(例えば、TEOS酸化物層)を完全に囲むようにシェルとして形成することができ、それによって完全に封入された第1の接着層1212を形成し、LPCVDプロセスを使用して形成することができる。他の実施形態では、後述するように、導電材料は、接着層の一部、例えば基板構造の下半分に形成することができる。いくつかの実施形態では、導電性材料を完全封入層として形成し、続いて基板構造の片側で除去することができる。
【0062】
[0080]一実施形態では、導電層1214は、高導電性材料を提供するためにドープされたポリシリコン層、例えばP型ポリシリコン層を提供するためにホウ素でドープされたポリシリコン層とすることができる。いくつかの実施形態では、ホウ素によるドーピングは、高い導電性を提供するために1×1019cm-3~1×1020cm-3のレベルである。異なるドーパント濃度の他のドーパント(例えば、1×1016cm-3~5×1018cm-3の範囲のドーパント濃度のリン、ヒ素、ビスマスなど)を利用して、導電層1214に使用するのに適したN型またはP型半導体材料のいずれかを提供することができる。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0063】
[0081]導電層1214の存在は、加工基板1200の半導体処理ツール、例えば静電放電チャック(ESC)を有するツールへの静電チャックする際に有用である。導電層1214は、半導体処理ツール内で処理した後に迅速なチャック解除を可能にする。したがって、本発明の実施形態は、従来のシリコンウェハと共に利用される方法で処理することができる基板構造を提供する。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0064】
[0082]第2の接着層1216(例えば、厚さが1,000Å程度のTEOS酸化物層)が導電層1214を囲むように形成される。いくつかの実施形態では、第2の接着層1216は導電層1214を完全に囲み、完全に封入された構造を形成する。第2の接着層1216は、LPCVDプロセス、CVDプロセス、またはスピンオン誘電体の堆積を含む任意の他の適切な堆積プロセスを使用して形成することができる。
【0065】
[0083]バリア層1218、例えば窒化シリコン層が、第2の接着層1216を囲むように形成される。一実施形態では、バリア層1218は、厚さが4,000Å~5,000Åの程度の窒化シリコン層である。いくつかの実施形態では、バリア層1218は第2の接着層1216を完全に囲み、完全に封入された構造を形成し、LPCVDプロセスを使用して形成することができる。窒化シリコン層に加えて、SiCN、SiON、AlN、SiCなどを含む非晶質材料をバリア層として利用することができる。いくつかの実施態様では、バリア層は、バリア層を形成するために構築されたいくつかの補助層からなる。したがって、バリア層という用語は、単層または単一材料を意味するのではなく、複合的に積層された1つまたは複数の材料を包含することを意図している。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0066】
[0084]いくつかの実施形態では、バリア層1218、例えば窒化シリコン層は、コア1210内に存在する元素の、例えば、高温(例えば、1,000℃)エピタキシャル成長プロセス中に加工基板1200が存在し得る半導体処理チャンバの環境への拡散および/またはガス放出を防止する。コア1210内に存在する元素は、例えば、酸化イットリウム(すなわち、イットリア)、酸素、金属不純物、他の微量元素などを含むことができる。コア1210から拡散した元素は、加工層1220/1222に意図しないドーピングを引き起こす可能性がある。コア1210から放出された元素は、チャンバを通って移動し、ウェハ上の他の場所に吸着し、加工層1220/1222およびエピタキシャル材料1230に不純物を生じさせる可能性がある。本明細書に記載の封入層を利用して、非クリーンルーム環境用に設計された多結晶AlNを含むセラミック材料を半導体プロセスフローおよびクリーンルーム環境で利用することができる。
【0067】
[0085]接合層1220(例えば、酸化シリコン層)が、バリア層1218の一部分、例えば、バリア層の上面に堆積され、続いて単結晶層1222の接合中に使用される。接合層1220は、いくつかの実施形態では、厚さが約1.5μmであってもよい。単結晶層1222は、例えば、Si、SiC、サファイア、GaN、AlN、SiGe、Ge、ダイヤモンド、Ga、AlGaN、InGaN、InN、および/またはZnOを含むことができる。いくつかの実施形態では、単結晶層1222は0~0.5μmの厚さを有することができる。単結晶層1222は、エピタキシャル材料1230を形成するためのエピタキシャル成長プロセス中の成長層としての使用に適している。エピタキシャル材料1230の結晶層は、単結晶層1222に関連する下層の半導体格子の延長部である。加工基板1200の独自のCTE整合特性は、既存の技術よりも厚いエピタキシャル材料1230の成長を可能にする。いくつかの実施形態では、エピタキシャル材料1230は、厚さが2μm~10μmの窒化ガリウム層を含み、これは、光電子デバイス、パワーデバイスなどで利用される複数の層のうちの1つとして利用することができる。他の実施形態では、エピタキシャル材料1230は厚さが10μmよりも大きく、複数のエピタキシャル層を含むエピタキシャル構造であってもよい。一実施形態では、接合層1220は、層転写プロセスを使用して酸化シリコンバリア層1218に取り付けられている単結晶シリコン層を含む。
【0068】
[0086]図13は、本発明の一実施形態による加工基板構造を示す簡略化した概略図である。図13に示す加工基板1300は、様々な電子用途および光学用途に適している。加工基板は、加工基板1300上に成長するエピタキシャル材料1230の熱膨張率(CTE)と実質的に一致するCTEを有することができるコア1310を含む。エピタキシャル材料1230は、加工基板構造の要素として必須ではないが、通常、加工基板構造上に成長するので、オプションとして示されている。
【0069】
[0087]窒化ガリウム(GaN)系材料(GaN系層を含むエピタキシャル層)の成長を含む用途では、コア1310は、多結晶セラミック材料、例えば、多結晶窒化アルミニウム(AlN)であってもよい。コア1310の厚さは、100~1,500μm程度、例えば725μmであってもよい。コア1310は、シェルまたは封入シェルと呼ぶことができる第1の接着層1312に封入されている。この実施態様では、第1の接着層1312はコアを完全に封入するが、図14に関してさらに詳細に説明するように、これは本発明によって必要とされない。
【0070】
[0088]一実施形態では、第1の接着層1312は、厚さが1,000Å程度のテトラエチルオルトシリケート(TEOS)層を含む。他の実施形態では、第1の接着層1312の厚さは、例えば100Åから2,000Åまで変化する。いくつかの実施形態ではTEOSが接着層に利用されるが、後に堆積される層とその下の層または材料との間の接着を提供する他の材料も本発明の実施形態に従って利用することができる。例えば、SiO、SiONなどは、セラミック材料によく接着し、その後の、例えば導電性材料の堆積に適した表面を提供する。いくつかの実施形態では、第1の接着層1312は、コア1310を完全に囲み、完全に封入されたコアを形成し、LPCVDプロセスを使用して形成することができる。接着層1312は、その上に後続の層が接着して加工基板構造の要素を形成する表面を提供する。
【0071】
[0089]封入する接着層1312を形成するためのLPCVDプロセス、炉に基づくプロセスなどの使用に加えて、他の半導体プロセスを本発明の実施形態に従って利用することができる。一例として、コア1310の一部を被覆する堆積プロセス、例えばCVD、PECVDなどを利用することができ、コア1310を裏返すことができ、堆積プロセスを繰り返してコアのさらなる部分を被覆することができる。
【0072】
[0090]第1の接着層1312の少なくとも一部の上に導電層1314が形成される。一実施形態では、導電層1314は、コア/接着層構造の下部(例えば下半分または裏面)上に堆積プロセスによって形成されたポリシリコン(すなわち多結晶シリコン)を含む。導電層1314がポリシリコンである実施形態では、ポリシリコン層の厚さは、数千オングストロームの程度、例えば3,000Åであってもよい。いくつかの実施形態では、ポリシリコン層はLPCVDプロセスを使用して形成することができる。
【0073】
[0091]一実施形態では、導電層1314は、高導電性材料を提供するためにドープされたポリシリコン層とすることができ、例えば、導電層1314をホウ素でドープしてp型ポリシリコン層を提供することができる。いくつかの実施形態では、ホウ素によるドーピングは、高い導電性を提供するために、約1×1019cm-3~1×1020cm-3の範囲のレベルである。導電層1314の存在は、加工基板を半導体処理ツール、例えば静電チャック(ESC)を有するツールに静電チャックする際に有用である。導電層1314は、処理後の迅速なチャック解除を可能にする。したがって、本発明の実施形態は、従来のシリコンウェハと共に利用される方法で処理することができる基板構造を提供する。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0074】
[0092]第2の接着層1316(例えば、第2のTEOS層)は、導電層1314(例えば、ポリシリコン層)を囲むように形成される。第2の接着層1316の厚さは1,000Åの程度である。いくつかの実施形態では、第2の接着層1316は、第1の接着層1312と同様に導電層1314を完全に取り囲み、完全に封入された構造を形成することができ、LPCVDプロセスを使用して形成することができる。他の実施形態では、第2の接着層1316は、導電層1314を部分的にのみ囲み、例えば、導電層1314の上面と位置合わせされ得る平面1317によって示される位置で終端する。この例では、導電層1314の上面はバリア層1318の一部と接触する。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0075】
[0093]第2の接着層1316を囲むようにバリア層1318(例えば、窒化シリコン層)が形成される。いくつかの実施形態では、バリア層1318の厚さは4,000Å~5,000Åの程度である。いくつかの実施形態では、バリア層1318は第2の接着層1316を完全に囲み、完全に封入された構造を形成し、LPCVDプロセスを使用して形成することができる。
【0076】
[0094]いくつかの実施形態では、窒化シリコンバリア層の使用は、コア1310中に存在する元素、例えば、酸化イットリウム(すなわち、イットリア)、酸素、金属不純物、および他の微量元素などが、例えば高温(例えば1,000℃)のエピタキシャル成長プロセス中に加工基板が存在する可能性がある半導体処理チャンバの環境内へ拡散および/またはガス放出するのを防ぐ。本明細書に記載の封入層を利用して、非クリーンルーム環境用に設計された多結晶AlNを含むセラミック材料を半導体プロセスフローおよびクリーンルーム環境で利用することができる。
【0077】
[0095]図14は、本発明の別の実施形態による加工基板構造を示す簡略化した概略図である。図14に示す実施形態では、第1の接着層1412はコア1410の少なくとも一部の上に形成されているが、コア1410を封入していない。この実施態様では、第1の接着層1412は、以下でより完全に説明するように、後に形成される導電層1414の接着を強化するために、コア1410の下面(コア1410の裏面)に形成される。接着層1412は図14ではコア1410の下面にしか示されていないが、コア1410の他の部分上への接着層材料の堆積は加工基板構造の性能に悪影響を及ぼすことはなく、そのような材料は様々な実施形態に存在し得ることが理解されよう。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0078】
[0096]導電層1414は、第1の接着層1412およびコア1410を封入しないが、第1の接着層1412と実質的に位置合わせされている。導電層1414は、第1の接着層1412の底部または裏面および側面の一部に沿って延在するように図示されているが、垂直側面に沿った延長は本発明によって必要とされない。したがって、実施形態は、基板構造の片面への堆積、基板構造の片面のマスキングなどを利用することができる。導電層1414は、第1の接着層1412の一方の面、例えば底面/裏面の一部に形成することができる。導電層1414は、加工基板構造の一方の面上に電気伝導を提供し、これはRFおよび高電力用途において有利であり得る。導電層1414は、図13の導電層1314に関して説明したようにドープされたポリシリコンを含むことができる。
【0079】
[0097]コア1410の一部、第1の接着層1412の一部、および導電層1414は、バリア層1418の下にある材料への接着を強化するために、第2の接着層1416で覆われている。バリア層1418は、上述したように、下にある層からの拡散を防ぐための封入構造を形成する。
【0080】
[0098]半導体ベースの導電層に加えて、他の実施形態では、導電層1414は金属層、例えば500Åのチタンなどである。
【0081】
[0099]再度図14を参照すると、実施態様に応じて、1つまたは複数の層を除去することができる。例えば、層1412、1414を除去して、単一の接着シェル1416とバリア層1418だけを残すことができる。別の実施形態では、層1414のみを除去することができる。この実施形態では、層1412はまた、層1418の上に堆積された、層1220によって引き起こされる応力とウェハの反りとのバランスをとることができる。コア1410の上面に絶縁層を有する(例えば、コア1410と層1220との間に絶縁層のみを有する)基板構造の構築は、高絶縁基板が望ましい、パワー/RF用途に利益をもたらすであろう。
【0082】
[0100]別の実施形態では、バリア層1418がコア1410を直接封入し、続いて導電層1414およびそれに続く接着層1416を封入してもよい。この実施形態では、層1220は上面から接着層1416上に直接堆積させることができる。さらに別の実施形態では、接着層1416をコア1410上に堆積させ、続いてバリア層1418を堆積させ、次に導電層1414、および別の接着層1412を堆積させることができる。
【0083】
[0101]図15は、本発明の実施形態による加工基板を製造する方法1500を示す簡略化したフローチャートである。この方法1500を利用して、基板上に成長させたエピタキシャル層のうちの1つまたは複数とCTE整合した基板を製造することができる。方法1500は、多結晶セラミックコアを提供することによって支持構造を形成するステップ(1510)と、シェル(例えば、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)酸化物シェル)を形成する第1の接着層内に多結晶セラミックコアを封入するステップ(1512)と、第1の接着層を導電性シェル(例えば、ポリシリコンシェル)内に封入するステップ(1514)と、を含む。第1の接着層はTEOS酸化物の単層として形成することができる。導電性シェルは、ポリシリコンの単層として形成することができる。
【0084】
[0102]本方法1500はまた、導電性シェルを第2の接着層(例えば、第2のTEOS酸化物シェル)内に封入するステップ(1516)と、バリア層シェル内に第2の接着層を封入するステップ(1518)と、を含む。第2の接着層はTEOS酸化物の単層として形成することができる。バリア層シェルは、窒化シリコンの単層として形成することができる。
【0085】
[0103]支持構造が処理1510~1518によって形成されると、本方法1500は、支持構造に接合層(例えば、酸化シリコン層)を接合するステップ(1520)と、実質的単結晶層、例えば、単結晶シリコン層を酸化シリコン層に接合するステップ(1522)と、をさらに含む。本発明の実施形態によれば、SiC、サファイア、GaN、AlN、SiGe、Ge、ダイヤモンド、Ga、ZnOなどを含む他の実質的単結晶層を使用することができる。接合層の接合は、接合材料の堆積とそれに続く本明細書に記載の平坦化プロセスを含むことができる。後述する実施形態では、実質的単結晶層(例えば、単結晶シリコン層)を接合層に接合するステップは、層がシリコンウェハから転写される単結晶シリコン層である、層転写プロセスを利用する。
【0086】
[0104]図12を参照すると、接合層1220は、厚い(例えば、厚さ4μmの)酸化物層を堆積し、続いて酸化物を厚さ約1.5μmまで薄くする化学機械研磨(CMP)処理によって形成することができる。支持構造上に存在するボイドおよび表面特徴部は多結晶コアの製造後に存在することがあり、図12に示す封入層が形成されるときに存在し続けることがあるが、厚い初期酸化物はこれらを埋めるのに役立つ。酸化物層はデバイスの誘電体層としても機能する。CMP処理は、ボイド、粒子、または他の特徴部を含まない実質的に平坦な表面を提供し、それは単結晶層1222(例えば、単結晶シリコン層)を接合層1220に接合するためにウェハ転写プロセス中に使用することができる。接合層は、原子的に平坦な表面によって特徴付けられる必要はないが、所望の信頼性で単結晶層(例えば、単結晶シリコン層)の結合を支持するであろう実質的に平坦な表面を提供すべきであることが理解されよう。
【0087】
[0105]単結晶層1222(例えば、単結晶シリコン層)を接合層1220に接合するために、層転写プロセスが使用される。いくつかの実施形態では、実質的単結晶層1222(例えば、単結晶シリコン層)を含むシリコンウェハが劈開面を形成するために注入される。この実施形態では、ウェハ接合後に、劈開面の下の単結晶シリコン層の部分と共にシリコン基板を除去することができ、その結果、剥離された単結晶シリコン層が得られる。単結晶層1222の厚さは、様々な用途の仕様を満たすように変えることができる。さらに、単結晶層1222の結晶方位は、用途の仕様を満たすように変えることができる。さらに、単結晶層におけるドーピングレベルおよびプロファイルは、特定の用途の仕様に合うように変えることができる。いくつかの実施形態では、注入の深さは、単結晶層1222の所望の最終厚さよりも大きくなるように調整することができる。追加の厚さは、損傷を受けている転写された実質的単結晶層の薄い部分の除去を可能にし、所望の最終厚さの損傷を受けていない部分を残す。いくつかの実施形態では、表面粗さは高品質のエピタキシャル成長のために修正することができる。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0088】
[0106]いくつかの実施形態では、単結晶層1222は、1つまたは複数のエピタキシャル層のその後の成長のための高品質の格子テンプレートを提供するのに十分な厚さであるが、非常にコンプライアントであるように十分に薄くすることができる。単結晶層1222は、その物理的性質があまり制約されず、結晶欠陥を発生させる傾向がより少なくそれを取り囲む材料のそれらの特性を模倣することができるように比較的薄い場合に「コンプライアント」であると言える。単結晶層1222のコンプライアンスは、単結晶層1222の厚さに反比例することがある。コンプライアンスが高いほど、テンプレート上に成長したエピタキシャル層の欠陥密度が低くなり、より厚いエピタキシャル層の成長が可能になる。いくつかの実施形態では、単結晶層1222の厚さは、剥離シリコン層上にシリコンをエピタキシャル成長させることによって増加させることができる。
【0089】
[0107]いくつかの実施形態では、単結晶層1222の最終的な厚さを調整することは、剥離シリコン層の上部の熱酸化、それに続くフッ化水素(HF)酸による酸化物層の剥離により達成することができる。例えば、0.5μmの初期厚さを有する剥離シリコン層を熱酸化して、厚さ約420nmの二酸化シリコン層を形成することができる。成長した熱酸化物を除去した後に、転写層内の残りのシリコン厚は約53nmになり得る。熱酸化中に、注入された水素は表面に向かって移動することがある。したがって、後続の酸化物層の剥離はいくらかの損傷を除去することができる。また、熱酸化は通常1000℃以上の温度で行われる。高温でも格子損傷を修復することができる。
【0090】
[0108]熱酸化中に単結晶層の上部に形成された酸化シリコン層は、HF酸エッチングを用いて剥離することができる。HF酸による酸化シリコンとシリコン(SiO:Si)との間のエッチング選択性は、HF溶液の温度および濃度ならびに酸化シリコンの化学量論および密度を調整することによって調整することができる。エッチング選択性は、ある材料の他の材料に対するエッチング速度を指す。HF溶液の選択性は、(SiO2:Si)に対して約10:1~約100:1の範囲であり得る。高いエッチング選択性は、初期の表面粗さから同様の要因で表面粗さを低減することができる。しかしながら、結果として得られる単結晶層1222の表面粗さは依然として所望よりも大きい可能性がある。例えば、バルクSi(111)表面は、追加の処理の前に2μm×2μm原子間力顕微鏡(AFM)スキャンによって決定されるように、0.1nm未満の二乗平均平方根(RMS)表面粗さを有する場合がある。いくつかの実施形態では、Si(111)上に窒化ガリウム材料をエピタキシャル成長させるための所望の表面粗さは、30μm×30μmのAFMスキャン領域上で、例えば、1nm未満、0.5nm未満、または0.2nm未満であり得る。
【0091】
[0109]熱酸化および酸化物層剥離後の単結晶層1222の表面粗さが所望の表面粗さを超える場合には、追加の表面平滑化を実行することができる。シリコン表面を平滑化する方法はいくつかある。これらの方法は、水素アニーリング、レーザートリミング、プラズマ平滑化、およびタッチポリッシュ(例えば、CMP)を含むことができる。これらの方法は、高アスペクト比の表面ピークの優先的攻撃を含んでもよい。したがって、表面上の高アスペクト比の特徴部は、低アスペクト比の特徴部よりも迅速に除去することができ、したがってより滑らかな表面が得られる。
【0092】
[0110]図15に示す特定のステップは、本発明の一実施形態による加工基板を製造する特定の方法を提供することを理解されたい。代替的な実施形態によれば、他の一連のステップも実行することができる。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行することができる。さらに、図15に示す個々のステップは、個々のステップに適切であるように様々な順序で実行することができる複数のサブステップを含んでもよい。さらに、特定の用途に応じて、さらなるステップを追加または削除することができる。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0093】
[0111]図16は、本発明のいくつかの実施形態による、加工基板上に多層デバイスを作製するための方法1600を示す簡略化したフローチャートである。加工基板は、基板熱膨張係数を有する。図1および図2を参照すると、加工基板102は、その上に形成された薄いシリコン(Si)層120または薄いシリコンゲルマニウム(SiGe)層220を有するセラミック基板110を含むことができる。
【0094】
[0112]図1図2、および図16を参照すると、方法1600は、加工基板102上にバッファ層130を成長させるステップ(1602)と、バッファ層130に結合された第1のエピタキシャル層142を成長させるステップ(1604)と、を含むことができる。第1のエピタキシャル層142は、基板熱膨張係数と実質的に等しいエピタキシャル熱膨張係数によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、第1のエピタキシャル層142はドープされた窒化ガリウム(GaN)を含むことができる。図6を参照すると、いくつかの他の実施形態では、第1のエピタキシャル層142は、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を含むことができる。
【0095】
[0113]方法1600は、第1のエピタキシャル層142に結合された非ドープのGaNを含む第2のエピタキシャル層144を成長させるステップと、第2のエピタキシャル層144に結合された第3のエピタキシャル層160を成長させるステップと、をさらに含むことができる。第2のエピタキシャル層144と第3のエピタキシャル層160との間の界面は、高電子移動度トランジスタ(HEMT)の伝導チャネル150を形成することができる。いくつかの実施形態では、第3のエピタキシャル層160は、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)または窒化インジウムアルミニウム(InAlN)を含むことができる。
【0096】
[0114]図3を参照すると、いくつかの実施形態では、方法1600は、加工基板102を貫通して実質的単結晶層120に電気的に結合された電気コンタクト310を形成するステップをさらに含むことができる。図4を参照すると、いくつかの他の実施形態では、方法1600は、バッファ層130と第1のエピタキシャル層142との間に配置された導電性エピタキシャル層420を成長させるステップと、第1のエピタキシャル層142を貫通して導電性エピタキシャル層420に電気的に結合された電気コンタクト410を形成するステップと、をさらに含むことができる。図5を参照すると、いくつかの実施形態では、方法1600は、バッファ層130と導電性エピタキシャル層420との間に配置された窒化シリコン(Si)の部分単層510を形成するステップをさらに含むことができる。
【0097】
[0115]図16に示す特定のステップは、本発明の一実施形態による加工基板を製造する特定の方法を提供することを理解されたい。代替的な実施形態によれば、他の一連のステップも実行することができる。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行することができる。さらに、図16に示す個々のステップは、個々のステップに適切であるように様々な順序で実行することができる複数のサブステップを含んでもよい。さらに、特定の用途に応じて、さらなるステップを追加または削除することができる。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0098】
[0116]図17は、本発明のいくつかの他の実施形態による、加工基板上に多層デバイスを作製するための方法1700を示す簡略化したフローチャートである。加工基板は、基板熱膨張係数を有する。図7を参照すると、加工基板102は、その上に形成された薄いシリコン(Si)層120を有するセラミック基板110を含むことができる。
【0099】
[0117]図7および図17を参照すると、方法1700は、加工基板102上にバッファ層130を形成するステップ(1702)と、バッファ層130上に1つまたは複数のエピタキシャル層740を成長させるステップ(1704)と、を含むことができる。1つまたは複数のエピタキシャル層740のうちの少なくとも1つは、基板熱膨張係数と実質的に等しいエピタキシャル熱膨張係数によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のエピタキシャル層740は、非ドープのGaNとドープされたGaNとの交互の層の超格子を含むことができる。ドープされたGaNは、炭素がドープされたGaN(C-GaN)または鉄がドープされたGaN(Fe-GaN)を含むことができる。バッファ層130は、AlN、AlGaN、またはAlN/AlGaNのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0100】
[0118]方法1700は、1つまたは複数のエピタキシャル層740に結合された非ドープのGaN層144を成長させるステップと、非ドープのGaN層144に結合された窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)または窒化インジウムアルミニウム(InAlN)を含む第1のエピタキシャル層160を成長させるステップと、をさらに含むことができる。非ドープのGaN層144と第1のエピタキシャル層160との間の界面は、高電子移動度トランジスタ(HEMT)の伝導チャネル150を形成することができる。
【0101】
[0119]図17に示す特定のステップは、本発明の一実施形態による加工基板を製造する特定の方法を提供することを理解されたい。代替的な実施形態によれば、他の一連のステップも実行することができる。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行することができる。さらに、図17に示す個々のステップは、個々のステップに適切であるように様々な順序で実行することができる複数のサブステップを含んでもよい。さらに、特定の用途に応じて、さらなるステップを追加または削除することができる。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0102】
[0120]図18は、本発明のいくつかのさらなる実施形態による、加工基板上に多層デバイスを作製するための方法1800を示す簡略化したフローチャートである。加工基板は、基板熱膨張係数を有する。図8を参照すると、加工基板102は、その上に形成された薄いシリコン(Si)層120を有するセラミック基板110を含むことができる。
【0103】
[0121]図8および図18を参照すると、方法1800は、加工基板102上にバッファ層130を形成するステップ(1802)と、バッファ層130に結合された第1のエピタキシャル層840を成長させるステップ(1804)と、を含むことができる。第1のエピタキシャル層840は、基板熱膨張係数と実質的に等しいエピタキシャル熱膨張係数によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、第1のエピタキシャル層840は、意図的でなくドープされたGaN(UID-GaN)を含むことができる。いくつかの他の実施形態では、第1のエピタキシャル層840は、非ドープのGaNとドープされたGaNの交互の層を含むことができる。いくつかの実施形態では、ドープされたGaNは、炭素がドープされたGaN(C-GaN)または鉄がドープされたGaN(Fe-GaN)を含むことができる。
【0104】
[0122]方法1800は、第1のエピタキシャル層840に結合された窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)バックバリア層810を成長させるステップ(1806)と、AlGaNバックバリア層810に結合された非ドープの窒化ガリウム(GaN)層144を成長させるステップ(1808)と、非ドープのGaN層144に結合されたバリア層160を成長させるステップ(1810)と、をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、AlGaNバックバリア層810は、約3%~約15%の範囲のアルミニウムモル分率を有する。いくつかの実施形態によれば、バリア層160は、AlGaNまたはInGaNを含むことができる。
【0105】
[0123]図18に示す特定のステップは、本発明の一実施形態による加工基板を製造する特定の方法を提供することを理解されたい。代替的な実施形態によれば、他の一連のステップも実行することができる。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行することができる。さらに、図18に示す個々のステップは、個々のステップに適切であるように様々な順序で実行することができる複数のサブステップを含んでもよい。さらに、特定の用途に応じて、さらなるステップを追加または削除することができる。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0106】
[0124]いくつかの実施形態は層に関して論じられてきたが、層という用語は、層が対象となる層を形成するために構築されるいくつかの補助層を含むことができるように理解されるべきである。したがって、層という用語は、単一材料からなる単一層を意味するのではなく、所望の構造を形成するために複合的に積層された1つまたは複数の材料を包含することを意図している。当業者であれば、多くの変形例、修正例、および代替例を認識するであろう。
【0107】
[0125]また、本明細書に記載された実施例および実施形態は、説明の目的のみのためであり、それを考慮して様々な修正または変更が当業者に示唆され、それは本出願の趣旨および範囲、ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
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